(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-28
(45)【発行日】2023-08-07
(54)【発明の名称】飲料供給装置
(51)【国際特許分類】
B67D 1/08 20060101AFI20230731BHJP
A47J 31/40 20060101ALI20230731BHJP
【FI】
B67D1/08 Z
A47J31/40 104
(21)【出願番号】P 2019167059
(22)【出願日】2019-09-13
【審査請求日】2022-08-10
(73)【特許権者】
【識別番号】000194893
【氏名又は名称】ホシザキ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100155099
【氏名又は名称】永井 裕輔
(74)【代理人】
【識別番号】100147625
【氏名又は名称】澤田 高志
(74)【代理人】
【識別番号】100190333
【氏名又は名称】木村 群司
(72)【発明者】
【氏名】小林 実
(72)【発明者】
【氏名】藤原 徹
(72)【発明者】
【氏名】松原 充寿
(72)【発明者】
【氏名】有田 正吾
【審査官】藤原 弘
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-341991(JP,A)
【文献】特開2010-094176(JP,A)
【文献】特開平05-307671(JP,A)
【文献】特開2012-115574(JP,A)
【文献】特開2012-125440(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B67D 1/00-3/04
A47J 31/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジング内にて飲料の原料粉体を貯える粉体容器と、
前記粉体容器から原料粉体を搬出する粉体搬出部と、
前記原料粉体を溶解させる原料水を供給する原料水供給部とを備え、
前記粉体搬出部によって搬出された前記粉体容器内の原料粉体と前記原料水供給部から供給される原料水を混合して生成した飲料を供給する飲料供給装置であって、
前記粉体容器は、
前記ハウジング内に前側から出し入れして着脱可能に取り付けられたものであって、
上面に原料粉体を投入可能な開口部を有して原料粉体を貯える容器部と、
前記容器部の
左右方向の一側壁の上端部の回動軸によって水平軸線回りに回動可能に支持されて前記開口部を開閉自在に塞ぐ蓋部とを備え、
前記容器部の前記回動軸が配設された前記
左右方向の一側壁の下部と外側に対向する位置に前記容器部内の下部の原料粉体の有無を検知する粉体検知器を設け、
前記粉体検知器には前側を覆う前側カバー部を設けたことを特徴とする飲料供給装置。
【請求項2】
請求項1に記載の飲料供給装置において、
前記粉体検知器には、上側を覆う上側カバー部を設けたことを特徴とする飲料供給装置。
【請求項3】
請求項
2に記載の飲料供給装置において、
前記上側カバー部と前記前側カバー部との少なくとも一方を前記粉体検知器よりも前記粉体容器側に突き出るようにしたこと特徴とする飲料供給装置。
【請求項4】
請求項
2または3に記載の飲料供給装置において、
前記粉体検知器には、前記上側カバー部と前記前側カバー部とが一体的に形成されるとともに、前記粉体検知器の前記粉体容器側である検知面側と反対側の背面を覆う背面側カバー部が一体的に形成された粉体検知器カバーを設けたことを特徴とする飲料供給装置。
【請求項5】
請求項
4に記載の飲料供給装置において、
前記粉体検知器はブラケットによって前記ハウジング内に固定され、
前記ブラケットを前記粉体検知器と前記背面側カバー部との間に介装することで、前記粉体検知器の背面を前記ブラケットを介して前記背面側カバー部により覆うようにし、
前記粉体検知器を前記ブラケットに取り付けるねじの先端部を前記背面側カバー部により外側に突き出ないようにしたことを特徴とする飲料供給装置。
【請求項6】
ハウジング内にて飲料の原料粉体を貯える粉体容器と、
前記粉体容器の下部に原料粉体を搬出するスクリューを有した粉体搬出部と、
前記原料粉体を溶解させる原料水を供給する原料水供給部とを備え、
前記粉体搬出部によって搬出された前記粉体容器内の原料粉体と前記原料水供給部から供給される原料水を混合して生成した飲料を供給する飲料供給装置であって、
前記粉体容器には前記スクリューを上側から見たときの回転方向の下流側の側壁の下部と外側に対向する位置に前記容器部内の下部の原料粉体の有無を検知する粉体検知器を設けたことを特徴とする飲料供給装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、原料粉体と原料水とを混合して生成した飲料を供給する飲料供給装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には飲料ディスペンサの発明が開示されている。この飲料ディスペンサは、ハウジングの前部に設けられた飲料生成注出室に、飲料の粉末原料(原料粉体)を収容するキャニスタ(粉体容器)と、キャニスタ内の粉末原料を搬出する搬出部と、搬出部によって搬出された粉末原料を受け入れて水または湯と混合して飲料を生成するミキシングユニットと、ミキシングユニットで生成した飲料を受けるカップを載置する載置台とを備えている。この飲料ディスペンサでは、キャニスタ内の粉末原料は搬出部によってミキシングユニットを構成するミキシングケース内に搬出され、粉末原料はミキシングケース内で水または湯と撹拌混合されて飲料となり、飲料は載置台に載置されたカップで受けられる。
【0003】
特許文献2には飲料自動販売機の原料売切検出装置の発明が開示されている。飲料自動販売機は、原料容器(粉体容器)に粉末原料(原料粉体)を収納し、販売毎に原料を払い出し、湯を加えることで飲料を製造して販売するものである。飲料自動販売機の原料売切検出装置は、原料容器の外側に静電容量式の原料売切センサを備え、原料容器内の粉末原料は原料売切センサによって売切の有無(粉末原料の残量が少なくなったこと)が検知される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特許第5219776号公報
【文献】特開平5-307671号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の飲料ディスペンサのキャニスタには、粉末原料の有無を検知するセンサ等の検知器が設けられてないので、キャニスタ内の粉末原料がなくなったことを検知することができない。このため、キャニスタ内に粉末原料がなくなると、カップには粉末原料が供給されずに水または湯だけが注ぎ出されることになる。
【0006】
特許文献2の飲料自動販売機の原料売切検出装置は、原料容器の外側に静電容量式の原料売切センサを備えており、原料売切センサにより原料容器内の粉末原料が少なくなったことを検知することができる。特に、原料売切検出装置は、原料容器の外側に静電容量式の原料売切センサを設けているので、原料容器内に粉末原料の有無を検知する検知器を設けたときと比べて、原料容器内の粉末原料を衛生的に保つことができるとともに、原料容器の洗浄等のメンテナンスを容易とすることができる。
【0007】
原料容器内の粉末原料がなくなった後で、原料容器の上面開口の原料の投入口から粉末原料を投入したときに、粉末原料が原料容器の外側にこぼれ落ちることがある。こぼれ落ちた粉末原料は原料容器の外側に配置されている原料売切センサに付着するおそれがあり、原料売切センサが付着した粉末原料によって原料容器の内の粉末原料の有無を正確に検知できなくなるおそれがあった。本発明は、飲料供給装置の粉体容器の上面開口から補充する原料粉体が外側にこぼれたとしても、こぼれた原料粉体が粉体検知器に付着しにくいようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は上記課題を解決するため、ハウジング内にて飲料の原料粉体を貯える粉体容器と、粉体容器から原料粉体を搬出する粉体搬出部と、原料粉体を溶解させる原料水を供給する原料水供給部とを備え、粉体搬出部によって搬出された粉体容器内の原料粉体と原料水供給部から供給される原料水を混合して生成した飲料を供給する飲料供給装置であって、粉体容器は、ハウジング内に前側から出し入れして着脱可能に取り付けられたものであって、上面に原料粉体を投入可能な開口部を有して原料粉体を貯える容器部と、容器部の左右方向の一側壁の上端部の回動軸によって水平軸線回りに回動可能に支持されて開口部を開閉自在に塞ぐ蓋部とを備え、容器部の回動軸が配設された左右方向の一側壁の下部と外側に対向する位置に容器部内の下部の原料粉体の有無を検知する粉体検知器を設け、粉体検知器には前側を覆う前側カバー部を設けたことを特徴とする飲料供給装置を提供するものである。
【0009】
上記のように構成した飲料供給装置においては、粉体容器は、ハウジング内に前側から出し入れして着脱可能に取り付けられたものであって、上面に原料粉体を投入可能な開口部を有して原料粉体を貯える容器部と、容器部の左右方向の一側壁の上端部の回動軸によって水平軸線回りに回動可能に支持されて開口部を開閉自在に塞ぐ蓋部とを備え、容器部の回動軸が配設された左右方向の一側壁の下部と外側に対向する位置に容器部内の下部の原料粉体の有無を検知する粉体検知器を設け、粉体検知器には前側を覆う前側カバー部を設けられている。粉体容器の容器部に原料粉体を補充するときには、回動軸を支点に蓋部を外側に回動させて開くと、蓋部は容器部の開口部から連続した状態で粉体検知器の上側を覆うようになる。これにより、容器部に原料粉体を補充しているときに、原料粉体が容器部からこぼれたとしても、粉体検知器にはこぼれた原料粉体が付着しにくくなり、粉体検知器はこぼれ落ちる原料粉体が付着することに起因する誤検知が生じにくくなる。また、粉体容器はハウジング内に前側から出し入れして着脱可能に取り付けられているので、粉体容器を洗浄等のメンテナンスをする作業が手軽に行える。粉体検知器は粉体容器の左右の側壁の一方を構成する一側壁の下部と外側に対向する位置に配置され、粉体検知器には前側を覆う前側カバー部が設けられているので、メンテナンス後に粉体容器をハウジング内に入れるときに、粉体容器が前側カバー部によって粉体検知器の前面に直接当たるのを防ぐことができ、粉体検知器が粉体容器に当たることにより破損するのを防ぐことができる。
【0010】
上記のように構成した飲料供給装置においては、粉体検知器には、上側を覆う上側カバー部を設けるのが好ましい。このようにしたときには、容器部からこぼれる原料粉体が上側カバー部によって粉体検知器にさらに付着しにくくすることができる。
【0012】
上記のように構成した飲料供給装置においては、上側カバー部と前側カバー部との少なくとも一方を粉体検知器よりも粉体容器側に突き出るようにするのが好ましい。このようにしたときには、粉体容器をハウジング内で着脱する際に、粉体容器を左右に動かしながら着脱しても、粉体検知器は上側カバー部と前側カバー部との少なくとも一方によって粉体容器の一側壁に接触しないようにすることができ、粉体検知器が破損するのを防ぐことができる。さらに、粉体容器をハウジング内に取り付けるときに、粉体容器の一側壁を粉体容器側に突き出るようにした上側カバー部と前側カバー部との少なくとも一方に当接させることで、粉体容器の一側壁は粉体検知器に常に同じ間隔で配置されるようになり、粉体検知器の検知精度を高めることができる。
【0013】
上記のように構成した飲料供給装置においては、粉体検知器には、上側カバー部と前側カバー部とが一体的に形成されるとともに、粉体検知器の粉体容器側である検知面側と反対側の背面を覆う背面側カバー部が一体的に形成された粉体検知器カバーを設けるのが好ましい。このようにしたときには、粉体検知器カバーは、上側カバー部と前側カバー部だけでなく、背面側カバー部が一体的に形成されていることで剛性を高くすることができる。この場合に、粉体検知器はブラケットによってハウジング内に固定され、ブラケットを粉体検知器と背面側カバー部との間に介装することで、粉体検知器の背面をブラケットを介して背面側カバー部により覆うようにし、粉体検知器をブラケットに取り付けるねじの先端部を背面側カバー部により外側に突き出ないようにするのが好ましい。このようにしたときには、粉体検知器をブラケットに取り付けるねじの先端部が背面側カバー部によって外側に出ないので、粉体検知器を取り付けるねじの先端部の突起に引っかからないようになる。
【0014】
上記課題を解決する他の実施形態においては、ハウジング内にて飲料の原料粉体を貯える粉体容器と、粉体容器の下部に原料粉体を搬出するスクリューを有した粉体搬出部と、原料粉体を溶解させる原料水を供給する原料水供給部とを備え、粉体搬出部によって搬出された粉体容器内の原料粉体と原料水供給部から供給される原料水を混合して生成した飲料を供給する飲料供給装置であって、粉体容器にはスクリューを上側から見たときの回転方向の下流側の側壁の下部と外側に対向する位置に容器部内の下部の原料粉体の有無を検知する粉体検知器を設けたことを特徴とする飲料供給装置を提供するものである。
【0015】
上記のように構成した飲料供給装置においては、粉体容器にはスクリューを上側から見たときの回転方向の下流側の側壁の下部と外側に対向する位置に容器部内の下部の原料粉体の有無を検知する粉体検知器が設けられている。上側から見たときの粉体容器のスクリューの回転方向の下流側は上流側よりも原料粉体が早く減少しており、粉体検知器をスクリューを上側から見たときの回転方向の下流側の側壁に配置したことで、原料粉体が残り僅かとなったことを確実に検知することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明の飲料供給装置の一実施形態であるとろみ飲料供給装置の斜視図である。
【
図2】
図1のフロントパネルを取り外した状態の正面図である。
【
図3】
図1のフロントパネルを取り外した状態の斜視図である。
【
図5】ベースに形成した開口部に給水管と給湯管とが接続された状態を示す概略図である。
【
図7】粉体検知器とブラケットと粉体検知器カバーの組付図(a)と分解図(b)である。
【
図10】とろみ飲料供給プログラムを実行したときの各構成部品の作動を示すタイムチャート(a)であり、飲料注出部から飲料及びとろみ粉体注出口からとろみ粉体が注出されるタイミングを示すタイムチャート(b)である。
【
図11】非とろみ飲料供給プログラムを実行したときの各構成部品の作動を示すタイムチャート(a)であり、飲料注出部から飲料が注出されるタイミングを示すタイムチャート(b)である。
【
図12】粉体検知器によるとろみ粉体の粉切れ前検知に伴う制御プログラムを示すフローチャートである(1)。
【
図13】粉体検知器によるとろみ粉体の粉切れ前検知に伴う制御プログラムを示すフローチャートである(2)。
【
図14】とろみ用の粉体容器の蓋部を開放させた
図2の一部拡大正面図である。
【
図15】C-C線に沿った横方向一部断面図である。
【
図16】粉体検知器の位置を変えた実施形態の
図15に相当する横方向一部断面図 である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に、本発明による飲料供給装置の一実施形態であるとろみ飲料供給装置の実施形態を図面を参照して説明する。本発明のとろみ飲料供給装置10は、カップ等の容器C内に供給される飲料に容器C内でとろみ粉体を混合させてとろみ飲料を供給するものである。
図1~
図4に示したように、とろみ飲料供給装置10は、略直方体形状のハウジング11の前部にとろみ飲料生成室12と、ハウジング11の後部に機械室13とを備え、ハウジング11内は仕切板14によってとろみ飲料生成室12と機械室13とに仕切られている。機械室13には後述する混合容器33または容器Cに供給する水を冷却するための冷却水槽と、冷却水槽を冷却する冷凍装置と、混合容器33または容器Cに供給する湯を供給する給湯器等が配設されている。
【0018】
ハウジング11の前面にはフロントパネル11aが開閉自在に設けられており、とろみ飲料生成室12内はフロントパネル11aの開放によってメンテナンス等のアクセスが可能となる。フロントパネル11aはハウジング11の前面右側部に鉛直軸線回りに回動可能に支持されている。
図2及び
図3に示したように、ハウジング11の前面左側部にはリードスイッチ等の近接センサを用いた開閉検知器15が設けられており、フロントパネル11aの左端部には開閉検知器15を検知させる被検知器となる磁石16(
図1に示した)が設けられている。フロントパネル11aがハウジング11の前面開口を覆っているときには、フロントパネル11aの磁石16が開閉検知器15に近接し、開閉検知器15はオン信号を出力する。フロントパネル11aを回動させてハウジング11の前面開口を開放すると、フロントパネル11aの磁石16が開閉検知器15から離間し、開閉検知器15はオフ信号を出力する。
【0019】
図2~
図4に示したように、とろみ飲料生成室12にはカップ等の容器Cを載置する載置台20と、容器C内に飲料を供給する飲料供給部30と、容器C内の飲料にとろみを付与するとろみ供給部40とを備えている。この実施形態では、とろみ飲料生成室12には2種類の飲料を供給するために2つの飲料供給部30が設けられており、2つの飲料供給部30はとろみ飲料生成室12の左右方向の中央部に配置されるとろみ供給部40の左右両側に配置されている。左右の飲料供給部30は左右対象に配置されているだけで同一の構成となっているので、以後の説明では主として一方の飲料供給部30のみを説明する。
【0020】
図1~
図3に示したように、載置台20はとろみ飲料生成室12の下部にて左右方向の中央部に位置されている。載置台20は、カップ等の容器Cを載置する受台部21と、受台部21の上側を覆うカバー部22とを備えている。
【0021】
図2~
図4に示したように、飲料供給部30は載置台20に載置した容器Cにとろみ飲料の原料となる飲料を供給するものである。飲料供給部30は、飲料用の粉体容器31と、飲料用の粉体容器31内の原料粉体を搬出する飲料用の粉体搬出部32と、原料粉体を水及び/または湯と混合する混合容器33と、混合容器33内に水及び/または湯を供給する原料水供給部34と、混合容器33内で原料粉体と水及び/または湯とを撹拌する撹拌装置35と、混合容器33内で混合して精製した飲料を容器Cに案内する飲料案内経路36とを備えている。
【0022】
図2~
図4に示したように、飲料用の粉体容器31は緑茶、ほうじ等の粉末よりなる飲料の原料粉体を貯えるものであり、とろみ飲料生成室12に設けたベース17に着脱可能に取り付けられている。飲料用の粉体容器31はフロントパネル11aを開放させたときに、ハウジング11の前側から出し入れするように着脱可能に取り付けられている。飲料用の粉体容器31は、飲料の原料粉体を貯える容器部31aと、容器部31aの上面の開口部を開閉自在に塞ぐ蓋部31bとを備えている。容器部31aの上面の開口部は原料粉体を補充するときに飲料の原料粉体を投入する投入口として用いられている。容器部31aの左側壁の上端部には前後方向に延びる水平軸線回りの回動軸31cが設けられ、蓋部31bは回動軸31cによって水平軸線回りに回動可能に支持されている。
【0023】
図4に示したように、飲料用の粉体容器31の容器部31aの底部には原料粉体の搬出口31dが設けられており、原料粉体は飲料用の粉体搬出部32によって搬出口31dから混合容器33に搬出される。飲料用の粉体搬出部32は、容器部31aの下部に設けられたスクリュー32aと、スクリュー32aを回転させるモータ32bと、モータ32bの回転をスクリュー32aに伝達するカップリング部材32cとを備えている。スクリュー32aがモータ32bによって回転すると、飲料用の粉体容器31内の原料粉体は搬出口31dから混合容器33内に搬出される。
【0024】
図4に示したように、混合容器33は原料粉体と水及び/または湯とを撹拌して混合させるものであり、とろみ飲料生成室12に設けたベース17に着脱可能に支持されている。混合容器33も、飲料用の粉体容器31と同様に、フロントパネル11aを開放させたときに、ハウジング11の前側から出し入れするように着脱可能に取り付けられている。混合容器33は飲料用の粉体容器31の下側で開口しており、飲料用の粉体容器31の搬出口31dから搬出される原料粉体は混合容器33内に流入する。混合容器33の底部には放出口33aが形成されており、混合容器33内で撹拌されて混合された飲料は放出口33aから放出される。
【0025】
図5に示したように、ベース17には混合容器33内に水及び/または湯を供給するための給水口17aが設けられている。給水口17aには原料水供給部34が接続されており、原料水供給部34は給水管34aと、給水管34aに接続された給湯管34cとを備えている。給水管34aは機械室13内の冷却管を介して水道等の給水源に接続されており、給水管34aには給水弁34bが介装されている。給水源の水は給水弁34bの開放によって給水口17aから混合容器33内に供給される。給湯管34cは機械室13内の給湯器等の給湯源に接続されており、給湯管34cには給湯弁34dに接続されている。給湯源の湯は給湯弁34dの開放によって給湯管34c及び給水管34aを通って給水口17aから混合容器33内に供給される。
【0026】
図4に示したように、混合容器33には撹拌装置35が設けられており、撹拌装置35は混合容器33の後側のベース17に設けたモータ35aと、モータ35aによって回転する回転軸35dと、回転軸35dの先端に設けられた円板部35eとを備えている。モータ35aの出力軸にはカップリング用のマグネット35bが設けられ、回転軸35dのモータ35a側となる基端にはカップリング用のマグネット35cが設けられている。回転軸35dはカップリング用のマグネット35b,35cによってモータ35aに着脱可能に連結され、モータ35aはカップリング用のマグネット35b,35cを介して回転軸35dを回転させる。回転軸35dは混合容器33の底部の放出口33aの上側に延出し、回転軸35dの先端には放出口33aの上側で円板部35eが設けられている。回転軸35dの先端の円板部35eの下面には撹拌羽根が設けられており、混合容器33内の原料粉体と水及び/または湯とは円板部35eの回転によって撹拌混合されて飲料となる。
【0027】
図2及び
図3に示したように、飲料案内経路36は混合容器33内で生成された飲料を載置台20に載置した容器Cに案内するものである。飲料案内経路36は浅い箱形をした飲料ガイド36aを備え、飲料ガイド36aは混合容器33の下側から載置台20の前部で左右方向の中央部まで延びている。この実施形態では、左右両側に配置された飲料ガイド36aはとろみ飲料生成室12の左右方向の中央部に配置される連結部36bによって互いに連結しており、左右両側の飲料ガイド36aは左右方向の中央部の連結部36bで繋がった状態で一体的に形成されている。一体的に形成されている左右両側の飲料ガイド36aは載置台20のカバー部22の上側に支持されている。
【0028】
図2、
図3及び
図6に示したように、飲料ガイド36aには載置台20の前部で左右方向の中央部の上側で下方に延びる円筒形をした飲料注出部36cが設けられており、飲料注出部36cの下端には飲料の飲料注出口36dが形成されている。また、左右両側の飲料ガイド36aの飲料注出部36cは載置台20の前部にて左右方向の中央部で互いに左右方向に隣接する位置に配置されている。
【0029】
図2、
図3及び
図6に示したように、とろみ供給部40は、容器C内の飲料にとろみを付与するものであり、この実施形態では容器C内に直接とろみ粉体を供給するものである。とろみ供給部40は、とろみ飲料の原料粉体となるとろみ粉体を貯えるとろみ用の粉体容器41と、とろみ用の粉体容器41から搬出されるとろみ粉体を載置台20の容器Cに案内するシュート46とを備えている。とろみ用の粉体容器41は、とろみ飲料生成室12に設けたベース17に着脱可能に取り付けられている。とろみ用の粉体容器41は、フロントパネル11aを開放させたときに、ハウジング11の前側から出し入れするように着脱可能に取り付けられている。
【0030】
とろみ用の粉体容器41は、とろみ飲料の原料粉体となるとろみ粉体を貯える容器部41aと、容器部41aの上面の開口部を開閉自在に塞ぐ蓋部41bとを備えている。容器部41aの上面の開口部は原料粉体を補充するときにとろみ粉体を投入する投入口として用いられている。容器部41aの左側壁(一側壁)の上端部には前後方向に延びる水平軸線回りの回動軸41cが設けられ、蓋部41bは回動軸41cによって水平軸線回りに回動可能に支持されている。
【0031】
図6に示したように、粉体容器41の容器部41aの底部には原料粉体の搬出口41dが設けられており、とろみ粉体はとろみ用の粉体搬出部42によって搬出口41dからシュート46に搬出される。とろみ用の粉体搬出部42は、容器部41aの下部に設けられたスクリュー42aと、スクリュー42aを回転させるモータ42bと、モータ42bの回転をスクリュー42aに伝達するカップリング部材42cとを備えている。スクリュー42aがモータ42bによって回転すると、粉体容器41内のとろみ粉体は搬出口41dからシュート46に搬出される。
【0032】
図2に示したように、とろみ用の粉体容器41の容器部41aの左側には粉体検知器43が設けられている。粉体検知器43は容器部41a内の下部のとろみ粉体の有無を検知することにより、容器部41a内のとろみ粉体が少量以下の量となったことを検知して、容器部41a内のとろみ粉体の粉切れ前状態を検知するものである。粉体検知器43は、静電容量式近接スイッチ(静電容量式近接センサ)を用いたものであり、測定物である容器部41a内の下部のとろみ粉体が近接したことで生じる測定電極と測定物間の静電容量変化を検出し、容器部41a内の下部のとろみ粉体の有無を検出する。
【0033】
図2及び
図7に示したように、粉体検知器43は、容器部41aの蓋部41bを支持する回動軸41cが配置された左側壁(一側壁)の下部と外側に対向する位置でブラケット44によって仕切板14に取り付けられており、粉体検知器43の検知面43aは容器部41a側を向いている。ブラケット44は板金部材を曲げ加工したものであり、粉体検知器43が取り付けられる取付板部44aと、取付板部44aの後端部の上下部から垂直に折り曲げられて仕切板14に固定するための上下一対の固定板部44bとを備えている。取付板部44aには粉体検知器43の検知面と反対側の非検知面が当接した状態で粉体検知器43が2つのねじ44cによって取り付けられている。上下の固定板部44bはねじ44dによって仕切板14に固定されている。なお、粉体検知器43はブラケット44によってベース17の上面に固定してもよい。
【0034】
粉体検知器43には粉体検知器カバー45が設けられており、粉体検知器カバー45は主として粉体検知器43の検知面43aにとろみ粉体等の異物の付着を防ぐためものである。粉体検知器カバー45は、粉体検知器43の検知面43a以外を覆う粉体容器41側に開口した浅い箱形をし、上側を覆う上側カバー部45aと、下側を覆う下側カバー部45bと、前側を覆う前側カバー部45cと、後側を覆う後側カバー部45dと、背面側を覆う背面側カバー部45eとを一体的に形成したものである。
【0035】
上側カバー部45aは、粉体検知器43の上側を覆い、粉体検知器43の上側から落下するとろみ粉体等の異物が粉体検知器43の検知面43aに付着するのを防いでいる。上側カバー部45aは、粉体検知器43よりも粉体容器41側に突き出ており、粉体容器41が粉体検知器43に接触するのを防いでいる。下側カバー部45bは、粉体検知器43の下側を覆うように形成され、粉体検知器カバー45の剛性保持の機能を有している。粉体検知器43の下側から流入する異物が粉体検知器43の検知面43aに付着するのを防いでいる。前側カバー部45cは、粉体検知器43より前側を覆っており、粉体容器41の取付時の接触を防いでいる。前側カバー部45cは、粉体検知器43よりも粉体容器41側に突き出ており、粉体容器41が粉体検知器43に接触するのを防いでいる。
【0036】
後側カバー部45dは、粉体検知器43の後側を覆うとともに、ブラケット44の固定板部44bとともにねじ44dによって仕切板14に固定される固定部の機能を有している。背面側カバー部45eはブラケット44の取付板部44aを介して粉体検知器43の後側を覆っている。すなわち、粉体検知器43の検知面43aと反対側にブラケット44の取付板部44aが配置され、取付板部44aの粉体検知器43の反対側に背面側カバー部45eが配置され、ブラケット44の取付板部44aは粉体検知器43と背面側カバー部45eとの間に介装されている。背面側カバー部45eにはリブ45fが設けられており、ブラケット44の取付板部44aはリブ45fに当接している。粉体検知器43をブラケット44の取付板部44aに取り付けているねじ44cの先端部は取付板部44aと背面側カバー部45eの間のリブ45fによる隙間に配置されており、粉体検知器43を取り付けるねじ44cの先端部が背面側カバー部45eから外側に突き出ないようになっている。
【0037】
図2及び
図6に示したように、シュート46はとろみ用の粉体容器41の搬出口41dの下側から載置台20に載置した容器Cの上側まで鉛直方向下向きに延びて、粉体容器41の搬出口41dから搬出されるとろみ粉体を載置台20に載置した容器Cに案内する通路46aを備えている。
図6に示したように、シュート46の上端部には粉体容器41の搬出口41dから搬出されるとろみ粉体を受け入れる受入口46bが設けられている。また、シュート46の下端部にはとろみ粉体を注ぎ出すとろみ粉体注出口46cが設けられている。
【0038】
図2に示したように、シュート46の下端部に隣接する位置には、飲料供給部30と同様に、原料水供給部47が設けられており、原料水供給部47は飲料供給部30からの飲料を用いずにとろみ水またはとろみ湯を供給するのに用いられる。原料水供給部47は給水管47aと、給水管47aに接続された給湯管(図示省略)を備えている。給水管と給湯管の各々には給水弁と給湯弁(何れも図示省略)が介装されており、給水源の水は給水弁の開放によって給水管を通って容器Cに供給され、給湯源の湯は給湯管の開放によって給湯管と給水管とを通って容器Cに供給される。
【0039】
図1及び
図8に示したように、フロントパネル11aには操作パネル18が設けられており、操作パネル18には飲料供給スイッチ18aと、飲料のとろみ粉体の有無を切り換える切換スイッチ18b及び、とろみ粉体の量の変更スイッチ18c等の入力装置と、とろみ粉体の粉切れ前状態の情報等を表示するLEDランプ等の出力装置とを備えている。
【0040】
とろみ飲料供給装置10は、主としてとろみ粉体を含んだとろみ飲料を供給することを目的としたものであり、補助的にとろみ粉体を含まない飲料(以後、とろみ粉体を含まない飲料を主として非とろみ飲料と記載する)も供給することを可能としている。このため、飲料供給スイッチ18aは、切換スイッチ18bを操作しない限りとろみ飲料を供給させるのに用いられ、切換スイッチ18bの操作によって非とろみ飲料を供給するモードに切り換えることで非とろみ飲料を供給させるのに用いられている。また、飲料供給スイッチ18aは、飲料の種類毎に冷たい飲料用の飲料供給スイッチ18a1と、温かい飲料用の飲料供給スイッチ18a2を備えている。冷たい飲料用の飲料供給スイッチ18a1を操作すると、冷たいとろみ飲料が供給され、温かい飲料用の飲料供給スイッチ18a2を操作すると、温かいとろみ飲料が供給される。切換スイッチ18bを操作して非とろみ飲料を供給するモードに切り換えたときに、冷たい飲料用の飲料供給スイッチ18a1を操作すると、冷たい非とろみ飲料が供給され、温かい飲料用の飲料供給スイッチ18a2を操作すると、温かい非とろみ飲料が供給される。
【0041】
とろみ粉体の量の変更スイッチ18cは、とろみ飲料に含まれるとろみ粉体の量を増減させるものであり、とろみ粉体の量を多くする増量スイッチ18c1と、とろみ粉体の量を少なくする減量スイッチ18c2とを備えている。増量スイッチ18c1を操作した後で飲料供給スイッチ18aを操作すると、とろみ粉体が増量されたとろみ飲料(濃いとろみ飲料)が供給され、減量スイッチ18c2を操作した後で飲料供給スイッチ18aを操作すると、とろみ粉体が減量されたとろみ飲料(薄いとろみ飲料)が供給される。
【0042】
操作パネル18には、粉体検知器43により検知されたとろみ用の粉体容器41内のとろみ粉体の粉切れ前状態の情報を表示する出力装置として粉切れ前検知ランプ18dが設けられている。粉体検知器43により粉体容器41内のとろみ粉体の粉切れ前状態が検知されると、粉切れ前検知ランプ18dが点滅して表示される。また、スイッチ18a~18cには出力装置を構成するランプが配設されており、スイッチ18a~18cは、ランプの点灯時に操作可能であり、ランプの消灯時に操作不可となるように設定されている。
【0043】
図9に示したように、とろみ飲料供給装置10は、載置台20に載置した容器Cにとろみ飲料の供給を制御する制御装置50を備えており、制御装置50は、開閉検知器15、操作パネル18、飲料供給部30の飲料用の粉体搬出部32を構成するモータ32b、原料水供給部34の給水弁34bと給湯弁34d、撹拌装置35のモータ35a及びとろみ供給部40のとろみ用の粉体搬出部42を構成するモータ42b、粉体検知器43に接続されている。
【0044】
制御装置50は、メモリにとろみ飲料を供給するとろみ飲料供給プログラムを有しており、とろみ飲料供給プログラムは操作パネル18の飲料供給スイッチ18aの操作によるとろみ飲料供給信号の入力があると、給水弁34b及び/または給湯弁34dの開閉を制御するとともに、飲料用の粉体搬出部32のモータ32bと撹拌装置35のモータ35aととろみ用の粉体搬出部42を構成するモータ42bとを制御することにより、載置台20に載置したカップ等の容器Cにとろみ飲料を供給するように制御している。
【0045】
とろみ飲料供給装置10でとろみ飲料を供給するときには、載置台20の受台部21の前部で左右の中央部にカップ等の容器Cを載置し、操作パネル18の飲料供給スイッチ18aを操作すると、制御装置50はとろみ飲料供給プログラムを実行する。
図10(a)がとろみ飲料供給プログラムを実行したときの各構成部品の作動を示すタイムチャートであり、
図10(b)が容器C内に飲料注出部36c(飲料注出口36d)から飲料と、とろみ粉体注出口46cからとろみ粉体とが注出されるタイミングを示すタイムチャートである。
図10のaのタイミングに示したように、飲料供給スイッチ18aを操作すると、制御装置50は、飲料用の粉体搬出部32のモータ32bを飲料の濃さや注出量に応じた時間で回転させる(
図10のbからcまでの時間)。飲料用の粉体容器31内の原料粉体は搬出口31dから混合容器33内に搬出される。
【0046】
図10のcのタイミングに示したように、制御装置50は、給水弁34b及び/または給湯弁34dの開放及び撹拌装置35のモータ35aを作動させてから少しの時間が経過して
図10のdのタイミングになると、とろみ用の粉体搬出部42のモータ42bをとろみ飲料のとろみの濃さ(粘度)に応じた時間で回転させる。とろみ用の粉体容器41内のとろみ粉体は搬出口41dから受入口46bを通ってシュート46内に搬出される。シュート46内に搬出されたとろみ粉体は通路46aを落下し、
図10のeのタイミングで飲料注出口36dから飲料が容器Cに注出され始め、その後の
図10のfのタイミングでとろみ粉体注出口46cから容器Cに注出される。なお、とろみ用の粉体容器41内のとろみ粉体はシュート46を通過するため、とろみ用の粉体搬出部42のモータ42bを作動開始させてから少しのタイムラグが生じた後でとろみ粉体注出口46cから注出される。
【0047】
とろみ飲料供給プログラムを実行するときには、とろみ粉体の量の変更も可能となっており、増量スイッチ18c1を操作してとろみ粉体の量を多くしてとろみ粉体の濃度を濃くすると、制御装置50はとろみ用の粉体搬出部42のモータ42bの作動時間を長くするように制御し、減量スイッチ18c2を操作してとろみ粉体の量を少なくしてとろみ粉体の濃度を薄くすると、制御装置50はとろみ用の粉体搬出部42のモータ42bの作動時間を短くするように制御している。
【0048】
制御装置50は、メモリに非とろみ飲料を供給する非とろみ飲料供給プログラムを有しており、非とろみ飲料供給プログラムは操作パネル18の切換スイッチ18bを操作して非とろみ飲料の供給モードに切り換えた後で、飲料供給スイッチ18aの操作にによる非とろみ飲料供給信号の入力があると、給水弁34b及び/または給湯弁34dの開閉を制御するとともに、飲料用の粉体容器31の飲料用の粉体搬出部32を構成するモータ32bと撹拌装置35のモータ35aとを制御することにより、載置台20に載置したカップ等の容器Cにとろみ粉体を含まない飲料(非とろみ飲料)を供給するように制御している。
【0049】
とろみ飲料供給装置10で非とろみ飲料を供給するときには、載置台20の受台部21の前部で左右の中央部にカップ等の容器Cを載置し、操作パネル18の切換スイッチ18bの操作後に飲料供給スイッチ18aを操作すると、制御装置50は非とろみ飲料供給プログラムを実行する。
図11(a)が非とろみ飲料供給プログラムを実行したときの各構成部品の作動を示すタイムチャートであり、
図11(b)が容器C内に飲料注出部36c(飲料注出口36d)から非とろみ飲料が注出されるタイミングを示すタイムチャートである。
図11のaのタイミングに示したように、切換スイッチ18bの操作後に飲料供給スイッチ18aを操作すると、制御装置50は、飲料用の粉体搬出部32のモータ32bを飲料の濃さに応じた時間で回転させる(
図11のbからcまでの時間)。飲料用の粉体容器31内の原料粉体は搬出口31dから混合容器33内に搬出される。
図11のcのタイミングに示したように、制御装置50は、給水弁34b及び/または給湯弁34dの開放及び撹拌装置35のモータ35aを作動させる。
図11のeのタイミングとなると、飲料注出口36dから飲料が容器Cに注出される。
【0050】
とろみ飲料供給装置10は、粉体検知器43によりとろみ用の粉体容器41内の下部のとろみ粉体の有無を検知することで、とろみ用の粉体容器41内のとろみ粉体の残量が少なくなった、すなわち、とろみ用の粉体容器41内のとろみ粉体の粉切れ前状態を検知している。制御装置50はこの粉体検知器43によるとろみ粉体の粉切れ前状態の情報に基づく種々の制御をしており、この制御を
図12及び
図13に示したフローチャートにより説明する。
【0051】
制御装置50は、ステップ101にて、粉体検知器43によりとろみ用の粉体容器41内の下部でとろみ粉体が有ることを検知できなくなる、すなわち、とろみ用の粉体容器41内のとろみ粉体が少量以下の量となって、粉体検知器43により粉体容器41内のとろみ粉体の粉切れ前状態が検知されたか否かを判定し、粉体検知器43によりとろみ粉体の粉切れ前状態が検知されてなければステップ101にてNOと判断してステップ102に進める。制御装置50は、ステップ102にて、操作パネル18の切換スイッチ18bの操作の有無を含めた飲料供給スイッチ18aの操作により、とろみ飲料または非とろみ飲料の飲料供給信号の入力があったか否かを判定する。操作パネル18の飲料供給スイッチ18aの操作による飲料供給信号の入力がなければ、制御装置50はステップ102にてNOと判断してステップ101に戻す。
【0052】
制御装置50は、ステップ101にて粉体検知器43によりとろみ粉体の粉切れ前状態が検知されたか否かを判定しながら、ステップ102にて飲料供給スイッチ18aから飲料供給信号の入力があったか否かを繰り返し判定しているときに、飲料供給スイッチ18aが操作されて飲料供給信号の入力があると、ステップ102にてYESと判断してステップ103に進める。制御装置50は、ステップ103にて、とろみ飲料または非とろみ飲料の飲料供給信号に応じて、上述したとろみ飲料または非とろみ飲料供給プログラムを実行し、載置台20に載置した容器Cにとろみ飲料または非とろみ飲料を供給する。
【0053】
ステップ101~103の処理の実行中に、とろみ飲料供給プログラムによりとろみ飲料を供給すると、とろみ用の粉体容器41内のとろみ粉体が徐々に減少し、粉体検知器43によりとろみ粉体の粉切れ前状態が検知されると、制御装置50は、ステップ101にてYESと判断してステップ104に進める。制御装置50は、ステップ104にて、操作パネル18の粉切れ前検知ランプ18dを点滅させることで、とろみ用の粉体容器41内のとろみ粉体の粉切れ前状態の情報を表示させて、ユーザにとろみ粉体の補充を促す。
【0054】
粉体検知器43によりとろみ粉体の粉切れ前状態が検知されて、操作パネル18の粉切れ前検知ランプ18dを点滅させたときには、とろみ用の粉体容器41内の下部に少量のとろみ粉体が残っている。とろみ飲料供給装置10では、粉切れ前検知ランプ18dを点滅させて管理者に補充用のとろみ粉体を準備する猶予を与えるとともにとろみ粉体の補充を促しつつ、以下に説明する処理によって、とろみ飲料にとろみ粉体が含まれないような事態を招かないようにしながら、とろみ用の粉体容器41内に残るとろみ粉体によって数杯程度のとろみ飲料を供給可能として、とろみ飲料を供給できない時間をできるだけ短くするようにしている。
【0055】
操作パネル18の粉切れ前検知ランプ18dを点滅させて、とろみ用の粉体容器41内のとろみ粉体の粉切れ前状態の情報を表示させた後で、制御装置50は、ステップ105にて粉体検知器43によりとろみ粉体の粉切れ前状態が引き続き検知されているか否かを判定する。とろみ用の粉体容器41の容器部41aから蓋部41bを回動させて、とろみ粉体が容器部41aに補充されれば、粉体検知器43によりとろみ粉体の粉切れ前状態が検知されないようになる。この場合には、制御装置50は、ステップ105にてNOと判断し、ステップ106にて、操作パネル18の粉切れ前検知ランプ18dを消灯させ、とろみ用の粉体容器41内のとろみ粉体の粉切れ前状態の情報の表示を解除させる。
【0056】
これに対し、とろみ用の粉体容器41にとろみ粉体が補充されなければ、粉体検知器43によりとろみ粉体の粉切れ前状態が引き続き検知されるので、制御装置50は、ステップ105にてYESと判断してステップ107に進める。制御装置50は、ステップ107にて、開閉検知器15によりフロントパネル11aが開放されたか否かを判定する。このステップ107の処理は、とろみ用の粉体容器41にとろみ粉体を補充することに起因してフロントパネル11aが開放されたかを検知するものであり、後述するように、フロントパネル11aが所定の開放回数として3回開放されるまでに、とろみ用の粉体容器41にとろみ粉体が補充されてもとろみ粉体の粉切れ前状態が検知されるようであれば、粉体検知器43が故障等の異常と判断するための処理である。
【0057】
フロントパネル11aが開放されず、開閉検知器15によりフロントパネル11aの開放が検知されなければ、制御装置50は、ステップ107にてNOと判断してステップ108に進める。制御装置50は、ステップ108にて操作パネル18の切換スイッチ18bの操作の有無を含めた飲料供給スイッチ18aの操作によるとろみ飲料または非とろみ飲料の飲料供給信号の入力があったか否かを判定する。操作パネル18の飲料供給スイッチ18aの操作による飲料供給信号の入力がなければ、制御装置50はステップ108にてNOと判断してステップ105に戻す。
【0058】
とろみ粉体が補充されない状態では、飲料供給スイッチ18aが操作されるまで、制御装置50は、ステップ105のYESの判断処理、ステップ107の判断処理及びステップ108のNOの判断処理を繰り返し実行し、飲料供給スイッチ18aが操作されて飲料供給信号の入力があると、制御装置50はステップ108にてYESと判断してステップ109に進める。制御装置50は、とろみ飲料または非とろみ飲料の飲料供給信号に応じて、とろみ飲料または非とろみ飲料供給プログラムを実行し、載置台20に載置した容器Cにとろみ飲料または非とろみ飲料を供給する。
【0059】
制御装置50は、ステップ110にて、ステップ109で実行した飲料供給プログラムがとろみ飲料供給プログラムであるか否かを判定する。ステップ109で実行した飲料供給プログラムが非とろみ飲料供給プログラムであれば、制御装置50は、ステップ110でNOと判断してステップ105に戻す。これに対し、ステップ109で実行した飲料供給プログラムが、とろみ飲料供給プログラムであれば、制御装置50は、ステップ110でYESと判断し、ステップ111にて、ステップ109で実行したときのとろみ用の粉体搬出部42のモータ42bの作動時間tを積算時間Ttに加算する。制御装置50は、ステップ112にて、積算時間Ttがとろみ用の粉体容器41内に残っているとろみ粉体を搬出させたと想定される時間として規定された規定時間Ts(この実施形態では40秒間であるが、これに限られるものではない。)以上となったか否かを判定し、積算時間Ttが規定時間Ts以上となっていなければNOと判断してステップ105に戻す。
【0060】
とろみ飲料供給装置10では、粉体検知器43によりとろみ粉体の粉切れ前状態の検知後でも、粉切れ状態または粉切れ直前状態となるまで一定量のとろみ飲料を供給可能としている。ステップ112の判定処理は、とろみ用の粉体容器41内に粉切れ前状態で残るとろみ粉体の量がさらに粉切れの状態または粉切れ直前状態で残るとろみ粉体の量となったかを判定する粉切れ判定処理である。粉切れ判定処理は、容器Cにとろみ飲料として供給するものにとろみ粉体が含まれないようになるのを防ぐために、とろみ粉体の粉切れ前状態検知後に、とろみ用の粉体容器41から搬出されたとろみ粉体の搬出情報として、とろみ粉体を搬出するときのとろみ用の粉体搬出部42のモータ42bの作動時間を積算した積算時間Ttに基づいて粉切れの状態または粉切れ直前状態となったかを判定する。
【0061】
ステップ112の粉切れ判定処理は、ステップ101での粉切れ前状態の検知後に、ステップ109でのとろみ飲料供給プログラムを実行させたときのとろみ用の粉体搬出部42のモータ42bの作動時間tをステップ111で加算してある積算時間Ttに加算し、とろみ用の粉体搬出部42のモータ42bの積算時間Ttが、粉切れ前検知をしたときに残っていると想定されるとろみ粉体を搬出させるのに要する時間として規定された規定時間Tsとなったかを判定することで、粉切れの状態または粉切れ直前状態と判定するものである。この実施形態の判定処理は、とろみ用の粉体容器41から搬出されたとろみ粉体の搬出情報として、とろみ用の粉体搬出部42のモータ42bの積算時間Ttにより、粉切れの状態または粉切れ直前状態となったかを判定しているが、これに限られるものでなく、判定精度が低くなるものの、とろみ飲料の供給回数、すなわち、ステップ108による飲料供給スイッチ18aが操作されて飲料供給信号の入力された後で、ステップ109にて実行したとろみ飲料供給プログラムの実行回数によって、粉切れの状態または粉切れ直前状態となったかを判定してもよい。さらに、とろみ飲料供給時の原料水供給部34の給水弁34b及び/または給湯弁34dの累積開放時間、原料水供給部47の給水弁及び/または給湯弁の累積開放時間に基づいて粉切れの状態または粉切れ直前状態となったかを判定してもよい。
【0062】
とろみ粉体が補充されない状態で、とろみ飲料の供給を数回実行し、積算時間Ttが規定時間Ts以上となると、制御装置50は、ステップ112にて粉切れの状態または粉切れ直前状態となったことの検知によりYESと判断し、ステップ113にてとろみ飲料供給停止制御を実行してとろみ飲料を供給できない状態に設定し、操作パネル18の飲料供給スイッチ18aのランプを消灯させることで、とろみ粉体切れであることと、とろみ粉体切れによってとろみ飲料が供給されないことを間接的に表示させる。また、このとき、フロントパネル11aの裏面に設けた図示しない液晶表示部にもとろみ粉体切れである旨が表示され、フロントパネル11aを開放させたときにとろみ粉体切れであることを明確に報知するようにしている。なお、とろみ飲料供給停止制御を実行しているときには、非とろみ飲料は供給可能となっている。とろみ飲料供給停止制御を実行しているときに、ランプが消灯している飲料供給スイッチ18aを操作してもとろみ飲料が供給されないが、切換スイッチ18bを操作して非とろみ飲料を供給するモードに切り換えると、飲料供給スイッチ18aのランプが点灯し、ランプが点灯した飲料供給スイッチ18aを操作することにより非とろみ飲料が供給可能となる。
【0063】
制御装置50は、ステップ114にて、切換スイッチ18bを操作して非とろみ飲料を供給するモードに切り換えた後での飲料供給スイッチ18aから非とろみ飲料供給信号の入力があったか否かを判定し、非とろみ飲料供給信号の入力がなければNOと判断してステップ115に進める。制御装置50は、ステップ115にて粉体検知器43によりとろみ粉体残量が少量以下であるとろみ粉体の粉切れ前状態が引き続き検知されているか否かを判定する。とろみ用の粉体容器41内にとろみ粉体が補充されていなければ、粉体検知器43によりとろみ粉体残量が少量以下であるとろみ粉体の粉切れ前状態が引き続き検知され、制御装置50は、ステップ115にてYESと判断してステップ114に戻す。
【0064】
ステップ113によって、とろみ飲料を供給できない状態に設定されている状態で、制御装置50は、ステップ114と115の処理を繰り返し実行することで、とろみ用の粉体容器41内にとろみ粉体が補充されるのを待機するとともに、とろみ粉体の補充の待機中であっても非とろみ飲料を供給できるように非とろみ飲料供給信号の入力を待機している。この状態で、切換スイッチ18bを操作して非とろみ飲料を供給するモードに切り換えた後での飲料供給スイッチ18aから非とろみ飲料供給信号の入力があると、制御装置50は、ステップ114でYESと判断してステップ116に進め、非とろみ飲料供給プログラムを実行して非とろみ飲料を供給させる。
【0065】
ステップ114と115の処理を繰り返し実行しているなかで、フロントパネル11aを開放させてから、とろみ用の粉体容器41の蓋部41bを回動させて、容器部41aにとろみ粉体を補充すると、粉体検知器43によりとろみ粉体残量が少量以下であるとろみ粉体の粉切れ前状態が検知されないようになる。この場合には、制御装置50は、ステップ115にてNOと判断し、ステップ117にて、とろみ飲料供給停止制御によるとろみ飲料の供給停止を解除することで、とろみ飲料を供給可能な状態に変え、操作パネル18の粉切れ前検知ランプ18dを消灯させることで、とろみ粉体の粉切れ前状態情報を表示をさせないようにし、とろみ粉体切れを示す消灯状態の飲料供給スイッチ18aを点灯させてとろみ粉体切れの表示を解除して、ステップ101に戻す。なお、フロントパネル11aの裏面に設けた液晶表示部のとろみ粉体切れの情報も報知されないようにする。
【0066】
上述したように、制御装置50は、ステップ105で粉体検知器43によりとろみ粉体の粉切れ前状態を検知した後で、ステップ107にて開閉検知器15によりフロントパネル11aが開放されたか否かを判定している。粉切れ前検知ランプ18dの点滅によって、とろみ用の粉体容器41にとろみ粉体の補充を促している状態で、フロントパネル11aを開放させても、粉体検知器43によりとろみ粉体の粉切れ前状態を引き続き検知する場合がある。この場合に、とろみ用の粉体容器41にとろみ粉体を補充させても、粉体検知器43は故障等の異常によって引き続きとろみ粉体の粉切れ前状態の検知をしている可能性が高いと考えられる。
【0067】
このため、制御装置50は、開閉検知器15によりフロントパネル11aが開放された検知情報が入力されると、ステップ107でYESと判断し、ステップ118にてフロントパネルの開放回数をカウントするカウンタDtに開放回数を加算し、ステップ119にて開放回数を加算したカウンタDtが所定の開放回数Dsとして3回以上となったか否かを判定する。制御装置50は、とろみ用の粉体容器41内に残るとろみ粉体を供給可能な状態で、とろみ粉体の補充を待機しているときに、開閉検知器15により検知したフロントパネル11aの開放回数が3回となると、ステップ119にてYESと判断してステップ120に進める。制御装置50は、ステップ120にて粉体検知器43によりとろみ粉体の粉切れ前状態が引き続き検知されているか否かを判定し、粉体検知器43によりとろみ粉体の粉切れ前状態が検知されないようになっていれば、ステップ120にてNOと判断し、ステップ106にて、操作パネル18の粉切れ前検知ランプ18dを消灯させ、とろみ用の粉体容器41内のとろみ粉体の粉切れ前状態の情報の表示を解除させる。
【0068】
これに対し、フロントパネル11aを3回以上開放させたにもかかわらず、粉体検知器43によりとろみ粉体の粉切れ前状態が引き続き検知されていれば、制御装置50は、ステップ120でYESと判断し、ステップ113にてとろみ飲料供給停止制御を実行してとろみ飲料を供給できない状態に設定し、操作パネル18の飲料供給スイッチ18aのランプを消灯させることで、とろみ飲料が供給されないことを表示させる。このように、フロントパネル11aの開放回数によりとろみ用の粉体容器41にとろみ粉体が補充されたことを間接的に検知しており、粉体検知器43の検知結果がフロントパネル11aの開放回数による検知と整合性のとれないときには、粉体検知器43は故障や異常の可能性が高い。このようなときに、とろみ飲料供給停止制御を実行してとろみ飲料を供給できない状態に設定し、操作パネル18の飲料供給スイッチ18aのランプを消灯させることで、とろみ飲料が供給されないことを表示させることで、粉体検知器43の故障や異常を早く気づくことができるとともに、粉体検知器43の故障や異常によるとろみ粉体を含まないとろみ飲料の供給を防止することができる。
【0069】
上記のように構成したとろみ飲料供給装置10においては、ハウジング11内にてとろみ飲料の原料粉体となるとろみ粉体を貯えるとろみ用の粉体容器41と、とろみ用の粉体容器41からとろみ粉体を搬出するとろみ用の粉体搬出部42と、とろみ粉体を溶解させる原料水(水及び/または湯)を供給する原料水供給部34,47(とろみ飲料のときには原料水供給部34であり、とろみ水またはとろみ湯のときは原料水供給部47である)とを備え、とろみ用の粉体搬出部42によって搬出されたとろみ用の粉体容器41内のとろみ粉体と原料水供給部34,47から供給される原料水(原料水を含む飲料)を混合して生成したとろみ飲料(とろみ水またはとろみ湯を含む)を供給するものである。
【0070】
とろみ用の粉体容器41は、上面に原料粉体を投入可能な開口部を有して原料粉体を貯える容器部41aと、容器部41aの左側壁(一側壁の)上端部の回動軸41cによって水平軸線回りに回動可能に支持されて開口部を開閉自在に塞ぐ蓋部41bとを備えている。容器部41aの回動軸41cが配設された左側壁(一側壁)の下部と外側に対向する位置には、容器部41a内の下部のとろみ粉体の有無を検知する粉体検知器43が設けられている。とろみ用の粉体容器41の容器部41aにとろみ粉体を補充するときには、
図14に示したように、回動軸41cを支点に蓋部41bを外側に回動させて開くと、蓋部41bは容器部41aの開口部から連続した状態で粉体検知器43の上側を覆うようになる。これにより、容器部41aにとろみ粉体を補充しているときに、とろみ粉体が容器部41aからこぼれたとしても、粉体検知器43にはこぼれたとろみ粉体が付着しにくくなり、粉体検知器43はこぼれ落ちるとろみ粉体が付着することに起因する誤検知が生じにくくなる。なお、蓋部41bは水平状態の閉止位置から外側に120°以上で開放させることができるようにし、水平状態の閉止位置から120°~240°の範囲で開放させたときに、粉体検知器43の上側を良好に覆うことができる。
【0071】
この実施形態では、とろみ用の粉体容器41は、容器部41aの一側壁として左側壁の上端部の回動軸41cによって水平軸線回りに回動可能に支持された蓋部41bを備え、容器部41aの回動軸41cが配設された一側壁として左側壁の下部と外側に対向する位置に粉体検知器43を設けたが、本発明はこれに限られるものでなく、容器部41aの一側壁として右側壁または後壁の上端部の回動軸41cによって水平軸線回りに回動可能に支持された蓋部41bを備え、容器部41aの回動軸41cが配設された一側壁として右側壁または後壁の下部と外側に対向する位置に粉体検知器43を設けたものであってもよい。
【0072】
また、粉体検知器43には粉体検知器カバー45が設けられており、粉体検知器43の上側は粉体検知器カバー45の上側カバー部45aによって覆われている。これによって、とろみ粉体を補充しているときに、容器部41aからとろみ粉体がこぼれたとしても、粉体検知器43の検知面43aには上側カバー部45aによってさらにとろみ粉体が付着しにくいようにすることができる。
【0073】
とろみ用の粉体容器41はハウジング11内に前側から出し入れして着脱可能に取り付けられているので、とろみ用の粉体容器41はハウジング11内に前側から出し入れして着脱可能に取り付けられることで、とろみ用の粉体容器41を洗浄等のメンテナンスをする作業が手軽に行うことができる。粉体検知器43の前側は粉体検知器カバー45の前側カバー部45cによって覆われている。これによって、メンテナンス後のとろみ用の粉体容器41をハウジング11内に取り付けるときに、とろみ用の粉体容器41が前側カバー部45cによって粉体検知器43の前面に直接当たるのを防ぐことができ、粉体検知器43がとろみ用の粉体容器41に当たることにより破損するのを防ぐことができる。
【0074】
粉体検知器カバー45の上側カバー部45aと前側カバー部45cは粉体検知器43よりもとろみ用の粉体容器41側に突き出るようになっている。これによって、とろみ用の粉体容器41をハウジング11内に着脱する際に、とろみ用の粉体容器41を左右に動かしながら(揺動させながら)着脱しても、粉体検知器43は上側カバー部45aと前側カバー部45cとによってとろみ用の粉体容器41の一側壁に接触しないようにすることができ、粉体検知器43が破損するのを防ぐことができる。さらに、とろみ用の粉体容器41をハウジング11内に取り付けるときに、とろみ用の粉体容器41の左側壁(一側壁)をとろみ用の粉体容器41側に突き出るようにした上側カバー部45aと前側カバー部45cとに当接させることで、とろみ用の粉体容器41の左側壁は粉体検知器43に常に同じ間隔で配置されるようになり、粉体検知器43の検知精度を高めることができる。なお、この実施形態では、上側カバー部45aと前側カバー部45cとを粉体検知器43よりもとろみ用の粉体容器41側に突き出るようにしているが、これに限られるものでなく、上側カバー部45aまたは前側カバー部45cを粉体検知器43よりもとろみ用の粉体容器41側に突き出るようにしたものであっても、同様の作用効果を得ることができる。
【0075】
粉体検知器カバー45は、上側カバー部45aと前側カバー部45cとが一体的に形成されるとともに、粉体検知器43のとろみ用の粉体容器41側である検知面43a側と反対側の背面を覆う背面側カバー部45eが一体的に形成されている。さらに、粉体検知器カバー45は、上側カバー部45aと前側カバー部45cと背面側カバー部45eだけでなく、下側カバー部45bと後側カバー部45dも一体的に形成されている。これにより、粉体検知器カバー45の剛性を高めることができる。
【0076】
粉体検知器43はブラケット44によってハウジング11内の仕切板14に固定されている。また、ブラケット44を粉体検知器43と背面側カバー部45eとの間に介装することで、粉体検知器43の背面をブラケット44を介して背面側カバー部45eにより覆うようにしている。
図15に示したように、粉体検知器43をブラケット44に取り付けるねじ44cの先端部を背面側カバー部45eにより外側に突き出ないようにしている。この実施形態では、背面側カバー部45eにはブラケット44側にリブ45fが設けられており、リブ45fによって背面側カバー部45eとブラケット44との間に形成される隙間にねじ44cの先端を収めるようにしている。これによって、粉体検知器43をブラケット44に取り付けるねじ44cの先端部が背面側カバー部45eによって外側に出ないので、粉体検知器43を取り付けるねじ44cの先端部の突起に引っかからないようになる。
【0077】
図15に示したように、この実施形態では、とろみ用の粉体容器41内に設けたとろみ用の粉体搬出部42のスクリュー42aの上側から見たときの回転方向Rの上流側となる左側壁の下部と外側に対向する位置に、容器部41a内の下部の原料粉体の有無を検知する粉体検知器43が設けられている。スクリュー42aの上側から見たときの回転方向Rの下流側は上流側よりもとろみ粉体が早く減少する。このため、とろみ粉体が残り僅かとなったことを確実に検知することができるようにするためには、
図16に示したように、粉体搬出部42のスクリュー42aの上側から見たときの回転方向Rの下流側となる右側壁の下部と外側に対向する位置に、容器部41a内の下部の原料粉体の有無を検知する粉体検知器43を設ける。このようにすれば、原料粉体が残り僅かとなったことを確実に検知することができる。なお、
図15に示した実施形態で、上側から見たときの回転方向Rが逆向きとなるスクリュー42aを用いたときには、とろみ粉体を補充するときに蓋部41bにより粉体検知器43の上側を覆う上述した作用効果を得ることができるとともに、とろみ粉体が残り僅かとなったことを確実に検知することができる。同様に、
図16に示したように、とろみ粉体搬出部42のスクリュー42aの上側から見たときの回転方向Rの下流側となる右側壁の下部と外側に対向する位置に、容器部41a内の下部の原料粉体の有無を検知する粉体検知器43を設けたときには、容器部41aの右側壁の上端部に回動軸41cを配置し、蓋部41bを容器部41aの右側壁の上端部の回動軸41cにより水平軸線回りに回動可能に支持するとよい。このようにしたときにも、とろみ粉体を補充するときに蓋部41bにより粉体検知器43の上側を覆う上述した作用効果を得ることができるとともに、とろみ粉体が残り僅かとなったことを確実に検知することができる。
【0078】
上記の実施形態では、粉体検知器43はとろみ用の粉体容器41内の下部のとろみ粉体の有無を検知しているが、本発明はこれに限られるものでなく、粉体検知器43は飲料用の粉体容器31内の飲料の原料粉体の有無を検知するようにしたものであってもよい。飲料用の粉体容器31内の下部で飲料の原料粉体の有無を粉体検知器43により検知するときにも、とろみ用の粉体容器41と同様の構成とすれば、上述したのと同様の作用効果を得ることができる。
【符号の説明】
【0079】
10…飲料供給装置(とろみ飲料供給装置)、20…載置台、34…原料水供給部、41…粉体容器(とろみ用の粉体容器)、41a…容器部、41b…蓋部、41c…回動軸、42…粉体搬出部(とろみ用の粉体搬出部)、42a…スクリュー、43…粉体検知器、43a…検知面、44…ブラケット、45…粉体検知器カバー、45a…上側カバー部、45c…前側カバー部、45e…背面側カバー部、47…原料水供給部。