IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ フルオレッセンス ダイアグノシス(シャンハイ) バイオテック カンパニー リミテッドの特許一覧

<>
  • 特許-蛍光染料及びその製造方法と使用 図1
  • 特許-蛍光染料及びその製造方法と使用 図2
  • 特許-蛍光染料及びその製造方法と使用 図3
  • 特許-蛍光染料及びその製造方法と使用 図4
  • 特許-蛍光染料及びその製造方法と使用 図5
  • 特許-蛍光染料及びその製造方法と使用 図6
  • 特許-蛍光染料及びその製造方法と使用 図7
  • 特許-蛍光染料及びその製造方法と使用 図8
  • 特許-蛍光染料及びその製造方法と使用 図9
  • 特許-蛍光染料及びその製造方法と使用 図10
  • 特許-蛍光染料及びその製造方法と使用 図11
  • 特許-蛍光染料及びその製造方法と使用 図12
  • 特許-蛍光染料及びその製造方法と使用 図13
  • 特許-蛍光染料及びその製造方法と使用 図14
  • 特許-蛍光染料及びその製造方法と使用 図15
  • 特許-蛍光染料及びその製造方法と使用 図16
  • 特許-蛍光染料及びその製造方法と使用 図17
  • 特許-蛍光染料及びその製造方法と使用 図18
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-28
(45)【発行日】2023-08-07
(54)【発明の名称】蛍光染料及びその製造方法と使用
(51)【国際特許分類】
   C09B 23/14 20060101AFI20230731BHJP
   C07D 241/20 20060101ALI20230731BHJP
   C07D 213/74 20060101ALI20230731BHJP
   C07D 239/42 20060101ALI20230731BHJP
   C07D 213/78 20060101ALI20230731BHJP
   C07D 241/24 20060101ALI20230731BHJP
   C07D 471/06 20060101ALI20230731BHJP
   C07D 209/18 20060101ALI20230731BHJP
   C07D 333/66 20060101ALI20230731BHJP
   C07D 495/04 20060101ALI20230731BHJP
   C07D 333/24 20060101ALI20230731BHJP
   C07D 413/10 20060101ALI20230731BHJP
   C07D 333/36 20060101ALI20230731BHJP
   C07D 409/14 20060101ALI20230731BHJP
   C12Q 1/68 20180101ALI20230731BHJP
   C09B 23/16 20060101ALI20230731BHJP
   C09K 11/06 20060101ALI20230731BHJP
【FI】
C09B23/14 100
C07D241/20 CSP
C07D213/74
C07D239/42
C07D213/78
C07D241/24
C07D471/06
C07D209/18
C07D333/66
C07D495/04 101
C07D333/24
C07D413/10
C07D333/36
C07D409/14
C12Q1/68 ZNA
C09B23/16
C09K11/06
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2021564230
(86)(22)【出願日】2020-04-27
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-07-05
(86)【国際出願番号】 CN2020087311
(87)【国際公開番号】W WO2020221217
(87)【国際公開日】2020-11-05
【審査請求日】2021-12-24
(31)【優先権主張番号】201910352348.X
(32)【優先日】2019-04-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】521398149
【氏名又は名称】フルオレッセンス ダイアグノシス(シャンハイ) バイオテック カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100166729
【弁理士】
【氏名又は名称】武田 幸子
(72)【発明者】
【氏名】チュー リンヨン
(72)【発明者】
【氏名】ヤン イー
(72)【発明者】
【氏名】チャン ダーシェン
(72)【発明者】
【氏名】チェン シャンジュン
(72)【発明者】
【氏名】リン チウニン
(72)【発明者】
【氏名】スー ニー
【審査官】堀 洋樹
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第06335446(US,B1)
【文献】米国特許出願公開第2004/0047806(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第106939163(CN,A)
【文献】Chemistry of Materials ,2009年,21,p.5819-5825
【文献】Dyes and Pigments,2014年,105,p.223-231
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C09B 1/00-69/10
C07D
C12Q 1/00-3/00
C09K 11/00-11/89
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
構造式が式(I)に示される蛍光染料であって、
【化1】
式中、
D-は、HO-又はN(X)(X)-であり、X、Xはそれぞれ独立して、水素、アルキル基及び変性アルキル基から選択され、X、Xは、互いに結合してN原子とともに脂肪族複素環を形成してもよく、
Rは、シアノ基、カルボキシル基、アミド基、エステル基、スルホキシド基、スルホン基、又はスルホンアミド基から選択され、
Arは、アリーレン基、ヘテロアリーレン基から選択され、
Arは、下式(II-1)~(II-8)から選択される構造であり、
【化2】
そのうち、Ar、Arにおける水素原子はそれぞれ独立して、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、アルデヒド基、カルボキシル基、エステル基、アミド基、リン酸基、アミノ基、一級アミノ基、二級アミノ基、又はアルキル基で置換されてもよく、
、Xは独立して、Arと脂肪族複素環を形成してもよく、
ただし、
前記「アルキル基」はそれぞれ独立して、C~C10直鎖又は分岐鎖のアルキル基であり、C~C直鎖又は分岐鎖のアルキル基であってもよく、C~C直鎖又は分岐鎖のアルキル基であってもよく、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、t-ブチル基、s-ブチル基、n-ペンチル基、1-メチルブチル基、2-メチルブチル基、3-メチルブチル基、イソアミル基、1-エチルプロピル基、ネオペンチル基、n-ヘキシル基、1-メチルペンチル基、2-メチルペンチル基、3-メチルペンチル基、イソヘキシル基、1,1-ジメチルブチル基、2,2-ジメチルブチル基、3,3-ジメチルブチル基、1,2-ジメチルブチル基、1,3-ジメチルブチル基、2,3-ジメチルブチル基、2-エチルブチル基、n-ヘプチル基、2-メチルヘキシル基、3-メチルヘキシル基、2,2-ジメチルペンチル基、3,3-ジメチルペンチル基、2,3-ジメチルペンチル基、2,4-ジメチルペンチル基、3-エチルペンチル基又は2,2,3-トリメチルブチル基から選択されてもよく、
前記「変性アルキル基」はそれぞれ独立して、アルキル基の任意の炭素原子が、ハロゲン原子、-OH、-CO-、-O-、-CN、-S-、-SO-、-(S=O)-、アジド基、一級アミノ基、二級アミノ基、三級アミノ基、四級アンモニウム塩基から選択される1種又は複数種の基で置換された基であり、前記変性アルキル基は、1~10個の炭素原子を有し、その炭素-炭素単結合が独立して炭素-炭素二重結合又は炭素-炭素三重結合で置換されてもよく、
前記炭素原子の置換とは、炭素原子又は炭素原子とそれに結合した水素原子とが対応する基で置換されることを意味し、
前記「ハロゲン原子」はそれぞれ独立して、F、Cl、Br又はIであり、
前記「脂肪族複素環」は、環中にN、O、S又はSiのうちの1種又は複数種のヘテロ原子を有する飽和又は不飽和の4~15員の単環又は多環の脂肪族複素環であり、前記脂肪族複素環中にS原子を有する場合、-S-、-SO-又は-SO-であり、前記脂肪族複素環は、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基又は変性アルキル基で置換されてもよく、
前記「アリーレン基」は、5~13員の単環又は二環又は縮合二環又は縮合多環のアリーレン基であり、
前記「ヘテロアリーレン基」は、環中にN、O、S又はSiから選択される1種又は複数種のヘテロ原子を有する5~13員の単環又は二環又は縮合二環又は縮合多環のヘテロアリーレン基であり、
前記「エステル基」は、R'(C=O)OR”基であり、
前記「アミド基」は、R'CONR”R”'基であり、
前記「スルホンアミド基」は、R'SONR”R”'基であり、
前記「リン酸基」は、R'OP(=O)(OH)基であり、
前記「スルホン基」は、R'SOR”基であり、
前記「スルホキシド基」は、R'SOR”基であり、
前記「一級アミノ基」は、R'NH基であり、
前記「二級アミノ基」は、R'NHR”基であり、
前記「三級アミノ基」は、R'NR”R”'基であり、
前記「四級アンモニウム塩基」は、R'R”R”'R””N基であり、
各R'、R”、R”'、R””はそれぞれ独立して、単結合、水素、アルキル基、アルキレン基、変性アルキル基又は変性アルキレン基であり、
前記「アルキレン基」は、C~C10の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基であり、C~C直鎖又は分岐鎖のアルキレン基であってもよく、C~C直鎖又は分岐鎖のアルキレン基であってもよく、
前記「変性アルキレン基」は、C~C10(好ましくはC~C)アルキレン基の任意の炭素原子が-O-、-OH、-CO-、-CS-、-(S=O)-から選択される基で置換された基である、
蛍光染料。
【請求項2】
前記「変性アルキル基」は、-OH、-O-、エチレングリコール単位、単糖単位、-O-CO-、-NH-CO-、-SO-O-、-SO-、MeN-、EtN-、-S-S-、-CH=CH-、F、Cl、Br、I、シアノ基から選択される1種又は複数種基を有する、
ことを特徴とする請求項1に記載の蛍光染料。
【請求項3】
Arは、下式(II-1)~(II-22)から選択される構造である、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の蛍光染料。
【化3】
【請求項4】
式(I)に示される化合物は、下式化合物から選択される、
ことを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の蛍光染料。
【化4A】
【化4B】
【請求項5】
請求項1~4のいずれか1項に記載の蛍光染料の製造方法であって、式(a)化合物と式(b)化合物がアルドール縮合反応を行う工程を含む、
ことを特徴とする製造方法。
【化5】
【請求項6】
請求項1~4のいずれか1項に記載の蛍光染料の、粘度測定、タンパク質蛍光標識、核酸蛍光標識、タンパク質の定量又は検出、あるいは、核酸の定量又は検出での使用であって、前記使用は疾患の診断方法のための使用ではない、使用。
【請求項7】
請求項1~4のいずれか1項に記載の蛍光染料の、粘度測定、タンパク質蛍光標識、核酸蛍光標識、タンパク質の定量又は検出、あるいは、核酸の定量又は検出用の試薬を製造するための使用。
【請求項8】
請求項1~4のいずれか1項に記載の蛍光染料を含む、蛍光活性化発生型プローブ。
【請求項9】
請求項8に記載の蛍光活性化発生型プローブの、タンパク質蛍光標識、核酸蛍光標識、タンパク質の定量又は検出、あるいは、核酸の定量又は検出での使用であって、前記使用は疾患の診断方法のための使用ではない、使用。
【請求項10】
請求項8に記載の蛍光活性化発生型プローブの、タンパク質蛍光標識、核酸蛍光標識、タンパク質の定量又は検出、あるいは、核酸の定量又は検出用の試薬を製造するための使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、蛍光染料技術分野に関し、詳しくは、粘度応答性でバックグラウンド蛍光の低い蛍光染料及びその製造方法と使用に関する。
【背景技術】
【0002】
分子ローターは、一種の蛍光強度が微小環境の粘度に応じて変化する染料であり、光励起後に分子に立体配座の歪みが生じてTICT分子内電荷移動状態を形成し、励起状態エネルギーは主に非放射の形で放出されるが、粘度が比較的大きい又は比較的剛性である微小環境にある時、このような分子の分子立体配座の歪みが制限され、この時の染料励起状態エネルギーは主に放射発光の形で放出され、即ち、このような分子の蛍光性質が活性化される。重要なのは、このような分子の蛍光強度が微小環境の粘度の変化に応じて変化し、微小環境の粘度変化をリアルタイムで、インサイトで、敏感かつ可視化に示すことができる。
【0003】
現在、分子ローターの立体配座の歪みの制限による蛍光発光は、粘度検出分野に用いられるほか、蛍光活性化プローブの構築にも広く使用されている。例えば、分子ローターとBSAが結合した後、分子立体配座がタンパク質によって制限され、蛍光を発するが、タンパク質と結合していない染料の励起状態エネルギーは依然として非放射の形で放出され、これによって、タンパク質をリアルタイムで定量的に検出する効果を奏する。また、例えば、チアゾールオレンジは、DNAやRNAと結合する前に蛍光消光の状態にあり、DNA又はRNAと結合した後に分子立体配座が制限されることにより、蛍光が活性化されるため、DNA、RNAの検出とトレースに広く使用されている。また、マラカイトグリーンなどの分子ローターは、抗体に被覆されて、分子の立体配座変化が制限されて、タンパク質の活性化型蛍光イメージングに利用される。また、DHBIは、アプタマーと結合して、RNAトレース用の蛍光タンパク質模擬体を構築する。更にまた、例えば、アミロイドタンパク質と結合して、分子の立体配座変化が制限されて、アルツハイマー病の検出と研究などに利用される。
【0004】
ところで、現在の分子ローターは、普遍的にバックグラウンド蛍光が高い欠点が存在し、即ち、分子ローターの自由状態での蛍光強度が高く、例えば、生体試料中の内因性タンパク質、核酸、代謝物質などの、サンプル量が少く、成分が複雑であり、被検物存在度が低いサンプル検出と標識に適用し難い。したがって、バックグラウンド蛍光の低い分子ローターの開発は、現在の蛍光ローターの使用を拡大することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、粘度応答性を有し、バックグラウンド蛍光の低い蛍光染料を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第一の局面は、式(I)に示される蛍光染料であって、
【化1】
式中、
D-は、HO-又はN(X)(X)-であり、X、Xはそれぞれ独立して、水素、アルキル基及び変性アルキル基から選択され、X、Xは、互いに結合してN原子とともに脂肪族複素環を形成してもよく、
Rは、シアノ基、カルボキシル基、アミド基、エステル基、スルホキシド基、スルホン基、スルホネート基又はスルホンアミド基から選択され、Ar及びArはそれぞれ独立して、アリーレン基、ヘテロアリーレン基から選択され、そのうち、Ar、Arにおける水素原子はそれぞれ独立して、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、アルデヒド基、カルボキシル基、エステル基、アミド基、シアノ基、スルホン酸基、リン酸基、アミノ基、一級アミノ基、二級アミノ基、アルキル基又は変性アルキル基で置換されてもよく、
、Xは独立して、Arと脂肪族複素環を形成してもよく、
前記「アルキル基」はそれぞれ独立して、C~C10直鎖又は分岐鎖のアルキル基であり、C~C直鎖又は分岐鎖のアルキル基であってもよく、C~C直鎖又は分岐鎖のアルキル基であってもよく、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、t-ブチル基、s-ブチル基、n-ペンチル基、1-メチルブチル基、2-メチルブチル基、3-メチルブチル基、イソアミル基、1-エチルプロピル基、ネオペンチル基、n-ヘキシル基、1-メチルペンチル基、2-メチルペンチル基、3-メチルペンチル基、イソヘキシル基、1,1-ジメチルブチル基、2,2-ジメチルブチル基、3,3-ジメチルブチル基、1,2-ジメチルブチル基、1,3-ジメチルブチル基、2,3-ジメチルブチル基、2-エチルブチル基、n-ヘプチル基、2-メチルヘキシル基、3-メチルヘキシル基、2,2-ジメチルペンチル基、3,3-ジメチルペンチル基、2,3-ジメチルペンチル基、2,4-ジメチルペンチル基、3-エチルペンチル基又は2,2,3-トリメチルブチル基から選択されてもよく、
前記「変性アルキル基」はそれぞれ独立して、アルキル基の任意の炭素原子が、ハロゲン原子、-OH、-CO-、-O-、-CN、-S-、-SO-、-(S=O)-、アジド基、一級アミノ基、二級アミノ基、三級アミノ基、四級アンモニウム塩基から選択される1種又は複数種の基で置換された基であり、前記変性アルキル基は、1~10個の炭素原子を有し、その炭素-炭素単結合が独立して炭素-炭素二重結合又は炭素-炭素三重結合で置換されてもよく、
前記炭素原子の置換とは、炭素原子、又は炭素原子とそれに結合した水素原子とが対応する基で置換されることを意味し、
前記「ハロゲン原子」はそれぞれ独立して、F、Cl、Br又はIであり、
前記「脂肪族複素環」は、環中にN、O、S又はSiのうちの1種又は複数種のヘテロ原子を有する飽和又は不飽和の4~15員の単環又は多環の脂肪族複素環であり、前記脂肪族複素環中にS原子を有する場合、-S-、-SO-又は-SO-であり、前記脂肪族複素環は、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基又は変性アルキル基で置換されてもよく、
前記「アリーレン基」は、5~13員の単環又は二環又は縮合二環又は縮合多環のアリーレン基であり、
前記「ヘテロアリーレン基」は、環中にN、O、S又はSiから選択される1種又は複数種のヘテロ原子を有する5~13員の単環又は二環又は縮合二環又は縮合多環のヘテロアリーレン基であり、
前記「エステル基」は、R’(C=O)OR”基であり、
前記「アミド基」は、R’CONR”R”’基であり、
前記「スルホン酸基」は、R’SOH基であり、
前記「スルホネート基」は、R’SOOR”基であり、
前記「スルホンアミド基」は、R’SONR”R”’基であり、
前記「リン酸基」は、R’OP(=O)(OH)基であり、
前記「スルホン基」は、R’SOR”基であり、
前記「スルホキシド基」は、R’SOR”基であり、
前記「一級アミノ基」は、R’NH基であり、
前記「二級アミノ基」は、R’NHR”基であり、
前記「三級アミノ基」は、R’NR”R”’基であり、
前記「四級アンモニウム塩基」は、R’R”R”’R””N基であり、
各R’、R”、R”’、R””はそれぞれ独立して、単結合、水素、アルキル基、アルキレン基、変性アルキル基又は変性アルキレン基であり、
前記「アルキレン基」は、C~C10の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基であり、C~C直鎖又は分岐鎖のアルキレン基であってもよく、C~C直鎖又は分岐鎖のアルキレン基であってもよく、
前記「変性アルキレン基」は、C~C10(好ましくはC~C)アルキレン基の任意の炭素原子が-O-、-OH、-CO-、-CS-、-(S=O)-から選択される基で置換された基であり、
前記「変性アルキル基」は、-OH、-O-、エチレングリコール単位(-(CHCHO)-)、単糖単位、-O-CO-、-NH-CO-、-SO-O-、-SO-、MeN-、EtN-、-S-S-、-CH=CH-、F、Cl、Br、I、シアノ基から選択される1種又は複数種の基を有してもよく、
Ar及びArはそれぞれ独立して、下式(II-1)~(II-22)から選択される構造であってもよく、
【化2】
式(I)に示される化合物は、下式の化合物から選択されてもよい、
【化3A】
【化3B】
蛍光染料を提供する。
【0007】
本発明の第二の局面は、式(a)化合物と式(b)化合物がアルドール縮合反応を行う工程を含む前記蛍光染料の製造方法を提供する。
【化4】
【0008】
本発明の第三の局面は、前記蛍光染料の、粘度測定、タンパク質蛍光標識、核酸蛍光標識、タンパク質の定量又は検出、あるいは、核酸の定量又は検出での使用を提供し、前記使用は疾患の診断方法のための使用ではない。
【0009】
本発明の第四の局面は、前記蛍光染料の、粘度測定、タンパク質蛍光標識、核酸蛍光標識、タンパク質の定量又は検出、あるいは、核酸の定量又は検出用の試薬を製造するための使用を提供する。
【0010】
本発明の第五の局面は、前記蛍光染料を含む蛍光活性化発生型プローブを提供する。
【0011】
本発明の第六の局面は、前記蛍光活性化発生型プローブの、タンパク質蛍光標識、核酸蛍光標識、タンパク質の定量又は検出、あるいは、核酸の定量又は検出での使用を提供し、前記使用は疾患の診断方法のための使用ではない。
【0012】
本発明の第七の局面は、前記蛍光活性化発生型プローブの、タンパク質蛍光標識、核酸蛍光標識、タンパク質の定量又は検出、あるいは、核酸の定量又は検出用の試薬を製造するための使用を提供する。
【0013】
本発明による蛍光染料は、サンプルの粘度測定に使用可能であり、例えば、微視的粘度の測定に適用する。別の実施形態によれば、得られる蛍光染料は、対応する抗体、アプタマー又はアミロイドタンパク質などと特異的に結合し、あるいは、リガンド又は阻害剤を介してタンパク質タグ又は酵素と結合して、一連の蛍光活性化発生型プローブを得て、タンパク質、酵素又は核酸の蛍光標識、定量又はモニタリングに使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】分子ローターIII-3(1×10-5M)の異なる粘度条件での蛍光発光強度図である。
図2】分子ローターIII-3(1×10-5M)の粘度条件と蛍光強度の線形関係図である。
図3】分子ローターIII-4(1×10-5M)の異なる粘度条件での蛍光発光強度図である。
図4】分子ローターIII-4(1×10-5M)の粘度条件と蛍光強度の線形関係図である。
図5】分子ローターIII-28(1×10-5M)の異なる粘度条件での蛍光発光強度図である。
図6】分子ローターIII-28(1×10-5M)の粘度条件と蛍光強度の線形関係図である。
図7】分子ローターIII-34(1×10-5M)の異なる粘度条件での蛍光発光強度図である。
図8】分子ローターIII-34(1×10-5M)の粘度条件と蛍光強度の線形関係図である。
図9】分子ローターIII-11とIII-36(1×10-6M)のPBSでの蛍光バックグラウンドの比較図である。
図10】分子ローターIII-34とIII-37(1×10-6M)のPBSでの蛍光バックグラウンドの比較図である。
図11】分子ローターIII-31、III-32、III-33とIII-38(1×10-6M)のPBSでの蛍光バックグラウンドの比較図である。
図12】分子ローターIII-3とIII-39(1×10-6M)のPBSでの蛍光バックグラウンドの比較図である。
図13】分子ローターIII-21とIII-40(1×10-6M)のPBSでの蛍光バックグラウンドの比較図である。
図14】分子ローターIII-28、III-29、III-30とIII-41(1×10-6M)のPBSでの蛍光バックグラウンドの比較図である。
図15】分子ローターIII-3とIII-42(1×10-6M)のPBSでの蛍光バックグラウンドの比較図である。
図16】分子ローターIII-3とIII-43(1×10-6M)のPBSでの蛍光バックグラウンドの比較図である。
図17】分子ローターIII-3、III-4、III-6、III-7、III-8、III-18、III-21を細胞内RNAアプタマーの標識に使用し、Aは標的RNAアプタマーを発現した細胞であり、Bは標的RNAアプタマーを発現していない細胞である。
図18】分子ローターIII-3、III-43を細胞内mRNAの標識に使用した。
【発明を実施するための形態】
【0015】
実施例1:
化合物III-1:
【化5】
4-N,N-ジメチル-ベンズアルデヒド(0.35g、2.3mmol)、4-シアノ-フェニルアセトニトリル(0.4g、2.8mmol)を、100mlの丸形フラスコに取り、40mlの無水エタノールを加えて溶解して、ピペリジンを2滴加えて、Ar保護条件下、オイルバスで2h加熱還流し、反応完了後、室温まで冷却し、固形物が大量に析出し、ろ過して、冷たいエタノールでろ過ケーキを3回リンスし、真空乾燥してオレンジ色固体(0.60g、95%)を得た。H NMR(400MHz,DMSO-d):δ=3.05(s,6H),6.83(d,J=9.2Hz,2H),7.84-7.94(m,6H),8.02ppm(s,1H).HRMS(ESI-TOF):Calcd.For C1816[M+H]:274.1344.Found:274.1345.
【0016】
実施例2:
化合物III-2:
【化6】
化合物III-1の合成方法を参照した(0.34g、89%)。H NMR(400MHz,DMSO-d):δ=1.23(t,J=7.60Hz,6H),3.05(t,J=7.60Hz,4H),6.84(d,J=9.2Hz,2H),7.84-7.95(m,6H),8.09ppm(s,1H).HRMS(ESI-TOF):Calcd.For C2020[M+H]:302.1657.Found:302.1658.
【0017】
実施例3:
化合物III-3:
【化7】
化合物III-1の合成方法を参照した(0.33g、95%)。H NMR(400MHz,DMSO-d):δ=7.96(s,1H),7.85(d,J=16.0Hz,6H),6.81(d,J=8.0Hz,2H),4.77(s,1H),3.55(d,J=28.0Hz,4H),3.04(s,1H).HRMS(ESI-TOF):Calcd.For C1918O[M+H]:304.1450.Found:304.1451.
【0018】
実施例4:
化合物III-4:
【化8】
化合物III-3(0.61g、2.0mmol)を、40mLの乾燥DCMに取り、TEA(0.25g、2.2mmol)を加えて、0℃条件でP-トルエンスルホニルクロリド(0.38g、2.0mmol)の10ml DCM溶液をゆっくり加えて、Ar保護条件下、室温までゆっくり昇温させ、反応完了後、2mLの水を加えて反応を中止し、有機相を分離し、NaSOで乾燥し、減圧条件で有機溶媒を除去し、残留物を更に処理することなく、そのまま次の工程に用いた。
【0019】
残留物を20mlのアセトニトリルに溶解して、1mlのメチルアミンのメタノール溶液を加えて、Ar保護条件下、系をオイルバスで一晩加熱還流し、反応完了後、加圧して溶媒を除去し、系を50ml DCMに溶解して、水、飽和食塩水のそれぞれで洗浄し(2×100ml)、有機相をNaSOで乾燥し、加圧して溶媒を除去し、残留物をカラムクロマトグラフィーで分離してオレンジレッド色固体(0.54g、82%)を得た。H NMR(400MHz,CDCl):δ=7.88(d,J=9.0Hz,2H),7.74-7.65(m,4H),7.48(s,1H),6.73(d,J=9.1Hz,2H),3.60-3.55(m,2H),3.08(s,3H),2.57-2.52(m,2H),2.34(s,6H).HRMS(ESI-TOF):Calcd.For C2123[M+H]:331.1923.Found:331.1925.
【0020】
実施例5:
化合物III-5:
【化9】
4-ヒドロキシ-3,5-ジフルオロ-ベンズアルデヒド(0.32g、2.0mmol)、4-シアノ-フェニルアセトニトリル(0.35g、2.4mmol)を、100mlの丸形フラスコに取り、40mlの無水エタノールを加えて溶解して、ピペリジンを2滴加えて、Ar保護条件下、オイルバスで2h加熱還流し、反応完了後、室温まで冷却し、固形物が大量に析出し、ろ過して、冷たいエタノールでろ過ケーキを3回リンスし、真空乾燥してオレンジ色固体を得た。H NMR(400MHz,CDCl):δ=7.80(d,J=9.0Hz,2H),7.74-7.66(m,4H),7.48(s,1H).HRMS(ESI-TOF):Calcd.For C16O[M+H]:283.0683.Found:283.0684.
【0021】
実施例6:
化合物5-(N-メチル-N-ヒドロキシエチル)アミノ-ピラジン-2-カルバルデヒド:
【化10】
4-N-メチル-N-ヒドロキシエチルアミン(2.6g、35mmol)、5-クロロ-ピラジン-2-カルバルデヒド(0.50g、3.5mmol)を、100mlの丸形フラスコに取り、20mlの無水アセトニトリルを加えて溶解して、KCO(0.71g、5.3mmol)を加えて、Ar保護条件下、オイルバスで24h加熱還流し、反応完了後、室温まで冷却し、ろ過して、真空で溶媒を除去し、残留物を100ml DCMに溶解して、水、飽和食塩水のそれぞれで洗浄し(2×100ml)、有機相をNaSOで乾燥し、有機溶媒を除去し、残留物をカラムクロマトグラフィーで分離して、5-(N-メチル-N-ヒドロキシエチル)-ピラジン-2-カルバルデヒド(0.48g、76%)を得た。H NMR(400MHz,CDCl):δ9.88(s,1H),8.62(d,J=1.2Hz,1H),8.14(d,J=1.1Hz,1H),3.92(m,2H),3.88-3.83(m,2H),3.28(s,3H).HRMS(ESI-TOF):Calcd.For C12[M+H]:182.1.Found:182.1.
【0022】
化合物III-6:
【化11】
化合物III-1の合成方法を参照した(0.36g、96%)。H NMR(400MHz,CDCl):δ8.39(s,1H),8.30(s,1H),7.80(d,J=8.5Hz,2H),7.72(d,J=8.4Hz,2H),7.51(s,1H),3.93(t,J=4.9Hz,2H),3.88-3.83(m,2H),3.29(s,3H).HRMS(ESI-TOF):Calcd.For C1716O[M+H]:306.1355.Found:306.1357.
【0023】
実施例7:
化合物III-7:
【化12】
化合物III-4の合成方法を参照した(0.21g、67%)。H NMR(400MHz,DMSO-d):δ8.37(d,J=5.2Hz,2H),8.06(s,1H),8.00-7.85(m,4H),3.77(t,J=6.5Hz,2H),3.20(s,3H),2.56(m,2H),2.23(s,6H).HRMS(ESI-TOF):Calcd.For C1921[M+H]:333.1828.Found:333.1829.
【0024】
実施例8:
化合物6-(N-メチル-N-ヒドロキシエチル)アミノ-ピラジン-3-カルバルデヒド:
【化13】
化合物5-(N-メチル-N-ヒドロキシエチル)アミノ-ピラジン-2-カルバルデヒドの合成方法に従った(0.45g、68%)。H NMR(400MHz,CDCl):δ=9.69(s,1H),8.43(d,J=2.1Hz,1H),7.86(dd,J=9.0,2.3Hz,1H),6.56(d,J=9.1Hz,1H),3.86-3.79(m,4H),3.15(s,3H).HRMS(ESI-TOF):Calcd.For C13[M+H]:181.1.Found:181.1.
【0025】
化合物III-8:
【化14】
化合物III-1の合成方法を参照した(0.39g、89%)。H NMR(400MHz,DMSO-d):δ=8.54(d,J=4.0Hz,1H),8.30(dd,J=9.3,2.5Hz,1H),8.03(s,1H),7.92(d,J=8.0Hz,2H),7.85(d,J=8.0Hz,2H),6.84(d,J=8.0Hz,1H),4.77(t,J=5.4Hz,1H),3.67(t,J=5.3Hz,2H),3.60(q,J=5.4Hz,2H),3.15(s,3H).HRMS(ESI-TOF):Calcd.For C1827O[M+H]:305.1402.Found:305.1401.
【0026】
実施例9:
化合物III-9:
【化15】
化合物III-4の合成方法を参照した(0.31g、92%)。H NMR(400MHz,DMSO-d):δ=8.55(d,J=4.0Hz,1H),8.31(dd,J=9.3,2.5Hz,1H),8.05(s,1H),7.93(d,J=8.0Hz,2H),7.84(d,J=8.0Hz,2H),6.85(d,J=8.0Hz,1H),4.78(t,J=5.4Hz,1H),3.67(t,J=5.3Hz,2H),3.60(q,J=5.4Hz,2H),3.17(t,J=8.0Hz,4H),1.17(t,J=8.0Hz,6H).HRMS(ESI-TOF):Calcd.For C2226[M+H]:360.2188.Found:360.2187.
【0027】
実施例10:
4-N,N-ジメチル-6-カルバルデヒド-ピリジン:
【化16】
化合物4-N-メチル-N-(2-N’,N’-ジメチル-エチル)-ベンズアルデヒドの合成方法を参照した(0.31g、49%)。H NMR(400MHz,DMSO-d):δ=9.86(d,J=0.6Hz,1H),8.17(d,J=2.9Hz,1H),7.83(d,J=8.9Hz,1H),6.94(dd,J=8.8,2.9Hz,1H),3.10(s,6H).HRMS(ESI-TOF):Calcd.For C11O[M+H]:151.1.Found:151.1.
【0028】
化合物III-10:
【化17】
化合物III-1の合成方法を参照した(0.36g、96%)。H NMR(400MHz,DMSO-d):δ=9.86(d,J=0.6Hz,1H),8.26(s,1H),8.17(d,J=2.9Hz,1H),7.83(d,J=8.9Hz,1H),7.46(m,4H),6.94(dd,J=8.8,2.9Hz,1H),3.10(s,6H).HRMS(ESI-TOF):Calcd.For C1715[M+H]:275.1297.Found:275.1298.
【0029】
実施例11:
2-(N-メチル-N-ヒドロキシエチル)アミノ-5-カルバルデヒド-ピリミジン:
【化18】
化合物4-N-メチル-N-(2-N’,N’-ジメチル-エチル)-ベンズアルデヒドの合成方法を参照した(0.42g、72%)。H NMR(400MHz,DMSO-d):δ=9.89(s,1H),8.73(s,2H),3.64(t,J=8.9Hz,2H),3.45(t,J=8.8Hz,2H),3.10(s,3H).HRMS(ESI-TOF):Calcd.For C12O[M+H]:182.1.Found:182.1.
【0030】
化合物III-11:
【化19】
化合物III-1の合成方法を参照した(0.36g、96%)。H NMR(400MHz,DMSO-d):δ=8.26(s,1H),8.73(s,2H),7.64(m,4H),3.64(t,J=8.9Hz,2H),3.44(t,J=8.8Hz,2H),3.11(s,3H).HRMS(ESI-TOF):Calcd.For C1716O[M+H]:306.1355.Found:306.1356.
【0031】
実施例12:
5-(N-メチル-N-ヒドロキシエチル)アミノ-2-カルバルデヒド-ピリミジン:
【化20】
化合物4-N-メチル-N-(2-N’,N’-ジメチル-エチル)-ベンズアルデヒドの合成方法を参照した(0.42g、72%)。H NMR(400MHz,DMSO-d):δ=9.98(s,1H),8.21(s,2H),3.64(t,J=8.9Hz,2H),3.44(t,J=8.8Hz,2H),3.12(s,3H).HRMS(ESI-TOF):Calcd.For C12[M+H]:182.1.Found:182.1.
【0032】
1-シアノ-1-(4-フェニルアセトニトリル)-2-2-(5-(N-メチル-N-ヒドロキシエチル)アミノ-)ピリミジン-エチレン:
【化21】
化合物III-1の合成方法を参照した(0.56g、89%)。H NMR(400MHz,DMSO-d):δ=8.21(s,2H),7.99(s,1H),7.64(s,4H),3.64(t,J=8.9Hz,2H),3.44(t,J=8.8Hz,2H),3.12(s,3H).HRMS(ESI-TOF):Calcd.For C1716O[M+H]:306.1.Found:306.1.
【0033】
化合物III-12:
【化22】
化合物III-4の合成方法を参照した(0.36g、96%)。H NMR(400MHz,DMSO-d):δ=8.21(s,2H),7.99(s,1H),7.64(s,4H),3.77(t,J=6.5Hz,2H),3.20(s,3H),2.56(m,2H),2.23(s,6H).HRMS(ESI-TOF):Calcd.For C1921[M+H]:333.1828.Found:333.1829.
【0034】
実施例13:
2-アセトニトリル-5-シアノ-ピリジン:
【化23】
2-ブロモメチル-5-シアノピリジン(0.50g、2.5mmol)を、100mlの丸形フラスコに取り、50ml THFを加えて溶解して、Ar保護条件下、NaCNの2M水溶液を10ml加えて、オイルバスで12h加熱還流し、反応完了後、系を室温まで冷却し、DCMで抽出し(3×100ml)、有機相を合併し、水、飽和食塩水のそれぞれで洗浄し(2×100ml)、有機相をNaSOで乾燥し、減圧して溶媒を除去し、残留物をカラムクロマトグラフィーで精製分離して、2-アセトニトリル-5-シアノピリジン(0.19g、56%)を得た。H NMR(400MHz,DMSO-d):δ=8.78(s,1H),7.95(m,1H),7.56(m,1H),4.01(s,2H).HRMS(ESI-TOF):Calcd.For C[M+H]:144.1.Found:144.1.
【0035】
化合物III-13:
【化24】
化合物III-1の合成方法を参照した(0.45g、95%)。H NMR(400MHz,DMSO-d):δ=8.78(s,1H),8.21(s,1H),7.94(m,1H),7.86(d,J=8.0Hz,2H),7.57(m,1H),6.80(d,J=8.0Hz,2H),3.64(t,J=8.9Hz,2H),3.44(t,J=8.8Hz,2H),3.12(s,3H).HRMS(ESI-TOF):Calcd.For C1817O[M+H]:305.1402.Found:305.1403.
【0036】
実施例14:
2-シアノ-5-アセトニトリル-ピラジン:
【化25】
2-クロロ-ピラジン-5-アセトニトリル(0.32g、2.0mmol)、CuCN(0.93g、10.0mmol)を、100mlの丸形フラスコに取り、30mlの乾燥DMSOを加えて溶解して、Ar保護条件下、80℃のオイルバスで12h加熱して、反応完了後、系を100mlの水に注いで、DCMで抽出し(4×50ml)、有機相を合併し、水、飽和食塩水のそれぞれで洗浄し(2×100ml)、有機相をNaSOで乾燥し、減圧して有機溶媒を除去し、残留物をカラムクロマトグラフィーで分離して、2-シアノ-ピラジン-5-アセトニトリル(0.20g、69%)を得た。H NMR(400MHz,DMSO-d):δ=8.60(s,1H),8.48(s,1H),3.92(s,2H).HRMS(ESI-TOF):Calcd.For C[M+H]:145.1.Found:145.1.
【0037】
化合物III-14:
【化26】
化合物III-1の合成方法を参照した(0.25g、91%)。H NMR(400MHz,DMSO-d):δ=8.60(s,1H),8.48(s,1H),8.11(s,1H),7.81(d,J=8.2Hz,2H),6.84(d,J=8.2Hz,2H),3.60(t,J=9.2Hz,2H),3.46(t,J=9.2Hz,2H),3.12(s,3H).HRMS(ESI-TOF):Calcd.For C1716O[M+H]:306.1355.Found:306.1354.
【0038】
実施例15:
化合物III-15:
【化27】
化合物III-1の合成方法を参照した(0.25g、91%)。H NMR(400MHz,DMSO-d):δ=8.22(s,1H),8.00(d,J=9.1Hz,1H),7.77-7.69(m,1H),7.43-7.34(m,1H),6.88(d,J=9.1Hz,1H),4.81(t,J=5.2Hz,1H),3.31-3.25(m,4H),2.66-2.63(m,4H),1.89-1.81(m,4H).HRMS(ESI-TOF):Calcd.For C2220[M+H]:326.1657.Found:326.1658.
【0039】
実施例16:
化合物III-16:
【化28】
化合物III-1の合成方法を参照した(0.29g、94%)。H NMR(400MHz,DMSO-d):δ=8.11(2H,d,J=10.4Hz),7.99(3H,dd,J=8.6、3.0Hz),7.54(1H,dd,J=8.0,8.0Hz),7.44(1H,dd,J=8.0,8.0Hz),6.88(2H,d,J=9.2Hz),4.82(1H,bt,t,J=5.2Hz),3.01-3.08(m,2H),3,53-3.60(m,2H),2.89(s,3H).HRMS(ESI-TOF):Calcd.For C1916[M+H]:286.1344.Found:286.1345.
【0040】
実施例17:
6-メチルアミン-ベンゾ[b]チオフェン-2-カルバルデヒド:
【化29】
6-ブロモベンゾ[b]チオフェン-2-カルバルデヒド(0.42g、1.7mmol)、ジメチルエチルアミン(40%水溶液、1g、8.9mmol)、CuI(13.9mg、0.073mmol)、KPO・HO(155.4mg、0.73mmol)、メチルアミン(33%水溶液、1g)を、100mlの耐圧瓶に取り、密封条件で60℃のオイルバスで12h加熱して、系を室温まで冷却し、50mlの水を加えて、DCMで抽出し(3×100ml)、有機相を合併し、NaSOで乾燥し、減圧して有機溶媒を除去し、残留物をカラムクロマトグラフィーで分離精製した(0.23g、68%)。H NMR(400MHz,DMSO-d):δ=9.92(1H,s),8.14(1H,s),7.82(1H,d,J=9.1Hz),7.18(1H,d,J=2.1Hz),7.01(1H,dd,J=9.1,2.3Hz),3.05(3H,s).HRMS(ESI-TOF):Calcd.For C1010NOS[M+H]:192.0.Found:192.0.
【0041】
化合物III-17:
【化30】
化合物III-1の合成方法を参照した(0.29g、94%)。H NMR(400MHz,DMSO-d):δ=8.45(s,1H),7.92(d,J=8.6Hz,2H),7.85(d,J=8.3Hz,3H),7.73(dd,J=8.6,3.9Hz,1H),7.21(d,J=1.9Hz,1H),7.21(d,J=1.9Hz,1H),6.96(dd,J=9.1,2.3Hz,1H),3.05(s,3H).HRMS(ESI-TOF):Calcd.For C1914S[M+H]:360.1171.Found:360.1173.
【0042】
実施例18:
6-N-メチル-N-ヒドロキシエチル-ベンゾ[b]チオフェン-2-カルバルデヒド:
【化31】
化合物6-メチルアミン-ベンゾ[b]チオフェン-2-カルバルデヒドの合成方法を参照した(0.54g、79%)。H NMR(400MHz,DMSO-d):δ=9.91(s,1H),8.14(s,1H),7.81(d,J=5.2Hz,1H),7.17(d,J=2.0Hz,1H),7.01(dd,J=2.0,8.8Hz,1H),4.76(t,J=5.6Hz,1H),3.58(t,J=4.2Hz,2H),3.52(t,J=4.2Hz,2H),3.04(s,3H).HRMS(ESI-TOF):m/z Calcd.For C1214NOS,[M+H]:235.1.Found 236.1.
【0043】
化合物III-18:
【化32】
化合物III-1の合成方法を参照した(0.21g、95%)。H NMR(400MHz,DMSO-d):δ=8.45(s,1H),7.92(d,J=8.6Hz,2H),7.85(d,J=8.3Hz,3H),7.73(dd,J=8.6,3.9Hz,1H),7.21(d,J=1.9Hz,1H),7.21(d,J=1.9Hz,1H),6.96(dd,J=9.1,2.3Hz,1H),3.63-3.57(m,2H),3.52(t,J=5.7Hz,2H),3.05(s,3H).HRMS(ESI-TOF):Calcd.For C2119OS[M+H]:360.1171.Found:360.1173.
【0044】
実施例19:
5-N,N-ジメチルアミン-2-カルバルデヒドチエノ[3,2-b]チオフェン:
【化33】
化合物6-N-メチル-N-ヒドロキシエチル-ベンゾ[b]チオフェン-2-カルバルデヒドの合成方法を参照した(0.54g、79%)。H NMR(400MHz,DMSO-d):δ=9.66(s,1H),8.05(s,1H),6.30(s,1H),4.88(bt,1H),3.07(s,6H).HRMS(ESI-TOF):m/z Calcd.For C12NOS[M+H]:214.0;found 214.0.
【0045】
化合物III-19:
【化34】
化合物III-1の合成方法を参照した(0.31g、90%)。H NMR(400MHz,DMSO-d):δ=8.34(s,1H),7.86(d,J=8.0Hz,2H),7.81(s,1H),7.77(d,J=8.0Hz,2H),6.32(s,1H),4.88(t,J=4.0Hz,1H),3.08(s,6H).HRMS(ESI-TOF):Calcd.For C1814[M+H]:336.0629.Found:336.0630.
【0046】
実施例20:
5-N,N-ジエチルアミン-2-カルバルデヒドチエノ[3,2-b]チオフェン:
【化35】
化合物6-N-メチル-N-ヒドロキシエチル-ベンゾ[b]チオフェン-2-カルバルデヒドの合成方法を参照した(0.44g、75%)。H NMR(400MHz,DMSO-d):δ=9.78(s,1H),8.09(s,1H),6.30(s,1H),4.87(bt,1H),3.27(t,J=8.4Hz,4H),1.26(t,J=8.4Hz,4H).HRMS(ESI-TOF):m/z Calcd.For C12NOS[M+H]:214.0;found 214.0.
【0047】
化合物III-20:
【化36】
化合物III-1の合成方法を参照した(0.31g、90%)。H NMR(400MHz,DMSO-d):δ=8.34(s,1H),7.86(d,J=8.0Hz,2H),7.81(s,1H),7.77(d,J=8.0Hz,2H),6.32(s,1H),4.88(t,J=4.0Hz,1H),3.27(t,J=8.4Hz,4H),1.26(t,J=8.4Hz,4H).HRMS(ESI-TOF):Calcd.For C2018[M+H]:364.0942.Found:364.0943.
【0048】
実施例21:
5-(N-メチル-N-ヒドロキシエチル)アミノ-2-カルバルデヒドチエノ[3,2-b]チオフェン:
【化37】
化合物6-N-メチル-N-ヒドロキシエチル-ベンゾ[b]チオフェン-2-カルバルデヒドの合成方法を参照した(0.44g、75%)。H NMR(400MHz,DMSO-d):δ=9.66(s,1H),8.05(s,1H),6.30(s,1H),4.88(bt,1H),3.64(t,J=5.6Hz,2H),3.44(t,J=5.6Hz,2H),3.07(s,3H).HRMS(ESI-TOF):m/z Calcd.For C1012NO[M+H]:241.0;found 242.0.
【0049】
化合物III-21:
【化38】
化合物III-1の合成方法を参照した(0.31g、90%)。H NMR(400MHz,DMSO-d):δ8.34(s,1H),7.86(d,J=8.0Hz,2H),7.81(s,1H),7.77(d,J=8.0Hz,2H),6.32(s,1H),4.88(t,J=4.0Hz,1H),3.65(q,J=5.5Hz,2H),3.44(t,J=5.5Hz,2H),3.34(s,1H),3.08(s,3H).HRMS(ESI-TOF):Calcd.For C1916OS[M+H]:366.0735.Found:366.0736.
【0050】
実施例22:
化合物III-22:
【化39】
化合物III-1の合成方法を参照した(0.31g、90%)。H NMR(400MHz,DMSO-d):δ=3.04(s,6H),6.82(d,J=9.2Hz,2H),7.59(d,J=9.1Hz,2H),7.84-7.94(m,6H),8.02ppm(s,1H).HRMS(ESI-TOF):Calcd.For C2419[M+H]:350.1657.Found:350.1656.
【0051】
実施例23:
化合物III-23:
【化40】
化合物III-1:H NMR(400MHz,DMSO-d):δ=3.02(s,6H),6.72(d,J=8.0Hz,2H),7.24(d,J=4.0Hz,1H),7.49(d,J=8.8Hz,2H),7.55(d,J=8.0Hz,1H),7.69(d,J=8.8Hz,2H),8.02ppm(s,1H).HRMS(ESI-TOF):Calcd.For C2218S[M+H]:356.1221.Found:356.1220.
【0052】
実施例24:
化合物III-24:
【化41】
化合物III-1の合成方法を参照し、そのうちの化合物1はChem.Commun.2011,47,985-987.の合成方法を参照した。H NMR(400MHz,DMSO-d):δ=3.63(m,16H),3.77(m,4H),6.76(d,J=8.8Hz,2H),7.38(d,J=4.0Hz,2H),7.49(d,J=8.8Hz,2H),7.59(d,J=8.8Hz,2H),7.72(m,4H),8.28(s,1H).HRMS(ESI-TOF):Calcd.For C3032S[M+H]:530.2114.Found:530.2115.
【0053】
実施例25:
化合物III-25:
【化42】
化合物III-1の合成方法を参照し、その化合物2はJ.Org.Chem.2008,73,6587-6594.の合成方法を参照した。H NMR(400MHz,DMSO-d):δ=1.23(t,J=7.2Hz,6H),3.35(m,J=7.2Hz,4H),5.78(d,J=4.0Hz,1H),6.92(d,J=4.0Hz,1H),7.12(d,J=4.0Hz,1H),7.49(d,J=8.8Hz,2H),7.56(d,J=4.0Hz,1H),7.69(d,J=8.8Hz,2H),8.28(s,1H).HRMS(ESI-TOF):Calcd.For C3032S[M+H]:390.1099.Found:390.1097.
【0054】
実施例26:
化合物III-26:
【化43】
化合物III-1の合成方法を参照した。H NMR(400MHz,DMSO-d):δ=3.30(s,6H),5.71(d,J=4.0Hz,1H),6.93(d,J=4.0Hz,1H),7.15(d,J=4.0Hz,1H),7.47(d,J=8.8Hz,2H),7.56(d,J=4.0Hz,1H),7.64(d,J=8.8Hz,2H),8.28(s,1H).HRMS(ESI-TOF):Calcd.For C2017[M+H]:381.0731.Found:381.0730.
【0055】
実施例27:
化合物III-27:
【化44】
化合物III-1の合成方法を参照し、そのうちの化合物4はHeterocycles,1997,46,489-501.を参照した。H NMR(400MHz,CDCl):δ2.07(m,4H),3.33(t,J=6.6Hz,4H),4.2(s,3H),5.70(d,J=4.4Hz,1H),6.92(d,J=4.0Hz,1H),7.15(d,J=4.0Hz,1H),7.43(d,J=8.2Hz,2H),7.51(d,J=8.2Hz,2H),7.57(d,J=4.0Hz,1H),8.10(s,1H).HRMS(ESI-TOF):Calcd.For C2321[M+H]:421.1044.Found:521.1042.
【0056】
実施例28:
化合物III-28:
【化45】
化合物III-1の合成方法を参照し、そのうちの化合物5はWO2018014821を参照した。H-NMR(400MHz,DMSO-d):δ=7.84(s,1H),7.59(d,J=8.8Hz,2H),7.49(d,J=8.8Hz,2H),7.24(s,1H),3.78(t,2H,J=4.80Hz),3.44(t,2H,J=4.80Hz),3.02(s,3H)。HRMS(ESI-TOF):Calcd.For C2116ON3.[M+H]:422.0455.Found:422.0456.
【0057】
実施例29:
化合物III-29:
【化46】
化合物III-1の合成方法を参照し、そのうちの化合物6はWO2018014821を参照した。H-NMR(400MHz,DMSO-d):δ=7.84(s,1H)7.59(d,J=8.8Hz,2H),7.49(d,J=8.8Hz,2H),7.24(s,1H),3.56(q,J=4.0Hz,2H),3.01(s,6H),1.21(t,J=4.0Hz,3H).HRMS(ESI-TOF):Calcd.For C22193.[M+H]:439.0609.Found:439.0610.
【0058】
実施例30:
化合物III-30:
【化47】
化合物III-1の合成方法を参照し、そのうちの化合物7はWO2014048547を参照した。H-NMR(400MHz,DMSO-d):δ=7.84(s,1H),7.59(d,J=8.8Hz,2H),7.49(d,J=8.8Hz,2H),7.24(s,1H),3.10(s,3H),3.01(s,6H).HRMS(ESI-TOF):Calcd.For C21174.[M+H]:429.0024.Found:429.0026.
【0059】
実施例31:
化合物III-31:
【化48】
化合物III-1の合成方法を参照し、そのうちの化合物9はJ.Chem.Pharm.Res.,2012,4,1661-1669.を参照した。H-NMR(400MHz,DMSO-d):δ=7.84(s,1H),7.59(d,J=8.8Hz,2H),7.49(d,J=8.8Hz,2H),7.24(s,1H),3.14(s,3H),3.01(s,6H).HRMS(ESI-TOF):Calcd.For C2223Si.[M+H]:471.0691.Found:471.0690.
【0060】
実施例32:
化合物III-32:
【化49】
化合物III-1の合成方法を参照した。H-NMR(400MHz,DMSO-d):δ=7.84(s,1H),7.59(d,J=8.8Hz,2H),7.49(d,J=8.8Hz,2H),7.24(s,1H),3.77(t,2H,J=4.80Hz),3.41(t,2H,J=4.80Hz),3.00(s,3H).HRMS(ESI-TOF):Calcd.For C2224Si.[M+H]:502.0749.Found:502.0752.
【0061】
実施例33:
化合物III-33:
【化50】
化合物III-1の合成方法を参照した。H-NMR(400MHz,CDCl):δ=7.89(s,1H),7.59(d,J=8.8Hz,2H),7.49(d,J=8.8Hz,2H),7.18(s,1H),6.96(d,2H,J=5.6Hz),3.85(t,2H,J=4.80Hz),3.46(t,2H,J=4.80Hz),3.06(s,3H),0.46(s,6H).Calcd.For C2322ONSi.[M+H]:448.0974.Found:448.0972.
【0062】
実施例34:
化合物III-34:
【化51】
化合物III-1の合成方法を参照した。H-NMR(400MHz,CDCl):δ=7.83(s,1H),7.59(d,J=8.8Hz,2H),7.49(d,J=8.8Hz,2H),7.11(s,1H),3.85(t,2H,J=4.80Hz),3.46(t,2H,J=4.80Hz),3.06(s,3H),1.46(s,6H).HRMS(ESI-TOF):Calcd.For C2424[M+H]:450.1310.Found:450.1311.
【0063】
実施例35:
【化52】
化合物12:
文献に開示された方法を参照した(K.T.Arun et.al.J.Phys.Chem.A.2005,109,5571-5578.)。H-NMR(400MHz,CDCl3):δ=10.01(s,1H),7.89(s,1H),7.18(s,1H),6.96(d,2H,J=5.6Hz),3.52-3.65(m,20H),3.37(s,3H),2.97(s,3H).HRMS(ESI-TOF):Calcd.For C2422ONSi.[M+H]:432.1204.Found:432.1203.Calcd.For C24362.[M+H]:497.3.Found:497.3.
【0064】
化合物III-35:
【0065】
化合物III-1の合成方法を参照した。H-NMR(400MHz,CDCl):δ=7.89(s,1H),7.59(d,J=8.8Hz,2H),7.49(d,J=8.8Hz,2H),7.18(s,1H),6.96(d,2H,J=5.6Hz),3.52-3.65(m,20H),3.37(s,3H),2.97(s,3H).HRMS(ESI-TOF):Calcd.For C33392.[M+H]:622.2409.Found:622.2409.
【0066】
比較例1:
化合物III-36:
【化53】
化合物III-1の合成方法を参照した(0.25g、91%)。H NMR(400MHz,DMSO-d):δ=8.21(s,2H),7.99(s,1H),7.64(s,4H),3.64(t,J=8.9Hz,2H),3.44(t,J=8.8Hz,2H),3.12(s,3H).HRMS(ESI-TOF):Calcd.For C1617S[M+H]:361.0971.Found:361.0970
【0067】
比較例2:
化合物III-37:
【化54】
化合物III-1の合成方法を参照した(0.39g、91%)。H NMR(400MHz,DMSO-d):δ=7.83(s,1H),7.59(d,J=8.8Hz,2H),7.49(d,J=8.8Hz,2H),7.11(s,1H),3.85(t,2H,J=4.80Hz),3.46(t,2H,J=4.80Hz),3.05(s,3H),1.46(s,6H).HRMS(ESI-TOF):Calcd.For C2323[M+H]:487.0820.Found:487.0821.
【0068】
比較例3:
化合物III-38:
【化55】
化合物III-1の合成方法を参照し、そのうちの化合物11はCN106349105を参照した。H-NMR(400MHz,DMSO-d):δ=7.84(s,1H),7.59(d,J=8.8Hz,2H),7.49(d,J=8.8Hz,2H),7.24(s,1H),3.78(t,2H,J=4.80Hz),3.44(t,2H,J=4.80Hz),3.01(s,3H).HRMS(ESI-TOF):Calcd.For C2223Si.[M+H]:503.0589.Found:203.0588.
【0069】
比較例4:
化合物III-39:
【化56】
化合物III-1の合成方法を参照した。H-NMR(400MHz,DMSO-d):δ=7.84(s,1H),7.59(d,J=8.8Hz,2H),7.49(d,J=8.8Hz,2H),3.78(t,2H,J=4.80Hz),3.44(t,2H,J=4.80Hz),3.01(s,3H).HRMS(ESI-TOF):Calcd.For C1819[M+H]:359.1066.Found:359.1065.
【0070】
比較例5:
化合物III-40:
【化57】
化合物III-1の合成方法を参照した。H-NMR(400MHz,DMSO-d):δ=8.34(s,1H),7.59(d,J=8.0Hz,2H),7.81(s,1H),7.49(d,J=8.0Hz,2H),6.32(s,1H),4.88(t,J=4.0Hz,1H),3.65(q,J=5.5Hz,2H),3.44(t,J=5.5Hz,2H),3.34(s,1H),3.08(s,3H).HRMS(ESI-TOF):Calcd.For C18173.[M+H]:421.0350.Found:421.0351.
【0071】
比較例6:
化合物III-41:
【化58】
化合物III-1の合成方法を参照した。H-NMR(400MHz,DMSO-d):δ=7.85(s,1H),7.59(d,J=8.8Hz,2H),7.47(d,J=8.8Hz,2H),7.24(s,1H),3.79(t,2H,J=4.80Hz),3.43(t,2H,J=4.80Hz),3.01(s,3H)。HRMS(ESI-TOF):Calcd.For C20174.[M+H]:477.0071.Found:477.0070.
【0072】
比較例7:
化合物III-42:
【化59】
化合物III-1の合成方法を参照した(0.25g、91%)。H NMR(400MHz,DMSO-d):δ=8.22(s,1H),8.00(d,J=9.1Hz,1H),7.77-7.69(m,1H),7.43-7.34(m,1H),6.88(d,J=9.1Hz,1H),4.81(t,J=5.2Hz,1H),3.64-3.52(m,3H),3.09(s,1H).LR-HRMS(ESI-TOF):Calcd.For C1918[M+H]:320.1399.Found:320.1397.
【0073】
比較例8:
化合物III-43:
【化60】
化合物III-1の合成方法を参照した(0.29g、94%)。H NMR(400MHz,DMSO-d):δ=8.11(2H,d,J=10.4Hz),7.99(3H,dd,J=8.6,3.0Hz),7.54(1H,dd,J=8.0,8.0Hz),7.44(1H,dd,J=8.0,8.0Hz),6.88(2H,d,J=9.2Hz),4.82(1H,bt,t,J=5.2Hz),3.60(2H,t,J=5.2Hz),3.56(2H,t,J=5.2Hz),3.09(3H,s).LR-HRMS(ESI-TOF):Calcd.For C1918OS[M+H]:336.1171.Found:336.1170.
【0074】
試験例1:
実施例1~35で製造された蛍光染料(分子ローター)のそれぞれをジメチルスルホキシドに溶解して、濃度が1×10-2Mの母液をそれぞれ調製し、各母液をグリセリン及びメタノールのそれぞれに加えて、均一に混合し、最終濃度が1×10-5Mの溶液をそれぞれ調製した。蛍光染料に応じて、順次に各蛍光染料の最大励起波長を用いて同じ条件でその蛍光発光スペクトルを測定し、結果は表1に示されたとおりであり、本発明の蛍光染料は粘度変化への応答が敏感であることを示している。
【0075】
【表1】
【0076】
試験例2:
分子ローターIII-3、III-4、III-28、III-34を、エチレングリコール-グリセリン混合溶液に加えて、最終濃度が1×10-5Mの溶液に調製し、480nmで励起し、異なる粘度条件での蛍光発光スペクトルを図1、3、5、7に示した。同じ濃度の分子ローターの異なる粘度条件での蛍光強度が次第に増大することから、分子ローターの蛍光強度が環境粘度の増大につれて増し、蛍光強度の対数と溶媒粘度との対数関係がホフマン方程式に合致し、良い線形関係を有することが分かり、図2、4、6、8に示されるように、分子ローターは粘度応答が敏感であり、かつ未知サンプルの粘度測定に使用できることを証明している。
【0077】
試験例3:
分子ローターIII-11とIII-36;III-34とIII-37;III-31、III-32、III-33とIII-38;III-3とIII-39;III-21とIII-40;III-28、III-29、III-30とIII-41;III-3とIII-42;III-3とIII-43を、PBS溶液に加えて、最終濃度が1×10-6Mの溶液を調製し、それぞれを各化合物の最大励起波長で励起し、それらのPBSでの蛍光強度を測定した。各グループの最大蛍光強度を100として、各サンプルを規格化し、それぞれを図9図10図11図12図13図14図15及び図16に示した。その結果、電子求引基上の芳香環にスルホン酸基が置換されてある分子ローターや置換されていない分子ローターと比較して、本発明の電子求引基上の芳香環にシアノ基、エステル基、スルホキシド、スルホン、スルホンアミドが置換されてある分子ローターは、より低いバックグラウンド蛍光を有することが分かる。
【0078】
試験例4:
化合物III-3、III-4、III-6、III-7、III-8、III-18、III-21は、RNAアプタマー(配列10:F30-8Pepper-5RNAアプタマー配列
【数1】
と特異的に結合し、結合後の化合物の蛍光が顕著に活性化され、適切な波長励起光の励起で明るい蛍光を発行し、結合後の光学特性を表2に示した。化合物は、細胞内で該アプタマーと結合することもできる。図17Aに示されるように、該RNAアプタマーを転写した細胞は明るい蛍光を有するが、図17Bに示されるように、該RNAアプタマーを発現していない細胞は蛍光がないことから、この一連の染料は核酸の標識に使用できることが分かる。
【0079】
【表2】
【0080】
注:蛍光量子収率は、ローダミン6Gを基準として(QY=0.94)、相対法によって測定した。
【0081】
試験例5:
アプタマー(ACTB-4Pepper RNAアプタマー配列
AUGGAUGAUGAUAUCGCCGCGCUCGUCGUCGACAACGGCUCCGGCAUGUGCAAGGCCGGCUUCGCGGGCGACGAUGCCCCCCGGGCCGUCUUCCCCUCCAUCGUGGGGCGCCCCAGGCACCAGGGCGUGAUGGUGGGCAUGGGUCAGAAGGAUUCCUAUGUGGGCGACGAGGCCCAGAGCAAGAGAGGCAUCCUCACCCUGAAGUACCCCAUCGAGCACGGCAUCGUCACCAACUGGGACGACAUGGAGAAAAUCUGGCACCACACCUUCUACAAUGAGCUGCGUGUGGCUCCCGAGGAGCACCCCGUGCUGCUGACCGAGGCCCCCCUGAACCCCAAGGCCAACCGCGAGAAGAUGACCCAGAUCAUGUUUGAGACCUUCAACACCCCAGCCAUGUACGUUGCUAUCCAGGCUGUGCUAUCCCUGUACGCCUCUGGCCGUACCACUGGCAUCGUGAUGGACUCCGGUGACGGGGUCACCCACACUGUGCCCAUCUACGAGGGGUAUGCCCUCCCCCAUGCCAUCCUGCGUCUGGACCUGGCUGGCCGGGACCUGACUGACUACCUCAUGAAGAUCCUCACCGAGCGCGGCUACAGCUUCACCACCACGGCCGAGCGGGAAAUCGUGCGUGACAUUAAGGAGAAGCUGUGCUACGUCGCCCUGGACUUCGAGCAAGAGAUGGCCACGGCUGCUUCCAGCUCCUCCCUGGAGAAGAGCUACGAGCUGCCUGACGGCCAGGUCAUCACCAUUGGCAAUGAGCGGUUCCGCUGCCCUGAGGCACUCUUCCAGCCUUCCUUCCUGGGCAUGGAGUCCUGUGGCAUCCACGAAACUACCUUCAACUCCAUCAUGAAGUGUGACGUGGACAUCCGCAAAGACCUGUACGCCAACACAGUGCUGUCUGGCGGCACCACCAUGUACCCUGGCAUUGCCGACAGGAUGCAGAAGGAGAUCACUGCCCUGGCACCCAGCACAAUGAAGAUCAAGAUCAUUGCUCCUCCUGAGCGCAAGUACUCCGUGUGGAUCGGCGGCUCCAUCCUGGCCUCGCUGUCCACCUUCCAGCAGAUGUGGAUCAGCAAGCAGGAGUAUGACGAGUCCGGCCCCUCCAUCGUCCACCGCAAAUGCUUCUAGCACUCGCUAGAGCAUGGUUAAGCUUCCCACGGAGGAUCCCCAAUCGUGGCGUGUCGGCCUCUCCCAAUCGUGGCGUGUCGGCCUCUCCCAAUCGUGGCGUGUCGGCCUCUCCCAAUCGUGGCGUGUCGGCCUCUCCCAAUCGUGGCGUGUCGGCCUCUCUUCGGAGAGGCACUGGCGCCGGAGAGGCACUGGCGCCGGAGAGGCACUGGCGCCGGAGAGGCACUGGCGCCGGGAUCCUCCGUGGG)を骨格タンパク質mRNAと融合させた、安定した細胞株(293T/17細胞株)を構築し、通常の哺乳動物細胞培養条件(37℃、5%二酸化炭素、100%相対湿度)で、該細胞株と対照細胞(293T/17)が細胞コンフルエンスが90%になるまで成長した後、細胞を消化して取り、800rpmで遠心して、0.2μMのIII-3及び0.2μMのIII-43分子を含むPBS再懸濁細胞を用いて5分間インキュベーションした後、流体検出を行い、検出結果を図18に示した。III-3分子ローターは、標的RNAを発現した細胞株で骨格タンパク質のmRNAを特異的に標識することができ、且つ明らかなバックグラウンド蛍光がなく(図18aを参照)、一方、III-43分子は、バックグラウンド蛍光がIII-3よりも高く、ACTBの発現の有無を明確に区別することができない(図18bを参照)。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
【配列表】
0007321584000001.app