(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-28
(45)【発行日】2023-08-07
(54)【発明の名称】洗浄システム
(51)【国際特許分類】
A47L 15/24 20060101AFI20230731BHJP
【FI】
A47L15/24
(21)【出願番号】P 2019163944
(22)【出願日】2019-09-09
【審査請求日】2022-08-10
(73)【特許権者】
【識別番号】000194893
【氏名又は名称】ホシザキ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100180851
【氏名又は名称】▲高▼口 誠
(72)【発明者】
【氏名】堀 史幸
(72)【発明者】
【氏名】加藤 園生
【審査官】大内 康裕
(56)【参考文献】
【文献】実開平04-010844(JP,U)
【文献】特開2013-112189(JP,A)
【文献】特開昭63-300003(JP,A)
【文献】特開昭60-048803(JP,A)
【文献】実開平06-010002(JP,U)
【文献】実開平05-024617(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47L 15/00~21/06
B62B 5/00~ 5/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被洗浄物を搬送する搬送装置と、
前記搬送装置によって搬送される前記被洗浄物を洗浄する洗浄機と、
前記洗浄機から搬出された前記被洗浄物を移載するリフト装置と、
前記リフト装置から前記被洗浄物が移載されるワゴンと、を備え、
前記ワゴンは、
フレーム体と、
前記フレーム体に取り付けられる一対の側部と、
前記フレーム体に取り付けられ、前記被洗浄物を支持する支持レールと、を備え、
一対の前記側部のそれぞれには、窓が設けられて
おり、
前記側部の下端部には、前記ワゴンの底部との間にスペースを形成する切欠部が設けられている、洗浄システム。
【請求項2】
前記支持レールは、前記フレーム体に着脱可能に取り付けられており、
前記フレーム体には、前記支持レールが取り付けられる取付穴が上下方向において所定の間隔をあけて複数設けられており、
前記リフト装置は、前記取付穴に取り付けられた前記支持レールを検出する検出部を有し、前記検出部の検出結果に基づいて前記被洗浄物を前記支持レールに移載する、請求項1に記載の洗浄システム。
【請求項3】
前記ワゴンが載置されるステーションを備え、
前記ステーションは、前記リフト装置に対して相対的に設置位置が設定されると共に、高さ位置が調整自在に設けられている、請求項1又は2に記載の洗浄システム。
【請求項4】
前記ステーションは、前記ワゴンにおいて前記フレーム体及び一対の前記側部によって形成される開口を少なくとも覆うカバーを有する、請求項3に記載の洗浄システム。
【請求項5】
前記支持レールは、
前記フレーム体に取り付けられる取付部と、
前記被洗浄物が載置されると共に、前記取付部に摺動自在に設けられている摺動部と、を有している、請求項1~3のいずれか一項に記載の洗浄システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、洗浄システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の洗浄システムとして、例えば、特許文献1に記載されたものが知られている。特許文献1に記載の洗浄システムは、食器等の被洗浄物を洗浄機に搬送する搬送装置と、搬送装置によって搬送された被洗浄物を洗浄する洗浄機と、洗浄機から搬出された被洗浄物を移載するリフト装置と、リフト装置から被洗浄物が移載されるワゴンと、を備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ワゴンには、被洗浄物の落下等を防止するために、一対の側部が取り付けられる。しかしながら、一対の側部を有する構成では、ワゴンを移動させる際、側部によって前方が見え難くなるため、ワゴンの操作性が良くなかった。
【0005】
本発明は、ワゴンの操作性の向上を図ることができる洗浄システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る洗浄システムは、被洗浄物を搬送する搬送装置と、搬送装置によって搬送される被洗浄物を洗浄する洗浄機と、洗浄機から搬出された被洗浄物を移載するリフト装置と、リフト装置から被洗浄物が移載されるワゴンと、を備え、ワゴンは、フレーム体と、フレーム体に取り付けられる一対の側部と、フレーム体に取り付けられ、被洗浄物を支持する支持部と、を備え、一対の側部のそれぞれには、窓が設けられている。
【0007】
洗浄システムでは、ワゴンの側部に窓が設けられている。これにより、洗浄システムでは、ワゴンを移動させる際に、窓によって前方を視認することができる。そのため、洗浄システムでは、ワゴンの操作性の向上を図ることができる。
【0008】
本発明に係る洗浄システムでは、支持レールは、フレーム体に着脱可能に取り付けられており、フレーム体には、支持レールが取り付けられる取付穴が上下方向において所定の間隔をあけて複数設けられており、リフト装置は、取付穴に取り付けられた支持レールを検出する検出部を有し、検出部の検出結果に基づいて被洗浄物を支持レールに移載してもよい。この構成では、フレーム体において、支持レールの高さ位置を容易に変更できる。これにより、被洗浄物の高さに応じて支持レールの高さ位置を適宜設定できるため、様々なサイズの被洗浄物に対応することができる。したがって、洗浄システムでは、ワゴンの操作性の向上を図ることができる。また、リフト装置は、検出部の検出結果に基づいて被洗浄物を支持レールに移載する。これにより、支持レールの高さ位置を変更した場合であっても、支持レールに対して被洗浄物を正確に移載することができる。
【0009】
本発明に係る洗浄システムでは、ワゴンが載置されるステーションを備え、ステーションは、リフト装置に対して相対的に設置位置が設定されると共に、高さ位置が調整自在に設けられていてもよい。この構成では、ステーションの高さ位置を調整することによって、リフト装置に対するワゴンの高さ位置を設定することができる。例えば、リフト装置に対するワゴンの高さ位置をワゴンのローラによって調整する場合、床面に歪みや傾きが発生していると、リフト装置に対するワゴンの高さ位置を調整した後に、ワゴンが平坦な床面を移動したときにローラにがたつきが発生したりするおそれがある。この場合、ワゴンの操作性が低下し得る。これに対して、ステーションを備える構成では、ステーションの高さの調整を行うことでリフト装置に対するワゴンの高さ位置を設定できる。そのため、ローラは、ワゴンの走行性のみを考慮して適切に設定することができる。したがって、ワゴンの操作性の向上を図ることができる。
【0010】
本発明に係る洗浄システムでは、ステーションは、ワゴンにおいてフレーム体及び一対の側部によって形成される開口を少なくとも覆うカバーを有していてもよい。この構成では、カバーによってワゴンの開口が覆われるため、ワゴンの内部に作業者が手等を入れることを防止できる。そのため、リフト装置によって被洗浄物をワゴンに移載する際に、被洗浄物に手等が接触することを防止できる。
【0011】
本発明に係る洗浄システムでは、支持レールは、フレーム体に取り付けられる取付部と、被洗浄物が載置されると共に、取付部に摺動自在に設けられている摺動部と、を有していてもよい。この構成では、被洗浄物をワゴンから取り出すときには、支持レールの摺動部を摺動させて被洗浄物をワゴンの外側に引き出すことができる。そのため、被洗浄物を安定して取り出すことができる。したがって、洗浄システムでは、ワゴンの操作性の向上を図ることができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、ワゴンの操作性の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】
図1は、一実施形態に係る洗浄システムの斜視図である。
【
図2】
図2は、食器洗浄機の概略構成を示す断面図である。
【
図6】
図6は、
図6(a)は、ワゴンの側部の正面図、
図6(b)は、ワゴンの側部の側面図である。
【
図9】
図9は、支持レールの取付構造を示す斜視図である。
【
図10】
図10は、柱部に取り付けられる支持レールの取付構造を示す斜視図である。
【
図16】
図16は、リフト装置及びステーションの斜視図である。
【
図18】
図18は、ステーションにカバーが取り付けられた状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図面の説明において同一又は相当要素には同一符号を付し、重複する説明は省略する。図面の寸法比率は、説明のものと必ずしも一致していない。以下の説明においては、
図1で規定する方向(上下方向、前後方向、左右方向)を説明に用いる。
【0015】
図1に示されるように、洗浄システム1は、浸漬槽2と、キャリーテーブル(搬送装置)3と、食器洗浄機(洗浄機)4と、リフト装置5と、ワゴン6と、を備えている。洗浄システム1では、浸漬槽2、キャリーテーブル3、食器洗浄機4、リフト装置5及びワゴン6が、一列に配置されている。本実施形態の洗浄システム1では、食器(被洗浄物)Dが収容される食器ラック(被洗浄物)Lが右側から左側に向かって移動するように、右側から順番に、浸漬槽2、キャリーテーブル3、食器洗浄機4、リフト装置5及びワゴン6が配置されている。
【0016】
浸漬槽2は、食器Dが浸漬される水を貯留する。浸漬槽2では、食器Dの予備洗浄(付着物の除去等)が行われる。浸漬槽2において水に浸漬された食器Dは、キャリーテーブル3に載置されている食器ラックLに収容される。食器ラックLは、皿や茶碗等の食器Dが並べられる格子状の部材である。
【0017】
キャリーテーブル3は、浸漬槽2の左隣りに、浸漬槽2に隣接して配置されている。キャリーテーブル3は、食器ラックLを食器洗浄機4に搬送する。キャリーテーブル3は、基台10と、搬送機構11と、コントローラ12と、を有している。
【0018】
基台10は、食器ラックLが載置されるテーブルである。基台10は、食器ラックLが載置される載置面10aを有している。載置面10aの高さ位置は、食器洗浄機4のラックレール25(後述)と同じ高さに設定されている。載置面10aの下方には、複数の食器ラックLを収納可能なスペースSが設けられている。
【0019】
搬送機構11は、食器ラックLを基台10上で移動させる。搬送機構11は、アーム13と、アーム13を駆動させる駆動装置(図示せず)と、を有している。搬送機構11は、ハウジング14に収容されている。ハウジング14は、基台10の後方に配置されており、基台10の載置面10aよりも上方に突出して設けられている。ハウジング14には、操作部15が配置されている。操作部15には、搬送機構11の動作を開始させるスタートボタンB1、及び、搬送機構11の動作を停止させる停止ボタンB2等が配置されている。
【0020】
アーム13は、駆動機構によって、基台10上で左右方向に移動する。アーム13は、待機状態においてはハウジング14内に収容されており、食器ラックLを搬送するときに、ハウジング14内から基台10の載置面10a上に進出する。アーム13は、所定のタイミングで載置面10a上に進出し、食器ラックLを搬送する。所定のタイミングは、基台10上の食器ラックLの食器洗浄機4側への移動がセンサ(図示せず)によって検出されたタイミング、又は、操作部15においてスタートボタンB1が押下されたタイミングである。アーム13は、食器ラックLの浸漬槽2側の端部(搬送方向の右側の端部)に当接して、食器洗浄機4に向けて食器ラックLを押し出す。アーム13は、食器ラックLを食器洗浄機4に搬送すると、すなわち食器ラックLを押し出す押出位置に到達すると、ハウジング14内の待機位置に戻る。駆動装置は、駆動モータ、チェーン等を含んで構成されている。
【0021】
コントローラ12は、キャリーテーブル3の動作全般を制御する。コントローラ12は、例えば、ハウジング14内に収容されている。本実施形態では、コントローラ12は、リフト装置5の動作全般も制御する。コントローラ12は、リフト装置5の各部と通信可能に接続されている。コントローラ12は、食器洗浄機4のコントローラ35(後述)と通信可能に接続されている。
【0022】
図1に示されるように、食器洗浄機4は、キャリーテーブル3の左隣りに、キャリーテーブル3に隣接して配置されている。食器洗浄機4は、食器ラックLに収容されている食器Dを洗浄する。
図1及び
図2に示されるように、食器洗浄機4は、ステンレス製のパネルで覆われた洗浄機本体20を有している。洗浄機本体20は、洗浄室21が形成された上側部分20Aと、機械室22が形成された下側部分20Bとに仕切られている。
【0023】
洗浄機本体20の上側部分20Aには、洗浄室21の開閉を行うための箱型のドア23が設けられている。ドア23は、前部23A(
図1参照)及び側部23B(
図1参照)を含んで構成されている。ドア23は、洗浄室21を開閉可能であると共に、上下方向に移動自在に設けられている。ドア23は、前部23Aの前方において水平方向に延在するハンドル24Aによって上下動する。ドア23は、上下方向において最下高さ位置に位置して、洗浄室21を閉じる閉位置(
図2に示す位置)と、上下方向において最高高さ位置に位置して、洗浄室21を開く開位置(
図1に示す位置)と、の間で移動する。
【0024】
ハンドル24Aの両端には、左右一対の回動アーム24B,24Bの先端が固定されている。回動アーム24B,24Bは、ドア23の側部23B,23Cに沿って斜めに配置されている。回動アーム24B,24Bには、ドア23の側部23B,23Cに沿って配置されたリンク部24Cの一端が回動自在に連結され、リンク部24Cの他端は、軸ピン24Dを介してドア23に連結されており、ハンドル24Aの回動運動に対してドア23が上下運動可能となっている。
【0025】
洗浄室21内には、ラックレール25が着脱自在に配置されている。キャリーテーブル3から搬出された食器ラックLは、ラックレール25上に載置される。洗浄室21の上部には、放射状に延びる3本のアームからなる上側洗浄ノズル26Aと、2本のアームからなる上側すすぎノズル27Aとがそれぞれ回転自在に配置されている。同様に、洗浄室21の下部には、放射状に延びる3本のアームからなる下側洗浄ノズル26Bと、2本のアームからなる下側すすぎノズル27Bとがそれぞれ回転自在に配置されている。食器ラックLに並べられた食器Dは、上側洗浄ノズル26A及び下側洗浄ノズル26Bによって上下から洗浄水が噴射され、上側すすぎノズル27A及び下側すすぎノズル27Bによって上下からすすぎ水が噴射される。
【0026】
洗浄水タンク28には、洗浄水吸込口を介して洗浄ポンプ29が接続されている。洗浄ポンプ29の吐出口には、洗浄水吐出管30が接続されている。洗浄水吐出管30は、第1洗浄水吐出管30Aと第2洗浄水吐出管30Bとに分岐して、第1洗浄水吐出管30Aは上側洗浄ノズル26Aに接続され、第2洗浄水吐出管30Bは下側洗浄ノズル26Bに接続されている。
【0027】
機械室22内には、外部から給水管(図示せず)を介してすすぎ水が供給されるすすぎ水タンク31が配置されている。すすぎ水タンク31には、すすぎ水吸込管32を介してすすぎポンプ33が接続されている。すすぎポンプ33の吐出口には、すすぎ水吐出管34が接続されている。すすぎ水吐出管34は、第1すすぎ水吐出管34Aと第2すすぎ水吐出管34Bとに分岐して、第1すすぎ水吐出管34Aは上側すすぎノズル27Aに接続され、第2すすぎ水吐出管34Bは下側すすぎノズル27Bに接続されている。第1すすぎ水吐出管34Aは、第1洗浄水吐出管30A内に配置されている。すなわち、第1洗浄水吐出管30A及び第1すすぎ水吐出管34Aは、二重管構造を成している。
【0028】
機械室22内には、食器洗浄機4の動作全般を制御するコントローラ35が内蔵された電装ボックス(図示せず)などが収容されている。コントローラ35は、洗浄が終了したことを示す終了信号を、キャリーテーブル3のコントローラ12に出力する。
【0029】
食器洗浄機4は、熱交換ユニット36を備えている。熱交換ユニット36は、洗浄機本体20の洗浄室21から排出された水蒸気を凝縮して、水蒸気の包含量が減少した空気を外部に排出する。
【0030】
図1に示されるように、リフト装置5は、食器洗浄機4の左隣りに、食器洗浄機4に隣接して配置されている。リフト装置5は、食器洗浄機4から搬出された食器ラックLをワゴン6に移載する。
図3及び
図4に示されるように、リフト装置5は、本体40と、リフト41と、を備えている。本体40は、前後方向において互いに対向して配置されている一対の側部42a,42bを有している。本体40は、一対の側部42a,42bの対向方向に直交する水平方向の両側が開口している。本体40には、食器洗浄機4側の開口の上側の一部を覆う側部42cが設けられている。
【0031】
リフト41は、図示しない駆動機構によって、上下方向に移動する。駆動機構は、例えば、駆動モータ(ステッピングモータ)、スプロケット、チェーン等を含んで構成されている。リフト41の動作は、キャリーテーブル3のコントローラ12によって制御される。リフト41は、食器ラックLをワゴン6に搬出するベルト43a,43bを有している。リフト41は、食器洗浄機4による洗浄が完了した際、食器洗浄機4のラックレール25(
図2参照)と同じ高さ位置(待機位置)で待機している。リフト41は、食器洗浄機4から食器ラックLが搬出されて、食器ラックLの一部がリフト41上に位置したことがセンサ(図示せず)で検出されると、ベルト43a,43bを作動させて食器ラックLを取り入れる。
【0032】
リフト41は、食器ラックLを取り入れると、ワゴン6において食器ラックLが収容されていない段に食器ラックLを移載する。リフト41は、ベルト43a,43bを作動させて、食器ラックLをワゴン6に送り出す。ワゴン6の各段における空き状況は、リフト装置5に設けられたセンサ(図示せず)によって検出する。
図4に示されるように、リフト41には、食器ラックセンサ44が設けられている。食器ラックセンサ44は、リフト41のワゴン6側の端部に配置されている。食器ラックセンサ44は、ワゴン6の食器ラックLの移載先において、食器ラックLの有無を検出する。リフト41は、食器ラックセンサ44において移載先に食器ラックLが検出されなかった場合に、移載先に食器ラックLを移載する。
【0033】
図4に示されるように、リフト装置5には、駆動機構7が設けられている。駆動機構7は、食器洗浄機4のドア23を閉位置及び開位置に駆動させる。駆動機構7は、リフト装置5の背面に配置されている。
【0034】
図1に示されるように、ワゴン6は、リフト装置5の左隣りに、リフト装置5に隣接して配置されている。ワゴン6は、複数(本実施形態では4個)の食器ラックLを収納可能である。ワゴン6は、リフト装置5によって食器ラックLが収容される。ワゴン6は、リフト装置5に着脱可能に設けられている。
【0035】
図5に示されるように、ワゴン6は、フレーム体60と、一対の側部64,65と、複数の支持レール66と、4個のローラ68a,68b,68c,68dと、設置機構69a,69bと、を有している。ワゴン6は、一対の側部64,65、上部61及び底部62によって、食器ラックLを収容する収容空間が形成されている。ワゴン6は、フレーム体60及び一対の側部64,65によって、一対の側部64,65の対向方向に直交する水平方向の両側に開口が形成されている。
【0036】
フレーム体60は、上部61と、底部62と、上部61と底部62とを連結する4本の柱部63と、を有している。柱部63は、上部61及び底部62のそれぞれの角部に配置され、上下方向に沿って延在している。
【0037】
一対の側部64,65のそれぞれは、同じ構成を有している。以下では、側部64を一例に具体的に構成を説明する。
図6(a)及び
図6(b)に示されるように、側部64は、外装パネル70と、窓部材71と、窓枠部材72と、2つの位置決め部材74と、2つの張出部材75と、を有している。側部64には、窓73が設けられている。
【0038】
外装パネル70は、側部64の外面及び内面を構成する。外装パネル70は、矩形状(長方形状)を呈している。外装パネル70には、開口部70aが設けられている。開口部70aは、窓73を構成しており、窓部材71を露出させる。開口部70aは、略矩形状を呈している。開口部70aは、上下方向に沿って延在している。開口部70aの下端部は、例えば、床面から1100mmの高さ位置に設けられている。外装パネル70の下端部には、切欠部70bが設けられている。切欠部70bは、例えば、矩形状(長方形状)を呈している。
図7に示されるように、切欠部70bは、フレーム体60の底部62との間に、スペースSPを形成する。
【0039】
図5に示されるように、外装パネル70の外面には、作業者によって把持可能な一対のハンドル67a,67bが設けられている。また、外装パネル70には、複数の通気穴70cが設けられている。
【0040】
図6(a)に示されるように、窓部材71は、窓73を構成している。窓部材71は、透明な部材である。窓部材71は、例えば、樹脂で形成されている。窓部材71は、外装パネル70の内面側に配置されている。窓部材71は、外装パネル70に、接着部材によって固定されている。接着部材は、例えば、両面テープである。窓枠部材72は、外装パネル70の内面側に配置されている。窓枠部材72は、側部64の内面側の窓枠を構成している。窓枠部材72には、開口部72aが設けられている。開口部72aは、窓73を構成しており、窓部材71を露出させる。開口部72aの開口面積は、窓部材71の面積よりも小さい。窓枠部材72は、窓部材71の外縁部を覆うように配置されている。窓枠部材72は、外装パネル70に、接着部材によって固定されている。接着部材は、例えば、両面テープである。
【0041】
位置決め部材74は、窓枠部材72を間に挟む位置に、左右方向において所定の間隔をあけて配置されている。位置決め部材74は、上下方向に沿って延在している。位置決め部材74は、断面がコの字(U字)形状を呈している。位置決め部材74は、いわゆるチャンネル鋼(溝形鋼)により形成されている。位置決め部材74は、支持レール66の位置を規定する。
【0042】
図6(b)及び
図8に示されるように、一対の張出部材75は、外装パネル70の左右方向の両端部にそれぞれ設けられている。張出部材75のそれぞれは、外装パネル70に対して略直角を成して、外装パネル70から外装パネル70の外面側に向かって張り出している。張出部材75は、上下方向に沿って延在している。張出部材75の先端には、係止部75aが設けられている。係止部75aは、左右方向において張出部材75よりも外側に位置しており、張出部材75に対して段差を形成している。
【0043】
図8に示されるように、外装パネル70は、張出部材75によって、フレーム体60に取り付けられている。外装パネル70は、フレーム体60の柱部63に固定されている。外装パネル70は、一対の柱部63の間に配置される。柱部63は、中空の部材であり、断面が略C字形状を呈している。柱部63は、開口部63aを有している。開口部63aは、柱部63の延在方向に沿って延在している。外装パネル70は、一対の柱部63の間に配置される。張出部材75は、開口部63aを臨む位置に配置される。張出部材75の係止部75aは、柱部63の開口部63aを介して柱部63の内部に配置される。係止部75aは、柱部63の内面と当接して、柱部63によって係止される。外装パネル70が柱部63に取り付けられると、外装パネル70の外面と柱部63とは、略面一に配置される。
【0044】
支持レール66は、食器ラックLを支持する。
図5に示されるように、支持レール66は、一対の側部64,65のそれぞれの内面側に配置されている。支持レール66は、左右方向において互いに対向する位置に配置されている。一対の支持レール66は、ワゴン6において食器ラックLを収容する段を構成している。支持レール66は、上下方向において所定の間隔をあけて複数配置されている。
【0045】
図9に示されるように、支持レール66は、支持部66aと、側部66bと、固定部66cと、を有している。支持部66a、側部66b及び66cは、一体に形成されている。支持部66aは、食器ラックLを支持する支持面を構成している。支持部66aは、ワゴン6は、一対の側部64,65の対向方向に直交する水平方向に沿って延在している。支持部66aの長手方向の両端部のそれぞれには、ガイド部66dが設けられている。ガイド部66dのそれぞれは、支持部66aから下方に向かって傾斜している。
【0046】
側部66bは、ワゴン6は、一対の側部64,65の対向方向に直交する水平方向に沿って延在している。側部66bは、支持部66aと略直角を成している。側部66bは、食器ラックLの幅方向の位置を規定する。側部66bには、一対の第1突出部66eと、一対の第2突出部66fと、が設けられている。一対の第1突出部66eは、側部66bの延在方向において、所定の間隔をあけて配置されている。第1突出部66eのそれぞれは、側部64の位置決め部材74のそれぞれに位置する。これにより、支持レール66の位置が規定される。一対の第2突出部66fは、側部66bの延在方向において、所定の間隔をあけて配置されている。一対の第2突出部66fは、一対の第1突出部66eの間に配置されている。第2突出部66fのそれぞれは、支持レール66の取付位置(例えば、
図5において一番上に配置された支持レール66の位置)によっては、側部64の窓枠部材72に当接し、窓枠部材72を外装パネル70に対して押さえ付ける。
【0047】
固定部66cは、フレーム体60に支持レール66を固定する。
図10に示されるように、固定部66cは、第1部材66gと、第2部材66hと、第3部材66iと、第4部材66jと、を有している。第1部材66gは、側部66bの長手方向の端部に接続され、側部66bに対して略直角を成している。第2部材66hは、第1部材66gに接続されており、側部66bと平行を成している。第2部材66hは、支持レール66が柱部63に取り付けられたときに、柱部63と対向して位置する。第2部材66hには、ねじNを挿通するねじ穴(図示省略)が設けられている。第3部材66iは、第2部材66hに接続され、第1部材66gと平行を成している。第3部材66iは、柱部63に設けられた取付穴63Hに挿入される。
【0048】
第4部材66jは、第3部材66iに設けられている。第4部材66jは、第3部材66iの上部から上方に突出している。第4部材66jは、柱部63の内部に位置した状態において、取付穴63Hの上部よりも上方に位置する。これにより、支持レール66が取付穴63Hに取り付けられると、支持レール66が落下しそうになっても、第4部材66jが柱部63の内面に当接するため、支持レール66が柱部63から脱落することが防止される。
【0049】
支持レール66を柱部63に取り付ける場合には、支持レール66の支持部66aが柱部63に対して傾斜するように支持レール66を傾けて、固定部66cの第4部材66jから取付穴63Hに挿入する。第4部材66jが取付穴63Hに入ると、第3部材66iを取付穴63Hに位置させる。これにより、第2部材66hと柱部63とが対向配置される。そして、支持レール66を柱部63に対してねじNで固定する。これにより、支持レール66が柱部63に取り付けられる。
【0050】
図5に示されるように、ローラ68a,68b,68c,68dは、ワゴン6がリフト装置5から取り外されたときにワゴン6を移動自在とする。設置機構69a,69bは、ワゴン6がリフト装置5に取り付けられたときにワゴン6を設置(固定)する。
【0051】
続いて、洗浄システム1の動作について説明する。作業者は、浸漬槽2において食器Dの予備洗浄を行い、食器ラックLに食器Dを収容する。作業者は、食器ラックLに食器Dを収容すると、食器ラックLを食器洗浄機4側に押し出す。或いは、作業者は、食器ラックLに食器Dを収容すると、スタートボタンB1を押下する。キャリーテーブル3は、食器ラックLの移動をセンサで検出する、又は、スタートボタンB1が押下されると、アーム13の動作を開始させる。キャリーテーブル3は、アーム13によって、食器ラックLを食器洗浄機4側に移動させる。これにより、食器ラックLが食器洗浄機4に搬出される。
【0052】
キャリーテーブル3のコントローラ12は、アーム13が押出位置に到達すると、所定時間後に、駆動機構7を作動させる。これにより、食器洗浄機4のドア23が閉められてドア23が閉位置に位置する。食器洗浄機4は、ドア23が閉位置となると、洗浄動作を開始する。食器洗浄機4は、洗浄動作が終了すると、終了信号をコントローラ12に出力する。コントローラ12は、終了信号を受け取ると、駆動機構7を作動させる、これにより、食器洗浄機4のドア23が開けられてドア23が開位置に位置する。
【0053】
食器洗浄機4のドア23が開位置となると、キャリーテーブル3によって新たな食器ラックLが食器洗浄機4に搬入される。これにより、洗浄後の食器ラックLは、新たな食器ラックLによってリフト装置5に押し出されて、リフト装置5のリフト41に搬出される。新たな食器ラックLが無い場合には、作業者によって食器ラックLがリフト装置5に搬出される。リフト41は、ワゴン6において空いている段に食器ラックLを移載する。リフト41は、食器ラックLをワゴン6に移載すると、待機位置に移動する。
【0054】
以上説明したように、本実施形態に係る洗浄システム1では、ワゴン6の側部64,65に窓73が設けられている。これにより、洗浄システム1では、ワゴン6を移動させる際に、窓73によって前方を視認することができる。そのため、洗浄システム1では、ワゴン6の操作性の向上を図ることができる。
【0055】
本実施形態に係る洗浄システム1では、ワゴン6の側部64,65の窓73は、外装パネル70、窓部材71及び窓枠部材72によって構成されている。窓部材71は、外装歩寝る70に接着部材によって接着されている。窓枠部材72は、窓部材71の外縁部を覆うように配置されている。これにより、窓部材71は、窓枠部材72によって外装パネル70に対して強固に固定される。したがって、ワゴン6では、窓73周辺の強度を高めることができる。
【0056】
本実施形態に係る洗浄システム1では、ワゴン6の側部64,65は、一対の張出部材75を有する。一対の張出部材75のそれぞれには、係止部75aが設けられている。張出部材75の係止部75aは、柱部63の開口部63aを介して柱部63の内部に配置される。係止部75aは、柱部63の内面と当接して、柱部63によって係止される。外装パネル70が柱部63に取り付けられると、外装パネル70の外面と柱部63とは、略面一に配置される。これにより、ワゴン6では、意匠性の向上を図ることができる。
【0057】
本実施形態に係る洗浄システム1では、ワゴン6の外装パネル70の下部には、切欠部70bが設けられている。この構成では、
図7に示されるように、フレーム体60の底部62と側部64,65との間にスペースSPが形成される。そのため、ワゴン6では、底部62上の清掃等を行う際、スペースSPから作業者が手を入れることができる。したがって、ワゴン6では、清掃作業等を容易に行うことができる。
【0058】
本実施形態に係る洗浄システム1では、ワゴン6の支持レール66は、固定部66cによってフレーム体60の柱部63に固定されている。
図9に示されるように、固定部66cは、第3部材66i及び第4部材66jが取付穴63Hに挿入されると共に、第2部材66hが柱部63に対向配置されてねじNで固定される。このように、ワゴン6では、支持レール66を柱部63に引っ掛ける構造とし、支持レール66に加わる荷重を支持レール66と柱部63との接触面で受けるようにしたため、支持レール66の取付強度の向上を図ることができる。
【0059】
以上、本発明の実施形態について説明してきたが、本発明は必ずしも上述した実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。
【0060】
上記実施形態では、洗浄システム1がワゴン6を1台備えている形態を一例に説明した。しかし、洗浄システム1は、複数台のワゴン6を備えていてもよい。
【0061】
上記実施形態では、側部64,65において窓73が側部64,65の上部側に設けられている形態を一例に説明した。しかし、窓73は、側部64,65の上部から下部にわたって設けられていてもよい。また、上記実施形態では、窓部材71が樹脂で形成されている形態を一例に説明した。しかし、窓部材71は、ガラスで形成されていてもよい。
【0062】
上記実施形態に加えて、
図11に示されるように、ワゴン6は、仕切部76を備えていてもよい。仕切部76は、板部材である。仕切部76は、支持レール66の下方に配置されている。仕切部76は、柱部63に着脱可能に固定される。仕切部76は、支持レール66に支持された食器ラックLから滴下する水滴を受け止める。これにより、一の食器ラックLよりも下方に位置する他の食器ラックLの食器Dに水が付着することを抑制することができる。
【0063】
上記実施形態に加えて、
図12に示されるように、ワゴン6は、ストッパー77を備えていてもよい。ストッパー77は、フレーム体60の柱部63に設けられている。ストッパー77は、柱部63に揺動可能に設けられている。ストッパー77は、例えば、L字形状を呈している。ストッパー77は、支持レール66の支持部66aのガイド部66dの前方に位置する係止位置と、ガイド部66dの前方に位置しない解除位置と、の間で揺動する。この構成では、ストッパー77が係止位置に位置することによって、食器ラックLが支持レール66から滑り出ることを防止できる。そのため、ワゴン6の移動中に、振動等によって食器ラックLがワゴン6から落下することを確実に防止できる。
【0064】
上記実施形態に加えて、
図13に示されるように、ワゴン6の支持レール66Aは、凸部66kを有していてもよい。凸部66kは、支持部66aの長手方向の両端部に配置されている。凸部66kは、支持部66aの表面(支持面)から突出している。凸部66kは、例えば、台形状を呈している。この構成では、凸部66kによって、食器ラックLが支持レール66から滑り出ることを防止できる。そのため、ワゴン6の移動中に、振動等によって食器ラックLがワゴン6から落下することを確実に防止できる。
【0065】
上記実施形態では、フレーム体60の柱部63に、支持レール66の数に応じて取付穴63Hが設けられている形態を一例に説明した。すなわち、上記実施形態では、4つの支持レール66に応じて、各柱部63に4つの取付穴63Hが設けられている形態を一例に説明した。しかしながら、
図14(a)に示されるように、フレーム体60の柱部63は、複数の取付穴63Hが設けられていてもよい。すなわち、柱部63に取り付けられる支持レール66の数以上の取付穴63Hが設けられていてもよい。取付穴63Hは、柱部63の延在方向において、所定のピッチ(間隔)Pをあけて配置されている。所定のピッチPは、例えば、100mmである。この構成では、
図14(b)に示されるように、支持レール66を任意の位置の取付穴63Hに取り付けることにより、支持レール66の高さ位置を変更できる。これにより、食器ラックL(食器D)の高さに応じて、支持レール66の高さを適宜設定できる。したがって、洗浄システム1では、ワゴン6の操作性の向上を図ることができる。
【0066】
図15に示されるように、リフト装置5には、支持レールセンサ(検出部)78が設けられている。支持レールセンサ78は、リフト41に配置されている。支持レールセンサ78は、支持レール66を検出する。支持レールセンサ78は、例えば、非接触式の金属センサである。リフト装置5は、リフト装置5にワゴン6が取り付けられると、リフト41を上限位置から下限位置まで昇降させる。支持レールセンサ78は、リフト41が昇降するときに、支持レール66を検出する。リフト装置5は、支持レールセンサ78によって検出された支持レール66の高さ位置を検出する。リフト装置5は、支持レールセンサ78の検出結果に基づいて、支持レールセンサ78によって検出された支持レール66の高さ位置を記憶する。リフト装置5は、支持レール66の高さ位置に基づいて、ワゴン6の段数及び各段の高さ位置を算出して記憶する。
【0067】
リフト装置5では、リフト41は、食器ラックLを取り入れると、ワゴン6において食器ラックLが収容されていない段に食器ラックLを移載する。リフト装置5は、記憶している段の高さ位置にリフト41を移動させると、支持レールセンサ78による支持レール66の検出を行う。リフト装置5は、リフト41の停止位置において支持レール66が支持レールセンサ78によって検出された場合には、リフト41のベルト43a,43bを作動させて、食器ラックLをワゴン6に送り出す。リフト装置5は、リフト41の停止位置において支持レール66が支持レールセンサ78によって検出されなかった場合には、リフト41を上限位置から下限位置まで昇降させて、支持レールセンサ78による支持レール66の検出を再度行う。これにより、支持レール66の高さ位置を任意に設定した場合であっても、リフト装置5からワゴン6に対して、食器ラックLを正確に移載することができる。
【0068】
上記実施形態では、ワゴン6が設置機構69a,69bを備えている形態を一例に説明した。しかし、ワゴン6は、設置機構69a,69bを備えていなくてもよい。この場合、
図16に示されるように、洗浄システムは、ステーション80を備えていてもよい。ステーション80は、リフト装置5の左隣りに、リフト装置5に隣接して配置されている。ステーション80は、リフト装置5に対して相対的に設置位置が設定されると共に、高さ位置が調整自在に設けられている。ステーション80は、床に設置される。ステーション80は、ワゴン6Aの位置決めを行う。
【0069】
ステーション80は、本体部81と、脚部82a,82b,82c,82dと、を有している。本体部81は、コの字(U字)形状を呈している。本体部81は、第1部材81aと、第2部材81bと、第3部材81cと、を有している。
【0070】
第1部材81aは、左右方向に沿って延在している。第2部材81bは、第1部材81aの左右方向の端部に接続され、前後方向に沿って延在している。第2部材81bの前端部(第1部材81aに接続されている端部とは反対側の端部)には、ガイド面81dが設けられている。ガイド面81dは、第2部材81bの上面から先端に向かって下方に傾斜する面である。第2部材81bには、規制部材81fが設けられている。規制部材81fは、板部材であり、第2部材81bの延在方向に沿って延在している。規制部材81fは、第2部材81bの上面に立設されている。第3部材81cは、第2部材81bと対向して配置されている。第3部材81cは、第1部材81aの左右方向の他端部に接続され、前後方向に沿って延在している。第3部材81cの前端部(第1部材81aに接続されている端部とは反対側の端部)には、ガイド面81eが設けられている。ガイド面81eは、第3部材81cの上面から先端に向かって下方に傾斜する面である。
【0071】
第2部材81bと第3部材81cとの間隔は、後述するキャスター83aとキャスター83bとの間隔、及び、キャスター83cとキャスター83dとの間隔に応じて設定される。第2部材81bと第3部材81cとの間隔は、ローラ68aとローラ68bとの間隔、及び、ローラ68cとローラ68dとの間隔よりも大きい。
【0072】
脚部82a,82b,82c,82dは、本体部81に設けられている。脚部82a,82b,82c,82dは、高さを調整する機構を有している。これにより、脚部82a,82b,82c,82dによって、本体部81(ステーション80)の高さ位置が調整可能である。脚部82aは、第2部材81bの後端部に配置され、脚部82bは、第2部材81bの前端部に配置されている。脚部82cは、第3部材81cの後端部に配置され、脚部82dは、第3部材81cの前端部に配置されている。
【0073】
図17に示されるように、ワゴン6Aには、キャスター83a,83b,83c,83dが設けられている。キャスター83a,83b,83c,83dは、底部62の角部に配置されている。キャスター83a,83b,83c,83dは、ローラ68a,68b,68c,68dよりも左右方向において外側に配置されている。すなわち、キャスター83a,83bは、ローラ68a,68bを挟む位置に配置され、キャスター83c,83dは、ローラ68c,68dを挟む位置に位置される。キャスター83a,83b,83c,83dは、ローラ68a,68b,68c,68dの下端の位置よりも高い位置に配置されている。すなわち、ローラ68a,68b,68c,68dが床に接触している場合には、キャスター83a,83b,83c,83dは床に接触しない。
【0074】
ワゴン6Aをリフト装置5に取り付ける場合、ワゴン6Aをステーション80に設置する。ワゴン6Aをステーション80に設置するときには、本体部81の第2部材81b及び第3部材81cの前端部側からワゴン6Aをステーション80側に押し込む。このとき、キャスター83a,83b,83c,83dがガイド面81d及びガイド面81eにガイドされて、第2部材81b及び第3部材81c上に乗り上がる。キャスター83a,83c(83b,83d)は、規制部材81fによって、左右方向への移動が規制される。キャスター83a,83b,83c,83dが第2部材81b及び第3部材81c上に乗り上がると、ローラ68a,68b,68c,68dは、第2部材81bと第3部材81cとの間に位置すると共に、床面から浮いた状態となる。ワゴン6Aがステーション80に完全に乗り上げると、ワゴン6Aがリフト装置5に対して位置決めされる。
【0075】
上記構成では、ステーション80の脚部82a,82b,82c,82dを調整することによって、リフト装置5に対するワゴン6Aの高さ位置を設定することができる。例えば、リフト装置5に対するワゴン6Aの高さ位置をローラ68a,68b,68c,68dによって調整する場合、床面に歪みや傾きが発生していると、リフト装置5に対するワゴン6Aの高さ位置を調整した後に、ワゴン6Aが平坦な床面を移動したときにローラ68a,68b,68c,68dにがたつきが発生したりするおそれがある。この場合、ワゴン6Aの操作性が低下し得る。これに対して、ステーション80を備える構成では、ステーション80の高さの調整を行うことでリフト装置5に対するワゴン6Aの高さ位置を設定できる。そのため、ローラ68a,68b,68c,68dは、ワゴン6Aの走行性のみを考慮して適切に設定することができる。したがって、ワゴン6Aの操作性の向上が図れる。
【0076】
なお、
図18に示されるように、ステーション80は、カバー84を備えていてもよい。カバー84は、ワゴン6Aの一方の開口(リフト装置5側の開口とは反対側の開口)を覆うと共に、ワゴン6Aの上部を覆う。カバー84は、L字形状を呈している。カバー84の一端部は、ステーション80の第2部材81bに接続されている。カバー84の他端部は、リフト装置5に接続されている。この構成では、カバー84によってワゴン6Aの開口が覆われるため、ワゴン6Aの内部に作業者が手等を入れることを防止できる。そのため、リフト装置5によって食器ラックLをワゴン6Aに移載する際に、食器ラックLに手等が接触することを防止できる。
【0077】
上記実施形態に加えて、支持レール66は、食器ラックLを載置したまま引き出すことができる構成を有していてもよい。
図19(a)及び
図19(b)に示されるように、支持レール66Bは、取付部90と、摺動部91と、を有している。取付部90は、フレーム体60の柱部63に取り付けられる(固定される)。摺動部91は、取付部90に摺動自在に設けられている。摺動部91は、食器ラックLを支持する。
【0078】
上構成では、食器ラックLをワゴン6から取り出すときには、支持レール66Bの摺動部91を摺動させて食器ラックLをワゴン6の外側に引き出す。これにより、食器ラックLに設けられた凹部Laに作業者が手を容易に入れることができる。そのため、食器ラックLを安定して取り出すことができる。したがって、ワゴン6の操作性の向上を図ることができる。
【0079】
上記実施形態では、キャリーテーブル3において、食器ラックLの食器洗浄機4側への移動がセンサによって検出された場合に、搬送機構11のアーム13が動作を開始する形態を一例に説明した。しかし、キャリーテーブル3には、当該センサが設けられていなくてもよい。この場合、搬送機構11のアームは、操作部15においてスタートボタンB1が押下された場合に動作を開始すればよい。
【0080】
上記実施形態では、食器ラックLに収容されている食器Dが被洗浄物である形態を一例に説明した。しかし、被洗浄物は、これに限定されない。
【0081】
上記実施形態では、駆動機構7がリフト装置5に設けられている形態を一例に説明した。しかし、駆動機構7は、食器洗浄機4に設けられていてもよい。
【0082】
本発明は、発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上記実施形態及び上記変形例として記載の内容を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0083】
1…洗浄システム、3…キャリーテーブル(搬送装置)、4…食器洗浄機(洗浄機)、5…リフト装置、6,6A…ワゴン、60…フレーム体、63H…取付穴、64,65…側部、66,66A…支持レール、73…窓、78…支持レールセンサ(検出部)、80…ステーション、84…カバー、90…取付部、91…摺動部、D…食器(被洗浄物)、L…食器ラック(被洗浄物)。