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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-28
(45)【発行日】2023-08-07
(54)【発明の名称】操作装置
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/041 20060101AFI20230731BHJP
【FI】
G06F3/041 480
G06F3/041 600
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2019152781
(22)【出願日】2019-08-23
(65)【公開番号】P2021033611
(43)【公開日】2021-03-01
【審査請求日】2022-06-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000101732
【氏名又は名称】アルパイン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100085453
【弁理士】
【氏名又は名称】野▲崎▼ 照夫
(72)【発明者】
【氏名】加藤 一成
【審査官】岩橋 龍太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-120298(JP,A)
【文献】特開2011-234323(JP,A)
【文献】特開2019-025423(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2017-0021168(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/01
G06F 3/041
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作部を備えた操作ユニットと、前記操作ユニットが支持される支持部材と、前記操作ユニットと前記支持部材との間に設けられた支持機構部と、前記操作ユニットが後方へ押されたことを検知する操作検知部と、前記操作ユニットに前後方向である第1の方向と交差する第2の方向への応答力を与える応答力付与機構と、が設けられた操作装置において、
前記支持機構部では、前記操作ユニットと前記支持部材の一方に連結軸部が、他方に連結受け部が設けられて、前記連結軸部が前記連結受け部で第1の方向へ移動可能に支持され、
前記操作ユニットを前方へ復帰させる復帰部材が設けられており、
前記連結受け部には、前記連結軸部が第1の方向に移動する間に継続して、前記連結軸部を第2の方向の両側から支持する第1弾性部材が設けられ、
前記第1弾性部材には、前記連結軸部を支持するのと逆側である外側に、第2の方向へ突出する第1弾性突部と第2弾性突部が、第1の方向に間隔を空けて設けられ、前記連結受け部には、前記第1弾性突部と前記第2弾性突部とが当たる規制壁が設けられて、前記第1弾性部材は、少なくとも前記第1弾性突部と前記第2弾性突部との間が撓み変形可能とされており、
前記連結軸部が第1の方向に移動する間に、前記連結軸部と前記第1弾性部材とが、前記第1弾性突部と前記第2弾性突部との間で継続して当接することを特徴とする操作装置。
【請求項2】
操作部を備えた操作ユニットと、前記操作ユニットが支持される支持部材と、前記操作ユニットと前記支持部材との間に設けられた支持機構部と、前記操作ユニットが後方へ押されたことを検知する操作検知部と、前記操作ユニットに前後方向である第1の方向と交差する第2の方向への応答力を与える応答力付与機構と、が設けられた操作装置において、
前記支持機構部では、前記操作ユニットと前記支持部材の一方に第1の方向と第2の方向の双方に直交する方向が軸方向である連結軸部が、他方に連結受け部が設けられて、前記連結軸部が前記連結受け部で第1の方向へ移動可能に支持され、
前記操作ユニットを前方へ復帰させる復帰部材が設けられており、
前記連結受け部に第1弾性部材が設けられ、前記第1弾性部材は、前記連結軸部が第1の方向に移動する間に前記連結軸部に継続し当接して前記連結軸部を第2の方向の両側から支持し、前記第1弾性部材における前記連結軸部が継続して当接する領域が第2の方向へ変形可能であることを特徴とする操作装置。
【請求項3】
前記第1弾性部材は、前記連結軸部で第2の方向へ押されたとき、先に第2の方向へ撓み変形し、その後は圧縮変形し、撓み変形に要する力よりも圧縮変形に要する力が大きい請求項1または2記載の操作装置。
【請求項4】
前記連結受け部には、前記連結軸部と第2の方向の両側に間隔を空けて対向する第1規制部が設けられ、前記第1弾性部材は、前記第1規制部よりも前記連結軸部側へ突出している請求項1ないし3のいずれかに記載の操作装置。
【請求項5】
前記第1規制部は、前記第1弾性部材が撓み変形するときには、前記連結軸部に当たらない位置に配置されている請求項4記載の操作装置。
【請求項6】
前記連結受け部には、前記連結軸部が第1の方向に沿って、前方に移動したときと、後方に移動したときに当たる第2弾性部材が設けられている請求項1ないし5のいずれかに記載の操作装置。
【請求項7】
前記第1弾性部材と前記第2弾性部材は、同じ弾性体の部分である請求項6記載の操作装置。
【請求項8】
前記連結受け部には、前記連結軸部と前後方向に対向する第2規制部が設けられ、前記第2弾性部材は、前記第2規制部よりも前記連結軸部側へ突出している請求項6または7記載の操作装置。
【請求項9】
前記支持機構部では、前記連結軸部と前記連結受け部の相対位置が、第1の方向と第2の方向の双方に交差する第3の方向へ規制されている請求項1ないし8のいずれかに記載の操作装置。
【請求項10】
前記操作ユニットには、表示装置と、前記表示装置が保持される外装ケースとが設けられている請求項1ないし9のいずれかに記載の操作装置。
【請求項11】
前記操作部は、前記表示装置の表示画面に設けられている請求項10記載の操作装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、操作ユニットに設けられた操作部がユーザーに操作されたときに、応答力付与機構から前記操作ユニットに対して、応答力を効率よく与えることができる操作装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、操作装置として、ユーザーに応答力を与える応答力付与機構を備えたものが広く採用されている。操作装置は、操作ユニットが、弾性支持部を介して支持部材に支持されており、操作ユニットが操作されたことを検知する検知部と、検知部によって操作ユニットが操作されたことが検知されると、ユーザーに応答力を与える応答力付与機構とが設けられている。
【0003】
以下の特許文献1に記載された操作装置は、図3に示されるように、タッチスクリーンの背面にアクチュエータが固定されており、タッチスクリーンとハウジング構成部品とを連結する二重剛性サスペンションシステムが設けられている。二重剛性サスペンションでは、タッチスクリーンが、ハウジング構成部品に対して、タッチスクリーンの面と直交するZ方向にのみ移動できるように支持されている。二重剛性サスペンションシステムは、ハウジングを挟んで第1の剛性の第1部材と第2の剛性の第2部材の2つの部材を有し、第1の部材の第1の剛性が第2の部材の第2の剛性より大きいものとなっている。
【0004】
二重剛性サスペンションシステムでは、ユーザーが指でタッチスクリーンをZ軸方向に押下したとき、より剛性が大きい第1の部材によって、ユーザーの指に大きな変形抵抗が与えられ、タッチスクリーンが堅固に取り付けられているかのようにユーザーに感じさせることが可能となる。また、ユーザーに与えられる触覚フィードバックでは、段落[0017]に記載されているように、アクチュエータからタッチスクリーンに前記Z軸方向に直線的に力が与えられる。アクチュエータによって、タッチパネルに応答力が与えられたとき、より剛性が低い第2の部材が変形しやすいため、タッチパネルに大きな応答力が与えられることが可能となる。
【0005】
以下の特許文献2に記載された操作装置は、図6に示されるように、振動部が背面に固定されているタッチパネルと、上部筐体と、下部筐体と、上部筐体とタッチパネルとの間に介在される第1の弾性部材と、タッチパネルと下部筐体との間に介在される第2の弾性部材と、を備えている。第1の弾性部材の弾性係数は第2の弾性部材の弾性係数よりも低いものとなっている。
【0006】
そのため、上部筐体と下部筐体とを組み合わせた状態において、第2の弾性部材より第1の弾性部材の方が、圧縮される度合いが大きくなり、タッチパネルをより自由に振動させることができ、振動の減衰が一層低減されることが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特許第6426446号公報
【文献】特許第5805571号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1に記載されている発明は、タッチスクリーンがその表面と直交する方向(Z方向)に押下されて、これが検知されると、タッチスクリーンに対してZ方向への触感フィードバックが与えられる。この構造では、タッチスクリーンに対する押圧操作方向と、タッチスクリーンに与えられる触感フィードバックの振動方向が同じZ方向であるため、タッチスクリーンを操作した指に触覚フィードバックを効果的に与えることはできない。
【0009】
これに対し、特許文献2に記載されている操作装置は、タッチパネルが第1の弾性部材と第2の弾性部材に挟まれて固定されており、タッチパネルが、タッチパネルの面に直交するZ方向だけでなく、X方向やY方向も移動可能である。しかしながら、X方向やY方向に移動するときに、タッチパネルの支持剛性が、第1の弾性部材と第2の弾性部材とを合わせた剛性となり、触感フィードバックの振動に大きな減衰を与えてしまうという問題がある。
【0010】
本発明は、上記従来の課題を解決するものであり、応答力付与機構から操作ユニットに対して、応答力を効率よく与えることができる操作装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、操作部を備えた操作ユニットと、前記操作ユニットが支持される支持部材と、前記操作ユニットと前記支持部材との間に設けられた支持機構部と、前記操作ユニットが後方へ押されたことを検知する操作検知部と、前記操作ユニットに前後方向である第1の方向と交差する第2の方向への応答力を与える応答力付与機構と、が設けられた操作装置において、
前記支持機構部では、前記操作ユニットと前記支持部材の一方に連結軸部が、他方に連結受け部が設けられて、前記連結軸部が前記連結受け部で第1の方向へ移動可能に支持され、
前記操作ユニットを前方へ復帰させる復帰部材が設けられており、
前記連結受け部には、前記連結軸部が第1の方向に移動する間に継続して、前記連結軸部を第2の方向の両側から支持する第1弾性部材が設けられ、
前記第1弾性部材には、前記連結軸部を支持するのと逆側である外側に、第2の方向へ突出する第1弾性突部と第2弾性突部が、第1の方向に間隔を空けて設けられ、前記連結受け部には、前記第1弾性突部と前記第2弾性突部とが当たる規制壁が設けられて、前記第1弾性部材は、少なくとも前記第1弾性突部と前記第2弾性突部との間が撓み変形可能とされており、
前記連結軸部が第1の方向に移動する間に、前記連結軸部と前記第1弾性部材とが、前記第1弾性突部と前記第2弾性突部との間で継続して当接することを特徴とするものである。
【0012】
本発明の操作装置は、前記第1弾性部材は、前記連結軸部で第2の方向へ押されたとき、先に第2の方向へ撓み変形し、その後は圧縮変形し、撓み変形に要する力よりも圧縮変形に要する力が大きいことが好ましい。
【0013】
本発明の操作装置は、前記連結受け部には、前記連結軸部と第2の方向の両側に間隔を空けて対向する第1規制部が設けられ、前記第1弾性部材は、前記第1規制部よりも前記連結軸部側へ突出していることが好ましい。
【0014】
本発明の操作装置は、前記第1規制部は、前記第1弾性部材が撓み変形するときには、前記連結軸部に当たらない位置に配置されていることが好ましい。
【0015】
また本発明は、操作部を備えた操作ユニットと、前記操作ユニットが支持される支持部材と、前記操作ユニットと前記支持部材との間に設けられた支持機構部と、前記操作ユニットが後方へ押されたことを検知する操作検知部と、前記操作ユニットに前後方向である第1の方向と交差する第2の方向への応答力を与える応答力付与機構と、が設けられた操作装置において、
前記支持機構部では、前記操作ユニットと前記支持部材の一方に第1の方向と第2の方向の双方に直交する方向が軸方向である連結軸部が、他方に連結受け部が設けられて、前記連結軸部が前記連結受け部で第1の方向へ移動可能に支持され、
前記操作ユニットを前方へ復帰させる復帰部材が設けられており、
前記連結受け部に第1弾性部材が設けられ、前記第1弾性部材は、前記連結軸部が第1の方向に移動する間に前記連結軸部に継続し当接して前記連結軸部を第2の方向の両側から支持し、前記第1弾性部材における前記連結軸部が継続して当接する領域が第2の方向へ変形可能であることを特徴とするものである。
【0016】
本発明の操作装置は、前記連結受け部には、前記連結軸部が第1の方向に沿って、前方に移動したときと、後方に移動したときに当たる第2弾性部材が設けられていることが好ましい。
【0017】
本発明の操作装置は、例えば、前記第1弾性部材と前記第2弾性部材は、同じ弾性体の部分である。ただし、連結受け部で、前記第1弾性部材と前記第2弾性部材とが互いに独立した別の弾性体で形成されていてもよい。
【0018】
本発明の操作装置は、前記連結受け部には、前記連結軸部と前後方向に対向する第2規制部が設けられ、前記第2弾性部材は、前記第2規制部よりも前記連結軸部側へ突出していることが好ましい。
【0019】
本発明の操作装置は、前記支持機構部では、前記連結軸部と前記連結受け部の相対位置が、第1の方向と第2の方向の双方に交差する第3の方向へ規制されていることが好ましい。
【0020】
本発明の操作装置は、前記操作ユニットには、表示装置と、前記表示装置が保持される外装ケースとが設けられていることが好ましい。
【0021】
本発明の操作装置は、前記操作部は、前記表示装置の表示画面に設けられていることが好ましい。
【発明の効果】
【0022】
本発明の操作装置は、支持機構部によって、操作ユニットが、前後方向である第1の方向へ移動可能に支持されるのみならず第1の方向と交差する第2の方向へも移動可能である。そして、応答力付与機構によって、操作ユニットに対して、押圧操作方向である第1の方向と交差する方向の応答力が与えられる。そのため、操作ユニットに触れる指などに対して大きな操作反力を与えることが可能である。しかも、支持機構部では、連結軸部が第1の方向に移動する間に継続して、第2の方向の両側から支持されている。そのため、質量が大きい操作ユニットであっても、応答力が付与される方向に強固に支持することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本発明の実施の形態の操作装置を、操作装置の前方から見た斜視図。
図2】本発明の実施の形態の操作装置を、操作装置の後方から見た斜視図。
図3図2に示す操作装置において、後部筐体を外した状態を示す斜視図。
図4図2に示す操作装置の分解斜視図。
図5】支持機構部の一部を分解した分解図
図6図2に示す操作装置の一部を拡大して後方から見た部分背面図。
図7図6に示す操作装置をA-A線で切断した部分拡大断面図。
図8図6に示す操作装置をB-B線で切断した部分拡大断面図。
図9図6に示す操作装置をC-C線で切断した部分拡大断面図。
【発明を実施するための形態】
【0024】
図1および図2に、本発明の実施形態の操作装置1の全体構造が示されている。実施形態の操作装置1は、車載用表示装置として使用される。操作装置1は、Z1-Z2方向が前後方向(第1の方向)である。Z1方向が前方で、Z2方向が後方である。車載用表示装置として使用される場合には、Z1方向が車室内に向けられ、Z2方向が車両の進行方向の前方に向けられる。X1-X2方向が左右方向(第2の方向)である。X1方向が左方向でX2方向が右方向、Y1方向が上方向でY2方向が下方向である。
【0025】
図4に示すように、操作装置1は、操作ユニット2、応答力付与機構3、支持部材4及び支持機構部5を備えている。
【0026】
図3図4に示すように、操作ユニット2は、表示装置21、外装ケース22、背面カバー23、可動側ブラケット24および連結軸部51を有している。外装ケース22は合成樹脂材料や軽金属材料で形成されている。外装ケース22は支持体22aと外縁体22bとを有している。外縁体22bは、支持体22aの外周部から前方(Z1方向)に突出して形成される。表示装置21は、外装ケース22の外縁体22bの内側であって、支持体22aの前方(Z1方向)に向く前面に固定されている。表示装置21は、カラー液晶表示パネルやエレクトロルミネッセンス表示パネルであり、表示装置21の前方(Z1方向)に向く前面が表示画面21aとなっている。
【0027】
図1に示すように、表示画面21aは、透明なタッチセンサを有する操作部21bとなっている。タッチセンサは、透明基板に複数の透明電極が設けられて構成された静電容量式センサである。表示画面21aに操作者の指が触れると、電極で検知される静電容量が変化し、このときの静電容量の分布の変化により、指が触れた座標位置が検知される。または、タッチセンサは、全面に透明電極が形成された透明基板に、同じく全面に透明電極が形成された透明フィルムが重ねられた抵抗式センサである。抵抗式センサは、透明フィルムのいずれかの箇所が押されると、透明フィルムに形成された透明電極と、透明基板に形成された透明電極とが短絡し、透明電極の縁部に設けられた電極部から短絡部までの抵抗値の変化が検知されて、指が触れた座標位置が判定される。
【0028】
また、表示装置21がカラー液晶表示パネルの場合には、外装ケース22の内部であって、カラー液晶表示パネルの後方(Z2方向)にはバックライトユニットが設けられる。バックライトユニットは、LEDなどの光源と、光源から発せられる照明光をカラー液晶表示パネルに対して前方(Z1方向)に向けて与える導光部材などとで構成されている。
【0029】
図2に示すように、背面カバー23と、外装ケース22の支持体22aの後方(Z2方向)に向く後面とが、凹凸嵌合構造を介して固定されている。図3図4に示すように、背面カバー23の上方(Y1方向)であって、外装ケース22の後方(Z2方向)に向く後面に、可動側ブラケット24がねじで固定される。可動側ブラケット24には、曲げ面が上下方向(Y1-Y2方向)に向く連結突固定面部24aと、曲げ面が前後方向(Z1-Z2方向)に向く検知面部24bと、後端部に可動側掛け部24cとが形成される。連結軸部51は、可動側ブラケット24の連結突固定面部24aに形成された穴に圧入されて、軸が上下方向(Y1-Y2方向)に向けられて固定される。本実施形態では、連結軸部51は、操作ユニット2の一部を構成しているとともに、支持機構部5の一部を構成している。
【0030】
外装ケース22の支持体22aの後方(Z2方向)に向く面に応答力付与機構3が固定される。図4に示される応答力付与機構3は、2個の電磁ソレノイドが設けられ、2個の電磁ソレノイドの内部で1個の可動錘が左右方向(X1-X2方向)へ往復移動できるように設けられている。制御部の信号に基づいて、可動錘を一方のソレノイドで応答力発生方向の左右方向(X1-X2方向)へ吸引したあと、他方のソレノイドで応答力発生方向の左右方向(X1-X2方向)へ吸引するよう動作させ、可動錘が駆動されるときの力、もしくは可動錘が衝突したときの力が外装ケース22に伝達されて、外装ケース22と固定される表示装置21に左右方向(X1-X2方向)の応答力が与えられる。
【0031】
図2図4に示すように、操作ユニット2の後方(Z2方向)に支持部材4が配置される。支持部材4は、車室内のダッシュボードやインストルメントパネルなどに固定される。支持部材4は、筐体41、支持側ブラケット42、サブ基板43、メイン基板44および連結受け部52を有する。筐体41は前方(Z1方向)が解放されており、筐体41の内部であって、前方(Z1方向)側に向く前面に、支持側ブラケット42が固定される。図4図5に示すように、支持側ブラケット42には、曲げ面が上下方向(Y1-Y2方向)に向く連結受け固定面部42aと、上下方向(Y1-Y2方向)に沿って形成されるブラケット孔部42bと、前方(Z1方向)に突出する支持側掛け部42cと、を有する。連結受け部52は、支持側ブラケット42の連結受け固定面部42aの上方(Y1方向)に当接して配置される。本実施形態では、連結受け部52は、支持部材4の一部を構成しているとともに、支持機構部5の一部を構成している。
【0032】
図4に示すように、支持側ブラケット42の前方(Z1方向)側に向く前面にサブ基板43が固定される。サブ基板43の前方(Z1方向)側に向く前面に、操作検知部43aが設けられている。操作検知部43aは近接センサであり、操作ユニット2が後方(Z2方向)に押されることで、可動側ブラケット24の検知面部24bがサブ基板43の操作検知部43aに近づいていき、所定の距離内になったとき、近接センサが動作させられ、検知出力が得られる。操作検知部43aとしては、近接センサに限定されず、フォースセンサや機械的スイッチなどを用いてもよい。また、表示装置21に設けられたタッチセンサで、接触している指の面積を検知し、その検知面積がしきい値よりも大きくなったときに、操作ユニット2が後方(Z2方向)へ向けて押圧操作されたことを検知してもよい。支持側ブラケット42の後方(Z2方向)側に向く面には、電源コネクタを備えたメイン基板44が固定される。
【0033】
図3図4に示すように、支持機構部5は操作ユニット2と支持部材4との間に設けられている。支持機構部5は、連結軸部51と連結受け部52と復帰部材55とを備える。連結軸部51は、操作ユニット2の一部を構成しているとともに支持機構部5の一部を構成している。連結受け部52は、支持部材4の一部を構成しているとともに支持機構部5の一部を構成している。復帰部材55は、引っ張りコイルばねで形成されている。図3図6に示されるように、復帰部材55は、一端が可動側ブラケット24の可動側掛け部24cと連結され、他端が支持側ブラケット42の支持側掛け部42cと連結されている。可動側掛け部24cは支持側掛け部42cより後方(Z2方向)であって上方(Y1方向)に位置しており、復帰部材55は初期伸びを与えられた状態で設けられている。そのため、復帰部材55の弾性収縮力によって、操作ユニット2は、前方(Z1方向)に復帰させる力、すなわち支持部材4に対して前方へ離れようとする付勢力が常に働いている。これとともに、操作ユニット2が支持部材4に対して下向きに付勢されて、連結軸部51と連結受け部52の相対位置が、上下方向(Y1-Y2方向)へ規制されている。
【0034】
図5図8および図9に示すように、連結受け部52は、弾性体53と規制体54とを有している。弾性体53はゴム等の弾性材料で形成されている。弾性体53は上下方向(Y1-Y2方向)に沿って、弾性体孔部53cが形成されている。弾性体孔部53cは、左右方向(X1-X2方向)の径より、前後方向(Z1-Z2方向)の径の方が大きく形成されている。連結軸部51は、弾性体孔部53cの内部に挿入されて支持される。規制体54は弾性係数が大きいプラスチックや金属材料で形成されている。図7にも示されているように、規制体54には、上下方向(Y1-Y2方向)に沿って、連結軸部可動孔54cと、その下方に位置する弾性体保持凹部54dとが形成されている。連結軸部可動孔54cと弾性体保持凹部54dは、左右方向(X1-X2方向)の径より、前後方向(Z1-Z2方向)の径の方が大きく形成されている。
【0035】
図7図9に示すように、弾性体53は、規制体54の弾性体保持凹部54dに、下方から上方に向けて嵌められて固定されている。図9に示すように、弾性体53の前端にZ1方向に突出する第3弾性突部53fが形成され、その後端にZ2方向に突出する第4弾性突部53gが形成されている。規制体54には、弾性体53の第3弾性突部53fに対応する位置に第3規制凹部54fが形成され、弾性体53の第4弾性突部53gに対応する位置に第4規制凹部54gが形成されている。
【0036】
弾性体53の第3弾性突部53fは、規制体54の第3規制凹部54fに凹凸嵌合されている。また、弾性体53の第4弾性突部53gは、規制体54の第4規制凹部54gに凹凸嵌合されている。これにより、弾性体53を図9の紙面に沿う方向へ回転させようとする力が働いても、弾性体53は回転することなく、正しい位置のまま規制体54の内部に保持される。
【0037】
図9に示すように、弾性体53には、左右方向(X1-X2方向)の両外側に、すなわち、連結軸部51を支持する弾性体孔部53cとは逆側である外側に、第1弾性突部53d及び第2弾性突部53eが一体に形成されている。一対の第1弾性突部53dは、弾性体53の重心より前方(Z1方向)に位置してX1方向とX2方向へそれぞれ突出し、一対の第2弾性突部53eは、弾性体53の重心より後方(Z2方向)に位置してX1方向とX2方向へそれぞれ突出している。弾性体53のX1方向における外側とX2方向における外側のそれぞれにおいて、第1弾性突部53dと第2弾性突部53eは、前後方向(Z1-Z2方向)へ、内寸で距離S1だけ離れて配置されている。図9に示されるように、前記距離S1は、操作ユニット2が通常操作されるときに、弾性体孔部53cの内部で連結軸部51が後方(Z2方向)に移動する距離S2より大きい。前記距離S2は、操作者が操作ユニット2を後方に移動開始してから、操作検知部43aによって操作ユニット2が後方(Z2方向)へ押されたことが検知されるまでの間に、連結軸部51が後方へ移動する距離である。
【0038】
図9に示すように、規制体54の弾性体保持凹部54dの内部では、左右両側のそれぞれに、前後方向(Z1-Z2方向)に延びる平面状の規制壁54eが形成されている。弾性体53の左右方向(X1-X2)の両外側から突出している第1弾性突部53dと第2弾性突部53eは、それぞれ規制壁54eにやや弾圧されて当接している。第1弾性突部53dおよび第2弾性突部53eと、規制壁54eとで囲まれた領域では、左右方向に間隙部Gが形成されている。そのため、弾性体53は、第1弾性突部53dと第2弾性突部53eとの間の距離S1の領域が撓み変形領域である。図9に示すように、応答力付与機構3から操作ユニット2に応答力が与えられて操作ユニット2が左右方向に移動するときに、連結軸部51の軸中心Oがその中立位置から左右にそれぞれ移動する移動量をδ2とすると、間隙部Gの左右方向(X1-X2方向)の距離δ1は移動量δ2よりも大きく設定されている。
【0039】
図5図7に示すように、連結軸部51の上端部には、フランジ体51aと、フランジ体51aから上方に突出する固定軸部51bとが一体に形成されている。フランジ体51aは、連結軸部51の外径方向に突出して円板状に形成されている。固定軸部51bはフランジ体51aよりも小径に形成されている。
【0040】
図7に示すように、可動側ブラケット24の連結突固定面部24aに形成された連結突固定穴24dに、固定軸部51bが挿入され、かしめ加工することで、連結軸部51が、連結突固定面部24aに固定されている。フランジ体51aは、可動側ブラケット24の連結突固定面部24aの下方(Y2方向)に当接して配置されている。連結軸部51は、規制体54の連結軸部可動孔54cと弾性体53の弾性体孔部53cとに下方に向けて挿入され、さらに連結軸部51の下端部が、支持側ブラケット42に形成されたブラケット孔部42b内に挿通されている。
【0041】
操作ユニット2の一部である可動側ブラケット24は、復帰部材55のばね力によって下向きに付勢されている。そのため、可動側ブラケットの下方(Y2方向)に配置されるフランジ体51aが、連結受け部52の規制体54の上面に下向きに弾圧されている。これにより、連結軸部51と連結受け部52の、上下方向(Y1-Y2方向)の相対位置が規制されている。
【0042】
図8図9に示すように、弾性体53は、その一部が第1弾性部材53aで、他の一部が第2弾性部材53bとなっている。連結軸部51は、弾性体53の弾性体孔部53cの内部に位置し、連結軸部51が前後方向(Z1-Z2方向)に移動する間に、連結軸部51の左右の外側と弾性体53との当接部P1が前後方向に移動する。弾性体53のうちの少なくとも当接部P1が前後に移動する領域が第1弾性部材53aである。あるいは、弾性体53は、第1弾性突部53dおよび第2弾性突部53eとの間の距離S2の領域が撓み変形領域であるが、この撓み変形領域を有する部分が第1弾性部材53aである。第1弾性部材53aは、連結軸部51が前後方向に移動する間、継続して、連結軸部51を左右方向(X1-X2方向)両側から支持している。
【0043】
図9に示すように、連結軸部51が前方(Z1方向)へ移動すると、連結軸部51が当接部P2で弾性体53と当接し、連結軸部51が後方(Z2方向)へ移動すると、連結軸部51が当接部P3で弾性体53と当接する。弾性体53は、前記当接部P2を含む前方の領域と、前記当接部P3を含む後方の領域が第2弾性部材53bである。
【0044】
図8に示すように、連結軸部51は、規制体54の連結軸部可動孔54cの内部に移動自在に位置している。連結軸部可動孔54cの内縁部の一部は第1規制部54aであり、他の一部は第2規制部54bである。第1規制部54aは、連結軸部51と弾性体孔部53cとの当接部P1,P1が前後方向に移動する間、この当接部P1,P2に左右から距離を空けて対向している。第2規制部54b,54bは、連結軸部51と弾性体孔部53cとの当接部P2に前方で距離を空けて対向し、また当接部P3に後方から距離を空けて対向している。
【0045】
図8に示すように、それぞれの第1規制部54aとそれぞれの当接部P1とは最大で距離δ11だけ離れており、当接部P1で連結軸部51と当接する第1弾性部材53aは、第1規制部54aから最大で距離δ11だけ連結軸部51側へ突出している。それぞれの第2規制部54bと当接部P2,P3のそれぞれは最大で距離δ12だけ離れており、当接部P2とP3とで連結軸部51と当接する第2弾性部材53bは、第1規制部54aから最大で距離δ12だけ連結軸部51側へ突出している。
【0046】
次に、操作装置1の動作を説明する。
車載用表示装置として使用される操作装置1では、操作ユニット2に設けられる表示装置21の表示画面21aに表示された画像を参照しながら、操作部21bのいずれかの箇所にユーザーの指を触れさせると、タッチセンサからの座標検知出力によって、ユーザーの指が画像のどの部分に触れたかが判別される。
【0047】
その指で、表示画面21aを後方(Z2方向)に押すと、その押圧操作力は、外装ケース22から可動側ブラケット24に作用し、可動側ブラケット24と支持側ブラケット42との間に設けられた復帰部材55が、初期伸びを与えられた初期状態から、さらに引っ張り変形され、操作ユニット2が支持部材4に向けて後方(Z2方向)へ移動させられる。このときに、表示画面21aから操作者の指に与えられる操作反力は、復帰部材55の引っ張り変形のばね定数で決められる。
【0048】
操作ユニット2に設けられた可動側ブラケット24の検知面部24bと支持部材4に設けられたサブ基板43の操作検知部43aとの距離が所定の距離内になると、表示画面21aが押圧操作されたことが検知される。図示しない本体制御部では、タッチセンサの検知出力と操作検知部43aの検知出力から、さらに表示画面21aに表示されている画像の画像信号から、どのような操作が行われたかを判別し、意図した操作に基づく処理動作が開始される。
【0049】
操作検知部43aによって、操作ユニット2が後方(Z2方向)へ押されたことが検知されると、本体制御部から応答力を発生するための動作指令が出され、応答力付与機構3が駆動される。応答力付与機構3で発生する左右方向(X1-X2方向)の応答力(加速度)は、操作ユニット2に与えられる。このときの応答力は、操作ユニット2を左右方向(X1-X2方向)へ一周期で往復動作させる単発の力であり、あるいは左右方向(X1-X2方向)へ複数周期で往復動作させる振動力である。
【0050】
図8図9に示すように、ユーザーの押圧操作により、支持機構部5の連結軸部51が後方(Z2方向)に移動する間に継続して、連結軸部51は、連結受け部52を構成する弾性体53の第1弾性部材53aにより左右方向(X1-X2方向)の両側から支持されている。図9に示すように、連結軸部51が後方(Z2方向)に移動するとき、連結軸部51の軸中心Oは、第1弾性突部53dより後方で第2弾性突部53eよりも前方に位置している。さらに、図9に示される間隙部Gの左右方向(X1-X2方向)の距離δ1は、応答力付与機構3により操作ユニット2に応答力が与えられて操作ユニット2が中立位置から左右に移動する移動量δ2よりも大きく設定されている。
【0051】
そのため、応答力付与機構3から操作ユニット2に応答力が与えられ、連結受け部52の第1弾性部材53aが、連結軸部51で左右方向(X1-X2方向)へ押されたとき、第1弾性部材53aは、第1弾性突部53dと第2弾性突部53eとの間の撓み変形領域において、間隙部Gの距離分だけ、左右方向(X1-X2方向)に撓み変形する。この撓み変形領域の撓み変形による弾性係数を適度に設定し剛性を高くしておくことにより、連結軸部51が、左右の第1弾性部材53aによってX1-X2方向に確実に保持され、外装ケース22に表示装置21とバックライトユニットなどが内蔵された比較的質量の大きい操作ユニット2であっても、車体振動などでがたつきを生じることなく、しっかりと保持することができる。
【0052】
第1弾性部材53aの剛性が高く構成されていても、応答力付与機構3によって操作ユニット2にX1-X2方向の加速度が与えられたときに、第1弾性部材53aが連結軸部51に押されてX1方向またはX2方向に撓み変形する。そのため、応答力付与機構3から発生される応答力が、弾性体53の弾性反力によって損失しにくくなる。よって、応答力付与機構3から操作ユニット2に対して加速度が与えられたときに、操作ユニット2がX1-X2方向へ比較的大きな振幅で動くことができ、ユーザーに応答力を効率よくすなわち解りやすく伝えることができる。応答力付与機構3から操作ユニット2に与えられる加速度は、左右方向であるため、前後方向への車体振動が激しいときでも、操作ユニット2を操作しているユーザーの指に応答力を明確に感じさせることができる。
【0053】
連結軸部51は、最初に、第1弾性部材53aと接触する。第1弾性部材53aは、先に撓み変形し、その後は圧縮変形する。第1弾性部材53aは、撓み変形に要する力よりも圧縮変形に要する力が大きい。第1弾性部材53aが圧縮変形するのに要する力は大きいため、操作ユニット2は、第1弾性部材53aの弾性抵抗により、大きな抵抗力を受ける。
【0054】
ユーザーが指で表示画面21aを押したときは、操作ユニットが堅固に取り付けられているかのように操作者に感じさせることが好ましい。すなわち、ユーザーが表示画面21aを後方(Z2方向)へ押したときに、復帰部材55が引っ張り変形されることによる弾性抵抗が大きい方がよい。これに対して、応答力付与機構3から操作ユニット2に応答力が与えられたときに、操作ユニット2からユーザーの指に大きな力を与えるためには、操作ユニット2が左右方向(X1-X2方向)へ移動するときの弾性抵抗が小さいほうがよい。よって、操作ユニット2を後方(Z2方向)へ動かすのに要する力に対し、第1弾性部材53aの撓み変形の弾性反力に対抗させて操作ユニット2を左右方向(X1-X2方向)へ動かすのに要する力の方が小さいことが好ましい。
【0055】
図7図8に示されるように、弾性体53の一部は、前後方向(Z1-Z2方向)に対向する第2弾性部材53bとなっており、連結軸部可動孔54cの周縁部の一部は、前後方向に対向する第2規制部54bとなっている。そして、前後の第2弾性部材53bのそれぞれは、前後の第2規制部54bよりも連結軸部51側へ突出している。よって、操作ユニット2に前後方向(Z1-Z2方向)の過度な力が加わったとき、連結軸部51は、最初に、第2弾性部材53bと接触し、第2弾性部材53bが圧縮変形する。第2弾性部材53bを圧縮変形するのに要する力が大きいため、操作ユニット2は、第2弾性部材53bにより、大きな抵抗力を受ける。そのあと、連結軸部51は、第2規制部54bに接触する。連結軸部51は、第2弾性部材53bにより抵抗力を受けた後、第2規制部54bに接触する。そのため、操作ユニット2に加わった過度な力を、第2弾性部材53bの弾性抵抗で小さくしてから、第2規制部54bに接触することになり、支持機構部5を構成する部品の破壊を防ぐことが可能となり、連結軸部51と第2規制部54bとの衝突音も低減できる。
【0056】
同様に、ユーザーが過度な力で操作ユニット2を左右方向(X1-X2方向)に押したり、引っ張ったりしてしまうこともある。また、操作装置1は、車載用表示装置として使用されるため、左右方向(Z1-Z2方向)に強い振動が操作ユニット2に加わることがある。
【0057】
図7図8に示されるように、弾性体53の一部は、連結軸部51を左右方向から支持する第1弾性部材53aであり、連結軸部可動孔54cの周縁部の一部は、左右方向に対向する第1弾性部材53aである。そして、左右の第1弾性部材53aのそれぞれは、左右の第1規制部54aのそれぞれよりも連結軸部51側へ突出している。図8に示すように、連結軸部51と第1弾性部材53aとの当接部P1が、常に第1弾性部材53aの撓み変形領域に位置しているため、連結軸部51が左右に移動して、連結軸部51によって第1弾性部材53aが左側または右側に押されたときに、第1弾性部材53aは、先に撓み変形し、図4に示す間隙部Gの距離δ1がゼロになると、その後は圧縮変形する。第1弾性部材53aは、撓み変形に要する力よりも圧縮変形に要する力が大きい。
【0058】
応答力付与機構3から操作ユニット2に対して左右方向の大きな加速度が与えられたとき、または車体振動など外部からの力により操作ユニット2に左右方向への大きな加速度が与えられたときに、第1弾性部材53aが撓み変形の後に圧縮変形し、このときの弾性反力が大きいため、連結軸部51の左右方向へ動きに制動力が与えられる。この制動力に対抗して連結軸部51がさらに左右方向のいずれかに動いたときに、連結軸部51が第1規制部54aに接触することになる。連結軸部51は、第1弾性部材53aにより大きな抵抗力を受けた後に、第1規制部54aに接触する。操作ユニット2に加わった過度な力を、第1弾性部材53aの弾性抵抗で小さくしてから、第1規制部54aに接触することになり、支持機構部5を構成する部品の破壊を防ぐことが可能となる。また、連結軸部51が、第1規制部54aに当たるときの衝撃音も低減させることができる。
【0059】
図8に示す距離δ11は、第1弾性部材53aが撓み変形するときには、連結軸部51が第1規制部54aに当たることはなく、第1弾性部材53aが撓み変形した後にさらに圧縮変形したときに当たるように設定されている。
【0060】
図8に示されるように、第1弾性部材53aは、第1規制部54aよりも連結軸部51側へ突出している。また、第2弾性部材53bは、第2規制部54bよりも連結軸部51側へ突出している。よって、操作ユニット2に小さな振動が負荷されたときは、第1弾性部材53a及び第2弾性部材53bと接触し、第1規制部54a及び第2規制部54bと接触することはない。規制体54を構成する第1規制部54a及び第2規制部54bは、弾性係数が大きいプラスチックや金属材料で形成されているため、連結軸部51と接触したとき、大きな騒音を発生してしまう懸念がある。しかし、弾性体53を構成する第1弾性部材53a及び第2弾性部材53bは、ゴム等の弾性材料で形成されているため、連結軸部51と接触したとき、大きな騒音を発生することは考えにくい。そのため、本実施例の操作装置1は、通常使用時に、大きな騒音を発生させないものとすることができる。
【0061】
前記実施形態の支持機構部5では、操作ユニット2側に連結軸部51が、支持部材4側に連結受け部52が設けられているが、これとは逆に、操作ユニット2側に連結受け部52が設けられ、支持部材4側に連結軸部51が設けられていてもよい。
【符号の説明】
【0062】
1 操作装置
2 操作ユニット
3 応答力付与機構
4 支持部材
5 支持機構部
21 表示装置
21a 表示画面
21b 操作部
22 外装ケース
23 背面カバー
24 可動側ブラケット
24a 連結突固定面部
24b 検知面部
24c 可動側掛け部
24d 連結突固定穴
41 筐体
42 支持側ブラケット
42a 連結受け固定面部
42b ブラケット孔部
42c 支持側掛け部
5 支持機構部
51 連結軸部
51a フランジ体
51b 突出体
52 連結受け部
53 弾性体
53a 第1弾性部材
53b 第2弾性部材
53c 弾性体孔部
53d 第1弾性突部
53e 第2弾性突部
53f 第3弾性突部
53g 第4弾性突部
54 規制体
54a 第1規制部
54b 第2規制部
54c 連結軸部可動孔
54d 弾性体保持凹部
54e 規制壁
54f 第3規制凹部
54g 第4規制凹部
55 復帰部材
G 間隙部
Z1-Z2 第1の方向
X1-X2 第2の方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9