(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-28
(45)【発行日】2023-08-07
(54)【発明の名称】排ガス処理装置
(51)【国際特許分類】
H01L 21/31 20060101AFI20230731BHJP
F23J 3/02 20060101ALI20230731BHJP
H01L 21/3065 20060101ALI20230731BHJP
C23C 16/44 20060101ALI20230731BHJP
【FI】
H01L21/31 F
F23J3/02 Z
H01L21/31 C
H01L21/302 101G
C23C16/44 E
(21)【出願番号】P 2019201840
(22)【出願日】2019-11-06
【審査請求日】2022-07-08
(73)【特許権者】
【識別番号】508275939
【氏名又は名称】エドワーズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105201
【氏名又は名称】椎名 正利
(72)【発明者】
【氏名】高橋 克典
【審査官】佐藤 靖史
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-011341(JP,A)
【文献】特開2006-303414(JP,A)
【文献】特開平11-345806(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/31
F23J 3/02
H01L 21/3065
C23C 16/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセスチャンバから排ガスが導入される導入管が接続された排ガス処理室と、
前記導入管内に堆積した生成物を除去するために前記導入管の管路壁に形成された噴射孔と、
該噴射孔から前記導入管内に向けて除去ガスを導入するガス導入手段と、
前記導入管の上流側には、
前記排ガスの流路を開閉するバルブとを備えた排ガス処理装置であって、
前記バルブが閉じられた後、前記噴射孔から前記導入管内に向けて、所定速度で一定時間、前記除去ガスが噴射されることを特徴とする排ガス処理装置。
【請求項2】
前記所定速度は、10m/秒以上の流速であることを特徴とする請求項1に記載の排ガス処理装置。
【請求項3】
前記除去ガスは、一回当たり、30秒乃至120秒導入されることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の排ガス処理装置。
【請求項4】
前記除去ガスは不活性ガスであることを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載の排ガス処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は排ガス処理装置に係わり、特に、プロセスチャンバから排出された排ガスを導入する配管内に蓄積若しくは付着した粉体を配管を分解することなく容易に除去できる排ガス処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体素子、液晶パネル、太陽電池の製造工程では、化学気相反応を利用して成膜するCVD(Chemical Vapor Deposition)処理やエッチング処理等が行われ、プロセスチャンバにおいて各種のガスが使用されている。
【0003】
このガスとしては、例えば、半導体素子、液晶パネル、太陽電池の製膜材料ガスであるシラン(SiH4)、NH3、H2や、プラズマCVD装置等の密閉チャンバ内を例えばプラズマでクリーニングする際のクリーニングガスとして使用するNF3、CF4、C2F6、SF6、CHF3、CF6等のガス状フッ化物、窒素(N2)等の不活性ガスがある。
【0004】
そして、
図8に示すように、プロセスチャンバ1には、この有害な排ガスを除去するべく真空引きのためにターボ分子ポンプ3及びドライポンプ5が直列に接続されている。そして、ドライポンプ5で運転開始時にある程度真空引きした後に、更にターボ分子ポンプ3で必要な低圧にまで真空引きするように構成されている。但し、CVD処理等の場合には、ターボ分子ポンプ3が省略された形で構成されるケースが一般的である。
【0005】
ドライポンプ5から出力された有害な排ガスは、燃焼式除害装置10で燃焼分解されるようになっている。このとき、排ガスは、セントラルスクラバー11により多少の減圧をされつつ燃焼式除害装置10内に誘導される。
そして、例えば、シランや3フッ化窒素を無害化する場合は、燃焼分解による生成物としてシリカ(SiO2)粉末やフッ酸(HF)が発生する。
【0006】
このSiO2は微細な粉体であり、燃焼式除害装置10の燃焼室の内壁や途中の配管内に付着し易い。そして、この付着した粉体を掻き取るため、燃焼式除害装置10の燃焼室には特許文献1に示すようなスクレーパの配設されることがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、配管内に付着した粉体はスクレーパでは除去できず、燃焼式除害装置10を停止した後に配管を分解してクリーニングを行う必要があった。排ガス流量が大きい場合、配管の本数も多くなり、このクリーニング作業は大変で時間のかかるものであった。
また、粉体を長期間除去せずそのままにした場合、粉体は固化し管路内壁に積層することで、流せる排ガスの量が少なくなる恐れがあった。
【0009】
本発明はこのような従来の課題に鑑みてなされたもので、プロセスチャンバから排出された排ガスを導入する配管内に蓄積若しくは付着した粉体を配管を分解することなく容易に除去できる排ガス処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
このため本発明(請求項1)は、プロセスチャンバから排ガスが導入される導入管が接続された排ガス処理室と、前記導入管内に堆積した生成物を除去するために前記導入管の管路壁に形成された噴射孔と、該噴射孔から前記導入管内に向けて除去ガスを導入するガス導入手段と、前記導入管の上流側には、前記排ガスの流路を開閉するバルブとを備えた排ガス処理装置であって、前記バルブが閉じられた後、前記噴射孔から前記導入管内に向けて、所定速度で一定時間、前記除去ガスが噴射されることを特徴とする。
【0011】
導入管の管内に堆積した生成物を除去するに際しては、バルブを閉じ、その後、噴射孔から導入管内に向けて、所定速度で一定時間、除去ガスを噴射する。
このことにより、管内壁に堆積している生成物を吹き飛ばすことができる。
所定速度で噴射を行ったとしても、バルブは閉止しているので上流側の装置に対して影響を与えることはない。除去ガスは生成物を除去するためだけに流されるので、常温のガスでよい。このため加熱等の設備が不要で簡素に構成できる。
【0012】
また、本発明(請求項2)は、前記所定速度は、10m/秒以上の流速であることを特徴とする。
【0013】
除去ガスの流速を10m/秒以上とすることで、確実に管内壁に堆積している生成物を吹き飛ばすことができる。
【0014】
更に、本発明(請求項3)は、前記除去ガスは、一回当たり、30秒乃至120秒導入されることを特徴とする。
【0015】
除去ガスは、一回当たり、30秒乃至120秒導入するだけで済む。このため、環境によってはメンテナンス時期に合わせて一回だけクリーニングを行うことで済み、処理は簡単である。
【0016】
更に、本発明(請求項4)は、前記除去ガスは不活性ガスであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
以上説明したように本発明によれば、バルブが閉じられた後、噴射孔から導入管内に向けて、所定速度で一定時間、除去ガスが噴射されるように構成したので、管内壁に堆積している生成物を吹き飛ばすことができる。
所定速度で噴射を行ったとしても、バルブは閉止しているので上流側の装置に対して影響を与えることはない。除去ガスは生成物を除去するためだけに流されるので、常温のガスでよい。このため加熱等の設備が不要で簡素に構成できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明の第1実施形態である燃焼式除害装置の構成図(正面図)
【
図2】本発明の第1実施形態である燃焼式除害装置の構成図(平面図)
【
図3】本発明の第1実施形態である燃焼式除害装置の構成図(側面図)
【
図5】本発明の第2実施形態である燃焼式除害装置の構成図(正面図)
【
図6】本発明の第2実施形態である燃焼式除害装置の構成図(側面図)
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の第1の実施形態について説明する。本発明の第1実施形態である燃焼式除害装置10の構成図を
図1、
図2及び
図3に示す。
図1は正面断面図、
図2は平面図、
図3は側面外形図である。
図1~
図3において、導入管ベース部21A、21B、21C、21Dの上部には排ガス導入管7A、7B、7C、7Dが立設されている。
図3には、排ガス導入管7Bのみについて上流側への詳しい接続関係を記載し、他の排ガス導入管7A、7C、7Dの上流側については記載を省略しているが、これらの排ガス導入管7A、7C、7Dの上流側についても、排ガス導入管7Bの場合と同一の構成を有している。同様に以下、同一の符号を付した構成要素については簡略化のため図面中での記載を一部省略している。
排ガス導入管7Bの上流側には三方切替弁60Bを介して排ガス導入管6Bとバイパス管4Bが接続されている。排ガス導入管6Bの上流側はドライポンプ5に対し接続されている。
【0020】
導入管ベース部21A、21B、21C、21Dは下面にフランジ25を有する燃焼室上層部23に固着されている。このフランジ25には燃焼室30上端のフランジ31がボルトで固定されている。燃焼室30は略円筒形であり、側部には燃料・空気供給口33が配設されている。燃焼室30の排ガスの燃焼形式は限定されるものではなく、プラズマ等による処理も含む。この燃焼室30は排ガス処理室に相当する。
【0021】
また、燃焼室30下端のフランジ35には排ガス導出路40上端のフランジ41がボルトで取り付けられている。排ガス導出路40は下方に向けて次第に径が狭くなるように構成されており、内壁には水噴霧口43が配設され内側に向けて水が噴霧されるようになっている。排ガス導出路40の下部には排ガス管路45が連設され、燃焼室30を通った排ガスが次工程のセントラルスクラバー11に送られるようになっている。
【0022】
燃焼室上層部23には燃焼室30に通ずる通孔51A、51B、51C、51Dが形成されている。そして、それぞれの通孔51A、51B、51C、51Dは、導入管ベース部21A、21B、21C、21Dを介してそれぞれ排ガス導入管7A、7B、7C、7Dと繋がっている。
【0023】
そして、排ガス導入管7A、7B、7C、7Dの管壁には噴射孔53A、53B、53C、53Dが形成され、この噴射孔53A、53B、53C、53Dにはノズル54A、54B、54C、54Dが取り付けられている。このノズル54A、54B、54C、54Dから排ガス導入管7A、7B、7C、7D内に向けて不活性ガスである例えば窒素ガスが所定速度以上の流速で導入されるようになっている。但し、ノズル54A、54B、54C、54Dを配設せずに噴射孔53A、53B、53C、53Dの開口径を狭めるようにしてもよい(以下、同旨)。
【0024】
また、通孔51A、51B、51C、51Dにも噴射孔57A、57B、57C、57Dが形成され、この噴射孔57A、57B、57C、57Dにはノズル58A、58B、58C、58Dが形成されている。このノズル58A、58B、58C、58Dから同様に通孔51A、51B、51C、51D内に向けて窒素ガスが所定速度以上の流速で導入されるようになっている。
排ガス導入管7A、7B、7C、7D及び通孔51A、51B、51C、51Dは導入管に相当する。
【0025】
次に、本発明の第1実施形態の動作を説明する。
図4に本発明の概念ブロック図を示す。燃焼式除害装置10の運用中にはドライポンプ5より排ガス導入管6Bと排ガス導入管7Bを通じて排ガスが流れる。
なお、
図4には、
図1~
図3に合わせて排ガス導入管6Bと排ガス導入管7Bの系統のみについての流れ図を示し、以下でこの系統の動作のみを説明するが、排ガス導入管6Aと排ガス導入管7A、排ガス導入管6Cと排ガス導入管7C、排ガス導入管6Dと排ガス導入管7Dの流れ図及び動作も同じである。
導入された排ガスは燃料・空気供給口33より入れられた燃料と空気により燃焼分解される。
【0026】
ドライポンプ5と三方切替弁60Bの間に配設された排ガス導入管6Bには、配管温度の低下防止や爆発防止等のために、運転中、摂氏150度程度の高温の窒素ガスが例えば450リットル/分流されている。また、上流のターボ分子ポンプ3やドライポンプ5側より100リットル/分のパージガス等として使われた窒素ガスが流れ込んでいる。そして、これらの窒素ガスを含む排ガス導入管7B内部の運転中の流速は通常5m/秒程度である。
【0027】
一方、燃焼式除害装置10の停止時には三方切替弁60Bが切り替えられ、排ガスはドライポンプ5より三方切替弁60Bを介して別途配設された処理施設等にバイパス管4Bを通じて流される。但し、バルブは通路のバイパスをせずに開閉のみとされてもよい。
【0028】
次に、排ガス導入管7Bの管内に付着した粉体を除去する方法について説明する。
排ガス導入管7Bの配管内に蓄積若しくは付着した粉体を除去するに際しては、まず、燃焼式除害装置10を停止させ、三方切替弁60Bをバイパス側に切り替える。
噴射孔53Bは排ガス導入管7Bのできるだけ上流側に配設され、ノズル54Bにより下流側に向けて窒素ガスが噴射されることが望ましい。また、このときの窒素ガスは例えば摂氏25度程の常温であり、その流速は7.5m/秒以上であることが望ましく、10m/秒以上であることがより望ましい。
【0029】
例えば、排ガス導入管7Bの内径が直径45mmの場合に、10m/秒以上の流速を得るためには953リットル/分以上の窒素ガスを流す必要がある。このように、流速10m/秒以上の窒素ガスを30秒程度流すことで、管内壁に付着している粉体を確実に吹き飛ばすことができる。
なお、窒素ガスの導入時間については、上記時間でも十分な効果を確認しているが、対象とする排ガス導入管7Bの長さや粉体の堆積状況に応じて、60秒間や120秒間導入してもよい(以下、同旨)。
【0030】
その後はプロセスや設備の容量等にもよるが、例えば、次のメンテナンス時期である1カ月程度後にこのクリーニングを行えばよい。なお、ノズル54Bが管路壁に対して直角に配設されていたとしても、上流側の三方切替弁60Bが閉止されているので、下流方向に向けて10m/秒以上の流速を確保できるので問題はない。
【0031】
このように、ノズル54Bは排ガス導入管7Bの管壁に対し直角に配設されてもよいが、下流側に向けて斜めに配設されるとより望ましい。管路に対し管軸方向に沿って下流側に向けて配設できれば更に望ましい。
【0032】
なお、三方切替弁60Bのバイパス側への切り替えとこのクリーニングの開始をインターロックをかけ自動制御するようにしてもよい。このインターロックは三方切替弁60Bの閉止が確実に行われた後に、クリーニングの開始がされるようにする。また、クリーニングの開始は、図示しないクリーニングモードボタンを押すことで開始されるようにしてもよい。
【0033】
このようにインターロックをかけるのは、三方切替弁60Bの上流側に大量の窒素ガスが漏れ出ると、ドライポンプ5に不要の背圧がかかりエラーを生ずることがあり、これを防止するためである。
次に、通孔51A、51B、51C、51Dの内壁に付着した粉体を除去する方法について説明する。
通孔51A、51B、51C、51Dの内壁にも粉体が蓄積若しくは付着している。このため、この粉体を排ガス導入管7A、7B、7C、7Dの管内と同様に除去する。
【0034】
この通孔51A、51B、51C、51Dに流す窒素ガスについても常温で、その流速は7.5m/秒以上であることが望ましく、10m/秒以上であることがより望ましい。
例えば、通孔51A、51B、51C、51Dの内径が直径19mmの場合に、10m/秒以上の流速を得るためには161リットル/分以上の窒素ガスを噴射孔57A、57B、57C、57Dより流す必要がある。
但し、噴射孔57A、57B、57C、57Dとノズル58A、58B、58C、58Dは必ずしも形成されなくてもよい。この場合、通孔51A、51B、51C、51Dには、上流側の排ガス導入管7A、7B、7C、7Dの管内の粉体を除去するために導入した窒素ガスがこの通孔51A、51B、51C、51Dにも流れる。このため、この窒素ガスによって、通孔51A、51B、51C、51Dの内部の粉体も、排ガス導入管7A、7B、7C、7Dの管内の粉体と共に一緒に除去することができる。
【0035】
以上のように大流量の窒素ガスを一定時間流すことで、管内壁に付着している粉体を確実に吹き飛ばすことができる。従って、管壁内の流路が粉体の厚み分狭くなることはなく安定して一定量の排ガスを流すことができる。また、配管を分解等することなくクリーニングができるので効率的である。
【0036】
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。本発明の第2実施形態である燃焼式除害装置20の構成図を
図5及び
図6に示す。
図5は正面断面図、
図6は側面外形図である。
図5及び
図6において、排ガス分岐導入管9A、9B、9C、9Dは、ドライポンプ5に接続された排ガス導入管7よりマニホールド8を介して4本に分岐されている。排ガス導入管7の上流には三方切替弁60が配設されている。排ガス分岐導入管9A、9B、9C、9Dは、それぞれ導入管ベース部21A、21B、21C、21Dに立設されている。
【0037】
燃焼室上層部23には燃焼室30に通ずる通孔51A、51B、51C、51Dが形成されている。そして、それぞれの通孔51A、51B、51C、51Dは、導入管ベース部21A、21B、21C、21Dを介してそれぞれ排ガス分岐導入管9A、9B、9C、9Dと繋がっている。
【0038】
そして、排ガス導入管7の管壁には噴射孔53が形成され、この噴射孔53にはノズル54が取り付けられている。このノズル54から排ガス導入管7内に向けて不活性ガスである例えば窒素ガスが所定速度以上の流速で導入されるようになっている。
【0039】
また、排ガス分岐導入管9A、9B、9C、9Dの管壁には噴射孔55A、55B、55C、55Dが形成され、この噴射孔55A、55B、55C、55Dにはノズル56A、56B、56C、56Dが取り付けられている。このノズル56A、56B、56C、56Dから同様に排ガス分岐導入管9A、9B、9C、9D内に向けて窒素ガスが所定速度以上の流速で導入されるようになっている。
排ガス分岐導入管9A、9B、9C、9Dは導入管に相当する。
【0040】
次に、本発明の第2実施形態の動作を説明する。
図7に第2実施形態の概念ブロック図を示す。ドライポンプ5とマニホールド8の間には三方切替弁60が配設されている。そして、燃焼式除害装置20の運用中にはドライポンプ5よりマニホールド8に向けて排ガスが流れる。マニホールド8を通った排ガスは燃焼式除害装置20の処理能力に応じて排ガス分岐導入管で4分岐や6分岐等される。導入された排ガスは燃料・空気供給口33より入れられた燃料と空気により燃焼分解される。
【0041】
次に、排ガス分岐導入管9A、9B、9C、9Dの管内に付着した粉体を除去する方法について説明する。
排ガス分岐導入管9A、9B、9C、9Dの管内にも粉体が蓄積若しくは付着している。このため、この粉体を排ガス導入管7の管内と同様に除去する。
【0042】
これらの管内についても常温の窒素ガスで、その流速は7.5m/秒以上であることが望ましく、10m/秒以上であることがより望ましい。例えば、排ガス分岐導入管9A、9B、9C、9Dの内径が直径28mmの場合に、10m/秒以上の流速を得るためには186リットル/分以上の窒素ガスを噴射孔55A、55B、55C、55Dより流す必要がある。
この窒素ガスは排ガス導入管7の管内と同様に30秒程度流す。
但し、噴射孔55A、55B、55C、55Dとノズル56A、56B、56C、56Dは必ずしも配設されなくてもよい。この場合、噴射孔53が形成されたノズル54から導入された窒素ガスを排ガス分岐導入管9A、9B、9C、9Dでも流用する。
即ち、噴射孔53が形成されたノズル54から、各排ガス分岐導入管9A、9B、9C、9Dの管内の粉体を除去するために、窒素ガスを所定速度以上の流速で導入させる。このため、排ガス導入管7に導入する窒素ガスの流量は、少なくとも各排ガス分岐導入管9A、9B、9C、9Dの管内の粉体の除去に必要な流量の総和(この場合は、少なくとも186リットル/分以上×4=744リットル/分)が必要となる。
この窒素ガスによって、排ガス導入管7の内部の粉体も、排ガス分岐導入管9A、9B、9C、9Dの管内の粉体と共に一緒に除去することができる。
このように、各排ガス分岐導入管9A、9B、9C、9Dの管内の粉体の除去を考慮したときでも、窒素ガスは排ガス導入管7の管内の粉体を除去したときと同様に30秒程度流すことが望ましい。
【0043】
以上のように大流量の窒素ガスを一定時間流すことで、管内壁に付着している粉体を確実に吹き飛ばすことができる。
なお、本発明は窒素ガスの導入を前提に説明したが、プロセスでの排気ガスの種類によっては、大気であっても良い。
また、本発明は、三方切替弁60がある構成として説明したが、弁の種類には限定されない。例えば、逆止弁などであっても良い。
【0044】
更に、弁に限らず、逆流を防止する様な構造であっても良い。例えば、排気ガス導入管の途中に流路面積を絞ったオリフィス構造を設けた場合には、当該オリフィス構造によって、逆流を防止することも可能である。
なお、本発明は、本発明の精神を逸脱しない限り種々の改変をなすことができ、そして、本発明が当該改変されたものにも及ぶことは当然である。
【符号の説明】
【0045】
1 プロセスチャンバ
3 ターボ分子ポンプ
5 ドライポンプ
7、6A、6B、6C、6D、7A、7B、7C、7D 排ガス導入管
8 マニホールド
9A、9B、9C、9D 排ガス分岐導入管
10、20 燃焼式除害装置
11 セントラルスクラバー
30 燃焼室
51A、51B、51C、51D 通孔
53、53A、53B、53C、53D 噴射孔
54、54A、54B、54C、54D ノズル
55A、55B、55C、55D 噴射孔
56A、56B、56C、56D ノズル
57A、57B、57C、57D 噴射孔
58A、58B、58C、58D ノズル
60 三方切替弁