(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-28
(45)【発行日】2023-08-07
(54)【発明の名称】医用情報処理装置、医用情報処理システムおよびX線診断装置
(51)【国際特許分類】
A61B 6/00 20060101AFI20230731BHJP
G06N 3/044 20230101ALI20230731BHJP
G16H 30/00 20180101ALI20230731BHJP
【FI】
A61B6/00 360Z
G06N3/044
G16H30/00
(21)【出願番号】P 2018244332
(22)【出願日】2018-12-27
【審査請求日】2021-10-28
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】594164542
【氏名又は名称】キヤノンメディカルシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】長江 亮一
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 翔
(72)【発明者】
【氏名】高谷 美郁
(72)【発明者】
【氏名】藤戸 智生
【審査官】佐野 浩樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-087257(JP,A)
【文献】特開2015-118448(JP,A)
【文献】特開2016-123719(JP,A)
【文献】特表2018-527964(JP,A)
【文献】特開2014-012216(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0300120(US,A1)
【文献】特開2017-224190(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 5/00 - 5/01 、 6/00 - 6/14 、
G06N 3/00 - 3/12 、 7/08 -99/00 、
G06Q50/22 、
G16H10/00 -80/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
手技中において、リアルタイムに時系列で表された第1のデータと、前記第1のデータとは異なる第2のデータとを取得する取得部と、
前記第1のデータおよび前記第2のデータをそれぞれテキスト形式に変換する変換部と、
前記第1のデータと前記第2のデータとに基づいて、時系列データを生成する時系列データ生成部と、
前記時系列データに基づいて参照画像を特定するための情報を生成する学習済みモデルに対して、前記時系列データを入力することにより、前記参照画像を特定するための情報を生成する処理部と
、
を具備し、
前記時系列データ生成部は、第1時点における1組の時系列データとして、前記テキスト形式に変換された第1のデータと前記テキスト形式に変換された第2のデータとを組み合わせ、入力順を規定したデータを生成する、医用情報処理装置。
【請求項2】
前記参照画像を特定するための情報は、画像の特徴量であり、
前記画像の特徴量に基づいて、複数の医用画像から前記参照画像を特定する特定部
を更に具備する、請求項1に記載の医用情報処理装置。
【請求項3】
前記特定部は、前記画像の特徴量に基づいて、前記複数の医用画像から、前記画像の特徴量に最も近い特徴量を有する前記参照画像を特定する、
請求項2に記載の医用情報処理装置。
【請求項4】
前記画像の特徴量に基づいて、前記複数の医用画像から、前記画像の特徴量に近い特徴量を有する複数の類似画像を特定する類似画像特定部
を更に具備する、請求項2または請求項3に記載の医用情報処理装置。
【請求項5】
前記取得部は、手技中において、前記第1のデータと前記第2のデータとを並行して取得する、
請求項1から
請求項4までのいずれか一項に記載の医用情報処理装置。
【請求項6】
前記第2のデータは、前記第1のデータとはデータ形式が異なる、
請求項1から
請求項5までのいずれか一項に記載の医用情報処理装置。
【請求項7】
前記第1のデータは、音声に関する情報を含み、
前記第2のデータは、撮像対象およびX線管の位置関係に関する情報と表示画像に関する情報とのうちの少なくとも一つを含む、
請求項1から
請求項6までのいずれか一項に記載の医用情報処理装置。
【請求項8】
前記学習済みモデルは、帰還経路を有するニューラルネットワークを含む、
請求項1から
請求項7までのいずれか一項に記載の医用情報処理装置。
【請求項9】
手技中において、第1のデータと、前記第1のデータとは異なる第2のデータとを取得する取得部と、
前記第1のデータおよび前記第2のデータをそれぞれテキスト形式に変換する変換部と、
記憶された複数の医用画像から参照画像が選択されたことを契機として、前記選択された時点よりも前に取得された前記第1のデータおよび前記第2のデータに少なくとも基づいて、時系列データを生成する時系列データ生成部と、
前記時系列データと前記参照画像とに基づいて、学習データを生成する学習データ生成部と
を具備し、
前記時系列データ生成部は、第1時点における1組の時系列データとして、前記テキスト形式に変換された第1のデータと前記テキスト形式に変換された第2のデータとを組み合わせ、入力順を規定したデータを生成する、医用情報処理装置。
【請求項10】
前記第1のデータおよび前記第2のデータをそれぞれテキスト形式に変換する変換部 を更に具備し、
前記時系列データ生成部は、前記テキスト形式の前記時系列データを生成する、
請求項9に記載の医用情報処理装置。
【請求項11】
前記取得部は、手技中において、前記第1のデータと前記第2のデータとを並行して取得する、
請求項9または
請求項10に記載の医用情報処理装置。
【請求項12】
前記第2のデータは、前記第1のデータとはデータ形式が異なる、
請求項9から
請求項11までのいずれか一項に記載の医用情報処理装置。
【請求項13】
前記第1のデータは、音声に関する情報を含み、
前記第2のデータは、撮像対象およびX線管の位置関係に関する情報と表示画像に関する情報とのうちの少なくとも一つ含む、
請求項9から
請求項12までのいずれか一項に記載の医用情報処理装置。
【請求項14】
クライアント装置とサーバ装置とを具備する医用情報処理システムであって、
前記クライアント装置は、
手技中において、参照画像を特定するための処理に関する指示を行う指示部
を有し、
前記サーバ装置は、
前記指示を受信したことを契機として、リアルタイムに時系列で表された第1のデータと、前記第1のデータとは異なる第2のデータとを取得する取得部と、
前記第1のデータおよび前記第2のデータをそれぞれテキスト形式に変換する変換部と、
前記第1のデータと前記第2のデータとに基づいて、時系列データを生成する時系列データ生成部と、
前記時系列データに基づいて参照画像を特定するための情報を生成する学習済みモデルに対して、前記時系列データを入力することにより、前記参照画像を特定するための情報を生成する処理部と
を有
し、
前記時系列データ生成部は、第1時点における1組の時系列データとして、前記テキスト形式に変換された第1のデータと前記テキスト形式に変換された第2のデータとを組み合わせ、入力順を規定したデータを生成する、医用情報処理システム。
【請求項15】
前記参照画像を特定するための情報は、画像の特徴量であり、
前記サーバ装置は、
前記画像の特徴量に基づいて、複数の医用画像から、前記参照画像を特定する特定部と
前記参照画像を前記クライアント装置へ送信する送信部と
を更に有する、
請求項14に記載の医用情報処理システム。
【請求項16】
前記特定部は、前記画像の特徴量に基づいて、前記複数の医用画像から、前記画像の特徴量に最も近い特徴量を有する前記参照画像を特定する、
請求項15に記載の医用情報処理システム。
【請求項17】
前記サーバ装置は、前記画像の特徴量に基づいて、前記複数の医用画像から、前記画像の特徴量に近い特徴量を有する複数の類似画像を特定する類似画像特定部
を更に有し、
前記送信部は、前記複数の類似画像を前記クライアント装置へ送信する、
請求項15または
請求項16に記載の医用情報処理システム。
【請求項18】
撮像対象およびX線管の位置関係を設定するサポートフレームと、
手技中において、リアルタイムに時系列で表された第1のデータと、前記第1のデータとは異なる、前記位置関係の情報を含む第2のデータとを取得する取得部と、
前記第1のデータおよび前記第2のデータをそれぞれテキスト形式に変換する変換部と、
前記第1のデータと前記第2のデータとに基づいて、時系列データを生成する時系列データ生成部と、
前記時系列データに基づいて参照画像を特定するための情報を生成する学習済みモデルに対して、前記時系列データを入力することにより、前記参照画像を特定するための情報を生成する処理部と
を具備
し、
前記時系列データ生成部は、第1時点における1組の時系列データとして、前記テキスト形式に変換された第1のデータと前記テキスト形式に変換された第2のデータとを組み合わせ、入力順を規定したデータを生成する、X線診断装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、医用情報処理装置、医用情報処理システムおよびX線診断装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、医師が手技中に参照したい画像がある場合、技師または当該医師は、複数の画像の中から所望の画像を選択し、選択された画像を参照モニタに表示させる必要がある。しかし、技師にとって、医師の所望する画像を表示させるには、医師の指示内容を正確に理解する必要があり、負担が大きい場合がある。また、医師が自ら所望する画像を表示させることは、手技の妨げになるため、医師の負担が大きい場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決使用とする課題は、手技中における参照画像を表示させる負担を低減することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態に係る医用情報処理装置は、取得部と、時系列データ生成部と、処理部とを備える。取得部は、手技中において、第1のデータと、第1のデータとは異なる第2のデータとを取得する。時系列データ生成部は、第1のデータと第2のデータとに基づいて、時系列データを生成する。処理部は、時系列データに基づいて参照画像を特定するための情報を生成する学習済みモデルに対して、時系列データを入力することにより、参照画像を特定するための情報を生成する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】
図1は、第1の実施形態に係るX線診断装置の構成例を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、第1の実施形態に係る特徴量算出機能において用いられる学習済みモデルの概要の一例を示す図である。
【
図3】
図3は、第1の実施形態に係る参照画像特定処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【
図4】
図4は、第1の実施形態に係る手技中のデータを取得するタイミングの一例を説明するための図である。
【
図5】
図5は、第1の実施形態に係る時系列データ生成機能の動作を模式的に示す図である。
【
図6】
図6は、
図4に関する時系列データの一例を示す図である。
【
図7】
図7は、第1の実施形態に係る学習済みモデルの動作を模式的に示す図である。
【
図8】
図8は、第1の実施形態に係る手技中のデータを取得するタイミングの他の一例を説明するための図である。
【
図9】
図9は、
図8に関する時系列データの一例を示す図である。
【
図10】
図10は、第2の実施形態に係る医用情報処理システムの構成例を示すブロック図である。
【
図11】
図11は、第3の実施形態に係る医用情報処理システムの構成例を示すブロック図である。
【
図12】
図12は、各実施形態に係る処理回路の他の構成例を示すブロック図である。
【
図13】
図13は、
図12の処理回路を用いた場合の参照画像特定処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【
図14】
図14は、各実施形態に係る処理回路の他の構成例を示すブロック図である。
【
図15】
図15は、
図14の処理回路を用いた場合の学習データ生成処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、図面を参照しながら、医用情報処理装置、医用情報処理システムおよびX線診断装置の実施形態について詳細に説明する。
【0008】
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係るX線診断装置の構成例を示すブロック図である。
図1のX線診断装置1は、X線高電圧装置2と、X線管3、X線検出器4、サポートフレーム5および天板6を有する寝台と、マイクロフォン7と、入力インタフェース8と、ライブ用ディスプレイ9aと、参照用ディスプレイ9bと、制御回路10と、通信インタフェース11と、記憶回路12と、処理回路13とを備える。X線診断装置1は、例えば、血管造影検査などで用いられる循環器用X線透視診断装置に相当する。また、X線診断装置1は、例えば、消化管造影検査などで用いられるX線透視診断装置などでもよい。
【0009】
なお、本実施形態の応用例として、X線診断装置1における各部および各回路などを医用情報処理装置で実現する場合には、医用情報処理装置100は、
図1における破線の枠内の構成を有する。即ち、医用情報処理装置100は、マイクロフォン7と、通信インタフェース11と、記憶回路12と、処理回路13とを備える。尚、医用情報処理装置100として利用する場合、処理回路13は、後述する画像発生機能13aを含まなくてもよい。
【0010】
X線高電圧装置2は、X線管3に印加する管電流と、X線管3に印加する管電圧とを発生する。X線高電圧装置2は、制御回路10による制御のもとで、X線撮影およびX線透視にそれぞれ適した管電流をX線管3に印加し、X線撮影およびX線透視にそれぞれ適した管電圧をX線管3に印加する。X線高電圧装置2は、例えば、インバータ制御方式の高電圧装置に相当する。
【0011】
X線管3は、X線高電圧装置2から印加された管電流と、X線高電圧装置2から印加された管電圧とに基づいてX線を発生する。X線管3によって発生されたX線は、被検体Pに照射される。X線管3は、例えば、回転陽極型のX線管に相当する。また、X線管3は、例えば、固定陽極型のX線管などでもよい。
【0012】
X線検出器4は、X線管3から発生され、被検体Pを透過したX線を検出する。X線検出器4は、例えば、X線を検出することができるフラットパネルディテクタ(Flat Panel Detector:FPD)を備える。FPDは、複数の半導体検出素子を有する。半導体検出素子には、間接変換形と直接変換形とがある。間接変換形とは、入射X線を蛍光体などのシンチレータによって光に変換し、変換された光を電気信号に変換する形式である。直接変換形とは、入射X線を直接的に電気信号に変換する形式である。尚、X線検出器4として、イメージインテンシファイア(Imageintensifier)が用いられてもよい。
【0013】
X線の入射に伴って複数の半導体検出素子で発生された電気信号は、図示しないアナログディジタル変換器(Analog to Digital converter:A/D変換器)に出力される。A/D変換器は、電気信号をディジタルデータに変換する。A/D変換器は、ディジタルデータを、処理回路13に出力する。
【0014】
サポートフレーム5は、互いに対向配置されたX線管3およびX線検出器4を移動可能に支持する。サポートフレーム5は、撮像対象およびX線管3の位置関係を設定することができる。具体的には、サポートフレーム5は、Cアームに相当する。尚、サポートフレーム5として、Cアームの代わりに、Ωアームが用いられてもよい。また、サポートフレーム5は、CアームおよびΩアームによる構造に限定されず、例えば、X線管3およびX線検出器4をそれぞれ独立に支持する2つのアーム(例えばロボットアームなど)による構造を有していてもよい。また、サポートフレーム5は、オーバーチューブ方式(over tube system)、およびアンダーチューブ方式(under tube system)などに限定されず任意の形態に適用可能である。
【0015】
図示しない寝台は、被検体Pが載置される天板6(臥位テーブルとも言う)を有する。天板6には、被検体Pが載置される。
【0016】
図示しない駆動装置は、例えば、制御回路10の制御によって、サポートフレーム5と寝台とをそれぞれ駆動する。X線透視時およびX線撮影時においては、X線管3とX線検出器4との間に、天板6に載置された被検体Pが配置される。また、駆動装置は、例えば、制御回路10の制御によって、X線管3およびサポートフレーム5を駆動する。また、駆動装置は、制御回路10の制御のもとで、X線管3に対してX線検出器4を回転させてもよい。
【0017】
マイクロフォン7は、例えば接話マイクである。マイクロフォン7は、医師の音声を取得する。マイクロフォン7は、時系列に沿って取得された音声に従って、音声情報データを生成する。マイクロフォン7は、音声情報データを、処理回路13に出力する。尚、マイクロフォン7は、指向性を有するマイクロフォンであってもよい。
【0018】
入力インタフェース8は、操作者からの各種指示や情報入力を受け付ける。入力インタフェース8は、制御回路10に接続されており、操作者から受け取った入力操作を電気信号へ変換し制御回路10へと出力する。入力インタフェース8は、例えば、マウス等のポインティングデバイス、あるいはキーボード等の入力デバイスに相当する。
【0019】
なお、入力インタフェース8は、マウス、キーボードなどの物理的な操作部品に限定されない。例えば、X線診断装置1とは別体に設けられた外部の入力機器から入力操作に対応する電気信号を受け取り、受け取った電気信号を種々の回路へ出力するような場合も入力インタフェース8の例に含まれる。入力インタフェース8は、操作部の一例である。
【0020】
ライブ用ディスプレイ9aおよび参照用ディスプレイ9bは、例えば、CRTディスプレイや液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、LEDディスプレイ、プラズマディスプレイ、又は当技術分野で知られている他の任意のディスプレイ、モニタ等の表示デバイスである。尚、一つのディスプレイの画面において、ライブ用ディスプレイ9aに表示される画像および参照用ディスプレイ9bに表示される画像を表示させてもよい。
【0021】
ライブ用ディスプレイ9aは、例えば、手技中におけるX線画像および透視画像などをリアルタイムに表示する。透視画像には、例えば、パルス透視によって撮影されたパルス透視画像、DA(Digital Angiography)撮影によって取得されたDA画像、およびDSA(Digital Subtraction Angiography)撮影によって取得されたDSA画像などがある。尚、パルス透視画像は非造影画像と称してもよく、DA画像およびDSA画像は造影画像と称してもよい。また、ライブ用ディスプレイ9aに表示される画像はライブ画像と称してもよい。
【0022】
参照用ディスプレイ9bは、例えば、収集済みの画像と加工画像とのうちの少なくとも一つを表示する。収集済みの画像とは、例えば、以前に撮影された同一患者のX線画像、或いは透視画像である。加工画像とは、X線画像に対して、長さの指標を示す直線を表示させるLength、複数のフレームの画像を合成させるPeak Trace、およびアノテーションなどの加工を施した画像である。換言すれば、参照用ディスプレイ9bは、ライブ画像以外の画像を表示する。尚、収集済みの画像および加工画像は参照画像と称してもよい。
【0023】
制御回路10は、X線診断装置1における各部、各回路、および駆動装置などを制御するプロセッサである。制御回路10は、入力インタフェース8から送られてくる操作者の指示などの情報を、図示しないメモリに一時的に記憶する。制御回路10は、メモリに記憶された操作者の指示などに従って、X線撮影およびX線透視を実行するために、X線高電圧装置2、X線検出器4および駆動装置などを制御する。制御回路10は、例えば、サポートフレーム5の角度および線源受像面間距離(Source Image Distance:SID)を制御する。SIDとは、X線管3の管球焦点とX線検出器4との距離である。
【0024】
通信インタフェース11は、例えば、ネットワークインタフェースカード(Network Interface Card:NIC)が使用可能となっている。通信インタフェース11は、例えば、ネットワークおよび図示しない外部記憶装置との通信に関する回路である。X線診断装置1によって得られたX線画像などは、通信インタフェース11およびネットワークを介して他の装置に転送可能である。以降の説明では、X線診断装置1とネットワークに接続された他の装置との通信などにおいて、通信インタフェース11が介在する旨の記載を省略する。
【0025】
記憶回路12は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)などの電気的情報を記録するメモリと、当該メモリに付随するメモリコントローラやメモリインタフェースなどの周辺回路から構成される。メモリとしては、HDDに限らず、SSD(ソリッドステートドライブ)、磁気ディスク(フロッピー(登録商標)ディスクなど)、光ディスク(CD、DVD、Blu-ray(登録商標)など)、および半導体メモリなどが適宜、使用可能となっている。
【0026】
記憶回路12は、後述する画像発生機能13aによって発生された種々のX線画像、X線診断装置1のシステム制御プログラム、制御回路10において実行される診断プロトコル、入力インタフェース8から送られてくる操作者の指示、X線撮影に関する撮影条件およびX線透視に関する透視条件などの各種データ群、エラー情報、およびネットワークを介して送られてくる種々のデータなどを記憶する。
【0027】
記憶回路12は、学習済みモデル12aおよび参照画像DB(Data Base)12bを記憶している。記憶回路12は、X線診断装置1の工場出荷時に、学習済みモデル12aを予め記憶してもよい。または、記憶回路12は、X線診断装置1の工場出荷後に、図示しないサーバ装置などから取得した学習済みモデル12aを記憶してもよい。このことは、以下の各実施形態でも同様である。参照画像DB12bは、参照画像としての複数の医用画像を保存するデータベースである。尚、学習済みモデル12aについては後述される。
【0028】
処理回路13は、ハードウェア資源として、プロセッサおよびメモリを備える。処理回路13は、操作者により入力インタフェース8を介して入力された開始指示に応じて、記憶回路12に記憶されたシステム制御プログラムを読み出す。処理回路13は、読み出した制御プログラムに従って、X線画像を発生するための画像処理に係る画像発生機能13aを実行する。
【0029】
また、処理回路13は、読み出した制御プログラムに従って、参照画像を特定するための処理(参照画像特定処理)に係る各機能を実行する。上記各機能は、例えば、取得機能13b、変換機能13c、時系列データ生成機能13d、特徴量算出機能13eおよび画像特定機能13fなどがある。
【0030】
処理回路13は、画像発生機能13aにより、X線検出器4からA/D変換器を介して出力されたディジタルデータに基づいてX線画像を発生する。処理回路13は、発生したX線画像を記憶回路12および外部記憶装置(図示せず)などに出力する。尚、処理回路13は、リアルタイムに撮影されたX線画像(透視画像)を順次ライブ用ディスプレイ9aへと出力してもよい。
【0031】
処理回路13は、取得機能13bにより、手技中のデータを取得する。手技中のデータは、例えば、音声情報データ、機械情報データおよび画像情報データなどである。具体的には、処理回路13は、マイクロフォン7から音声情報データを取得する。尚、音声情報データ、機械情報データおよび画像情報データは、それぞれデータ形式が異なる。
【0032】
また、処理回路13は、制御回路10から機械情報データを取得してもよい。機械情報データは、例えば、撮像対象およびX線管の位置関係に関する情報であり、具体的には、サポートフレーム5の角度の情報およびSIDの情報である。
【0033】
また、処理回路13は、各種ディスプレイに表示される表示画像に関する情報を取得してもよい。具体的には、処理回路13は、ライブ用ディスプレイ9aに表示されているライブ画像の種類についての画像情報データを取得する。画像情報データは、例えば、ライブ画像に対応付けられるライブ画像の種類(パルス透視画像、DA画像およびDSA画像など)を示す情報である。
【0034】
なお、処理回路13は、手技中のデータのうちの第1のデータと、第1のデータとはデータ形式の異なる第2のデータとを並行して取得してもよい。具体的には、処理回路13は、例えば、第1のデータである音声情報データの取得と並行して、第2のデータである機械情報データおよび画像情報データの少なくとも一方を取得してもよい。また、処理回路13は、並行して取得された複数のデータと、取得された時刻とを対応付けてもよい。
【0035】
処理回路13は、変換機能13cにより、取得された各種データを共通のデータ形式に変換する。例えば、処理回路13は、音声情報データに対して音声認識処理を行うことによって、医師の音声の内容を表すテキスト形式の音声認識結果を生成する。音声認識処理には、例えば、形態素解析などの処理を含む。また、処理回路13は、例えば、機械情報データおよび画像情報データをそれぞれテキスト形式へと変換する。尚、処理回路13は、音声認識結果として、例えば名詞など、特定の品詞のみを抽出してもよい。
【0036】
処理回路13は、時系列データ生成機能13dにより、共通のデータ形式に変換された、音声情報データ、機械情報データおよび画像情報データから時系列データを生成する。本実施形態における時系列データは、時刻に対応するデータの集合だけでなく、処理される順番が規定されたデータの集合も含まれる。尚、処理される順番のそれぞれは、ステップと呼称してもよい。
【0037】
処理回路13は、特徴量算出機能13eにより、生成された時系列データに基づいて参照画像を特定するための情報を生成する学習済みモデルに対して、当該時系列データを入力することにより、参照画像を特定するための情報を生成する。参照画像を特定するための情報は、例えば、参照画像の特徴量である。参照画像の特徴量は、例えば、参照画像におけるエッジ方向の特徴を数値化した情報、および参照画像における輝度分布の特徴を数値化した情報などである。換言すると、処理回路13は、生成された時系列データを学習済みモデルへ入力することにより、参照画像の特徴量を算出する。
【0038】
処理回路13は、画像特定機能13fにより、算出された特徴量に基づいて、参照画像を特定する。具体的には、処理回路13は、算出された特徴量(参照画像の特徴量)に基づいて、参照画像DB12bに保存された複数の医用画像から、算出された特徴量に最も近い特徴量を有する参照画像を特定する。
【0039】
なお、処理回路13は、自身のメモリに学習済みモデル12aを記憶してもよい。即ち、記憶回路12にプログラム(学習済みモデル12a)を保存する代わりに、プロセッサの回路内にプログラムを直接組み込むように構成しても構わない。この場合、プロセッサは回路内に組み込まれたプログラムを読み出し実行することで機能を実現する。また、学習済みモデル12aを特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)およびフィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA)などの回路に実装し、当該回路を処理回路13に組み込ませてもよい。また、処理回路13は、制御回路10が有する機能を有していてもよい。この場合、制御回路10は不要となる。
【0040】
図2は、第1の実施形態に係る特徴量算出機能において用いられる学習済みモデルの概要の一例を示す図である。学習済みモデル12aは、多くの学習データから学習したニューラルネットワークの学習済み機械学習モデルである。学習済みモデル12aは、例えば、少なくとも一部に畳み込み層を中間層として有する深層ニューラルネットワーク(Deep Neural Network:DNN)である。
【0041】
以下、説明を具体的にするために、DNNとして再帰型ニューラルネットワーク(Recurrent Neural Network:RNN)を例にとり、説明する。RNNとは、テキスト情報、音声情報および動画情報などの連続的な情報データ(時系列データ)を入出力可能なニューラルネットワークである。また、RNNは、通常のニューラルネットワークと異なり、帰還経路(ループ)を有する。ここで帰還経路とは、例えば、出力層から中間層へ向かう経路および中間層から中間層へ向かう経路である。本明細書において、帰還経路を伝播するデータは、1ステップ遅れているものとする。即ち、あるステップにおける出力層から出力されたデータおよび当該ステップにおける中間層から出力されたデータは、帰還経路を通ることによって、次のステップの中間層へ再び入力される。RNNは、この帰還経路の重みwを記憶する。尚、帰還経路は、上記内容に限定されない。また、学習済みモデル12aは、例えばLSTM(Long Short-Term Memory)など、時系列データが入力可能な他の機械学習モデルであってもよい。
【0042】
学習済みモデル12aは、手技中の時系列データxの入力に基づいて、参照画像の特徴量yを出力するように機能付けられている。また、学習済みモデル12aは、帰還経路の重みwをさらに利用することができる。
【0043】
次に、以上のように構成された第1の実施形態に係るX線診断装置1の動作について
図3のフローチャートを用いて説明する。
【0044】
図3は、第1の実施形態に係る参照画像特定処理の手順の一例を示すフローチャートである。
図3のフローチャートの参照画像特定処理は、X線診断装置1を用いた手技中に待機状態となっており、例えば、医師の発話が認識されたことを契機として、処理回路13が参照画像を特定するためのプログラム(参照画像特定プログラム)を実行することにより開始される。尚、以下の説明では、処理回路13は、画像発生機能13aにより、ライブ用ディスプレイ9aに表示するためのライブ画像を常に発生させているものとする。また、学習済みモデルは、RNNであるものとする。
【0045】
(ステップST101)
参照画像特定プログラムが実行されると、処理回路13は、取得機能13bにより、手技中のデータを取得する。具体的には、処理回路13は、例えば、マイクロフォン7から音声情報データを取得し、制御回路10から機械情報データを取得し、ライブ画像の種類についての画像情報データを取得する。以降では、手技中のデータの具体例として
図4を用いて説明する。
【0046】
図4は、第1の実施形態に係る手技中のデータを取得するタイミングの一例を説明するための図である。
図4は、音声情報データ、機械情報データおよび画像情報データを横軸の時間方向tに沿って示している。例えば、
図4では、時刻t0において医師が参照画像の表示に関する発話を開始し、時刻t1において発話を終了する事例が示される。処理回路13は、時刻t0から時刻t1までの期間において、例えば、医師の発話としての音声情報データを取得する。また、処理回路13は、医師の発話を取得し終えたタイミング(即ち、時刻t1)と同じタイミングで、例えば、機械情報データ「(RAO:a,CAU:b,SID:c)」および画像情報データ「DSA画像」を取得する。尚、発話の終了タイミング(即ち、時刻t1)は、例えば、入力インタフェース8によって指示をすることによって決定されてもよいし、発話の開始時刻から所定時間経過後に自動的に決定されてもよい。または、発話の終了タイミングは、処理回路13によって特定の単語(例えば、「見せて」)を認識した時点で決定されてもよい。
【0047】
(ステップST102)
手技中のデータを取得した後、処理回路13は、変換機能13cにより、取得されたデータされた各種データを共通のデータ形式に変換する。例えば、処理回路13は、音声情報データに音声認識処理を行うことによって、音声認識結果「左冠動脈、LCXの造影画像を見せて」を生成する。以降の処理では、音声認識結果における名詞(例えば、「左冠動脈」「LCX」および「造影画像」)が用いられるものとする。
【0048】
(ステップST103)
取得されたデータを変換した後、処理回路13は、時系列データ生成機能13dにより、変換されたデータに基づいて、時系列データを生成する。
【0049】
図5において、第1の実施形態に係る時系列データ生成機能の動作が模式的に示される。処理回路13は、時系列データ生成機能13dにより、音声情報データ21、機械情報データ22および画像情報データ23に基づいて、時系列データ24を生成する。時系列データ生成機能13dでは、音声情報データ21、機械情報データ22および画像情報データ23を組み合わせることによって、例えば、RNNへ入力する順番を規定するデータ(以下、順番データと呼ぶ)を有する、テキスト形式の時系列データ24を生成する。
【0050】
図6は、
図4に関する時系列データの一例を示す図である。
図6における矢印は、RNNへのデータの入力順を示す。時刻t1に関する時系列データは、複数のデータx
1、x
2、x
3、x
4およびx
5を含む。データx
1は、音声情報データにおける「左冠動脈」である。データx
2は、音声情報データにおける「LCX」である。データx
3は、音声情報データにおける「造影画像」である。データx
4は、機械情報データ「(RAO:a,CAU:b,SID:c)」である。データx
5は、画像情報データ「DSA画像」である。
【0051】
(ステップST104)
時系列データを生成した後、処理回路13は、特徴量算出機能13eにより、生成された時系列データを、順番データに従って、時系列に沿って逐次的に学習済みモデルへ入力することにより、参照画像の特徴量を算出する。
【0052】
図7は、第1の実施形態に係る学習済みモデルの動作を模式的に示す図である。
図7は、
図2の学習済みモデル12aを縦軸の時間方向tにについてステップ毎に展開して表現している。即ち、学習済みモデル31から学習済みモデル35までは、入力されるデータの時刻(ステップ)が異なるものの、全て同一の学習済みモデル12aに相当する。
【0053】
第1のステップにおいて、学習済みモデル31は、データx1を入力し、データy1を出力する。
【0054】
第2のステップにおいて、学習済みモデル32は、データx2と、帰還経路の重みw1とを入力し、データy2を出力する。
【0055】
第3のステップにおいて、学習済みモデル33は、データx3と、帰還経路の重みw2とを入力し、データy3を出力する。
【0056】
第4のステップにおいて、学習済みモデル34は、データx4と、帰還経路の重みw3とを入力し、データy4を出力する。
【0057】
第5のステップにおいて、学習済みモデル35は、データx5と、帰還経路の重みwt4とを入力し、データy5を出力する。本実施形態では、時系列データの最後の入力に対して出力されたデータy5が参照画像の特徴量に相当する。
【0058】
(ステップST105)
参照画像の特徴量を算出した後、処理回路13は、画像特定機能13fにより、算出された特徴量に基づいて、参照画像を特定する。具体的には、処理回路13は、算出された特徴量に基づいて、参照画像DB12bに保存された複数の医用画像から、算出された特徴量に最も近い特徴量を有する参照画像を特定する。
【0059】
処理回路13は、特定した参照画像を参照用ディスプレイ9bに表示させ、参照画像特定処理を終了する。
【0060】
(他の具体例)
上記実施形態の具体例では、手技中における音声情報データを全て取得した後に時系列データを生成していた。しかしながら、時系列データは、一部取得された音声情報データから順次作成されてもよい。例えば、処理回路13は、変換機能13cにより音声認識結果に含まれる名詞が確定した時点において時系列データを作成する。
【0061】
図8は、第1の実施形態に係る手技中のデータを取得するタイミングの他の一例を説明するための図である。
図8は、音声情報データ、機械情報データおよび画像情報データを横軸の時間方向tに沿って示している。例えば、
図8では、時刻t10において医師が参照画像の表示に関する発話を開始し、時刻t14において発話を終了する事例が示される。処理回路13は、時刻t10から医師の発話としての音声情報データの取得を開始する。
【0062】
時刻t11において、処理回路13は、音声認識結果における名詞「左冠動脈」を確定する。また、処理回路13は、名詞「左冠動脈」が確定したタイミング(即ち、時刻t11)と同じタイミングで、例えば、機械情報データ「(RAO:a,CAU:b,SID:c)」および画像情報データ「DSA画像」を取得する。
【0063】
時刻t12において、処理回路13は、音声認識結果における名詞「LCX」を確定する。また、処理回路13は、名詞「LCX」が確定したタイミング(即ち、時刻t12)と同じタイミングで、例えば、機械情報データ「(RAO:a,CAU:b,SID:c)」および画像情報データ「DSA画像」を取得する。
【0064】
時刻t13において、処理回路13は、音声認識結果における名詞「造影画像」を確定する。また、処理回路13は、名詞「造影画像」が確定したタイミング(即ち、時刻t13)と同じタイミングで、例えば、機械情報データ「(RAO:a,CAU:b,SID:c)」および画像情報データ「DSA画像」を取得する。
【0065】
図9は、
図8に関する時系列データの一例を示す図である。
図8における矢印は、RNNへのデータの入力順を示す。時刻t11に関する時系列データは、複数のデータx
11、x
12およびx
13を含む。データx
11は、音声情報データにおける「左冠動脈」である。データx
12は、機械情報データ「(RAO:a,CAU:b,SID:c)」である。データx
13は、画像情報データ「DSA画像」である。
【0066】
時刻t12に関する時系列データは、複数のデータx14、x15およびx16を含む。データx14は、音声情報データにおける「LCX」である。データx15は、機械情報データ「(RAO:a,CAU:b,SID:c)」である。データx16は、画像情報データ「DSA画像」である。
【0067】
時刻t13に関する時系列データは、複数のデータx17、x18およびx19を含む。データx17は、音声情報データにおける「造影画像」である。データx18は、機械情報データ「(RAO:a,CAU:b,SID:c)」である。データx19は、画像情報データ「DSA画像」である。
【0068】
処理回路13は、例えば、学習済みモデル12aに対して、時刻t11に関する時系列データ、時刻t12に関する時系列データおよび時刻t13に関する時系列データを入力することにより、参照画像の特徴量を生成する。
【0069】
以上説明したように、第1の実施形態に係るX線診断装置における医用情報処理装置は、手技中において、第1のデータと、第1のデータとは異なる第2のデータとを取得し、少なくとも第1のデータと第2のデータとに基づいて、時系列データを生成する。そして、医用情報処理装置は、時系列データに基づいて参照画像を特定するための情報を生成する学習済みモデルに対して、時系列データを入力することにより、参照画像を特定するための情報を生成することができる。
【0070】
また、この医用情報処理装置は、参照画像を特定するための情報として画像の特徴量を用い、画像の特徴量に基づいて、複数の医用画像から、参照画像を特定することができる。さらに、この医用情報処理装置は、画像の特徴量に基づいて、複数の医用画像から、当該画像の特徴量に最も近い特徴量を有する参照画像を特定することができる。
【0071】
また、この医用情報処理装置は、第1のデータを第1のデータ形式に変換し、第2のデータを当該第1のデータ形式に変換することにより、当該第1のデータ形式の時系列データを生成することができる。具体的には、この医用情報処理装置は、第1のデータおよび第2のデータをそれぞれテキスト形式に変換することにより、テキスト形式の時系列データを生成することができる。
【0072】
また、この医用情報処理装置は、手技中において、第1のデータと第2のデータとを並行して取得することができる。尚、第2のデータは、第1のデータとはデータ形式が異なっていてもよい。
【0073】
また、この医用情報処理装置は、第1のデータには音声に関する情報を含み、第2のデータには、撮像対照およびX線管の位置関係に関する情報と表示画面に関する情報とのうちの少なくとも一つを含めることができる。
【0074】
また、この医用情報処理装置は、学習済みモデルとして期間経路を有するニューラルネットワークを含むことができる。
【0075】
従って、この医用情報処理装置は、医師または技師による参照画像を表示させる操作の必要がないため、手技中における参照画像を表示させる負担を低減することができる。
【0076】
(第2の実施形態)
第1の実施形態に係る医用情報処理装置は、自身が有する参照画像DBにアクセスすることによって、参照画像を特定していた。他方、第2の実施形態に係る医用情報処理装置は、外部の画像サーバが有する参照画像DBにアクセスすることによって、参照画像を特定する。
【0077】
図10は、第2の実施形態に係る医用情報処理システムの構成例を示すブロック図である。
図10の医用情報処理システム200は、医用情報処理装置210と画像サーバ220とがネットワーク(NW)を介して接続されている。当該ネットワークには、図示しないX線診断装置が接続されてもよい。また、当該X線診断装置が医用情報処理装置210の各部および各回路などを有してもよい。この場合には、医用情報処理装置210を有するX線診断装置と画像サーバとの組み合わせが医用情報処理システムを構成することとなる。本実施形態では、医用情報処理装置とX線診断装置とは別体であるものとして説明をする。
【0078】
医用情報処理装置210は、マイクロフォン211と、処理回路212と、記憶回路213と、通信インタフェース214とを備える。尚、マイクロフォン211は、
図1のマイクロフォン7と同様であるため、詳細な説明を省略する。
【0079】
通信インタフェース214は、例えば、NICが使用可能となっている。通信インタフェース214は、例えば、画像サーバ220、ネットワークおよび図示しないX線診断装置との通信に関する回路である。以降の説明では、医用情報処理装置210と画像サーバ220との通信などにおいて、通信インタフェース214が介在する旨の記載を省略する。
【0080】
処理回路212は、ハードウェア資源として、プロセッサおよびメモリを備える。処理回路212は、ネットワークに接続された端末から入力された開始指示に応じて、記憶回路213に記憶された制御プログラムを読み出す。処理回路212は、読み出した制御プログラムに従って、参照画像特定処理に係る各機能を実行する。上記各機能は、取得機能212a、変換機能212b、時系列データ生成機能212c、特徴量算出機能212dおよび画像特定機能212eなどがある。尚、変換機能212b、時系列データ生成機能212cおよび特徴量算出機能212dは、
図1の変換機能13c、時系列データ生成機能13dおよび特徴量算出機能13eと同様であるため、詳細な説明を省略する。
【0081】
処理回路212は、取得機能212aにより、手技中のデータを取得する。具体的には、処理回路212は、マイクロフォン211から音声情報データを取得する。また、処理回路212は、ネットワークに接続された図示しないX線診断装置から、機械情報データおよび画像情報データのうちの少なくとも一つを取得する。
【0082】
処理回路212は、画像特定機能212eにより、算出された特徴量に基づいて、参照画像を特定する。具体的には、処理回路212は、算出された特徴量に基づいて、画像サーバ220の参照画像DB221aに保存された複数の医用画像から、算出された特徴量に最も近い特徴量を有する参照画像を特定する。
【0083】
なお、処理回路212は、自身のメモリに学習済みモデル213aを記憶してもよい。即ち、記憶回路213にプログラム(学習済みモデル213a)を保存する代わりに、プロセッサの回路内にプログラムを直接組み込むように構成しても構わない。この場合、プロセッサは回路内に組み込まれたプログラムを読み出し実行することで機能を実現する。
【0084】
画像サーバ220は、記憶回路221と、通信インタフェース222とを備える。
【0085】
記憶回路221は、参照画像DB221aを記憶している。記憶回路221は、参照画像DBを記憶していない点において、
図1の記憶回路12と異なる。参照画像DB221aは、参照画像としての複数の医用画像を保存するデータベースである。
【0086】
通信インタフェース222は、例えば、NICが使用可能となっている。通信インタフェース222は、例えば、医用情報処理装置210、ネットワークおよび図示しないX線診断装置との通信に関する回路である。以降の説明では、画像サーバ220と医用情報処理装置210との通信などにおいて、通信インタフェース222が介在する旨の記載を省略する。
【0087】
次に、以上のように構成された第2の実施形態に係る医用情報処理システム200の動作について
図3のフローチャートを用いて説明する。尚、フローチャートの処理が開始されるまでの手順およびステップST102からステップST104までの処理は、第1の実施形態における手順および処理とほぼ同様であるため、説明を省略する。
【0088】
第2の実施形態におけるステップST101では、処理回路212は、取得機能212aにより、手技中のデータを取得する。具体的には、処理回路212は、マイクロフォン211から音声情報データを取得し、図示しないX線診断装置から、機械情報データおよび画像情報データのうちの少なくとも一つを取得する。
【0089】
第2の実施形態におけるステップST105では、処理回路212は、画像特定機能212eにより、算出された特徴量に基づいて、参照画像を特定する。具体的には、処理回路212は、算出された特徴量に基づいて、画像サーバ220の参照画像DB221aに保存された複数の参照画像から、算出された特徴量に最も近い特徴量を有する参照画像を特定する。
【0090】
処理回路13は、特定した参照画像を図示しないディスプレイに表示させ、参照画像特定処理を終了する。
【0091】
以上説明したように、第2の実施形態に係る医用情報処理システムは、医用情報処理装置と画像サーバとを備える。医用情報処理装置は、手技中において、第1のデータと、第1のデータとは異なる第2のデータとを取得し、少なくとも第1のデータと第2のデータとに基づいて、時系列データを生成する。そして、医用情報処理装置は、時系列データに基づいて参照画像を特定するための情報を生成する学習済みモデルに対して、時系列データを入力することにより、参照画像を特定するための情報を生成する。さらに、医用情報処理装置は、参照画像を特定するための情報として画像の特徴量を用い、画像サーバに保存された複数の医用画像から、当該画像の特徴量に最も近い特徴量を有する参照画像を特定する。
【0092】
従って、この医用情報処理システムは、医師または技師による参照画像を表示させる操作の必要がないため、手技中における参照画像を表示させる負担を低減することができる。
【0093】
(第3の実施形態)
第2の実施形態に係る医用情報処理システムに含まれる医用情報処理装置は、外部の画像サーバが有する参照画像DBにアクセスすることによって、参照画像を特定していた。他方、第3の実施形態に係る医用情報処理システムは、クライアント装置からの指示によって、外部のサーバ装置が参照画像特定処理などを行う。
【0094】
図11は、第3の実施形態に係る医用情報処理システムの構成例を示すブロック図である。
図11の医用情報処理システム300は、サーバ装置310とクライアント装置320とがネットワーク(NW)を介して接続されている。当該ネットワークには、図示しないX線診断装置が接続されてもよい。また、当該X線診断装置がクライアント装置320の各部および各回路などを有してもよい。この場合には、クライアント装置320を有するX線診断装置とサーバ装置との組み合わせが医用情報処理システムを構成することとなる。本実施形態では、クライアント装置とX線診断装置とは別体であるものとして説明をする。
【0095】
サーバ装置310は、処理回路311と、記憶回路312と、通信インタフェース313とを備える。記憶回路312は、学習済みモデル312aおよび参照画像DB312bを記憶している。尚、記憶回路312は、
図1の記憶回路12と同様であるため、詳細な説明を省略する。
【0096】
通信インタフェース313は、例えば、NICが使用可能となっている。通信インタフェース313は、例えば、クライアント装置320、ネットワークおよび図示しないX線診断装置との通信に関する回路である。以降の説明では、サーバ装置310とクライアント装置320との通信などにおいて、通信インタフェース313が介在する旨の記載を省略する。
【0097】
処理回路311は、ハードウェア資源として、プロセッサおよびメモリを備える。処理回路311は、クライアント装置320から入力された開始指示に応じて、記憶回路312に記憶された制御プログラムを読み出す。処理回路311は、読み出した制御プログラムに従って、参照画像特定処理に係る各機能を実行する。上記各機能は、取得機能311a、変換機能311b、時系列データ生成機能311c、特徴量算出機能311dおよび画像特定機能311eなどがある。尚、変換機能311b、時系列データ生成機能311c、特徴量算出機能311dおよび画像特定機能311eは、
図1の変換機能13c、時系列データ生成機能13d、特徴量算出機能13eおよび画像特定機能13fと同様であるため、詳細な説明を省略する。
【0098】
処理回路311は、取得機能311aにより、手技中のデータを取得する。具体的には、処理回路311は、クライアント装置320のマイクロフォン321から音声情報データを取得する。また、処理回路311は、ネットワークに接続された図示しないX線診断装置から、機械情報データおよび画像情報データのうちの少なくとも一つを取得する。
【0099】
なお、処理回路311は、自身のメモリに学習済みモデル312aを記憶してもよい。即ち、記憶回路312にプログラム(学習済みモデル312a)を保存する代わりに、プロセッサの回路内にプログラムを直接組み込むように構成しても構わない。この場合、プロセッサは回路内に組み込まれたプログラムを読み出し実行することで機能を実現する。
【0100】
クライアント装置320は、マイクロフォン321と、入力インタフェース322と、ディスプレイ323と、通信インタフェース324とを備える。尚、マイクロフォン321および入力インタフェース322は、
図1のマイクロフォン7および入力インタフェース8と同様であるため、詳細な説明を省略する。
【0101】
ディスプレイ323は、例えば、CRTディスプレイや液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、LEDディスプレイ、プラズマディスプレイ、又は当技術分野で知られている他の任意のディスプレイ、モニタ等の表示デバイスである。ディスプレイ323は、例えば、参照画像特定処理に関するプログラムのGUI(Graphical User Interface)などを表示している。操作者は、例えば、ディスプレイ323に表示されたGUIを用いることにより、サーバ装置310へ参照画像特定処理を開始する指示などができる。
【0102】
通信インタフェース324は、例えば、NICが使用可能となっている。通信インタフェース324は、例えば、サーバ装置310、ネットワークおよび図示しないX線診断装置との通信に関する回路である。以降の説明では、クライアント装置320とサーバ装置310との通信などにおいて、通信インタフェース324が介在する旨の記載を省略する。
【0103】
次に、以上のように構成された第3の実施形態に係る医用情報処理システム300の動作について
図3のフローチャートを用いて説明する。尚、フローチャートの処理が開始されるまでの手順およびステップST102からステップST104までの処理は、第1の実施形態における手順および処理とほぼ同様であるため、説明を省略する。
【0104】
第3の実施形態におけるステップST101では、処理回路311は、取得機能311aにより、手技中のデータを取得する。具体的には、処理回路311は、クライアント装置320のマイクロフォン321から音声情報データを取得する。図示しないX線診断装置から、機械情報データおよび画像情報データのうちの少なくとも一つを取得する。
【0105】
第3の実施形態におけるステップST105では、処理回路311は、画像特定機能311eにより、算出された特徴量に基づいて、参照画像を特定する。具体的には、処理回路311は、算出された特徴量に基づいて、サーバ装置310の参照画像DB312bに保存された複数の医用画像から、算出された特徴量に最も近い特徴量を有する参照画像を特定する。
【0106】
処理回路311は、特定した参照画像をクライアント装置320へと送信し、参照画像特定処理を終了する。クライアント装置320は、受信した参照画像をディスプレイ323の画面に表示させる。
【0107】
以上説明したように、第3の実施形態に係る医用情報処理システムは、クライアント装置とサーバ装置とを備える。クライアント装置は、手技中において、参照画像を特定するための処理に関する指示を行う。サーバ装置は、前記指示を受信したことを契機として、第1のデータと、第1のデータとは異なる第2のデータとを取得し、少なくとも第1のデータと第2のデータとに基づいて、時系列データを生成する。そして、サーバ装置は、時系列データに基づいて参照画像を特定するための情報を生成する学習済みモデルに対して、時系列データを入力することにより、参照画像を特定するための情報を生成することができる。
【0108】
また、この医用情報処理システムにおけるサーバ装置は、参照画像を特定するための情報として画像の特徴量を用い、画像の特徴量に基づいて、複数の医用画像から、参照画像を特定し、クライアント装置へ送信する。さらに、このサーバ装置は、画像の特徴量に基づいて、複数の医用画像から、当該画像の特徴量に最も近い特徴量を有する参照画像を特定することができる。
【0109】
従って、この医用情報処理システムは、医師または技師による参照画像を表示させる操作の必要がないため、手技中における参照画像を表示させる負担を低減することができる。
【0110】
(変形例)
上記各実施形態では、処理回路は、算出された画像の特徴量に最も近い特徴量を有する参照画像を特定した。他方、本変形例では、処理回路は、算出された画像の特徴量に近い特徴量を有する複数の類似画像を特定してもよい。以降では、医用情報処理装置100に対して本変形例に係る処理回路が適用されるものとして説明を行うが、医用情報処理装置に限定されない。例えば、本変形例に係る処理回路は、X線診断装置および医用情報処理システムに適用されてもよい。
【0111】
図12は、各実施形態に係る処理回路の他の構成例を示すブロック図である。
図12の処理回路400は、図示していないプロセッサ、ROMおよびRAMなどのメモリを有し、取得機能400a、変換機能400b、時系列データ生成機能400c、特徴量算出機能400d、画像特定機能400eおよび類似画像特定機能400fを有する。尚、取得機能400a、変換機能400b、時系列データ生成機能400c、特徴量算出機能400dおよび画像特定機能400eは、
図1の取得機能13b、変換機能13c、時系列データ生成機能13d、特徴量算出機能13eおよび画像特定機能13fと同様であるため、詳細な説明を省略する。
【0112】
処理回路400は、類似画像特定機能400fにより、算出された特徴量に基づいて、複数の類似画像を特定する。具体的には、処理回路400は、算出された特徴量に基づいて、参照画像DB12bに保存された複数の医用画像から、算出された特徴量に近い特徴量を有する複数の類似画像を特定する。
【0113】
次に、処理回路400を適用した医用情報処理装置100の動作について
図13のフローチャートを用いて説明する。
【0114】
図13は、
図12の処理回路を用いた場合の参照画像特定処理の手順の一例を示すフローチャートである。尚、フローチャートの処理が開始されるまでの手順およびステップST201からステップST205までの処理は、第1の実施形態における手順および
図1のステップST101からステップST105までの処理とほぼ同様であるため、説明を省略する。
【0115】
(ステップST206)
処理回路400は、類似画像特定機能400fにより、算出された特徴量に基づいて、複数の類似画像を特定する。具体的には、処理回路400は、算出された特徴量に基づいて、参照画像DB12bに保存された複数の医用画像から、算出された特徴量に近い特徴量を有する複数の類似画像を特定する。
【0116】
処理回路400は、特定した参照画像および特定した複数の類似画像を図示しないディスプレイに表示させ、処理を終了する。
【0117】
以上説明したように、変形例に係る医用情報処理装置は、手技中において、第1のデータと、第1のデータとは異なる第2のデータとを取得し、少なくとも第1のデータと第2のデータとに基づいて、時系列データを生成する。そして、医用情報処理装置は、時系列データに基づいて参照画像を特定するための情報を生成する学習済みモデルに対して、時系列データを入力することにより、参照画像を特定するための情報を生成することができる。
【0118】
また、この医用情報処理装置は、画像の特徴量に基づいて、複数の医用画像から、画像の特徴量に近い特徴量を有する複数の類似画像を特定することができる。
【0119】
従って、この医用情報処理装置は、参照画像に類似した複数の類似画像を表示できるため、手技中における参照画像を表示させる負担を低減することができる。
【0120】
(学習例)
上記各実施形態では、処理回路は、学習済みデータを用いた処理をしていた。他方、本学習例では、処理回路は、学習データを生成してもよい。以降では、医用情報処理装置100に対して本学習例に係る処理回路が適用されるものとして説明を行うが、医用情報処理装置に限定されない。例えば、本学習例に係る処理回路は、X線診断装置および医用情報処理システムに適用されてもよい。尚、本学習例に係る処理回路を適用した装置、或いはシステムは、学習装置と呼称されてもよい。
【0121】
図14は、各実施形態に係る処理回路の他の構成例を示すブロック図である。
図14の処理回路500は、図示していないプロセッサ、ROMおよびRAMなどのメモリを有し、取得機能500a、変換機能500b、時系列データ生成機能500cおよび学習データ生成機能500dを有する。尚、取得機能500aおよび変換機能500bは、
図1の取得機能13bおよび変換機能13cと同様であるため、詳細な説明を省略する。
【0122】
処理回路500は、時系列データ生成機能500cにより、共通のデータ形式に変換された音声情報データ、機械情報データおよび画像情報データから時系列データを生成する。具体的には、処理回路500は、参照画像DB12bに記憶された複数の医用画像から参照画像が選択されたことを契機として、選択された時点よりも前に取得された上記各データに少なくとも基づいて、時系列データを生成する。
【0123】
処理回路500は、学習データ生成機能500dにより、生成された時系列データと特定された参照画像とに基づいて、学習データを生成する。具体的には、
図6に例示されるように、学習データは、時刻t1に関する時系列データと特定された参照画像との組み合わせとなる。また、
図9に例示されるように、学習データは、時刻t11に関する時系列データと特定された参照画像との組み合わせ、時刻t12に関する時系列データと特定された参照画像との組み合わせ、および時刻t13に関する時系列データと特定された参照画像との組み合わせなどとなる。
【0124】
次に、処理回路500を適用した医用情報処理装置100の動作について
図15のフローチャートを用いて説明する。
【0125】
図15は、
図14の処理回路を用いた場合の学習データ生成処理の手順の一例を示すフローチャートである。尚、フローチャートの処理が開始されるまでの手順およびステップST301からステップST302までの処理は、第1の実施形態における手順および
図1のステップST101からステップST102までの処理とほぼ同様であるため、説明を省略する。
【0126】
(ステップST303)
処理回路500は、時系列データ生成機能500cにより、参照画像の選択を契機として、変換されたデータに基づいて、時系列データを生成する。具体的には、処理回路500は、参照画像DB12bに記憶された複数の医用画像から参照画像が選択されたことを契機として、選択された時点よりも前に取得された上記各データに少なくとも基づいて、時系列データを生成する。
【0127】
(ステップST304)
処理回路500は、学習データ生成機能500dにより、生成された時系列データと特定された参照画像とに基づいて、学習データを生成する。
【0128】
処理回路500は、生成した学習データを例えば記憶回路12に記憶させ、処理を終了する。
【0129】
以上説明したように、学習例に係る医用情報処理装置は、手技中において、第1のデータと、第1のデータとは異なる第2のデータとを取得する。そして、医用情報処理装置は、記憶された複数の医用画像から参照画像が選択されたことを契機として、選択された時点よりも前に取得された第1のデータおよび第2のデータに少なくとも基づいて、時系列データを生成し、当該時系列データと参照画像とに基づいて、学習データを生成する。
【0130】
また、この医用情報処理装置は、第1のデータを第1のデータ形式に変換し、第2のデータを当該第1のデータ形式に変換することにより、当該第1のデータ形式の時系列データを生成することができる。具体的には、この医用情報処理装置は、第1のデータおよび第2のデータをそれぞれテキスト形式に変換することにより、テキスト形式の時系列データを生成することができる。
【0131】
また、この医用情報処理装置は、手技中において、第1のデータと第2のデータとを並行して取得することができる。尚、第2のデータは、第1のデータとはデータ形式が異なっていてもよい。
【0132】
従って、この医用情報処理装置は、参照画像を表示させる機械学習モデルに関する学習データを作成することができるため、手技中における参照画像を表示させる負担を低減することができる。
【0133】
以上説明した少なくとも一つの実施形態によれば、手技中における参照画像を表示させる負担を低減することができる。
【0134】
以上の各実施形態における「プロセッサ」という文言は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)或いは、ASIC、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)、複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)、およびFPGA)などの回路を意味する。
【0135】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0136】
1 X線診断装置
5 サポートフレーム
6 天板
13,400,500 処理回路
13a 画像発生機能
13b,400a,500a 取得機能
13c,400b,500b 変換機能
13d,400c,500c 時系列データ生成機能
13e,400d 特徴量算出機能
13f,400e 画像特定機能
100 医用情報処理装置
200,300 医用情報処理システム
400f 類似画像特定機能
500d 学習データ生成機能