(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-28
(45)【発行日】2023-08-07
(54)【発明の名称】外壁パネルの固定構造
(51)【国際特許分類】
E04B 2/90 20060101AFI20230731BHJP
E04B 2/56 20060101ALI20230731BHJP
E04F 13/08 20060101ALI20230731BHJP
【FI】
E04B2/90
E04B2/56 622C
E04B2/56 622K
E04B2/56 622J
E04F13/08 101F
(21)【出願番号】P 2019178338
(22)【出願日】2019-09-30
【審査請求日】2022-09-01
(73)【特許権者】
【識別番号】390037154
【氏名又は名称】大和ハウス工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105843
【氏名又は名称】神保 泰三
(72)【発明者】
【氏名】尾山 誠
【審査官】須永 聡
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-121854(JP,A)
【文献】特開2016-102338(JP,A)
【文献】特開平10-306509(JP,A)
【文献】特開2014-125776(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04B 1/38-1/61
E04B 2/56-2/70
E04B 2/88-2/96
E04F 13/00-13/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外壁パネルの屋内側の上部側に、首部とこの首部よりも大きな頭部とを備えたフック部材が設けられており、
柱の屋外側には、上記頭部を略水平に挿入できる貫通孔を有する立板部を備えた突出支持部が設けられており、
上記貫通孔よりも大きな本体部を有するとともに上記頭部よりも小さな幅で上記首部が入り込むカット部を有する止め部材が、上記立板部の屋内側で上記貫通孔から挿入された上記フック部材の上記首部に上記カット部によって引っ掛けられており、
上記突出支持部は、側面に開口部を有しており、上記止め部材が上記開口部に横から挿入されることを特徴とする外壁パネルの固定構造。
【請求項2】
請求項1に記載の外壁パネルの固定構造において、上記開口部から挿入された上記止め部材が上記首部を中心に略90度回転されることを特徴とする外壁パネルの固定構造。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の外壁パネルの固定構造において、上記止め部材の上記カット部に上記首部が入り込んだ状態で上記止め部材の移動を制限するロック部を備えることを特徴とする外壁パネルの固定構造。
【請求項4】
請求項3に記載の外壁パネルの固定構造において、上記ロック部が上記止め部材に一体的に設けられていることを特徴とする外壁パネルの固定構造。
【請求項5】
請求項3または請求項4に記載の外壁パネルの固定構造において、上記ロック部は上記突出支持部に係合することを特徴とする外壁パネルの固定構造。
【請求項6】
請求項1~請求項5のいずれか1項に記載の外壁パネルの固定構造において、上記止め部材と上記突出支持部の上側に位置する上部板との間隔は、上記外壁パネルの下部側の留め構造における鉛直方向許容移動量よりも小さいことを特徴とする外壁パネルの固定構造。
【請求項7】
請求項1~請求項6のいずれか1項に記載の外壁パネルの固定構造において、上記外壁パネルの屋内側の下部側にも、首部とこの首部よりも大きな頭部を備えるフック部材が設けられ、建物側には上記フック部材を受ける下支持部が設けられていることを特徴とする外壁パネルの固定構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、外壁パネルを建物躯体の外側に取り付ける外壁パネルの固定構造に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、外壁パネルの上部側について、ボルトとナットによる固定が行え、外壁パネルの下部側で引っ掛け固定とすることができるようにした外壁パネルの固定構造が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来の外壁パネルの固定構造のように、外壁パネルの上部側でボルトとナットによる固定をする場合においては、高層住宅やラーメン構造住宅のように柱径が大きくなると、上記ボルトとナットによる固定のための工具を外壁パネルの裏と柱との間に入れること等が難しくなるという問題があった。
【0005】
この発明は、上記の事情に鑑み、外壁パネルの上部側を、ボルト固定に依らないで固定できる外壁パネルの固定構造を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明の外壁パネルの固定構造は、上記の課題を解決するために、外壁パネルの屋内側の上部側に、首部とこの首部よりも大きな頭部とを備えたフック部材が設けられており、
柱の屋外側には、上記頭部を略水平に挿入できる貫通孔を有する立板部を備えた突出支持部が設けられており、
上記貫通孔よりも大きな本体部を有するとともに上記頭部よりも小さな幅で上記首部が入り込むカット部を有する止め部材が、上記立板部の屋内側で上記貫通孔から挿入された上記フック部材の上記首部に上記カット部によって引っ掛けられており、
上記突出支持部は、側面に開口部を有しており、上記止め部材が上記開口部に横から挿入されることを特徴とする。
【0007】
上記の構成であれば、上記止め部材が、上記立板部の屋内側で上記貫通孔から挿入された上記フック部材の上記首部に引っ掛けられるので、外壁パネルの上部側における面外方向への移動を上記フック部材によって規制することができる。すなわち、外壁パネルの上部側を、ボルト固定に依らないで固定できる。また、上記突出支持部の上方に構造体等が位置するような場合でも、容易に上記止め部材を横から挿入して装着することができる。
【0008】
上記開口部から挿入された上記止め部材が上記首部を中心に略90度回転されてもよい。これによれば、上記回転によって上記カット部の入口を下側に位置させることができる。
【0009】
上記止め部材の上記カット部に上記首部が入り込んだ状態で上記止め部材の移動を制限するロック部を備えてもよい。これによれば、上記止め部材の外れを防止することができる。
【0010】
上記ロック部が上記止め部材に一体的に設けられていてもよい。これによれば、上記ロック部が上記止め部材と別個のものである構造に比べて、これら上記ロック部および上記止め部材の取り扱いが容易になる。
【0011】
上記ロック部は、上記突出支持部に係合するものでもよい。これによれば、上記ロック部を例えば上記フック部材側に係合させるのに比べ、上記ロック部の構造を簡単にできる。
【0012】
上記止め部材と上記突出支持部の上側に位置する上部板との間隔は、上記外壁パネルの下部側の留め構造における鉛直方向許容移動量よりも小さいのがよい。これによれば、地震による振動で上記外壁パネルに鉛直方向移動が生じても、上記外壁パネルの外れは生じない。
【0013】
上記外壁パネルの屋内側の下部側にも、首部とこの首部よりも大きな頭部を有するフック部材が設けられ、建物側には上記フック部材を受ける下支持部が設けられていてもよい。これによれば、上記外壁パネルの屋内側の上部側および下部側の両方でフック部材を用いた部品共通化によってコスト低減を図ることができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明であれば、外壁パネルの上部側を、ボルト固定に依らないで固定することができる等の諸効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】この実施形態の外壁パネルの固定構造を示した図であって、外壁パネルの下部側の固定構造を示した説明図である。
【
図2】
図1の下部側の固定構造における受け部を示した説明図である。
【
図3】
図1の下部側の固定構造における受け部とこの受け部に嵌り揉むフック部材とを示した説明図である。
【
図4】実施形態の外壁パネルの固定構造を示した図であって、外壁パネルの上部側の固定構造を正面側から示した説明図である。
【
図5】
図4の上部側の固定構造を側面側から示した説明図である。
【
図6】
図4の上部側の固定構造に用いる止め金具を示した3面図であって、同図(A)は左側の止め金具を示し、同図(B)は右側の止め金具を示している。
【
図7】
図4の上部側の固定構造に用いる止め金具を示した斜視図である。
【
図8】
図4の上部側の固定構造に用いる突出支持部を示した斜視図である。
【
図9】
図4の上部側の固定構造の止め金具の装着手順を示した説明図である。
【
図10】他の実施形態の外壁パネルの固定構造を示した図であって、外壁パネルの上部側の固定構造を正面側から示した説明図である。
【
図11】
図10の上部側の固定構造を側面側から示した説明図である。
【
図12】
図10の上部側の固定構造に用いる止め金具を示した3面図である。
【
図13】
図10の上部側の固定構造に用いる止め金具を示した斜視図である。
【
図14】
図10の上部側の固定構造に用いる突出支持部を示した斜視図である。
【
図15】
図10の上部側の固定構造の止め金具の装着手順を示した説明図である。
【
図16】他の実施形態の外壁パネルの固定構造を示した図であって、外壁パネルの上部側の固定構造を正面側から示した説明図である。
【
図17】
図16の上部側の固定構造を側面側から示した説明図である。
【
図18】
図16の上部側の固定構造に用いる止め金具を示した3面図であって、同図(A)は左側の止め金具を示し、同図(B)は右側の止め金具を示している。
【
図19】
図16の上部側の固定構造に用いる止め金具を示した斜視図である。
【
図20】
図16の上部側の固定構造に用いる突出支持部を示した斜視図である。
【
図21】
図16の上部側の固定構造の止め金具の装着手順を示した説明図である。
【
図22】他の実施形態の外壁パネルの固定構造における上部側の固定構造の止め金具の装着手順を示した説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、この発明の実施形態を添付図面に基づいて説明する。
図1、
図2および
図3に示すように、この実施形態の外壁パネル1の固定構造10において、外壁パネル1の屋内側の下部側には、円柱状の首部11aおよびこの首部11aの先端側に当該首部11aよりも大きな略円盤形の頭部11bを同芯に備えたフック部材11が設けられている。なお、上記フック部材11において、上記首部11aには、上記頭部11bよりも大径の座金11cが外嵌め固定されている。また、柱2の下部側の屋外側面には下支持部3が設けられている。この下支持部3は、上記フック部材11の首部11aを下から受け止める半円凹部3aを有する。なお、外壁パネル1の固定構造10の下部側は、上記半円凹部3aを有する下支持部3に限らず、躯体側に立設されたピンに上から差し込む構造としてもよい。これら下部側におけるパネル留め構造は、外壁パネル1の下部側の支持において、当該外壁パネル1の柱2に対する上移動が生じ得る構造であり、外壁パネル1が当該留め構造における鉛直方向許容移動量を越えて上移動すると、外壁パネル1の下部側が躯体側から外れるおそれがある。
【0017】
また、
図4および
図5に示すように、上記外壁パネル1の屋内側の上部側においては、円柱状の首部12aおよびこの首部12aの先端側に当該首部12aよりも大きな略円盤形の頭部12bを同芯に備えたフック部材12が設けられている。なお、上記フック部材12にも、上記フック部材11と同様に、座金が外嵌め固定されている。そして、上記柱2の上部側の屋外側面には突出支持部4が設けられている。
【0018】
上記突出支持部4は、
図8にも示すように、上記柱2の屋外側面から離間する立板部41と、上記立板部41の上部を上記柱2の屋外側面に固定する上板部42と、上記立板部41の下部を上記柱2の屋外側面に固定する下板部43と、を備える断面が略コ字の鋼板からなっている。そして、上記突出支持部4は、側面に開口部を有している。
【0019】
また、上記立板部41には、上記フック部材12の頭部12bを略水平に挿入できる円形の貫通孔41aが形成されている。上記外壁パネル1の下側の上記フック部材11を先に上記半円凹部3aで受け止めさせた斜め状態から、上記外壁パネル1の上側を柱2に近づけると、上記フック部材12の頭部12bを上記貫通孔41aに入れることができる。
【0020】
そして、上記立板部41の屋内側で上記貫通孔41aから挿入された上記フック部材12の上記首部12aに止め金具(止め部材)5が引っ掛けられることで、上記外壁パネル1の上部が、上記突出支持部4に支持される。上記止め金具5は、
図6(A),(B)に示すように、左右が存在したものとなり、それぞれ上記突出支持部4の左右側面の開口部に横から挿入される。すなわち、上記突出支持部4の上方に構造体等が位置するような場合でも、容易に上記止め金具5を横から挿入して装着することができる。
【0021】
上記止め金具5は、上記貫通孔41aよりも大きな本体部を有するとともに上記頭部12bよりも小さな幅で上記首部12aが入り込むカット部5aを有している。上記止め金具5の板厚は、上記止め金具5が入る上記立板部41の屋内面と上記頭部12bの上記首部12a側の面との隙間と略同じとされ、ボルト・ナットによる締結構造を備えなくても、上記フック部材12と上記止め金具5とによって、上記外壁パネル1を面外方向に固定することができる。
【0022】
また、上記止め金具5は、
図7にも示すように、その本体部に一体的にロック部51を備える。このロック部51は、当該止め金具5の上記カット部5aに上記首部12aが入り込んだ状態で上記止め金具5の移動(回転)を制限する。この例では、
図9に示すように、上記カット部5aの入口が横を向く姿勢において、当該止め金具5の本体部における上記突出支持部4の外側に位置する下角に、上記ロック部51を備える。上記止め金具5が上記突出支持部4の左右側面の開口部に横から各々挿入され、上記首部12aを中心に上向きに略90度回転されることで、上記ロック部51が上記立板部41に係止され、上記止め金具5が装着された状態となる。上記90度回転による上記止め金具5の装着状態において、上記カット部5aの入口が下側に位置し、また、上記外壁パネル1(フック部材12)が上移動した場合に上記止め金具5の本体部の上縁が上記上板部42の下面に当たる状態となる。なお、上記カット部5aの入口が横を向く姿勢において、当該止め金具5の本体部における上記突出支持部4の外側に位置する上角は、上記回転時の上記突出支持部4の上板部42との干渉を避けるように、円弧状に面取りされている。
【0023】
上記ロック部51は、上記止め金具5の本体部と対面することで挟持部を形成しており、この挟持部が上記立板部41を表裏から挟み込んでロックする。このロックにより、上記止め金具5の戻り回転が防止される。また、上記ロック部51には上記挟み込みの状態で上記立板部41の表面側に引っ掛かる反し部51aが形成されている。この反し部51aによって、上記止め金具5の戻り回転がより確実に防止される。
【0024】
上記90度回転による上記止め金具5の装着状態において、当該止め金具5の本体部の上縁と、上記突出支持部4の上板部42との間隔は、上記外壁パネル1の屋内側の下部側の留め構造における鉛直方向許容移動量よりも小さくされている。これにより、地震時の上記外壁パネル1の上移動で上記フック部材11が上記半円凹部3aから離脱するのが防止される。
【0025】
また、上記外壁パネル1の屋内側の下部側においても上記フック部材11を備えると、これらフック部材11とフック部材12による部品の共通化が可能になり、コストの低減を図ることができる。
【0026】
次に、他の実施形態を
図10乃至
図15に基づいて説明するが、上記実施形態と同一の要素には同一の符号を付記してその説明を省略する。
【0027】
この実施形態の外壁パネルの固定構造は、
図10および
図11に示すように、上記突出支持部4と同様に機能する突出支持部4Aおよび上記止め金具5と同様に機能する止め金具5Aを備える。上記突出支持部4Aの立板部41には、
図14に示すように、貫通孔41aの上方であって当該貫通孔41aの鉛直方向中心線上に、円形の係止孔41bが形成されている。一方、止め金具5Aは、フック部材12への装着状態において鉛直線による線対称の構造を有しており、
図12および
図13にも示すように、カット部5aの上方位置には、上記係止孔41bに係合する半球凸状のロック部51Aを備える。上記止め金具5Aにおいては、左右はない。なお、上記止め金具5Aには本体部の両側に立辺部5bが形成されており、この立辺部5bに棒状部材を当てて叩くことが可能となっている。
【0028】
図15に示すように、上記止め金具5Aは、上記突出支持部4Aの左右側面の開口部に横から各々挿入され、上記首部12aを中心に上側に略90度回転されることで上記装着状態となり、また、上記ロック部51Aが上記係止孔41bに係合することで上記突出支持部4Aに保持される。これにより、上記止め金具5Aの戻り回転が防止される。
【0029】
また、上記止め金具5Aが上記首部12aを中心に略90度回転された状態で、当該止め金具5Aの本体部の上縁と、上記突出支持部4Aの上板部42との間隔は、上記外壁パネル1の屋内側の下部側の留め構造における鉛直方向許容移動量よりも小さくされる。なお、上記係止孔41bが鉛直方向に長い長孔とすれば、上記外壁パネル1の上移動で上記止め金具5Aが上移動した場合でも係止は外れにくくなる。
【0030】
さらに、他の実施形態を
図16乃至
図21に基づいて説明していくが、上記実施形態と同一の要素には同一の符号を付記してその説明を省略する。
【0031】
この実施形態の外壁パネルの固定構造は、
図16および
図17に示すように、上記突出支持部4と同様に機能する突出支持部4Bおよび上記止め金具5と同様に機能する止め金具5Bを備える。上記突出支持部4Bの上板部42には、
図20に示すように、係止孔42cが形成されている。一方、止め金具5Bは、フック部材12への装着状態において、カット部5aの上方位置に、
図18および
図19に示すように、上記係止孔42cに係合する凸状部を備えるバネ材からなるロック部51Bを備える。上記止め金具5Bには、左右が存在する。また、上記バネ材からなるロック部51Bは、上記止め金具5Bに溶接固定される。
【0032】
上記止め金具5Bが上記突出支持部4Bの左右側面の開口部に横から各々挿入され、上記首部12aを中心に上側に略90度回転されることで上記装着状態となり、上記ロック部51Bの凸状部が上記係止孔42cに係合して上記突出支持部4Bに保持される。これにより、上記止め金具5Bの戻り回転が防止される。
【0033】
また、上記止め金具5Bが上記首部12aを中心に略90度回転された状態で、当該止め金具5Bの本体部の上縁と、上記突出支持部4Bの上板部42との間隔は、上記外壁パネル1の屋内側の下部側の留め構造における鉛直方向許容移動量よりも小さくされる。なお、上記ロック部51Bがバネ材からなり、上下にたわむことができるので、上記外壁パネル1の上移動で上記止め金具5Bが上移動した場合でも上記ロック部51Bにおける係止は外れにくい。
【0034】
さらに、他の実施形態を
図22に基づいて説明していくが、上記実施形態と同一の要素には同一の符号を付記してその説明を省略する。
【0035】
この実施形態の外壁パネルの固定構造は、上記突出支持部4と同様に機能する突出支持部4Cおよび上記止め金具5と同様に機能する止め金具5Cを備える。上記突出支持部4Cの立板部41には、貫通孔41aの例えば水平中心線上に、円形の係止孔41dが形成されている。一方、止め金具5Cは、フック部材12への装着状態において、カット部5aの横方向位置に、上記係止孔41dに係合する半球凸状のロック部51Cを備える。上記止め金具5Cには、左右が存在しない。
【0036】
上記止め金具5Cが上記突出支持部4Cの左右側面の開口部に横から各々挿入され、スライドさせることで上記装着状態となり、上記ロック部51Cが上記係止孔41dに係合して上記突出支持部4Cに保持される。これにより、上記止め金具5Aの戻りスライドや回転が防止される。なお、上記止め金具5Cに、その本体部から90度折り曲げられた折り曲げ部52を備えると、この折り曲げ部52を叩いて当該止め金具5Cをスライドさせることができる。
【0037】
また、上記止め金具5Cの上記装着状態において、当該止め金具5Cの本体部の上縁と、上記突出支持部4Cの上板部42との間隔は、上記外壁パネル1の屋内側の下部側の留め構造における鉛直方向許容移動量よりも小さくされる。なお、上記外壁パネル1が上移動するとき、上記止め金具5Cが上記ロック部51Cを中心に回動し得るので、当該ロック部51Cにおける係止は外れにくい。
【0038】
以上、図面を参照してこの発明の実施形態を説明したが、この発明は、図示した実施形態のものに限定されない。図示した実施形態に対して、この発明と同一の範囲内において、あるいは均等の範囲内において、種々の修正や変形を加えることが可能である。
【符号の説明】
【0039】
1 :外壁パネル
2 :柱
3 :下支持部
3a :半円凹部
4 :突出支持部
4A :突出支持部
4B :突出支持部
4C :突出支持部
5 :止め金具(止め部材)
5A :止め金具(止め部材)
5B :止め金具(止め部材)
5C :止め金具(止め部材)
5a :カット部
5b :立辺部
10 :外壁パネルの固定構造
11 :フック部材
11a :首部
11b :頭部
11c :座金
12 :フック部材
12a :首部
12b :頭部
41 :立板部
41a :貫通孔
41b :係止孔
42c :係止孔
41d :係止孔
42 :上板部
43 :下板部
51 :ロック部
51A :ロック部
51B :ロック部
51C :ロック部
51a :反し部
52 :折り曲げ部