特許 7321955 管状体

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)

(12)【公報種別】特許公報(B2)

(11)【特許番号】

(24)【登録日】2023-07-28

(45)【発行日】2023-08-07

(54)【発明の名称】管状体

(51)【国際特許分類】

   B29C 70/30 20060101AFI20230731BHJP

   A01K 87/00 20060101ALI20230731BHJP

   F16L 11/08 20060101ALI20230731BHJP

   A63B 49/10 20150101ALN20230731BHJP

   A63B 53/10 20150101ALN20230731BHJP

   A63B 102/02 20150101ALN20230731BHJP

   A63B 102/32 20150101ALN20230731BHJP

   B29L 23/00 20060101ALN20230731BHJP

【ＦＩ】

B29C70/30

A01K87/00 630A

A01K87/00 630C

A01K87/00 630N

F16L11/08 B

A63B49/10

A63B53/10 A

A63B102:02

A63B102:32

B29L23:00

【請求項の数】 6

(21)【出願番号】P 2020031306

(22)【出願日】2020-02-27

(65)【公開番号】P2021133598

(43)【公開日】2021-09-13

【審査請求日】2022-03-16

(73)【特許権者】

【識別番号】000002495

【氏名又は名称】グローブライド株式会社

(74)【代理人】

【識別番号】100140822

【弁理士】

【氏名又は名称】今村 光広

(72)【発明者】

【氏名】坂田 尚弘

【審査官】北澤 健一

(56)【参考文献】

【文献】特開２００２－２１９９００（ＪＰ，Ａ）

【文献】特開平０７－１７１９２１（ＪＰ，Ａ）

【文献】特開２０００－０１４２７８（ＪＰ，Ａ）

【文献】特開２００４－２２９６１０（ＪＰ，Ａ）

【文献】特開２００７－０９７４２７（ＪＰ，Ａ）

【文献】特開平０９－１７２９１２（ＪＰ，Ａ）

【文献】特開平１０－０８５３７３（ＪＰ，Ａ）

【文献】特開２００３－１１６４１６（ＪＰ，Ａ）

【文献】特開２００３－１７０５０６（ＪＰ，Ａ）

【文献】米国特許出願公開第２００５／０１０７１８２（ＵＳ，Ａ１）

【文献】米国特許出願公開第２００４／００９２３３０（ＵＳ，Ａ１）

【文献】特開平０６－２６４１０９（ＪＰ，Ａ）

(58)【調査した分野】(Int.Cl.，ＤＢ名)

Ｂ２９Ｃ ７０／００－７０／８８

Ｂ０５Ｄ １／００－ ７／２６

Ａ０１Ｋ ８７／００－８７／０８

Ａ６３Ｂ ５３／００－５３／１４

Ｆ１６Ｌ ９／００－１１／２６

(57)【特許請求の範囲】

【請求項1】

芯部材に強化繊維に合成樹脂を含浸してなる繊維強化プリプレグを巻回し、
該繊維強化プリプレグに成形テープを巻き付け、
該繊維強化プリプレグの焼成を行い管素材を形成し、
該成形テープを取り外し、
該管素材にクロム粒子を吹き付け、
該合成樹脂のガラス転移点（Ｔｇ）以上の温度で該管素材の焼成を行うものであり、
前記クロム粒子は、該管素材の最外層に位置する繊維強化樹脂層において強化繊維よりも外側に位置して配置される樹脂部分の外表面部位に配設されると共に、該樹脂部分の厚さ方向でみて、該樹脂部分の外表面から、該クロム粒子の同方向の厚さの５％から１００％の範囲で前記外表面部位に埋め込まれるように形成されることを特徴とする管状体の製造方法。

【請求項2】

前記管素材にクロム粒子を吹き付けた後、前記管素材の焼成の前に、前記管素材に成形テープを巻き付ける、請求項１に記載の管状体の製造方法。

【請求項3】

該合成樹脂のガラス転移点（Ｔｇ）以上の温度は、４０℃から２５０℃の範囲の温度である、請求項１又は２に記載の管状体の製造方法。

【請求項4】

前記合成樹脂は、エポキシ樹脂である、請求項１から３までのいずれか１項に記載の管状体の製造方法。

【請求項5】

前記合成樹脂がエポキシ樹脂である場合、前記ガラス転移点（Ｔｇ）以上の温度は、８０℃から２００℃の範囲の温度である、請求項１から３までのいずれか１項に記載の管状体の製造方法。

【請求項6】

前記クロム粒子の吹き付けは、溶媒に混入させてから行う、請求項１から５までのいずれか１項に記載の管状体の製造方法。

【発明の詳細な説明】

【技術分野】

【0001】

本発明は、管状体、ゴルフクラブシャフト、テニスラケットなどに用いることが可能な管状体及びその製造方法に関する。

【背景技術】

【0002】

従来より、プリプレグとして例えば炭素繊維等の強化繊維にエポキシ等の熱硬化性樹脂を含浸させたシート状のものを、マンドレルの外周に巻き付けて管素材を形成し、その管素材の外周にポリプロピレン等の成形テープを巻き付けて焼成して製作される、釣竿のシャフト等に使用可能な様々な管状体が知られている。

【0003】

そのような管状体では、一般的な塗装の他、真空蒸着やイオンプレーティング等の物理蒸着などにより管状体の表面に装飾が施され、これにより、釣竿が金属光沢を有し、高級感を醸し出すことができる。

【0004】

このような管状体として、例えば、特許文献１に釣竿用ブランクの外周面が軸方向に対して平行ないし鋭角的に配置され且つ軸方向に沿って並設された複数の平行面及び当該各平行面の両端に連続し当該各平行面と交差する複数の壁面を有し、当該外周面のうち上記平行面にのみ形成された金属層と、当該金属層を被う樹脂層とを備えている釣竿用ブランクが開示されている。

【0005】

また、特許文献２では、管状体の周面にマスク部材を配置したうえで、前記管状体及びマスク部材の周面に酸化チタンを物理蒸着させて酸化チタン層を形成する工程と、前記酸化チタン層の周面に透明又は半透明のクリア層を形成する工程と、前記マスク部材を剥離する工程と、前記マスク部材を剥離したクリア層の周面に透明又は有色のウレタン層を形成する工程と、を含む、管状体の周面の塗装方法が適用された、強化繊維に合成樹脂を含浸させた繊維強化樹脂からなる管状体が開示されている。

【先行技術文献】

【特許文献】

【0006】

【文献】特開２０１７－１２０９８号公報

【文献】特開２００５－１３８０８０号公報

【発明の概要】

【発明が解決しようとする課題】

【0007】

しかしながら、特許文献１の釣竿用ブランクでは、高級感のある金属調を実現するためには、樹脂の粘度低下によりクロム粒子の配向が乱れるため、厚いクロム層が必要であり、またウレタン層も必要とすることから重量が増大していまうだけでなく、均一の金属調外観しか得られないという問題があった。

【0008】

また、特許文献２の管状体では、形成された管状体表面に酸化チタンを物理蒸着させるが、基材と塗装層との密着性が必ずしも良好とはいえず、耐久性の点で問題があった。

【0009】

本発明の目的の一つは、より薄い層で高級感のあり色調変化が容易な金属調外観を得ると共に、基材との密着性や耐久性が向上した管状体及びその製造方法を提供することにある。本発明のこれら以外の目的は、本明細書全体を参照することにより明らかとなる。

【課題を解決するための手段】

【0010】

本発明の一実施形態に係る管状体は、強化繊維に合成樹脂を含浸してなる繊維強化プリプレグを巻回して形成される管状の本体と、該本体の最外層に位置する繊維強化樹脂層において強化繊維よりも外側に位置して配置される樹脂部分の外表面部位に配設されるクロム粒子と、を含み、該クロム粒子は、該樹脂部分の厚さ方向でみて、該樹脂部分の外表面から、該クロム粒子の同方向の厚さの５％から１００％だけ前記外表面部位に埋め込まれるよう構成される。

【0011】

本発明の一実施形態に係る管状体において、当該クロム粒子の外側表面が、当該繊維強化樹脂層の外面に沿うように配設される。

【0012】

本発明の一実施形態に係る管状体において、前記クロム粒子が、該樹脂部分の外表面から、該クロム粒子の同方向の厚さの１００％埋め込まれている場合、該クロム粒子は、前記樹脂部分の外表面の延伸方向でみて、少なくともその一部が該樹脂部分に覆われるよう構成される。

【0013】

本発明の一実施形態に係る管状体において、前記クロム粒子が、該樹脂部分の外表面から、該クロム粒子の同方向の厚さの１００％埋め込まれている場合、該クロム粒子は、前記樹脂部分の外表面の延伸方向でみて、最大８０％が該樹脂部分に覆われるよう構成される。

【0014】

本発明の一実施形態に係る管状体の製造方法は、芯部材に強化繊維に合成樹脂を含浸してなる繊維強化プリプレグを巻回し、該繊維強化プリプレグに成形テープを巻き付け、該繊維強化プリプレグの焼成を行い管素材を形成し、該成形テープを取り外し、該管素材にクロム粒子を吹き付け、該合成樹脂のガラス転移点（Ｔｇ）以上の温度で該管素材の焼成を行う各ステップを備える。

【0015】

本発明の一実施形態に係る管状体の製造方法において、当該管素材にクロム粒子を吹き付けた後、該管素材の焼成の前に、該管素材に成形テープを巻き付けるようにされる。

【0016】

本発明の一実施形態に係る管状体の製造方法において、該合成樹脂のガラス転移点（Ｔｇ）以上の温度は、４０℃から２５０℃の範囲の温度である。

【0017】

本発明の一実施形態に係る管状体の製造方法において、該合成樹脂は、エポキシ樹脂である。

【0018】

本発明の一実施形態に係る管状体の製造方法において、該合成樹脂がエポキシ樹脂である場合、該ガラス転移点（Ｔｇ）以上の温度は、８０℃から２００℃の範囲の温度である。

【0019】

本発明の一実施形態に係る管状体の製造方法において、該クロム粒子の吹き付けは、溶媒に混入させてから行う。

【発明の効果】

【0020】

本発明の上記各実施形態によれば、より薄い層で高級感のあり色調変化が容易な金属調外観を得ると共に、基材との密着性や耐久性が向上した管状体及びその製造方法を提供することが可能となる。

【図面の簡単な説明】

【0021】

【図1】（ａ）-（ｄ）は、本発明の一実施形態に係る管状体の製造方法における一状態を示す図である。

【図2】管状体の一態様をその中心軸に垂直な面で切断した断面を模式的に示す図である。

【図3】管状体の一態様をその中心軸に垂直な面で切断した断面を模式的に示す図である。

【図4】管状体の一態様をその中心軸に垂直な面で切断した断面を模式的に示す図である。

【図5】管状体の一態様をその中心軸に垂直な面で切断した断面を模式的に示す図である。

【図6】管状体の一態様の密着結果を示す図である。

【図7】管状体の一態様の密着結果を示す図である。

【図8】管状体の一態様の密着結果を示す図である。

【図9】管状体の一態様の密着結果を示す図である。

【図10】管状体の一態様の密着結果を示す断面図である。

【発明を実施するための形態】

【0022】

以下、本発明に係る管状体の実施形態について、添付図面を参照しながら具体的に説明する。複数の図面において共通する構素には当該複数の図面を通じて同一の参照符号が付されている。各図面は、説明の便宜上、必ずしも正確な縮尺で記載されているとは限らない点に留意されたい。

【0023】

まず、図１ａ‐１ｄを参照して、本発明の一実施形態による管状体の製造方法を説明する。

【0024】

本発明の一実施形態に係る管状体の製造方法は、ステップ１において、芯部材に強化繊維に合成樹脂を含浸してなる繊維強化プリプレグを巻回する。ここで、合成樹脂として、エポキシ樹脂を例に説明する。合成樹脂として、その他、不飽和ポリエステル樹脂やフェノール樹脂も考えられるがこれらに限られない。また、強化繊維として、炭素繊維、ガラス繊維、及びこれら以外の任意の公知の強化繊維を用いることができる。

【0025】

次に、ステップ２において、図１ａに示すように、該繊維強化プリプレグに成形テープを巻き付ける。ステップ３において、該繊維強化プリプレグの焼成を行い、表層に硬化されたエポキシ樹脂層が形成された管素材を形成する。

【0026】

ステップ４において、図１ｂに示すように、当該成形テープを取り外す。ステップ５において、図１ｃに示すように、該管素材にクロム粒子を吹き付ける。ここで、クロム粒子として蒸着クロム粒子を含むがこれに限られない。クロム粒子に代えて、アルミ顔料やパール顔料のような鱗片状の粒子を使用してもよい。また、クロム粒子の吹き付けは、溶媒に混入させてから行うようにしてもよい。また、溶媒として、アセトンのような低沸点溶剤を用いることができる。ステップ６において、図１ｄに示すように、該繊維強化プリプレグに成形テープを巻き付ける。ここで、ステップ６は省略することも可能である。

【0027】

次に、ステップ７において、合成樹脂、この例ではエポキシ樹脂のガラス転移点（Ｔｇ）以上の温度で該管素材の焼成を行う。該合成樹脂のガラス転移点（Ｔｇ）以上の温度は、４０℃から２５０℃の範囲の温度であり、該合成樹脂がエポキシ樹脂である場合、該ガラス転移点（Ｔｇ）以上の温度は、８０℃から２００℃の範囲の温度である。このようにして、本発明の一実施形態による管状体を形成することができる。なお、管状体の外表面は、適宜研磨するようにしてもよい。

【0028】

ステップ３における焼成により、エポキシ樹脂が硬化しているため、ステップ７における焼成の際、急激な粘度低下を回避できることで、ガラス転移点（Ｔｇ）において若干粘度が低下した状態となり、クロム粒子をエポキシ樹脂表層に固着させることが可能となる。

【0029】

このように、本発明の一実施形態による管状体の製造方法により、より薄い層で高級感のありかつ色調変化が容易な金属調外観を得ると共に、基材との密着性や耐久性が向上した管状体を提供することが可能となる。

【0030】

次に、図２‐９を参照して、本発明の一実施形態による管状体についてその他の態様と比較して説明する。

【0031】

図２に、本発明の一実施形態による管状体と比較するため態様を例として示す。図２に示す態様は、前述のステップ３における焼成の前にクロム粒子の吹き付けを行った場合を示す。図２に示すように、管状体１００の炭素繊維１１０の層の外側に形成されたエポキシ樹脂１２０の層に、クロム粒子１３０が入り込んでしまい、当該粒子１３０の配列もランダムとなっている。このように、当該焼成前にクロム粒子の吹き付けを行い、繊維強化プリプレグの焼成を行った場合、エポキシ樹脂の粘度低下に伴い、比重の大きいクロム粒子がエポキシ樹脂内に沈降し、粒子の配向が乱れ金属調の外観の発現が難しいことが判った。

【0032】

図６は、図２に示す態様における密着性の評価結果を示している。図６に示すように、図２に示す態様では、クロム粒子の密着性は、良好であり、碁盤目テープ法（JIS K 5400 8.5.2)にて１０点であり、全く剥がれていないことが判った。

【0033】

次に、図３に、本発明の一実施形態による管状体と比較するためその他の態様を例として示す。図３に示す態様は、前述のステップ３における焼成の後にクロム粒子の吹き付けを行い、前述のステップ７における焼成を行わなかった場合を示す。図３に示すように、管状体２００の炭素繊維２１０の層の外側に形成されたエポキシ樹脂２２０の層の表面に、クロム粒子２３０が固着され、当該粒子２３０の配列も良好となっている。このように、繊維強化プリプレグの焼成を行った後に、クロム粒子の吹き付けを行った場合、態様１の場合と比して、粒子の配向の乱れは少なくなり、金属調の良好な外観の発現が得られることが判った。

【0034】

図７は、図３に示す態様における密着性の評価結果を示している。図７に示すように、図３に示す態様では、クロム粒子の密着性は弱く、碁盤目テープ法（JIS K 5400 8.5.2)にて０点となり、６５％以上剥がれていることが判った。

【0035】

次に、図４に、本発明の一実施形態による管状体の例を示す。本発明の一実施形態による管状体では、図４に示すように、強化繊維２に合成樹脂３を含浸してなる繊維強化プリプレグ５を巻回して形成される管状の本体１０と、該本体の最外層に位置する繊維強化樹脂層５において強化繊維よりも外側に位置して配置される樹脂部分の外表面部位に配設されるクロム粒子４と、を含むよう構成される。

【0036】

また、本発明の一実施形態に係る管状体１において、当該クロム粒子４の外側表面が、当該繊維強化樹脂層５の外面に沿うように配設される。さらに、本発明の一実施形態に係る管状体１において、当該クロム粒子４は、少なくともその一部が当該外表面部位に埋め込まれるよう構成される。ここで、本発明の一実施形態に係る管状体１において、当該クロム粒子４は、該樹脂部分の厚さ方向でみて、該樹脂部分の外表面から、該クロム粒子４の同方向の厚さの５％から１００％だけ当該外表面部位に埋め込まれるように構成される。なお、クロム粒子自体が必ずしも均一粒子径ではないため、相対的に細い粒子が多い場合にはより多くの粒子が樹脂に埋め込まれることとなる。ここで、図４の例では、図１０に示すように、当該クロム粒子４は、５０％程度当該外表面部位に埋め込まれるようにされていることが判った。

【0037】

本発明の一実施形態に係る管状体において、前記クロム粒子が、該樹脂部分の外表面から、該クロム粒子の同方向の厚さの１００％埋め込まれている場合、該クロム粒子は、前記樹脂部分の外表面の延伸方向でみて、少なくともその一部が該樹脂部分に覆われるよう構成される。

【0038】

本発明の一実施形態に係る管状体において、前記クロム粒子が、該樹脂部分の外表面から、該クロム粒子の同方向の厚さの１００％埋め込まれている場合、該クロム粒子は、前記樹脂部分の外表面の延伸方向でみて、最大８０％が該樹脂部分に覆われるよう構成される。

【0039】

図８は、図４に示す態様における密着性の評価結果を示している。図８に示すように、図４に示す本発明の一実施形態に係る管状体１では、クロム粒子４の密着性は強固になされ、クロム粒子４がエポキシ樹脂表層３により確実に固着させることが可能となることが判った。その理由としては、ステップ３における焼成により、エポキシ樹脂が硬化しているため、ステップ７における焼成の際、急激な粘度低下を回避できることで、ガラス転移点（Ｔｇ）において若干粘度が低下した状態となり、クロム粒子をエポキシ樹脂表層により強く固着させることが可能となったためと考えられる。

【0040】

このように、本発明の一実施形態による管状体１により、より薄い層で高級感のありかつ色調変化が容易な金属調外観を得ると共に、基材との密着性や耐久性が向上した管状体を提供することが可能となることが判った。

【0041】

次に、図５に、本発明の一実施形態による管状体と比較するためその他の態様を例として示す。図５に示す態様は、前述のステップ３における焼成の後にクロム粒子３４０の吹き付けを行い、上塗り層３３０の塗装を行った場合を示す。図５に示すように、管状体３００の炭素繊維３１０の層の外側に形成されたエポキシ樹脂３２０の層の外側の上塗り層３３０にクロム粒子３４０が入り込むようにして形成されている。当該粒子３４０の配列はランダムとなっている。このように、繊維強化プリプレグの焼成を行った後に、クロム粒子の吹き付けを行いかつ上塗り層の塗装を行った場合、態様１の場合と同様、粒子の配向の乱れが若干生じてしまい、粒子の配向が乱れ金属調の外観の発現が難しいことが判った。

【0042】

図９は、図５に示す態様における密着性の評価結果を示している。図９に示すように、図５に示す態様では、クロム粒子３４０の密着性は、良好であり、碁盤目テープ法（JIS K 5400 8.5.2)にて１０点であり、全く剥がれていないことが判った。

【0043】

また、図５に示す態様では、上塗り層３３０を必要とするため、重量が増大してしまうという点が挙げられる。このように、本発明の一実施形態による管状体では、図５の態様に比して、軽量化、良好な金属調外観、密着性や耐久性の向上という点でより効果的であることが判る。

【0044】

本明細書で説明された各構成要素の寸法、材料、及び配置は、実施形態中で明示的に説明されたものに限定されず、この各構成要素は、本発明の範囲に含まれうる任意の寸法、材料、及び配置を有するように変形することができる。また、本明細書において明示的に説明していない構成要素を、説明した実施形態に付加することもできるし、各実施形態において説明した構成要素の一部を省略することもできる。

【符号の説明】

【0045】

１ 管状体
２ 強化繊維
３ 合成樹脂
４ クロム粒子
５ 繊維強化樹脂層
１０ 管状の本体
１００ 管状体
１１０ 炭素繊維
１２０ エポキシ樹脂
１３０ クロム粒子
２００ 管状体
２１０ 炭素繊維
２２０ エポキシ樹脂
２３０ クロム粒子
３００ 管状体
３１０ 炭素繊維
３２０ エポキシ樹脂
３３０ 上塗り層
３４０ クロム粒子

【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】

【図6】

【図7】

【図8】

【図9】

【図10】