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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-28
(45)【発行日】2023-08-07
(54)【発明の名称】モータユニット
(51)【国際特許分類】
   H02K 11/33 20160101AFI20230731BHJP
   H02K 5/22 20060101ALI20230731BHJP
   H02K 9/19 20060101ALI20230731BHJP
【FI】
H02K11/33
H02K5/22
H02K9/19 Z
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2019080326
(22)【出願日】2019-04-19
(65)【公開番号】P2020068651
(43)【公開日】2020-04-30
【審査請求日】2022-04-04
(31)【優先権主張番号】P 2018198508
(32)【優先日】2018-10-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000232302
【氏名又は名称】ニデック株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000220505
【氏名又は名称】ニデックパワートレインシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【弁理士】
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100188673
【弁理士】
【氏名又は名称】成田 友紀
(74)【代理人】
【識別番号】100179833
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 将尚
(74)【代理人】
【識別番号】100189348
【弁理士】
【氏名又は名称】古都 智
(72)【発明者】
【氏名】中松 修平
(72)【発明者】
【氏名】福永 慶介
(72)【発明者】
【氏名】和田 直大
(72)【発明者】
【氏名】水谷 真澄
【審査官】服部 俊樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-160982(JP,A)
【文献】特開2014-220961(JP,A)
【文献】特開2013-115830(JP,A)
【文献】特開2018-125960(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02K 11/33
H02K 5/22
H02K 9/19
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
モータと、
前記モータを収容するハウジングと、
前記モータと電気的に接続されるインバータと、
前記インバータを収容するインバータケースと、
を備え、
前記インバータケースは前記ハウジングに一体的に設けられるモータユニットにおいて、
前記インバータケースの側面に位置するコネクタに接続される第1コネクタと、前記ハウジングのコネクタに接続される第2コネクタと、前記第1コネクタと前記第2コネクタとを接続する電線と、を有するワイヤハーネスを有し、
前記インバータケースの側面に、側方から前記第1コネクタを覆う側面コネクタカバーを有し、
前記ハウジングは、車両の車軸が接続される車軸接続部を有し、
前記第1コネクタは、前記車軸接続部に接続される前記車軸の径方向外側に位置し、
前記側面コネクタカバーは、前記車軸から見て前記第1コネクタを覆う、
モータユニット。
【請求項2】
前記側面コネクタカバーは、前記第1コネクタと前記車軸との間に位置する底壁部を有し、
前記底壁部の前記車軸側を向く面は、前記車軸と反対側に凸の湾曲形状を有する、
請求項に記載のモータユニット。
【請求項3】
前記側面コネクタカバーは、前記第1コネクタの近傍に位置する前記ハウジングのコネクタを側方から覆う、
請求項1または2に記載のモータユニット。
【請求項4】
前記側面コネクタカバーは、側方から見て、前記インバータケースと前記ハウジングに跨がって配置され、前記インバータケースと前記ハウジングの両方に固定される、
請求項に記載のモータユニット。
【請求項5】
前記インバータケースのホースニップルに接続される冷却水ホースを有し、
前記側面コネクタカバーは、前記冷却水ホースの一部を、前記側面コネクタカバーと前記インバータケースとの間に保持する、
請求項1からのいずれか1項に記載のモータユニット。
【請求項6】
前記第2コネクタは、前記ハウジングの下部に位置するコネクタに接続され、
前記第2コネクタを下側から覆う下部コネクタカバーを有する、
請求項1からのいずれか1項に記載のモータユニット。
【請求項7】
モータと、
前記モータを収容するハウジングと、
前記モータと電気的に接続されるインバータと、
前記インバータを収容するインバータケースと、
を備え、
前記インバータケースは前記ハウジングに一体的に設けられるモータユニットにおいて、
前記インバータケースのコネクタと前記ハウジングのコネクタとの間を接続するワイヤハーネスと、
前記インバータケースのホースニップルと前記ハウジングのホースニップルとの間を接続する冷却水ホースと、
前記ワイヤハーネスと前記冷却水ホースを束ねた状態で前記ハウジングに固定する固定部材と、
を有し、
前記ハウジングは、車両の車軸が接続される車軸接続部を有し、
前記ワイヤハーネスと前記冷却水ホースは、前記車軸に面する位置において、前記冷却水ホースよりも前記ワイヤハーネスが車軸に対して離れて配置される、
モータユニット。
【請求項8】
前記モータは、モータ軸回りに回転するロータと、前記ロータと径方向に対向するステータとを有し、
前記モータ軸は、前記車軸と平行に配置され、
前記ワイヤハーネスと前記冷却水ホースは、前記車軸に面する位置において、径方向に並んで配置される、
請求項に記載のモータユニット。
【請求項9】
前記固定部材は、
前記ハウジングに固定されるベース部と、
前記ワイヤハーネスおよび前記冷却水ホースの少なくとも一方を挟んで保持する複数の保持部と、
を有する、
請求項またはに記載のモータユニット。
【請求項10】
前記複数の保持部の少なくとも1つは、前記ワイヤハーネスの前記車軸側への移動を阻止する、
請求項に記載のモータユニット。
【請求項11】
前記ベース部は、前記ハウジングにボルト締結され、
前記複数の保持部の少なくとも1つは、前記ワイヤハーネスまたは前記冷却水ホースを、前記ボルトの頭部との間に挟んで保持する、
請求項10に記載のモータユニット。
【請求項12】
前記ワイヤハーネスと前記冷却水ホースを前記固定部材に締結する結束バンドを有する、
請求項から11のいずれか1項に記載のモータユニット。
【請求項13】
前記固定部材は、前記ワイヤハーネスと前記冷却水ホースとを前記ハウジングに締結する結束バンドである、
請求項またはに記載のモータユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、モータユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両の車軸を回転させるモータユニットが知られる(例えば特許文献1参照)。
特許文献1に記載のモータユニットの周辺には、モータユニットに接続される各種のワイヤハーネスが引き回される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2012-175853号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
車軸を回転させるモータユニットは、車両の下面の近くに配置される。モータユニットの下面は、路面に面している為、モータユニットに搭載される電気部品は、車両の下面に進入する飛び石、路面水などから保護する必要があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の1つの態様によれば、モータと、前記モータを収容するハウジングと、前記モータと電気的に接続されるインバータと、前記インバータを収容するインバータケースと、を備え、前記インバータケースは前記ハウジングに一体的に設けられるモータユニットにおいて、前記インバータケースの側面に位置するコネクタに接続される第1コネクタと、前記ハウジングのコネクタに接続される第2コネクタと、前記第1コネクタと前記第2コネクタとを接続する電線と、を有するワイヤハーネスを有し、前記インバータケースの側面に、側方から前記第1コネクタを覆う側面コネクタカバーを有前記ハウジングは、車両の車軸が接続される車軸接続部を有し、前記第1コネクタは、前記車軸接続部に接続される前記車軸の径方向外側に位置し、前記側面コネクタカバーは、前記車軸から見て前記第1コネクタを覆う、モータユニット。
【発明の効果】
【0006】
本発明の1つの態様によれば、搭載される電気部品を保護できるモータユニットが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、実施形態のモータユニットを上側から見た斜視図である。
図2図2は、実施形態のモータユニットを下側から見た斜視図である。
図3図3は、実施形態のモータユニットの側面図である。
図4図4は、側面コネクタカバーを取り外した状態を示す斜視図である。
図5図5は、下部コネクタカバーを取り外した状態を示す斜視図である。
図6図6は、側面コネクタカバーおよび車軸接続部を示す側面図である。
図7図7は、固定部材の取付状態を示す部分斜視図である。
図8図8は、固定部材の斜視図である。
図9図9は、固定部材における冷却水ホースおよびワイヤハーネスの取り回しを示す図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下の説明では、図1に示す本実施形態のモータユニット1が水平な路面上に位置する車両に搭載された場合の位置関係を基に、鉛直方向を規定して説明する。また、図面においては、適宜3次元直交座標系としてXYZ座標系を示す。XYZ座標系において、Z軸方向は、+Z側を上側とし、-Z側を下側とする鉛直方向である。X軸方向は、Z軸方向と直交する方向であってモータユニット1が搭載される車両の前後方向である。本実施形態において、+X側は、車両の前側であり、-X側は、車両の後側である。Y軸方向は、X軸方向とZ軸方向との両方と直交する方向であって、車両の左右方向である。本実施形態において、+Y側は、車両の左側であり、-Y側は、車両の右側である。本実施形態において、右側は、軸方向一方側に相当し、左側は、軸方向他方側に相当する。また、本実施形態において、前後方向は、所定方向に相当する。
【0009】
なお、前後方向の位置関係は、本実施形態の位置関係に限られず、+X側が車両の後側であり、-X側が車両の前側であってもよい。この場合には、+Y側は、車両の右側であり、-Y側は、車両の左側である。
【0010】
各図に適宜示すモータ軸J1は、Y軸方向、すなわち車両の左右方向に延びる。以下の説明においては、特に断りのない限り、モータ軸J1に平行な方向を単に「軸方向」と呼び、モータ軸J1を中心とする径方向を単に「径方向」と呼び、モータ軸J1を中心とする周方向、すなわち、モータ軸J1の軸回りを単に「周方向」と呼ぶ。なお、本明細書において、「平行な方向」は略平行な方向も含み、「直交する方向」は略直交する方向も含む。
【0011】
モータユニット1は、ハイブリッド自動車(HEV)、プラグインハイブリッド自動車(PHV)、電気自動車(EV)等、モータを動力源とする車両に搭載され、その動力源として使用される。図1から図4に示すように、モータユニット1は、ハウジング10と、モータ20と、インバータユニット40と、を備える。また、図示は省略するが、モータユニット1は、減速装置と、差動装置と、を備える。
【0012】
ハウジング10は、モータ20、図示しない減速装置、および図示しない差動装置を収容する。図示は省略するが、ハウジング10の内部には、オイルが収容される。図1から図3に示すように、ハウジング10は、モータハウジング11と、ギヤハウジング12と、モータカバー13と、を有する。
【0013】
モータハウジング11は、図2に示すように、モータハウジング本体部11aと、連結部11bと、を有する。モータハウジング本体部11aは、モータ軸J1を囲んで軸方向に延びる筒状である。モータハウジング本体部11aは、図示の-Y側である右側に開口する。モータハウジング本体部11aは、モータ20を収容する。連結部11bは、モータハウジング本体部11aの左側の端部に設けられる。連結部11bは、モータハウジング本体部11aよりも後側に突出する。
【0014】
モータハウジング11は、筒状のモータハウジング本体部11aの表面に、複数のリブ11Aを有する。複数のリブ11Aは、モータハウジング本体部11aの径方向の端部において周方向に延びるリブと、軸方向に延びるリブと、を含む。複数のリブ11Aが設けられていることにより、モータハウジング11の剛性を向上させ、モータ20駆動時のモータハウジング11の振動に起因する騒音を低減できる。
【0015】
ギヤハウジング12は、モータハウジング11の左側に固定される。より詳細には、ギヤハウジング12の右側の端部は、連結部11bにネジで固定される。図示は省略するが、ギヤハウジング12は、右側に開口する。ギヤハウジング12は、第1収容部12aと、第2収容部12bと、を有する。第1収容部12aは、モータハウジング本体部11aの左側に位置する。第1収容部12aは、図示しない減速装置を収容する。第2収容部12bは、第1収容部12aの後側に繋がる。第2収容部12bは、連結部11bのうちモータハウジング本体部11aよりも後側に突出した部分の左側に位置する。第2収容部12bは、図示しない差動装置を収容する。第1収容部12aは、第2収容部12bよりも左側に突出する。
【0016】
モータカバー13は、モータハウジング11の右側に固定される。より詳細には、モータカバー13は、モータハウジング本体部11aの右側の端部にネジで固定される。図1に示すように、モータカバー13は、モータハウジング本体部11aの右側の開口を塞ぐ。
【0017】
モータ20は、図示しないロータと、図示しないステータとを有する。モータ20のロータは、モータ軸J1を中心として回転する。モータ20のロータは、ギヤハウジング12に収容される図示しない減速装置と接続される。モータ20の回転は、図示しない減速装置によって減速されて、図示しない差動装置に伝達される。差動装置は、モータ20から出力されるトルクを車両の車軸に伝達する。差動装置は、モータ軸J1と平行な差動軸J2を中心として回転するリングギヤを有する。リングギヤには、モータ20から出力されるトルクが減速装置を介して伝えられる。
【0018】
図2に示すように、ハウジング10は、連結部11bに、車軸接続部11cを有する。
車軸接続部11cは、差動軸J2を中心とする円形状の開口部を有する。車両の車軸は、車軸接続部11cの開口部に挿入され、差動装置のリングギヤと接続される。車両の車軸は、差動軸J2を中心として軸回りに回転される。
【0019】
図1および図2に示すように、モータユニット1は、補機としてオイルポンプ30、オイルクーラー35および電動アクチュエータ36を有する。オイルポンプ30およびオイルクーラー35はハウジング10の下部に配置される。オイルクーラー35は、モータユニット1の前端下部に位置する。オイルポンプ30は、オイルクーラー35の後側に位置する。電動アクチュエータ36はハウジング10の前部に配置される。電動アクチュエータ36はパーキングロック機構の駆動装置である。
【0020】
オイルポンプ30は、モータ軸J1に沿って配置される。オイルポンプ30は、図5に示すように、右側の端部に、コネクタ31と、ヒートシンク32とを備える。ヒートシンク32は、オイルポンプ30のカバー部材に設けられる。ヒートシンク32は、オイルポンプ30に内蔵される回路基板を冷却する。
【0021】
図1および図2に示すように、インバータユニット40は、ハウジング10の後側に位置する。インバータユニット40は、インバータケース41を有する。インバータケース41内には、図示しないインバータが収容される。インバータケース41内のインバータは、モータ20のステータと電気的に接続され、モータ20を駆動する。
【0022】
インバータケース41は、ハウジング10に固定される。すなわち、インバータケース41はハウジング10に一体的に設けられる。本実施形態においてインバータケース41は、ハウジング10の径方向外側面に固定される。より詳細には、インバータケース41は、モータハウジング本体部11aの径方向外側面のうち後側の部分に固定される。すなわち、インバータケース41は、軸方向と直交する前後方向においてハウジング10の後側に固定される。
【0023】
図1に示すように、インバータケース41は、軸方向に延びる略矩形箱状である。インバータケース41は、インバータケース本体部42と、インバータカバー43と、を有する。インバータケース本体部42は、上側に開口し、軸方向に長い略矩形箱状である。
インバータカバー43は、インバータケース本体部42の上側の開口を塞ぐ。インバータカバー43は、第1カバー43aと、第2カバー43bと、を有する。第1カバー43aと第2カバー43bとは、互いに別部材である。インバータケース41において、第1カバー43aが取り付けられる部分には、図示しないインバータが収容される。インバータケース41において、第2カバー43bが取り付けられる部分には、インバータに接続される図示しないバスバーが収容される。
なお、ハウジング10の外表面には複数のリブが形成されている。これにより、モータ20の回転より発生する振動や、振動により発生する音を効果的に抑制することができる。また、ハウジング10の-Y側である右側の側面には第1取付部10aが、ハウジング10の+Y側である左側の側面には第2取付部10bが、ハウジング10の後ろ側には、第3取付部10cが設けられる。これにより、図示しない車両のサブフレームにモータユニット1を強固に固定することができる。
【0024】
(コネクタカバー)
図1から図3に示すように、モータユニット1の-Y側である右側の側面には、ワイヤハーネス60と、冷却水ホース70とが引き回される。具体的に、ワイヤハーネス60および冷却水ホース70は、インバータケース41の右側の側面からモータカバー13の下側の端部に沿って下側へ延び、ハウジング10の下側へ回り込む。
【0025】
モータユニット1は、図1から図3に示すように、ワイヤハーネス60および冷却水ホース70のインバータケース41側の端部に、側面コネクタカバー81を有する。またモータユニット1は、ワイヤハーネス60および冷却水ホース70のモータハウジング11下部側の端部に、下部コネクタカバー82を有する。すなわち、モータユニット1において、側面コネクタカバー81と下部コネクタカバー82の間に、ワイヤハーネス60と冷却水ホース70が延びている。なお、本実施形態において、冷却水ホース70はあらかじめ所定形状に形成された成形ホースである。
【0026】
<ワイヤハーネス接続構造>
ワイヤハーネス60は、図4および図5に示すように、インバータケース41のコネクタ44に接続される第1コネクタ61と、ハウジング10の下部に位置するオイルポンプ30のコネクタ31に接続される第2コネクタ62と、第1コネクタ61と第2コネクタ62とを接続する電線63とを有する。
【0027】
インバータケース41は、図4に示すように、インバータケース本体部42の右側面の前方側の角部に、コネクタ44を有する。コネクタ44は、インバータケース本体部42の角部から斜め前方側へ突出する。コネクタ44は、インバータケース41とモータハウジング11の前後方向の隙間部分に位置する。コネクタ44に、ワイヤハーネス60の第1コネクタ61が接続される。
【0028】
インバータケース41において、コネクタ44の下側に、モータハウジング11の後ろ側を向く面から突出するコネクタ14が配置される。モータハウジング11のコネクタ14は、コネクタ44の一部の端子と接続される。図示は省略するが、コネクタ14に接続されるワイヤハーネスは、第1コネクタ61に接続される電線と、コネクタ14に接続されるコネクタとを有する。モータハウジング11のコネクタ14は、モータハウジング11の背面から右斜め後方へ突出する。すなわち、コネクタ14の突出方向は、インバータケース41のコネクタ44の突出方向と交差する方向である。本実施形態の場合、コネクタ14の突出方向と、コネクタ44の突出方向とは、上側から見てほぼ直交する。
【0029】
図5に示すように、ハウジング10の下部には、オイルポンプ30とオイルクーラー35が配置される。オイルポンプ30は、電源および信号入力用のコネクタ31を有する。
ワイヤハーネス60の第2コネクタ62は、オイルポンプ30のコネクタ31に接続される。
【0030】
<冷却水ホース接続構造>
冷却水ホース70は、図4および図5に示すように、インバータケース41の右側の側面から突出するホースニップル71と、ハウジング10の下部に位置するホースニップル72とに接続される。
【0031】
インバータケース41は、インバータケース本体部42の右側面の下部に、2つのホースニップル71、73を有する。ホースニップル71、73のうち後方側に位置するホースニップル73は、インバータケース41への冷却水供給口である。ホースニップル73には、図示しない冷却水ホースが接続される。ホースニップル71、73のうち前方側に位置するホースニップル71は、インバータケース41からの冷却水排出口である。
【0032】
ハウジング10の下部のホースニップル72は、モータハウジング11に取り付けられるオイルクーラー35への冷却水供給口である。ハウジング10は、図示は省略するが、オイルクーラー35からの冷却水排出口としてのホースニップルを有する。冷却水ホース70の下側の端部は、ホースニップル72に接続される。
【0033】
ホースニップル72と、オイルポンプ30のコネクタ31とは、ハウジング10の下部において近接する位置に配置される。具体的に、オイルクーラー35とオイルポンプ30とは前後に並んで配置される。オイルクーラー35に接続されるホースニップル72は、オイルクーラー35の後ろ側の端部に位置する。オイルポンプ30のコネクタ31は、オイルポンプ30の前側の端部に位置する。
【0034】
<側面コネクタカバー>
側面コネクタカバー81は、図3に示すように、インバータケース41のコネクタ44およびワイヤハーネス60の第1コネクタ61と、ハウジング10のコネクタ14と、冷却水ホース70の一部とを、側方から覆う。
したがって、本実施形態のモータユニット1は、インバータケース41およびハウジング10の右側面に、側方から第1コネクタ61を覆う側面コネクタカバー81を有する。
この構成によれば、車両の側面から衝撃が加えられた場合でも、側面コネクタカバー81により第1コネクタ61が保護されるので、衝突時にもワイヤハーネス60が断線しにくい。
【0035】
また本実施形態では、側面コネクタカバー81は、ハウジング10のコネクタ14も側方から覆っているため、コネクタ44とコネクタ14とを接続するワイヤハーネスも側面コネクタカバー81により保護される。
【0036】
側面コネクタカバー81は、図2および図3に示すように、下側を向く底壁部81aと、底壁部81aの後ろ側に開口する後方開口部81bと、底壁部81aの前側に開口する前方開口部81cとを有する。底壁部81aは、図3に示すように、車軸接続部11cの上側に位置する。底壁部81aの上側に、図4に示すコネクタ14、コネクタ44および第1コネクタ61が配置される。車軸接続部11cに接続される車軸から見ると、底壁部81aは、コネクタ14、コネクタ44および第1コネクタ61を覆っている。
【0037】
すなわち、本実施形態のモータユニット1は、ハウジング10は、車両の車軸が接続される車軸接続部11cを有し、インバータケース41のコネクタ44は、車軸接続部11cに接続される車軸の径方向外側に位置し、側面コネクタカバー81は、車軸から見て第1コネクタ61を覆う構成を備える。
【0038】
この構成によれば、モータユニット1の下部において回転する車軸に飛び石が当たって上側へ跳ねたり、車軸に付着した液体が飛散した場合でも、第1コネクタ61は側面コネクタカバー81の底壁部81aにより保護される。したがって、車両走行時の飛び石などからコネクタを効果的に保護できる。
【0039】
底壁部81aの下面は、図2および図6に示すように、車軸接続部11cに接続される車軸の湾曲に沿って延びる上側に凸の湾曲面である。底壁部81aの下面が湾曲面であることにより、車軸で跳ねて飛んでくる石等の異物を、底壁部81aの下面によって路面側に跳ね返すことができる。これにより、側面コネクタカバー81で跳ね返った異物が、モータユニット1の他の部位に当たったり、付着したりするのを抑制できる。
また、車軸は図示しないブーツを有しており、車軸よりも径方向が大きくなる。底壁部81aを有することで、高速回転時に段差等を乗り上げた際に、車軸がたわみブーツがコネクタ等に接触することを防止する事ができる。
【0040】
また本実施形態の場合、側面コネクタカバー81は、図3に示すように、冷却水ホース70の一部を、側面コネクタカバー81とインバータケース41との間に保持する。冷却水ホース70は、側面コネクタカバー81の後ろ側の端部は、後方開口部81bにおいてホースニップル71と接続される。冷却水ホース70の前側の部分は、側面コネクタカバー81の前方開口部81cから前側の下方へ延びる。
【0041】
この構成によれば、冷却水ホース70が、モータユニット1の右側へ張り出さない位置に保持されるため、モータユニット1の軸方向長さを小さくできる。また、モータユニット1を車両に搭載する際に、冷却水ホース70が邪魔になりにくいため、作業性が向上する。また、上記構成によれば、冷却水ホース70と車両のフレームなどが接触するのを抑制できるので、冷却水ホース70の意図しない摩耗または破損を抑制できる。
【0042】
側面コネクタカバー81は、側方から見て、インバータケース41とハウジング10に跨がって配置され、インバータケース41とハウジング10の両方に固定される。具体的には、図3に示すように、側面コネクタカバー81は、ボルト91によりインバータケース41に固定され、2本のボルト92、93によりハウジング10のモータカバー13に固定される。
【0043】
この構成によれば、側面コネクタカバー81によって、インバータケース41のコネクタ44と、ハウジング10のコネクタ14の両方をより確実に保護できる。仮に、側面コネクタカバー81をインバータケース41にのみ固定する場合、ハウジング10のコネクタ14を覆う部分の側面コネクタカバー81は固定されないため、振動して音が発生したり、ハウジング10と側面コネクタカバー81との隙間から飛び石や水が浸入しやすくなる。したがって本実施形態の構成によれば、側面コネクタカバー81によるコネクタ保護がより確実になる。
【0044】
側面コネクタカバー81は、図3に示すように、インバータケース41のコネクタ44およびワイヤハーネス60の第1コネクタ61と、ハウジング10のコネクタ14と、冷却水ホース70の一部とを、側方から覆う。
したがって、本実施形態のモータユニット1は、インバータケース41およびハウジング10の右側面に、側方から第1コネクタ61を覆う側面コネクタカバー81を有する。
この構成によれば、車両の側面から衝撃が加えられた場合でも、側面コネクタカバー81により第1コネクタ61が保護されるので、衝突時にもワイヤハーネス60が断線しにくい。
【0045】
<下部コネクタカバー>
下部コネクタカバー82は、図2および図5に示すように、ハウジング10の下部において、オイルポンプ30のコネクタ31と、コネクタ31に接続されるワイヤハーネス60の第2コネクタ62と、ハウジング10のホースニップル72とを下側から覆う。下部コネクタカバー82は、図2および図3に示すように、右側に開口する開口部82aを有する。ワイヤハーネス60および冷却水ホース70は、開口部82aを通って、下部コネクタカバー82内に挿入される。下部コネクタカバー82は、図2に示すボルト93を含む複数のボルトによりモータハウジング11の下面に固定される。
【0046】
したがって、本実施形態のモータユニット1は、ハウジング10の下部に、第2コネクタ62を下側から覆う下部コネクタカバー82を有する。この構成によれば、車両の下面に露出するモータユニット1の下部において、飛び石や路面水などから第2コネクタ62が保護されるので、コネクタおよびその周辺においてワイヤハーネス60の断線が生じにくい。
【0047】
また本実施形態のモータユニット1によれば、オイルポンプ30などの電子部品をモータユニット1の下部に配置した場合でも、下部コネクタカバー82によってワイヤハーネス60の第2コネクタ62が保護される。すなわち、本実施形態のモータユニット1では、断線の可能性があるコネクタおよびその周辺部分をモータユニット1の下部に配置可能である。したがって本実施形態によれば、モータユニット1における電子部品の配置の制限が少なくなる。
【0048】
また、本実施形態のモータユニット1は、インバータケース41のホースニップル71と、ハウジング10のホースニップル72とに接続される冷却水ホース70を有し、下部コネクタカバー82は、第2コネクタ62とハウジング10のホースニップル72とを下側から覆う構成を備える。この構成によれば、冷却水ホース70の接続部分も飛び石から保護される。
【0049】
本実施形態では、オイルポンプ30のコネクタ31とホースニップル72が近接して配置されているので、コネクタ31およびホースニップル72を覆う下部コネクタカバー82を小さくできる。これにより、モータユニット1の下部において、飛び石からの保護が必要な部分のみを下部コネクタカバー82により覆う一方、例えば冷却が必要な部分については下部コネクタカバー82により覆わない構成とすることができる。
【0050】
具体的に、本実施形態のモータユニット1は、オイルポンプ30は、オイルポンプ30の内部部品を冷却するヒートシンク32を有し、ヒートシンク32は、下部コネクタカバー82の外側に位置する構成を備える。この構成によれば、ヒートシンク32がモータユニット1の下部に露出されるので、車両走行時にヒートシンク32およびオイルポンプ30の内部部品が効率よく冷却される。
【0051】
<チューブ保持構造>
車両に搭載されるモータユニットでは、特許文献1に記載のように、モータおよびギヤの周囲に、ケーブルおよびホースが引き回される。上記ケーブルおよびホースは、車軸などの可動部との接触を防ぐために、モータユニットまたは車両のフレームに固定する必要がある。本実施形態のモータユニット1は、ケーブルおよびホースを効率的に固定できる固定部材100を備える。
【0052】
固定部材100は、図7に示すように、モータカバー13の右側(-Y側)を向く面に固定される。本実施形態の場合、固定部材100は、2本のボルト131、132を用いてモータカバ-13に締結される。より詳細には、モータカバー13は、モータハウジング11に締結されるカバー本体13aと、カバー本体13aから右側に突出する筒部13bと、筒部13bの右側の端部に固定される蓋部13cと、を有する。固定部材100は、カバー本体13aの右側(-Y側)を向く面にボルト締結される。筒部13bは軸方向に見て多角形状であり、固定部材100は、筒部13bの後方下側を向く平坦面に沿って配置される。
【0053】
固定部材100は、図8に示すように、一方向に延びる細長い板状のベース部110を有する。ベース部110は、ベース部110を板厚方向に貫通する2つのネジ挿入孔110a、110bと、貫通孔110cと、を有する。すなわち固定部材100は、ハウジング10に固定されるベース部110を有する。
【0054】
以下の説明では、図8に示すように、ベース部110の延びる方向をA軸、ベース部110の板面に直交する板厚方向をB軸、A軸およびB軸に直交し、ベース部110の板面に沿って延びる方向をC軸とする座標系を適宜用いる。また説明において、固定部材100の-A側をホルダ基端側、+A側をホルダ先端側、-B側をホルダ正面側、+B側をホルダ裏面側、+C側をホルダ上部側、-C側をホルダ下部側と呼ぶことがある。本実施形態の場合、図8におけるB軸は、モータ軸J1が延びる方向であるY軸と平行である。
【0055】
固定部材100は、ベース部110のホルダ下部側(-C側)の長辺から、ベース部110の外側(-C方向)へ延びる第1保持部101を有する。固定部材100は、ベース部110のホルダ正面側(-B側)の板面110dから、ホルダ正面方向(-B側)に突出する第2保持部102、第3保持部103、および第4保持部104を有する。
【0056】
ベース部110において、ネジ挿入孔110aと、貫通孔110cと、ネジ挿入孔110bは、ベース部110の延びる方向(A軸方向)に沿ってこの順に並ぶ。
第1保持部101は、ホルダ下部側(-C側)へ向かうに従って、ホルダ正面側(-B側)に湾曲する。第1保持部101は、ベース部110が延びる方向(A軸方向)の中央部に、第1保持部101を板厚方向に貫通する結束バンド挿入孔101aを有する。
【0057】
第2保持部102は、ベース部110の延びる方向における中央部から、ベース部110のホルダ正面側(-B側)へ突出する。第2保持部102は、ホルダ正面側の先端部に、ホルダ上部側(+C側)に向かって折れ曲がる鉤部102aを有する。第2保持部102は、ベース部110の延びる方向(A軸方向)に沿って見て概ねL形である。鉤部102aは、ホルダ上部側の端部に、ホルダ下部側(-C側)に凹む凹部102bを有する。凹部102bには、図9に示すように、結束バンド挿入孔101aに通される結束バンド115を引っ掛けることができる。
【0058】
第2保持部102のホルダ裏面側(+B側)の端部は、貫通孔110cのホルダ下部側の辺縁に位置する。第2保持部102は、ホルダ裏面側の端部に、ホルダ正面側へ凹む凹部102cを有する。凹部102cには、図9に示すように、結束バンド挿入孔101aに通される結束バンド115を引っ掛けることができる。第2保持部102のホルダ基端側(-A側)にネジ挿入孔110aが位置し、ホルダ先端側(+A側)にネジ挿入孔110bが位置する。
【0059】
第3保持部103は、ベース部110のホルダ基端側の端部に位置する。第3保持部103は、ネジ挿入孔110aよりもホルダ基端部側に位置する。第3保持部103は、ベース部110のホルダ上部側の長辺からホルダ正面側に突出する。第3保持部103は、矩形の板状の突起である。図8において、第3保持部103の板面は固定部材100の上下方向(C軸方向)を向く。
【0060】
第4保持部104は、ベース部110のホルダ先端側の端部に位置する。第4保持部104は、ネジ挿入孔101bよりもホルダ先端側に位置する。第4保持部104は、ベース部110のホルダ上部側(+C)側の端部からホルダ正面側に突出する。第4保持部104は、第4保持部104の突出方向に沿って延びる柱状である。
【0061】
第4保持部104は、固定部材100の上下方向(C軸方向)において、第3保持部103の板厚よりも大きい太さを有する。すなわち、第4保持部104のホルダ下部側(-C側)の面は、第3保持部103のホルダ下部側の面よりもホルダ下部側に位置する。第4保持部104は、ホルダ下部側を向く面に、ワイヤハーネス60を押さえる押さえ面104aを有する。
【0062】
固定部材100は、図7に示すように、ネジ挿入孔110a、110bに通される2本のボルト131、132により、モータカバー13のカバー本体13aに締結される。ボルト131、132の頭部は、ベース部110の板面110dからホルダ正面側に突出する。固定部材100の第1保持部101~第4保持部104は、モータカバー13からモータユニット1の右側(-Y側)に突出する。
【0063】
固定部材100の第3保持部103および第4保持部104は、モータカバー13の筒部13bの外周面に沿って配置される。すなわち、モータ軸J1の径方向において、固定部材100の第1保持部101は、第2保持部102~第4保持部104よりも外側に位置する。
【0064】
固定部材100は、図1図3に示すように、インバータユニット40の右側面からモータハウジング11の下部へ延びるワイヤハーネス60および冷却水ホース70を保持する。ワイヤハーネス60および冷却水ホース70は、引き回し経路の中間位置において、固定部材100によりモータカバー13に固定される。すなわちワイヤハーネス60および冷却水ホース70は、固定部材100によりハウジング10に固定される。
【0065】
図9に示すように、冷却水ホース70は、固定部材100の第1保持部101と第2保持部102との間に配置される。冷却水ホース70は、第1保持部101のホルダ上部側を向く面と、第2保持部102のホルダ下部側を向く面との間に挟まれる。
【0066】
ワイヤハーネス60の電線63は、第2保持部102~第4保持部104に保持される。電線63は、図4に示したコネクタ44からモータユニット1の下部側へ延びる。電線63は、図9に示すように、冷却水ホース70に沿って延び、固定部材100のホルダ基端側(-A側)から、第3保持部103のホルダ下部側(-C側)を通り、第2保持部102のホルダ上部側(+C側)を経由して第4保持部104のホルダ下部側から固定部材100の外側(+A側)へ引き出される。
【0067】
電線63は、第2保持部102のホルダ上部側(+C側)を向く面と、第3保持部103のホルダ下部側(-C側)を向く面と、第4保持部104のホルダ下部側を向く面とによって、固定部材100の上下方向(C軸方向)に挟まれて保持される。本実施形態の場合、電線63は、第3保持部103および第4保持部104によってホルダ下部側へ押され、第2保持部102の位置でホルダ上部側に押されることにより固定部材100上で緩やかに蛇行する。これにより、電線63は、第2保持部102~第4保持部104にしっかりと保持される。
したがって固定部材100によれば、第1保持部101~第4保持部104によって、ワイヤハーネス60と冷却水ホースとを、簡便な構造で安定に保持できる。
【0068】
また本実施形態では、電線63は、ボルト131のホルダ正面側(-B側)を向く面と、第2保持部102の鉤部102aのホルダ裏面側(+B側)を向く面と、ボルト132のホルダ正面側を向く面とによって、固定部材100の奥行き方向(A軸方向)に挟まれて保持される。したがって固定部材100によれば、ワイヤハーネス60を、複数の方向から挟み、より安定に保持できる。
【0069】
また、図7および図1~3に示すように、固定部材100が配置される位置は、モータハウジング11の周方向において、車軸接続部11cに接続される車軸に面する周方向位置に該当する。ワイヤハーネス60の電線63と冷却水ホース70は、車軸に面する位置において、径方向に並んで配置され、第2保持部102は、電線63と冷却水ホース70との間に位置する。この構成によれば、固定部材100は、第2保持部102によって、電線63が車軸側に移動するのを阻止することができる。よって本実施形態によれば、モータユニット1の周囲に引き回されるワイヤハーネス60を効果的に保護できる。
【0070】
また本実施形態では、固定部材100の第4保持部104が、押さえ面104aを有しており、押さえ面104aが第3保持部103のホルダ下部側を向く面よりもホルダ下部側に位置する。この構成によれば、図9に示すように、固定部材100のホルダ先端側の端部において、電線63をホルダ下部側に向けて曲げ、冷却水ホース70のベース部110側(+B側)を通すことができる。これにより、固定部材100から外側へ延びる電線63が、車軸から見て冷却水ホース70の裏側に配置される。その結果、電線63と車軸との接触をさらに生じにくくすることができる。また、押さえ面104aによって電線63を大きく曲げることで、固定部材100が電線63を保持する力が大きくなるため、固定部材100は電線63をより安定に保持できる。
【0071】
なお、本実施形態では、第1保持部101と第2保持部102との間に冷却水ホース70が保持され、第2保持部102と、第3保持部103および第4保持部104との間にワイヤハーネス60が保持される構成としたが、この構成に限定されない。すなわち、第1保持部101と第2保持部102との間にワイヤハーネス60が保持され、第2保持部102~第4保持部104によって冷却水ホース70が保持される構成としてもよい。ただし、この場合には、固定部材100は、ワイヤハーネス60を保持する第1保持部101側を、車軸に対して反対側に向けてハウジング10に固定される。
【0072】
また本実施形態では、ベース部110と第1保持部101~第4保持部104を有する固定部材100を用いることによって、ワイヤハーネス60の電線63を、車軸から見て冷却水ホース70よりも遠くに配置する構成としたが、本実施形態の固定部材100を用いない構成としてもよい。例えば、固定部材として結束バンドを用いてもよい。すなわち、結束バンドを用いて、ワイヤハーネス60と冷却水ホース70とを束ねた状態でモータカバー13またはモータハウジング11に固定してもよい。この場合においても、ワイヤハーネス60が、車軸から見て冷却水ホース70よりも離れた位置に配置されていれば、ワイヤハーネス60と車軸との接触を抑制し、ワイヤハーネス60を保護する効果を得ることができる。
【0073】
本明細書において説明した各構成は、相互に矛盾しない範囲内において、適宜組み合わせることができる。
【0074】
本明細書において説明した各構成は、相互に矛盾しない範囲内において、適宜組み合わせることができる。本発明においては、インバータケース41に設けられたコネクタ44とオイルポンプ30のコネクタ31との接続構造において説明したが、インバータケース41との接続先はオイルポンプ30以外の補機でも可能である。例えば、パーキングロック機構の電動アクチュエータ36などでもよい。
【0075】
本実施形態では、ワイヤハーネス60および冷却水ホース70が、インバータケース41の側面からハウジング10の下面へ延びる構成としたが、この構成に限定されない。例えば、ワイヤハーネス60および冷却水ホース70の少なくとも一方が、インバータケース41の上面または背面、あるいは下面から、ハウジング10の下面へ延びる構成であってもよい。
【0076】
冷却水ホース70は成形ホースであると好ましいが、シリコン等のホースでもよいし、成形されていない可撓性を有するホースでもよい。
【0077】
本実施形態では、別々のケースであるハウジング10とインバータケース41とが連結されて一体化される構成としたが、ハウジング10とインバータケース41とが単一の部材である構成としてもよい。
【符号の説明】
【0078】
1…モータユニット、10…ハウジング、14,31,44…コネクタ、20…モータ
、30…オイルポンプ、32…ヒートシンク、41…インバータケース、60…ワイヤハ
ーネス、61…第1コネクタ、62…第2コネクタ、63…電線、70…冷却水ホース、
71,72,73…ホースニップル、81…側面コネクタカバー、82…下部コネクタカ
バー
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