(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-28
(45)【発行日】2023-08-07
(54)【発明の名称】サブミクロンのY軸アライメントを有する複数の線形アレイの製造方法
(51)【国際特許分類】
H01L 25/00 20060101AFI20230731BHJP
H01L 31/02 20060101ALI20230731BHJP
H01L 33/48 20100101ALI20230731BHJP
【FI】
H01L25/00 Z
H01L31/02 B
H01L33/48
(21)【出願番号】P 2019235341
(22)【出願日】2019-12-26
【審査請求日】2022-12-23
(32)【優先日】2019-01-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】596170170
【氏名又は名称】ゼロックス コーポレイション
【氏名又は名称原語表記】XEROX CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【氏名又は名称】那須 威夫
(72)【発明者】
【氏名】ゲイリー・ディー・レディング
(72)【発明者】
【氏名】ジョセフ・エフ・ケイシー
【審査官】正山 旭
(56)【参考文献】
【文献】特開平06-224233(JP,A)
【文献】米国特許第05473513(US,A)
【文献】特表2018-510499(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 25/00
H01L 31/02
H01L 33/48
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の表面と、前記第1の表面の反対側の第2の表面と、を含むシリコンウェハから二重線形センサアレイを組み立てる方法であって、前記第1の表面は、それぞれ第1の方向に対して平行に配置された、少なくともセンサ素子の第1の線形アレイ及びセンサ素子の第2の線形アレイと、センサ素子の前記第1の線形アレイとセンサ素子の前記第2の線形アレイとの間に位置付けられた犠牲部分と、を有し、前記方法は、
前記第1の方向に平行な前記第1の表面に、第1の基準貫通切断部を形成することと、
前記第1の方向に垂直な前記第1の表面に、第2の基準貫通切断部を形成することと、
前記犠牲部分と反対側に、かつ前記第1の方向に対して平行に位置付けられた前記第2の表面に、第1の空洞を形成することであって、前記第1の空洞の位置は、前記第1の基準貫通切断部の位置によって画定される、ことと、
前記シリコンウェハに少なくとも第1の貫通切断部、第2の貫通切断部、第3の貫通切断部、及び第4の貫通切断部を形成することであって、前記第1及び第2の貫通切断部は前記第1の方向に平行であり、前記第3及び第4の貫通切断部は前記第1の方向に垂直であり、前記第1の貫通切断部は、前記犠牲部分と反対側のセンサ素子の前記第1の線形アレイに近接して配置され、前記第2の貫通切断部は、前記犠牲部分と反対側のセンサ素子の前記第2の線形アレイに近接して配置され、前記第3及び第4の貫通切断部は、前記第1、第2、第3、及び第4の貫通切断部によって画定された多列センサチップの第1の端部及び第2の端部をそれぞれ形成する、ことと、
前記第1の方向に垂直な前記第2の表面に、第2の空洞を形成することであって、前記第2の空洞の位置は、前記第2の基準貫通切断部の位置によって画定される、ことと、
前記シリコンウェハの前記第2の表面によって形成された前記多列センサチップの少なくとも一部を実装基板に接合することと、
前記犠牲部分を除去することと、を含む、方法。
【請求項2】
前記第2の空洞と概ね反対側に、かつ前記第1の方向に垂直に位置付けられた前記第1の表面に、少なくとも第1のカラム部分貫通切断部を形成することと、を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記シリコンウェハ内の固有の場所に前記第1の貫通切断部、前記第2の貫通切断部、前記第3の貫通切断部、及び前記第4の貫通切断部を形成する
ことを繰り返し、それによって複数の多列センサチップを形成することであって、前記複数の多列センサチップのそれぞれは、それぞれ第1の方向に対して平行に配置されているセンサ素子の第1の線形アレイ及びセンサ素子の第2の線形アレイと、犠牲部分と、を含む、ことと、
前記シリコンウェハの前記第2の表面によって形成された前記複数の多列センサチップのそれぞれの少なくとも一部を前記実装基板に近接して接合することと、
複数の
前記犠牲部分のそれぞれを除去することと、を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記実装基板が、少なくとも電気コネクタの第1の列と、前記第1の列に平行な電気コネクタの第2の列と、を含み、前記シリコンウェハの前記第2の表面によって形成された前記多列センサチップの少なくとも一部を前記実装基板に接合する
ことは、結果的に、前記犠牲部分を電気コネクタの前記第2の列上に整列させる、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記第1の空洞を形成する
ことと、少なくとも前記第1の貫通切断部、前記第2の貫通切断部、前記第3の貫通切断部、及び前記第4の貫通切断部を形成する
ことと、のうちの少なくとも1つが、機械的摩耗、レーザー切断、化学エッチング、又はこれらの組み合わせによって実行される、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記実装基板上の第1の電気コネクタとセンサ素子の前記第1の線形アレイとの間に少なくとも1つの第1の導線を接合することと、
前記実装基板上の第2の電気コネクタとセンサ素子の前記第2の線形アレイとの間に少なくとも1つの第2の導線を接合することと、を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記犠牲部分を除去する
ことが、
前記第1の空洞と概ね反対側に、かつ前記第1の方向に対して平行に位置付けられた第5の貫通切断部を形成することであって、前記第5の貫通切断部は、センサ素子の前記第1の線形アレイと前記犠牲部分との間に配置されている、ことと、
前記第1の空洞と概ね反対側に、かつ前記第1の方向に対して平行に位置付けられた第6の貫通切断部を形成することであって、前記第5の貫通切断部は、センサ素子の前記第2の線形アレイと前記犠牲部分との間に配置されている、ことと、を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
接合する
ことの前に、
前記第1の空洞と概ね反対側に、かつ前記第1の方向に対して平行に位置付けられた前記第1の表面に、少なくとも第1のストリート部分貫通切断部及び第2のストリート部分貫通切断部を形成することであって、前記第1のストリート部分貫通切断部は、センサ素子の前記第1の線形アレイと前記犠牲部分との間に配置され、前記第2のストリート部分貫通切断部は、センサ素子の前記第2の線形アレイと前記犠牲部分との間に配置されている、ことを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記犠牲部分を除去する
ことが、
前記第1のストリート部分貫通切断部に沿って、かつ前記第2のストリート部分貫通切断部に沿って、前記犠牲部分を劈開することを含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記第1の空洞と概ね反対側に、かつ前記第1の方向に対して平行に位置付けられた前記第1の表面に、少なくとも第3のストリート部分貫通切断部を形成することであって、前記第3のストリート部分貫通切断部は、前記第1のストリート部分貫通切断部と前記第2のストリート部分貫通切断部との間に配置されている、ことを更に含む、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記犠牲部分が、センサ素子の第3の線形アレイを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
第1の表面と、前記第1の表面の反対側の第2の表面と、を含むシリコンウェハから二重線形発光アレイを組み立てる方法であって、前記第1の表面は、それぞれ第1の方向に対して平行に配置された、少なくとも発光素子の第1の線形アレイ及び発光素子の第2の線形アレイと、発光素子の前記第1の線形アレイと発光素子の前記第2の線形アレイとの間に位置付けられた犠牲部分と、を含み、前記方法は、
前記犠牲部分と反対側に、かつ前記第1の方向に対して平行に位置付けられた前記第2の表面に、第1の空洞を形成することと、
前記シリコンウェハに少なくとも第1の貫通切断部、第2の貫通切断部、第3の貫通切断部、及び第4の貫通切断部を形成することであって、前記第1及び第2の貫通切断部は前記第1の方向に平行であり、前記第3及び第4の貫通切断部は前記第1の方向に垂直であり、前記第1の貫通切断部は、前記犠牲部分と反対側の発光素子の前記第1の線形アレイに近接して配置され、前記第2の貫通切断部は、前記犠牲部分と反対側の発光素子の前記第2の線形アレイに近接して配置され、前記第3及び第4の貫通切断部は、前記第1、第2、第3、及び第4の貫通切断部に画定された多列発光チップの第1の端部及び第2の端部をそれぞれ形成する、ことと、
前記シリコンウェハの前記第2の表面によって形成された前記多列発光チップの少なくとも一部を実装基板に接合することであって、前記実装基板が、少なくとも電気コネクタの第1の列と、前記第1の列に平行な電気コネクタの第2の列と、を含み、前記シリコンウェハの前記第2の表面によって形成された前記多列発光チップの少なくとも一部を前記実装基板に接合する
ことは、結果的に、前記犠牲部分を電気コネクタの前記第2の列上に整列させる、ことと、
前記犠牲部分を除去することと、を含む、方法。
【請求項13】
前記第1の貫通切断部、前記第2の貫通切断部、前記第3の貫通切断部、及び前記第4の貫通切断部を前記シリコンウェハ内の固有の場所に形成する
ことを繰り返し、それによって複数の多列発光チップを形成することであって、前記複数の多列発光チップのそれぞれは、それぞれ第1の方向に対して平行に配置された、発光素子の第1の線形アレイ及び発光素子の第2の線形アレイと、犠牲部分と、を含む、ことと、
前記シリコンウェハの前記第2の表面によって形成された前記複数の多列発光チップのそれぞれの少なくとも一部を前記実装基板に近接して接合することと、
複数の
前記犠牲部分のそれぞれを除去することと、を更に含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記犠牲部分を除去する
ことが、
前記第1の空洞と概ね反対側に、かつ前記第1の方向に対して平行に位置付けられた第5の貫通切断部を形成することであって、前記第5の貫通切断部は、センサ素子の前記第1の線形アレイと前記犠牲部分との間に配置されている、ことと、
前記第1の空洞と概ね反対側に、かつ前記第1の方向に対して平行に位置付けられた第6の貫通切断部を形成することであって、前記第5の貫通切断部は、センサ素子の前記第2の線形アレイと前記犠牲部分との間に配置されている、ことと、を含む、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
接合する
ことの前に、
前記第1の空洞と概ね反対側に、かつ前記第1の方向に対して平行に位置付けられた前記第1の表面に、少なくとも第1のストリート部分貫通切断部及び第2のストリート部分貫通切断部を形成することであって、前記第1のストリート部分貫通切断部は、発光素子の前記第1の線形アレイと前記犠牲部分との間に配置され、前記第2のストリート部分貫通切断部は、発光素子の前記第2の線形アレイと前記犠牲部分との間に配置されている、ことを更に含む、請求項12に記載の方法。
【請求項16】
前記犠牲部分を除去する
ことが、
前記第1のストリート部分貫通切断部に沿って、かつ前記第2のストリート部分貫通切断部に沿って、前記犠牲部分を劈開することを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記第1の空洞と概ね反対側に、かつ前記第1の方向に対して平行に位置付けられた前記第1の表面に、少なくとも第3のストリート部分貫通切断部を形成することであって、前記第3のストリート部分貫通切断部は、前記第1のストリート部分貫通切断部と前記第2のストリート部分貫通切断部との間に配置されている、ことを更に含む、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記犠牲部分が、発光素子の第3の線形アレイを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項19】
第1の表面と、前記第1の表面の反対側の第2の表面と、を含むシリコンウェハから少なくとも3つの線形センサアレイを組み立てる方法であって、前記第1の表面は、それぞれ第1の方向に対して平行に配置された、少なくともセンサ素子の第1の線形アレイ、センサ素子の第2の線形アレイ、及びセンサ素子の第3の線形アレイと、センサ素子の前記第1の線形アレイとセンサ素子の前記第2の線形アレイとの間に位置付けられた第1の犠牲部分と、センサ素子の前記第2の線形アレイとセンサ素子の前記第3の線形アレイとの間に位置付けられた第2の犠牲部分と、を含み、前記方法は、
前記第1の犠牲部分と反対側に、かつ前記第1の方向に対して平行に位置付けられた前記第2の表面に、第1の空洞を形成することと、
前記第2の犠牲部分と反対側に、かつ前記第1の方向に対して平行に位置付けられた前記第2の表面に、第2の空洞を形成することと、
前記第2の空洞と概ね反対側に、かつ前記第1の方向に対して平行に位置付けられた前記第1の表面に、少なくとも第3のストリート部分貫通切断部及び第4のストリート部分貫通切断部を形成することであって、前記第3のストリート部分貫通切断部は、センサ素子の前記第2の線形アレイと前記第2の犠牲部分との間に配置され、前記第4のストリート部分貫通切断部は、センサ素子の前記第3の線形アレイと前記第2の犠牲部分との間に配置されている、ことと、
前記シリコンウェハに少なくとも第1の貫通切断部、第2の貫通切断部、第3の貫通切断部、及び第4の貫通切断部を形成することであって、前記第1及び第2の貫通切断部は前記第1の方向に平行であり、前記第3及び第4の貫通切断部は前記第1の方向に垂直であり、前記第1の貫通切断部は、前記第1の犠牲部分と反対側のセンサ素子の前記第1の線形アレイに近接して配置され、前記第2の貫通切断部は、前記第2の犠牲部分と反対側のセンサ素子の前記第3の線形アレイに近接して配置され、前記第3及び第4の貫通切断部は、前記第1、第2、第3、及び第4の貫通切断部によって画定された多列センサチップの第1の端部及び第2の端部をそれぞれ形成する、ことと、
前記シリコンウェハの前記第2の表面によって形成された前記多列センサチップの少なくとも一部を実装基板に接合することと、
前記第1の犠牲部分及び前記第2の犠牲部分を除去することと、を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の実施形態は、センサ/エミッタアレイを形成する方法、より具体的には、複数のサブアレイを含む線形センサ/エミッタアレイを形成する方法、更により具体的には、複数のサブアレイ、例えば、複数のフォトサイト又は発光素子のアレイの間にサブミクロンのy軸アライメントを有する線形センサ/エミッタアレイを形成する方法に関する。
【0002】
複数の線状に整列されたフォトダイオード又はフォトサイトを含むセンサアレイは、当該技術分野において周知である。例えば、一般的に全幅センサアレイと称される線形センサアレイは、走査される基板の幅以上の長さを有するフォトセンサ/フォトダイオード/フォトサイトのアレイ又は複数のアレイを含む。しかしながら、そのようなアレイを製造するための既存の機器により、アレイは、それぞれのセンサアレイが、フォトセンサの一定の列数、例えば4列を含むという点において制限を有する。
【0003】
多列低解像度画像センサアレイ、例えば、本明細書で第1及び第2のアレイとも称される上部及び下部アレイが、長さ(Y)軸に沿って互いに「完全に」整列されるように、互いに平行する、1インチ当たり600ドット(dpi)を有する2つ以上のアレイを有することに多くの利点がある。長軸又はY軸はまた、プロセス方向軸と称される場合があることを理解されたい。しかしながら、このような精密に整列されたアレイを作製するための再現可能な方法は、これまで理解しにくいものであった。2列の別個のチップをサブミクロン、すなわちナノメートルの精度をもって互いに対して機械的に整列させる能力は、現在、既知の手段及び方法では達成不可能である。
【0004】
同様に、サブミクロンのアライメント精度を有する発光素子のアレイも、不可能でない場合、既知のアライメント及びアセンブリ技術を用いて形成することは困難とされてきた。
【0005】
本開示は、標準的な単一アレイアセンブリよりもいくつかの利点をもたらす、上方及び下方のセンサ/エミッタアレイ間のほぼ完全なアライメントを有する二重線形センサ/エミッタアレイを形成する方法の実施形態を記載する。「上方」及び「下方」などの用語は、互いに対する構造の空間的位置を参照するために使用される相対的用語であることを理解されたい。更に、本開示は、3つ以上のグループ化されたセンサ/エミッタアレイ間のほぼ完全なアライメントを有するセンサ/エミッタアレイを形成する方法の実施形態を記載する。
【0006】
本開示の実施形態は、製造がサブミクロン精度を提供する、ウェハ製造プロセス、例えば、CMOSウェハ製造の精度に依存することによって、既知のサブアレイ素子及び既知の製造機器を使用したアライメントのこのような精度を実現する。本開示は、低解像度の光電性チップ及び標準的なセンサアレイ製作機器の標準的なシリコンウェハを使用して、上部アレイと下部アレイとのほぼ完全な、すなわちサブミクロンのアライメントを有するセンサチップの二重線形アレイ、又は同様に、上部及び下部アレイよりも多くを有するセンサチップの線形アレイを製造するプロセスを記載する。標準的なデバイスウェハが切断されて、3つ以上の標準的なチップ幅、すなわち3列以上の単一の多列チップが作製される。多列チップの中央の下部側の、「犠牲領域」と称される部分の下に陥凹切断部が形成される。次いで、チップが、実装基板、例えば回路基板上の電気的接続部の第1の列に近接して位置付けられ、下部の陥凹部が、回路基板上の電気的接続部の第2の列をまたぐように、前述の多列チップを使用して実装基板上にアレイが構築される。多列チップを実装基板に接合することが完了すると、すなわち、アレイの形成が完了すると、中央又は犠牲領域が除去され、下にある電気的接続部の第2の列が露出し、その結果、上部アレイが下部アレイとほぼ完全に整列している、2つの平行したセンサのアレイが生成される。以下の開示は主にセンサアレイに焦点を当てているが、本開示のプロセスは、発光ダイオード(LED)アレイなどの他の種類のアレイにも利用され得ることを理解されたい。更に、本開示は主に二重アレイ配置に焦点を当てているが、3つ以上の整列されたアレイも形成され得ることを理解されたい。
【0007】
本明細書に示される態様によれば、第1の表面及び第1の表面と反対側の第2の表面を有するシリコンウェハから二重線形センサアレイを組み立てる方法が提供され、第1の表面は、それぞれ第1の方向に対して平行に配置された、少なくともセンサ素子の第1の線形アレイ及びセンサ素子の第2の線形アレイと、センサ素子の第1の線形アレイとセンサ素子の第2の線形アレイとの間に位置付けられた犠牲部分と、を有する。本方法は、犠牲部分と反対側に、かつ第1の方向に対して平行に位置付けられた第2の表面に、第1の空洞を形成することと、シリコンウェハに少なくとも第1の貫通切断部、第2の貫通切断部、第3の貫通切断部、及び第4の貫通切断部を形成することであって、第1及び第2の貫通切断部は第1の方向に平行であり、第3及び第4の貫通切断部は第1の方向に垂直であり、第1の貫通切断部は、犠牲部分と反対側の第1の線形アレイのセンサ素子に近接して配置され、第2の貫通切断部は、犠牲部分と反対側のセンサ素子の第2の線形アレイに近接して配置され、第3及び第4の貫通切断部は、第1、第2、第3、及び第4の貫通切断部に画定された多列センサチップの第1の端部及び第2の端部をそれぞれ形成する、ことと、シリコンウェハの第2の表面によって形成された多列センサチップの少なくとも一部を実装基板に接合することと、犠牲部分を除去することと、を含む。
【0008】
本明細書に示される他の態様によれば、第1の表面及び第1の表面と反対側の第2の表面を有するシリコンウェハから二重線形発光アレイを組み立てる方法が提供され、第1の表面は、それぞれ第1の方向に対して平行に配置された、少なくとも発光素子の第1の線形アレイ及び発光素子の第2の線形アレイと、発光素子の第1の線形アレイと発光素子の第2の線形アレイとの間に位置付けられた犠牲部分と、を有する。本方法は、犠牲部分と反対側に、かつ第1の方向に対して平行に位置付けられた第2の表面に、第1の空洞を形成することと、シリコンウェハに少なくとも第1の貫通切断部、第2の貫通切断部、第3の貫通切断部、及び第4の貫通切断部を形成することであって、第1及び第2の貫通切断部は、第1の方向に平行であり、第3及び第4の貫通切断部は、第1の方向に垂直であり、第1の貫通切断部は、犠牲部分と反対側の発光素子の第1の線形アレイに近接して配置され、第2の貫通切断部は、犠牲部分と反対側の発光素子の第2の線形アレイに近接して配置され、第3及び第4の貫通切断部は、第1、第2、第3、及び第4の貫通切断部によって画定された多列発光チップの第1の端部及び第2の端部をそれぞれ形成する、ことと、シリコンウェハの第2の表面によって形成された多列発光チップの少なくとも一部を実装基板に接合することと、犠牲部分を除去することと、を含む。
【0009】
本明細書に示される他の態様によれば、第1の表面及び第1の表面と反対側の第2の表面を有するシリコンウェハから少なくとも3つの線形センサアレイを組み立てる方法が提供され、第1の表面は、それぞれ第1の方向に対して平行に配置された、少なくともセンサ素子の第1の線形アレイ、センサ素子の第2の線形アレイ、及びセンサ素子の第3の線形アレイと、センサ素子の第1の線形アレイとセンサ素子の第2の線形アレイとの間に位置付けられた第1の犠牲部分と、センサ素子の第2の線形アレイとセンサ素子の第3の線形アレイとの間に位置付けられた第2の犠牲部分と、を有する。この方法は、第1の犠牲部分と反対側に、かつ第1の方向に対して平行に位置付けられた第2の表面に、第1の空洞を形成することと、第2の犠牲部分と反対側に、かつ第1の方向に対して平行に位置付けられた第2の表面に第2の空洞を形成することと、第2の空洞と概ね反対側に、かつ第1の方向に対して平行に位置付けられた第1の表面に少なくとも第3のストリート部分貫通切断部及び第4のストリート部分貫通切断部を形成することであって、第3のストリート部分貫通切断部は、センサ素子の第2の線形アレイと第2の犠牲部分との間に配置され、第4のストリート部分貫通切断部は、センサ素子の第3の線形アレイと第2の犠牲部分との間に配置される、ことと、シリコンウェハに少なくとも第1の貫通切断部、第2の貫通切断部、第3の貫通切断部、及び第4の貫通切断部を形成することであって、第1の及び第2の貫通切断部は第1の方向に平行であり、第3及び第4の貫通切断部は第1の方向に垂直であり、第1の貫通切断部は、第1の犠牲部分と反対側にあるセンサ素子の第1の線形アレイに近接して配置され、第2の貫通切断部は、第2の犠牲部分と反対側にあるセンサ素子の第3の線形アレイに近接して配置され、第3及び第4の貫通切断部は、第1、第2、第3、及び第4の貫通切断部によって画定された多列センサチップの第1の端部及び第2の端部をそれぞれ形成する、ことと、シリコンウェハの第2の表面によって形成される多列センサチップの少なくとも一部を実装基板に接合することと、第1の犠牲部分及び第2の犠牲部分を除去することと、を含む。
【0010】
1つ以上の実施形態の他の目的、特徴、及び利点は、以下の詳細な説明から並びに添付の図面及び特許請求の範囲から容易に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】センサアレイを製造する本開示の方法の実施形態を使用することによって形成される、二重線形センサアレイの平面図である。
【
図2】上に製造される複数の多列センサチップを含むシリコンウェハの平面図である。
【
図3】
図2に示されるシリコンウェハから分離した後の多列センサチップの斜視図である。
【
図4】
図2に示されるシリコンウェハから分離した後の多列センサチップの斜視図である。
【
図5】
図2に示されるシリコンウェハから分離する前の多列センサチップを含むシリコンウェハの一部の斜視図であり、明確にするため、また、シリコンウェハの下面内の空洞切断部と、部分貫通切断部及び完全貫通切断部の両方で、シリコンウェハの上面内の様々なストリート及びカラム切断部の相対的な配置と、を更に描写するため、フォトセンサ素子及び電気的接続部は除去されている。
【
図6】実装基板上に位置付けられた単一の多列センサチップを有するセンサアレイを製造する本開示の方法の実施形態を使用することによって形成される、二重線形センサアレイの平面図である。
【
図7】実装基板上に位置付けられた複数の多列センサチップを有するセンサアレイを製造する本開示の方法の実施形態を使用することによって形成される、二重線形センサアレイの平面図である。
【
図8】センサチップアレイを製造する本開示の方法の実施形態による、多列センサチップの犠牲部分を除去するために整列されたダイシングソーの側面図である。
【
図9】センサチップアレイを製造する本開示の方法の実施形態による、多列センサチップから犠牲部分を除去した後のサブミクロンのY軸アライメントを有する二重線形アレイの斜視図である。
【
図10】センサチップアレイを製造する本開示の方法の実施形態による、多列センサチップから犠牲部分を除去した後のサブミクロンのY軸アライメントを有する二重線形アレイの平面図である。
【
図11】センサチップアレイを製造する本開示の方法の実施形態による、多列センサチップから犠牲部分を除去し、実装基板とセンサアレイとの間にいくつかの導線を取り付けた後のサブミクロンのY軸アライメントを有する二重線形アレイの平面図である。
【
図12】センサチップアレイを製造する本開示の方法の実施形態による、多列センサチップから犠牲部分を除去し、実装基板とセンサアレイとの間にいくつかの導線を取り付けた後のサブミクロンのY軸アライメントを有する二重線形アレイの斜視図である。
【
図13】発光アレイを製造する本開示の方法の実施形態を使用することによって形成される、二重線形発光アレイの平面図である。
【
図14】上に製造される複数の多列発光チップを含むシリコンウェハの平面図である。
【
図15】
図14に示されるシリコンウェハから分離した後の多列発光チップの斜視図である。
【
図16】
図14に示されるシリコンウェハから分離した後の多列発光チップの斜視図である。
【
図17】
図14に示されるシリコンウェハから分離する前の多列発光チップを含むシリコンウェハの一部の斜視図であり、明確にするため、また、シリコンウェハの下面内の空洞切断部と、部分貫通切断部及び完全貫通切断部の両方で、シリコンウェハの上面内の様々なストリート及びカラム切断部の相対的な配置と、を更に描写するため、発光素子及び電気的接続部は除去されている。
【
図18】実装基板上に位置付けられた単一の多列発光チップを有する発光アレイを製造する本開示の方法の実施形態を使用することによって形成される、二重線形発光アレイの平面図である。
【
図19】実装基板上に位置付けられた複数の多列発光チップを有する発光アレイを製造する本開示の方法の実施形態を使用することによって形成される、二重線形発光アレイの平面図である。
【
図20】発光チップアレイを製造する本開示の方法の実施形態による、多列発光チップから犠牲部分を除去した後のサブミクロンのY軸アライメントを有する二重線形アレイの斜視図である。
【
図21】線形アレイの間に配置された2つの犠牲部分を除去する前の、3つの線形アレイを有する多列センサチップの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
別途定義されない限り、本明細書で使用される全ての技術用語及び科学用語は、これらの実施形態が属する分野の当業者によって一般的に理解される意味と同じ意味を有する。本明細書で使用するとき、「プロセス方向」は、プリンタ、複写機、スキャナなどを通じた媒体輸送の方向を意味することを意図し、「クロスプロセス方向」は、プリンタ、複写機、スキャナなどを介した媒体輸送の方向に対して垂直、又は言い換えれば、プロセス方向に対して垂直を意味することを意図する。本明細書で使用するとき、「上方」及び「下方」センサアレイは、プロセス方向にオフセットされた2つのアレイを指すことを理解されたい。例えば、プロセス方向に移動する媒体を走査する、プロセス方向に対して上方のセンサアレイは、第1のセンサアレイであり、プロセス方向に移動する媒体を走査する、プロセス方向に対して下方のセンサアレイは、第2のセンサアレイである。本明細書で使用するとき、「精密アライメント」及び「サブミクロンアライメント」は、1ミクロン以内のアライメントを意味することを意図する。例えば、前述の用語は、+/-0.9マイクロメートル(μm)以内に整列されたフォトサイト中心線を意味すると解釈され得るが、これらの用語はその精度に限定されない。更に、本明細書に記載される精密/サブミクロンアライメントは、センサアレイを実装基板に固定するために使用される接合材料、例えば接着剤のガラス転移温度(Tg)未満の温度で維持されると考えられることを理解されたい。加えて、同等の量の接合材料がセンサアレイごとに使用されることを条件として、実装基板に接合されたセンサアレイごとに、同等の移動が生じるべきであると考えられる。
【0013】
更に、本明細書で使用するとき、「プリンタ」、「プリンタシステム」、「印刷システム」、「プリンタデバイス」、及び「印刷デバイス」は、本明細書で使用される場合、デジタル複写機、製本機械、ファクシミリ機械、多機能機械などの、任意の目的のための印刷出力機能を実行する任意の装置を包含し、一方、「多機能デバイス」及び「MFD」は、本明細書で使用される場合、プリンタ、複写機、ファクシミリ、及び/又はスキャナを含むがこれらに限定されない、複数の異なる撮像デバイスを含むデバイスを意味することを意図し、また、有線接続又は無線接続のいずれかを介して、ローカルエリアネットワーク、ワイドエリアネットワーク、Ethernetベースのネットワーク、又はインターネットへの接続を更に提供することができる。MFDは、1つのユニット内でいくつかの機能を組み合わせる任意のハードウェアを更に指すことができる。例えば、MFDとしては、スタンドアロンプリンタ、1つ以上のパーソナルコンピュータ、スタンドアロンスキャナ、携帯電話、MP3プレーヤ、オーディオエレクトロニクス、ビデオエレクトロニクス、GPSシステム、テレビ、記録媒体及び/若しくは再生媒体、又は任意の他のタイプの消費者若しくは非消費者向けアナログエレクトロニクス及び/若しくはデジタルエレクトロニクスを挙げることができるが、これらに限定されない。更に、本明細書で使用される場合、「シート」、「紙のシート」、及び「紙」は、例えば、紙、スライドフィルム、羊皮紙、フィルム、布地、プラスチック、写真仕上げ紙、又は上部に情報若しくはマーキングを可視化及び/又は再生することができるウェブの形態の他のコーティングされた若しくはコーティングされていない基材媒体を指す。
【0014】
本明細書で使用するとき、「フォトセンサ」、「フォトサイト」、及び「フォトダイオード」などの用語は、互換的に使用され、光を電流などの電気エネルギに変換する素子、例えば、半導体デバイスを意味することを意図し、電気エネルギは、続いて、素子に衝突する光の量、例えば強度、持続時間などを定量化するために使用され得ることを理解されたい。「フォトセンサアレイ」は、フォトサイトの2次元(2D)アレイ、例えば、平行かつ近接する4列の128個のフォトサイトを意味することを意図する。
【0015】
本明細書で使用するとき、用語「平均」は、複数の入力データに基づいて結果データム又は決定が得られる任意の計算を含むように広く解釈されるべきであり、これには、限定するものではないが、加重平均、ローリング入力に基づくYes/No決定が挙げられる。更に、本明細書で使用するとき、システム又は要素と組み合わせた語句「のうちの少なくとも1つを含む(comprises at least one of)」及び「のうちの少なくとも1つを含む(comprising at least one of)」は、システム又は要素が、その語句の後に列挙される要素のうちの1つ以上を含むことを意味することを意図する。例えば、第1の要素、第2の要素、及び第3の要素のうちの少なくとも1つを含むデバイスは、デバイスが第1の要素を備えるか、デバイスが第2の要素を備えるか、デバイスが第3の要素を備えるか、デバイスが第1の要素及び第2の要素を備えるか、デバイスが第1の要素及び第3の要素を備えるか、デバイスが第1の要素、第2の要素、及び第3の要素を備えるか、又はデバイスが第2の要素及び第3の要素を備える構造的配置のうちのいずれか1つと解釈されることを意図する。語句「~のうちの少なくとも1つにおいて使用される(used in at least one of:)」が本明細書で使用される場合も、類似する解釈が意図される。更に、本明細書で使用される場合、「及び/又は」は、列挙された要素又は条件のうちの1つ以上が含まれ得ること、又は発生し得ることを示すために使用される、文法的な接続詞を意味することを意図する。例えば、第1の要素、第2の要素、及び/又は第3の要素を備えるデバイスは、デバイスが第1の要素を備えるか、デバイスが第2の要素を備えるか、デバイスが第3の要素を備えるか、デバイスが第1の要素と第2の要素とを備えるか、デバイスが第1の要素と第3の要素とを備えるか、デバイスが第1の要素と、第2の要素と、第3の要素とを備えるか、又はデバイスが第2の要素と第3の要素とを備える構造的構成のうちのいずれか1つと解釈されることを意図する。
【0016】
更に、本明細書で説明される方法、デバイス、又は材料に類似する、又は同等の任意の方法、デバイス、又は材料を、これらの実施形態の実施又は試験に使用することができるが、方法、デバイス、及び材料のいくつかの実施形態を以下に説明する。
【0017】
広くは、本開示は、シリコンウェハ52から二重線形センサアレイ50を組み立てる方法を含む。シリコンウェハ52は、第1の表面54及び第1の表面54と反対側の第2の表面56を含む。第1の表面54は、少なくともセンサ素子の2つの線形アレイ、例えば、センサ素子60の第1の線形アレイ58及びセンサ素子60の第2の線形アレイ62を含む。センサ素子60のアレイ58及び62のそれぞれは、第1の方向64に対して平行に配置される。更に、第1の表面54は、センサ素子60の第1の線形アレイ58とセンサ素子60の第2の線形アレイ62との間に位置付けられた犠牲部分66を含む。
【0018】
いくつかの実施形態では、本方法は、犠牲部分66と反対側に、かつ第1の方向64に対して平行に位置付けられた第2の表面56に第1の空洞68を形成することと、第1の空洞68と概ね反対側に、かつ第1の方向64に対して平行に位置付けられた第1の表面54に、少なくとも第1のストリート部分貫通切断部70及び第2のストリート部分貫通切断部72を形成することであって、第1のストリート部分貫通切断部70は、センサ素子60の第1の線形アレイ58と犠牲部分66との間に配置され、第2のストリート部分貫通切断部72は、センサ素子60の第2の線形アレイ62と犠牲部分66との間に配置される、ことと、シリコンウェハ52に少なくとも第1の貫通切断部74、第2の貫通切断部76、第3の貫通切断部78、及び第4の貫通切断部80を形成することであって、第1及び第2の貫通切断部74及び76は、それぞれ第1の方向64に平行であり、第3及び第4の貫通切断部78及び80は、それぞれ第1の方向64に垂直であり、第1の貫通切断部74は、犠牲部分66と反対側にあるセンサ素子60の第1の線形アレイ58に近接して配置され、第2の貫通切断部76は、犠牲部分66と反対側にあるセンサ素子60の第2の線形アレイ62に近接して配置され、第3及び第4の貫通切断部78及び80はそれぞれ、第1、第2、第3、及び第4の貫通切断部74、76、78、及び80によってそれぞれ画定される、多列センサチップ86の第1の端部82及び第2の端部84をそれぞれ形成する、ことと、シリコンウェハ52の第2の表面56によって形成される多列センサチップ86の少なくとも一部を実装基板88に接合することと、犠牲部分66を除去することと、を含む。しかしながら、以下により詳細に記載されるように、少なくとも第1のストリート部分貫通切断部70及び第2のストリート部分貫通切断部72を形成する工程は、犠牲部分66が劈開によって除去される実施形態の場合に生じることを理解されたい。よって、犠牲部分66が劈開によって除去されない実施形態では、第1及び第2のストリート部分貫通切断部は形成され得ない。
【0019】
実装基板88は、様々な構造のうちの1つであり得ることを理解されたい。例えば、実装基板88は、プリント基板(PB)、プリント配線板(PWB)、プリント回路基板(PCB)、又は多列センサチップ86を受け入れ、それと接合することが可能な任意の他の基板であってもよい。好ましくは、このような実装基材は、低量の熱膨張を経験し、振動力による変化を受けない。しかしながら、熱膨張及び振動変化を受ける基材も使用されてもよい。
【0020】
いくつかの実施形態では、本方法は、第1の方向64に平行な第1の表面54に第1の基準貫通切断部90を形成することを更に含んでもよく、第1の空洞68の位置は、第1の基準貫通切断部90の位置によって画定される。1つの位置が別の位置によって画定されることによって、1つの位置は、そこから第2の位置を整列させる、形成する、などの基準位置として使用されることを意味することを意図することを理解されたい。いくつかの実施形態では、本方法は、第1の方向64に垂直な第1の表面54に第2の基準貫通切断部92を形成することと、第1の方向64に対して垂直な第2の表面56に第2の空洞94を形成することであって、第2の空洞94は、第2の基準貫通切断部92の位置によって画定される、ことと、をなお更に含むか又は代替として含む。
【0021】
いくつかの実施形態では、本方法は、第1の方向64に対して垂直な第2の表面56に第2の空洞94を形成することと、第2の空洞94と概ね反対側に、かつ第1の方向64に対して垂直に位置付けられた第1の表面54に、少なくとも第1のカラム部分貫通切断部96を形成することと、を更に含む。
【0022】
シリコンウェハ52は、複数の多列センサチップ86を含んでもよく、このように、複数のセンサチップ86は、シリコンウェハ52から切断され、様々な長さの二重線形センサアレイを形成するために使用されてもよいことを理解されたい。よって、いくつかの実施形態では、本方法は、シリコンウェハ52内の固有の場所に第1の貫通切断部74、第2の貫通切断部76、第3の貫通切断部78、及び第4の貫通切断部80を形成する工程を繰り返し、それによって、複数の多列センサチップ86を形成することであって、複数の多列センサチップ86のそれぞれは、それぞれ第1の方向64に対して平行に配置されているセンサ素子60の第1の線形アレイ58及びセンサ素子60の第2の線形アレイ62を含み、かつ犠牲部分66を更に含む、ことと、シリコンウェハ52の第2の表面56によって形成された複数の多列センサチップ86のそれぞれの少なくとも一部を実装基板88に近接して接合することと、複数の犠牲部分66のそれぞれを除去することと、を更に含んでもよい。これらの実施形態では、複数の多列センサチップを「近接して」接合することは、
図7に示されるように、チップのラインが集合的に多列チップの線形アレイを形成するように、それぞれの多列センサチップが実装基板に接合されて、多列センサチップのラインを形成することを意味することを意図する。
【0023】
いくつかの実施形態では、実装基板88は、電気コネクタ100の少なくとも第1の列98と、第1の列98に平行な電気コネクタ100の第2の列102とを含む。これらの実施形態では、シリコンウェハ52の第2の表面56によって形成された多列センサチップ86の少なくとも一部を実装基板88に接合する上述の工程は、結果的に、犠牲部分66を電気コネクタ100の第2の列102上に整列させる。
【0024】
いくつかの実施形態では、本方法は、実装基板88上の第1の電気コネクタ106とセンサ素子60の第1の線形アレイ58との間に少なくとも1つの第1の導線104を接合することと、実装基板88上の第2の電気コネクタ110とセンサ素子60の第2の線形アレイ62との間に少なくとも1つの第2の導線108を接合することと、を更に含む。
【0025】
本開示の方法では、部分貫通切断部及び完全貫通切断部を形成する様々な方法を使用することができる。いくつかの実施形態では、第1の空洞68を形成する工程と、少なくとも第1のストリート部分貫通切断部70及び第2のストリート部分貫通切断部72を形成する工程と、少なくとも第1の貫通切断部74、第2の貫通切断部76、第3の貫通切断部78、及び第4の貫通切断部80を形成する工程と、のうちの少なくとも1つが、機械的研磨、例えば、切れ刃、レーザー切断、化学エッチング、又はこれらの組み合わせによって実行される。
【0026】
多列センサチップ86を実装基板88に接合した後、犠牲部分66を除去するために、様々な方法を使用することができる。例えば、いくつかの実施形態では、犠牲部分66を除去する工程は、第1の空洞68と概ね反対側に、かつ第1の方向64に対して平行に位置付けられた第5の貫通切断部112を形成することであって、第5の貫通切断部112は、センサ素子60の第1の線形アレイ58と犠牲部分66との間に配置される、ことと、第1の空洞68の概ね反対側に、かつ第1の方向64に対して平行に位置付けられた第6の貫通切断部114を形成することであって、第6の貫通切断部114は、センサ素子60の第2の線形アレイ62と犠牲部分66との間に配置される、ことと、を含む。いくつかの実施形態では、例えば、犠牲部分66を除去する工程は、第1のストリート部分貫通切断部70に沿って、かつ第2のストリート部分貫通切断部72に沿って、犠牲部分66を劈開することを含む。
【0027】
犠牲部分66は、様々な形態をとり得ることを理解されたい。例えば、いくつかの実施形態では、犠牲部分66は、センサ素子60の第3の線形アレイ116を含む。あるいは、犠牲部分66は、ブランクのままであってもよく、又はテストパターン、アライメントパターンなどを含んでもよい。
【0028】
限定するものではないが、センサ素子の線形アレイの寸法を含む要因及び劈開プロセスの再現性に応じて、犠牲部分66を除去するプロセスに役立つために、劈開工程の前に追加の部分貫通切断部が形成されてもよい。いくつかの実施形態では、犠牲部分66は、センサ素子60の第4の線形アレイ118を含み、本方法は、第1の空洞68と概ね反対側に、かつ第1の方向64に対して平行に位置付けられた第1の表面54に少なくとも第3のストリート部分貫通切断部120を形成することであって、第3のストリート部分貫通切断部120は、センサ素子60の第3の線形アレイ116とセンサ素子60の第4の線形アレイ118との間に配置される、ことを更に含む。上述したように、犠牲部分66は、その中のセンサ素子のアレイなしに形成されてもよいことを理解されたい。よって、第3のストリート部分貫通切断部120は、第1のストリート部分貫通切断部70と第2のストリート部分貫通切断部72との間に形成されてもよい。犠牲部分66に加えられた下向きの圧力が、同時又はほぼ同時の破壊若しくは劈開で、第1、第2、及び第3のストリート部分貫通切断部70、72、及び120の劈開をそれぞれ引き起こすことになる。
【0029】
上述の実施形態は、多列センサチップアセンブリを対象としているが、同様の方法を使用して多列光エミッタアセンブリを形成することも可能であることを理解されたい。よって、広くは、本開示は、第1の表面254及び第1の表面254と反対側の第2の表面256を含むシリコンウェハ252から二重線形発光アレイ250を組み立てる方法を含む。第1の表面254は、発光素子の少なくとも2つの線形アレイ、例えば、発光素子260の第1の線形アレイ258と発光素子260の第2の線形アレイ262とを含む。発光素子260のアレイ258及び262のそれぞれは、第1の方向264に対して平行に配置される。更に、第1の表面254は、発光素子260の第1の線形アレイ258と発光素子260の第2の線形アレイ262との間に位置付けられた犠牲部分266を含む。本方法は、上述の実施形態と同様に、犠牲部分266と反対側に、かつ第1の方向264に対して平行に位置付けられた第2の表面256に第1の空洞268を形成することと、第1の空洞268と概ね反対側に、かつ第1の方向264に対して平行に位置付けられた第1の表面254に、少なくとも第1のストリート部分貫通切断部270及び第2のストリート部分貫通切断部272を形成することであって、第1のストリート部分貫通切断部270は、発光素子260の第1の線形アレイ258と犠牲部分266との間に配置され、第2のストリート部分貫通切断部272は、発光素子260の第2の線形アレイ262と犠牲部分266との間に配置される、ことと、シリコンウェハ252に少なくとも第1の貫通切断部274、第2の貫通切断部276、第3の貫通切断部278、及び第4の貫通切断部280を形成することであって、第1及び第2の貫通切断部274及び276は、それぞれ第1の方向264に平行であり、第3及び第4の貫通切断部278及び280は、それぞれ第1の方向264に垂直であり、第1の貫通切断部274は、犠牲部分266と反対側の発光素子260の第1の線形アレイ258に近接して配置され、第2の貫通切断部276は、犠牲部分266と反対側の発光素子260の第2の線形アレイ262に近接して配置され、第3及び第4の貫通切断部278及び280はそれぞれ第1、第2、第3、及び第4の貫通切断部274、276、278、及び280によって画定される、多列発光チップ286の第1の端部282及び第2の端部284をそれぞれ形成する、ことと、シリコンウェハ252の第2の表面256によって形成される多列発光チップ286の少なくとも一部を実装基板288に接合することと、犠牲部分266を除去することと、を含む。しかしながら、以下により詳細に記載されるように、少なくとも第1のストリート部分貫通切断部270及び第2のストリート部分貫通切断部272を形成する工程は、犠牲部分266が劈開によって除去される実施形態の場合に生じることを理解されたい。よって、犠牲部分266が劈開によって除去されない実施形態では、第1及び第2のストリート部分貫通切断部は形成され得ない。
【0030】
実装基板288は、様々な構造のうちの1つであり得ることを理解されたい。例えば、実装基板288は、プリント基板(PB)、プリント配線板(PWB)、プリント回路基板(PCB)、又は多列発光チップ286を受け入れ、それと接合することが可能な任意の他の基板であってもよい。好ましくは、このような実装基材は、低量の熱膨張を経験し、振動力による変化を受けない。しかしながら、熱膨張及び振動変化を受ける基材も使用されてもよい。
【0031】
いくつかの実施形態では、本方法は、第1の方向264に平行な第1の表面254に第1の基準貫通切断部290を形成することを更に含んでもよく、第1の空洞268の位置は、第1の基準貫通切断部290の位置によって画定される。1つの位置が別の位置によって画定されることによって、1つの位置は、そこから第2の位置を整列させる、形成する、などの基準位置として使用されることを意味することを意図することを理解されたい。いくつかの実施形態では、本方法は、第1の方向264に垂直な第1の表面254に第2の基準貫通切断部292を形成することと、第1の方向264に対して垂直な第2の表面256に第2の空洞294を形成することであって、第2の空洞294は、第2の基準貫通切断部292の位置によって画定される、ことと、をなお更に含むか又は代替として含む。
【0032】
いくつかの実施形態では、本方法は、第1の方向264に対して垂直な第2の表面256に第2の空洞294を形成することと、第2の空洞294と概ね反対側に、かつ第1の方向264に対して垂直に位置付けられた第1の表面254に少なくとも第1のカラム部分貫通切断部296を形成することと、を更に含む。
【0033】
再び、上述の実施形態と同様に、いくつかの実施形態では、本方法は、シリコンウェハ252内の固有の場所に第1の貫通切断部274、第2の貫通切断部276、第3の貫通切断部278、及び第4の貫通切断部280を形成する工程を繰り返し、それによって、複数の多列発光チップ286を形成することであって、複数の多列発光チップ286のそれぞれは、それぞれ第1の方向264に対して平行に配置されている発光素子260の第1の線形アレイ258及び発光素子260の第2の線形アレイ262を含み、複数の多列発光チップ286のそれぞれは、犠牲部分を更に含む、ことと、シリコンウェハ252の第2の表面256によって形成された複数の多列発光チップ286のそれぞれの少なくとも一部を実装基板288に近接して接合することと、複数の犠牲部分266のそれぞれを除去することと、を更に含む。これらの実施形態では、複数の多列発光チップを「近接して」接合することは、
図19に示されるように、チップのラインが集合的に多列チップの線形アレイを形成するように、それぞれの多列発光チップが実装基板に接合されて、多列発光チップのラインを形成することを意味することを意図する。
【0034】
いくつかの実施形態では、実装基板288は、電気コネクタ300の少なくとも第1の列298と、第1の列298に平行な電気コネクタ300の第2の列302とを含み、シリコンウェハ252の第2の表面256によって形成された多列発光チップ286の少なくとも一部を実装基板288に接合する工程は、結果的に、犠牲部分266を電気コネクタ300の第2の列302上に整列させる。
【0035】
いくつかの実施形態では、本方法は、実装基板288上の第1の電気コネクタと発光素子260の第1の線形アレイ258との間に少なくとも1つの第1の導線を接合することと、実装基板288上の第2の電気コネクタと発光素子260の第2の線形アレイ262との間に少なくとも1つの第2の導線を接合することと、を更に含む。
【0036】
本開示の方法では、部分貫通切断部及び完全貫通切断部を形成する様々な方法を使用することができる。いくつかの実施形態では、第1の空洞268を形成する工程と、少なくとも第1のストリート部分貫通切断部270及び第2のストリート部分貫通切断部272を形成する工程と、少なくとも第1の貫通切断部274、第2の貫通切断部276、第3の貫通切断部278、及び第4の貫通切断部280を形成する工程と、のうちの少なくとも1つが、機械的研磨、例えば、切れ刃、レーザー切断、化学エッチング、又はこれらの組み合わせによって実行される。
【0037】
多列発光チップ286を実装基板288に接合した後、犠牲部分266を除去するために、様々な方法を使用することができる。例えば、いくつかの実施形態では、犠牲部分266を除去する工程は、第1の空洞268と概ね反対側に、かつ第1の方向264に対して平行に位置付けられた第5の貫通切断部312を形成することであって、第5の貫通切断部312は、センサ素子260の第1の線形アレイ258と犠牲部分266との間に配置される、ことと、第1の空洞268と概ね反対側に、かつ第1の方向264に対して平行に位置付けられた第6の貫通切断部314を形成することであって、第6の貫通切断部314は、センサ素子260の第2の線形アレイ262と犠牲部分266との間に配置される、ことと、を含む。いくつかの実施形態では、例えば、犠牲部分266を除去する工程は、第1のストリート部分貫通切断部270に沿って、かつ第2のストリート部分貫通切断部272に沿って、犠牲部分266を劈開することを含む。
【0038】
犠牲部分266は、様々な形態をとり得ることを理解されたい。例えば、いくつかの実施形態では、犠牲部分266は、発光素子260の第3の線形アレイ316を含む。あるいは、犠牲部分266は、ブランクのままであってもよく、又はテストパターン、アライメントパターンなどを含んでもよい。
【0039】
限定するものではないが、発光素子の線形アレイの寸法を含む要因及び劈開プロセスの再現性に応じて、犠牲部分266を除去するプロセスに役立つために、劈開工程の前に追加の部分貫通切断部が形成されてもよい。いくつかの実施形態では、犠牲部分266は、発光素子260の第4の線形アレイ318を含み、本方法は、第1の空洞268と概ね反対側に、かつ第1の方向264に対して平行に位置付けられた第1の表面254に少なくとも第3のストリート部分貫通切断部320を形成することであって、第3のストリート部分貫通切断部320は、発光素子260の第3の線形アレイ316と発光素子260の第4の線形アレイ318との間に配置される、ことを更に含む。上述したように、犠牲部分266は、その中の発光素子のアレイなしに形成されてもよいことを理解されたい。よって、第3のストリート部分貫通切断部320は、第1のストリート部分貫通切断部270と第2のストリート部分貫通切断部272との間に形成されてもよい。犠牲部分266に加えられた下向きの圧力が、同時又はほとんど同時の破壊若しくは劈開で、第1、第2、及び第3のストリート部分貫通切断部270、272、及び320の劈開をそれぞれ引き起こすことになる。
【0040】
本方法の上述の実施形態は、サブミクロンのy軸、すなわちプロセス方向のアライメントを有する二重線形アレイを製造する手段を明らかにした。以下は、それらに関連して記載される特定の動作及び機器を用いる実施形態のより詳細な説明である。以下の実施例は、本方法がどのように実行され得るかを更に説明することを意図するが、特許請求の範囲を限定することを意図するものではないことを理解されたい。よって、以下の工程は、本方法の更なる実施形態を提供するものであり、「工程1」、「工程2」などで記載されているが、明記される工程の全てを含まずに実行されてもよく、明記されるものとは異なる工程順序で実行されてもよい。
【0041】
工程1-ダイシングソー、例えば、ダイシングソー400を使用してシリコンウェハの上面上に基準切断部を形成する。基準切断部は、ウェハの下面上の後続の切断部を、上部側の回路に対して位置付けるのを支援するために使用される。用語「上部」、「上部側」、「下部」、及び「下部側」は、シリコンウェハの対向する側部について論じるために使用される相対的な用語であることを理解されたい。同様の基準切断部を形成する実施例は、米国特許出願公開第2011/0147898(A1)号に開示されている。前述の特許出願公開に開示されている基準切断部とは異なり、本方法は、X方向及びY方向の両方に形成された基準切断部を使用することができる。加えて、プロセスのこの工程では、カラム切断部、すなわち、上面の部分貫通切断部を形成することも可能である。カラム切断部は、センサチップ又は発光素子の列のそれぞれの組の始まり及び終わりを画定するために使用される。
【0042】
工程2-ダイシングソーを使用して、X方向及びY方向の両方の後方切断部を形成して、Y軸のカラム切断部の下に空洞を作製し、また、X軸の、1列以上のチップを含み得る犠牲部分の下に空洞を作製する。これらの切断部は、概ね、
図3~
図5に示されている。図のいくつかは、2つの犠牲列のチップを示しているが、これはシリコンウェハ上にチップを形成する時点で画定され得るため、2列よりも多い又は少ない列を含むことが可能であることに留意されたい。
【0043】
工程3-全てのチップ列のストリート領域としても知られるY軸に沿って、ダイシングソーを使用してシリコンウェハの上部側にトレンチ(溝)を切り込む。前述のトレンチは、1)ダイシング冷却剤がY軸貫通切断部の切断を補助することを可能にするためと、2)多列チップ内の潜在的なブレーキライン/劈開ラインを可能にすることと、の2つの目的を果たす。
図3~
図5を参照されたい。
【0044】
工程4-工程1で形成された全てのカラムが切り開かれるように、ダイシングソーを使用して、X軸及びY軸の両方でシリコンウェハに貫通切断部を作製するが、3列以上のセンサチップを含む単一の多列チップを生成するには、センサチップの複数の列の周りにストリート貫通切断部のみを作製する。
【0045】
工程5-多列チップ上のセンサチップの上部列が電気的接続部の第1の列の真下に存在し、多列センサチップの中央又は犠牲領域が回路基板の始端部上の電気的接続部の第2の列をまたぐように、精密なダイボンダを使用して、回路基板上への単一の多列チップのピックアンドプレイスを行う。
図6を参照されたい。工程4によって切断されたシリコンウェハから多列チップをピックし、続いて、それらのチップを保管容器(例えば、ワッフルパック)に入れることなどの中間工程が、この工程の前に所望される場合があることに留意されたい。更に、回路基板上に置かれた後、それぞれのチップは、回路基板、例えばプリント配線基板(PWB)に接合される。
【0046】
工程6-標準的なアレイ構築プロセスと同様に、工程5のプロセス、すなわち、ダイボンダ上での多列チップのピックアンドプレイスを繰り返して、精密アレイを構築する。
図7を参照されたい。
【0047】
工程7-必要に応じて任意の接着剤を硬化させることを含む、接合プロセスが完了したら、次いで、全ての多列チップの中央の犠牲領域を除去する。
図8~
図12を参照されたい。犠牲領域を除去する多くの方法が存在するが、犠牲領域を除去するための次の2つの別個の方法が本明細書に含まれる。1)工程3で形成されたスクライブ切断部に沿って、アレイ全体をダイシングソー400上に置き、中央の犠牲領域を切り開いて、チップを含み得る中央の犠牲部分を除去する。ダイシングブレード400の高さ402は、工程2で形成された多列チップの下部側のポケット付き領域に切り込むが、回路基板上の回路に切り込むほど深くはない高さである。2)中央の犠牲領域の制御された「劈開」を実行することによって、中央の犠牲領域を除去し、それにより、チップは、工程3で形成された多列チップ上のスクライブ領域に沿って破断する一方で、定位置に接合された多列チップの2つの部分が残る。
【0048】
工程8-通常の手順に従ってセンサチップに導線を接合するが、二重アレイを形成する本方法では、導線数は典型的な単一アレイの2倍である。
図11及び
図12を参照されたい。
【0049】
工程9-二重アレイに対する最終テスト及び最終モジュール構築工程を実行する。このテスト及び工程は、それらが二重アレイを収容するように修正されることを除いて、既知の方法と同様である。
【0050】
上で論じたマルチアレイセンサを組み立てる方法の様々な実施形態は、センサ又はエミッタの2つの整列されたアレイを組み立てることを目的とするが、これらの方法は、3つ以上の整列されたセンサ又はエミッタアレイを含む多列センサチップを形成するように容易に修正されてもよいことを理解されたい。以下は、センサ素子の3つの整列されたアレイを含む、多列センサが形成される例示的な実施形態である。
【0051】
いくつかの実施形態は、第1の表面458及び第1の表面458と反対側の第2の表面460を含むシリコンウェハの部分456からの、少なくとも3つの線形センサアレイ、すなわち、線形センサアレイ450、452、及び454を含む、多列センサアレイの組立て方法を含む。第1の表面458は、それぞれ第1の方向、すなわち、図の平面に垂直な方向に対して平行に配置されている、少なくともセンサ素子の第1の線形アレイ450、センサ素子の第2の線形アレイ452、及びセンサ素子の第3の線形アレイ454を含む。部分456は、センサ素子の第1の線形アレイ450とセンサ素子の第2の線形アレイ452との間に位置付けられた第1の犠牲部分462と、センサ素子の第2の線形アレイ452とセンサ素子の第3の線形アレイ454との間に位置付けられた第2の犠牲部分464と、を更に含む。この方法は、第1の犠牲部分462と反対側に、かつ第1の方向に対して平行に位置付けられた第2の表面460に第1の空洞466を形成することと、第2の犠牲部分464と反対側に、かつ第1の方向に対して平行に位置付けられた第2の表面460に第2の空洞468を形成することと、第1の空洞466と概ね反対側に、かつ第1の方向に対して平行に位置付けられた第1表面458に少なくとも第1のストリート部分貫通切断部470及び第2のストリート部分貫通切断部472を形成することであって、第1のストリート部分貫通切断部470は、センサ素子の第1の線形アレイ450と第1の犠牲部分462との間に配置され、第2のストリート部分貫通切断部472は、センサ素子の第2の線形アレイ452と第1の犠牲部分462との間に配置される、ことと、第2の空洞468の概ね反対側に、かつ第1の方向に対して平行に位置付けられた第1の表面458に少なくとも第3のストリート部分貫通切断部474及び第4のストリート部分貫通切断部476を形成することであって、第3のストリート部分貫通切断部474は、センサ素子の第2の線形アレイ452と第2の犠牲部分464との間に配置され、第4のストリート部分貫通切断部476は、センサ素子の第3の線形アレイ454と第2の犠牲部分464との間に配置される、ことと、シリコンウェハに少なくとも第1の貫通切断部、第2の貫通切断部、第3の貫通切断部、及び第4の貫通切断部を形成することであって、第1及び第2の貫通切断部は第1の方向に平行であり、第3及び第4の貫通切断部は第1の方向に垂直であり、第1の貫通切断部は、第1の犠牲部分462と反対側のセンサ素子の線形アレイ450に近接して配置され、第2の貫通切断部は、第2の犠牲部分464と反対側のセンサ素子の第3の線形アレイ454に近接して配置され、第3及び第4の貫通切断部は、第1、第2、第3、及び第4の貫通切断部によって画定された多列センサチップ478の第1の端部及び第2の端部をそれぞれ形成する、ことと、シリコンウェハの部分456の第2の表面460によって形成された多列センサチップ478の少なくとも一部を実装基板480に接合することと、第1の犠牲部分462及び第2の犠牲部分464を除去することと、を含む。しかしながら、以下により詳細に記載されるように、少なくとも第1のストリート部分貫通切断部470及び第2のストリート部分貫通切断部472を形成する工程は、犠牲部分462が劈開によって除去される実施形態の場合に生じることを理解されたい。よって、犠牲部分462が劈開によって除去されない実施形態では、第1及び第2のストリート部分貫通切断部は形成され得ない。
【0052】
第1、第2、第3、及び第4の貫通切断部は、前述の実施形態に関する図に示されていないが、これらの貫通切断は、
図5及び
図17に示される貫通切断部と類似していることを理解されたい。それぞれの実施形態では、これらの貫通切断部は、犠牲部分又は複数の犠牲部分を除去する前に、多列センサチップの外縁部を画定するために使用される。更に、センサの3つの整列されたアレイのみが
図21に示され、この実施形態に関して論じられているが、様々な工程を繰り返すことによって同じ方法を使用して3つより多くの整列されたアレイが形成されてもよく、光エミッタはセンサとは対照的に形成されてもよいことを理解されたい。なお更に、例えばストリート部分貫通切断部482及び484など、追加のストリート部分貫通切断部が、犠牲部分の除去を補助するために形成されてもよい。
【0053】
本開示は、広く、上部/上方アレイと下部/下方アレイとの、又は互いに対する全アレイのほぼ完全な、すなわちサブミクロンのアライメントを有する、センサチップの二重アレイ又はセンサチップの複数のアレイを製造するプロセスを含む。シリコンウェハは、3つ以上の標準的なチップ幅、すなわち3列以上の単一チップを生成するように切断される。1つ以上の陥凹部は、これらの多列チップのセンサチップのアレイ間にある領域の下面に切り込まれ、それによって1つ以上の「犠牲領域」が形成される。多列チップのアレイは、次いで、2列のセンサチップを含む実施形態の場合は、下部の陥凹部が回路基板、すなわち実装基板上の電気的接続部の第2の列をまたぎ、3列のセンサチップを含む実施形態の場合は、回路基板上の電気的接続部の第2及び第3の列をまたぐ、というように、従来のチップ配置技術を使用して構築される。アレイを生成する接合工程が完了すると、中央の犠牲領域又は複数の犠牲領域が除去され、その下の電気的接続部を露出させ、結果的に、それぞれのアレイが互いにほぼ完全に整列している2つ以上の平行アレイ、例えば、下部アレイと整列する上部アレイが生じる。本方法は、高い精度で整列されたセンサのアレイを作製する能力を提供する。前述の開示は主にセンサアレイについて論じているが、このプロセスはまた、LEDアレイなどの他の種類のアレイに利用されてもよい。