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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-28
(45)【発行日】2023-08-07
(54)【発明の名称】貯蔵庫
(51)【国際特許分類】
   F25D 23/02 20060101AFI20230731BHJP
【FI】
F25D23/02 305A
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2019085824
(22)【出願日】2019-04-26
(65)【公開番号】P2020180766
(43)【公開日】2020-11-05
【審査請求日】2022-03-14
(73)【特許権者】
【識別番号】000194893
【氏名又は名称】ホシザキ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001036
【氏名又は名称】弁理士法人暁合同特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】加藤 貴芳
【審査官】森山 拓哉
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-035551(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F25D 23/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
貯蔵庫本体と、一対の扉と、一対の前記扉にそれぞれ取り付けられるドアパッキンおよびセンターシールと、を備える貯蔵庫であって、
前記貯蔵庫本体は、前方に開口する開口部を有する箱状をなしており、
一対の前記扉は、観音開き式の扉とされ、前記開口部に前後方向に開閉可能にそれぞれ取り付けられており、
前記ドアパッキンは、前記扉の後面に取り付けられ、前記開口部と前記後面との間をシールし、
一対の前記扉における互いに対向する側の端部には、前記センターシールを保持する保持部がそれぞれ設けられており、
一対の前記扉における前記保持部は、前記センターシールを保持する保持本体部を有し、前記保持本体部と前記ドアパッキンとの間には隙間が設けられており、
前記センターシールは、前記保持本体部に取り付けられる取付部と、他方の前記センターシールと当接することで一対の前記扉の間をシールするシール部と、前記隙間を後方から覆うヒレ部と、を備え、
前記隙間内には、前記ヒレ部が前記隙間内に入り込むことを抑制する抑制部が設けられ
前記抑制部は、前記扉側から前記ヒレ部側に延びる長手状に構成された部分を含み、その長手方向の先端が前記ヒレ部と離間する形で前記隙間内に配されている貯蔵庫。
【請求項2】
前記抑制部は、前記保持部における前記保持本体部から前記ドアパッキンに向けて突出し、さらに前記ヒレ部に向けて突出するL字状の突起とされる請求項1に記載の貯蔵庫。
【請求項3】
前記抑制部は、前記ドアパッキンに溶着され、前記保持本体部側に向けて突出する樹脂材とされる請求項1に記載の貯蔵庫。
【請求項4】
一対の前記扉における互いに対向する側面と交差する上側の側面部および下側の側面部の少なくとも一方には、取付部材が取り付けられており、
前記取付部材には、前記抑制部が設けられており、
前記抑制部は、前記取付部材から前記隙間内に向けて突出する突起とされる請求項1に記載の貯蔵庫。
【請求項5】
前記抑制部は、一対の前記扉における互いに対向する側面の延びる方向に長い棒状をなしており、前記隙間に挿通されている請求項1に記載の貯蔵庫。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、貯蔵庫に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、縦型のワイドスルー形式(センターピラーレス)の貯蔵庫として、下記特許文献1に記載のものが知られている。特許文献1には、貯蔵庫本体と、扉と、センターシールと、保持部材と、ドアパッキンと、を備えて構成された冷却貯蔵庫が開示されている。
【0003】
貯蔵庫本体は、開口を有する箱状をなしている。扉は、いわゆる観音開き式の扉であって、貯蔵庫本体の開口に一対設けられている。ドアパッキンは、各扉における貯蔵庫本体の開口縁部と対向する面にそれぞれ設けられている。扉が閉じられると、ドアパッキンは貯蔵庫本体の開口縁部に当接する。これにより、ドアパッキンは、扉と貯蔵庫本体の内部との間をシールする。
【0004】
保持部材は、センターシールを保持する部材である。保持部材は、扉の開閉側端部の端面であって相手側の扉と対向する端面に全高にわたって装着されている。
【0005】
一対のセンターシールは、保持部材に全高にわたって装着されている。扉が閉じられると、一対のセンターシールは相手側のセンターシールに当接する。これにより、扉の開閉側端部間をシールする。
【0006】
センターシールは、第2延出部と、ヒレ部とを備えて構成されている。保持部材におけるドアパッキンと対向する面には、センターシールにおける第2延出部が装着される開口が設けられている。第2延出部とドアパッキンとの間には隙間が生じており、ヒレ部はその隙間を覆うように設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特開2017-187241号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記構成において、例えば貯蔵庫のメンテナンスの際にヒレ部を作業者が掴むことにより、ヒレ部が第2延出部とドアパッキンとの間の隙間に入り込むおそれがある。かかる場合、センターシールが相手側のセンターシール側に押され、センターシール同士が擦れ合うこととなり、センターシールが破損する要因となりうる。
【0009】
本開示は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、センターシールの破損を抑制することが可能な貯蔵庫を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、本開示の貯蔵庫は、貯蔵庫本体と、一対の扉と、一対の前記扉にそれぞれ取り付けられるドアパッキンおよびセンターシールと、を備える貯蔵庫であって、前記貯蔵庫本体は、前方に開口する開口部を有する箱状をなしており、一対の前記扉は、観音開き式の扉とされ、前記開口部に前後方向に開閉可能にそれぞれ取り付けられており、前記ドアパッキンは、前記扉の後面に取り付けられ、前記開口部と前記後面との間をシールし、一対の前記扉における互いに対向する側の端部には、前記センターシールを保持する保持部がそれぞれ設けられており、一対の前記扉における前記保持部は、前記センターシールを保持する保持本体部を有し、前記保持本体部と前記ドアパッキンとの間には隙間が設けられており、前記センターシールは、前記保持本体部に取り付けられる取付部と、他方の前記センターシールと当接することで一対の前記扉の間をシールするシール部と、前記隙間を後方から覆うヒレ部と、を備え、前記隙間内には、前記ヒレ部が前記隙間内に入り込むことを抑制する抑制部が設けられている。
隙間内に抑制部を設けることで、例えばメンテナンス時に作業者がヒレ部を掴むことによりヒレ部が隙間内に巻き込まれることが抑制される。したがって、ヒレ部が隙間内に入り込むことにより生じうるセンターシールの破損を抑制できる。
【0011】
また、前記抑制部は、前記保持部における前記保持本体部から前記ドアパッキンに向けて突出し、さらに前記ヒレ部に向けて突出するL字状の突起とされる構成としても良い。
ヒレ部が隙間内に入り込もうとすると、ヒレ部が保持部に設けられた突起に接触するため、ヒレ部が元の位置に押し返される。これにより、ヒレ部が隙間内に入り込むことを抑制できる。
【0012】
また、前記抑制部は、前記ドアパッキンに溶着され、前記保持本体部に向けて突出する樹脂材とされる構成としても良い。
ヒレ部が隙間内に入り込もうとすると、ヒレ部が樹脂材に接触するため、ヒレ部が元の位置に押し返される。これにより、ヒレ部が隙間内に入り込むことを抑制できる。
【0013】
また、一対の前記扉における互いに対向する側面と交差する上側の側面部および下側の側面部の少なくとも一方には、取付部材が取り付けられており、前記取付部材には、前記抑制部が設けられており、前記抑制部は、前記取付部材から前記隙間内に向けて突出する突起とされる構成としても良い。
ヒレ部が隙間内に入り込もうとすると、ヒレ部が取付部材に設けられた突起に接触するため、ヒレ部が元の位置に押し返される。これにより、ヒレ部が隙間内に入り込むことを抑制できる。
【0014】
また、前記抑制部は、一対の前記扉における互いに対向する側面の延びる方向に長い棒状をなしており、前記隙間に挿通されている構成としても良い。
ヒレ部が隙間内に入り込もうとすると、ヒレ部が隙間内に挿通された棒状の抑制部に接触するため、ヒレ部が元の位置に押し返される。これにより、ヒレ部が隙間内に入り込むことを抑制できる。
【発明の効果】
【0015】
本開示によれば、センターシールの破損を抑制することが可能な貯蔵庫を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1図1は、実施形態1における貯蔵庫の正面図である。
図2図2は、扉を外した状態における貯蔵庫の正面図である。
図3図3は、扉の後方斜視図である。
図4図4は、扉の背面図である。
図5図5は、図4におけるA-A位置における断面に、隣接する扉の断面を追加した断面図である。
図6図6は、実施形態2における扉の断面図である。
図7図7は、実施形態3における扉およびストッパの後方斜視図である。
図8図8は、実施形態4における扉の背面図である。
図9図9は、図8におけるB-B断面図である。
図10図10は、他の実施形態(4)における扉の背面図である。
図11図11は、他の実施形態(4)における扉の背面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
<実施形態1>
本開示の実施形態1を図1から図5によって説明する。まず、実施形態1にかかる貯蔵庫1の全体構成について説明する。ここでは貯蔵庫1としてワイドスルー形式(センターピラーレス)の4ドア式の冷蔵庫を例に説明する。以降の説明では、上下方向における上方は、図1における矢線の方向とする。また、左右方向における右方は、図1図5における矢線の方向とする。また、前後方向における前方および後方は、図5における矢線の方向とする。
【0018】
[貯蔵庫1]
図1に示すように、貯蔵庫1は、貯蔵庫本体10と、扉装置11と、機械室12と、を備えて構成されている。
【0019】
[貯蔵庫本体10]
図2に示すように、貯蔵庫本体10は、前方に開口する開口部10Aを有する箱状をなしている。貯蔵庫本体10の内部は、食材などを貯蔵する貯蔵室14とされる。貯蔵室14は、柱状の部材21によって上下に仕切られている。なお、貯蔵室14には、左右方向の中央において上下方向に延びる柱状の部材(いわゆるセンターピラー)は設けられていない。
【0020】
[機械室12]
機械室12は、貯蔵庫本体10の上方に設けられている。機械室12には冷却サイクルを構成する冷却装置(図示せず)が収容されている。冷却装置は蒸発器や循環ファンなどを備えて構成されている。冷却装置が稼働すると蒸発器によって空気が冷却される。冷却された空気(冷気)は循環ファンによって貯蔵室14内に循環供給される。これにより、貯蔵室14内は冷却される。
【0021】
[扉装置11、扉15A、15B]
図1に示すように、扉装置11は、貯蔵庫本体10の前面に、上下に2組設けられている。各扉装置11は左右一対の観音開き式の扉15A、15Bを備えて構成されている。
【0022】
一対の扉15A、15Bは左右対称の形状とされる。それぞれの扉15A、15Bは、開口部10Aを覆うように貯蔵庫本体10に取り付けられている。左側の扉15Aにおける左側端部は、ヒンジ16Aによって貯蔵庫本体10に前後方向に開閉可能に軸支されている。同様に、右側の扉15Bにおける右側端部は、ヒンジ16Bによって貯蔵庫本体10に前後方向に開閉可能に軸支されている。一対の扉15A、15Bは左右対称な形状をなしているものの、それ以外は同じ構成とされる。以降の説明では、右側の扉15Bの構成について主に説明する。
【0023】
図5に示すように、扉15Bは、外装板18と、内装板19と、ドアパッキン20と、保持部材(保持部)24と、センターシール40と、を備えて構成されている。
【0024】
[外装板18、内装板19]
外装板18はステンレス鋼板などの金属により構成されている。内装板19は合成樹脂により構成されている。図3図4に示すように、内装板19は、扉15Bにおける後面15Dに設けられている。図5に示すように、内装板19の外縁部には、パッキン装着溝15Cが設けられている。外装板18と内装板19との間には、硬質ポリウレタンなどの発泡樹脂からなる図示しない断熱材が発泡充填されている。
【0025】
[ドアパッキン20]
ドアパッキン20は軟質樹脂などの弾性部材によって構成されている。図5に示すように、ドアパッキン20は、パッキン本体20Aと、取付脚20Bと、を備えて構成されている。
【0026】
図3図4に示すように、パッキン本体20Aは矩形枠状をなしている。閉扉時において、パッキン本体20Aは開口部10Aの開口縁部に密着する。これにより、扉15Bの後面15Dと貯蔵庫本体10の開口部10Aとの間はシールされる。ただし、ドアパッキン20のうち、一対の扉15A、15Bにおける互いに対向する側の端部(以降、開閉側端部(端部)15Eとする)に沿って上下方向に延びる部分は扉15Bと貯蔵庫本体10との間をシールするものではなく、センターシール40に設けられている後述するヒレ部42(図5参照)が接するものである。
【0027】
図5に示すように、取付脚20Bは、パッキン本体20Aから前方に突出し、内装板19のパッキン装着溝15Cに装着されている。これにより、ドアパッキン20は扉15Bに保持されている。
【0028】
[保持部材24]
保持部材24は、センターシール40を保持する部材である。図5に示すように、保持部材24は、ベース24Aと、抑制部64と、スライド蓋24Bと、を備えて構成されている。
【0029】
ベース24Aは、開閉側端部15Eに全高にわたって装着されている。ベース24Aは、第2取付溝26と、凸状をなす2つの掛止部28、29と、を備えて構成されている。
【0030】
第2取付溝26は、後述するセンターシール40における掛止部(取付部)41Fが嵌る溝である。このような第2取付溝26を含むベース24Aは、センターシール40を取り付ける部分、すなわち保持本体部として機能している。なお、第2取付溝26は、ドアパッキン20側の部分に設けられ、第2取付溝26とドアパッキン20との間には、隙間Gが設けられている。
【0031】
図5に示すように、抑制部64は、ベース24Aと一体に設けられており、隙間G内に位置している。抑制部64は、ベース24Aのうちドアパッキン20と対向する部分からドアパッキン20に向けて突出し、さらに後方(すなわち、図5におけるヒレ部42に向かう方向)に突出するL字状の突起とされる。なお、抑制部64の形状は、センターシール40の動きを阻害しない形状とされる。
【0032】
図5に示すように、スライド蓋24Bは、第1取付溝31と、2つの掛止溝32、33と、を備えて構成されている。第1取付溝31は、後述するセンターシール40に設けられている掛止部41Cが嵌る溝である。掛止溝32は、ベース24Aに設けられている掛止部28が嵌る溝である。掛止溝33は、ベース24Aに設けられている掛止部29が嵌る溝である。掛止部28、29が掛止溝32、33にそれぞれ嵌ることで、スライド蓋24Bは、ベース24Aに保持されている。なお、スライド蓋24Bは、上下方向における一方からベース24Aにスライド挿入されることでベース24Aに取り付けられる。
【0033】
[センターシール40]
センターシール40は、例えば、オレフィン系エラストマーなどの軟質樹脂により構成されている。図1図3図4に示すように、センターシール40は、開閉側端部15Eに全高にわたって装着されている。図5に示すように、センターシール40は、シール本体41と、ヒレ部42と、支持部43と、第1リップ部44と、第2リップ部45と、を備えて構成されている。
【0034】
シール本体41は、当接部(シール部)41Aと、第1延出部41Bと、第2延出部41Eと、を備えて構成されている。
【0035】
当接部41Aは相手側(他方)の扉15Aに装着されているセンターシール40に接触する部分である。当接部41Aは、角形の筒状をなしており、内側の空間はマグネット室41Dとされる。マグネット室41Dには扁平な角柱状をなすマグネット46が挿入されている。
【0036】
第1延出部41Bは、当接部41Aから前方に延出している。第1延出部41Bの先端部には掛止部41Cが設けられている。
【0037】
第2延出部41Eは、当接部41Aから右方(すなわち、ヒンジ16Bが設けられている扉15Bの開閉軸側)に延出し、さらに延出した先がドアパッキン20より手前で前側に湾曲している。第2延出部41Eの先端部には掛止部41Fが設けられている。
【0038】
ヒレ部42は、シール本体41から右方に延出している。ヒレ部42は、隙間Gを後方から覆いつつ、ドアパッキン20に弾性的に接触している。これにより、冷気が庫内から隙間Gを通って外部に流れることが抑制される。
【0039】
掛止部41Cがスライド蓋24Bの第1取付溝31に嵌まり、かつ、掛止部41Fがベース24Aの第2取付溝26に嵌ることにより、センターシール40は保持部材24に保持されている。
【0040】
図5に示すように、左右の扉15A、15Bが閉じられると、2つのマグネット46は互いに吸引し合い、シール本体41は、相手側のセンターシール40に向けて変形する。これにより、シール本体41の当接部41A同士は当接する。したがって、一対の扉15A、15Bにおけるそれぞれの開閉側端部15E間はシールされる。
【0041】
支持部43は、シール本体41から後方に突出している。支持部43の先端部には第1リップ部44および第2リップ部45が全高にわたって一体に形成されている。支持部43は、第1リップ部44および第2リップ部45を支持している。
【0042】
第1リップ部44は、支持部43の先端から左方に延出している。第1リップ部44によって、庫内側から当接部41Aに向かって流れる冷気が遮蔽される。
【0043】
第2リップ部45は、支持部43の先端から右方に延出している。第2リップ部45は庫内側から見てヒレ部42全体を覆っている。つまり、庫内側から見るとヒレ部42は第2リップ部45に覆われて全体が視認不能とされる。第2リップ部45によって、庫内側からヒレ部42に向かって流れる冷気が遮蔽される。
【0044】
[ストッパ65]
図3図4に示すように、扉15Bにおける上側の側面部15Fおよび下側の側面部15Fには、ストッパ(取付部材)65が取り付けられている。ここで、上側の側面部15Fおよび下側の側面部15Fは、扉15Bにおける開閉側端部15E側の側面15Gと交差する面である。
【0045】
ストッパ65は、隙間Gを上下方向から覆うように扉15Bに取り付けられている。これにより、隙間G内に周辺空気が流入することにより生じうる結露を抑制できる。また、ストッパ65によって、図示しないネジ等の部品を覆い隠している。なお、図1に示すように、ストッパ65は、左側の扉15Aにも同様に設けられている。
【0046】
[効果]
実施形態1によれば、隙間G内に抑制部64を設けることで、例えばメンテナンス時に作業者がヒレ部42を掴むことによりヒレ部42が隙間G内に巻き込まれることが抑制される。したがって、ヒレ部42が隙間G内に入り込むことにより生じうるセンターシール40の破損を抑制できる。
【0047】
また、抑制部64は、保持部材24におけるベース(保持本体部)24Aからドアパッキン20に向けて突出し、さらにヒレ部42に向けて突出するL字状の突起とされる。
ヒレ部42が隙間G内に入り込もうとすると、ヒレ部42が保持部材24に設けられた突起(抑制部64)に接触するため、ヒレ部42が元の位置に押し返される。これにより、ヒレ部42が隙間G内に入り込むことを抑制できる。
【0048】
<実施形態2>
本開示の実施形態2を図6によって説明する。実施形態2では、抑制部64Aの構成が実施形態1における抑制部64と異なる。実施形態2における抑制部64Aは、ドアパッキン20に溶着により取り付けられる樹脂材とされる。抑制部64Aは、ドアパッキン20から保持部材24のベース(保持本体部)24Aに向けて斜め後方に突出している。
【0049】
[効果]
実施形態2によれば、ヒレ部42が隙間G内に入り込もうとすると、ヒレ部42が樹脂材(抑制部64A)に接触するため、ヒレ部42が元の位置に押し返される。これにより、ヒレ部42が隙間G内に入り込むことを抑制できる。
【0050】
<実施形態3>
本開示の実施形態3を図7によって説明する。実施形態3では、抑制部64Bの構成が実施形態1、2における抑制部64、64Aと異なる。
【0051】
抑制部64Bは、ストッパ65Aに設けられており、ストッパ65Aから隙間G内に向けて突出する突起とされる。なお、図7には、上側の側面部15Fに設けられているストッパ65が図示されているが、下側の側面部に設けられているストッパ(図示せず)についても同様に抑制部が設けられている。
【0052】
[効果]
実施形態3によれば、ヒレ部42が隙間G内に入り込もうとすると、ヒレ部42がストッパ65Aに設けられた突起(抑制部64B)に接触するため、ヒレ部42が元の位置に押し返される。これにより、ヒレ部42が隙間G内に入り込むことを抑制できる。
【0053】
<実施形態4>
本開示の実施形態4を図8図9によって説明する。実施形態4では、抑制部64Cの構成が実施形態1から3における抑制部64、64A、64Bと異なる。
【0054】
図8に示すように、扉15Bには、コの字状をなす部材が取り付けられており、抑制部64Cは、コの字状をなす部材における、上下方向(側面15Gの延びる方向)に長い棒状の部分とされる。図9に示すように、抑制部64Cは、隙間G内に挿通されている。
【0055】
[効果]
実施形態4によれば、ヒレ部42が隙間G内に入り込もうとすると、ヒレ部42が隙間G内に挿通された棒状の抑制部64Cに接触するため、ヒレ部が元の位置に押し返される。これにより、ヒレ部42が隙間G内に入り込むことを抑制できる。
【0056】
<他の実施形態>
本開示は上記記述および図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本開示の技術的範囲に含まれる。
【0057】
(1)実施形態1で説明したシール本体41の形状は一例である。シール本体41の形状は、相手側のセンターシール40に当接して扉15A、15Bの開閉側端部15E間をシールできる形状であればよく、適宜変更可能である。
【0058】
(2)実施形態1では貯蔵庫1として左右一対の扉15A、15Bが上下に2組設けられた4ドア式の冷蔵庫を例に説明したが、これに限定されない。貯蔵庫は、例えば左右一対の扉が一組だけ設けられた2ドア式の冷蔵庫であってもよい。また、実施形態1では貯蔵庫1として冷蔵庫を例に説明したが、貯蔵庫は冷凍庫であってもよい。
【0059】
(3)実施形態3では、抑制部64Bは上側のストッパ65Aおよび下側のストッパ65Aの双方に設けられる構成としたが、これに限られることはなく、例えば、抑制部は上側のストッパおよび下側のストッパの少なくとも一方に設けられる構成としても良い。
【0060】
(4)実施形態4では、抑制部64Cは、コの字状をなす部材における、上下方向に長い棒状の部分とされる構成としたが、これに限られることはなく、例えば、図10に示すように、扉15Bには、一対のL字状をなす部材が取り付けられており、抑制部64Dは、一対のL字状をなす部材における、上下方向に長い棒状の部分とされる構成としても良い。また、図11に示すように、扉15Bには、L字状をなす部材が取り付けられており、抑制部64Eは、L字状をなす部材における、上下方向に長い棒状の部分とされる構成としても良い。
【符号の説明】
【0061】
1: 貯蔵庫
10: 貯蔵庫本体
10A: 開口部
11: 扉装置
12: 機械室
14: 貯蔵室
15A、15B: 扉
15C: パッキン装着溝
15D: 後面
15E: 開閉側端部(端部)
15F: 側面部
15G:側面
16A、16B: ヒンジ
18: 外装板
19: 内装板
20: ドアパッキン
20A: パッキン本体
20B: 取付脚
21: 柱状の部材
24: 保持部材(保持部)
24A: ベース(保持本体部)
24B: スライド蓋
26: 第2取付溝(保持本体部)
28、29: 掛止部
31: 第1取付溝
32、33: 掛止溝
40: センターシール
41: シール本体
41A: 当接部(シール部)
41B: 第1延出部
41C: 掛止部
41D: マグネット室
41E: 第2延出部
41F: 掛止部(取付部)
42: ヒレ部
43: 支持部
44: 第1リップ部
45: 第2リップ部
46: マグネット
64、64A、64B、64C、64D、64E: 抑制部
65、65A: ストッパ(取付部材)
G: 隙間
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11