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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-28
(45)【発行日】2023-08-07
(54)【発明の名称】ペットコーム
(51)【国際特許分類】
   A01K 13/00 20060101AFI20230731BHJP
   B26B 21/12 20060101ALI20230731BHJP
   A45D 24/10 20060101ALI20230731BHJP
【FI】
A01K13/00 E
B26B21/12
A45D24/10
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2022508471
(86)(22)【出願日】2020-02-27
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-09-01
(86)【国際出願番号】 CN2020076873
(87)【国際公開番号】W WO2020253261
(87)【国際公開日】2020-12-24
【審査請求日】2022-02-08
(31)【優先権主張番号】201910521541.1
(32)【優先日】2019-06-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201910851196.8
(32)【優先日】2019-09-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201921503099.1
(32)【優先日】2019-09-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】522052462
【氏名又は名称】ニンボー ホンデュ モデル プラスティックス カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【識別番号】100132883
【弁理士】
【氏名又は名称】森川 泰司
(74)【代理人】
【識別番号】100148633
【弁理士】
【氏名又は名称】桜田 圭
(74)【代理人】
【識別番号】100147924
【弁理士】
【氏名又は名称】美恵 英樹
(72)【発明者】
【氏名】ザン、ジンチュン
(72)【発明者】
【氏名】ディ、シン
【審査官】大澤 元成
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第108990827(CN,A)
【文献】特表2011-502542(JP,A)
【文献】実開平07-039576(JP,U)
【文献】国際公開第2006/114852(WO,A1)
【文献】登録実用新案第3200452(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01K 13/00
B26B 21/10-21/60
A45D 24/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハンドルと、装着ヘッドと、制限部と、櫛体と、毛除去プレートと、を備え、
前記櫛体は、一列のストライプ状の櫛歯を備え、
前記ストライプ状の櫛歯の刃側は、外側部分に配置されたコーミング部と、内側部分に配置された刃部と、を備え、
前記制限部は、前記ストライプ状の櫛歯の前記刃側と反対の側に設けられており、
前記ストライプ状の櫛歯には、前記刃側に、前記ストライプ状の櫛歯の方向に延びた刃ブロック部が設けられ、
前記コーミング部の少なくとも一部が、前記刃ブロック部の自由端を越え、
前記刃ブロック部は、前記刃部の少なくとも一部をブロック
前記刃ブロック部は、前記毛除去プレートに、固定的に、又は、可動的に配置されており、
前記制限部は、前記刃ブロック部の前記自由端と共に、毛と前記刃部の内側端部とを制限する、
ペットコーム。
【請求項2】
前記刃ブロック部の前記自由端が、前記コーミング部と前記刃部との境界を越えているか、又は、前記刃ブロック部の前記自由端が、前記コーミング部と前記刃部との前記境界を越えていない、
請求項1に記載のペットコーム。
【請求項3】
前記刃ブロック部は、固定されているか、又は、可動であり、
移動可能な前記刃ブロック部の延伸長は、調整可能である、
請求項1又は2に記載のペットコーム。
【請求項4】
前記刃ブロック部は、ある距離だけ前記刃部から離れており、
前記刃ブロック部は、ユーザが前記刃部によって傷つけられること、又は、切られることを防ぐように構成されている、
請求項1からの何れか一項に記載のペットコーム。
【請求項5】
前記刃ブロック部は、接続部によって前記毛除去プレートに接続された刃ブロックプレートである、
請求項1からの何れか一項に記載のペットコーム。
【請求項6】
前記刃ブロックプレートは、前記ストライプ状の櫛歯と平行に延びている、
請求項に記載のペットコーム。
【請求項7】
前記毛除去プレートは、前記刃ブロックプレートと一体化されており、
前記毛除去プレート及び前記刃ブロックプレートは、プラスチック、金属又は他の材料でできている、
請求項に記載のペットコーム。
【請求項8】
前記制限部は、前記装着ヘッド、前記櫛体又は前記毛除去プレートに、固定的に、又は、可動的に配置されている、
請求項1から7の何れか一項に記載のペットコーム。
【請求項9】
前記制限部は、前記毛除去プレートと一体化されており、
前記毛除去プレート及び前記刃ブロックプレートは、プラスチック、金属又は他の材料でできている、
請求項5から7の何れか一項に記載のペットコーム。
【請求項10】
前記刃ブロック部の前記自由端が前記コーミング部と前記刃部との境界を越えている状態において、
前記刃部は、前記制限部の自由端と前記刃ブロック部の前記自由端との接続線の内側に配置されており、
前記コーミング部は、前記刃ブロック部を依然として越えている、
請求項に記載のペットコーム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ペットコームに関する。特に、本開示は、ペットの毛/毛皮を梳かすこと、もつれをほぐすこと、及び/又は、毛量を減らすことに適したペットコームに関する。
【背景技術】
【0002】
ますます多くの現代の家庭が、ペットを家族に組み入れることに対する欲求を増している。ペットの導入に伴い、ペットを十分に世話するための重要な要素は、必然的に抜け落ちたりもつれたりする可能性のあるペットの毛/毛皮を手入れして管理することである。
【0003】
ブラシ、櫛、鋏、剃刀といった、抜け毛を管理したり、毛のもつれをきちんとほぐしたりするためにペットの毛/毛皮を手入れするための様々な機器がある。これらの機器のそれぞれは、一般的に、毛をブラッシングすること、毛を梳かすこと、抜け落ちた毛を取り除くこと、毛量を減らすこと、毛を切ることなどの特定の目的に適応している。これらの機器に加えて、毛のブラッシングと抜け落ちた毛の除去との両方の組合せ動作を実行するといった、複数の目的を実行するために使用される機器もある。多くの場合、そのような「組合せ機器」は、コーミング部と、毛を剃るための1つ以上の刃と、を含む。
【0004】
ペットの毛がもつれている場合、これらの機器によってペットの毛を梳かすことは困難であり、この組合せ機器が引っかかってしまい、ペットに不快感を与え、ユーザがペットをうまく手入れすることを妨げてしまう。さらに、これらの機器、特に毛を剃るための1つ以上の刃を含む機器は、誤った方法で使用された場合(不適切な角度での使用など)又は間違って使用された場合に切り傷/裂傷を引き起こす可能性がある刃先のせいで、ペットとユーザの両方にとって危険である。
【0005】
ペットの毛がもつれている場合に引っかかる可能性を最小にし、誤った方法で使用された場合又は間違って使用された場合にペット又はユーザの何れにとっても危険ではない、ペットの毛/毛皮を梳かすこと、もつれをほぐすこと、及び/又は、毛量を減らすことに適した機器を提供することは有利である。
【0006】
本開示は、この背景と、それに関連する課題及び困難と、に鑑みて開発された。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本開示によって解決される技術的課題は、ペットの皮膚又はユーザの手を切ることを防ぐペットコームを提供することである。ペットコームは、毛を梳かす機能、毛のもつれをほぐす機能、及び、毛量を減らす機能を選択的に提供することもできる。
【0008】
本開示によって解決される他の技術的課題は、毛を梳かすこと、もつれをほぐすこと、又は、毛量を減らすことの効率に影響を与えることなく、ユーザの手を切ることを防ぐペットコームを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の技術的課題を解決するために本開示によって採用される技術的解決策は、
ハンドルと、装着ヘッドと、櫛体と、を備え、
前記櫛体は、一列のストライプ状の櫛歯を備え、
前記ストライプ状の櫛歯の刃側は、外側部分に配置されたコーミング部と、内側部分に配置された刃部と、を備え、
前記ストライプ状の櫛歯には、前記刃側に、前記ストライプ状の櫛歯の方向に延びた刃ブロック部が設けられ、
前記コーミング部の少なくとも一部が、前記刃ブロック部の自由端を越え、
前記刃ブロック部は、前記刃部の少なくとも一部をブロックする、
ペットコームである。
【0010】
第1の側面によれば、
ハンドルと、装着ヘッドと、櫛体と、を備え、
前記櫛体は、一列のストライプ状の櫛歯を備え、
前記ストライプ状の櫛歯の刃側は、外側部分に配置されたコーミング部と、内側部分に配置された刃部と、を備え、
前記ストライプ状の櫛歯には、前記刃側に、前記ストライプ状の櫛歯の方向に延びた刃ブロック部が設けられ、
前記コーミング部の少なくとも一部が、前記刃ブロック部の自由端を越え、
前記刃ブロック部は、前記刃部の少なくとも一部をブロックする、
ペットコームが提供される。
【0011】
一形態において、
前記刃ブロック部の前記自由端が、前記コーミング部と前記刃部との境界を越えているか、又は、前記刃ブロック部の前記自由端が、前記コーミング部と前記刃部との境界を越えていない。
【0012】
一形態において、
前記刃ブロック部は、固定されているか、又は、可動であり、
移動可能な前記刃ブロック部の延伸長は、調整可能である。
【0013】
一形態において、
前記刃ブロック部は、毛除去プレート又は前記装着ヘッドに、固定的に、又は、可動的に配置されている。
【0014】
一形態において、
前記刃ブロック部は、ある距離だけ前記刃部から離れており、
前記刃ブロック部は、ユーザが前記刃部によって傷つけられること、又は、切られることを防ぐように構成されている。
【0015】
一形態において、
刃ブロック部は、接続部によって前記毛除去プレートに接続された刃ブロックプレートである。
【0016】
一形態において、
前記刃ブロックプレートは、前記ストライプ状の櫛歯と平行に延びている。
【0017】
一形態において、
前記毛除去プレートは、前記刃ブロックプレートと一体化されており、
前記毛除去プレート及び前記刃ブロックプレートは、プラスチック、金属又は他の材料でできている。
【0018】
一形態において、
ペットコームは、制限部をさらに備え、
前記制限部は、前記ストライプ状の櫛歯の反対の側に設けられており、
前記制限部は、前記刃ブロック部の前記自由端と共に、毛と前記刃部の内側端部とを制限する。
【0019】
一形態において、
前記制限部は、前記装着ヘッド、前記櫛体又は前記毛除去プレートに、固定的に、又は、可動的に配置されている。
【0020】
一形態において、
前記刃部、前記制限部、及び前記刃ブロック部の相対位置は、調整可能であり、固定可能である。
【0021】
一形態において、
前記制限部は、前記毛除去プレートと一体化されており、
前記毛除去プレート及び前記刃ブロックプレートは、プラスチック、金属又は他の材料でできている。
【0022】
一形態において、
前記刃部は、前記制限部の自由端と前記刃ブロック部の前記自由端との接続線の内側に配置されており、
前記コーミング部は、前記刃ブロック部を依然として越えている。
【0023】
第2の側面によれば、
ハンドルと、装着ヘッドと、櫛体と、を備え、
前記櫛体は、一列のストライプ状の櫛歯を備え、
前記ストライプ状の櫛歯の後側に刃部が設けられており、
前記ストライプ状の櫛歯には、前記刃部が設けられた前記側に、前記ストライプ状の櫛歯の方向に延びた刃ブロック部が設けられ、
前記櫛歯の間の隙間に毛が入ることを可能にする、前記ストライプ状の櫛歯と同じ方向を有する複数のヘアチャネルが前記刃ブロック部に設けられている、
ペットコームが提供される。
【0024】
一形態において、
前記複数のヘアチャネルの幅は、前記櫛歯の少なくとも1つの幅に等しい。
【0025】
一形態において、
前記刃部は、前記ストライプ状の櫛歯の前記後側の少なくとも一部に分布している。
【0026】
一形態において、
前記刃ブロック部の自由端は、前記ストライプ状の櫛歯の自由端を越えていない。
【0027】
一形態において、
前記ストライプ状の櫛歯の刃側は、内側部分に配置された刃部の外側部分に配置されたコーミング部を備え、
前記刃ブロック部の前記自由端が、前記コーミング部と前記刃部との境界を越えているか、又は、前記刃ブロック部の前記自由端が、前記コーミング部と前記刃部との前記境界を越えていない。
【0028】
一形態において、
前記刃ブロック部は、固定されているか、又は、移動可能であり、
移動可能な前記刃ブロック部の延伸長は、調整可能である。
【0029】
一形態において、
前記刃ブロック部は、毛除去プレート又は前記装着ヘッドに、固定的に、又は、可動的に配置されている。
【0030】
一形態において、
前記刃ブロック部は、ある距離だけ前記刃部から離れている。
【0031】
一形態において、
前記刃ブロック部は、接続部によって前記毛除去プレートに接続された刃ブロックプレートである。
【0032】
一形態において、
前記刃ブロックプレートは、前記ストライプ状の櫛歯と平行に延びている。
【0033】
一形態において、
前記毛除去プレートは、前記刃ブロックプレートと一体化されており、
前記毛除去プレート及び前記刃ブロックプレートは、プラスチック、金属又は他の材料でできている。
【図面の簡単な説明】
【0034】
本開示の実施形態を、添付の図面を参照して説明する。
【0035】
図1図1は、ペットコームの第1の実施形態の斜視図である。
図2図2は、図1のペットコームの他の斜視図である。
図3図3は、図1又は図2のペットコームの概略背面図である。
図4図4は、図1から図3の何れか1つのペットコームの概略側面図である。
図5図5は、図1から図4の何れか1つのペットコームの概略上面図である。
図6図6は、図5のX-Xに沿ったペットコームの概略断面側面図である。
図7図7は、使用中の図1から図6の何れか1つのペットコームの概略側面図である。
図8図8は、ストライプ状の櫛歯の実施形態の斜視図である。
図9図9は、図8のストライプ状の櫛歯の側面図である。
図10図10は、押圧部の実施形態の斜視図である。
図11図11は、図10の押圧部の側面図である。
図12図12は、N位置の下でのペットコームの装着ヘッドの実施形態の概略断面側面図である。
図13図13は、第1の位置の下での図12のペットコームの装着ヘッドの実施形態の概略断面側面図である。
図14図14は、第2の位置の下での図12又は図13のペットコームの装着ヘッドの実施形態の概略断面側面図である。
図15図15は、P位置の下での図12から図14の何れか1つのペットコームの装着ヘッドの実施形態の概略断面側面図である。
図16図16は、N位置の下での、使用中の図12から図15の何れか1つのペットコームの装着ヘッドの実施形態の概略断面側面図である。
図17図17は、第1の位置の下での、使用中の図12から図16の何れか1つのペットコームの装着ヘッドの実施形態の概略断面側面図である。
図18図18は、第2の位置の下での、使用中の図12から図17の何れか1つのペットコームの装着ヘッドの実施形態の概略断面側面図である。
図19図19は、ペットコームの第2の実施形態の斜視図である。
図20図20は、使用中の図19のペットコームの他の斜視図である。
図21図21は、図19のペットコームの詳細Aを示す斜視図である。
図22図22は、図20のペットコームの詳細Bを示す斜視図である。
図23図23は、図19から図22の何れか1つのペットコームの櫛体と接触している人間の指を示す斜視図である。
図24図24は、押圧部の他の実施形態の斜視図である。
図25図25は、図24の押圧部の上面図である。
【0036】
以下の説明では、図全体を通じて、同様の参照符号は、同様の、又は、対応する部分を示す。
【発明を実施するための形態】
【0037】
本開示を通じて、「上」、「下」、「内側」、「外側」などの用語が指す方向又は位置の関係は、図面によって示される方向又は位置関係に基づいており、単に説明を単純化することによって本開示を最も良く説明するものであって、言及された機器又は要素が、特定の配向を有し、特定の配向で組み立てられ、動作しなければならないことを明示又は示唆するものではなく、従って、本開示を制限するものと解釈されるべきではないことが理解されよう。さらに、「第1の」及び「第2の」という用語は、図面に基づいて本開示をより良く説明するためにのみ使用されており、本開示の範囲を限定することを意図していない。
【0038】
本開示は、ペットの毛(「ペットの毛皮」とも呼ばれる)の手入れをすることができ、猫、犬などの毛皮で覆われたペット(「毛深いペット」とも呼ばれる)に適したペットコーム(100)の形態の、改良されたペット美容器具を提供することが理解されよう。これは、ペットの毛をより綺麗で滑らかにするために、ペットの毛を梳かし、ペットから抜け落ちた毛を取り除き、ほぐされたペットの毛を切ることに好適に用いることができる。さらに、有利には、本明細書で開示されたペットコーム(100)は、ペットの毛量を減らすことができることが理解されよう。本開示によって提供されるペットコームは、有利には、ペットの皮膚又はユーザの手が、毛を切ること、梳かすこと、又は取り除くことに使用される刃によって傷つけられること、又は、切られることを防ぐこともでき、ユーザとペットとの両方にとって使用上便利かつ安全であることが当業者には理解されよう。
【0039】
(第1の実施形態)
図1から図7の何れか1つに示すように、ハンドル1と、装着ヘッド2と、櫛体3と、を備えるペットコーム100の第1の実施形態が図示されている。ハンドル1は、装着ヘッド2に接続されていてもよく、櫛体3は、装着ヘッド2に組み付けられていてもよい。これにより、櫛体3は、横に並んで配置された一列のストライプ状の櫛歯5を備えることができ、並んで配置されたストライプ状の櫛歯5それぞれの間に隙間が介在し得る。これにより、ストライプ状の櫛歯5は、毛を梳かすように機能し得るので、ペットコーム100のストライプ状の櫛歯5は、従来の家庭用コーム(図示せず)に類似し得る。使用中、ストライプ状の櫛歯5が毛の生える方向に沿って動かされると、毛が特定の方向に滑らかに整えられ得る(すなわち、ペットの毛をより綺麗で滑らかにする)。或いは、同じく使用中、ストライプ状の櫛歯5が、ペットの体200との間で好適な角度を成してペットの体200に作用した場合、ユーザ(図示せず)がペットコーム100を引き戻して毛を梳かす位置及び方向をより便利に変えることが有利である。ハンドル1は、ユーザがペットコーム100を好適な角度で操作することを可能にする形状であってもよい。ハンドル1は、軸に沿って延びる棒状であるように設計することができ、図1から図4図6から図7、及び図19から図20の何れか1つに示すように、ほぼ円弧状である。
【0040】
ペットの毛300は、しばしばもつれており、毛を滑らかに整えるために、図7に示すように、ストライプ状の櫛歯5の後側に刃部6を設けてもよく、刃部6は、ストライプ状の櫛歯5と同じ方向に延びていてもよい。すなわち、この方向は、ペットの毛300を梳かすときにペットコーム100が動く方向に一致していてもよい。ユーザがペットコーム100を引っ張ると、ストライプ状の櫛歯5のコーミング部50が、ほぐれたペットの毛300を分けることができ、これにより、刃部6が、ストライプ状の櫛歯5の間に接続されたもつれたペットの毛300に作用し、これにより、有利には、これを切る。
【0041】
図8又は図9に示すように、ストライプ状の櫛歯5は、装着ヘッド2に接続され得る接続端501に加えて、上縁502と、下縁503と、前縁504と、を備えていてもよい。好ましくは、本実施形態において、ストライプ状の櫛歯5の上縁502と下縁503とは、平行であり、その前縁504は、実質的に平坦な傾斜辺505を有し、傾斜辺505と下縁503とは、(図8又は図9に示すように)鋭角で互いに交わるように延びている。ここで図7を参照すると、ストライプ状の櫛歯5の角度bは、ストライプ状の櫛歯5とペットの体200とが互いに接触しているときにストライプ状の櫛歯5とペットの体200とが成す傾斜角度aに関連し得る。角度aは、ユーザが、ペットの毛300の状態に応じて、ストライプ状の櫛歯5の前縁504をペットの皮膚200に接触させるか否かを決定できるように設計されており、本実施形態において、角度bは、25°から60°の間であり得る。ストライプ状の櫛歯5の前縁504などの鋭い角によってペットの体200を傷つけたり切ったりすることを防ぐために、傾斜辺505と上縁502との間と、傾斜辺505と下縁503との間とに、(図8又は図9に示す)円弧状の遷移部を設計してもよい。本実施形態において、傾斜辺505と上縁502との間の円弧の半径は、1.92mmであり、傾斜辺505と下縁503との間の円弧の半径は、0.5mmである。
【0042】
ストライプ状の櫛歯5の下縁503は、刃部6が内部に配置され得るストライプ状のノッチ506を備えていてもよい。ストライプ状の櫛歯5と刃部6との構造は、同一出願人の中国実用新案公告第2081757394号明細書において導入されており、本開示では、さらなる詳細な説明を行わない。刃部6の最前端は、ストライプ状の櫛歯5の最前端からある距離だけ離れている。コーミング部50は、この距離内に設けられ、この距離は、コーミング部50が毛300を好適に梳かすことができるように構成されることが好ましい。さらに、刃部6とストライプ状の櫛歯5の最前端との間のこの距離は、(図10から図18の何れか1つに示す)刃ブロック部9の移動位置にも関連し得る。当業者には、刃部6が、本開示で論じられるか、又は、図示された形状を逸脱した、直線形状、C形状、波形などの他の形状を有していてもよいことが理解されよう。
【0043】
図1又は図10に示すように、本実施形態におけるペットコーム100は、毛除去プレート7をさらに備えていてもよい。毛除去プレート7は、装着ヘッド2に組み込まれていてもよく、櫛体3に噛み合うように構成されていてもよい。毛除去プレート7は、押圧プレート71と、押圧部72と、を備えていてもよい。押圧部72は、ストライプ状の櫛歯5の間の隙間に一致するように歯の隙間を備えていてもよく、これにより、ストライプ状の櫛歯5がこの間を通過することを可能にすることができる。押圧部72は、後部押圧部701と、隙間押圧部702と、前部押圧部703と、をさらに備えていてもよい。押圧部72は、押圧プレート71に接続されていてもよく、押圧プレート71の他端は、ハンドル1の上側に設けられた制御ボタン8に接続されていてもよい。押圧プレート71は、押圧部72がストライプ状の櫛歯5の根元と前端との間で移動することができるように、制御ボタン8を上下にスライドさせることで前後に動くように調整され得る。押圧部72の移動中に、ストライプ状の櫛歯5に付着した毛300が取り除かれ得る。制御ボタン8と毛除去プレート7との間に、(図6又は図12から図18の何れか1つに示す)操舵伝達機構を設けてもよい。制御ボタン8に作用する上向きの力は、操舵伝達機構によって伝達することができ、これにより、押圧プレート71を、ストライプ状の櫛歯5の前端へ実質的に並進移動させることができる。
【0044】
毛除去プレート7の具体的な構造は、同一出願人による中国特許出願公開第108990827号明細書に詳細に記載されており、本開示では、さらなる詳細な説明を行わない。しかしながら、本実施形態における刃ブロック部9と毛除去プレート7に接続された制限部とは、詳細な構造に影響を及ぼし得、毛除去プレート7の、ひいてはペットコーム100の有利な特徴を提供し得ることに留意されたい。
【0045】
図1図2図4図6、及び図10から図18の何れか1つに示すように、ペットコーム100のストライプ状の櫛歯5は、前記側に、ストライプ状の櫛歯5と同じ方向に延びた刃ブロック部9を備えていてもよい。有利には、これにより、刃ブロック部9は、刃部6の少なくとも一部をブロックし得る。使用中、ユーザがペットの毛300を梳かすと、ペットコーム100とペットの体200との間の接触角度が変化し得、特に毛300がもつれている場合にペットコーム100とペットの体200との間の接触角度が変化し得、適切な力が必要である。しかしながら、力は異なる角度で加えられ得、その間にペットの体200(又はペットの皮膚)が傷つけられるか、又は、切られる可能性があり、ユーザの指も傷つけられるか、又は、切られる可能性がある。本開示の本実施形態において、刃ブロック部9は、刃部6が露出するのを防ぐように刃部6を覆い、これにより、ペットコーム100の使用中にペット及び/又はユーザを傷つけるリスクと、ペットコーム100の使用中又はその載置中に、ストライプ状の櫛歯5の下縁503との偶発的な接触により、ユーザ又はペットの体200が刃部6によって切られるか、又は、傷つけられるリスクと、を低減する。
【0046】
刃ブロック部9と刃部6との間の相対位置は、刃ブロック部9の組み立てが、固定されているか、又は、移動可能であるかに応じて、固定されているか、又は、変更可能であり得、刃ブロック部9は、ストライプ状の櫛歯5の刃部6又は下縁503に接続されていなくてもよいが、これらの間に隙間を設けてもよい。状況によっては、ペットの毛300がこの隙間内の領域に入り、刃部6に当たり得る。しかしながら、この2つの構成要素の距離を考慮すると、ユーザの指が隙間を通って到達して刃部6に触れることができないように、好ましくは人間の指の太さ及び幅よりも小さくてよく、より好ましくは6cm未満であってよく、これにより、有利には、ペットコーム100の安全性を向上させる。
【0047】
刃ブロック部9は、接続部を備えていてもよく、接続部は、装着ヘッド2又は毛除去プレート7及び自由端にこれが接続することを可能にする。これにより、ストライプ状の櫛歯5の下縁503のコーミング部50の少なくとも一部は、刃ブロック部9の自由端を越え得る。代わりに、刃ブロック部9の自由端は、コーミング部50と刃部6との境界を越えてもよいし、越えなくてもよい。
【0048】
本実施形態において、刃ブロック部9は、互いに平行な上端側と下端側とを有する刃ブロックプレートであってもよく、自由端は、この上端側と下端側とに垂直な直線状の前端側面である。刃ブロック部9は、接続部を介して毛除去プレートに接続されていてもよく、毛除去プレート7の押圧部72の延伸方向と90°の角度を成していてもよい。すなわち、ストライプ状の櫛歯5が延びる方向に平行である。刃ブロック部9は、毛除去プレート7と共に前後方向に移動し、刃ブロック部9と刃部6との相対位置を調整することができる。
【0049】
刃ブロック部9と毛除去プレート7との間の接続は、これらの材料特性及び構造特性を考慮すると、固定部材、溶接などによるものであってもよい。本実施形態において、好ましくは、毛除去プレート7とブレード遮断部分9とは一体化されており、プラスチック、金属材料又は他の材料でできていてもよい。
【0050】
ここで図1図4図6、及び図10から図18の何れか1つを参照すると、本開示のペットコーム100は、ストライプ状の櫛歯5の反対の側に、刃部6に対向して配置され得る制限部10をさらに備えていてもよい。これにより、レイアウトを考慮するとき、制限部10は、装着ヘッド2、櫛体3、又は毛除去プレート7の好適な位置に組み付けることができ、その役割は、刃ブロック部9の自由端と共に、刃部6の内側において、ペットの毛300を制限することである。これにより、本実施形態で提供されるペットコーム100は、有利には、ペットの毛300を梳かし、ほぐし、毛量を減らすように機能することができる。ペットグルーマー、ペット所有者などのペットコーム100を使用するユーザは、毛を梳かす、毛をほぐす、又は、毛量を減らすという目的を達成するために、有利には、ペットの毛300に対してその状態に応じて異なる操作を選択的に行うことができる。従って、制限部10は、刃ブロック部9とよりよく協働するために、好ましくは、毛除去プレート7の前部押圧プレート703の上部の自由端に固定的に接続されていてもよい。
【0051】
ここで図10から図18の何れか1つを参照すると、前部押圧プレート703の上部の自由端は、延びて制限部10を形成し、毛除去プレート7と制限部10とは、構造において一体であってもよい。制限部10は、刃部6に対するその相対位置を調整するために、毛除去プレート7と共に前後に移動してもよい。
【0052】
本実施形態において、ここで図9を参照すると、ストライプ状の櫛歯5の下縁503におけるコーミング部50の全長Lは、4.6mmであってもよい。ここで図12から図15の何れか1つを参照すると、好ましくは、毛除去プレート7が制御ボタン8によって調整され得る4つの位置があってもよい。
1)N位置-毛除去プレート7が、ストライプ状の櫛歯5の根元に位置し、刃ブロック部9の自由端が、コーミング部50と刃部6との境界を越えず、これにより、(図12に示すように)刃部6の一部が露出されている。
2)第1の位置-毛除去プレート7が、2.5mmだけ前端へ移動し、刃ブロック部9の自由端が、コーミング部50と刃部6との境界を越え、これにより、(図13に示すように)制限部10の自由端と刃ブロック部9の自由端との間の接続線Xが、コーミング部50と刃部6との境界の後ろの刃部6の延長線と交差する。
3)第2の位置-毛除去プレート7が、3.3mmだけ前端へ移動し、刃ブロック部9の自由端が、コーミング部50と刃部6との境界をさらに越え、これにより、(図14に示すように)制限部10の自由端と刃ブロック部9の自由端との間の接続線Xが、コーミング部50と刃部6との境界における刃部6の延長線と交差する。
4)P位置-毛除去プレート7が、前端に向かって移動し続け、毛除去プレート7が、完全に押し出され、(図15に示すように)ストライプ状の櫛歯5の前縁504を越える。
当業者には、位置の名前が、単に刃部6、刃ブロック部9、及び制限部10の4つの相対位置をよりよく説明するためのものであることが理解されよう。
【0053】
制御ボタン8及び毛除去プレート7の操舵伝達機構は、位置決め機構とリセット機構とをさらに備えていてもよい。使用中、ユーザが制御ボタン8を押圧すると、制御ボタン8は、上に、及び/又は、下に動かされ得、第1の位置又は第2の位置へ移動した後、制御ボタン8が押圧から解放されると、位置決め機構は、ユーザが制御ボタン8を再び押圧して動かすまで、毛除去プレート7の位置を固定し得る。 制御ボタン8をP位置まで押すと、毛除去プレート7が完全に押し出され得る。これにより、制御ボタン8が離されると、リセット機構は、毛除去プレート7をストライプ状の櫛歯5の根元に引き戻し得、それがN位置に戻ることを可能にすることができる。
【0054】
ここで図7及び図16から図18の何れか1つを参照すると、ペットコーム100の機能および使用方法は、ユーザがハンドル1を手で保持することと、ストライプ状の櫛歯5がペットの体200に斜めに作用し、その後側がペットの毛300に接触することと、刃ブロック部9と制限部10との間の接続線が本体側面と実質的に平行であることと、を含んでいる。これにより、毛除去プレート7の位置をスライドすること、解放すること、及び調整することによって制御ボタン8を制御し得る。
【0055】
ここで図7図12、及び図16の何れか1つを参照すると、毛除去プレート7は、N位置に位置している。これにより、ストライプ状の櫛歯5がペットの体200との間で角度aを成し得、刃部6の一部がペットの毛300に露出し得、角度aが小さいほど、刃部6がより露出され得る。ユーザがペットコーム100を引っ張ると、ストライプ状の櫛歯5のコーミング部50がほぐれたペットの毛300を分け、これにより、もつれたペットの毛300が刃部6に滑り込み、刃部6によって切られ得、露出した刃部6の残りの部分は、ほぐれたペットの毛300の毛量を減らし得る。このように、N位置は、濃くてひどくもつれた毛300を有するペットの毛300を梳かし、ほぐし、毛量を減らすことに適している。
【0056】
ここで図13及び図17の何れか1つを参照すると、毛除去プレート7は、第1の位置に位置している。これにより、刃部6は、刃ブロック部9によってブロックされ得るが、わずかな部分は、制限部10の自由端と刃ブロック部9の自由端との間の接続線を越えていてもよい。これにより、ユーザがペットコーム100を引っ張ると、ストライプ状の櫛歯5のコーミング部50がほぐれた毛300を分け、これにより、もつれた毛300が刃部6に滑り込み、刃部6によって切られ得る。刃部6は、基本的に刃ブロック部9によってブロックされ、内側に配置され得るので、これにより、ほぐれたペットの毛300の毛量を減らすことはできない。この位置は、ペットの毛300を同時に梳かし、ほぐすことにのみ適している可能性がある。この第1の位置は、毛量が減ることを防ぐために、毛が薄いペットに特に適している可能性がある。
【0057】
ここで図14及び図18の何れか1つを参照すると、毛除去プレート7は、第2の位置に位置している。これにより、刃部6は、制限部10の自由端と刃ブロック部9の自由端との間に配置された接続線Xの内側に完全に配置され得、刃ブロック部9によって完全にブロックされ得る。ユーザがペットコーム100を引っ張ると、ストライプ状の櫛歯5のコーミング部50は、ほぐれたペットの毛300を分けて梳かすだけであるが、刃部6は、何の機能も果たさない。従って、この第2の位置は、ペットの毛300を梳かすことのみに適している可能性がある。
【0058】
図1から図18の何れか1つ及び第1の実施形態を参照すると、ペットコーム100の制御ボタン8は、押圧されて、毛除去プレート7を完全に押し出し、抜け落ちたり切られたりしてストライプ状の櫛歯5の後側又はストライプ状の櫛歯5の間の隙間に付着したペットの毛300を排出し得る。これに続いて、制御ボタン8を離して、毛除去プレート7をリセットすることができる。
【0059】
本開示の特徴及び目的によれば、刃ブロック部9と刃部6との相対位置の変化は、移動可能な刃部6を設けることによっても達成され得る。移動可能な刃部6は、刃部6が固定された移動可能なストライプ状の櫛歯5を構成していてもよい。
【0060】
(第2の実施形態)
ペットコーム100の第2の実施形態において、ここで図19から図25の何れか1つを参照すると、本実施形態は、第1の実施形態の開示を大部分包含し、第1の実施形態と第2の実施形態との両方は、(第1の実施形態の刃ブロック部9と比較した場合)刃ブロック部9Sを除いて、基本的に同一であることが理解されるであろうから、重複する構造及び機能はさらに説明せず、基本構造及び2つの実施形態の相違点のみを説明する。
【0061】
ここで図19及び図20の何れか1つを参照すると、この第2の実施形態によって、ハンドル1Sと、装着ヘッド2Sと、櫛体3Sと、を備えるペットコーム100が提供され得る。ハンドル1Sは、装着ヘッド2Sに接続されていてもよく、櫛体3Sは、装着ヘッド2Sに組み込まれていてもよい。当業者には、(ペットコーム100の第2の実施形態の)櫛体3Sの基本構造が、一列のストライプ状の櫛歯5Sを備えてもよく、ストライプ状の櫛歯5Sのうち2つの間に隙間を設けてもよいことが理解されよう。
【0062】
ここで図21から図23の何れか1つを参照すると、ストライプ状の櫛歯5Sの後側の少なくとも一部には、刃部6Sが設けられている。刃部6Sは、ストライプ状の櫛歯5Sの内側部分に配置されていてもよく、これにより、コーミング部50Sを、ストライプ状の櫛歯5Sの刃側の外側部分に設けてもよい。さらに、ペットコーム100は、毛除去プレート7Sも含んでいてもよく、ストライプ状の櫛歯5Sは、毛除去プレート7Sの押圧部72Sの歯の隙間を通過し得、毛除去プレート7Sは、ストライプ状の櫛歯5Sの延伸方向に沿って移動し得る。このように、この第2の実施形態におけるストライプ状の櫛歯5S及び毛除去プレート7Sの構造的構成は、第1の実施形態と同一であってよく、コーミング部50Sと刃部6Sとを備えていてもよい。配置も、第1の実施形態と同一であってよいため、繰り返し論じない。
【0063】
ペットコーム100は、刃部6Sの側に、ストライプ状の櫛歯5Sの方向に延びた刃ブロック部9Sを備えていてもよい。刃ブロック部9Sは、複数の櫛歯状部材91Sで構成されていてもよい。複数のヘアチャネル92Sを、櫛歯状部材91Sそれぞれの間に設けてもよく、この複数のヘアチャネル92Sは、ストライプ状の櫛歯5Sのうち2つの間の隙間に毛が入ることを可能にするように、ストライプ状の櫛歯5Sと同じ方向に形成されていてもよい。
【0064】
ここで図25を参照すると、櫛歯状部材91Sは、外側から内側に向かって幅が徐々に増加してもよく、その自由端がその側面に円弧状の遷移部を介して接続されてセミシャトル構造を形成してもよい。本実施形態において、ヘアチャネル92Sは、2つの隣接する櫛歯状部材91Sの間に形成されていてもよく、外側から内側に向かって幅が減少してトランペット形状の入口を形成していてもよい。ヘアチャネル92Sの幅は、ヘアチャネル92Sに入る毛が切断のために刃部6Sと効果的に相互作用し得るように、少なくとも1つの櫛歯の幅と等しくてもよいことが理解されよう。
【0065】
ユーザがペットコーム100を引っ張ると、ペットの毛300は、セミシャトル櫛歯状部材91Sによって分けられ、ヘアチャネル92Sに入り、コーミング部50S及び刃部6Sと相互作用し得、これにより、ストライプ状の櫛歯5Sのコーミング部50Sが、ほぐれた毛300を分け、もつれた毛300が、刃部6Sに滑り込み、刃部6Sにより切られる。本実施形態の刃ブロック部9Sは、ペットの毛300を梳かすことともつれをほぐすこととの効率に影響を与えることなく、ペットコーム100の安全性を向上させることができる。
【0066】
ここで図24を参照すると、全ての櫛歯状部材91Sの前端は、同一平面内にあってよく、これらの後端は、毛除去プレート7S又は装着ヘッド2Sに固定的に、又は、可動的に取り付けられ得る接続部93Sである。好ましくは、刃ブロック部9Sは、毛除去プレート7Sに接続されていてもよく、その延伸方向は、ストライプ状の櫛歯5Sの方向であり得る毛除去プレート7Sの押圧部72Sの延伸方向と実質的に90°の角度を成し、これにより、接続部93Sと毛除去プレート7Sの後部押圧部701Sとが円弧により接続され得る。
【0067】
この第2の実施形態において、好ましくは、櫛歯状部材91Sは、接続部93S、ヘアチャネル92S、及び各円弧状の遷移部を除いて同じ厚さのプレートであってよく、これにより、櫛歯状部材91Sは、互いに平行な上端と下端とを有し、上端又は下端は、ストライプ状の櫛歯5Sの上縁又は下縁に平行である。櫛歯状部材91Sも均一に分布させてよく、各ヘアチャネル92Sは、同じサイズであってよい。さらに、各櫛歯状部材91Sのサイズ及び形状は、櫛歯状部材91Sの最外端に位置する第1の櫛歯状部材911S及び第2の櫛歯状部材922Sを除いて同一であってよい。
【0068】
ここで図21から図23の何れか1つを参照すると、櫛歯状部材91Sの前端である刃ブロック部9Sの自由端は、有利には、ストライプ状の櫛歯5Sの自由端を越えていない。これにより、コーミング部50Sの毛を梳かす機能は、影響を受けず、刃ブロック部9Sの自由端は、コーミング部50Sと刃部6Sとの境界を越えていてもよいし、越えていなくてもよい。これにより、刃ブロック部9Sは、毛除去プレート7Sと共に前後に移動させることができ、その延伸長を調整することができ、それにより、様々な種類の毛300を有する様々なペットに刃ブロック部9Sを適用できるように、使用中に刃部6Sの作用領域を調整することが可能になる。
【0069】
本実施形態において、ユーザが、ペットコーム100を保持し、毛の手入れのためにペットの体200に作用すると、刃ブロック部9Sが、刃部6Sをペットの体200から隔離し(刃ブロック部9Sが、刃部6Sをペットの皮膚200から隔離することも理解されよう)、毛300をこの両者の間に残すので、ペットコーム100とペットの体200の側面との間の接触角度がどれほど変化しても問題はなく、ペットの皮膚200(又はペットの体200)が切られたり傷つけられたりすることはなく、従って、有利には、ペットコーム100が、使用中、より安全である。
【0070】
さらに、本実施形態において、刃ブロック部9Sが、ストライプ状の櫛歯5Sの下縁と接触していなくてもよく、これらの間に距離があってもよい。当業者には、特定の条件下で、ペットの毛300の一部が、コーミング部50S又はヘアチャネル92Sの側からこの隙間の一部に入り、これにより、刃部6Sと相互作用し得、これにより、有利には、毛を切る効率を向上させることが理解されよう。さらなる利点として、この両者の間の距離は、好ましくは、ユーザの指が隙間を通って到達して刃部6Sに触れることができず、これにより、ペットコーム100の安全性が向上するように、人間の指の太さ及び幅よりも小さく、すなわち、この距離は、6cm以下であり、好ましくは3.5~6mmの間であってもよい。
【0071】
本実施形態におけるさらなる追加は、刃ブロック部9Sが最後端まで引き戻され、その自由端が、コーミング部50Sと刃部6Sとの境界を越えるか、又は、この境界と同一平面内にあることであり、これにより、刃ブロック部9Sが最前端まで押されると、刃部6Sが、毛除去プレート7Sによってブロックされ得る。これにより、使用中の利点は、刃部6Sが完全に露出されず、刃が完全に露出されていることによる潜在的な安全上の問題を防ぐことである。
【0072】
さらに、本実施形態において、ここで図25を参照すると、好ましくは、櫛歯状部材91Sの前端の幅Aは3mmであり、その自由端から接続部93Sまでの延伸長Bは4mmであり、ヘアチャネル92Sの最前端の幅Cは6mmであり、3~4本のストライプ状の櫛歯5Sがヘアチャネル92Sに設けられている。図25に示すように、この状態において、ペットコーム100がペットの毛300を梳かすために使用されるか、又は、載置されている場合、人の指は、刃ブロック部9Sの前面又は外側から刃部6S領域に入れることができないことが理解されよう。すなわち、刃部6Sは、ユーザと接触することができず、有利には、ユーザが自分自身又は自分の指を切ったり傷つけたりすることを防ぐことができる。
【0073】
当業者には、本開示によって解決される技術的課題が、ペットの皮膚又はユーザの手を切ることを防ぐペットコームを提供することであることが理解されよう。ペットコームは、有利には、毛を梳かす機能、毛のもつれをほぐす機能、及び、毛量を減らす機能を選択的に提供することもできる。
【0074】
以上、本開示によって提供されるペットコームについて詳細に説明した。本開示の原理及び実施について、具体的な例を用いて説明した。上記実施形態の説明は、本開示及びペットコーム100の概念を理解することを助けるためにのみ使用されていることが理解されよう。当業者は、本開示の原理から逸脱することなく、本開示に対していくつかの改善及び修正を施すことができ、これらの改善及び修正も本開示の特許請求の範囲の保護範囲に含まれることに留意するべきである。
【0075】
明細書と以下の特許請求の範囲とを通じて、文脈上別段の定めがない限り、「備える」及び「含む」という用語と、「備える」及び「含む」などの変形とは、記載された整数又は整数のグループを含むことを意味するものの、他の整数又は整数のグループを除外することを意味するものではないと理解されよう。
【0076】
本明細書におけるいかなる先行技術への言及も、そのような先行技術が技術常識の一部を形成するといういかなる形式の示唆の承認ではなく、そのように解釈されるべきではない。
【0077】
当業者には、本開示が、その使用において、記載された特定の用途に限定されないことが理解されよう。本開示は、本明細書に記載又は図示されている特定の要素、及び/又は、特徴に関して、その好ましい実施形態も限定されていない。本開示は、開示された一実施形態または複数の実施形態に限定されないものの、以下の特許請求の範囲によって示され定義される本開示の範囲から逸脱することなく、多数の再配置、修正及び置換が可能であることが理解されよう。
【0078】
(付記)
(付記1)
ハンドルと、装着ヘッドと、櫛体と、を備え、
前記櫛体は、一列のストライプ状の櫛歯を備え、
前記ストライプ状の櫛歯の刃側は、外側部分に配置されたコーミング部と、内側部分に配置された刃部と、を備え、
前記ストライプ状の櫛歯には、前記刃側に、前記ストライプ状の櫛歯の方向に延びた刃ブロック部が設けられ、
前記コーミング部の少なくとも一部が、前記刃ブロック部の自由端を越え、
前記刃ブロック部は、前記刃部の少なくとも一部をブロックする、
ペットコーム。
【0079】
(付記2)
前記刃ブロック部の前記自由端が、前記コーミング部と前記刃部との境界を越えているか、又は、前記刃ブロック部の前記自由端が、前記コーミング部と前記刃部との前記境界を越えていない、
付記1に記載のペットコーム。
【0080】
(付記3)
前記刃ブロック部は、固定されているか、又は、可動であり、
移動可能な前記刃ブロック部の延伸長は、調整可能である、
付記1又は2に記載のペットコーム。
【0081】
(付記4)
前記刃ブロック部は、毛除去プレート又は前記装着ヘッドに、固定的に、又は、可動的に配置されている、
付記1から3の何れか一つに記載のペットコーム。
【0082】
(付記5)
前記刃ブロック部は、ある距離だけ前記刃部から離れており、
前記刃ブロック部は、ユーザが前記刃部によって傷つけられること、又は、切られることを防ぐように構成されている、
付記1から4の何れか一つに記載のペットコーム。
【0083】
(付記6)
前記刃ブロック部は、接続部によって前記毛除去プレートに接続された刃ブロックプレートである、
付記4に記載のペットコーム。
【0084】
(付記7)
前記刃ブロックプレートは、前記ストライプ状の櫛歯と平行に延びている、
付記4に記載のペットコーム。
【0085】
(付記8)
前記毛除去プレートは、前記刃ブロックプレートと一体化されており、
前記毛除去プレート及び前記刃ブロックプレートは、プラスチック、金属又は他の材料でできている、
付記4に記載のペットコーム。
【0086】
(付記9)
制限部をさらに備え、
前記制限部は、前記ストライプ状の櫛歯の反対の側に設けられており、
前記制限部は、前記刃ブロック部の前記自由端と共に、毛と前記刃部の内側端部とを制限する、
付記4に記載のペットコーム。
【0087】
(付記10)
前記制限部は、前記装着ヘッド、前記櫛体又は前記毛除去プレートに、固定的に、又は、可動的に配置されている、
付記9に記載のペットコーム。
【0088】
(付記11)
前記刃部、前記制限部、及び前記刃ブロック部の相対位置は、調整可能であり、固定可能である、
付記9又は10に記載のペットコーム。
【0089】
(付記12)
前記制限部は、前記毛除去プレートと一体化されており、
前記毛除去プレート及び前記刃ブロックプレートは、プラスチック、金属又は他の材料でできている、
付記11に記載のペットコーム。
【0090】
(付記13)
前記刃部は、前記制限部の自由端と前記刃ブロック部の前記自由端との接続線の内側に配置されており、
前記コーミング部は、前記刃ブロック部を依然として越えている、
付記12に記載のペットコーム。
【0091】
(付記14)
ハンドルと、装着ヘッドと、櫛体と、を備え、
前記櫛体は、一列のストライプ状の櫛歯を備え、
前記ストライプ状の櫛歯の後側に刃部が設けられており、
前記ストライプ状の櫛歯には、前記刃部が設けられた前記側に、前記ストライプ状の櫛歯の方向に延びた刃ブロック部が設けられ、
前記櫛歯の間の隙間に毛が入ることを可能にする、前記ストライプ状の櫛歯と同じ方向を有する複数のヘアチャネルが前記刃ブロック部に設けられている、
ペットコーム。
【0092】
(付記15)
前記複数のヘアチャネルの幅は、前記櫛歯の少なくとも1つの幅に等しい、
付記14に記載のペットコーム。
【0093】
(付記16)
前記刃部は、前記ストライプ状の櫛歯の前記後側の少なくとも一部に分布している、
付記14又は15に記載のペットコーム。
【0094】
(付記17)
前記刃ブロック部の自由端は、前記ストライプ状の櫛歯の自由端を越えていない、
付記14から16の何れか一つに記載のペットコーム。
【0095】
(付記18)
前記ストライプ状の櫛歯の刃側は、内側部分に配置された刃部の外側部分に配置されたコーミング部を備え、
前記刃ブロック部の前記自由端が、前記コーミング部と前記刃部との境界を越えているか、又は、前記刃ブロック部の前記自由端が、前記コーミング部と前記刃部との前記境界を越えていない、
付記14から17の何れか一つに記載のペットコーム。
【0096】
(付記19)
前記刃ブロック部は、固定されているか、又は、移動可能であり、
移動可能な前記刃ブロック部の延伸長は、調整可能である、
付記14から18の何れか一つに記載のペットコーム。
【0097】
(付記20)
前記刃ブロック部は、毛除去プレート又は前記装着ヘッドに、固定的に、又は、可動的に配置されている、
付記14から19の何れか一つに記載のペットコーム。
【0098】
(付記21)
前記刃ブロック部は、ある距離だけ前記刃部から離れている、
付記14から20の何れか一つに記載のペットコーム。
【0099】
(付記22)
前記刃ブロック部は、接続部によって前記毛除去プレートに接続された刃ブロックプレートである、
付記20に記載のペットコーム。
【0100】
(付記23)
前記刃ブロックプレートは、前記ストライプ状の櫛歯と平行に延びている、
付記22に記載のペットコーム。
【0101】
(付記24)
前記毛除去プレートは、前記刃ブロックプレートと一体化されており、
前記毛除去プレート及び前記刃ブロックプレートは、プラスチック、金属又は他の材料でできている、
付記22又は23に記載のペットコーム。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25