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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-28
(45)【発行日】2023-08-07
(54)【発明の名称】洗浄システム
(51)【国際特許分類】
   A47L 15/24 20060101AFI20230731BHJP
   A47L 15/42 20060101ALI20230731BHJP
【FI】
A47L15/24
A47L15/42 Z
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2019234890
(22)【出願日】2019-12-25
(65)【公開番号】P2021101913
(43)【公開日】2021-07-15
【審査請求日】2022-11-16
(73)【特許権者】
【識別番号】000194893
【氏名又は名称】ホシザキ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100180851
【弁理士】
【氏名又は名称】▲高▼口 誠
(72)【発明者】
【氏名】木全 祐也
(72)【発明者】
【氏名】平野 裕司
(72)【発明者】
【氏名】堀 史幸
(72)【発明者】
【氏名】水村 秀一
(72)【発明者】
【氏名】加藤 園生
【審査官】大内 康裕
(56)【参考文献】
【文献】特開平03-041922(JP,A)
【文献】特開2018-144980(JP,A)
【文献】実開平03-027458(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47L 15/24
A47L 15/42~15/50
B65G 47/00~47/96
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被洗浄物を洗浄する洗浄機と、前記洗浄機に前記被洗浄物を収容したラックを搬入する搬入装置と、前記洗浄機から搬出される前記ラックを収容するワゴンに前記ラックを搬入するリフト装置と、前記洗浄機から前記リフト装置に前記ラックを搬出する搬出装置と、を備えた洗浄システムであって、
前記搬入装置は、前記ラックを第1方向に沿って前記洗浄機に搬送し、
前記搬出装置は、前記ラックを前記第1方向に直交する第2方向に沿って前記リフト装置に搬送し、
前記洗浄機は、前記ラックが載置されるラックレールを備え、
前記ラックレールは、
前記洗浄機に配置されたときに前記搬入装置が接続される方向に配置される第1載置部と、前記洗浄機に配置されたときに前記リフト装置が接続される方向に配置される第2載置部と、前記第2載置部と対向かつ前記第1載置部に交差する第3載置部と、前記第1載置部に対向かつ前記第2載置部及び前記第3載置部に交差する第4載置部と、を含む枠部と、
前記枠部の前記第2載置部に設けられ、前記搬入装置から前記洗浄機に搬送される前記ラックを前記第1方向に沿って案内する案内部と、を有しており、
前記案内部は、前記ラックが前記第1方向に沿って搬送されるときに前記ラックの位置を規定する第1位置と、前記ラックが前記第2方向に沿って搬送されるときに前記ラックの前記第2方向における移動を許容する第2位置と、に移動可能に設けられている、洗浄システム。
【請求項2】
前記案内部は、可倒式の構造を有しており、前記第1位置においては前記第2載置部の載置面よりも上方に突出するように起立した状態となり、前記第2位置においては傾倒した状態となる、請求項1に記載の洗浄システム。
【請求項3】
前記案内部は、
前記第2載置部に固定されている固定部と、
前記固定部に対して揺動可能に接続されており、前記第1位置と前記第2位置との間で揺動する本体部と、
前記固定部と前記本体部とを接続する接続部と、を有し、
前記接続部には、前記本体部を付勢する付勢部材が設けられており、
前記付勢部材は、前記第1位置において前記本体部が起立した状態を維持すると共に、前記本体部が前記ラックによって押圧されたときに前記本体部が前記第2位置となるように前記本体部の傾倒を許容する、請求項2に記載の洗浄システム。
【請求項4】
前記案内部は、揺動式の構造を有しており、前記第2載置部の載置面よりも上方に突出する前記第1位置と、前記載置面から突出しない前記第2位置と、の間において揺動する、請求項1に記載の洗浄システム。
【請求項5】
前記案内部は、
前記第2載置部に固定された軸部を中心に揺動可能に設けられている本体部と、
前記本体部に設けられ、前記ラックレールにおいて前記ラックが所定位置まで搬送されたときに前記ラックに当接し、前記ラックによって押し下げられる当接部と、を有し、
前記当接部は、前記第2載置部の延在方向に延在しており、前記搬入装置側を下端とする傾斜面を有している、請求項4に記載の洗浄システム。
【請求項6】
前記軸部は、前記第2載置部の延在方向における中心よりも前記搬入装置側に配置されている、請求項5に記載の洗浄システム。
【請求項7】
前記案内部は、前記本体部を付勢する付勢部を有し、
前記付勢部は、前記第1位置において前記本体部が前記載置面よりも突出した状態を維持すると共に、前記当接部が前記ラックによって押し下げられたときに前記本体部が前記第2位置となるように前記本体部の揺動を許容する、請求項5又は6に記載の洗浄システム。
【請求項8】
前記案内部は、前記第1位置において前記本体部が前記載置面よりも突出した状態を維持すると共に、前記当接部が前記ラックによって押し下げられたときに前記本体部が前記第2位置となるように前記本体部の揺動を許容する荷重部材を有している、請求項5又は6に記載の洗浄システム。
【請求項9】
前記本体部は、当該本体部の延在方向に直交する断面において、屈曲部を有している、請求項5~7のいずれか一項に記載の洗浄システム。
【請求項10】
前記当接部には、リブが設けられている、請求項5~8のいずれか一項に記載の洗浄システム。
【請求項11】
前記案内部は、前記洗浄機のドアの開閉に連動して、前記第1位置及び前記第2位置に移動する、請求項4に記載の洗浄システム。
【請求項12】
前記搬出装置は、前記ラックを押し出すアームを駆動させる搬出駆動部を有し、
前記ラックレールは、前記案内部を前記第1位置及び前記第2位置に揺動させる案内駆動部を有し、
前記案内駆動部は、前記搬出駆動部の動作に連動して作動する、請求項4に記載の洗浄システム。
【請求項13】
前記第2載置部において前記ラックが載置される載置面は、前記枠部の外側から内側に向かって下方に傾斜する傾斜部が形成されている、請求項1~12のいずれか一項に記載の洗浄システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、洗浄システムに関する。
【背景技術】
【0002】
食器洗浄機に食器が収容された食器ラックを搬入する食器搬入装置と、食器を洗浄する食器洗浄機と、上下方向に配列されると共に食器ラックを収容可能な棚部を有するワゴンと、食器洗浄機によって洗浄された食器をワゴンにおける棚部に搬入するリフター装置と、食器ラックを食器洗浄機から押し出してリフター装置に搬出させる搬出装置と、を備えた洗浄システムが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平3-41922号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
洗浄システムでは、食器が収容された食器ラックを、食器搬入装置から押し出して食器洗浄機に搬入させると共に、食器洗浄機から押し出してリフター装置に搬出させる。食器搬入装置から食器洗浄機に食器ラックが搬入されるときに、食器ラックの位置がずれると、食器ラックが食器洗浄機内の所定位置に収まらないおそれがある。この場合、食器洗浄機のドアと食器ラックとが接触し得る。これにより、洗浄機の動作が停止するため、効率が低下するおそれがある。
【0005】
そこで、本発明の目的は、作業効率の低下を抑制できる洗浄システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る洗浄システムは、被洗浄物を洗浄する洗浄機と、洗浄機に被洗浄物を収容したラックを搬入する搬入装置と、洗浄機から搬出されるラックを収容するワゴンにラックを搬入するリフト装置と、洗浄機からリフト装置にラックを搬出する搬出装置と、を備えた洗浄システムであって、搬入装置は、ラックを第1方向に沿って洗浄機に搬送し、搬出装置は、ラックを第1方向に直交する第2方向に沿ってリフト装置に搬送し、洗浄機は、ラックが載置されるラックレールを備え、ラックレールは、洗浄機に配置されたときに搬入装置が接続される方向に配置される第1載置部と、洗浄機に配置されたときにリフト装置が接続される方向に配置される第2載置部と、第2載置部と対向かつ第1載置部に交差する第3載置部と、第1載置部に対向かつ第2載置部及び第3載置部に交差する第4載置部と、を含む枠部と、枠部の第2載置部に設けられ、搬入装置から洗浄機に搬送されるラックを第1方向に沿って案内する案内部と、を有しており、案内部は、ラックが第1方向に沿って搬送されるときにラックの位置を規定する第1位置と、ラックが第2方向に沿って搬送されるときにラックの第2方向における移動を許容する第2位置と、に移動可能に設けられている。
【0007】
本発明に係る洗浄システムでは、案内部は、第1位置及び第2位置に移動可能に設けられている。第1位置は、ラックが第1方向に沿って搬送されるときにラックの位置を規定する位置であり、第2位置は、ラックが第2方向に沿って搬送されるときにラックの第2方向における移動を許容する位置である。これにより、洗浄システムでは、ラックが搬入装置から洗浄機に向かって搬送されるときには、ラックが案内部によって位置が規定されてガイドされるため、ラックの位置がずれることを抑制できる。そのため、洗浄システムでは、搬入装置から洗浄機に搬送されたラックが洗浄機内の所定位置に配置されるため、ラックが洗浄機内に確実に収容される。したがって、洗浄システムでは、作業効率の低下を抑制できる。一方、洗浄システムでは、ラックが洗浄機からリフト装置に向かって搬送されるときには、案内部がラックの移動を阻害しない。そのため、洗浄システムでは、洗浄機からリフト装置にラックを搬送することができる。
【0008】
本発明の洗浄システムでは、案内部は、可倒式の構造を有しており、第1位置においては第2載置部の載置面よりも上方に突出するように起立した状態となり、第2位置においては傾倒した状態となってもよい。この構成では、第1位置においてラックをガイドすることができると共に、第2位置においてはラックの移動を許容することができる。
【0009】
本発明の洗浄システムでは、案内部は、第2載置部に固定されている固定部と、固定部に対して揺動可能に接続されており、第1位置と第2位置との間で揺動する本体部と、固定部と本体部とを接続する接続部と、を有し、接続部には、本体部を付勢する付勢部材が設けられており、付勢部材は、第1位置において本体部が起立した状態を維持すると共に、本体部がラックによって押圧されたときに本体部が第2位置となるように本体部の傾倒を許容してもよい。この構成では、ラックが搬入装置から洗浄機に搬入されるときには本体部を第1位置に位置させ、ラックが洗浄機からリフト装置に搬出されるときには本体部を第2位置に位置させることができる。
【0010】
本発明の洗浄システムでは、案内部は、揺動式の構造を有しており、載置面よりも上方に突出する第1位置と、載置面から突出しない第2位置と、の間において揺動してもよい。この構成では、第1位置においてラックをガイドすることができると共に、第2位置においてはラックの移動を許容することができる。
【0011】
本発明の洗浄システムでは、案内部は、第2載置部に固定された軸部を中心に揺動可能に設けられている本体部と、本体部に設けられ、ラックレールにおいてラックが所定位置まで搬送されたときにラックに当接し、ラックによって押し下げられる当接部と、を有し、当接部は、第2載置部の延在方向に延在しており、搬入装置側を下端とする傾斜面を有していてもよい。この構成では、ラックが洗浄室に搬入されたときに、本体部を第1位置に確実に位置させることができる。
【0012】
本発明の洗浄システムでは、軸部は、第2載置部の延在方向における中心よりも搬入装置側に配置されていてもよい。この構成では、ラックが洗浄機に搬入されたときに、本体部を第1位置に確実に位置させることができる。
【0013】
本発明の洗浄システムでは、案内部は、本体部を付勢する付勢部を有し、付勢部は、第1位置において本体部が載置面よりも突出した状態を維持すると共に、当接部がラックによって押し下げられたときに本体部が第2位置となるように本体部の揺動を許容してもよい。この構成では、ラックが搬入装置から洗浄機に搬入されるときには本体部を第1位置に位置させ、ラックが洗浄機からリフト装置に搬出されるときには本体部を第2位置に位置させることができる。
【0014】
本発明の洗浄システムでは、案内部は、第1位置において本体部が載置面よりも突出した状態を維持すると共に、当接部がラックによって押し下げられたときに本体部が第2位置となるように本体部の揺動を許容する荷重部材を有していてもよい。この構成では、ラックが搬入装置から洗浄機に搬入されるときには本体部を第1位置に位置させ、ラックが洗浄機からリフト装置に搬出されるときには本体部を第2位置に位置させることができる。
【0015】
本発明の洗浄システムでは、当接部には、リブが設けられていてもよい。この構成では、当接部の剛性(強度)を確保できる。したがって、ラックの出し入れが頻繁に行われる場合であっても、当接部に破損が生じることを回避できる。したがって、メンテナンス性の向上が図れる。
【0016】
本発明の洗浄システムでは、案内部は、洗浄機のドアの開閉に連動して、第1位置及び第2位置に移動してもよい。この構成では、洗浄機のドアの開閉によって、ラックが搬入装置から洗浄機に搬入されるときには本体部を第1位置に位置させ、ラックが洗浄機からリフト装置に搬出されるときには本体部を第2位置に位置させることができる。
【0017】
本発明の洗浄システムでは、搬出装置は、ラックを押し出すアームを駆動させる搬出駆動部を有し、ラックレールは、案内部を第1位置及び第2位置に揺動させる案内駆動部を有し、案内駆動部は、搬出駆動部の動作に連動して作動してもよい。この構成では、ラックが洗浄機からリフト装置に搬出されるときに、案内部を第2位置に確実に位置させることができる。
【0018】
本発明の洗浄システムでは、第2載置部においてラックが載置される載置面は、枠部の外側から内側に向かって下方に傾斜する傾斜部が形成されていてもよい。この構成では、第2載置部の載置面が、枠部の外側から内側に向かって傾斜する傾斜部を有している。これにより、搬入装置によって洗浄機にラックが搬入されるとき、すなわち第2載置部の延在方向に沿って洗浄機にラックが搬入されるときには、第2載置部の傾斜部を乗り越えないように洗浄室の前方から後方にラックが案内される。一方、搬出装置によって洗浄機からラックが搬出されるとき、すなわち第2載置部に交差する方向に洗浄機からラックが搬出されるときには、第2載置部を乗り上げるようにラックが案内される。これにより、搬入時には洗浄室の所定位置にラックが正確に誘導され、搬出時には洗浄機から容易にラックを搬出させることができる。この結果、洗浄機への搬入方向と洗浄機からの搬出方向とが互いに異なる場合であっても、ラックの洗浄機への搬入及び洗浄機からの搬出を正確に行うことができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、作業効率の低下を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1図1は、一実施形態に係る洗浄システムの全体を示した斜視図である。
図2図2(A)は、キャリーテーブルの正面図であり、図2(B)は、キャリーテーブルの平面図である。
図3図3は、食器洗浄機の概略構成を示す断面図である。
図4図4(A)は、リフト装置をワゴン側から見た側面図であり、図4(B)は、リフト装置を食器洗浄機側から見た側面図である。
図5図5は、ワゴンを示す斜視図である。
図6図6(A)は、搬出装置の平面図であり、図6(B)は、搬出装置の斜視図である。
図7図7は、洗浄室の内部を示した断面図である。
図8図8は、第1実施形態に係るラックレールを食器洗浄機から取り外した状態を示す図である。
図9図9(A)は、本体部の第1位置の状態を示す図であり、図9(B)は、本体部の第2位置の状態を示す図である。
図10図10は、第2実施形態に係るラックレールを食器洗浄機から取り外した状態を示す図である。
図11図11は、第2実施形態に係るラックレールを食器洗浄機から取り外した状態を示す図である。
図12図12は、第2実施形態に係るラックレールを示す図である。
図13図13は、第3案内部の付勢部を示す図である。
図14図14は、第2案内部の当接部を示す図である。
図15図15(A)は、本体部の第1位置の状態を示す図であり、図15(B)は、本体部の第2位置の状態を示す図である。
図16図16(A)は、当接部に食器ラックが当接する状態を示す図であり、図16(B)は、当接部に食器ラックが当接した状態を示す図であり。
図17図17は、他の実施形態に係るラックレールを示す図である。
図18図18は、他の実施形態に係るラックレールを示す図である。
図19図19は、他の実施形態に係るラックレールを示す図である。
図20図20(A)及び図20(B)は、他の実施形態に係るラックレールの動作を示す図である。他の実施形態に係るラックレールを示す図である。
図21図21は、他の実施形態に係るラックレールを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図面の説明において同一又は相当要素には同一符号を付し、重複する説明は省略する。図面の寸法比率は、説明のものと必ずしも一致していない。以下の説明においては、図1で規定する方向(上下方向、前後方向、左右方向)を説明に用いる。
【0022】
図1に示されるように、洗浄システム1は、キャリーテーブル(搬入装置)3と、食器洗浄機(洗浄機)4と、リフト装置5と、ワゴン6と、搬出装置90と、を備えている。洗浄システム1では、キャリーテーブル3及び食器洗浄機4が前後方向に並べて配置され、食器洗浄機4、リフト装置5及びワゴン6が、左右方向に並べて配置されている。すなわち、本実施形態の洗浄システム1では、食器(被洗浄物)が収容される食器ラックRが前側から後側に向かって移動した後、右側から左側に向かって移動するように、平面視においてキャリーテーブル3、食器洗浄機4、リフト装置5及びワゴン6がL字状に配置されている。
【0023】
キャリーテーブル3は、食器ラックRを食器洗浄機4に搬送する。キャリーテーブル3は、食器ラックRをキャリーテーブル3から食器洗浄機4に向けて、前後方向(第1方向)に沿って搬送する。図1及び図2に示されるように、キャリーテーブル3は、基台10と、基台10を支持する四つの脚部19と、搬送機構11と、センサ14と、コントローラ12と、を有している。
【0024】
基台10は、食器ラックRが載置されるテーブルである。基台10は、食器ラックRが載置される載置面10Aを有している。基台10には、載置面10Aから突出すると共に食器ラックRの搬送方向に沿って延在する、食器ラックRを摺動させる摺動部16が設けられている。摺動部16は、載置面10Aにねじ等によって固定された、例えば、ポリアセタール樹脂により形成されたプレート状の部材によって構成されている。摺動部16は、食器ラックRに対する摺動性を良好にする部材であれば材料を問わず、ポリアセタール樹脂以外の材料によっても形成が可能である。
【0025】
搬送機構11は、食器ラックRを基台10上で移動させる。搬送機構11は、アーム部材11Aと、支持部11Bと、チェーン11Cと、スプロケット11D,11Dと、駆動部11Eと、を有している。搬送機構11は、ハウジング17に収容されている。ハウジング17は、キャリーテーブル3を正面から見たとき、基台10の後方に配置されており、基台10の載置面10Aよりも上方に突出して設けられている。
【0026】
アーム部材11Aは、食器ラックRを押し出す部材であって、載置面10A上を回動可能となるように、支持部11Bに支持されている。支持部11Bは、チェーン11Cに平行に配置されたガイドレール(図示せず)に沿って前後方向に移動可能に設けられると共に、チェーン11Cの一部に固定的に連結されている。チェーン11C,11Cは、二つのスプロケット11D,11Dに巻回されている。駆動部11Eは、例えばギアモータである。駆動部11Eの回転軸には、一方のスプロケット11Dが軸支されている。
【0027】
アーム部材11Aは、アーム部材11Aの先端が食器洗浄機4側(後側)に向く状態とキャリーテーブル3の手前側(左側)に向く状態との間で回動可能となるように、ねじりバネ(図示せず)を介して支持部11Bに固定されている。ねじりバネは、平面視において半時計回り(左回り)に回動する方向にアーム部材11Aを付勢している。すなわち、ねじりバネは、ハウジング17から進出する方向にアーム部材11Aを付勢している。アーム部材11Aは、ねじりバネの作用によってシャッタ(図示せず)等の規制部材に接触しない限り、ハウジング17の外側である載置面10A上の進出領域に進出するようになっている。アーム部材11Aは、平面視において載置面10Aに重複する進出領域と、載置面10Aから退避した退避領域との間で移動可能に設けられており、食器ラックRの押し出しをしないときには、退避領域に退避されている。
【0028】
アーム部材11Aは、駆動部11Eによって駆動されるスプロケット11D及びチェーン11Cに連動することによって、キャリーテーブル3を正面から見たときの左右方向に回動する。アーム部材11Aは、食器ラックRを搬送するときに、ハウジング17内から載置面10A上に進出し、待機状態においてはハウジング17内に退避する。より詳細には、アーム部材11Aは、載置面10A上の食器ラックRの食器洗浄機4側への回動がセンサ14によって検知されたタイミング、又は、操作部18においてスタートボタンB1が押下されたタイミングで載置面10A上に進出する。
【0029】
アーム部材11Aは、食器洗浄機4に向けて食器ラックRを押し出す。アーム部材11Aの先端、すなわち、食器ラックRに当接する部分には、ベアリング(図示せず)が設けられもよい。アーム部材11Aは、食器ラックRを食器洗浄機4にまで搬送すると(すなわち、食器ラックRを押し出す押出位置に到達すると)、ハウジング17の内部の退避領域の一部である待機位置に戻る。
【0030】
コントローラ12は、キャリーテーブル3を含む、洗浄システム1の動作全般を制御する。コントローラ12は、外部との信号の入出力等を行う入出力インタフェイス、処理を行うためのプログラム及び情報等が記憶されたROM(Read Only Memory)、データを一時的に記憶するRAM(Random Access Memory)等の記憶媒体、CPU(Central Processing Unit)、及び通信回路等を有する。コントローラ12は、CPUが出力する信号に基づいて、入力データをRAMに記憶し、ROMに記憶されているプログラムをRAMにロードし、RAMにロードされたプログラムを実行することで各種処理を実行する。コントローラ12は、例えば、キャリーテーブル3の動作、食器洗浄機4におけるドア23の開閉動作、搬出装置90の動作、リフト装置5の動作等を制御する。コントローラ12は、例えば、ハウジング17内に収容されている。
【0031】
操作部18は、ハウジング17を形成するパネルの一部に配置されている。操作部18には、搬送機構11の動作を開始させるスタートボタンB1、搬送機構11の動作を停止させる停止ボタンB2、及び作業者に音声で各種状態を報知するスピーカ等の報知部Mが配置されている。
【0032】
図1に示されるように、食器洗浄機4は、キャリーテーブル3の後側に、キャリーテーブル3に隣接して配置されている。食器洗浄機4は、食器ラックRに収容されている食器を洗浄する。図1及び図3に示されるように、食器洗浄機4は、ステンレス製のパネルで覆われた洗浄機本体20を有している。洗浄機本体20は、洗浄室21が形成された上側部分20Aと、機械室22が形成された下側部分20Bとに仕切られている。
【0033】
洗浄機本体20の上側部分20Aには、洗浄室21の開閉を行うための箱型のドア23が設けられている。ドア23は、後段にて詳述する連結部材64に連結されている。連結部材64は、コントローラ12によって制御される駆動モータ60によって駆動される。ドア23は、駆動モータ60による駆動によって、上下方向において最下高さ位置に位置して、洗浄室21を閉じる閉位置(図4に示す位置)と、上下方向において最高高さ位置に位置して、洗浄室21を開く開位置(図1に示す位置)と、の間で移動する。なお、本実施形態のドア23には設けられていないが、手動でドア23を開閉するハンドルが設けられてもよい。
【0034】
洗浄室21内には、食器ラックRが載置されるラックレール70が着脱自在に配置されている。キャリーテーブル3から食器洗浄機4に搬出される食器ラックRは、ラックレール70上に押し出される。なお、ラックレール70については、後段にて詳述する。洗浄室21の上部には、放射状に延びる3本のアームからなる上側洗浄ノズル26Aと、2本のアームからなる上側すすぎノズル27Aとがそれぞれ回転自在に配置されている。同様に、洗浄室21の下部には、放射状に延びる3本のアームからなる下側洗浄ノズル26Bと、2本のアームからなる下側すすぎノズル27Bとがそれぞれ回転自在に配置されている。食器ラックRに並べられた食器は、上側洗浄ノズル26A及び下側洗浄ノズル26Bによって上下から洗浄水が噴射され、上側すすぎノズル27A及び下側すすぎノズル27Bによって上下からすすぎ水が噴射される。
【0035】
洗浄水タンク28には、洗浄水吸込口を介して洗浄ポンプ29が接続されている。洗浄ポンプ29の吐出口には、洗浄水吐出管30が接続されている。洗浄水吐出管30は、第1洗浄水吐出管30Aと第2洗浄水吐出管30Bとに分岐して、第1洗浄水吐出管30Aは上側洗浄ノズル26Aに接続され、第2洗浄水吐出管30Bは下側洗浄ノズル26Bに接続されている。
【0036】
機械室22内には、外部から給水管(図示せず)を介してすすぎ水が供給されるすすぎ水タンク31が配置されている。すすぎ水タンク31には、すすぎ水吸込管32を介してすすぎポンプ33が接続されている。すすぎポンプ33の吐出口には、すすぎ水吐出管34が接続されている。すすぎ水吐出管34は、第1すすぎ水吐出管34Aと第2すすぎ水吐出管34Bとに分岐して、第1すすぎ水吐出管34Aは上側すすぎノズル27Aに接続され、第2すすぎ水吐出管34Bは下側すすぎノズル27Bに接続されている。第1すすぎ水吐出管34Aは、第1洗浄水吐出管30A内に配置されている。すなわち、第1洗浄水吐出管30A及び第1すすぎ水吐出管34Aは、二重管構造を成している。
【0037】
機械室22内には、食器洗浄機4の動作全般を制御するコントローラ35が内蔵された電装ボックス(図示せず)などが収容されている。コントローラ35は、洗浄が終了したことを示す終了信号を、キャリーテーブル3のコントローラ12に出力する。
【0038】
食器洗浄機4は、熱交換ユニット36を備えている。熱交換ユニット36は、洗浄機本体20の洗浄室21から排出された水蒸気を凝縮して、水蒸気の包含量が減少した空気を外部に排出する。食器洗浄機4は、洗浄機本体20を支持する四つの脚部37を備えている。
【0039】
図1に示されるように、リフト装置5は、食器洗浄機4の左隣りに、食器洗浄機4に隣接して配置されている。リフト装置5は、食器洗浄機4から搬出された食器ラックRを、ワゴン6の所定位置に移載する。図4に示されるように、リフト装置5は、本体40と、リフト41と、駆動機構7と、を備えている。本体40は、フレーム40Aと、前後方向において互いに対向して配置されている一対の側部42A,42Bを有している。一対の側部42A,42Bは、パネル状の部材である。本体40は、一対の側部42A,42Bの対向方向に直交する水平方向の両側が開口している。本体40には、食器洗浄機4側の開口の上側の一部を覆う側部42Cが設けられている。リフト装置5は、本体40を支持する四つの脚部47を備えている。
【0040】
リフト41は、図示しない駆動機構によって、上下方向に移動する。駆動機構は、例えば、駆動モータ、スプロケット、チェーン等を含んで構成されている。リフト41は、食器ラックRをワゴン6に搬出するベルト43A,43Bを有している。リフト41は、食器洗浄機4による洗浄が完了した際、食器洗浄機4のラックレール70(図3参照)と同じ高さ位置で待機している。リフト41は、食器洗浄機4から食器ラックRが搬出されて、食器ラックRの一部がリフト41上に位置したことがセンサ44で検知されると、ベルト43A,43Bを作動させて食器ラックRを取り入れる。
【0041】
リフト41は、食器ラックRを取り入れると、ワゴン6において食器ラックRが収容されていない棚部(段)に食器ラックRを移載する。リフト41は、ベルト43A,43Bを作動させて、食器ラックRをワゴン6に送り出す。ワゴン6の各棚部における空き状況は、リフト装置5の、例えば、天板及び底板に設けられたセンサ(図示せず)又はリフト41に設けられたセンサ(図示せず)によって検知される。
【0042】
駆動機構7は、食器洗浄機4のドア23を閉位置及び開位置に駆動させる。駆動機構7は、駆動モータ60と、一対のスプロケット(図示せず)と、チェーン(図示せず)と、スライダ63と、連結部材64と、を有している。駆動機構7は、リフト装置5の背面側に設けられている。
【0043】
駆動モータ60は、例えば、ギアモータである。駆動モータ60は、例えば、リフト装置5の上部に配置されている。駆動モータ60の動作は、キャリーテーブル3のコントローラ12によって制御される。スプロケットには、駆動モータ60の出力軸が接続されている。スプロケットは、スプロケットの回転に応じて、チェーンを介して従動して回転する。チェーンは、一対のスプロケットに掛け渡されている。
【0044】
スライダ63は、チェーンに接続されている。スライダ63は、チェーンの移動に応じて上下方向に移動する。スライダ63は、上下方向に沿って延在しているガイドレール65に接続されており、ガイドレール65に沿って移動する。連結部材64は、スライダ63とドア23とを連結している。連結部材64は、前後方向に沿って延在している。連結部材64の一端部は、スライダ63に固定されており、連結部材64の他端部は、軸ピン(図示せず)を介してドア23に連結されている。連結部材64には、支持部材(図示せず)が設けられている。支持部材は、連結部材64とドア23の下端部とに接続されており、ドア23が上昇するときにドア23を下方から支持する。
【0045】
図1に示されるように、ワゴン6は、リフト装置5の左隣りに、リフト装置5に隣接して配置されている。ワゴン6は、複数(本実施形態では4個)の食器ラックRを収納可能である。ワゴン6は、リフト装置5によって食器ラックRが収容される。ワゴン6は、リフト装置5に着脱可能に設けられている。
【0046】
図5に示されるように、ワゴン6は、互いに対向して配置されている一対の側部50A,50Bと、一対の側部50A,50Bの上端部に設けられている上部51と、一対の側部50A,50Bの下端部に設けられている底部52と、を有している。一対の側部50A,50Bは、パネル状の部材により形成されている。ワゴン6は、一対の側部50A,50B、上部51及び底部52によって、食器ラックRを収容する収容空間が形成されている。ワゴン6は、一対の側部50A,50Bの対向方向に直交する水平方向の両側が開口している。
【0047】
一対の側部50A,50Bのそれぞれの内面には、互いに対向する位置に、一対の支持レール53A,53Bが設けられている。一対の支持レール53A,53Bは、食器ラックRを支持する。一対の支持レール53A,53Bは、ワゴン6において食器ラックRを収容する棚部を構成している。支持レール53A,53Bは、上下方向において所定の間隔をあけて複数配置されている。一方の側部50Aの外面には、作業者によって把持可能な操作ハンドル54A,54Bが設けられている。底部52には、ワゴン6がリフト装置5から取り外されたときにワゴン6を移動自在とする4個のローラ55A,55B,55C,55Dと、ワゴン6がリフト装置5に取り付けられたときにワゴン6を設置(固定)する設置機構56A,56Bと、が設けられている。
【0048】
図6(A)及び図6(B)に示されるように、搬出装置90は、食器洗浄機4からリフト装置5に食器ラックRを搬出する。搬出装置90は、食器ラックRを食器洗浄機4からリフト装置5に向けて、左右方向(第1方向に直交する第2方向)に沿って搬送する。図6(A)に示されるように、搬出装置90は、食器洗浄機4に右側側面の前方に設けられている。図6(B)に示されるように、搬出装置90は、アーム91と、モータ(搬出駆動部)93と、規制部94と、を有している。モータ93は、コントローラ12によって動作が制御される。
【0049】
アーム91は、一方向に延在する回動軸91Aを回動中心に回動することで食器ラックRを押し出し、食器洗浄機4からリフト装置5に食器ラックRを搬出させる。アーム91は、回動軸91Aを中心に回転可能に設けられると共に、食器ラックRに接触可能に設けられた第1ベアリング92A及び第2ベアリング92Bを有している。モータ93は、出力軸である回動軸91Aを中心にアーム91を回動させる。規制部94は、アーム91の回動範囲を規制する。
【0050】
[第1実施形態]
続いて、第1実施形態に係るラックレール70について説明する。図7に示されるように、ラックレール70は、ステンレス鋼によって形成される枠体であり、食器洗浄機4に着脱自在に取り付けられている。ここで、洗浄水タンク28は、貯留部形成部28Aと、平面部28Bと、を有している。貯留部形成部28Aは、洗浄水を貯留する貯留部を形成する。平面部28Bは、上方から見た平面視において貯留部形成部28Aの周囲に形成され、略水平方向に延出する部分である。ラックレール70は、後段にて詳述する第1支持部76が、平面部28Bに載置される。
【0051】
図8に示されるように、ラックレール70は、食器洗浄機4に配置されたときに、キャリーテーブル3が接続される方向に配置される第1載置部71と、リフト装置5が接続される方向に配置される第2載置部72と、第2載置部72と対向かつ第1載置部71に交差する第3載置部73と、第1載置部71に対向かつ第2載置部72及び第3載置部73に交差する第4載置部74と、を含む枠部70Aを有している。ラックレール70は、第5載置部75と、一対の第1支持部76,76と、一対の第2支持部77,77と、第1案内部78と、第2案内部79と、第3案内部(案内部)80と、規定部81と、を更に有している。
【0052】
図10に示されるように、第1載置部71、第2載置部72及び第3載置部73は、略三角形状の閉断面形状を有するパイプによって形成されている。第1載置部71、第2載置部72及び第3載置部73のそれぞれの上面は、ラックレール70の載置面70Sを構成している。第1載置部71、第2載置部72、第3載置部73、第4載置部74、第5載置部75,75、一対の第1支持部76,76、一対の第2支持部77,77は、溶接等によって互いに一体化されている。
【0053】
第4載置部74は、互いに対向する第2載置部72及び第3載置部73間を接続する部材であり、洗浄室21に配置されたとき、食器洗浄機4の後側に配置される部材である。第4載置部74は、中実状又は中空パイプ状の丸棒である。
【0054】
一対の第1支持部76,76は、ラックレール70が洗浄室21に配置されたとき、洗浄室21の前側下部に配置される第1載置部71に固定されている。一対の第1支持部76,76は、第1載置部71の左右方向の左側と右側とに配置されている。一対の第1支持部76,76のそれぞれは、第1載置部71から下方に延びる第1部分76A,76Aと、第1部分76A,76Aから前側に屈曲すると共に、ラックレール70が洗浄室21に配置されたとき、洗浄水タンク28の平面部28Bに載置される第2部分76Bを有する。第1支持部76,76は、中実状又は中空パイプ状の丸棒によって形成されている。
【0055】
第5載置部75,75の一方は、互いに交差する第1載置部71及び第3載置部73同士を接続する部材である。第5載置部75,75の他方は、互いに交差する第2載置部72及び第4載置部74同士を接続する部材である。第5載置部75,75は、中実状又は中空パイプ状の丸棒によって形成されている。
【0056】
一対の第2支持部77,77の一方は第2載置部72に接続され、一対の第2支持部77,77の他方は第3載置部73に接続されている。一対の第2支持部77,77の一方は、第2載置部72から斜め左後方に延びる第1部分77Aと、左右方向に延在する第2部分77Bと、を有している。一対の第2支持部77,77の他方は、第3載置部73から斜め右後方に延びる第1部分77Aと、左右方向に延在する第2部分77Bと、を有している。第2部分77B,77Bの端部のそれぞれは、洗浄室21に設けられる係止部(図示省略)に、双方向に回転可能かつ着脱可能に係止されている。
【0057】
図9及び図10に示されるように、第1案内部78は、第3載置部73に設けられている。第1案内部78は、ラックレール70に載置された食器ラックRが枠部70Aの外側へ飛び出すことを防止する。第1案内部78は、本体部78Aと、前側端部に形成されるテーパ部78Bと、を有している。本体部78Aは、第3載置部73から上方に突出した状態で、第3載置部73が延在する方向に延在している。テーパ部78Bは、手前側に向かって徐々に枠部70Aから離れるように延在している。
【0058】
図8及び図9に示されるように、第2案内部79は、第1載置部71に設けられている。第2案内部79は、ラックレール70に載置された食器ラックRが枠部70Aの外側へ飛び出すことを防止する。第2案内部79は、第1載置部71から上方に突出した状態で、第1載置部71が延在する方向に延在している。第2案内部79は、ラックレール70の第1載置部71における載置面70Sを露出させる位置に配置されている。第2案内部79は、ラックレール70の載置面70Sに対して、段差を構成している。具体的には、第2案内部79は、載置面70Sよりも上方に突出し且つキャリーテーブル3の基台10の載置面10Aの高さ位置以下となる段差を構成している。第2案内部79の上部(上面)は、平坦に形成されている。
【0059】
図8に示されるように、第3案内部80は、枠部70Aの第2載置部72に設けられている。第3案内部80は、キャリーテーブル3から食器洗浄機4に搬送される食器ラックRを前後方向に沿って案内する。第3案内部80は、図9(A)に示されるように、食器ラックRが前後方向(第1方向)に沿って搬送されるときに食器ラックRの位置を規定する第1位置P1と、図9(B)に示されるように、食器ラックRが左右方向(第2方向)に沿って搬送されるときに食器ラックRの左右方向における移動を許容する第2位置P2と、に移動可能に設けられている。
【0060】
第3案内部80は、可倒式の構造を有している。第3案内部80は、第1位置P1においては載置面70Sよりも上方に突出するように起立した状態となり、第2位置P2においては傾倒した状態となる。図8に示されるように、第3案内部80は、固定部80Aと、本体部80Bと、接続部80Cと、を有している。
【0061】
固定部80Aは、第2載置部72に固定されている。固定部80Aは、例えば、板部材である。固定部80Aは、第2載置部72から突出しないように、第2載置部72が延在する方向に延在している。固定部80Aは、第2載置部72に対して、例えば、ねじによって固定されている。
【0062】
本体部80Bは、固定部80Aに対して揺動可能に接続されている。本体部80Bは、第1位置P1と第2位置P2との間で揺動する。本体部80Bは、例えば、板部材である。本体部80Bは、例えば、台形状を呈している。本体部80Bは、第2載置部72が延在する方向に延在している。図9(A)及び図9(B)に示されるように、本体部80Bは、延在方向に直交する断面において屈曲している。具体的には、本体部80Bは、基部80Baと、先端部80Bbと、を有している。基部80Ba及び先端部80Bbは、一体に形成されている。本体部80Bは、例えば、曲げ加工により形成されている。基部80Baは、板状を呈しており、接続部80Cに接続されている。先端部80Bbは、基部80Baの先端側に接続されており、基部80Baに対して所定の角度を成している。
【0063】
接続部80Cは、固定部80Aと本体部80Bとを接続する。接続部80Cは、例えば、蝶番である。本実施形態では、接続部80Cは、第2載置部72の延在方向において、所定の間隔をあけて4個配置されている。接続部80Cには、本体部80Bを付勢する付勢部材80Dが設けられている。付勢部材80Dは、例えば、ねじりバネである。付勢部材80Dは、第1位置P1において本体部80Bが起立した状態を維持すると共に、本体部80Bが食器ラックRによって押圧されたときに本体部80Bが第2位置P2となるように本体部80Bの傾倒を許容する。すなわち、付勢部材80Dの付勢力は、本体部80Bが食器ラックRによって押圧されたときに本体部80Bを傾倒させるように設定されている。
【0064】
図9(A)に示されるように、第3案内部80では、食器ラックRがキャリーテーブル3から食器洗浄機4に搬入されるときには、本体部80Bが第1位置P1の状態にある。これにより、第3案内部80は、キャリーテーブル3から食器洗浄機4に搬入される食器ラックRの左右方向の位置を規定する。図9(B)に示されるように、第3案内部80では、食器ラックRが食器洗浄機4からリフト装置5に搬出されるときには、本体部80Bが第2位置P2の状態にある。具体的には、第3案内部80では、食器ラックRが移動を開始すると、食器ラックRによって押圧されて本体部80Bが第1位置P1からリフト装置5側に徐々に倒れる。
【0065】
規定部81は、キャリーテーブル3から食器洗浄機4及び食器洗浄機4からリフト装置5に搬送されるときの食器ラックRの位置を規定する。規定部81は、食器ラックRの搬送経路以外(食器ラックRが移動(通過)する領域以外)の位置に配置されている。具体的には、規定部81は、第1載置部71と第2載置部72とが接続される枠部70Aの角部に配置されている。これにより、規定部81は、食器洗浄機4に配置されたラックレール70において、キャリーテーブル3から食器ラックRが搬入される搬入側であると共に、食器洗浄機4から食器ラックRが搬出される搬出側に配置されている。
【0066】
規定部81は、ラックレール70の載置面70Sから突出している。規定部81は、上下方向に沿って延在している。規定部81は、例えば、載置面70Sからの高さが15mmである。規定部81は、延在方向に直交する断面が円形状を呈している。すなわち、規定部81は、円柱状又は円筒状を呈している。
【0067】
食器ラックRがキャリーテーブル3から食器洗浄機4に搬送されるときには、食器ラックRは、最初に規定部81によって位置が規定される。規定部81によって位置が規定された食器ラックRは、第3案内部80の第1位置P1に位置する本体部80Bによってガイドされ、食器洗浄機4に搬送される。これにより、食器ラックRは、枠部70Aの外側へ飛び出すことなく、所定の搬送経路に沿って搬送され、ラックレール70に載置される。食器ラックRが食器洗浄機4からリフト装置5に搬送されるときには、食器ラックRの移動に伴い第3案内部80の本体部80Bが押圧されて傾倒して第2位置P2に位置する。これにより、食器ラックRは、本体部80B上を移動し、リフト装置5のベルト43A,43Bによってリフト装置5に取り入れられる。
【0068】
上記実施形態の洗浄システム1における作用効果について説明する。本実施形態に係る洗浄システム1のラックレール70では、第3案内部80は、第1位置P1及び第2位置P2に移動可能に設けられている。第1位置P1は、食器ラックRが前後方向に沿って搬送されるときに食器ラックRの位置を規定する位置であり、第2位置P2は、食器ラックRが左右方向に沿って搬送されるときに食器ラックRの左右方向における移動を許容する位置である。これにより、洗浄システム1では、食器ラックRがキャリーテーブル3から食器洗浄機4に向かって搬送されるときには、食器ラックRが第3案内部80によって位置が規定されてガイドされるため、食器ラックRの位置がずれることを抑制できる。そのため、洗浄システム1では、キャリーテーブル3から食器洗浄機4に搬送された食器ラックRが食器洗浄機4内の所定位置に配置されるため、食器ラックRが食器洗浄機4内に確実に収容される。したがって、洗浄システム1では、作業効率の低下を抑制できる。一方、洗浄システム1では、食器ラックRが食器洗浄機4からリフト装置5に向かって搬送されるときには、第3案内部80が食器ラックRの移動を阻害しない。そのため、洗浄システム1では、食器洗浄機4からリフト装置5に食器ラックRを搬送することができる。
【0069】
本実施形態に係る洗浄システム1では、第3案内部80は、可倒式の構造を有している。第3案内部80は、第1位置P1においては載置面70Sよりも上方に突出するように起立した状態となり、第2位置P2においては傾倒した状態となる。この構成では、第1位置P1において食器ラックRをガイドすることができると共に、第2位置P2においては食器ラックRの移動を許容することができる。
【0070】
本実施形態に係る洗浄システム1では、第3案内部80は、第2載置部72に固定されている固定部80Aと、固定部80Aに対して揺動可能に接続されており、第1位置P1と第2位置P2との間で揺動する本体部80Bと、固定部80Aと本体部80Bとを接続する接続部80Cと、を有する。接続部80Cには、本体部80Bを付勢する付勢部材が設けられている。付勢部材は、第1位置P1において本体部80Bが起立した状態を維持すると共に、本体部80Bが食器ラックRによって押圧されたときに本体部80Bが第2位置P2となるように本体部80Bの傾倒を許容する。この構成では、食器ラックRがキャリーテーブル3から食器洗浄機4に搬入されるときには本体部80Bを第1位置P1に位置させ、食器ラックRが食器洗浄機4からリフト装置5に搬出されるときには本体部80Bを第2位置P2に位置させることができる。
【0071】
[第2実施形態]
続いて、第2実施形態に係るラックレール100について説明する。図10図11及び図12に示されるように、ラックレール100は、第3案内部101を有している。第3案内部101は、揺動式の構造を有している。第3案内部101は。載置面70Sよりも上方に突出する第1位置P11と、載置面70Sから突出しない第2位置P22と、の間において揺動する。
【0072】
第3案内部101は、本体部101Aと、当接部101Bと、付勢部101Dと、を有している。本体部101Aは、第2載置部72に固定された軸部101Cを中心に揺動可能に設けられている。本体部101Aは、第1位置P11と第2位置P22との間で揺動する。本体部101Aは、例えば、板部材である。本体部101Aは、第2載置部72が延在する方向に延在している。本体部101Aには、ガイド穴101Fが設けられている。ガイド穴101Fは、縦長の形状を呈している。ガイド穴101F内には、ガイドピン101Gが位置している。ガイドピン101Gは、ガイド穴101F内で移動する。本体部101Aは、ガイドピン101Gによって、揺動範囲が規制されている。すなわち、本体部101Aは、ガイド穴101Fの長さの範囲内において揺動可能に設けられている。
【0073】
本体部101Aは、延在方向に直交する断面において屈曲している。具体的には、本体部101Aは、基部101Aaと、先端部101Abと、を有している。基部101Aa及び先端部101Abは、一体に形成されている。本体部101Aは、例えば、曲げ加工により形成されている。先端部101Abは、基部101Aaの先端側に接続されており、基部101Aaに対して所定の角度を成している。
【0074】
軸部101Cは、本体部101Aを揺動可能に支持する。軸部101Cは、取付部101E(図13参照)を介して第2載置部72に固定されている。軸部101Cは、第2載置部72の延在方向における中心よりもキャリーテーブル3側に配置されている。具体的には、図15(A)に示されるように、軸部101Cは、第2載置部72の延在方向における長さをD1とし、第2載置部72の延在方向においてキャリーテーブル3から中心位置までの長さをD2(<D1)とした場合、第2載置部72においてキャリーテーブル3側の端部からの距離がD3(<D2)の位置に配置されている。すなわち、軸部101Cは、第2載置部72の延在方向においてキャリーテーブル3から中心までの位置よりもキャリーテーブル3側(前側)に配置されている。
【0075】
当接部101Bは、ラックレール100において食器ラックRが所定位置まで搬送されたときに食器ラックの下端部に当接し、食器ラックRによって押し下げられる。当接部101Bは、本体部101Aに設けられている。具体的には、当接部101Bは、本体部101Aの延在方向の後側に設けられている。当接部101Bは、第2載置部72の内側(第2載置部72と第3載置部73との間の領域に相当する位置)に配置されている。当接部101Bは、第2載置部72の延在方向に延在しており、キャリーテーブル3側(前側)を下端する傾斜面101Sを有している。本実施形態では、当接部101B自体が傾斜している。図14に示されるように、当接部101Bには、リブ101Rが設けられている。リブ101Rは、傾斜面101Sに設けられている。リブ101Rは、例えば、プレス加工によって傾斜面101Sから突出する凸状に形成されている。
【0076】
図16(A)及び図16(B)に示されるように、当接部101Bは、食器ラックRの後側への移動に伴って、食器ラックRによって下側に押圧される。これより、図15(A)及び図15(B)に示されるように、当接部101Bに接続されている本体部101Aは、第1位置P11から第2位置P22に移動する。
【0077】
図13に示されるように、付勢部101Dは、本体部101Aの第1位置P11において本体部101Aが載置面70Sよりも突出した状態を維持すると共に、当接部101Bが食器ラックRによって押し下げられたときに本体部101Aが第2位置P22となるように本体部101Aの揺動を許容する。付勢部101Dは、本体部101Aの前側の端部に設けられている。付勢部101Dは、板バネ102と、第1取付部103と、第2取付部104と、を含んで構成されている。
【0078】
板ばね102は、略V字形状を呈している。板ばね102は、軸部101Cに係止されている。具体的には、板バネ102の屈曲部分が、軸部101Cに係止されている。第1取付部103は、本体部101Aに固定されている。第1取付部103は、板バネ102の一端部(下端部)に接続されている。第2取付部104は、第2載置部72に固定されている。第2取付部104は、板ばね102の他端部(上端部)に接続されている。付勢部101Dの板バネ102は、本体部101Aが第1位置P11においては初期状態(付勢していない状態)であり、本体部101Aが第2位置P22においては本体部101Aが揺動するように付勢する。
【0079】
図10に示されるように、第3案内部101では、食器ラックRがキャリーテーブル3から食器洗浄機4に搬入されるときには、本体部101Aが第1位置P11の状態にある。これにより、第3案内部101は、キャリーテーブル3から食器洗浄機4に搬入される食器ラックRの左右方向の位置を規定する。図11に示されるように、第3案内部101では、食器ラックRがラックレール100の所定位置に到達すると、本体部101Aが第2位置P22の状態となる。具体的には、第3案内部101では、食器ラックRが当接部101Bに当接しつつ移動すると、食器ラックRによって押圧されて本体部101Aが第1位置P11から第2位置P22に徐々に揺動する。
【0080】
食器ラックRがキャリーテーブル3から食器洗浄機4に搬送されるときには、食器ラックRは、最初に規定部81によって位置が規定される。規定部81によって位置が規定された食器ラックRは、第3案内部101の第1位置P11に位置する本体部101Aによってガイドされ、食器洗浄機4に搬送される。これにより、食器ラックRは、枠部70Aの外側へ飛び出すことなく、所定の搬送経路に沿って搬送され、ラックレール100に載置される。食器ラックRが食器洗浄機4からリフト装置5に搬送されるときには、食器ラックRの移動に伴い第3案内部80の本体部110Aが揺動して第2位置P22に位置する。これにより、食器ラックRは、食器洗浄機4からリフト装置5に移動し、リフト装置5のベルト43A,43Bによってリフト装置5に取り入れられる。
【0081】
上記実施形態の洗浄システム1における作用効果について説明する。本実施形態に係る洗浄システム1のラックレール100では、第3案内部101は、第1位置P11及び第2位置P22に移動可能に設けられている。これにより、洗浄システム1では、食器ラックRがキャリーテーブル3から食器洗浄機4に向かって搬送されるときには、食器ラックRが第3案内部101によって位置が規定されてガイドされるため、食器ラックRの位置がずれることを抑制できる。そのため、洗浄システム1では、キャリーテーブル3から食器洗浄機4に搬送された食器ラックRが食器洗浄機4内の所定位置に配置されるため、食器ラックRが食器洗浄機4内に確実に収容される。したがって、洗浄システム1では、作業効率の低下を抑制できる。一方、洗浄システム1では、食器ラックRが食器洗浄機4からリフト装置5に向かって搬送されるときには、第3案内部101が食器ラックRの移動を阻害しない。そのため、洗浄システム1では、食器洗浄機4からリフト装置5に食器ラックRを搬送することができる。
【0082】
本実施形態に係るラックレール100では、第3案内部101は、揺動式の構造を有している。第3案内部101は、ラックレール100の載置面70Sよりも上方に突出する第1位置P11と、載置面70Sから突出しない第2位置P22と、の間において揺動する。この構成では、第1位置P11において食器ラックRをガイドすることができると共に、第2位置P22においては食器ラックRの移動を許容することができる。
【0083】
本実施形態に係るラックレール100では、第3案内部101は、第2載置部72に固定された軸部101Cを中心に揺動可能に設けられている本体部101Aと、本体部101Aに設けられ、ラックレール100において食器ラックRが所定位置まで搬送されたときに食器ラックRに当接し、食器ラックRによって押し下げられる当接部101Bと、を有している。当接部101Bは、第2載置部72の延在方向に延在しており、キャリーテーブル3側を下端とする傾斜面101Sを有している。この構成では、食器ラックRが食器洗浄機4に搬入されたときに、本体部101Aを第1位置P11に確実に位置させることができる。
【0084】
本実施形態に係るラックレール100では、第3案内部101の軸部101Cは、第2載置部72の延在方向における中心よりもキャリーテーブル3側に配置されている。この構成では、食器ラックRが食器洗浄機4に搬入されたときに、本体部101Aを第1位置P11に確実に位置させることができる。
【0085】
本実施形態に係るラックレール100では、第3案内部101は、本体部101Aを付勢する付勢部101Dを有している。付勢部101Dは、第1位置P11において本体部101Aが載置面70Sよりも突出した状態を維持すると共に、当接部101Bが食器ラックRによって押し下げられたときに本体部101Aが第2位置P22となるように本体部101Aの揺動を許容する。この構成では、食器ラックRがキャリーテーブル3から食器洗浄機4に搬入されるときには本体部101Aを第1位置P11に位置させ、食器ラックRが食器洗浄機4からリフト装置5に搬出されるときには本体部101Aを第2位置P22に位置させることができる。
【0086】
本実施形態に係るラックレール100では、当接部101Bには、リブ101Rが設けられている。この構成では、当接部101Bの剛性(強度)を確保できる。したがって、食器ラックRの出し入れが頻繁に行われる場合であっても、当接部101Bに破損が生じることを回避できる。したがって、メンテナンス性の向上が図れる。
【0087】
また、当接部101Bにリブ101Rを設けることにより、当接部101Bの厚みを薄くすることができる。そのため、当接部101Bの軽量化を図ることができる。これにより、当接部101Bが接続されている本体部101Aを付勢する付勢部101Dの板バネ102の付勢力を小さくすることが可能となる。したがって、板バネ102の小型化が図れるため、付勢部101D全体の省スペース化及び軽量化を図れる。その結果、付勢部101Dが洗浄に影響を与えることを回避できると共に、ラックレール100の軽量化を図れる。ラックレール100の軽量化により、作業者がラックレール100を持ち上げる際の負担を軽減することができる。
【0088】
以上、本発明の実施形態について説明してきたが、本発明は必ずしも上述した実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。
【0089】
上記実施形態では、洗浄システム1がワゴン6を1台備えている形態を一例に説明した。しかし、洗浄システム1は、複数台のワゴン6を備えていてもよい。
【0090】
上記実施形態では、食器ラックRに収容されている食器が被洗浄物である形態を一例に説明した。しかし、被洗浄物は、これに限定されない。
【0091】
上記実施形態では、駆動機構7がリフト装置5に設けられている形態を一例に説明した。しかし、駆動機構7は、食器洗浄機4に設けられていてもよい。
【0092】
上記実施形態では、ラックレール70に規定部81が設けられている形態を一例に説明した。しかし、規定部81は、設けられていなくてもよい。
【0093】
上記実施形態では、ラックレール100において、第3案内部101に付勢部101Dが設けられている形態を一例に説明した。しかし、図17に示されるように、第3案内部101は、荷重部材105を有していてもよい。荷重部材105は、例えば、金属製の重りである。荷重部材105は、本体部101Aのキャリーテーブル3側(前側)の端部に配置されている。
【0094】
荷重部材105は、第1位置P11において本体部101Aが載置面70Sよりも突出した状態を維持すると共に、当接部101Bが食器ラックRによって押し下げられたときに本体部101Aが第2位置P22となるように本体部101Aの揺動を許容する。すなわち、荷重部材105の重さは、当接部101Bが食器ラックRによって押圧されたときに本体部101Aを揺動させるように設定されている。この構成では、食器ラックRがキャリーテーブル3から食器洗浄機4に搬入されるときには本体部101Aを第1位置P11に位置させ、食器ラックRが食器洗浄機4からリフト装置5に搬出されるときには本体部101Aを第2位置P22に位置させることができる。
【0095】
上記実施形態では、ラックレール70,100において、第2載置部72が、略三角形状の閉断面形状を有するパイプである形態を一例に説明した。しかし、図18に示されるように、第2載置部72Aにおいて食器ラックRが載置される載置面は、枠部の外側から内側に向かって下方に傾斜する傾斜部72ASが形成されていてもよい。
【0096】
この構成では、キャリーテーブル3によって食器洗浄機4に食器ラックRが搬入されるとき、すなわち第2載置部72Aの延在方向に沿って食器洗浄機4に食器ラックRが搬入されるときには、第2載置部72Aの傾斜部72ASを乗り越えないように洗浄室21の前方から後方に食器ラックRが案内される。一方、搬出装置90によって食器洗浄機4から食器ラックRが搬出されるとき、すなわち第2載置部72Aに交差する方向に食器洗浄機4から食器ラックRが搬出されるときには、第2載置部72Aを乗り上げるように食器ラックRが案内される。これにより、搬入時には洗浄室21の所定位置に食器ラックRが正確に誘導され、搬出時には食器洗浄機4から容易に食器ラックRを搬出させることができる。この結果、食器洗浄機4への搬入方向と食器洗浄機4からの搬出方向とが互いに異なる場合であっても、食器ラックRの食器洗浄機4への搬入及び洗浄機からの搬出を正確に行うことができる。
【0097】
上記実施形態では、第3案内部101が、食器ラックRの移動に応じて第1位置P11から第2位置P22に移動する形態を一例に説明した。しかし、第3案内部101は、食器洗浄機4のドア23の開閉に連動して、第1位置P11及び第2位置P22に移動してもよい。図19に示されるように、第3案内部110は、リンク機構111を有している。リンク機構111は、本体部101Aとドア23とを接続している。リンク機構111は、本体部101Aの後側の端部に設けられている。
【0098】
リンク機構111は、揺動部112と、可動部113と、を有している。揺動部112は、本体部101Aに設けられている。揺動部112は、軸部112Aによって本体部101Aに揺動可能に軸支されている。揺動部112には、ガイド穴112Bが設けられている。ガイド穴112Bは、縦長の形状を呈している。ガイド穴112B内には、ガイドピン112Cが位置している。ガイドピン112Cは、ガイド穴112B内で移動する。
【0099】
可動部113は、揺動部112に接続されている。可動部113は、本体部113Aと、鍔部113Bと、を有している。本体部113Aは、棒状部材である。本体部113Aの一端部は、揺動部112の端部に接続されている。鍔部113Bは、本体部113Aの他端部(揺動部112に接続されている端部とは反対側の端部)に接続されている。可動部113の本体部113Aは、食器洗浄機4のドア23内に設けられている支持部23Aに摺動可能に挿通されている。可動部113では、ドア23が所定の高さ位置まで移動したときに鍔部113Bが支持部23Aに当接し、ドア23の移動に伴って本体部113Aが上方に移動する(持ち上げられる)。
【0100】
図20(A)に示されるように、第3案内部110は、食器ラックRがキャリーテーブル3から食器洗浄機4に搬入されるときのドア23の高さ位置(第1高さ位置)では、ドア23の支持部23Aと可動部113の鍔部113Bとは当接しない。そのため、第3案内部110の本体部101Aは、第1位置P11に位置する。図20(B)に示されるように、第3案内部110は、食器ラックRがキャリーテーブル3から食器洗浄機4に搬入されるときのドア23の高さ位置(第2高さ位置)では、ドア23の支持部23Aと可動部113の鍔部113Bとが当接する。これにより、可動部113の本体部113Aが上方に移動し、これに伴い揺動部112が軸部112Aを中心に揺動して、本体部101Aを押し下げる。これにより、第3案内部110の本体部101Aは、第2位置P22に位置する。
【0101】
第3案内部110では、食器洗浄機4のドア23の開閉によって、食器ラックRがキャリーテーブル3から食器洗浄機4に搬入されるときには本体部101Aを第1位置P11に自動で位置させ、食器ラックRが食器洗浄機4からリフト装置5に搬出されるときには本体部101Aを第2位置P22に自動で位置させることができる。
【0102】
また、第3案内部101は、駆動部によって第1位置P11及び第2位置P22に移動してもよい。具体的には、図21に示されるように、ラックレール100は、モータ(案内駆動部)115を有している。モータ115は、コントローラ12によって動作が制御される。モータ115は、第3案内部101の本体部101Aを第1位置P11及び第2位置P22に揺動させる。モータ115は、軸部101Cに接続されている。モータ115は、搬出装置90のモータ93の動作に連動して作動する。具体的には、モータ115は、搬出装置90のモータ93が作動を開始したタイミングで作動する。すなわち、コントローラ12は、モータ93及びモータ115に同じタイミングで信号を出力する。
【0103】
搬出装置90のモータ93と同じタイミングでモータ115が作動すると、本体部101Aは、第1位置P11から第2位置P22に揺動する。このように、モータ115を、モータ93の動作に連動して作動させることにより、食器ラックRが食器洗浄機4からリフト装置5に搬出されるときに、本体部101Aを第2位置P22に確実に位置させることができる。また、モータ115は、食器ラックRが食器洗浄機4からリフト装置5に搬出されると作動する。これにより、本体部101Aは、第2位置P22から第1位置P11に揺動する。
【符号の説明】
【0104】
1…洗浄システム、3…キャリーテーブル(搬入装置)、4…食器洗浄機(洗浄機)、5…リフト装置、6…ワゴン、23…ドア、70…ラックレール、70A…枠部、70S…載置面、71…第1載置部、72,72A…第2載置部、72AS…傾斜部、73…第3載置部、74…第4載置部、80,101,110…第3案内部(案内部)、80A…固定部、80B,101A…本体部、80C…接続部、80D…付勢部材、90…搬出装置、91…アーム、93…モータ(搬出駆動部)、100…ラックレール、101C…軸部、101D…付勢部、101R…リブ、101S…傾斜面、105…荷重部材、115…モータ(案内駆動部)、P1,P11…第1位置、P2,P22…第2位置。
図1
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図6
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