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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-27
(45)【発行日】2023-08-04
(54)【発明の名称】静電式流体吐出バックパックシステム
(51)【国際特許分類】
   B05B 5/025 20060101AFI20230728BHJP
   B05B 9/08 20060101ALI20230728BHJP
   B05B 15/00 20180101ALI20230728BHJP
   A61L 2/18 20060101ALI20230728BHJP
【FI】
B05B5/025 A
B05B9/08
B05B15/00
A61L2/18
【請求項の数】 11
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021180936
(22)【出願日】2021-11-05
(62)【分割の表示】P 2018532030の分割
【原出願日】2016-12-21
(65)【公開番号】P2022031686
(43)【公開日】2022-02-22
【審査請求日】2021-12-02
(31)【優先権主張番号】62/270,430
(32)【優先日】2015-12-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/383,108
(32)【優先日】2016-09-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】523101969
【氏名又は名称】オクテット メディカル インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Octet Medical, Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100101454
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 卓二
(72)【発明者】
【氏名】クリフォード・ライト
【審査官】市村 脩平
(56)【参考文献】
【文献】特表2012-512007(JP,A)
【文献】特開2006-051427(JP,A)
【文献】米国特許第07159797(US,B1)
【文献】米国特許第04583694(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B05B1/00-17/08
A61L2/00-2/28
11/00-12/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
静電スプレー装置であって、
ハンドルを含むハウジングと、
前記ハウジング内の静電モジュールと
流体を収納するように適合した空洞を有する貯蔵器と、
前記貯蔵器に流体連通し、流体流路に沿う方向に正に静電チャージされた流体を放出させる少なくとも1つのノズルと、
前記貯蔵器内で真空を引いて、前記流体を前記貯蔵器から前記少なくとも1つのノズルへ流すように構成されたポンプと、を含み、
記貯蔵器は前記ハウジングおよび前記ポンプに接続され、
口開口部の前記ポンプが、開閉して、静電チャージを加え前記流体を前記正にチャージされた流体に変換するための電気回路への前記貯蔵器内の前記流体の露出を開閉させるように構成され、
前記静電スプレー装置はさらに、
前記ポンプに電力を供給する直流バッテリと、
電極アセンブリであって、前記流体を前記貯蔵器内と前記電極アセンブリにおいて静電チャージさせて前記流体を正にチャージされた流体に変換する電極アセンブリと、を含み、
前記電極アセンブリおよび前記貯蔵器は、前記ハウジング内に配置され、
前記電極アセンブリは、完全に前記貯蔵器の外側にあり、 前記貯蔵器から前記少なくとも1つのノズルに向かって中を流体が流れる導電性のチューブによって形成され、
少なくとも前記導電性のチューブの導電部は前記静電モジュールに電気的に接続し、且つ前記導電性のチューブの導電部は流体が前記導電性のチューブ内を流れるとき流体と物理的に接触して前記流体に静電チャージを加え、
前記導電性のチューブは絶縁材によって囲まれ、
前記静電モジュールはさらに、前記電極アセンブリは前記貯蔵器の外にあるものの、前記流体が前記貯蔵器及び前記電極アセンブリの両方においてチャージされるように前記貯蔵器の中の流体を帯電させ
スプレー装置。
【請求項2】
前記少なくとも1つのノズルが3つのノズルを含む、請求項1に記載のスプレー装置。
【請求項3】
前記3つのノズルのそれぞれが可動であり、使用者が望ましいノズルを前記貯蔵器に選択的に連結できる、請求項2に記載のスプレー装置。
【請求項4】
前記少なくとも1つのノズルがノズルハウジングに配置され、前記ノズルハウジングおよび前記少なくとも1つのノズルが前記ハウジングから取り外し可能である、請求項1に記載のスプレー装置。
【請求項5】
前記ノズルハウジングの取り外しができるツールをさらに含む、請求項4に記載のスプレー装置。
【請求項6】
前記少なくとも1つのノズルが、使用者が望ましいノズルを前記貯蔵器に選択的に連結できるように可動である3つのノズルを含み、前記ツールも前記ノズルを動かすことができる、請求項5に記載のスプレー装置。
【請求項7】
前記ハウジングが使用者の片手で保持できるサイズと形状を有する、請求項1に記載のスプレー装置。
【請求項8】
前記ハウジングが装置を起動するために操作されるハンドルおよびトリガを含む、請求項7に記載のスプレー装置。
【請求項9】
前記ハウジングが少なくとも部分的にバックパックを形成する、請求項1に記載のスプレー装置。
【請求項10】
前記貯蔵器が前記ハウジングから取り外し可能である、請求項9に記載のスプレー装置。
【請求項11】
前記ポンプが前記ハウジング内で真空を引くことで流体を前記貯蔵器から前記少なくとも1つのノズルへ流す、請求項1に記載のスプレー装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、その開示全体がここに参照されて援用される2015年12月21日付の米国仮特許出願第62/270、430号「静電式流体吐出バックパックシステム」、および2016年9月2日付の米国仮特許出願第62/383、108号「静電式流体吐出バックパックシステム」の優先権を主張する。
【背景技術】
【0002】
安全であるべき場所、例えば救急車、病院、学校、レストラン、ホテル、運動施設、その他の公共の場所で伝染病にかかることが多すぎる。これらの場所は従来、殺菌液剤を表面にスプレーしてその表面を雑巾で拭くことで清掃される。残念ながら、そのような清掃方法はあまり効果がないことがわかっている。
【0003】
表面にスプレーする改良された機構は、電荷を付加された殺菌剤などの流体を表面にスプレーする静電吐出システムを利用する。静電吐出システムによれば、化学溶液などの流体はノズル内の電極を通過する際に高圧気流によって霧状にされる。それによって負の電荷の粒子が溶液の滴表面に誘導され溶液のスプレープルーム内で電荷の電界が形成される。静電荷によって流体が表面にくっついて殺菌剤が表面を覆って清掃できる可能性が高くなる。しかし既存の静電吐出システムは、そのようなシステムの電力要求のため大きすぎて不便である。それらは通常電力コードにつながっている、又は空気圧縮機や天然ガスによって動力供給されるため重いシステムである。加えて、それらは高価である。コストと電力コードの問題が広く利用される妨げとなる2つの障壁である。多くの場合、既存のコード付き製品は、延長コードが煩わしい、不便である、時間がかかる、および場合によってはコードに引っかかる危険がある場合に使用禁止や使用制限となる。
【0004】
上記を考慮すると、静電流体吐出システムの改良が必要である。
【発明の概要】
【0005】
ここで開示されるのは、流体に電荷を与え流体を清掃すべき表面などに向けられ得るようにミスト、霧、プルーム、又はスプレー状態にして殺菌剤などの流体を表面に吐出するように構成された静電流体吐出システムである。システムは高圧空気(又はその他の気体)の気流によって流体を霧状にし、ノズルアセンブリ内の電極内を通過させて霧状流体の滴に負の電荷などの電荷を与える。システムは流体を様々な大きさの滴に最適に霧状にするよう構成された特殊な設計のノズルを使用する。加えて、システムはAC(交流)システムではなく、DC(直流)電源システムにより電力供給され、わずらわしい電力コードを不要とする。1つの実施形態によれば、DC電源システムはリチウムイオン電池を含む。この装置は液体又は気体に電気的な又は正の電荷のチャージができる。別の実施形態によれば、ここに説明されるシステムのいずれもがAC電源又は例えば太陽発電を含む他のタイプの電源から電力供給うけてもよい。システムはまた、例えばオルタネータ又はテスラコイルを使用してもよい。
【0006】
1つの態様によれば、静電スプレー装置が開示され、装置は、ハウジングと、ハウジングの中の静電モジュールと、流体を収納するように適合されたチャンバを有する貯蔵器と、貯蔵器と流体連通しており、流体を流れ経路に沿う方向に放出する少なくとも1つのノズルと、貯蔵器の流体を少なくとも1つのノズルに送るポンプと、静電モジュールとポンプのうちの少なくとも1つに電力供給する直列電池と、流体に静電気をチャージさせる電極アセンブリと、を含み、電極アセンブリは(1)電気的に静電モジュールにつながった複数の電極で形成された第一の電極アセンブリ、および(2)貯蔵器から少なくとも1つのノズルに流れる流体が通過するチューブにより形成された第二の電極アセンブリ、のうちの少なくとも1つであり、各電極は、複数の電極が静電界を形成しその中を流体が通過するように、ノズルから放出される流体の流れ経路に平行な軸に沿ってイオンを放出し、チューブの少なくとも導電部は、電気的に静電モジュールにつながり、チューブの導電部は流体がチューブの中を流れるとき流体と物理的に接触し、流体に電荷をチャージさせる。
【0007】
開示の原理を例示する次に示す様々な実施形態から、他の特徴および有利な点が明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、静電噴霧装置の斜視図である。
図2図2は、図1の装置の分解図である。
図3図3は、装置のノズルアセンブリの拡大図である。
図4図4は、チャージリングに囲まれたノズルの詳細図である。
図5図5は、バックパック型の噴霧器を示す。
図6図6は、バックパック型の噴霧器を示す。
図7図7は、手持ち噴霧器の一実施形態を示す。
図8図8は、手持ち噴霧器の別の実施形態を示す。
図9図9は、静電噴霧装置の別の実施形態を示す。
図10図10は、図9の装置から外殻ハウジングの一部を省略した図である。
図11図11は、装置のノズルアセンブリを示す。
図12図12は、ノズルツールが付いた状態の装置のノズルアセンブリを示す。
図13図13は、ノズルアセンブリのノズルハウジングを示す。
図14図14は、ノズル付きのノズル部品を示す。
図15図15は、電極アセンブリを示す。
図16図16は、電極を示す。
図17図17は、ノズルツールの斜視図である。
図18図18は、システムのハンドル部の拡大図である。
図19図19は、外殻ハウジングの一部を省略したシステムのハンドル部の拡大図である。
図20図20は、システムの液体又は流体貯蔵器のキャップの内側を示す。
図21図21は、貯蔵器の斜視図である。
図22図22は、貯蔵器を取り外したシステムの斜視図である。
図23図23は、システムのポンプの模範的実施形態を示す。
図24図24は、流体に直接接触してチューブ絶縁装置を流れる流体に正又は負の電荷を提供するイオンチューブ絶縁装置を示す。
図25図25は、バックパック型の静電式流体吐出器を示す。
図26図26は、バックパック型の静電式流体吐出器を示す。
図27図27は、バックパックシステムのバッテリシステムを示す。
図28図28は、噴霧器の斜視図である。
図29図29は、ベースからタンクを取り外したバックパックシステムの部分的分解図である。
図30図30は、タンクがベースから旋回されて外される様子を示す。
図31図31は、ベースをタンクにロックさせるヒンジの拡大図である。
図32A図32Aは、バックパックシステムのタンクの斜視図である。
図32B図32Bは、タンク底部の拡大図であり、バルブアセンブリが見える。
図33図33は、ベースの一部の拡大図であり、ベースのバルブアセンブリが見える。
図34図34は、タンクおよびベースのバルブアセンブリの組み合わせの斜視図である。
図35図35は、組み合わせたバルブアセンブリの断面斜視図である。
図36図36は、噴霧器アセンブリの斜視図であり、外殻ハウジングが部分的に透明であるかのように示されている。
図37図37は、ノズルアセンブリの斜視分解図である。
図38図38は、ノズルアセンブリが組み上げられた状態の斜視断面図である。
図39図39は、ノズルアセンブリが組み上げられた状態の側面断面図である。
図40図40は、イオンチューブ絶縁装置の斜視断面図である。
図41図41は、ノズル部品を操作するためにノズルアセンブリに取り外し可で連結するノズルツールの斜視図である。
図42A図42Aは、システムのポンプハウジングの一例の斜視図である。
図42B図42Bは、ポンプ工程を図示する。
図43図43は、噴霧器システムの別の実施形態を示す。
図44A図44Aは、システムの静電チャージ工程を図示する概略図である。
図44B図44Bは、ポンプをオフにしたシステムの断面図である。
図44C図44Cは、ポンプの電源が入った状態のシステムを示す。
図45図45は、噴霧器システムの別の実施形態の斜視図である。
図46図46は、システムの内部部品を見せるために外殻ハウジングの一部を省略した状態の図45のシステムを示す。
図47図47は、貯蔵器が取り外し可でシステムの外殻ハウジングに連結する領域のシステムの断面図である。
図48図48は、貯蔵器が取り外し可でシステムの外殻ハウジングに連結する領域のシステムの断面図である。
図49図49は、貯蔵器が取り外し可でシステムの外殻ハウジングに連結する領域のシステムを上から見下ろした平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本願の主題の説明を続ける前に述べておくと、記述される特定の実施形態は、当然変更し得るものであるから、ここで説明される主題はそれに限定されるものではないことは明らかである。また、ここで使用される用語は特定の実施形態を説明する目的のみで用いられ、限定的であることが意図されていないことは明らかである。別途定義されない限り、ここで使用される技術用語はこの主題の分野の同業者が慣用的に用いるものと同じ意味を有する。
【0010】
ここで開示されるのは、流体に電荷を与え流体を清掃すべき表面などに向けられ得るようにミスト、霧、プルーム、又はスプレー状態にして殺菌剤などの流体を表面に吐出するように構成された静電流体吐出システムである。システムは高圧空気(又はその他の気体)の気流によって流体を霧状にし、ノズルアセンブリ内の電極を通過させて霧状液の滴に負の電荷などの電荷を与える。システムは流体を様々な大きさの滴に最適に霧状にするよう構成された特殊な設計のノズルを使用する。加えて、非限定的な実施形態においては、システムはACシステムではなく、DC電源システムにより電力供給され、わずらわしい電力コードを不要とする。1つの実施形態によれば、DC電源システムはリチウムイオン電池を含む。この装置は液体又は気体を電気的に又は正の電荷にチャージできる。
【0011】
システムは、霧状の流体を直接チャージ、誘電チャージ、間接チャージ、又はそれらのあらゆる組み合わせにより静電チャージするように構成される。直接チャージの場合、下に述べるように、流体は導電性のチューブ又は静電チャージしているその他の管の中を流れ、流体はチューブと接触しチューブとの直接接触により静電チャージさせられる。誘電又は間接チャージの場合、流体は、静電界を発生させる1つ以上の電極又はピンによって静電チャージされた空気などの媒体の中を通過させられ、チャージされる。電極は、流体の流れの中にあってもよく、中になくてもよい。一実施形態によれば、流体は、したチューブとの直接接触と、例えばここで記述されるような電極によって静電チャージされた空気などの媒体の中を通過させられることとの両方によって静電チャージさせられる。
【0012】
図1は、流体を、ある表面にスプレーするために帯電させて霧状にするように構成された静電式流体吐出システム105の斜視図である。システム105は、使用者によって保持され易いサイズと形状を有するハウジング110を含む。ハウジング110は、掴んで保持しやすいように人間工学に基づいた形状を有するが、ハウジングのサイズおよび形状はさまざまであることは理解されたい。一実施形態によれば、1つ以上の換気口又は開口部が外殻ハウジングに設置され、換気などのために外殻ハウジングの中と外界との連通が提供される。
【0013】
システム105は、システムを起動させて操作するために使用者によって作動され得る1つ以上の作動装置又は制御装置120を有してもよい。流体排出領域175は、ハウジング110の前部に位置し、霧状の流体が排出される穴を有する。システム105はまた、流体を保存できるチャンバを画定する貯蔵器125を含む。貯蔵器125のチャンバは、内部でノズルアセンブリ205(図2)とつながり、下に詳細に説明されるとおりノズルアセンブリで帯電と霧状化される流体を供給する。
【0014】
図2は、分解された状態のシステム105を示す。ハウジングは、ファン200が収納される内部領域を囲むように連結される複数の部品により形成される。ファン200は、リチウムイオンバッテリなどのバッテリによって動く。電気回路基板がDC電力をAC電力に変えてファンを動かす。システムは、バッテリと保護回路モジュール(PCM)とにつながったステータを含んでもよい。
【0015】
ファン200(又はポンプ)は、システムの流体排出領域175において流体(気体または液体)をノズルアセンブリ205に向かって吹き飛ばすように動作する。ノズルアセンブリ205は、流体を霧状にしてスプレーで排出する。ファンがノズルアセンブリに向かって空気を送ると、ファン200が空気を吹き飛ばすことにより圧力差が生じ、流体は貯蔵器125から吸い出され、流体が霧状にされて排出されるノズルアセンブリ205の中に送られる。貯蔵器から空気を吹き飛ばす、又は液体を吹き飛ばす若しくは別の方法で放射するために使用できる他の機構も可能であることは理解されたい。一実施形態によれば、ノズル先端に空気圧を供給するためにピストン式ポンプが使われる。ピストン式ポンプは、貯蔵器タンクから汲み上げて押し出す、又は加圧して直接ノズル先端に送ることができる。小型の実施形態(図7および図8の実施形態など)では、空気圧マイクロポンプが磁気式動作により流体を吸い上げるソレノイドのような働きをし得る。装置はまた、貯蔵器又は流体タンク内で真空状態を作り、ノズルに向かって流体を貯蔵器から流出させるようなポンプを含んでもよい。
【0016】
図3は、ノズル310が配置される開口部を中心に有する環状ハウジング305を含むノズルアセンブリの拡大図である。ハウジング305は、曲線又は直線の円錐状又は円錐台状の面を有する。面は、ノズル310からの流体が面に沿って前後に跳ね返って乱流となり霧状になるような形状である。一実施形態によれば、流体は5ミクロンから40ミクロンの範囲のサイズの滴に霧状化される。ノズル310は、ノズル310をハウジングに対して動かして滴のサイズを制御するドライブアセンブリ315と機械的に連結する。これによれば、使用者はノズルを前後に動かして望ましいプルームプロフィールを得ることが可能である。
【0017】
図4は、ノズル310の拡大図である。ノズル310の先端は、組み上がった装置において、ハウジング305内(図3)に位置するチャージリング405内の中央に位置する。チャージリング405は、ハウジング内の奥深くそのように位置されるのは、使用者がチャージリングを触る可能性を減らすためである。チャージリング405は接地され、また、使用中チャージリング405が正の電圧を得るために電気的に電源と接続される。ノズル310が霧状の流体をチャージリング405から排出するとき、流体を正にチャージする。これによれば、電気的にチャージされた流体のプルームがスプレーされた表面にくっつく。
【0018】
図4の参照を続け、ノズル310は流体が排出される一連の開口部を有する。開口部は、流体が貯蔵器125からその中へ流れるチューブ410の内腔と連通している(図1)。開口部は、それぞれが隣の開口部から90度離れて十字架パターンを形成するような4つの開口部からなる特有の空間的パターンで配置される。開口部のサイズは様々である。一実施形態によれば、開口部は直径0.063インチである。先に述べたとおり、ノズルは、ノズルの位置を変えてプルームプロフィールを制御するドライブアセンブリに連結してもよい。
【0019】
静電式流体吐出システムは様々なサイズおよび形状であり得る。図5および6は、使用者が背中に背負えるように構成されたバックパック実施形態405を示す。システムは、フレーム412に取り外し可で取り付けられた流体タンク410を含み、タンク410は別のタンクと交換可能である。図6に示すように、フレーム412は、ハーネス420又は使用者の背中に取り付けられるような別のサポートに連結する。タンク410は、帯電した流体が排出される手持ちノズル415に流体連通している。バックパック実施形態は、ここで説明される静電構成および取り外し可の貯蔵器を含む他のシステムのいかなる部品をも含み得る。
【0020】
加えて、図7は、装置の底部に貯蔵器を有する別の手持ち実施形態705を示す。図8は、装置から流体のプルームを排出させる圧力差を発生させることができる手動ポンプを有する実施形態805を示す。
【0021】
図9は、システム105の別の実施形態を示す。1つ前の実施形態と同様に、システム105は、使用者が片手で人間工学的に健全な方法で掴めるハンドルを形成する外殻ハウジング110を含む。システム105は、内部ポンプをオン及びオフさせるように動作する少なくとも1つの作動装置、および静電チャージされた流体のプルームをシステム105の流体排出領域175から排出するために静電チャージをオン及びオフさせる第二の作動装置を含む。システム105は、排出される流体を貯める取り外し可の貯蔵器125を有する。
【0022】
システム105は、複数(例えば3つ以上)の尖った取り外し可でノズルホルダの縁に互いに所定の間隔(例えば120度角度)で配置された高電圧イオン放電電極又はピンを使って高電圧イオンを空気に射出する(図14を参照して下に記述される)。高電圧イオン放電電極はそれぞれ、スプレーノズルの軸と平行な軸に沿って配置され、それによってスプレーおよびイオンが平行な軸に沿って同じ方向に放出されスプレー中の滴がイオンの流れに囲まれ、イオンの流れとぶつかるとき、効率よくチャージされる。したがって、電極は、イオン又は電荷を放出する、放射する、又は他の方法で、流体の流れの方向又はノズルからの流体の流れの平均的方向に平行な方向へ送り出す。
【0023】
図10は、システム105の内部部品を示すために外殻ハウジング110の一部を除いた状態のシステム105を示す。システム105は、バッテリ1010により駆動されるポンプ1005を含む。ポンプ1005は、貯蔵器125内の流体と連通しており、ポンプは流体を貯蔵器から、下に詳細に説明するノズルアセンブリ1015へ導くための圧力差を生じさせることができる。システム105はさらに、下に説明されるように静電リングに電気的に接続した静電モジュールを含む。例示の実施形態における静電モジュールは、12キロボルト静電モジュールであり、下に説明されるように電極、リング、及び/又はチューブなどの部品を静電チャージさせるように構成される。
【0024】
一実施形態によれば、光源1017がシステム105の前端の流体排出領域175に位置し、流体が排出される方向に光を向ける。光源は例えばLED光源でもよい。光源はシステムのいずれかの部分が作動するとき自動的に点灯するものであってもよい。例示の実施形態において、LED光源は100ルーメンであり光はスプレーノズルから放出される液体の流路に直接焦点があてられる。光は使用者が蛍光抗菌液に光を当てることができるように複数の色でもよい(赤外線)。別の実施形態によれば、光はブラックライトである。光源又は光源の電気部品の少なくとも一部は帯電した流体との接触から絶縁されてもよい。
【0025】
図11は、1つ以上のノズル1115が中に配置されるノズルホルダ又はノズル部品1110を取り外し可で収納する内側凹部を有するノズルハウジング1105を含むノズルアセンブリ1015の斜視図である。環状静電リング1120はノズルハウジング1105の前端に取り付けられる。静電リング1120は、ポンプが生み出した圧力差によって流体が貯蔵器から少なくとも1つのノズルを通って排出されるときに通る開口部を形成する。ゴムリング1125などの絶縁要素が静電リング1120に配置され、リングをシステムの外殻ハウジング110から電気的に絶縁する。
【0026】
高電圧静電リング1120上には、高電圧静電リング1120の裏部分に露出した金属接点がある。静電モジュールからの高電圧ワイヤが半田付け又はその他の方法でこの金属接点に電気的に接続される。半田付けする場所とその周りの露出金属は、酸化および電極からのイオン漏れを避けるためにエポキシ又はその他の絶縁材で完全に密閉される。静電モジュールからの接地ワイヤは、接地プレートに接続される。上述のように、接地ワイヤは、作業中の作業者と接触するようにスプレーのハンドル内に埋め込まれる。これは、電気回路を完成させるための電気リターンループの役割を果たす。静電リングはリングに電気的に接続した電極に電荷を移すために帯電される。別の実施形態によれば、各電極は静電モジュールに個々に接続される。
【0027】
図12に示されるとおり、システム105はまた、ノズル部品1110を操作するためにノズルアセンブリに取り外し可で機械的に連結するノズルツール1205を含む。ノズルツール1205は、ノズルハウジング1105の前面開口部に挿入されるようなサイズと形状を有する。ノズルハウジング1105に挿入されると、ノズルツール1205は、下により完全に説明されるように、ノズルツール1205がノズル部品1110にロックする及び/又はノズルハウジング1105に対してノズル部品1110を動かすようにノズル部品1110と機械的に連結する。
【0028】
一実施形態によれば、ツール1205はノズル部品と連結し、反時計回りに回し、ノズル部品の連結がはずれて取り外せるまで押し込むことによりそれを取り外す。これについては、ツールによってノズル部品をより深く押し込むことにより、ノズル部品のねじ部分が、ノズル部品をハウジングにしっかり止めるためのハウジングのねじナット又はボルトと係合する。使用者は次にノズルツールをねじ外ししてハウジングから取り外すことができる。
【0029】
ツール1205はまた、望ましい回転方向に回すことにより、三方ノズルの調節に使われ得る。使用者は、ノズル部品を回転させ望ましいノズルを貯蔵器と流体連通させることにより3つの異なるスプレーパターンから選択できる。これについては、ノズル部品に力を加え、望ましいノズルが貯蔵器からの流体の流れと連通する位置に置かれるまで回転させられるように、ツールの一部がノズル部品に機械的に接続される。システムは、ノズルが流体をスプレーする位置に置かれると音(カチッという音など)が提供されるように、ばね付きの球などの機構を含んでもよい。
【0030】
図17は、ノズルツール1205の斜視図である。ノズルツール1205は、使用者が掴めるようなサイズと形状を有する。それは、スパナなどのドライブ装置に取り外し可で連結し得る、又は使用者が掴み得る連結領域1705を含む。一実施形態によれば、連結領域1705は、箱スパナを含むスパナと機械的に連結し得るような六角形状を有する。ノズルツール1205は、ノズル部品の外側部分を受け止めるようなサイズと形状を有する凹部又は座部1710を含む。例えば、座部1710は、ノズル部品1110の形状を補って受け止める形状を有してもよい。ノズルツール1205はまた、ノズル部品1110についた相補的形状の突起1405(図14)と組み合う少なくとも1つの開口部1715を含む。
【0031】
図13は、ノズル部品1110が中に取り付けられていない状態のノズルハウジング1105の斜視図である。ノズルハウジング1105は、細長い円筒形状を有し、ノズル部品1110を取り外し可で受け入れるようなサイズの内側凹部1305を画定する。静電リング1120は、ノズルハウジング1105の前端に静電リング1120内の座部に位置するゴムリング1125と共に取り付けられる。ゴムリング1125は、静電リング1120に所定の位置と角度で取り付けられる1セットの3つの電極アセンブリ1310を絶縁する。電極アセンブリ1310は、ノズルハウジング1105に設置されるとき、ノズル部品1110のノズルの周りのノズルハウジング1105の開口部の周りに配置される。一実施形態によれば、電極アセンブリ1310は、静電リング1120の周りに120度間隔で位置する。
【0032】
静電リング1120は、下に説明されるようにゴムワッシャおよびねじ付きゴムキャップにより電気的に絶縁された3つの(例えばステンレス鋼で作られる)電極を含む。電極を保持する静電リング1120は、金属でありノズルハウジングの中に作られる。静電リングは保護バリヤの役目をするノズルハウジング内で絶縁されている。静電リング1120は、3つの電極を受け入れる3つの雌ねじ穴を含む。ゴムワッシャが各電極で静電リング1120と絶縁材との間に挿入される。ゴムワッシャは、電極を静電リング1120に締め付ける助けをし、また電極からのイオン漏れ防止を援助する。静電リング1120全体は、ノズルハウジングの中で絶縁されており保護バリヤの役割を果たす。
【0033】
適切に取り付けられるとリングは放電電極と外殻ハウジングの間に安全隙間を形成し、ハウジングをとおる静電漏れを最小にする。ゴムリングはスプレーハウジングの帯電が起きないようにノズルハウジングを絶縁する。ゴムリングはまた水分がスプレー本体に侵入しないようにノズルハウジングをスプレー本体から絶縁する。
【0034】
ホースカプラ1320はノズルハウジングの端部に位置し、貯蔵器と連通するホース又はその他の管と連結するように構成される。ホースカプラ1320は、流体を貯蔵器からノズル1115に供給するためにノズル1115と連通する内部通路を画定する。
【0035】
図14は、ノズルハウジング1105の凹部1305内に取り外し可で置かれるようなサイズと形状を有するノズル部品1110を示す。ノズル部品1110は、それぞれが所定のプルーム又はスプレーパターンで流体を吐出するように構成された1つ以上のノズル1115を収納する。ノズル部品1110は、下に説明されるようにノズルツール1205の相補的構造を受け入れるようなサイズと形状を有する1つ以上の突起1405又はその他の構造要素を含む。電極アセンブリ1310を伴う静電リング1120はノズル1115の周りに位置し、電極アセンブリ1310の電極はノズルの軸と平行な軸に沿って位置決めされる。
【0036】
望ましい流れパターンを達成するために様々なタイプのノズルが使用可能である。ここから電極の非限定的な例を説明する。一実施形態によれば、電極は次の3つタイプの例を含む。
【0037】
(1)3.5バールで45度、流量毎分0.23リットル、SMD=113ミクロン、内側オリフィス=0.65ミリメートルの円錐形のスプレーを提供するノズル。
(2)3.5バールで60度、流量毎分0.369リットル、SMD=84ミクロン、内側オリフィス=0.58ミリメートルの円錐形のスプレーを提供するノズル。
(3)3.5バールで60度、流量毎分0.42リットル、SMD=100ミクロン、内側オリフィス=1.00ミリメートルの扇形のスプレーを提供するノズル。
【0038】
上述のノズルは例に過ぎず、本開示の範囲内で変更されうることは明らかである。
【0039】
図15は、高電圧イオン放電電極(又はピン)1510、および電極又はピン1510の上に位置する絶縁要素1520を含む電極アセンブリ1310を示す。絶縁要素1520は、電極1510を実質的に全部覆うようなサイズと形状を有し、軸に沿って配置される前向き円錐形の先端の形態である電極1510の前部のみを露出させる。図16は、(ピンと呼ばれることもある)電極1510を、絶縁要素1520を省略して示す。システムの各高電圧イオン放電電極は、図15に示される構造と同じ構造を有し、ピンの中央でプラスチックによりオーバーモールドされた金属ピンである。各金属ピンは、1つの端部に1つの鋭い尖頭を有し、もう1つの端部に雄ねじ部を有する。ピン中央でプラスチックでもあり得る絶縁要素は、取り付け及び取り外しの際に掴み易くするものであるが、ピンは取り外し可能である必要はない。プラスチックはまたピンを絶縁し、ピン本体からのイオン放出を防止するために使われる。電極アセンブリはまた図15に示されるタイプの電極アセンブリのセットでもよい。
【0040】
したがって、各電極アセンブリ1310は電極の中央部を覆うゴムワッシャ、および鋭い尖頭である最前部を除く前部分を覆うゴムブーツで形成される絶縁要素1520を含む。ゴムワッシャおよびプラスチック又はゴムキャップ(又はブーツ)は、鋭い尖頭のみが露出する、及び/又は非絶縁であるように電極を絶縁し、静電漏れから電極を保護する。
【0041】
各高電圧イオン放電電極はノズル部品1110に連結した高電圧リング1120の雌ねじにねじ止めされる。各高電圧イオン放電電極は高電圧リング1120に取り付けられると、端部の鋭い尖頭を除いて絶縁要素によって完全に覆われ隠される。
【0042】
図18は、ハウジング110のハンドル領域の拡大図である。ハンドル領域は使用者が片手で掴むように、人間工学的に基づくサイズと形状を有する。トリガ1805又はノブやスイッチなどのその他の作動装置は使用者がハンドル領域のポスト1810の周りを他の指が包むとき、トリガを彼の又は彼女の指で操作できるように人間工学的に配置される。接地ワイヤ1815又はその他の構造1815はポスト1810の中などのハンドル領域に埋め込まれる。接地ワイヤ1815は、使用者が装置の使用時にポスト1810を掴むとき、電気的に使用者の手と接触するように配置される。一実施形態によれば、接地ワイヤは銅製であり使用者が装置を掴むとき、使用者の手と接触する銅材料の切れ端であるが、ステンレス鋼などの他の材料が使われてもよい。
【0043】
図19は、装置の内部部品、特に流体を収納する内部空洞を囲む入れ物である貯蔵器125を見せるために外殻ハウジング110の一部を省いた状態のハンドル領域を示す。貯蔵器はハウジング110に取り外し可で取り付けられ、ハウジング110内に滑って入るガイド面1907を含む。一実施形態によれば、ガイド面1907は外殻ハウジング110と相互作用して貯蔵器125をハウジング110の中に適切にガイドする1つ以上の傾斜したガイド突起を画定する。
【0044】
図19の参照を続けると、集合的に使用者によって操作され、貯蔵器125を外殻ハウジングから取り外したり再取付けをロックしたりできるピンなどのバイアスされた又は張力が負荷された構造に取り付けられたリングなどの第一の取り外し機構1905、および回転可能な車輪又はキャップ1921などの第二の取り外し機構1920。図20は、貯蔵器125の内部空洞と連通して覆うキャップ1921の一部を示す。システムのポンプが貯蔵器内で真空を引くとき、ダックビルバルブなどの一方向弁2003がキャップ1921内に位置し流体が貯蔵器内部に入るための外気からの換気口を提供する。
【0045】
図21は、貯蔵器125の内部空洞へのアクセスを提供する開口部2005を含む貯蔵器125を示す。開口部2005は、1つ以上のフランジ又はねじ山を有するネック部2010によって画定される。ネック部2010は、貯蔵器をハウジングから取り外したりロックするように取付けしたりできるシステムの第一の取り外し機構1905および第二の取り外し機構1920と密封するように係合する。
【0046】
図22は、貯蔵器125および外殻ハウジングの一部を省いた状態のシステムを示す。上述のとおり、第一の取り外し機構1905は貯蔵器に付くように構成される。具体的には第一の取り外し機構1905は、貯蔵器ハウジングのシート2020(図21)、構造、又は開口部とロック係合するほうにバイアスされたばね仕掛けの又は張力を受けた構造を含む。第一の取り外し機構1905は、シート2020(又はその他の構造)と自動的に係合してロックし、貯蔵器125が挿入されたときハウジングにロックされるようにバイアスされている。このようにすれば、取り外し機構1905は、使用者が第一の取り外し機構1905を引っ張る、外す、又はその他の方法で貯蔵器から解放しない限り貯蔵器がハウジングから外れることを機械的に防止する。使用者は、第一の取り外し機構1905のリング又はタブなどの構造を引っ張ることにより第一の取り外し機構1905を貯蔵器から解放することにより貯蔵器から外すことができる。したがって、使用者は貯蔵器をハウジングから解放するためにはハウジング及び/又は貯蔵器に対して第一の取り外し機構を引き外さなければならない。
【0047】
図22の参照を続け、第二の取り外し機構1920は、ネック部2010(図21)又は貯蔵器125の一部と係合するねじ山つきの車輪などの回転可能な構造である。一実施形態によれば、一旦貯蔵器125が外殻ハウジングに取り付けられると第二の取り外し機構1920の車輪は、使用者によって(例えば、4分の3回転その他の回転範囲で)回転される。第二の取り外し機構1920のノブの回転が、貯蔵器の開口部2005をノブにおよび貯蔵器内の流体をノズルに連通させるシステムの内部通路にロックするように及び密封するように係合させる。
【0048】
これにより、貯蔵器がハウジングに取り付けられロックするように密封されると、出口管2115が貯蔵器の内部領域と流体連通する。出口管2115は、ホース(図示なし)などのポンプ1005のポンプ入口管2120と連通してもよい。ポンプ1005は、ノズルアセンブリのホースカプラ1320(図13)と連通し得る出口管2125を有する。このようにすると、ポンプが流体を貯蔵器から吸い上げてノズルアセンブリへ駆動させる圧力差を生じさせ得る。
【0049】
一実施形態によれば、ホース又はチューブがポンプ1005の出口管2125をノズルアセンブリのホースカプラ1320につなげる。ポンプ1005をノズルアセンブリにつなげるチューブ(又はその他の管)は、チューブを流れる流体を静電チャージされたチューブとチューブをノズルに向かって流れる流体の間の直接チャージにより静電チャージさせるように構成されてもよい。流体はチューブなどの帯電した電極と物理的に接触する。これは、貯蔵器又はポンプからノズルに向かって流れる流体を帯電させるイオンチューブ絶縁装置2405を示す図24を参照してより詳細に説明される。イオンチューブ絶縁装置は、流体が通過するチューブ2410、および静電モジュールに電気的に連結し金属などの導電材料で作られる高電圧電極アセンブリ又はモジュール2415を含む。モジュール2415は導電性ワイヤなどにより静電モジュールに電気的に接続され得る導線を含んでもよい。
【0050】
一実施形態によれば、モジュール2415は金属などの導電性材料である。一実施形態によれば、モジュール2415のみが導電性材料であり、チューブ2410の残りの部分は非導電性である、及び/又はシステムの他のあらゆる部分から絶縁される。モジュール2415はまた、システムの他のあらゆる部分との接触から絶縁する絶縁材によって囲まれてもよい。流体がチューブ2410を流れるとき、モジュール2415は流体と直接接触し、電荷を流体に移す。これによれば、イオンチューブ絶縁装置2405は流体がノズルを通過するまえに流体を静電チャージさせる。
【0051】
水溶液の分子は自然に極性を有するから、高い電気ポテンシャルのチャージ元(ノズルホルダの正の電極など)から容易に電気を運んで伝えることができる。高い電気ポテンシャルの下では水溶液およびその通過路は電導性となりそのためチャージがスプレーのホース、ポンプおよびタンクを含む液体システム全体に運ばれ得る。
【0052】
水溶液がスプレーされると、帯電した溶液はノズルから押し出され、空気中の微細な帯電した滴へと分解される。全ての滴が同じ電荷を運ぶため、互いに反発し合い、均一なミストを空中で形成する。ミストと意図する物体との電気的引力に助けられ、接地によって逆の電荷が誘導されている意図する物体に向かって「磁石」のように引き寄せられる。微細な滴は高い可動性で拡がり、意図する物体のエッジや裏側にさえも達し、望ましい360度被覆が達成でき、これは「ラップアラウンド効果」と呼ばれることがある。
【0053】
異なる電荷は引き寄せあうため、理論的には正の静電式スプレーは負の静電式スプレーと同様に機能する。負の静電モジュールはまた、正の静電モジュールの代わりに使用され得る。そのような場合、スプレーされた滴は負の電荷を運び、意図する物体には接地により負の電荷を帯びた滴を引き寄せるような正の電荷が誘導される。滴の負の電荷は意図する物体に衝突すると意図する物体上に誘電された正の電荷によって最終的に中和される。
【0054】
スプレーはDC電池で駆動され得るが、スプレー内の静電モジュールにより電気チャージを水溶液に注入できる。電気的に釣り合ったシステムのため、液体システムに消費されたチャージを補うため逆のチャージが供給されてもよい。これは、ハンドルグリップの接地プレートによって効果的に達成でき、逆のチャージが使用者から接地プレートを通して静電モジュールに流れ、液体システムに失われたチャージを相殺する。
【0055】
一実施形態によれば、ポンプ1005は直流(DC)ポンプであるが、ACポンプ又はその他のあらゆるポンプもまた使用可能である。ポンプは、稼働するとダイヤフラムが上下動するよう駆動する接続ロッドを備えた回転運動モータを含む。ダイヤフラムが下向きに動く工程において、ポンプの空洞は貯蔵器内部に対して真空に引くことなどにより圧力差を生み、流体を貯蔵器からポンプ入口管2120を通して吸い上げる。ダイヤフラムの上向きの動きはポンプの空洞の流体をポンプ出口管2125を通してノズルアセンブリのホースカプラ1320の方にポンプ出口管2125をホースカプラ1320に取り付ける取り付けホースを介して押し出す。ポンプ内で、機械的動力伝達部品とポンプ空洞とはダイヤフラムによって隔てられる。ダイヤフラムポンプは、動力伝達、流体の引き出しおよび圧縮工程において補助的潤滑油を必要としない。図23は、ポンプ入口管2120および出口管2125を含むポンプ1005の模範的な実施形態を示す。
【0056】
ここで説明されるいずれの実施形態についても、使われ得るモータのタイプは様々である。一実施形態によれば、システムは、バッテリの残留電力によって使用中のモータ速度が変化しないように定速モータを使う。この定速能力はバッテリとモータの間に位置するモータ回路又はその他の電気要素によって達成される。モータ回路は位相変化周波数を傍受およびモニタし、周波数の調節又はその他の方法でパワー信号を制御し、使用中のモータの定速動作を維持する。モータの定速動作は可変速度モータに比べ次の項目を含む多くの有利な点を有する。
【0057】
可変速度モータにおいては、モータ入力電圧に依存してモータのモータ速度が変化し得る。したがって、より高い入力電圧によればモータ速度はより速くなる。ポンプの出力圧力はモータ速度に依存するから、バッテリ充電量が変化するとポンプの出力圧力が変化する結果となる。モータに高い入力電圧を供給するフルに充電されたバッテリはスプレーを最高の圧力で駆動させスプレーの性能が良くなる。バッテリ充電量が下がるにつれて、モータの入力電圧が落ちるためモータ速度の低下さらにスプレー圧力の低下につながる。その結果スプレー性能が下がる。したがって、バッテリの充電量レベルの変化の結果スプレー性能が不安定となる。上述のような定速モータによれば、モータの定速動作により不変で均一な出力圧力がポンプからスプレーノズルにもたらされ、バッテリ電圧に依存しない安定したスプレー性能が保たれる。
【0058】
一実施形態によれば、モータは12ボルトで毎分3000回転の速度で動作する。バッテリの定格電圧が高い場合、スプレーの供給電圧は12ボルトより高くてもよい。これは、電源ラインに直列に抵抗が設置されたとしても起こり得る。例えば、バッテリの定格電圧は14.8ボルトであり得る。モータの最大速度(バッテリがフルに充電された場合)は毎分4000回転に達し得る。モータ速度が速いほど、ポンプ圧力と摩耗レートが高くなり、ポンプ寿命が短くなる。
【0059】
使用中、使用者は流体が貯蔵器から選択されたノズルを通ってスプレーされるようにシステム105を掴んでポンプを駆動する。上述のとおり、使用者はノズルツール1205を使い、ノズルアセンブリ1015をシステムに挿入することとロックすることの両方ができる。使用者はまたノズルツール1205を使い、ノズル部品を回転させ、選択されたノズルを貯蔵器に流体連通させる。したがって使用者は、流体の望ましいプルームプロフィールを選択できる。システムはまた1つだけのノズルを備えていてもよい。使用者はまた静電モジュールを稼働させ、それにより電極が帯電し電極リングに静電界が形成される。流体はノズルからリングを通って、および静電界を通って放射され、エアゾールのプルーム内の流体の滴は正又は負の電荷を帯びる。上述のとおり、電極およびノズルは共通の平行軸に沿って配置される。これにより液体又はエアゾールは、使用者がノズルを向ける方向に基づいて意図する物体の方向に向かう。一実施形態によれば、電極はノズルから放射される流体とは物理的に接触しない。別の実施形態によれば、電極はノズルから放射される流体と物理的に接触する。
【0060】
流体のスーパーチャージ
図44Aは、ここで静電ラッピングと呼ぶシステムの静電チャージ工程を図解する概略図である。下に説明されるとおり、システムは流体を2つ以上の場所で静電チャージするように構成され、その結果流体がノズルアセンブリから出るとき流体は静電スーパーチャージされている。システムは貯蔵器上部領域にあるダックビルバルブを介して貯蔵器(タンク)内で流体を静電チャージする。流体がポンプを通り、静電モジュールを通るとき、ノズルアセンブリの金属リングにより再度チャージされる。これは下により詳細に説明される。
【0061】
図44Aを参照して、バッテリが装置内に取り付けられると使用者はトリガを作動させて静電モジュール(7キロボルト)を帯電させる。タンク又は貯蔵器の中に流体が入っている。上述のとおりポンプは空気圧ピストン式ポンプである。ポンプは圧力差を生じさせ、それによりバルブが開き流体内容物が真空によって貯蔵器内から引き出され始める。タンクがつぶれないようにダックビルバルブが開き外気をタンクに入れる。
【0062】
ポンプが開き、駆動トリガが作動すると、7キロボルトの静電モジュールがフルにチャージされる。ポンプはポンプバルブの開閉により調節される。静電状態は装置のタンクとノズルの間を動く。チャージは正のチャージである。ポンプが真空引きを始めると、圧力差により流体はタンクから内部流体管を通って進んでゆき、静電金属又は銅リングがノズルハウジングの中に取り付けられているノズルアセンブリと接触する。
【0063】
流体は正の電荷にチャージされたノズルハウジングを通るとき、チャージされる。ポンプのバルブが開閉するが外気もダックビルバルブを通ってのみ入り、それにより正および負のイオンがタンク内に入る。このサイクルによってタンクは正および負のイオンによりチャージ可能となる。
【0064】
バルブが開いてタンクからの流体が装置のピストン式バルブおよび流体ホースさらに静電チューブを通過できるようになると、流体はノズルアセンブリに到達し、そこで流体は正のイオンでスーパーチャージされる。したがって、流体が負に帯電した物体にスプレーされると、流体中の正のイオンにより流体が負に帯電した物体を包み込み、実質的に物体全体が流体で覆われる。
【0065】
2度チャージする工程は図44Bおよび図44Cによってより詳細に説明される。図44Bは、ポンプが停止中のシステムの断面図であり、図44Cは、ポンプが稼働中のシステムを示す。図44Cに示されるようにポンプユニットのスイッチが入ると、静電チャージリングにおいて静電チャージがスタートし、流体出口管、吸入管、と逆に下がってゆき、ポンプを通ってタンク内に到り、静電チャージにより全てのイオンが正に帯電する。
【0066】
図44Cは、ポンプのスイッチが入ったシステムを示す。ポンプにより流体が貯蔵器(タンク)から出て、静電チャージリングを含むノズルアセンブリに向かう。タンクの全ての正のイオンはタンクからポンプを通って吸い出され、ノズルアセンブリで霧状にされる以前に静電チャージリング(3720)で再びチャージされる。このように流体は貯蔵器からノズルアセンブリまでの流体の流路に沿って少なくとも2回静電チャージされる。
【0067】
流体を2度チャージすることと流体がノズルアセンブリで霧状にされる前にチャージされることとの組み合わせにより、システムは霧状粒子の外殻だけをチャージするのではなく、流体を完全にチャージ可能でありチャージされた粒子をより多く提供する。またこれによれば霧状粒子のより高いラッピング効果が得られ、粒子がチャージをより長く保持できる。図44A-44Cによって説明されるチャージ工程は例えばAC電源又は太陽光電源などのあらゆる電源と共に使われ得て、DC電源に伴う使用だけに限定されない。
【0068】
他のバックパック実施形態
図25A-26は、ここでバックパックシステム2405と呼ぶバックパック型静電式流体吐出システムの様々な図である。バックパックシステム2405は、ベース2415に取り外し可で取り付けられたタンク2410を含む。使用者がバックパックシステム2405を身に着けられるように、図26に示すとおりの1つ以上のストラップ2420のシステムがベース2415に取り付けられる。下に詳しく説明されるとおり、チュービング2425がバックパックシステム2405から外へ延び、タンク2410および手持ちスプレー(図28)に流体連通する。図25に最もわかりやすく示されるとおり、バックパックシステム2405はまた、取り外し可、再充電可のバッテリ2435を含む。システムはまた、システムからの放熱を可能にするための換気口又は開口部を有してもよい。
【0069】
図26に示すとおり、1つ以上のストラップ2420は使用者がバックパックシステム2405を背負えるような位置でバックパックシステムに連結する。ストラップ2420は、ストラップが使用者の肩の周辺に位置し、タンク2410およびベース2415が使用者の背中に隣接するように配置される。
【0070】
図27は、バックパックシステムのバッテリシステムを示す。上述のとおり、バッテリシステムは充電器2605に取り外し可で取り付けられるバッテリ2435を含む。充電器2605はバッテリ2435を受け入れるサイズと形状の座部を有する。電源コード2610が充電器2605から延び、充電器2605およびバッテリ2435に電気チャージを供給するためコンセントに差し込める。上述のとおり、バッテリ2435はバックパックシステム2405のベース2415に取り外し可で接続でき、バックパックシステム2405にパワーを供給する。一実施形態によれば、充電器は12ボルト充電器であるが、その他の充電器もあり得る。
【0071】
上述のとおり、バックパックシステム2405は帯電した流体をスプレーするための手持ちスプレー2705を含む。図28は、スプレー2705の斜視図である。スプレー2705は、使用者が片手で掴めるようなサイズと形状の手持ち用の構造である。スプレー2705は、使用者が指で包んで手のひら内で掴むことができるハンドル領域2710を含む。第一の作動装置2712がハンドル領域2710の上に取り外し可で取り付けられ、例えば第一の作動装置2712を握るなどの方法で第一の作動装置2712を使用者が作動させることができる。一実施形態によれば、使用者は第一の作動装置2712を押すことによりバックパックシステム2405のポンプを稼働させ、下に説明するようなスプレー2705からの流体排出を起こす。
【0072】
スプレー2705はまた、スプレー2705に人間工学に基づいて配置された第二の作動装置2714を含み、指でスプレー2705を掴むとき、使用者は親指を使って第二の作動装置2714を押すことができる。第二の作動装置2714は、バックパックシステムの静電チャージャーに連結する。ここで説明されるとおり、使用者は第二の作動装置2714を押すことによって静電チャージャーを稼働させ、スプレーから排出される流体を静電チャージさせる。
【0073】
図28の参照を続け、銅などの導電性材料の切れ端2715が第一の作動装置2712に配置され、使用者がスプレー2705を掴んだとき、切れ端2715は使用者の手と接触する。ステンレス鋼などの他の材料が切れ端2715として使われ得る。切れ端2715は、使用者の保護接地の役割を果たす。
【0074】
図29は、ベースからタンクが外された状態のバックパックシステムの部分的分解図である。タンク2410は、ベース2415の座部内に合うサイズと形状を有する。タンクは、ベースに対して所定の方向で置かれたときのみにベース2415の座部内に合うサイズと形状を有してもよい。タンク2410およびベース2415は、突起と溝との組み合わせ機構を利用して、タンク2410がベース2415に滑合してしっかりと組み合うような工夫をしてもよい。
【0075】
一実施形態によれば、タンク2410はベース2415に例えばタンク2410の底部に沿ってヒンジ式に取り付けられる第一のヒンジによってベース2415に嵌る。図30は、タンク2410がベース2415にヒンジ式に畳まれて取り付けられる例を示す。タンク2410は、ベース2415の座部領域に沿って位置する底部取付け領域3005を有する。タンク2410を図30に示す位置に置き、使用者はタンク2410の上部領域を、ベース2415の上部領域にある留め具3010に向かって回転させる。図31は、ベースをタンクに止めるヒンジの拡大図である。タンク2410の上部領域はベース2415の留め具3010を受け入れるサイズと形状を有する凹部3015を含む。留め具3010は、凹部3015に留まる舌状の部材又はバックルであり、タンク2410をベース2415に取り外し可で固定させる。
【0076】
図32Aは、バックパックシステムのタンクの斜視図である。タンクは流体を収納するように構成された内部空洞を画定する外殻ハウジングにより形成される。タンクには例えばタンクの上部領域に沿って開口部が設置される。開口部は、取り外し可で空洞への開口部をカバーするキャップ3210によってカバーされる。開口部の上に位置するとき、キャップは空洞内の流体がタンク2410の空洞に密封されるように開口部を密封するようにカバーする。タンク2410は、ベース2415とベースの底部領域で取り外し可で連結する。ここで、タンク2410はベース内で、対応するバルブアセンブリ3310(図33)と相互作用し、タンク2410からの流体がベース2415に流れられるようにするバルブアセンブリ3215(図32B)を含み、ベースでは流体はチュービング2425(図24A)を介してスプレー2705に向かって流れる。
【0077】
図32Bは、タンクの底部の拡大図であり、バルブアセンブリ3215を示す。バルブアセンブリは、ピンバルブ3255を囲むバルブキャップ3250を含む。下に詳細に説明されるとおり、ピンバルブ3255は、流体のタンクへの流入およびタンクからの流出を止める閉じた位置と、流体のタンクからベースへの流れを可能にする開いた位置の間で移行する。ピンバルブ3255のデフォルトは閉じた位置である。タンク2410がベース2415に正しく取り付けられると、ピンバルブ3255は自動的に開いた位置に移行する。
【0078】
ベース2415とタンク2410の間のバルブアセンブリは、タンク2410が正しくベース2415に取り付けられるとタンク2410とベース2415との間のバルブ付き流路が自動的に開くように機械的に構成される。
【0079】
図33は、ベース2415の一部の拡大図であり、ベース2415のバルブアセンブリ3310を示す。ベース2415のバルブアセンブリ3310は、タンク2410のバルブアセンブリ3215と機械的に相互作用するようなサイズと形状を有する。具体的には、タンク2410のバルブアセンブリ3215は、ベース2415のバルブアセンブリ3310と連結する、及び/又は中に取り付けられる。正しく取り付けられると、2つのバルブアセンブリは相互作用し、タンクが正しくベースに取り付けられるとタンクのバルブアセンブリは3215が自動的に開く。
【0080】
図34は、タンクとベースのバルブアセンブリの組み合わせの斜視図である。図35は、組み合わせたバルブアセンブリの断面斜視図である。図34を参照して、タンクのバルブアセンブリ3215は、デフォルト状態で閉じているスプリングバルブ3420を部分的に囲む一方弁キャップ3250を含む。ベース2415のバルブアセンブリ3310は、バルブを通過する流体をろ過するフィルタ3415を含む。
【0081】
図35を参照して、スプリングバルブ3420は、プレート3520の上に載る上部領域を有するバルブピン3510を含む。スプリングバルブ3420は、スプリングバルブ3420を閉じた位置に付勢するスプリングを含む。タンクのバルブアセンブリがベースのバルブアセンブリに取り付けられると、相互作用によりスプリングバルブ3420は開いた位置の方に押され、流体はタンクからベース内へスプレーに向かって流れることができる。
【0082】
図36は、スプレーアセンブリの外殻ハウジングを部分的に透明にした状態のスプレーアセンブリの斜視図である。上述のとおり、スプレーアセンブリは人間工学的に良い形状を有する外殻ハウジングによって形成される。ノズルアセンブリ3615は外殻ハウジング内に位置し、タンク2410内の流体と流体連通しているチュービング2425(図25)と流体連通する。外殻ハウジングは、流体がノズルアセンブリ3615へ流れる流路を提供する1つ以上の内部管状部材を含む。
【0083】
スプレーアセンブリはまた、流体がチュービング2425を通ってタンクからスプレーアセンブリのノズルアセンブリ3615へ流れるように圧力差を起こす内部ポンプ3610を含む。上述のとおり、スプレーアセンブリは、使用者によって操作されポンプ3610を起動することができる第一の作動装置2712を含む。スプレーアセンブリはまた装置の静電モジュールを起動させるボタンなどの第二の作動装置2714を含む。
【0084】
図37は、ノズルアセンブリ3615の斜視分解図である。図38は、組み立てられた状態のノズルアセンブリの斜視断面図である。図39は、組み立てられた状態のノズルアセンブリの側面断面図である。ノズルアセンブリ3615は、選択的に、ここで開示される他のあらゆる実施形態のノズルアセンブリと類似した構成でもよい。図38の実施形態によれば、ノズルアセンブリは、1つ以上のノズルが既述の実施形態と類似した状態で配置されるノズルホルダ又はノズル部品3710を取り外し可で収納する内部凹部を有するノズルハウジング3705を含む。環状静電リング3720が、ノズルハウジング3705の前方端に取り付けられる。静電リング3720は、タンク・貯蔵器からの流体がポンプが生み出した圧力差のために少なくとも1つのノズルから排出されるときに通る開口部を形成する。ゴムリングなどの絶縁要素を静電リングに配置して、スプレーの外殻ハウジングから電気的に遮断されるようにしてもよい。
【0085】
高電圧静電リングの上に、静電リングの後部で露出した金属接点がある。静電モジュールからの高電圧ワイヤは半田付け又はその他の方法でこの金属接点に電気的に接続される。半田付けポイントとそれに隣接する露出金属は、酸化および電極からのイオン漏れを防ぐためにエポキシ又はその他の絶縁材料で完全に密封される。静電モジュールからの接地ワイヤは接地プレートに接続される。上述のとおり、接地ワイヤはスプレーのハンドルに埋め込まれ、作業中に作業者と接触する。これが電気リターンループとして機能し電気回路が完成する。静電リングはリングに電気的に接続した電極に電荷を移すために帯電される。別の実施形態によれば、各電極自体が静電モジュールに個々に接続される。
【0086】
逆止弁を、流体がノズルアセンブリから流れ出るために通過しなければならないようにノズルアセンブリ3615内に設置してもよい。ファンを起動させるトリガを使用者が放すと、逆止弁が閉じ、流体がノズルアセンブリから出ることを抑止する。このようにすれば、システムが使用されていないとき残留流体がシステムから地面に漏れることが止められる。
【0087】
イオンチューブ絶縁装置3905がスプレーのノズルアセンブリ内に取り付けられる。図40は、イオンチューブ絶縁装置3905の斜視断面図である。イオンチューブ絶縁装置3905は、既述の実施形態に関して説明されたイオンチューブ絶縁装置と似た機能を果たす。イオンチューブ絶縁装置3905はタンク又はポンプからノズルに向かって流れる流体を帯電させる。イオンチューブ絶縁装置は流体が通過するチューブ3910、および静電モジュールに電気的に接続され金属などの導電性材料で作られる高電圧電極アセンブリ又はモジュールを含む。モジュールは静電モジュールと電気的に接続可能な導電性ワイヤなどの導線を含んでもよい。
【0088】
一実施形態によれば、モジュールは金属などの導電性材料である。一実施形態によれば、モジュールのみが導電性であって、チューブ3910の残りの部分は非導電性である、及び/又はシステムのあらゆる他の部分との接触から絶縁されている。モジュールはまた、システムのあらゆる他の部分との接触からモジュールを絶縁する絶縁材料で囲まれる。流体がチューブ3910を通過するとき、モジュールは直接流体と接触し、流れる流体との直接接触により流体を帯電させる。このようにして、イオンチューブ絶縁装置3905は、流体がノズルを通過する前に流体を静電チャージさせる。
【0089】
図41は、ノズル部品3710を操作するためにノズルアセンブリに取り外し可で機械的に連結するノズルツール4105の斜視図である。ノズルツール4105は、ノズルハウジング3705の前面開口部に挿入できるサイズと形状を有する。ノズルハウジング3705に挿入されると、ノズルツール4105は、ノズルツール4105がノズル部品をノズルハウジングに対してロックする、及び/又は動かせるようにノズル部品3710と機械的に連結する
【0090】
一実施形態によれば、ツール4105は、ノズル部品と連結し、反時計回りに回転させてノズル部品がはずれて取り外せるようになるまで押し込むことにより、それを取り外す。このとき、ツールを使ってノズル部品をハウジングの中へ深く押すことでノズル部品のねじ部がハウジングのねじナット又はボルトと係合し、ノズル部品がハウジングに固定される。使用者は、続いてノズルツールをねじ外しすることでハウジングから取り外すことができる。
【0091】
ツール4105は、望ましい回転方向にノズルを回すことによる三方ノズルの調節にも使える。使用者は、望ましいノズルが貯蔵器と連通するようにノズル部品を回転させることにより2つ以上の異なるスプレーパターンから選択できる。このとき、ノズル部品に力を加え、望ましいノズルが貯蔵器からの流体の流れと連通する位置に来るまで回転させられるようにツールの一部がノズル部品に取り付けられる。システムは、ノズルが流体をスプレーする位置に置かれると音(カチッという音など)が提供されるように、ばね付きの球などの機構を含んでもよい。
【0092】
ノズルツール4105は、使用者が掴めるようなサイズおよび形状を有する。それは、スパナなどのドライバ装置と取り外し可で連結できる、又は使用者が掴むことができるカプラ領域を含んでもよい。一実施形態によれば、カプラ領域は六角形であり、箱スパナを含むスパナと機械的に連結できる。ノズルツールは、ノズル部品の外側部分を受け入れられるサイズと形状を有する凹部又は座部を含む。例えば、座部はノズル部品の形状と相補して受け入れる形状を有してもよい。ノズルツールもまた、ノズル部品に付いた相補的形状の突起と組み合う少なくとも1つの開口部を有する。
【0093】
図42Aは、空気圧ヘッドを含むシステムのポンプハウジングの斜視図である。ポンプハウジングは、既述の実施形態に関して説明されたポンプと似た又は同じものでもよいポンプを受け入れるサイズと形状を有する。ポンプハウジング4210は、上および下の入口開口部4220ならびに上および下の出口開口部4230を含む。バルブは上および下の各開口部に配置され、合計4バルブある。流体は、ポンプの入口開口部4220から入り、ポンプの出口開口部4230から出る。一実施形態によれば、ポンプは回転式ポンプであり、接続ロッドおよびダイヤフラムを含む。ダイヤフラムは、上のダイヤフラム開口部4235と、下のダイヤフラム開口部の間に配置される、又は連結される。モータの回転運動が接続ロッドの揺動に変換され、ダイヤフラムをダイヤフラム開口部4235に対して上下に動かす。ダイヤフラムが下向きに動く工程で、ポンプ空洞は入口開口部4220から流体を吸い上げる。ダイヤフラムの上向きの動きが流体を出口開口部4230からノズルの方へ押し出す。機械的伝達部品とポンプ空洞はダイヤフラムによって絶縁される。ダイヤフラムは伝達、抽出、圧縮の工程で補助的潤滑のための潤滑油を必要としない。
【0094】
ダイヤフラムは、円形に切られた2つの穴を有する。バルブ(例えばプラスチックでもよい)は空気圧ガスケットの中に置かれる位置を有する。ハウジングの上および下の蓋がゴムダイヤフラムをO-リングのようにしっかりと留める。正しく挿入されると、ハウジングの空気圧ヘッドアセンブリにねじ止めされたときゴムダイヤフラムは水漏れのない密封を実現させる。
【0095】
上および下の貯蔵器出口開口部により水が各チャンネルに出入り可能となる。バルブはゴムダイヤフラムに挿入される。空気圧バルブが開閉して吸引および圧縮の連続した動きを提供するとき、2つのチャンネルが圧力を同じにする。空気圧ヘッドは複数のチャンネル又は開口部を有し、それによりDCモータからの力により水が上および下を通って流れることができる。モータはカムハウジング内の楕円軸上でスピンする軸受とともに回転し、上下の動きおよび左右の動きが生まれる。ゴムダイヤフラムは、カムハウジングがダイヤフラムの両側に取り付けられる場合、トランポリンのように機能する、より硬く厚い材料でもよい。ダイヤフラムは上下に動き内部圧力を生む。バルブは開閉し、水圧も出入りを繰り返しシステムは一定の吸引および流出の圧力を保つ。圧力はダイヤフラムの厚みおよびモータ回転数で調節できる。
【0096】
カムが楕円形状を有することにより、軸受がオフセットされカムが上下又は左右に回転可能となり、ゴムダイヤフラムが上下に押される。これにより空気圧ダイヤフラムの上下の動きが得られ、続いて空気圧ハウジングの片側で吸引、そしてハウジングの逆側で圧縮が発生する。水がバルブを流れるとき、バルブの開閉により両方の水圧が等しくなる。ポンプの一方が水を吸い上げ、もう一方が水を押し出す。
【0097】
DCモータケーシング軸受を含み、空気圧ポンプには3つの軸受が含まれる。第一の軸受はDCモータハウジング内に設置され、モータが高速回転するとき、軸が自由にスピン可能となる。第二の軸受は空気圧ハウジングでもあるカムハウジング内に設置される。3つの軸受は全て例えばステンレス鋼でよく、ステンレス鋼のケーシングを有し、過加熱や錆が起こらない。第三の軸受は軸とカムを内部空気圧ヘッドと同軸に保つよう構成される。これにより、内部モータ軸受が第二のカム軸軸受および第三の軸受と同軸となり、軸が直線に保たれ、高速でスピンしたときの衝撃に耐えられる。
【0098】
4つのバルブは空気圧ハウジングの外面と同一平面に置かれ、入口および出口ポートの前に位置する。バルブの目的は例えば毎分3000回くらいで開閉することである。これが起こると、ダイヤフラムは、両方の空気圧ゴムダイヤフラムの間で自由に動けるカムの中で回転する軸受により上下に押される。上および下のダイヤフラムはサイズおよび長さにおいて互いの鏡像である。カムは2つのダイヤフラムの間を自由に動き、オフセットされた軸受の方向にそれらが独立して自由に動けるようにし、カムが上下および左右方向に動ける。
【0099】
上述のとおり、4つのゴムバルブが開閉する。バルブは異なる機能を有する。バルブは開閉して水圧又は吸引圧力が連続的であるようにする。バルブの1つは常時閉じた位置にあり、水圧側への水の逆流を禁止する。バルブの逆側は吸引圧力を可能にする。スポーク逆止弁は開いた位置にあり水圧がある位置のとき水が流れられるようにする。ポンプは吸引側と圧縮側を有する。バルブは空気圧ハウジングの中で同一である。カムにより空気圧ダイヤフラムが上下に動くことにより、バルブが開閉し、水が貯蔵器から吸い上げられて逆側に押し出される。
【0100】
図42Bは、ポンプ工程を示す。ポンプは一群のバルブを含み、それらが交互に、そして順に開閉することにより水圧又は吸引圧力がポンプ全体をとおして連続的となる。第一のバルブは常に閉じた位置にあり、流体(例えば、水)をポンプの水圧側に逆流させない。対向する側の第二のバルブは、開くと吸引圧力が可能となるように構成される。第三のバルブは、開いた位置にあり、水の流れを可能にする。上述のとおり、ポンプは吸引側および圧縮側を有する。ポンプ内部のカムアセンブリは、空気圧ダイヤフラムを上下に動かし、バルブが開閉し、水が貯蔵器から吸い上げられて逆側から押し出される。第一のバルブおよび第二のバルブが開閉するとき、バルブの開閉がタンク内の水を静電チャージャーに露出させる電気回路の開回路と閉回路を交互に形成する。これにより、ここで説明するようなタンク内の水への電荷の提供が起こる。
【0101】
図43は、バックパックシステムの別の実施形態を示す。バックパックシステムのこの実施形態は、システムのハンドル4315から外向きに延びる細長い棒4310を含む。棒4310は、ノズル4320をハンドル4315から離すようなサイズと形状を有し、ハンドル4315から離れた領域まで使用者が届くことができるようになる。
【0102】
図45は、図9の実施形態と似ているが小さいサイズの別実施形態のスプレーシステム4505の斜視図である。システム4505は、使用者の片手で人間工学的に正しく掴めるようなハンドル4608を形成する外殻ハウジング110を有する。スプレーハンドルはあらゆるサイズの手に合うように人間工学的に設計される。既述の実施形態に関して説明したように、接地ワイヤ又はその他の構造物がハンドルに埋め込まれる。接地ワイヤは、使用者が装置の使用時にハンドルを握ったとき使用者の手と電気的に接触するように配置される。一実施形態によれば、接地ワイヤは銅製であり、使用者が装置を掴むとき使用者の手と接触する銅の切片であるが、ステンレス鋼などの他の材料も使用可能である。
【0103】
システム4505は、内部ポンプのスイッチをオンさらにオフさせるために操作されるトリガ4606などの少なくとも1つの作動装置、およびシステム105の流体放出領域175から静電チャージした流体のプルームを排出するための静電チャージャーのスイッチをオンさらにオフさせるためのボタン4602などの第二の作動装置を含む。システム4505は、排出する流体を収納するための取り外し可のタンク又は貯蔵器125を有する。貯蔵器125とハンドル4608との間には十分な隙間があり、使用者がハンドル4608を快適に掴むことができる。一実施形態によれば、流体が満杯のときスプレーシステムの重量は3ポンド以下であるが、重量は変わり得る。一実施形態によれば、貯蔵器125は0.5リットルまでの流体を収納できるが、これも変わり得る。
【0104】
システム105は、ノズルホルダの縁に互いに所定の隙間で配置された複数の(たとえば3つ以上などの)取り外し可の高電圧イオン放電電極又はピンによって高電圧イオンを空中に射出する(図14を参照に上述されたとおりのものでもよい)。システムは、ここで説明されたもののいずれかのアセンブリのようなノズルアセンブリを含んでもよい。高電圧イオン放電電極は、スプレーノズルの軸に平行な軸に沿ってそれぞれ配置され、スプレーとイオンは同じ方向に平行な軸に沿って放出され、それによりスプレーの滴はイオン流によって囲まれ覆われ、イオン流により効率よくチャージされる。したがって電極は、放出、放射、又はその他の方法でイオン又は電荷を流体の流れ又はノズルからの流体の流れの平均的方向に平行な方向に送り出す。
【0105】
図46は、外殻ハウジング110の一部を省略したシステム4505を示し、システム4505の内部部品が見えている。システム4505は、充電可能でもよいバッテリ4610により電力が供給されるポンプ4605を含む。ポンプ4605は、例えば図42Aおよびその関連図などで、ここで説明されるポンプのいずれの実施形態によって構成されてもよい。ポンプ4605は、ポンプが圧力差を生じさせると既述の実施形態で上述したように貯蔵器からノズルアセンブリ1015の方へ流体を吸い出すことができるように、貯蔵器125内の流体と流体連通している。システム105はさらに既述の実施形態で上述したような静電リングに電気的に接続された静電モジュールを含む。例示の実施形態における静電モジュールは12キロボルト静電モジュールであり、下に説明されるような電極、リング、及び/又はチューブなどを静電チャージさせるように構成される。別の実施形態において、静電モジュールは7キロボルト静電モジュールである。
【0106】
上述のとおり、システム4505は、排出される流体を収納する取り外し可の貯蔵器125(タンクなど)を有する。図47は、システム4505の貯蔵器125がシステムの外殻ハウジング110に取り外し可で連結される(又はその他の方法で取り付けられる)領域の断面図である。貯蔵器125の上部はシステムのハウジングに機械的に取り付けられる。下に述べるとおり、貯蔵器とハウジングは流体漏れのない機械的雌雄関係でしっかりと互いに連結する。
【0107】
このように、4505のシステムは貯蔵器125内に位置する第一端および貯蔵器125外に位置する第二端を有する雄部材4705を含む。雄部材4705は、貯蔵器125が外殻ハウジング110に取り付けられるときハウジング内の雌部材4710に機械的に挿入される。雄部材4705は、ハウジング内の内腔と連通し、最終的にはシステムのノズルアセンブリにつながり、図42Aに示されるようなタイプのポンプなどのポンプも通過する内腔を有する。こうすれば、ポンプが起動すると流体は貯蔵器125から雄部材4705および雌部材4710を介してノズルアセンブリに流れることができる。
【0108】
図47、および図48の拡大図を参照して、雄部材4705は、下を面して貯蔵器125に挿入される第一の領域、および雌部材4710と密封状態で嵌めあう水平な第二の領域を含むL字型の構造でもよい。下向きの垂直領域はチュービングを含む又はその他の方法で貯蔵器125の底領域まで届くチュービングにつながる。そのようなチュービングはポンプが起動したとき貯蔵器125から雄部材4705の内腔に流れる流体の流路を提供する。
【0109】
図48を参照して、雄部材とそれが取り付けられる構造との間の気密性のため、O-リング4810などの絶縁又は密封部材が、雄部材4705の上に配置されてもよい。これによれば、装置が倒れたとき液体が貯蔵器125からこぼれる可能性が減る。貯蔵器125への入り口のあらゆる入口は汚染物質が入らないようにフィルタを含んでもよい。
【0110】
貯蔵器125がシステムの外殻ハウジング110に取り付けられると、雄部材4705は雌部材4710と密封状態で嵌まりあう。図49の上から見下ろした平面図に示されるとおり、システムは、2つが連結したときに雄部材4705を雌部材4710の中に固定する又はその他の方法でとどめるためのピンなどのロック部材4910を含んでもよい。ロック部材4910は、2つの部材を互いにロックさせるロック状態と部材が互いに離れられるアンロック状態とを有してもよい。ばね4810などの付勢部材が雌部材4710に配置される、又はその他の方法で連結されてもよい。ばね4810は雄部材4705を雌部材4710から外方向へ付勢する。これは、ロック部材が「急速解放」機能などでアンロックしたとき、雄部材4705の雌部材4710からの離脱を補助する。
【0111】
図49の貯蔵器125を上から見下ろした平面図を参照して、貯蔵器125の上部はキャップ4920でカバーされた開口部又は噴出孔を含む。キャップ4920は、キャップ4920が貯蔵器125の噴出孔を密封するようにカバーする閉じた状態と、キャップ4920が噴出孔をカバーしない開いた状態との間で動ける。噴出孔がカバーされていないとき、液体を貯蔵器125に注ぐことができる。一実施形態によれば、キャップ4910は貯蔵器125の上部にヒンジ固定され、キャップ4910は開いた位置と閉じた位置の間で枢動できる。キャップは、風呂桶の栓のように貯蔵器を封止する傾斜した端部を有してもよい。一実施形態によれば、キャップは直径1インチのキャップである。
【0112】
図47を再び参照して、システム4505はスプレーのノズルアセンブリ内に取り付けられるイオンチューブ絶縁装置3905を含む。イオンチューブ絶縁装置3905は、既述の実施形態に関して説明したように構成されてもよい。静電チューブは、型成形されたプラスチックの上に静電エポキシで絶縁され、感電に対する保護バリヤの役目をするノズルハウジング内で絶縁される。静電チューブはワイヤに電気的に接続する。ワイヤはノズルハウジングの小さい穴の中に半田付けされ、半田がノズルアセンブリの静電リングをシリコンワイヤに接続させる。シリコンワイヤは次に例えば5キロボルトから7キロボルトの定格値でもよい静電モジュールに接続される。ノズルアセンブリはまた、共にノズルハウジング内にある水ノズルと静電リングとの間の高い密封性を保つ両面雄型のガスケットなどのガスケットを含んでもよい。
【0113】
上に説明したとおり、ノズルアセンブリは使用者がファンを起動するトリガを解放したとき(すなわち装置を使用していないとき)流体がノズルアセンブリから出ないようにする逆止弁を含んでもよい。このようにすれば、使用者によってトリガが操作されていないとき装置内の残留流体はシステムから出ない。1つの実施形態に関してここに説明された特徴はいずれも、ここに説明される他のあらゆる実施形態においても使用可能であることは明らかである。
【0114】
この明細書は多くの具体的詳細を含むが、これらはクレームされる、又はクレームされ得る発明の範囲を限定するものではなく、特定の実施形態に特有の特徴を説明するものにすぎない。この明細書において別の実施形態に関して説明される特定の特徴は、組み合わせて1つの実施形態において実施されてもよい。逆に、ある1つの実施形態に関して説明される様々な特徴は、複数の実施形態において別々に、又は適宜組み合わせ直して実施されてもよい。さらに、様々な特徴は特定の組み合わせにおいて機能するように上述されているかもしれないし、実際そのように冒頭に宣言されているかもしれないが、クレームされている組み合わせからの1つ以上の特徴は場合によっては組み合わせから切り離すことが可能であり、クレームされている組み合わせは、別の組み合わせやその変化版において使われてもよい。同様に、図面において特定の順番による操作が描写されているが、そのような操作が示されている特定の順番で行われる必要があると理解されるべきではなく、また、望ましい結果を達成するために図示の操作全てが実施される必要があると理解されるべきではない。
図1
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