(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-28
(45)【発行日】2023-08-07
(54)【発明の名称】食用組成物に使用するためのカプセル化組成物を調製するための方法
(51)【国際特許分類】
A23L 5/00 20160101AFI20230731BHJP
A23G 4/06 20060101ALI20230731BHJP
【FI】
A23L5/00 C
A23G4/06
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020109377
(22)【出願日】2020-06-25
(62)【分割の表示】P 2018516777の分割
【原出願日】2016-10-28
【審査請求日】2020-06-25
【審判番号】
【審判請求日】2022-05-06
(32)【優先日】2015-10-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】508351303
【氏名又は名称】インターコンチネンタル グレート ブランズ エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】ナブロズ ボガーニ
(72)【発明者】
【氏名】マンディープ ビンドラ
(72)【発明者】
【氏名】ルイス ロドリゲス
(72)【発明者】
【氏名】アニー イエロ
【合議体】
【審判長】磯貝 香苗
【審判官】加藤 友也
【審判官】中村 和正
(56)【参考文献】
【文献】特表2015-52479(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0312652(US,A1)
【文献】国際公開第2015/054576(WO,A1)
【文献】特表2008-514241(JP,A)
【文献】特開平5-292890(JP,A)
【文献】特表2014-528255(JP,A)
【文献】特開2002-201220(JP,A)
【文献】特表2009-540864(JP,A)
【文献】特表2008-539803(JP,A)
【文献】特表2007-512330(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A23L5/00
A23G4/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
可食組成物の少なくとも第1の構成要素を調製するための方法であって、
1000ミクロン未満の平均最長寸法にカプセル化成分の粒子のサイズを低減し、前記カプセル化成分の前記粒子を混合器に提供することと、
前記混合器において、1000ミクロン未満の前記平均最長寸法を有する前記カプセル化成分の前記粒子を1000ミクロン未満の平均最長寸法を有する有効成分の粒子と混合することと、
(i)前記カプセル化成分の前記粒子のサイズの前記低減の後に、前記カプセル化成分の前記粒子と前記有効成分の前記粒子との混合を介して、前記カプセル化成分と前記有効成分との均質な組成物を形成し、(ii)前記均質な組成物において、前記カプセル化成分の前記粒子と前記有効成分の前記粒子との前記混合の後に、前記カプセル化成分の前記粒子を溶融することと
を含む、方法。
【請求項2】
前記カプセル化成分の前記粒子が、700ミクロン未満の平均最長寸法を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記有効成分の前記粒子が、700ミクロン未満の平均最長寸法を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記カプセル化成分の粒子の前記平均最長寸法の前記有効成分の粒子の前記平均最長寸法に対する比が、20:1未満である、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記組成物は、前記組成物が唾液、水、および消化管における溶媒のうちの1つに曝露されたときに、1分以内に溶解する前記有効成分の量が、唾液、水、および消化管における溶媒のうちの前記1つに曝露される別の同一の組成物から溶解するであろう有効成分の量の半分未満であるような放出プロファイルを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記有効成分が、Ace-Kであり、前記有効成分の30%未満が、唾液、水、および消化管における溶媒のうちの前記1つへの曝露の3分以内に溶解する、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記カプセル化成分の前記粒子が、前記混合器に提供される前に粉砕される、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記可食組成物が、チューインガムである、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記混合器が、押出機である、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記混合器が、バッチ混合器である、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
可食組成物の少なくとも第1の構成要素を調製するための方法であって、
有効成分の粒子を混合器に提供することと、
カプセル化成分の粒子の平均最長寸法の前記有効成分の粒子の平均最長寸法に対する比が約20:1となるように、前記カプセル化成分の粒子のサイズを低減することと、
前記カプセル化成分の粒子を前記混合器に提供することと、
(i)前記カプセル化成分の前記粒子のサイズの前記低減の後に、前記混合器において、前記カプセル化成分の前記粒子と前記有効成分の前記粒子とを混合することを介して、前記カプセル化成分と前記有効成分との均質な組成物を形成し、(ii)前記均質な組成物において、前記カプセル化成分の前記粒子と前記有効成分の前記粒子との前記混合の後に、前記カプセル化成分の前記粒子を溶融することと
を含む、方法。
【請求項12】
前記カプセル化成分の前記粒子が、前記混合器に提供される前に粉砕されて、その前記平均最長寸法を低減する、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記混合器に提供される前記カプセル化成分の前記粒子の前記平均最長寸法が、1000ミクロン未満である、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記混合器に提供される前記カプセル化成分の粒子の前記平均最長寸法が、700ミクロン未満である、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記混合器に提供される前記有効成分の前記粒子の前記平均最長寸法が、1000ミクロン未満である、請求項11に記載の方法。
【請求項16】
前記混合器に提供される前記有効成分の前記粒子の前記平均最長寸法が、700ミクロン未満である、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記組成物は、前記組成物が唾液、水、および消化管における溶媒のうちの1つに曝露されたときに、1分以内に溶解する前記有効成分の量が、唾液、水、および消化管における溶媒のうちの前記1つに曝露される別の同一の組成物から溶解するであろう有効成分の量の半分未満であるような放出プロファイルを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項18】
前記有効成分が、Ace-Kであり、前記有効成分の30%未満が、唾液、水、および消化管における溶媒のうちの前記1つへの曝露の3分以内に溶解する、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記可食組成物が、チューインガムである、請求項11に記載の方法。
【請求項20】
前記混合器が、押出機である、請求項11に記載の方法。
【請求項21】
前記混合器が、バッチ混合器である、請求項11に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、可食組成物を製造するためのシステム及び方法に関し、より具体的には、可食組成物中の成分として使用される第1の構成要素を製造するためのシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
可食物に使用するための1つ以上の有効成分を調製するための従来の方法は、有効成分が押出物内にカプセル化された押出物を形成することを含む。その後、押出物は、複数の小片に破砕された後に粉体に挽かれ得るような温度に対流によって冷却される。典型的には、押出物の形成中、大きいペレットとして押出機に提供されるカプセル化成分は、粉体として供給される1つ以上の有効成分と混合される前に溶融される。この溶融及び混合は、有効成分が熱に敏感である用途では問題になり得る、エネルギー及び熱生成の両方を必要とする。
【0003】
したがって、可食物に使用するための有効成分を連続して効率的に調製することができるシステム及び方法が所望されている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の一実施形態によると、可食組成物の少なくとも第1の構成要素を調製するための方法は、1000ミクロン未満の平均最長寸法を有するカプセル化成分の粒子を混合器に提供することを含む。1000ミクロン未満の平均最長寸法を有する有効成分の粒子も当該混合器に提供される。当該カプセル化成分と当該有効成分との組成物が形成される。
【0005】
別の実施形態によると、可食組成物の少なくとも第1の構成要素を調製するための方法は、カプセル化成分の粒子及び有効成分の粒子を混合器に提供することを含む。当該カプセル化成分と当該有効成分との組成物が形成される。当該カプセル化成分の粒子の平均最長寸法の当該有効成分の粒子の平均最長寸法に対する比は、約20:1未満である。
本発明は、例えば、以下を提供する。
(項目1)
可食組成物の少なくとも第1の構成要素を調製するための方法であって、
1000ミクロン未満の平均最長寸法を有するカプセル化成分の粒子を混合器に提供することと、
1000ミクロン未満の平均最長寸法を有する有効成分の粒子を前記混合器に提供することと、
前記カプセル化成分と前記有効成分との組成物を形成することと、を含む、方法。
(項目2)
前記カプセル化成分の前記粒子が、700ミクロン未満の平均最長寸法を有する、項目1に記載の方法。
(項目3)
前記有効成分の前記粒子が、700ミクロン未満の平均最長寸法を有する、項目1に記載の方法。
(項目4)
前記カプセル化成分の粒子の前記平均最長寸法の前記有効成分の粒子の前記平均最長寸法に対する比が、約20:1未満である、項目1に記載の方法。
(項目5)
前記組成物を形成することが、
前記カプセル化成分の粒子と前記有効成分の粒子とを混合することと、
前記カプセル化成分の粒子を溶融することと、を更に含む、項目1に記載の方法。
(項目6)
前記カプセル化成分の粒子と前記有効成分の粒子との前記混合が、前記カプセル化成分の粒子の前記溶融前及び前記溶融中のうちの少なくとも一方で行われる、項目5に記載の方法。
(項目7)
前記組成物は、前記組成物が溶解剤に曝露されたときに、1分以内に溶解する前記有効成分の量が、前記溶解剤に曝露される別の実質的に同一の組成物から溶解するであろう有効成分の量の半分未満であるような放出プロファイルを含み、前記別の組成物の有効成分及びカプセル化成分は、前記カプセル化成分の粒子の前記溶融前に混合されない、項目5に記載の方法。
(項目8)
前記有効成分が、Ace-Kであり、前記有効成分の約30%未満が、前記溶解剤への曝露の3分以内に溶解する、項目7に記載の方法。
(項目9)
前記カプセル化成分の前記粒子が、前記押出機に提供される前に粉砕される、項目1に記載の方法。
(項目10)
前記可食組成物が、チューインガムである、項目1に記載の方法。
(項目11)
前記混合器が、押出機である、項目1に記載の方法。
(項目12)
前記混合器が、バッチ混合器である、項目1に記載の方法。
(項目13)
可食組成物の少なくとも第1の構成要素を調製するための方法であって、
カプセル化成分の粒子を混合器に提供することと、
有効成分の粒子を前記混合器に提供することと、
前記カプセル化成分と前記有効成分との組成物を形成することと、を含み、
前記カプセル化成分の粒子の平均最長寸法の前記有効成分の粒子の平均最長寸法に対する比が、約20:1未満である、方法。
(項目14)
前記カプセル化成分の前記粒子が、前記押出機に提供される前に粉砕されて、その前記平均最長寸法を低減する、項目13に記載の方法。
(項目15)
前記押出機に提供される前記カプセル化成分の前記粒子の前記平均最長寸法が、1000ミクロン未満である、項目13に記載の方法。
(項目16)
前記押出機に提供される前記カプセル化成分の粒子の前記平均最長寸法が、700ミクロン未満である、項目15に記載の方法。
(項目17)
前記押出機に提供される前記有効成分の前記粒子の前記平均最長寸法が、1000ミクロン未満である、項目13に記載の方法。
(項目18)
前記押出機に提供される前記有効成分の前記粒子の前記平均最長寸法が、700ミクロン未満である、項目17に記載の方法。
(項目19)
前記組成物を形成することが、
前記カプセル化成分の前記粒子と前記有効成分の前記粒子とを混合することと、
前記カプセル化成分の前記粒子を溶融することと、を更に含む、項目13に記載の方法。
(項目20)
前記カプセル化成分の粒子と前記有効成分の粒子との前記混合が、前記カプセル化成分の粒子の前記溶融前及び前記溶融中のうちの少なくとも一方で行われる、項目19に記載の方法。
(項目21)
前記組成物は、前記組成物が溶解剤に曝露されたときに、1分以内に溶解する前記有効成分の量が、前記溶解剤に曝露される別の実質的に同一の組成物から溶解するであろう有効成分の量の半分未満であるような放出プロファイルを含み、前記別の組成物の有効成分及びカプセル化成分は、前記カプセル化成分の粒子の前記溶融前に混合されない、項目19に記載の方法。
(項目22)
前記有効成分が、Ace-Kであり、前記有効成分の約30%未満が、前記溶解剤への曝露の3分以内に溶解する、項目21に記載の方法。
(項目23)
前記可食組成物が、チューインガムである、項目13に記載の方法。
(項目24)
前記混合器が、押出機である、項目13に記載の方法。
(項目25)
前記混合器が、バッチ混合器である、項目13に記載の方法。
【図面の簡単な説明】
【0006】
本明細書に組み込まれ、かつその一部を成す添付の図面は、本発明のいくつかの態様を具体化し、発明を実施するための形態と併せて、本発明の原理を説明する役割を果たす。図面中、
【0007】
【
図1】本発明の一実施形態による、押出物を形成するように構成された押出機の概略図である。
【0008】
【
図2】本発明の一実施形態による、
図1の押出機のスクリュの断面図である。
【0009】
【
図3】可食物を製造するためのシステムの一部分の概略図である。
【0010】
【
図4】本明細書に記載される方法に従って形成された押出物、及び従来の方法を使用して形成された押出物の放出プロファイルを比較するグラフである。
【0011】
発明を実施するための形態は、図面を参照して、一例として、本発明の実施形態を利点及び特徴と共に説明する。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下の開示は、本発明による特定の実施形態を詳述し、特にチューインガム及び他のかかる糖菓に使用するためのカプセル化組成物を製造するための方法及びシステムを提供する。
【0013】
本明細書で論じられる可食押出物、塊、及びシートに含まれる可食物としては、(エラストマー、部分的に完成したベース、完成したチューインガムベース、及び完成したチューインガムを含む、任意の段階の)チューインガム、(チューインガム及びキャンディと同義であり得る)糖菓、甘くて香ばしいビスケット及びケーキ、ナッツ、並びに穀類などが挙げられるが、これらに限定されない任意のタイプの食用製品が挙げられる。説明を容易にするために、可食物は、この記述の残りでは、チューインガムと称される。チューインガムのある特定の組成物は、不均一なテクスチャ及び/又は多層状組成物を有してもよい。
【0014】
本明細書で使用されるとき、「チューインガム」又は「ガム」と称される製品としては、配合エラストマーから完成したガムまでの範囲にある組成物及びそれらを含む組成物が挙げられるが、これらに限定されず、これらとしては、いくつかの配合助剤に配合エラストマーを加えたもの、マスターバッチのガムベース、いくつかの後続ガム成分に配合エラストマーを加えたもの、ガムベース、いくつかの後続ガム成分にガムベースを加えたもの、マスターバッチの完成したガム、及び完成したガムが挙げられ得る。
【0015】
本発明による様々なシステム及び方法を説明する前に、カプセル化が使用され得るチューインガム製造のいくつかの典型的な段階の一般的な組成、即ち、完成したガムについて論じることが有益である。
【0016】
本明細書で使用されるとき、「完成したチューインガム」又は「完成したガム」とは、概して、製品を消費者に流通させるための調製準備ができているチューインガムを指す。したがって、完成したガムは、依然として、温度調整、形成、成形、包装、及びコーティングを必要とする場合がある。しかしながら、組成上の観点から、チューインガム自体は概ね完成している。全ての完成したガムが、同一成分又は同量の個々の成分を有するわけではない。成分及び成分量を変更することによって、とりわけ、質感、風味、及び感覚が変更されて、使用者の需要を満たす異なる特性を提供することができる。
【0017】
一般に周知のように、完成したガムは、典型的には、水溶性バルク部分、非水溶性ガムベース部分、及び1つ以上の香味剤を含む。水溶性部分は、咀嚼中に、時間経過に伴って消失する。ガムベース部分は、咀嚼過程を通して口腔内に保持される。完成したガムは、使用者が消費する準備ができているチューインガムとして定義される。
【0018】
本明細書で使用されるとき、「完成したチューインガムベース」又は「完成したガムベース」とは、完成したガムを形成するために後続ガム成分のみと組み合わされる必要があるガムベース成分の十分な組み合わせを含むチューインガムを指す。完成したガムベースは、少なくとも高粘度成分、弾性成分、及び軟化剤成分を含む粘弾性材料である。例えば、典型的なガムベースとしては、エラストマー、少なくとも充填剤、樹脂及び/又は可塑剤のうちいくつか、ポリ酢酸ビニル、並びに軟化剤(油、脂肪、又はろうなど)を含んでもよい。任意の軟化剤を添加せずに単に調合されたエラストマーは、例えば、不可能ではないにしても、咀嚼が困難であるため、完成したガム構造中では使用可能であると見なされないため、完成したガムベースではない。一実施形態では、完成したガムベース又は以下で更に記載される押出機から排出された押出物の粘度は、約75パスカル秒~約140,000パスカル秒である。
【0019】
本明細書で使用されるとき、「不完全なチューインガムベース」又は「不完全なガムベース」とは、完成したガムを形成するために更なるガムベース成分及び後続非ベースガム成分と組み合わされる必要があるガムベース成分又はガムベース成分の組み合わせを含むチューインガムを指す。不完全なガムベースは、少なくとも弾性成分を含み、完成したガムベースを形成するために少なくとも高粘度成分及び/又は軟化剤成分の添加を必要とすることとなる。
【0020】
チューインガムは、種々のカテゴリー中の数多くの成分を含んでもよい。以下で論じられるシステム及び方法は、ありとあらゆる既知の成分を混合するために使用されてもよく、これらの成分としては、以下の成分カテゴリー中の成分、エラストマー、増量剤、エラストマー可塑剤(樹脂を含む)、エラストマー溶剤、可塑剤、脂肪、ろう、充填剤、酸化防止剤、甘味料(例えば、バルク甘味料、及び高甘味度甘味料)、シロップ/流体、香料、感覚剤、増強剤、酸、乳化剤、着色剤、並びに機能性成分が挙げられるが、これらに限定されない。
【0021】
完成したガムベース形態の不溶性ガムベースは、概して、以下のカテゴリー、エラストマー、エラストマー可塑剤(樹脂又は溶剤)、可塑剤、脂肪、油、ろう、軟化剤、及び充填剤に分類される成分を含む。各カテゴリー内の代表的な成分の更なる考察が以下に提供される。ガムベースは、完成したガムの5~95重量%、より典型的には完成したガムの10~50重量%、最も一般的には完成したガムの20~30重量%を構成してもよい。
【0022】
完成したガムの水溶性部分は、(完成したガムベースの製造後に添加されるように)本開示の完成したガムベースにおいて、後続成分(subsequent ingredient)と称され、以下のカテゴリー、軟化剤、バルク甘味料、高甘味度甘味料、香味剤、酸、追加の充填剤、機能性成分、及びこれらの組み合わせに分類される後続ガム成分を含んでもよい。軟化剤は、ガムの咀嚼性及び口当たりを最適化するためにガムに添加される。可塑剤、可塑化剤、又は乳化剤としても既知である軟化剤は、概して、完成したガムの約0.5~15重量%を構成する。バルク甘味料は、完成したガムの5~95重量%、より典型的には完成したガムの20~80重量%、最も一般的には完成したガムの30~60重量%を構成する。高甘味度甘味料も存在してもよく、一般的には無糖甘味料と共に使用される。使用される場合、高甘味度甘味料は、典型的には、完成したガムの0.001~5重量%、好ましくは完成したガムの0.01~3重量%を構成する。典型的には、高甘味度甘味料は、スクロースよりも少なくとも20倍甘い。
【0023】
香味料は、概して、完成したガムの約0.1~15重量%の範囲内、好ましくは完成したガムの約0.2~5重量%、最も好ましくは完成したガムの約0.5~3重量%の量で、ガム中に存在するべきである。天然及び人工香味剤が任意の感覚的に許容され得る様式で使用され、組み合わされてもよい。酸が含まれる場合、酸は、典型的には、完成したガムの約0.001~5重量%を構成する。着色料、機能性成分、及び追加の香味剤等の任意の成分もガム中に含まれてもよい。
【0024】
ここで図面を参照すると、ガム又は他の可食物の形成中、第1の構成要素は、例えば、ガム製造システム等において、1つ以上の他の成分と混合されて、完成したガム製品を形成することができる。第1の構成要素は、「有効成分」及び「カプセル化成分」の両方を含有する組成物を含み得、有効成分は、カプセル化成分によって包囲又はカプセル化されている。いくつかの実施形態では、有効成分は、(いくつかのタイプの混合に関連し得る熱及び剪断力などの)高エネルギー混合環境に対して比較的敏感であり得る。例えば、高甘味度甘味料(天然甘味料及び合成甘味料を含む)、食品酸味料、並びに種々の成分(食感改良剤、着色剤、塩類、口腔ケア成分、及び他の成分を含む)であるが、これらに限定されない、可食物で典型的に使用されるいずれの有効成分も、本開示の範囲内である。例えば、ポリマー又は樹脂であるが、これらに限定されない、可食物で典型的に使用されるいずれのカプセル化成分も、第1の構成要素の形成において想到される。カプセル化成分は、水不溶性であり得るが、そうである必要はない。
【0025】
例えば、有効成分には、甘味料及び食品酸味料が挙げられるが、これらに限定されない。使用される甘味料は、水溶性甘味料、水溶性人工甘味料、天然由来の水溶性甘味料から得られる水溶性甘味料、ジペプチド系甘味料、及びタンパク質系甘味料、並びにこれらの混合物を含む広い範囲の物質から選択することができる。特定の甘味料に限定されることなく、代表的なカテゴリー及び例としては、(a)水溶性甘味剤、例えば、ジヒドロカルコン、モネリン、ステビオシド、グリチルリチン、サッカリン塩、即ち、サッカリンナトリウム若しくはカルシウム塩、チクロ塩、アセスルファム塩、例えば、3,4-ジヒドロ-6-メチル-1,2,3-オキサチアジン-4-オン-2,2-ジオキシドのナトリウム、アンモニウム、若しくはカルシウム塩、3,4-ジヒドロ-6-メチル-1,2,3-オキサチアジン-4-オン-2,2-ジオキシドのカリウム塩(Acesulfame-K)、サッカリン及びモナチンの遊離酸形態、(b)ジペプチド系甘味料、例えば、L-アスパラギン酸由来甘味料、例えば、L-アスパルチル-L-フェニルアラニンメチルエステル(アスパルテーム)及びL-α-アスパルチル-N-(2,2,4,4-テトラメチル-3-チエタニル)-D-アラニンアミド水和物(アリテーム)、L-アスパルチル-L-フェニルグリセリン及びL-アスパルチル-L-2,5-ジヒドロフェニル-グリシンのメチルエステル、L-アスパルチル-2,5-ジヒドロ-L-フェニルアラニンのメチルエステル類;アスパルチル-L-(1-シクロヘキセン)-アラニン、ネオテーム、及びアドバンテーム;(c)Reb-Aなどの、普通の糖(ショ糖)の塩素化誘導体、例えば、スクラロースの品名で知られている、例えばクロロデオキシスクロース若しくはクロロデオキシガラクトスクロースの誘導体などのクロロデオキシ糖誘導体の天然由来の水溶性甘味料から得られる水溶性甘味料;(クロロデオキシスクロース及びクロロデオキシガラクトスクロース誘導体の例としては、1-クロロ-1’-デオキシスクロース;4-クロロ-4-デオキシ-α-D-ガラクトピラノシル-α-D-フルクトフラノシド、若しくは4-クロロ-4-デオキシガラクトスクロース;4-クロロ-4-デオキシ-α-D-ガラクトピラノシル-1-クロロ-l-デオキシ-β-D-フルクト-フラノシド、若しくは4,1’-ジクロロ-4,1’-ジデオキシガラクトスクロース;1’,6’-ジクロロ1’,6’-ジデオキシスクロース;4-クロロ-4-デオキシ-α-D-ガラクトピラノシル-1,6-ジクロロ-1,6-ジデオキシ-β-D-フルクトフラノシド、若しくは4,1’,6’-トリクロロ-4,1’,6’-トリデオキシガラクトスクロース;4,6-ジクロロ-4,6-ジデオキシ-α-D-ガラクトピラノシル-6-クロロ-6-デオキシ-β-D-フルクトフラノシド、若しくは4,6,6’-トリクロロ-4,6,6’-トリデオキシガラクトスクロース;6,1’,6’-トリクロロ-6,1’,6’-トリデオキシスクロース;4,6-ジクロロ-4,6-ジデオキシ-α-D-ガラクト-ピラノシル-1,6-ジクロロ-1,6-ジデオキシ-y-β-D-フルクトフラノシド、若しくは4,6,1’,6’-テトラクロロ4,6,1’,6’-テトラデオキシガラクト-スクロース、4,6,1’,6’-テトラデオキシ-スクロース、及びこれらの混合物、又は(d)サウマオカウス・ダニエリ(タウマチンI及びII)並びにタリン等の他のタンパク質系甘味料が挙げられるが、これらに限定されない。食品酸味料は、クエン酸、リンゴ酸、フマル酸、酒石酸、乳酸、及びアジピン酸を含んでもよい。
【0026】
有効成分のカプセル化により、水又は唾液との接触による溶解から有効成分を保護することができ、それにより、完成したガム製品中の有効成分の相対的な寿命を延ばすことができる。更に、有効成分のカプセル化は、製造プロセスの残りのプロセス中に有効成分を保護することにもつながり得る。カプセル化される可食品の構成要素は、温度、混合、押出、又は他の要因に対して敏感であり得るため、カプセル化により、生産中にこれらの敏感な構成要素の効率的な取り扱い及び保護が可能となる。上述の有効成分の保護は、有効成分(複数可)をカプセル化成分(複数可)と混合することによって達成される。実際には、本明細書で定義される少なくとも1つのカプセル化有効成分の組成物は、生産又は押出のためにこの直後に論じられるもの等のカプセル化成分(複数可)と混合される、上で論じられたもの等の有効成分(複数可)を含む。
【0027】
カプセル化材料/成分の例としては、ポリマー又は樹脂が挙げられ、ポリマー又は樹脂成分の特性は、カプセル化される有効成分の放出特性及び保護を制御する。いくつかの実施形態では、カプセル化材料は、ポリビニルアセテート、ポリエチレン、架橋ポリビニルピロリドン、ポリメチルメタクリレート、ポリ乳酸、ポリヒドロキシアルカノエート、エチルセルロース、ポリビニルアセテートフタレート、ポリエチレングリコールエステル、メタクリル酸-co-メチルメタクリレート、ポリビニルアセテート-ビニルアルコールコポリマー、又はポリマーマトリクス型のカプセル化に好適な任意の他の成分であってもよい。
【0028】
上で論じられるように、医薬品又はチューインガム等の可食物に使用されるある特定の成分又は構成要素をカプセル化することが望ましくあり得る。本明細書に記載されるかかる組成物は、ある特定の放出プロファイルにおいて保護及び放出される少なくとも1つの有効成分又は構成要素と、例えば、ポリマー又は樹脂などであるが、これらに限定されない、少なくとも1つの追加のカプセル化成分と、を含む。
【0029】
典型的には、有効成分(例えば、香味料、甘味料など)のカプセル化は、カプセル化有効成分を含む、ガム構造等の可食物の消費中の主要量の有効成分の放出の遅延をもたらす。第1の構成要素がガムの成分として使用されるとき等の、第1の構成要素のカプセル化材料からの有効成分の初期放出は、有効成分の一部分が消化されることを許容する。この初期放出は、一般的に、咀嚼すること、又は消化管における唾液若しくは溶媒を介してカプセル化成分を溶解することに起因して、カプセル化有効成分粒子を破裂させること等による放出トリガに応答して生じる。しかしながら、医薬用途において、例えば、胃酸等の化学触媒は、カプセル化材料を分解し、その中に含有される有効成分を曝露させるように構成されてもよい。
【0030】
一実施形態では、第1の構成要素は、カプセル化成分及び有効成分を押出機に供給することによって形成される。しかしながら、例えば、バッチ混合器等のカプセル化組成物を形成するのに好適な他のデバイスも、本開示の範囲内である。ここで
図1を参照すると、押出機20の例が図示されている。押出機20は、二軸スクリュ押出機であり、第1のスクリュ24a及び第2のスクリュ24bが内部に取り付けられている、実質的に中空のバレル22を含む。しかしながら、例えば、遊星ローラ押出機及び単軸スクリュ押出機などの他のタイプの押出機が、本発明の範囲内である。
【0031】
示されるように、第1及び第2のスクリュ24a、24bは各々、バレル22の入口又は供給端26から出口又は押出端28まで概ね延在し、それぞれ、長手方向中心軸A、Bを含む。
【0032】
次にスクリュ24a、24bをより詳細に参照すると、一実施形態では、それぞれのスクリュ24a、24bの直径は、これらの長さにわたって一定のままであり得る。しかしながら、押出機20の異なる部分は、異なる機能、例えば、混合及び溶融を行うように構成され得るため、各スクリュ24a、24bは、押出機20の長さにわたって異なる位置で異なる構成を有し得る。例えば、押出機20の供給端26付近に配置されたスクリュ24a、24bの第1の部分30は、第1の構成を有してもよく、スクリュ24a、24bの下流の中央部分32は、第2の構成を有してもよい。第1の部分30は、バレル22の対応する部分内で成分を混合するように構成されてもよく、中央部分32は、押出機バレル22の中央部分内で成分を主に溶融するように構成されてもよい。スクリュ24a、24bは、対応するか又は互いに噛み合う溝又はフライト34を含む。これらのフライト34は、スクリュ24a、24bのフライト34間を第1の成分が流れるために残存している空間35により、押出機20を通って流れる第1の成分の効率的な移動及び混合に役立つ。フライト34は、例えば、隣接するフライト間の距離又は隙間、フライト形状、及びフライト長さなどの変動を含むが、これらに限定されない任意の望ましい構成を有してもよい。
【0033】
各スクリュ24a、24bは、押出機の所望の動作を達成するように特定の構成で複数の要素が取り付けられたシャフトを含む。これらの要素は、供給要素、分配要素、ポンピング要素、及び分散要素から選択されてもよい。一実施形態では、押出機20内のスクリュ24a、24bのうちの少なくとも1つは、可食物の生産に一般に使用されるスクリュ24a、24bよりも激しいレベルの混合を提供するように構成された1つ以上の分散要素を含む。かかるスクリュの例は、
図2に図示されている。本明細書に記載される構成を有する少なくとも1つのスクリュの包含は、押出機20内の成分をより効率的に混合し、そのより均質な混合物をもたらす。
【0034】
再度
図1を参照すると、押出機20は、供給端26に隣接して位置する入口点、又はバレル22の供給端26から下流に位置する入口点などの、押出機20に入る成分のための少なくとも1つの入口点36を含む。これらの入口点36の各々の位置は、選択される用途、添加される成分、及び添加される成分の形態に応じて選択可能である。様々なタイプの供給口38を入口点36で使用して、押出機20の内部体積に成分を供給することができる。一実施形態では、供給口38は、重力駆動のホッパ/フィーダである。あるいは、供給口38は、成分を押出機20の側面に対して横方向に供給するように構成された側面供給口であってもよい。
【0035】
バレル22の押出端28の出口に配置された押出点40は、押出機20を通って流れる組成物が最終的に押し出されることとなる開口を含む。スクリュ24a、24bの下流端が押出機20の押出点40に近接して概ね位置することに留意されたい。実際には、スクリュ24a、24bの下流端は、これらの端が押出点40と同一平面になるように終端してもよい。当該技術分野で既知のように、押出点40は、バレル22の押出端28に取り付けられた押出機ダイ42に流体連結される。押出機ダイ42は、第1の構成要素を、例えば、ロープ又は連続矩形シートなどの1つ以上の望ましい形状に押し出すように構成されている。一実施形態では、溶融ポンプ又は歯車ポンプは、バレル22の押出端28と下流押出ダイ42との間に位置付けられ得る。かかる場合には、溶融ポンプは、押出点40を介して押出機20からカプセル化組成物の未形成の塊を受容し、カプセル化組成物を押出機ダイ42に提供し、ここで、それが所望の形状に押し出される。
【0036】
更に、押出機20は、押出機20内で混合され、かつ押出機20から押し出される第1の成分のための効率的な温度制御を含んでもよい。一実施形態では、押出機20は、バレル22の一部の周囲に円周方向に位置付けられる冷却ジャケット及び/又は加熱ジャケット46などであるが、これらに限定されない温度制御システム44を含む。本明細書に図示及び記載される押出機20は、一例として意図されており、例えば、遊星ローラ押出機などの他の既知の押出機20も本発明の範囲内である。
【0037】
少なくとも1つのモータ50が押出機20のスクリュ24に動作可能に連結され、スクリュ24のそれぞれの長手方向軸A、Bを中心にスクリュ24を回転させるように構成されている。スクリュ24は、共回転するように構成され得るか、又はあるいは、逆回転するように構成され得る。成分が押出機20内に入ると、スクリュ24a、24bの回転により、押出機20の押出端28に向かう成分の指向流が生じる。成分が押出機20の供給端26から離れて移動するにつれて、回転するスクリュ24a、24bは、回転するスクリュ24a、24bのフライト34間に画定された空間35を通る流れの動きにより、流れ中の成分を混合させる。成分が運搬及び混合されると、成分は第1の構成要素を形成する。第1の構成要素の押出物12は、押出機ダイ42に相補的な所望の形状で押出機20から排出される。
【0038】
カプセル化組成物の特性は、押出機20の動作中に、材料への比機械的エネルギー(SME)入力によって大部分が決定される。有効成分とカプセル化成分との間の相互作用、供給位置、スクリュ設計、及び他の動作変数がSMEパラメータ内で捕捉され、それ故に、それらを使用して、押出プロセス及び押出機20で形成されたカプセル化組成物の特性を管理することができる。一実施形態では、SMEは、例えば、約20℃等の従来の動作温度と比較して低減されたバレル温度で押出機20を動作させることによって増加する。しかしながら、SMEが押出機20の他の動作パラメータを改変することによって増加し得ることを理解されたい。カプセル化成分中での有効成分の分散を改善するために、ひいては溶解剤に曝露されたときの経時的なカプセル化有効成分の放出を減速させるために、材料への比機械的エネルギー入力は、従来の押出プロセスと比較して増加する。
【0039】
図3を参照すると、押出機20又は他のデバイスからの押出物出力は、可食物中の成分として添加される前に更に加工されてもよい。一実施形態では、冷却された後に、押出物は、押出物を所望の粒径の粒子を含む粉体に挽砕するように構成された粉砕機60又は他の類似のデバイスに提供される。粉砕機60内の押出物の滞留時間は、所望の粒径を達成するのに必要な任意の好適な時間であり得る。その後、挽砕された第1の構成要素は、粉砕機60から可食物製造システムの混合機(図示せず)に提供されてもよく、ここで、第1の構成要素が当該技術分野で既知の可食組成物の成分として使用される。
【0040】
カプセル化プロセス中、1つ以上の有効成分は、有効成分源から押出機20に提供され、1つ以上のカプセル化成分は、カプセル化成分源から押出機20に添加される。あるいは、有効成分及びカプセル化成分は、それぞれ、有効成分供給口38及びカプセル化成分供給口38で、共通の源から押出機20に入ることができる。一実施形態では、有効成分及びカプセル化成分が混合された後に、単一の入口38を介して押出機20に供給されてもよい。有効成分及びカプセル化成分は、押出機20の同じ入口点36又は異なる入口点36に配設されてもよく、それにより、有効成分とカプセル化成分との混合時間を変化させることができる。有効成分及びカプセル化成分は、粉体又はフレーク材料等であるが、これらに限定されない、ペレット又は原材料形態で添加されてもよい。
【0041】
一実施形態では、カプセル化成分が有効成分と混合された後に、カプセル化成分のいくらかの溶融が生じる。カプセル化成分の溶融は、カプセル化成分が粉体化形態から測定可能な粘度を有する流動可能な塊に変化するときに生じる。カプセル化及び有効成分は、例えば、溶融が生じる押出機20の一部分の上流に位置する第1のバレル等の押出機20の一部分内で混合され得るか、又はあるいは、押出機20に提供される前に一緒に混合され得る。加えて、カプセル化成分及び有効成分はいずれも、粒子等の類似の生成分形態を有して供給されてもよい。更に、第1の構成要素を形成するために使用されるカプセル化成分の粒子及び有効成分の粒子の粒径は、従来の可食物よりも近くてもよい。例えば、カプセル化成分の粒子の平均最長寸法の有効成分の粒子の平均最長寸法に対する比は、約20:1以下である。この低減されたサイズ比を達成するために、押出機20に提供されるカプセル化成分の粒子の粒径が減少してもよい。一実施形態では、カプセル化成分の粒子は、例えば、700ミクロン未満等の1000ミクロン未満の平均最長寸法を有する。有効成分の粒子は、同様に、1000ミクロン未満の平均最長寸法を有する。カプセル化成分の粒子の粒径のこの低減は、カプセル化成分を押出機20に提供する前に、カプセル化成分の粒子の粉砕、挽砕、又は別の好適な形態の破砕によって生じ得る。
【0042】
カプセル化材料のいずれの溶融を開始する前の、カプセル化成分の粒子の粒径の低減、並びにカプセル化成分と有効成分との混合は、カプセル化組成物のカプセル化効率を改善するという予想外の結果をもたらす。例えば、
図4に示されるように、例えばAce-K等の第1の有効成分を有する本明細書に記載されるカプセル化組成物は、当該有効成分の約30%以下が3分後に溶解するような放出プロファイルを有する。しかしながら、同じ組成を有するが、有効成分を溶融されたカプセル化成分に混合する従来の方法により形成されるカプセル化された第1の有効成分は、同じ時間後に50%超の放出プロファイルを有する。結果として、カプセル化材料を溶融する前にカプセル化及び有効成分を混合することによって形成されたカプセル化組成物が溶解剤に曝露された場合、最初の1分以内に生じる溶解の量は、従来の方法により形成された同一のカプセル化組成物から溶解された有効成分の量の半分未満である。カプセル化成分と有効成分との初期混合により、カプセル化成分の軟化前にカプセル化成分中での有効成分のより良好な分散がもたらされる。
【0043】
本明細書に列挙される出版物、特許出願、及び特許を含む全ての参考文献は、あたかも各参考文献が参照により組み込まれるものであると個別にかつ具体的に示され、その全体が本明細書に記載されたのと同程度まで、参照により本明細書に組み込まれる。
【0044】
用語「a」及び「an」及び「the」並びに同様の指示語の使用は、本発明を記載する文脈において(特に、以下の特許請求の範囲の文脈において)、本明細書に別途指示がない限り、又は文脈に明らかな矛盾がない限り、単数及び複数の両方を包含すると解釈されるものとする。用語「備える(comprising)」、「有する(having)」、「含む(including)」、及び「含有する(containing)」は、別途言及のない限り、オープンエンド
形式の用語として解釈される(即ち、「~を含むが、これらに限定されない」を意味する)ものとする。本明細書における値の範囲の列挙は、本明細書に別途指示がない限り、その範囲内にあるそれぞれ別個の値を個々に参照する省略表現法としての役割を果たすことを単に意図しており、それぞれ別個の値は、あたかもそれが本明細書で個々に列挙されたかのように本明細書に組み込まれる。本明細書に記載される全ての方法は、本明細書に別途指示がない限り、又は文脈に明らかな矛盾がない限り、任意の好適な順序で実行することができる。本明細書に提供されるありとあらゆる実施例、又は例示的な言語(例えば、「など」)の使用は、本発明をより明らかにすることを単に意図しており、特許請求の範囲に別途記載されていない限り、本発明の範囲を制限しない。本明細書中のいずれの用語も、本発明の実施に不可欠なものとして、特許請求の範囲に記載されていない任意の要素を示すものと解釈されるべきではない。
【0045】
本発明を実施するための本発明者らに既知の最良の方法を含む、本発明の例示的な実施形態が、本明細書に記載される。それらの実施形態の変形例は、上記の説明を読むことで当業者に明らかとなり得る。本発明者らは、当業者が必要に応じてかかる変形例を用いることを期待し、また本発明者らは、本明細書に具体的に記載されるのとは別の形で本発明が実施されることを意図する。したがって、本発明は、適用法によって許容されるように、本明細書に添付された特許請求の範囲に記述された主題の全ての修正物及び等価物を含む。更に、その全ての可能な変形例における上述の要素の任意の組み合わせは、本明細書に別途指示がない限り、又は文脈に明らかな矛盾がない限り、本発明によって包含される。