(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-28
(45)【発行日】2023-08-07
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
A63F 7/02 20060101AFI20230731BHJP
【FI】
A63F7/02 320
(21)【出願番号】P 2018090898
(22)【出願日】2018-05-09
【審査請求日】2021-02-15
【審判番号】
【審判請求日】2022-06-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000154679
【氏名又は名称】株式会社平和
(74)【代理人】
【識別番号】100126620
【氏名又は名称】石井 豪
(72)【発明者】
【氏名】河内 尚則
(72)【発明者】
【氏名】中川 卓也
【合議体】
【審判長】藤田 年彦
【審判官】鉄 豊郎
【審判官】北川 創
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-165577(JP,A)
【文献】特開2017-70658(JP,A)
【文献】特開2014-23834(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
予め定められた始動条件が成立することに基づき、遊技者に有利な特別遊技の実行の可否を決定する特別遊技決定手段と、
前記特別遊技の実行の決定に対する期待度を示唆する変動演出として特定演出を実行可能な特定演出実行手段と、
前記特定演出が実行される場合に、その旨を示唆する示唆演出を実行可能な示唆演出実行手段と、を備え、
前記特定演出には、前記期待度が相対的に高い第1の特定演出と、前記期待度が相対的に低い第2の特定演出と、が設けられ、
前記第1の特定演出が実行される割合が、前記第2の特定演出が実行される割合よりも低く設定された遊技機において、
特定の条件が成立していない第1の遊技状態においては、前記第2の特定演出が実行される場合よりも前記第1の特定演出が実行される場合の方が、前記示唆演出が実行される割合が高く設定されており、
前記特定の条件が成立すると移行する第2の遊技状態においては、前記第1の遊技状態よりも、前記第2の特定演出が実行される場合に前記示唆演出が実行される割合が高く設定され
、
前記示唆演出は、少なくとも第1態様及び第2態様を含む複数の態様を有しており、
前記第1の遊技状態及び前記第2の遊技状態のいずれにおいても、前記第1態様による前記示唆演出、及び、前記第2態様による前記示唆演出を実行可能であり、
前記第2の遊技状態において最初に前記第2の特定演出が実行される場合、前回実行された態様と異なる態様による前記示唆演出が実行されることを特徴とする遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に関し、詳しくは、遊技者に有利な特別遊技を実行可能な遊技機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の遊技機として、遊技領域に設けられた始動領域(始動入賞口)への遊技球の進入を契機として、遊技者に有利な特別遊技の実行可否を決定する大当たりの抽選や、大当たりの抽選の結果を報知する変動演出の態様の決定を行い、決定された態様で変動演出を実行するものが知られている。変動演出には、大当たりの当選の期待度が異なるように設定された複数の態様が設けられていることが一般的であり、大当たりの当選の期待度が相対的に高く設定された態様は、大当たりの当選の期待度が相対的に低く設定された態様よりも決定され難いようになっている。
また、近年では、遊技者の興趣を高めるべく、所定の静止画や動画等の画像を表示することにより、実行される変動演出の態様を示唆する予告演出を実行する遊技機や、保留が記憶されると、当該保留に基づく変動演出が実行される前に、当該保留に係る乱数が大当たりに当選するものであるか否かの判定(いわゆる先読み)を行った上で、この判定の結果に基づき、当該保留に基づく変動演出よりも先に実行される変動演出から当該保留に基づく変動演出までの複数回の変動演出において、当該保留に基づく変動演出の態様や当該保留に基づく大当たりの抽選の結果を示唆する先読み演出を実行可能な遊技機が考案されている(特許文献1及び2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2012-217772号公報
【文献】特開2012-165911号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述のような遊技機においては、変動演出の態様や大当たりの抽選の結果を示唆する予告演出や先読み演出は、大当たりの当選の期待度が相対的に高く設定された変動演出の態様が決定された場合に実行され易く、大当たりの当選の期待度が相対的に低く設定された変動演出の態様が決定された場合には実行され難いように設定されていることが多い。
すると、予告演出や先読み演出が実行される機会が少なくなるため、大当たりの当選の期待度が高い態様による変動演出が実行されることへの期待感が低下し、遊技者の興趣を低下させてしまうとのおそれが生じていた。
【0005】
そこで、本発明は、上述した事情によりなされたものであり、期待度の高い演出が実行されることへの期待感が低下するのを防止し、遊技者の興趣を高めることが可能な遊技機の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した目的を達成するために、本発明は次のように構成されている。
以下、本発明の特徴点を図面に示した発明の実施の形態を用いて説明する。なお、下記の符号及び記載は、本発明の構成に相当する発明の実施の形態における構成の符号及び名称を示したものであり、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【0007】
(1)本発明は、予め定められた始動条件が成立することに基づき、遊技者に有利な特別遊技の実行の可否を決定する特別遊技決定手段(メインCPU101)と、前記特別遊技の実行の決定に対する期待度を示唆する変動演出として特定演出(発展ありパターンによる変動演出)を実行可能な特定演出実行手段(サブCPU301)と、前記特定演出が実行される場合に、その旨を示唆する示唆演出を実行可能な示唆演出実行手段(サブCPU301)と、を備え、前記特定演出には、前記期待度が相対的に高い第1の特定演出(発展ありパターンDによる変動演出、発展ありパターンEによる変動演出)と、前記期待度が相対的に低い第2の特定演出(発展ありパターンAによる変動演出)と、が設けられ、前記第1の特定演出が実行される割合が、前記第2の特定演出が実行される割合よりも低く設定された遊技機(パチンコ機P)において、特定の条件(所定の変更条件)が成立していない第1の遊技状態においては、前記第2の特定演出が実行される場合よりも前記第1の特定演出が実行される場合の方が、前記示唆演出が実行される割合が高く設定されており、前記特定の条件が成立すると移行する第2の遊技状態においては、前記第1の遊技状態よりも、前記第2の特定演出が実行される場合に前記示唆演出が実行される割合が高く設定され、前記示唆演出は、少なくとも第1態様及び第2態様を含む複数の態様を有しており、前記第1の遊技状態及び前記第2の遊技状態のいずれにおいても、前記第1態様による前記示唆演出、及び、前記第2態様による前記示唆演出を実行可能であり、前記第2の遊技状態において最初に前記第2の特定演出が実行される場合、前回実行された態様と異なる態様による前記示唆演出が実行されることを特徴とする。
ここで、始動条件の成立としては、遊技領域12に設けられた始動領域に遊技球が進入すること、実行中の変動が終了すること等が挙げられる。
【0008】
本発明においては、特定の条件が成立すると移行する第2の遊技状態では、特定の条件が成立していない第1の遊技状態よりも、特別遊技の実行の決定に対する期待度が低く、かつ実行される割合が相対的に高い第2の特定演出が実行される場合に示唆演出が実行され易くなる。すなわち、特定の条件が成立すると示唆演出の実行機会が増えるため、この示唆演出の実行により、期待度の高い演出が実行されることへの期待感が低下するのを防止でき、遊技者の興趣を高めることが可能となる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、期待度の高い演出が実行されることへの期待感が低下するのを防止し、遊技者の興趣を高めることが可能な遊技機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図2】パチンコ機の前扉を開けた状態の外観斜視図である。
【
図4】パチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。
【
図5】パチンコ機の大当たり決定乱数判定テーブルの説明図である。
【
図6】パチンコ機の当たり図柄乱数判定テーブルの説明図である。
【
図7】パチンコ機のリーチグループ決定乱数判定テーブルの説明図である。
【
図8】パチンコ機のリーチモード決定乱数判定テーブルの説明図である。
【
図9】パチンコ機のリーチモード決定乱数判定テーブルの説明図である。
【
図10】パチンコ機の変動パターン抽選テーブルの説明図である。
【
図11】パチンコ機の変動時間決定テーブルの説明図である。
【
図12】パチンコ機の特別電動役物作動テーブルの説明図である。
【
図13】パチンコ機の遊技状態設定テーブルの説明図である。
【
図14】パチンコ機の当たり決定乱数判定テーブルの説明図である。
【
図15】パチンコ機の普通図柄変動パターン決定テーブルの説明図である。
【
図16】パチンコ機の第2始動入賞口開放制御テーブルの説明図である。
【
図17】パチンコ機の主制御基板におけるメイン処理の概略を示すフローチャートである。
【
図18】パチンコ機の主制御基板におけるタイマ割込処理の概略を示すフローチャートである。
【
図19】パチンコ機の主制御基板におけるセンサ検出時処理の概略を示すフローチャートである。
【
図20】パチンコ機の主制御基板におけるゲート検出時処理の概略を示すフローチャートである。
【
図21】パチンコ機の主制御基板における第1始動入賞口検出時処理の概略を示すフローチャートである。
【
図22】パチンコ機の主制御基板における事前判定処理の概略を示すフローチャートである。
【
図23】パチンコ機の主制御基板における第2始動入賞口検出時処理の概略を示すフローチャートである。
【
図24】パチンコ機の主制御基板におけるアウト口検出時処理の概略を示すフローチャートである。
【
図25】パチンコ機の主制御基板における特図関連制御処理の概略を示すフローチャートである。
【
図26】パチンコ機の主制御基板における特別図柄変動開始処理の概略を示すフローチャートである。
【
図27】パチンコ機の主制御基板における変動演出パターン決定処理の概略を示すフローチャートである。
【
図28】パチンコ機の主制御基板における特別図柄変動停止処理の概略を示すフローチャートである。
【
図29】パチンコ機の主制御基板における停止後処理の概略を示すフローチャートである。
【
図30】パチンコ機の主制御基板における特別遊技制御処理の概略を示すフローチャートである。
【
図31】パチンコ機の主制御基板における特別遊技終了処理の概略を示すフローチャートである。
【
図32】パチンコ機の主制御基板における普図関連制御処理の概略を示すフローチャートである。
【
図33】パチンコ機の主制御基板における普通図柄変動開始処理の概略を示すフローチャートである。
【
図34】パチンコ機の主制御基板における普通図柄変動停止処理の概略を示すフローチャートである。
【
図35】パチンコ機の主制御基板における普通図柄停止後処理の概略を示すフローチャートである。
【
図36】パチンコ機の主制御基板における可動片制御処理の概略を示すフローチャートである。
【
図37】パチンコ機の変動演出の態様の一例を示す図である。
【
図38】パチンコ機の変動演出の態様の一例を示す図である。
【
図39】パチンコ機の変動演出決定テーブルの説明図である。
【
図40】パチンコ機の保留表示の態様の一例を示す図である。
【
図41】パチンコ機の変動演出及び役物作動演出の態様の一例を示す図である。
【
図42】パチンコ機の変動演出及び特殊演出の態様の一例を示す図である。
【
図43】パチンコ機の示唆演出決定テーブルの説明図である。
【
図44】パチンコ機の示唆演出強制決定テーブルの説明図である。
【
図45】パチンコ機の賞球表示演出の態様の一例を示す図である。
【
図46】パチンコ機の賞球表示演出の態様の一例を示す図である。
【
図47】パチンコ機の副制御基板におけるメイン処理の概略を示すフローチャートである。
【
図48】パチンコ機の副制御基板におけるタイマ割込処理の概略を示すフローチャートである。
【
図49】パチンコ機の副制御基板における事前判定コマンド受信処理の概略を示すフローチャートである。
【
図50】パチンコ機の副制御基板における示唆演出決定処理の概略を示すフローチャートである。
【
図51】パチンコ機の副制御基板における変動用コマンド受信処理の概略を示すフローチャートである。
【
図52】パチンコ機の副制御基板における入賞検出コマンド受信処理の概略を示すフローチャートである。
【
図53】パチンコ機の副制御基板におけるアウトコマンド受信処理の概略を示すフローチャートである。
【
図54】パチンコ機の副制御基板におけるオープニングコマンド受信処理の概略を示すフローチャートである。
【
図55】パチンコ機の副制御基板における特別遊技終了コマンド受信処理の概略を示すフローチャートである。
【
図56】パチンコ機の副制御基板における遊技状態コマンド受信処理の概略を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の好適な実施の形態を、図面を参照しつつ説明する。
(パチンコ機Pの外部構成)
本形態に係る遊技機は、遊技媒体として遊技球を使用するパチンコ機Pである。特に図示していないが、パチンコ機Pが設置される遊技場においては、島と呼ばれる遊技機の設置領域に、複数台のパチンコ機Pが並べて配設されるとともに、遊技球を貸し出すための遊技球貸出装置が各パチンコ機Pに隣接して設置される。また、各パチンコ機Pは対応する遊技球貸出装置Rに接続されている。
遊技球貸出装置Rは、紙幣の投入や遊技球の貸し出しに必要な価値情報が記憶される記憶媒体(カード)の挿入が可能となっている。そして、遊技球貸出装置Rに紙幣を投入(又は、カードを挿入)した上で、パチンコ機Pに対して所定の操作を行うことにより、遊技球貸出装置Rから遊技球の貸し出しを受けることができるようになっている。
【0012】
本形態に係るパチンコ機Pは、
図1又は
図2に示すように、島に固定される四角形状の枠体であって、中空部(特に図示しておらず)を有する機枠1と、この機枠1にヒンジ機構(特に図示しておらず)により開閉自在に取り付けられる四角形状の枠体であって、中空部(特に図示しておらず)を有する本体枠2と、この本体枠2にヒンジ機構(特に図示しておらず)により開閉自在に取り付けられ、正面に開口部(特に図示しておらず)が形成された前扉3と、を備えている。
【0013】
本体枠2の中空部には、遊技領域12を形成するための透明板である遊技盤11と、遊技盤11の後方に配置されるセット板(特に図示しておらず)とが収容されている。セット板は、前後方向に貫通する開口部を有する箱型の部材であり、セット板の背面部には、パチンコ機Pの作動を制御する各種制御基板や遊技の進行等に伴って演出を行う演出装置としての演出表示装置21が取り付けられるとともに、セット板の正面側の開口部内には、演出装置としての役物演出装置50が設けられている。役物演出装置50については、後程、詳述する。
また、前扉3には、開口部を覆う透明板4と、透明板4の下方に位置し遊技球を受容可能な上皿6及び受皿7と、受皿7の右方に取り付けられ遊技球の発射操作を行うための操作ハンドル5と、上皿6の左方に取り付けられた音声出力装置10としてのスピーカと、上皿6の前方に位置し、遊技者が操作することにより遊技中や待機中等に実行される演出の進行や切り替えが可能な演出操作装置9と、が設けられている。
【0014】
このパチンコ機Pでは、機枠1に対して本体枠2を閉じ、さらに、前扉3を閉じると、遊技盤11の前方に間隙を挟んで透明板4が位置することとなる。これにより、透明板4を介して、後方に位置する遊技盤11を視認することができるとともに、遊技盤11の後方に位置する演出表示装置21及び役物演出装置50を、遊技盤11越しに視認することができるようになっている。
【0015】
また、上皿6には、遊技球貸出装置Rにより貸し出される遊技球や、パチンコ機Pから払い出される賞球が導かれるようになっている。上皿6は、所定量の遊技球を受容可能となっているが、この上皿6が遊技球で一杯になると、その後に貸し出されたり、払い出されたりする遊技球は受皿7に導かれるようになっている。また、受皿7の底面には、特に図示していないが、貯留されている遊技球を排出するための排出孔と、排出孔を開閉可能な開閉板と、が設けられている。常態において、排出孔は開閉板により閉じられているものの、開閉板と一体に取り付けられた開閉レバー8を横方向に移動させることで、開閉板も同方向に移動し、排出孔が開放される。これにより、遊技球を排出孔から落下させて、受皿7の外に排出することができるようになっている。
【0016】
また、操作ハンドル5は、遊技者が所定方向へ向けて回転操作できるように形成されている。そして、遊技者が操作ハンドル5を回転操作すると、上皿6に受容されている遊技球が発射装置(特に図示しておらず)に送られ、操作ハンドル5の回転角度に応じた強度で、発射装置によって遊技球が遊技領域12へ向けて発射される。このように発射された遊技球は、遊技盤11に固定された一対のレール13a、13bに案内されて上昇し、遊技領域12に到達する。
【0017】
ここで、遊技領域12は、機枠1に対し本体枠2及び前扉3を閉じた状態で遊技盤11と透明板4との間に形成される空間のうち、遊技盤11に固定された一対のレール13a、13bにより略円形状に仕切られた部分であって、遊技球が流下可能な領域である。
この遊技領域12は、
図3に示すように、パチンコ機Pに対向する遊技者から見て左側の領域である第1遊技領域12aと、パチンコ機Pに対向する遊技者から見て右側の領域である第2遊技領域12bとから構成されている。これら2つの遊技領域12は、発射装置の発射強度により、遊技球の進入可能性が異なるようになっている。具体的には、発射装置の発射強度が所定の強度未満(発射装置により発射される遊技球が遊技領域12の最高地点に到達しない程度の強度)の場合には、遊技球は第1遊技領域12aに進入する。これに対して、発射装置の発射強度が所定の強度以上(発射装置により発射される遊技球が遊技領域12の最高地点に到達可能な強度)の場合には、遊技球は第2遊技領域12bに進入する。
【0018】
また、この遊技領域12内には、
図3に示すように、遊技球の流下方向を不規則にするための風車及び多数の釘と、遊技球が入球可能な一般入賞口14と、始動領域としての第1始動入賞口15及び第2始動入賞口16と、遊技球が通過可能なゲート20と、所定条件を満たすことで作動するアタッカー装置17と、遊技球を遊技領域12外へ導くアウト口19とが設けられている。
【0019】
一般入賞口14は、
図3に示すように、遊技領域12の左側下部に設けられており、当該一般入賞口14へ遊技球が入球すると、所定個数(本形態では5個)の賞球が払い出される。
なお、一般入賞口14の設置個数や設置位置は特に限定されるものではない。
【0020】
第1始動入賞口15は、
図3に示すように、遊技領域12の中央からやや下寄りの位置に設けられている。この第1始動入賞口15へは、第1遊技領域12aを流下する遊技球が入球可能となっており、第2遊技領域12bを流下する遊技球は入球できないようになっている。これに対して、第2始動入賞口16は、
図3に示すように、遊技領域12の中央下部から右寄りの位置(すなわち、第2遊技領域12b内)に設けられている。この第2始動入賞口16へは、第2遊技領域12bを流下する遊技球が入球可能となっており、第1遊技領域12aを流下する遊技球は入球できないようになっている。
【0021】
また、第2始動入賞口16には、
図3に示すように、開閉可能な可動片16b(普通電動役物)が設けられている。そして、可動片16bが閉じているときには第2始動入賞口16が閉状態となっており、第2始動入賞口16への遊技球の入球は不可能である。これに対して、可動片16bが開くと、第2始動入賞口16が開状態となり、第2始動入賞口16への遊技球の入球が可能となる。
また、可動片16bの構成は特に限定されるものではなく、たとえば、遊技盤11に直交する軸を中心に左右方向に回動して第2始動入賞口16を開閉する一対の羽根部材や、水平な軸を中心に前後方向に回動して第2始動入賞口16を開閉する蓋部材により構成してもよいし、また、上下方向や前後方向にスライドして第2始動入賞口16を開閉するシャッター部材により構成してもよい。
なお、第1始動入賞口15や第2始動入賞口16の設置位置は特に限定されるものではなく、たとえば、第1始動入賞口15や第2始動入賞口16は、いずれの遊技領域12(第1遊技領域12a、第2遊技領域12b)を流下する遊技球も入球しやすいような位置に配置してもよい。
【0022】
そして、第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16へ遊技球が入球すると、賞球が払い出されるとともに、予め定められた複数の特別図柄の中から1の特別図柄を決定するための抽選が行われる。各特別図柄には種々の遊技利益が対応付けられており、決定された特別図柄の種別に応じて、遊技者にとって有利な特別遊技の実行、所定の遊技状態の設定等の遊技利益を得られるようになっている。
なお、第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づいて払い出される賞球は、1個以上であれば特に限定されるものではなく、いかなる個数にしてもよい。また、可動片16bが設けられている始動入賞口(第2始動入賞口16)と可動片16bが設けられていない始動入賞口(第1始動入賞口15)とでは、賞球の数を同一にしてもよいし、異ならせてもよい。
本形態では、第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づいて払い出される賞球は3個、第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づいて払い出される賞球は1個に設定されている。
【0023】
ゲート20は、
図3に示すように、遊技領域12の右端略中央に設けられている。このゲート20へは、第2遊技領域12bを流下する遊技球が入球可能となっており、第1遊技領域12aを流下する遊技球は入球できないようになっている。このゲート20を遊技球が通過すると、後述する普通図柄の抽選が行われる。そして、当該抽選の結果が当たりであった場合、上述の第2始動入賞口16に設けられた可動片16bが所定時間開かれるようになっている。
【0024】
アタッカー装置17は、
図3に示すように、ゲート20の下方に設けられている。このアタッカー装置17は、遊技球が入球可能な大入賞口18と、この大入賞口18を開閉する開閉扉18bと、を備えている。常態においては、開閉扉18bが閉じられ大入賞口18は閉鎖されているため、当該大入賞口18への遊技球の入球は不可能となっているものの、上述の特別遊技が実行されると、開閉扉18bが開き大入賞口18が開放されるとともに、開閉扉18bが遊技球を大入賞口18へ導く受皿部材として機能することにより、大入賞口18への遊技球の入球が可能となる。
そして、大入賞口18へ遊技球が入球すると、所定個数(本形態では15個)の賞球が払い出される。
また、
図3に示すように、この大入賞口18へは、第2遊技領域12bを流下する遊技球が入球可能となっており、第1遊技領域12aを流下する遊技球は入球できないようになっている。
このように、第1遊技領域12aを流下する遊技球は第1始動入賞口15への入球が可能となっており、第2遊技領域12bを流下する遊技球はゲート20の通過、第2始動入賞口16への入球、大入賞口18への入球が可能となっている。
【0025】
アウト口19は、
図3に示すように、遊技領域12の最下部に設けられており、一般入賞口14、第1始動入賞口15、第2始動入賞口16及び大入賞口18のいずれにも入球しなかった遊技球を受け入れるものである。そして、アウト口19に受け入れられた遊技球は、遊技盤11の背面側に導かれ回収される。
【0026】
セット板に取り付けられた演出表示装置21は、
図3に示すように、遊技領域12の略中央に位置しているように視認される。本形態に係るパチンコ機Pでは、この演出表示装置21として液晶表示装置が用いられている。また、この演出表示装置21には、動画や静止画等の画像を表示するための表示部21aが設けられており、この表示部21aには、背景画像が表示されるほか、演出図柄80(ダミー図柄)が変動表示され、各演出図柄80の停止表示態様により後述する大当たりの抽選の結果を遊技者に報知する変動演出が行われるようになっている。
なお、演出表示装置21は、液晶表示装置に限定されるものではなく、たとえば、外周に図柄が付された複数のドラムを用いて各種表示を行うドラム式の表示装置等を用いてもよい。
【0027】
役物演出装置50は、所定の演出において可動する演出装置であり、
図3に示すように、中央部に位置する長方形状の装飾部51と、装飾部51から左方に伸びるアーム部52とから構成されている。また、装飾部51には、種々の色や発光パターンで発光することにより演出を行う役物ランプ57が設けられている。なお、この役物ランプ57は、特に図示していないが、複数色の発光が可能なLEDにより構成されている。
また、遊技盤11の背面側には、左下部から左上部まで伸びるガイドシャフト53が設けられている(
図3参照)。ガイドシャフト53には、特に図示していないが、当該ガイドシャフト53に沿って上下方向に移動することが可能なスライド部材が設けられており、役物演出装置50のアーム部52の端部が当該スライド部材に固定されている。さらに、遊技盤11の背面側には、特に図示していないが、上述のスライド部材を上下方向へ移動させるための昇降ソレノイド54が設けられている。
そして、昇降ソレノイド54が駆動することにより、上述のスライド部材がガイドシャフト53に沿って上下方向へ移動し、これに併せて、スライド部材に固定されたアーム部52及び装飾部51も上下方向へ移動するようになっている。
また、特に図示していないが、装飾部51は、遊技領域12の中央上部に対応する位置である上端位置から、遊技領域12の中央に対応する位置である下端位置までの範囲内で移動可能となっており、常態においては、上端位置に位置している。
【0028】
ガイドシャフト53には、特に図示していないが、装飾部51が上端位置にあることを検出するための上端位置検出センサ55と、装飾部51が下端位置にあることを検出するための下端位置検出センサ56とが設けられている。当該上端位置検出センサ55及び下端位置検出センサ56は、スライド部材に取り付けられた昇降インデックス(特に図示しておらず)を検出することで、装飾部51が上端位置又は下端位置にあることを検出できるようになっている。
【0029】
そして、常態において上端位置に位置している装飾部51は、所定の演出や変動演出において大当たりの当選の報知が実行される際に、下端位置まで移動するようになっている。
【0030】
なお、上述のスライド部材を上下方向へ移動させるための駆動装置は、ソレノイド(昇降ソレノイド54)に限られず、モータ等であってもよい。
【0031】
本形態に係るパチンコ機Pは、演出装置として、演出表示装置21や役物演出装置50のほか、上述の音声出力装置10としてのスピーカや、種々の色や点灯パターンで発光することにより演出を行う演出照明装置23としてのランプを備えている。また、上述したように、遊技者が操作可能な演出操作装置9を備えている。
【0032】
演出操作装置9は、円形リング状の枠体であって回転操作が可能な操作ダイヤル9aと、操作ダイヤル9aに嵌め込まれており押下操作が可能な操作ボタン9bとから構成されている。そして、演出表示装置21において所定の演出が実行されているときに、操作ダイヤル9aの回転操作や操作ボタン9bの押下操作を行うと、上述の所定の演出が進行したり、異なる演出に切り替わったりするようになっている。
なお、演出操作装置9としては、操作ダイヤル9aや操作ボタン9b等に限定されるものではなく、上下左右方向の入力が可能な十字キー等を設けてもよい。また、操作ダイヤル9aや操作ボタン9b等の演出操作装置9を設けるとともに、上述の十字キーを別途設けてもよい。
【0033】
また、
図3に示すように、遊技盤11の左下部であって、かつ、遊技領域12の外側には、遊技についての種々の状況を表示するための装置として、第1特別図柄表示装置30、第2特別図柄表示装置31、第1特図保留表示装置38、第2特図保留表示装置39、普通図柄表示装置32及び普通図柄保留表示装置33が設けられている。
【0034】
また、上述の如く、本形態に係るパチンコ機Pには、遊技球貸出装置Rが電気的に接続されているが、遊技球の貸し出しやカードの排出等の遊技球貸出装置Rに対する操作を、パチンコ機Pで受け付けられるようにしている。そのため、パチンコ機Pには、
図1に示すように、カードに記憶されている価値情報(残高情報)を表示する価値情報表示装置35と、押下操作が可能な球貸ボタン36と、押下操作が可能なカード返却ボタン37と、が設けられている。
【0035】
(パチンコ機Pの制御手段の構成)
次に、パチンコ機Pの遊技や演出を制御する制御手段について説明する。
上述の制御手段は各種制御基板により構成されており、具体的には、
図4に示すように、パチンコ機Pの遊技の基本動作を制御する主制御基板100、遊技球の発射及び賞球の払い出しを制御する発射払出制御基板200、各種演出を制御する副制御基板300、及び、遊技球貸出装置Rへの操作を中継する遊技球貸出制御基板400を備えている。
【0036】
また、
図4に示すように、主制御基板100には、発射払出制御基板200及び副制御基板300が接続され、また、発射払出制御基板200には、遊技球貸出制御基板400が接続されている。
さらに、主制御基板100及び発射払出制御基板200には、遊技進行上の種々の情報をパチンコ機Pの外部(たとえば、遊技場のホールコンピュータ等)に出力するための外部情報端子基板500が接続されている。
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、上述の如く、発射払出制御基板200が遊技球の発射及び賞球の払い出しの双方を制御しているが、遊技球の発射を制御する基板(発射制御基板)と、賞球の払い出しを制御する基板(払出制御基板)とを別個に設けてもよい。
また、特に図示していないが、本形態に係るパチンコ機Pが備える各基板には電源基板が接続されている。この電源基板にはバックアップ電源が設けられており、パチンコ機Pに供給される電源の電圧値が所定値以下になった場合に電断と判断し、主制御基板100に電断信号を出力する。
【0037】
主制御基板100は、パチンコ機Pにおいて行われる遊技を制御するものであり、具体的には、遊技球が第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16へ入球することを契機に開始される特図遊技、及び、遊技球がゲート20を通過することを契機に開始される普図遊技を制御する。
この主制御基板100は、
図4に示すように、各種演算処理を行うメインCPU101と、遊技を進行するための制御プログラム、遊技に必要なデータやテーブル等を格納するメインROM102と、演算処理時の一時記憶領域等として用いられるメインRAM103と、を備えている。
そして、メインCPU101は、後述する各検出センサやタイマからの信号に基づき、メインROM102に格納されている制御プログラムを読み出して演算処理を行うとともに、メインCPU101に接続されている各種装置の制御や、演算処理の結果に基づく他の基板へのコマンド送信等を行う。
【0038】
また、
図4に示すように、主制御基板100には、一般入賞口14へ遊技球が入球したことを検出する一般入賞口検出センサ14aと、第1始動入賞口15へ遊技球が入球したことを検出する第1始動入賞口検出センサ15aと、第2始動入賞口16へ遊技球が入球したことを検出する第2始動入賞口検出センサ16aと、大入賞口18へ遊技球が入球したことを検出する大入賞口検出センサ18aと、アウト口19へ遊技球が受け入れられたことを検出するアウト口検出センサ19aと、ゲート20を遊技球が通過したことを検出するゲート検出センサ20aと、遊技盤11に向けられる磁気や電波及び遊技盤11を揺らす等により生ずる振動を検出する不正検出センサ25と、が接続されている。そして、これらの各検出センサから出力される検出信号が、主制御基板100に入力されるようになっている。
【0039】
さらに、主制御基板100には、制御の対象となる機器として、第2始動入賞口16の可動片16bを開閉駆動する始動入賞口ソレノイド16cと、大入賞口18の開閉扉18bを開閉駆動する大入賞口ソレノイド18cと、第1特別図柄表示装置30と、第2特別図柄表示装置31と、普通図柄表示装置32と、第1特図保留表示装置38と、第2特図保留表示装置39と、普通図柄保留表示装置33と、が接続されている。
そして、主制御基板100によって、各ソレノイドが駆動されることで第2始動入賞口16や大入賞口18の開閉制御がなされ、また、各表示装置の表示制御がなされるようになっている。
【0040】
発射払出制御基板200は、特に図示していないが、主制御基板100と同様に、CPU、ROM及びRAMを備えており、主制御基板100と双方向に通信可能となるように接続されている。
【0041】
図4に示すように、発射払出制御基板200には、遊技球の発射を制御するための機器として、操作ハンドル5に遊技者が触れたことを検出するタッチセンサ5aと、操作ハンドル5の操作角度(回転角度)を検出する操作ボリューム5bと、遊技球の発射を停止する発射停止スイッチ5cと、上皿6に受容されている遊技球を発射装置(図示しておらず)に送る球送りソレノイド60と、遊技球を発射する発射モータ61と、が接続されている。また、タッチセンサ5a、操作ボリューム5b及び発射停止スイッチ5cから出力される制御信号が、発射払出制御基板200に入力されるようになっている。
【0042】
そして、タッチセンサ5a及び操作ボリューム5bからの制御信号が発射払出制御基板200に入力されると、球送りソレノイド60及び発射モータ61を通電して遊技球を発射させる制御がなされる。これに対して、発射停止スイッチ5cからの制御信号が発射払出制御基板200に入力されると、球送りソレノイド60及び発射モータ61の通電を止めて遊技球の発射を停止させる制御がなされる。
なお、遊技球を発射する装置としては、発射モータ61ではなく、ロータリーソレノイドを用いてもよい。
【0043】
また、発射払出制御基板200には、
図4に示すように、遊技球の払い出しを制御するための機器として、遊技球貯留部(特に図示しておらず)に貯留されている遊技球を賞球として払い出す払出モータ62と、払い出された遊技球を検出して計数する払出計数スイッチ63と、が接続されている。そして、主制御基板100から送信される払出数コマンドを発射払出制御基板200が受信すると、当該発射払出制御基板200は、この払出数コマンドに基づいて所定個数の遊技球(賞球)を払い出すように払出モータ62を制御する。このとき、払い出された遊技球の個数が払出計数スイッチ63によって計数され、所定個数の遊技球(賞球)が払い出されたか否かの判定が可能となっている。
【0044】
さらに、発射払出制御基板200には、
図4に示すように、前扉3の開放状態を検出する前扉開放検出センサ3aと、受皿7の満タン状態を検出する受皿満タン検出センサ7aと、が接続されている。
【0045】
前扉開放検出センサ3aは、前扉3が開放されていることを検出すると開放検出信号を発射払出制御基板200に出力するようになっており、前扉3の開放中は、開放検出信号が連続して出力される。そして、発射払出制御基板200は、開放検出信号が入力されると、扉開放コマンドを主制御基板100に送信する。これに対して、開放検出信号の入力が止まると、前扉3が閉じられたと判断し、扉閉鎖コマンドを主制御基板100に送信する。
【0046】
受皿満タン検出センサ7aは、受皿7の所定位置に設けられており、受皿7に賞球として払い出される遊技球が所定量以上貯留されて満タン状態になると、貯留された遊技球が上述の所定位置に達することとなり、検出信号が発射払出制御基板200に出力されるようになっている。そして、貯留された遊技球が上述の所定位置に達している間、検出信号が発射払出制御基板200に対して連続的に出力されることとなる。発射払出制御基板200は、検出信号が所定時間連続して入力されることにより、受皿7が満タン状態であると判断して、受皿満タンコマンドを主制御基板100に送信する。これに対して、発射払出制御基板200への検出信号の連続的な入力が途絶えると、受皿7の満タン状態が解除されたものと判断し、受皿満タン解除コマンドを主制御基板100に送信する。
すなわち、本形態に係るパチンコ機Pでは、受皿7が満タン状態となることで受皿満タンエラーが発生し、受皿7の満タン状態が解除されることで受皿満タンエラーが解除されるようになっている。
【0047】
また、本形態では、上述の如く、発射払出制御基板200には、遊技球貸出装置Rへの操作を中継する遊技球貸出制御基板400が接続されている。換言すれば、本形態に係るパチンコ機Pにおいては、発射払出制御基板200が、遊技球貸出制御基板400を介して遊技球貸出装置Rに接続されている。
また、
図4に示すように、発射払出制御基板200には、遊技球貸出制御基板400を介して、価値情報表示装置と、球貸ボタン36の押下操作を検出する球貸スイッチ36aと、カード返却ボタン37の押下操作を検出するカード返却スイッチ37aと、が接続されている。
【0048】
球貸ボタン36が押下操作されると、球貸スイッチ36aから出力される検出信号が発射払出制御基板200に入力され、当該発射払出制御基板200は、遊技球貸出装置Rに対して、遊技球の貸し出しを要求する貸出要求信号を送信する。そして、遊技球貸出装置Rが貸出要求信号を受信すると、当該遊技球貸出装置Rにより、記憶されている価値情報から所定の価値情報を減算する処理がなされるとともに、減算された価値情報に対応する個数の遊技球を払い出す制御がなされる。
また、カード返却ボタン37が押下操作されると、カード返却スイッチ37aから出力される検出信号が発射払出制御基板200に入力され、当該発射払出制御基板200は、遊技球貸出装置Rに対して、カードの返却を要求する返却要求信号を送信する。そして、遊技球貸出装置Rが返却要求信号を受信すると、当該遊技球貸出装置Rによりカードを排出する制御がなされる。
【0049】
副制御基板300は、遊技中や待機中等に実行される演出を制御するものである。
この副制御基板300は、
図4に示すように、各種演算処理を行うサブCPU301と、演出を実行するための制御プログラム、演出の実行に必要なデータやテーブル等を格納するサブROM302と、を備えており、主制御基板100から副制御基板300への一方向に通信可能となるように接続されている。
【0050】
また、サブCPU301は、主制御基板100から送信されるコマンドやタイマからの信号に基づき、サブROM302に格納されている制御プログラムを読み出して演算処理を行うとともに、画像表示を制御するための画像制御基板(特に図示しておらず)、音声出力を制御するための音声制御基板(特に図示しておらず)、ランプの点灯を制御するための電飾制御基板(特に図示しておらず)、役物演出装置50の可動を制御するための作動制御基板(特に図示しておらず)に、演出実行用のコマンドを送信する。
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、上述の如く、音声制御基板と電飾制御基板とを別個に設けているが、これらの基板の機能を集約した1枚の基板(音声電飾制御基板)を設け、当該基板により、音声出力及び照明の点灯のいずれをも制御するようにしてもよい。
【0051】
また、副制御基板300には、画像制御基板を介して演出表示装置21が接続され、音声制御基板を介して音声出力装置10が接続されている。また、副制御基板300には、電飾制御基板を介して、ランプ(演出照明装置23)と、役物ランプ57と、操作ダイヤル9aの回転操作を検出する回転操作検出センサ9cと、操作ボタン9bの押下操作を検出する押下操作検出センサ9dと、上端位置検出センサ55と、下端位置検出センサ56とが接続されている。さらに、副制御基板300には、作動制御基板を介して、昇降ソレノイド54が接続されている。
【0052】
画像制御基板は、特に図示していないが、CPU、ROM、RAM及びVRAM等を備えている。この画像制御基板のROMには、演出表示装置21に表示される図柄、背景等の画像データが格納されている。そして、副制御基板300から送信されたコマンドに基づき、CPUが、ROMから読み出した画像データをVRAMに記憶することによって、演出表示装置21による画像表示を制御する。
【0053】
音声制御基板は、特に図示していないが、サウンドチップ(CPU)、サウンドROM及びRAM等を備えている。サウンドROMには、音声出力装置10から出力される音声、BGM等のサウンドデータが格納されている。そして、副制御基板300から送信されたコマンドに基づき、サウンドROMから読み出したサウンドデータをRAMに記憶することによって、音声出力装置10からの音声出力を制御する。
【0054】
電飾制御基板は、副制御基板300からのコマンドに基づき、ランプや役物ランプ57の点灯、消灯を制御する。また、電飾制御基板は、操作ダイヤル9aの回転操作に基づき回転操作検出センサ9cから出力される回転操作検出信号、操作ボタン9bの押下操作に基づき押下操作検出センサ9dから出力される押下操作検出信号、役物演出装置50が上端位置に位置することに基づき上端位置検出センサ55から出力される上端位置検出信号、又は、役物演出装置50が下端位置に位置することに基づき下端位置検出センサ56から出力される下端位置検出信号が入力されると、所定のコマンドを副制御基板300に送信する。
【0055】
作動制御基板は、副制御基板300からのコマンドに基づき、昇降ソレノイド54の駆動を制御する。そして、昇降ソレノイド54が駆動することにより、演出役物装置50が上下動する。
【0056】
(パチンコ機Pの遊技の概要)
次に、本形態のパチンコ機Pにおける遊技について、メインROM102に格納されている各種テーブルに基づいて説明する。
上述の如く、本形態のパチンコ機Pにおいては、特図遊技と普図遊技の遊技が並行して進行する。また、これら両遊技を進行する際の遊技状態としては、低確率遊技状態(いわゆる非確変状態)又は高確率遊技状態(いわゆる確変状態)のいずれかの遊技状態と、非時短遊技状態又は時短遊技状態のいずれかの遊技状態と、が組み合わされたいずれかの遊技状態が設定されるようになっている。
本形態に係るパチンコ機Pでは、低確率遊技状態及び非時短遊技状態を組み合わせた遊技状態(以下、通常遊技状態という)、又は、高確率遊技状態及び時短遊技状態を組み合わせた遊技状態(以下、高確時短遊技状態という)のいずれかの遊技状態が設定される。
【0057】
ここで、低確率遊技状態は、後述する大当たりの抽選によって大当たりに当選する確率が所定の値に設定された遊技状態である。また、高確率遊技状態は、大当たりの抽選によって大当たりに当選する確率が低確率遊技状態よりも高い値に設定された遊技状態である。すなわち、低確率遊技状態中よりも高確率遊技状態中のほうが、大当たりの抽選によって大当たりに当選しやすくなっている。
また、非時短遊技状態は、可動片16bが開きにくく(すなわち、第2始動入賞口16が開状態となりにくく)、第2始動入賞口16へ遊技球が入球しにくい遊技状態である。また、時短遊技状態は、非時短遊技状態よりも可動片16bが開きやすく(すなわち、第2始動入賞口16が開状態となりやすく)、第2始動入賞口16へ遊技球が入球しやすい遊技状態である。
なお、工場出荷直後やリセット後の初期状態においては、通常遊技状態が設定されるようになっている。
【0058】
本形態に係るパチンコ機Pでは、発射装置(図示しておらず)により発射され遊技領域12を流下する遊技球が第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16に入球すると、大当たりの抽選が行われる。そして、この大当たりの抽選によって大当たりに当選すると、大入賞口18が開放され当該大入賞口18へ遊技球を入球させることが可能となる特別遊技が実行され、さらに、当該特別遊技の終了後の遊技状態が高確率時短遊技状態に設定されるようになっている。
ここで、本形態に係るパチンコ機Pにおいては、第1遊技領域12aを流下する遊技球は、第1始動入賞口15への入球が可能となっている。また、第2遊技領域12bを流下する遊技球は、大入賞口18への入球、ゲート20の通過、第2始動入賞口16への入球が可能となっている。そして、通常遊技状態中は、遊技球が第1始動入賞口15へ入球するように、遊技者に第1遊技領域12aへ向けての遊技球の打ち出し(いわゆる左打ち)を行わせ、高確率時短遊技状態中及び特別遊技中は、大入賞口18へ遊技球が入球し、或いは遊技球がゲート20を通過及び第2始動入賞口16へ入球するように、遊技者に第2遊技領域12bへ向けての遊技球の打ち出し(いわゆる右打ち)を行わせる。
具体的には、高確率時短遊技状態中及び特別遊技中は、演出表示装置21において第2遊技領域12bへ向けて遊技球を打ち出す旨を指示する表示が行われ、通常遊技状態が設定されると、演出表示装置21において第1遊技領域12aへ向けて遊技球を打ち出す旨を指示する表示が行われる。
【0059】
この大当たりの抽選は、第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16へ遊技球が入球することを契機に取得される種々の乱数、及び、メインROM102に格納されており当該乱数を判定するための各種テーブルに基づいて、行われる。
ここで、本形態に係るパチンコ機Pは、大当たりの抽選に用いられる乱数として、大当たりの判定に用いられる大当たり決定乱数、特別図柄の種別の決定に用いられる当たり図柄乱数、並びに、上述の変動演出のパターン(以下、変動演出パターンという)を決定するための変動モード番号、変動パターン番号の決定に用いられるリーチグループ決定乱数、リーチモード決定乱数及び変動パターン乱数を有している。
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、上述の大当たり決定乱数は、主制御基板100に内蔵されたハードウェア乱数を用いている。この大当たり決定乱数は、一定の規則に従って更新され、乱数列が一巡するごとに自動的に乱数列が変更されるとともに、システムリセット毎にスタート値が変更されるようになっている。
また、変動演出パターンの決定に用いられる乱数は上述の3種類に限定されるものではなく、たとえば、これらの乱数に加えて他の乱数を用いてもよいし、これらの乱数のうちいずれか1又は複数の乱数を用いてもよい。
【0060】
そして、第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16へ遊技球が入球すると、上述の乱数についてそれぞれ乱数値が取得されるとともに、各乱数値がメインRAM103の保留記憶領域に記憶されるようになっている。
この保留記憶領域は、第1始動入賞口15への遊技球の入球により取得される各乱数値(以下、第1特図乱数という)を記憶するための第1保留記憶領域、及び、第2始動入賞口16への遊技球の入球により取得される各乱数値(以下、第2特図乱数という)を記憶するための第2保留記憶領域から構成されている。そして、これらの保留記憶領域は、それぞれ第1記憶部から第4記憶部までの計4つの記憶部から構成されており、第1特図乱数を計4組、第2特図乱数を計4組記憶可能となっている。
【0061】
また、本形態に係るパチンコ機Pにおいては、第1始動入賞口15へ遊技球が入球すると、第1特図乱数が、第1保留記憶領域の第1記憶部から順に記憶されるようになっている。たとえば、第1保留記憶領域のいずれの記憶部にも第1特図乱数が記憶されていない状態において、第1始動入賞口15へ遊技球が入球した場合には、これを契機に取得される第1特図乱数が、第1保留記憶領域の第1記憶部に記憶される。また、第1保留記憶領域の第1記憶部に第1特図乱数が記憶されている状態において、第1始動入賞口15へ遊技球が入球した場合には、これを契機に取得される第1特図乱数が、第1保留記憶領域の第2記憶部に記憶される。また、第1保留記憶領域の第1記憶部及び第2記憶部に第1特図乱数が記憶されている状態において、第1始動入賞口15へ遊技球が入球した場合には、これを契機に取得される第1特図乱数が、第1保留記憶領域の第3記憶部に記憶される。また、第1保留記憶領域の第1記憶部~第3記憶部に第1特図乱数が記憶されている状態において、第1始動入賞口15へ遊技球が入球した場合には、これを契機に取得される第1特図乱数が、第1保留記憶領域の第4記憶部に記憶される。そして、第1保留記憶領域の第1記憶部~第4記憶部に第1特図乱数が記憶されている状態において、第1始動入賞口15へ遊技球が入球した場合には、この入球に係る第1特図乱数は記憶されない。
【0062】
同様に、第2始動入賞口16へ遊技球が入球すると、第2特図乱数が、第2保留記憶領域の第1記憶部から順に記憶されるようになっている。具体的な記憶の処理については、上述の第1特図乱数の記憶と同様であるため、説明を省略する。
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、第1保留記憶領域に記憶されている第1特図乱数の組数(以下、第1特図保留数という)は、第1特図保留数カウンタ(特に図示しておらず)に記憶され、第2保留記憶領域に記憶されている第2特図乱数の組数(以下、第2特図保留数という)は、第2特図保留数カウンタ(特に図示しておらず)に記憶されるようになっている。
なお、本明細書においては、上述のように、第1特図乱数や第2特図乱数が保留記憶領域に記憶されることを「保留」や「保留記憶」ともいい、また、第1特図保留数や第2特図保留数を単に「保留数」ともいう。
【0063】
また、本形態に係るパチンコ機Pは、大当たりの抽選に係るテーブルとして、大当たり決定乱数判定テーブル110、当たり図柄乱数判定テーブル111、リーチグループ決定乱数判定テーブル112、リーチモード決定乱数判定テーブル113、及び、変動パターン抽選テーブル114を有している。
なお、大当たりの抽選に係るテーブルはこれらに限定されるものではなく、他に、乱数に基づく判定や決定を行う必要がある場合には、適宜、テーブルを設けてもよい。
【0064】
大当たり決定乱数判定テーブル110は、大当たりか否かの判定を行うためのものであって、
図5(a)及び(b)に示すように、低確率遊技状態において参照される低確率判定テーブル110aと、高確率遊技状態において参照される高確率判定テーブル110bと、を備えている。
本形態に係るパチンコ機Pでは、第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16へ遊技球が入球すると、0~65535の数値範囲内で1個の大当たり決定乱数が取得される。そして、大当たりの抽選を行う時点の遊技状態に応じて、低確率判定テーブル110a又は高確率判定テーブル110bのいずれかの大当たり決定乱数判定テーブル110が選択され、取得された大当たり決定乱数と選択された大当たり決定乱数判定テーブル110とに基づいて大当たりの抽選が行われる。
【0065】
図5(a)に示すように、低確率判定テーブル110aによれば、大当たり決定乱数が10001~10220であった場合に大当たりと判定され、これ以外の大当たり決定乱数(0~10000、10221~65535)であった場合にハズレと判定される。したがって、この低確率判定テーブル110aにおける大当たりの当選確率はおよそ1/297.8となる。
【0066】
また、
図5(b)に示すように、高確率判定テーブル110bによれば、大当たり決定乱数が10001~11119であった場合に大当たりと判定され、これ以外の大当たり決定乱数(0~10000、11120~65535)であった場合にハズレと判定される。したがって、この高確率判定テーブル110bにおける大当たりの当選確率はおよそ1/58.6となる。
すなわち、高確率判定テーブル110bは、低確率判定テーブル110aに比べて、大当たりの当選確率がおよそ5倍となるように設定されている。
【0067】
なお、低確率判定テーブル110aにおいて大当たりと判定される大当たり決定乱数(10001~10220)は、高確率判定テーブル110bにおいて大当たりと判定される大当たり決定乱数(10001~11119)に含まれるように設定されている。すなわち、低確率判定テーブル110aにおいて大当たりと判定される大当たり決定乱数は、高確率判定テーブル110bにおいても大当たりと判定されることとなる。
【0068】
当たり図柄乱数判定テーブル111は、特別図柄の種別を決定するためのものであって、
図6(a)及び(b)に示すように、第1特図乱数によって大当たりに当選した場合に参照される第1始動入賞口判定テーブル111aと、第2特図乱数によって大当たりに当選した場合に参照される第2始動入賞口判定テーブル111bと、を備えている。
本形態に係るパチンコ機Pでは、第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16へ遊技球が入球すると、0~199の数値範囲内で1個の当たり図柄乱数が取得される。そして、上述の大当たりの抽選によって大当たりに当選した場合に、遊技球が入球した始動入賞口に応じて、第1始動入賞口判定テーブル111a又は第2始動入賞口判定テーブル111bのいずれかの当たり図柄乱数判定テーブル111が選択され、取得された当たり図柄乱数と選択された当たり図柄乱数判定テーブル111とに基づいて、特別図柄の種別が決定される。
【0069】
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、大当たりに当選した場合に決定される特別図柄(以下、大当たり図柄という)として2種類の特別図柄(X1、X2)が設けられており、また、ハズレの場合に決定される特別図柄(以下、ハズレ図柄という)として2種類の特別図柄(Y1、Y2)が設けられている。
【0070】
図6(a)に示すように、第1始動入賞口判定テーブル111aによれば、当たり図柄乱数が0~29であった場合に特別図柄X1が決定され、当たり図柄乱数が30~199であった場合に特別図柄X2が決定される。すなわち、この第1始動入賞口判定テーブル111aにおいては、特別図柄X1が決定される確率は15%、特別図柄X2が決定される確率は85%となっている。
【0071】
また、
図6(b)に示すように、第2始動入賞口判定テーブル111bによれば、当たり図柄乱数が0~99であった場合に特別図柄X1が決定され、当たり図柄乱数が100~199であった場合に特別図柄X2が決定される。すなわち、この第2始動入賞口判定テーブル111bにおいては、特別図柄X1が決定される確率及び特別図柄X2が決定される確率はいずれも、50%となっている。
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、いずれの当たり図柄乱数判定テーブル111であっても、同一の大当たり図柄が決定されるようになっているが、これに限定されるものではなく、各テーブルにおいて異なる大当たり図柄が決定されるようにしてもよい。
【0072】
また、第1特図乱数に基づく大当たりの抽選によりハズレとなった場合には、当たり図柄乱数に基づく上述の抽選を行わずに、ハズレ図柄として特別図柄Y1が決定される。また、第2特図乱数に基づく大当たりの抽選によりハズレとなった場合には、当たり図柄乱数に基づく上述の抽選を行わずに、ハズレ図柄として特別図柄Y2が決定される。
すなわち、当たり図柄乱数判定テーブル111は、大当たりに当選した場合にのみ参照され、ハズレの場合には参照されないようになっている。
【0073】
リーチグループ決定乱数判定テーブル112、リーチモード決定乱数判定テーブル113及び変動パターン抽選テーブル114は、変動演出パターンを決定するための変動モード番号及び変動パターン番号の決定に用いられるテーブルである。
【0074】
そして、リーチグループ決定乱数判定テーブル112は、変動モード番号及び変動パターン番号を決定するために用いられるリーチモード決定乱数判定テーブル113が属するグループを決定するためのものである。本形態に係るパチンコ機Pでは、大当たりの抽選の結果がハズレであった場合に、変動モード番号及び変動パターン番号を決定するにあたり、その前段階として、リーチグループ決定乱数とリーチグループ決定乱数判定テーブル112により、グループの種別が決定される。
このリーチグループ決定乱数判定テーブル112は、遊技状態、始動入賞口の種別、及び、保留数(第1特図保留数、第2特図保留数)ごとに複数設けられている。ここでは、
図7(a)~(c)に示すように、遊技状態が非時短遊技状態であってかつ第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づく大当たりの抽選の結果がハズレであった場合に選択されるリーチグループ決定乱数判定テーブル112、及び、遊技状態が時短遊技状態であってかつ第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づく大当たりの抽選の結果がハズレであった場合に選択されるリーチグループ決定乱数判定テーブル112について説明し、他のリーチグループ決定乱数判定テーブル112については説明を省略する。
【0075】
本形態に係るパチンコ機Pでは、第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16へ遊技球が入球すると、0~10006の数値範囲内で1個のリーチグループ決定乱数が取得される。そして、上述の大当たりの抽選によってハズレとなった場合に、当該大当たりの抽選を行う時点の遊技状態、始動入賞口の種別、及び、保留数に応じて、リーチグループ決定乱数判定テーブル112が選択され、取得されたリーチグループ決定乱数と選択されたリーチグループ決定乱数判定テーブル112とに基づいて、グループの種別が決定される。
【0076】
具体的には、遊技状態が非時短遊技状態でありかつ第1始動入賞口15への遊技球の入球により取得された第1特図乱数に基づく大当たりの抽選の結果がハズレとなったときにおいて、当該抽選時の第1特図保留数が0又は1であった場合には、第1判定テーブル112aが選択され、当該抽選時の第1特図保留数が2以上であった場合には、第2判定テーブル112bが選択される(
図7(a)及び(b)参照)。
また、遊技状態が時短遊技状態でありかつ第2始動入賞口16への遊技球の入球により取得された第2特図乱数に基づく大当たりの抽選の結果がハズレとなったときは、当該抽選時の第2特図保留数が0~3であった場合に(すなわち、第2特図保留数がいかなる個数であっても)、第3判定テーブル112cが選択される(
図7(c)参照)。
【0077】
そして、
図7(a)に示すように、第1判定テーブル112aによれば、リーチグループ決定乱数が0~299であった場合に「第1グループ」が決定され、リーチグループ決定乱数が300~8999であった場合に「第2グループ」が決定され、リーチグループ決定乱数が9000~9899であった場合に「第4グループ」が決定され、リーチグループ決定乱数が9900~10006であった場合に「第5グループ」が決定される。
また、
図7(b)に示すように、第2判定テーブル112bによれば、リーチグループ決定乱数が0~8999であった場合に「第2グループ」が決定され、リーチグループ決定乱数が9000~9899であった場合に「第4グループ」が決定され、リーチグループ決定乱数が9900~10006であった場合に「第5グループ」が決定される。
さらに、
図7(c)に示すように、第3判定テーブル112cによれば、リーチグループ決定乱数が0~7999であった場合に「第1グループ」が決定され、リーチグループ決定乱数が8000~8999であった場合に「第3グループ」が決定され、リーチグループ決定乱数が9000~10006であった場合に「第5グループ」が決定される。
【0078】
また、大当たりの抽選の結果が大当たりであった場合には、グループの種別を決定することなく、リーチモード決定乱数判定テーブル113が決定されるようになっている。すなわち、リーチグループ決定乱数判定テーブル112は、大当たりの抽選の結果がハズレであった場合にのみ参照され、大当たりであった場合には参照されない。
【0079】
リーチモード決定乱数判定テーブル113は、変動演出パターン(変動演出の態様、変動時間)の決定に用いられる変動モード番号を決定するとともに、後述する変動パターン番号の決定に用いられる変動パターン抽選テーブル114を決定するためのものである。
このリーチモード決定乱数判定テーブル113は、大別して、大当たりの抽選の結果がハズレであった場合に参照されるハズレ用判定テーブルと、大当たりの抽選の結果が大当たりであった場合に参照される大当たり用判定テーブルと、を備えている。
【0080】
また、ハズレ用判定テーブルは、上述のように決定されたグループの種別ごとに複数設けられている。ここでは、
図8(a)~(e)に示すように、「第1グループ」が決定された場合に参照される第1グループ用判定テーブル113a、「第2グループ」が決定された場合に参照される第2グループ用判定テーブル113b、「第3グループ」が決定された場合に参照される第3グループ用判定テーブル113c、「第4グループ」が決定された場合に参照される第4グループ用判定テーブル113d、「第5グループ」が決定された場合に参照される第5グループ用判定テーブル113eについて説明する。
【0081】
本形態に係るパチンコ機Pでは、第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16へ遊技球が入球すると、0~2038の数値範囲内で1個のリーチモード決定乱数が取得される。そして、上述したグループの種別の抽選によりグループが決定された場合に、この決定されたグループの種別に対応するハズレ用判定テーブルが選択され、取得されたリーチモード決定乱数と選択されたハズレ用判定テーブルとに基づいて、変動モード番号、及び、変動パターン抽選テーブル114が決定される。
【0082】
具体的には、たとえば、上述したグループの種別の抽選により「第1グループ」が決定された場合に第1グループ用判定テーブル113aが選択され、「第2グループ」が決定された場合に第2グループ用判定テーブル113bが選択され、「第3グループ」が決定された場合に第3グループ用判定テーブル113cが選択され、「第4グループ」が決定された場合に第4グループ用判定テーブル113dが選択され、「第5グループ」が決定された場合に第5グループ用判定テーブル113eが選択される(
図8(a)~(e)参照)。
【0083】
そして、
図8(a)に示すように、第1グループ用判定テーブル113aによれば、リーチモード決定乱数が0~2038であった場合に(すなわち、リーチモード決定乱数がいかなる値であっても)、「00H」(最後尾に「H」が付された英数字は16進数表記。以下、同様)という変動モード番号が決定されるとともに、第1変動テーブル114aが選択される。
また、
図8(b)に示すように、第2グループ用判定テーブル113bによれば、リーチモード決定乱数が0~2038であった場合に、「00H」の変動モード番号が決定されるとともに、第2変動テーブル114bが選択される。
また、
図8(c)に示すように、第3グループ用判定テーブル113cによれば、リーチモード決定乱数が0~2038であった場合に、「00H」という変動モード番号が決定されるとともに、第3変動テーブル114cが選択される。
また、
図8(d)に示すように、第4グループ用判定テーブル113dによれば、リーチモード決定乱数が0~2038であった場合に、「01H」という変動モード番号が決定されるとともに、第4変動テーブル114dが選択される。
また、
図8(e)に示すように、第5グループ用判定テーブル113eによれば、リーチモード決定乱数が0~1799であった場合に、「02H」という変動モード番号が決定されるとともに、第5変動テーブル114eが選択される。また、リーチモード決定乱数が1800~2038であった場合に、「03H」という変動モード番号が決定されるとともに、第5変動テーブル114eが選択される。
【0084】
また、大当たり用判定テーブルは、大当たりの当選時(すなわち、大当たりの抽選時)の遊技状態、及び、大当たりとなった場合に決定された大当たり図柄の種別ごとに複数設けられている。
本形態に係るパチンコ機Pでは、
図9(a)及び(b)に示すように、大当たり用判定テーブルとして、非時短遊技状態において特別図柄X1又はX2が決定された場合に参照される第1大当たり用判定テーブル113f、及び、時短遊技状態において特別図柄X1又はX2が決定された場合に参照される第2大当たり用判定テーブル113gが設けられている。
【0085】
そして、大当たりに当選し特別図柄の種別が決定された場合に、決定された特別図柄の種別、及び、大当たりの当選時の遊技状態に対応する大当たり用判定テーブルが選択され、上述したハズレ用判定テーブルに基づく決定と同様に、取得されたリーチモード決定乱数と選択された大当たり用判定テーブルとに基づいて、変動モード番号及び変動パターン抽選テーブル114が決定される。
【0086】
具体的には、非時短遊技状態において大当たりに当選し特別図柄X1又はX2が決定された場合に、第1大当たり用判定テーブル113fが選択され、時短遊技状態において大当たりに当選し特別図柄X1又はX2が決定された場合に、第2大当たり用判定テーブル113gが選択される(
図9(a)及び(b)参照)。
【0087】
そして、
図9(a)に示すように、第1大当たり用判定テーブル113fによれば、リーチモード決定乱数が0~199であった場合に、「A1H」という変動モード番号が決定されるとともに、第30変動テーブル114fが選択される。また、リーチモード決定乱数が200~1299であった場合に、「A2H」という変動モード番号が決定されるとともに第31変動テーブル114gが選択される。また、リーチモード決定乱数が1300~2038であった場合に、「A3H」という変動モード番号が決定されるとともに第32変動テーブル114hが選択される。
また、
図9(b)に示すように、第2大当たり用判定テーブル113gによれば、リーチモード決定乱数が0~699であった場合に、「A2H」の変動モード番号が決定されるとともに第31変動テーブル114gが選択され、リーチモード決定乱数が700~2038であった場合に、「A3H」の変動モード番号が決定されるとともに第32変動テーブル114hが選択される。
【0088】
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、上述の如く、大当たりの当選時の遊技状態、及び、大当たり図柄の種別ごとに大当たり用判定テーブルが設けられているが、遊技球が入球した始動入賞口の種別を考慮して、大当たりの当選時の遊技状態、始動入賞口の種別、及び、大当たり図柄の種別ごとに大当たり用判定テーブルを設けるようにしてもよい。
【0089】
変動パターン抽選テーブル114は、変動演出パターン(変動演出の態様、変動時間)の決定に用いられる変動パターン番号を決定するためのものであり、多数設けられている。
ここでは、
図10(a)~(h)に示すように、大当たりの抽選の結果がハズレであった場合に決定される第1変動テーブル114a、第2変動テーブル114b、第3変動テーブル114c、第4変動テーブル114d及び第5変動テーブル114e、並びに、大当たりの抽選の結果が大当たりであった場合に決定される第30変動テーブル114f、第31変動テーブル114g及び第32変動テーブル114hについて説明する。
【0090】
本形態に係るパチンコ機Pでは、第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16へ遊技球が入球すると、0~249の数値範囲内で1個の変動パターン乱数が取得される。そして、取得された変動パターン乱数と、上述の変動モード番号とともに決定された変動パターン抽選テーブル114とに基づいて、変動パターン番号が決定される。
たとえば、
図10(a)に示すように、第1変動テーブル114aによれば、変動パターン乱数が0~249であった場合に(すなわち、変動パターン乱数がいかなる値であっても)「00H」という変動パターン番号が決定される。また、
図10(d)に示すように、第4変動テーブル114dによれば、変動パターン乱数が0~249であった場合に「05H」という変動パターン番号が決定される。
【0091】
また、
図10(g)に示すように、第31変動テーブル114gによれば、変動パターン乱数が0~249であった場合に「A6H」という変動パターン番号が決定される。また、
図10(h)に示すように、第32変動テーブル114hによれば、変動パターン乱数が0~89であった場合に「A6H」という変動パターン番号が決定され、変動パターン乱数が90~249であった場合に「A7H」という変動パターン番号が決定される。
なお、同様に、他の変動パターンテーブル114によっても、変動パターン乱数に対応して、所定の変動パターン番号が決定されるようになっている(
図10参照)。
【0092】
本形態に係るパチンコ機Pでは、変動開始時(すなわち、後述する特別図柄の変動表示の開始時(変動演出の開始時))に、上述のような大当たりの抽選が行われるとともに、大当たりの抽選が行われると、大当たりの抽選の結果、大当たりの抽選時の遊技状態や保留数(第1特図保留数、第2特図保留数)等に応じて、変動モード番号及び変動パターン番号が決定される。上述の如く、変動モード番号及び変動パターン番号は、変動演出パターンを決定するためのものであり、変動モード番号及び変動パターン番号により、変動演出の態様及び変動時間が定められるようになっている。ここで、本形態に係るパチンコ機Pでは、変動演出が前半部分と後半部分に分けられている。そして、変動演出の前半部分の態様及び変動時間は、変動モード番号により決定され、変動演出の後半部分の態様及び変動時間は、変動パターン番号により決定されるようになっている。
【0093】
なお、後述する如く、本形態に係るパチンコ機Pにおいては、非時短遊技状態中に第1特図乱数が記憶されると、当該第1特図乱数に基づく変動開始前に、当該第1特図乱数について大当たりの抽選に関する各種判定を行う事前判定処理が実行される。そして、本形態に係るパチンコ機Pでは、変動開始時においてグループ種別、変動モード番号及び変動パターン番号を決定するとともに、上述の事前判定処理においても、上述のリーチグループ決定乱数判定テーブル112に基づいてグループ種別を決定し、さらに、変動モード番号及び変動パターン番号を決定する。
本形態に係るパチンコ機Pでは、非時短遊技状態中に第1特図乱数が記憶されると上述の事前判定処理が実行されるようになっているが、これに限定されるものではなく、非時短遊技状態中に第2特図乱数が記憶された場合や、時短遊技状態中に第1特図乱数又は第2特図乱数が記憶された場合にも、同様の事前判定処理を実行して、変動開始前に大当たりの抽選に関する各種判定を行ってもよい。
【0094】
次に、特図遊技における変動演出の変動時間の決定処理や特別遊技の制御について説明する。
本形態に係るパチンコ機Pは、上述の各種処理や特別遊技の制御を行うためのテーブルとして、変動時間決定テーブル115、特別電動役物作動テーブル116、及び、遊技状態設定テーブル117等を備えている。
【0095】
変動時間決定テーブル115は、変動演出の変動時間を決定するためのものである。
本形態に係るパチンコ機Pは、この変動時間決定テーブル115として、各変動モード番号に対応する変動演出の前半部分の変動時間(以下、前半変動時間という)が定められた第1変動時間決定テーブル115a、及び、各変動パターン番号に対応する変動演出の後半部分の変動時間(以下、後半変動時間という)が定められた第2変動時間決定テーブル115bを備えている(
図11(a)及び(b)参照)。
【0096】
そして、変動モード番号が決定されると、この決定された変動モード番号及び第1変動時間決定テーブル115aに基づき、対応する前半変動時間が決定される。また、変動パターン番号が決定されると、この決定された変動パターン番号及び第2変動時間決定テーブル115bに基づき、対応する後半変動時間が決定される。このように決定された前半変動時間と後半変動時間の合計値が、大当たりの抽選の結果を報知する変動演出の全体の変動時間に相当する。
また、決定された変動時間に基づいて、演出表示装置21では変動演出が行われるとともに、特別図柄表示装置(第1特別図柄表示装置30又は第2特別図柄表示装置31)では特別図柄の変動表示が行われる。具体的には、遊技球が入球した始動入賞口が第1始動入賞口15の場合には、決定された変動時間の間、第1特別図柄表示装置30が点滅表示され、遊技球が入球した始動入賞口が第2始動入賞口16の場合には、決定された変動時間の間、第2特別図柄表示装置31が点滅表示される。そして、変動時間の経過後、決定された特別図柄が停止表示される。
【0097】
たとえば、決定された変動モード番号が「02H」及び変動パターン番号が「06H」であった場合には、変動モード番号「02H」に対応して「40秒」の前半変動時間が決定され、変動パターン番号「06H」に対応して「90秒」の後半変動時間が決定される。そして、これらの合計値「130秒(=40秒+90秒)」が、変動演出の全体の変動時間、すなわち特別図柄の変動表示の時間となる。
また、決定された変動モード番号が「A3H」及び変動パターン番号が「A7H」であった場合には、変動モード番号「A3H」に対応して「60秒」の前半変動時間が決定され、変動パターン番号「A7H」に対応して「120秒」の後半変動時間が決定される。そして、これらの合計値「180秒(=60秒+120秒)」が、変動演出の全体の変動時間、すなわち特別図柄の変動表示の時間となる。
【0098】
なお、
図11(a)に示すように、「00H」の変動モード番号には「0秒」の前半変動時間が定められており、この変動モード番号が決定された場合には、変動演出の前半部分は実行されることなく、決定された変動パターン番号に基づき変動演出の後半部分のみが実行されるようになっている。また、本形態に係るパチンコ機Pでは、大当たりの抽選の結果がハズレの場合にのみ変動モード番号「00H」が決定されるため(
図8及び
図9参照)、当該変動モード番号が決定された場合には必ず、変動演出においてハズレの表示が行われることとなる。
【0099】
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、決定された変動モード番号及び変動パターン番号を含む所定のコマンド(事前判定コマンド、変動モードコマンド、変動パターンコマンド等)が生成され、副制御基板300に送信される。そして、副制御基板300においては、受信した所定のコマンドに含まれる変動モード番号及び変動パターン番号に基づいて、変動演出の態様が決定されるようになっている。具体的には、変動モード番号に基づいて変動演出の前半部分の態様が決定され、変動パターン番号に基づいて変動演出の後半部分の態様が決定されるようになっている。
なお、変動演出の態様については、変動モード番号に基づいて変動演出の前半部分の態様を決定し、変動パターン番号に基づいて変動演出の後半部分の態様を決定するのではなく、変動パターン番号に基づいて変動演出の前半部分の態様を決定し、変動モード番号に基づいて変動演出の後半部分の態様を決定するようにしてもよい。
また、変動演出は、前半部分と後半部分とに分けるのではなく、より多くの部分に分けて、変動モード番号や変動パターン番号に基づいて、それぞれの部分の態様を決定するようにしてもよい。
【0100】
特別電動役物作動テーブル116は、大当たりに当選した場合に実行される特別遊技を制御するためのものであり、特別遊技の実行中に大入賞口ソレノイド18cを作動させるために参照されるものである。本形態に係るパチンコ機Pでは、
図12(a)及び(b)に示すように、特別電動役物作動テーブル116として、特別図柄X1が決定された場合に参照される第1作動テーブル116aと、特別図柄X2が決定された場合に参照される第2作動テーブル116bと、が設けられている。
【0101】
具体的には、特別図柄X1が決定されると、
図12(a)に示すように、第1作動テーブル116aを参照して特別遊技が実行される。この第1作動テーブル116aによれば、大入賞口18が29.0秒開放するか又は大入賞口18に10個の遊技球が入球するかのいずれかの条件が成立することで終了するラウンド遊技が16回実行される。また、各ラウンド遊技の実行中、大入賞口18は1回のみ開放され、各ラウンド遊技間に大入賞口18が閉鎖する時間(すなわち、インターバル時間)は2.0秒に設定されている。
【0102】
特別図柄X2が決定されると、
図12(b)に示すように、第2作動テーブル116bを参照して特別遊技が実行される。この第2作動テーブル116bによれば、第1作動テーブル116aと同態様のラウンド遊技が4回実行される。また、各ラウンド遊技の実行中における大入賞口18の開閉回数及びインターバル時間は第1作動テーブル116aと同様の内容に設定されている。
なお、特別図柄X1に基づく特別遊技中に払い出される賞球の最大数は2400個(=10個×15個×16ラウンド)となり、特別図柄X2に基づく特別遊技中に払い出される賞球の最大数は600個(=10個×15個×4ラウンド)となる。すなわち、特別遊技中に獲得可能な賞球の期待値は、特別図柄X2が決定された場合よりも、特別図柄X1が決定された場合の方が多い。
【0103】
遊技状態設定テーブル117は、特別遊技が実行された場合に、当該特別遊技の終了後の遊技状態を設定するためのものである。
本形態に係るパチンコ機Pでは、
図13に示すように、特別図柄X1及びX2のいずれが決定された場合であっても、特別遊技の終了後の遊技状態が高確率時短遊技状態に設定される。また、高確率遊技状態の継続回数(以下、高確回数という)及び時短遊技状態の継続回数(以下、時短回数という)はいずれも、100回に設定される。すなわち、特別遊技の終了後、大当たりの抽選の結果が100回導出されるまで、高確率時短遊技状態が継続する。また、この遊技状態の継続中に大当たりに当選した場合には、再度、高確回数及び時短回数が設定されるようになっている。したがって、特別遊技の終了後に高確率時短遊技状態が設定され、この遊技状態の継続中に大当たりに当選することなく、100回の抽選の結果がすべてハズレとなると、遊技状態が通常遊技状態に変更されることとなる。
なお、特別遊技の終了後の遊技状態としては、いずれの特別図柄が決定された場合にも同一の遊技状態を設定するのではなく、大当たりの抽選によって決定された特別図柄の種別に基づいて異なる遊技状態(たとえば、低確率遊技状態と時短遊技状態とを組み合わせた遊技状態、高確率遊技状態と非時短遊技状態とを組み合わせた遊技状態等)を設定するようにしてもよい。
【0104】
次に、普図遊技に関する処理について説明する。
本形態に係るパチンコ機Pでは、発射装置(図示しておらず)により発射され遊技領域12を流下する遊技球がゲート20を通過すると、第2始動入賞口16の可動片16bを作動させて当該可動片16bを開くか否かを決定する普通図柄の抽選が行われる。そして、この普通図柄の抽選によって当たりとなると、可動片16bが開き、第2始動入賞口16が開状態となるため、第2始動入賞口16への遊技球の入球が容易となる。
この普通図柄の抽選は、遊技球がゲート20を通過することを契機に取得される当たり決定乱数、及び、メインROM102に格納されており当該乱数を判定するための当たり決定乱数判定テーブル118に基づいて、行われる。
【0105】
そして、遊技球がゲート20を通過すると、上述の当たり決定乱数が取得されるとともに、当該乱数値がメインRAM103の普図保留記憶領域に4個を上限として記憶されるようになっている。具体的には、この普図保留記憶領域は、第1記憶部から第4記憶部までの計4つの記憶部から構成されており、ゲート20の通過順に、第1記憶部から記憶されるようになっている。また、既にいくつかの記憶部に当たり決定乱数が記憶されている場合には、空きの記憶部のうち最も番号の小さい記憶部に当たり決定乱数が記憶されるようになっている。そして、普図保留記憶領域に既に4個の当たり決定乱数が記憶されている場合に、遊技球がゲート20を通過しても、この通過に係る当たり決定乱数は普図保留記憶領域に記憶されない。
なお、本形態に係るパチンコ機Pにおいて、当たり決定乱数には、主制御基板100に内蔵されたハードウェア乱数を用いている。この当たり決定乱数は、一定の規則に従って更新され、乱数列が一巡するごとに自動的に乱数列が変更されるとともに、システムリセット毎にスタート値が変更されるようになっている。
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、普図保留記憶領域に記憶されている当たり決定乱数の数(以下、普図保留数という)は、普図保留数カウンタ(特に図示しておらず)に記憶されるようになっている。
なお、本明細書においては、上述のように、当たり決定乱数が普図保留記憶領域に記憶されることを「普図保留」ともいう。
【0106】
また、当たり決定乱数判定テーブル118は、普通図柄の抽選により当たりか否かの判定を行うためのものであって、
図14(a)及び(b)に示すように、非時短遊技状態において参照される非時短判定テーブル118aと、時短遊技状態において参照される時短判定テーブル118bと、を備えている。
本形態に係るパチンコ機Pでは、遊技球がゲート20を通過すると、0~65535の数値範囲内で1個の当たり決定乱数が取得される。そして、普通図柄の抽選を行う時点の遊技状態が非時短遊技状態であれば、非時短判定テーブル118aが選択され、取得された当たり決定乱数と選択された非時短判定テーブル118aとに基づいて普通図柄の抽選が行われる。また、普通図柄の抽選を行う時点の遊技状態が時短遊技状態であれば、時短判定テーブル118bが選択され、取得された当たり決定乱数と選択された時短判定テーブル118bとに基づいて普通図柄の抽選が行われる。
【0107】
この非時短判定テーブル118aによれば、当たり決定乱数が1であった場合に当たりと判定され、これ以外の当たり決定乱数(0、2~65535)であった場合にハズレと判定される。したがって、この非時短判定テーブル118aにおいて当たりとなる確率は1/65536となる。
また、時短判定テーブル118bによれば、当たり決定乱数が1~65000であった場合に当たりと判定され、これ以外の当たり決定乱数(0、65001~65535)であった場合にハズレと判定される。したがって、この時短判定テーブル118bにおいて当たりとなる確率は65000/65536、すなわち、およそ99/100となる。
なお、普通図柄の抽選によって当たりとなった場合には当たり図柄が決定され、ハズレとなった場合にはハズレ図柄が決定される。
【0108】
また、本形態に係るパチンコ機Pは、普通図柄の変動や可動片16bの開閉の制御に係るテーブルとして、普通図柄変動パターン決定テーブル119、及び、第2始動入賞口開放制御テーブル120等を備えている。
【0109】
普通図柄変動パターン決定テーブル119は、普通図柄の変動パターンを決定するためのものである。普通図柄の変動パターンには、それぞれ普通図柄の変動時間が対応付けられている。そして、上述のように、ゲート20を遊技球が通過することにより普通図柄の抽選が行われると、この普通図柄変動パターン決定テーブル119に基づいて普通図柄の変動パターン(すなわち、普通図柄の変動時間)が決定される。
本形態に係るパチンコ機Pでは、
図15に示すように、遊技状態が非時短遊技状態の場合には普通図柄の変動時間が3秒に決定され、遊技状態が時短遊技状態の場合には普通図柄の変動時間が0.6秒に決定される。そして、普通図柄の変動時間が決定されると、この決定された普通図柄の変動時間の間、普通図柄表示装置32(
図3参照)が点滅表示される。そして、普通図柄の抽選により当たりとなって当たり図柄が決定された場合には、普通図柄表示装置32が点灯し、ハズレとなってハズレ図柄が決定された場合には、普通図柄表示装置32が消灯する。
【0110】
また、第2始動入賞口開放制御テーブル120は、第2始動入賞口16に設けられた可動片16bの作動を制御するために参照されるものである。
本形態に係るパチンコ機Pでは、普通図柄表示装置32が点灯すると、第2始動入賞口16の可動片16bが、第2始動入賞口開放制御テーブル120に定められた態様で開閉するようになっている。具体的には、遊技状態が非時短遊技状態の場合には、
図16に示すように、始動入賞口ソレノイド16cが0.2秒(=0.2秒×1回)通電されるため、第2始動入賞口16の可動片16bが0.2秒開放される。また、遊技状態が時短遊技状態の場合には、
図16に示すように、始動入賞口ソレノイド16cが2.4秒(=1.2秒×2回)通電されるため、第2始動入賞口16の可動片16bが合計2.4秒開放される。
【0111】
以上のように、非時短遊技状態と時短遊技状態とには、それぞれ、第2始動入賞口16を開閉するための条件が定められており、この条件の内容により、時短遊技状態においては、非時短遊技状態よりも第2始動入賞口16に遊技球が入球しやすくなっている。すなわち、時短遊技状態においては、遊技球がゲート20を通過する限りにおいて、次々と普通図柄の抽選が行われ、第2始動入賞口16が頻繁に開放されるため、遊技の進行に伴う遊技球の減少を抑えながら、大当たりの抽選の機会を獲得できることとなる。
【0112】
(パチンコ機Pにおける処理の概要)
次に、上述の特図遊技、普図遊技及び特別遊技の進行に伴って主制御基板100で実行される処理の概要について、フローチャートを用いて説明する。
まず、主制御基板100のメイン処理を説明する。
電源基板により電源が供給されると、メインCPU101にシステムリセットが発生し、メインCPU101は、
図17のフローチャートに示すメイン処理を実行する。
【0113】
ステップ100において、メインCPU101は、初期化処理として、電源投入に応じて、メインROM102から起動プログラムを読み込むとともに、メインRAM103に記憶されるフラグなどを初期化したり、副制御基板300に送信する各種のコマンドを、メインRAM103に設けられた演出用伝送データ格納領域に記憶したりする。そして、次のステップ101に進む。
ステップ101において、メインCPU101は、当たり図柄乱数を更新する際に参照される当たり図柄乱数用初期値更新乱数の更新を行う。この当たり図柄乱数用初期値更新乱数は、当たり図柄乱数の初期値を決定するためのものである。すなわち、当たり図柄乱数は、更新を開始する時点の当たり図柄乱数用初期値更新乱数を初期値として更新が行われる。そして、この乱数範囲を1周すると、その時点における当たり図柄乱数用初期値更新乱数を初期値として、当たり図柄乱数の更新が継続されるようになっている。そして、次のステップ102に進む。
【0114】
ステップ102において、メインCPU101は、変動演出パターンを決定するための乱数(以下、変動演出用乱数という)である、リーチグループ決定乱数、リーチモード決定乱数、及び、変動パターン乱数を更新する。そして、ステップ102の処理が終了すると、以降は、所定の割込み処理が行われるまで、ステップ101とステップ102の処理を繰り返し実行する。
【0115】
次に、主制御基板100のタイマ割込処理を説明する。
主制御基板100に設けられたリセット用クロックパルス発生回路により、所定の周期(本形態に係るパチンコ機Pでは、4ミリ秒)毎にクロックパルスが発生されることで、
図18のフローチャートに示すタイマ割込処理が実行される。
【0116】
ステップ200において、メインCPU101は、各種タイマカウンタを更新するタイマ更新処理を実行する。そして、次のステップ201に進む。
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、減算タイマを採用しており、主制御基板100のタイマ割込処理が実行されるたびにタイマカウンタが1ずつ減算され、0になると減算を停止するようになっている。
ステップ201において、メインCPU101は、当たり図柄乱数の更新を行う。具体的には、乱数カウンタを「1」加算して更新し、加算した結果が乱数範囲の最大値を超えた場合には、乱数カウンタを「0」に戻し、乱数カウンタが1周した場合には、その時点の当たり図柄乱数用初期値更新乱数の値から乱数を更新する。そして、次のステップ202に進む。
【0117】
ステップ202において、メインCPU101は、ゲート検出センサ20a、第1始動入賞口検出センサ15a、第2始動入賞口検出センサ16a、アウト口検出センサ19aに入力があったか否かを判定し、これに基づいて所定の処理を行うセンサ検出時処理を実行する。そして、次のステップ203に進む。
ステップ203において、メインCPU101は、特図遊技及び特別遊技に関する制御を行うための特図関連制御処理を実行する。そして、次のステップ204に進む。
【0118】
ステップ204において、メインCPU101は、普図遊技に関する制御を行うための普図関連制御処理を実行する。そして、次のステップ205に進む。
ステップ205において、メインCPU101は、各種エラーの発生や解除に関する制御を行うためのエラー関連処理を実行する。たとえば、前扉3の開放に基づく扉開放コマンドを主制御基板100が受信した場合に、メインCPU101は、扉開放エラーコマンドを生成して演出用伝送データ格納領域に記憶(セット)する。また、受皿7の満タン状態に基づく受皿満タンコマンドを主制御基板100が受信した場合(すなわち、受皿満タンエラーが発生した場合)に、メインCPU101は、受皿満タンエラーコマンドを生成して演出用伝送データ格納領域に記憶する。これに対して、扉開放コマンドを主制御基板100が受信しなくなった場合に、メインCPU101は、扉開放エラー解除コマンドを生成して演出用伝送データ格納領域に記憶する。また、受皿満タンコマンドを主制御基板100が受信しなくなった場合(すなわち、受皿満タンエラーが解除された場合)に、メインCPU101は、受皿満タンエラー解除コマンドを生成して演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、次のステップ206に進む。
【0119】
ステップ206において、一般入賞口検出センサ14a、第1始動入賞口検出センサ15a、第2始動入賞口検出センサ16a、大入賞口検出センサ18aからの検出信号がメインCPU101に入力された場合に、当該メインCPU101は、それぞれの検出信号に対応して設けられている賞球カウンタを更新するとともに、それぞれの検出信号に対応する払出個数指定コマンドを発射払出制御基板200に送信する。なお、発射払出制御基板200により賞球の払い出しが行われると、当該払い出しごとに主制御基板100に払い出しコマンドが送信され、メインCPU101は、当該払い出しコマンドを受信すると、賞球カウンタを減算する。また、メインCPU101は、それぞれの検出信号に対応する入賞検出コマンドを生成して演出用伝送データ格納領域に記憶する。この入賞検出コマンドには、遊技球が、一般入賞口14、第1始動入賞口15、第2始動入賞口16又は大入賞口18のいずれに入球したかを示す情報(すなわち、遊技球が入球した入賞口の種類を示す情報)が含まれており、この入賞検出コマンドを受信した副制御基板300のサブCPU301は、遊技球がいずれの入賞口に入球したのかを把握できるようになっている。そして、次のステップ207に進む。
ステップ207において、メインCPU101は、パチンコ機Pの遊技状態を当該パチンコ機Pの外部に出力するための外部情報データ、第2始動入賞口16の可動片16bを開閉するための始動入賞口ソレノイドデータ、大入賞口18の開閉を制御するための大入賞口ソレノイドデータ、各種表示装置(第1特別図柄表示装置30、第2特別図柄表示装置31、普通図柄表示装置32、第1特図保留表示装置38、第2特図保留表示装置39及び普通図柄保留表示装置33)の表示データ等の作成を実行する。そして、次のステップ208に進む。
【0120】
ステップ208において、メインCPU101は、上述のステップ207で作成した各データの信号を出力するポート出力、及び、演出用伝送データ格納領域に記憶されたコマンドを送信するコマンド送信等の処理を行う出力制御処理を実行する。そして、主制御基板100のタイマ割込処理を終了する。
【0121】
次に、上述したステップ202のセンサ検出時処理について、
図19のフローチャートを参照して説明する。
ステップ300において、メインCPU101は、遊技球がゲート20を通過したことに基づいて、普通図柄の抽選を行うためのゲート検出時処理を実行する。そして、次のステップ301に進む。
ステップ301において、メインCPU101は、遊技球が第1始動入賞口15に入球したことに基づいて、大当たりの抽選を行うための第1始動入賞口検出時処理を実行する。そして、次のステップ302に進む。
【0122】
ステップ302において、メインCPU101は、遊技球が第2始動入賞口16に入球したことに基づいて、大当たりの抽選を行うための第2始動入賞口検出時処理を実行する。そして、次のステップ303に進む。
ステップ303において、メインCPU101は、遊技球がアウト口19に受け入れられたことに基づいて、所定の処理を行うためのアウト口検出時処理を実行する。センサ検出時処理を終了する。
【0123】
次に、上述したステップ300のゲート検出時処理について、
図20のフローチャートを参照して説明する。
ステップ400において、メインCPU101は、ゲート検出センサ20aからの検出信号が入力されたか否かを判定する。そして、ゲート検出センサ20aからの検出信号が入力されていないと判定した場合、ゲート検出時処理を終了する。一方、ゲート検出センサ20aからの検出信号が入力されたと判定した場合、次のステップ401に進む。
ステップ401において、メインCPU101は、普図保留数カウンタの値(すなわち、現時点における普図保留数)が「4」未満であるか否かを判定する。そして、当該値が「4」未満でない(すなわち、「4」)と判定した場合、ゲート検出時処理を終了する。一方、当該値が4未満であると判定した場合、次のステップ402に進む。
【0124】
ステップ402において、メインCPU101は、普図保留数カウンタの値を「1」インクリメントする。そして、次のステップ403に進む。
ステップ403において、メインCPU101は、当たり決定乱数を取得して普図保留記憶領域に記憶し、ゲート検出時処理を終了する。
【0125】
次に、上述したステップ301の第1始動入賞口検出時処理について、
図21のフローチャートを参照して説明する。
ステップ500において、メインCPU101は、第1始動入賞口検出センサ15aからの検出信号が入力されたか否かを判定する。そして、第1始動入賞口検出センサ15aからの検出信号が入力されていないと判定した場合、第1始動入賞口検出時処理を終了する。一方、第1始動入賞口検出センサ15aからの検出信号が入力されたと判定した場合、次のステップ501に進む。
ステップ501において、メインCPU101は、第1特図保留数カウンタの値(すなわち、現時点における第1特図保留数)が「4」未満であるか否かを判定する。そして、当該値が「4」未満でない(すなわち、「4」)と判定した場合、第1始動入賞口検出時処理を終了する。一方、当該値が「4」未満であると判定した場合、次のステップ502に進む。
【0126】
ステップ502において、メインCPU101は、第1特図保留数カウンタの値を「1」インクリメントする。そして、次のステップ503に進む。
ステップ503において、メインCPU101は、大当たり決定乱数を取得して第1保留記憶領域の記憶部に記憶する。そして、次のステップ504に進む。
【0127】
ステップ504において、メインCPU101は、上述のステップ201で更新された当たり図柄乱数を取得して、上述のステップ503で大当たり決定乱数を記憶した第1保留記憶領域の記憶部に記憶する。そして、次のステップ505に進む。
ステップ505において、メインCPU101は、上述のステップ102で更新されたリーチグループ決定乱数を取得して、上述のステップ503で大当たり決定乱数を記憶した第1保留記憶領域の記憶部に記憶する。そして、次のステップ506に進む。
【0128】
ステップ506において、メインCPU101は、上述のステップ102で更新されたリーチモード決定乱数を取得して、上述のステップ503で大当たり決定乱数を記憶した第1保留記憶領域の記憶部に記憶する。そして、次のステップ507に進む。
ステップ507において、メインCPU101は、上述のステップ102で更新された変動パターン乱数を取得して、上述のステップ503で大当たり決定乱数を記憶した第1保留記憶領域の記憶部に記憶する。以上より、取得された大当たり決定乱数、当たり図柄乱数、リーチグループ決定乱数、リーチモード決定乱数及び変動パターン乱数はすべて同じ第1保留記憶領域の記憶部に記憶されることとなる。そして、次のステップ508に進む。
【0129】
ステップ508において、メインCPU101は、第1特図乱数が記憶されたことを示す始動入賞コマンドを生成して演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、次のステップ509に進む。
ステップ509において、メインCPU101は、現時点の遊技状態が非時短遊技状態(すなわち、通常遊技状態)であるか否かを判定する。そして、非時短遊技状態でない(すなわち、時短遊技状態である)と判定した場合、第1始動入賞口検出時処理を終了する。一方、非時短遊技状態であると判定した場合、次のステップ510に進む。
【0130】
ステップ510において、メインCPU101は、記憶された第1特図乱数について、当該第1特図乱数に基づく変動開始前に(第1特図乱数が保留として記憶された時点で)大当たりの抽選に関する各種判定を行う事前判定処理を実行する。そして、第1始動入賞口検出時処理を終了する。
【0131】
次に、上述したステップ510の事前判定処理について、
図22のフローチャートを参照して説明する。
ステップ550において、メインCPU101は、大当たり決定乱数判定テーブル110のうち、現時点の遊技状態に対応するいずれかを取得し、取得したテーブルと、上述のステップ503で第1保留記憶領域の記憶部に記憶された大当たり決定乱数とに基づいて、大当たりの抽選の結果を判定する大当たり判定処理を実行する。その後、当該判定の結果(大当たり又はハズレ)に係るデータをメインRAM103の所定の処理領域に記憶する。そして、次のステップ551に進む。
【0132】
ステップ551において、メインCPU101は、特別図柄の種別を判定する特別図柄判定処理を実行する。具体的には、上述のステップ550における判定の結果が大当たりであった場合には、第1始動入賞口判定テーブル111aを取得し、当該テーブルと、上述のステップ504で第1保留記憶領域の記憶部に記憶された当たり図柄乱数とに基づいて、特別図柄の種別(大当たり図柄の種別)を判定する。一方、上述のステップ550における判定の結果がハズレであった場合には、特別図柄はY1(ハズレ図柄)であると判定する。そして、当該判定の結果(特別図柄の種別)に係るデータを、メインRAM103の所定の処理領域に記憶する。また、この特別図柄判定処理においては、現時点の遊技状態、すなわち、特別図柄を判定した時点の遊技状態が遊技状態バッファに記憶される。そして、次のステップ552に進む。
【0133】
ステップ552において、メインCPU101は、上述のステップ551で判定された特別図柄が大当たり図柄であるか否かを判定する。そして、大当たり図柄でない(すなわち、ハズレ図柄である)と判定した場合、ステップ555に進む。一方、大当たり図柄であると判定した場合、次のステップ553に進む。
ステップ553において、メインCPU101は、上述のステップ552で判定された大当たり図柄、及び、現時点の遊技状態を確認する。そして、次のステップ554に進む。
【0134】
ステップ554において、メインCPU101は、上述のステップ553で確認した大当たり図柄、及び、現時点の遊技状態に基づいて、対応するリーチモード決定乱数判定テーブル113(大当たり用判定テーブル)を取得する。そして、ステップ559に進む。
また、上述のステップ552で大当たり図柄でないと判定した場合に進むステップ555において、メインCPU101は、現時点の遊技状態、及び、現時点の保留数(第1特図保留数)を確認する。そして、次のステップ556に進む。
【0135】
ステップ556において、メインCPU101は、上述のステップ555で確認した現時点の遊技状態、保留数、及び、遊技球が入球した始動入賞口の種別(すなわち、第1始動入賞口15)に基づいて、対応するリーチグループ決定乱数判定テーブル112を取得する。そして、次のステップ557に進む。
ステップ557において、メインCPU101は、上述のステップ505で第1保留記憶領域の記憶部に記憶されたリーチグループ決定乱数と、上述のステップ556で取得されたリーチグループ決定乱数判定テーブル112とに基づいて、グループの種別を判定し、当該グループの種別をメインRAM103の所定の処理領域に記憶する。そして、次のステップ558に進む。
【0136】
ステップ558において、メインCPU101は、上述のステップ557で判定されたグループの種別に基づいて、リーチモード決定乱数判定テーブル113(ハズレ用判定テーブル)を取得する。そして、次のステップ559に進む。
ステップ559において、メインCPU101は、上述のステップ554で取得されたリーチモード決定乱数判定テーブル113(大当たり用判定テーブル)、又は、上述のステップ558で取得されたリーチモード決定乱数判定テーブル113(ハズレ用判定テーブル)と、上述のステップ506で第1保留記憶領域の記憶部に記憶されたリーチモード決定乱数とに基づいて、変動モード番号及び変動パターン抽選テーブル114を判定する変動モード番号判定処理を実行する。そして、次のステップ560に進む。
【0137】
ステップ560において、メインCPU101は、上述のステップ559で判定された変動パターン抽選テーブル114を取得する。そして、次のステップ561に進む。
ステップ561において、メインCPU101は、上述のステップ560で取得された変動パターン抽選テーブル114と、上述のステップ507で第1保留記憶領域の記憶部に記憶された変動パターン乱数とに基づいて、変動パターン番号を判定する変動パターン番号判定処理を実行する。そして、次のステップ562に進む。
【0138】
ステップ562において、メインCPU101は、上述のステップ550で判定された大当たりの抽選の結果(大当たり又はハズレ)、上述のステップ551で判定された特別図柄の種別、上述のステップ559で判定された変動モード番号、及び、上述のステップ561で判定された変動パターン番号を含む事前判定コマンドを演出用伝送データ格納領域にセットする。
なお、特に図示していないが、本形態に係るパチンコ機Pは事前判定コマンドテーブルを有しており、この事前判定コマンドテーブルには、上述の判定結果(大当たりの抽選の結果、特別図柄の種別、変動モード番号及び変動パターン番号)に対応付けられて事前判定コマンドが定められている。そして、メインCPU101は、この事前判定コマンドテーブルを参照して上述の判定結果に対応する事前判定コマンドを取得できるようになっている。そして、事前判定処理を終了する。
以上の処理により、新たに取得され保留として記憶された第1特図乱数について、特別図柄の変動開始時に決定される大当たりの抽選の結果、特別図柄の種別、変動モード番号及び変動パターン番号が、事前判定コマンドによって、当該乱数が取得された時点で事前に(すなわち、変動開始前に)副制御基板300に伝達される。
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、上述の事前判定処理において、保留記憶領域(第1保留記憶領域)に記憶された乱数(第1特図乱数)を判定するようになっていたが、これに限定されるものではない。たとえば、事前判定処理においては、保留記憶領域に記憶された乱数を直接判定するのではなく、他の記憶領域(たとえば、レジスタ等)に記憶された乱数を判定するようにしてもよい。
【0139】
次に、上述したステップ302の第2始動入賞口検出時処理について、
図23のフローチャートを参照して説明する。
ステップ600において、メインCPU101は、第2始動入賞口検出センサ16aからの検出信号が入力されたか否かを判定する。そして、第2始動入賞口検出センサ16aからの検出信号が入力されていないと判定した場合、第2始動入賞口検出時処理を終了する。一方、第2始動入賞口検出センサ16aからの検出信号が入力されたと判定した場合、次のステップ601に進む。
ステップ601において、メインCPU101は、第2特図保留数カウンタの値(すなわち、現時点における第2特図保留数)が「4」未満であるか否かを判定する。そして、当該値が「4」未満でない(すなわち、「4」)と判定した場合、第2始動入賞口検出時処理を終了する。一方、当該値が「4」未満であると判定した場合、次のステップ602に進む。
【0140】
ステップ602において、メインCPU101は、第2特図保留数カウンタの値を「1」インクリメントする。そして、次のステップ603に進む。
ステップ603において、メインCPU101は、大当たり決定乱数を取得して第2保留記憶領域の記憶部に記憶する。そして、次のステップ604に進む。
【0141】
ステップ604において、メインCPU101は、上述のステップ201で更新された当たり図柄乱数を取得して、上述のステップ603で大当たり決定乱数を記憶した第2保留記憶領域の記憶部に記憶する。そして、次のステップ605に進む。
ステップ605において、メインCPU101は、上述のステップ102で更新されたリーチグループ決定乱数を取得して、上述のステップ603で大当たり決定乱数を記憶した第2保留記憶領域の記憶部に記憶する。そして、次のステップ606に進む。
【0142】
ステップ606において、メインCPU101は、上述のステップ102で更新されたリーチモード決定乱数を取得して、上述のステップ603で大当たり決定乱数を記憶した第2保留記憶領域の記憶部に記憶する。そして、次のステップ607に進む。
ステップ607において、メインCPU101は、上述のステップ102で更新された変動パターン乱数を取得して、上述のステップ603で大当たり決定乱数を記憶した第2保留記憶領域の記憶部に記憶する。以上より、取得された大当たり決定乱数、当たり図柄乱数、リーチグループ決定乱数、リーチモード決定乱数及び変動パターン乱数はすべて同じ第2保留記憶領域の記憶部に記憶されることとなる。そして、次のステップ608に進む。
【0143】
ステップ608において、メインCPU101は、第2特図乱数が記憶されたことを示す始動入賞コマンドを生成して演出用伝送データ格納領域に記憶し、第2始動入賞口検出時処理を終了する。
【0144】
次に、上述したステップ303のアウト口検出時処理について、
図24のフローチャートを参照して説明する。
ステップ650において、メインCPU101は、アウト口検出センサ19aからの検出信号が入力されたか否かを判定する。そして、アウト口検出センサ19aからの検出信号が入力されていないと判定した場合、アウト口検出時処理を終了する。一方、アウト口検出センサ19aからの検出信号が入力されたと判定した場合、次のステップ651に進む。
ステップ651において、メインCPU101は、遊技球がアウト口19へ受け入れられたことを示すアウトコマンドを生成して演出用伝送データ格納領域に記憶し、アウト口検出時処理を終了する。
【0145】
次に、上述したステップ203の特図関連制御処理について、
図25のフローチャートを参照して説明する。
ステップ700において、メインCPU101は、実行フェーズデータの値をロードする。この実行フェーズデータは、当該特図関連制御処理を構成する複数の機能モジュール(サブルーチン)のうちいずれを実行するかを示すものである。具体的には、この実行フェーズデータは、後述する特別図柄変動開始処理の実行を示すデータ「00」と、後述する特別図柄変動停止処理の実行を示すデータ「01」と、後述する停止後処理の実行を示すデータ「02」と、後述する特別遊技制御処理の実行を示すデータ「03」と、後述する特別遊技終了処理の実行を示すデータ「04」と、を有している。
そして、メインCPU101は、上述のステップ700でロードした実行フェーズデータの値に基づき、特別図柄変動開始処理(ステップ701)、特別図柄変動停止処理(ステップ702)、停止後処理(ステップ703)、特別遊技制御処理(ステップ704)又は特別遊技終了処理(ステップ705)のいずれかを実行する。そして、特図関連制御処理を終了する。
【0146】
次に、上述したステップ701の特別図柄変動開始処理について、
図26のフローチャートを参照して説明する。
ステップ800において、メインCPU101は、実行フェーズデータが特別図柄変動開始処理の実行を示すデータ「00」であるか否かを判定する。そして、実行フェーズデータが「00」でないと判定した場合、特別図柄変動開始処理を終了する。一方、実行フェーズデータが「00」であると判定した場合、次のステップ801に進む。
ステップ801において、メインCPU101は、第2保留記憶領域の記憶部に第2特図乱数が記憶されているか否か、すなわち、第2特図保留数カウンタが「1」以上であるか否かを判定する。そして、第2特図乱数が記憶されていると判定した場合、ステップ804に進む。一方、第2特図乱数が記憶されていないと判定した場合、次のステップ802に進む。
【0147】
ステップ802において、メインCPU101は、第1保留記憶領域の記憶部に第1特図乱数が記憶されているか否か、すなわち、第1特図保留数カウンタが「1」以上であるか否かを判定する。そして、第1特図乱数が記憶されていないと判定した場合、ステップ811に進む。一方、第1特図乱数が記憶されていると判定した場合、次のステップ803に進む。
ステップ803において、メインCPU101は、第1特図保留数カウンタの値を「1」デクリメントするとともに、第1保留記憶領域のシフト処理を実行する。具体的には、第1保留記憶領域の第1記憶部に記憶されている各乱数を、メインRAM103に設けられている所定の処理領域に記憶するとともに、第1保留記憶領域の第2記憶部~第4記憶部に記憶されている各乱数を、1つ番号の小さい記憶部にシフトさせる。これにより、第1保留記憶領域に記憶された各乱数は、いわゆる先入れ先出し(FIFO)で、後述の大当たり判定処理に用いられるようになっている。そして、ステップ805に進む。
【0148】
また、上述のステップ801で第2特図乱数が記憶されていると判定した場合に進むステップ804において、メインCPU101は、第2特図保留数カウンタの値を「1」デクリメントするとともに、第2保留記憶領域のシフト処理を実行する。具体的には、第2保留記憶領域の第1記憶部に記憶されている各乱数を、メインRAM103に設けられている所定の処理領域に記憶するとともに、第2保留記憶領域の第2記憶部~第4記憶部に記憶されている各乱数を、1つ番号の小さい記憶部にシフトさせる。これにより、第2保留記憶領域に記憶された各乱数は、いわゆる先入れ先出し(FIFO)で、後述の大当たり判定処理に用いられるようになっている。そして、ステップ805に進む。
ステップ805において、メインCPU101は、大当たり決定乱数判定テーブル110のうち、現時点の遊技状態に対応するいずれかを選択し、選択したテーブルと上述のステップ803又はステップ804で所定の処理領域に記憶された大当たり決定乱数とに基づいて、大当たりの抽選の結果を導出する大当たり判定処理を実行する。そして、次のステップ806に進む。
【0149】
ステップ806において、メインCPU101は、特別図柄の種別を決定する特別図柄決定処理を実行する。具体的には、上述のステップ805における抽選の結果が大当たりであった場合には、当該抽選の判定に用いられた大当たり決定乱数がいずれの始動入賞口への遊技球の入球によるものか(すなわち、第1始動入賞口15か、又は、第2始動入賞口16か)を確認した上で、これに応じた当たり図柄乱数判定テーブル111を選択し、選択したテーブルと上述のステップ803又はステップ804で所定の処理領域に記憶された当たり図柄乱数とに基づいて、特別図柄の種別を決定する。一方、上述のステップ805における抽選の結果がハズレであった場合には、当該抽選の判定に用いられた大当たり決定乱数が第1始動入賞口15への遊技球の入球によるものであれば特別図柄Y1を決定し、当該抽選の判定に用いられた大当たり決定乱数が第2始動入賞口16への遊技球の入球によるものであれば特別図柄Y2を決定する。そして、決定した特別図柄に対応するデータを、メインRAM103の所定の一時記憶領域に記憶する。また、この特別図柄決定処理においては、現時点の遊技状態、すなわち、特別図柄を決定した時点の遊技状態が遊技状態バッファに記憶される。そして、次のステップ807に進む。
なお、本形態に係るパチンコ機Pの特別図柄変動開始処理では、第1特図乱数及び第2特図乱数の両方が記憶されている場合には、第1特図乱数に優先して第2特図乱数が処理されるようになっているが、これに限定されるものではなく、保留記憶領域に記憶された順に処理してもよい。
【0150】
ステップ807において、メインCPU101は、上述のステップ806で決定された特別図柄の種別を示す図柄決定コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。これにより、決定された特別図柄の種別に係る情報が、変動開始時に副制御基板300に送信されることとなる。そして、次のステップ808に進む。
ステップ808において、メインCPU101は、上述のステップ803又はステップ804で所定の処理領域に記憶されたリーチグループ決定乱数、リーチモード決定乱数及び変動パターン乱数に基づいて、変動演出パターンの決定に係る変動演出パターン決定処理を実行する。そして、次のステップ809に進む。
【0151】
ステップ809において、メインCPU101は、第1特別図柄表示装置30又は第2特別図柄表示装置31で特別図柄の変動表示を開始するための変動表示データをセットする。これにより、第1特図乱数に基づいて特別図柄の変動表示が行われる場合には、第1特別図柄表示装置30が点滅表示を開始し、また、第2特図乱数に基づいて特別図柄の変動表示が行われる場合には、第2特別図柄表示装置31が点滅表示を開始する。ここで、点滅表示とは、各表示装置において「-」が所定の間隔で点滅することをいうものである。
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、第1特図乱数が第1保留記憶領域に記憶されている場合には、第1特図保留数を認識できる態様で第1特図保留表示装置38が表示され、第2特図乱数が第2保留記憶領域に記憶されている場合には、第2特図保留数を認識できる態様で第2特図保留表示装置39が表示されるようになっている。そして、第1特図乱数に基づいて上述の特別図柄の変動表示が行われる場合には、変動表示の開始と同時に、第1特図保留数が1つ減ることを示すように、第1特図保留表示装置38が表示制御され、第2特図乱数に基づいて上述の特別図柄の変動表示が行われる場合には、変動表示の開始と同時に、第2特図保留数が1つ減ることを示すように、第2特図保留表示装置39が表示制御される。
そして、次のステップ810に進む。
【0152】
ステップ810において、メインCPU101は、特図関連制御処理において特別図柄変動停止処理が実行されるように、実行フェーズデータに「01」をセットし、特別図柄変動開始処理を終了する。
また、上述のステップ802で第1保留記憶領域に第1特図乱数が記憶されていないと判定した場合に進むステップ811において、メインCPU101は、変動表示が行われていないことに基づき、演出表示装置21においてデモ表示を行うためのデモ判定処理を実行する。具体的には、メインCPU101は特別図柄の変動表示が行われていない時間を計時するとともに、特別図柄の変動表示が行われることなく所定のデモ開始時間(たとえば、30秒)が経過した場合に、演出表示装置21にデモ画面を表示するためのデモコマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、特別変動開始処理を終了する。
【0153】
次に、上述したステップ808の変動演出パターン決定処理について、
図26のフローチャートを参照して説明する。
ステップ900において、メインCPU101は、上述のステップ806で決定された特別図柄が大当たり図柄であるか否かを判定する。そして、大当たり図柄でない(すなわち、ハズレ図柄である)と判定した場合、ステップ903に進む。一方、大当たり図柄であると判定した場合、次のステップ901に進む。
ステップ901において、メインCPU101は、上述のステップ806で決定された大当たり図柄、及び、現時点の遊技状態を確認する。そして、次のステップ902に進む。
【0154】
ステップ902において、メインCPU101は、上述のステップ901で確認した大当たり図柄、及び、遊技状態に基づいて、対応するリーチモード決定乱数判定テーブル113(大当たり用判定テーブル)を選択する。そして、ステップ907に進む。
また、上述のステップ900で大当たり図柄でないと判定した場合に進むステップ903において、メインCPU101は、当該抽選の判定に係る始動入賞口の種別(すなわち、当該抽選の判定に用いられた大当たり決定乱数がいずれの始動入賞口への入球により取得されたものであるか)を確認するとともに、現時点の遊技状態、及び、現時点の保留数(第1特図保留数、第2特図保留数)を確認する。そして、次のステップ904に進む。
【0155】
ステップ904において、メインCPU101は、上述のステップ903で確認した始動入賞口の種別、遊技状態及び保留数に基づいて、対応するリーチグループ決定乱数判定テーブル112を選択する。そして、次のステップ905に進む。
ステップ905において、メインCPU101は、上述のステップ803又はステップ804で所定の処理領域に記憶されたリーチグループ決定乱数と上述のステップ904で選択されたリーチグループ決定乱数判定テーブル112とに基づいて、グループの種別を決定し、当該グループの種別を所定の処理領域に記憶する。そして、次のステップ906に進む。
【0156】
ステップ906において、メインCPU101は、上述のステップ905で決定されたグループの種別に基づいて、リーチモード決定乱数判定テーブル113(ハズレ用判定テーブル)を選択する。そして、次のステップ907に進む。
ステップ907において、メインCPU101は、上述のステップ902で選択されたリーチモード決定乱数判定テーブル113(大当たり用判定テーブル)、又は、上述のステップ906で選択されたリーチモード決定乱数判定テーブル113(ハズレ用判定テーブル)と、上述のステップ803又はステップ804で所定の処理領域に記憶されたリーチモード決定乱数とに基づいて、変動モード番号及び変動パターン抽選テーブル114を決定し、この決定された変動モード番号を所定の一時記憶領域に記憶する。そして、次のステップ908に進む。
【0157】
ステップ908において、メインCPU101は、上述のステップ907で決定された変動パターン抽選テーブル114を選択する。そして、次のステップ909に進む。
ステップ909において、メインCPU101は、上述のステップ908で選択された変動パターン抽選テーブル114と、上述のステップ803又はステップ804で所定の処理領域に記憶された変動パターン乱数とに基づいて、変動パターン番号を決定し、この決定された変動パターン番号を所定の一時記憶領域に記憶する。そして、次のステップ910に進む。
【0158】
ステップ910において、メインCPU101は、変動時間決定テーブル115と、所定の一時記憶領域に記憶された変動モード番号及び変動パターン番号とに基づいて、変動時間を決定する。また、メインCPU101は、この決定された変動時間を変動時間タイマカウンタにセットする。そして、次のステップ911に進む。
ステップ911において、メインCPU101は、所定の一時記憶領域に記憶された変動モード番号に基づいて変動モードコマンドを生成し、所定の一時記憶領域に記憶された変動パターン番号に基づいて変動パターンコマンドを生成する。さらに、メインCPU101は、生成された変動モードコマンド及び変動パターンコマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、変動演出パターン決定処理を終了する。
【0159】
次に、上述したステップ702の特別図柄変動停止処理について、
図28のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1000において、メインCPU101は、実行フェーズデータが特別図柄変動停止処理の実行を示すデータ「01」であるか否かを判定する。そして、実行フェーズデータが「01」でないと判定した場合、特別図柄変動停止処理を終了する。一方、実行フェーズデータが「01」であると判定した場合、次のステップ1001に進む。
【0160】
ステップ1001において、メインCPU101は、ステップ910で変動時間タイマカウンタにセットされた変動時間が経過したか否かを判定する。そして、当該変動時間が経過していないと判定した場合、特別図柄変動停止処理を終了する。一方、当該変動時間が経過したと判定した場合、次のステップ1002に進む。
ステップ1002において、メインCPU101は、上述のステップ806で決定された特別図柄を、第1特別図柄表示装置30又は第2特別図柄表示装置31に停止表示するための停止表示データをセットし、特別図柄の停止表示を実行する。そして、次のステップ1003に進む。
【0161】
ステップ1003において、メインCPU101は、特別図柄が確定したことを示す図柄確定コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、次のステップ1004に進む。
ステップ1004において、メインCPU101は、特別図柄を停止表示する停止表示時間を停止表示時間タイマカウンタにセットする。そして、次のステップ1005に進む。
【0162】
ステップ1005において、メインCPU101は、特図関連制御処理において停止後処理が実行されるように、実行フェーズデータに「02」をセットする。そして、特別図柄変動停止処理を終了する。
【0163】
次に、上述したステップ703の停止後処理について、
図29のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1100において、メインCPU101は、実行フェーズデータが停止後処理の実行を示すデータ「02」であるか否かを判定する。そして、実行フェーズデータが「02」でないと判定した場合、停止後処理を終了する。一方、実行フェーズデータが「02」であると判定した場合、次のステップ1101に進む。
ステップ1101において、メインCPU101は、上述のステップ1004で停止表示時間タイマカウンタにセットされた停止表示時間が経過したか否かを判定する。そして、停止表示時間が経過していないと判定した場合、停止後処理を終了する。一方、停止表示時間が経過したと判定した場合、次のステップ1102に進む。
【0164】
ステップ1102において、メインCPU101は、現時点の遊技状態を遊技状態バッファに記憶する。そして、次のステップ1103に進む。
ステップ1103において、メインCPU101は、時短回数更新処理を実行する。具体的には、メインCPU101は、現時点の遊技状態が時短遊技状態であることを示す時短遊技フラグがオンとなっているか否かを判定する。そして、時短遊技フラグがオンとなっていると判定した場合、メインRAM103に設けられた時短回数記憶領域を更新する。この時短回数記憶領域には、時短遊技状態が終了するまでの残りの変動回数が記憶されている。そして、この記憶されている残りの変動回数を「1」デクリメントする。また、残りの変動回数の更新により当該残りの変動回数が「0」となった場合には、時短遊技フラグをオフにする処理も実行する。また、時短遊技フラグがオンとなっていないと判定した場合、メインCPU101は何も処理を行わない。そして、次のステップ1104に進む。
【0165】
ステップ1104において、メインCPU101は、高確回数更新処理を行う。ここでは、メインCPU101は、現時点の遊技状態が高確率遊技状態であることを示す高確遊技フラグがオンとなっているか否かを判定する。そして、高確遊技フラグがオンとなっていると判定した場合、メインRAM103に設けられた高確回数記憶領域を更新する。この高確回数記憶領域には、高確率遊技状態が終了するまでの残りの変動回数が記憶されている。そして、この記憶されている残りの変動回数を「1」デクリメントする。また、残りの変動回数の更新により当該残りの変動回数が「0」となった場合には、高確遊技フラグをオフにする処理も実行される。また、高確遊技フラグがオンとなっていないと判定した場合、メインCPU101は何も処理を行わない。そして、次のステップ1105に進む。
ステップ1105において、メインCPU101は、停止表示されている特別図柄が大当たり図柄であるか否かを判定する。そして、停止表示されている特別図柄が大当たり図柄でない(すなわち、ハズレ図柄である)と判定した場合、ステップ1111に進む。一方、停止表示されている特別図柄が大当たり図柄であると判定した場合、次のステップ1106に進む。
【0166】
ステップ1106において、メインCPU101は、大当たり当選時の遊技状態及び停止表示された大当たり図柄の種別(特別図柄X1又はX2)を副制御基板300に伝達するための大当たり当選時コマンドをセットする。そして、次のステップ1107に進む。
ステップ1107において、メインCPU101は、現時点の遊技状態をリセットする。そして、次のステップ1108に進む。
【0167】
ステップ1108において、メインCPU101は、特別遊技の開始時に設定される待機時間であるオープニング時間をオープニング時間タイマカウンタにセットするとともに、オープニング処理が開始されることを示すオープニングコマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、次のステップ1109に進む。
ステップ1109において、メインCPU101は、停止表示されている大当たり図柄の種別に基づいて、メインRAM103にラウンド数をセットする。具体的には、メインCPU101は、停止表示されている大当たり図柄が特別図柄X1であれば、ラウンド数として「16」をセットし、停止表示されている大当たり図柄が特別図柄X2であれば、ラウンド数として「4」をセットする。そして、次のステップ1110に進む。
【0168】
ステップ1110において、メインCPU101は、特図関連制御処理において特別遊技制御処理が実行されるように、実行フェーズデータに「03」をセットする。そして、停止後処理を終了する。
また、上述のステップ1105で停止表示されている特別図柄が大当たり図柄でないと判定した場合に進むステップ1111において、メインCPU101は、現時点の遊技状態を確認し、当該遊技状態を示す遊技状態コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、次のステップ1112に進む。
【0169】
ステップ1112において、メインCPU101は、特図関連制御処理において特別図柄変動開始処理が実行されるように、実行フェーズデータに「00」をセットする。そして、停止後処理を終了する。
【0170】
次に、上述したステップ704の特別遊技制御処理について、
図30のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1200において、メインCPU101は、実行フェーズデータが特別遊技制御処理の実行を示すデータ「03」であるか否かを判定する。そして、実行フェーズデータが「03」でないと判定した場合、特別遊技制御処理を終了する。一方、実行フェーズデータが「03」であると判定した場合、次のステップ1201に進む。
ステップ1201において、メインCPU101は、上述のステップ1108でオープニング時間タイマカウンタにセットされたオープニング時間が経過しているか否かを判定する。そして、オープニング時間が経過していないと判定した場合、特別遊技制御処理を終了する。一方、オープニング時間が経過していると判定した場合、次のステップ1202に進む。
【0171】
ステップ1202において、メインCPU101は、この特別遊技制御処理において全ラウンド遊技が終了した後に行われる待機処理であるエンディング処理中であるか否かを判定する。そして、エンディング処理中であると判定した場合、ステップ1210に進む。一方、エンディング処理中でないと判定した場合、次のステップ1203に進む。
ステップ1203において、メインCPU101は、停止表示された大当たり図柄の種別に応じた特別電動役物作動テーブル116に基づいて、大入賞口18の開閉を行う大入賞口開閉制御処理を実行する。そして、次のステップ1204に進む。
【0172】
ステップ1204において、メインCPU101は、上述のステップ1203の大入賞口開閉制御に基づいてラウンド遊技が開始された時点であるか否かを判定する。そして、ラウンド遊技が開始された時点ではないと判定した場合、ステップ1206に進む。一方、ラウンド遊技が開始された時点であると判定した場合、次のステップ1205に進む。
ステップ1205において、メインCPU101は、ラウンド遊技の開始を示すラウンド遊技開始コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、次のステップ1206に進む。
なお、ラウンド遊技開始コマンドは、ラウンド遊技の回数ごとに設けられており、これにより、何回目のラウンド遊技が開始されたかを副制御基板300に伝達できるようになっている。
【0173】
ステップ1206において、メインCPU101は、上述のステップ1203の大入賞口開閉制御に基づいてラウンド遊技が終了したか否かを判定する。そして、ラウンド遊技が終了していないと判定した場合、特別遊技制御処理を終了する。一方、ラウンド遊技が終了したと判定した場合、次のステップ1207に進む。
ステップ1207において、メインCPU101は、メインRAM103に記憶されているラウンド数を「1」デクリメントする。そして、次のステップ1208に進む。
【0174】
ステップ1208において、メインCPU101は、上述のステップ1207でデクリメントしたラウンド数が「0」であるか否かを判定する。そして、当該ラウンド数が「0」でないと判定した場合、特別遊技制御処理を終了する。一方、当該ラウンド数が「0」であると判定した場合、次のステップ1209に進む。
ステップ1209において、メインCPU101は、特別遊技の終了時に設定される待機時間であるエンディング時間をエンディング時間タイマカウンタにセットし、エンディング処理が開始されることを示すエンディングコマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、特別遊技制御処理を終了する。
【0175】
また、上述のステップ1202でエンディング処理中であると判定した場合に進むステップ1210において、メインCPU101は、上述のステップ1209でエンディング時間タイマカウンタにセットしたエンディング時間が経過したか否かを判定する。そして、当該エンディング時間が経過していないと判定した場合、特別遊技制御処理を終了する。一方、当該エンディング時間が経過したと判定した場合、次のステップ1211に進む。
ステップ1211において、メインCPU101は、特別遊技が終了したことを示す特別遊技終了コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、次のステップ1212に進む。
【0176】
ステップ1212において、メインCPU101は、特図関連制御処理において特別遊技終了処理が実行されるように、実行フェーズデータに「04」をセットする。そして、特別遊技制御処理を終了する。
【0177】
次に、上述したステップ705の特別遊技終了処理について、
図31のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1300において、メインCPU101は、実行フェーズデータが特別遊技終了処理の実行を示すデータ「04」であるか否かを判定する。そして、実行フェーズデータが「04」でないと判定した場合、特別遊技終了処理を終了する。一方、実行フェーズデータが「04」であると判定した場合、次のステップ1301に進む。
ステップ1301において、メインCPU101は、終了した特別遊技の実行契機となった大当たり図柄(メインRAM103の記憶領域に記憶)を確認するとともに、上述の大当たり図柄に応じた遊技状態設定テーブル117に基づいて、特別遊技の終了後の遊技状態を設定する。具体的には、メインCPU101は、高確遊技フラグ、時短遊技フラグ、高確回数、時短回数を設定する。本形態に係るパチンコ機Pでは、上述の大当たり図柄が特別図柄X1及びX2のいずれの場合であっても、高確遊技フラグ及び時短遊技フラグをいずれもオンとするとともに、高確回数及び時短回数のいずれにも「100」をセットする。そして、次のステップ1302に進む。
【0178】
ステップ1302において、メインCPU101は、上述のステップ1301で設定された遊技状態に応じて、遊技状態指定コマンドを演出用伝送データ格納領域にセットする。この遊技状態指定コマンドには、上述のステップ1301で設定された高確遊技フラグがオンである旨の情報、時短遊技フラグがオンである旨の情報、高確回数の情報、時短回数の情報が含まれている。そして、次のステップ1303に進む。
ステップ1303において、メインCPU101は、特図関連制御処理において特別図柄変動開始処理が実行されるように、実行フェーズデータに「00」をセットする。そして、特別遊技終了処理を終了する。
【0179】
次に、上述したステップ204の普図関連制御処理について、
図32のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1400において、メインCPU101は、普図実行フェーズデータの値をロードする。この普図実行フェーズデータは、当該普図関連制御処理を構成する複数の機能モジュール(サブルーチン)のうちいずれを実行するかを示すものである。具体的には、この普図実行フェーズデータは、後述する普通図柄変動開始処理の実行を示すデータ「10」と、後述する普通図柄変動停止処理の実行を示すデータ「11」と、後述する普通図柄停止後処理の実行を示すデータ「12」と、後述する可動片制御処理の実行を示すデータ「13」と、を有している。
そして、メインCPU101は、上述のステップ1400でロードした普図実行フェーズデータの値に基づき、普通図柄変動開始処理(ステップ1401)、普通図柄変動停止処理(ステップ1402)、普通図柄停止後処理(ステップ1403)又は可動片制御処理(ステップ1404)のいずれかを実行する。そして、普図関連制御処理を終了する。
【0180】
次に、上述したステップ1401の普通図柄変動開始処理について、
図33のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1500において、メインCPU101は、普図実行フェーズデータが普通図柄変動開始処理の実行を示す「10」であるか否かを判定する。そして、普図実行フェーズデータが「10」でないと判定した場合、普通図柄変動開始処理を終了する。一方、普図実行フェーズデータが「10」と判定した場合、次のステップ1501に進む。
ステップ1501において、メインCPU101は、普図保留記憶領域に当たり決定乱数が記憶されているか否か、すなわち、普図保留数カウンタが「1」以上であるか否かを判定する。そして、普図保留数カウンタが「1」以上でない(すなわち、「0」)と判定した場合、普通図柄変動開始処理を終了する。一方、普図保留数カウンタが「1」以上であると判定した場合、次のステップ1502に進む。
【0181】
ステップ1502において、メインCPU101は、普図保留数カウンタの値を「1」デクリメントする。そして、次のステップ1503に進む。
ステップ1503において、メインCPU101は、普図保留記憶領域のシフト処理を実行する。具体的には、第1記憶部に記憶されている当たり決定乱数を、メインRAM103に設けられている所定の処理領域に記憶するとともに、第2記憶部~第4記憶部に記憶されている当たり決定乱数を、1つ番号の小さい記憶部にシフトさせる。これにより、普図保留記憶領域に記憶された当たり決定乱数は、いわゆる先入れ先出し(FIFO)で、後述の当選判定処理に用いられるようになっている。そして、次のステップ1504に進む。
【0182】
ステップ1504において、メインCPU101は、現時点の遊技状態に対応する当たり決定乱数判定テーブル118(非時短判定テーブル118a又は時短判定テーブル118bのいずれか)を選択し、当該選択したテーブルと、上述のステップ1503で所定の処理領域に記憶された当たり決定乱数とに基づいて、普通図柄の抽選の結果を導出する当選判定処理を実行する。具体的には、メインCPU101は、現在の遊技状態が非時短遊技状態である場合には、非時短判定テーブル118aを参照して、所定の処理領域に記憶された当たり決定乱数を判定する。これに対して、現在の遊技状態が時短遊技状態である場合には、時短判定テーブル118bを参照して、所定の処理領域に記憶された当たり決定乱数を判定する。そして、次のステップ1505に進む。
ステップ1505において、メインCPU101は、上述のステップ1504における当選判定処理の結果が当たりであるか否かを判定する。そして、当たりでない(すなわち、ハズレ)と判定した場合、ステップ1507に進む。一方、当たりであると判定した場合、次のステップ1506に進む。
【0183】
ステップ1506において、メインCPU101は、当たり図柄データをメインRAM103の所定の普図記憶領域に記憶する。そして、ステップ1508に進む。
また、上述のステップ1505で当選判定処理の結果が当たりでないと判定した場合に進むステップ1507において、メインCPU101は、ハズレ図柄データをメインRAM103の所定の普図記憶領域に記憶する。そして、次のステップ1508に進む。
【0184】
ステップ1508において、メインCPU101は、現時点の遊技状態が、非時短遊技状態又は時短遊技状態のいずれに設定されているかを確認するとともに、普通図柄変動パターン決定テーブル119を参照して、現時点の遊技状態に応じた普通図柄の変動時間を普図変動時間タイマカウンタにセットする。具体的には、メインCPU101は、現時点の遊技状態が非時短遊技状態である場合には、普図変動時間タイマカウンタに「3秒」をセットし、時短遊技状態である場合には、普図変動時間タイマカウンタに「0.6秒」をセットする。そして、次のステップ1509に進む。
ステップ1509において、メインCPU101は、普通図柄の変動表示を開始するための変動表示データをセットする。これにより、普通図柄表示装置32が点滅表示を開始する。また、本形態に係るパチンコ機Pでは、当たり決定乱数が普図保留記憶領域に記憶されている場合には、普図保留数を認識できる態様で普通図柄保留表示装置33が表示されるようになっている。そして、普通図柄の変動表示が行われる場合には、当該変動表示の開始と同時に、普図保留数が1つ減ることを示すように、普通図柄保留表示装置33が表示制御される。そして、次のステップ1510に進む。
【0185】
ステップ1510において、メインCPU101は、現時点の遊技状態を変動開始時の遊技状態として遊技状態バッファに記憶する。そして、次のステップ1511に進む。
ステップ1511において、メインCPU101は、普図関連制御処理において普通図柄変動停止処理が実行されるように、普図実行フェーズデータに「11」をセットする。そして、普通図柄変動開始処理を終了する。
【0186】
次に、上述したステップ1402の普通図柄変動停止処理について、
図34のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1600において、メインCPU101は、普図実行フェーズデータが普通図柄変動停止処理の実行を示すデータ「11」であるか否かを判定する。そして、普図実行フェーズデータが「11」でないと判定した場合、普通図柄変動停止処理を終了する。一方、普図実行フェーズデータが「11」であると判定した場合、次のステップ1601に進む。
ステップ1601において、メインCPU101は、上述のステップ1508で普図変動時間タイマカウンタにセットされた普通図柄の変動時間が経過したか否かを判定する。そして、当該変動時間が経過していないと判定した場合、普通図柄変動停止処理を終了する。一方、当該変動時間が経過したと判定した場合、次のステップ1602に進む。
【0187】
ステップ1602において、メインCPU101は、普通図柄を普通図柄表示装置32に停止表示するための停止表示データをセットし、普通図柄の停止表示を実行する。そして、次のステップ1603に進む。
ステップ1603において、メインCPU101は、普通図柄を停止表示する普図停止表示時間を普図停止表示時間タイマカウンタにセットする。そして、次のステップ1604に進む。
【0188】
ステップ1604において、メインCPU101は、普図関連制御処理において普通図柄停止後処理が実行されるように、普図実行フェーズデータに「12」をセットする。そして、普通図柄変動停止処理を終了する。
【0189】
次に、上述したステップ1403の普通図柄停止後処理について、
図35のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1700において、メインCPU101は、普図実行フェーズデータが普通図柄停止後処理の実行を示すデータ「12」であるか否かを判定する。そして、普図実行フェーズデータが「12」でないと判定した場合、普通図柄停止後処理を終了する。一方、普図実行フェーズデータが「12」であると判定した場合、次のステップ1701に進む。
ステップ1701において、メインCPU101は、上述のステップ1603で普図停止表示時間タイマカウンタにセットされた普図停止表示時間が経過したか否かを判定する。そして、当該普図停止表示時間が経過していないと判定した場合、普通図柄停止後処理を終了する。一方、当該普図停止表示時間が経過したと判定した場合、次のステップ1702に進む。
【0190】
ステップ1702において、メインCPU101は、停止表示されている普通図柄が当たり図柄であるか否かを判定する。そして、停止表示されている普通図柄が当たり図柄でない(すなわち、ハズレ図柄である)と判定した場合、ステップ1704に進む。一方、停止表示されている普通図柄が当たり図柄であると判定した場合、次のステップ1703に進む。
ステップ1703において、メインCPU101は、普図関連制御処理において可動片制御処理が実行されるように、普図実行フェーズデータに「13」をセットする。そして、普通図柄停止後処理を終了する。
【0191】
また、上述のステップ1702で停止表示されている普通図柄が当たり図柄でないと判定した場合に進むステップ1704において、メインCPU101は、普図関連制御処理において普通図柄変動開始処理が実行されるように、普図実行フェーズデータに「10」をセットする。そして、普通図柄停止後処理を終了する。
【0192】
次に、上述したステップ1404の可動片制御処理について、
図36のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1800において、メインCPU101は、普図実行フェーズデータが可動片制御処理の実行を示すデータ「13」であるか否かを判定する。そして、普図実行フェーズデータが「13」でないと判定した場合、可動片制御処理を終了する。一方、普図実行フェーズデータが「13」であると判定した場合、次のステップ1801に進む。
ステップ1801において、メインCPU101は、可動片16bが作動制御中であるか否か、すなわち、始動入賞口ソレノイド16cが通電されているか否かを判定する。そして、可動片16bが作動制御中であると判定した場合、ステップ1804に進む。一方、可動片16bが作動制御中でないと判定した場合、次のステップ1802に進む。
【0193】
ステップ1802において、メインCPU101は、普通図柄の変動開始時の遊技状態が、非時短遊技状態又は時短遊技状態のいずれであったかを確認する。そして、次のステップ1803に進む。
ステップ1803において、メインCPU101は、第2始動入賞口開放制御テーブル120を参照し、上述のステップ1802で確認した遊技状態に応じて、始動入賞口ソレノイド16cの通電制御データ(開放データ)として、通電回数(開放回数)及び通電時間(開放時間)をセットする。そして、可動片制御処理を終了する。
【0194】
また、上述のステップ1801で可動片16bが作動制御中であると判定した場合に進むステップ1804において、メインCPU101は、上述のステップ1803でセットされた通電時間(開放時間)を経過したか否かを判定する。そして、通電時間(開放時間)を経過していないと判定した場合、可動片制御処理を終了する。一方、通電時間(開放時間)を経過したと判定した場合、次のステップ1805に進む。
ステップ1805において、メインCPU101は、可動片16bの作動の停止、すなわち、始動入賞口ソレノイド16cの通電の停止を実行する。そして、次のステップ1806に進む。
【0195】
ステップ1806において、メインCPU101は、普図関連制御処理において普通図柄変動開始処理が実行されるように、普図実行フェーズデータに「10」をセットする。そして、可動片制御処理を終了する。
【0196】
(パチンコ機Pにおける演出の概要)
上述の如く、主制御基板100において各種処理が実行されることにより、特図遊技及び普図遊技、並びに、特別遊技が進行することとなる。そして、これら遊技の進行中には、主制御基板100から種々のコマンドを副制御基板300に送信し、このコマンドを副制御基板300が受信することにより、当該副制御基板300において、遊技の進行に伴う演出の制御が行われる。
以下では、特別図柄の変動表示中に実行され、大当たりの抽選の結果を報知する変動演出、保留表示を行う保留表示演出、後述の発展ありパターンの変動演出が実行される旨を示唆する示唆演出、及び、所定の計数期間内に獲得した賞球に関する表示を行う賞球表示演出について説明する。なおここでは、変動演出及び示唆演出に関しては、通常遊技状態中に実行される場合の内容について説明し、高確率時短遊技状態中に実行される場合の内容については説明を省略する。
【0197】
(変動演出の概要)
本形態に係るパチンコ機Pでは、上述の如く、特別図柄の変動表示中に、演出図柄80の表示態様により大当たりの抽選の結果を報知する変動演出が実行される。この変動演出では、演出表示装置21の表示部21aに表示される背景画像に重ねて、演出図柄80(ダミー図柄)の変動表示が行われる。そして、変動表示した後に停止表示された演出図柄80の組み合わせ(停止表示態様)により、大当たりの抽選の結果が遊技者に報知されるようになっている。
【0198】
具体的には、特別図柄の変動表示の開始後に、すべての演出図柄80が停止表示された状態から、すべての演出図柄80の変動表示が開始され(
図37(a)及び(b)参照)、その後、左側に位置する演出図柄80(以下、第1停止図柄という)、右側に位置する演出図柄80(以下、第2停止図柄という)、中央に位置する演出図柄80(以下、第3停止図柄)という順番で停止表示される(
図37(c)~(e)参照)。
そして、大当たりの抽選の結果が大当たりであった場合には、すべての演出図柄80が同一の図柄で停止表示される(
図37(e)参照)。すなわち、すべての演出図柄80が同一の図柄で停止表示されることにより、大当たりの抽選の結果が大当たりであることが報知される。
これに対して、大当たりの抽選の結果がハズレであった場合には、特に図示していないが、すべての演出図柄80が同一の図柄で停止表示されることはない。すなわち、少なくとも一の演出図柄80が他の演出図柄80とは異なる図柄で停止表示されることにより、大当たりの抽選の結果がハズレであることが報知される。
【0199】
また、第3停止図柄は、第1特別図柄表示装置30又は第2特別図柄表示装置31に特別図柄が停止表示するのとほぼ同時に停止表示されるようになっている。これにより、演出図柄80の停止表示に先んじて、第1特別図柄表示装置30又は第2特別図柄表示装置31に特別図柄が停止表示され、特別図柄の種別で大当たりの抽選の結果が把握されてしまうことを防止している。
【0200】
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、演出図柄80の変動表示が開始されてから第2停止図柄が停止表示されるまで(後述するリーチ表示の有無が報知されるまで)が、変動演出の前半部分に相当し、第2停止図柄が停止表示されてから(リーチ表示の有無が報知されてから)第3停止図柄が停止表示されるまで(演出図柄80の変動が終了するまで)が、変動演出の後半部分に相当する。
【0201】
そして、変動演出の前半部分の態様としては、第1停止図柄と第2停止図柄とが異なる図柄で停止表示されるリーチなし変動パターン、及び、第1停止図柄と第2停止図柄とが同一の図柄で停止表示される(リーチ表示が行われる)リーチ変動パターンが設けられている。リーチなし変動パターン及びリーチ変動パターンはそれぞれ複数の態様を有しており、各態様には、変動の仕方や演出図柄80の表示内容等が種々設定されている。
【0202】
特に図示していないが、リーチ変動パターンとしては、たとえば、変動の仕方や演出図柄80の表示内容に特段の変化が生じることなく単に第1停止図柄と第2停止図柄とが同一の図柄で停止表示されるノーマルリーチパターン、すべての演出図柄80が所定の停止表示態様で仮停止した後に変動表示を再開するという態様の表示が所定回数行われ(いわゆる擬似連演出が行われ)、その後に、リーチ表示が行われる擬似連リーチパターン等が設けられている。リーチ変動パターンの態様は、これらに限定されるものではない。
そして、本形態に係るパチンコ機Pでは、これらのリーチ変動パターンについて、大当たりに当選した場合に実行される可能性の高低がそれぞれ別個に設定されている。これにより、実行されるリーチ変動パターンに応じて、大当たりに対する遊技者の期待感を変化させることができるようになっている。
【0203】
なお、リーチ変動パターンにおいては、第1停止図柄と第2停止図柄とが同一の図柄で停止表示されるリーチ表示を行わず、当該リーチ表示を行う代わりにリーチが発生した旨を所定の画像を表示することにより報知するようにしてもよい。
また、上述のいわゆる擬似連演出は、リーチ変動パターンのみならず、リーチなし変動パターンにおいても実行される場合があるように設定してもよい。すなわち、擬似連演出が実行されたもののリーチ表示が行われない場合を設けてもよい。
【0204】
本形態に係るパチンコ機Pでは、変動モード番号が「00H」であった場合にリーチなし変動パターンにより変動演出の前半部分が実行され、変動モード番号が「00H」以外であった場合にリーチ変動パターンにより変動演出の前半部分が実行される。
【0205】
変動演出の前半部分の態様がリーチ変動パターンであった場合における変動演出の後半部分の態様としては、リーチ表示後に演出表示装置21の表示部21aに所定の発展演出画像を表示するリーチ発展演出が実行され、その後大当たりの抽選の結果を報知する発展ありパターン(
図38参照)、及び、リーチ表示後にリーチ発展演出が実行されることなく、大当たりの抽選の結果を報知する発展なしパターンが設けられている。発展ありパターンは、大当たりに当選した場合に実行される可能性が高く設定されているため、遊技者の期待感を高めることとなる。
【0206】
また、変動演出の前半部分の態様がリーチなし変動パターンであった場合における変動演出の後半部分の態様としては、特に図示していないが、後半変動時間の経過後に大当たりの抽選の結果がハズレであることが報知されるノーマルハズレパターンが設けられている。
【0207】
本形態に係るパチンコ機Pでは、変動パターン番号が「05H」又は「A5H」であった場合に発展なしパターンにより変動演出の後半部分が実行され、変動パターン番号が「06H」、「07H」、「A6H」又は「A7H」であった場合に発展ありパターンにより変動演出の後半部分が実行される。
また、変動パターン番号が「00H」、「01H」、「02H」、「03H」又は「04H」であった場合にノーマルハズレパターンにより変動演出の後半部分が実行される。
【0208】
また、発展なしパターン、発展ありパターン及びノーマルハズレパターンの態様は複数種類設けられており、停止表示される演出図柄80の種類、発展演出画像の種類等が種々設定されている。
たとえば、発展ありパターンの態様としては、発展ありパターンA、発展ありパターンB、発展ありパターンC、発展ありパターンD及び発展ありパターンEが設けられている。
【0209】
発展ありパターンAは、
図38に示すように、発展演出画像として通常画像A(たとえば、演出図柄80が次々と破壊されていくような動画等)を表示するリーチ発展演出が実行されるものである。
発展ありパターンBは、特に図示していないが、発展演出画像として通常画像Aとは異なる通常画像Bを表示するリーチ発展演出が実行されるものである。
発展ありパターンCは、特に図示していないが、発展演出画像として所定数のキャラクタが登場するキャラクタ画像Aを表示するリーチ発展演出が実行されるものである。
発展ありパターンDは、特に図示していないが、キャラクタ画像Aよりも多い数のキャラクタが登場するキャラクタ画像Bを表示するリーチ発展演出が実行されるものである。
発展ありパターンEは、特に図示していないが、所定内容のストーリー動画を表示するリーチ発展演出が実行されるものである。
【0210】
そして、本形態に係るパチンコ機Pでは、これらの発展ありパターンの態様について、大当たりに当選した場合に実行される可能性の高低がそれぞれ別個に設定されている。これにより、実行される変動演出の態様に応じて、大当たりの当選に対する期待度が変化するようになっている。
具体的には、発展ありパターンA、発展ありパターンB、発展ありパターンC、発展ありパターンD、発展ありパターンEの順に、次第に大当たりの当選に対する期待度が高くなるように設定されている。
【0211】
また、上述の演出においては、画像の表示のみならず、画像の表示に併せて、音声出力装置10(スピーカ)から所定のBGMや音声等を出力してもよいし、演出照明装置23(ランプ)を所定の点灯パターンや色で発光させてもよい。
【0212】
(変動演出の態様の決定)
次に、上述の変動演出の態様の決定について説明する。
副制御基板300のサブROM302には、
図39に示すように、変動演出の態様(変動演出の前半部分の態様、及び、変動演出の後半部分の態様)を決定するための変動演出決定テーブル121が記憶されている。
副制御基板300のサブCPU301は、新たに第1特図乱数が取得された時点において、当該乱数に基づく事前判定コマンドを受信すると、0~249の範囲から1の変動演出乱数を取得し、変動演出決定テーブル121、取得した変動演出乱数、及び、受信した事前判定コマンドに含まれる変動モード番号及び変動パターン番号に基づいて、変動演出の態様を決定する。
【0213】
そして、
図39に示すように、変動演出決定テーブル121によれば、変動モード番号が「00H」、及び、変動パターン番号が「00H」、「01H」、「02H」、「03H」又は「04H」であった場合には、前半部分がリーチなし変動パターン及び後半部分がノーマルハズレパターンの態様が決定される。
また、変動モード番号が「01H」及び変動パターン番号が「05H」であった場合、並びに、変動モード番号が「A1H」及び変動パターン番号が「A5H」であった場合にはいずれも、前半部分がノーマルリーチパターン及び後半部分が発展なしパターンの態様が決定される。
また、変動モード番号が「02H」及び変動パターン番号が「06H」又は「07H」であった場合、変動モード番号が「03H」及び変動パターン番号が「06H」又は「07H」であった場合、変動モード番号が「A2H」及び変動パターン番号が「A6H」又は「A7H」であった場合、並びに、変動モード番号が「A3H」及び変動パターン番号が「A6H」又は「A7H」であった場合にはいずれも、前半部分が擬似連リーチパターン、及び、後半部分が発展ありパターンA、発展ありパターンB、発展ありパターンC、発展ありパターンD又は発展ありパターンEの態様が決定される。
【0214】
また、
図39において、変動モード番号及び変動パターン番号と変動演出の態様とが対応付けられた各選択領域に示された数字は、当該選択領域に割り振られた乱数の範囲、すなわち、当該選択領域の選択比率を示している。
【0215】
ここで、発展ありパターンD及び発展ありパターンEの態様は、変動モード番号が「02H」及び変動パターン番号が「06H」又は「07H」であった場合、並びに、変動モード番号が「03H」及び変動パターン番号が「06H」又は「07H」であった場合(すなわち、大当たりの抽選の結果がハズレであった場合)には、決定される割合が極めて低く設定されている(乱数が割り振られている)。具体的には、発展ありパターンDは、上述の変動モード番号及び変動パターン番号が決定された場合の約1パーセントの割合で決定され、発展ありパターンEは、上述の変動モード番号及び変動パターン番号が決定された場合の0.8パーセントの割合で決定される。
また、これらの態様は、変動モード番号及び変動パターン番号が上述のものであった場合よりも、変動モード番号が「A2H」及び変動パターン番号が「A6H」又は「A7H」であった場合、並びに、変動モード番号が「A3H」及び変動パターン番号が「A6H」又は「A7H」であった場合(すなわち、大当たりの抽選の結果が大当たりであった場合)の方が、決定される割合が極めて高く設定されている。
すなわち、これらの態様による変動演出は、大当たりの抽選の結果がハズレの場合には極めて実行されにくいものの、実行された場合における大当たりの当選の期待度が極めて高いものとなっている。
【0216】
発展ありパターンCの態様は、大当たりの抽選の結果がハズレであった場合には、発展ありパターンDや発展ありパターンEよりも決定される割合が高く設定されている。具体的には、発展ありパターンCは、変動モード番号が「02H」及び変動パターン番号が「06H」又は「07H」であった場合、並びに、変動モード番号が「03H」及び変動パターン番号が「06H」又は「07H」であった場合の18パーセントの割合で決定される。
また、この態様は、大当たりの抽選の結果がハズレ及び大当たりのいずれの場合であっても、決定される割合がほぼ同等となるように設定されている。
すなわち、大当たりの抽選の結果がハズレであった場合において、発展ありパターンCによる変動演出は発展ありパターンDや発展ありパターンEよりも実行されやすいものの、大当たりの当選の期待度は発展ありパターンDや発展ありパターンEよりも低くなっている。換言すれば、発展ありパターンCによる変動演出は、大当たりの抽選の結果がハズレの場合にはやや実行されにくいものの、実行された場合における大当たりの当選の期待度はやや高いものとなっている。
【0217】
発展ありパターンBの態様は、大当たりの抽選の結果がハズレであった場合には、発展ありパターンCよりも決定される割合が高く設定されている。具体的には、発展ありパターンBは、変動モード番号が「02H」及び変動パターン番号が「06H」又は「07H」であった場合、並びに、変動モード番号が「03H」及び変動パターン番号が「06H」又は「07H」であった場合の28パーセントの割合で決定される。
また、この態様は、大当たりの抽選の結果が大当たりであった場合よりも、ハズレであった場合の方が、決定される割合が高く設定されている。
すなわち、大当たりの抽選の結果がハズレであった場合において、発展ありパターンBによる変動演出は発展ありパターンCよりも実行されやすいものの、大当たりの当選の期待度は発展ありパターンCよりも低くなっている。換言すれば、発展ありパターンBによる変動演出は、大当たりの抽選の結果がハズレの場合には実行されやすいものの、実行された場合における大当たりの当選の期待度は低いものとなっている。
【0218】
発展ありパターンAの態様は、大当たりの抽選の結果がハズレであった場合には、発展ありパターンBよりも決定される割合が高く設定されている。具体的には、発展ありパターンBは、変動モード番号が「02H」及び変動パターン番号が「06H」又は「07H」であった場合、並びに、変動モード番号が「03H」及び変動パターン番号が「06H」又は「07H」であった場合の52パーセントの割合で決定される。
また、この態様は、大当たりの抽選の結果が大当たりであった場合よりも、ハズレであった場合の方が、決定される割合が極めて高く設定されている。
すなわち、大当たりの抽選の結果がハズレであった場合において、発展ありパターンAによる変動演出は発展ありパターンBよりも実行されやすいものの、大当たりの当選の期待度は発展ありパターンBよりも低くなっている。換言すれば、発展ありパターンAによる変動演出は、大当たりの抽選の結果がハズレの場合には極めて実行されやすいものの、実行された場合における大当たりの当選の期待度は極めて低いものとなっている。
【0219】
以上のように、本形態に係るパチンコ機Pでは、大当たりの抽選の結果がハズレであった場合において、発展ありパターンE、発展ありパターンD、発展ありパターンC、発展ありパターンB、発展ありパターンAの順に、実行される割合は次第に高くなるものの、大当たりの当選の期待度は次第に低くなるように設定されている。
【0220】
(保留表示演出の概要)
保留表示演出は、第1特図乱数や第2特図乱数が取得され保留記憶がなされた場合や当該乱数が読み出された場合に、演出表示装置21において、所定の表示態様の保留画像を表示する保留表示を行うものである。ここでは、第1特図乱数の保留記憶に基づく保留表示演出についてのみ説明するものとし、第2特図乱数の保留記憶に基づく保留表示演出については説明を省略する。
【0221】
図40(a)~(c)に示すように、本形態における演出表示装置21の表示部21aには、保留表示領域70が設けられている。そして、第1特図乱数が取得され保留記憶がなされると、この保留表示領域70に、保留記憶がなされた旨を示す保留表示が行われ、この保留表示により保留数が遊技者に報知されるようになっている。
【0222】
具体的には、この保留表示領域70には、読み出された保留(すなわち、現時点における特別図柄の変動表示の対象である保留)に係る保留表示を行う読み出し保留表示部70aが設けられているとともに、記憶された保留に係る保留表示を記憶順に行う計4つの保留表示部(第1保留表示部70b~第4保留表示部70e)設けられており、この4つの保留表示部により第1特図保留数が示されるようになっている。
【0223】
ここで、本形態に係るパチンコ機Pにおいては、上述したように、主制御基板100のメインRAM103に第1特図乱数を記憶する第1保留記憶領域が設けられているが、副制御基板300のサブRAM303にも、事前判定コマンドに含まれる第1特図乱数に係る大当たりの判定の結果、特別図柄の種別、変動モード番号及び変動パターン番号の事前判定情報が記憶される第1保留記憶領域が設けられている。
【0224】
このサブRAM303に設けられる第1保留記憶領域には、第1記憶部~第4記憶部の計4つの記憶部から構成されており、第1記憶部が第1保留表示部70bに対応し、以下、第2記憶部~第4記憶部が、それぞれ第2保留表示部70c~第4保留表示部70eに対応している。そして、各記憶部に事前判定情報が記憶されると、対応する保留表示部において保留表示が行われる。また、変動モードコマンド及び変動パターンコマンドを受信すると、第1記憶部に記憶された事前判定情報が読み出され、当該事前判定情報がサブRAM303の所定の処理領域に記憶されるとともに、特別図柄の変動表示の開始に伴って、変動演出が開始される。そして、これに伴って、読み出し保留表示部70aにおいて読み出された保留を対象とする保留表示が行われる。
【0225】
また、サブCPU301は、第1保留記憶領域におけるいずれの記憶部まで事前判定情報が記憶されているかを確認することで、第1特図保留数を把握できるようになっている。たとえば、いずれの記憶部にも事前判定情報が記憶されていない場合には、第1特図保留数は「0」であると把握することができ、第2記憶部まで事前判定情報が記憶されている場合には、第1特図保留数は「2」であると把握することができる。
【0226】
たとえば、特別図柄の変動表示及び変動演出が実行されておらず第1特図保留数が「0」である場合には、読み出し保留表示部70a、第1保留表示部70b、第2保留表示部70c、第3保留表示部70d、第4保留表示部70eのいずれにも保留表示が行われていない。そして、この場合に保留記憶がなされると、第1記憶部に事前判定情報が記憶されるため、第1保留表示部70bにおいて保留表示が行われる。その後、当該保留記憶が読み出されて特別図柄の変動表示及び変動演出が開始されると、第1保留表示部70bにおける保留表示が読み出し保留表示部70aへシフトされて、読み出し保留表示部70aにおいて保留表示が行われるとともに、第1保留表示部70bにおける保留表示が消去されることとなる。
【0227】
また、たとえば、特別図柄の変動表示及び変動演出の実行中であって第1特図保留数が「3」である場合には、第1記憶部~第3記憶部に事前判定情報が記憶されているため、読み出し保留表示部70aにおいて保留表示が行われるとともに、第1保留表示部70b、第2保留表示部70c、第3保留表示部70dにおいて保留表示が行われる。その後、実行中の特別図柄の変動表示及び変動演出が終了し、第1記憶部における保留記憶が読み出されて、次の特別図柄の変動表示及び変動演出が開始されると、第1保留表示部70bにおける保留表示が読み出し保留表示部70aへシフトされ、第2保留表示部70cにおける保留表示が第1保留表示部70bへシフトされ、第3保留表示部70dにおける保留表示が第2保留表示部70cへシフトされて、各保留表示部における保留表示が更新されるとともに、第3保留表示部70dにおける保留表示が消去されることとなる(
図40(a)~(c)参照)。
【0228】
なお、保留表示の表示態様としては、大当たりに当選した場合に表示される可能性の高低がそれぞれ別個に設定された複数のパターン(たとえば、白色の丸印が表示される態様、青色の丸印が表示される態様、赤色の丸印が表示される態様等)を設け、保留記憶がなされるといずれかの表示態様により保留表示が行われるようにしてもよい。また、保留記憶がなされた時点における保留表示の表示態様が、より大当たりの期待度の高い他の表示態様に切り替わる保留変化演出を実行できるようにしてもよい。
このように設定することで、保留表示の表示態様に応じて、大当たりに対する遊技者の期待感を変化させることができる。
【0229】
(示唆演出の概要)
示唆演出は、取得された第1特図乱数に基づく変動演出中に実行可能、又は、当該変動演出の開始前から実行可能な演出であって、当該乱数に基づいて発展ありパターンの変動演出が実行される旨を示唆する演出である。すなわち、取得された第1特図乱数に基づく変動演出の態様が発展ありパターンA、発展ありパターンB、発展ありパターンC、発展ありパターンD又は発展ありパターンEのいずれかであった場合に、示唆演出を実行可能となっている。
【0230】
本形態に係るパチンコ機Pでは、示唆演出として、特殊保留変化演出、役物作動演出及び特殊演出の3種類が設けられている。また、示唆演出としてはこれら3種類の演出に限定されるものではなく、他の種類の演出を設けてもよい。
特殊保留変化演出は、新たな第1特図乱数が取得され保留記憶がなされた時点で表示された保留画像(白色の丸印)が、当該乱数に基づく変動演出の開始時点において、異なる形状の保留画像(白色の星印)に切り替わるものである(
図40(a)~(c)参照)。
特殊保留変化演出の態様は、上述の内容に限定されるものではなく、特定のキャラクタや特定の色が付された保留画像に切り替わったり、特定の表示アクション(たとえば、保留画像が振動するような表示等)を伴って異なる保留画像に切り替わったりするものであってもよい。また、特殊保留変化演出の実行タイミングも、上述の内容に限定されるものではなく、上述の乱数が取得されて保留画像が表示されてから当該乱数に基づく変動演出が開始されるまでのいずれかの時点(たとえば、当該乱数に基づく変動演出よりも前に実行される変動演出の開始時点や終了時点等)や、上述の乱数に基づく変動演出における所定の時点(たとえば、当該変動演出におけるリーチ表示時点等)としてもよい。
【0231】
役物作動演出は、新たに取得された第1特図乱数に基づく変動演出が開始されてからリーチ表示時点までの間における所定時点(本形態では、リーチ表示時点)で、役物演出装置50が所定態様で作動する(本形態では、役物ランプ57が所定色で点灯した状態で、装飾部51が下端位置まで移動する)ものである(
図41(a)~(d)参照)。
役物作動演出の態様は、上述の内容に限定されるものではなく、装飾部51が上下動を繰り返すようなものや、役物ランプ57が複数色で点滅するようなものであってもよい。また、役物作動演出の実行タイミングも、上述の内容に限定されるものではなく、上述の乱数が取得されてから当該乱数に基づく変動演出が開始されるまでのいずれかの時点(たとえば、当該乱数に基づく変動演出よりも前に実行される変動演出の開始時点や終了時点等)や、上述の乱数に基づく変動演出における所定の時点(たとえば、当該変動演出におけるリーチ表示時点等)としてもよい。
【0232】
特殊演出は、新たな第1特図乱数の取得後、最初に開始された変動演出の開始時点から当該乱数に基づく変動演出のリーチ表示時点に至るまで、表示部21aに表示されている背景画像の所定箇所(本形態では、外縁部分)が所定の色に変化するものである(
図42(a)~(g)参照)。
特殊演出の態様は、上述の内容に限定されるものではなく、特定のキャラクタが表示されたり、演出図柄80の色が特定色で表示されたりするものであってもよい。また、特殊演出の実行タイミングも、上述の内容に限定されるものではなく、新たな第1特図乱数が取得された時点や新たな第1特図乱数が取得されてから所定時間が経過した後から開始してもよいし、新たに取得された第1特図乱数に基づく変動演出の開始時点からリーチ表示時点までの間の所定時点で終了するようにしてもよい。
【0233】
そして、予め定められた示唆演出実行可能条件(示唆演出が実行されていないこと、記憶されている事前判定情報に、リーチ変動パターンが決定される変動モード番号及び変動パターン番号(すなわち、「01H」の変動モード番号及び「05H」の変動パターン番号、「02H」の変動モード番号及び「06H」又は「07H」の変動パターン番号、「03H」の変動モード番号及び「06H」又は「07H」の変動パターン番号、「A1H」の変動モード番号及び「A5H」の変動パターン番号、「A2H」の変動モード番号及び「A6H」又は「A7H」の変動パターン番号、「A3H」の変動モード番号及び「A6H」又は「A7H」の変動パターン番号)が含まれていないこと)が成立していた場合において、新たに取得された第1特図乱数に基づく事前判定コマンドが受信された時点で、変動演出の態様として発展ありパターン(発展ありパターンA、発展ありパターンB、発展ありパターンC、発展ありパターンD、発展ありパターンE)が決定されたときに、示唆演出の実行を決定可能となっている。
【0234】
(示唆演出に関する決定の概要)
副制御基板300のサブROM302には、
図43に示すように、示唆演出の実行の可否及び示唆演出を実行する場合における示唆演出の種類(特殊保留変化演出、役物作動演出、特殊演出)を決定するための示唆演出決定テーブル122が記憶されている。
副制御基板300のサブCPU301は、上述の示唆演出実行可能条件が成立していた場合に発展ありパターンの変動演出が決定されると、所定の数値範囲内(たとえば、0~249)で示唆演出決定乱数を取得する。そして、示唆演出決定テーブル122、決定されている発展ありパターンの種類、及び、取得された示唆演出決定乱数に基づいて、示唆演出の実行の可否及び示唆演出を実行する場合における示唆演出の種類を決定する。
【0235】
なお、
図43において、発展ありパターンの種類と示唆演出の実行の可否とが対応付けられた各選択領域に示された数字は、当該選択領域に割り振られた乱数の範囲、すなわち、当該選択領域の選択比率を示している。
ここで、
図43に示すように、大当たりの抽選の結果がハズレであった場合における決定割合は極めて高いものの、大当たりの当選の期待度が極めて低い発展ありパターンAが決定された場合には、示唆演出の実行の決定割合が極めて低く設定されている。
そして、発展ありパターンB、発展ありパターンC、発展ありパターンD及び発展ありパターンEの順に、示唆演出の実行の決定割合が次第に高くなるように設定されている。すなわち、決定された発展ありパターンについて、大当たりの抽選の結果がハズレであった場合における決定割合が低いほど(大当たりの当選の期待度が高いほど)、示唆演出が実行されやすくなっている。換言すれば、示唆演出が実行された場合には、相対的に大当たりの当選の期待度が低い発展ありパターンによる変動演出よりも、相対的に大当たりの当選の期待度が高い発展ありパターンによる変動演出が実行される割合が高くなっている。また、示唆演出が実行された場合には、示唆演出が実行されない場合よりも、大当たりの当選の期待度が高くなっている。
【0236】
(示唆演出の決定割合の変更)
本形態に係るパチンコ機Pでは、示唆演出が実行された場合には、発展ありパターンによる変動演出が実行されるようになっている
ここで、大当たりの抽選の結果がハズレであった場合において、いずれの発展ありパターンによる変動演出が実行されるときにも示唆演出が実行可能となっているものの、示唆演出の実行が決定される割合は、大当たりの当選の期待度が相対的に低い発展ありパターン(発展ありパターンA、発展ありパターンB等)によって変動演出が実行されるときの方が、大当たりの当選の期待度が相対的に高い発展ありパターン(発展ありパターンD、発展ありパターンE等)によって変動演出が実行されるときよりも低くなっている。そして、大当たりの抽選の結果がハズレであった場合には、大当たりの当選の期待度が相対的に低い発展ありパターンの方が、大当たりの当選の期待度が相対的に高い発展ありパターンよりも決定される割合が高くなっている。
そのため、大当たりの抽選の結果がハズレであった場合には、示唆演出が実行されにくく、発展ありパターンによる変動演出の実行に対する期待感が低下し、遊技者の興趣を著しく低下させてしまうおそれがある。
【0237】
そこで、本形態に係るパチンコ機Pでは、所定の変更条件を満たすと、大当たりの抽選の結果がハズレであった場合において、大当たりの当選の期待度が相対的に低い発展ありパターンが決定されたときに示唆演出の実行が決定される割合が高くなるように設定されている。また、大当たりの当選の期待度が相対的に高い発展ありパターンが決定されたときに示唆演出の実行が決定される割合も高くなるように設定されている。
【0238】
具体的には、本形態に係るパチンコ機Pでは、示唆演出が実行されてから変動演出の実行回数(大当たりの抽選の回数)が予め定められた規定回数(本形態では100回)に到達するまでの間に、再度の示唆演出が実行されなかった場合において、その後、大当たりの抽選の結果がハズレであって発展ありパターンの変動演出の実行が最初に決定されたときに、必ず、示唆演出の実行が決定されるようになっている。
これに対して、示唆演出が実行されてから変動演出の実行回数が予め定められた規定回数に到達するまでの間に、再度の示唆演出が実行された場合には、その後、大当たりの抽選の結果がハズレであって発展ありパターンの変動演出の実行が最初に決定されたときに、必ずしも示唆演出の実行が決定されるとは限らず、示唆演出の実行又は非実行のいずれかが決定されるようになっている。
すなわち、本形態に係るパチンコ機Pでは、所定の変更条件として、示唆演出が実行されてから変動演出の実行回数が予め定められた規定回数に到達するまでの間に、再度の示唆演出が実行されないことが定められている。
【0239】
より具体的には、副制御基板300のサブROM302には、上述の所定の変更条件が成立した場合において、大当たりの抽選の結果がハズレであって発展ありパターンの変動演出の実行が最初に決定されたときに、示唆演出の実行を決定するための示唆演出強制決定テーブル123が記憶されている。
本形態に係るパチンコ機Pには、
図44(a)~(c)に示すように、示唆演出強制決定テーブル123として、前回実行された示唆演出が特殊保留変化演出であった場合に参照される第1テーブル123aと、前回実行された示唆演出が役物作動演出であった場合に参照される第2テーブル123bと、前回実行された示唆演出が特殊演出であった場合に参照される第3テーブル123cと、が設けられている。
【0240】
副制御基板300のサブCPU301は、上述の所定の変更条件が成立した場合において、新たに取得された第1特図乱数に基づいて生成された事前判定コマンドを受信し、この事前判定コマンドに大当たりの抽選の結果がハズレである旨の情報が含まれており、かつ発展ありパターン発展ありパターンの変動演出が決定されると、前回実行された示唆演出に応じた示唆演出強制決定テーブル123を選択するとともに、所定の数値範囲内(たとえば、0~249)で示唆演出強制決定乱数を取得する。そして、選択された示唆演出強制決定テーブル123、決定された発展ありパターンの種類、及び、取得された示唆演出強制決定乱数に基づいて、実行される示唆演出の種類を決定する。
【0241】
そして、
図44(a)に示すように、第1テーブル123aによれば、決定された発展ありパターンがいずれであっても、示唆演出として、役物作動演出又は特殊演出のいずれかが決定される。すなわち、前回実行された示唆演出が特殊保留変化演出であった場合には、この特殊保留変化演出以外の示唆演出の実行が強制的に決定される。
また、
図44(b)に示すように、第2テーブル123bによれば、決定された発展ありパターンがいずれであっても、示唆演出として、特殊保留変化演出又は特殊演出のいずれかが決定される。すなわち、前回実行された示唆演出が役物作動演出であった場合には、この役物作動演出以外の示唆演出の実行が強制的に決定される。
また、
図44(c)に示すように、第3テーブル123cによれば、決定された発展ありパターンがいずれであっても、示唆演出として、特殊保留変化演出又は役物作動演出のいずれかが決定される。すなわち、前回実行された示唆演出が特殊演出であった場合には、この特殊演出以外の示唆演出の実行が強制的に決定される。
【0242】
以上のように、本形態に係るパチンコ機Pでは、所定の変更条件が成立すると、大当たりの抽選の結果がハズレであった場合において、大当たりの当選の期待度が相対的に低い発展ありパターンが決定されたときに、示唆演出の実行が決定される割合が高くなるように(本形態では、必ず示唆演出の実行が決定されるように)設定されている。したがって、大当たりの抽選の結果がハズレであった場合に、示唆演出が実行されにくく、発展ありパターンによる変動演出の実行に対する期待感が低下してしまうような事態を防止することができる。
【0243】
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、所定の変更条件が成立した後に示唆演出の実行を強制的に決定する場合には、前回実行された示唆演出以外の示唆演出の実行が決定されるようになっている。すなわち、所定の変更条件が成立した後に大当たりの抽選の結果がハズレとなり発展ありパターンが決定された場合には、前回実行された示唆演出が連続して実行されることはないため、実行される示唆演出が偏ってしまうことを防止でき、バランスよく種々の示唆演出を実行することができる。
【0244】
(賞球表示演出の概要)
賞球表示演出は、上述の如く、所定の計数期間内に獲得した賞球に関する表示を行う演出である。
具体的には、本形態に係るパチンコ機Pでは、計数期間として、通常遊技状態における大当たりの当選に基づく特別遊技が開始されてから、特別遊技の終了後に設定される高確率時短遊技状態が終了するまでの期間が設定されている。そして、この計数期間が終了した時点で(すなわち、高確率時短遊技状態が終了した時点で)、この計数期間中に実行された全特別遊技において実際に払い出された賞球数(すなわち、特別遊技中において、大入賞口18、第2始動入賞口16等の各入賞口への遊技球の入球に基づいて払い出された賞球数)を合算した計数値が、演出表示装置21の表示部に表示されるようになっている。
通常遊技状態における大当たりの当選に基づく特別遊技が開始された後、高確率時短遊技状態中に繰り返し大当たりに当選し、高確率時短遊技状態が続いている間は、上述の計数期間が継続する。そして、高確率時短遊技状態中に大当たりに当選することなく100回の抽選の結果がすべてハズレとなって、通常遊技状態が設定されると計数期間が終了し、上述の計数値が表示される。
【0245】
たとえば、通常遊技状態において大当たりに当選して特別図柄X2が決定され、当該特別図柄X2の決定に基づく特別遊技の終了後の高確率時短遊技状態中に再度大当たりに当選して特別図柄X1が決定され、当該特別図柄X1の決定に基づく特別遊技の終了後の高確率時短遊技状態中に再度大当たりに当選して特別図柄X2が決定され、当該特別図柄X2の決定に基づく特別遊技の終了後の高確率時短遊技状態中には大当たりに当選することなく、100回の抽選の結果がすべてハズレとなって、高確率時短遊技状態が終了し通常遊技状態が設定されたものとする。また、1回目の特別遊技中(特別図柄X2の決定に基づく特別遊技中)に600個の賞球が払い出され、2回目の特別遊技中(特別図柄X1の決定に基づく特別遊技中)に2400個の賞球が払い出され、3回目の特別遊技中(特別図柄X2の決定に基づく特別遊技中)に600個の賞球が払い出されたものとする。
【0246】
すると、通常遊技状態中における特別図柄X2の決定に基づいて1回目の特別遊技が開始されると、その旨を示す表示(本形態では、「BONUSスタート!!」という文字表示)が行われる(
図45(a)~(b)、
図46(a)~(b)参照)。そして、1回目の特別遊技が終了し高確率時短遊技状態が設定されると、その旨を示す表示(本形態では、「BONUS終了 SUPER TIMEスタート!!」という文字表示)が行われた後(
図45(c)、
図46(c)参照))、特に図示していないが、高確率時短遊技状態に応じた背景画像が表示され、変動演出が開始される。
【0247】
そして、2回目及び3回目の特別遊技が実行された後、高確率時短遊技状態が終了すると、その旨を示す表示(本形態では、「SUPER TIME終了」という文字表示)が行われる。さらに、この表示に併せて、通常遊技状態において大当たりに当選してから上述の高確率時短遊技状態が終了するまでに実行された特別遊技の回数(ここでは、3回)が表示されるとともに、上述の計数値が表示される(
図45(d)、
図46(d)参照)。
ここでは、上述したように、1回目の特別遊技中(特別図柄X2に基づく特別遊技中)に600個の賞球が払い出され、2回目の特別遊技中(特別図柄X1に基づく特別遊技中)に2400個の賞球が払い出され、3回目の特別遊技中(特別図柄X2に基づく特別遊技中)に600個の賞球が払い出されており、計数値は3600個(=600個+2400個+600個)となるため、この旨を示す表示(本形態では、「獲得ポイント 3600pt」という文字表示)が行われる(
図45(d)、
図46(d)参照)。
【0248】
(計数値の引継ぎの概要)
本形態に係るパチンコ機Pでは、上述の計数期間が終了し通常遊技状態が設定された後に、大当たりに当選して特別遊技が開始され、再度、計数期間が開始された場合において、所定の引継ぎ条件を満たしていたときには、先の計数期間における計数値が次の計数期間に引き継がれる。そして、この引き継がれた計数値に対して、次の計数期間の全特別遊技において払い出された賞球数を合算して算出された新たな計数値が、次の計数期間の終了後に表示されるようになっている。
【0249】
具体的には、本形態に係るパチンコ機Pでは、先の計数期間が終了してから次の計数期間が開始されるまでの間において消費された遊技球の数(すなわち、減少した持ち球の数(アウト口19へ受け入れられた遊技球の総数から、一般入賞口14、第1始動入賞口15等の各入賞口への入球に基づいて払い出された賞球の総数を引いた値))が、次の計数期間が開始される際の特別遊技において実際に払い出された賞球数よりも少なかった場合には、先の計数期間における計数値が次の計数期間に引き継がれる。すなわち、先の計数期間が終了した時点の持ち球が、次の計数期間の開始時に実行された特別遊技の終了時点で増加した場合には、先の計数期間における計数値が次の計数期間に引き継がれる。
【0250】
これに対して、先の計数期間が終了してから次の計数期間が開始されるまでの間において消費された遊技球の数が、次の計数期間が開始される際の特別遊技において実際に払い出された賞球数以上であった場合には、先の計数期間における計数値は次の計数期間に引き継がれず、次の計数期間において新たに計数値が算出されることとなる。すなわち、先の計数期間が終了した時点の持ち球が、次の計数期間の開始時に実行された特別遊技の終了時点で増加しなかった場合には、先の計数期間における計数値が次の計数期間に引き継がれない。
【0251】
このように、本形態に係るパチンコ機Pでは、所定の引継ぎ条件として、先の計数期間が終了してから次の計数期間が開始されるまでの間において消費された遊技球の数が、次の計数期間が開始される際の特別遊技において実際に払い出された賞球数よりも少ないことが定められている。
【0252】
たとえば、計数期間が終了した時点(高確率時短遊技状態が終了した時点)の計数値が3600個であって(
図45(d)、
図46(d)参照)、その後の通常遊技状態において大当たりに当選し、特別図柄X2が決定されたものとする。そして、当該特別図柄X2の決定に基づく特別遊技の終了後の高確率時短遊技状態中に大当たりに当選することなく、100回の抽選の結果がすべてハズレとなって、高確率時短遊技状態が終了し通常遊技状態が設定されたものとする。また、上述の特別図柄X2の決定に基づく特別遊技中に600個の賞球が払い出されたものとする。
【0253】
なお、特に図示していないが、本形態に係るパチンコ機Pでは、計数期間が終了した時点(高確率時短遊技状態が終了した時点)で表示された計数値は、計数期間外(その後の通常遊技状態)においては表示されないようになっている。
そして、通常遊技状態中における上述の特別図柄X2の決定に基づいて特別遊技が開始されると、その旨を示す表示が行われ(
図45(e)~(f)、
図46(e)~(f)参照)、特別遊技が終了し高確率時短遊技状態が設定されると、その旨を示す表示が行われる(
図45(g)、
図46(g)参照)。その後、特に図示していないが、高確率時短遊技状態に応じた背景画像が表示され、変動演出が開始される。
その後、上述の高確率時短遊技状態が終了すると、その旨を示す表示が行われ、この表示に併せて、通常遊技状態において大当たりに当選してから上述の高確率時短遊技状態が終了するまでに実行された特別遊技の回数(ここでは、1回)が表示されるとともに、上述の計数値が表示される。
【0254】
ここで、上述の通常遊技状態中(すなわち、先の計数期間が終了してから次の計数期間が開始されるまでの間)に消費された遊技球の数が、当該通常遊技状態中に決定された特別図柄X2に基づく特別遊技中に払い出された賞球数(600個)よりも少なかった場合には、先の計数期間が終了した時点の計数値(3600個)が引き継がれる。そして、この計数値に対して、次の計数期間の全特別遊技において実際に払い出された賞球数が合算されて、新たな計数値が算出される。
すると、算出される新たな計数値は4200個(=3600個(先の計数期間の計数値)+600個(特別図柄X2に基づく特別遊技中に払い出された賞球数))となるため、併せて、この旨を示す表示が行われる(
図45(h)参照)。
【0255】
これに対して、上述の通常遊技状態中に消費された遊技球の数が、当該通常遊技状態中に決定された特別図柄X2に基づく特別遊技中に払い出された賞球数(600個)以上であった場合には、先の計数期間が終了した時点の計数値(3600個)が引き継がれることなく、次の計数期間において新たに計数値が算出されることとなる。
すると、次の計数期間における計数値は600個(特別図柄X2に基づく特別遊技中に払い出された賞球数)となるため、この計数値(600個)を示す表示が行われる(
図46(h)参照)。
【0256】
以上のように、本形態に係るパチンコ機Pでは、所定の引継ぎ条件の成否に応じて、先の計数期間の計数値を次の計数期間に引き継ぐか否かが決定される。具体的には、先の計数期間が終了してから次の計数期間が開始されるまでの間において消費された遊技球の数が、次の計数期間が開始される際の特別遊技において実際に払い出された賞球数より少ないか否かに応じて、先の計数期間の計数値を次の計数期間に引き継ぐか否かが決定される。
したがって、本形態に係るパチンコ機Pによれば、先の計数期間の計数値が引き継がれたことにより、表示の上では先の計数期間の計数値よりも大きい値となったにもかかわらず、持ち球は減少しているといった不適切な事象の発生を防止することができる。
【0257】
次に、上述のような各種処理を実行するための副制御基板300における制御処理について説明する。
まず、副制御基板300のメイン処理について、
図47に示すフローチャートを参照して説明する。
ステップ2000において、電源投入に応じて、サブROM302からメイン処理プログラムを読み込むとともに、サブRAM303に記憶されるフラグなどの初期化、設定処理を実行する。たとえば、示唆演出が実行されてからの変動演出の実行回数をカウントする判定回数カウンタの値をリセットする。また、所定の変更条件(示唆演出が実行されてから変動演出の実行回数が予め定められた規定回数に到達するまでの間に、再度の示唆演出が実行されないこと)が成立した旨を示す変更フラグをオフにする。また、特別遊技の実行中である旨を示す特別遊技中フラグをオフにする。また、計数期間中である旨を示す計数期間中フラグをオフにする。また、特別遊技中に実際に払い出された賞球数をカウントする特別遊技中賞球カウンタの値をリセットする。また、計数期間の計数値(計数期間における全特別遊技において実際に払い出された賞球数の合算)を記憶する計数値カウンタの値をリセットする。また、計数期間が終了してから次の計数期間が開始されるまでに消費された遊技球の数をカウントする減少数カウントの値をリセットする。また、計数期間中に実行された特別遊技の回数をカウントする特別遊技回数カウンタの値をリセットする。そして、次のステップ2001に進む。
ステップ2001において、サブCPU301は、各演出乱数(変動演出乱数、示唆演出決定乱数、示唆演出強制決定乱数)を更新する処理を行うとともに、以後は、割込処理が行われるまでステップ2001の処理を繰り返し実行する。ここでは、それぞれの演出乱数が非同期的に更新されている。
【0258】
次に、副制御基板300のタイマ割込処理について、
図48に示すフローチャートを参照して説明する。
副制御基板300には、所定の周期(4ミリ秒)でクロックパルスを発生するリセット用クロックパルス発生回路(特に図示しておらず)が設けられている。そして、このリセット用クロックパルス発生回路によるクロックパルスの発生により、サブCPU301はタイマ割込処理プログラムを読み込んで、
図48に示すタイマ割込処理を開始する。
【0259】
ステップ2100において、サブCPU301は、副制御基板300で用いられる各種タイマカウンタの更新処理を実行する。そして、次のステップ2101に進む。
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、減算タイマを採用しており、副制御基板300のタイマ割込処理が実行されるたびにタイマカウンタが1ずつ減算され、0になると減算を停止するようになっている。
ステップ2101において、サブCPU301は、サブRAM303の受信バッファに格納されているコマンドを解析するとともに、受信したコマンドに応じた種々の処理を実行する。具体的には、副制御基板300においては、主制御基板100からコマンドが送信されると、コマンド受信割込処理が行われ、主制御基板100から送信されたコマンドが受信バッファに格納される。そして、サブCPU301は、コマンド受信割込処理によって受信バッファに格納されたコマンドを解析する。そして、次のステップ2102に進む。
【0260】
ステップ2102において、サブCPU301は、実行中の変動演出等の進行状況に応じて、演出操作装置9の操作の受け付け可否を判定するとともに、回転操作検出センサ9c及び押下操作検出センサ9dからの操作信号が入力されたか否かを判定する。そして、回転操作検出センサ9c又は押下操作検出センサ9dから操作信号が入力されたときに、演出操作装置9の操作受け付け中であった場合には、演出操作装装置9が操作されたことを画像制御基板、音声制御基板、電飾制御基板、作動制御基板等の各種制御基板に送信すべく、送信バッファにコマンドを格納する。そして、次のステップ2103に進む。
ステップ2103において、サブCPU301は、サブRAM303の送信バッファにセットされている各種コマンドを、画像制御基板、音声制御基板、電飾制御基板、作動制御基板等の各種制御基板へ送信する。そして、副制御基板300のタイマ割込処理を終了する。
【0261】
次に、上述したステップ2101のコマンド解析処理のうち、事前判定コマンドを受信した場合に実行される事前判定コマンド受信処理について、
図49のフローチャートを参照して説明する。なお、上述の如く、事前判定コマンドは、主制御基板100において、事前判定処理のステップ562で記憶された後、ステップ208の出力制御処理によって副制御基板300に送信される。
【0262】
ステップ2200において、サブCPU301は、受信した事前判定コマンドに基づき、当該事前判定コマンドに含まれる大当たりの抽選の結果、特別図柄の種別、変動モード番号及び変動パターン番号等の事前判定情報を、サブRAM303の第1保留記憶領域のうち対応する記憶部に記憶する。そして、次のステップ2201に進む。
ステップ2201において、サブCPU301は、保留表示領域70において保留表示を行うための保留表示コマンドを送信バッファにセットする。ここでセットされた保留表示コマンドは、上述のステップ2103において、各種制御基板に送信され、当該制御基板において、新たに記憶された保留に対応する保留表示部に保留表示を行うための処理が実行されることとなる。そして、次のステップ2202に進む。
【0263】
ステップ2202において、サブCPU301は、上述のステップ2001で更新された変動演出乱数を取得する。そして、次のステップ2203に進む。
ステップ2203において、サブCPU301は、変動演出決定テーブル121、上述のステップ2202で取得した変動演出乱数、及び、事前判定情報に含まれる変動モード番号及び変動パターン番号に基づいて、変動演出の態様を決定する。また、サブCPU301は、決定された変動演出の態様の情報を、上述のステップ2200で記憶した記憶部に記憶する。そして、次のステップ2204に進む。
ステップ2204において、サブCPU301は、示唆演出に関する決定を行う示唆演出決定処理を実行する。そして、事前判定コマンド受信処理を終了する。
【0264】
次に、上述したステップ2204の示唆演出決定処理について、
図50のフローチャートを参照して説明する。
ステップ2300において、サブCPU301は、現時点で設定されている遊技状態が通常遊技状態であるか否かを判定する。そして、通常遊技状態でない(すなわち、高確率時短遊技状態である)と判定した場合、示唆演出決定処理を終了する。一方、通常遊技状態であると判定した場合、次のステップ2301に進む。
なお、上述の如く、遊技状態の情報を含む遊技状態指定コマンド及び遊技状態コマンドが副制御基板300に送信され、これらのコマンドに含まれる遊技状態の情報はサブRAM303の所定の記憶領域に記憶される。本形態に係るパチンコ機Pでは、サブCPU301は、上述のサブRAM303の所定の記憶領域に記憶された遊技状態の情報に基づいて、現時点で設定されている遊技状態を把握することができるようになっている。
【0265】
ステップ2301において、サブCPU301は、上述の示唆演出実行可能条件が成立しているか否かを判定する。そして、示唆演出実行可能条件が成立していないと判定した場合、示唆演出決定処理を終了する。一方、示唆演出実行可能条件が成立していると判定した場合、次のステップ2302に進む。
ステップ2302において、サブCPU301は、上述のステップ2203で決定された変動演出の態様が発展ありパターン(発展ありパターンA、発展ありパターンB、発展ありパターンC、発展ありパターンD、発展ありパターンE)であるか否かを判定する。そして、発展ありパターンでないと判定した場合、示唆演出決定処理を終了する。一方、発展ありパターンであると判定した場合、次のステップ2303に進む。
【0266】
ステップ2303において、サブCPU301は、受信した事前判定コマンドに含まれる大当たりの抽選の結果がハズレであるか否かを判定する。そして、ハズレでない(すなわち、大当たりの当選である)と判定した場合、ステップ2309に進む。一方、ハズレであると判定した場合、次のステップ2304に進む。
ステップ2304において、サブCPU301は、変更フラグはオンであるか否かを判定する。そして、変更フラグはオンでない(すなわち、オフである)と判定した場合、ステップ2309に進む。一方、変更フラグはオンであると判定した場合、次のステップ2305に進む。
【0267】
ステップ2305において、サブCPU301は、前回実行された示唆演出の種類に応じた示唆演出強制決定テーブル123を選択する。具体的には、前回実行された示唆演出が特殊保留変化演出であった場合には第1テーブル123aが選択され、前回実行された示唆演出が役物作動演出であった場合には第2テーブル123bが選択され、前回実行された示唆演出が特殊演出であった場合には第3テーブル123cが選択される。そして、次のステップ2306に進む。
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、前回実行された示唆演出の種類がサブRAM303の所定の示唆演出記憶領域に記憶されるようになっている。サブCPU301は、この記憶に基づいて、前回実行された示唆演出の種類を把握できる。
【0268】
ステップ2306において、サブCPU301は、上述のステップ2001で更新された示唆演出強制決定乱数を取得する。そして、次のステップ2307に進む。
ステップ2307において、サブCPU301は、上述のステップ2305で選択された示唆演出強制決定テーブル123、上述のステップ2306で取得した示唆演出強制決定乱数、及び、上述のステップ2203で決定された発展ありパターンの種類に基づいて、実行する示唆演出の種類を決定する。また、サブCPU301は、決定された示唆演出の種類の情報及び当該示唆演出を実行するための制御情報(開始タイミング、終了タイミング等)を、上述のステップ2200で記憶した記憶部に記憶する。そして、次のステップ2308に進む。
【0269】
ステップ2308において、サブCPU301は、変更フラグをオフにする。そして、ステップ2311に進む。
また、上述のステップ2303で大当たりの抽選の結果がハズレでないと判定された場合、上述のステップ2304で変更フラグはオンでないと判定された場合に進むステップ2309において、サブCPU301は、上述のステップ2001で更新された示唆演出決定乱数を取得する。そして、次のステップ2310に進む。
【0270】
ステップ2310において、サブCPU301は、示唆演出決定テーブル122、上述のステップ2309で取得した示唆演出決定乱数、及び、上述のステップ2203で決定された発展ありパターンの種類に基づいて、示唆演出の実行の可否及び実行する場合の示唆演出の種類を決定する。また、サブCPU301は、当該決定内容、及び、決定された示唆演出を実行するための制御情報を、上述のステップ2200で記憶した記憶部に記憶する。そして、次のステップ2311に進む。
ステップ2311において、サブCPU301は、示唆演出の実行が決定されたか否かを判定する。そして、示唆演出の実行が決定されていないと判定した場合、示唆演出決定処理を終了する。一方、示唆演出の事項が決定されたと判定した場合、次のステップ2312に進む。
【0271】
ステップ2312において、サブCPU301は、決定された示唆演出の実行を制御するための示唆演出実行コマンドを送信バッファにセットする。ここでセットされた示唆演出実行コマンドは、上述のステップ2103において各種制御基板に送信され、これらの制御基板により、予め定められたタイミングで示唆演出を行うための制御が実行されることとなる。そして、示唆演出決定処理を終了する。
【0272】
次に、上述したステップ2101のコマンド解析処理のうち、変動モードコマンド及び変動パターンコマンドを受信した場合に実行される変動用コマンド受信処理について、
図51のフローチャートを参照して説明する。なお、上述の如く、変動モードコマンド及び変動パターンコマンドは、主制御基板100において、変動演出パターン決定処理のステップ911で記憶された後、ステップ208の出力制御処理によって副制御基板300に送信される。
ステップ2400において、サブCPU301は、第1保留記憶領域に記憶された第1特図保留数が1減少するのに伴って、対応する保留表示部の保留表示をシフトする保留シフト処理を実行する。具体的には、サブCPU301は、変動モードコマンド及び変動パターンコマンドを受信すると、第1保留記憶領域の各記憶部のシフト処理を行う。ここでは、第1記憶部に記憶されている情報(事前判定情報、変動演出の態様の情報、示唆演出の実行可否及び種類の情報等)をサブRAM303に設けられた所定の処理記憶部にシフトするとともに、第2記憶部~第4記憶部に記憶されている情報を1つ番号の小さい記憶部にシフトする。併せて、保留表示もシフトする。そして、次のステップ2401に進む。
【0273】
ステップ2401において、サブCPU301は、上述の所定の処理記憶部に記憶されている変動演出の態様に対応する変動演出実行コマンドを送信バッファにセットする。ここでセットされた変動演出実行コマンドは、上述のステップ2103において各種制御基板へ送信され、これらの制御基板により、受信した変動演出実行コマンドに基づいて変動演出を実行する制御が行われることとなる。そして、次のステップ2402に進む。
ステップ2402において、サブCPU301は、上述の所定の処理記憶部に示唆演出を実行する旨の情報が記憶されているか否か、すなわち、受信した変動モードコマンド及び変動パターンコマンドに基づく変動演出中に示唆演出が実行されるか否かを判定する。そして、示唆演出を実行する旨の情報が記憶されていないと判定した場合、ステップ2405に進む。一方、示唆演出を実行する旨の情報が記憶されていると判定した場合、次のステップ2403に進む。
【0274】
ステップ2403において、サブCPU301は、判定回数カウンタの値をリセットする。そして、次のステップ2404に進む。
ステップ2404において、サブCPU301は、受信した変動モードコマンド及び変動パターンコマンドに基づく変動演出中に実行される示唆演出の種類を、サブRAM303の所定の示唆演出記憶領域に記憶する。既に情報が記憶されていた場合には、上述の示唆演出の種類の情報に更新する。そして、ステップ2406に進む。
【0275】
また、上述のステップ2402で示唆演出を実行する旨の情報が記憶されていないと判定した場合に進むステップ2405において、サブCPU301は、判定回数カウンタの値を1インクリメントする。そして、次のステップ2406に進む。
ステップ2406において、サブCPU301は、変更フラグはオンであるか否かを判定する。そして、変更フラグはオンであると判定した場合、変動用コマンド受信処理を終了する。一方、変更フラグはオンでないと判定した場合、次のステップ2407に進む。
【0276】
ステップ2408において、サブCPU301は、変更フラグをオンにする。そして、次のステップ2409に進む。
ステップ2409において、サブCPU301は、判定回数カウンタの値をリセットする。そして、変動用コマンド受信処理を終了する。
【0277】
次に、上述したステップ2101のコマンド解析処理のうち、入賞検出コマンドを受信した場合に実行される入賞検出コマンド受信処理について、
図52のフローチャートを参照して説明する。なお、上述の如く、入賞検出コマンドは、主制御基板100において、タイマ割込み処理のステップ206で記憶された後、ステップ208の出力制御処理によって副制御基板300に送信される。
ステップ2500において、サブCPU301は、特別遊技中フラグがオンであるか否かを判定する。そして、特別遊技中フラグがオンでない(すなわち、オフである)と判定した場合、ステップ2502に進む。一方、特別遊技中フラグがオンであると判定した場合、次のステップ2501に進む。
ステップ2501において、サブCPU301は、特別遊技中賞球カウンタの値を、受信した入賞検出コマンドに含まれる入賞口の情報に応じた賞球数分インクリメントする。たとえば、大入賞口18に係る情報(すなわち、大入賞口18へ入球した旨の情報)であれば、特別遊技中賞球カウンタの値を、大入賞口18への遊技球の入球に基づく賞球数である「15」インクリメントする。また、第2始動入賞口16に係る情報(すなわち、第2始動入賞口16へ入球した旨の情報)であれば、特別遊技中賞球カウンタの値を、第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づく賞球数である「1」インクリメントする。そして、入賞検出コマンド受信処理を終了する。
【0278】
また、上述のステップ2500で特別遊技中フラグがオンでないと判定した場合に進むステップ2502において、サブCPU301は、計数期間中フラグがオンであるか否かを判定する。そして、計数期間中フラグがオンであると判定した場合、入賞検出コマンド受信処理を終了する。一方、計数期間中フラグがオンでない(すなわち、オフである)と判定した場合、次のステップ2503に進む。
ステップ2503において、サブCPU301は、減少数カウンタの値を、受信した入賞検出コマンドに含まれる入賞口の情報に応じた賞球数分インクリメントする。たとえば、一般入賞口14に係る情報(すなわち、一般入賞口14へ入球した旨の情報)であれば、減少数カウンタの値を、一般入賞口14への遊技球の入球に基づく賞球数である「5」インクリメントする。また、第1始動入賞口15に係る情報(すなわち、第1始動入賞口15へ入球した旨の情報)であれば、減少数カウンタの値を、第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づく賞球数である「3」インクリメントする。そして、入賞検出コマンド受信処理を終了する。
【0279】
次に、上述したステップ2101のコマンド解析処理のうち、アウトコマンドを受信した場合に実行されるアウトコマンド受信処理について、
図53のフローチャートを参照して説明する。なお、上述の如く、アウトコマンドは、主制御基板100において、アウト口検出時処理のステップ651で記憶された後、ステップ208の出力制御処理によって副制御基板300に送信される。
ステップ2600において、サブCPU301は、計数期間中フラグがオンであるか否かを判定する。そして、計数期間中フラグがオンでないと判定した場合、アウトコマンド受信処理を終了する。一方、計数期間中フラグがオンであると判定した場合、次のステップ2601に進む。
ステップ2601において、サブCPU301は、減少数カウンタの値を「1」デクリメントする。そして、アウトコマンド受信処理を終了する。
【0280】
次に、上述したステップ2101のコマンド解析処理のうち、オープニングコマンドを受信した場合に実行されるオープニングコマンド受信処理について、
図54のフローチャートを参照して説明する。なお、上述の如く、オープニングコマンドは、主制御基板100において、停止後処理のステップ1108で記憶された後、ステップ208の出力制御処理によって副制御基板300に送信される。
ステップ2700において、サブCPU301は、特別遊技中フラグをオンにする。そして、次のステップ2701に進む。
ステップ2701において、サブCPU301は、特別遊技中賞球カウンタをリセットする。そして、オープニングコマンド受信処理を終了する。
【0281】
次に、上述したステップ2101のコマンド解析処理のうち、特別遊技終了コマンドを受信した場合に実行される特別遊技終了コマンド受信処理について、
図55のフローチャートを参照して説明する。なお、上述の如く、特別遊技終了コマンドは、主制御基板100において、特別遊技制御処理のステップ1211で記憶された後、ステップ208の出力制御処理によって副制御基板300に送信される。
ステップ2800において、サブCPU301は、計数期間中フラグがオンであるか否かを判定する。そして、計数期間中フラグがオンでないと判定した場合、ステップ2804に進む。一方、計数期間中フラグがオンであると判定した場合、次のステップ2801に進む。
ステップ2801において、サブCPU301は、計数値カウンタの値に特別遊技中賞球カウンタの値を加算する。そして、次のステップ2802に進む。
【0282】
ステップ2802において、サブCPU301は、特別遊技回数カウンタの値を1インクリメントする。そして、次のステップ2803に進む。
ステップ2803において、サブCPU301は、高確率時短遊技状態中(計数期間中)の大当たりの当選に基づく特別遊技の終了時に所定の表示を行うための高確継続時特別遊技終了表示コマンドを送信バッファにセットする。ここでセットされた高確継続時特別遊技終了表示コマンドは、上述のステップ2103において各種制御基板へ送信され、これらの制御基板により、受信した高確継続時特別遊技終了表示コマンドに基づいて所定の表示を実行する制御が行われることとなる。そして、ステップ2811に進む。
具体的には、特に図示していないが、演出表示装置21の表示部21aにおいて、特別遊技が終了した旨の表示(たとえば、「BONUS終了」という文字表示)、及び、高確率時短遊技状態が再設定される旨の表示(たとえば、「SUPER TIME継続!!」という文字表示)が行われる。なお、所定の表示は、これらに限定されるものではなく、たとえば、計数期間が開始されてからこの時点までに実行された特別遊技の回数や、計数期間が開始されてからこの時点までに実行された特別遊技中に払い出された賞球数の合計値等を表示してもよい。
【0283】
また、上述のステップ2800で計数期間中フラグがオンでないと判定した場合に進むステップ2804において、サブCPU301は、減少数カウンタの値が特別遊技中賞球カウンタの値よりも小さいか否か、すなわち、所定の引継ぎ条件として、先の計数期間が終了してから次の計数期間が開始されるまでの間において消費された遊技球の数が、次の計数期間が開始される際の特別遊技において実際に払い出された賞球数よりも少ないか否か(所定の引継ぎ条件を満たしているか否か)を判定する。そして、減少数カウンタの値が特別遊技中賞球カウンタの値よりも小さいと判定した場合、ステップ2806に進む。一方、減少数カウンタの値が特別遊技中賞球カウンタの値よりも小さくない(すなわち、減少数カウンタの値が特別遊技中賞球カウンタの値以上である)と判定した場合、次のステップ2805に進む。
ステップ2805において、サブCPU301は、計数値カウンタの値をリセットする。そして、次のステップ2806に進む。
【0284】
ステップ2806において、サブCPU301は、計数値カウンタの値に特別遊技中賞球カウンタの値を加算する。そして、次のステップ2807に進む。
ステップ2807において、サブCPU301は、特別遊技回数カウンタの値をリセットする。そして、次のステップ2808に進む。
【0285】
ステップ2808において、サブCPU301は、特別遊技回数カウンタの値を1インクリメントする。そして、次のステップ2809に進む。
ステップ2809において、サブCPU301は、計数期間中フラグをオンにする。そして、次のステップ2810に進む。
【0286】
ステップ2810において、サブCPU301は、通常遊技状態中(計数期間外)の大当たりの当選に基づく特別遊技の終了時に所定の表示を行うための高確開始時特別遊技終了表示コマンドを送信バッファにセットする。ここでセットされた高確開始時特別遊技終了表示コマンドは、上述のステップ2103において各種制御基板へ送信され、これらの制御基板により、受信した高確開始時特別遊技終了表示コマンドに基づいて所定の表示を実行する制御が行われることとなる。そして、次のステップ2811に進む。
具体的には、
図45(c)、
図46(c)等に示すように、演出表示装置21の表示部21aにおいて、特別遊技が終了した旨の表示(「BONUS終了」という文字表示)、及び、高確率時短遊技状態が設定される旨の表示(「SUPER TIMEスタート!!」という文字表示)が行われる。なお、所定の表示は、これらに限定されるものではなく、たとえば、実行された特別遊技中に払い出された賞球数を表示してもよい。
ステップ2811において、サブCPU301は、特別遊技中フラグをオフにする。そして、特別遊技終了コマンド受信処理を終了する。
【0287】
次に、上述したステップ2101のコマンド解析処理のうち、遊技状態コマンドを受信した場合に実行される遊技状態コマンド受信処理について、
図56のフローチャートを参照して説明する。なお、上述の如く、遊技状態コマンドは、主制御基板100において、停止後処理のステップ1111で記憶された後、ステップ208の出力制御処理によって副制御基板300に送信される。
ステップ2900において、サブCPU301は、計数期間中フラグがオンであるか否かを判定する。そして、計数期間中フラグがオンでないと判定した場合、遊技状態コマンド受信処理を終了する。一方、計数期間中フラグがオンであると判定した場合、次のステップ2901に進む。
ステップ2901において、サブCPU301は、受信した遊技状態コマンドに通常遊技状態の情報が含まれているか否か、すなわち、高確率時短遊技状態が終了したか否かを判定する。そして、通常遊技状態の情報が含まれていない(すなわち、高確率時短遊技状態の情報が含まれている)と判定した場合、遊技状態コマンド受信処理を終了する。一方、通常遊技状態の情報が含まれていると判定した場合、次のステップ2902に進む。
【0288】
ステップ2902において、サブCPU301は、計数期間の終了に伴う各種表示(高確率時短遊技状態が終了した旨の表示、計数期間中に実行された特別遊技の回数の表示)、及び、上述の賞球表示演出(計数期間の計数値の表示)を実行するための計数期間終了時表示コマンドを送信バッファにセットする。ここでセットされた計数期間終了時表示コマンドは、上述のステップ2103において各種制御基板へ送信され、これらの制御基板により、受信した計数期間終了時表示コマンドに基づいて上述の各種表示及び賞球表示演出を実行する制御が行われることとなる。そして、次のステップ2903に進む。
ステップ2903において、サブCPU301は、計数期間中フラグをオフにする。そして、次のステップ2904に進む。
ステップ2904において、サブCPU301は、減少数カウンタの値をリセットする。そして、遊技状態コマンド受信処理を終了する。
【0289】
次に、上述の実施の形態の変形例について説明する。
上述の実施の形態では、所定の変更条件が成立した場合には、大当たりの抽選の結果がハズレであって発展ありパターンの変動演出の実行が最初に決定されたときに強制的に示唆演出の実行が決定される。すなわち、所定の変更条件が成立した後に、大当たりの抽選の結果が大当たりであって示唆演出の実行が決定された場合であっても、その後に、大当たりの抽選の結果がハズレであって発展ありパターンの変動演出の実行が最初に決定されたときには、強制的に示唆演出の実行が決定されることとなるが、これに限定されるものではない。
たとえば、所定の変更条件が成立した後に、大当たりの抽選の結果が大当たりであって示唆演出の実行が決定された場合には、その後に、大当たりの抽選の結果がハズレであって発展ありパターンの変動演出の実行が最初に決定されたときに、強制的に示唆演出の実行を決定するのではなく、示唆演出の実行又は非実行のいずれかを決定するようにしてもよい。
このように設定することで、所定の変更条件が成立した後に、大当たりに当選に基づいて示唆演出の実行が決定された場合において、短期間の間に連続して示唆演出が実行されることで示唆演出のバランスが崩れてしまう事態を防止することができる。
【0290】
また、上述の実施の形態では、所定の変更条件が成立した後に示唆演出の実行を強制的に決定する場合には、前回実行された示唆演出以外の示唆演出の実行を決定するようになっていたが、これに限定されるものではない。たとえば、示唆演出の実行を強制的に決定する場合であっても、前回実行された示唆演出の実行も決定可能にしてもよい。また、示唆演出の実行を強制的に決定する場合には、所定の判定期間(たとえば、パチンコ機Pのリセットが行われてから強制的な決定を行う時点までの期間、所定の時刻から強制的な決定を行う時点までの期間等)において実行された回数の少ない示唆演出を優先して決定するようにしてもよいし、反対に、実行された回数の多い示唆演出を優先して決定するようにしてもよい。また、予め定められた優先順位に応じた割合に基づいて示唆演出を決定するようにしてもよい。
このように設定することで、示唆演出の決定のバリエーションが豊富となるため、遊技者の興趣を高めることができる。
【0291】
また、上述の実施の形態では、所定の変更条件が成立した場合には、大当たりの抽選の結果がハズレであって発展ありパターンの変動演出の実行が最初に決定されたときに強制的に示唆演出の実行が決定される、すなわち、100パーセントの確率で示唆演出の実行が決定されるようになっていたが、これに限定されるものではない、たとえば、極めて高い確率で示唆演出の実行が決定されるようにしてもよい。
また、上述の実施の形態では、所定の変更条件が成立すると、大当たりの抽選の結果がハズレであった場合において、大当たりの当選の期待度が相対的に低い発展ありパターンが決定されたとき、及び、大当たりの当選の期待度が相対的に高い発展ありパターンが決定されたときのいずれであっても、示唆演出の実行が決定される割合が高くなるように(本形態では、示唆演出の実行が強制的に決定されるように)設定されていたが、これに限定されるものではない。たとえば、大当たりの当選の期待度が相対的に低い発展ありパターンが決定されたときにのみ、示唆演出の実行が決定される割合が高くなるように設定してもよい。
【0292】
また、上述の実施の形態では、大当たりの当選の期待度が相対的に高く設定されている変動演出(発展ありパターン)が行われる際に実行される示唆演出について、所定の変更条件を満たした場合に実行が決定される割合が高くなる制御が行われるようになっていたが、当該制御を行う演出は上述の示唆演出に限定されるものではない。たとえば、大当たりの当選の期待度が相対的に低く設定されている変動演出(リーチなし変動パターン)が行われる際に実行される他の演出(たとえば、大当たりの抽選の結果がハズレであった場合に実行される可能性が高い、所定のカットイン画像が表示される演出等)についても、上述と同様の制御を行ってもよい。
このように設定することで、大当たりの当選の期待度が相対的に低く設定されている変動演出の実行に対する遊技者の興趣が低下してしまうような事態を防止することができる。
【0293】
また、上述の実施の形態では、所定の変更条件として、示唆演出が実行されてから変動演出の実行回数が予め定められた規定回数に到達するまでの間に、再度の示唆演出が実行されないことが定められていたが、所定の変更条件はこれに限定されるものではない。
たとえば、所定の変更条件として、示唆演出が実行されてから予め定められた又は所定の抽選により決定された所定時間(たとえば、30分)が経過するまでの間に、再度の示唆演出が実行されないこと、所定の変更抽選に当選したこと、所定期間(所定時間が経過するまでの間や所定回数(たとえば、200回)の変動演出が実行されるまでの間)内における示唆演出の実行回数の合計が所定数(たとえば、3回)未満であること、所定期間内における特定の示唆演出の実行回数が所定数未満であること等を定めてもよい。
また、遊技状態の移行や所定回数の変動演出の実行に応じて、表示されている背景画像(ステージ示唆画像)を切り替えるステージ切り替え演出が実行される場合には、所定の変更条件として、ステージ切り替え演出が実行されたことを定めてもよい。
このように設定することで、示唆演出の実行の決定割合が変更される契機がバリエーションに富んだものとなるため、遊技者の興趣を高めることができる。
【0294】
また、上述の実施の形態では、示唆演出は、非時短遊技状態(通常遊技状態)において実行されるようになっていたが、これに限定されるものではなく、時短遊技状態(高確率時短遊技状態)において実行されるようにしてもよい。そして、上述のような制御を時短遊技状態において実行してもよい。
【0295】
また、上述の実施の形態における賞球表示演出では、計数期間として、通常遊技状態における大当たりの当選に基づく特別遊技が開始されてから、特別遊技の終了後に設定される高確率時短遊技状態が終了するまでの期間が設定されていたが、これに限定されるものではない。
たとえば、特別遊技が開始されてから当該特別遊技が終了するまでの期間を計数期間として設定してもよい。なお、この場合には特別遊技が終了するごとに計数値が表示されることとなる。
また、大当たりに当選し第1の特別図柄が決定されたときには、当該決定に基づく特別遊技の終了後に高確率時短遊技状態へ移行し、この高確率時短遊技状態は実質的に次の大当たりが当選するまで継続するように設定されており、大当たりに当選し第2の特別図柄が決定されたときには、当該決定に基づく特別遊技の終了後に通常遊技状態へ移行するように設定されているパチンコ機Pの場合には、第1の特別図柄の決定に基づく特別遊技が開始されてから第2の特別図柄の決定に基づく特別遊技が終了するまでの期間を計数期間として設定してもよい。この場合には、上述の第2の特別図柄の決定に基づく特別遊技が終了した時点で計数値が表示されることとなる。
また、所定の遊技状態(高確率非時短遊技状態)では、大入賞口18が開放される小当たり遊技の実行が高い確率で決定されるように設定された所定の入賞口への遊技球の入球を狙わせ、小当たり遊技が頻繁に実行されることで賞球を獲得可能となり、大当たりに当選し所定の特別図柄が決定されたときには、当該決定に基づく特別遊技の終了後に所定の遊技状態へ移行可能であって、所定の遊技状態以外の遊技状態(通常遊技状態)への移行が決定される大当たりに当選するか、又は、大当たりに当選することなく大当たりの抽選回数が所定回数に到達した場合に所定の遊技状態が終了するように設定されているパチンコ機P(以下、小当たり機という)の場合には、所定の特別遊技の決定に基づく特別遊技が開始されてから、所定の遊技状態以外の遊技状態への移行が決定される大当たりの当選に基づく特別遊技が終了するまで、又は、大当たりに当選することなく大当たりの抽選回数が所定回数に到達するまでの期間を計数期間として設定してもよい。
【0296】
また、上述の実施の形態における賞球表示演出では、計数値として、計数期間中の全特別遊技において実際に払い出された賞球数を合算した値が表示されるようになっていたが、これに限定されるものではない。
たとえば、計数期間中の全特別遊技において実際に獲得された遊技球数(すなわち、特別遊技において実際に払い出された賞球数と、特別遊技においてアウト口19へ受け入れられた遊技球数との差数)を合算した値を、計数値として表示してもよい。
また、上述の小当たり機の場合には、たとえば、計数期間中の全特別遊技において実際に払い出された賞球数、及び、計数期間中の全小当たり遊技において実際に払い出された賞球数を合算した値を、計数値として表示してもよい。
【0297】
また、上述の実施の形態における賞球表示演出では、上述の計数値が数値として直接的に表示されるようになっていたが、これに限定されるものではない。たとえば、上述の計数値に対応するキャラクタ等(たとえば、計数値が3000個未満であれば第1のキャラクタ画像、計数値が3000個以上6000個未満であれば第2のキャラクタ画像等)の数値以外の態様により間接的に表示してもよい。
また、上述の実施の形態における賞球表示演出では、賞球に関する表示として、一の計数期間の計数値のみが表示されるようになっていたが、これに限定されるものではない。たとえば、複数の計数期間の計数値をそれぞれ別個に表示してもよい。また、上述の小当たり機の場合には、計数期間の計数値を表示するとともに、当該表示とは別個に、計数期間中における全小当たり遊技において実際に払い出された賞球数を表示してもよい。
また、上述の賞球に関する表示は、計数期間の終了時点でのみ行うのではなく、計数期間中は常に行われるようにしてもよい。
【0298】
また、上述の実施の形態における賞球表示演出では、計数期間の終了時点において行われた賞球に関する表示(計数値)は、計数期間外においては一切行われないようになっていたが、これに限定されるものではない。たとえば、上述のように、賞球に関する表示として複数の内容(上述の小当たり機の場合における、計数期間の計数値及び計数期間中における全小当たり遊技において実際に払い出された賞球数等)を表示する場合には、計数期間外においては、複数の内容のうちの一部のみを表示しないようにしてもよいし、複数の内容のすべてを表示しないようにしてもよい。また、次の計数期間への引継ぎの対象となる内容(たとえば、計数値)のみを表示しないようにしてもよい。
【0299】
また、上述の実施の形態では、所定の引継ぎ条件として、先の計数期間が終了してから次の計数期間が開始されるまでの間において消費された遊技球の数が、次の計数期間が開始される際の特別遊技において実際に払い出された賞球数よりも少ないことが定められていたが、これに限定されるものではない。
たとえば、上述の内容に加え、先の計数期間が終了してからの大当たりの抽選の回数が所定回数以内であることを、所定の引継ぎ条件として定めてもよい。また、上述のステージ切り替え演出が実行される場合には、上述の内容に加え、先の計数期間が終了してからステージ切り替え演出が実行されていないことを、所定の引継ぎ条件として定めてもよい。
【0300】
また、上述の実施の形態は、パチンコ機以外の遊技機に応用することもできる。たとえば、遊技媒体として遊技メダルを用いて遊技を行わせるスロットマシンや、遊技球を用いてスロットマシンと同様の遊技を行わせるパロット(登録商標)遊技機等に適用してもよい。
【0301】
なお、上述の実施の形態におけるパチンコ機Pは、本発明の遊技機に相当する。また、上述の実施の形態におけるステップ805の処理を実行するメインCPU101は、本発明の特別遊技決定手段に相当する。また、上述の実施の形態における発展ありパターンによる変動演出は、本発明の特定演出に相当する。また、上述の実施の形態におけるステップ2401の処理を実行するサブCPU301は、本発明の特定演出実行手段に相当する。また、上述の実施の形態におけるステップ2312の処理を実行するサブCPU301は、本発明の示唆演出実行手段に相当する。また、上述の実施の形態における発展ありパターンDによる変動演出、発展ありパターンEによる変動演出等は、本発明の第1の特定演出に相当する。また、上述の実施の形態における発展ありパターンAによる変動演出等は、本発明の第2の特定演出に相当する。また、上述の実施の形態における所定の変更条件は、本発明の特定の条件に相当する。
【符号の説明】
【0302】
P パチンコ機
100 主制御基板
101 メインCPU
102 メインROM
103 メインRAM
300 副制御基板
301 サブCPU
302 サブROM
303 サブRAM