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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-27
(45)【発行日】2023-08-04
(54)【発明の名称】発光装置及び照明装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 33/00 20100101AFI20230728BHJP
   H05B 45/10 20200101ALI20230728BHJP
   H05B 45/20 20200101ALI20230728BHJP
   H05B 47/155 20200101ALI20230728BHJP
   H05B 45/40 20200101ALI20230728BHJP
   H05B 45/345 20200101ALI20230728BHJP
   H05B 45/395 20200101ALI20230728BHJP
【FI】
H01L33/00 J
H05B45/10
H05B45/20
H05B47/155
H05B45/40
H05B45/345
H05B45/395
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2022507185
(86)(22)【出願日】2021-03-08
(86)【国際出願番号】 JP2021009026
(87)【国際公開番号】W WO2021182408
(87)【国際公開日】2021-09-16
【審査請求日】2022-07-20
(31)【優先権主張番号】P 2020040040
(32)【優先日】2020-03-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000131430
【氏名又は名称】シチズン電子株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000001960
【氏名又は名称】シチズン時計株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100180806
【弁理士】
【氏名又は名称】三浦 剛
(74)【代理人】
【識別番号】100160716
【弁理士】
【氏名又は名称】遠藤 力
(72)【発明者】
【氏名】堺 圭亮
【審査官】村井 友和
(56)【参考文献】
【文献】特表2014-507711(JP,A)
【文献】特開2016-129126(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0200229(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2011/0037407(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 33/00
H05B 45/10
H05B 45/20
H05B 45/30
H05B 45/345
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一対の電極対と、
前記一対の電極対から電流が供給されたときに、光を出射する第1発光素子群と、
前記第1発光素子群に並列接続され、前記一対の電極対から電流が供給されたときに、光を出射する第2発光素子群と、
前記第1発光素子群に流れる第1電流の電流値と前記第2発光素子群に流れる第2電流の電流値が所定の比率となるように、前記第1電流及び前記第2電流の電流値の一方を制御するために使用される基準電圧を生成する基準電圧生成回路と、
前記基準電圧に基づいて、前記第1電流及び前記第2電流の一方を制御し、前記第1電流及び前記第2電流の他方を制御しない電流制御回路と、
を有することを特徴とする発光装置。
【請求項2】
前記基準電圧は、前記第2電流の電流値を制御するために使用される第2基準電圧を含み、
前記電流制御回路は、前記第2基準電圧に基づいて、前記第2電流の電流値が前記第1電流の電流値に対して所定の比率となるように、前記第2電流を制御する第2電流制御回路を含む、請求項1に記載の発光装置。
【請求項3】
前記第1発光素子群は、第1の色の光を出射し、
前記第2発光素子群は、前記第1の色と異なる第2の色の光を出射する、請求項2に記載の発光装置。
【請求項4】
前記第1発光素子群及び前記第2発光素子群に並列接続され、前記一対の電極対から電流が供給されたときに、前記第1の色及び前記第2の色の何れとも異なる第3の色の光を出射する第3発光素子群と、
前記第3発光素子群に流れる第3電流の電流値が前記第1電流の電流値に対して所定の比率となるように、前記第3電流を制御する第3電流制御回路と、を更に有し、
前記基準電圧は、前記第3電流の電流値を制御するために使用される第3基準電圧を更に含む、請求項3に記載の発光装置。
【請求項5】
前記基準電圧生成回路は、前記第1発光素子群に直列接続された第2抵抗対を有し、前記第2抵抗対により分圧された分圧電圧を前記第2基準電圧として前記第2電流制御回路に出力する、請求項4に記載の発光装置。
【請求項6】
前記第2抵抗対に含まれる一方の抵抗は、可変抵抗である、請求項5に記載の発光装置。
【請求項7】
前記第2電流制御回路は、
第2発光素子群の最終段の発光素子に一端が接続された第2スイッチと、
前記第2スイッチの他端に一端が接続された第2検出抵抗と、
入力される前記第2基準電圧と、前記第2検出抵抗に印加される第2検出電圧とを比較して、前記第2基準電圧が前記第2検出電圧と一致するように、前記第2スイッチを制御する第2コンパレータと、
を有する、請求項5又は6に記載の発光装置。
【請求項8】
前記基準電圧生成回路は、前記第2抵抗対に並列接続された第3抵抗対を更に有し、前記第3抵抗対により分圧された分圧電圧を前記第3基準電圧として前記第3電流制御回路に出力する、請求項5~7の何れか一項に記載の発光装置。
【請求項9】
前記第3抵抗対に含まれる一方の抵抗は、可変抵抗である、請求項8に記載の発光装置。
【請求項10】
前記第1発光素子群、前記第2発光素子群及び前記第3発光素子群に並列接続され、前記一対の電極対から電流が供給されたときに、前記第1の色、前記第2の色及び前記第3の色の何れとも異なる第4の色の光を出射する第4発光素子群と、
前記第4発光素子群に流れる第4電流の電流値が前記第1電流の電流値に対して所定の比率となるように、前記第3電流を制御する第4電流制御回路と、を更に有し、
前記基準電圧は、前記第4電流の電流値を制御するために使用される第4基準電圧を更に含み、
前記第1の色の光は、白色である、請求項4に記載の発光装置。
【請求項11】
前記電流制御回路は、
前記第1電流の電流値が前記第2電流の電流値に対して所定の比率となるように、前記第1電流を制御可能な第1電流制御回路と、
前記第2電流の電流値が前記第1電流の電流値に対して所定の比率となるように、前記第2電流を制御可能な第2電流制御回路と、を含み、
前記基準電圧生成回路は、前記第1電流及び前記第2電流の一方の電流値が、前記第1電流及び前記第2電流の他方の電流値に対して所定の比率となるように、前記基準電圧を生成する、請求項1に記載の発光装置。
【請求項12】
前記第1発光素子群は、第1の色の光を出射し、
前記第2発光素子群は、前記第1の色と異なる第2の色の光を出射する、請求項11に記載の発光装置。
【請求項13】
電流値が制御される前記第1発光素子群及び前記第2発光素子群の一方の順電圧は、電流値が制御されない前記第1発光素子群及び前記第2発光素子群の他方の順電圧よりも低く、
前記基準電圧生成回路は、前記第1電流及び前記第2電流の電流値が所望の値になるように、前記基準電圧を生成する、請求項11に記載の発光装置。
【請求項14】
前記基準電圧生成回路は、前記第1発光素子群に直列接続され第2抵抗対、及び前記第2抵抗対に並列接続された第3抵抗対を有し、
前記第2抵抗対及び前記第3抵抗対のそれぞれの一方の抵抗は、前記第2抵抗対の他方に接続される第1接点、前記第3抵抗対の他方に接続される第2接点、前記第1接点と前記第2接点との間に配置される抵抗体、前記抵抗体の任意の場所に接続可能な可動接点、及び前記可動接点に接続される第3接点により一体化される、請求項4に記載の発光装置。
【請求項15】
内歯車が形成される操作部材と、
円柱状の軸部、前記軸部の一端に配置され、前記内歯車に螺合される第1歯車、及び前記軸部の一端に配置される第2歯車を有する回転部材と、
前記第2歯車に螺合される第3歯車を有し、前記第3歯車が回転することに応じて、第2発光素子群に流れる電流の比率と、第3発光素子群に流れる電流の比率とを調整する電流調整部と、
請求項14に記載の発光装置と、を有し、
第1方向に前記操作部材が回転されることに応じて前記第3歯車が回転すると、前記可動接点は、前記第1接点と前記可動接点との間の抵抗が減少し且つ前記第2接点と前記可動接点との間の抵抗が増加するように移動し、
前記第1方向に反対の第2方向に前記操作部材が回転されることに応じて前記第3歯車が回転すると、前記可動接点は、前記第1接点と前記可動接点との間の抵抗が増加し且つ前記第2接点と前記可動接点との間の抵抗が減少するように移動する、照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、発光装置及び照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
複数対の電極対のそれぞれから発光ダイオード(Light Emitting Diode、LED)等の複数の発光素子列に別個に電流を供給することで、複数の発光素子列の発光を独立して駆動する発光装置が知られている(例えば、特開2016-119381号公報及び特開2017-120897号公報を参照)。特開2016-119381号公報及び特開2017-120897号公報に記載される発光装置は、複数の電極対から供給される電流の電流値を調整することで、出射する光の色度を調整することができる。しかしながら、特開2016-119381号公報及び特開2017-120897号公報に記載される発光装置は、複数の電極対から発光素子列に電流を供給するため、電極の領域が大きくなり発光装置のサイズが大きくなると共に、配線パターンの形状が複雑となり設計コストが上昇するおそれがある。
【0003】
国際公開第2016/039344号には、一対の電極対と、一対の電極対から電流が供給される2列のLED列と、2列のLED列の一方のLED列に低電圧時のみに電流を流すように電流を制御する電流制御回路とを有するLED発光装置が記載されている。国際公開第2016/039344号に記載されるLED発光装置は、一対の電極対から2列のLED列に一括して電流を供給すると共に、一方のLED列に低電圧時のみに電流を流すように電流を制御することで、白熱電極の調光時の発光色の変化を実現できる。
【発明の概要】
【0004】
しかしながら、国際公開第2016/039344号に記載される発光装置では、印加される電圧が高くなると、2列のLED列の一方に電流が流れなくなり、2列のLED列の双方に含まれるLEDから出射される光を混合した光が出射されない。
【0005】
本開示は、このような課題を解決するものであり、一対の電極対から複数の発光素子列に供給される電流の電流値を所定の比率に設定可能な発光装置を提供することを目的とする。
【0006】
本開示に係る発光装置は、一対の電極対と、一対の電極対から電流が供給されたときに、光を出射する第1発光素子群と、第1発光素子群に並列接続され、一対の電極対から電流が供給されたときに、光を出射する第2発光素子群と、第1発光素子群に流れる第1電流の電流値と第2発光素子群に流れる第2電流の電流値が所定の比率となるように、第1電流及び第2電流の電流値の一方を制御するために使用される基準電圧を生成する基準電圧生成回路と、基準電圧に基づいて、第1電流及び第2電流の一方を制御し、第1電流及び第2電流の他方を制御しない電流制御回路とを有する。
【0007】
さらに、本開示に係る発光装置では、基準電圧は、第2電流の電流値を制御するために使用される第2基準電圧を含み、電流制御回路は、第2基準電圧に基づいて、第2電流の電流値が第1電流の電流値に対して所定の比率となるように、第2電流を制御する第2電流制御回路を含むことが好ましい。
【0008】
さらに、本開示に係る発光装置では、第1発光素子群は、第1の色の光を出射し、第2発光素子群は、第1の色と異なる第2の色の光を出射することが好ましい。
【0009】
さらに、本開示に係る発光装置は、第1発光素子群及び第2発光素子群に並列接続され、一対の電極対から電流が供給されたときに、第1の色及び第2の色の何れとも異なる第3の色の光を出射する第3発光素子群と、第3発光素子群に流れる第3電流の電流値が第1電流の電流値に対して所定の比率となるように、第3電流を制御する第3電流制御回路と、を更に有し、基準電圧は、第3電流の電流値を制御するために使用される第3基準電圧を更に含むことが好ましい。
【0010】
さらに、本開示に係る発光装置では、基準電圧生成回路は、第1発光素子群に直列接続された第2抵抗対を有し、第2抵抗対により分圧された分圧電圧を第2基準電圧として第2電流制御回路に出力することが好ましい。
【0011】
さらに、本開示に係る発光装置では、第2抵抗対に含まれる一方の抵抗は、可変抵抗であることが好ましい。
【0012】
さらに、本開示に係る発光装置では、第2電流制御回路は、第2発光素子群の最終段の発光素子に一端が接続された第2スイッチと、第2スイッチの他端に一端が接続された第2検出抵抗と、入力される第2基準電圧と、第2検出抵抗に印加される第2検出電圧とを比較して、第2基準電圧が第2検出電圧と一致するように、第2スイッチを制御する第2コンパレータとを有することが好ましい。
【0013】
さらに、本開示に係る発光装置では、基準電圧生成回路は、第2抵抗対に並列接続された第3抵抗対を更に有し、第3抵抗対により分圧された分圧電圧を第3基準電圧として第3電流制御回路に出力することが好ましい。
【0014】
さらに、本開示に係る発光装置では、第3抵抗対に含まれる一方の抵抗は、可変抵抗であることが好ましい。
【0015】
さらに、本開示に係る発光装置は、第1発光素子群、第2発光素子群及び第3発光素子群に並列接続され、一対の電極対から電流が供給されたときに、第1の色、第2の色及び第3の色の何れとも異なる第4の色の光を出射する第4発光素子群と、第4発光素子群に流れる第4電流の電流値が第1電流の電流値に対して所定の比率となるように、第3電流を制御する第4電流制御回路とを更に有し、基準電圧は、第4電流の電流値を制御するために使用される第4基準電圧を更に含み、第1の色の光は、白色であることが好ましい。
【0016】
さらに、本開示に係る発光装置では、基準電圧生成回路は、第1電流の電流値が第2電流の電流値に対して所定の比率となるように、第1電流を制御可能な第1電流制御回路と、第2電流の電流値が第1電流の電流値に対して所定の比率となるように、第2電流を制御可能な第2電流制御回路と、を含み、基準電圧生成回路は、第1電流及び第2電流の一方の電流値が、第1電流及び第2電流の他方の電流値に対して所定の比率となるように、基準電圧を生成することが好ましい。
【0017】
さらに、本開示に係る発光装置では、第1発光素子群は、第1の色の光を出射し、第2発光素子群は、第1の色と異なる第2の色の光を出射することが好ましい。
【0018】
さらに、本開示に係る発光装置では、電流値が制御される第1発光素子群及び第2発光素子群の一方の順電圧は、電流値が制御されない第1発光素子群及び第2発光素子群の他方の順電圧よりも低く、基準電圧生成回路は、第1電流及び第2電流の電流値が所望の値になるように、基準電圧を生成することが好ましい。
【0019】
また、本開示に係る発光装置は、一対の電極対と、並列接続され、一対の電極対から電流が供給されたときに、それぞれが光を出射する複数の発光素子群と、複数の発光素子群のそれぞれにコレクタ及びエミッタの何れか一方が接続された複数のトランジスタと、複数のトランジスタのそれぞれのベースとコレクタとの間を短絡又は解放する切換素子とを有する。
【0020】
さらに、本開示に係る発光装置では、複数のトランジスタの何れか1つは切換素子を介してベースとコレクタとの間が短絡され、複数のトランジスタの他のトランジスタは切換素子を介してベースとコレクタとの間が開放されることが好ましい。
【0021】
さらに、本開示に係る発光装置では、切換素子を介してベースとコレクタとの間が短絡されたトランジスタに直列接続された発光素子群の順電圧は、ベースとコレクタとの間が開放されたトランジスタに直列接続された発光素子群の順電圧よりも高いことが好ましい。
【0022】
さらに、本開示に係る発光装置では、基準電圧生成回路は、第1発光素子群に直列接続され第2抵抗対、及び第2抵抗対に並列接続された第3抵抗対を有し、第2抵抗対及び第3抵抗対のそれぞれの一方の抵抗は、第2抵抗対の他方に接続される第1接点、第3抵抗対の他方に接続される第2接点、第1接点と第2接点との間に配置される抵抗体、抵抗体の任意の場所に接続可能な可動接点、及び可動接点に接続される第3接点により一体化されることが好ましい。
【0023】
本開示に係る照明装置は、内歯車が形成される操作部材と、円柱状の軸部、軸部の一端に配置され、内歯車に螺合される第1歯車、及び軸部の一端に配置される第2歯車を有する回転部材と、第2歯車に螺合される第3歯車を有し、第3歯車が回転することに応じて、第2発光素子群に流れる電流の比率と、第3発光素子群に流れる電流の比率とを調整する電流調整部と、上記の発光装置とを有し、第1方向に操作部材が回転されることに応じて第3歯車が回転すると、可動接点は、第1分圧抵抗が減少し且つ第3分圧抵抗が増加するように移動し、第1方向に反対の第2方向に操作部材が回転されることに応じて第3歯車が回転すると、可動接点は、第1分圧抵抗が増加し且つ第3分圧抵抗が減少するように移動する。
【0024】
本開示に係る発光装置は、一対の電極対から複数の発光素子列に供給される電流の電流値を所定の比率に設定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】第1実施形態に係る発光装置を搭載する照明装置の斜視図である。
図2図1に示す照明装置の分解斜視図である。
図3】第1実施形態に係る発光装置の回路ブロック図である。
図4】第2実施形態に係る発光装置を搭載する照明装置の斜視図である。
図5図4に示す照明装置が有する発光装置、拡散部材及び電流調整部の透視斜視図である。
図6】第2実施形態に係る発光装置の回路ブロック図である。
図7図6に示す第1分圧抵抗及び第3分圧抵抗を示す図である。
図8図6に示す第1分圧抵抗及び第3分圧抵抗の抵抗比率を変化させたときの第1電流、第2電流及び第3電流のそれぞれの電流比率の変化を示す図である。
図9図6に示す発光装置から出射される光の光学特性を示す色度図である。
図10】第3実施形態に係る発光装置の回路ブロック図である。
図11図10に示す第1分圧抵抗及び第3分圧抵抗を示す図である。
図12図10に示す発光装置から出射される光の光学特性を示す色度図である。
図13】第4実施形態に係る発光装置の回路ブロック図である。
図14】第1基準電圧、第2基準電圧及び第3基準電圧を変化させたときに、図7に示す発光装置が出射する光の色度の変化を示す色度図である。
図15】第5実施形態に係る発光装置の回路ブロック図である。
図16図15に示す発光装置から出射される光の光学特性を示す色度図である。
図17】第6実施形態に係る発光装置の回路ブロック図である。
図18】(a)は従来の発光装置の発光状態の一例を示す図であり、(b)は発光装置6の発光状態の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、図面を参照して、本開示に係る発光装置について説明する。ただし、本開示の技術的範囲はそれらの実施の形態には限定されず、請求の範囲に記載された発明とその均等物に及ぶ点に留意されたい。
【0027】
(第1実施形態に係る発光装置を搭載する照明装置の構成及び機能)
図1は第1実施形態に係る発光装置を搭載する照明装置の斜視図であり、図2図1に示す照明装置の分解斜視図である。
【0028】
第1実施形態に係る照明装置110は、第1筐体111と、第2筐体112と、コネクタ113と、放熱シート114と、発光装置1と、第1反射部材115と、拡散部材116と、封止部材117と、第2反射部材118とを有するダウンライトである。
【0029】
第1筐体111は、アルミニウム等の熱伝導率が高い金属を絞り加工することにより形成され、第2筐体112、放熱シート114、発光装置1及び第1反射部材115を収容する。第2筐体112は、ポリブチレンテレフタレート等の絶縁性樹脂材料によって形成される。第2筐体112は、第1筐体111の内壁に沿って配置され、発光装置1に実装される電子部品と第1筐体111との間の絶縁特性を向上させる。なお、第2筐体112は、第1筐体111が発光装置1を支持する支持部に対応する部分に、放熱シート114が挿入可能な孔が形成される。コネクタ113は、外部電源に接続可能な一対の電源端子を有し、発光装置1に実装される電子部品に電力を供給する。
【0030】
放熱シート114は、シリコン樹脂等の熱伝導率が高い合成樹脂材料で形成される放熱材料である。放熱シート114は、第1筐体111と発光装置1との間に配置され、発光装置1が光を出射する間に発生する熱を第1筐体111に放出する。発光装置1は、LED等の発光素子と電子部材が実装され、コネクタ113を介して電源電圧が供給されることに応じて光を出射する。発光装置1は、発光装置1に実装される発光素子に電力を供給する電源供給回路を形成する電子部品が実装される。
【0031】
第1反射部材115は、ポリカーボネート樹脂等の反射率が高い合成樹脂材料で形成される底部に開口部を有する逆円錐状の部材であり、外縁が第1筐体111及び第2筐体112に支持され、発光装置1を覆うように配置される。第1反射部材115の内壁は、発光装置1から出射された光を反射する反射面である。拡散部材116は、ポリカーボネート等の合成樹脂材料で形成される円弧状の部材であり、外縁が第1反射部材115に支持される。拡散部材116は、表面及び裏面の少なくとも一方がシボ加工された拡散面を有し、第1反射部材115を介して発光装置1から入射される光を拡散して出射する。封止部材117は、パッキンとも称され、ニトリルゴム等の合成ゴム材料で形成されたリング状の部材であり、拡散部材116と、第2反射部材118との間に配置される。第2反射部材118は、アルミニウム等の高反射部材で形成されたすり鉢状の部材であり、封止部材117を介して拡散部材116に支持されると共に、外縁が第1筐体111に支持される。第2反射部材118の内壁57は、発光装置1から出射された光を反射する反射面である。
【0032】
(第1実施形態に係る発光装置の構成および機能)
図3は、第1実施形態に係る発光装置の回路ブロック図である。図3に示す第1実施形態に係る発光装置の構成要素は、図2に示す単一の回路基板1aに実装される。
【0033】
発光装置1は、電源供給回路10と、第1発光素子群11と、第2発光素子群12と、第3発光素子群13と、基準電圧生成回路20と、第2電流制御回路30と、第3電流制御回路35と、第1電極101と、第2電極102とを有する。
【0034】
電源供給回路10は、供給抵抗103と、供給ツェナーダイオード104と、供給トランジスタ105と、供給コンデンサ106を有し、第2電流制御回路30及び第3電流制御回路35が有するオペアンプ33及び38の電源電圧Vddを生成する。
【0035】
供給抵抗103の一端は第1電極101に接続され、供給抵抗103の他端は供給ツェナーダイオード104のカソード及び供給トランジスタ105のベースに接続される。供給ツェナーダイオード104のアノードは第2電極102に接続される。供給トランジスタ105のコレクタは第1電極に接続され、供給トランジスタ105のエミッタは供給コンデンサ106の一端に接続される。供給コンデンサ106の他端は第2電極102に接続される。
【0036】
電源供給回路10は、供給コンデンサ106を充電することにより、所定の電圧値を有する電源電圧Vddを第2電流制御回路30及び第3電流制御回路35が有するオペアンプ33及び38に供給する。
【0037】
第1発光素子群11は、直列接続された6個の第1発光素子14により形成された3つの第1発光素子列15を含む。複数の第1発光素子14のそれぞれは、例えば緑色である第1の色の光を出射するLEDダイである。第1発光素子列15に含まれる第1発光素子14の数は、1又は2以上でもよく、第1発光素子列15の数は1、2又は4以上であってもよい。また、第1発光素子14は、青色の光を出射するLEDダイと、LEDダイが出射した青色の光を緑色に変換するYAG(Yttrium Aluminum Garnet)等の蛍光体等の光変換材が含有され、且つ、LEDダイを封止する封止材とを有する発光素子であってもよい。
【0038】
第2発光素子群12は、直列接続された4個の第2発光素子16により形成された3つの第2発光素子列17を含む。複数の第2発光素子16のそれぞれは、第1の色である緑色と異なる第2の色、例えば青色の光を出射するLEDダイである。第2発光素子列17に含まれる第2発光素子16の数は、第1発光素子列15に含まれる直列接続された第1発光素子14の数よりも少なければ、1又は2以上でもよく、第2発光素子列17の数は1、2又は4以上であってもよい。
【0039】
第3発光素子群13は、直列接続された4個の第3発光素子18により形成された3つの第3発光素子列19を含む。複数の第3発光素子18のそれぞれは、第1の色である緑色及び第2の色である青色の双方と異なる第3の色、例えば赤色の光を出射するLEDダイである。第3発光素子列19に含まれる第3発光素子18の数は、第1発光素子列15に含まれる直列接続された第1発光素子14の数よりも少なければ、1又は2以上でもよく、第3発光素子列19の数は1、2又は4以上であってもよい。また、第3発光素子18は、青色の光を出射するLEDダイと、LEDダイが出射した青色の光を赤色に変換する蛍光体等のCASN等の光変換材が含有され、且つ、LEDダイを封止する封止材とを有する発光素子であってもよい。
【0040】
基準電圧生成回路20は、第1検出抵抗21と、第2抵抗対22と、第3抵抗対23とを有する分圧回路である。基準電圧生成回路20は、第2発光素子群12に流れる第2電流I2及び第3発光素子群13に流れる第3電流I3の電流値を制御するために使用される第2基準電圧V2及び第3基準電圧V3を生成する。第2電流I2及び第3電流I3は、電流値が第1発光素子群11に流れる第1電流I1の電流値に対して、抵抗21と抵抗32と抵抗37の大きさが等しい場合には、第1電流I1よりも小さい所定の比率となるように、制御される。第1検出抵抗21は、数Ω程度の抵抗値を有する抵抗素子であり、一端が第1発光素子群11に接続され、他端が接地される。第1検出抵抗21は、両端に印加される電圧を第1基準電圧V1として検出する。
【0041】
第2抵抗対22は、第1分圧抵抗24と、第2分圧抵抗25とを有し、第1検出抵抗21に並列接続される。第1分圧抵抗24の一端は第1検出抵抗21の一端と共に第1発光素子群11に接続され、第1分圧抵抗24の他端は第2分圧抵抗25の一端に接続される。第2分圧抵抗25の他端は、第1検出抵抗21の他端と共に接地される。第1分圧抵抗24及び第2分圧抵抗25のそれぞれの抵抗値は、数kΩ程度であり、第1検出抵抗21の抵抗値よりも大きい。
【0042】
第3抵抗対23は、第3分圧抵抗26と、第4分圧抵抗27とを有し、第1検出抵抗21及び第2抵抗対22に並列接続される。第3分圧抵抗26の一端は第1検出抵抗21及び第1分圧抵抗24の一端と共に第1発光素子群11に接続され、第3分圧抵抗26の他端は第4分圧抵抗27の一端に接続される。第4分圧抵抗27の他端は、第1検出抵抗21及び第2分圧抵抗25の他端と共に接地される。第3分圧抵抗26及び第4分圧抵抗27のそれぞれの抵抗値は、数kΩ程度であり、第1分圧抵抗24及び第2分圧抵抗25と同様に第1検出抵抗21の抵抗値よりも大きい。
【0043】
基準電圧生成回路20は、第1分圧抵抗24と第2分圧抵抗25との接続部の電圧を、第2抵抗対22により分圧された分圧電圧である第2基準電圧V2として第2電流制御回路30に出力する。また、基準電圧生成回路20は、第3分圧抵抗26と第4分圧抵抗27との接続部の電圧を、第3抵抗対23により分圧された分圧電圧である第3基準電圧V3として第3電流制御回路35に出力する。
【0044】
第2電流制御回路30は、第2スイッチ31と、第2検出抵抗32と、第2コンパレータ33とを有する。第2スイッチ31は、nMOSFETであり、一端であるドレインが第2発光素子群12に接続され、他端であるソースが第2検出抵抗32の一端に接続され、制御端子であるゲートが第2コンパレータ33の出力端子に接続される。第2検出抵抗32の他端は、接地される。第2コンパレータ33の第1入力端子は、第1分圧抵抗24の他端及び第2分圧抵抗25の一端に接続され、第2基準電圧V2が入力される。第2コンパレータ33の第2入力端子は、第2検出抵抗32の一端に接続され、第2検出抵抗32の両端の電圧である第2検出電圧VD2が入力される。第2コンパレータ33は、入力される第2基準電圧V2と、第2検出抵抗32に印加される第2検出電圧VD2とを比較して、第2基準電圧V2が第2検出電圧VD2と一致するように、第2スイッチ31を制御する。
【0045】
第3電流制御回路35は、第3スイッチ36と、第3検出抵抗37と、第3コンパレータ38とを有する。第3スイッチ36は、nMOSFETであり、一端であるドレインが第3発光素子群13に接続され、他端であるソースが第3検出抵抗37の一端に接続され、制御端子であるゲートが第3コンパレータ38の出力端子に接続される。第3検出抵抗37の他端は、接地される。第3コンパレータ38の第1入力端子は、第3分圧抵抗26の他端及び第4分圧抵抗27の一端に接続され、第3基準電圧V3が入力される。第3コンパレータ38の第2入力端子は、第3検出抵抗37の一端に接続され、第3検出抵抗37の両端の電圧である第3検出電圧VD3が入力される。第3コンパレータ38は、入力される第3基準電圧V3と、第3検出抵抗37に印加される第3検出電圧VD3とを比較して、第3基準電圧V3が第3検出電圧VD3と一致するように、第3スイッチ36を制御する。
【0046】
第1電極101及び第2電極102のそれぞれは、電流源100に接続され、電流源100から供給される電流を第1発光素子群11、第2発光素子群12及び第3発光素子群13のそれぞれに供給する。電流源100は、第1電極101に供給する電流を変更可能な可変定電流電源である。
【0047】
発光装置1は、第2発光素子群12に流れる第2電流I2及び第3発光素子群13に流れる第3電流I3の電流値が第1発光素子群11に流れる第1電流I1の電流値に対して所定の比率となるように、第2電流I2及び第3電流I3を制御する。第2電流制御回路30及び第3電流制御回路35は、第2基準電圧V2及び第3基準電圧V3が第1基準電圧V1に対して所定の比率になるように、第2電流I2及び第3電流I3をフィードバック制御する。第2基準電圧V2及び第3基準電圧V3が第1基準電圧V1に対して所定の比率になることで、第2発光素子群12及び第3発光素子群13に流れる第2電流I2及び第3電流I3は、第1発光素子群11に流れる第1電流I1に対して所定の比率になる。
【0048】
例えば、第2基準電圧V2及び第3基準電圧V3の第1基準電圧V1に対する比率が3/5及び2/5であるとき、第2電流制御回路30及び第3電流制御回路35は、第1電流I1に対する比率が3/5及び2/5となるように第2電流I2及び第3電流I3を制御する。
【0049】
(第1実施形態に係る発光装置の作用効果)
発光装置1は、第2電流I2及び第3電流I3を第1電流I1に対して所定の比率になるように制御することで、第1発光素子群11~第3発光素子群13から出射された光を所望の比率で混合した光を、供給される電流にかかわらず出射することができる。発光装置1は、電流の絶対値ではなく電流の比率を固定するので、調光等で電流源100から入力される電流が変化しても、第1発光素子群11~第3発光素子群13のそれぞれから出射される光の比率は、一定に保たれる。
【0050】
また、発光装置1は、電源供給回路10を含めて電子部品が単一の回路基板1aに実装されるので、他の発光装置が実装された回路基板に回路基板1aを交換することで、照明装置110は、種々の発光装置を同一の筐体内に搭載することができる。
【0051】
(第2実施形態に係る発光装置を搭載する照明装置の構成及び機能)
図4は第2実施形態に係る発光装置を搭載する照明装置の斜視図であり、図5図4に示す照明装置が有する発光装置、拡散部材及び電流調整部の透視斜視図である。
【0052】
第2実施形態に係る照明装置120は、発光装置2、及び上端の近傍に内歯車126aが形成される操作部材の一例である拡散部材126を発光装置1及び拡散部材116の代わり有することが照明装置110と相違する。また、照明装置120は、回転部材121及び電流調整部127を有することが照明装置110と相違する。回転部材121、発光装置2、拡散部材126及び電流調整部127以外の照明装置120の構成要素の構成及び機能は、同一符号が付された照明装置110の構成要素の構成及び機能と同一なので、ここでは詳細な説明は省略する。
【0053】
回転部材121は、軸部122と、第1歯車123と、第2歯車124とを有する。軸部122は、発光装置2の回路基板2aの法線方向に延伸する円柱状の部材であり、第1反射部材115に形成される貫通孔を貫通するように配置される。軸部122は、上端に第1歯車123が配置されると共に、下端に第2歯車124が配置される。第1歯車123は、拡散部材126の上端の内壁に形成される内歯車126aに螺合される。第2歯車124は、軸部122の下端の内部に形成される内歯車であり、電流調整部127に螺合される。
【0054】
電流調整部127は、第2歯車124に螺合する第3歯車128を有し、第3歯車128が回転することに応じて、第2発光素子群12に流れる電流の比率と、第3発光素子群13に流れる電流の比率とを調整する電流調整装置である。
【0055】
矢印Aに示す方向に拡散部材126が操作者によって回転されると、回転部材121を介して第3歯車128が回転して、第2発光素子群12に流れる電流の比率が増加すると共に、第3発光素子群13に流れる電流の比率が減少する。一方、矢印Aに示す方向の反対の方向に拡散部材126が操作者によって回転されると、第2発光素子群12に流れる電流の比率が減少すると共に、第3発光素子群13に流れる電流の比率が増加する。
【0056】
(第2実施形態に係る発光装置の構成および機能)
図6は、第2実施形態に係る発光装置2の回路ブロック図である。
【0057】
発光装置2は、基準電圧生成回路20の代わりに基準電圧生成回路40を有することが発光装置1と相違する。基準電圧生成回路40以外の発光装置2の構成要素の構成及び機能は、同一符号が付された発光装置1の構成要素の構成及び機能と同一なので、ここでは詳細な説明は省略する。
【0058】
基準電圧生成回路40は、第2抵抗対42及び第3抵抗対43を第2抵抗対22及び第3抵抗対23の代わりに有することが基準電圧生成回路20と相違する。第2抵抗対42は第1分圧抵抗44を第1分圧抵抗24の代わりに有し、第3抵抗対43は第3分圧抵抗46を第3分圧抵抗26の代わりに有する。第1分圧抵抗44及び第3分圧抵抗46以外の基準電圧生成回路40の構成要素の構成及び機能は、同一符号が付された基準電圧生成回路20の構成要素の構成及び機能と同一なので、ここでは詳細な説明は省略する。
【0059】
図7は、第1分圧抵抗44及び第3分圧抵抗46を示す図である。
【0060】
第1分圧抵抗44及び第3分圧抵抗46は、抵抗体400、第1端子401、第2端子402、第3端子403及び可動接点404により一体化される。抵抗体400は、例えばニッケルクロム合金等の高抵抗の導電体であり、第2分圧抵抗25に接続される第1端子401が一端に配置され、第4分圧抵抗27に接続される第2端子402が他端に配置される。可動接点404は、第1発光素子群11に接続される第3端子403が一端に配置され、抵抗体400の任意の場所に接続可能な導体である。第1分圧抵抗44及び第3分圧抵抗46の抵抗値は、可動接点404が抵抗体400に接触する場所に応じて連続的に変更する。
【0061】
可動接点404は、電流調整部127が有する第3歯車128が回転することに応じて移動する。矢印Aに示す第1方向に拡散部材126が回転されることに応じて第3歯車128が回転すると、可動接点404は、第1分圧抵抗44が減少し且つ第3分圧抵抗46が増加するように移動する。第1分圧抵抗44が減少し且つ第3分圧抵抗46が増加するように移動することで、第2発光素子群12に流れる電流の比率が増加すると共に、第3発光素子群13に流れる電流の比率が減少する。
【0062】
また、矢印Aに示す第1方向の反対の第2方向に拡散部材126が回転されることに応じて第3歯車128が回転すると、可動接点404は、第1分圧抵抗44が増加し且つ第3分圧抵抗46が減少するように移動する。第1分圧抵抗44が増加し且つ第3分圧抵抗46が減少するように移動することで、第2発光素子群12に流れる電流の比率が減少すると共に、第3発光素子群13に流れる電流の比率が増加する。
【0063】
(第2形態に係る発光装置の作用効果)
発光装置2は、可変抵抗である第1分圧抵抗44及び第3分圧抵抗46を基準電圧生成回路40が有するので、第2基準電圧V2及び第3基準電圧V3の第1基準電圧V1に対する比率を連続的に変化できる。発光装置2は、第2基準電圧V2及び第3基準電圧V3の第1基準電圧V1に対する比率を変化させることで第2発光素子群12及び第3発光素子群13に流れる第2電流I2及び第3電流I3の第1発光素子群11に流れる第1電流I1に対する比率を連続的に変化できる。
【0064】
図8は、第1分圧抵抗44及び第3分圧抵抗46の抵抗比率を変化させたときの第1電流I1、第2電流I2及び第3電流I3のそれぞれの電流比率の変化を示す図である。図8において、横軸は第1分圧抵抗44及び第3分圧抵抗46の抵抗の段階を示し、縦軸は第1電流I1、第2電流I2及び第3電流I3のそれぞれの電流比率〔%〕を示す。図8において、ひし形印は第1発光素子群11に流れる第1電流I1を示し、三角形印は第2発光素子群12に流れる第2電流I2を示し、四角形印は第3発光素子群13に流れる第3電流I3を示す。
【0065】
抵抗段階が「0」であるとき、第1電流I1及び第3電流I3が45〔%〕であり、第2電流I2が10%である。抵抗段階が増えるに従って、第2電流I2は増加し、第3電流I3は減少し、抵抗段階が「10」であるとき、第1電流I1及び第2電流I2が45〔%〕になり、第3電流I3が10%になる。なお、上記第2電流及び第3電流の、最大値及び最小値及びこれらの中間値は、例えば抵抗25若しくは抵抗27の値を変えることで、各々調整することができる。
【0066】
発光装置2では、緑色の光を出射する第1発光素子群11に対応する第1電流I1の電流値は、青色及び赤色の光を出射する第2発光素子群12及び第3発光素子群13に対応する第2電流I2及び第3電流I3のそれぞれの電流値よりも大きい。また、発光装置2では、第3電流I3の電流値は、第2電流I2の電流値が増加するに従って減少する。発光装置2は、第1発光素子14、第2発光素子16及び第3発光素子18から出射される光の波長を調整することで、第2発光素子16及び第3発光素子18から出射される光の比率を変化させることで、黒体軌跡に沿った光を出射することができる。
【0067】
図9は、発光装置2から出射される光の光学特性を示す色度図である。図9において、細曲線L20は、黒体軌跡を示す。点P21は第1発光素子群11から出射される光の色度を示し、点P22は第2発光素子群12から出射される光の色度を示し、点P23は第13発光素子群13から出射される光の色度を示す。太曲線L24は、発光装置2が出射可能な光の色度を示す有効色域を示す。
【0068】
発光装置2は、所定の色域に亘って黒体軌跡と一致する色度を有する光を出射することができる。発光装置2は、第1発光素子群11~第3発光素子群13から出射される光が黒体軌跡に対して色偏差(Duv)が±0.01以下になる光を出射するように調整することができる。
【0069】
(第3実施形態に係る発光装置の構成および機能)
図10は、第3実施形態に係る発光装置の回路ブロック図である。
【0070】
発光装置3は、基準電圧生成回路40の代わりに基準電圧生成回路50を有することが発光装置2と相違する。また、発光装置3は、電流比率制御回路60を更に有することが発光装置2と相違する。基準電圧生成回路50及び電流比率制御回路60以外の発光装置3の構成要素の構成及び機能は、同一符号が付された発光装置2の構成要素の構成及び機能と同一なので、ここでは詳細な説明は省略する。
【0071】
基準電圧生成回路50は、第2抵抗対52及び第3抵抗対53を第2抵抗対42及び第3抵抗対43の代わりに有することが基準電圧生成回路40と相違する。第2抵抗対52は第1分圧抵抗54を第1分圧抵抗44の代わりに有し、第3抵抗対53は第3分圧抵抗56を第3分圧抵抗46の代わりに有する。第1分圧抵抗54及び第3分圧抵抗56以外の基準電圧生成回路50の構成要素の構成及び機能は、同一符号が付された基準電圧生成回路40の構成要素の構成及び機能と同一なので、ここでは詳細な説明は省略する。
【0072】
図11は、第1分圧抵抗54及び第3分圧抵抗56を示す図である。
【0073】
第1分圧抵抗54及び第3分圧抵抗56は、抵抗体500、第1端子501、第2端子502、第3端子503、複数のスイッチ504及び入力端子505により一体化される。抵抗体500は、例えばニッケルクロム合金等の高抵抗の導電体であり、第2分圧抵抗25に接続される第1端子501が一端に配置され、第4分圧抵抗27に接続される第2端子502が他端に配置される。複数のスイッチ504のそれぞれは、例えばnMOSFETであり、第1発光素子群11に接続される第3端子503にドレインが接続され、抵抗体500にソースが接続され、電流比率制御回路60に接続される入力端子505にゲートが接続される。第1分圧抵抗54及び第3分圧抵抗56の抵抗値は、オンするスイッチ504の位置に応じて連続的に変更する。
【0074】
電流比率制御回路60は、通信部61と、記憶部62と、制御部63と、出力部64とを有する。
【0075】
通信部61は、I2C等の通信インターフェース等であり、発光装置3を通信制御する不図示の上位制御装置に電気的に接続される。通信部61は、上位制御装置等の外部装置と接続するためのパッドを有する。通信部61が有するパッドは、例えば発光装置3を形成する基板の表面に配置される。通信部61が有するパッドを基板の表面に配置することで、発光装置3は、配線数を削減できる。
【0076】
記憶部62は、例えば、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等の半導体メモリ装置を備える。記憶部62は、制御部63での処理に用いられるオペレーティングシステムプログラム、ドライバプログラム、制御プログラム及びデータ等を記憶する。
【0077】
制御部63は、一又は複数個のプロセッサ及びその周辺回路を有し、第1分圧抵抗54と第3分圧抵抗56との間の抵抗比率を制御するものであり、例えば、CPU(Central Processing Unit)である。また、制御部63は、トランジスタ等のディスクリート品により形成されてもよい。制御部63は、通信部61を介して上位制御装置から入力される色度制御信号に基づいて、第1分圧抵抗54と第3分圧抵抗56との間の抵抗比率を制御する。
【0078】
出力部64は、第1分圧抵抗54及び第3分圧抵抗56に通信線を介して電気的に接続され、オンするスイッチ504を示す制御信号を入力端子505に出力する。出力部64から出力される制御信号は、複数のスイッチ504の何れか1つをオンし、他のスイッチ504をオフすることを示す。
【0079】
(第3形態に係る発光装置の作用効果)
発光装置3は、上位制御装置から入力される色度制御信号に基づいて、第1分圧抵抗54と第3分圧抵抗56との間の抵抗比率を制御することで第2発光素子群12及び第3発光素子群13に流れる第2電流I2及び第3電流I3の比率を変化できる。
【0080】
図12は、発光装置3から出射される光の光学特性を示す色度図である。図12において、曲線L30は、黒体軌跡を示す。点P31は第1発光素子群11から出射される光の色度を示し、点P32は第2発光素子群12から出射される光の色度を示し、点P33は第13発光素子群13から出射される光の色度を示す。領域R34は、発光装置3が出射可能な光の色度を示す有効色域を示す。
【0081】
発光装置3の有効色域は、点P31、点P32及び点P33を結線して形成される光源色域よりも狭くなるものの、黒体軌跡を含む照明装置に望まれる色度を有する光を出射することができる。
【0082】
(第4実施形態に係る発光装置の構成および機能)
図13は、第4実施形態に係る発光装置の回路ブロック図である。
【0083】
発光装置4は、基準電圧生成回路20を有さないことが発光装置1と相違する。また、発光装置4は、電流センサ55、第1電流制御回路70及び基準電圧生成回路75を有することが発光装置1と相違する。電流センサ55、第1電流制御回路70及び基準電圧生成回路75以外の発光装置4の構成要素の構成及び機能は、同一符号が付された発光装置1の構成要素の構成及び機能と同一なので、ここでは詳細な説明は省略する。
【0084】
電流センサ55は、例えば電流検出アンプ等の電流センサであり、第1電極101と第1発光素子群11、第2発光素子群12及び第3発光素子群13との間に配置される。電流センサ55は、第1発光素子群11~第3発光素子群13に流れる第1電流I1、第2電流I2及び第3電流I3を含む検出電流IDを検出し、検出した検出電流IDを対応する電圧情報として基準電圧生成回路75に出力する。
【0085】
第1電流制御回路70は、第1スイッチ71と、第1基準抵抗72と、第1コンパレータ73とを有する。第1スイッチ71は、nMOSFETであり、一端であるドレインが第1発光素子群11に接続され、他端であるソースが第1基準抵抗72の一端に接続され、制御端子であるゲートが第1コンパレータ73の出力端子に接続される。第1基準抵抗72の他端は、第2検出抵抗32及び第3検出抵抗37の他端と共に接地される。第1コンパレータ73の第1入力端子と、第2コンパレータ33及び第3コンパレータ38の第1入力端子は、それぞれ、基準電圧生成回路75に接続される。第1コンパレータ73の第2入力端子は、第1基準抵抗72の一端に接続され、第1基準抵抗72の両端の電圧である第1検出電圧VD1が入力される。
【0086】
基準電圧生成回路75は、入力部76と、記憶部77と、制御部78と、出力部79とを有する。第1電流I1、第2電流I2及び第3電流I3の電流値が所定の比率となるように、第1電流I1、第2電流I2及び第3電流I3の何れか1つもしくは2つの電流値を制御するために使用される基準電圧を生成する。
【0087】
入力部76は、電流センサ55に電気的に接続され、電流センサ55が検出した検出電流IDを示す検出電流信号が入力される。
【0088】
記憶部77は、例えば、ROM、RAM等の半導体メモリ装置を備える。記憶部77は、制御部78での処理に用いられるオペレーティングシステムプログラム、ドライバプログラム、制御プログラム及びデータ等を記憶する。
【0089】
制御部78は、一又は複数個のプロセッサ及びその周辺回路を有し、例えば、CPUである。また、制御部78は、トランジスタにより形成されてもよい。制御部78は、第1発光素子群11~第3発光素子群13に流れる第1電流I1、第2電流I2及び第3電流I3を制御するために使用される第1基準電圧V1、第2基準電圧V2及び第3基準電圧V3を生成する。
【0090】
制御部78は、第1発光素子群11~第3発光素子群13に流れる第1電流I1、第2電流I2及び第3電流I3が所定の比率となるように、第1基準電圧V1、第2基準電圧V2及び第3基準電圧V3を生成する。制御部78は、第1電流I1、第2電流I2及び第3電流I3の何れか1つの電流値に対する他の2つの電流値が所定の比率になるように、第1電流I1、第2電流I2及び第3電流I3の何れか2つの電流値を制御する基準電圧を生成する。制御部78は、基準電圧によって制御される電流が流れない発光素子群、すなわちマスターとして機能する発光素子群に対応するコンパレータの第1入力端子には、例えば電源電圧Vddと同一の電圧等の発光素子群に流れる電流を制御しない電圧を出力する。また、基準電圧によって制御される電流が流れる発光素子群、すなわちスレーブとして機能する発光素子群に対応するコンパレータの第1入力端子には、検出電流IDに対して所定の比率となる電流を流す基準電圧が出力する。
【0091】
例えば、第2電流I2及び第3電流I3の電流値を制御し、第1電流I1の電流値を制御しないとき、第1コンパレータ73の第1入力端子に電源電圧Vddと同一の電圧が入力される。第2コンパレータ33及び第3コンパレータ38の第1入力端子に、第2電流I2及び第3電流I3の電流値が第1電流I1の電流値に対して所定の比率となる第2基準電圧V2及び第3基準電圧V3が入力される。
【0092】
また、第1電流I1及び第3電流I3の電流値を制御し、第2電流I2の電流値を制御しないとき、第2コンパレータ33の第1入力端子に電源電圧Vddと同一の電圧が入力される。第1コンパレータ73及び第3コンパレータ38の第1入力端子に、第1電流I1及び第3電流I3の電流値が第2電流I2の電流値に対して所定の比率となる第1基準電圧V1及び第3基準電圧V3が入力される。
【0093】
また、第1電流I1及び第2電流I2の電流値を制御し、第3電流I3の電流値を制御しないとき、第3コンパレータ38の第1入力端子に電源電圧Vddと同一の電圧が入力される。第1コンパレータ73及び第2コンパレータ33の第1入力端子に、第1電流I1及び第2電流I2の電流値が第3電流I3の電流値に対して所定の比率となる第1基準電圧V1及び第2基準電圧V2が入力される。
【0094】
出力部79は、第1コンパレータ73の第1入力端子、第2コンパレータ33の第1入力端子、及び第3コンパレータ38の第1入力端子に電気的に接続され、制御部78が生成した第1基準電圧V1、第2基準電圧V2及び第3基準電圧V3を出力する。
【0095】
(第4形態に係る発光装置の作用効果)
発光装置4は、第1基準電圧V1、第2基準電圧V2及び第3基準電圧V3により第1電流制御回路70、第2電流制御回路30及び第3電流制御回路35を制御することで、第1電流I1、第2電流I2及び第3電流I3が所定の比率となるように制御できる。
【0096】
図14は、第1基準電圧V1、第2基準電圧V2及び第3基準電圧V3を変化させたときに発光装置4が出射する光の色度の変化を示す色度図である。図14において、実線は発光装置4が出射可能な光の範囲を示し、破線は黒体軌跡を示す。
【0097】
発光装置4は、第1基準電圧V1、第2基準電圧V2及び第3基準電圧V3により、第1発光素子群11~第3発光素子群13に流れる第1電流I1、第2電流I2及び第3電流I3を、発光装置4が出射する光の色度が黒体軌跡に沿うように制御することができる。
【0098】
(第5実施形態に係る発光装置の構成および機能)
図15は、第5実施形態に係る発光装置の回路ブロック図である。
【0099】
発光装置5は、基準電圧生成回路40の代わりに基準電圧生成回路84を有することが発光装置2と相違する。また、発光装置5は、電流比率制御回路60を更に有することが発光装置2と相違する。基準電圧生成回路84及び電流比率制御回路60以外の発光装置5の構成要素の構成及び機能は、同一符号が付された発光装置2の構成要素の構成及び機能と同一なので、ここでは詳細な説明は省略する。
【0100】
発光装置5は、電源供給回路10と、第1発光素子群80と、第2発光素子群81と、第3発光素子群82と、第4発光素子群83と、基準電圧生成回路84と、第2電流制御回路30と、第3電流制御回路35と、第4電流制御回路89とを有する。発光装置5は、電流比率制御回路60と、第1電極101と、第2電極102とを更に有する。
【0101】
電源供給回路10、第2電流制御回路30、第3電流制御回路35、電流比率制御回路60、第1電極101及び第2電極102は、図3及び10を参照して既に説明したので、ここでは詳細な説明は省略する。
【0102】
第1発光素子群80は、直列接続された6個の第1発光素子80aにより形成される。第1発光素子80aは、青色の光を出射するLEDダイと、LEDダイが出射した青色の光を黄色に変換するYAG等の蛍光体等の光変換材が含有され、且つ、LEDダイを封止する封止材とを有し、白色の光を出射する発光素子である。
【0103】
第2発光素子群81は、直列接続された4個の第2発光素子81aにより形成される。第2発光素子81aは、青色である第1の色の光を出射する発光ダイオードである。
【0104】
第3発光素子群82は、直列接続された4個の第3発光素子82aにより形成される。第3発光素子82aは、青色の光を出射するLEDダイと、LEDダイが出射した青色の光を緑色に変換するYAG等の蛍光体等の光変換材が含有され、且つ、LEDダイを封止する封止材とを有し、緑色の光を出射する発光素子である。
【0105】
第4発光素子群83は、直列接続された4個の第4発光素子83aにより形成される。第4発光素子83aは、青色の光を出射するLEDダイと、LEDダイが出射した青色の光を赤色に変換するCASN等の蛍光体等の光変換材が含有され、且つ、LEDダイを封止する封止材とを有し、赤色の光を出射する発光素子である。
【0106】
基準電圧生成回路84は、第1検出抵抗85と、第2抵抗対86と、第3抵抗対87と、第4抵抗対88とを有する分圧回路である。第1検出抵抗85は、第1検出抵抗21と同様に、数Ω程度の抵抗値を有する抵抗素子であり、一端が第1発光素子群80に接続され、他端が接地される。第2抵抗対86は、第1分圧抵抗86a及び第2分圧抵抗86bを有し、第2発光素子群81に流れる第2電流I2を制御する第2基準電圧V2を生成する。第3抵抗対87は、第3分圧抵抗87a及び第4分圧抵抗87bを有し、第3発光素子群82に流れる第3電流I3を制御する第3基準電圧V3を生成する。第4抵抗対88は、第5分圧抵抗88a及び第6分圧抵抗88bを有し、第4発光素子群83に流れる第4電流I4を制御する第4基準電圧V4を生成する。
【0107】
第1分圧抵抗86a及び第5分圧抵抗88aは、可変抵抗である。第1分圧抵抗86a及び第5分圧抵抗88aは、図11を参照して説明された第1分圧抵抗54及び第3分圧抵抗56をと同様の構造を有するので、ここでは詳細な説明は省略する。
【0108】
第4電流制御回路89は、第4スイッチ89aと、第4検出抵抗89bと、第4コンパレータ89cとを有し、第2電流制御回路30及び第3電流制御回路35と同様な構成を有する。
【0109】
図16は、発光装置5から出射される光の光学特性を示す色度図である。図16において、細曲線L50は、黒体軌跡を示す。点P51は第1発光素子群80から出射される光の色度を示し、点P52は第2発光素子群81から出射される光の色度を示し、点P53は第82発光素子群13から出射される光の色度を示し、点P54は第4発光素子群83から出射される光の色度を示す。領域R55は、発光装置5が出射可能な光の色度を示す有効色域を示す。
【0110】
発光装置5では、発光効率が高い第1発光素子群80は白色の光を出射し、発光効率が第1発光素子群80よりも低い第2発光素子群81~第4発光素子群83は青色、緑色及び赤色の光をそれぞれ出射する。発光装置5は、発光効率が高い第1発光素子群80から白色の光を出射し、第2発光素子群81~第4発光素子群83から青色、緑色及び赤色の光をそれぞれ補色として出射することで、最低限の色域を高い発光効率を維持しつつ、簡単な回路構成で実現できる。
【0111】
また、発光装置5では、第1発光素子群80~第4発光素子群83のそれぞれが出射される光の色が製造ばらつき等に起因して変動した場合に、所望の色及び色温度を有する光が出射されるように電流比率制御回路60がプリセットされてもよい。発光装置5は、所望の色及び色温度を有する光が出射されるように電流比率制御回路60がプリセットされることで、色度公差を小さくすることができる。
【0112】
(第6実施形態に係る発光装置の構成および機能)
図17は、第6実施形態に係る発光装置の回路ブロック図である。
【0113】
発光装置6は、第1発光素子群91と、第2発光素子群92と、第3発光素子群93と、第1トランジスタ94と、第2トランジスタ95と、第3トランジスタ96と、第1切換素子97と、第2切換素子98と、第3切換素子99とを有する。発光装置6は、第1電極101と、第2電極102とを更に有する。
【0114】
第1発光素子群91~第3発光素子群93のそれぞれは、直列接続された複数のLEDを含む。第1発光素子群91~第3発光素子群93に含まれるLEDは、例えば青色等の同一色の光を出射する。第1発光素子群91~第3発光素子群93に含まれるLEDは、例えばLEDが出射する青色の光を緑色に変換して出射する緑色蛍光体、及びLEDが出射する青色の光を赤色に変換して出射する赤色蛍光体を含む封止材によって封止される。
【0115】
第1トランジスタ94、第2トランジスタ95及び第3トランジスタ96のそれぞれは、NPNバイポーラトランジスタである。第1トランジスタ94のコレクタは第1発光素子群91に接続され、第2トランジスタ95のコレクタは第2発光素子群92に接続され、第3トランジスタ96のコレクタは第3発光素子群93に接続される。第1トランジスタ94、第2トランジスタ95及び第3トランジスタ96のエミッタは、接地される。
【0116】
第1切換素子97の一端は第1トランジスタ94のベースに接続され、第1切換素子97の他端は第1トランジスタ94のコレクタに接続される。第1切換素子97の一端と他端の間は、解放されており、第1切換素子97の一端と他端の間が例えばハンダジャンパ及びワイヤボンディング等により短絡されたとき、第1切換素子97は、第1トランジスタ94のベースとコレクタとの間を短絡する。
【0117】
第2切換素子98の一端は第2トランジスタ95のベースに接続され、第2切換素子98の他端は第2トランジスタ95のコレクタに接続される。第2切換素子98の一端と他端の間は、解放されており、第2切換素子98の一端と他端の間が例えばハンダジャンパ及びワイヤボンディング等により短絡されたとき、第2切換素子98は、第2トランジスタ95のベースとコレクタとの間を短絡する。
【0118】
第3切換素子99の一端は第3トランジスタ96のベースに接続され、第3切換素子99の他端は第3トランジスタ96のコレクタに接続される。第3切換素子99の一端と他端の間は、解放されており、第3切換素子99の一端と他端の間が例えばハンダジャンパ及びワイヤボンディング等により短絡されたとき、第3切換素子99は、第3トランジスタ96のベースとコレクタとの間を短絡する。
【0119】
第1切換素子97、第2切換素子98及び第3切換素子99の何れか1つが短絡されると、第1トランジスタ94、第2トランジスタ95及び第3トランジスタ96は、カレントミラー回路を形成する。第1トランジスタ94、第2トランジスタ95及び第3トランジスタ96は、カレントミラー回路を形成することで、第1発光素子群91~第3発光素子群93に流れる第1電流I1、第2電流I2及び第3電流I3の電流値は、同一になる。
【0120】
短絡される切換素子は、第1発光素子群91~第3発光素子群93のそれぞれの順電圧に応じて決定される。例えば、第1発光素子群91~第3発光素子群93の中で発光を開始するしきい値電圧が一番高い発光素子群に接続される切換素子が短絡されてもよい。しきい値電圧が一番高い発光素子群に接続される切換素子を短絡することで、発光時に流れる電流が一番小さい発光素子群に流れる電流に合わせた電流を第1発光素子群91~第3発光素子群93の全てに流すことができる。例えば、第1発光素子群91が発光を開始するしきい値電圧が第2発光素子群92及び第3発光素子群93が発光を開始するしきい値電圧よりも高いとき、第1発光素子群91に接続される第1切換素子97が短絡される。
【0121】
(第6実施形態に係る発光装置の作用効果)
発光時に第1発光素子群91~第3発光素子群93に流れる電流をしきい値電圧が一番高い発光素子群に流れる電流に合わせることで、第1発光素子群91~第3発光素子群93から出射される光を均一にすることができる。
【0122】
図18(a)は従来の発光装置の発光状態の一例を示す図であり、図18(b)は発光装置6の発光状態の一例を示す図である。図18(a)及び18(b)に示す図は、発光を開始するときなどの低電圧が印加されたときの発光状態を示す図である。
【0123】
図18(a)に示す従来の発光装置では、発光を開始するしきい値電圧が発光素子列毎に相違するため、しきい値電圧が低い発光素子列のみが発光し、しきい値電圧が高い発光素子列は発光しない。
【0124】
図18(b)に示す発光装置6では、第1トランジスタ94~第3トランジスタ96により形成されるミラー回路により、第1発光素子群91~第3発光素子群93は、発光を同時に開始することができる。
【0125】
(実施形態に係る発光装置の変形例)
発光装置1~4は、緑色、青色及び赤色の光をそれぞれが出射する第1発光素子群11~第3発光素子群13を有するが、実施形態に係る発光装置は、2又は4以上の発光素子群を有してもよい。例えば、実施形態に係る発光装置は、暖色及び寒色のそれぞれの光を出射する2つの発光素子群を有してもよく、緑色、青色及び赤色に加えてアンバーの光を出射する4つの発光素子群を有してもよい。
【0126】
また、発光装置1~4では、基準電圧生成回路及び電流制御回路は発光素子群の最終段のLEDのカソードに接続されるが、実施形態に係る発光装置では、基準電圧生成回路及び電流制御回路は発光素子群の初段のLEDのアノードに接続されてもよい。
【0127】
また、発光装置2では、第1発光素子群11が緑色の光を出射し、第2発光素子群12が青色の光を出射し、第3発光素子群13が赤色の光を出射するが、実施形態に係る発光装置では、第1発光素子群11~第3発光素子群13が出射される色は限定されない。実施形態に係る発光装置では、第1発光素子群11が青色の光を出射し、第2発光素子群12が赤色の光を出射し、第3発光素子群13が緑色の光を出射してもよい。また、第1発光素子群11が赤色の光を出射し、第2発光素子群12が緑色の光を出射し、第3発光素子群13が青色の光を出射してもよい。
【0128】
また、発光装置2及び3では、第1分圧抵抗44及び第3分圧抵抗46並びに第1分圧抵抗54及び第3分圧抵抗56は、一体化されるが、実施形態に係る発光装置では、基準電圧生成回路が有する可変抵抗は、別個に形成されてもよい。
【0129】
また、発光装置3では、可変抵抗と抵抗比率制御回路とが別個の素子として配置されるが、実施形態に係る発光装置では、可変抵抗及び抵抗比率制御回路は、IC化されたデジタルポテンショメータ等として一体化されてもよい。
【0130】
また、発光装置4では、基準電圧生成回路75は、出射する光の色を調整するために第1電流I1、第2電流I2及び第3電流I3の何れか2つの電流値を制御するための基準電圧を生成する。しかしながら、実施形態に係る発光装置では、基準電圧生成回路は、複数の発光素子列が同一の色の光を出射するとき、発光装置5と同様に複数の発光素子群の順電圧に応じて、電流値を制御する発光素子群を決定してもよい。
【0131】
実施形態に係る発光装置では、基準電圧生成回路は、順電圧が一番高い発光素子群に流れる電流の電流値を制御せず、他の発光素子群に流れる電流の電流値を制御する。基準電圧生成回路は、流れる電流の電流値を制御する発光素子群に対応して配置される電流制御回路に、電流値を制御する発光素子列に流れる電流の一番低い発光素子群に流れる電流の電流値と一致するように、基準電圧を生成する。
【0132】
また、発光装置6は、第1発光素子群91~第3発光素子群93を有するが、実施形態に係る発光装置は、2又は4以上の発光素子群を有してもよい。また、実施形態に係る発光装置では、第1トランジスタ94~第3トランジスタ96及び第1切換素子97~第3切換素子99は、第1発光素子群91~第3発光素子群93の初段のLEDのアノードに接続されてもよい。
【0133】
また、発光装置6では、第1切換素子97~第3切換素子99は、第1トランジスタ94~第3トランジスタ96のそれぞれのベースとコレクタとの間を短絡可能なように形成される。しかしながら、実施形態に係る発光装置では、複数の切換素子は、複数のトランジスタのそれぞれのベースとコレクタとの間を解放可能なように形成されてもよい。複数の切換素子は、例えば複数の切換素子を形成する配線パターンを、レーザ照射装置等の配線パターン切断装置で切断することにより、複数のトランジスタのそれぞれのベースとコレクタとの間を解放される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18