(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-27
(45)【発行日】2023-08-04
(54)【発明の名称】ワイヤレス患者監視システムおよび方法
(51)【国際特許分類】
A61B 5/00 20060101AFI20230728BHJP
【FI】
A61B5/00 102A
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021099344
(22)【出願日】2021-06-15
(62)【分割の表示】P 2018511028の分割
【原出願日】2016-08-31
【審査請求日】2021-07-14
(32)【優先日】2015-08-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2015-08-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2015-08-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2015-08-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500000212
【氏名又は名称】マシモ・コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】アマー・アル-アリ
(72)【発明者】
【氏名】コーネリアス・ラス
【審査官】▲高▼原 悠佑
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2014/047205(WO,A1)
【文献】特開2010-000286(JP,A)
【文献】特開2007-296266(JP,A)
【文献】特開2003-322569(JP,A)
【文献】特開2012-237670(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0219542(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0057562(US,A1)
【文献】国際公開第2016/185905(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 5/00ー5/0538
A61B 5/06ー5/398
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者の1つまたは複数の生理学的パラメータを監視するためのウェアラブル生理学的センサであって、前記ウェアラブル生理学的センサは、
ハウジングと、
前記患者の皮膚に前記ハウジングを固定するように構成されている基部と、
前記ハウジング内に位置決めされている回路基板であって、前記回路基板は、第1の表面と前記第1の表面の反対側の第2の表面とを含み、前記基部およびハウジングが前記患者の皮膚に固定されているとき、前記第2の表面は、前記第1の表面よりも前記患者の皮膚に近接して位置決めされるように構成されており、前記回路基板は、前記回路基板の外面の周りから間隔が空けられ、かつ、前記回路基板を貫通する複数の開口を含む、回路基板と、
前記回路基板の前記第1の表面と、前記回路基板を貫通する前記複数の開口との上方の前記ハウジング内に位置決めされている温度センサと、
前記回路基板の前記第2の表面と、前記複数の開口との下方に位置決めされている熱伝導性材料であって、前記熱伝導性材料は、前記患者の熱エネルギーを前記複数の開口に向かって伝達するように構成されており、前記複数の開口は、前記熱エネルギーが前記温度センサに向かって前記回路基板を通過することを可能にするように構成されている、熱伝導性材料と、
前記ハウジングおよび前記基部のうちの少なくとも1つ内に位置決めされており、前記回路基板と電気的に通信する第1の電極であって、前記第1の電極は、前記患者の心臓の電気的活動に応答する1つまたは複数の電気信号を伝達するように構成されている、第1の電極と、
前記ハウジングおよび前記基部から離れて位置決めされており、リードを介して前記回路基板と電気的に通信するために構成されている第2の電極であって、前記第2の電極は、前記患者の心臓の電気的活動に応答する1つまたは複数の電気信号を伝達するように構成されている、第2の電極と、
前記温度センサと、前記第1および第2の電極と通信するプロセッサであって、前記プロセッサは、前記熱エネルギーと前記1つまたは複数の電気信号とに応答して1つまたは複数の信号を生成するように構成されている、プロセッサと
を備える、ウェアラブル生理学的センサ。
【請求項2】
前記回路基板上に装着されている、前記患者の角速度に応答するジャイロスコープをさらに備える請求項1に記載のウェアラブル生理学的センサ。
【請求項3】
前記基部は、前記ウェアラブル生理学的センサが前記患者の身体に固定されている場合、前記ウェアラブル生理学的センサの下の前記患者の身体の一部を断熱する請求項1または2に記載のウェアラブル生理学的センサ。
【請求項4】
少なくとも前記熱エネルギーおよび前記電気信号を表す情報をワイヤレスに伝送するように構成されているワイヤレストランシーバをさらに備える請求項1から3のいずれか一項に記載のウェアラブル生理学的センサ。
【請求項5】
前記回路基板の前記第2の表面に隣接して、かつ、前記回路基板の前記第2の表面と前記基部の頂部表面との間に装着されたバッテリであって、前記バッテリは前記回路基板と電気的に接触し、前記バッテリは、前記回路基板の前記第2の表面の一部と前記基部の前記頂部表面との間に陥凹部を形成する、バッテリと、
前記形成された陥凹部を充填するように配設され、前記基部と前記回路基板との間に剛体構造支持物を備えるように構成されている、装着フレームとをさらに備える請求項1から4のいずれか一項に記載のウェアラブル生理学的センサ。
【請求項6】
前記基部は、頂部層と底部層とを備え、前記頂部層は、前記ハウジングの一部を受けるように構成された開口を備え、前記ハウジングは、前記ハウジングの外面の周りに延在するリムを備え、前記リムは、前記基部の前記頂部層と底部層との間に位置決めされる、請求項1に記載のウェアラブル生理学的センサ。
【請求項7】
前記基部の少なくとも一部は、発泡体を備える、請求項1に記載のウェアラブル生理学的センサ。
【請求項8】
前記ウェアラブル生理学的センサは、前記ウェアラブル生理学的センサが別のデバイスとワイヤレスで相互作用できるように構成されたワイヤレストランシーバを備える、請求項1に記載のウェアラブル生理学的センサ。
【請求項9】
前記リードは、使用しないときに前記リードをコイルに保管するように構成された係止可能格納式リールに接続されている、請求項1に記載のウェアラブル生理学的センサ。
【請求項10】
前記第1の電極は、前記基部における開口内に形成された導電性材料を備える、請求項1に記載のウェアラブル生理学的センサ。
【請求項11】
前記基部は、1つまたは複数の基材を備える、請求項1に記載のウェアラブル生理学的センサ。
【請求項12】
前記リードは、前記ハウジングにおける開口を貫通する、請求項1に記載のウェアラブル生理学的センサ。
【請求項13】
患者の1つまたは複数の生理学的パラメータを監視するためのウェアラブル生理学的センサであって、前記ウェアラブル生理学的センサは、
頂部表面と、前記頂部表面の反対側の底部表面とを有する基材であって、前記底部表面は、前記患者の皮膚に前記基材を固定するように構成されている接着剤を含み、前記基材は、前記基材の周囲から内側に離間した開口をさらに含む、基材と、
前記基材の少なくとも一部を覆うように構成されたハウジングであって、前記ハウジングは、前記基材を介して前記患者に固定されるように構成されている、ハウジングと、
前記ハウジング内に位置決めされている回路基板であって、前記回路基板は、第1の表面および第2の表面を含み、前記第2の表面は、前記第1の表面よりも前記基材に近接して位置決めされており、前記回路基板は、前記回路基板の周囲から内側に離間し、前記回路基板を貫通する複数の開口を含む、回路基板と、
前記患者の熱エネルギーに応答し、かつ、前記ハウジング内に位置決めされている温度センサであって、前記温度センサは、前記回路基板の前記第1の表面と、前記回路基板における前記複数の開口との上方に位置決めされている、温度センサと、
前記回路基板の前記第2の表面と、前記回路基板における前記複数の開口との下方に位置決めされている熱伝導性材料であって、前記ウェアラブル生理学的センサが使用されているとき、前記温度センサは、前記複数の開口、前記熱伝導性材料、および前記基材の前記開口を介して、前記基材の前記開口に近接して位置する前記患者の前記皮膚の一部と熱的に接触している、熱伝導性材料と
を備える、ウェアラブル生理学的センサ。
【請求項14】
前記回路基板上に装着されている、前記患者の直線加速度に応答する加速度計をさらに備える請求項
13に記載のウェアラブル生理学的センサ。
【請求項15】
前記回路基板上に装着されている、前記患者の角速度に応答するジャイロスコープをさらに備える請求項
14に記載のウェアラブル生理学的センサ。
【請求項16】
前記加速度計は三次元加速度計を含み、前記ジャイロスコープは三次元ジャイロスコープを含む請求項
15に記載のウェアラブル生理学的センサ。
【請求項17】
前記ウェアラブル生理学的センサがすでに活性化されているかどうかを示す情報を記憶するように構成されている情報要素をさらに含む請求項
13から
16のいずれか一項に記載のウェアラブル生理学的センサ。
【請求項18】
前記ハウジングは、前記基材の外周内に位置決めされ、前記ハウジングは、前記基材の頂部表面上に延在する、請求項
13から
17のいずれか一項に記載のウェアラブル生理学的センサ。
【請求項19】
前記
基材内の開口と、
前記患者の振動運動に応答する音響呼吸センサであって、前記音響呼吸センサは前記回路基板上に配設され前記
基材内の前記開口を貫通し、前記音響呼吸センサは前記回路基板と剛体構造的に連通し、感知された振動運動を前記加速度計に機械的に伝達する、音響呼吸センサとをさらに備える、請求項
14に記載のウェアラブル生理学的センサ。
【請求項20】
前記患者の心臓によって生成された電気的信号に応答するECGセンサをさらに備え、前記ECGセンサは、第1の電極および第2の電極を含み、前記第1の電極は、前記ハウジング内に位置決めされており、かつ前記回路基板の第1の部分に接続されており、前記第2の電極は、前記ハウジングの外側に位置決めされており、かつ前記回路基板の第2の部分に接続されている、請求項
13に記載のウェアラブル生理学的センサ。
【請求項21】
前記温度センサおよびECGセンサと通信するプロセッサをさらに備え、前記プロセッサは、前記熱エネルギーおよび電気的信号を表す1つまたは複数の信号を生成するように構成された、請求項
20に記載のウェアラブル生理学的センサ。
【請求項22】
前記基材は断熱材料を含み、前記基材は、前記基材の前記開口に近接して位置する部分を囲む前記患者の皮膚の領域を断熱するように構成されている、請求項
13に記載のウェアラブル生理学的センサ。
【請求項23】
前記ウェアラブル生理学的センサが組み立てられると、前記ハウジングは基材の外周から内側に離間される、請求項
13に記載のウェアラブル生理学的センサ。
【請求項24】
患者の1つまたは複数の生理学的パラメータを監視するためのウェアラブル生理学的センサであって、前記ウェアラブル生理学的センサは、
ハウジングと、
前記患者の皮膚に前記ハウジングを固定するように構成されている基部と、
前記ハウジング内に位置決めされている回路基板であって、前記回路基板は、第1の表面と前記第1の表面の反対側の第2の表面とを含み、前記基部およびハウジングが前記患者の皮膚に固定されているとき、前記第2の表面は、前記第1の表面よりも前記患者の皮膚に近接して位置決めされるように構成されており、前記回路基板は、前記回路基板の外面の周りから間隔が空けられ、かつ、前記回路基板を貫通する少なくとも1つの開口を含む、回路基板と、
前記回路基板の前記第1の表面と、前記回路基板を貫通する前記少なくとも1つの開口との上方の前記ハウジング内に位置決めされている、温度センサと、
前記回路基板の前記第2の表面と、前記回路基板を貫通する前記少なくとも1つの開口との下方に位置決めされている熱伝導性材料であって、前記熱伝導性材料は、前記患者の熱エネルギーを前記少なくとも1つの開口に向かって伝達するように構成されており、前記少なくとも1つの開口は、前記熱エネルギーが前記温度センサに向かって前記回路基板を通過することを可能にするように構成されている、熱伝導性材料と
を備える、ウェアラブル生理学的センサ。
【請求項25】
前記基部は、頂部の基材と、底部の基材とを含む、請求項
24に記載のウェアラブル生理学的センサ。
【請求項26】
前記基部と前記回路基板との間に剛体構造支持物を備えるように構成されている、装着フレームとをさらに備える、請求項
24に記載のウェアラブル生理学的センサ。
【請求項27】
前記ウェアラブル生理学的センサは、前記ウェアラブル生理学的センサが別のデバイスとワイヤレスで相互作用できるように構成されたワイヤレストランシーバを備える、請求項13または24に記載のウェアラブル生理学的センサ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
優先権出願の参照による組み込み
本出願は、その全体が参照により本明細書に組み込まれている、2015年8月31日に出願した米国仮出願第62/212467号、2015年8月31日に出願した米国仮出願第62/212472号、2015年8月31日に出願した米国仮出願第62/212484号、および2015年8月31日に出願した米国仮出願第62/212480号の利益を主張するものである。
【0002】
本開示は、患者監視の分野に関する。より詳細には、本開示は、他にもあるがとりわけ、患者の位置、配向、および移動を測定し、測定された情報を患者監視システムにワイヤレスに伝達するウェアラブルセンサについて説明する。
【背景技術】
【0003】
病院、老人ホーム、病後療養所、高度看護施設、術後回復センター、および同様のものなどの、臨床現場では、患者は長期間にわたって寝たきりになることが頻繁である。ときには、患者は、ベッドの中で体位を変える、または体位を制御する能力が制限されるほどの意識不明状態または鎮静状態にある。これらの患者は、患者の健康および快適な暮らしに重大な危険をもたらす褥瘡を形成する危険があり得る。「床擦れ(bed sore)」、「圧迫
性褥瘡(pressure sore)」、「褥瘡性潰瘍(decubitus ulcer)」とも称され得る、褥瘡は、患者の皮膚、および多くの場合に下層組織の損傷を含み、患者の身体の部位に長時間にわたって圧力が加えられた結果生じる。褥瘡は、ベッドまたはイスの表面と長時間接触する結果そこに加わる圧力を分配する表面の下の筋肉および/または脂肪組織が少ない身体の骨部分を覆う皮膚上に頻繁に生じる。そのような身体部位の例は、頭部の後部または側部、肩、肩甲骨、肘、脊椎、臀部、腰、尾骨、踵、踝、および膝の背後の皮膚を含む。
【0004】
褥瘡は、皮膚またはその部位に近い他の組織への血流を閉塞する圧力を解剖学的部位に印加することによって引き起こされる。印加される圧力が酸素および他の栄養物を皮膚および他の組織に送達する毛細血管を通って流れる血液の圧力よりも高いときに、構造表面(ベッドなど)と患者の身体の特定の部位との間に圧力が持続することで血流を制限し得る。酸素および栄養物を奪われると、皮膚細胞は損傷し、組織は2から6時間と短い時間内に壊死し得る。一般に高齢者および運動障害者集団において生じるにもかかわらず、院内の褥瘡は予防可能であると考えられ、「ネバーイベント」と呼ばれてきた。保険会社は、褥瘡治療に対する病院への払い戻し額に制限を課しており、州および連邦法では、現在、病院がそれらの設備での褥瘡の発生を報告することを義務付けている。
【0005】
褥瘡の危険要因は、修正可能および修正不可能として分類できる。修正可能危険要因は、医療提供者が講じることができる処置を含むが、一方、修正不可能危険要因は、患者の健康および行動の局面を含む。介護人が、褥瘡を発症する危険性がある患者を識別し、世話をすることができるように、そのような修正不可能危険要因を文書にまとめておくことは有益である。介護人が、患者が褥瘡を発症する危険性を予測するために危険性評価方針を立てて文書にすることが推奨される。そのような評価は、患者の健康および環境のすべての局面を包含することができ、ブレーデンスケールおよびノートンスケールなどの、この分野における一般的に使用されている尺度を採用し得る。危険性評価ツールは、患者が自分のベッドで睡眠しているときだけでなく、手術を受けているときも、予防戦略を指図するために使用され得る。
【0006】
褥瘡の形成に寄与し得る追加の要因は、摩擦および剪断力を含む。摩擦は、皮膚が表面上で引き摺られるときに生じる可能性があり、これは患者が移動されるとき、特に皮膚に湿気があるときに発生し得る。そのような摩擦力は、皮膚を損傷し、褥瘡の形成を含む、損傷に対して皮膚をより脆弱なものとし得る。剪断は、2つの力が反対方向に移動するときに生じる。たとえば、ベッドの頭部分が高くされて傾斜しているときに、患者の脊椎、尾骨、および寛骨部は、重力により下方にスライドする傾向を有する。患者の身体の骨性部分が下方に移動すると、この領域を覆う皮膚は、その現在の位置に留まることができ、それによって骨格構造の反対方向に引っ込む。そのような剪断移動は、その部位にある皮膚および血管を損傷し、皮膚および他の局部組織を褥瘡の形成に対して脆弱なものにし得る。
【0007】
褥瘡を形成する危険性のある患者に対する確立されている手順は、患者の体位変換を定期的に行うか、または「寝返りさせて」患者の身体の様々な部位に加えられる圧力を再配分する寝返りプロトコルに従うことである。褥瘡の危険性のある個人は、規則正しく体位変換されるべきである。患者は特定の傾斜角度で2時間おきに体位変換されるべきであること、したがってそうする方法は患者の皮膚に対する摩擦および剪断の量を最小にすることが一般的に推奨される。体位変換ログが維持され、時刻、身体配向、および転帰などの重要な情報を含むものとしてよい。
【0008】
褥瘡予防プログラムはこれまで効果的なものであったし、また治療に関連する長期費用を低減することができる。2002研究では、2カ所の長期医療看護施設において包括的予防プログラムを採用しており、居住者1人当たり月519.73ドルの費用がかかった。プログラムの結果から、2つの施設における褥瘡患者数が87%および76%減少することが明らかになった。その後の研究から、予防戦略は、集中治療室では褥瘡患者数を29.6%から0%に、病院の全ユニットでは9.2%から6.6%に減らすことができることがわかった。これらのインターベンションでは、手作業による患者体位変換およびログ記録、組織視覚化および触診、圧力低減マットレス、および危険性評価ツールの使用などの戦略を採用した。
【0009】
しかしながら、寝返りプロトコルでは、観察も記録もされない、確定された寝返り間隔の間で患者によって行われる体位変更を考慮しない。したがって、いくつかの状況において、寝返りプロトコルに従うという行為は、意図しないマイナスの臨床的効果を有する可能性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【文献】米国特許公開第2013/0262730号
【文献】米国特許公開第2015/0099955号
【文献】米国特許公開第2002/0140675号
【文献】米国特許公開第2010/0274099号
【文献】米国特許公開第2011/0213273号
【文献】米国特許公開第2012/0226117号
【文献】米国特許公開第2010/0030040号
【文献】米国特許出願第61/242,792号
【文献】米国特許出願第61/387457号
【文献】米国特許出願第61/645,570号
【文献】米国特許出願第13/554,908号
【文献】米国特許第6,157,850号
【文献】米国特許第6,334,065号
【文献】米国特許公開第2011/0105854号
【文献】米国特許公開第2011/0169644号
【文献】米国特許公開第2007/0180140号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本開示では、他にもあるがとりわけ、1つまたは複数の褥瘡を形成する危険性のある患者の体位および配向を監視するためのシステム、デバイス、および方法の実施形態を説明する。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本開示の一態様は、1つまたは複数の褥瘡を形成する危険性のある患者の管理を補助するように構成されている患者寝返りおよび移動監視システムを備える。患者寝返りおよび監視システムのいくつかの実施形態は、患者の配向を記述した情報を取得し、感知された配向情報を示す情報をワイヤレスに伝送するように構成されている1つまたは複数のセンサを有する患者着用ワイヤレスセンサを備える。システムは、ワイヤレスセンサによって伝送された情報を受信し、記憶し、処理し、患者の配向を示す情報(またはデータ)を表示し、伝送して1つまたは複数の褥瘡の形成の患者の危険性を介護人が管理することを補助するように構成されている患者モニターも備える。患者寝返りおよび移動監視システムは、患者の現在の配向を識別し、患者がどれだけ長く現在の配向にあったかを決定することができる。患者が、事前定義された医師規定患者配向持続時間を超えてある配向に留まっている場合、システムは、患者および/または介護人に、患者の体位変換が行われる予定であることを通知することができる。いくつかの実施形態において、そのような配向時間を監視するために患者配向持続時間タイマーが使用される。開示されている患者寝返りおよび移動監視システムのいくつかの実施形態において、ワイヤレスセンサからの感知配向情報を示す情報を受信しネットワークベースの処理ノードに転送するためにワイヤレスセンサの受信範囲内に配置されている信号リピータが使用される。
【0013】
本開示の別の態様は、患者から体位、配向、および運動情報を取得するように構成されている1つまたは複数のセンサを含むワイヤレスセンサを備える。1つまたは複数のセンサは、加速度計、ジャイロスコープ、および磁力計を含むものとしてよく、これらは三次元空間内の患者の体位および配向を決定するように構成されている。ワイヤレスセンサは、センサデータ、および/またはセンサデータを表す情報を患者モニターにワイヤレスに伝送するように構成される。患者モニターは、受信された情報を処理し、受信データを指示するか、または受信データから導出された情報を表示し、情報-表示、アラーム、アラート、および通知を含む-をたとえばナースステーションに配置されていてもよい多患者監視システムに伝送するように構成され得る。
【0014】
本開示の別の態様は、ワイヤレスセンサを患者モニターに関連付けるためのシステムおよび方法を対象とする。いくつかの実施形態において、ワイヤレスセンサは、取り外されたときに、ワイヤレスセンサを活性化させる活性化タブを備える。活性化されると、ワイヤレスセンサ内のワイヤレストランシーバは、最大約3インチまでのペアリング信号伝送距離を有する低電力ペアリング信号を放射する。いくつかの実施形態において、ワイヤレスセンサは、押されたときに、ワイヤレスセンサをペアリング動作モードにし、低電力ペアリング信号を放射することをワイヤレスセンサに行わせる、スイッチまたはボタンを有する。患者モニターがワイヤレスセンサの範囲内(たとえば、約3インチの範囲内)にあるときに、ワイヤレスセンサおよび患者モニターは関連付けし、それによってワイヤレスセンサおよび患者モニターを互いに通信するように構成する。ワイヤレスセンサと患者モニターとの間のペアリングが完了した後、ワイヤレスセンサは、患者パラメータ感知動作モードに変わり、そこで、ワイヤレスセンサは患者パラメータ感知信号を伝送する。患者パラメータ感知信号は、ペアリング信号伝送距離よりも実質的に広い患者信号伝送距離を有する。次いで、ワイヤレスセンサは、患者に付けられる状態に入る。
【0015】
本開示のいくつかの態様において、患者の体位および配向は、監視され記録される。ワイヤレスセンサが、たとえば、患者の胴体などの、患者の身体に貼り付けられた後、患者の運動(たとえば、加速度および角速度)に対応するセンサデータが取得され、前処理され、患者モニターに伝送される。患者モニターは、受信されたデータを記憶し、さらに処理して患者の配向を決定する。例示的に、患者モニターは、患者が立っているか、座っているか、または腹臥位、背臥位、左側、または右側位置で横たわっているかどうかを決定することができる。
【0016】
いくつかの実施形態において、患者モニターは、患者の身体の正確な配向を決定する。たとえば、患者モニターは、患者の身体が垂直および/または水平に傾斜している程度を決定することができ、それによって、患者が横たわっている支持構造物(ベッドなど)に対する患者の体位の正確な記述を生成することができる。
【0017】
本開示の別の態様において、患者モニターは、決定された体位および配向情報を記憶し、患者が各決定された体位にどれだけの間留まっているかを追跡し、それによって、患者の体位履歴の連続的記録を作成する。患者モニターは、記憶されているデータを分析し、処理して臨床関連アクション可能情報を患者の介護人に供給する。例示的に、患者モニターは、患者によって実行されるベッド内寝返りの回数をカウントし、患者が最後に寝返ってから経過した時間の長さを監視し表示する。経過時間が医師定義持続時間(たとえば、2時間)を超えたときに、患者モニターは、患者の寝返りから次の寝返りまでの間の最大時間を超えたという指示を表示する。患者モニターは、たとえば、多患者監視システム、医師通知デバイス、または同様のものを介して患者を介護する責任を有する1人または複数の医師に通知を伝送することもできる。患者モニターは、たとえば、24時間などの、与えられた医師定義時間期間に対する寝返りから次の寝返りまでの時間の長さの平均、最小値、および最大値などの、統計的情報を決定し、表示することもできる。患者モニターは、医師定義期間にわたる同じ体位および配向における寝返りの回数を決定し、表示することもできる。同様に、患者モニターは、医師定義期間内に各特定の体位に患者が留まる総時間数を表示することができる。さらに、患者モニターは、患者が医師定義許容可能体位に留まった期間の頻度および持続時間を決定することができる。
【0018】
本開示のなおも別の態様において、患者モニターは、患者の可動性状態(mobility status)、たとえば、患者が歩行中である、立っている、座っている、もたれかかっている、または転倒しているかどうかを決定する。いくつかの態様において、ワイヤレス監視システムは、患者が転倒する、ベッドから出る、または禁止されている仕方または介護人の世話を要する仕方で何らかの移動をしていることを介護人に警告するためのアラートシステムを含み得る。アラートは、監視システム上の可聴および/または視覚アラームであり得るか、またはアラートは、介護人(たとえば、ナースステーション、医師のデバイス、ポケベル、携帯電話、コンピュータ、または他の何らかのもの)に伝送され得る。例示的には、患者モニターは、患者の可動性状態を表示し、患者が活動的であり、ベッドから離れているという通知を伝送することができる。いくつかの状況において、患者モニターは、たとえば、ベッドに留まる、または付添人の補助のみで浴室まで歩くという指図などの、医師の命令を無視しているかどうかを決定することができる。そのような状況において、通知、アラート、またはアラームは、適切な介護人に伝送され得る。
【0019】
いくつかの態様において、ワイヤレスセンサによって受信された情報は、患者の移動の時間系列表現を作成するために使用され得る。この表現は、介護人が患者を監視することを可能にするように患者モニター上に表示されるか、またはナースステーションもしくは他の処理ノードに伝送され得る。時間系列表現は、リアルタイムで表示され、および/または記録しておいて再生することができる。たとえば、アラームが鳴って患者がベッドから落ちたというアラートが介護人に届いた場合、介護人はその期間の前およびその期間中の患者の移動を履歴順にアクセスして調べることができる。
【0020】
本開示の別の態様は、患者の歩き方および他の情報(たとえば、患者の現在の薬物投与計画など)に基づき患者が転倒する危険性を予測することを対象とする。患者モニターが、患者が転倒する危険性が所定の閾値を超えると決定したときに、患者モニターは、患者の転倒を予想し、したがって防止する努力の一環として、アラームまたはアラートを発して介護人に識別された危険性があることを通知することができる。それに加えて、患者モニターは、患者がいつ転倒したかを決定し、適切なアラームおよびアラートを発して、介護人援助を要求することができる。
【0021】
本開示の一態様において、患者モニターは、ネットワークを介して患者の健康記録および医師入力にアクセスする。例示的に、患者の健康記録を考慮して分析された、患者の体位履歴データは、特定の患者に対する良好な臨床転帰をもたらす可能性の高い寝返りプロトコル(または他の治療プロトコル)を明らかにするか、または示唆し得る。したがって、患者モニターは、ワイヤレスセンサから受信された情報と併せて、アクセスされた情報を分析し、患者に対する推奨される患者寝返りプロトコル(または他の治療プロトコル)を決定する。
【0022】
本開示のなおも別の態様では、患者モニターは、その患者に対して確立されている医師定義患者寝返りプロトコルに対する介護人および設備の順守を評価する。たとえば、患者モニターは、患者が規定されている持続時間よりも長い期間にわたって1つの体位に留まる回数を識別し、患者寝返りプロトコル違反、さらにはこのようにさらされる状態ごと(each such over exposure)の長さを示すことができる。患者モニターは、通知、アラート、またはアラームを発した後の医師のレスポンスタイムを追跡することもできる。
【0023】
本開示の別の態様によれば、介護人のワークフロー生産性、効率、および有効性が、各患者が開示されているワイヤレスセンサを装備している多数の患者に対応する集計された体位履歴データに基づき決定され得る。それに加えて、患者対職員の比が比較的高い病棟または高齢者福祉施設フロアなどの特定の場所にいる患者の介護は、褥瘡の形成の決定された危険性に基づき優先順位付けされ得る。したがって、高い危険性を有していると決定された患者は、最初に世話を受けるように指定される。
【0024】
本開示のさらに別の態様において、ワイヤレスセンサは、患者から追加の生理学的測定値を取得するためのセンサを含む。たとえば、ワイヤレスセンサは、温度センサの周りの患者の皮膚表面を絶縁することによって患者の身体中央部の体温を測定するように構成されている温度センサを含み得る。絶縁材で温度センサを囲んだ結果、患者の皮膚表面と身体中央部との間の自然な温度差は平衡に達し、それによって、患者の身体中央部の温度(典型的には患者の皮膚表面よりも高い温度)に達する。ワイヤレスセンサは、患者の胸部によって引き起こされる振動運動を感知するように構成されている音響呼吸センサも含み得る。音響呼吸センサは、感知された振動をデバイスの剛体構造を通して加速度計に機械的に伝達するように構成される。加速度計信号の処理により、他にもあるがとりわけ、患者の呼吸および心拍数がもたらされ得る。患者の胸部と電気的に接触している2つまたはそれ以上の電極から電気信号を感知するように構成されている、心電図(ECG)センサは、ワイヤレスセンサ内に含まれていてもよい。ECG信号は、徐脈、頻脈性不整脈、心室細動、および同様のものなどの、不整脈を検出するように処理され得る。それに加えて、加速度計信号(音響呼吸センサからの機械的伝達振動を示す情報を含む)および/またはECG信号は、限定はしないが、鼾、咳、息詰まり、喘鳴音、無呼吸事象、および気道閉塞を含む、呼吸困難もしくは機能不全を識別するように処理され得る。
【0025】
本開示の別の態様において、患者モニターは、患者の健康/病気状態を記述するスコアを決定することができ、これは「Halo Index」とも称され得る。例示的に、患者モニターは、患者の健康記録、医師入力、ワイヤレスセンサによって提供される体位履歴データ、表面構造圧力データ、およびワイヤレスセンサによって収集され提供される他の生理学的パラメータデータ(非限定的な例により、患者の体温、呼吸数、心拍数、ECG信号、および同様のものなど)にアクセスし、分析して、患者の全身健康状態を評価する。
【0026】
本開示の一態様において、患者モニターは、患者の支持構造物(たとえば、ベッド、マットレス、ベッドシート、マットレスパッド、および同様のもの)によって提供される情報にアクセスし、患者の身体の特定の解剖学的部位に加えられる圧力の程度を決定する。例示的に、患者の支持構造物は、特定の場所において患者によって支持構造物に加えられる圧力を測定する圧力センサのアレイとともに構成され得る。患者モニターは、支持構造物によって提供される情報と併せて患者の体位履歴データを分析して、特定の解剖学的部位における褥瘡形成の可能性を、解剖学的部位にかかっている圧力の測定された量に解剖学的部位にそのような圧力がかかっている時間の長さを掛けた値に基づき決定することができる。評価された危険性が所定の閾値を超えたときに、患者モニターは、指定された解剖学的部位での褥瘡の形成を回避するように患者の体位変換を行わせるアラームおよび/またはアラートを発することができる。それに加えて、患者モニターは、加えられた圧力およびそのような圧力の下にある時間の長さの組み合わせた分析に基づき特定の体位および/または患者寝返りプロトコルを提案することができる。
【0027】
いくつかの態様において、監視されている患者が1つまたは複数の褥瘡を発症する危険
性を、ワイヤレス生理学的センサを介護人環境において患者監視デバイスとペアリングすることによって低減する方法であって、他のワイヤレスセンサが他の患者監視デバイスとペアリングされ、通信していてもよく、生理学的センサは移動センサ、第1のプロセッサ、および第1のワイヤレストランシーバを備え、生理学的センサは患者の移動、移動の欠如、またはその両方のうちの1つまたは複数に応答する情報を伝送するために前記監視されている患者の表面に対して最終的に位置決めされるように構成され、患者監視デバイスは第2のプロセッサ、メモリデバイス、記憶デバイス、ディスプレイ、および第2のワイヤレストランシーバを備え、患者監視デバイスは生理学的センサからの伝送された情報に応答して介護人に、前記褥瘡の前記危険性を指示する患者情報を提示する、方法は、前記生理学的センサにおいて、ペアリング動作モードを開始するステップと、前記生理学的センサから、ペアリング信号伝送距離で有効なものとなるように構成されているペアリング信号をワイヤレスに伝送するステップであって、前記ペアリング信号は前記生理学的センサを識別する情報を含む、ステップと、前記生理学的センサにおいて、前記生理学的センサが前記患者監視デバイスとすでにペアリングされていることを確認する確認信号を前記患者監視デバイスから受信するステップと、前記生理学的センサにおいて、患者パラメータ感知動作モードを開始するステップと、前記患者監視デバイスに、患者パラメータ感知信号伝送距離で有効なものとなるように構成されている患者パラメータ感知信号をワイヤレスに伝送するステップであって、前記患者パラメータ感知信号は前記褥瘡の前記危険性を指示する情報を含み、前記ペアリング信号伝送距離は、前記患者パラメータ感知伝送距離よりも実質的に短くなるように構成される、ステップとを含む。
【0028】
いくつかの態様において、ペアリング信号は、約0から約36インチまで有効であるように構成されている前記ペアリング信号をワイヤレスに伝送するステップを含む。いくつかの態様において、前記ペアリング信号をワイヤレスに伝送するステップは、約0から約12インチまで有効であるように構成されている前記ペアリング信号をワイヤレスに伝送するステップを含む。いくつかの態様において、前記ペアリング信号をワイヤレスに伝送するステップは、約0から約6インチまで有効であるように構成されている前記ペアリング信号をワイヤレスに伝送するステップを含む。いくつかの態様において、ペアリング信号は、約0から約3インチまで有効であるように構成されている前記ペアリング信号をワイヤレスに伝送するステップを含む。
【0029】
いくつかの態様において、患者パラメータ感知信号は、約10フィートから約30フィートまで有効であるように構成されている前記患者パラメータ感知信号をワイヤレスに伝送するステップを含む。いくつかの態様において、患者パラメータ感知信号は、約10フィートにわたって有効であるように構成されている前記患者パラメータ感知信号をワイヤレスに伝送するステップを含む。いくつかの態様において、前記患者パラメータ感知信号をワイヤレスに伝送するステップは、約3メートルにわたって有効であるように構成されている前記患者パラメータ感知信号をワイヤレスに伝送するステップを含む。いくつかの態様において、ペアリング信号および前記患者パラメータ感知信号は、前記ペアリング信号をワイヤレスに伝送する前記ステップよりも1桁長く有効であるように構成されている前記患者パラメータ感知信号をワイヤレスに伝送するステップを含む。
【0030】
いくつかの態様において、この方法は、前記ペアリング信号および前記患者パラメータ感知信号を伝送する前記ステップがエクステンダ/リピータに伝送するステップをさらに含むことと、前記確認信号を受信する前記ステップが前記エクステンダ/リピータから受信するステップをさらに含む場合を含む。いくつかの態様において、この方法は、前記患者移動センサの加速度計を使用して加速度を、および前記患者移動センサのジャイロスコープを使用して角速度を感知するステップと、前記第1のプロセッサにより、前記感知された加速度および角速度に応答して信号を処理するステップと、前記第1のワイヤレストランシーバにより、前記処理に応答して前記患者パラメータ感知信号を伝送するステップとを含む。
【0031】
いくつかの態様において、ペアリング信号は、前記ワイヤレス生理学的センサがすでに活性化されていることを指示するメッセージを伝送するステップをさらに含む。いくつかの態様において、ペアリング信号は、前記生理学的センサに関連付けられている品質標準が損なわれていることを指示する通知を伝送するステップをさらに含む。いくつかの態様において、患者パラメータ感知信号は、前記生理学的センサが耐用年数の終わりに近づいていることを指示するメッセージを伝送するステップをさらに含む。
【0032】
いくつかの態様において、前記ペアリング動作モードを開始する前記ステップは、前記ワイヤレス生理学的センサを活性化するステップをさらに含む。いくつかの態様において、前記ワイヤレス生理学的センサを活性化するステップは、前記ワイヤレス生理学的センサからバッテリアイソレータを取り除くステップを含む。いくつかの態様において、前記ワイヤレス生理学的センサを活性化するステップは、所定の持続時間の間、前記ワイヤレス生理学的センサ上のボタンを押下するステップを含む。
【0033】
いくつかの態様によれば、監視されている患者が1つまたは複数の褥瘡を発症する危険性を、ワイヤレス生理学的センサを介護人環境において患者監視デバイスとペアリングすることによって低減する方法であって、他のワイヤレスセンサが他の患者監視デバイスとペアリングされ、通信していてもよく、生理学的センサは移動センサ、第1のプロセッサ、および第1のワイヤレストランシーバを備え、生理学的センサは患者の移動、移動の欠如、またはその両方のうちの1つまたは複数に応答する情報を伝送するために前記監視されている患者の表面に対して最終的に位置決めされるように構成され、患者監視デバイスは第2のプロセッサ、メモリデバイス、記憶デバイス、ディスプレイ、および第2のワイヤレストランシーバを備え、患者監視デバイスは生理学的センサからの伝送された情報に応答して介護人に、前記褥瘡の前記危険性を指示する患者情報を提示する、方法は、前記患者監視デバイスにおいて、前記ワイヤレス生理学的センサから伝送されたペアリング信号を受信するステップであって、前記伝送されるペアリング信号は、ペアリング信号伝送距離で有効なものとなるように構成され、前記ペアリング信号は前記生理学的センサを識別する情報を含み、前記患者監視デバイスにおいて、前記ワイヤレス生理学的センサを前記患者監視デバイスに関連付けるステップと、前記ワイヤレス生理学的センサに、前記ワイヤレス生理学的センサが前記患者で監視デバイスに関連付けられていることを確認する確認信号をワイヤレスに伝送するステップと、前記患者監視デバイスにおいて、前記生理学的センサから伝送された患者パラメータ感知信号を受信するステップであって、前記伝送される患者パラメータ感知信号は、患者パラメータ感知信号伝送距離で有効なものとなるように構成され、前記患者パラメータ感知信号は前記褥瘡の前記危険性を指示する情報を含み、前記ペアリング信号伝送距離は前記患者パラメータ感知伝送距離よりも実質的に短い、ステップとを含む。
【0034】
いくつかの態様において、前記患者パラメータ感知信号は、第1の時間期間および第2の時間期間において前記患者の配向に応答し、方法は、前記患者パラメータ感知信号を処理して、前記第1の時間期間と前記第2の時間期間との間に患者寝返りを示す前記患者パラメータ感知信号の十分な差があるかどうかを決定するステップをさらに含む。いくつかの態様において、患者パラメータ感知信号は、データ要素を含むセンサデータベクトルに応答し、この方法は、電子的に、前記データ要素を処理して患者転倒を指示する複数の特徴を決定し特徴ベクトルを形成するステップと、重みベクトルを前記特徴ベクトルに適用して活性化値を導出するステップと、前記活性化値を分析して患者が転倒したかどうかを決定するステップと、患者転倒が生じたという決定に応答して患者転倒を報告するステップとを含む。
【0035】
いくつかの態様によれば、監視されている患者が1つまたは複数の褥瘡を発症する危険性を、ワイヤレスセンサを介護人環境においてポータブルコンピューティングデバイスとペアリングすることによって低減するためのシステムであって、他のワイヤレスセンサが他のコンピューティングデバイスとペアリングされ、通信していてもよく、システムは、加速度計、ジャイロスコープ、第1のプロセッサ、および第1のワイヤレストランシーバを含むワイヤレスセンサであって、前記ワイヤレスセンサは関連付けモードで動作して関連付け信号を所望の関連付け伝送距離で伝送するように構成され、前記ワイヤレスセンサはまた患者パラメータ測定モードで動作して測定信号を所望の測定伝送距離で伝送するようにも構成され、前記関連付け伝送距離は前記測定信号伝送距離よりも実質的に短い、ワイヤレスセンサと、第2のプロセッサ、メモリデバイス、記憶デバイス、ディスプレイ、および第2のワイヤレストランシーバを備えるポータブルコンピューティングデバイスであって、前記コンピューティングデバイスは前記関連付け信号を受信するように構成され、前記患者モニターは関連付け確認信号を伝送するようにも構成され、前記患者モニターはまた前記測定信号を受信するように構成され、前記コンピューティングデバイスは前記関連付け信号を受信したことに応答して前記ワイヤレスセンサを前記コンピューティングデバイスに関連付け、前記関連付け確認信号を伝送し、前記ワイヤレスセンサは前記関連付け確認信号を受信したことに応答して前記関連付けモードでの動作を中止し、前記患者パラメータ測定モードで動作し、前記測定信号を伝送することを開始する、ポータブルコンピューティングデバイスとを具備する。
【0036】
いくつかの態様によれば、患者の配向を監視し患者が褥瘡を発症する危険性を低減するためのシステムは、加速度計、プロセッサ、および第1のワイヤレストランシーバを備えるセンサであって、前記センサは加速度に応答して信号を出力するように構成され、前記加速度は前記センサが前記患者によって着用されたときに前記患者の配向の可能な変化を指示する、センサと、信号プロセッサ、メモリデバイス、記憶デバイス、および第2のワイヤレストランシーバを備える患者モニターであって、前記第2のワイヤレストランシーバは前記信号を受信するように構成され、前記信号プロセッサは、前記信号を処理して前記可能な変化が前記配向の実際の変化に対応するかどうかを決定するように構成され、前記実際の変化が発生したときに、患者寝返り事象を記録し、前記患者寝返り事象を患者寝返りプロトコルと比較するように構成され、前記可能な変化が前記実際の変化でなく、患者寝返りプロトコルに従って患者寝返り事象が生じないときに、前記患者モニターは患者寝返りプロトコル違反を介護人に通知するように構成され、前記信号プロセッサが前記実際の変化に前記可能な変化が対応しているかどうかを決定するように構成されることは、少なくとも前記信号に基づき前の時刻と現在の時刻とで前記配向の差を決定するように構成されることと、前記差が閾値よりも高いときに、前記患者寝返り事象を記録することとを含む、患者モニターとを具備する。
【0037】
いくつかの態様において、前記患者モニターの前記信号プロセッサは、前記プロセッサが前記患者寝返り事象を記録するときに患者配向持続時間タイマーをリセットするようにさらに構成される。いくつかの態様において、システムは第3のワイヤレストランシーバを備え、前記第3のワイヤレストランシーバは前記センサから前記信号を受信し、前記患者モニターに前記信号を伝送するように構成されている。
【0038】
いくつかの態様において、システムは、前記センサまたは前記患者モニター用の電源と異なる前記第3のワイヤレストランシーバ用の電源を備える。いくつかの態様において、前記センサは、ジャイロスコープを備える。いくつかの態様において、前記センサは、音響センサを含む。いくつかの態様において、前記センサは、温度センサを含む。いくつかの態様において、前記センサは、ECGセンサを含む。いくつかの態様において、前記センサは、音響センサ、温度センサ、およびECGセンサのうちの1つまたは複数を含む、いくつかの態様において、前記患者モニターは、加速度、角速度、磁界、呼吸数、温度、インピーダンス値、水分値、酸素測定値、および心電図のうちの1つまたは複数のパラメータの測定値を決定するように構成される。
【0039】
いくつかの態様によれば、患者の配向の変化を、患者着用センサにより患者移動を監視するステップと、前記監視を示す信号を処理デバイスに伝達するステップと、前記処理デバイスで前記信号を受信するステップと、信号プロセッサを使用して前記信号を処理し前記配向の変化が生じたかどうかを決定するステップとによって決定するための方法であって、前記患者着用センサは加速度計と、プロセッサと、第1のワイヤレストランシーバとを備え、前記処理デバイスは前記信号プロセッサと、メモリデバイスと、記憶デバイスと、第2のワイヤレストランシーバとを備える、方法は、前記患者着用センサから、第1の時間期間における患者の配向を示す情報を受信するステップと、前記患者着用センサから、第2の時間期間における患者の配向を示す情報を受信するステップであって、前記第1の時間期間は前記第2の時間期間の前、および前記第2の時間期間に時間的に接近している、ステップと、前記信号プロセッサにより、前記情報を処理するステップであって、前記受信された情報を組み合わせて患者配向情報の時間窓を形成するステップであって、前記時間窓は前記第1の期間と前記第2の期間とにわたる、ステップと、前記時間窓をセグメントに分割するステップであって、各セグメントは前記患者の配向を示すセグメント値を有する、ステップと、前記セグメント値の間の差を決定するステップと、前記決定された差が所定の閾値を超えたときに、患者寝返り事象が発生したと決定するステップと、前記患者寝返り事象を分類するステップと、前記分類された患者寝返り事象を介護人に報告するステップと、患者寝返りプロトコルに関連付けられているタイマーをリセットするステップとを含む。
【0040】
いくつかの態様において、方法は、患者が所定の最長持続時間を超える期間にわたって1つの配向に留まっていたかどうかを決定するステップと、前記決定に応答してアラートを伝送するステップとを含む。いくつかの態様において、前記第1および第2の時間期間に前記患者の配向を示す情報を受信する前記ステップは、前記第1および第2の時間期間において加速度データを受信するステップを含む。いくつかの態様において、前記加速度データは、ロール軸値およびピッチ軸値を含む。いくつかの態様において、方法は、前記ロール軸値に応答する前記患者の長手方向軸の変化を決定するステップと、前記ピッチ軸値に応答して患者の腰に揃えられた軸に関する変化を決定するステップとを含む。
【0041】
いくつかの態様において、前記患者寝返り事象を分類する前記ステップは、前記セグメント値を患者配向変化アクションのプロファイルのテーブルと比較するステップを含む。いくつかの態様において、前記セグメント値の各々は、ロール軸中央値およびピッチ軸中央値を含み、前記ロール軸中央値および前記ピッチ軸中央値は、-180度から+180度までの範囲の度数単位の値である。いくつかの態様において、前記セグメント値の間の前記差の前記所定の閾値は、45度である。
【0042】
いくつかの態様によれば、患者の配向の変化を、患者着用センサにより患者移動を監視するステップと、前記監視を示す信号を処理デバイスに伝達するステップと、前記処理デバイスで前記信号を受信するステップと、信号プロセッサを使用して前記信号を処理し前記配向の変化が生じたかどうかを決定するステップとによって決定するための方法であって、前記患者着用センサは加速度計と、プロセッサと、第1のワイヤレストランシーバとを備え、前記処理デバイスは前記信号プロセッサと、メモリデバイスと、記憶デバイスと、第2のワイヤレストランシーバとを備える、方法は、前記患者着用センサから、現在の時間期間における患者の配向を示す情報を受信するステップであって、前記情報はロール軸値およびピッチ軸値を有する加速度データを含む、ステップと、前記信号プロセッサにより、前記情報を電子的に処理するステップであって、前記記憶デバイスから、前の時間期間における患者の配向を示す情報を抽出するステップであって、前記前の時間期間は前記現在の時間期間の前、および前記現在の時間期間に時間的に接近している、ステップと、前記現在および前の配向情報を組み合わせて患者配向情報の時間窓を形成するステップであって、前記時間窓は前記時間窓を少なくとも2つのセグメントにセグメント分割する前記前および現在の時間期間にまたがるステップと、各セグメントについて、ロール成分とピッチ成分とを含む各セグメント値を決定するステップと、前記決定されたセグメント値を対毎に比較するステップと、各対毎の比較について、患者寝返り事象が発生したかどうかを決定するステップと、決定された患者寝返り事象発生に応答して前記決定された寝返り事象を分類するステップと、最も頻繁に分類される寝返り事象を識別するステップと、前記患者の新しい配向として、前記最も頻繁に分類される寝返り事象を報告するステップと、配向持続時間タイマーをリセットするステップとを含むステップとを含む。
【0043】
いくつかの態様において、前記受信された情報は、サンプリングレートでサンプリングされた複数のサンプルを含む。いくつかの態様において、前記サンプリングレートは、約10Hzから約100Hzの間にあるように構成される。いくつかの態様において、前記サンプリングレートは、約5Hzから約40Hzの間にあるように構成される。いくつかの態様において、前記情報を処理するステップは、患者の長手方向軸に関して前記患者の配向を示すロール軸配向を決定するステップと、患者の腰に揃えた軸に関して前記患者の配向を示すピッチ軸配向を決定するステップとをさらに含む。
【0044】
いくつかの態様において、前記受信された情報は、サンプリングレートでサンプリングされた複数のサンプルを含み、前記情報を処理するステップは、前記複数のサンプルの各々について、患者の長手方向軸に関する前記患者の配向を示すロール軸値と、患者の腰に揃えた軸に関する前記患者の配向を示すピッチ軸値とを決定するステップをさらに含む。いくつかの態様において、前記ロール軸値および前記ピッチ軸値を決定するステップは、-180度から+180度までの範囲の度数単位の前記値を決定するステップを含む。いくつかの態様において、前記セグメント値を決定するステップは、ロール軸中央値およびピッチ軸中央値を決定するステップであって、前記ロールおよびピッチ軸中央値は-180度から+180度までの範囲の度数単位の値である、ステップを含む。いくつかの態様において、前記セグメント値を比較するステップは、ロール軸中央値の間の差およびピッチ軸中央値の間の差を決定するステップを含む。いくつかの態様において、患者寝返り事象が指示されているかどうかを決定するステップは、ロール軸中央値の間の前記差またはピッチ軸中央値の間の前記差が所定の閾値を超えているかどうかを決定するステップを含み、前記所定の閾値を超えたときに、患者寝返り事象が発生していると決定される。いくつかの態様において、方法は、前記患者が所定の持続時間を超える期間にわたって1つの配向に留まっていたと決定するステップと、前記患者が前記所定の持続時間を超える期間にわたってその配向に留まっていたというアラートを伝送するステップとをさらに含む。
【0045】
いくつかの態様によれば、監視されている患者が転倒したか、または転倒しそうになっているかのうちの少なくとも一方を、患者による移動を示す信号を処理することによって検出する方法であって、信号はワイヤレスセンサから出力され、処理デバイスに伝達され、センサは加速度計、ジャイロスコープ、第1のプロセッサ、および第1のワイヤレストランシーバを備え、センサは患者によって着用されるように構成され、処理デバイスは信号プロセッサ、メモリデバイス、記憶デバイス、ディスプレイ、および第2のワイヤレストランシーバを有し、処理デバイスは信号を処理して患者が転倒したか、または転倒しそうになっているかのうちの少なくとも一方を決定するように構成される、方法は、前記処理デバイスによって前記ワイヤレスセンサから、前記患者の直線加速度および角速度に応答して信号を受信するステップと、前記信号を前記処理デバイスの前記信号プロセッサにより処理するステップであって、電子的に、前記直線加速度および前記角速度に応答してデータ要素を含むセンサデータベクトルを形成するステップと、前記データ要素を正規化して正規化センサデータベクトルを形成するステップと、前記正規化センサデータベクトル
から、患者転倒を指示する複数の特徴を決定し特徴ベクトルを形成するステップと、先験的な重みベクトルを前記特徴ベクトルに適用して活性化値を導出するステップと、前記導出された活性化値を分析して患者転倒が発生したか、または発生しようとしているかのうちの少なくとも一方を決定するステップと、前記決定が前記患者転倒が発生したか、または発生しようとしているかのうちの少なくとも一方であるときに、介護人に警告するステップとを含む、ステップとを含む。
【0046】
いくつかの態様において、前記信号を受信する前記ステップは、加速度計の出力に応答して前記直線加速度を示す前記信号を受信するステップと、ジャイロスコープの出力に応答して前記角速度を示す前記信号を受信するステップとを含む。いくつかの実施形態において、方法は、前記直線加速度を示す前記信号を受信する前記ステップが前記直線加速度を三次元で示す前記信号を受信するステップを含み、前記角速度を示す前記信号を受信する前記ステップが前記角速度を三次元で示す前記信号を受信するステップを含み、前記センサベクトルが6個のデータ要素を含む、ことをさらに含む。いくつかの態様において、前記データ要素を正規化する前記ステップは、ゼロ平均および単位分散を有するように前記データ要素の各々を正規化するステップと、正規化データ要素を含む前記正規化センサデータベクトルを形成するステップであって、前記正規化データ要素のいくつかが前記直線加速度に対応し、前記正規化データ要素のいくつかが前記角速度に対応する、ステップとを含む。
【0047】
いくつかの態様において、前記複数の特徴を決定して特徴ベクトルを形成するステップは、加速度の大きさを決定するステップと、角速度の大きさを決定するステップと、ジャークの大きさを決定するステップと、転倒持続時間を決定するステップと、ピッチ変化を決定するステップと、垂直速度を決定するステップとをさらに含む。いくつかの態様において、前記重みベクトルを前記特徴ベクトルに適用して前記活性化値を導出する前記ステップは、前記特徴ベクトルと前記重みベクトルとの内積を計算するステップを含む。いくつかの態様において、前記重みベクトルを前記特徴ベクトルに適用して前記活性化値を導出する前記ステップは、教師あり学習アルゴリズムに、例の入力および既知の出力を含む訓練データを供給するステップと、前記教師あり学習アルゴリズムによって、前記例の入力を前記既知の出力にマッピングして前記重みベクトルを導出するステップとを含む。
【0048】
いくつかの態様において、前記例の入力を前記既知の出力にマッピングして前記重みベクトルを導出する前記ステップは、フィッシャーの線形判別によって実行される。いくつかの態様において、前記導出された活性化値を分析して患者転倒が発生したか、または発生しようとしているかのうちの少なくとも一方を決定する前記ステップは、前記導出された活性化値の符号属性を識別するステップであって、前記導出された活性化値の正の符号属性は、前記患者が転倒したか、または転倒しそうになっていることを指示する、ステップを含む。
【0049】
いくつかの態様によれば、患者が転倒したか、または転倒しそうになっているかのうちの少なくとも一方を決定するように構成されているシステムは、加速度計、ジャイロスコープ、プロセッサ、および第1のワイヤレストランシーバを含むワイヤレス生理学的センサであって、前記センサは前記患者の直線加速度および角速度を感知するように構成され、前記センサはまた前記患者の前記感知された直線加速度および角速度を示す情報を伝送するようにも構成されている、ワイヤレス生理学的センサと、信号プロセッサ、メモリデバイス、記憶デバイス、通信インターフェース、ディスプレイ、および第2のワイヤレストランシーバを備える患者モニターであって、前記患者モニターは前記伝送された情報を受信し、受信された情報を分析し、前記患者が転倒したか、または転倒しそうになっているかのうちの少なくとも一方を決定するように構成され、前記患者モニターは前記患者が転倒したか、または転倒しそうになっていると決定したことに応答して、前記患者が転倒したか、または転倒しそうになっているという通知を伝送するようにさらに構成される、患者モニターとを備える。
【0050】
いくつかの態様において、前記患者モニターは、前記受信された情報から加速度の大きさ、角速度の大きさ、ジャークの大きさ、転倒持続時間、およびピッチ変化のうちの1つまたは複数を決定し、前記決定された加速度の大きさ、角速度の大きさ、ジャークの大きさ、転倒持続時間、およびピッチ変化を含む特徴ベクトルを形成するようにさらに構成される。いくつかの態様において、前記患者モニターは、重みベクトルを前記特徴ベクトルに適用するようにさらに構成される。いくつかの態様において、前記患者モニターは、前記重みベクトルと前記特徴ベクトルとの内積を決定するようにさらに構成される。いくつかの態様において、前記加速度計は3軸加速度計を含み、前記ジャイロスコープは3軸ジャイロスコープを含む。いくつかの態様において、前記重みベクトルは、コンピュータ可読媒体上に記憶されている実行可能命令を含む教師あり学習アルゴリズムを使用して導出される。いくつかの態様において、前記教師あり学習アルゴリズムは、処理デバイス上で実行し、例の入力および既知の出力を有する訓練データのセットを受信し、前記例の入力を前記既知の出力にマッピングして前記重みベクトルを導出するように構成される。いくつかの態様において、前記教師あり学習アルゴリズムは、フィッシャーの線形判別である。
【0051】
いくつかの態様によれば、患者の加速度を測定するためのワイヤレス生理学的センサであって、この生理学的センサは、底部表面と頂部表面とを備える基部であって、第1の開口、第2の開口、および第3の開口も備え、前記第1、第2、および第3の開口の各々は前記基部の前記底部表面と前記頂部表面との間に延在する、基部と、導電性トラックおよび接続パッドと、頂部側と、底部側とを備える基材層であって、前記基材層の前記底部側は前記基部の前記頂部表面の上に配設され、前記基材層はまた第1のスルーホールビアと第2のスルーホールビアとを備え、前記1および第2のスルーホールビアの各々は前記基材層の前記頂部側と前記底部側との間の前記基材層を貫通する、基材層と、前記患者の熱エネルギーに応答する温度センサであって、前記温度センサは前記基材層の前記頂部側に装着され、前記温度センサは前記基材層の前記頂部側と熱的に連通する熱的接触部を備え、前記第1のスルーホールビアは前記基材層の前記頂部側上の前記温度センサの前記熱的接触部と、前記基材層の前記底部側上の前記基部の前記第1の開口とに揃えられ、前記基部の前記第1の開口および前記基材層の前記第1のスルーホールビアは、少なくとも熱伝導性材料を充填され、前記温度センサが前記第1の開口に対応する前記基部の前記底部表面の一部と熱的に連通することを引き起こす、温度センサと、前記基材層の前記頂部側上に装着されたECGセンサであって、前記ECGセンサは前記患者の心臓によって発生する電気信号に応答し、前記ECGセンサは前記電気信号に応答する電極を有する伸長可能リードを備え、前記ECGセンサはまた前記基材層の前記頂部側と電気的に連通する電気的接触部も備え、前記第2のスルーホールビアは前記基材層の前記頂部側上の前記ECGセンサの前記電気的接触部と、前記基材層の前記底部側上の前記基部の前記第2の開口とに揃えられ、前記基部の前記第2の開口および前記基材層の前記第2のスルーホールビアは、少なくとも導電性材料を充填され、前記ECGセンサが前記第2の開口に対応する前記基部の前記底部表面の一部と電気的に連通することを引き起こす、ECGセンサと、前記基材層上に装着された、前記患者の直線加速度に応答する加速度計と、前記患者によって発生する振動運動に応答する音響呼吸センサであって、前記音響呼吸センサは前記基材層の前記底部側上に配設され、前記基部内の前記第3の開口を貫通し、前記基部の前記底部表面を超えて延在し、前記音響呼吸センサは前記基材層と構造的に連通し、振動運動を前記加速度計に機械的に伝達する、音響呼吸センサとを備える。
【0052】
いくつかの態様において、センサは、前記生理学的センサがすでに活性化されているかどうかを示す情報を記憶するように構成されている情報要素をさらに含む。いくつかの態様において、センサは、前記基材層上に装着されている、前記患者の角速度に応答するジャイロスコープをさらに備える。いくつかの態様において、前記基部は、前記第1の開口に対応する前記基部の前記底部表面の前記一部分を囲む前記患者の身体の一部を絶縁する。いくつかの態様において、センサは、前記熱エネルギー、前記電気信号、前記直線加速度、および前記振動運動を表す情報をワイヤレスに伝送するように構成されているワイヤレストランシーバをさらに備える。いくつかの態様において、前記ワイヤレストランシーバは、ペアリング信号を伝送するように構成される。いくつかの態様において、前記ワイヤレストランシーバは、前記生理学的センサがすでに活性化されていることを指示するメッセージを伝送するように構成される。いくつかの態様において、前記ワイヤレストランシーバは、前記生理学的センサに関連付けられている品質標準が損なわれているという通知を伝送するように構成される。いくつかの態様において、前記ワイヤレストランシーバは、前記生理学的センサが耐用年数の終わりに近づきつつあることを指示するメッセージを伝送するように構成される。
【0053】
いくつかの態様において、センサは、前記基材層の前記底部側上におよび前記基材層の前記底部側と前記基部の前記頂部表面との間に装着されたバッテリであって、前記バッテリは前記基材層と電気的に接触し、前記バッテリは、前記基材層の前記底部側の一部と前記基部の前記頂部表面との間に陥凹部を形成する、バッテリと、前記形成された陥凹部を充填するように配設され、前記基部と前記基材層との間に剛体構造支持物を備えるように構成されている、装着フレームとをさらに備える。いくつかの態様において、前記装着フレームは、前記第1のスルーホールビアおよび前記基部の前記第1の開口に揃えられている第1の装着フレーム開口であって、前記第1の装着開口は、少なくとも前記熱伝導性材料を充填され、前記温度センサが前記第1の開口に対応する前記基部の前記底部表面の前記一部と熱的に連通することを引き起こす、第1の装着フレーム開口と、前記第2のスルーホールビアおよび前記基部の前記第2の開口に揃えられている第2の装着フレーム開口であって、前記第2の装着開口は、少なくとも前記導電性材料を充填され、前記ECGセンサが前記第2の開口に対応する前記基部の前記底部表面の前記一部と電気的に連通することを引き起こす、第2の装着フレーム開口とをさらに備える。
【0054】
いくつかの態様において、センサは、前記基材層上に装着されている、前記患者の角速度に応答するジャイロスコープと、前記基材層上に装着された、磁界に応答する磁力計と、前記基材層上に装着され、前記温度センサ、ECGセンサ、加速度計、ジャイロスコープ、および磁力計と通信するプロセッサであって、前記熱エネルギー、電気信号、直線加速度、振動運動、角速度、および磁界を表す信号を生成するように構成されているプロセッサと、前記基材層上に装着され、前記プロセッサと通信するワイヤレストランシーバであって、前記熱エネルギー、電気信号、直線加速度、振動運動、角速度、および磁界を表す前記生成された信号を伝送するように構成されているワイヤレストランシーバとをさらに備える。
【0055】
いくつかの態様において、センサは、前記基材層上に装着されている、前記第2の開口に対応する前記基部の前記底部表面の前記一部分と電気的に連通するインピーダンスセンサをさらに備える。いくつかの態様において、前記加速度計は三次元加速度計であり、前記ジャイロスコープは三次元ジャイロスコープである。
【0056】
いくつかの態様によれば、褥瘡の危険性、転倒の検出、または転倒の危険性のうちの少なくとも一方を監視するためのウェアラブルワイヤレスセンサは、第1の開口を備える基部と、第1のスルーホールビアを備える回路層であって、前記第1のスルーホールビアは前記回路層を貫通する、回路層と、患者の熱エネルギーに応答する温度センサであって、前記温度センサは前記回路層上に装着され、前記温度センサは前記回路層と熱的に連通する熱的接触部を備え、前記第1のスルーホールビアは前記温度センサの前記熱的接触部および前記基部の前記第1の開口に揃えられ、前記第1の開口および前記第1のスルーホールビアは、熱伝導性材料を含み、前記温度センサが前記第1の開口に対応する前記基部の一部と熱的に連通することを引き起こす、温度センサとを具備する。
【0057】
いくつかの態様において、前記基部は、前記第1の開口に対応する前記基部の前記一部分を囲む前記患者の身体の一部を絶縁する。いくつかの態様において、センサは、前記基部内の第2の開口と、前記回路層の前記頂部側と前記底部側との間の前記回路層を貫通する第2のスルーホールビアと、前記回路層上に装着されているECGセンサであって、前記ECGセンサは電気信号に応答し、前記ECGセンサは前記電気信号に応答する電極とともに伸長可能リードを備え、前記ECGリードはまた前記回路層と電気的に連通する電気的接触部も備え、前記第2のスルーホールビアは前記回路層上の前記ECGセンサの前記電気的接触部および前記基部の前記第2の開口に揃えられ、前記基部の前記第2の開口および前記回路層の前記第2のスルーホールビアは、導電性材料を含み、前記ECGセンサは前記導電性材料を通じて前記第2の開口に対応する前記基部の一部と電気的に連通する、ECGセンサとをさらに具備する。
【0058】
いくつかの態様において、センサは、前記回路層上に装着されている、前記患者の直線加速度に応答する加速度計と、前記基部内の第3の開口と、前記患者の振動運動に応答する音響呼吸センサであって、前記音響呼吸センサは前記回路層上に配設され前記基部内の前記第3の開口を貫通し、前記音響呼吸センサは前記回路層と剛体構造的に連通し、感知された振動運動を前記加速度計に機械的に伝達する、音響呼吸センサとをさらに備える。
【0059】
いくつかの態様において、センサは、前記回路層上に装着されている、前記患者の角速度に応答するジャイロスコープをさらに備える。いくつかの態様において、前記加速度計は三次元加速度計を含み、前記ジャイロスコープは三次元ジャイロスコープを含む。いくつかの態様において、センサは、前記生理学的センサがすでに活性化されているかどうかを示す情報を記憶するように構成されている情報要素をさらに含む。
【0060】
本明細書では、本開示の概要を示すために、いくつかの態様、利点、および新規の特徴について説明した。もちろん、必ずしもすべてのそのような態様、利点、または特徴が任意の特定の実施形態において具現化されるとは限らないことは理解されるであろう。
【0061】
以下では、添付図面を参照しつつ様々な実施形態について説明する。図面および関連する説明は、本開示の実施形態を例示するために用意されており、請求項の範囲を制限することはしない。図面において、類似の要素は、類似の参照番号を有する。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【
図1A】患者モニターに近接している患者着用ワイヤレスセンサを備える開示されている患者監視システムの一実施形態の斜視図である。
【
図1B】開示されている患者モニターのディスプレイの一実施形態の機能ブロック図である。
【
図1C】開示されている患者監視システムの一実施形態の機能ブロック図である。
【
図1D】開示されている患者監視システムの一実施形態の機能ブロック図である。
【
図1E】開示されている患者監視システムの一実施形態の機能ブロック図である。
【
図1F】開示されている患者監視システムの一実施形態の機能ブロック図である。
【
図2A】開示されているワイヤレスセンサの一実施形態の機能ブロック図である。
【
図2B】オプションの感知コンポーネントを備える開示されているワイヤレスセンサの一実施形態の機能ブロック図である。
【
図3A】開示されているワイヤレスセンサの一実施形態の概略分解斜視図である。
【
図3B】
図3Aの開示されているワイヤレスセンサの実施形態の概略組み立て済み斜視図である。
【
図3C】
図3Aおよび
図3Bの開示されているワイヤレスセンサの実施形態の概略側面図である。
【
図4A】温度センサを含む開示されているワイヤレスセンサの一実施形態の概略断面図である。
【
図4B】
図4Aの開示されているワイヤレスセンサの実施形態の概略底面図である。
【
図4C】
図4A~
図4Bの開示されているワイヤレスセンサの実施形態の概略分解斜視図である。
【
図5A】音響呼吸センサを含む開示されているワイヤレスセンサの一実施形態の概略断面図である。
【
図5B】
図5Aの開示されているワイヤレスセンサの実施形態の概略底面図である。
【
図5C】
図5A~
図5Bの開示されているワイヤレスセンサの実施形態の概略分解斜視図である。
【
図6A】温度センサおよび音響呼吸センサを含む開示されているワイヤレスセンサの一実施形態の概略断面図である。
【
図6B】
図6Aの開示されているワイヤレスセンサの実施形態の概略底面図である。
【
図6C】
図6A~
図6Bの開示されているワイヤレスセンサの実施形態の概略分解斜視図である。
【
図7A】患者モニターに近接しているECGセンサを有する患者着用ワイヤレスセンサを備える開示されている患者監視システムの一実施形態の斜視図である。
【
図7B】
図7Aの開示されているワイヤレスセンサの実施形態の概略組み立て済み斜視図である。
【
図7C】
図7Aおよび
図7Bの開示されているワイヤレスセンサの実施形態の概略側面図である。
【
図7E】
図7A~
図7Dの開示されているワイヤレスセンサの実施形態の概略底面斜視図である。
【
図7F】
図7A~
図7Eの開示されているワイヤレスセンサの実施形態の概略分解斜視図である。
【
図8A】温度センサ、音響呼吸センサ、およびECGセンサを有する開示されているワイヤレスセンサの一実施形態の概略分解斜視図である。
【
図8B】
図8Aの開示されているワイヤレスセンサの概略底面図である。
【
図9】本開示の一実施形態によるワイヤレスセンサを患者モニターに関連付けるためのプロセスを記述する流れ図である。
【
図10】本開示の一実施形態による患者が配向を変えたかどうかを決定するためのプロセスを記述する流れ図である。
【
図11A】本開示の一実施形態による患者の配向を決定するために使用される経時的な処理済み加速度計データの例示的なプロットである。
【
図11B】本開示の一実施形態による患者の配向の持続時間の例示的なプロットである。
【
図12】本開示の一実施形態による患者が転倒したかどうかを決定するためのプロセスを記述する流れ図である。
【
図13A】本開示の一実施形態による患者の体位を反映する表示の実施形態を例示する図である。
【
図13B】本開示の一実施形態による患者の体位を反映する表示の実施形態を例示する図である。
【
図13C】本開示の一実施形態による患者の体位を反映する表示の実施形態を例示する図である。
【
図13D】本開示の一実施形態による患者の体位を反映する表示の実施形態を例示する図である。
【
図13E】本開示の一実施形態による患者の体位を反映する表示の実施形態を例示する図である。
【
図13F】本開示の一実施形態による患者の体位を反映する表示の実施形態を例示する図である。
【
図14】本開示の一実施形態による
図13A~
図13Fに例示されているアイコンを組み込んだ患者モニターの例示的な表示を示す図である。
【
図15A】本開示の一実施形態による患者表示モニター上に表示される部屋表示の様々な構成を示す図である。
【
図15B】本開示の一実施形態による患者表示モニター上に表示される部屋表示の様々な構成を示す図である。
【
図15C】本開示の一実施形態による患者表示モニター上に表示される部屋表示の様々な構成を示す図である。
【
図15D】本開示の一実施形態による患者表示モニター上に表示される部屋表示の様々な構成を示す図である。
【
図15E】本開示の一実施形態による患者表示モニター上に表示される部屋表示の様々な構成を示す図である。
【
図15F】本開示の一実施形態による患者表示モニター上に表示される部屋表示の様々な構成を示す図である。
【
図15G】本開示の一実施形態による患者表示モニター上に表示される部屋表示の様々な構成を示す図である。
【
図15H】本開示の一実施形態による患者表示モニター上に表示される部屋表示の様々な構成を示す図である。
【
図16】本開示の一実施形態による例示的な方法を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0063】
次に、本開示の実施形態が添付図を参照しつつ説明され、そこで類似の番号は全体を通して類似の要素を指す。次の説明は、性質上単に例示的であるにすぎず、決して、本開示、その応用、または使用を制限することを意図していない。方法の中のステップは、本開示の原理を改変することなく異なる順序で実施されてもよいことは理解されるであろう。さらに、本明細書で開示されている実施形態は、いくつかの新規性のある特徴を含むものとしてよく、その単一のどれも、その望ましい属性に単独で関与することはないし、また本明細書で開示されているシステム、デバイス、および方法を実施する上で不可欠なものではない。
【0064】
本開示は、1つまたは複数の褥瘡を形成する危険性のある患者の体位、配向、および移動を監視し管理するためのシステム、デバイス、方法、およびコンピュータ可読媒体に関係する。一実施形態において、システムは、患者から体位、配向、および移動情報を取得するように構成されている1つまたは複数のセンサを含む患者着用ワイヤレスセンサを備える。1つまたは複数のセンサは、1つまたは複数の加速度計、ジャイロスコープ、および磁力計(すなわち、コンパス)を備えることができる。例示的に、センサは、三次元で患者の配向を記述する情報を連続的にまたは定期的に(たとえば、1秒おきに)取得する。ワイヤレスセンサは、取得されたセンサ情報を処理するように構成されているプロセッサを備える。ワイヤレスセンサは、また、処理されたセンサデータ、および/またはセンサデータを表す情報をさらなる処理のために患者モニター(または他の処理デバイス)にワイヤレスに伝送するように構成されているトランシーバも備える。患者モニターは、受信された情報を記憶しさらに処理し、受信データを指示するか、または受信データから導出された情報を表示し、情報--表示、アラーム、アラート、および通知を含む--をたとえばナースステーションからアクセス可能であるものとしてよい多患者監視システムを含む他の患者ケアシステムに伝送するように構成され得る。
【0065】
図1Aは、臨床現場における開示されている患者監視システム100の一実施形態の斜視図である。患者監視システム100は、患者のベッド118の側部にあるテーブル116上に配置されている患者モニター106に近接している、患者が身に着けるワイヤレスセンサ102を備える。ワイヤレスセンサ102は、また、本明細書において「ワイヤレス生理学的センサ102」、「患者着用センサ102」、「移動センサ102」、および「ウェアラブルワイヤレスセンサ102」とも称され得る。ワイヤレスセンサ102は、患者の体位、配向、および運動を測定するように構成されている1つまたは複数のセンサを含む。いくつかの実施形態において、ワイヤレスセンサ102は、患者の直線加速度を測定するように構成されている加速度計と、患者の角速度を測定するように構成されているジャイロスコープとを備える。測定された直線加速度および角速度情報は処理されて、それにより、患者の配向を三次元で決定することができる。いくつかの実施形態において、地球の重力場を測定するためにワイヤレスセンサ102に磁力計が備えられる。磁力計によって測定された情報は、患者の決定された配向の正確度を改善するために使用され得る。
【0066】
ワイヤレスセンサ102は、患者モニター106に、患者からワイヤレスセンサ102によって取得されたセンサデータを表す情報を伝送することができるワイヤレストランシーバ206(
図2Aおよび
図2Bに示されている)も備える。有利には、患者は、ベッドサイド患者モニター106に物理的に結合されず、したがって、ベッド118上の異なる位置に自由に移動することができる。
【0067】
本開示のいくつかの実施形態によれば、ワイヤレスセンサ102は、ワイヤレスセンサ102の想像線図によって
図1Aに反映されているような患者の衣服の下の患者の身体の皮膚に貼り付けられる。より具体的には、ワイヤレスセンサ102は、患者の胸骨柄の上の患者の胸部、すなわち胸骨の広い上側部分に載置され得る。この位置において、ワイヤレスセンサ102は、患者の身体の長手方向軸に関してほぼ中心に位置決めされ、患者の重心の近くに置かれるが、これはたとえば患者がベッドに入っているときに患者の配向決定する際に有用な位置である。
【0068】
ワイヤレスセンサ102は、ワイヤレスセンサ102の底部表面にコーティングされるか、または塗布される感圧接着剤を含む、医療に適した任意の形態の接着性材料を使用して患者の皮膚に貼り付けられ得る。当業者であれば、ワイヤレスセンサ102を患者に貼り付けるために多くの他の材料および技術が本開示の範囲から逸脱することなく使用できることを理解するであろう。
【0069】
臨床現場では複数の生理学的パラメータを同時に監視するために複数の医療用センサが患者に取り付けられるか、または接着されることが多い。医療用センサのいくつかの例は、限定はしないが、2、3例を挙げると、体位、配向、および移動センサ、温度センサ、呼吸センサ、心拍センサ、血中酸素センサ(パルス酸素濃度計センサなど)、音響センサ、EEGセンサ、ECGセンサ、血圧センサ、鎮静状態センサを含む。典型的には、患者に取り付けられている各センサは、多くの場合にケーブルによって、取得された生理学的データを、センサデータを受信し処理し、患者の状態を監視し管理するためにそれを介護人によって使用される臨床情報に変換するように構成されている隣接する監視デバイスに伝送する。患者がいくつかの生理学的センサによって同時に監視されるときに、使用されるケーブルの数およびベッドサイド監視デバイスの数が多すぎる場合があり、患者の運動の自由度を制限し、介護人の患者への接近を妨げる可能性がある。患者をベッドサイド監視デバイスに接続するケーブルは、患者を部屋から部屋へ移動させる、または異なるベッドサイドモニターに切り替えることをより困難にする場合もある。
【0070】
有利には、開示されているワイヤレスセンサ102は、データをワイヤレスに、1つまたは複数の処理機能を使用してセンサデータが処理され得る患者データ処理環境105に伝送することができる。
図1Aに例示されているように、ワイヤレスセンサ102は、ワイヤレス通信リンク104を介してデータを伝送する。ワイヤレス通信リンク104は、ベッドサイド患者モニター106によって、および/またはエクステンダ/リピータ107によって受信され得る。患者モニター106およびエクステンダ/リピータ107は両方とも、高速で信頼性の高い通信インターフェースを用いて、患者データ処理環境105へのアクセスを提供する。例示することを目的として、患者モニター106およびエクステンダ/リピータ107は、
図1Aに示されている。しかしながら、典型的にはそのようなデバイスは1つだけが、ワイヤレスセンサ102と患者データ処理環境105との間のワイヤレス接続を確立すればよい。ワイヤレス通信リンク104は、Wi-Fi(802.11x)、Bluetooth(登録商標)、ZigBee、携帯電話、赤外線、RFID、衛星伝送、プロプライエタリプロトコル、これらの組合せ、および同様のものなどの、様々なワイヤレス技術のうちのどれかを使用することができる。ワイヤレスセンサ102は、患者に関する体位、配向、移動情報を測定し、報告するなどの、テレメトリー機能を実行するように構成され得る。一実施形態によれば、ワイヤレスセンサ102は、Bluetooth(登録商標)ワイヤレス通信標準を使用して、患者モニター106とワイヤレスに通信する。
【0071】
エクステンダ/リピータ107は、ワイヤレス通信リンク104を用いてワイヤレスセンサ102からセンサデータを受信し、受信されたセンサデータを、ネットワーク108経由で、患者データ処理環境105内の1つまたは複数の処理ノードに転送することができる。たとえば、エクステンダ/リピータ107は、受信されたセンサデータを、特定のワイヤレスセンサ102のワイヤレス通信リンク104の範囲を超えて配置されることもあり得る患者モニター106に転送することができる。代替的に、エクステンダ/リピータ107は、センサデータを、たとえば、多患者監視システム110またはナースステーションシステム113などの、患者データ処理環境105内の他の処理ノードにルーティングすることができる。当業者であれば、多数の処理ノードおよびシステムがワイヤレスセンサ102によって伝送されるデータを処理するために使用され得ることを理解するであろう。
【0072】
図1Aは、本明細書において「処理デバイス106」、「ポータブルコンピューティングデバイス106」、および「患者監視デバイス106」とも称され得る、患者モニター106の一実施形態も例示する。患者モニター106の例は、本開示の譲受人に譲渡された、全体として参照により本明細書に組み込まれている、米国特許公開第2013/0262730号および米国特許公開第2015/0099955号に開示されている。患者モニター106は処理デバイスであり、したがって、少なくとも1つのプロセッサ、メモリデバイス、記憶デバイス、入出力デバイス、および通信接続を含み、すべて1つまたは複数の通信バスを介して接続される、処理デバイスの機能を実行するために必要なコンポーネントを備える。したがって、いくつかの実施形態において、患者モニター106は、ワイヤレスセンサ102によって提供されるセンサデータを処理するように構成される。他の実施形態において、センサデータの処理は、患者データ処理環境105内の他の処理ノードによって実行され得る。患者モニター106は、ワイヤレスセンサ102とワイヤレスに通信するように構成される。患者モニター106は、ディスプレイ120と、ディスプレイ130も有するポータブル患者モニター122と機械的におよび電気的に嵌合するように構成されている、ドッキングステーションを備える。患者モニター106は、
図1Aに示されているように、水平の平坦な表面上で静止するように構成されている一般的に直立する傾斜形状で形成される移動可能な、装着可能な、および携帯可能なハウジング内に収納される。もちろん、当業者であれば、ハウジングは、多種多様の位置および台に貼り付けられ、多種多様の形状およびサイズのものを含み得ることを理解するであろう。
【0073】
一実施形態において、ディスプレイ120は、単独でまたはポータブル患者モニター122のディスプレイ130と組み合わせて、多種多様の測定および/または治療データを数値、グラフ、波形、または他の表示のしるしで提示することができる。たとえば、ディスプレイ120は、とりわけ患者の体重、年齢、治療の種類、疾病の種類、病状の種類、栄養分、水和、および/または在院日数などの、様々な患者特有の構成および/またはパラメータを表示することができる。一実施形態において、ディスプレイ120は、ハウジングの前面の大半を占有するが、当業者であれば、ディスプレイ120がテーブルもしくはテーブルトップ水平構成、ラップトップ様構成、または同様の構成をとり得ることを理解するであろう。他の実施形態は、表示情報およびデータをタブレットコンピュータ、スマートフォン、テレビ、または当業者に理解可能な表示システムに伝達するステップを含み得る。有利には、患者モニター106の直立傾斜構成は、
図1Aに例示されているように、情報を介護人に容易に見ることができる仕方で表示する。
【0074】
図1Aのポータブル患者モニター122は、有利には、カリフォルニア州アービン所在のMasimo Corporationから市販されている、および/または全体として参照により本明細書に組み込まれている、米国特許公開第2002/0140675号、米国特許公開第2010/0274099号、米国特許公開第2011/0213273号、米国特許公開第2012/0226117号、米国特許公開第2010/0030040号、ならびに米国特許出願第61/242,792号、米国特許出願第61/387457号、米国特許出願第61/645,570号、米国特許出願第13/554,908号、および米国特許第6,157,850号、米国特許第6,334,065号において開示されているような、オキシメーター、コオキシメーター、呼吸モニター、鎮静深さモニター、非侵襲的血圧計、生命兆候モニター、または同様のものを含み得る。ポータブル患者モニター122は、非限定的な例により、ワイヤレスセンサ102、光放射および検出回路を有する光センサ、音響センサ、指先穿刺から血液パラメータを測定するデバイス、カフ、換気装置、および同様のものなどの様々な非侵襲的および/または低侵襲的デバイスと通信し得る。ポータブル患者モニター122は、それ専用の表示のしるしを提示する専用ディスプレイ130を備え得る。表示のしるしは、ポータブル患者モニター122のドッキング状態に基づき変化し得る。ドッキングを外されたときに、ディスプレイ130は、パラメータ情報を含むものとしてよく、たとえば、重力センサまたは加速度計によって供給される情報に基づきその表示配向を変えることができる。特定のポータブル患者モニター122を参照しつつ開示されているが、当業者は、本明細書の開示から、患者モニター106と有利にドッキングし得る多数の多種多様の医療用デバイスがあることを理解するであろう。
【0075】
図1Bは、開示されている患者モニター106のディスプレイ120およびポータブル患者モニター122のディスプレイ130の一実施形態の機能ブロック図である。患者モニター106のディスプレイ120は、患者生理学的データ124、患者寝返りデータ126、および/または追加のオプションの患者データ128を提示するように構成され得る。患者生理学的データは、非限定的な例により、酸素飽和度、脈拍数、呼吸数、分別動脈血酸素飽和度、トータルヘモグロビン濃度、プレチスモグラフ変動指数、メトヘモグロビン、一酸化炭素ヘモグロビン、灌流指数、および酸素含有量を含み得る。有利には、ディスプレイ120は、生理学的パラメータ124、患者寝返りデータ126、およびオプションの患者データ128がディスプレイ120に提示される仕方を使用者が調整することを可能にするように構成可能である。特に、医師にとってより関心のあるまたは重要な情報は、より大きい形式で表示されるものとしてよく、現在の測定さらにはたとえば先行する時間などの一定期間の測定の履歴的動向を伝達するために数値形式とグラフ形式の両方で表示されてもよい。
【0076】
図1Bに点線で示されているように、ポータブル患者モニター122のディスプレイ130は、患者生理学的データ134、患者寝返りデータ136、および追加のオプションの患者データ138を提示するように構成され得る患者モニター106のオプションの特徴である。
【0077】
図1Cは、開示されている患者監視システム100の一実施形態の簡略化された機能ブロック図である。システムは、1つまたは複数のセンサを有する患者着用ワイヤレスセンサ102と、ワイヤレスセンサ102からのセンサデータが患者データ処理環境105にアクセスするためのワイヤレス通信リンク104とを備え、患者データ処理環境105は、患者モニター106と、通信ネットワーク108と、多患者監視システム110と、病院もしくは設備情報システム112と、1つもしくは複数のナースステーションシステム113と、1つまたは複数の医師用デバイス114とを備える。当業者であれば、多数の他のコンピューティングシステム、サーバ、処理ノード、表示デバイス、プリンタ、および同様のものが開示されている患者監視システム100内に含まれ得ることを理解するであろう。
【0078】
ワイヤレスセンサ102は、1つまたは複数の褥瘡を形成する危険性があると決定された患者、たとえば、長期間にわたって病床にある患者によって着用される。ワイヤレスセンサ102は、連続的または周期的ベースで(たとえば、1秒おきに)患者の配向を監視し、褥瘡を形成する患者の危険性を低減するのに十分な頻度で患者に対して体位変換がなされるかどうかを決定することを助けることができる。いくつかの実施形態において、ワイヤレスセンサ102は、測定された加速度および/または角速度データの最小処理を行い、最小処理されたデータをワイヤレス通信リンク104を用いて患者モニター106にワイヤレスに伝送する。
【0079】
ワイヤレスセンサ102および患者モニター106は、異なるワイヤレス技術を利用してワイヤレス通信リンク104を形成するように構成され得る。いくつかのシナリオにおいて、たとえば、ワイヤレスセンサ102と患者モニター106との間の距離がBluetooth(登録商標)またはZigBee通信の範囲内にあるときに、Bluetooth(登録商標)またはZigBee上でデータを伝送することが望ましい場合がある。Bluetooth(登録商標)またはZigBeeを使用してデータを伝送するステップは、これらの技術が必要とする電力が他のワイヤレス技術に比べて少なくて済むという点で有利である。したがって、バッテリを使用する開示されているワイヤレスセンサ102の実施形態は、Bluetooth(登録商標)またはZigBeeプロトコルを使用することによって延命され得る。
【0080】
他のシナリオにおいて、たとえば、ワイヤレスセンサ102と患者モニター106との間の距離がBluetooth(登録商標)またはZigBeeの通信の範囲外にあるときに、Wi-Fiまたは携帯電話を使用してデータを伝送することが望ましい場合がある。ワイヤレスセンサ102は、他のワイヤレス技術に比べてWi-Fiまたは携帯電話を使用した場合により長い距離にわたってデータを伝送することができるものとしてよい。なおも他のシナリオにおいて、データ転送および/またはエネルギー効率を最大化するために、第1のワイヤレス技術を使用し、次いで、第2のワイヤレス技術に自動的に切り替えてデータを伝送することが望ましい場合がある。
【0081】
いくつかの実施形態において、ワイヤレスセンサ102は、ワイヤレスセンサ102がベッドサイド患者モニター106から所定の距離の範囲内にあるときにBluetooth(登録商標)またはZigBee上でデータを自動的に伝送する。ワイヤレスセンサ102は、ワイヤレスセンサ102がベッドサイド患者モニター106から所定の距離を超えて離れているときにWi-Fiまたは携帯電話でデータを自動的に伝送する。いくつかの実施形態において、ワイヤレスセンサ102は、ワイヤレスセンサ102とベッドサイド患者モニター106との間の距離に応じて、Bluetooth(登録商標)またはZigBeeからWi-Fiまたは携帯電話に、またその逆の方向に自動的に変換することができる。
【0082】
いくつかの実施形態において、ワイヤレスセンサ102は、Bluetooth(登録商標)もしくはZigBeeの信号強度が十分に強いとき、またはWi-Fiもしくは携帯電話に干渉があるときにBluetooth(登録商標)もしくはZigBee上でデータを自動的に伝送する。ワイヤレスセンサ102は、Bluetooth(登録商標)またはZigBeeの信号強度が十分に強くはないときにWi-Fiまたは携帯電話でデータを自動的に伝送する。いくつかの実施形態において、ワイヤレスセンサ102は、信号強度に応じて、Bluetooth(登録商標)またはZigBeeからWi-Fiまたは携帯電話に、またその逆の方向に自動的に変換することができる。
【0083】
患者モニター106は、患者の配向を決定するためにワイヤレスセンサ102によって伝送される測定された加速度および角速度データを受信し、記憶し、処理するように動作可能であるものとしてよい。決定された後、患者モニター106は、患者の現在の配向を表示することができる。いくつかの実施形態において、患者モニター106は、時間の経過とともに患者の前の配向と併せて患者の現在の配向を表示し、それによって、患者の配向の履歴的記録を使用者に見せることができる。いくつかの実施形態において、たとえば、
図13A~
図13Fおよび
図14に示されているように、患者配向は、棒線画などのアイコンによって表示され、これにより、医師は患者の現在の位置的状態および患者の位置的履歴を容易に理解することができる。患者モニター106は、患者が特定の配向に留まる時間の長さを追跡するようにも構成され得る。いくつかの実施形態において、患者モニター106は、患者が現在の配向にあった時間の長さを表示する。それに加えて、患者モニター106は、体位変換プロトコルに従って医師によって規定される持続時間よりも長い間特定の配向にいつ留まるかを決定することができる。そのような条件の下で、患者モニター106は、褥瘡形成の危険性を低減するために患者が規定された体位変換プロトコルに従うように体位変換されるべきであることを指示するアラーム、アラート、および/または通知を患者および/または介護人に発行することができる。
【0084】
図1Cに示されているように、患者モニター106は、多患者監視システム110、病院/設備システム112、ナースステーションシステム113、および医師用デバイス114を含む患者データ処理環境105とネットワーク108上で通信する。多患者監視システム110を含む、ネットワークベースの臨床処理環境の例は、全体として参照により本明細書に組み込まれている、米国特許公開第2011/0105854号、米国特許公開第2011/0169644号、および米国特許公開第2007/0180140号に開示されている。一般に、多患者監視システム110は、病院/設備システム112、ナースステーションシステム113、および医師用デバイス114と通信する。病院/設備システム112は、電子カルテ(EMR)および/または入院、退院、および転院(ADT)システムなどのシステムを含むことができる。多患者監視システム110は、有利には、プッシュ、プル、または組合せ技術を通じて、患者識別情報、人口学的情報、課金情報、および同様のものなどの、患者入院時に入力された患者情報を取得し得る。患者モニター106は、監視されている患者を病院/設備システム112に関連付けるためにこの情報にアクセスすることができる。多患者監視システム110、病院/設備システム112、ナースステーションシステム113、医師用デバイス114、および患者モニター106の間の通信は、ワイヤレス、有線、モバイルもしくは他のコンピューティングネットワーク、または同様のものを含む、本明細書の開示により当業者に理解可能である技術によって実行され得る。
【0085】
図1Dは、介護環境内の複数の患者とともに複数のワイヤレスセンサ102の使用を示すように拡大されている
図1Cの開示されている患者監視システム100の簡略化された機能ブロック図である。有利には、患者監視システム100は、たとえば、患者モニター106に関する個別患者情報、さらにはたとえば、ナースステーションサーバまたはシステム114に関する集約された患者情報を提供することができる。したがって、介護人は、たとえば、病院のフロアまたはユニット内に配置されている患者の集団に対応する位置的情報の概要を持つことができる。
【0086】
いくつかの状況において、患者によって着用されるワイヤレスセンサ102に関連付けられているベッドサイド患者モニター106を採用するために利用可能なニーズ、望み、または資源がない場合がある。たとえば、臨床環境には、患者データが患者のベッドサイドではなくナースステーションなどの中央監察ステーションで収集され、分析され、表示され、監視されるように職員を配置することも可能であろう。さらに、情報がベッドサイドで医師によってアクセスされるべきであるときに、たとえば、タブレット、PDA、または同様のものなどのポータブル医師用デバイス114は、患者のベッドサイドにある間に要求された患者特有の情報にアクセスするために介護人によって使用されてよい。
【0087】
そのような状況では、
図1Eおよび
図1Fに例示されているように、ワイヤレスセンサ102は、信号エクステンダ/リピータ107を用いて臨床コンピューティング環境の様々なシステムと通信することができる。エクステンダ/リピータ107は、ワイヤレスセンサ102の範囲内に(たとえば、患者のベッド118の近くに)配置され、データを、ネットワーク108を介して、ワイヤレスセンサ102とワイヤレスセンサ102によって収集されたデータを処理し、記憶し、表示し、および/または伝送することができる1つまたは複数のコンピューティングシステムとの間で中継するように構成される。有利には、比較的低コストのエクステンダ/リピータ107は、たとえば、Bluetooth(登録商標)またはZigBeeなどの、短距離低消費電力伝送モードを使用してワイヤレス通信リンク104上で1つまたは複数のワイヤレスセンサ102から伝送された信号を受信するために使用され得る。次いで、エクステンダ/リピータ107は、ネットワーク108上で受信された信号を患者データ処理環境105内の1つまたは複数のコンピューティングシステムに伝送することができる。いくつかの実施形態によれば、エクステンダ/リピータ107は、ネットワーク108上で、ワイヤレスセンサ102から受信された信号を、たとえば多患者監視システム110などのコンピューティングノードに再送するBluetooth(登録商標)-Ethernetゲートウェイである。いくつかの実施形態において、エクステンダ/リピータ107は、ワイヤレスセンサ102のためにネットワーク108へのアクセスを提供するBluetooth(登録商標)-Wi-Fiブリッジである。もちろん、当業者であれば、エクステンダ/リピータ107を実装するための方法は多数あることを理解するであろう。
【0088】
図2Aは、開示されているワイヤレスセンサ102の一実施形態の簡略化されたハードウェアブロック図を例示している。
図2Aに示されているように、ワイヤレスセンサ102は、プロセッサ202、データ記憶デバイス204、ワイヤレストランシーバ206、システムバス208、加速度計210、ジャイロスコープ212、バッテリ214、および情報要素215を含み得る。プロセッサ202は、他にもあるがとりわけ、データを処理し、命令を実行して、本明細書で開示されている方法などの1つまたは複数の機能を実行し、ワイヤレスセンサ102の動作を制御するように構成され得る。データ記憶デバイス204は、限定はしないが、ランダムアクセスメモリ(RAM)およびリードオンリーメモリ(ROM)を含む、データを記憶する1つまたは複数のメモリデバイスを含み得る。ワイヤレストランシーバ206は、Wi-Fi(802.11x)、Bluetooth(登録商標)、ZigBee、携帯電話、赤外線、RFID、衛星伝送、専用プロトコル、これらの組合せ、および同様のものなどの、様々なワイヤレス技術のうちのどれかを使用するように構成され得る。ワイヤレスセンサ102のコンポーネントは、1つまたは複数のバスを表すものとしてよい、システムバス208を用いて1つに結合され得る。バッテリ214は、本明細書で説明されているワイヤレスセンサ102のハードウェアコンポーネントに電力を供給する。
図2Aに例示されているように、バッテリ214は、システムバス208上で他のコンポーネントと通信する。当業者であれば、バッテリ214が1つまたは複数の別の電気的接続部によって
図2Aに示されているハードウェア機能コンポーネントのうちの1つまたは複数と通信することができることを理解するであろう。情報要素215は、不揮発性メモリ内に、ワイヤレスセンサ102に関連する品質標準を維持するのを助けるために使用される情報を記憶するメモリ記憶素子であってよい。例示的に、情報要素215は、センサ102がすでに活性化されているかどうか、およびセンサ102がたとえば4時間などの長時間にわたってすでに動作しているかどうかに関する情報を記憶することができる。情報要素215に記憶される情報は、ワイヤレスセンサ102の不適切な再利用を検出するのを助けるために使用され得る。
【0089】
いくつかの実施形態において、加速度計210は、三次元(3D)加速度計である。本明細書で使用されているような3D加速度計という用語は、当業者に知られている広い意味を有する。加速度計210は、「X」、「Y」、および「Z」軸としてときには表される、3本の直交軸におけるワイヤレスセンサ102の加速度に応答する出力をもたらす。加速度計210は、地球の重力に関して受ける加速度を測定し得る。加速度計210は、3本の軸に沿った加速度情報を提供するものとしてよく、慣性加速度から局所的重力加速度を引いたものに相当する加速度情報を提供し得る。加速度計210は、当業者によく知られている。加速度計210は、微小電気機械システム(MEMS)であってよく、他にも実装形態があるがとりわけ、ピエゾ抵抗器を含み得る。加速度計210は、高インピーダンス電荷出力または低インピーダンス電荷出力加速度計210であってよい。いくつかの実施形態において、加速度計210は、3軸加速度計であってよく、加速度計210の出力は、3つの信号を含むものとしてよく、各々特定の軸における測定された加速度を表す。加速度計210の出力は、8ビット、12ビット、または他の適切なサイズの出力信号であってよい。加速度計の出力は、アナログまたはデジタル形式であってよい。加速度計210は、ワイヤレスセンサ102が取り付けられる患者の体位、配向、および/または運動を決定するために使用され得る。
【0090】
いくつかの実施形態において、ジャイロスコープ212は、角度分解能が2度であり、センサドリフト調整能力が1度である、3軸デジタルジャイロスコープである。本明細書で使用されているような3軸ジャイロスコープという用語は、当業者に知られている広い意味を有する。ジャイロスコープ212は、ピッチ、ヨー、およびロールの測定結果に対応する3本の直交軸におけるワイヤレスセンサ102(患者に貼り付けられているような)の感知された角速度に応答する出力をもたらす。当業者であれば、多数の他のジャイロスコープ212は本明細書の開示の範囲から逸脱することなくワイヤレスセンサ102内で使用できることを理解するであろう。いくつかの実施形態において、加速度計210およびジャイロスコープ212は、慣性計測装置(IMU)と称され得る単一のハードウェアコンポーネント内に組み込まれ得る。いくつかの実施形態において、IMUは、また、他にもあるがとりわけ、信号サンプリング、バッファリング、センサ較正、および感知された慣性データのセンサ融合処理を取り扱う組み込みプロセッサも含み得る。他の実施形態では、プロセッサ202は、これらの機能を実行することができる。またなおも他の実施形態において、感知された慣性データは、ワイヤレスセンサ102のコンポーネントによって最小処理され、さらなる処理のために、患者モニター106などの外部システムに伝送され、それによってワイヤレスセンサ102の複雑度、消費電力、およびコストを最小限度に抑え、これは1回だけ使用できる使い捨て製品であってもよい。
【0091】
図2Bは、次のオプションの(点線で反映されているような)感知コンポーネントを備える開示されているワイヤレスセンサ102の一実施形態の簡略化されたハードウェア機能ブロック図である。これらのコンポーネントは、コンパスとも称され得る磁力計216、温度センサ218、音響呼吸センサ220、心電図(ECG)センサ222、1つまたは複数の酸素測定センサ224、水分センサ226、およびインピーダンスセンサ228である。いくつかの実施形態において、磁力計216は、地球の磁場を含む、磁場を示す情報を提供する三次元磁力計である。
図2Bには別個の機能要素として示されているが、当業者であれば、加速度計210、ジャイロスコープ212、および磁力計216は、慣性計測装置などの単一のハードウェアコンポーネントに組み込まれ得ることを理解するであろう。
【0092】
一実施形態によれば、本明細書では、物体に取り付けられた3つのセンサ、すなわち、3本の軸に沿って直線加速度を測定するように構成されている加速度計210、3本の軸の周りの角速度を測定するように構成されているジャイロスコープ212、および3本の軸に沿って磁場(たとえば、地球の磁場)の強度を測定するように構成されている磁力計216からの入力から導出される物体の三次元での位置および配向を算出するためのシステムおよび方法が説明されている。一実施形態において、3つのセンサ210、212、および214は、患者に貼り付けられるワイヤレスセンサ102に取り付けられる。一実施形態によれば、センサ210、212、および214は、約10Hzと約100Hzとの間のレートでサンプリングされる。当業者であれば、センサ210、212、および214は、本開示の範囲から逸脱することなく異なるレートでサンプリングされ得ることを理解するであろう。9個のセンサ入力をもたらす、3つのセンサ210、212、および214からのサンプリングされたデータは、三次元空間内の患者の体位および配向を記述するように処理される。一実施形態において、患者の体位および配向は、オイラー角に関して患者の一組のX-Y-Z軸の周りの一組の回転として記述される。
【0093】
図2Bには、患者の状態を監視し管理するために医師によって使用される生命兆候である患者の身体中央部温度を測定するために使用され得る温度センサ218も例示されている。温度センサ218は、熱電対を備えることができ、これは1つまたは複数のスポットで互いに接触する2つの異種の導体または半導体を有する温度測定デバイスである。これらの異なる導体は温度差を受ける。熱電対は、接触点が基準温度と異なるときに電圧を発生する。有利には、熱電対は、電源内蔵式であり、したがって、動作のために外部電源を必要としない。一実施形態において、温度センサ218は、サーミスタを含む。サーミスタは、抵抗器の一種であり、その抵抗値は温度に応じて変化する。サーミスタは、典型的には、制限された温度範囲内で高い精度をもたらす。
【0094】
音響呼吸センサ220は、限定はしないが、心拍数、呼吸数、鼾、咳、息詰まり、喘鳴音、および呼吸閉塞(たとえば、無呼吸事象)を含む、様々な生理的パラメータおよび/または状態を示す患者の身体(たとえば、患者の胸部)からの振動運動を感知するために使用され得る。ECGセンサ222は、患者の心臓活動を測定するために使用できる。一実施形態によれば、ECGセンサ222は、2つの電極と単一のリードとを備える。酸素測定センサ224は、患者のパルス酸素濃度を監視するために使用することができ、これは人の酸素供給の指標である、動脈血の酸素飽和度レベルを測定するための広く受け入れられている非侵襲的手技である。典型的なパルス酸素測定システムは、患者の身体の一部(たとえば、指先、耳たぶ、小鼻、および、同様のものなど)上にクリップで留めた光センサを利用して感知される身体の一部内を流れる脈打つ動脈血中の酸化ヘモグロビンの相対的体積を測定する。酸素飽和度(SpO2)、脈拍数、プレチスモグラフ波形、灌流指数(PI)、プレチスモグラフ変動指数(PVI)、メトヘモグロビン(MetHb)、一酸化炭素ヘモグロビン(CoHb)、トータルヘモグロビン濃度(tHb)、血糖量、および/または他のものは、酸素測定センサ224を使用して測定され、監視され得る。水分センサ226は、褥瘡を形成する患者の危険性を評価する際に関連する臨床学的因子である患者の皮膚の水分を決定するために使用することができる。インピーダンスセンサ228は、患者の流体レベルを追跡するために使用され得る。たとえば、インピーダンスセンサ228は、患者の浮腫、心不全進行状況、および敗血症を監視し、検出することができる。
【0095】
図3Aは、底部基部310、取り外し可能なバッテリアイソレータ320、装着フレーム330、回路基板340、ハウジング350、および頂部基部360を含む開示されているワイヤレスセンサ102の一実施形態の概略分解斜視図である。底部基部310は、ワイヤレスセンサ102の様々なコンポーネントが位置決めされる頂部表面と、ワイヤレスセンサ102を患者の身体に貼り付けるために使用される底部表面とを有する基材である。底部基部310および頂部基部360は、2、3例を挙げると白色ポリエチレン、ポリウレタン、または網状ポリウレタン発泡体などの医療グレードの発泡体材料から作られるものとしてよい。
図3Aに示されている実施形態に例示されているように、底部基部310および頂部基部360は、各々実質的に卵形の形状をとり、その厚さは約1mmである。頂部基部360は、組み立て時にハウジング350が嵌合する切欠362を含む。もちろん、当業者であれば、本開示の範囲から逸脱することなく採用できる頂部基部310および底部基部360に対して適している多数のサイズおよび形状があることを理解するであろう。底部基部360の底部表面は、高タック医療グレード接着剤でコーティングされ、患者の皮膚に塗布されるときに、たとえば2日以上などの長期の監視に適している。底部基部310の頂部表面の一部分も、底部基部310および頂部基部360がワイヤレスセンサ102の組み立て時に一緒に接着されるように、医療グレード接着剤でコーティングされる。
【0096】
取り外し可能バッテリアイソレータ320は、バッテリ214と回路基板340上の電気接点(図示せず)との間の電気的連通をブロックする働きをする電気的絶縁材料から作られた緩衝片である。バッテリアイソレータ320は、ワイヤレスセンサ102が使用できる状態になるまで電池電力を温存するために使用される。バッテリアイソレータ320は、バッテリアイソレータ320がワイヤレスセンサ102から取り外されるまでバッテリ214と回路基板340との間の電気的接続をブロックする。バッテリアイソレータ320は、初期位置から摺動可能に取り外される十分な柔軟性および回路基板340からバッテリを電気的に絶縁するために適切な誘電特性を有する材料から作ることができる。たとえば、バッテリアイソレータは、プラスチック、ポリマーフィルム、紙、発泡体、そのような材料の組合せ、または同様のものから作られ得る。バッテリアイソレータ320は、ワイヤレスセンサ102が組み立てられるときにハウジング350のスロット352を貫通するプルタブ322を備える。プルタブ322は、元の組み立てられた位置からプルタブ322を把持してスライドさせて引き出しやすいように摩擦表面を形成するテクスチャを持つものとしてよい。バッテリアイソレータ320が取り外された後、バッテリ214は、ワイヤレスセンサ102の電子コンポーネントに電流を流すためにバッテリ接点と電気的に接続する。
【0097】
装着フレーム330は、バッテリ214を回路基板340に固定するのを助ける構造支持要素である。装着フレーム340は、組み立てられたときに、バッテリ接点342とバッテリ214との間で摺動するウィング342を有する。それに加えて、装着フレーム330は、回路基板340と底部基部310との間に剛体構造を設ける働きをする。音響呼吸センサを含むいくつかの実施形態によれば、剛体構造は、患者から発する振動運動(振動)(たとえば、呼吸、心拍、鼾、咳、息詰まり、喘鳴音、呼吸閉塞、および同様のものなど)を回路基板340上に位置決めされた加速度計210に伝達する。
【0098】
本明細書では基材層340および回路層340とも称され得る、回路基板340は、ワイヤレスセンサ102の機能の多くを実行するように電気的コンポーネントを機械的に支持し、電気的に接続する。回路基板340は、導電性トラックおよび接続パッドを備える。そのような電気的コンポーネントは、限定することなく、プロセッサ202、記憶デバイス204、ワイヤレストランシーバ206、加速度計210、ジャイロスコープ212、磁力計216、温度センサ218、音響呼吸センサ220、ECGセンサ222、酸素測定センサ224、水分センサ226、およびインピーダンスセンサ228を含み得る。一実施形態において、回路基板340は、頂部側に装着された電子コンポーネントおよび底部側のバッテリ接点(図示せず)を有する両面形成となっている。もちろん、当業者であれば、ワイヤレスセンサ102の電気コンポーネントおよび電子コンポーネントを装着し、相互接続するための他の可能性も理解するであろう。
【0099】
図3Aに例示されているように、バッテリホルダ342は、頂部回路基板340の両側に取り付けられ、回路基板340の底部側の下に延在し(支持構造物を形成し)、バッテリ214を回路基板340に関して適所に保持する。バッテリホルダ342は、導電性材料から作られる。いくつかの実施形態において、バッテリ214は、頂部側に陰極を、底部側に陽極を有するコイン型電池である。バッテリ214の陽極と回路基板340との間の電気的接続は、バッテリ214の陽極および回路基板340と電気的に接触するバッテリホルダを用いてなされる。バッテリ214の陰極は、回路基板340の底部側でバッテリ接点(図示せず)に触れるように位置決めされる。いくつかの実施形態において、バッテリ接点は、バッテリ214の陽極とバッテリ接点との間で接触が確実になされるようにバッテリ接点に力を加えるスプリングアームを備える。組み立て時および使用前に、電気的接触をブロックするためにバッテリ214の陽極とバッテリコネクタとの間にバッテリアイソレータ320が挿入される。
【0100】
ハウジング350は、ワイヤレスセンサ102のコンポーネントを収容し、保護する働きをする構造コンポーネントである。ハウジング350は、ワイヤレスセンサ102の電子コンポーネントを適切に保護することができる材料から作られ得る。そのような材料の例は、限定はしないが、熱可塑性物質および熱硬化性重合体を含む。ハウジング350は、組み立て時にバッテリアイソレータ320が挿入されるスロット352を備える。ハウジング350は、また、ハウジング350の外面の周りに延在するリム354も備える。リム354は、ワイヤレスセンサ102が組み立てられるときにハウジング350を底部基部310および頂部基部360に関して適所に固定するために使用される。
【0101】
ワイヤレスセンサ102の組み立ては次の通りである。回路基板340およびバッテリ214を保持するバッテリホルダ342が、ハウジング350内に載置される。装着フレーム330のウィング332は、バッテリ214とバッテリホルダ342との間に挿入され、それにより、装着フレーム330を回路基板340に揃える。次いで、バッテリアイソレータ320が、バッテリ接点とバッテリ214との間に位置決めされる。次いで、バッテリアイソレータ320のプルタブ322がハウジング350内のスロット352に通される。次いで、頂部基部360が、ハウジング350の上に位置決めされ、次にこれはアラインメント用の切欠362を使用して、組み立てられた回路基板340、バッテリホルダ342、バッテリ214、装着フレーム330、およびバッテリアイソレータ320を収納する。ハウジング350のリム354は、高タック医療グレード接着剤でコーティングされている、頂部基部360の底部表面に接着される。次に頂部基部360、ハウジング350、回路基板340、バッテリホルダ342、バッテリ214、装着フレーム330、およびバッテリアイソレータ320を含む、部分的アセンブリが、底部基部310の頂部表面上の中心に位置決めされ、基部頂部360の縁を基部底部310の縁に揃える。いくつかの実施形態において、今組み合わされている頂部基部360および底部基部310の余分な部分を切り取りワイヤレスセンサ102の最終的な形状を形成するためにクーポン(またはダイス切断工具)が使用される。次いで、底部基部310の底部表面は、高タック医療グレード接着剤でコーティングされ、使用するときが来るまで接着剤を保護するために剥離ライナ(図示せず)が底部基部310の底部表面に載置される。
【0102】
組み立てられたワイヤレスセンサ102の概略斜視図が、
図3Bに例示されている。また
図3Bには、ハウジング350の頂部に配置されているボタン/スイッチ324も例示されている。ボタン/スイッチ324は、ワイヤレスセンサ102のモードを変更するために使用され得る。たとえば、いくつかの実施形態において、ボタン/スイッチ324を押し下げたままにすることで、ワイヤレスセンサ102をペアリング動作モードに切り替えることができる。ペアリングモードは、ワイヤレスセンサ102を患者モニター106またはエクステンダ/リピータ107に関連付けるために使用される。
図3Cは、断面線A-Aが識別されている組み立てられたワイヤレスセンサ102の一実施形態の概略側面図を示している。
【0103】
図4Aおよび
図4Bを次に参照すると、温度センサ218を含むワイヤレスセンサ102の一実施形態が開示されている。
図4Aは、温度センサ218を含む開示されているワイヤレスセンサ102の組み立て済み実施形態を例示する、
図3Cの線A-Aに沿って切り取られた、概略断面図である。見やすくするため、バッテリアイソレータ320およびバッテリホルダ342は図示されていない。
図4Bは、
図4Aの開示されているワイヤレスセンサの実施形態の概略底面図である。底部基部310の底部表面が例示されている。また想像線(すなわち、点線)で、切欠362の外形が例示されており、これはまた底部基部310の底部表面に関するハウジング350の位置も示す。
【0104】
ワイヤレスセンサ102の組み立てに関して上で説明されているように、底部基部310の頂部表面は、頂部基部360の底部表面と接触し、接着されている。ハウジング350のリム354は、ハウジング350を固定するために2つの基部310と360との間にサンドイッチ状に挟まれる。ハウジング350は、また、頂部基部360の切欠362を通して突き出る。ハウジング内では、バッテリ214および装着フレーム330が、底部基部310の頂部表面に隣接する。
【0105】
図4Aに例示されているように、温度センサ218は、回路基板340上に装着される。温度感知機能を実行するために、温度センサ218は患者の皮膚と熱的に接触する。これを達成するために、熱エネルギーを患者の身体から温度センサ218に伝達するための構造物が設けられる。特に、温度センサ218への入力は、回路基板340内に配置されている複数のスルーホールビア410に熱的に接続される。スルーホールビアは、載置され得る熱伝導性および/または導電性材料が通る回路基板340内の小さな垂直開口部または経路であり、それによって、回路基板340の一方の側から他方の側へ熱的および/または電気的エネルギーを伝達することを可能にする。スルーホールビア410の下に、装着フレーム330を貫通し(装着フレーム開口を形成し)、ワイヤレスセンサ102の底部基部310を貫通する開口または開口部404がある。開口404は、ワイヤレスセンサ102が患者によって着用されるときに温度センサ218から患者の皮膚にアクセスできるようにする。開口404およびスルーホールビア410は、熱伝導性材料402を充填される。熱伝導性材料は、当技術分野でよく知られており、非限定的な例を用いて、2、3例を挙げると、熱伝導性エラストマー、ポリマー、および樹脂を含み得る。例示的に、動作時に、ワイヤレスセンサ102は患者の皮膚に貼り付けられる。患者の皮膚に露出される、熱伝導性材料402は、患者の身体からの熱エネルギーを温度センサ218の入力のところに達するように開口404およびスルーホールビア410を通して伝達する。
【0106】
有利には、開示されているワイヤレスセンサ102は、皮膚表面から深部組織温度を測定できる技術を使用して温度センサ218により患者の身体中央部温度(確立され、有用な生命兆候)を測定することができる。人体では、身体中央部温度が典型的には皮膚表面よりも高い温度なので、身体中央部と皮膚表面との間に自然な熱流速がある。したがって、熱は身体中央部から皮膚へ流れる。皮膚表面を皮膚温度が測定される地点でまたはその地点の周りで絶縁する-それによって熱が漏れるのをブロックする-ことによって、身体中央部と皮膚表面との間の温度勾配が減少する。絶縁領域の下の皮膚温度は、絶縁体の下の最も暖かい領域(すなわち、身体中央部)との平衡状態に達するまで上昇し、それによって、身体中央部温度に接近する。平衡状態に達したときに、皮膚温度は、身体中央部温度に等しくなる。有利には、温度センサ218の周りの患者の皮膚と接触している、ワイヤレスセンサ102の底部基部310および頂部基部360は、断熱性を有する。例示的に、非限定的な例を用いて、底部基部310および頂部基部360は、ポリウレタン発泡体、ポリスチレン発泡体、ネオプレン発泡体、ネオプレンゴム、ポリエステル(マイラー)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、シリコーン発泡体、シリコーンゴム、または同様のものを含む断熱材料から作ることができる。したがって、温度センサ218は、患者の身体中央部温度を測定することができる。
【0107】
図4Cは、
図4Aおよび
図4Bの開示されているワイヤレスセンサの実施形態の概略分解斜視図である。図示されているように、温度センサ218は、回路基板340の頂部表面上に装着される。開口404は、装着フレーム330および底部基部310を貫通し、スルーホールビア410(
図4Cに図示せず)および温度センサ218と垂直に揃えられる。開口404およびスルーホールビア410は、熱伝導性材料402を充填される。したがって、開示されている構造は、患者の皮膚と温度センサ218との間に熱的接続性をもたらす。
【0108】
図5Aおよび
図5Bを次に参照すると、音響呼吸センサ220を含むワイヤレスセンサ102の一実施形態が開示されている。
図5Aは、音響呼吸センサ220を含む開示されているワイヤレスセンサ102の組み立て済み実施形態を例示する、
図3Cの線A-Aに沿って切り取られた、概略断面図である。見やすくするため、バッテリアイソレータ320およびバッテリホルダ342は図示されていない。
図5Bは、
図5Aの開示されているワイヤレスセンサの実施形態の概略底面図である。底部基部310の底部表面が例示されている。また想像線(すなわち、点線)で、切欠362の外形が例示されており、これは底部基部310の底部表面に関するハウジング350の位置を示す。
【0109】
図5Aに例示されているように、音響呼吸センサ220は、バッテリ214の下に装着される。動作として、音響呼吸センサ220は、患者の身体(たとえば、患者の胸部)から発する振動運動を検出し、検出された振動運動を加速度計210に機械的に伝達する。加速度計210は、機械的に伝達された振動運動を感知する。加速度計210によって収集された信号は、他の感知された加速度信号から振動運動を抽出するように処理され得る。そのような振動運動の例は、限定はしないが、心拍、呼吸活動、咳、喘鳴音、鼾、息詰まり、および呼吸閉塞(たとえば、無呼吸事象)を含むことができる。感知された振動運動を効果的に機械的に伝達するために、音響呼吸センサ220は、加速度計210と剛体構造接触する。これを達成するために、音響呼吸センサ220は、バッテリ214の底部側に装着される。特に、音響呼吸センサ220は、バッテリ214の底部表面と底部基部310との間にサンドイッチ状に挟まれるリム221を含む。したがって、リム221は、音響呼吸センサ220をバッテリ214の底部表面に堅く固定する働きをする。
【0110】
図5Aに例示されているように、音響呼吸センサ220は、底部基部310内の開口または開口部502を通って突き出て、底部基部310によって形成される平面を超える。これは、音響呼吸センサ220が患者の身体(たとえば、胸部)と直接接触し、患者から発する振動運動を感知することを確実にする。音響呼吸センサ220内に、軽く張力がかけられた可撓性ワイヤまたは他のそのような構造物があり、ワイヤが振動運動にさらされたときに、感知された振動運動の振動数と大きさの両方に関して感知された振動運動に比例するように振動する。音響呼吸センサ220は、ワイヤレスセンサ102の剛体構造を通して感知された振動運動を伝達するように構成され、伝達された振動運動は加速度計210によって感知される。剛体構造物は、バッテリ214および回路基板340を含む。
【0111】
図5Cは、
図5A~
図5Bの開示されているワイヤレスセンサの実施形態の概略分解斜視図である。図示されているように、加速度計210は、回路基板340の下に固定されているバッテリ214の上の回路基板340の頂部表面上に装着される。音響呼吸センサ220(
図5Cに図示せず)は、バッテリ214と底部基部310との間に嵌合する。開口502は、底部基部310を貫通し、音響呼吸センサ220がワイヤレスセンサ102の剛体構造物に固定されるようにバッテリ214と垂直に揃えられる。したがって、開示されている構造物は、音響呼吸センサ220が患者の胸部から振動運動を加速度計210に機械的に伝達する能力を付与する。
【0112】
図6A~
図6Cは、温度センサ218および音響呼吸センサ220を含む開示されているワイヤレスセンサ102の一実施形態を例示している。
図6Aは、温度センサ218および音響呼吸センサ220を含む開示されているワイヤレスセンサ102の組み立て済み実施形態を例示する、
図3Cの線A-Aに沿って切り取られた、概略断面図である。見やすくするため、バッテリアイソレータ320およびバッテリホルダ342は図示されていない。
図6Bは、
図6Aの開示されているワイヤレスセンサの実施形態の概略底面図である。
図6Cは、
図6Aおよび
図6Bの開示されているワイヤレスセンサ102の実施形態の概略分解斜視図である。
【0113】
構造に関して、
図6A~
図6Cに示されている実施形態は、
図4A~
図4Cおよび
図5A~
図5Cに示されている実施形態の組合せである。
図6A~
図6Bに例示されているように、温度センサ218は、回路基板340上に装着される。すでに説明されているように、温度センサ218への入力は、回路基板340内に配置されている複数のスルーホールビア410に熱的に結合される。スルーホールビア410の下に、装着フレーム330を貫通し、ワイヤレスセンサ102の底部基部310を貫通する開口404がある。開口404は、ワイヤレスセンサ102が患者によって着用されるときに温度センサ218から患者の皮膚にアクセスできるようにする。開口404およびスルーホールビア410は、熱伝導性材料402を充填される。動作時に、ワイヤレスセンサ102は患者の皮膚に貼り付けられる。患者の皮膚に露出される、熱伝導性材料402は、患者の身体からの熱エネルギーを温度センサ218の入力のところに達するように開口404およびスルーホールビア410を通して伝達する。
【0114】
また
図6A~
図6Bに例示されているように、音響呼吸センサ220は、バッテリ214の下に装着される。特に、音響呼吸センサ220は、バッテリ214の底部表面と底部基部310との間にサンドイッチ状に挟まれるリム221を含む。したがって、リム221は、音響呼吸センサ220をバッテリ214の底部表面に堅く固定する働きをする。音響呼吸センサ220は、底部基部310内の開口502を通って突き出て、底部基部310によって形成される平面を超える。音響呼吸センサ220は、ワイヤレスセンサ102の剛体構造を通して患者から(たとえば、患者の胸部から)感知された振動運動を伝達するように構成され、伝達された振動運動は加速度計210によって感知される。剛体構造物は、バッテリ214および回路基板340を含む。
【0115】
図6Cは、
図6Aおよび
図6Bの開示されているワイヤレスセンサの実施形態の概略分解斜視図である。図示されているように、温度センサ218は、回路基板340の頂部表面上に装着される。開口404は、装着フレーム330および底部基部310を貫通し、スルーホールビア410(
図4Cに図示せず)および温度センサ218と垂直に揃えられる。開口404およびスルーホールビア410は、熱伝導性材料402を充填される。それに加えて、加速度計210は、回路基板340の下に固定されているバッテリ214の上の回路基板340の頂部表面上に装着される。音響呼吸センサ220(
図6Cに図示せず)は、バッテリ214と底部基部310との間に嵌合する。いくつかの実施形態において、音響呼吸センサ220は、音響呼吸センサ220、装着フレーム330、バッテリ214、および回路基板340が音響呼吸センサ220によって感知された振動運動を回路基板340上に装着されている加速度計210に機械的に伝達することができる剛体構造物を形成するような仕方で装着フレーム330に当接する。開口502は、底部基部310を貫通し、音響呼吸センサ220がワイヤレスセンサ102の剛体構造物に固定されるようにバッテリ214と垂直に揃えられる。したがって、開示されている実施形態は、患者の皮膚と温度センサ218との間に熱的接続性をもたらし、音響呼吸センサ220が患者の胸部から振動運動を加速度計210に機械的に伝達する能力を付与する。
【0116】
有利には、
図6A~
図6Cに開示されている実施形態は、他にもあるがとりわけ、3つの生命兆候、すなわち、身体中央部温度、脈拍数、および呼吸数を提供することができる。生命兆候は、身体の最も基本的な機能の測定結果であり、患者の状況を評価し、監視するために医療提供者によって日常的に使用される。患者の身体中央部温度は、温度センサ218によって与えられ得る。患者の脈拍数および呼吸数は、加速度計210と組み合わせて音響呼吸センサ220によって与えられ得る。
【0117】
図7A~
図7Fを参照すると、心電図(ECG)センサ222を含む開示されているワイヤレスセンサ102の一実施形態が示されている。回路基板上に装着するのに適している、チップスケールおよび/またはコンポーネントスケールのECGセンサは、当技術分野で知られている。例示的に、非限定的な例により、2、3例を挙げると、ソリッドステートECGセンサがTexas InstrumentsおよびPlessy Semiconductors Ltd.によって提供されている。
図7Aは、ハウジング350から延在するECGリード706を備えるECGセンサ222を有する開示されている患者着用ワイヤレスセンサ102の実施形態の斜視図である。ワイヤレスセンサ102は、たとえば、
図7Aに例示されているような胸骨柄の上で患者の胸部に接着される。ECGリード706は、ワイヤレスセンサ102のハウジング350から、患者の心臓によって発生する電気信号を感知するのに適している患者の胸部上の位置まで延在する。ECGリード706は、動作時に、患者の胸部に接着されているECG電極707と電気的に通信する。いくつかの実施形態において、ECG電極707は、粘着パッドの真ん中に埋め込まれた導電性ゲルを備える。ECG電極707は、患者の胸部からの電気信号を感知し、リード706を介して、感知された信号をECGセンサ222に伝送する。電極707は、患者の皮膚に接着し、そこから来る電気信号を感知する。当業者であれば、ECG電極の多くの構造、形態、および形式が当技術分野でよく知られており、ECG電極707を実装するために使用できることを理解するであろう。
【0118】
図7Aに例示されているように、ECGリード706は、患者の胸部の左側の、ワイヤレスセンサ102が配置されている場所から心臓のある位置まで延在する。患者の皮膚にも接触している、別のECG電極702(以下で説明される)は、底部基部310のところのハウジング350の下に形成される。したがって、患者の心臓の電気信号を感知され得るECGリード電極707とECG電極702との間にベクトルが形成される。例示的に、電極702および707が
図7Aに示されているように位置決めされたときに、ECGセンサ222は、標準12リードECGのリードIまたはリードII上で検出されるECG信号に形態が似ているECG信号を感知することができる。
【0119】
図7Bは、
図7Aの開示されているワイヤレスセンサ102の実施形態の概略組み立て済み斜視図である。ECGリード706は、回路基板340上に装着されているECGセンサ222(
図7Dに示されている)に接続する。
図7Bに例示されているように、ECGリードは、ハウジング350を通り、ECGリード706を使用しないときにコイルして保管する係止可能格納式リール708まで延在する。ECGリード706は、リール708から伸長し、所望の位置で係止されるものとしてよく、それによって、ECGリード電極707を患者の胸部の所望の位置に載置することができる。いくつかの実施形態において、係止機構は、リード706に引っ張る力を印加することによって係合および係脱を行う。様々な形態およびバージョンの係止可能格納式リールは、当技術分野でよく知られており、リール708を実装するために使用され得る。
【0120】
図7Cは、断面線B-Bが識別されている
図7Aおよび
図7Bの組み立てられたワイヤレスセンサ102の実施形態の概略側面図を示している。
図7Dは、線B-Bに沿って切り取られた
図7A~
図7Cの実施形態の断面図である。
図7Dに例示されているように、ECGセンサ222は、回路基板340上に装着される。温度感知機能を実行するために、ECGセンサ222は患者の皮膚上の少なくとも2つの点と電気的に接触する。2つの電極702および707は、この目的を達成するために用意されている。ECG電極707は上ですでに説明されているが、これとともにECG電極702について次に説明する。
【0121】
ECG電極702は、ワイヤレスセンサ102の底部基部310内に配置される。ECGセンサ222への入力は、回路基板340内に配置されている複数のスルーホールビア710に電気的に接続される。すでに説明されているように、スルーホールビアは、載置され得る導電性材料が通る回路基板340内の小さな垂直開口部または経路であり、それによって、回路基板340の一方の側から他方の側へ電気信号を伝送することを可能にする。スルーホールビア710の下に、装着フレーム330を貫通し(装着フレーム開口を形成し)、ワイヤレスセンサ102の底部基部310を貫通する開口または開口部704がある。開口704は、ワイヤレスセンサ102が患者によって着用されるときにECGセンサ222から患者の皮膚にアクセスできるようにする。開口704およびスルーホールビア710は、導電性材料を充填され、ECG電極702を形成する。導電性材料は、当技術分野でよく知られており、非限定的な例を用いて、2、3例を挙げると、導電性シリコーン、エラストマー、ポリマー、エポキシ、および樹脂を含み得る。動作時に、ワイヤレスセンサ102は、患者の皮膚に貼り付けられ、患者の皮膚に露出されている、ECG電極702は、開口704およびスルーホールビア710を通して患者の皮膚表面からの電気信号を感知し伝送しECGセンサ222の入力に到達させる。
【0122】
図7Eは、
図7A~
図7Dの開示されているワイヤレスセンサの実施形態の概略底面図である。底部基部310の底部表面が例示されている。また想像線(すなわち、点線)で、底部基部310の底部表面に関するハウジング350の位置も示す切欠362の外形、および係止可能格納式リール708が示されている。ECG電極702は、また、患者の皮膚と接触する位置にあるように例示されている。いくつかの実施形態において、ECG電極は、電極-皮膚間界面を改善するために導電性ゲルでコーティングされ得る。
【0123】
図7Fは、
図7A~
図7Eの開示されているワイヤレスセンサの実施形態の概略分解斜視図である。図示されているように、ECGセンサ222は、回路基板340の頂部表面上に装着される。開口704は、装着フレーム330および底部基部310を貫通し、スルーホールビア710(
図7Fに図示せず)およびECGセンサ222と垂直に揃えられる。開口704およびスルーホールビア710は、導電性材料を充填され、電極702を形成する。したがって、開示されている構造は、患者の皮膚とECGセンサ222との間に電気的接続性をもたらす。
【0124】
図8Aは、温度センサ218、音響呼吸センサ220、およびECGセンサ222を有する開示されているワイヤレスセンサの一実施形態の概略分解斜視図である。
図8Bは、
図8Aの開示されているワイヤレスセンサの概略底面図である。構造に関して、
図8A~
図8Bに示されている実施形態は、
図4A~
図4Cおよび
図5A~
図5Cおよび
図7A~
図7Fに示されている実施形態の組合せである。
図8A~
図8Bに例示されているように、温度センサ218は、回路基板340上に装着される。すでに説明されているように、温度センサ218への入力は、回路基板340内に配置されている複数のスルーホールビア410に熱的に結合される。スルーホールビア410の下に、装着フレーム330を貫通し、ワイヤレスセンサ102の底部基部310を貫通する開口404がある。開口404は、ワイヤレスセンサ102が患者によって着用されるときに温度センサ218から患者の皮膚にアクセスできるようにする。開口404およびスルーホールビア410は、熱伝導性材料402を充填される。
【0125】
音響呼吸センサ220は、バッテリ214の底部表面と底部基部310との間にサンドイッチ状に挟まれるリム221によって適所に保持される、バッテリ214の下に装着される。したがって、リム221は、音響呼吸センサ220をバッテリ214の底部表面に堅く固定する働きをする。音響呼吸センサ220は、底部基部310内の開口502を通って突き出て、底部基部310によって形成される平面を超える。音響呼吸センサ220は、ワイヤレスセンサ102の剛体構造を通して患者から(たとえば、患者の胸部から)感知された振動運動を伝達し、伝達された振動運動は加速度計210によって感知される。伝達される振動運動が通る剛体構造物は、バッテリ214および回路基板340を含む。
【0126】
ECG電極702は、ワイヤレスセンサ102の底部基部310内に配置される。ECGセンサ222への入力は、回路基板340内に配置されている複数のスルーホールビア710に電気的に結合される。スルーホールビア710の下に、装着フレーム330を貫通し、ワイヤレスセンサ102の底部基部310を貫通する開口または開口部704がある。開口704は、ワイヤレスセンサ102が患者によって着用されるときにECGセンサ222から患者の皮膚にアクセスできるようにする。開口704およびスルーホールビア710は、導電性材料を充填され、ECG電極702を形成する。
【0127】
動作時に、ワイヤレスセンサ102は患者の皮膚に貼り付けられる。患者の皮膚に露出される、熱伝導性材料402は、患者の身体からの熱エネルギーを温度センサ218の入力のところに達するように開口404およびスルーホールビア410を通して伝達する。音響呼吸センサ220は、患者からの振動運動を感知し、振動運動を回路基板上に装着されている加速度計210に機械的に伝達する。そして患者の皮膚に露出されている、ECG電極702および707は、患者の皮膚表面からの電気信号を感知し、伝送してECGセンサ222の入力に到達させる。
【0128】
図8Bは、
図8Aの開示されているワイヤレスセンサの実施形態の概略底面図である。底部基部310の底部表面が例示されている。また想像線(すなわち、点線)で、切欠362および係止可能格納式リール708の外形も例示されている。3つのセンサアクセス点が
図8Bに示されている。熱伝導性材料402は、患者の皮膚から回路基板340上に装着されている温度センサ218に伝達されるべき熱的エネルギーのための経路を形成する。音響呼吸センサ220は、患者の皮膚と直接接触し、加速度計210と剛体構造接触をし、患者から発する感知された振動運動を回路基板340上に装着されている加速度計210に機械的に伝達する。そして、ECG電極702は、患者の皮膚から回路基板340上に装着されているECGセンサ220に伝達されるべき電気信号のための経路を形成する。
【0129】
いくつかのシナリオにおいて、他のワイヤレスデバイスからの干渉を回避するようにワイヤレスセンサ102をベッドサイド患者モニター106とペアリングするか、または関連付け、および/または患者特有の情報(たとえば、患者モニター106上に記憶される)をワイヤレスセンサ102によって収集され伝送されるセンサデータと関連付けることが望ましい場合がある。例示的に、そのような患者特有の情報は、非限定的な例を用いて、患者の名前、年齢、性別、体重、識別番号(たとえば、社会保障番号、保険番号、病院識別番号、または同様のもの)、入院日、在院日数、医師の氏名および連絡先情報、診断、治療の種類、灌流量、水和、栄養分、褥瘡形成危険性評価、患者寝返りプロトコル指図、治療計画、研究室結果、健康スコア評価、および同様のものを含み得る。当業者であれば、本開示の範囲から逸脱することなく多数の種類の患者特有の情報が説明されている患者着用センサに関連付けられ得ることを理解するであろう。それに加えて、ワイヤレスセンサ102を患者モニター106とペアリングするステップは、データのセキュリティを確保し、患者の秘密保持を図るために実行され得る。いくつかのワイヤレスシステムでは、介護人がワイヤレスセンサ102を、正しい患者モニター106と通信するようにプログラムする必要がある。他のワイヤレスシステムでは、別々のトークンまたは暗号鍵およびいくつかのステップでワイヤレスデバイス102を正しいベッドサイド患者モニター106とペアリングすることを必要とする。いくつかのシステムでは、トークンをベッドサイド患者モニター106に接続し、次いで、ワイヤレスデバイス102に接続し、次いで、ベッドサイド患者モニター106に再接続することを必要とする。いくつかのシナリオにおいて、別個のトークンまたは暗号鍵を使用することなくワイヤレスセンサ102とベッドサイド患者モニター106との間でワイヤレス通信情報を共有することは望ましい場合がある。セキュリティ上の観点から、セキュリティトークンを使用して、正しいベッドサイド患者モニター106がワイヤレスに伝送される正しいデータを受信することを確実にすることが望ましい場合がある。セキュリティトークンは、ワイヤレスセンサ102およびベッドサイド患者モニター106が同じパスワードを共有していない限り、ベッドサ
イド患者モニター106が伝送されたデータにアクセスすることを防ぐ。パスワードは、単語、パスフレーズ、または無作為に選択されたバイトの配列であってよい。
【0130】
図9は、ワイヤレスセンサ102を患者モニター106に関連付ける例示的な方法を示しており、この方法は「ペアリング」と称され得る。ブロック902で、ワイヤレスセンサ102は、ペアリングモードで動作するように設定される。一実施形態において、使用者は、ワイヤレスセンサ102に対するペアリング動作モードを開始する。これは、ワイヤレスセンサ102の電源をオンにするステップ、ワイヤレスセンサ102を特別なペアリング状態に切り替えるステップ、および/または同様のステップを含み得る。たとえば、いくつかの実施形態において、ワイヤレスセンサ102は、取り外されたときに、ワイヤレスセンサ102を活性化させるバッテリアイソレータ320を備えるものとしてよい。活性化後、既定の動作モードは、ペアリングモードである。いくつかの実施形態において、ワイヤレスセンサ102は、ワイヤレスセンサ102を活性化し、それをペアリング動作モードにするために使用され得るボタン/スイッチ324を有し得る。たとえば、押下可能ボタン/スイッチ324は、ハウジング350の頂部に配置され得る。ボタン/スイッチ324が押下され、連続的に押し下げられたままのときに、ワイヤレスセンサ102は、ペアリング動作モードに入り、ボタン/スイッチ324が押下されている限りペアリング動作モードに留まる。
【0131】
ブロック904に反映されているように、ワイヤレスセンサ102は、患者モニター106とペアリングする、すなわち関連付ける用意ができていることを指示するペアリング信号を伝送する。いくつかの実施形態によれば、ワイヤレスセンサ102のワイヤレストランシーバ206は、制限付きペアリング信号伝送距離を有する低電力ペアリング信号を放射するように構成される。この制限付きペアリング信号伝送距離は、付近にあり得るが、ワイヤレスセンサ102とペアリングすることを意図されていない患者モニター106とワイヤレスセンサ102との意図的でないまたは偶然の関連付けを防ぐ助けとなる。そのような状況は、患者、センサ102、患者モニター106が互いに物理的に近接近している病院、医療施設、高齢者福祉施設、および同様の場所で生じ得る。いくつかの実施形態において、低電力ペアリング信号は、最大約3インチまでのペアリング信号伝送距離を有する。他の実施形態において、低電力ペアリング信号は、最大約6インチまでのペアリング信号伝送距離を有する。他の実施形態において、低電力ペアリング信号は、最大約1フィート(すなわち、12インチ)までのペアリング信号伝送距離を有する。当業者であれば、ペアリング信号伝送距離に対して他の距離も使用され得ることを理解するであろう。
【0132】
次に、ブロック906で、患者モニター106は、ペアリング信号伝送距離の範囲内にあるときに、ワイヤレスセンサ102からペアリング信号を受信する。ペアリング信号を検出した後、患者モニター106は、ブロック908で、ワイヤレスセンサ102に関連付けをし、それによって、ワイヤレスセンサ102および患者モニター106が互いに通信するように構成する。ペアリングが完了した後、患者モニター106は、患者着用センサ102が患者モニター106に関連付けられていることを確認する確認信号を伝送し、それによって、ペアリングプロセスが、ブロック910において反映されているように、正常に完了したことを指示する。ブロック912において、ワイヤレスセンサ102は、確認信号を受信する。そしてブロック914において、ワイヤレスセンサ102は、ペアリング動作モードを終了し、患者パラメータ感知動作モードに入る。患者パラメータ感知動作モードでは、患者着用センサ102は、患者パラメータ感知信号伝送距離を有する患者パラメータ感知信号を伝送する。ワイヤレスセンサ102は、患者パラメータ感知信号伝送距離のパワーを、たとえば約3メートルなどの、標準的な動作範囲に合わせて高める。いくつかの実施形態において、患者パラメータ感知信号伝送距離は、約10フィートである。いくつかの実施形態において、患者パラメータ感知信号伝送距離は、約30フィートである。いくつかの実施形態において、ペアリング信号伝送距離は、約3インチから12インチまでの間であり、患者パラメータ感知信号伝送距離は、約10フィートである。そのような実施形態において、ペアリング信号伝送距離と患者パラメータ感知信号伝送距離との間に少なくとも1桁の差がある。したがって、ペアリング信号伝送距離は患者パラメータ感知伝送距離よりも実質的に短い。次いで、ワイヤレスセンサ102が患者パラメータ感知動作モードに入った後、ワイヤレスセンサ102は、感知および監視機能を実行するために患者に付けるべき状態にある。
【0133】
いくつかの実施形態において、エクステンダ/リピータ107は、患者モニター106の代わりにワイヤレスセンサ102と通信するために使用される。ブースタ/リピータとのペアリングは、
図9に関して上で説明されているのと同じ方式で実行されてよい。
【0134】
いくつかの実施形態によれば、開示されている患者監視システム100は、他にもあるがとりわけ、患者の配向の変化を検出することによって、また患者が現在の配向にどれだけ長く留まっているかを決定することによって、1つまたは複数の褥瘡を形成する危険性のある患者を管理することを助ける。有利には、システム100は、いつ患者が体位変換されたかを検出し、その新しい配向に患者が留まる持続時間の計時を開始することができる。したがって、患者が介護人の観察なしで自分で体位変換する場合、監視システム100は、体位変換事象を検出して、タイマーをリスタートすることができる。
【0135】
患者監視システム100は、患者に対する医師確定寝返りプロトコルの実施を補助することができる。たとえば、患者が、事前定義された医師規定持続時間を超えてある配向に留まっている場合、システム100は、患者および/または介護人に、患者の体位変換が行われる予定であることを通知することができる。ワイヤレスセンサ102は、患者の配向(たとえば、加速度データ)を示すセンサ情報を取得し、感知されたデータを前処理し、たとえば、患者モニター106などの、測定データを処理することができる処理デバイスに伝送する。測定データを処理することができる他のデバイスは、限定はしないが、医師用デバイス114、ナースステーションシステム113、多患者監視システム110、専用処理ノード、または同様のものを含む。わかりやすくするために、本明細書の説明では、処理デバイスを患者モニター106として説明するが、当業者であれば、多数の処理デバイスが本明細書の開示の範囲から逸脱することなく説明されている機能を実行するために使用され得ることを理解するであろう。
【0136】
患者モニター106は、受信されたデータを記憶し、さらに処理して患者の配向を決定する。いくつかの実施形態によれば、患者モニター106は、患者が立っているか、座っているか、または腹臥位、背臥位、左側、または右側位置で横たわっているかどうかを決定することができる。患者モニター106は、決定された配向情報を記憶し、患者が各決定された配向にどれだけの間留まっているかを追跡し、それによって、患者の体位履歴の連続的記録を作成することができる。いくつかの実施形態において、ワイヤレスセンサ102から受信された情報は、患者の体位履歴の時間系列表現を作成するために使用され得る。この表現は、介護人がベッド内の患者の体位を監視することを可能にするように患者モニター106上に表示されるか、またはナースステーションもしくは他の処理ノードに伝送され得る。時間系列表現は、リアルタイムで表示され、および/または再生のためにアクセスすることができる。たとえば、アラームが鳴って患者が現在の配向に留まる最長時間を超えたというアラートが介護人に届いた場合、介護人はその期間の前およびその期間中の患者の配向を履歴順にアクセスして調べ、それにより、患者が体位変換できる次の配向を決定することができる。いくつかの実施形態において、システム100は、患者が体位変換できる配向を提案する。
【0137】
例示的に、患者モニター106は、患者によって実行されるベッド内寝返りの回数をカウントし、患者が最後に寝返ってから経過した時間の長さを表示する。経過時間が医師定義持続時間(たとえば、2時間)を超えたときに、患者モニター106は、患者の寝返りから次の寝返りまでの間の最大時間を超えたという指示を表示する。患者モニター106は、たとえば、多患者監視システム110、医師通知デバイス114、または同様のものを介して患者を介護する責任を有する医師に通知を伝送することもできる。患者モニター106は、たとえば、24時間などの、与えられた医師定義時間期間に対する寝返りから次の寝返りまでの時間の長さの平均、最小値、および最大値などの、統計的情報を決定し、表示することもできる。患者モニター106は、医師定義期間にわたる同じ配向における患者寝返りの回数を決定し、表示することもできる。同様に、患者モニター106は、医師定義期間内に各特定の配向に患者が留まった総時間数を表示することができる。さらに、患者モニター106は、患者が医師定義許容可能体位に留まった頻度および期間の持続時間を決定することができる。
【0138】
本開示のいくつかの実施形態において、患者モニター106は、ネットワーク108を介して患者の健康記録および医師入力にアクセスする。例示的に、患者の健康記録を考慮して分析された、患者の体位履歴データは、特定の患者に対する良好な臨床転帰をもたらす可能性の高い寝返りプロトコル(または他の治療プロトコル)を明らかにするか、または示唆し得る。したがって、患者モニター106は、ワイヤレスセンサ102から受信された情報と併せて、アクセスされた情報を分析し、患者に対する推奨される患者寝返りプロトコル(または他の治療プロトコル)を決定する。
【0139】
本開示のいくつかの実施形態によれば、患者モニター106は、その患者に対して確立されている医師定義寝返りプロトコルに対する介護人および設備の順守を評価する。たとえば、患者モニター106は、規定されている持続時間よりも長い期間にわたって1つの体位に留まる回数さらには、そのようにさらされる状態ごとの長さを識別することができる。患者モニター106は、通知、アラート、またはアラームの発行から医師応答時間に対応する、発行をトリガーした事象に応答して講じられる処置までの時間も追跡することができる。
【0140】
図10は、本開示の一実施形態によるベッド内の患者の配向を推定し、監視する方法1000を例示している。方法1000は、また、いつ患者が配向を変えるかも識別し、患者がその配向に費やす時間の長さを追跡する。決定され得る患者配向は、限定はしないが、患者が腹臥位、背臥位、左側、右側、座っている、および横たわっている状態にあるかどうかを含む。いくつかの実施形態において、患者モニター106は、患者の身体の正確な配向を決定する。たとえば、患者モニター106は、患者の身体が垂直および/または水平に傾斜している程度を決定することができ、それによって、患者が横たわっている支持構造物(ベッドなど)に対する患者の配向の正確な記述を生成することができる。
【0141】
本開示の一実施形態によれば、ワイヤレスセンサ102の加速度計210からの測定結果は、患者の配向を決定するために使用される。加速度計210は、重力に関する患者の直線加速度を測定する。いくつかの実施形態において、加速度計210は、3本の軸で直線加速度を測定する。「ロール」と称される1本の軸は、患者の身体の長手方向軸に対応する。したがって、ロール基準測定は、患者が腹臥位(すなわち、顔を下にしている)、背臥位(すなわち、顔を上にしている)、または横向きであるかを決定するために使用される。加速度計210の別の基準軸は、「ピッチ」と称される。ピッチ軸は、患者の腰の周りの配置に対応する。したがって、ピッチ測定は、患者が上半身を起こしているか、横たわっているかを決定するために使用される。加速度計210の第3の基準軸は、「ヨー」と称される。ヨー軸は、患者が置かれている水平面に対応する。ベッドに入っているときは、患者は、一般的に患者の配向をヨー軸に関して固定する表面構造によって支持される。したがって、開示されている方法1000のいくつかの実施形態において、ヨー測定は、ベッド内にいるときに患者の配向を決定するためには使用されない。
【0142】
例示的には、説明されている方法1000は、加速度計210によって与えられるピッチおよびロールの測定結果に基づき患者の配向を連続的にまたは定期的に(たとえば、1秒おきに)決定する。測定結果は時間を追って追跡され、現在の測定結果が近接過去(たとえば、前の数秒間)の1つまたは複数の測定結果と比較され、それにより、配向変化事象が生じたかどうかを決定する。
【0143】
方法1000は、
図10に関して本明細書においてさらに詳しく説明される。方法1000は、加速度測定データがたとえば患者モニター106などの測定データを処理することができるデバイスによってワイヤレスセンサ102から受信されるブロック1002から始まる。測定データを処理することができる他のデバイスは、限定はしないが、医師用デバイス114、ナースステーションシステム113、多患者監視システム110、処理ノード、または同様のものを含む。わかりやすくするために、本明細書の説明では、処理デバイスを患者モニター106として説明するが、当業者であれば、多数のデバイスが本明細書の開示の範囲から逸脱することなく説明されている方法1000を実行するために使用され得ることを理解するであろう。
【0144】
加速度測定データは、ワイヤレスセンサ102から直接、患者モニター106に送られ得るか、または測定データは、たとえば、エクステンダ/リピータ107によって、ネットワーク108などのネットワーク上で中継され得る。加速度測定データは、たとえば、100Hzなどの、許容可能な精度を得るのに適しているサンプリングレートで最初にサンプリングされ得る。いくつかの実施形態において、測定されたデータは、ワイヤレスセンサ102のバッテリ214の消費電力を低減するために伝送される前にワイヤレスセンサ102によってサブサンプリングされる。一実施形態において、加速度測定データは、最初に100Hzでサンプリングされ、その後、伝送のため、26Hzのレートにダウンサンプリングされる。一実施形態において、加速度測定データは、最初に約10Hzから約200Hzの範囲でサンプリングされ、その後、伝送のため、約5Hzから約40Hzまでのレートにダウンサンプリングされる。当業者であれば、多くの他のサンプリングレートおよびサブサンプリングレートが使用され得ることを理解するであろう。
【0145】
ブロック1004において、患者モニター106は、患者の現在の配向を決定する。受信された加速度測定データは処理され、それにより、ロールおよびピッチ軸に対する配向値を決定する。処理された加速度測定データは、-180度から+180度までの範囲の、度数単位で提供される。経験的データに基づく、ルックアップテーブルは、ロールおよびピッチ測定結果の対と患者配向との間の相関を示す。例示的に、非限定的な例を用いて、180度のロール測定結果は、患者が仰向けになっていることを意味するものとしてよく、0度のピッチ測定結果は、患者が横たわっていることを意味するものとしてよい。180度のロール測定結果と0度のピッチ測定結果の組合せは、患者が仰向けに寝ている配向に対応し得る。同様に、180度のロール測定結果と90度のピッチ測定結果の組合せは、患者が右を向いて寝ている配向に対応し得る。
【0146】
図11Aは、本開示の一実施形態による患者の配向を決定するために使用される経時的な(0から450秒)処理済み加速度計210データの例示的なプロット1100を示している。最初に、たとえば、50秒で、ロール(すなわち、身長)軸1102に対応するデータは、約180度であり、患者が仰向けである(すなわち、背臥位配向である)ことを示す。ピッチ(すなわち、腰回転)軸1104に対応するデータは、約0度であり、これは患者がもたれかかっていることを示す。そこで、ロール軸1102およびピッチ軸1104に関して加速度計210によってもたらされる配向情報を組み合わせることで、患者が仰向けに寝ていると決定される。垂直線1106によって表されている、プロット上の約360秒のところで、患者が配向を変えたことがわかる。短い遷移期間において、遷移点1108のところのピッチ軸を表すデータおよび遷移点1110のところのロール軸を表すデータで例示されているように、データは振動する。振動は、他にもあるがとりわけ、一方の体位から次の体位に移動している間に患者が体を動かす(jostle)ことによって引き起こされ得る。その後まもなく、比較的安定しているグラフ112および114によって反映されているように、データは定常状態に達する。特に、ピッチ軸1102を示すデータは、約180度から約90度まで移動している。これは、患者の右側への患者の長手方向体軸の90度回転に対応する。ロール軸を示すデータは、約0度に留まり、これは患者がもたれかかっている体位に留まることを示す。そこで、ロール軸1112およびピッチ軸1114に関して加速度計210によってもたらされる配向情報を組み合わせることで、患者が右を向いて寝ていると決定される。この方式で、患者配向変化動作のルックアップテーブルが作成され得る。この表は、患者がベッドの中にいる間にとり得る様々な可能な配向のプロファイル(たとえば、いくつかの許容差の範囲内の、ピッチおよびロール軸測定の組合せ)を識別するものである。患者配向変化動作のプロファイルの表は、収集され、分析される経験的データに基づくものとしてよい。
【0147】
再び
図10を参照すると、ブロック1006において、前の患者配向決定が抽出され、現在の配向決定と組み合わされて患者配向情報の時間窓を形成する。たとえば、時間窓は、たとえば、前の数秒間などの、患者の配向を示す現在の情報に時間的に近接近している1つまたは複数の期間からの患者の配向を示す情報を含み得る。もちろん、その時間窓に対して任意の数の前の患者配向が選択され得る。一実施形態において、前の2秒間の患者の配向決定は、現在の決定と組み合わされ、それにより、患者の配向の3秒間の時間窓を作成する。時間窓を作成する目的は、患者が最近体位変換をしたかどうかを決定することである。
【0148】
ブロック1008において、時間窓は、分析のためにセグメントに分割される。時間窓データのそのような分析に任意の数のセグメントが使用され得る。一実施形態において、時間窓は、3つのセグメントにセグメント分割される。別の実施形態において、時間窓は、2つのセグメントにセグメント分割される。
図11Aに例示されているように、遷移点1108および1110において、時間窓に使用される測定されたデータが複数のノイズ源を含む可能性があり、そのうちのいくつかは顕著な大きさのスパイクを有し得る。分析におけるノイズの影響を低減するために、各セグメントに対するセグメント値が決定される。ブロック1010で開示されているように、各セグメント内のサンプリングされたデータの中央値は、各セグメントに対するセグメント値を決定するために使用される。各セグメントの中央値をとることによって、セグメント値が、潜在的なノイズの多いスパイクの影響を最小に抑えて決定される。いくつかの実施形態において、セグメント値は、測定されたデータの各軸に対応する値を含むベクトルである。例示的には、非限定的な例を用いて、各セグメント値は、ロール軸セグメント成分およびピッチ軸セグメント成分を含むベクトルを含む。いくつかの実施形態によれば、決定されたセグメント値および/またはセグメント成分の単位は、度数単位であり、-180度から+180度までの範囲内である。
【0149】
ブロック1012において、各セグメントの中央値は、対毎に比較される。例示的に、非限定的な例を用いて、3つのセクションにセグメント分割された時間窓は、3つの対毎の比較結果、すなわち、第2のセグメント値と比較した第1のセグメント値、第3のセグメント値と比較した第1のセグメント値、第3のセグメント値と比較した第2のセグメント値を有することになる。
【0150】
ブロック1014において、各対毎の比較が分析され、配向変化事象が生じたかどうかを決定する。決定は、各対毎の比較の差の大きさを所定の閾値と比較することによって行われる。対毎の比較の差の大きさがこの閾値を超えた場合、配向変化事象が生じていると考えられる。対毎の比較の差の大きさがこの閾値を超えない場合、配向の変化はいっさい生じていないと考えられる。したがって、ロール次元における特定の閾値を超える変化は、患者の身体の長手方向軸の周りの回転を含む配向変化事象に対応する。同様に、ピッチ次元における特定の閾値を超える変化は、起き上がっている体位から横たわっている体位への遷移またはその逆の遷移を含む配向変化事象に対応する。ロール次元とピッチ次元の両方における特定の閾値を超える変化は、患者の身体の長手方向軸の周りの回転および起き上がっている体位から横たわっている体位への遷移またはその逆の遷移を含む配向変化事象に対応する。一実施形態によれば、閾値は45度であり、したがって、2つのセグメント値の間の差の大きさが45度よりも大きい場合には、配向変化事象が生じていると決定される。別の実施形態において、データの連続する1秒間セグメントの間の追加の比較が行われ、それにより、少なくとも30度の変化が生じているかどうかを決定する。これは、たとえば、患者が135度に近い姿勢をとっている、すなわち、2つの姿勢の間の中間の右の姿勢をとっているときに、姿勢変化の繰り返しを防ぐものである。
【0151】
配向変化事象が生じていると決定された場合、ブロック1016において、検出された事象は分類される。配向変化動作または活動の一組のプロファイルを含む事象のルックアップテーブルが参照される。一実施形態において、各プロファイルは、4つのデータ点、すなわち、ロール軸に対する測定の「前」および「後」ならびにピッチ軸に対する測定の「前」および「後」を含む。たとえば、
図11Aに例示されているように、仰向けの体位から右向きに横たわっている体位への寝返りの配向事象活動のプロファイルは、次の通りである。
【0152】
【0153】
Table 1(表1)に例示されているように、ロール軸は180度から90度に変化し、患者が仰向けの体位から右向きに横たわる体位へ回転したことを示す。ピッチ軸は、患者がもたれかかる配向に留まっているので変化しない。事象の表は作成され、オフラインで更新され、知られている配向変化事象の経験的データの分析結果に基づく。したがって、配向変化事象の分類は、対毎の比較の差の大きさが所定の閾値を超えたときに事象のルックアップテーブル内で対毎の比較のデータと一致する配向事象プロファイルを識別することによって実行され得る。
【0154】
ブロック1018において、分類された事象について投票が行われる。例示的に、Table 1(表1)に関して説明されている例について、投票は、仰向けの体位から右向きに横たわる体位への寝返りの配向変化事象プロファイルに対するものである。ブロック1020において、方法1000は、各対毎の比較について、配向変化事象が生じているかどうかを決定するステップと、配向変化事象を分類するステップと(事象が生じた場合)、分類された配向変化事象の投票をするステップ(ここでもまた、事象が生じた場合)とを繰り返す。これらのブロックに対する繰り返しの最大数は、時間窓内のセグメントの数に等しい。
【0155】
対毎の比較のすべてが分析された後、ブロック1022において、方法1000は、ブロック1018で記録された票を数える。最も多い票を有する配向変化事象は、生じた配向変化事象であると決定される。次いで、決定された配向変化事象は、患者の配向として報告される。ブロック1024において、患者が新しい配向に留まる時間を追跡するために、配向持続時間タイマーがリセットされる。次いで、方法1000は、ブロック1002に戻り、測定データの次の増分(たとえば、秒)に関して再び分析を開始する。
【0156】
ブロック1014において、対毎の比較結果がどれも、検出された配向変化事象を引き起こさない(すなわち、患者は時間窓全体にわたって同じ配向に留まっている)場合、方法1000は、ブロック1026に進み、患者が事前定義済みの最長持続時間よりも大きい期間にわたって現在の配向に留まっているかどうかを決定するが、これはまた本明細書では所定の持続時間または所定の最長持続時間とも称され得る。そうでない場合、方法1000は、ブロック1002に戻り、測定データの次の増分セット(たとえば、秒)に関して再び分析を開始する。患者が事前定義済みの最長持続時間よりも長い期間にわたって現在の配向に留まっている場合、ブロック1028で、アラートが、たとえば、患者の介護人に送られ、介護人に患者が体位変換すべきであることを通知する。次いで、方法1000は、ブロック1002に戻り、測定データの次の増分(たとえば、秒)に関して再び分析を開始する。
【0157】
図11Bは、本開示の一実施形態による、患者の配向がいつ変更される必要があるかを決定するための患者体位監視パラダイムの一実施形態の例示的なプロットである。一実施形態において、プロット1102Bは、ベッドサイドモニター、マルチルームモニター、両方、または同様のものでの介護人への表示の一部であってよい。プロットは、リアルタイムで、事前定義された間隔で、および/または手動で更新され得る。他の実施形態において、パラダイムは、患者が体位変換されない場合に褥瘡の潜在的可能性を介護人に知らせるアラームをいつ活性化するかを決定するために信号プロセッサによって実行される信号処理を例示し得る。これらの実施形態において、パラダイムの各部分は、特定の患者、患者人口統計、病院プロトコル、たとえば、外科系ICUまたは他の病院ユニットに特有のプロトコルなどのユニットプロトコル、在宅医療、または同様のものに合わせてカスタマイズされ得る。
【0158】
例示されている実施形態において、患者の体位は時間を追って監視される。垂直軸1105Bは時刻を表し、水平軸1107Bは、たとえば、患者移動事象を表す。例示的な実施形態では、患者が3時間以上の間特定の体位をとっているときに介護人にアラートを発するようにアラームが設定される。例示されている実施形態は、非限定的な例であり、介護人にアラートを発するためにアラームは1時間、2時間、3時間、4時間、5時間、6時間、7時間、8時間、9時間、および/または10時間以上に設定され得る。アラームは、ノイズ、色、および/または介護人にアラートを発する他の指標を含み得る。いくつかの実施形態において、アラームは、患者が時間閾値(たとえば、3時間)の間同じ体位に留まっていることを介護人に指示することができる。時間閾値は、時間を追って事前定義されるか、または調整され得る。いくつかの実施形態において、アラームは、患者が転倒した、不正な位置に移動した、ベッドを出た、および/または同様の動作をしたことを介護人に指示する。一実施形態において、本明細書で説明されているアラームに対するパラメータのうちのいくつか、またはすべてをカスタマイズするために特定の患者、または同様の患者のグループに関する経験的データが使用され得る。
【0159】
図11Bに示されているように、モニターは、患者がPosition 1にある(たとえば、患者は仰向けであるか、横向きに寝ているか、俯せであるか、少し起き上がっているか、ほとんど起き上がっているか、または同様の体位にある)ときに患者を監視するステップを開始する。患者がPosition 1に留まっているときに、計時機構が開始し、線1101Bは成長線としての線である。線1101Bの勾配は、患者が同じ体位に留まっているときの成長率を表している。例示されている実施形態に示されているように、成長率は、直線的に表され得る。いくつかの実施形態において、成長率は、直線的、非直線的、指数関数的、および/または同様のものであってよい。いくつかの実施形態において、成長率は、事前定義される。いくつかの実施形態において、成長率は、以下で説明されているように、リアルタイムで変化し、および/または様々な生理学的パラメータおよび/または経験的データに合わせて調整することができる。成長率は、たとえば、患者の皮膚が単一の体位に留まっていることにどのように反応するか、患者が受ける悪影響(たとえば、圧迫性潰瘍)がどれだけ速く形成するか治癒するか、患者が床に就く特定の体位、および/または、他にもあるがとりわけ患者の年齢、健康、血液灌流率、水和、および/または栄養分を含む患者に関する人口学的情報に応じて、システムによってすでに知られているおよび/または決定されている多数の因子および/または経験的データに依存し得る。したがって、いくつかの実施形態において、成長率は、患者が一定期間にわたって同じ体位(たとえば、Position 1)に留まるときに効果(たとえば、床擦れ)の成長率を指示し得る。
【0160】
図11Bに例示されているように、患者はPosition 1に、約2時間の間、留まる。そのときに、患者は寝返りし、および/または介護人によって寝返りさせられてPosition 2の体位をとる。例示されている実施形態において、Position 2は、Position 1と異なる体位である。患者が寝返りし、および/または寝返りさせられたときに、計時機構は新しい線1102Bをリスタートし、患者がPosition 2に留まっている時間の長さを測定し、追跡し、監視し、および/または算出することを開始することができる。
【0161】
それと同時に、線1101Bは、減衰直線に変換される。線1101Bの減衰直線は、床擦れ、潜在的床擦れ、患者の皮膚の特定の領域、および/または患者もしくは同様の患者のグループまたはすべての患者が、他にもあるがとりわけ、特定の体位(たとえば、Position 1)に留まっていることから回復するのに要する時間の長さの減衰率に関係するデータを含むことができる。成長率と同様に、減衰率は、他にもあるがとりわけ、直線的、非直線的、および/または指数関数的であってよい。いくつかの実施形態において、減衰率は、事前定義される。いくつかの実施形態において、減衰率は、以下で説明されているように、リアルタイムで変化し、および/または様々な生理学的パラメータおよび/または経験的データに合わせて調整することができる。減衰率は、たとえば、患者の皮膚が単一の体位に留まっていることにどのように反応するか、患者が受ける悪影響(たとえば、圧迫性潰瘍)がどれだけ速く治癒するか、患者がどれだけ速く回復するか、患者が床に就く特定の体位、および/または、他にもあるがとりわけ患者の年齢、健康、血液灌流率、水和、および/または栄養分を含む患者に関する人口学的情報に応じて、多数の因子および/または経験的データに依存し得る。例示されている実施形態において図示されているように、患者がPosition 1でない1つまたは複数の体位をとっているときに、Position 1の減衰直線は、減衰率で減衰し続ける。すなわち、一実施形態において、Position 1の減衰直線は、その減衰率で、1つまたは複数の他の体位をとりつつ、0に近づくまで、その他の1つまたは複数の体位がPosition 1を含まない限り、減衰し続ける。この例では、減衰率、または回復率が、たとえば、0に速く近づくほど、患者がPosition 1に留まる時間が長くなる。
【0162】
例示されている実施形態において、患者はTurn 2で再び寝返りし、および/または寝返りさせられる。Turn 2は、時間の長さ閾値に達する前の、したがって、アラームで患者寝返りを介護人に警告する前の時間に生じる。Turn 2で、患者は寝返りし、および/または寝返りさせられてPosition 3の体位になる。いくつかの例において、Position 3は、Position 1と同じである。そのような実施形態では、前のPosition 1に関連付けられている線1101Bの減衰線は、0に達したので、線1104Bは、Position 3/1に対する成長線として0から始まる。しかしながらいくつかの例において、Position 3は、Position 1と異なる体位である。例示されている例では、Position 3は、Position 1と異なり、線1104Bに対する成長率は、Position 1のとは異なる。いくつかの例では、Position 1の減衰直線は、Position 3がPosition 1および2と異なる限り、患者が寝返りして、および/または寝返りさせられてPosition 3をとるときにPosition 2の減衰直線が減衰し続けるとともに、減衰し続けることができる。この例では、患者は、Position 1とPosition 2の両方に留まる効果の結果として治癒を続けることができる。いくつかの例において、Position 1は、患者が寝返りをし、および/または寝返らされて第2、第3、第4、および/または第5のまたはそれ以上の体位などの、複数の体位をとるときに減衰し続ける。
【0163】
例示されている実施形態において図示されているように、患者は比較的短い期間の間Position 3に留まる。その時間に、Position 2に留まる効果は、減衰し始める。しかしながら、その後、患者は寝返りし、および/または寝返りさせられてPosition 2の体位に戻る。有利には、時刻0にリスタートする代わりに、システムは、患者が寝返りしてPosition 2に戻ったと決定することができ、計時機構は、点または時刻1103Bに対応する、線1102Bの減衰直線の現在値から計時を開始する。時刻1103Bは、この例では0よりも大きいが、時間の長さ閾値よりも小さい。それに加えて、この例では、時刻1103Bは、患者がPosition 2に元々留まっていた時間の長さよりも短い。いくつかの実施形態において、時刻1103Bは、患者がPosition 2から寝返りした時刻に等しいものとしてよい。しかしながら、例示されている実施形態において、システムは、減衰率および患者がPosition 2に留まっていることから回復するのに費やした時間を考慮することができる。したがって、例示されている実施形態において、時刻1103Bは、多数の方法を用いてシステムによって決定され得る。たとえば、システムは、他にも方法があるがとりわけ、回復時間を成長時間から減算し、および/または寝返り(たとえば、Turn 2)の時刻からカウントダウンすることができる。有利には、システムの好ましい実施形態は、特定の配置で患者が費やす成長率および減衰率を考慮して、総時間閾値を超えないことを確実にすることができる。一実施形態において、システムは、患者が特定の体位に費やした前の時間を考慮することなく、寝返り毎にタイマーをリスタートするが、そのような実施形態は、前の体位によって引き起こされた組織、血液プーリング、または同様のものの十分な回復を可能にするうえで正確でない場合があり、したがって、患者は、悪影響(たとえば、床擦れ)を受ける可能性が高くなり得る。したがって、システムの好ましい実施形態は、患者があまりにも長い間特定の体位に留まらないようにすることによって床擦れなどの、患者発症有害効果の可能性をより正確に低減することができる。患者の成長率および減衰率を考慮して、体位に費やした総時間が時間閾値(たとえば、この例では3時間)に達した
後、アラームで介護人に警告することができる。
【0164】
いくつかの実施形態において、アラームは、たとえば
図11BのTurn 4で示されているように、再び患者が寝返りし、および/または寝返りをさせられるまで介護人に警告する。いくつかの実施形態において、時間閾値の範囲内で患者が寝返りしなかったときに、成長線は成長し続け、したがってその線が減衰するのにより長い時間がかかる。そのように成長が継続することで、患者があまりにも長く時間を費やした体位に患者があまりにも早く戻されないようにし、対応する組織が特定の患者体位から回復する十分な時間を確実に有することを補助することできる。一実施形態において、この線の減衰率は、限界値を超えることを考慮するように調整される。例示されている実施形態に示されているように、減衰率は、閾値を超えた後に低減されるが、これはアラームされた体位に対応する線が0に達するまでに長い時間を要することを意味する。
【0165】
説明されているように、一実施形態において、アラームの時間の後、患者が寝返りし、および/または寝返りさせられたときに、成長線は、
図11Bのプロットで示されているように、時間閾値を超える。患者が寝返りし、および/または寝返りさせられた後、減衰線は、閾値(たとえば、アラーム)線の上に示され得る。いくつかの例において、患者は、特定の体位に費やされた時間が時間閾値を超えたときに回復に長い時間を要することがある。いくつかの例において、アラームは、減衰線が0へ向かって減衰し続けるときに時間閾値に達し、患者は異なる体位に留まっていることを介護人に警告することができる。いくつかの実施形態において、アラームで、減衰線が時間閾値を超えたことを介護人に警告しない。
【0166】
本開示のいくつかの実施形態によれば、患者モニター106は、患者の可動性状態、たとえば、患者が歩行中である、立っている、座っている、もたれかかっている、または転倒しているかどうかを決定する。ワイヤレス監視システム100は、患者が転倒する、ベッドから出る、または禁止されている仕方または介護人の世話を要する仕方で何らかの移動をしていることを介護人に警告するためのアラートシステムを含み得る。アラートは、監視システム上の可聴および/または視覚アラームであり得るか、または介護人(たとえば、ナースステーション113、医師用デバイス114、ポケベル、携帯電話、コンピュータ、または他の何らかのもの)に伝送され得る。例示的には、患者モニター106は、患者の可動性状態を表示し、患者が活動的であり、ベッドから離れているという通知を伝送することができる。いくつかの状況において、患者モニター106は、たとえば、ベッドに留まる、または付添人の補助のみで浴室まで歩くという指図などの、医師の命令を無視しているかどうかを決定することができる。そのような状況において、通知、アラート、またはアラームは、適切な介護人に伝送され得る。
【0167】
いくつかの態様において、ワイヤレスセンサ102から受信された情報は、患者の移動の時間系列表現を作成するために使用され得る。この表現は、介護人が患者を監視することを可能にするように患者モニター上に表示されるか、またはナースステーションもしくは他の処理ノードに伝送され得る。時間系列表現は、リアルタイムで表示され、および/または記録しておいて再生することができる。たとえば、アラームが鳴って患者が転倒したというアラートが介護人に届いた場合、介護人はその期間の前およびその期間中の患者の移動を履歴順にアクセスして調べることができる。
【0168】
いくつかの実施形態において、患者監視システム100は、患者の移動(たとえば、歩き方)および他の情報(たとえば、患者の現在の薬物投与計画など)の分析結果に基づき患者が転倒する危険性を予測することができる。患者モニター106が、患者が転倒する危険性が所定の閾値を超えると決定したときに、患者モニター106は、患者の転倒を予想し、したがって防止する努力の一環として、アラームまたはアラートを発して介護人に識別された危険性があることを通知することができる。それに加えて、患者モニター106は、患者がいつ転倒したかを決定し、適切なアラームおよびアラートを発して、介護人援助を要求す
ることができる。
【0169】
図12は、本開示の一実施形態による患者が転倒したかどうかを決定する方法1200を例示している。この方法1200は、他にもあるがとりわけ、ワイヤレスセンサ102の加速度計210およびジャイロスコープ212によって感知された情報を使用して患者が転倒したかどうかを決定する。方法1200は、ワイヤレスセンサ102によって、そのプロセッサ202および記憶デバイス204を使用して実行され得るか、またはたとえば患者モニター106などのワイヤレスセンサ102から感知された情報を受信する外部処理デバイスによって実行され得る。
【0170】
本開示の一実施形態によれば、ワイヤレスセンサ102の加速度計210およびジャイロスコープ212からの測定結果は、他にもあるがとりわけ、患者が転倒したかどうかを決定するために使用される。上で説明されているように、加速度計210は、3本の軸における重力に関する患者の直線加速度を測定する。加速度計210の3本の軸は、固定された慣性基準で表される。ロール軸は、患者の身体の長手方向軸に対応する。したがって、ロール基準測定は、患者が腹臥位(すなわち、顔を下にしている)、背臥位(すなわち、顔を上にしている)、または横向きであるかを決定するために使用される。ピッチ軸は、患者の腰の周りの配置に対応する。したがって、ピッチ測定は、患者がまっすぐ立っているか、横たわっているかを決定するために使用される。有利には、加速度計210によって与えられるピッチ軸は、患者が転倒したかどうかを決定する際に有用な情報源となり得るが、それは、患者が転倒するときのよく見られるシナリオである、立っている状態から横たわっている状態への患者の配向の変化を示し得るからである。ヨー軸は、患者が置かれている水平面に対応する。
【0171】
ジャイロスコープ212は、ピッチ、ヨー、およびロールの測定結果に対応する3本の直交軸における患者上に位置決めされているようにワイヤレスセンサ102の感知された角速度に応答する出力をもたらす。加速度計210の重力に関する固定慣性基準フレームとは対照的に、ジャイロスコープによってもたらされる基準のフレームは、移動する、患者の身体に相対的である。
【0172】
ブロック1202において、方法1200は、加速度測定データおよび角速度データがたとえば患者モニター106などの測定データを処理することができるデバイスによってワイヤレスセンサ102から受信されることから始まる。測定データを処理することができる他のデバイスは、限定はしないが、医師用デバイス114、ナースステーションシステム113、多患者監視システム110、または同様のものを含む。わかりやすくするために、本明細書の説明では、処理デバイスを患者モニター106として説明する。当業者であれば、多数のデバイスが本明細書の開示の範囲から逸脱することなく説明されている方法1200を実行するために使用され得ることを理解するであろう。
【0173】
ブロック1204において、受信されたデータは、「スケーリング」とも称され得る、正規化を施され、それにより、さらに処理する前に、異なるスケールで測定された値を共通スケールに合わせて調整する。一実施形態によれば、受信されたデータを正規化するために訓練データが使用される。訓練データは、複数の転倒シナリオさらにはすべてのシナリオから判別することは困難であり得る非転倒シナリオの経験的データを含み得る。訓練データは、収集され分析されて、患者が転倒したかどうかを決定するために使用される重みベクトル(ブロック1208に関して以下で説明されている)を確立するための基準として働く。訓練データは、複数の被験者による、複数回実行される複数の転倒および非転倒シナリオを含み得る。例示的に、非限定的な例を用いて、訓練データはTable 2(表2)で説明されている転倒および非転倒シナリオを含むことができる。
【0174】
【0175】
受信されたデータと同様に、訓練データの各サンプルは、加速度計210のデータの3本の軸、およびジャイロスコープ212のデータの3本の軸に対応する、情報の6つの次元を含む。受信されたデータを正規化することで、受信されたデータの変数の範囲を標準化する。生データの値の範囲は、広く変化し得るので、分析アルゴリズムは、正規化なしでは適切に動作し得ない。たとえば、多くの分類器は、2点の間の距離を算出する。独立変数の一方が値の広い範囲を有している場合、距離は、この特定の変数によって支配される。したがって、すべての変数の範囲は、各特徴が最終距離にほぼ比例して寄与するように正規化され得る。正規化は、データ内の各変数の値にゼロ平均(分子における平均を減算するとき)および単位分散を持たせる。これは、標準スコアを算出することによって実行され得る。算出の一般的方法は、一組の訓練データ全体の各変数に対して分布平均および標準偏差を決定することである。次に、各決定された平均が、受信されたデータの対応する変数から減算される。次いで、各変数の新しい値(平均がすでに減算されている)は、決定された標準偏差で除算される。結果は、方法1200によってさらに処理され得る正規化された一組の値である。
【0176】
ブロック1206において、正規化された一組の値が処理され、患者が転倒しているかどうかを決定する際に有用である特徴を決定する。一実施形態によれば、方法は、5つの特徴、すなわち、加速度データの大き(加速度計210によって供給される)、角速度データの大きさ(ジャイロスコープ212によって供給される)、ジャークの大きさ(すなわち、加速度の変化率)、転倒開始点および転倒影響点を特徴付けるために使用される転倒持続時間、ならびに2つの連続的に受信されたデータ点の間のピッチの変化を決定する。非限定的な例により、垂直速度などの他の特徴は、患者が転倒しているかどうかを決定する際に使用され得る。
【0177】
受信された加速度データの大きさは、加速度計210の3本の軸からの測定結果から構成される三次元ベクトルのユークリッドノルムを算出することによって決定される。当業者であればよく理解しているように、これは3つの加速度計値、ピッチ、ロール、およびヨーの平方の和の平方根に対応する。同様に、角速度データの大きさは、ジャイロスコープ212の3本の軸からの測定結果から構成される三次元ベクトルのユークリッドノルムを算出することによって決定される。「揺さぶり」、「うねり」、または「よろめき」とも称され得る、ジャークの大きさは、加速度ベクトルの微分をとって、次いで微分のユークリッドノルムを算出することによって算出される。
【0178】
スカラー値である、転倒持続時間は、短い持続時間にわたる患者の運動の加速度大きさプロファイルを評価することによって決定される。特に、転倒が開始すると、患者が転倒しつつあるので重力に関する患者の加速度が減少する。(転倒していない患者は、重力の力(すなわち、1gまたは約9.80665m/s2)に等しい上方および下方の次元における加速度値を登録する)。したがって、加速度の大きさが第1の閾値よりも低い場合、それは転倒の開始点であると考えられ、転倒持続時間の値は1だけ増分される。加速度の大きさが、第1の閾値よりも高い場合、転倒持続時間の値は、1だけ減分される。一実施形態において、第1の閾値は、0.6g(または約5.88399m/s2)である。第2の閾値は、転倒の衝撃点を決定するために使用される。一実施形態において、第2の閾値は、0.8g(または約7.84532m/s2)である。加速度の大きさが第2の閾値よりも低い場合、それは転倒の衝撃点であると考えられ、転倒持続時間の値は1だけ増分される。加速度の大きさが、第2の閾値よりも高い場合、転倒持続時間の値は、1だけ減分される。
【0179】
ピッチ変化特徴は、現在のピッチ配向(加速度計210のデータによって決定されるような)と1秒前に決定されたピッチ配向との比較の結果である。上で説明されているように、加速度計データのピッチ次元は、患者が直立している(たとえば、立ち上がっているか、起き上がっている)体位ともたれかかっている体位とを区別するので転倒を検出する際に有用である。したがって、直立することからもたれかかることまでのピッチの変化は、転倒が生じたことを示し得る。ブロック1206の出力は、5つの決定された特徴から作られた5次元特徴ベクトルである。
【0180】
ブロック1208において、値の重みベクトルが決定された特徴に適用される。いくつかの態様によれば、受信された5次元特徴ベクトルと重みベクトルとの内積が算出される。いくつかの実施形態において、重みベクトルは、機械学習アルゴリズムを使用して導出される。機械学習は、人工知能におけるパターン認識および計算学習理論の研究に基づくコンピュータ科学の一分野である。これは、データから学習し、データに基づき予測を行うことができるアルゴリズムの開発を含む。機械学習を通じて開発されたアルゴリズムは、厳格に静的なプログラム命令に従うのではなく、データ駆動型予測または決定を行うために例示的入力からモデルを構築することによって動作する。機械学習は、明示的なコンピュータプログラムの使用が可能でない一連のコンピューティングタスクにおいて採用される。産業分野で使用されるときには、機械学習方法は、予測分析または予測モデリングと称され得る。本開示において適用されるように、機械学習システムは、教師あり学習を含み、機械学習アルゴリズムは、「教師」によって与えられる、例の入力とその既知の出力とを含む訓練データを提供され、目標は、入力を出力にマッピングする一般規則を学習することである。一実施形態において、重みベクトルを導出するために、フィッシャーの線形判別が使用される。フィッシャーの線形判別は、2つまたはそれ以上のクラスの対象または事象を特徴付けるか、または分離する特徴の線形結合を見つけるために使用される方法
である。結果得られる結合は、その後分類する前に線形分類器としてまたは次元削減のために使用され得る。本開示とともに使用できる機械学習の他の方法は、限定はしないが、2、3例を挙げると、線形判別分析、分散分析、回帰分析、ロジスティック回帰、およびプロビット回帰を含む。当業者であれば、他の多数の機械学習アルゴリズムが本開示の範囲から逸脱することなく重みベクトルを決定するために使用され得ることを理解するであろう。
【0181】
上で説明されている、訓練データは、患者転倒の予測指標を識別するために使用され得る複数の転倒および非転倒シナリオから収集された経験的データを含む。例示的に、各訓練シナリオについて、ブロック1206に関して上で説明されている5つの特徴が決定され、入力として機械学習システムに提供される。それに加えて、シナリオが転倒事象または非転倒事象を記述しているかどうかを識別する各訓練シナリオに対する出力が提供される。機械学習システムは、訓練データを分析して、入力を出力にマッピングする規則を導出する。本開示のいくつかの実施形態によれば、機械学習システムの出力は、転倒が生じたか生じていないかを決定する際にその相対的値に従って5つの特徴の各々に重みを付ける五次元重みベクトルである。重みベクトルは、オフラインで決定され、方法1200への固定された五次元ベクトルとして与えられる。もちろん、重みベクトルは、追加の経験的データの分析結果に基づき更新され得る。
【0182】
受信された五次元特徴ベクトルと重みベクトルとの内積(「ドット積」および「スカラー積」とも称される)は、当業者によってよく理解される仕方で算出される。内積は、正または負のいずれかの値をとり得る、本明細書では活性化値とも称される、スカラー値を生成する。ブロック1210において、方法1200は、転倒が検出されたかどうかを決定する。いくつかの実施形態によれば、受信された5次元特徴ベクトルと重みベクトルとの内積の符号は、転倒が生じたかどうかを示す。内積が0未満である場合、転倒は検出されておらず、方法はブロック1202に戻り、ワイヤレスセンサ102からの次の一組のデータを分析するステップを開始する。内積が0よりも大きい場合、転倒が検出されており、方法1200はブロック1214に進行し、患者が転倒したことを指示する通知、アラーム、および/またはアラートは、たとえば、医師用デバイス114、ナースステーションシステム113、多患者監視システム110、および同様のものに伝送される。方法は、ブロック1202に戻り、ワイヤレスセンサ102から次の一組のデータを分析するステップを開始する。
【0183】
いくつかの実施形態において、システムは、患者の部屋内の患者の空間的配置を決定することができる。システムは、部屋を監視し、他にもパラメータがあるがとりわけ、患者がどれだけ長くある体位をとっていたか、患者がいつその体位をとったか、および/または患者がどれだけ長くその体位をとっていたかを空間的に監視し、および/または算出することができる。上で説明されているように、システムは、他にもあるがとりわけ、ワイヤレスセンサ102の加速度計210およびジャイロスコープ212によって感知された情報を使用して患者を追跡する。この方法は、ワイヤレスセンサ102によって、そのプロセッサ202および記憶デバイス204を使用して実行され得るか、またはたとえば患者モニター106などのワイヤレスセンサ102から感知された情報を受信する外部処理デバイスによって実行され得る。
【0184】
いくつかの実施形態において、システムは、他にも部屋の特徴はあるがとりわけ、患者のベッド、浴室、モニター、出入り口、および/または窓などの、患者の部屋のいくつかの特徴に関して、患者の部屋内の患者の位置を決定することができる。特に、本明細書で説明されている方法を使用することで、システムは、患者の部屋内の患者の垂直位、垂直変位、水平位、水平変位、角度位置、および/または角度変位を決定することができる。たとえば、加速度計210および/またはジャイロスコープ212は、患者が患者の部屋中を歩き回るときに患者の移動を監視することができる。システムは、患者が転倒する、ベッドから出る、または禁止されている仕方または介護人の世話を要する仕方で何らかの移動をしているかどうかを決定することができる。
【0185】
いくつかの実施形態によれば、ワイヤレスセンサ102の加速度計210およびジャイロスコープ212からの測定結果が使用され、それにより、他にもあるがとりわけ、患者がかがみ込んでおりおよび/または転倒したかどうか、および/または患者が転倒した場所を(たとえば、患者の垂直変位および/または床に対する患者の高さを測定することによって)決定する。患者が転倒しているいくつかの実施形態において、医師は、本開示の一実施形態により転倒の配置を決定することができる。上で説明されているように、加速度計210は、3本の軸における重力に関する患者の直線加速度を測定する。加速度計210の3本の軸は、固定された慣性基準で表される。ジャイロスコープ212は、ピッチ、ヨー、およびロールの測定結果に対応する3本の直交軸における患者上に位置決めされているようにワイヤレスセンサ102の感知された角速度に応答する出力をもたらす。これらの測定結果に基づき、システムは、本明細書で説明されている方法により患者が転倒したかどうかを決定することができる。
【0186】
そのような構成では、システムは、患者の体位を記録することができる。いくつかの態様において、ワイヤレスセンサ102から受信された情報は、患者の移動の時間系列表現を作成するために使用され得る。この表現は、介護人が患者を監視することを可能にするようにディスプレイ120上に表示されるか、またはナースステーションもしくは他の処理ノードに伝送され得る。時間系列表現は、リアルタイムで表示され、および/または記録しておいて再生することができる。たとえば、アラームが鳴って患者が転倒したというアラートが介護人に届いた場合、介護人はその期間の前およびその期間中の患者の移動を履歴順にアクセスして調べることができる。
【0187】
図15A~
図15Hは、患者表示モニター上に表示される部屋表示の様々な構成を例示する。
図15A~
図15Hに例示されているように、介護人および/または患者は、部屋備え付け備品の数および/または部屋備え付け備品の構成を選択することができる。介護人は、部屋備え付け備品を選択し、それを部屋ディスプレイ上で部屋の中に置くことができる。介護人は、部屋備え付け備品を回転させ、および/または任意の構成にすることができる。一実施形態において、介護人は、部屋の主要要素の配置を一度に選択することも可能である。たとえば、介護人は、ベッドの位置、次いで浴室の位置、次いで、ドア、機器、テーブル、イス、ソファなどの位置を選択することが可能である。他の実施形態において、様々な部屋レイアウト近似が選択画面に一部から全部まで提示され、レイアウトの決定は、1つまたはごくわずかの介護人選択肢で行われる。
【0188】
図16は、たとえば、他にもあるがとりわけ、患者の転倒を検出し、および/または予測するステップ、患者の部屋内の患者の特定の配置を決定するステップ、および/または患者の規定された移動を外れて患者が移動したかどうかを決定するステップのための例示的な方法1600を例示している。
【0189】
ブロック1602において、介護人は、部屋構成を入力することができる。たとえば、介護人は、患者部屋ディスプレイ内に任意の数の構成で表示されるべき任意の数の部屋備え付け備品を選択することができる。部屋備え付け備品は、他にも部屋備え付け備品はあるがとりわけ、患者のベッド、浴室、モニター、出入り口、および/または窓を含み得る。介護人は、部屋備え付け備品を、部屋ディスプレイ上で各部屋備え付け備品の選択、ドラッグ、および/またはドロップを行うことによって選択することができる。いくつかの実施形態において、介護人は、部屋備え付け備品毎に特定のサイズを選択することができる。いくつかの実施形態において、介護人は、単純に部屋備え付け備品を選択し、向き付けられ、表示されるべき部屋備え付け備品に対する部屋ディスプレイ内の配置を選択することができる。いくつかの実施形態において、部屋備え付け備品は、部屋ディスプレイ内の適所にスナップされ得る。
【0190】
ブロック1604において、介護人は、オプションで、移動規定を入力することができる。たとえば、介護人は、ベッドに留まる指図および付添人の補助があるときのみ浴室まで歩いて行く指図を含む、患者への指図を入力することができる。
【0191】
ブロック1608において、本明細書で説明されているセンサのうちの1つまたは複数が活性化され得る。いくつかの例において、介護人は、手動で1つまたは複数のセンサを活性化する。いくつかの例において、システムは、1つまたは複数のセンサを自動的に活性化して、本明細書において説明されている方法に従って、いくつかの生理学的パラメータの追跡、監視、測定、および/または算出を開始する。
【0192】
ブロック1610において、患者監視システム100は、患者の移動(たとえば、歩き方)および他の情報(たとえば、患者の現在の薬物投与計画など)の分析結果に基づき患者の転倒および/または患者が転倒する危険性を予測し、および/または検出することができる。ブロック1612において、患者モニター106が、患者が転倒する危険性が所定の閾値を超えると決定したときに、患者モニター106は、患者の転倒を予想し、したがって防止する努力の一環として、アラームまたはアラートを発して介護人に識別された危険性があることを通知することができる。それに加えて、患者モニター106は、患者がいつ転倒したかを決定し、適切なアラームおよびアラートを発して、介護人援助を要求することができる。アラートシステムは、患者が転倒する、ベッドから出る、または禁止されている仕方または介護人の世話を要する仕方で何らかの移動をしていることを介護人に警告することができる。アラートは、監視システム上の可聴および/または視覚アラームであり得るか、または介護人(たとえば、ナースステーション113、医師用デバイス114、ポケベル、携帯電話、コンピュータ、または他の何らかのもの)に伝送され得る。
【0193】
患者監視システムが、患者の転倒を検出していない場合、患者監視システム100は、適宜、患者が移動規定を外れて移動したかどうかを決定することができる。たとえば、上で説明されているように、患者モニター106は、患者の可動性状態、たとえば、患者が歩行中である、立っている、座っている、もたれかかっている、または転倒しているかどうかを決定することができる。
【0194】
患者監視システム100が、たとえば、ベッドに留まる、または付添人の補助のみで浴室まで歩くという指図などの、介護人の命令を無視したと決定した場合、ブロック1612において、適切な介護人に通知、アラート、またはアラームが伝送され得る。
【0195】
患者監視システム100が、患者が介護人の命令を無視していないと決定した場合、システムはブロック1610に戻り、患者が転倒したかどうかを検出し、および/または予測する。
【0196】
図13A~13Fは、本開示の一実施形態による患者の体位を反映するアイコン表示の実施形態を例示している。いくつかの実施形態によれば、グラフィックアイコンは、患者の検出された配向を視覚的に表すために使用される。特に、
図13A~
図13Fのアイコンは、スティック図タイプの形式で、患者が座っている体位、立っている体位、および背臥位で(仰向けで)、腹臥位で(腹ばいで)、左向きで、および右向きで横たわっている体位をそれぞれ示している。
【0197】
図14は、
図13A~
図13Fに関して説明されているアイコンが患者モニター106のディスプレイ120上にどのように表示され得るかの例を示している。メインディスプレイ120の底部の方へ向かうのは、患者の体位を示す3つのアイコン1402、1404、および1406の一組である。一番左のアイコン1404は、患者が右向きに横たわっていることを示している。一番左のアイコンの右にある2つのアイコン1404および1406は、患者が仰向けに横たわっていることを示している。いくつかの実施形態によれば、患者モニター106のディスプレイ120は、タッチスクリーンインターフェースを備えることができる。タッチスクリーンインターフェースは、タッチジェスチャー、タッチ&ムーブジェスチャー、およびフリックジェスチャーを含む、フィンガーコントロールを使用可能にすることができる。例示的に、医師は、アイコン1406上でタッチジェスチャーを使用して、ディスプレイ120上のアイコンを拡大し、そのアイコン1406に関連付けられている追加情報を含めるようにできる。たとえば、「タッチされた」アイコン1406に関連付けられている追加の情報は、患者が特定の配向をとった時刻、患者がその配向から移動した時刻(もし利用可能であれば)、患者が特定の配向に費やした総持続時間数、患者が定義済みの期間(24時間など)にわたって特定の配向にあった離散時間数、患者が定義済み期間(24時間など)にわたって特定の配向にあった総持続時間数、および同様のものを含むことができる。医師は、また、フリックフィンガージェスチャーを使用して、時間に関して前方および後方に移動することに対応する、右および左へのスクロールを行って、患者の履歴的体位記録にアクセスするものとしてよい。
【0198】
本明細書で開示されているワイヤレスセンサ102の耐用年数は、他にもあるがとりわけ、バッテリサイズ、およびデータ転送速度、伝送の頻度、および伝送されるデータの量などのデータ伝送特性に応じて変化し得る。一実施形態によれば、ワイヤレスセンサ102は、約2日間、連続的にまたはほぼ連続的に動作する(たとえば、1秒おきに目覚めるか、または患者の生理学的データを感知し伝送するために目覚める)ように構成され、その後、ワイヤレスセンサ102は、適切に処分される。大型バッテリを装備する、ワイヤレスセンサ102の他の実施形態は、たとえば、捨てるまでに長い期間にわたって動作するように構成される。いくつかの実施形態は、滅菌して再利用するように構成され得る。
【0199】
いくつかの医療用デバイスメーカーは、開示されているワイヤレスセンサ102の実施形態などの、使い捨て型医療用デバイスに対する品質管理対策を実施して、使い捨て型デバイスの性能特性を注意深く制御し管理している。特に、使用済みおよび使い捨てのワイヤレスセンサ102は、サルベージされ、リファービッシュまたはレトロフィットされて、ワイヤレスセンサ102の定義済みの意図されている耐用年数を超えてさらに使用され得るおそれがある。定義済み耐用年数を超えるワイヤレスセンサ102の不適切な使用を防ぐのを助ける特徴が開示されている患者監視システム100に備えられ得る。
【0200】
患者監視システム100の一実施形態によれば、ワイヤレスセンサ102は、ワイヤレスセンサ102が使用できるように活性化されていることを指示する、初期活性化されると、ワイヤレスセンサ102の記憶デバイス204に活性化フラグをセットするように構成される。いくつかの実施形態において、活性化フラグは、品質管理を維持するのを助けるワイヤレスセンサ102の使用に関する情報を記憶するために用意された情報要素215内にセットされる。有利には、活性化フラグは、記憶デバイス204の不揮発性メモリ内に、または情報要素215内にセットされ、したがって、バッテリ214から切断しても、セットされた活性化フラグを破損したり、または消去したりすることはない。そこで、ワイヤレスセンサ102が、2度目に活性化され得るように修理された場合、活性化フラグは、標準センサ102の起動ルーチンを通じて、センサ102がすでに活性化されていること指示する。活性化フラグの検出後に、ワイヤレスセンサ102は、事前活性化メッセージおよび/またはセンサ102の品質が損なわれている可能性のあることを知らせる警告通知として働き得るアラートを伝送することができる。伝送された警告またはアラートは、たとえば、その後に使用者が伝送された品質警告またはアラートに応答してとり得る処置のメニューを提供することができる患者モニター106によって受信され得る。処置のメニューは、ワイヤレスセンサ102をシャッ
トダウンするオプションを含み得る。いくつかの状況において、ワイヤレスセンサ102を使い続けることが望ましい場合もある。例示的に、バッテリ214とワイヤレスセンサ102との接続が確立され、次いで故意でなく切断されることがあり得る。たとえば、バッテリアイソレータ322は、最初にセンサ102から取り外され得るが、次いで、再挿入され、もう一度、バッテリ214をワイヤレスセンサ102の電子回路から絶縁する。バッテリアイソレータ322を2度目に取り外すと、その結果、上で説明されているように品質警告またはアラートが伝送される。そのような状況において、使用者は、品質警告に至った状況に気づき、ワイヤレスセンサ102を使用し続けることを選択し得る。
【0201】
別の実施形態によれば、ワイヤレスセンサ102は、ワイヤレスセンサが、たとえば4時間などの事前定義済み期間の間活性化状態にあった後に、長期運用フラグをセットするように構成される。長期運用フラグは、起動後に、センサ102が長い持続時間にわたってすでに活性状態にあったことを指示する働きをし得る。別の実施形態において、ワイヤレスセンサ102は、センサ102が活性状態にあった持続時間を追跡し、記憶デバイス204上に記録する。有利には、センサ102は、センサ102が耐用年数の終わりに近づいているという通知および/またはアラートを使用者に発行し、使用者に、動作を停止させる前にワイヤレスセンサ102を交換する措置を講じる機会を与えることができる。それに加えて、センサ102が活性状態にあった記録された持続時間は、センサ102がその意図された耐用年数を超えて動作するようにいつリファービッシュされたかを検出する働きをし得る。次いで、適切な警告が使用者に伝送され得る。いくつかの実施形態によれば、ワイヤレスセンサが最長耐用年数の持続時間に等しい期間にわたって活性状態にあった後、センサ102は、フラグを記憶デバイス204内にセットするか、またはセンサ102がさらに動作するのを禁じるようにそれ自体を他の何らかの形で構成する。
【0202】
他の実施形態において、ワイヤレスセンサ102は、患者モニター106に、たとえば、ワイヤレスセンサ102のハードウェアコンポーネントのうちの1つの中に符号化されている製品シリアル番号などの一意的識別子を伝送する。ワイヤレスセンサ102が、患者モニターと、またはエクステンダ/リピータ107とペアリングされ、動作可能になった後、患者モニター106またはエクステンダ/リピータ107は、センサ102の一意的識別子を動作可能状態にあることが知られているセンサ102の一意的識別子をリストにしている中央リポジトリに伝送することができる。例示的に、ペアリング動作のときに、患者モニター106またはエクステンダ/リピータ107は、中央リポジトリをチェックして、ペアリングを試みているワイヤレスセンサ102が中央リポジトリ内にリストされていたかどうかを決定し、それによってワイヤレスセンサ102に品質上の問題があった可能性があると示す。
【0203】
他の様々な実施形態において、ワイヤレスセンサ102は、トランジスタ回路網、メモリチップ、EEPROM(電子的消去可能プログラム可能リードオンリーメモリ)、EPROM(消去可能プログラム可能リードオンリーメモリ)、または多接点単線メモリデバイスなどの他の識別デバイスまたはDallas Semiconductor社から市販されているような他のデバイス、または同様のものなどの能動回路を通して供給され得る、センサ情報要素215を含む。センサ情報要素215は、有利には、たとえば、センサタイプ指定、センサ構成、患者情報、センサ特性、スクリプトもしくは実行可能コードなどのソフトウェア、アルゴリズムアップグレード情報、ソフトウェアもしくはファームウェアバージョン情報、または他の多くの種類のデータを含む、広範な情報の一部または全部を記憶し得る。好ましい一実施形態において、センサ情報要素215は、また、センサコンポーネントの一部または全部が期限切れになっているかどうかを示す耐用寿命データも記憶し得る。
【0204】
本明細書で説明されているものと異なる多くの変更形態は、本開示から明らかになるであろう。たとえば、実施形態に応じて、本明細書で説明されているアルゴリズムのうちのどれかの特定の活動、事象、または機能は、異なる順序で実行されてよく、追加されるか、マージされるか、または完全に省略され得る(たとえば、説明されているすべての活動または事象がアルゴリズムの実施に必要とは限らない)。さらに、いくつかの実施形態において、活動または事象は、たとえば、逐次的ではなくマルチスレッド処理、割り込み処理、またはマルチプロセッサもしくはプロセッサコアを通じて、または他の並列アーキテクチャ上で同時に実行され得る。それに加えて、異なるタスクまたはプロセスは、一緒に機能することができる異なるマシンおよび/またはコンピューティングシステムによって実行され得る。
【0205】
本明細書で開示された実施形態に関して説明された様々な例示的な論理ブロック、モジュール、およびアルゴリズムステップは、電子ハードウェア、コンピュータソフトウェア、またはその両方の組合せとして実装することができる。ハードウェアおよびソフトウェアのこの互換性を明確に説明するために、様々な例示的な構成要素、ブロック、モジュール、およびステップが、それらの機能の観点から一般的に上記で説明されている。そのような機能がハードウェアまたはソフトウェアのどちらとして実施されるのかは、システム全体に課される特定の用途および設計制約に依存する。説明した機能は、具体的な用途ごとに様々な方法で実装され得るが、そのような実装の決定は、本開示の範囲からの逸脱を生じさせるものと解釈されるべきではない。
【0206】
本明細書で開示されている実施形態に関連して説明されている様々な例示的な論理ブロックおよびモジュールは、汎用プロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)または他のプログラム可能論理デバイス、ディスクリートゲートまたはトランジスタロジック、ディスクリートハードウェアコンポーネント、または本明細書で説明されている機能を実行するように設計されているこれらの任意の組み合わせなどのマシンによって実装されるか、または実行され得る。汎用プロセッサはマイクロプロセッサとすることができるが、代替的形態において、プロセッサはコントローラ、マイクロコントローラ、または状態機械、これらの組合せ、または同様のものとすることができる。プロセッサは、コンピュータ実行可能命令を処理するように構成されている電子回路を備え得る。別の実施形態において、プロセッサは、コンピュータ実行可能命令を処理することなく論理演算を実行するFPGAまたは他のプログラム可能デバイスを含む。プロセッサは、複数のコンピューティングデバイスの組合せ、たとえば、DSPとマイクロプロセッサの組合せ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと連動する1つまたは複数のマイクロプロセッサ、またはそのような任意の他の構成として実現されてもよい。コンピューティング環境は、限定はしないが、2、3例を挙げると、マイクロプロセッサ、メインフレームコンピュータ、デジタル信号プロセッサ、ポータブルコンピューティングデバイス、デバイスコントロール、またはアプライアンス内の計算エンジンに基づくコンピュータシステムを含む任意の種類のコンピュータシステムを備え得る。
【0207】
本明細書で開示されている実施形態に関連して説明されている方法、プロセス、またはアルゴリズムのステップは、直接ハードウェアで具現化され得るか、または1つもしくは複数のメモリデバイスに記憶され1つもしくは複数のプロセッサによって実行されるソフトウェアモジュールで具現化され得るか、またはその2つの組合せで具現化され得る。ソフトウェアモジュールは、RAMメモリ、フラッシュメモリ、ROMメモリ、EPROMメモリ、EEPROMメモリ、レジスタ、ハードディスク、取り外し可能ディスク、CD-ROM、または当技術分野で知られている他の形態の非一時的コンピュータ可読記憶媒体、媒体、または物理的コンピュータ記憶装置に存在し得る。例示的な記憶媒体は、プロセッサが記憶媒体から情報を読み込み、記憶媒体に情報を書き込めるようにプロセッサに結合され得る。代替的形態において、記憶媒体はプロセッサと一体であり得る。記憶媒体は、揮発性または不揮発性であり得る。プロセッサおよび記憶媒体は、ASIC内に存在し得る。
【0208】
本明細書で使用されている条件付きの言い回し、とりわけ、「できる」、「し得る」、「してよい」、「たとえば」などは、特に断りのない限り、または使用されている文脈内で他の意味に理解されるべきでない限り、一般的に、いくつかの特徴、要素、および/または状態を、いくつかの実施形態に含むが、他の実施形態には含まない、ことを伝達することを意図されている。したがって、そのような条件付きの言い回しは、特徴、要素、および/または状態がいかなる形でも1つまたは複数の実施形態に対して必要であること、または1つまたは複数の実施形態が、作成者入力またはプロンプトあり、またはなしで、これらの特徴、要素、および/または状態が、特定の実施形態に含まれるか、または特定の実施形態において実行されるべきであるかを決定するための論理を必ず含むことを意味することを意図されていない。「含む」、「備える」(「comprising」、「including」)、および「有する」(「having」)などの用語は同義語であり、制約されることなく、包含的に使用され、追加の要素、特徴、行為、動作、などを除外しない。また、「または」という用語は、たとえば、要素のリストを連結するために使用されたときに、「または」という用語は、そのリスト内の要素の1つ、いくつか、またはすべてを意味するように包含的な意味で(および排他的な意味でなく)使用される。さらに、通常の意味を有することに加えて、本明細書で使用されているような「各々」という用語は、「各々」という用語が適用される要素の集合の任意の部分集合を意味し得る。
【0209】
上で詳述されている説明では、様々な実施形態に適用される新規性のある特徴が図示され、記述され、および指摘されたが、図示されているシステム、デバイス、または方法の形態および詳細の様々な省略、置換、および変更は、本開示の精神から逸脱することなく行うことができることは理解されるであろう。これからわかるように、本明細書で説明されているいくつかの実施形態は、いくつかの特徴が他のものとは別に使用されるか、または実施され得るので、本明細書において述べられている特徴および利点のすべてを備えるとは限らない形態のうちに具現化され得る。
【0210】
本明細書の「および/または」という用語は、最も広い、制限が最も少ない意味を有し、これは開示がAだけ、Bだけ、AとBの両方を一緒に、またはAもしくはBを二者択一に、含むが、AとBの両方を必要とはしないか、またはAの1つもしくはBの1つを必要とする、という意味である。本明細書で使用されているように、「A、B、およびCのうちの少なくとも1つ」という語句は、非排他的論理和を使用して論理的AまたはBまたはCを意味すると解釈されるべきである。
【0211】
本明細書で説明されている装置および方法は、1つまたは複数のプロセッサによって実行される1つまたは複数のコンピュータプログラムによって実装され得る。コンピュータプログラムは、非一時的な有形のコンピュータ可読媒体上に記憶されているプロセッサ実行可能命令を含む。コンピュータプログラムは、記憶されているデータも含み得る。非一時的な有形のコンピュータ可読媒体の非限定的な例は、不揮発性メモリ、磁気記憶装置、および光学式記憶装置である。
【0212】
前述の開示はいくつかの好ましい実施形態に関して説明されているが、他の実施形態は、当業者には、本明細書の開示から明らかなことであろう。それに加えて、他の組合せ、省略、置換、および修正は、本明細書の開示に照らして当業者には明らかなことであろう。したがって、本発明は、好ましい実施形態の説明によって制限されることを意図されていないが、請求項を参照することによって定められるべきである。
【符号の説明】
【0213】
100 患者監視システム
102 ワイヤレスセンサ
102 ワイヤレス生理学的センサ
102 患者着用センサ
102 移動センサ
102 ウェアラブルワイヤレスセンサ
104 ワイヤレス通信リンク
105 患者データ処理環境
106 患者モニター
106 処理デバイス
106 ポータブルコンピューティングデバイス
106 患者監視デバイス
107 エクステンダ/リピータ
108 ネットワーク
110 多患者監視システム
112 病院もしくは設備情報システム
113 ナースステーションシステム
114 医師用デバイス
116 テーブル
118 ベッド
120 ディスプレイ
122 ポータブル患者モニター
124 患者生理学的データ
126 患者寝返りデータ
128 患者データ
130 ディスプレイ
134 患者生理学的データ
136 患者寝返りデータ
138 患者データ
202 プロセッサ
204 データ記憶デバイス
206 ワイヤレストランシーバ
208 システムバス
210 加速度計
212 ジャイロスコープ
214 バッテリ
215 情報要素
216 磁力計
218 温度センサ
220 音響呼吸センサ
222 ECGセンサ
224 酸素測定センサ
226 水分センサ
228 インピーダンスセンサ
310 底部基部
320 取り外し可能なバッテリアイソレータ
322 プルタブ
330 装着フレーム
332 ウィング
340 回路基板
342 バッテリ接点
342 ウィング
342 バッテリホルダ
350 ハウジング
352 スロット
354 リム
360 頂部基部
362 切欠
402 熱伝導性材料
404 開口または開口部
410 スルーホールビア
502 開口部
702 ECG電極
706 ECGリード
707 ECG電極
708 ロック可能格納式リール
710 スルーホールビア
1000 方法
1101B 線
1102 ロール(すなわち、身長)軸
1102B 線
1103B 時刻
1104 ピッチ軸
1108、1110 遷移点
1105B 垂直軸
1107B 水平軸
1112 ロール軸
1114 ピッチ軸
1200 方法
1402、1404、1406 アイコン