(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-28
(45)【発行日】2023-08-07
(54)【発明の名称】養生装置
(51)【国際特許分類】
E04G 21/32 20060101AFI20230731BHJP
E04G 21/24 20060101ALI20230731BHJP
【FI】
E04G21/32 A
E04G21/32 B
E04G21/24 A
(21)【出願番号】P 2019153075
(22)【出願日】2019-08-23
【審査請求日】2022-08-12
(73)【特許権者】
【識別番号】000003621
【氏名又は名称】株式会社竹中工務店
(73)【特許権者】
【識別番号】514272036
【氏名又は名称】ペリー・ジャパン株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000006828
【氏名又は名称】YKK株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000104412
【氏名又は名称】カンボウプラス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107364
【氏名又は名称】斉藤 達也
(72)【発明者】
【氏名】福田 義広
(72)【発明者】
【氏名】澤原 拡
(72)【発明者】
【氏名】両角 勇祐
(72)【発明者】
【氏名】橋本 元
(72)【発明者】
【氏名】馬場 浩希
(72)【発明者】
【氏名】荻野 幸宏
(72)【発明者】
【氏名】西村 和之
(72)【発明者】
【氏名】横田 孝
【審査官】櫻井 茂樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-162297(JP,A)
【文献】特開平09-277056(JP,A)
【文献】実開昭62-165337(JP,U)
【文献】特開2013-019126(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04G 21/24、21/28、21/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
建設中の建物の垂直面側の少なくとも一部を覆う防炎シートと、
前記防炎シートを前記建物に沿って上昇又は下降させる移動装置と、
前記防炎シートへの風圧を軽減させる窓部であって、開閉手段にて開閉可能な前記窓部と、を備え
、
前記防炎シートは、前記建物が立設する方向に沿って設けられており、
前記移動装置は、前記防炎シートにおける上側領域のみが、前記建物の上端よりも上側に設けられるように、前記防炎シートを上昇させ、
前記窓部は、前記防炎シートにおける一部の領域であって、少なくとも前記上側領域を含む一部の領域のみに設けられている、
養生装置。
【請求項2】
前記開閉手段は、ファスナである、
請求項1に記載の養生装置。
【請求項3】
前記防炎シートは、複数のシート材を連結手段で連結することにより形成されている、
請求項1
又は2に記載の養生装置。
【請求項4】
前記シート材は、長尺形状であり、
前記連結手段は、前記シート材の長辺同士を相互に連結するファスナである、
請求項
3に記載の養生装置。
【請求項5】
前記防炎シートは、前記建物が立設する方向に沿って設けられており、
前記養生装置は、
前記防炎シートの下端側に設けられている養生手段であって、少なくとも当該養生手段よりも下側への対象物の落下を防止する前記養生手段、を備える、
請求項1から
4の何れか一項に記載の養生装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、養生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、高層建築物で鉄骨工事等の作業を行う場合、建設作業を行う高さに応じて飛散又は落下防止のための垂直養生ネットを昇降させる昇降装置が知られていた(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
ところが、昇降装置で昇降させる対象が養生ネットであったために、鉄骨建方を行う場合に発生する火花が飛散したり、比較的小さな物が落下したりする可能性があったので、安全性の観点から改善の余地があった。
【0004】
従って、本願発明者は、昇降装置で昇降させる対象を養生ネットから防炎シートに変更することにより、安全性を向上させる技術に想到した。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、防炎シートを用いる場合、当該防炎シートが風圧を直接的に受けてしまい、当該防炎シートを昇降させるために支持して、昇降装置に当該風圧に基づく比較的大きな荷重がかかってしまう可能性があった。
【0007】
本発明は上記事実に鑑みなされたもので、防炎シートが受ける風圧を軽減することを可能にする養生装置を提供する事を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、請求項1に記載の養生装置は、建設中の建物の垂直面側の少なくとも一部を覆う防炎シートと、前記防炎シートを前記建物に沿って上昇又は下降させる移動装置と、前記防炎シートへの風圧を軽減させる窓部であって、開閉手段にて開閉可能な前記窓部と、を備え、前記防炎シートは、前記建物が立設する方向に沿って設けられており、前記移動装置は、前記防炎シートにおける上側領域のみが、前記建物の上端よりも上側に設けられるように、前記防炎シートを上昇させ、前記窓部は、前記防炎シートにおける一部の領域であって、少なくとも前記上側領域を含む一部の領域のみに設けられている。
【0009】
請求項2に記載の養生装置は、請求項1に記載の養生装置において、前記開閉手段は、ファスナである。
【0011】
請求項3に記載の養生装置は、請求項1又は2に記載の養生装置において、前記防炎シートは、複数のシート材を連結手段で連結することにより形成されている。
【0012】
請求項4に記載の養生装置は、請求項3に記載の養生装置において、前記シート材は、長尺形状であり、前記連結手段は、前記シート材の長辺同士を相互に連結するファスナである。
【0013】
請求項5に記載の養生装置は、請求項1から4の何れか一項に記載の養生装置において、前記防炎シートは、前記建物が立設する方向に沿って設けられており、前記養生装置は、前記防炎シートの下端側に設けられている養生手段であって、少なくとも当該養生手段よりも下側への対象物の落下を防止する前記養生手段、を備える。
【発明の効果】
【0014】
請求項1に記載の養生装置によれば、防炎シートへの風圧を軽減させる窓部であって、開閉手段にて開閉可能な窓部を備えることにより、例えば、窓部を適宜のタイミングで開けることにより、当該窓部を介して風圧を逃がすことができるので、防炎シートが受ける風圧を軽減することが可能となる。
また、窓部は、防炎シートにおける一部の領域であって、少なくとも上側領域を含む一部の領域のみに設けられていることにより、例えば、窓部を必要な箇所にのみ設けることにより、防炎シートの強度を維持することが可能となり、また、窓部を形成するコストを抑えることが可能となる。
【0015】
請求項2に記載の養生装置によれば、開閉手段は、ファスナであることにより、例えば、ファスナを用いてスムーズに開閉することができるので、養生装置の利便性を向上させることが可能となる。
【0017】
請求項3に記載の養生装置によれば、防炎シートは、複数のシート材を連結手段で連結することにより形成されていることにより、例えば、連結するシート材の枚数を調整することにより、防炎シートのサイズを任意に変更することが可能となる。また、例えば、既製のサイズのシート材を用いて比較的大きなサイズの防炎シートを形成することが可能となる。
【0018】
請求項4に記載の養生装置によれば、連結手段は、シート材の長辺同士を相互に連結するファスナであることにより、例えば、シート材の長辺同士を連結する作業を、容易に行うことが可能となる。つまり、例えば、長尺のシート材の接続継ぎ目処置(つまり、長辺同士を連結する作業)をファスナを用いて簡便且つ迅速に行うことが可能となる。
【0019】
請求項5に記載の養生装置によれば、下側への対象物の落下を防止する養生手段を備えることにより、例えば、対象物の落下を防止できるので、安全性を向上させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本実施の形態に係る養生装置が適用される建物の側断面図である。
【
図6】養生装置が適用される建物の側断面図である。
【
図7】養生装置が適用される建物の側断面図である。
【
図8】養生装置が適用される建物の側断面図である。
【
図9】養生装置が適用される建物の側断面図である。
【
図10】養生装置が適用される建物の側断面図である。
【
図11】養生装置が適用される建物の側断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下に添付図面を参照して、この発明に係る養生装置の実施の形態を詳細に説明する。まず、〔I〕実施の形態の基本的概念を説明した後、〔II〕実施の形態の具体的内容について説明し、最後に、〔III〕実施の形態に対する変形例について説明する。ただし、実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0022】
〔I〕実施の形態の基本的概念
まず、実施の形態の基本的概念について説明する。実施の形態は、概略的に、養生装置に関する。
【0023】
ここで、「養生装置」とは、建設中の建物の少なくとも一部を覆う装置であり、例えば、防炎シート、移動装置、及び窓部を備え、任意で養生手段を備える。
【0024】
「防炎シート」とは、建設中の建物の垂直面側の少なくとも一部を覆うシートであり、具体的には、防炎機能を有するシートであり、例えば、耐火性又は難燃性を有するシートであり、一例としては、耐火性又は難燃性を有する塩化ビニル製又はポリエチレン製のシート等を含む概念である。なお、「建設中の建物の垂直面側」とは、例えば、建設中の建物の鉄骨柱に対応する部分(一例としては、当該鉄骨柱と対向する領域等)等を含む概念である。
【0025】
また、「防炎シート」とは、例えば、建物が立設する方向に沿って設けられているもの等を含む概念であり、一例としては、鉄骨柱に沿って設けられているもの等を含む概念である。また、「防炎シート」とは、例えば、複数のシート材を連結手段で連結することにより形成されているもの、あるいは、1枚のシート材にて形成されているもの等を含む概念である。
【0026】
また、「シート材」とは、防炎シートの少なくとも一部を形成するものであり、例えば、任意の形状(長方形、正方形、楕円形等)のものであり、また、長尺形状のものである。「連結手段」とは、複数のシート材を相互に連結する手段であり、具体的には、着脱可能に連結するもの、あるいは、着脱不可能に連結するものであり、例えば、ファスナ(線ファスナ、面ファスナ)、連結用の紐、連結用のボタン、あるいは、溶着等を含む概念である。
【0027】
また、「移動装置」とは、防炎シートを建物に沿って上昇又は下降させる装置であり、例えば、防炎シートにおける上側領域のみが、建物の上端よりも上側に設けられるように、防炎シートを上昇させもの等を含む概念である。「上側領域」とは、例えば、防炎シートにおける上側の一部の領域等を含む概念である。
【0028】
また、「窓部」とは、防炎シートへの風圧を軽減させる部分であって、開閉手段にて開閉可能な部分であり、具体的には、防炎シートに設けられている部分である。この「窓部」が設けられる防炎シート上の領域は任意であり、例えば、防炎シートの全領域に複数個の窓部が設けられるように構成してもよいし、あるいは、前述の上側領域を含む一部の領域のみに1個のみ又は複数個の窓部が設けられるように構成してもよい。
【0029】
また、「開閉手段」とは、窓部を開閉する手段であり、例えば、ファスナ(線ファスナ、面ファスナ)、開閉用の紐、開閉用のボタン等を含む概念である。
【0030】
また、「養生手段」とは、防炎シートの下端側に設けられているものであって、少なくとも当該養生手段よりも下側への対象物の落下を防止するものであり、例えば、耐火性又は難燃性を有するネット、あるいは、耐火性又は難燃性を有さないネット等を含む概念であり、一例としては、所定の径(例えば、10mm~15mm等)の網目を有する所定材料(例えば、ポリエステル製等)のネット等を含む概念である。「対象物」とは、養生手段にて落下が防止される対象の物であり、例えば、作業者、工具、又は、部材の一部等を含む概念である。
【0031】
そして、以下に示す実施の形態では、「養生装置」が、複数の長尺形状のシート材を相互に連結して構成される「防炎シート」を備える場合を例示して説明する。
【0032】
〔II〕実施の形態の具体的内容
次に、実施の形態の具体的内容について説明する。
【0033】
(構成)
まず、本実施の形態に係る養生装置が適用される建物について説明する。
図1は、本実施の形態に係る養生装置が適用される建物の側断面図であり、
図2は、
図1のA-A断面図である。なお、
図1においては、ハッチングは省略されており(後述する
図6~
図11も同様である)、
図2においては、
図1の手摺部94の図示は省略されている。
図1の養生装置1の本体部11の一部については、実際には、防炎シート13に覆われて外部から見えない状態となっているが、
図1では、説明の便宜上、防炎シート13の外形を一転鎖線で図示し、見えない状態となっている本体部11の一部については実線で図示している。
【0034】
また、
図1及び
図2に示すX―Y―Z方向が互いに直交する方向であり、具体的には、Z方向が鉛直方向であって、X方向及びY方向が鉛直方向に対して直交する水平方向であるものとして、例えば、Z方向を高さ方向と称し、+Z方向を上側と称し、-Z方向を下側と称し、
図1の+X方向が建物9の屋内側であり、-X方向が建物9の屋外側であることとし説明する。
【0035】
(構成‐建物)
図1の建物9は、建設中の高層建物である。この建物9の具体的は構成は任意であるが、例えば、鉄骨柱である柱部材91、及び
図2の鉄骨の梁部材92等を備える。また、この建物9には、例えば、柱部材91に関する作業を行うための足場として機能する
図2のコラムステージ93(
図2では外形が一点鎖線で図示されている)が設けられており、また、作業の安全性を確保するための
図1の手摺部94が各階に設けられている。なお、これらのコラムステージ93及び手摺部94については、公知の技術を適用することができるので、詳細の説明は省略する。
【0036】
なお、以下の説明では、
図1の建物9の「(N)F」と図示されている階がN階(Nは、1以上の整数)を示していることとし、必要に応じて、この「N」を用いた表現で各階を示して説明する。
【0037】
(構成‐養生装置)
図3は、
図1の一部の拡大図である。
図1及び
図2の養生装置1は、建設中の建物9の柱部材91に取り付けられて当該柱部材91に沿って上昇するものであり、例えば、本体部11、支持部12、防炎シート13、及び
図1の養生装置側下部ネット14を備える。なお、養生装置1の本体部11及び支持部12については、公知の構成を適用することができるので、概要のみ説明する。
【0038】
(構成‐養生装置‐本体部)
図1の本体部11は、養生装置1のフレームであって、
図1に示すように、柱部材91に沿って設けられている全体としては矩形柱の長尺状のものであり、また、金属製のものである。この本体部11の具体的な種類や構成は任意であるが、例えば、
図1の第1垂直部材111、第2垂直部材112、
図2の第1水平部材113、及び第2水平部材114を備える。
【0039】
(構成‐養生装置‐本体部‐垂直部材)
図1及び
図2の第1垂直部材111及び第2垂直部材112は、高さ方向(Z軸方向)において延在している2個ずつの部材であり、例えば、本体部11の四隅に対応する位置に設けられている部材である。第1垂直部材111は、例えば、養生装置1を上昇させるためのいわゆるクライミングレールとして機能する部材であり、また、支持部12によって保持される部材である。第2垂直部材112は、例えば、第1垂直部材111よりも外側(-X方向)に設けられている部材であり、また、第2水平部材114又は斜材等を介して第1垂直部材111に固定されている部材である。
【0040】
(構成‐養生装置‐本体部‐水平部材)
図2の第1水平部材113は、2個の第1垂直部材111同士又は2個の第2垂直部材112同士を相互に連結している部材である。また、
図2の第2水平部材114は、2個の第1垂直部材111及び第2垂直部材112の両側同士を相互に連結している部材である。そして、この第1水平部材113及び第2垂直部材112は、
図1の高さ方向(Z軸方向)において所定間隔(例えば、4m~5m等)毎に設けられている。
【0041】
(構成‐養生装置‐支持部)
図1の支持部12は、本体部11を支持する支持手段である。支持部12の具体的な種類や構成は任意であるが、例えば、
図2に示すように、建物9(具体的には、梁部材92)に任意の不図示の固定手法(例えば、ボルトとナットを用いて固定する手法等)で着脱自在に固定されるものであり、先端に保持部121を備えるものであり、また、
図2では不図示である
図3の移動部122を備えるものである。
【0042】
(構成‐養生装置‐支持部‐保持部)
図2又は
図3の保持部121は、第1垂直部材111を保持する保持手段であり、例えば、支持部12における先端側(-X方向)の一部(
図2のX軸方向において、直線状の支持部12における第1垂直部材111と対向する端部を含む部分)である。保持部121における第1垂直部材111を保持する構成は公知であるが、例えば、第1垂直部材111における保持部121と対向する面の所定位置(例えば、当該第1垂直部材111が延在する方向(Z軸方向)における所定間隔毎の位置)に保持用の不図示の孔が複数設けられており、保持部121における当該第1垂直部材111と対向する面に突出又は退避可能な保持用の不図示の突起が設けられており、当該突起を前述の孔に引っ掛けることにより保持するように構成されている。なお、当該保持部121の不図示の突起は、外側に向かって付勢されているが、下側(-Z軸方向)の一部の形状が保持部121から離れるに従って上側(+Z軸方向)に向かうように傾斜していることにより、第1垂直部材111が建物9に固定されている支持部12に対して相対的に上側(+Z方向)に移動する場合に退避して、第1垂直部材111の不図示の1個の孔から外れて本体部11の上昇が可能となるように構成されている。一方で、当該保持部121の不図示の突起の上側(+Z方向)の一部の形状は前述のように傾斜しておらず平坦になっているので、保持部121の不図示の突起が第1垂直部材111の不図示の孔に引っ掛かった場合は外れずに固定されることになり、本体部11の下側(-Z方向)への移動を規制し当該本体部11の荷重を支持することが可能となる。
【0043】
(構成‐養生装置‐支持部‐移動部)
図3の移動部122は、前述の移動装置であり、具体的には、本体部11を上昇させることにより、当該本体部11に固定されている防炎シート13を上昇させる装置である。移動部122における本体部11を移動させる構成は公知であるが、例えば、下側(-Z方向)の端部が支持部12における上面に固定されており、上側(+Z方向)の端部が第1垂直部材111と対向するように構成されており、また、当該上側(+Z方向)の端部に第1垂直部材111の不図示の孔に引っ掛かる不図示の突起(保持部121の不図示の突起と同様な構成の突起)が設けられている。また、移動部122の上側(+Z方向)の端部が下側(-Z方向)の端部に対して油圧(つまり、移動部122が備える油圧ジャッキの如き構成の油圧)で所定距離(例えば、50cm~60cm等)分上下に移動可能となっている。そして、移動部122の上側(+Z方向)の端部の突起を第1垂直部材111の不図示の孔に引っ掛けた状態で、当該端部を上側に移動させることにより第1垂直部材111が1ストローク分(例えば、前述の50cm~60cm等)上昇し、上昇した高さにおいて前述の保持部121で第1垂直部材111が保持されることになるので、この移動部122の上側(+Z方向)の端部を上下に移動させる動作を繰り返し行うことにより、1ストローク分ずつ本体部11を上昇させることが可能となる。
【0044】
(構成‐養生装置‐防炎シート)
図4は、防炎シートの図である。なお、
図4においては、窓部21の外形が一点鎖線で図示されている。
図1の防炎シート13は、建物9の一部を覆うシートである。防炎シート13の具体的な種類や構成は任意であるが、例えば、
図1及び
図2に示すように、柱部材91よりも外側(-X方向)に設けられている本体部11の3個の面(-Y方向の面、-X方向の面、及び+Y方向の面)に設けられているものであり、また、当該本体部11に取り付けられているものであり、また、
図4に示すように、4個のシート材131~134の長辺同士を連結部135にて連結することにより形成されるものであり、また、窓部21を有するものである。
【0045】
(構成‐養生装置‐防炎シート‐シート材)
シート材131~134は、例えば、防炎シート13の一部を形成するものであり、また、長方形の長尺形状のものであり、また、耐火性又は難燃性を有する塩化ビニル製又はポリエチレン製のシートである。また、このシート材131~134の長辺(
図4の図面上下方向の辺)には、連結部135である線ファスナを構成する務歯が設けられており、各長辺同士を並べて連結部135である線ファスナを構成するスライダーを用いて各務歯を係合することにより、各シート材131~134が相互に連結するように構成されている。また、シート材131は、
図2の防炎シート13における+Y方向の面を形成するものであり、シート材132及び133は、
図2の防炎シート13における-X方向の面を形成するものであり、また、シート材134は、
図2の防炎シート13における-Y方向の面を形成するものである。
【0046】
(構成‐養生装置‐防炎シート‐連結部)
連結部135は、シート材131~134を相互に連結する連結手段であり、例えば、線ファスナである。
【0047】
(構成‐養生装置‐防炎シート‐窓部)
図5は、
図4の防炎シートの一部の拡大図である。窓部21は、防炎シート13への風圧を軽減させる部分であり、具体的には、
図5の開閉部211にて開閉可能な部分である。この窓部21の具体的な種類や構成は任意であるが、例えば、
図4に示すように、防炎シート13における上側領域13A及び下側領域13Bのうちの上側領域13Aに設けられており、また、
図4に示すように、各シート材131~134に対して3個ずつ設けられており、防炎シート13に合計12個設けられているものである。
【0048】
なお、「上側領域」13Aとは、
図3の移動部122を用いて養生装置1を上昇させる場合に、建設中の建物9の上端よりも上側に(当該上側領域の少なくとも一部が)設けられる領域であり、例えば、防炎シート13における上側(+Z方向)の半分の領域である。「下側領域」13Bとは、
図3の移動部122を用いて養生装置1を上昇させる場合に、建設中の建物9の上端よりも上側に設けられない領域(つまり、建物9の上端よりも下側に設けられる領域)であり、例えば、防炎シート13における下側(-Z方向)の半分の領域である。
【0049】
また、
図4の各窓部21は、
図5に示すように、防炎シート13の一部をU字形状に切り込みを入れ、当該切り込みを入れたU字形状の部分に開閉部211を設けることにより形成される部分である。開閉部211は、窓部21を開いたり閉じたりする開閉手段であり、例えば、前述のU字形状の部分に設けられているものであり、また、線ファスナ(つまり、ファスナ)であり、また、少なくとも
図2の防炎シート13に囲まれている内側から開閉可能となっているものである。
【0050】
(構成‐養生装置‐養生装置側下部ネット)
図1の養生装置側下部ネット14は、防炎シート13の下端側に設けられている養生手段であって、少なくとも当該養生装置側下部ネット14よりも下側への対象物の落下を防止するものである。この養生装置側下部ネット14の具体的な種類や構成は任意であるが、例えば、本体部11の下端部(-Z方向)に設けられている不図示の巻取機構にて巻き取られたり、あるいは、当該巻取機構から繰り出されたりするものであり、また、耐火性又は難燃性を有するネットであり、少なくとも、
図2の本体部11の幅(Y方向における長さ)と同様な幅を有するものであり、また、先端部分が手摺部94に固定されるものである。
【0051】
(建設方法)
次に、このように構成される養生装置1を用いて行われる建物9の建設方法について説明する。なお、ここでは、建物9における養生装置1に関連する部分の建設方法として、鉄骨建て方に関連する建設方法について説明する。
図6~
図11は、養生装置が適用される建物の側断面図である。
【0052】
まず、
図6に示すように、建物9に対して養生装置1を取り付ける(以下、「第1工程」とも称する)。具体的には任意であるが、例えば、まず、建物9の現場に相互に分割された状態で持ち込まれている
図4の各窓部21が閉じられているシート材131~134について、相互に連結部135で連結することにより防炎シート13を形成する。次に、防炎シート13を本体部11に対して任意の固定手法(例えば、防炎シート13の縁の複数個所に取付用の紐が設けられており、当該取付用の紐を本体部11の任意の箇所に結び付けて固定する手法、あるいは、防炎シート13の縁に取付用の紐を挿通する挿通孔が設けられており、当該挿通孔に挿通した取付用の紐を本体部11の任意の箇所に結び付けて固定する手法等)を用いて防炎シート13を本体部11に固定する。次に、建物9の「N+2」階及び「N+4」階の梁部材92に対して支持部12を固定した上で、任意の手法(例えば、クレーン等の重機を用いる手法等)で本体部11を建物9に隣接された上で、前述の固定された支持部12の
図3の保持部121で本体部11の第1垂直部材111を保持することにより、支持部12を用いて建物9に対して本体部11を支持する。次に、本体部11の下端部(-Z方向)に設けられている不図示の巻取機構から、養生装置側下部ネット14を繰り出して当該養生装置側下部ネット14の先端部を「N」階の手摺部94に固定する。このようにして、
図6に示すように建物9に養生装置1を取り付ける。
【0053】
次に、
図7に示すように、養生装置1の窓部21を開く(以下、「第2工程」とも称する)。具体的には任意であるが、例えば、
図2に示すように、防炎シート13に囲まれている内側から
図4の開閉部211である線ファスナのスライダーを移動させることにより、窓部21を開く。なお、この場合、防炎シート13における開かれた窓部21に対応する部分については、不図示の留め具を用いて防炎シート13の他の部分に固定されるように構成されていることとする。なお、「留め具」とは、防炎シート13における開かれた窓部21に対応する部分を束ねて固定する固定手段であり、例えば、一方の端部が防炎シート13における窓部21の周辺に縫い付けられており、他方の端部がスナップボタン等の着脱手段にて当該防炎シート13に対して着脱可能となる固定用の紐等を含む概念である。このように構成されているので、
図7に示すように、窓部21が全て開いた状態となる。そして、窓部21が開いた状態となるので、防炎シート13における窓部21に対応する部分には貫通した開口が形成されて、防炎シート13の表面及び裏面において当該開口を介して通風可能となる。
【0054】
次に、
図8に示すように、養生装置1の養生装置側下部ネット14を盛り替え、また、新たな支持部12を設ける(以下、「第3工程」とも称する)。具体的には任意であるが、例えば、当該養生装置側下部ネット14の先端部を「N」階の手摺部94から外した後、本体部11の不図示の巻取機構から、養生装置側下部ネット14を繰り出して、当該養生装置側下部ネット14の先端部を「N+3」階の手摺部94に固定する。また、新たな支持部12を、前述の「第1工程」で説明した場合と同様にして、建物9の「N+5」階及び「N+7」階の梁部材92に対して固定した上で、新たに固定した支持部12を用いて本体部11を支持する。
【0055】
次に、
図9に示すように、養生装置1を上昇させる(以下、「第4工程」とも称する)。具体的には任意であるが、例えば、直近の「第3工程」よりも前に取り付けられていた支持部12として、
図8の建物9の「N+2」階及び「N+4」階の梁部材92に固定されている支持部12を取り外す。次に、直近の「第3工程」で取り付けられた支持部12として、建物9の「N+5」階及び「N+7」階に固定されている支持部12の
図3の移動部122を作業者が動作させることにより、
図9に示すように、
図4の上側領域13Aに対応する部分が建物9の上端よりも上側に設けられるように、養生装置1を上昇させる。なお、この場合、本体部11の不図示の巻取機構を用いて、養生装置側下部ネット14を適宜のタイミングで巻き取りつつ、養生装置1を上昇させる。養生装置側下部ネット14を巻き取るタイミングは任意であり、例えば、養生装置1が上昇し終えた場合に巻き取ってもよい。そして、この場合、前述したように、窓部21が開いた状態となっているので、窓部21に対応する開口を介して通風させることができるので、養生装置1に対して風が吹きつけたとしても、当該開口を介して通風することができ、防炎シート13が受ける風圧が軽減されることになる。よって、
図9に示すように、養生装置1が建物9に対して一部が突出している場合であっても、養生装置1に対して比較的大きな風荷重がかかることを防止し、養生装置1の安全性を確保することが可能となる。
【0056】
なお、この場合において、例えば、比較的強い風が吹きつける場合、更なる安全性確保のために、養生装置1における本体部11の上側(+Z方向)の端部と、建物9の上端とを相互に支持ワイヤにて接続することにより、養生装置1の支持力を強化してもよい。
【0057】
次に、
図10に示すように、柱部材91を設置する(以下、「第5工程」とも称する)。具体的には任意であるが、例えば、
図9の柱部材91に対して当該柱部材91に連結される部材を取り付けることにより、
図10に示すように、柱部材91を延長して設置する。
【0058】
次に、
図10に示すように、養生装置1の窓部21を閉じる(以下、「第6工程」とも称する)。具体的には任意であるが、例えば、まず、
図10に示すように、養生装置1の第1垂直部材111における上側(+Z方向)の端部と、柱部材91とを支持部材901で接続することにより、養生装置1の支持を補強する。「支持部材」901とは、養生装置1の支持を補強する補強手段であり、例えば、養生装置1と柱部材91とを相互に連結する部材であり、一例としては、金属製の水平部材又はワイヤ等を用いることができる。次に、前述の留め具で固定されている防炎シート13における開かれた窓部21に対応する部分を外した上で、
図2に示すように、防炎シート13に囲まれている内側から
図4の開閉部211である線ファスナのスライダーを移動させることにより、窓部21を閉じる。この場合、前述したように防炎シート13に形成された開口が塞がれることになる。
【0059】
次に、
図11に示すように、「N+8」階~「N+10」階までの建設の作業を行う(以下、「第7工程」とも称する)。具体的には任意であるが、例えば、各階において鉄骨建て方の作業を行い、作業中に火花が飛び散ることがあるが、この場合、当該火花は前述のように開口が塞がれた防炎シート13で遮られることになるので、当該火花が建物9の隣の敷地(例えば、
図11の-X方向の不図示の敷地)に飛び散ることが防止されることになる。また、例えば、作業者が、作業中に工具等の対象物を落下させてしまった場合、養生装置側下部ネット14で受け止められることになるので、安全性を確保することが可能となる。そして、この後、当該作業が終了した場合に、支持部材901を取り外す工程、及び「第2工程」~「第7工程」を所定回数繰り返すことにより、建物9の建設を完了する。これにて、建設方法の説明を終了する。
【0060】
(本実施の形態の効果)
本実施の形態によれば、防炎シート13への風圧を軽減させる窓部21であって、開閉部211にて開閉可能な窓部21を備えることにより、例えば、窓部21を適宜のタイミングで開けることにより、当該窓部21を介して風圧を逃がすことができるので、防炎シート13が受ける風圧を軽減することが可能となる。
【0061】
また、開閉部211は、ファスナであることにより、例えば、ファスナを用いてスムーズに開閉することができるので、養生装置1の利便性を向上させることが可能となる。
【0062】
また、窓部21は、防炎シート13における一部の領域であって、少なくとも上側領域13Aを含む一部の領域のみに設けられていることにより、例えば、窓部21を必要な箇所にのみ設けることにより、防炎シート13の強度を維持することが可能となり、また、窓部21を形成するコストを抑えることが可能となる。
【0063】
また、防炎シート13は、複数のシート材131~134を連結部135で連結することにより形成されていることにより、例えば、連結するシート材131~134の枚数を調整することにより、防炎シート13のサイズを任意に変更することが可能となる。また、例えば、既製のサイズのシート材131~134を用いて比較的大きなサイズの防炎シート13を形成することが可能となる。
【0064】
また、連結部135は、シート材131~134の長辺同士を相互に連結するファスナであることにより、例えば、シート材131~134の長辺同士を連結する作業を、容易に行うことが可能となる。つまり、例えば、長尺のシート材131~134の接続継ぎ目処置(つまり、長辺同士を連結する作業)をファスナを用いて簡便且つ迅速に行うことが可能となる。
【0065】
また、下側への対象物の落下を防止する養生装置側下部ネット14を備えることにより、例えば、対象物の落下を防止できるので、安全性を向上させることが可能となる。
【0066】
〔III〕実施の形態に対する変形例
以上、本発明に係る実施の形態について説明したが、本発明の具体的な構成及び手段は、特許請求の範囲に記載した各発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。以下、このような変形例について説明する。
【0067】
(解決しようとする課題や発明の効果について)
まず、発明が解決しようとする課題や発明の効果は、上述の内容に限定されるものではなく、発明の実施環境や構成の細部に応じて異なる可能性があり、上述した課題の一部のみを解決したり、上述した効果の一部のみを奏したりすることがある。
【0068】
(分散や統合について)
また、上述した各電気的構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。
【0069】
(形状、数値、構造、時系列について)
実施の形態や図面において例示した構成要素に関して、形状、数値、又は複数の構成要素の構造若しくは時系列の相互関係については、本発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。
【0070】
(防炎シートについて)
また、上記実施の形態では、
図4のシート材131~134の長辺同士を連結することにより、防炎シート13を形成する場合について説明したが、これに限らない。例えば、シート材131~134と同様な形状又はシート材131~134とは異なる任意の形状のシート材の短辺同士を連結することにより、防炎シート13を形成してもよい。
【0071】
(垂直ネットについて)
また、上記実施の形態の
図6の各階の手摺部94の相互間に接続される垂直ネットを任意のタイミングで設置してもよい。
【0072】
(養生装置について)
また、上記実施の形態の養生装置1については、上昇するように構成されている場合について説明したが、これに限らず、下降するように構成してもよいし、あるいは、上昇又は下降を選択的に行えるように構成してもよい。
【0073】
(移動部について)
また、上記実施の形態では、
図3の移動部122の上側の端部が上下に移動することにより、養生装置1を移動させる場合について説明したが、これに限らない。例えば、いわゆるラックアンドピニオン機構を用いて、コンピュータ制御により養生装置1を自動的に移動させるように構成してもよい。
【0074】
(巻取機構について)
また、上記実施の形態の
図1の養生装置側下部ネット14が設けられている不図示の巻取機構については、巻取機構から離れた場所から、作業者が当該巻取機構の回転(つまり、養生装置側下部ネット14の巻き取り又は繰り出し)を遠隔操作可能に構成してもよいし、あるいは、巻取機構をマニュアル操作することにより、当該巻取機構の回転を操作可能に構成してもよい。
【0075】
(養生装置側下部ネットについて)
また、上記実施の形態の
図1の養生装置側下部ネット14については、不図示の巻取機構を用いずに、養生装置1の本体部11における下端部に、固定用の紐等を用いて固定して取り付けてもよい。
【0076】
(付記)
付記1の養生装置は、建設中の建物の垂直面側の少なくとも一部を覆う防炎シートと、前記防炎シートを前記建物に沿って上昇又は下降させる移動装置と、前記防炎シートへの風圧を軽減させる窓部であって、開閉手段にて開閉可能な前記窓部と、を備える。
【0077】
付記2の養生装置は、付記1に記載の養生装置において、前記開閉手段は、ファスナである。
【0078】
付記3の養生装置は、付記1又は2に記載の養生装置において、前記防炎シートは、前記建物が立設する方向に沿って設けられており、前記移動装置は、前記防炎シートにおける上側領域のみが、前記建物の上端よりも上側に設けられるように、前記防炎シートを上昇させ、前記窓部は、前記防炎シートにおける一部の領域であって、少なくとも前記上側領域を含む一部の領域のみに設けられている。
【0079】
付記4の養生装置は、付記1から3の何れか一項に記載の養生装置において、前記防炎シートは、複数のシート材を連結手段で連結することにより形成されている。
【0080】
付記5の養生装置は、付記4に記載の養生装置において、前記シート材は、長尺形状であり、前記連結手段は、前記シート材の長辺同士を相互に連結するファスナである。
【0081】
付記6の養生装置は、付記1から5の何れか一項に記載の養生装置において、前記防炎シートは、前記建物が立設する方向に沿って設けられており、前記養生装置は、前記防炎シートの下端側に設けられている養生手段であって、少なくとも当該養生手段よりも下側への対象物の落下を防止する前記養生手段、を備える。
【0082】
(付記の効果)
付記1に記載の養生装置によれば、防炎シートへの風圧を軽減させる窓部であって、開閉手段にて開閉可能な窓部を備えることにより、例えば、窓部を適宜のタイミングで開けることにより、当該窓部を介して風圧を逃がすことができるので、防炎シートが受ける風圧を軽減することが可能となる。
【0083】
付記2に記載の養生装置によれば、開閉手段は、ファスナであることにより、例えば、ファスナを用いてスムーズに開閉することができるので、養生装置の利便性を向上させることが可能となる。
【0084】
付記3に記載の養生装置によれば、窓部は、防炎シートにおける一部の領域であって、少なくとも上側領域を含む一部の領域のみに設けられていることにより、例えば、窓部を必要な箇所にのみ設けることにより、防炎シートの強度を維持することが可能となり、また、窓部を形成するコストを抑えることが可能となる。
【0085】
付記4に記載の養生装置によれば、防炎シートは、複数のシート材を連結手段で連結することにより形成されていることにより、例えば、連結するシート材の枚数を調整することにより、防炎シートのサイズを任意に変更することが可能となる。また、例えば、既製のサイズのシート材を用いて比較的大きなサイズの防炎シートを形成することが可能となる。
【0086】
付記5に記載の養生装置によれば、連結手段は、シート材の長辺同士を相互に連結するファスナであることにより、例えば、シート材の長辺同士を連結する作業を、容易に行うことが可能となる。つまり、例えば、長尺のシート材の接続継ぎ目処置(つまり、長辺同士を連結する作業)をファスナを用いて簡便且つ迅速に行うことが可能となる。
【0087】
付記6に記載の養生装置によれば、下側への対象物の落下を防止する養生手段を備えることにより、例えば、対象物の落下を防止できるので、安全性を向上させることが可能となる。
【符号の説明】
【0088】
1 養生装置
9 建物
11 本体部
12 支持部
13 防炎シート
14 養生装置側下部ネット
21 窓部
91 柱部材
92 梁部材
93 コラムステージ
94 手摺部
111 第1垂直部材
112 第2垂直部材
113 第1水平部材
114 第2水平部材
121 保持部
122 移動部
13A 上側領域
13B 下側領域
131 シート材
132 シート材
133 シート材
134 シート材
135 連結部
211 開閉部
901 支持部材