(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-27
(45)【発行日】2023-08-04
(54)【発明の名称】仮想空間サービス管理装置及び仮想空間サービス管理方法
(51)【国際特許分類】
G06F 3/01 20060101AFI20230728BHJP
G06T 19/00 20110101ALI20230728BHJP
G06Q 50/00 20120101ALI20230728BHJP
【FI】
G06F3/01 510
G06T19/00 A
G06Q50/00 300
(21)【出願番号】P 2022156887
(22)【出願日】2022-09-29
【審査請求日】2022-11-29
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000208891
【氏名又は名称】KDDI株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100165179
【氏名又は名称】田▲崎▼ 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100175824
【氏名又は名称】小林 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100114937
【氏名又は名称】松本 裕幸
(72)【発明者】
【氏名】川本 大功
【審査官】中田 剛史
(56)【参考文献】
【文献】特表2011-522631(JP,A)
【文献】特表2008-512736(JP,A)
【文献】特表2014-529792(JP,A)
【文献】特表2008-543474(JP,A)
【文献】特開2000-285064(JP,A)
【文献】特表2011-528834(JP,A)
【文献】特開2014-076098(JP,A)
【文献】特表2013-517580(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2008/0120558(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/01
G06T 19/00
G06Q 50/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の異なる仮想空間サービスを現在利用中のユーザの
前記複数の異なる仮想空間サービスそれぞれで活動中の複数のアバターのうち一のアバターの活動内容を示す活動情報を取得するユーザ活動情報取得部と、
前記活動情報に基づいて、
前記複数の異なる仮想空間サービスそれぞれで活動中の複数のアバターのうち前記一のアバターと他のアバターとの間で所定の変化制御条件を満たすか否かを判定する制御条件判定部と、
前記制御条件判定部が前記変化制御条件を満たすと判定した前記他のアバターの状態を前記活動情報に基づいて変化させるための制御情報を、当該他のアバターの仮想空間サービスを提供する仮想空間サーバへ送信する制御部と、
を備える仮想空間サービス管理装置。
【請求項2】
前記変化制御条件は、複数の異なる仮想空間サービスを現在利用中のユーザの当該複数の異なる仮想空間サービスそれぞれのアバターのうち、一のアバターの前記活動情報に基づいて当該一のアバター以外の他のアバターの状態を変化させるための条件である、
請求項1に記載の仮想空間サービス管理装置。
【請求項3】
前記変化制御条件は、アバター間の活動の整合性の条件である、
請求項2に記載の仮想空間サービス管理装置。
【請求項4】
前記変化制御条件は、アバター間の外見の整合性の条件である、
請求項2に記載の仮想空間サービス管理装置。
【請求項5】
前記変化制御条件は、仮想空間の間の整合性の条件である、
請求項2に記載の仮想空間サービス管理装置。
【請求項6】
前記変化制御条件は、仮想空間の間の主従関係の整合性の条件である、
請求項2に記載の仮想空間サービス管理装置。
【請求項7】
前記制御情報は、前記一のアバターの状態の変化を前記他のアバターの状態に反映させるための制御情報である、
請求項1から6のいずれか1項に記載の仮想空間サービス管理装置。
【請求項8】
前記ユーザ活動情報取得部は、前記ユーザの一のアバターを操作する前記ユーザの端末装置から取得した操作情報に基づいて前記活動情報を特定する、
請求項1から6のいずれか1項に記載の仮想空間サービス管理装置。
【請求項9】
前記ユーザ活動情報取得部は、前記複数の異なる仮想空間サービスをそれぞれ提供する複数の仮想空間サーバのうち前記ユーザの一のアバターの仮想空間サービスを提供する仮想空間サーバから前記活動情報を取得する、
請求項1から6のいずれか1項に記載の仮想空間サービス管理装置。
【請求項10】
前記制御部は、前記制御情報を、複数の前記他のアバターの仮想空間サービスをそれぞれ提供する複数の仮想空間サーバへ一斉に送信する、
請求項1から6のいずれか1項に記載の仮想空間サービス管理装置。
【請求項11】
前記ユーザの端末装置における前記ユーザのアバターの表示状態を示すアバター表示情報を取得するアバター表示情報取得部をさらに備え、
前記制御部は、前記アバター表示情報に基づいて、前記他のアバターが表示されていない場合に当該他のアバターの仮想空間サービスを提供する仮想空間サーバへ、前記制御情報を送信する、
請求項1から6のいずれか1項に記載の仮想空間サービス管理装置。
【請求項12】
前記制御部は、前記制御情報を送信後、前記他のアバターの状態を変化させたことの通知を前記ユーザの端末装置へ送信する、
請求項1から6のいずれか1項に記載の仮想空間サービス管理装置。
【請求項13】
前記活動情報は、アバターの外見の情報である、
請求項1から6のいずれか1項に記載の仮想空間サービス管理装置。
【請求項14】
前記活動情報は、アバターの属性の情報である、
請求項1から6のいずれか1項に記載の仮想空間サービス管理装置。
【請求項15】
情報処理装置が実行する仮想空間サービス管理方法であって、
複数の異なる仮想空間サービスを現在利用中のユーザの
前記複数の異なる仮想空間サービスそれぞれで活動中の複数のアバターのうち一のアバターの活動内容を示す活動情報を取得するユーザ活動情報取得ステップと、
前記活動情報に基づいて、
前記複数の異なる仮想空間サービスそれぞれで活動中の複数のアバターのうち前記一のアバターと他のアバターとの間で所定の変化制御条件を満たすか否かを判定する制御条件判定ステップと、
前記制御条件判定ステップで前記変化制御条件を満たすと判定した前記他のアバターの状態を前記活動情報に基づいて変化させるための制御情報を、当該他のアバターの仮想空間サービスを提供する仮想空間サーバへ送信する制御ステップと、
を含む仮想空間サービス管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、仮想空間サービス管理装置及び仮想空間サービス管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ユーザに対して仮想現実(Virtual Reality:VR)の空間(仮想空間)のサービス(仮想空間サービス)を提供するためのサービスシステムが知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載された技術は、複数の仮想空間サービスを管理する仮想空間管理サーバが、仮想空間サーバからの問い合わせにより取得した利用者構成情報及び仮想空間構成情報に基づき、対応する仮想空間構成情報を変換し、問い合わせを行った仮想空間サーバに送信する利用者展開情報を生成する。これにより、複数の異なる仮想空間サービスに関し、ユーザおよびキャラクターの単一性を保証している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上述した特許文献1に記載された技術では、ユーザが複数の異なる仮想空間サービスにおいて同時に活動している状況を管理することまではできない。また、ユーザが同時に活動している複数の異なる仮想空間サービス間で当該ユーザの活動の関連付けを図ることはできない。
【0005】
本発明は、このような事情を考慮してなされたものであり、その目的は、ユーザが同時に活動している複数の異なる仮想空間サービス間で当該ユーザの活動の関連付けを図ることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様は、複数の異なる仮想空間サービスを現在利用中のユーザの前記複数の異なる仮想空間サービスそれぞれで活動中の複数のアバターのうち一のアバターの活動内容を示す活動情報を取得するユーザ活動情報取得部と、前記活動情報に基づいて、前記複数の異なる仮想空間サービスそれぞれで活動中の複数のアバターのうち前記一のアバターと他のアバターとの間で所定の変化制御条件を満たすか否かを判定する制御条件判定部と、前記制御条件判定部が前記変化制御条件を満たすと判定した前記他のアバターの状態を前記活動情報に基づいて変化させるための制御情報を、当該他のアバターの仮想空間サービスを提供する仮想空間サーバへ送信する制御部と、を備える仮想空間サービス管理装置である。
本発明の一態様は、上記の仮想空間サービス管理装置において、前記変化制御条件は、複数の異なる仮想空間サービスを現在利用中のユーザの当該複数の異なる仮想空間サービスそれぞれのアバターのうち、一のアバターの前記活動情報に基づいて当該一のアバター以外の他のアバターの状態を変化させるための条件である、仮想空間サービス管理装置である。
本発明の一態様は、上記の仮想空間サービス管理装置において、前記変化制御条件は、アバター間の活動の整合性の条件である、仮想空間サービス管理装置である。
本発明の一態様は、上記の仮想空間サービス管理装置において、前記変化制御条件は、アバター間の外見の整合性の条件である、仮想空間サービス管理装置である。
本発明の一態様は、上記の仮想空間サービス管理装置において、前記変化制御条件は、仮想空間の間の整合性の条件である、仮想空間サービス管理装置である。
本発明の一態様は、上記の仮想空間サービス管理装置において、前記変化制御条件は、仮想空間の間の主従関係の整合性の条件である、仮想空間サービス管理装置である。
本発明の一態様は、上記の仮想空間サービス管理装置において、前記制御情報は、前記一のアバターの状態の変化を前記他のアバターの状態に反映させるための制御情報である、仮想空間サービス管理装置である。
本発明の一態様は、上記の仮想空間サービス管理装置において、前記ユーザ活動情報取得部は、前記ユーザの一のアバターを操作する前記ユーザの端末装置から取得した操作情報に基づいて前記活動情報を特定する、仮想空間サービス管理装置である。
本発明の一態様は、上記の仮想空間サービス管理装置において、前記ユーザ活動情報取得部は、前記複数の異なる仮想空間サービスをそれぞれ提供する複数の仮想空間サーバのうち前記ユーザの一のアバターの仮想空間サービスを提供する仮想空間サーバから前記活動情報を取得する、仮想空間サービス管理装置である。
本発明の一態様は、上記の仮想空間サービス管理装置において、前記制御部は、前記制御情報を、複数の前記他のアバターの仮想空間サービスをそれぞれ提供する複数の仮想空間サーバへ一斉に送信する、仮想空間サービス管理装置である。
本発明の一態様は、上記の仮想空間サービス管理装置において、前記ユーザの端末装置における前記ユーザのアバターの表示状態を示すアバター表示情報を取得するアバター表示情報取得部をさらに備え、前記制御部は、前記アバター表示情報に基づいて、前記他のアバターが表示されていない場合に当該他のアバターの仮想空間サービスを提供する仮想空間サーバへ、前記制御情報を送信する、仮想空間サービス管理装置である。
本発明の一態様は、上記の仮想空間サービス管理装置において、前記制御部は、前記制御情報を送信後、前記他のアバターの状態を変化させたことの通知を前記ユーザの端末装置へ送信する、仮想空間サービス管理装置である。
本発明の一態様は、上記の仮想空間サービス管理装置において、前記活動情報は、アバターの外見の情報である、仮想空間サービス管理装置である。
本発明の一態様は、上記の仮想空間サービス管理装置において、前記活動情報は、アバターの属性の情報である、仮想空間サービス管理装置である。
【0007】
本発明の一態様は、情報処理装置が実行する仮想空間サービス管理方法であって、複数の異なる仮想空間サービスを現在利用中のユーザの前記複数の異なる仮想空間サービスそれぞれで活動中の複数のアバターのうち一のアバターの活動内容を示す活動情報を取得するユーザ活動情報取得ステップと、前記活動情報に基づいて、前記複数の異なる仮想空間サービスそれぞれで活動中の複数のアバターのうち前記一のアバターと他のアバターとの間で所定の変化制御条件を満たすか否かを判定する制御条件判定ステップと、前記制御条件判定ステップで前記変化制御条件を満たすと判定した前記他のアバターの状態を前記活動情報に基づいて変化させるための制御情報を、当該他のアバターの仮想空間サービスを提供する仮想空間サーバへ送信する制御ステップと、を含む仮想空間サービス管理方法である。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、ユーザが同時に活動している複数の異なる仮想空間サービス間で当該ユーザの活動の関連付けを図ることができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】一実施形態に係る仮想空間サービスシステムの構成例を示すブロック図である。
【
図2】一実施形態に係る仮想空間サービス管理装置の構成例を示すブロック図である。
【
図3】一実施形態に係るユーザ管理情報の構成例を示す図である。
【
図4】一実施形態に係る複数サービス利用ユーザ情報の構成例を示す図である。
【
図5】一実施形態に係る仮想空間サービス管理方法の手順の例を示すシーケンス図である。
【
図6】一実施形態に係る仮想空間サービス管理方法の手順の例を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照し、本発明の実施形態について説明する。
図1は、一実施形態に係る仮想空間サービスシステムの構成例を示すブロック図である。
図1において、仮想空間サービス管理装置1は、複数(n個、nは2以上の整数)の仮想空間サーバ3がそれぞれ提供する複数の異なる仮想空間サービス#1,#2,・・・,#nを管理するための情報処理を実行する。仮想空間サービス管理装置1は、インターネット等の通信ネットワークNWを介して、ユーザデバイス2や仮想空間サーバ3等の外部装置との間でデータを送受する。
【0011】
仮想空間サービスのユーザ(以下、単にユーザと称する)は、ユーザデバイス2を使用して、仮想空間サービスの提供を受ける。本実施形態では、仮想空間サービスとして、ユーザのユーザ識別情報(ユーザID)に関連付けられたアバターを仮想空間上に表示させるサービスを提供する。アバターは、ユーザの分身として仮想空間上に表示されるキャラクターである。ユーザは、ユーザデバイス2を使用して、仮想空間上の自分のアバターを移動させたり向きを変えたり等の所定の操作を行うことができる。
【0012】
ユーザデバイス2は、例えばヘッドマウントディスプレー(HMD)である。ヘッドマウントディスプレーは、装着者に対して、コンピューターグラフィックス(CG)により作られた仮想空間を、リアルな空間(実空間)のように見せることができる。また、ヘッドマウントディスプレーが備える各種センサーによって動きや傾きなどが検出され、装着者が仮想空間上を移動しているように見せたり、仮想空間上のオブジェクトを見る方向を変えたりすることができる。ユーザは、ヘッドマウントディスプレーが備える操作部を使用して、仮想空間上の自分のアバターを移動させたり向きを変えたり等の所定の操作を行うことができる。ヘッドマウントディスプレーが備える操作部は、例えば、ヘッドマウントディスプレー本体とは別個の装置として構成されるものであって、ヘッドマウントディスプレー本体との間で近距離無線通信を行う。
【0013】
なお、ユーザデバイス2は、仮想空間サービスを利用するための情報処理機能や表示機能や操作機能等を有するものであればよい。例えば、ユーザデバイス2は、スマートフォンやタブレット型のコンピュータ(タブレットPC)等の携帯端末装置であってもよい。例えば、ユーザデバイス2は、据置き型のパーソナルコンピュータであってもよい。
【0014】
ユーザデバイス2は、通信ネットワークNWを介して、仮想空間サーバ3との間でデータを送受する。仮想空間サーバ3は、仮想空間サービスを提供するための情報処理を実行する。仮想空間サーバ3は、ユーザに対して仮想空間を見せるための仮想空間データをコンピューターグラフィックスにより生成する仮想空間処理を実行する。仮想空間データは、例えばヘッドマウントディスプレーで表示されることにより、コンピューターグラフィックスにより作られた仮想空間を装着者に対して実空間のように見せることができるデータである。仮想空間データは、仮想空間サーバ3からユーザのヘッドマウントディスプレー等のユーザデバイス2へ送信される。
【0015】
ユーザは、複数の仮想空間サーバ3がそれぞれ提供する複数の異なる仮想空間サービスに登録することができる。
【0016】
例えば、ユーザAは、2個の仮想空間サーバ3がそれぞれ提供する2個の仮想空間サービス#1,#2に登録している。したがって、ユーザAは、ユーザデバイス2を使用して、最大2個の仮想空間サービス#1,#2を同時に利用することができる。そして、ユーザAは、ユーザデバイス2を使用して、同時に、仮想空間サービス#1の仮想空間上に自分のアバターを表示させると共に仮想空間サービス#2の仮想空間上にも自分のアバターを表示させることができる。ユーザAは、ユーザデバイス2を使用して、同時に利用している仮想空間サービス#1,#2の各仮想空間上の自分のアバターを移動させたり向きを変えたり等の所定の操作を行うことができる。
【0017】
例えば、ユーザBは、m個の仮想空間サーバ3がそれぞれ提供するm個の仮想空間サービス#1,#3,・・・に登録している。したがって、ユーザBは、ユーザデバイス2を使用して、最大m個の仮想空間サービス#1,#3,・・・を同時に利用することができる。そして、ユーザBは、最大m個の仮想空間サービス#1,#3,・・・の各仮想空間上に自分のアバターを同時に表示させることができる。ユーザBは、ユーザデバイス2を使用して、同時に利用している最大m個の仮想空間サービス#1,#3,・・・の各仮想空間上の自分のアバターを移動させたり向きを変えたり等の所定の操作を行うことができる。
【0018】
図2は、本実施形態に係る仮想空間サービス管理装置1の構成例を示すブロック図である。
図2において、仮想空間サービス管理装置1は、受付部101と、ユーザ活動情報取得部102と、制御条件判定部110と、アバター表示情報取得部111と、制御部120と、記憶部200とを備える。
【0019】
仮想空間サービス管理装置1の各機能は、仮想空間サービス管理装置1がCPU(Central Processing Unit:中央演算処理装置)及びメモリ等のコンピュータハードウェアを備え、CPUがメモリに格納されたコンピュータプログラムを実行することにより実現される。なお、仮想空間サービス管理装置1として、汎用のコンピュータ装置を使用して構成してもよく、又は、専用のハードウェア装置として構成してもよい。例えば、仮想空間サービス管理装置1は、インターネット等の通信ネットワークに接続されるサーバコンピュータを使用して構成されてもよい。また、仮想空間サービス管理装置1の各機能はクラウドコンピューティングにより実現されてもよい。また、仮想空間サービス管理装置1は、単独のコンピュータにより実現するものであってもよく、又は仮想空間サービス管理装置1の機能を複数のコンピュータに分散させて実現するものであってもよい。また、仮想空間サービス管理装置1として、例えばWWWシステム等を利用してウェブサイトを開設するように構成してもよい。
【0020】
受付部101は、ユーザのユーザデバイス2から各種の情報を受付ける。例えば、受付部101は、ユーザのユーザデバイス2から送信された仮想空間サービス利用要求を受信することにより、当該ユーザからの仮想空間サービスの利用要求を受付ける。仮想空間サービス利用要求は、複数の異なる仮想空間サービス#1,#2,・・・,#nのうち少なくとも一の仮想空間サービスを利用することの要求である。仮想空間サービス利用要求は、利用要求対象の仮想空間サービスの識別情報(仮想空間サービスID)と、要求元ユーザを当該仮想空間サービスにおいて識別するユーザIDとを有する。ユーザは、一の仮想空間サービス利用要求によって、一の仮想空間サービス又は複数の異なる仮想空間サービスの利用要求を行うことができる。
【0021】
ユーザ活動情報取得部102は、各仮想空間サーバ3から、各仮想空間サービス#1,#2,・・・,#nを現在利用中のユーザについて仮想空間サービス毎のユーザIDを取得する。仮想空間サービスを現在利用中のユーザは、当該仮想空間サービスを提供する仮想空間サーバ3に現在ログイン中のユーザである。
【0022】
また、ユーザ活動情報取得部102は、各仮想空間サービス#1,#2,・・・,#nから、各仮想空間サービスを現在利用中のユーザについて仮想空間サービス毎のユーザID及び現在の活動内容を示す第1活動情報を取得してもよい。
【0023】
例えば、第1活動情報は、ユーザが実際にユーザデバイス2を使用してアバターの操作を行っている時(実活動中)のアバターの活動内容である。実活動中のアバターの活動内容として、例えば、ユーザが実際にアバターを操作してダンス等のパフォーマンスのライブ配信を行うことが挙げられる。また、実活動中のアバターの活動内容として、例えば、ユーザが実際にアバターを操作して仮想空間上の店舗(仮想店舗)で購買を行い、購入した商品をアバターに使用させることが挙げられる。例えば、ユーザは、衣服や帽子やバッグやアクセサリー等の身にまとうものを仮想店舗で購入してアバターに身に着けさせる。これにより、アバターの外見が変わる。また、実活動中のアバターの活動内容として、例えば、ユーザが実際にアバターを操作して仮想空間上でのコンサートや遊園地や海水浴等のイベントにアバターを参加させることが挙げられる。これにより、例えば、アバターの表情が高揚した表情に変わる。
【0024】
例えば、第1活動情報は、ユーザが実際にはユーザデバイス2を使用してアバターの操作を行っていない時(非実活動中)のアバターの活動内容である。非実活動中のアバターの活動内容としては、例えば、アバターによるダンス等のパフォーマンスの録画を配信することが挙げられる。また、非実活動中のアバターの活動内容として、例えば、仮想空間上での日常生活におけるアバターの属性の変化が挙げられる。アバターの属性は、例えば、アバターのサイズ(例えば、身長など)、アバターのスタイル(例えば、人型、人型以外の動物型、ロボット型、アニメーション調、リアル調など)、アバターの称号、主に活動する仮想空間、所属するコミュニティ、ソーシャルグラフなどである。例えば、ユーザがアバターの属性の設定を変更することによって、それらアバターの属性を変えたり、追加したりする。例えば、アバターの居住地の設定を現在の居住地「東京都の渋谷の街を模して構築された仮想空間(仮想渋谷街)」から別の居住地「米国の未来のタイムズスクエアをテーマにして構築された仮想空間(仮想未来タイムズスクエア)」へ変更することによって、アバターの属性のうち居住地が「仮想渋谷街」から「仮想未来タイムズスクエア」に変わる。例えば、アバターが所属するコミュニティの設定を現在の「コミュニティA」から「コミュニティB」へ変更することによって、アバターの属性のうち所属コミュニティが「コミュニティA」から「コミュニティB」に変わる。さらには、所属コミュニティの変更によってアバターの称号が変更されてもよい。
なお、アバターの属性は、アバターに対応するユーザの現実空間における属性とは独立して設定されるものであってもよい。
【0025】
なお、ユーザ活動情報取得部102は、ユーザのユーザデバイス2からアバターの操作情報を取得し、取得したアバターの操作情報から第1活動情報を特定してもよい。アバターの操作情報は、ユーザの一のアバターを操作する情報であって、当該一のアバターの活動内容を特定することができる情報である。
【0026】
ユーザ活動情報取得部102は、複数の異なる仮想空間サービスを現在利用中のユーザの複数のアバターのうち一のアバターの活動内容を示す第1活動情報を取得する。制御条件判定部110は、ユーザ活動情報取得部102が取得した当該第1活動情報に基づいて、当該第1活動情報に係る一のアバターと、当該ユーザの複数のアバターのうち当該一のアバター以外の他のアバターとの間で所定の変化制御条件210を満たすか否かを判定する。制御部120は、制御条件判定部110が変化制御条件210を満たすと判定した当該他のアバター(制御対象他アバター)の状態を当該第1活動情報に基づいて変化させるための制御情報を、制御対象他アバターの仮想空間サービスを提供する仮想空間サーバ3へ送信する。これにより、制御対象他アバターの状態が当該ユーザの一のアバターの活動内容に基づいて変化する。例えば、当該制御情報は、当該一のアバターの状態の変化を制御対象他アバターの状態に反映させるための制御情報である。これにより、当該一のアバターの状態の変化が制御対象他アバターの状態に反映される。例えば、当該一のアバターの外見や属性の変化が制御対象他アバターに反映される。
なお、ある仮想空間サービスのアバターの状態の変化を他の仮想空間サービスのアバターの状態に反映させることについて、ユーザによる事前の承認を得るようにしてもよい。例えば、仮想空間サービス管理装置1は、ユーザ毎に、アバターの状態を反映させることをユーザが承諾した仮想空間サービスの組合せを示すアバター状態反映承諾情報を保持する。アバター状態反映承諾情報は、ユーザが事前に設定する情報である。アバター状態反映承諾情報は、反映元の仮想空間サービスと反映先の仮想空間サービスとが指定されてもよく、又は反映元と反映先が区別されずに単に仮想空間サービスの組合せが指定されてもよい。仮想空間サービス管理装置1は、ユーザ毎に、アバター状態反映承諾情報に基づいて、反映元の仮想空間サービスと反映先の仮想空間サービスとの関係がユーザにより事前に承認されている場合に当該反映元の仮想空間サービスのアバターの状態の変化を当該反映先の仮想空間サービスのアバターの状態に反映させる、一方、承認されていない場合には当該反映元の仮想空間サービスのアバターの状態の変化を当該反映先の仮想空間サービスのアバターの状態に反映させない。
【0027】
アバター表示情報取得部111は、アバター表示情報を取得する。アバター表示情報は、ユーザデバイス2におけるユーザのアバターの表示状態を示す情報である。アバター表示情報取得部111は、アバター表示情報を、ユーザデバイス2から取得してもよく、又は仮想空間サーバ3から取得してもよい。
【0028】
制御部120は、アバター表示情報取得部111が取得したアバター表示情報に基づいて、制御対象他アバターが表示されていない場合に、制御対象他アバターの仮想空間サービスを提供する仮想空間サーバ3へ、制御対象他アバターの状態を変化させるための制御情報を送信してもよい。これにより、制御対象他アバターの状態を、制御対象他アバターがユーザデバイス2で表示されていない時に変化させることができる。例えば、制御対象他アバターの外見を、ユーザデバイス2で表示されていない時に変化させることができる。これにより、ユーザがユーザデバイス2で制御対象ユーザを視認している時に、突然、制御対象他アバターの外見が変わることを防ぐことができるので、ユーザに対して制御対象他アバターの外見の変化を円滑に行うことができる。
【0029】
また、ユーザ活動情報取得部102は、各仮想空間サービス#1,#2,・・・,#nから、各仮想空間サービスにおいて仮想空間サービス利用要求の要求元ユーザの現在の利用状況(利用中か否か)を示す第2活動情報を取得する。
【0030】
制御部120は、各仮想空間サーバから取得した仮想空間サービス利用要求の要求元ユーザの第2活動情報と当該要求元ユーザに対応する所定の利用条件とに基づいて当該仮想空間サービス利用要求の可否を判定する。第2利用条件は、仮想空間サービス利用要求の要求元ユーザが複数の異なる仮想空間サービスを同時に利用するための利用条件である。例えば、第2利用条件は、ユーザの同時に利用中の仮想空間サービス数の上限数である。
【0031】
記憶部200は、各種の情報を記憶する。記憶部200は、ユーザ管理情報201と、複数サービス利用ユーザ情報202と、変化制御条件210とを記憶する。
【0032】
図3は、本実施形態に係るユーザ管理情報201の構成例を示す図である。
図3の例では、複数の異なるユーザ毎に、管理用ユーザIDと、仮想空間サービス毎のユーザIDと、アバターの識別情報(アバターID)とがユーザ管理情報201に格納される。
【0033】
管理用ユーザIDは、全ての仮想空間サービスに共通のユーザ管理用のユーザIDである。管理用ユーザIDは、仮想空間サービス管理装置1へのユーザ登録時に付与される。例えば、ユーザAには管理用ユーザID「管理用ユーザid_A」が付与されている。例えば、ユーザBには管理用ユーザID「管理用ユーザid_B」が付与されている。
【0034】
仮想空間サービス毎のユーザIDは、ユーザが登録している各仮想空間サービスにおけるユーザIDである。例えば、ユーザAは、2個の仮想空間サービス#1,#2に登録しているので、当該2個の仮想空間サービス#1,#2毎のユーザID「SUID_1A」,「SUID_2A」がユーザAの管理用ユーザID「管理用ユーザid_A」に関連付けてユーザ管理情報201に格納されている。例えば、ユーザBは、m個の仮想空間サービス#1,#3,・・・に登録しているので、当該m個の仮想空間サービス#1,#3,・・・毎のユーザID「SUID_1B」,「SUID_3B」,・・・がユーザBの管理用ユーザID「管理用ユーザid_B」に関連付けてユーザ管理情報201に格納されている。
【0035】
アバターIDは、複数の異なる仮想空間サービスで同時に利用可能なアバターのアバターIDである。例えば、ユーザAが2個の仮想空間サービス#1,#2で同時に利用可能なアバターのアバターID「アバターid_A」がユーザAの管理用ユーザID「管理用ユーザid_A」に関連付けてユーザ管理情報201に格納されている。例えば、ユーザBがm個の仮想空間サービス#1,#3,・・・で同時に利用可能なアバターのアバターID「アバターid_B」がユーザBの管理用ユーザID「管理用ユーザid_B」に関連付けてユーザ管理情報201に格納されている。
【0036】
図4は、本実施形態に係る複数サービス利用ユーザ情報202の構成例を示す図である。
図4の例では、ユーザ毎に、管理用ユーザIDと、現在利用中の仮想空間サービス数と、現在利用中の仮想空間サービスにおける活動情報とが複数サービス利用ユーザ情報202に格納される。
【0037】
変化制御条件210は、複数の異なる仮想空間サービスを現在利用中のユーザの当該複数の異なる仮想空間サービスそれぞれのアバターのうち、一のアバターの第1活動情報に基づいて当該一のアバター以外の他のアバターの状態を変化させるための条件である。変化制御条件210の例を以下に挙げる。
【0038】
変化制御条件210は、例えば、アバター間の活動の整合性の条件である。例えば、同じ種類の活動を行っているアバター間では状態の変化を許可し、同じ種類の活動を行っていないアバター間では状態の変化を許可しないことが挙げられる。活動の種類として、例えば、購買、イベント参加、日常生活などが挙げられる。
例えば、購買中の一のアバターの状態の変化(例えば、購入した衣装の着用など)は、同じく購買中の他のアバターのみにしか反映させない。これにより、ユーザに対してアバターの外見の変化に違和感を感じさせないようにすることができる。
例えば、イベント参加中の一のアバターの状態の変化(例えば、高揚した表情への変化など)は、同じくイベント参加中の他のアバターのみにしか反映させない。これにより、ユーザに対してアバターの表情の変化に違和感を感じさせないようにすることができる。
例えば、日常生活中の一のアバターの属性の変化(例えば、居住地の変更など)は、同じく日常生活中の他のアバターのみにしか反映させない。これにより、ユーザに対してアバターの属性の変化に違和感を感じさせないようにすることができる。
【0039】
変化制御条件210は、例えば、アバター間の外見の整合性の条件である。例えば、人型のアバター間では状態の変化を許可するが、一方が人型でもう一方が人以外の動物やロボットなど人型ではないアバター間では状態の変化を許可しないことが挙げられる。
変化制御条件210は、例えば、仮想空間の間の整合性の条件である。例えば、同一の仮想空間サービス事業者が提供する仮想空間サービス間では状態の変化を許可するが、異なる仮想空間サービス事業者が提供する仮想空間サービス間では状態の変化を許可しないことが挙げられる。例えば、仮想空間の構築仕様が同じである仮想空間サービス間では状態の変化を許可するが、仮想空間の構築仕様が異なる仮想空間サービス間では状態の変化を許可しないことが挙げられる。例えば、現代の現実世界を再現する仮想空間サービス間では状態の変化を許可するが、古代の現実世界を再現する仮想空間サービス間では状態の変化を許可しないことが挙げられる。
変化制御条件210は、例えば、仮想空間の間の主従関係の整合性の条件である。例えば、ユーザが主に活動している仮想空間サービス(主仮想空間サービス)のアバターの状態の変化は、主仮想空間サービス以外の他の仮想空間サービス(従仮想空間サービス)のアバターの状態に反映させるが、従仮想空間サービスのアバターの状態の変化は主仮想空間サービスのアバターの状態に反映させないことが挙げられる。主仮想空間サービスは、例えば、ユーザが設定してもよく、又は仮想空間サービス管理装置1がユーザの利用(利用継続時間や利用回数等)が最も多い仮想空間サービスを主仮想空間サービスに設定してもよい。主仮想空間サービスは、例えば、仮想空間の種類によって自動的に決定されてもよい。例えば、仮想空間サービス管理装置1は、ユーザのアバターの居住地に設定された地域を再現する仮想空間を提供する仮想空間サービスを主仮想空間サービスに設定し、ユーザのアバターの居住地に設定された地域以外の他の地域(例えば、別荘地や観光地等)を再現する仮想空間を提供する仮想空間サービスを従仮想空間サービスに設定してもよい。
【0040】
なお、変化制御条件210は、仮想空間サービス管理装置1が管理する全ての仮想空間サービスで共通であってもよい。又は、変化制御条件210は、アバターの状態の変化を反映させる対象の仮想空間サービス間に対して、仮想空間サービス管理装置1が当該対象の仮想空間サービス間の関係性に基づいて自動的に決定してもよい。又は、変化制御条件210は、ユーザが各仮想空間サービスに対して任意に変化制御条件210を設定できるようにしてもよい。
【0041】
次に
図5、
図6を参照して本実施形態に係る仮想空間サービス管理方法について説明する。
図5、
図6は、本実施形態に係る仮想空間サービス管理方法の手順の例を示すシーケンス図である。
【0042】
(仮想空間サービス管理方法の例1)
図5を参照して仮想空間サービス管理方法の例1を説明する。
【0043】
(ステップS101) 仮想空間サービス管理装置1のユーザ活動情報取得部102は、各仮想空間サーバ3から、各仮想空間サービス#1,#2,・・・,#nを現在利用中のユーザについて仮想空間サービス毎のユーザID及び現在の活動内容を示す第1活動情報を取得する。このユーザ活動情報取得部102の情報取得間隔は一定の間隔(例えば5分間隔)である。
【0044】
(ステップS102) ユーザ活動情報取得部102は、ステップS101で取得した仮想空間サービス毎のユーザIDに関連付けられている管理用ユーザIDを、ユーザ管理情報201から取得する。次いで、ユーザ活動情報取得部102は、ユーザ管理情報201から取得した管理用ユーザID毎に、ステップS101で取得した仮想空間サービス毎のユーザIDの個数を数える。次いで、ユーザ活動情報取得部102は、当該管理用ユーザID毎に、当該仮想空間サービス毎のユーザIDの個数を現在利用中の仮想空間サービス数として複数サービス利用ユーザ情報202に記録する。これにより、複数サービス利用ユーザ情報202において、各ユーザの現在利用中の仮想空間サービス数がユーザ活動情報取得部102の情報取得間隔(例えば5分間隔)で更新される。
【0045】
また、ユーザ活動情報取得部102は、ステップS101で仮想空間サービス毎のユーザIDと共に取得した第1活動情報を、該当の管理用ユーザIDに関連付けて複数サービス利用ユーザ情報202に記録する。これにより、複数サービス利用ユーザ情報202において、各ユーザの第1活動情報がユーザ活動情報取得部102の情報取得間隔(例えば5分間隔)で更新される。
【0046】
(ステップS103) 仮想空間サービス管理装置1の制御条件判定部110は、複数サービス利用ユーザ情報202に記録された制御対象ユーザの第1活動情報に基づいて、当該第1活動情報に係る一のアバターと、制御対象ユーザが現在利用中の複数の異なる仮想空間サービスにおける制御対象ユーザの複数のアバターのうち当該一のアバター以外の他のアバターとの間で変化制御条件210を満たすか否かを判定する。制御対象ユーザは、複数の異なる仮想空間サービスを現在利用中の一のユーザである。
【0047】
(ステップS104) 仮想空間サービス管理装置1の制御部120は、制御条件判定部110が変化制御条件210を満たすと判定した当該他のアバター(制御対象他アバター)の状態を当該第1活動情報に基づいて変化させるための制御情報を、制御対象他アバターの仮想空間サービスを提供する仮想空間サーバ3へ送信する。この制御情報の送信方法として、制御対象他アバターが複数存在する場合に、制御情報を、当該複数の制御対象他アバターの仮想空間サービスをそれぞれ提供する複数の仮想空間サーバへ一斉に送信してもよい。これにより、当該複数の仮想空間サービスの制御対象他アバターの状態を一斉に変化させることができる。
【0048】
(ステップS105) 仮想空間サービス管理装置1の制御部120は、当該制御情報を送信後、制御対象他アバターの状態を変化させたことの通知を制御対象ユーザのユーザデバイス2へ送信する。
【0049】
(仮想空間サービス管理方法の例2)
図6を参照して仮想空間サービス管理方法の例2を説明する。
図6において
図5の各ステップに対応する部分には同一の符号を付け、その説明を省略する。
【0050】
ステップS101-S103は、上述した
図5の仮想空間サービス管理方法の例1と同様である。次いでステップS111が実行される。
【0051】
(ステップS111) 仮想空間サービス管理装置1のアバター表示情報取得部111は、制御対象ユーザのユーザデバイス2からアバター表示情報を取得する。なお、ここでは、ユーザデバイス2からアバター表示情報を取得するが、仮想空間サーバ3から制御対象ユーザのアバター表示情報を取得してもよい。
【0052】
(ステップS112) 仮想空間サービス管理装置1の制御部120は、アバター表示情報取得部111が取得したアバター表示情報に基づいて、制御対象他アバターがユーザデバイス2で表示されているか否かを判定する。
【0053】
(ステップS104a) 制御部120は、ステップS112の判定の結果、制御対象他アバターがユーザデバイス2で表示されていない場合に、制御対象他アバターの状態を変化させるための制御情報を、制御対象他アバターの仮想空間サービスを提供する仮想空間サーバ3へ送信する。なお、制御対象他アバターが複数存在する場合は、ステップS112の判定の結果、ユーザデバイス2で表示されていない制御対象他アバターのみを制御情報の送信対象にしてもよい。又は、ステップS112の判定の結果、全ての制御対象他アバターがユーザデバイス2で表示されていないときのみに、全ての制御対象他アバターにそれぞれ対応する複数の仮想空間サーバ3へ制御情報を送信(例えば一斉送信)してもよい。
【0054】
次いで上述した
図5の仮想空間サービス管理方法の例1と同様にステップS105が実行される。
【0055】
なお、上述した仮想空間サービス管理方法の例1,例2では、ユーザ活動情報取得部102が各仮想空間サービス#1,#2,・・・,#nから第1活動情報を取得したが、ユーザ活動情報取得部102は、ユーザのユーザデバイス2からアバターの操作情報を取得し、取得したアバターの操作情報から第1活動情報を特定してもよい。
【0056】
上述した実施形態によれば、ユーザが複数の異なる仮想空間サービスにおいて同時に活動している状況を管理することができる。また、複数の異なる仮想空間サービスを現在利用中のユーザの当該複数の異なる仮想空間サービスそれぞれのアバターのうち、一のアバターの第1活動情報に基づいて当該一のアバター以外の他のアバターの状態を変化させることができる。これにより、ユーザが同時に活動している複数の異なる仮想空間サービス間で当該ユーザの活動の関連付けを図る効果が得られる。
【0057】
なお、これにより、例えば仮想空間サービスシステムにおける総合的なサービス品質の向上を実現することができることから、国連が主導する持続可能な開発目標(SDGs)の目標9「レジリエントなインフラを整備し、持続可能な産業化を推進するとともに、イノベーションの拡大を図る」に貢献することが可能となる。
【0058】
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
【0059】
また、上述した各装置の機能を実現するためのコンピュータプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行するようにしてもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものであってもよい。また、「コンピュータシステム」は、WWWシステムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、フラッシュメモリ等の書き込み可能な不揮発性メモリ、DVD(Digital Versatile Disc)等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。
【0060】
さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory))のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。
また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。
また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【符号の説明】
【0061】
1…仮想空間サービス管理装置、2…ユーザデバイス、3…仮想空間サーバ、101…受付部、102…ユーザ活動情報取得部、110…制御条件判定部、111…アバター表示情報取得部、120…制御部、200…記憶部、NW…通信ネットワーク
【要約】
【課題】ユーザが同時に活動している複数の異なる仮想空間サービス間で当該ユーザの活動の関連付けを図る。
【解決手段】複数の異なる仮想空間サービスを現在利用中のユーザの複数のアバターのうち一のアバターの活動内容を示す活動情報を取得するユーザ活動情報取得部と、活動情報に基づいて一のアバターと他のアバターとの間で所定の変化制御条件を満たすか否かを判定する制御条件判定部と、制御条件判定部が変化制御条件を満たすと判定した他のアバターの状態を活動情報に基づいて変化させるための制御情報を、当該他のアバターの仮想空間サービスを提供する仮想空間サーバへ送信する制御部と、を備える。
【選択図】
図2