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特許7321234電池セパレータ、リチウムイオン電池、セパレータ膜、乾式微多孔質ポリマー膜
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-27
(45)【発行日】2023-08-04
(54)【発明の名称】電池セパレータ、リチウムイオン電池、セパレータ膜、乾式微多孔質ポリマー膜
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/457 20210101AFI20230728BHJP
   H01M 50/489 20210101ALI20230728BHJP
   H01M 50/417 20210101ALI20230728BHJP
   H01M 50/406 20210101ALI20230728BHJP
   C08J 9/00 20060101ALI20230728BHJP
   B32B 5/22 20060101ALI20230728BHJP
   B32B 27/32 20060101ALI20230728BHJP
【FI】
H01M50/457
H01M50/489
H01M50/417
H01M50/406
C08J9/00 A CES
B32B5/22
B32B27/32 E
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2021193292
(22)【出願日】2021-11-29
(62)【分割の表示】P 2018524220の分割
【原出願日】2016-11-11
(65)【公開番号】P2022043066
(43)【公開日】2022-03-15
【審査請求日】2021-11-29
(31)【優先権主張番号】62/253,932
(32)【優先日】2015-11-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】598064680
【氏名又は名称】セルガード エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100103850
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 秀▲てつ▼
(74)【代理人】
【識別番号】100105854
【弁理士】
【氏名又は名称】廣瀬 一
(74)【代理人】
【識別番号】100115679
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 勇毅
(74)【代理人】
【識別番号】100066980
【弁理士】
【氏名又は名称】森 哲也
(72)【発明者】
【氏名】シャオ,カン カレン
(72)【発明者】
【氏名】ペネガー,エリック,ジョセフ
(72)【発明者】
【氏名】近藤 孝彦
(72)【発明者】
【氏名】ナーク,ロバート
(72)【発明者】
【氏名】ホワイト,エリック ロバート
(72)【発明者】
【氏名】チャン,シャオミン
(72)【発明者】
【氏名】ストークス,クリストファー,ケイ.
【審査官】松嶋 秀忠
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-126122(JP,A)
【文献】特開2015-128067(JP,A)
【文献】国際公開第2014/047126(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 50/40-497
C08J 9/00
B32B 5/00-32
B32B 27/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれのミクロ層が2μm未満の厚さを有する3層以上の乾式ポリマーミクロ層を含む乾式共伸出ポリオレフィン微多孔質セパレータサブ膜を含み、
前記乾式共伸出ポリオレフィン微多孔質セパレータサブ膜が、それぞれのミクロ層が2μm未満の厚さを有する複数の乾式ポリマーミクロ層を含む他の乾式共伸出ポリオレフィン微多孔質セパレータサブ膜に積層されている、リチウム電池用の電池セパレータ。
【請求項2】
3層以上の前記乾式共伸出ポリオレフィン微多孔質セパレータサブ膜が共に積層されている請求項1に記載のリチウム電池用の電池セパレータ。
【請求項3】
請求項1に記載のリチウム電池用の電池セパレータを含むリチウム電池。
【請求項4】
請求項1に記載のリチウム電池用の電池セパレータを含むリチウムイオン電池。
【請求項5】
請求項1に記載のリチウム電池用の電池セパレータを含むリチウムイオン二次電池。
【請求項6】
ミクロ膜が2μm未満の厚さを有する乾式共押出ポリマー多層ミクロ膜を2層以上含む電池セパレータであって、
前記2μm未満の厚さを有する乾式共押出ポリマー多層ミクロ膜の少なくとも1つが、ミクロ膜が2μm未満の厚さを有する他の乾式共押出ポリマー多層ミクロ膜に積層された、電池セパレータ。
【請求項7】
請求項6に記載の電池セパレータを含むリチウムイオン電池。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2015年11月11日に出願されたアメリカ合衆国仮特許出願シリアル番号62/253,932の優先権および利益を主張し、参照にすることにより本明細書に完全に組み入れられる。
【0002】
本開示または発明は、新規のまたは改良された膜層、膜またはセパレータ膜、このような膜を含む電池セパレータ、および/または関連する方法に関する。少なくとも選択された実施態様に従って、本開示または発明は、新規のまたは改良された多孔質膜またはセパレータ膜、このような膜を含む電池セパレータ、および/または関連する方法に関する。少なくとも特定の実施態様に従って、本開示または発明は、新規のまたは改良された微多孔膜またはセパレータ膜、ミクロ層膜、1つまたは複数のミクロ層膜を含む多層膜、このような膜を含む電池セパレータ、および/または関連する方法に関する。少なくともある選択された実施態様に従って、本開示または発明は、1つまたは複数の新規のまたは改良された外層および/または内層、外層および内層を有する多層微多孔膜またはセパレータ膜、ミクロ層膜、外層および内層を有する多層微多孔膜、またはセパレータ膜に関し、その層の一部が共押出によって作られ、その層の全部が、一緒に積層されて新規の、最適化されたまたは改良された膜またはセパレータ膜を形成する。いくつかの実施態様において、ある層は、ホモポリマー、コポリマー、および/またはポリマーブレンドを含む。
【0003】
本発明は、このような膜、セパレータ膜またはセパレータの製造方法、および/またはこのような膜、セパレータ膜またはセパレータの、例えばリチウム電池セパレータとして使用する方法にも関する。少なくとも選択された実施態様に従って、本出願または発明は、新規のまたは改良された多層および/またはミクロ層の多孔または微多孔膜、セパレータ膜、セパレータ、複合材、電気化学デバイス、電池、そのような膜、セパレータ、複合材料、デバイスおよび/または電池の製造方法に関する。少なくともある選択された実施態様に従って、本発明は、多層構造の1つまたは複数の層が、複数の押出機を有する多層またはミクロ層共押出ダイにおいて製造される、多層である新規の改良されたセパレータ膜に関する。改良された膜、セパレータ膜、またはセパレータは、好ましくは、改良されたシャットダウン、改良された強度、改良された絶縁破壊強度、および/または割れの減少傾向を示すことができる。
【背景技術】
【0004】
微多孔電池セパレータ膜および特定の耐スプリット性または耐引裂性微多孔膜における割れを減少させる方法は、米国特許第6,602,593号に提供されている。このような特許には、とりわけ、ブローンフィルム法によってフィルム前駆体を押し出し、ブローフィルム押出中に少なくとも約1.5のブローアップ比(BUR)を使用する方法が記載されている。
【0005】
米国特許第8,795,565号には、とりわけ、制御されたMD緩和処理工程を有する乾式法前駆体膜のMDおよびTDの両方の延伸を伴う二軸延伸技術が記載されている。8,795,565号特許の図1~3に示された膜などの二軸延伸膜は、いくらかの減少された割れまたは引き裂きを有し得る。二軸延伸微多孔膜が穿刺強度試験法を用いて強度試験される場合、試験試料の穿刺部位は、細長い割れとは相対する丸い穴であってもよい。
【0006】
米国特許第8,486,556号は、とりわけ、増大した強度を有する多層電池セパレータ膜を開示する。あるメルトフローインデックスを有する高分子量ポリプロピレン樹脂を用いて、米国特許第8,486,556号に記載された多層セパレータを製造した。
【0007】
典型的には一軸または二軸に延伸され、バランスのとれたMDおよびTD強度特性を有する、湿式法微多孔質電池セパレータ膜も記載されている。湿式法を用いて製造された微多孔膜の例は、米国特許第6,666,969号;5,051,183号;6,096,213号;および6,153,133号に記載されている。
【0008】
電池セパレータ膜として使用するためなどの微多孔多層膜を製造するさまざまな既知の方法は、二層以上の単層前駆体を一緒に積層または接着すること、または二層以上の膜を同時に共押出ダイを用いて共押出することを含む。上述の方法は、特定の一次電池および/またはリチウムイオン充電式電池などの二次電池などの適用における再使用のための強度および/または性能特性のバランスを完全に最適化することはできない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
従って、改良された引張強度および改良された絶縁破壊強度などのさまざまな改良を有する、新規のまたは改良された共押出または積層された多層微多孔膜、ベースフィルムまたは電池セパレータに対するニーズがある。
【0010】
少なくとも選択された実施態様に従って、本出願または発明は、上のニーズまたは問題に対処することができ、新規のまたは改良された共押出または積層された、多層多孔質、マクロ多孔質、メソ多孔質、微多孔またはナノ多孔膜、ベースフィルム、または改良された引張強度および改良された絶縁破壊強度などのさまざまの改良を有する電池セパレータに対するニーズに対処することができ、および/または新規の、または改良された共押出および/または積層された多層、および/または多層ミクロ層(または多層ナノ層)の、微多孔膜、ベースフィルム、または多分に好ましくは改良されたシャットダウン、機械的強度、空隙率、透気度、割れ性(減少した割れ)、引張強度、耐酸化性、接着性、湿潤性、および/または絶縁破壊強度などのさまざまな改良を有する電池セパレータ、および/または新規のまたは改良された膜層、膜またはセパレータ膜、このような膜を含む電池セパレータ、および/または関連する方法を提供し得る。
【課題を解決するための手段】
【0011】
少なくとも選択された実施態様に従って、本開示または発明は、新規のまたは改良された多孔質膜またはセパレータ膜、このような膜を含む電池セパレータ、および/または関連する方法に関する。少なくとも特定の実施態様に従って、本開示または発明は、新規のまたは改良された微多孔膜またはセパレータ膜、ミクロ層膜、1つまたは複数のミクロ層膜を含む多層膜、このような膜を含む電池セパレータ、および/または関連する方法に関する。少なくともある選択された実施態様に従って、本開示または発明は、1つまたは複数の新規のまたは改良された外層および/または内層を有するセパレータ膜、ミクロ層膜、多層微多孔膜または外内層を有する新規の、最適化されたまたは改良された微多孔膜またはセパレータ膜に関し、その層の一部は共押出により形成され、その層の全てが一緒に積層されて、新規の、最適化されたまたは改良された膜またはセパレータ膜を形成する。いくつかの態様において、ある層は、ホモポリマー、コポリマー、および/またはポリマーブレンドを含む。
【0012】
本発明は、このような膜、セパレータ膜またはセパレータの製造方法、および/またはこのような膜、セパレータ膜またはセパレータの、例えばリチウム電池セパレータとして使用する方法にも関する。少なくとも選択された実施態様に従って、本出願または発明は、新規のまたは改良された多層および/またはミクロ層の多孔質または微多孔膜、セパレータ膜、セパレータ、複合材、電気化学デバイス、電池、そのような膜、複合材、デバイスおよび/または電池の製造方法に関する。少なくともある選択された実施態様に従って、本発明は、多層である新規で改良されたセパレータ膜に関し、多層構造の1つまたは複数の層が、多層またはミクロ層の、ダイに供給する1つまたは複数の押出機(典型的には、1つの層またはミクロ層当たり1つの押出機)を有する共押出ダイにおいて製造される。改良された膜、セパレータ膜および/またはセパレータは、好ましくは、改良されたシャットダウン、改良された強度、改良された絶縁破壊強度、および/または割れの減少傾向を示し得る。
【0013】
少なくとも特定の実施態様に従って、本出願または発明は、上のニーズまたは問題に対処することができ、および/または新規の、または改良された多孔質膜または基材、セパレータ膜、セパレータ、複合材、電気化学デバイス、電池、このような膜または基材、セパレータ、および/または電池を製造する方法、および/またはこのような膜または基材、セパレータおよび/または電池を使用する方法を提供する。少なくとも特定の実施態様に従って、本電池セパレータは、別の膜に積層または接着された、同様のおよび/または別個のポリマーまたはコポリマーの1または複数の共押出多層膜を含むことができる。
【0014】
例えば、限定するものではないが、特定の実施態様において、発明の電池セパレータは、互いに、または別のポリマー膜(同様のおよび/または別個のポリマーまたはコポリマーの単層または多層膜)に積層または接着された同様のおよび/または別個のポリマーまたはコポリマーの少なくとも2つの共押出多層膜を含んでいてもよい。
【0015】
例えば、一実施態様の電池セパレータは、限定はされないが、ポリプロピレン(PP)単層に積層されたポリエチレン/ポリエチレン/ポリエチレン(PE/PE/PE)共押出三層膜を含むことができ、いくつかの態様においては、別のPE/PE/PE共押出三層膜に積層され、以下の構造;[PE/PE/PE]/PP/[PE/PE/PE]または[PE/PE/PE]/PPまたはPP/[PE/PE/PE]/PPまたは[PE/PE/PE]/PP/PPまたは[PE/PE/PE]/[PE/PE/PE]/PP、または他の多層構造を形成し、個々の共押出ポリマー層の各々は、好ましくは厚さがμmまたはナノメーター(nm)(ミクロ層またはナノ層)である。
【0016】
他の実施態様において、PE/PE/PE共押出三層膜を共押出PP/PP/PP三層膜に積層し、いくつかの実施態様においては、さらに別のPE/PE/PEまたはPP/PP/PP共押出三層膜に積層され、以下の構造;[PE/PE/PE]/[PP/PP/PP]/[PE/PE/PE]または[PP/PP/PP]/[PE/PE/PE]/[PP/PP/PP]または[PE/PE/PE]/[PP/PP/PP]または[PE/PE/PE]/[PE/PE/PE]/[PP/PP/PP]または[PE/PE/PE]/[PP/PP/PP]/[PP/PP/PP]または他の多層構造を形成し、個々の共押出ポリマー層の各々は、好ましくは厚さがμmまたはナノメーター(nm)(ミクロ層またはナノ層)である。
【0017】
さらに別の実施態様において、PP/PE/PPまたはPP/PP/PPまたはPE/PE/PEまたはPE/PP/PEまたはPP/PP/PEまたはPE/PE/PP共押出三層膜は、共押出PP/PP/PPまたはPE/PE/PEまたはPP/PE/PPまたはPE/PP/PEまたはPP/PP/PEまたはPE/PE/PP三層膜に積層されてもよく、いくつかの態様において、別のPP/PP/PPまたはPE/PE/PEまたはPP/PE/PPまたはPE/PP/PEまたはPP/PP/PEまたはPE/PE/PP共押出三層膜にさらに積層され、以下の構造:[PP/PE/PP]/[PP/PP/PP]/[PE/PE/PE]または[PP/PE/PP]/[PE/PE/PE]/[PP/PP/PP]または[PP/PP/PP]/[PE/PE/PE]/[PP/PP/PP]または[PP/PE/PP]/[PP/PE/PP]/[PP/PE/PP]または[PE/PE/PE]/[PE/PE/PE]/[PE/PE/PE]または[PE/PE/PE]/[PE/PE/PE]または[PE/PE/PE]/[PP/PP/PP]または[PP/PP/PP]/[PP/PP/PP]または[PP/PP/PP]/[PP/PP/PP]/[PP/PP/PP]または[PE/PE/PE]/[PE/PE/PE]/[PP/PP/PP]または[PP/PP/PP]/[PP/PP/PP]/[PE/PE/PE]または[PE/PE/PP]/[PP/PP/PP]または[PP/PP/PP]/[PP/PP/PE]または[PE/PP/PP]/[PP/PP/PP]/[PP/PP/PE]または[PE/PE/PP]/[PP/PE/PE]または[PP/PP/PP]/[PP/PP/PP]/[PP/PE/PE]または他の組合せまたは多層構造を形成し、個々の共押出ポリマー層の各々は、好ましくは厚さがμmまたはナノメーター(nm)(ミクロ層またはナノ層)である。
【0018】
さらに他の実施態様において、PP/PE/PP、PP/PP/PPまたはPE/PE/PEまたはPE/PP/PEまたはPE/PP/PPまたはPE/PE/PPまたはPP+PE/PP/PPまたはPP+PE/PP/PP+PEまたはPP+PE/PP+PE/PP+PEまたはPP+PE/PE/PEまたはPP+PE/PP/PEまたはPP+PE/PE/PPまたはPP、PEまたはPP+PEの他の共押出三層膜は、PP/PE/PPまたはPP/PP/PPまたはPE/PE/PEまたはPE/PP/PEまたはPE/PP/PPまたはPE/PE/PPまたはPP+PE/PP/PPまたはPP+PE/PP/PP+PEまたはPP+PE/PP+PE/PP+PEまたはPP+PE/PE/PEまたはPP+PE/PP/PEまたはPP+PE/PE/PPまたはPP、PE、またはPP+PEの他の三層膜に積層されてもよく、いくつかの実施態様において、別のPP/PE/PPまたはPP/PP/PPまたはPE/PE/PEまたはPE/PP/PEまたはPE/PP/PPまたはPE/PE/PPまたはPP+PE/PP/PPまたはPP+PE/PP/PP+PEまたはPP+PE/PP+PE/PP+PEまたはPP+PE/PE/PEまたはPP+PE/PP/PEまたはPP+PE/PE/PPまたは他の PP、PE、またはPP+PEの共押出三層膜にさらに積層され、以下の構造:[PP/PE/PP]/[PP/PP/PP]または[PP/PE/PP]/[PE/PE/PE]または[PP/PP/PP]/[PE/PE/PE]または[PP/PE/PP]/[PP/PE/PP]または[PE/PE/PE]/[PE/PE/PE]または[PE/PE/PE]/[PP/PP/PP]または[PP/PP/PP]/[PP/PP/PP]または[PP/PP/PP]/[PP/PP/PP]/[PP/PP/PP]または[PE/PE/PE]/[PE/PE/PE]/[PP/PP/PP]または[PP/PP/PP]/[PP/PP/PP]/[PE/PE/PE]または[PP/PE/PE]/[PE/PE/PE]または[PP/PP/PE]/[PE/PE/PE]または[PE/PP/PP]/[PP/PP/PE]または[PP+PE/PP/PP]/[PP/PP/PP+PE]または[PP/PE/PP]/[PP/PP/PP]/[PE/PE/PE]または[PP/PE/PP]/[PE/PE/PE]/[PP/PP/PP]または[PP/PP/PP]/[PE/PE/PE]/[PP/PP/PP]または[PP/PE/PP]/[PP/PE/PP]/[PP/PE/PP]または[PE/PE/PE]/[PE/PE/PE]/[PE/PE/PE]または[PE/PE/PE]/[PE/PE/PE]または[PP/PP/PP]/[PP/PP/PP]/[PP/PP/PP]または[PE/PE/PE]/[PE/PE/PE]/[PP/PP/PP]または[PP/PP/PP]/[PP/PP/PP]/[PE/PE/PE]または[PP/PE/PE]/[PE/PE/PE]/[PE/PE/PP]または[PP/PP/PE]/[PE/PE/PE]/[PE/PP/PP]または[PE/PP/PP]/[PP/PP/PP]/[PP/PP/PE]または[PP+PE/PP/PP]/[PP/PP/PP]/[PP/PP/PP+PE]または[PP/PE/PP]/[PP/PE/PE]または[PE/PP/PE]/[PE/PP/PP]または[PE/PE/PP]/[PP/PE/PE]または[PP+PE/PP/PP]/[PP/PP/PP+PE]または[PP+PE/PP/PP+PE]/[PP+PE/PP+PE/PP+PE]または[PP+PE/PE/PE]/[PP+PE/PP/PE]または[PP+PE/PE/PE]/[PP+PE/PP/PE]/[PP+PE/PE/PP]またはPP、PE、またはPP+PE層の他の組合せまたはサブコンビネーション(ブレンド、混合物またはコポリマー)、ミクロ層、ナノ層、またはそれらの組合せ、または他の多層構造を形成し、個々の共押出ポリマー層の各々は、好ましくは厚さがμmまたはナノメーター(nm)(ミクロ層またはナノ層)である。
【0019】
ある多層ポリマー膜実施態様(二層、三層、四層、五層など)が好ましいが、(および1つまたは複数の層、処理、材料、またはコーティング(CT)、および/またはネット、メッシュ、マット、織布、または不織布(NW)が両面、または多層膜内に添加し得、それらには1つまたは複数の共押出層またはサブ層(CX)を含むことができ、限定されないが、例えばCT/M、NW/M、CT/M/CX、CT1/M/CT2、CT/CX1/CX2/NW、CT1/CX1/CX2/CX3/CT2、CT/CX1/CX2、CX1/CX2、CX1/CX2、NW1/CX1/CX2/CX3/NW2、CT/NW/CX1/CX2、CX1/NW/CX2、CX1/CT/CX2、およびまたはM、CX、CT、および/またはNWの組合せまたはサブコンビネーションを含み)それは、PP、PE、またはPE+PP(好ましくは1より多い)の1つまたは複数のミクロ層またはナノ層からなる単一層または単層または多層膜(M)または実施態様(および1または複数のコーティング(CT)および/または不織布(NW)が、限定するものではないが、CT/M、NW/M、CT/M/CX、CT/CX/NW,CT1/CX/CT2,NX1/CX/NW2,CT/CX/NW/CT,NW1/CX/NW2/CT,CT1/NW/CX/CT2、およびまたはM、CX、CTおよび/またはNの組合せまたはサブコンビネーションなどの膜(MまたはCX)の片側または両側に、添加し得る)と期待され、および1または複数の他の膜(押出、または共押出)PPまたはPEまたはPE+PPまたはPP/PEまたはPP/PPまたはPE/PEまたはPP+PE/PPまたはPP+PE/PP+PEまたはPP+PE/PEまたはPP/PE/PPまたはPP/PP/PPまたはPE/PE/PEまたはPE/PP/PEまたはPE/PP/PPまたはPE/PE/PPまたはPP+PE/PP/PPまたはPP+PE/PP/PP+PEまたはPP+PE/PP+PE/PP+PEまたはPP+PE/PE/PEまたはPP+PE/PP/PEまたはPP+PE/PE/PP膜が積層されていてもよい、PPまたはPEまたはPE+PPまたはPP/PEまたはPP/PPまたはPE/PEまたはPP+PE/PPまたはPP+PE/PP+PEまたはPP+PE/PEまたはPP/PE/PPまたはPP/PP/PPまたはPE/PE/PEまたはPE/PP/PEまたはPE/PP/PPまたはPE/PE/PPまたはPP+PE/PP/PPまたはPP+PE/PP/PP+PEまたはPP+PE/PP+PE/PP+PEまたはPP+PE/PE/PEまたはPP+PE/PP/PEまたはPP+PE/PE/PP共押出膜の構造を含み得る。
【0020】
それは、いくつかの態様において、さらに別のPPまたはPEまたはPE+PPまたはPP/PEまたはPP/PPまたはPE/PEまたはPP+PE/PPまたはPP+PE/PP+PEまたはPP+PE/PEまたはPP/PE/PPまたはPP/PP/PPまたはPE/PE/PEまたはPE/PP/PEまたはPE/PP/PPまたはPE/PE/PPまたはPP+PE/PP/PPまたはPP+PE/PP/PP+PEまたはPP+PE/PP+PE/PP+PEまたはPP+PE/PE/PEまたはPP+PE/PP/PEまたはPP+PE/PE/PP膜(単数または複数)に積層されて、以下の構造:PPまたはPEまたはPE+PPまたはPP/PEまたはPP/PPまたはPE/PEまたはPP+PE/PPまたはPP+PE/PP+PEまたはPP+PE/PEまたは[PP/PE/PP]/[PP/PP/PP]または[PP/PE/PP]/[PE/PE/PE]または[PP/PP/PP]/[PE/PE/PE]または[PP/PE/PP]/[PP/PE/PP]または[PE/PE/PE]/[PE/PE/PE]または[PE/PE/PE]/[PP/PP/PP]または[PP/PP/PP]/[PP/PP/PP]または[PP/PP/PP]/[PP/PP/PP]/[PP/PP/PP]または[PE/PE/PE]/[PE/PE/PE]/[PP/PP/PP]または[PP/PP/PP]/[PP/PP/PP]/[PE/PE/PE]または[PP/PE/PE]/[PE/PE/PE]または[PP/PP/PE]/[PE/PE/PE]または[PE/PP/PP]/[PP/PP/PE]または[PP+PE/PP/PP]/[PP/PP/PP+PE]ま[PP/PE/PP]/[PP/PP/PP]/[PE/PE/PE]または[PP/PE/PP]/[PE/PE/PE]/[PP/PP/PP]または[PP/PP/PP]/[PE/PE/PE]/[PP/PP/PP]または[PP/PE/PP]/[PP/PE/PP]/[PP/PE/PP]または[PE/PE/PE]/[PE/PE/PE]/[PE/PE/PE]または[PE/PE/PE]/[PE/PE/PE]または[PP/PP/PP]/[PP/PP/PP]/[PP/PP/PP]または[PE/PE/PE]/[PE/PE/PE]/[PP/PP/PP]または[PP/PP/PP]/[PP/PP/PP]/[PE/PE/PE]または[PP/PE/PE]/[PE/PE/PE]/[PE/PE/PP] [PP/PP/PE]/[PE/PE/PE]/[PE/PP/PP]または[PE/PP/PP]/[PP/PP/PP]/[PP/PP/PE]または[PP+PE/PP/PP]/[PP/PP/PP]/[PP/PP/PP+PE]または[PP/PE/PP]/[PP/PE/PE]または[PE/PP/PE]/[PE/PP/PP]または[PE/PE/PP]/[PP/PE/PE]または[PP+PE/PP/PP]/[PP/PP/PP+PE]または[PP+PE/PP/PP+PE]/[PP+PE/PP+PE/PP+PE]または[PP+PE/PE/PE]/[PP+PE/PP/PE]または[PP+PE/PE/PE]/[PP+PE/PP/PE]/[PP+PE/PE/PP]またはPP、PE、またはPP+PE(ブレンド、混合物またはコポリマー)層のその他のかかる組合せ、またはサブコンビネーション、ミクロ層、ナノ層、それらの組合せ、または他の層構造を形成し、個々の共押出ポリマー層の各々は、好ましくは厚さがμmまたはナノメーター(nm)(ミクロ層またはナノ層)である。
【0021】
ミクロ層またはナノ層の各々は、PPまたはPEまたはPE+PPブレンド、混合物、コポリマーなどのようなポリオレフィン(PO)であることが好ましいかもしれないが、他のポリマー(PY)、添加剤、材料、充填剤、および/または粒子(M)、および/または同様のものが添加または使用され、PP+PY、PE+PY、PP+M、PE+M、PP+PE+PY、PE+PP+M、PP+PY+M、PE+PY+M、PP+PE+PY+M、またはそれらのブレンド、混合物、コポリマーおよび/または同様のものなどの層、ミクロ層、ナノ層、または膜を形成してもよく、そのような層または膜は、1つまたは複数のPPまたはPEまたはPE+PP層または膜と組み合わせて使用することができることが期待される。
【0022】
また、同一の、類似の、別個の、または異なるPPまたはPEまたはPE+PPポリマー、ホモポリマー、コポリマー、分子量、ブレンド、混合物、コポリマーなどの層、ミクロ層、ナノ層または膜を多くの異なる組合せおよびサブコンビネーションに使用して、層、サブ層、膜、またはサブ膜を形成し得る。例えば、同一の、類似の、別個の、または異なる分子量のPP、PEおよび/またはPP+PEポリマー、ホモポリマー、コポリマー、多重ポリマー、ブレンド、混合物および/または同様のものを各層または膜または各個々の層、ミクロ層、ナノ層、または膜に使用することができる。
【0023】
このように、構造は、PP、PE、PP+PE、PP1、PP2、PP3、PE1、PE2、PE3、PP1+PP2、PE1+PE2、PP1+PP2+PP3、PE1+PE2+PE3、PP1+PP2+PE、PP+PE1+PE2、PP1/PP2、PP1/PP2/PP1、PE1/PE2 PE1/PE2/PP1、PE1/PE2/PE3、PP1+PE/PP2、または他の組合せまたは構造のさまざまな組合せ、サブコンビネーションを含み得る。例えば、本発明の膜またはセパレータの特性は、例えば、特定のポリマー、ブレンド、分子量ポリマーなどを外層または膜表面のみで使用することによって外層または膜表面を調整することによって、改良、修飾または最適化することができる。
【0024】
非限定的な例として、外側のPEまたはPP+PE表面または層は改良されたピン除去(より低いCOF)を有し、高分子量(MW)ポリマー表面または層(PPまたはPE)は改良された穿刺強度を有し、PPまたはPP+PE表面または層は、改良された耐酸化性を有し、高価な原材料(高価なポリマー)は、コストを低減するため等に限られた層で使用され得る。さらに、層またはミクロ層またはナノ層の各々は、PPまたはPEまたはPE+PPブレンド、混合物、コポリマーまたは同様のものなどのポリオレフィン(PO)であることが好ましいかもしれないが、他のポリマー(PY)、添加剤、薬剤、材料、充填剤および/または粒子(M)などを添加または使用することができ、1つまたは複数のPPまたはPEまたはPE+PP層または膜と組み合わせて使用することができ、コーティング(CT)または不織布(NW)を添加し得る異なる外側または表面層などの層、ミクロ層、ナノ層、または膜を形成し得ることが期待される。
【0025】
本明細書の様々な発明の実施態様による単層または多層多孔質、微多孔質、またはナノ多孔質膜の製造は、改良されたシャットダウン、機械的強度、多孔度、透気度、耐酸化性、ピン除去、濡れ性および/または割れ性(低減された割れ)などの改良された特性を可能にし得る。
【0026】
本発明の一実施態様において、多層膜をPEホモポリマー/PEホモポリマーまたはPPホモポリマー/PPホモポリマーの形態で押し出すことができ、またはこのような多層膜の1つまたは複数の層は、PE(複数)/ホモポリマーPEのブレンドなどの2種のポリマーのブレンドを含み得る。
【0027】
ミクロ層膜前駆体は、積層または接着によって一緒に結合されてもよい。本明細書に記載される、おそらく好ましい電池セパレータは、総厚さが約30μm未満、約25μm未満、約20μm未満、約16μm未満、約15μm未満、約14μm未満、または 約10μm未満、約9μm未満、約8μm未満、または約6μm未満(層の数に依存する)を示してもよく、同じ(またはそれより厚い)厚さの既知の電池セパレータと比較して、特に、同じ(またはそれより厚い)厚さの既知の乾式電池セパレータと比較したときに、割れ性の低下または割れの低下した傾向によって定義されるように、驚くべきことに増大する強度性能を示し得る。
【0028】
割れまたは割れ性の改良は、複合割れ指数(CSI)として本明細書で開示される試験方法によって定量化することができ、本明細書に記載の新規のまたは改良されたセパレータは、CSIの改良を有することができ、改良されたガーレー、改良された穿刺強度などのその他の改良も同様に提示し得る。
【0029】
少なくとも一実施態様において、本発明の膜は、多くのミクロ層またはナノ層から構成され得、ここで、最終製品は、50以上の個々のミクロ層またはナノ層の層を包含し得る。少なくとも特定の実施態様では、キャストフィルムまたはブローフィルムダイに入る前に、予備カプセル化フィードブロックによって、ミクロ層またはナノ層技術を創出することができる。
【0030】
少なくとも選択された実施態様において、ミクロ層またはナノ層膜は、個々の共押出ミクロ層またはナノ層の3つ以上の層を包含し、改良された強度、改良されたサイクリング、より大きな屈曲度、および好ましい耐圧縮性および/または回復を有し得る。
【0031】
少なくとも選択された実施態様において、ミクロ層またはナノ層膜は、個々の共押出ミクロ層またはナノ層の3つ以上の層を包含し、改良された強度、改良されたサイクリング、より大きな屈曲度、および/または好ましい耐圧縮性および/または回復を有し得る。
【0032】
少なくとも選択された実施態様において、ミクロ層またはナノ層膜は、個々の共押出ミクロ層またはナノ層の9以上の層を包含し、改良された強度、改良されたサイクリング、より大きな屈曲度、および/または好ましい耐圧縮性および/または回復を有し得る。
【0033】
少なくとも選択された実施態様において、ミクロ層またはナノ層膜は、個々の共押出ミクロ層またはナノ層の5以上の層を包含し、改良された強度、改良されたサイクリング、より大きな屈曲度、および/または好ましい耐圧縮性および/または回復を有し得る。
【0034】
少なくともある選択された実施態様において、ミクロ層膜は、個々の共押出ミクロ層またはナノ層の3以上の層を包含し、改良された強度、改良されたサイクリング、より大きな屈曲度、および/または好ましい耐圧縮性および/または回復を有し得る。
【0035】
少なくともある選択された特定の実施態様において、多層膜は、一緒に積層された個々の共押出ミクロ層の2つ以上の層を含み得、改良された強度、改良されたサイクリング、より大きな屈曲度および/または好ましい耐圧縮性および/または回復を有し得る。
【0036】
少なくともある選択された特定の実施態様において、多層膜は、一緒に積層された個々の共押出ミクロ層の3以上の層を包含し得、改良された強度、改良されたサイクリング、より大きな屈曲度および/または好ましい耐圧縮性および/または回復を有し得る。
【図面の簡単な説明】
【0037】
図1図1は、例示的な本発明の積層三層または三重三層微多孔膜三層/三層/三層(各三層層当たり9つの共押出されたミクロ層、および各三層層の各PPまたはPEサブ層当たり3つのミクロ層を有する)の2,500倍の倍率での部分的な断面走査型電子顕微鏡写真である(各層の少なくとも外側のPP層は微多孔質である)。
図2図2は、図1の複合積層膜の表面三層構成要素またはサブ膜のポリプロピレン表面サブ層(PPの3つのミクロ層)の一部の15,000倍での部分断面走査型電子顕微鏡写真(SEM)である。
図3図3は、図1の3層膜の9つのミクロ層三層層の一つのポリエチレンサブ層(PEの3つのミクロ層)の15,000倍での部分断面走査型電子顕微鏡写真(SEM)である。
図4図4は、例示的な発明の構造のEH1211と比較した改良されたサイクリング挙動を説明するグラフである。
図5図5は、ある構造のEH1211と比較した圧縮弾性結果を説明するグラフである。
図6図6は、ある構造のMix P侵入試験結果をEH1211との比較において説明するグラフである。
図7図7は、ミクロ層が層増加によるフィードブロックにおいて如何に作られ得るかを表す概略図である。
図8図8は、ミクロ層が層割れによって如何に作られるかを表す概略図である。
図9図9は、PP/PE/PP微多孔膜の例示的な発明の3層または三層(一緒に積層された3つの三重ミクロ層サブ層を有する合計で9つのミクロ層)の5000倍の倍率での断面走査型電子顕微鏡写真(SEM)である(少なくとも外側のPPサブ層は微多孔質である)。
図10図10は、図9の9つのミクロ層、3層膜のポリプロピレン表面サブ層(表面PPミクロ層)の表面の3,000倍の倍率での表面走査型電子顕微鏡写真(SEM)である。この9つのミクロ層膜は、図1に示されるような3層膜の1つの層として使用され得た。
図11図11は、図9の9つのミクロ層層、3層膜のポリプロピレン表面サブ層(表面PPミクロ層)の表面の一部の10,000倍の倍率での表面走査型電子顕微鏡写真(SEM)である。
図12図12は、図9の9つのミクロ層、3層膜のポリプロピレン表面サブ層(表面PPミクロ層)の表面の一部の30,000倍の倍率での表面走査型電子顕微鏡写真(SEM)である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
少なくとも選択された実施態様、側面または目的に従って、本出願または発明は、上記のニーズまたは課題に取り組むことができ、および/または新規のまたは改良された膜層、多孔膜または基材、セパレータ膜、セパレータ、複合材、電気化学デバイス、電池、このような膜または基材、セパレータおよび/または電池を製造する方法、および/またはこのような膜または基材、セパレータおよび/または電池を使用する方法を提供し得る。
【0039】
少なくとも特定の実施態様従って、本電池セパレータは、別のポリマー膜に積層または接着された1つまたは複数の共押出されたミクロ層またはミクロ層膜を含む。例えば、いくつかの例において、電池セパレータは、限定はされないが、ポリプロピレン(PP)単層ミクロまたはナノ層膜に積層され、およびいくつかの態様において、さらに別のPE/PE/PE共押出ミクロ三層膜に積層されたポリエチレン/ポリエチレン/ポリエチレン(PE/PE/PE)の共押出されたミクロ三層膜、を含むことができ、以下の構造:[PE/PE/PE]/PP/[PE/PE/PE]を形成する。
【0040】
選択された態様において、膜、膜前駆体、サブ膜、層、またはサブ層は、1または複数のミクロ層から構成されていてもよい。本明細書では、ミクロ層は、好ましくは約5μm未満、より好ましくは約4μm未満、さらにより好ましくは約3μm未満、おそらく最も好ましくは約2μm未満である、例えばポリマーまたはコポリマーブレンドの層または個々の層として定義される。選択された実施態様において、膜、膜前駆体、サブ膜、層、またはサブ層は、1または複数のナノ層から構成されていてもよい。ナノ層は、本明細書では、約1μm未満、より好ましくは約0.5μm未満、さらにより好ましくは約0.3μm未満、おそらく最も好ましくは約0.2μm未満である、例えばポリマーまたはコポリマーブレンドの層または個々の層として定義される。
【0041】
新規の微多孔電池セパレータは、リチウムイオン二次電池に使用するために開発された。いくつかの実施態様において、おそらく好ましい発明のセパレータ膜、セパレータ、ベースフィルム、または膜は、ポリエチレン/ポリエチレン/ポリエチレン(PE/PE/PE)共押出ミクロ層(PEミクロ三層)膜を含むことができ、そのミクロ層膜は、ポリプロピレン(PP)単層膜などの別の膜に積層され、場合によっては、別のPE/PE/PE共押出膜にさらに積層され、以下の構造を形成する:[PE/PE/PE]/PP/[PE/PE/PE]。
【0042】
多分好ましいセパレータ、膜またはベースフィルムの厚さは、5μm~30μmの範囲であり得る。図1は、膜の3つの層(3つの層が一緒に積層されて膜を形成する)のそれぞれの9つのミクロ層共押出構造を示す。9つのミクロ層のポリマーサブ層のそれぞれには、PPまたはPEサブ層を生成する3つのミクロ層がある。図2および3は、各層のミクロ層の各々間の連続性を強調する3つの層の拡大図を示す。図3は、ポリプロピレンとポリエチレンミクロ層との間の連続性を示す。図1~3の少なくとも各9つのミクロ層共押出層のミクロ層は、未定義の隣接するミクロ層界面を有し、ミクロ層間のこの継ぎ目のない界面は、サイクリングの改良、表面積の増大、およびより高い屈曲度に寄与し得る。
【実施例
【0043】
実施例において、種々の膜が、[PE/PE/PE]/PP/[PE/PE/PE]の構造を有するように製造された。それらの特性は、すぐ下の表1に示されている。
本発明の実施例として製造されたさまざまな膜の実施例1、実施例2、および実施例3は、(以下の表1に示すように)対照比較例1よりも改良された穿刺強度および絶縁破壊(DB)における改良を示す。
【0044】
【表1】
【0045】
少なくとも特定の実施態様に従って、本発明は多層電池セパレータまたはセパレータ膜に関し、その外面は、いくつかの例において共押出された複数の層、例えばポリエチレン(PE)ホモポリマー共押出多層膜を含み、これはポリプロピレン単層およびポリエチレンホモポリマーを含む追加の多層共押出多層膜に接着または積層される。
【0046】
少なくとも特定の実施態様に従って、本発明は多層電池セパレータまたはセパレータ膜に関する。また、性能はさらに改良され、最適化され、選択され、制御などされ得る。
【0047】
少なくとも特定の実施態様に従って、本発明は、多層電池セパレータまたはセパレータ膜に関し、その外面が複数の層を含み、その1つまたは複数の層がポリエチレン(PE)ブレンドおよび/またはPEコポリマーを含有し、それは、ポリプロピレン単層および追加の多層共押出多層膜に接着または積層され、その多層膜の1つまたは複数はポリエチレンブレンドおよび/またはPEコポリマーを含有する。
【0048】
少なくとも特定の実施態様に従って、本発明は、多層電池セパレータまたはセパレータ膜に関し、その外面は複数の層を含み、その1つまたは複数の層はポリエチレン(PE)ホモポリマーを含有し、一方、その1つまたは複数の層は、ポリエチレンブレンドおよび/またはPEコポリマーを含有し、それは、ポリプロピレン単層および追加の多層共押出膜に接着または積層され、その1つまたは複数の層にはポリエチレンホモポリマーを含有し、一方で、その1つまたは複数の層には、ポリエチレンブレンドおよび/またはコポリマーブレンドを含有する。
【0049】
そのような構造の他の可能性も本発明に含有され、少なくとも1つの共押出多層膜が少なくとも1つの他の膜に積層されて、共押出膜の側面を積層膜の側面と組み合わせた多層構造を形成する。
【0050】
多層ポリオレフィン膜は、低いピン除去力、より速い濡れ性、良好なコーティング接着性、調整可能なシャットダウンなどを有する外面を提供するように設計される。ポリマーの各層は、多くの特性において顕著な改良を有する結果として生じる膜と積層または共押出される。本明細書に記載される本発明は、表面特性を改良するために、1つまたは複数の多層膜の共押出および積層の両方を利用する。少なくとも特定の実施態様に従って、本発明は、改良されたシャットダウン機能、改良された縦方向の強度、および絶縁破壊の増加を有する外面を提供し得る。
【0051】
本発明の電池セパレータに使用され得るポリマーまたはコポリマーは、押出し可能なポリマーまたはコポリマーである。このようなポリマーは、典型的には熱可塑性ポリマーと呼ばれる。例示的な熱可塑性ポリマー、ブレンド、混合物またはコポリマーには、これらに限定されないが、ポリオレフィン、ポリアセタール(またはポリオキシメチレン)、ポリアミド、ポリエステル、ポリスルフィド、ポリビニルアルコール、ポリビニルエステル、およびポリビニリデン(およびPVDF、PVDF:HFP、PTFE、PEO、PVA、PANなどを含むことができる)を含む。ポリオレフィンには、限定されないが、ポリエチレン(例えば、LDPE、LLDPE、HDPE、UHDPE、UHMWPEなどを含む)、ポリプロピレン、ポリブチレン、ポリメチルペンテン、これらのコポリマー、およびこれらのブレンドを含有する。ポリアミド(ナイロン)には、ポリアミド6、ポリアミド66、ナイロン10,10、ポリフタルアミド(PPA)、それらのコポリマー、およびそれらのブレンドを含有するが、これらに限定されない。ポリエステルには、ポリエステルテレフタレート、ポリブチルテレフタレート、それらのコポリマー、およびそれらのブレンドを含有するが、これらに限定されない。
【0052】
ポリスルフィドには、ポリフェニルスルフィド、そのコポリマー、およびそれらのブレンドを含有するが、これらに限定されない。ポリビニルアルコールには、エチレン-ビニルアルコール、そのコポリマー、およびそれらのブレンドが含まれるが、これらに限定されない。ポリビニルエステルには、ポリ酢酸ビニル、エチレン酢酸ビニル、それらのコポリマー、およびそれらのブレンドが含まれるが、これらに限定されない。ポリビニリデンには、フッ化ポリビニリデン(例えば、ポリ塩化ビニリデン、ポリフッ化ビニリデン)、それらのコポリマー、およびそれらのブレンドを含有するが、これらに限定されない。さまざまな材料をポリマーに添加することができる。これらの材料は、個々の層またはセパレータ全体の性能または特性を修飾または強化するために加えられる。そのような材料には、ポリマーの溶融温度を低下させる材料を添加することができるが、これらに限定されない。典型的には、多層セパレータは、電池の電極間のイオン流を遮断するために、所定の温度においてその孔を閉じるように設計された層を含有する。この機能は、一般にシャットダウンと呼ばれる。
【0053】
図4は、EH1211と比較した場合のミクロ層膜のサイクリング性能を示す。各サンプルにおいて、ミクロ層構造は、サイクル性能の維持または改良を示した。
【0054】
少なくとも選択された実施態様において、ミクロ層またはナノ層は、例えば、ミクロ三層適用におけるPPとPEとの間の接着に影響を与えずに、例えばピン除去力を低減するために、1つまたは複数の層において、さまざまな添加剤を含有し得る。特定の場合には、添加剤は外側ミクロ層に適用されてもよい。外側ミクロ層は、シロキサン添加剤/ホモポリマーPP/ホモポリマーPPを伴うPPを含有するか、またはそれからなることができる。添加剤は、フィルムの表面特性に影響を及ぼす可能性がある全てのものを含有することができ、いくつかの例には、PE、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸リチウムおよび/またはシロキサンを含有する。
【0055】
少なくとも選択された実施態様、側面または目的に従って、本出願または発明は、別のポリマー膜におよび/または別の共押出された多層膜に、積層または接着された1つまたは複数の共押出多層膜を含む電池セパレータ、またはセパレータ膜に関し、および/または改良された強度、例えば、特に特定の厚さにおいて改良された穿刺強度を提供することができ、および/またはそのようなセパレータは、改良されたシャットダウンおよび/または割れの減少傾向を示し得る。
【0056】
少なくとも特定の実施態様、側面または目的に従って、本出願または発明は、1つまたは複数の共押出多層ミクロ層および/またはナノ層膜を含む電池セパレータまたはセパレータ膜に関し、および/またはそのようなセパレータは、改良された強度、例えば改良された穿刺強度、特に特定の厚さにおける穿刺強度、および/または改良されたシャットダウンおよび/または割れの減少傾向を示し得る。
【0057】
少なくとも特定の実施態様、側面または目的に従って、本出願または発明は、共押出され、別のポリマー膜および/または別の共押出多層膜に積層または接着された1つまたは複数の共押出多層ミクロ層および/またはナノ層膜を含む電池セパレータまたはセパレータ膜に関し、および/またはそのようなセパレータは、改良された強度、例えば改良された穿刺強度、特に特定の厚さにおける穿刺強度、および/または改良されたシャットダウンおよび/または割れの減少傾向を示し得る。
【0058】
表2は、9のミクロ層の12μm膜と、より従来型の構造の12μm三層膜(EH1211)との比較を示す。従来の三層と比較した場合、本発明のミクロ層12μm膜は、増加した機械的強度および収縮率の顕著な減少を示した。図6は、9のミクロ層12μmの微多孔膜についMix Pまたはmix侵入試験結果を示す。本発明のミクロ層膜は、650Nの力で最大の侵入抵抗を示した。
【0059】
【表2】
【0060】
表3は、9つのミクロ層12μm膜(R0384)と従来の12μm乾式法膜(EH1211)との比較を示す。ミクロ層構造は、比較可能な湿式法膜よりも大きな圧縮回復をもたらす。特定の応用においては、粉砕が少なく、および/またはより良好な圧縮回復が望まれる場合がある。
【0061】
【表3】
【0062】
図5および表3は、さまざまな多孔質膜の圧縮プロファイルを示す。他の12μm膜と比較すると、ミクロ層構造はバランスの取れた圧縮回復プロファイルを示し、一方、圧縮することができるが、ある特定のバッテリー使用においては重要な回復をもたらす。選択された実施態様において、本ミクロ層またはナノ層技術は、50を超える層からなっていてもよい。
【0063】
これらの層は、最初にキャストフィルムダイまたはブローフィルムダイのいずれかに入る前に、予めカプセル化されたフィードブロック内に生成されてもよい。ミクロ層は、層増加(図7の一例)または層の割れ(図8の一例)によってフィードブロック内に生成されてもよい。多孔質膜前駆体の製造に使用される場合、これらの技術は、強度および耐屈曲亀裂性をさらに改良し得る。これらの前駆体は積層され、アニールされ、延伸され、結果として生じる膜は改良された強度および靭性を示し得る。さらに、これらの技術を利用することにより、特に乾式法膜において、処理が非常に困難となり得る1Mより大きな分子量を有するポリマーを使用する必要性を少なくすることができる。
【0064】
他の選択された特定の実施態様において、修飾された三層膜を生成するためにミクロ層を使用することができる。この実施態様においては、ミクロ層は、交互ポリマーを含むか、または交互ポリマーからなり、結果として生じる膜は、PP/PE/PP/PE/PP/PE/PP/PE/PPである。前駆体膜は、PP/PE/PPおよびPE/PP/PEのミクロ層を用いて押し出されてもよく、これらのミクロ層前駆体は、その後、一緒に積層され、次いで所望の多孔度を達成するように延伸されてもよい。ポリプロピレンは、任意のホモポリマーPP、コポリマーPPおよび/またはポリマーブレンドであってもよい。使用されるポリエチレンは、高密度ポリエチレン(HDPE)またはコモノマーを有する任意のポリエチレン、コポリマーおよび/またはポリマーブレンドであってもよい。
【0065】
【表4】
【0066】
また、特定の発明のミクロ層またはナノ層構造は、より大きな表面積を生み出し得る。
図1-3の断面SEMは、カラム、ピラー、カラム状、カラム様、カラム化のまたは実質的に垂直の結晶性ポリマー構造を示し得る。結晶性ポリマーのこれらのカラムまたはピラーは、強度を高め、DBなどを改良し得る。
【0067】
少なくとも選択された実施態様、側面または目的に従って、本出願または発明は、上記のニーズまたは問題に対処することができ、および/または新規のまたは改良された膜層、膜またはセパレータ膜、そのような膜を含む電池セパレータおよび/または関連する方法を提供する。少なくとも選択された実施態様に従って、本開示または発明は、新規のまたは改良された多孔質膜またはセパレータ膜、このような膜を含む電池セパレータ、および/または関連する方法に関する。
【0068】
少なくともいくつかの実施態様に従って、本開示または発明は、新規のまたは改良された微多孔膜またはセパレータ膜、ミクロ層膜、1つまたは複数のミクロ層膜を含有する多層膜、このような膜を含む電池セパレータ、および/または関連する方法に関する。少なくとも特定の選択された実施態様に従って、本開示または発明は、1つまたは複数の新規のまたは改良された外層および/または内層、ミクロ層膜、多層微多孔膜を有する新規の、最適化されたまたは改良された微多孔膜またはセパレータ膜、または外層および内層を有するセパレータ膜に関し、いくつかの層が共押出しにより形成され、その全ての層が一緒に積層されて、新規の、最適化された、または改良された膜またはセパレータ膜を形成する。
【0069】
いくつかの実施態様において、特定の層は、ホモポリマー、コポリマー、および/またはポリマーブレンドを含む。本発明は、このような膜、セパレータ膜またはセパレータの製造方法、および/またはこのような膜、セパレータ膜またはセパレータ、例えばリチウム電池セパレータとして使用する方法に関する。少なくとも選択された実施態様に従って、本出願または発明は、新規のまたは改良された多層および/またはミクロ層の多孔または微多孔膜、セパレータ膜、セパレータ、複合材、電気化学デバイス、電池、そのような膜、セパレータ、複合材、デバイス、および/または電池の製造方法に関する。少なくとも特定の選択された実施態様に従って、本発明は、多層である新規の改良されたセパレータ膜に関し、多層構造の1つまたは複数の層は、ダイに供給する1つまたは複数の押出機を有する多層またはミクロ層の共押出ダイにおいて製造される(一般に1つの層またはミクロ層あたり1つの押出機)。改良された膜、セパレータ膜および/またはセパレータは、好ましくは、改良されたシャットダウン、改良された強度、改良された絶縁破壊強度および/または減少する割れ傾向を示し得る。
【0070】
本開示または発明は、新規のまたは改良された膜またはセパレータ膜、このような膜を含む電池セパレータ、および/または関連する方法に関し得る。少なくとも選択された実施態様に従って、本開示または発明は、新規のまたは改良された多孔質膜またはセパレータ膜、このような膜を含む電池セパレータ、および/または関連する方法に関する。少なくとも特定の実施態様に従って、本開示または発明は、新規のまたは改良された微多孔膜またはセパレータ膜、ミクロ層膜、1つまたは複数のミクロ層膜を含有する多層膜、このような膜を含む電池セパレータ、および/または関連する方法に関する。少なくとも1つの選択された実施態様に従って、本開示または発明は、1つまたは複数の新規のまたは改良された微多孔膜、または外層および/または内層、ミクロ層膜、多層微多孔膜または外層および内層を有するセパレータ膜を有する新規の、最適化されたまたは改良されたセパレータ膜に関し、それらの層のいくつかは共押出によって生成され、その層の全てが一緒に積層されて、新規の最適化されたまたは改良された膜またはセパレータ膜を形成する。いくつかの態様において、特定の層は、ホモポリマー、コポリマー、および/またはポリマーブレンドを含む。
【0071】
本発明は、このような膜、セパレータ膜またはセパレータの製造方法、および/またはこのような膜、セパレータ膜、または例えばリチウム電池セパレータとしてセパレータを使用する方法にも関する。少なくとも選択された実施態様に従って、本出願または発明は、新規のまたは改良された多層および/またはミクロ層の多孔質または微多孔膜、セパレータ膜、セパレータ、複合材、電気化学デバイス、電池、そのような膜、セパレータ、複合材料、デバイスおよび/または電池の製造方法に関する。少なくとも特定の選択された実施態様に従って、本発明は、新規のまたは改良された多層のセパレータ膜に関し、多層構造の1つまたは複数の層が、複数の押出機を有する多層またはミクロ層共押出ダイにおいて製造される。改良された膜、セパレータ膜、またはセパレータは、好ましくは、改良されたシャットダウン、改良された強度、改良された絶縁破壊強度、および/または低減された割れ傾向を示し得る。
【0072】
少なくとも選択された実施態様に従って、電池セパレータまたはセパレータ膜は、任意に別のポリマー膜に積層または接着された、1つまたは複数の共押出多重ミクロ層膜を含む。本明細書に記載されるセパレータは、改良された強度、例えば特に特定の厚さでの改良された穿刺強度を提供することができ、改良されたシャットダウンおよび/または低減された割れ傾向を示し得る。
【0073】
(試験方法)
(ガーレー)
ガーレーは、本明細書では日本工業規格(JISガーレー)として定義され、王研(OHKEN)式透気度試験機を用いて測定される。JIS Gurleyは、100ccの空気が4.9インチの一定水圧において1平方インチのフィルムを通過するのに必要な秒単位の時間として定義される。
【0074】
(厚さ)
厚さは、Emveco Microgage 210-Aマイクロメーター厚さ試験機および試験手順ASTM D374を使用して、μm単位で測定される。
【0075】
(引張強度)
機械方向(MD)および横方向(TD)引張強度は、ASTM-882手順によるInstron Model 4201を使用して測定される。
【0076】
(伸び)
破断時のMD伸び%は、サンプルを破断するために要する最大引張強度において測定された試験サンプルの機械方向に沿った試験サンプルの伸長のパーセントである。
破断時のTD伸び%は、サンプルを破断するために要する最大引張強度において測定された試験サンプルの横方向に沿った試験サンプルの伸長のパーセントである。
【0077】
(穿刺強度)
穿孔強度は、ASTM D3763に基づくInstron Model 4442を使用して測定される。測定は、微多孔膜の幅にわたって行われ、穿刺強度は、試験サンプルを穿刺するのに必要な力として定義される。
【0078】
(熱収縮率)
収縮率は、2枚の紙の間に試験サンプルを置き、紙の間にサンプルを挟み込んでオーブン中に吊るすことによって測定される。「105℃1時間」試験の場合、試料を105℃のオーブンに1時間入れる。オーブン内で指定の加熱時間の後、各サンプルを取り出し、両面粘着テープを使用して平らな対向面にテープで貼り付け、正確な長さと幅の測定のためにサンプルを平らにして平滑にした。収縮率は、機械方向(MD)および横方向(TD)の両方の方向で測定され、%MD収縮率および%TD収縮率として表される。
【0079】
(孔サイズ)
孔サイズは、Porous Materials, Inc. (PMI)から入手可能のAquaporeを使用して測定される。孔サイズは、μm単位で表される。
【0080】
(多孔度)
微多孔フィルム試料の多孔度は、ASTM法D-2873を使用して測定され、機械方向(MD)および横方向(TD)の両方で測定された、微多孔膜の空隙の百分率として定義される。
(絶縁破壊(DB))
試料の絶縁破壊が観察されるまで、セパレータ膜に電圧を印加する。強力なセパレータは高いDBを示す。セパレータ膜の不均一性は、DB値を低下させる。
【0081】
(圧縮弾性率)
圧縮弾性率は、TMA Q400および半球プローブを使用して評価された。5mm×5mmの試料を1N(568N/cm)まで一定の速度で圧縮し、次に周囲温度にて一定速度で圧力を0Nに戻すように解放する。圧縮および回復中の寸法変化の割合は、試料の初期厚さに基づいて推定される。
【0082】
(混合侵入)
混合侵入とは、カソードとアノードの材料の間に配置されたときにセパレータを通って短絡するのに必要な力である。この試験は、電池組立中にセパレータが短絡する傾向を示すために使用される。この方法の詳細は、US2010/209758に記載されている。
【0083】
(サイクリング)
全てのサイクリングは定電流(CC)モードで行われた。使用される陰極は523NMCである。使用されるアノードは優れたグラファイトである。電解質は、3:7v:vEC:EMC溶媒中1MのLiPF6塩を使用した。電圧ウィンドウは3.0~4.3Vである。サイクル1~5は、C/10の充電率と放電率を有する。サイクル6-10は、C/5の充電率および放電率を有する。サイクル11-15は、C/5の充電率とC/2の放電率を有する。サイクル16-20は、C/5の充電率と1Cの放電率(充放電率容量;1Cは60分間の完全充電または放電の率である。)を有する。サイクル21-25は、C/5の充電率と5Cの放電率を有する。サイクル26-30は、C/5の充電率と10Cの放電率を有する。サイクル31-35は、C/10の充電率および放電率を有する。
図1
図2
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図5
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図7
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図12