(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-28
(45)【発行日】2023-08-07
(54)【発明の名称】ウエハレベルのシーケンスフローセルの製造
(51)【国際特許分類】
H01L 21/02 20060101AFI20230731BHJP
B81C 3/00 20060101ALI20230731BHJP
C12Q 1/6837 20180101ALN20230731BHJP
C12Q 1/6876 20180101ALN20230731BHJP
C12M 1/00 20060101ALN20230731BHJP
【FI】
H01L21/02 B
B81C3/00
C12Q1/6837 Z
C12Q1/6876 Z
C12M1/00 A
(21)【出願番号】P 2020511303
(86)(22)【出願日】2018-09-11
(86)【国際出願番号】 US2018050437
(87)【国際公開番号】W WO2019060177
(87)【国際公開日】2019-03-28
【審査請求日】2021-09-03
(32)【優先日】2017-09-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2018-05-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】516122667
【氏名又は名称】深▲セン▼華大智造科技股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】MGI Tech Co.,LTD
【住所又は居所原語表記】Main Building and Second Floor of No.11 Building,Beishan Industrial Zone,Yantian District,Shenzhen,Guangdong 518083,China
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100131808
【氏名又は名称】柳橋 泰雄
(72)【発明者】
【氏名】シーフェン・リィ
(72)【発明者】
【氏名】ジアン・ゴン
(72)【発明者】
【氏名】ヤン-ユウ・リン
(72)【発明者】
【氏名】チェン・フランク・ジョン
【審査官】堀江 義隆
(56)【参考文献】
【文献】特表2017-504789(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0272719(US,A1)
【文献】国際公開第2017/075344(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/02
B81C 3/00
C12Q 1/6837
C12Q 1/6876
C12M 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
誘電体層で覆われた半導体ウエハを提供するステップと、
前記誘電体層上にパターン層を形成するステップであって、前記パターン層は、第1の表面領域と第2の表面領域を
交互に含む差異のある表面領域を有
し、前記第1の表面領域は、親水性表面であり、前記第2の表面領域は、疎水性表面である、パターン層を形成するステップと、
半導体ウエハにカバーウエハを取り付けて、複数のシーケンスフローセルを含む複合ウエハ構造を形成するステップであって、
それぞれの前記シーケンスフローセルは、
前記パターン層と前記カバーウエハの間のフローチャネルと、
前記パターン層に1またはそれ以上の前記第1の表面領域と、
前記パターン層に1またはそれ以上の前記第2の表面領域と、
前記フローチャネルに連結された注入口及び排出口と、を備える、複合ウエハ構造を形成するステップと、
前記半導体ウエハに前記カバーウエハを取り付けて、複数の前記シーケンスフローセルを含む複合ウエハ構造を形成するステップの後、形成された前記複合ウエハ構造を分離して、複数のダイを形成するステップであって、それぞれの前記ダイは、前記シーケンスフローセルを含む、ダイを形成するステップと、を備えるシーケンスフローセルを形成する方法。
【請求項2】
さらに、前記カバーウエハを取り付けるステップの前に、前記半導体ウエハに複数のスルーホールを形成するステップであって、前記複数のスルーホールは、前記フローセルの注入口及び排出口として構成される、スルーホールを形成するステップと、を備える請求項1に記載の方法。
【請求項3】
さらに、前記半導体ウエハに前記カバーウエハを取り付けるステップの前に、前記カバーウエハに注入口と排出口を形成するステップとを備える、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記半導体ウエハは、さらに前記誘電体層の下に横たわるCMOS層を備える、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記パターン層を形成するステップは、
前記半導体ウエハに前記誘電体層の上に横たわる金属酸化物層を形成するステップと、
複数の金属酸化物領域に前記金属酸化物層をパターニングするステップと備え、
前記金属酸化物領域は、核酸高分子を受け入れるように構成される、請求項1乃至
3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記パターン層を形成するステップは、
金属酸化物層を形成するステップと、
前記金属酸化物層の上に横たわる酸化ケイ素層を形成するステップと、
前記酸化ケイ素層をパターニングするステップと、を備え、
前記酸化ケイ素層によって覆われない前記金属酸化物層の領域は、核酸高分子を受け入れるように構成される、請求項1乃至
3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
さらに、前記半導体ウエハに前記カバーウエハを取り付けるステップの前に、前記半導体ウエハ上に支持構造を形成するステップを備える、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
さらに、前記支持構造に前記カバーウエハを接合するステップを備える、請求項
7に記載の方法。
【請求項9】
前記カバーウエハは、ガラスウエハを備える、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
さらに前記シーケンスフローセルを機能的にするステップを備え、
前記シーケンスフローセルを機能的にするステップは、前記注入口及び排出口を通って供給された材料に前記フローチャネルをさらすステップを備える、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記複合ウエハ構造を分離するステップは、ウエハ切断プロセスを用いて、個々のダイに前記複合ウエハ構造を分離するステップを備える、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
相補的金属酸化物半導体(CMOS)層上に横たわる誘電体層を有する半導体ウエハを提供するステップであって、
前記CMOS層は、
光検出層であって、前記光検出層は複数の光ダイオードを含む、光検出層と、
検出信号を処理するための前記光検出層と連結される電子回路層と、を含む半導体ウエハを提供するステップと、
前記誘電体層上にパターン層を形成するステップであって、前記パターン層は、金属酸化物領域と酸化ケイ素領域を有する、パターン層を形成するステップと、
前記半導体ウエハにガラスウエハを取り付け、複合ウエハ構造を形成するステップであって、前記ガラスウエハは、複数の孔を含み、前記複合ウエハ構造は、複数のシーケンスフローセルを含み、
それぞれの前記シーケンスフローセルは、
前記シーケンスフローセルの注入口と排出口として構成される孔を有するガラス層と、
複数の金属酸化物領域及び酸化ケイ素領域と、
前記ガラス層と、前記複数の金属酸化物領域及び酸化ケイ素領域との間のフローチャネルと、を含む、複合ウエハ構造を形成するステップと、
複合ウエハ構造を分離して複数のダイを形成するステップであって、それぞれの前記ダイは、前記シーケンスフローセルを含む、ことを備えるシーケンスフローセルを形成する方法。
【請求項13】
前記パターン層を形成するステップは、
前記半導体ウエハ上の前記誘電体層の上に横たわる金属酸化物層を形成するステップと、
複数の金属酸化物領域に前記金属酸化物層をパターニングするステップと、を備え、
前記金属酸化物領域は、核酸高分子を受け入れるように構成される、請求項
12に記載の方法。
【請求項14】
前記パターン層を形成するステップは、
金属酸化物層を形成するステップと、
前記金属酸化物層の上に横たわる酸化ケイ素層を形成するステップと、
前記酸化ケイ素層をパターニングするステップと、を備え、
前記酸化ケイ素層によって覆われていない金属酸化物層の領域は、核酸高分子を受け入れるように構成される、請求項
12に記載の方法。
【請求項15】
さらに前記半導体ウエハに前記ガラスウエハを接合するステップを備える、請求項
12乃至
14のいずれか1項に記載の方法。
【請求項16】
さらに、前記シーケンスフローセルを機能的にするステップを備え、
前記シーケンスフローセルを機能的にするステップは、前記注入口と排出口を通って供給される材料に前記シーケンスフローセルをさらすステップを備える、請求項
12乃至
14のいずれか1項に記載の方法。
【請求項17】
誘電体層で覆われる半導体ウエハを提供するステップと、
前記誘電体層上にパターン層を形成するステップであって、前記パターン層は、金属酸化物領域と酸化物領域を有する、パターン層を形成するステップと、
前記半導体ウエハを通る複数のスルーホールを形成するステップと、
半導体ウエハにガラスウエハを取り付け複数のシーケンスフローセルを含む複合ウエハ構造を形成するステップであって、
それぞれの前記シーケンスフローセルは、
ガラス層と、
複数の金属酸化物領域及び酸化物領域と、
前記ガラス層と、前記複数の金属酸化物領域及び酸化物領域の間のフローチャネルと、を含み、
前記半導体ウエハの前記スルーホールは、前記シーケンスフローセルの注入口及び排出口として構成される、複合ウエハ構造を形成するステップと、
前記複合ウエハ構造を分離して複数のダイを形成するステップであって、それぞれの前記ダイは、前記シーケンスフローセルを含む、複数のダイを形成するステップと、を備えるシーケンスフローセルを形成する方法。
【請求項18】
前記パターン層を形成するステップは、
前記半導体ウエハ上の前記誘電体層の上に横たわる金属酸化物層を形成するステップと、
複数の金属酸化物領域に前記金属酸化物層をパターニングするステップと、を備え、
前記金属酸化物領域は、核酸高分子を受け入れるように構成される、請求項
17に記載の方法。
【請求項19】
前記パターン層を形成するステップは、
前記半導体ウエハ上の前記誘電体層の上に横たわる金属酸化物層を形成するステップと、
前記金属酸化物層の上に横たわる酸化ケイ素層を形成するステップと、
前記酸化ケイ素層をパターニングするステップと、を備え、
前記金属酸化物層の領域は、前記酸化ケイ素層によって覆われない、請求項
17に記載の方法。
【請求項20】
さらに前記半導体ウエハに前記ガラスウエハを接合するステップを備える、請求項17に記載の方法。
【請求項21】
さらに、前記シーケンスフローセルを機能的にするステップを備え、
前記シーケンスフローセルを機能的にするステップは、前記注入口及び排出口を通って供給される材料に前記シーケンスフローセルをさらして、親水性表面領域と疎水性表面領域を形成するステップを備える、請求項
17乃至
19のいずれか1項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、「ウエハレベルのシーケンスフローセルの製造」と題した、2017年9月19日に提出された、米国仮特許出願62/560,585と、「ウエハレベルのシーケンスフローセルの製造」と題した、2018年5月10日に提出された、米国仮特許出願62/669,890の優先権を主張し、全ての目的のために本明細書にその全てを割り当て、援用する。
【0002】
本発明は、生体または化学分析用バイオセンサ、特にウエハレベルにおいてパッケージすることを含む、シーケンスフローセルを形成する方法に関する。
【背景技術】
【0003】
高スループットの化学種及び/または生物種の分析は、診断及び治療の分野で重要なツールである。取り付けられた化学種及び/または生物種のアレイは、特定の標的配列を定義し、遺伝子発現パターンを分析し、特定の対立遺伝子変異を識別し、DNA配列の複製数を決定し、ゲノム全体に基づいて、タンパク質(例えば、転写因子及び他の調節分子)の結合部位を識別するように設計されることができる。特定の実施例において、ヒトゲノムプロジェクトの到来は、例えばDNA(デオキシリボ核酸)及びRNA(リボ核酸)などの、核酸をシーケンスする改良された方法が開発されることを必要とした。単一のヒトゲノムの全3,000,000,000の塩基配列の決定は、多数の病気の遺伝的根拠を識別する基礎を提供した。
【0004】
例えば超並列DNAシーケンスなどの高スループットの分析は、しばしば分析のために入手可能な化学種及び/または生物種のアレイを含む、フローセルを利用する。生物分析のための全システムの一部として用いられる分析フローセルは、様々な形態で、分析基板が提供されるキャリアを含み、フローセルのキャリア部品が、従来技術においてシステムが分析基板自身によって実行される機能性を提供するように設計されるので、分析基板の実質的な部分は、生物分析のために用いられることができる。フローセルは、自動システムで用いられてもよく、撮像において一般に平坦であることができる。フローセルの部品の様々な形態は、蒸発を最小化し、また流体吸入及び排出の正確な制御ができる。
【0005】
多くの現在のフローセル設計の製造及び使用は、コストが高く、フローセル設計は、しばしば機能化された表面領域の利用が非効率的で、フローセルを用いて得られるデータの量を減らす。
【発明の概要】
【0006】
本発明の実施形態は、DNAシーケンス用途のためのナノアレイフローセルのウエハレベルのチップパッケージの方法を提供する。ウエハレベルパッケージは、実質的にフローセル製造のコストを減らすことができる。いくつかの実施形態において、硬い差異のある表面は、ウエハに形成され、DNBロード用に選択的に機能的にされることができる。本明細書で記載された実施形態において形成される硬い表面は、全く束縛を複雑にすることなく、標準の半導体ウエハレベルの製造と、パッケージプロセスに耐えることができ、製造とチップパッケージの収率を改善できる。
【0007】
いくつかの実施形態によると、シーケンスフローセルを形成する方法は、誘電体層で覆われた半導体ウエハを提供するステップと、誘電体層上にパターン層を形成するステップを含むことができる。パターン層は、第1の表面領域と第2の表面領域を交互に含む差異のある表面領域を有する。本発明の方法は、半導体ウエハにカバーウエハを取り付けて、複数のフローセルを含む複合ウエハ構造を形成することもできる。複合ウエハ構造は、その後複数のダイを形成するために分離されることができる。それぞれのダイは、シーケンスフローセルを形成する。シーケンスフローセルは、パターン層と前記カバーウエハの間のフローチャネルと、注入口及び排出口と、を備える。シーケンスフローセルは、パターン層の1またはそれ以上の第1の表面領域とパターン層の1またはそれ以上の第2の表面領域を含むことができる。さらに本発明の方法は、差異のある表面を作り出すために、シーケンスフローセルを機能的にするステップを含むことができる。
【0008】
上記方法のいくつかの実施形態において、第1の表面領域は、親水性表面であり、第2の表面領域は、疎水性表面である。いくつかの実施形態において、第1の表面領域は疎水性表面であり、第2の表面領域は、親水性表面である。いくつかの実施形態において、シーケンスフローセルにおいて、第1の表面領域または第2の表面領域は、シーケンスのための核酸高分子を受け入れるように構成された親水性表面である。
【0009】
いくつかの実施形態において、本発明の方法は、またカバーウエハを取り付けるステップの前に、半導体ウエハに複数のスルーホールを形成するステップであって、複数のスルーホールは、フローセルのための注入口及び排出口として構成される、スルーホールを形成するステップを含む。
【0010】
いくつかの実施形態において、本発明の方法は、また半導体ウエハにカバーウエハを取り付けるステップの前に、カバーウエハに注入口及び排出口を形成するステップを備えることを含むことができる。
【0011】
いくつかの実施形態において、半導体ウエハは、また誘電体層の下に横たわるCMOS層を含むことができる。
【0012】
いくつかの実施形態において、パターン層を形成するステップは、半導体ウエハ上の誘電体層の上に横たわる金属酸化物層を形成するステップと、複数の金属酸化物領域に金属酸化物層をパターニングするステップと、を含むことができる。金属酸化物領域は、核酸高分子を受け入れるように構成される。
【0013】
いくつかの実施形態において、パターン層を形成するステップは、金属酸化物層を形成するステップと、金属酸化物層の上に横たわる酸化ケイ素層を形成するステップと、酸化ケイ素層をパターニングするステップと、を含むことができる。酸化ケイ素層によって覆われない金属酸化物層の領域は、核酸高分子を受け入れるように構成される。
【0014】
いくつかの実施形態において、本発明の方法は、また半導体ウエハにカバーウエハを取り付けるステップの前に、半導体ウエハ上に支持構造を形成するステップを含むことができる。
【0015】
いくつかの実施形態において、本発明の方法は、また支持構造にカバーウエハを接合するステップを含む。
【0016】
いくつかの実施形態において、カバーウエハは、ガラスウエハを含むことができる。
【0017】
いくつかの実施形態において、本発明の方法は、またシーケンスフローセルを機能的にするステップを含み、シーケンスフローセルを機能的にするステップは、注入口及び排出口を通って供給される材料にフローチャネルをさらすステップを含む。
【0018】
いくつかの実施形態において、複合ウエハ構造を分離するステップは、ウエハ切断プロセスを用いて個々のダイに複合ウエハ構造を分離するステップを含む。
【0019】
いくつかの実施形態によると、シーケンスフローセルを形成する方法は、相補的金属酸化物半導体(CMOS)層上に横たわる誘電体層を有する半導体ウエハを提供するステップを含むことができる。CMOS層は、複数のフォトダイオードを含む光検出層と、検出信号を処理するための光検出層と連結される電子回路層と、を含むことができる。本発明の方法は、誘電体層上にパターン層を形成するステップであって、パターン層は、交互に金属酸化物領域と酸化ケイ素領域を有する、パターン層を形成するステップを含むことができる。本発明の方法は、半導体ウエハにガラスウエハを取り付け、複合ウエハ構造を形成するステップを含むことができる。ガラスウエハは、複数の孔を含むことができる。複合ウエハ構造は、複数のシーケンスフローセルを含む。それぞれのシーケンスフローセルは、シーケンスフローセルの注入口と排出口として構成される孔を有するガラス層を含むことができる。それぞれのシーケンスフローセルは、複数の金属酸化物領域及び酸化ケイ素領域と、ガラス層と、複数の金属酸化物領域及び酸化ケイ素領域との間のフローチャネルと、を含むことができる。複合ウエハ構造は、分離して複数のダイを形成し、それぞれのダイは、シーケンスフローセルを含むことができる。
【0020】
上記方法のいくつかの実施形態において、パターン層を形成するステップは、半導体ウエハ上の誘電体層の上に横たわる金属酸化物層を形成するステップと、複数の金属酸化物領域に金属酸化物層をパターニングするステップと、を含むことができる。金属酸化物領域は、核酸高分子を受け入れるように構成される。
【0021】
いくつかの実施形態において、パターン層を形成するステップは、金属酸化物層を形成するステップと、金属酸化物層の上に横たわる酸化ケイ素層を形成するステップと、酸化ケイ素層をパターニングするステップと、を含むことができる。酸化ケイ素層によって覆われていない金属酸化物層の領域は、核酸高分子を受け入れるように構成される。
【0022】
いくつかの実施形態において、本発明の方法は、半導体ウエハにガラスウエハを接合するステップを含むことができる。この接合ステップは、本明細書に記載される方法のステップの様々な組み合わせで用いられることができる。
【0023】
いくつかの実施形態において、本発明の方法は、また前記シーケンスフローセルを機能的にするステップを備え、シーケンスフローセルを機能的にするステップは、注入口と排出口を通って供給される材料にシーケンスフローセルをさらすステップを含むことができる。この機能的にするステップは、上記ステップの様々な組み合わせが用いられることができる。
【0024】
いくつかの実施形態によると、シーケンスフローセルを形成する方法は、誘電体層で覆われる半導体ウエハを提供するステップと、誘電体層上にパターン層を形成するステップを含むことができる。パターン層は、交互に金属酸化物領域と酸化物領域を有することができる。本発明の方法は、また半導体ウエハを通る複数のスルーホールを形成するステップと、半導体ウエハにガラスウエハを取り付け、複合ウエハ構造を形成するステップを含むこともできる。複合ウエハ構造は、その後、複数のダイを形成するために分離され、それぞれのダイは、シーケンスフローセルを形成する。本発明の方法は、またシーケンスフローセルを機能的にするステップを含むことができる。それぞれのシーケンスフローセルは、ガラス層と、複数の金属酸化物領域及び酸化物領域と、ガラス層と、複数の金属酸化物領域及び酸化物領域の間のフローチャネルと、を含むことができる。金属酸化物領域は、核酸高分子を受け入れるように構成され、半導体ウエハのスルーホールは、シーケンスフローセルの注入口及び排出口として構成される。
【0025】
上記方法のいくつかの実施形態において、パターン層を形成するステップは、半導体ウエハ上の誘電体層の上に横たわる金属酸化物層を形成するステップと、複数の金属酸化物領域に金属酸化物層をパターニングするステップと、を含むことができる。金属酸化物領域は、核酸高分子を受け入れるように構成される。
【0026】
いくつかの実施形態において、パターン層を形成するステップは、半導体ウエハ上の誘電体層の上に横たわる金属酸化物層を形成するステップと、金属酸化物層の上に横たわる酸化ケイ素層を形成するステップと、酸化ケイ素層をパターニングするステップと、を含むことができる。酸化ケイ素層によって覆われない金属酸化物層の領域は、核酸高分子を受け入れるように構成される。
【0027】
いくつかの実施形態において、本発明の方法は、また半導体ウエハにガラスウエハを接合するステップを含むことができる。
【0028】
いくつかの実施形態において、本発明の方法は、シーケンスフローセルを機能的にするステップを含み、シーケンスフローセルを機能的にするステップは、注入口及び排出口を通って供給される材料にシーケンスフローセルをさらして、親水性表面領域と疎水性表面領域を形成するステップを含むことができる。この機能的にするステップは、上記ステップの様々な組み合わせが用いられることができる。
【0029】
いくつかの実施形態によると、差異のある表面を有する装置構造を形成する方法は、基板を提供するステップと、基板上に第1の薄膜領域と第2の薄膜領域を交互に有する表面層を形成するステップと、を含む。本発明の方法は、第1の材料に表面層をさらすことによって、第1の薄膜領域上に選択的に第1のカバー層を形成するステップを含む。本発明の方法は、また第2の材料に表面層をさらすことによって、第2の薄膜領域上で第1の薄膜領域上でない領域に選択的に第2のカバー層を形成するステップを含む。本発明の方法は、さらに第1のカバー層と第2のカバー層の疎水性を調整するために第1の材料と第2の材料を選択するステップを含む。
【0030】
上記方法のいくつかの実施形態において、第1の薄膜領域は、金属または金属酸化物材料を備え、金属酸化物材料は、陽極酸化アルミニウム(Al2O3)、酸化タンタル(Ta2O5)、酸化ニオブ(Nb2O5)、酸化ジルコニウム(ZrO2)、及び酸化チタン(TiO2)の1またはそれ以上を含む。
【0031】
いくつかの実施形態において、第1の材料は、ホスホン酸またはリン酸塩を含むことができる。
【0032】
いくつかの実施形態において、第2の薄膜領域は、酸化ケイ素を備える。
【0033】
いくつかの実施形態において、第2の材料は、シランを含むことができる。
【0034】
いくつかの実施形態において、第1の薄膜領域上に第1のカバー層を形成するステップは、第1の材料を表面層にさらした後、アニールプロセスを含むことができる。
【0035】
いくつかの実施形態において、アニールプロセスは、70℃から90℃の不活性雰囲気で、5分から15分なされることができる。
【0036】
いくつかの実施形態において、第1のカバー層は、親水性であり、第2のカバー層は、疎水性である。
【0037】
いくつかの実施形態において、第1のカバー層は、正電荷を有し、第2のカバー層は、負電荷を有する。
【0038】
いくつかの実施形態において、表面層を形成するステップは、酸化ケイ素層を形成するステップと、酸化ケイ素層の上に横たわる金属酸化物層を形成するステップと、金属酸化物層をパターニングして、金属酸化物層の一部を取り除き、複数の金属酸化物領域を形成し、複数の酸化ケイ素領域をさらすステップと、を含むことができる。第1の薄膜領域は、複数の金属酸化物領域を含み、第2の薄膜領域は、複数の酸化ケイ素領域を含む。
【0039】
いくつかの実施形態において、表面層を形成するステップは、金属酸化物層を形成するステップと、金属酸化物層の上に横たわる酸化ケイ素層を形成するステップと、酸化ケイ素層をパターニングして、酸化ケイ素層の一部を取り除き、複数の酸化ケイ素領域を形成し、複数の金属酸化物領域をさらすステップと、を含むことができる。第1の薄膜領域は、複数の金属酸化物領域を含み、第2の薄膜領域は、複数の酸化ケイ素領域を含む。
【0040】
いくつかの実施形態において、第1のカバー層を形成するステップは、ポリビニルホスホン酸(PVPA)に金属酸化物領域をさらして親水性カバー層を形成するステップを含むことができる。
【0041】
いくつかの実施形態において、第1のカバー層を形成するステップは、SAM(自己組織化単分子膜)の12-ヒドロキシドデシルリン酸塩(OH-DDPO4)に金属酸化物領域をさらし、親水性カバー層を形成するステップを含むことができる。
【0042】
いくつかの実施形態において、第1のカバー層を形成するステップは、ヒドロキシドデシルリン酸塩のアンモニウム塩に金属酸化物領域をさらし、疎水性カバー層を形成するステップを含むことができる。
【0043】
いくつかの実施形態において、第1のカバー層を形成するステップは、12-ヒドロキシドデシルリン酸塩(OH-DDPO4)とヒドロキシドデシルリン酸塩の混合物に金属酸化物領域をさらし、調整可能な疎水性の第1のカバー層を形成するステップを含むことができる。
【0044】
いくつかの実施形態において、第2のカバー層を形成するステップは、疎水性シランに酸化ケイ素領域をさらし、疎水性カバー層を形成するステップを含むことができる。
【0045】
いくつかの実施形態において、疎水性シランは、フッ素化アルキルシランまたはジアルキルシランを含むことができる。
【0046】
いくつかの実施形態において、第2のカバー層を形成するステップは、親水性シランに酸化ケイ素領域をさらし、親水性カバー層を形成するステップを含むことができる。
【0047】
いくつかの実施形態において、親水性シランは、ヒドロキシアルキル末端シランを含むことができる。
【0048】
いくつかの実施形態において、基板は、むき出しの半導体基板を含むことができる。
【0049】
いくつかの実施形態において、基板は、CMOS回路と裏面照射(BSI)センサを含む、半導体基板を含むことができる。
【0050】
いくつかの実施形態において、基板は、ガラス材料を含むことができる。
【0051】
いくつかの実施形態によると、差異のある表面を有する装置構造は、基板と基板に第1の薄膜領域と第2の薄膜領域を交互に有する表面層を含む。装置は、第1の薄膜領域に選択的に形成された第1のカバー層と第2の薄膜領域上で、第1の薄膜領域上でない領域に選択的に形成された第2のカバー層を含む。第1のカバー層と第2のカバー層は、異なる疎水性を有するように構成される。
【0052】
他の特徴及び実施形態と共に、前述のものは、次の明細書、請求項、添付された図面を参照してさらに明白になるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【
図1】本発明の実施形態によるシーケンスフローセルの製造の中間の段階における半導体ウエハ100の断面図である。
【
図2】本発明のいくつかの実施形態による
図1のウエハ構造100上にパターニングする異なる表面を有するウエハ構造200の断面図である。
【
図3】本発明のいくつかの実施形態による
図2のウエハ構造200上に配置されたカバー構造を有するウエハ構造300を描く断面図である。
【
図4A】本発明のいくつかの実施形態による
図3のウエハ構造300上に裏面パッケージを備えるウエハ構造400を描く断面図である。
【
図4B】本発明のいくつかの実施形態による
図4Aのカバーウエハの上面図である。
【
図5】本発明の実施形態によるシーケンスフローセルの製造の中間段階におけるウエハ分離プロセス後の複数の個々のフローセルダイ500の断面図である。
【
図6】機能的にするプロセスが、本発明の実施形態によるシーケンスフローセルの製造の中間段階において
図5のフローセルダイ500に適用された後、複数の個々のフローセルダイ600の断面図である。
【
図7】本発明の実施形態による
図6のシーケンスフローセル600のサンプルロードプロセス後の複数の個々のフローセルダイ700を描く断面図である。
【
図8】本発明のいくつかの実施形態による
図1のウエハ構造100上でパターニングする差異のある表面を有するウエハ構造800の断面図である。
【
図9】本発明のいくつかの実施形態による
図8のウエハ構造800上に配置されたカバー構造を有するウエハ構造900を描く断面図である。
【
図10】本発明のいくつかの実施形態による
図9のウエハ構造900上に裏面パッケージを備えるウエハ構造1000を描く断面図である。
【
図11】本発明の実施形態によるシーケンスフローセルの製造の中間段階においてウエハ分離プロセス後の複数の個々のフローセルダイ1100の断面図であり、
図10に描かれる分離プロセスは、
図5と関連して上記されたプロセスと同様である。
【
図12】機能的にするプロセスが本発明の実施形態によるシーケンスフローセルの製造の中間段階において
図11のフローセルダイ1100に適用された後の複数の個々のフローセルダイ1200の断面図である。
【
図13】本発明の実施形態による
図12のシーケンスフローセル1200のサンプルロードプロセス後の複数の個々のフローセルダイ700を描く断面図であり、
図13で描かれるサンプルロードプロセスは、
図7と関連して上記されたプロセスと同様である。
【
図14】本発明のいくつかの実施形態によるむき出しのウエハ301上でパターニングする差異のある表面を有するウエハ構造1400の断面図である。
【
図15】本発明のいくつかの実施形態による
図14のウエハ構造1400で形成されるスルーホールを有するウエハ構造1500を描く断面図である。
【
図16】本発明のいくつかの実施形態による
図15のウエハ構造1500上に配置されたカバー構造を有するウエハ構造1600を描く断面図である。
【
図17】本発明の実施形態によるシーケンスフローセルの製造の中間段階においてウエハ分離プロセス後の複数の個々のフローセルダイ1700の断面図である。
【
図18】機能的にするプロセスが、本発明の実施形態による
図17のフローセルダイ1700に適用された後の複数の個々のフローセルダイ1800の断面図であり、
図18に描かれる機能的にするプロセスは、
図6に関連して上記されたプロセスと同様である。
【
図19】本発明の実施形態による
図18のシーケンスフローセル1800のサンプルロードプロセス後の複数の個々のフローセルダイ1900を描く断面図である。
【
図20】本発明のいくつかの実施形態によるむき出しのウエハ上でパターニングする差異のある表面を有するウエハ構造2000の断面図である。
【
図21】本発明のいくつかの実施形態による
図20のウエハ構造2000に形成されるスルーホールを有するウエハ構造2100を描く断面図である。
【
図22】本発明のいくつかの実施形態による
図21のウエハ構造2100上に配置されたカバー構造を有するウエハ構造2200を描く断面図である。
【
図23】本発明の実施形態によるシーケンスフローセルの製造の中間段階においてウエハ分離プロセス後の複数の個々のフローセルダイ2300の断面図である。
【
図24】機能的にするプロセスが、本発明の実施形態による
図23のフローセルダイ2300に適用された後の複数の個々のフローセルダイ2400の断面図である。
【
図25】本発明の実施形態による
図2のシーケンスフローセル2400のサンプルロードプロセス後の複数の個々のフローセルダイ2500を描く断面図である。
【
図26】いくつかの実施形態による差異のある表面領域を有する装置構造2600の断面図である。
【
図27B】第1の薄膜層上に形成された第2の薄膜層を示す。
【
図27C】第2の薄膜層上に形成されたパターンマスク層を示す。
【
図27D】薄膜領域を交互に有する装置構造の断面図を示す。
【
図27E】第1の薄膜領域上に選択的に形成された第1のカバー層を示す。
【
図27F】差異のある表面領域を有する層構造を形成するために第2の薄膜領域の上面上に選択的に形成された第2のカバー層を示す。
【
図28A】第1の薄膜層及び第2の薄膜層の表面領域を交互に有する装置構造の断面図を示す。
【
図28B】第1の薄膜領域上に選択的に形成された第1のカバー層を示す。
【
図28C】差異のある表面領域を有する装置構造を形成するために第2の薄膜領域の上面上に選択的に形成された第2のカバー層を示す。
【
図29】いくつかの実施形態による裏面照射CMOSイメージセンサの断面図である。
【
図30】いくつかの実施形態による第1のパッシベーション層を備える裏面照射CMOSイメージセンサの断面図である。
【
図31】いくつかの実施形態による第1の金属層を備える裏面照射CMOSイメージセンサの断面図である。
【
図32】いくつかの実施形態によるエッチングされた第1の金属層を備える裏面照射CMOSイメージセンサの断面図である。
【
図33】いくつかの実施形態による誘電体層を備える裏面照射CMOSイメージセンサの断面図である。
【
図34】いくつかの実施形態によるカラーフィルタ層を備える裏面照射CMOSイメージセンサの断面図である。
【
図35】いくつかの実施形態による平坦化カラーフィルタ層を備える裏面照射CMOSイメージセンサの断面図である。
【
図36A】いくつかの実施形態による第2のパッシベーション層、第1の材料層、及び第2の金属層を備える裏面照射CMOSイメージセンサの断面図である。
【
図36B】いくつかの実施形態による第2のパッシベーション層及び第2の金属層を備える裏面照射CMOSイメージセンサの断面図である。
【
図37】いくつかの実施形態による裏面照射CMOSイメージセンサを用いるバイオセンサの断面図である。
【
図38】いくつかの実施形態による裏面照射CMOSイメージセンサとマイクロレンズを用いるバイオセンサの断面図である。
【
図39】いくつかの実施形態による、裏面照射CMOSイメージセンサ、マイクロレンズ及び第3の金属層を用いるバイオセンサの断面図である。
【
図40】いくつかの実施形態による裏面照射CMOSイメージセンサ、マイクロレンズ、第3の金属層、及び平坦化層を用いるバイオセンサの断面図である。
【
図41】いくつかの実施形態による、裏面照射CMOSイメージセンサを用いるバイオセンサの断面図である。
【
図42A】いくつかの実施形態による、バイオセンサで用いられる2チャンネルカラーフィルタの上面図である。
【
図42B】いくつかの実施形態による、バイオセンサで用いられる4チャンネルカラーフィルタの上面図である。
【
図43A-43C】いくつかの実施形態による、複数ステップシーケンスの様々な段階において、BSI CMOSチップのアレイの多数のスポットにおいてDNBからの信号を示す写真画像である。
【
図44】いくつかの実施形態によるマスクが取り除かれた裏面照射CMOSイメージセンサの断面図である。
【
図45】いくつかの実施形態による、差異のある表面によって選択的に塗布された第1のコーティングを備える裏面照射CMOSイメージセンサの断面図である。
【
図46】いくつかの実施形態による、差異のある表面によって選択的に塗布された第2のコーティングを備える裏面照射CMOSイメージセンサの断面図である。
【
図47】いくつかの実施形態による、高分子を備えた裏面照射CMOSイメージセンサを用いるバイオセンサの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0054】
図2-7は、本発明の実施形態によるシーケンスフローセルのウエハスケールパッケージの様々な段階を描く断面図であり、
図2-7に記載されたプロセスは、
図1に記載されたウエハ100で実行される。
【0055】
図8-13は、本発明の別の実施形態によるシーケンスフローセルのウエハスケールパッケージの様々な段階を描く断面図である。
図8-13に記載されたプロセスは、
図1に記載されたウエハ100上で実行されることができる。
【0056】
図14-19は、本発明の別の実施形態によるシーケンスフローセルのウエハスケールパッケージの様々な段階を描く断面図である。
図14-19に記載されるプロセスは、すでにCMOS回路が組み込まれた
図1に記載されたウエハ100で実行される
図2-7のプロセスと同様である。別の実施形態において、
図14-19に描かれるプロセスは、以下に記載されるように組み込まれた回路のないむき出しのシリコンウエハまたは他の半導体ウエハ上で実行されることができる。
【0057】
図20-25は、本発明の別の実施形態によるシーケンスフローセルのウエハスケールパッケージの様々な段階を描く断面図である。
図20-25に描かれるプロセスは、むき出しのウエハ上で実行される、
図14-19に関連して上記されるプロセスと同様である。
【0058】
図27A-27Fは、いくつかの実施形態による差異のある表面領域を有する
図26の装置構造を形成する方法を描く断面図である。
【0059】
図28A-28Cは、本発明の別の可能性の実施形態による差異のある表面領域を有する装置構造を形成する方法を描く断面図である。
【0060】
本発明の実施形態は、DNAシーケンス用途のためのフローセルのウエハレベルのチップパッケージの方法を提供する。フローセルは、シーケンスのための鋳型核酸を含む1またはそれ以上の核酸アレイを含むことができる。1つのアプローチにおいて、アレイは、DNAナノボール(DNB)ナノアレイである。別のアプローチにおいて、アレイは、鋳型核酸のクラスタを含み、それぞれのクラスタは、単一の鋳型分子の単位複製配列を含む。
【0061】
本発明の態様によるウエハレベルのパッケージは、実質的にフローセルの製造のコストを減らすことができる。いくつかの実施形態において、硬い差異のある表面は、ウエハ上でエッチングされ、DNBロード用に選択的に機能的にされることができる。本明細書で記載された実施形態において形成される硬い表面は、いかなる洗練された制約なしに、標準半導体ウエハレベルの製造及びパッケージプロセスに耐えることができ、製造及びチップパッケージの収率を改善することができる。
【0062】
I.CMOSウエハ上のフローセルのウエハレベルの製造
図1は、本発明の実施形態によるシーケンスフローセルの製造の中間段階における半導体ウエハ100の断面図である。半導体ベースのシーケンスセルの製造において、ウエハは、数千のダイを有し、それぞれのダイは、例えば数百またはそれ以上の細胞などの複数の細胞のアレイを含むシーケンスチップに製造されるウエハの一部に相当する。簡単にするために、
図1は、2つの分離ダイの2つのフローセルの図案が描かれた、半導体ウエハ100の領域11及び12のみを示し、それぞれの領域は、
図1で描かれる2つのセル領域のみ有することが示される。領域11は、セル領域151-1及び151-2を含み、領域12は、セル領域152-1及び152-2を含む。
【0063】
図1で示されるように、半導体ウエハ100は、CMOSイメージセンサ層10、CMOSプロセス回路層20、及びスタック層30を含む。スタック技術において、CMOSイメージセンサ10及びCMOSプロセス回路層20は、分離して製造され、その後、スタックインターフェース層30と共に3Dスタック装置に接合される。
【0064】
CMOSイメージセンサ層10は、半導体110に形成された例えばフォトダイオードなど、光検出部品112を含む。半導体層110は、例えば、シリコン、シリコン上のIII-V族、グラフェンオンシリコン、シリコンオンインシュレータ、それらの組み合わせなど、任意の適切な材料で作られることができる。フォトダイオード110に関して本明細書で記載されるが、任意の適切な光検出部品が用いられることは考えられる。フォトダイオード110は、測定光を電流に変換するように構成される。フォトダイオード110は、電流を例えば他のMOSトランジスタなど、他の部品に伝えるMOSトランジスタ(図示せず)のソース及びドレインを含む。他の部品は、電流をデジタル信号に変換するリセットトランジスタ、電流源フォロワまたはローセレクタなどを含む。誘電体であるとして記載されたが、誘電体層は、任意の適切な電気絶縁体材料を含むことが考えられる。
【0065】
CMOSイメージセンサ層10は、また誘電体層104に形成された金属配線105を含む。金属配線115は、集積回路材料の相互接続、外部接続を含む。
【0066】
CMOSプロセス回路層20は、簡単にするためにシリコン基板層101として示される。しかしながら、CMOSプロセス回路層20は、シーケンス操作において必要とされるCMOS回路を含むことができる。例えば、CMOSプロセス回路層20は、シーケンス操作のための画像処理、信号処理、及び制御機能、及び外部連絡のための回路を含むことができる。
【0067】
図1で示されるように、CMOSイメージセンサ層10は、裏面照射(BSI)で構成される。CMOSイメージセンサ層10及びCMOSプロセス回路層20は、分離して製造されることができ、その後、スタック層30と共に3Dスタック装置に接合される。スタック層30は、誘電体層102及び誘電体層102に形成されるビア103を含むことができる。ビア103は、CMOSイメージセンサ層10とCMOSプロセス回路層20を接続するために用いられる。
【0068】
図1は、またCMOSイメージセンサ層10の上に横たわるパッシベーション層121を示す。パッシベーション層121は、基板層110及びフォトダイオード112上に従来の半導体プロセス技術(例えば、低温プラズマ化学気相成長、PECVD、スパッタリング、ALD、スピンコーティング、浸漬などによって堆積される。パッシベーション層121は、任意の適切な保護材料を含む。例えば、パッシベーション層121は、例えば窒化ケイ素、酸化ケイ素、他の誘電体材料、またはその組み合わせなどの材料を含む。パッシベーション層121は、さらに本明細書で記載されるように、後のエッチング工程のためのエッチストップの機能を果たす。パッシベーション層121は、アクティブ装置(すなわち裏面照射CMOSセンサ)を保護するために代替的にまたは追加的に機能する。パッシベーション層121は、頻繁な使用によって引き起こされる摩耗からフォトダイオード112を保護するために代替的にまたは追加的に機能する。パッシベーション層121は、透明である。
【0069】
検査対象分子が集中的にされ、静止させられる、ときに「スポット」またはウェル(図示せず)と呼ばれる個別の領域は、第1のパッシベーション層121上または第1のパッシベーション層において、形成される。化学または生物学的サンプルは、分析のために個別の領域に、または個別の領域上に置かれる。一般に、DNAシーケンスにおいて、生物学的サンプルは、DNAシーケンスライブラリを含む。DNBまたはDNAシーケンスライブラリの他の要素、またはそのクローン集団は、個別の領域に集中的にされる。
【0070】
いくつかの実施形態において、CMOSイメージセンサ層10は、生体分子の対応するアレイから光学信号(例えば蛍光または化学発光の発光)を検出するために適応され、個別の生体分子は、1またはそれ以上のフォトダイオードが生体分子から光を受けるように1またはそれ以上のフォトダイオード上(例えば、スポットまたはウエル)に配置される。本明細書で用いられるように、化学発光は、例えば、ルシフェラーゼレポータによって作り出される生物発光などの生物発光を含む。
【0071】
図2-7は、本発明の実施形態によるシーケンスフローセルのウエハスケールのパッケージの様々な段階を描く断面図である。
図2-7に記載されるプロセスは、
図1で記載されるウエハ100で実行される。
【0072】
図2は、本発明のいくつかの実施形態による
図1のウエハ構造100上でパターニングする差異のある表面を有するウエハ構造200の断面図である。
図2は、第1の材料123の交互にさらされた領域を示し、第2の材料125は、
図1に記載されたウエハ100の誘電体層121の上に横たわって形成される。
図2の実施形態において、金属含有層123は、パッシベーション層121に従来の半導体プロセス技術によって(例えばスパッタリング、電子ビーム蒸発、熱蒸発、ALDなどによって)堆積される。金属含有層123は、任意の適切な金属または金属酸化物材料を含む。例えば、層123は、例えば、タングステン、チタン、窒化チタン、銀、タンタル、酸化タンタル、ハフニウム、クロム、白金、タングステン、アルミニウム、金、銅、それらの組み合わせまたはそれらの合金などの材料を含む。層123は、入射光及び/または、存在する場合、励起光に対して不透明である。
【0073】
図2において、層125の領域は、誘電体材料を堆積することによって形成され、フォトリソグラフィ及びエッチングプロセスを用いてパターニングされる。誘電体材料125は、任意の適切な保護材料を含む。例えば、誘電体層121は、例えば窒化ケイ素、酸化ケイ素他の電気絶縁材料、またはそれらの組み合わせなどの材料を含む。誘電体層125は、金属含有層123上に従来の半導体プロセス技術(例えば低温プラズマ化学気相成長、PECVD、スパッタリング、ALD、スピンコーティング、浸漬など)によって堆積される。
【0074】
次に、堆積された誘電体層121は、従来のフォトリソグラフィ及びエッチングプロセスを用いてパターニングされる。プロセスは、堆積された誘電体層121にパターニングされたマスクを形成するステップと、堆積された誘電体層121をエッチングするステップと、パターニングされたマスクを除去するステップとを含む。フォトリソグラフィ及びエッチングプロセスの後、誘電体層125で覆われない金属含有層123の領域は、さらされる。これらの金属含有層123のさらされた領域は、本明細書でさらに記載されるように生物学的または化学的サンプルが置かれるスポットまたはウエルを形成する。
【0075】
図3は、本発明のいくつかの実施形態による、
図2のウエハ構造200上に配置されたカバー構造を有するウエハ構造300を描く断面図である。カバー構造130は、誘電体層125上に配置された支持構造またはスペーサ132によって支持されることができる。いくつかの実施形態において、カバー構造130は、
図2のウエハ構造200と同じ大きさを有するガラスウエハであることができる。カバー構造130は、また例えばガラス材料、プラスチック材料、シリカ、半導体などの任意の適切な基板であることができる。カバー構造130は、それぞれのチップ領域151及び152のための1またはそれ以上の注入口134及び1またはそれ以上の排出口135を備えて組み立て式に作られることができる。
【0076】
カバー構造130は、支持構造またはスペーサ132を用いて
図2のウエハ構造200に接合されることができる。支持構造132は、分析基板上に分析領域を画定すること支援できる。支持構造132は、適切な誘電体絶縁材料で作られることができる。いくつかの実施形態において、カバー構造は、前記カバースリップが、前記分析領域のためのビューウインドウとして最小ひずみを備える高開口数光学素子を収納することができるように、約300ミクロンより小さい厚さを有する。カバー構造は、最小ひずみを備える前記カバースリップを支持し、1またはそれ以上のフローチャネルを形成するように、スペーサ上に配置されることができる。
【0077】
フローセル部品は、接着剤の使用によって直接接続されることができる。接着剤は、様々なフローセル部品の間で最適な接着を提供する表面に導入されることが好ましい。接着剤は、例えばテープなどの固体、後に固体形態に乾燥され固化される液体またはゲルのように塗布される接着剤であってもよい。固体接着剤は、その厚さの利点によってフローチャネルに高さを提供する。液体またはゲルは、また液体またはゲル接着剤が乾燥し、それによりフローチャネルの高さを定義したとき、特定の厚さが残る特定の大きさの固体または準固体粒子(例えばガラスまたはプラスチックビーズ)を含むことができる。これらの場合において、接着材料は、支持構造を形成することができる。
【0078】
図4Aは、本発明のいくつかの実施形態による
図3のウエハ構造300上の裏面パッケージを備えるウエハ構造400を描く断面図である。
図4Aは、本発明の実施形態によるシーケンスフローセルの製造の中間段階における裏面パッケージプロセスを描く。ウエハレベルのパッケージは、TSV(through-silicon via(シリコンを通るビア))/RDL(re-distribution layer再分配層)パッシブインターポーザを含むことができる。インターポーザは、3-D集積回路の統合のために、底面及び上面のチップを支持することができる。
図7に示されるように、シリコンを通るビア143は、
図1に関連して上記されたようにCMOS回路を含む、シリコンウエハ101に形成されることができる。さらに、金属配線層141及び接合パッドは、外部回路及びシステムと連絡できるように、裏面接点に形成されることができる。
【0079】
図4Bは、本発明のいくつかの実施形態による
図4Aのカバーウエハの上面図である。
図4Bで示されるように、カバーウエハ130は、複数のあらかじめ作られた穴を含み、フローセルの注入口及び排出口を形成する。フローセルのダイとして指定される領域11の拡大図に示されるように、注入穴134と排出穴135がある。
【0080】
図5は、本発明の実施形態によるシーケンスフローセルの製造の中間段階におけるウエハ分離プロセス後の複数の個々のフローセルダイ500の断面図である。
図4のウエハ構造400は、数百または数千のフローセル構造を含むことができる。フローセル構造の間において、ケガキ線としても知られている、薄い機能的でない空間は、用意しておかれ、ダイシングソーは、構造及び回路を損傷することなくウエハを切断できる。ケガキの幅は、非常に小さく、典型的に約100μmである。非常に薄い、正確なソーは、それゆえウエハをピースに切断するために必要とされる。ダイシングは、先端がダイヤモンドの歯を備える水冷式丸鋸によって実行されることができる。
図5において、
図4のウエハ構造は、分離プロセスにおいて、複数のダイまたはチップに切断またはダイシングされる。それぞれ個々のダイは、例えば
図5の空間150によって分離されるフローセル151及び152など、単一のフローセルを含むことができる。
【0081】
図6は、機能的にするプロセスが本発明の実施形態によるシーケンスフローセルの製造の中間段階における
図5のフローセルダイ500に適用された後の複数の個々のフローセルダイ600の断面図である。例えば、第1の表面層161と第1の表面層とは異なる特性を有する第2の表面層162は、それぞれ金属含有層123と誘電体層125の差異のある表面に基づいて選択的に適用される。第1及び第2の表面層は、異なる特性を有し、第2の表面層を備える領域によって分離された、第1の表面層を備える底面を備えるスポットまたはウエルのアレイをもたらす。いくつかの実施形態において、興味を持っている高分子(例えばポリヌクレオチド、DNB、タンパク質など)は、第2の表面層と比較して第1の表面層と優先的に関連する。
【0082】
第1の表面層161は、注入口134及び排出口135を通って供給される適切な材料にフローチャネル136及び137をさらすことによって形成される。第1の表面層161は、またその表面特性に基づいて金属含有層123に選択的に適用される。例えば、第1の表面層161は、金属含有層123と接合される及び/または引きつけられる材料を有する。いくつかの実施形態において、第1の表面層は、誘電体層125と結合されないまたは接着せず、または誘電体層によってはじかれる。用語「表面層」は、任意の特定の構造または大きさのものと見なすことを意図されないことが認識されるであろう。
【0083】
第1の表面層161は、金属含有材料123を接着しまたは結合する任意の適切な材料を含む。1つのアプローチにおいて、第1の表面層161は、無機リン酸塩、ホスホン酸、例えばヘキサメチル四リン酸、ヘキサメチルホスホラミド、その組み合わせなどの有機リン酸塩化合物を制限なく含む、金属を結合するリン酸塩化合物の塗布によって作り出される。
【0084】
いくつかの実施形態において、第2の表面層162は、興味のある生物学的または化学的検査対象をはじく材料を含む。例えば、第2の表面層162は、負電荷を有し、それゆえ負に帯電した生物学的または化学的サンプルをはじく材料を含む。いくつかの実施形態において、第2の表面層162は、疎水性である。当業者は、金属及び第2の表面の組み合わせ(例えば、2つを組にした組み合わせ)は、特定の目的のために選択され、最適化されることができることを認識するであろう。
【0085】
図6において、第2の表面層162は、誘電体層の表面特性に基づいて、誘電体層125に選択的に適用される。例えば、第2の表面層162は、誘電体層125と接合及び/または引きつけられるが、金属含有層123を覆う第1の表面層161と接合または接着しない材料を有する。第2の表面層162は、第2の材料を備える誘電体層125のさらされた部分をコーティングまたは処理することによって適用される。1つのアプローチにおいて、さらされた誘電体層125及び第1の表面層161によって覆われた金属含有層123領域の両方は、誘電体層上にのみ接着する第2の材料にさらされる。第2の表面層162は、注入口134及び排出口135を通って供給される適切な材料にフローチャネル136及び137をさらすことによって形成される。1つのアプローチにおいて、第2の表面層162は、3アミノプロピル-メチルジエトキシシラン、アミノプロピルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルトリ-エトキシシランなどを制限なく含むシランまたはシラン化合物の塗布によって作り出される。
【0086】
いくつかの実施形態において、第1の表面層161は、生物学的または化学的サンプルを引きつける材料を含む。例えば、第1の表面層161は、正電荷を有し、それゆえ、負に帯電した生物学的または化学的サンプルを引きつける材料を含む。いくつかの実施形態において、第1の表面層161は、親水性である。当業者は、第1の表面層と第2の表面層の組み合わせは、特定の目的のために選択され最適化されることができることを認識するであろう。
【0087】
用語「表面層」は、第1の表面層及び第2の表面層を任意の特定の適用の方法または構造に限定することを意図しないことが認識されるであろう。述べたように、第1及び第2の表面層の異なる特性は、例えばDNA高分子など、ターゲットの高分子を差別的に保持するために選択される。第1及び/または第2の表面層は、機能的にされ、機能的にされた表面は、ターゲットの高分子の差別的な保持をもたらす特性を有する。説明のため、第1及び第2の表面の適用の後、第2の表面層に親和性があるが、第1の表面層に親和性のない分子(オリゴヌクレオチド)を結合するDNAは、第2の表面層162を覆うために塗布される。いくつかの実施形態において、第2の表面層162は、単一の核酸分子が増幅される機能的にされた表面であることができる。
【0088】
それゆえ、第1の表面層が突き出た領域に存在し、第2の表面層が突き出た部分の間の凹んだ領域に存在する、構造が作り出される。凹んだ領域は、生物学的または化学的サンプルが置かれるスポットまたはウエルを形成する。用語「第1の表面」及び「第2の表面」は、表面及び表面に保持された材料に適用される材料を指す(例えば保持された材料は表面材料の反応によってなど、溶媒の蒸発によって表面と異なる)。さらに
図6に関連して本明細書で記載された機能的にするプロセスは、フローセル形成プロセスの他のステップにおいて実行されることができる。例えば、機能的にするステップは、
図2に関連して記載される差異のある表面パターニングプロセス後または
図3に関連して記載されたカバーウエハの堆積後、または
図4に関連して記載された裏面パッケージプロセス後に実行されることができる。
【0089】
図7は、本発明の実施形態による
図6のシーケンスフローセル600のサンプルロードプロセス後の複数の個々のフローセルダイ700を描く断面図である。生物学的または化学的なサンプル171は、フローチャネルの注入口及び排出口を通って液体を流すことによってフローチャネルに導入されることができる。本発明の実施形態は、任意の特定の導入方法に限定されない。いくつかの実施形態において、生物学的または化学的サンプル171は、第1の表面層161に引きつけられ結合されながら、第2の表面層162によってはじかれる。
【0090】
生物学的または化学的サンプルは、任意の多数の部品を含むことができる。例えば、サンプルは、核酸高分子(例えば鋳型、DNA、RNAなど)、タンパク質などを含む。サンプルは、遺伝子配列、DNA-DNAハイブリダイゼーション、一塩基多型、タンパク質相互作用、ペプチド相互作用、抗原抗体相互作用、グルコースモニタリング、コレステロールモニタリングなどを測定するために分析される。
【0091】
上記で議論されたように、いくつかの実施形態において、生体分子は、例えばDNAなどの核酸である。本明細書にすべてを援用する米国特許第8,778,849号、第8,445,194号、第9,671,344号、第7,910,354号、第9,222,132号、第6,210,891号、第6,828,100号、第6,833,246号、第6,911,345号及び米国特許出願公開第2016/0237488号参照。制限なしに、DNA生体分子は、標識プローブ(例えば、連結反応またはcPAL法によってシーケンスするDNBにおいて)または相補的な成長鎖(例えば合成法によってシーケンスするDNBにおいて)または両方にハイブリダイズされたDNAナノボール(一本鎖コンカテマ)、または単一DNA分子(例えば単一分子シーケンスにおいて)、または例えばブリッジPCRベースのシーケンスで作り出される、DNA分子のクローン集団である。それゆえ「生体分子」、「DNA高分子」、「核酸高分子」への言及は、1より多い分子(例えば複数の相補的な成長鎖と関連するDNBまたは数百または数千のDNA分子のクローン集団を含むDNAクラスタ)を包含する。DNBを作製する(例えばDNBライブラリ)及び区域間領域で分離された個々の空間の空いた領域のアレイを作製する典型的な方法は、当該分野で広く知られている。例えば、本明細書で援用する米国特許第8,133,719号、第8,445,196号、第8,445,197号、第9,650,673号参照。いくつかの実施形態において、DNBまたは多の高分子は、誘引非共有相互作用(例えばファンデルワールス力、水素結合及びイオン結合)によって、個々に空間の空いた領域またはスポットに静止させられる。いくつかの実施形態において、個々に空間の空いた領域は、機能的な一部(例えばアミン)を含む。いくつかの実施形態において、個々の空間の空いた領域は、鋳型DNA(例えばDNB)を結合するためのそこに取り付けられた捕捉オリゴヌクレオチドを含む。一般に、個々の空間の空いた領域は、直線的なパターンで配置されるが、他の配置(例えば集中的な円の領域、らせんパターン、六角形のパターンなど)の規則的なアレイが用いられる。
【0092】
いくつかの実施形態において、核酸高分子は、ゲノムDNA断片またはcDNAライブラリの単位複製配列である。本明細書で用いられるように、「単位複製配列」は、通常ゲノムDNAの断片またはcDNAライブラリなどの、核酸分子の増幅生産物である。増幅方法は、これに限定されるものではないが、例えば(本明細書で援用する)米国特許第8,445,194号に記載されたように、ローリングサークル増幅、または例えば本明細書で援用する米国特許第7,972,820号に記載されたようにブリッジポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を含む。増幅は、核酸がバイオセンサに接触する前、または本明細書で援用する米国特許第7,910,354号に記載されるようにin situで実行される。
【0093】
例えば、蛍光または化学発光色素に関連する例えばDNA高分子、オリゴヌクレオチドまたはヌクレオチドなどの、生物学的サンプルは、フォトダイオード117上に置かれる。蛍光の場合において、色素は、励起光源からの励起光によって光を当てられる。励起光は、例えば、可視光、赤外(IR)、紫外(UV)などを含む任意の適切なタイプまたは強度の光に対応する。励起光は、また例えば発光ダイオード(LED)、ランプ、レーザ、その組み合わせなど任意の適切な光源からくる。色素がある波長において励起光を当てられたとき、生物学的サンプルは光を吸収し、その後異なる波長の光を発光する。例えば、生物学的サンプルは、450nmの波長を有する励起光を吸収し、550nmの光を発光する。言い換えると、特有の波長の蛍光は、色素が異なる特有の波長の光(すなわち励起光源)によって光を当てられたとき、発光される。励起光は、蛍光が測定されるために用いられるが、フォトダイオード117において正確な測定を取るためにフィルタされなければならない。
【0094】
化学発光の場合において、発光された光を検出するためにフォトダイオード112において励起光源は、必要とされない。代わりに、生物学的サンプルは、生物学的サンプルと化学発光色素(または他の溶液)の間で起こる化学のまたは酵素の反応による光を放出し、光は、化学結合を分離または形成することにより(例えばルシフェリン基質のルシフェラーゼタンパク質の作用)放出される。
【0095】
蛍光と化学発光のために、フォトダイオード117は、発光された光の強度を検出し、金属配線105によって外部装置に提供される光の強度に基づいて電子信号に変換する。外部装置は、電子信号に基づいた特定の波長及び明るさと電子信号を、相互に関連付ける。
【0096】
いくつかの実施形態において、バイオセンサの表面上の活性スポットまたはウエル及び核酸高分子は、相互にそれぞれのスポットが1つの核酸高分子にのみ結合するように構成される。これは、例えば活性スポットの大きさに対応する単位複製配列(例えば効率的に活性スポットの直径と同じ大きさまたはそれより大きい直径を有する単位複製配列)と表面を接触することによって達成される。本明細書で援用する米国特許第8,445,194参照。その代わりに、活性スポットは、化学的に単一のDNA断片を結合するように構成されることができ、単一のDNA断片は、その後元の結合部位において、または周りで、より大きな領域を満たすために増幅される。
【0097】
本発明のいくつかの実施形態は、異なる波長の光に対応する異なる標識を測定するために用いられる。標識は、例えば蛍光、化学発光または生物発光標識である。例えば、遺伝子シーケンス(DNAシーケンス)において、本発明の実施形態は、核酸高分子(例えばDNAの鎖)内のヌクレオチド塩基の正確なオーダを測定するために用いられる。ヌクレオチド塩基は、特定の蛍光標識(例えばアデニン(A)、グアニン(G)、シトシン(C)、またはチミン(T))に標識を付けられる。その代わりに、例えばワンカラー、ツーカラー、またはスリーカラーシーケンス法が用いられる。
【0098】
蛍光に関して、ヌクレオチド塩基のそれぞれは、励起光で核酸高分子を引き続いて励起することによって順序よく測定される。核酸高分子は、励起光を吸収し、本明細書で記載されたようにバイオセンサ上に異なる波長の発光された光を伝達する。バイオセンサは、フォトダイオードで受けた発光された光の波長と、強度を測定する。それぞれのヌクレオチド(例えば蛍光標識ヌクレオチド)は、ある波長及び/または強度の励起光によって励起されたとき、フォトダイオードにある波長の光及び/または強度を発光し、核酸高分子の特定の位置において、特定のヌクレオチド塩基の存在を識別できる。特定のヌクレオチド塩基が測定されるとすぐに、次の連続するヌクレオチド塩基が同様のプロセスによって測定されるように、核酸高分子から取り除かれる。
【0099】
核酸高分子は、任意の目的のためにバイオセンサに取り付けられる前または後に、1またはそれ以上の異なる蛍光、化学発光または生体発光標識で標識を付けられる。例えば、核酸高分子は、標識を付けられたオリゴヌクレオチドプローブまたは増幅プライマでハイブリダイズされる。その代わりに、核酸高分子は、標識のないオリゴヌクレオチドでハイブリダイズされ、標識のないオリゴヌクレオチドは、その後標識プローブに結合される、または標識ヌクレオチド類似体を用いて伸ばされる。例として、標識付けは、核酸高分子の特性を示す目的(例えば、病気と関連する一塩基多型(SNP)の存在)または上記のように、核酸高分子の全てまたは一部の核酸シーケンスのためになされる。プローブハイブリダイゼーションによるDNAシーケンスは、例えば本明細書に援用する米国特許第8,105,771号に記載される。アンカプローブライゲーションによるシーケンスは、例えば本明細書で援用する米国特許第8,592,150号に記載される。合成によるシーケンスは、例えば本明細書で援用する米国特許第7,883,869号に記載される。一般に、合成によるシーケンスは、鋳型シーケンスにハイブリダイズされたシーケンスプライマによって提供される遊離3’ヒドロキシ基に連続して加えられ、5’から3’方向に核酸鎖の合成をもたらす。1つのアプローチにおいて、別の典型的なタイプのSBS、パイロシーケンス技術が用いられる(Ronaghi等、1998、サイエンス281:363)。
【0100】
いくつかの実施形態において、バイオセンサは、フローセルに可逆的に連結される(図示せず)。核酸高分子は、フローセルの液体サンプルとバイオセンサを接触することによってバイオセンサに取り付けられる。フローセルは、反応部位と流体連通する1またはそれ以上のフローチャネルを含む。1つの実施例において、バイオセンサは、生物学的検定システムに流体的に及び電気的に連結される。生物学的検定システムは、あらかじめ決められたプロトコルより反応部位に試薬を供給し、画像イベントを実行する。例えば生物学的検定システムは、反応部位に沿って流れるように溶液を導く。溶液は、同じまたは異なる蛍光標識を有する4つのタイプのヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態において、生物学的検定システムは、その後励起光源を用いて反応部位に光を当てる。励起光は、あらかじめ決められた1つの波長または複数の波長を有する。励起された蛍光標識は、フォトダイオード117によって検出される発光信号を提供する。
【0101】
使用者は、核酸高分子が結合し、活性スポットまたはウエルによって保持され、超過した核酸高分子は洗い流されるように、後に増幅される核酸、または核酸単位複製配列を備える記載された実施形態によるバイオセンサと接触することによってシーケンスするための準備をする。核酸高分子は、標識試薬と事前にまたはin situで接触される。バイオセンサは、その後、本明細書で記載されるように、アレイ上に核酸高分子上またはその周りで発光された光を測定するように操作される。光は、定量化され、または表面上のどの核酸高分子が特定の波長で発光する標識で標識付けされたかをバイナリ形式で測定するのに十分である。異なるプローブまたは異なる核酸類似体は、例えばシーケンスの特定の位置において、異なる塩基を決定するために、または複数の位置をシーケンスするために異なる波長で光を放出する標識を有することが同時に用いられる。
【0102】
裏面照射CMOSイメージセンサに関して本明細書で記載されるが、本発明の実施形態は、同様に前面照射CMOSセンサに適用することが期待される。さらに、本発明の実施形態は、例えば、本明細書で援用する2016年11月3日に提出された米国仮特許出願第62/416,813号に記載されたそれらのバイオセンサなど任意の適切なバイオセンサに同様に適用することができることが期待される。
【0103】
II.CMOSウエハ上のフローセルの代替のウエハレベルの製造
図8-13は、本発明の別の実施形態によるシーケンスフローセルのウエハスケールパッケージの様々な段階を描く断面図である。
図8-13に描かれるプロセスは、
図1に記載されたウエハ100上で実行される。
【0104】
図8は、本発明のいくつかの実施形態による
図1のウエハ構造100上でパターニングする差異のある表面を有するウエハ構造800の断面図である。
図2のウエハ構造200と同様である、ウエハ構造800は、2つの分離ダイの2つのフローセルのために設計される、半導体ウエハ800の領域21及び22を示すのみである。ウエハ構造800は、また
図1に描かれるウエハ100の上に横たわって形成された第1の材料及び第2の材料の交互にさらされた領域を有する。しかしながら、ウエハ構造200において、誘電体領域125は、金属含有領域123上に形成される一方で、ウエハ構造800において金属含有領域223は、誘電体領域225上に形成される。
図8において、誘電体領域225は、ウエハ構造200のウエハ200から誘電体層121を用いて形成されることができる。誘電体領域225は、また誘電体層121上に堆積される別の誘電体層に形成されることができる。金属含有領域223は、
図2に関連して上記されたものと同様に堆積及びパターニングプロセスによって形成される。
【0105】
図9は、本発明のいくつかの実施形態による
図8のウエハ構造800上に配置されたカバー構造を有するウエハ構造900を描く断面図である。カバー構造230及び支持構造232は、
図3に関連して上記されたように同様のプロセスを用いて形成されることができる。
図9において、フローチャネルは、カバー構造の下に形成され、それぞれのフローセルは、ウエハ構造300と同様に、1またはそれ以上の注入口と1またはそれ以上の排出口を有することができる。
【0106】
図10は、本発明のいくつかの実施形態による
図9のウエハ構造900の裏面パッケージを備えるウエハ構造1000を描く断面図である。
図10の裏面パッケージは、
図4に関連して上記された裏面パッケージと同様である。
【0107】
図11は、本発明の実施形態によるシーケンスフローセルの製造の中間段階におけるウエハ分離プロセス後の複数の個々のフローセルダイ1100の断面図である。
図10に描かれる分離プロセスは、
図5に関連して上記されたプロセスと同様である。分離後2つの分離ダイ251及び252が形成され、ケガキ線250によって分離される。
【0108】
図12は、機能的にするプロセスが、本発明の実施形態によるシーケンスフローセルの製造の中間段階における
図11のフローセルダイ1100に適用された後の複数の個々のフローセルダイ1200の断面図である。2つの異なる表面261及び262を備えて
図12で描かれる機能的にするプロセスは、
図6に関連して上記されたプロセスと同様である。
【0109】
図13は、本発明の実施形態による
図12のシーケンスフローセル1200のサンプルロードプロセス後の複数の個々のフローセルダイ700を描く断面図である。
図13に描かれるサンプル271のロードは、
図7に関連して上記されたプロセスと同様である。
【0110】
III.むき出しのウエハ上のフローセルのウエハレベルの製造
図14-19は、本発明の別の実施形態によるシーケンスフローセルのウエハスケールパッケージの様々な段階を描く断面図である。
図14-19に記載されるプロセスは、CMOS回路がすでに組み込まれた
図1に記載されるウエハ100上で実行される
図2-7のプロセスと同様である。代替の実施形態において、
図14-19に記載されるプロセスは、以下に記載されるように、組み込まれた回路がなくむき出しのウエハまたは他の半導体ウエハ上で実行される。
【0111】
図14は、本発明のいくつかの実施形態によるむき出しのウエハ301上でパターニングする差異のある表面を有するウエハ構造1400の断面図である。
図2のウエハ構造200と同様にウエハ構造1400は、2つの分離ダイの2つのフローセルのために設計される領域31及び32を示すのみである。ウエハ構造1400は、また
図1に描かれるウエハ100の上に横たわって形成される第1の材料及び第2の材料の交互にさらされた領域を有する。むき出しのウエハ301は、堆積プロセスによって形成されることができる誘電体層321で覆われる。ウエハ構造1400において、誘電体領域325は、金属含有領域323上に形成される。誘電体領域325は、
図2に関連して上記されるものと同様な堆積及びパターニングプロセスによって形成されることができる。
【0112】
図15は、本発明のいくつかの実施形態による
図14のウエハ構造1400に形成されるスルーホールを有するウエハ構造1500を描く断面図である。スルーホール341は、
図16に関連して以下に記載されるフローセルのために注入口及び排出口を提供するために形成される。スルーホールは、シリコン集積回路プロセスで用いられる従来のパターニング及びエッチングプロセスを用いて形成されることができる。例えば351及び352などフローセルのために指定されるウエハ構造1500のそれぞれの領域は、フローセルの注入口を形成するための1またはそれ以上のスルーホール及びフローセルの排出口を形成するための1またはそれ以上のスルーホールを有することができる。
【0113】
図16は、本発明のいくつかの実施形態による
図15のウエハ構造1500上に配置されたカバー構造を有するウエハ構造1600を描く断面図である。カバー構造330及び支持構造332は、
図3に関連して上記されたように同様のプロセスを用いて形成されることができる。差異は、
図16において、カバー構造が
図3に示されるようにいかなる注入口または排出口がない、例えばガラスウエハなどのウエハであることである。
図16において、フローチャネル336及び337は、カバー構造330の下に形成され、それぞれのフローセルは、スルーホール341によって形成される1またはそれ以上の注入口及び1またはそれ以上の排出口を有することができる。
【0114】
図17は、本発明の実施形態によるシーケンスフローセルの製造の中間段階においてウエハ分離プロセス後の複数の個々のフローセルダイ1700の断面図である。
図17に描かれる分離プロセスは、
図5に関連して上記されたプロセスと同様である。分離プロセス後、フローセルダイまたはチップ351及び352は、ウエハのケガキ線によって画定される空間350によって分離される。
【0115】
図18は、機能的にするプロセスが、本発明の実施形態による
図17のフローセルダイ1700に適用された後の複数の個々のフローセルダイ1800の断面図である。
図18に描かれる機能的にするプロセスは、
図6と関連して上記されたプロセスと同様である。2つの異なる表面層361及び362の領域が形成される。
【0116】
図19は、本発明の実施形態による
図18のシーケンスフローセル1800のサンプルロードプロセス後の複数の個々のフローセルダイ1900を描く断面図である。
図19に描かれるサンプルロードプロセスは、
図7に関連して上記されたプロセスと同様である。
図19は、また照明を提供し、フローセルからの発光を捕らえるための光源及びカメラ380を示す。その代わりに例えば生物発光など、照明のない用途において、ブロック380は、発光を捕獲するためのカメラを表すことができる。
【0117】
IV.むき出しのウエハ上のフローセルの代替のウエハレベルの製造
図20-25は、本発明の別の実施形態によるシーケンスフローセルのウエハスケールパッケージの様々な段階を描く断面図である。
図20-25に記載されるプロセスは、むき出しのウエハ上で実施される、
図14-19に関連して上記されるそれらと同様である。
【0118】
図20は、本発明のいくつかの実施形態によるむき出しのウエハ上でパターニングする差異のある表面を有するウエハ構造2000の断面図である。
図14のウエハ構造1400と同様なウエハ構造2000は、例えば41及び42などフローセルを指定する2つの領域を示し、ウエハの上に横たわって形成される第1の材料及び第2の材料の交互にさらされた領域を有する。しかしながら、ウエハ構造1400において、誘電体領域325は、金属含有領域323上に形成される一方で、ウエハ構造2000において、金属含有領域423は、誘電体層421上に形成される。金属含有領域423は、
図2に関連して上記されたものと同様な堆積及びパターニングプロセスによって形成されることができる。
【0119】
図21は、本発明のいくつかの実施形態による
図20のウエハ構造2000に形成されるスルーホールを有するウエハ構造2100を描く断面図である。スルーホール441は、
図16に関連して以下に記載されるフローセルのための注入口及び排出口を提供するために形成される。スルーホールは、シリコン集積回路プロセスで用いられる従来のパターニング及びエッチングプロセスを用いて形成されることができる。例えば41及び42など、フローセルのために指定されるウエハ構造2100におけるそれぞれの領域は、フローセルの注入口を形成するための1またはそれ以上のスルーホール及びフローセルの排出口を形成するための1またはそれ以上のスルーホールを有することができる。
【0120】
図22は、本発明のいくつかの実施形態による
図21のウエハ構造2100上に配置されたカバー構造を有するウエハ構造2200を描く断面図である。カバー構造430及び支持構造432は、
図3に関連して上記されるように同様のプロセスを用いて形成されることができる。
図16のカバー構造330と同様に、カバー構造430は、
図3で示されるようにいかなる注入口または排出口がない、例えばガラスウエハなど、ウエハであることができる。
図22において、フローチャネル436及び437は、カバー構造430の下に形成され、それぞれのフローセルは、スルーホール441によって形成される1またはそれ以上の注入口及び1またはそれ以上の排出口を有することができる。
【0121】
図23は、本発明の実施形態によるシーケンスフローセルの製造の中間段階におけるウエハ分離プロセス後の複数の個々のフローセルダイ2300の断面図である。
図23に描かれる分離プロセスは、
図5に関連して上記されたプロセスと同様である。分離プロセス後、フローセルダイまたはチップ451及び452は、ウエハのケガキ線によって画定される空間450によって分離される。
【0122】
図24は、機能的にするプロセスが、本発明の実施形態による
図23のフローセルダイ2300に適用された後の複数の個々のフローセルダイ2400の断面図である。
図24で描かれる機能的にするプロセスは、
図6に関連して上記されたプロセスと同様である。
図24において、2つの差異のある表面層461及び462が形成される。
【0123】
図25は、本発明の実施形態による
図2のシーケンスフローセル2400のサンプルロードプロセス後の複数の個々のフローセルダイ2500を描く断面図である。
図25に描かれるサンプルロードプロセスは、
図7に関連して上記されたプロセスと同様である。いくつかの実施形態において、生物学的サンプルは、第1の表面層161に引きつけられ、結合されるDNAナノボール(DNB)471を含む。
図25は、また照明を提供し、フローセルからの発光を捕獲するための光源とカメラ480を示す。その代わり、例えば生体発光など、照明のない用途において、ブロック480は、発光を捕獲するためのカメラを表すことができる。
【0124】
本明細書に記載されたプロセスは、ある順番で実行されたある数のステップに対して記載されるが、追加のステップは、明白に示されない及び/または記載されないものを含まれることができることが予期される。さらに、示され記載されたそれらより少ないステップが、記載された実施形態の範囲から逸脱しないで含まれることが期待される(すなわち1またはいくつかの記載されたステップが任意である)。さらに、本明細書に記載されたステップは、記載されたステップと異なる順番で実施されることができることが期待される。
V.フローセルのための差異のある表面
【0125】
マイクロメータからナノメータの大きさの疎水性/親水性すきま表面は、例えばドロップレットデジタルPCRのための油の内側の液滴アレイ、DNAシーケンスのためのDNAナノボールアレイ、及び単一細胞分析のための単一細胞アレイなどを形成するなど、多くの重要なバイオテクノロジ用途を有する。異なる実施形態において、様々な方法は、半導体プロセス技術によってパターニングされた無機表面に基づいて疎水性及び親水性すきま表面を形成するために記載される。従来の製造方法は、標準の半導体製造工場プロセスに組み込まれにくい特別なプロセス及び材料を用いる、テフロン、サイトップなどの有機疎水性ポリマをパターニングすることを含む。そのため、そのようなプロセスは、大量生産に不向きで、そのコストは、多くの用途にとって高すぎる。
【0126】
図26は、本発明のいくつかの実施形態による差異のある表面領域を有する装置構造2600の断面図である。装置構造2600は、基板2601を含む。複数の第1の薄膜領域2611及び複数の第2の薄膜領域2621を含む表面層2602は、基板2601に配置される。さらに本明細書に記載された方法は、例えばセンサを備えるCMOS装置、むき出しの半導体ウエハ、ガラス基板など、任意の適切な基板2601に差異のある表面領域を有する層を形成するために適用できる。さらなる詳細は、
図27A、41及び44に関連して以下に記載される。
【0127】
第1のカバー層2612は、第1の薄膜領域2611の上面に形成され、第2のカバー層2622は、第2の薄膜領域2621の上面に形成される。いくつかの実施形態において、差異のある表面層は、第1のカバー層2612の領域と第2のカバー層2622の領域を交互にすることによって形成される。
【0128】
いくつかの実施形態によると、方法は、第1のカバー層と第2のカバー層の疎水性を調整するために、第1の材料と第2の材料を選択して、差異のある疎水性/親水性表面を形成するために提供される。
【0129】
いくつかの実施形態において、差異のある疎水性/親水性表面は、水をはじく無極性分子領域と水分子とともにイオンまたは水素結合を形成できる極性分子領域を交互にして有することができる。いくつかの実施形態において、方法は、無機酸化ケイ素SiO2と例えば陽極酸化アルミニウム(Al2O3)、酸化タンタル(Ta2O5)、酸化ニオブ(Nb2O5)、酸化ジルコニウム(ZrO2)、酸化チタン(TiO2)など、1またはそれ以上の様々な金属酸化物を含む金属酸化物材料の領域を交互にして第1の形成ステップを含む。これらの交互する領域は、さらに以下に記載されるように、Siまたはガラス基板上の標準の半導体薄膜堆積及びフォトリソグラフィプロセスを用いて形成されることができる。
【0130】
次に、金属酸化物表面は、表面特性を変えるために処理されることができる。1つの方法は、温度範囲80℃から100℃で、ホスホン酸の固有のpH(pH=2)内で親水性ポリマの一種である、ポリビニルホスホン酸(PVPA)を用いてそれを選択的に覆うことである。特定の実施形態において、処理は、例えば90℃で行われることができる。いくつかの場合において、処理は、比較的早く、例えば2分未満であることができる。このステップの後に、共有結合の形成を支持することを目的とされるドライアニールステップが続く。ドライアニールプロセスは、例えば80℃で約10分など、適切な温度で行われる。この反応は、選択的であり、すなわち反応は、SiO2表面で起きない。
【0131】
別の方法は、水溶液からリン酸アルキルアンモニウムの吸着に基づいて、自己組織化単分子膜(SAM)によって金属酸化物領域を選択的に覆うことである。SAM形成は、同じ条件の下ではSiO2表面で起きない。覆われた表面疎水性は、溶液を形成する水性SAMの形成によって調整され、水の接触角は、50から110°の範囲である。いくつかの場合において、水の接触角は、20から130°の範囲である。共有結合は、アニールの間に形成され、未反応材料は、脱イオン水によって洗い流される。
【0132】
PVPAまたはリン酸塩処理の後、基板は、乾かされ、例えばフッ素化アルキルシラン、ジアルキルシランなど、疎水性シランで処理される。その代わりに、基板は、乾かされ、例えば溶液または化学気相成長のヒドロキシアルキル末端シランなど親水性シランで処理される。これらの処理は、SiO2表面と安定な共有結合を形成し、表面を金属酸化物表面の疎水性に作用することなく、疎水性または親水性に変えることができる。
【0133】
異なる疎水性の異なる有機化学物質を備える無機SiO2及び金属酸化物表面の高選択表面処理によって、差異のある疎水性/親水性表面は、半導体プロセスによるウエル画定パターンで作られることができる。
【0134】
図27A-27Fは、本発明のいくつかの実施形態による差異のある表面領域を有する
図26の装置構造を形成するための方法を描く断面図である。差異のある表面を有する装置構造を形成するための方法は、基板を提供するステップと、基板に第1の薄膜領域と第2の薄膜領域を交互に有する表面層を形成するステップとを含む。表面層は、第1の材料にさらされて第1の薄膜領域上で、第2の薄膜領域上でない領域に第1のカバー層を形成する。表面層は、その後第2の材料にさらされ、第2の薄膜領域上で、第1のカバー層によって今覆われている第1の薄膜領域上でない領域に第2のカバー層を形成する。方法は、第1のカバー層と第2のカバー層の疎水性を調整するために第1の材料と第2の材料を選択するステップを含む。
【0135】
図27Aは、基板に形成された薄膜層を示す。
図27Aにおいて、薄膜層2720は、基板2701上に形成される。基板2701は、例えばガラスまたは半導体など、任意の適切な材料で作られる。半導体基板は、例えばシリコン、シリコン上のIII-V族、グラフェンオンシリコン、シリコンオンインシュレータ、それらの組み合わせなど、様々な半導体材料を含むことができる。基板2701は、
図14のむき出しのウエハ301と同様にむき出しのウエハであることができる。基板2701は、また回路構造に様々な装置を含むことができる。例えば、基板2701は、CMOSイメージセンサ層10、CMOSプロセス回路層20、スタック層30を含む
図1に描かれる半導体ウエハ100と同様であることができる。任意に、基板2701は、また
図1のパッシベーション層121と同様な、上部パッシベーション層または絶縁層(図示せず)を含むことができる。パッシベーション層は、任意の適切な保護材料を含む。例えば、パッシベーション層は、例えば窒化ケイ素、酸化ケイ素、他の誘電体材料、またはそれらの組み合わせなど、材料を含むことができる。パッシベーション層は、例えば化学気相成長(CVD)、低温プラズマ化学気相成長(LPCVD)、プラズマ化学気相成長(PECVD)、スパッタリング、物理気相成長(PVD)、及び原子層堆積(ALD)などの従来の半導体薄膜堆積技術によって堆積される。
【0136】
図27Aにおいて、薄膜層2720は、基板2701上に形成される。実施形態において、薄膜層2720は、例えばSiO
2など無機酸化ケイ素を含む。いくつかの実施形態において、薄膜層2720は、シリコン、窒化ケイ素、金属酸化物など、またはその組み合わせを含むことができる。薄膜層2720は、またシラン処理される他の材料を含むことができる。薄膜層2720は、上記された従来の半導体薄膜堆積技術を用いて基板2701上に形成されることができる。
【0137】
図27Bは、第1の薄膜層2720上に形成された第2の薄膜層2710を示す。いくつかの実施形態において、2710は、金属酸化物または金属を含むことができる。適切な金属酸化物は、例えば、陽極酸化アルミニウム(Al
2O
3)、酸化タンタル(Ta
2O
5)酸化ニオブ(Nb
2O
5)、酸化ジルコニウム(ZrO
2)、及び酸化チタン(TiO
2)を含むことができる。薄膜層2610は、また例えばタングステン、チタン、窒化チタン、銀、タンタル、酸化タンタル、ハフニウム、クロム、白金、タングステン、アルミニウム、金、銅、その組み合わせまたは合金などの金属材料を含むことができる。薄膜層2610は、また上記された従来の半導体薄膜堆積技術を用いて形成されることができる。
【0138】
図27Cは、薄膜層2710に形成されたパターンマスク層2730を示す。マスク層2730は、薄膜層2710の領域をさらす開口を含む。マスク層2730は、例えばスピンコーティング、ディッピング、及び/またはそれらなどの任意の適切な方法によって塗布される。マスク層2730は、また例えばフォトレジストなど、任意の適切な材料を有する。
図27Cで示されるように、マスク層2730は、従来の半導体リソグラフィ技術により開口がパターニングされる。いくつかの実施形態において、マスク層2630は、エッチングマスクとして役立つための適切なエッチング選択性を有する適切な薄膜材料のパターニングされた層である、ハードマスクであることができる。
【0139】
パターンマスク層2730が形成された後、薄膜層2710のさらされた部分2717を取り除くためにエッチングプロセスを実行する。エッチングプロセスは、従来の半導体プロセス技術により実行される。その後、パターンマスク層2730は、従来の半導体プロセス技術によって取り除かれることができる。結果として生じる装置構造は、
図27Dに描かれる。
【0140】
図27Dは、本発明のいくつかの実施形態による薄膜層2710の薄膜領域2711との薄膜層2720の薄膜領域2721を交互に有する装置構造の断面図を示す。パターニングプロセスの後、複数の第1の薄膜領域2711と複数の第2の薄膜領域2621を含む表面層は、基板2701上に形成される。
【0141】
図27Eは、薄膜領域2711上に選択的に形成されるカバー層2712を示す。選択カバー層の形成は、カバー層2712が薄膜領域2711の上面で形成されるが、薄膜領域2721の上面で形成されないように適切な第1の材料に装置構造をさらすことによって実行される。薄膜領域2711及び2721における材料に依存して、様々な材料が、以下に詳細に記載されるように用いられることができる。材料の処理の後、アニールプロセスが薄膜領域2711上にカバー層2712を選択的に形成するために実行されることができる。アニールプロセスは、70℃から90℃の範囲の温度で5から15分実行されることができる。実施例として、ドライアニールプロセスは、80℃の温度で10分実行される。未反応の材料は、DI(脱イオン化)水でリンスプロセスによって取り除かれる。
【0142】
図27Fは、第2の薄膜領域2721の上面上に選択的に形成された第2のカバー層2722を示す。選択カバー層の形成は、カバー層2722が薄膜領域2721の上面で形成されるが、カバー層2712を備える薄膜領域2711の上面で形成されないように、適切な第2の材料に装置構造をさらすことによって実行される。薄膜材料2711及び2721のための材料に依存して、様々な材料が以下に詳細に記載されるように用いられる。第2の材料によるプロセスの後、
図27Fは、本発明のいくつかの実施形態による差異のある表面領域2712及び2722を備える表面層2702を有する
図26の装置構造2600と同様な、装置構造2700の断面図を示す。示されるように、装置構造2700は、基板2701を含む。複数の第1の薄膜領域2711と複数の第2の薄膜領域2721を含む表面層2702は、基板2701に配置される。
【0143】
第1のカバー層2712は、第1の薄膜領域2711の上面に形成され、第2のカバー層2722は、第2の薄膜領域2721の上面に形成される。この実施形態において、差異のある表面層は、第1のカバー層2712の領域及び第2のカバー層2722の領域を交互にすることによって形成される。
【0144】
いくつかの実施形態において、差異のある表面領域は、親水性表面と疎水性表面を交互にすることを含む。いくつかの実施形態において、差異のある表面領域は、正電荷の表面と負電荷の表面を交互にすることを含む。以下の記載において、薄膜領域2711は、第1の薄膜領域を指し、薄膜領域2721は、第2の薄膜領域を指す。カバー層2712は、第1の材料による第1の薄膜領域の間の反応によって形成される第1のカバー層を指す。カバー層2722は、第2の材料による第2の薄膜領域の間の反応によって形成される第2のカバー層を指す。
【0145】
いくつかの実施形態において、第1の薄膜領域は、上記で記載されるように、金属酸化物または金属の薄膜を含むことができる。その結果、金属酸化物または金属は、処理を受け、例えばPVPA(ポリビニルホスホン酸)などホスホン酸にさらされる。いくつかの実施形態において、処理は、80℃から100℃の温度範囲で1から3分実行される。例えば、処理は、90℃で2分実行される。この処理は、親水性カバー層を形成することができる。
【0146】
いくつかの実施形態において、金属酸化物または金属は、SAM(自己組織化単分子)プロセスでリン酸塩にさらされる処理を受ける。例えば、ヒドロキシドデシルリン酸塩のアンモニアの塩、OH-DDPO4(NH4)2を用いたSAMプロセスは、約110°の接触角を備える疎水性カバー層を形成することができる。別の実施例において12ヒドロキシドデシルリン酸塩(OH-DDPO4)を用いるSAMプロセスは、約50°の接触角を備える親水性カバー層を形成することができる。さらなる他の実施例において、異なるリン酸化合物の混合物を用いるSAMプロセスは、50から110°に及ぶ接触角を備える異なる疎水性を備えたカバー層を形成することができる。さらに、異なるリン酸塩の適切な組み合わせによって、異なる疎水性を備えるカバー層が例えば20から130°に及ぶ接触角を備えて形成されることができる。
【0147】
第1のカバー層が金属酸化物または金属薄膜上に形成された後、第2のカバー層は、例えば無機酸化ケイ素などの第2の薄膜領域の領域に選択的に形成される。例えば、疎水性カバー層は、例えばフッ素化アルキルシラン、ジアルキルシランなど、疎水性シランに装置を処理することによって形成されることができる。その代わりに、親水性カバー層は、例えばヒドロキシアルキル末端シランなど、親水性シランに装置を処理することによって形成されることができる。シラン化合物の適切な選択によって、第2のカバー層は例えば無機酸化ケイ素などの第2の薄膜領域上のみで、第1の薄膜材料上にすでに形成された第1のカバー層上でない領域に形成されることができる。無機酸化ケイ素に加えて、第2の薄膜領域は、また例えばシリコン、窒化ケイ素、金属酸化物、またはその組み合わせなどの材料を含む。
【0148】
上記されたプロセスにおいて、第1の薄膜領域2610と第2の薄膜層2620を交互にすることは、第1の薄膜領域2610が第2の薄膜領域2620上に形成されるように順序に従って形成される。いくつかの他の実施形態において、第2の薄膜領域2620は、
図28A-28Cに以下に描かれるように、第1の薄膜領域2610上に形成されることができる。
【0149】
図28A-28Cは、本発明の代替の実施形態による差異のある表面領域を有する
図26の装置構造を形成する方法を描く断面図である。
【0150】
図28Aは、薄膜層2810と薄膜層2820の表面領域を交互に有する装置構造の断面図を示す。
図28Aにおいて、複数の第1の薄膜領域2811と複数の第2の薄膜領域2821を含む表面層は、基板2801上に形成される。
【0151】
図28Aの装置構造は、
図27Dの装置構造と同様であり、
図27Dの第1の薄膜層2710に対応する第1の薄膜層2810と
図27Dの第2の薄膜層2720に対応する第2の薄膜層2820を備える。
図27Dと
図28Aの構造の間の1つの差異は、第1の薄膜層2810が第2の薄膜層2820の下にあることである。
図28Aの装置構造は、逆の薄膜層の形成順序で、
図27A-27Cに記載されるような同様なプロセスを用いて形成されることができる。
【0152】
図28Bは、薄膜領域2811上に選択的に形成されるカバー層2812を示す。選択カバー層の形成は、カバー層2812が薄膜領域2810の上面上に形成されるが薄膜領域2820の上面上に形成されないように、適切な第1の材料に装置構造をさらすことによってなされる。処理プロセス及びアニールプロセスは、
図27Eのカバー層2712に対応するカバー層2812を備える
図27Eに関連して記載されるプロセスと同様である。
【0153】
図28Cは、第2の薄膜領域2821の上面上に選択的に形成された第2のカバー層822を示す。選択カバー層の形成は、カバー層222が薄膜領域2821の上面上に形成されるが、カバー層2812を備える薄膜領域2811の上面上に形成されないように、適切な第2の材料に装置構造をさらすことによってなされる。処理プロセスは、
図27Fに関連して記載されたプロセスと同様である。第2の材料によるプロセス後、
図28Cは、差異のある表面領域2812及び2822を備える表面層2802を有する装置構造2800の断面図を示す。
図28Cに示されるように、装置構造2800は、基板2801を含む。複数の第1の薄膜領域2811と複数の第2の薄膜領域2821を含む表面層2802は、基板2801上に配置される。
【0154】
第1のカバー層2812は、第1の薄膜領域2811の上面上に形成され、第2のカバー層2822は、第2の薄膜領域2821の上面上に形成される。この実施形態において、差異のある表面層は、第1のカバー層2812の領域及び第2のカバー層2822の領域を交互にすることによって形成される。
【0155】
代替の実施形態において、
図27A-27F及び
図28A-28Cに描かれるプロセスは、変更される。例えば、表面層形成の順番は、表面処理のための薄膜材料と化合物の適切に選択することで逆にできる。いくつかの実施形態において、
図27D-27Fにおいて、カバー層2722は、第1に
図27Dの構造の薄膜領域2721上に形成され、その後、カバー層2712が薄膜領域2711上に形成されることができる。同様に、
図28A-28Cにおいて、カバー層2822は第1に
図28Aの構造の薄膜領域2821上に形成され、その後、カバー層2812は、薄膜領域2811上に形成されることができる。
【0156】
本明細書に記載されるプロセスは、ある順番で実行されるある数のステップに対して記載されるが、追加のステップが、明確に示され及び/または記載されないものが含まれることが期待される。さらに、示され記載されたステップより少ないステップが記載された実施形態の範囲から逸脱することなく含まれることが期待される(すなわち1またはいくつかの記載されたステップは任意である。)。さらに、本明細書で記載されたステップは、記載されたものと異なる順番で実行されることができることが期待される。
【0157】
例えば、第1及び第2の薄膜領域は、金属または金属酸化物、または酸化ケイ素であることができる。上記実施例であるにしても、金属酸化物上のホスホン酸またはリン酸塩によって形成されるカバー層は、第1に形成され、その後酸化ケイ素上のシランによって形成されるカバー層が続く。いくつかの実施形態において、第1のカバー層は酸化ケイ素上のシランによって第1に形成され、その後第2のカバー層が金属酸化物上のホスホン酸またはリン酸塩によって形成されることができる。いくつかの実施形態において、金属酸化物上のホスホン酸またはリン酸塩による処理は、その後上記されたようにアニールプロセスが続く。
【0158】
VI.生物学的または化学的分析のためのバイオセンサ及びその製造方法
CMOSイメージセンサは、デジタルカメラ、医療画像装置、レーダ装置などを含む電子画像装置に使用を見つける。集積回路と一連のフォトダイオードを用いることで、CMOSイメージセンサは、光を捕らえ、それを電気信号に変換することができる。
【0159】
CMOSイメージセンサは、典型的にチップで実行される。チップは、それぞれの画素において増幅器を有する。チップに増幅器を多く含むと、光の捕獲の領域が少なくなることをもたらすが、他の部品は、フォトダイオードにさらなる光を導くためにチップ上に一体化されることができる。例えば、マイクロレンズは、フォトダイオードに光を導くためにフォトダイオードの前に設置される。さらにフォトダイオードに達する光の量を増加するために、裏面照射(BSI)が用いられることができる。BSIは、集積回路配線の下及び間の代わりに、効果的に光源の近くにフォトダイオードを設置し、破壊的な界面を減らす。BSI CMOSセンサは、また他の利点を有する。例えば、BSI CMOSセンサは、低動作電圧、低消費電力、高効率、及び低ノイズを有する。
【0160】
BSI CMOSイメージセンサは、典型的に光検出領域及び電子回路領域の2つの機能領域を有する。光検出領域は、アレイに配置され、光強度を検出する金属酸化物半導体(MOS)トランジスタと連結されたフォトダイオードを含む。電子回路領域は、例えばMOSトランジスタからデータを処理するための他の装置へなど、MOSトランジスタと外部接続の間の接続を提供する。
【0161】
実際には、BSI CMOSイメージセンサは、入射光を異なる光の波長帯に分けるフィルタを用いる。光は、基板上のフォトダイオードによって受光され、異なる強度の電気信号に変換される。例えば、入射ビームは、赤、緑、及び青に分けられ、それぞれの色のためのそれぞれのフォトダイオードによって受光される。それぞれのフォトダイオードは、検出した光強度を電気信号に変換する。これは、電荷を蓄積するフォトダイオードによって達成される。例えば、光の強度がより高いと、フォトダイオードに蓄積される電荷はより高くなる。蓄積された電荷は、その後色及び明るさに相互に関連付けられることができる。
【0162】
上記された使用に加えて、CMOSイメージセンサは、また生物学的または化学的分析のために用いられる。そのような分析のために、生物学的または化学的サンプルは、フォトダイオードの上方に置かれ、生物学的または化学的サンプルによって放出された光は、フォトダイオードに検出される。サンプルの蛍光または化学発光は、フォトダイオードによって検出され、色及び明るさが測定される。この色及び明るさは、生物学的または化学的サンプルを識別するために用いられる。
【0163】
本発明の実施形態は、生物学的または化学的分析のための改良したバイオセンサを提供することによって、従来のアプローチに関連する欠点に対処する。本発明の実施形態によると、BSI CMOSイメージセンサは、サンプルの蛍光または化学発光を効率的に分析し測定するために用いられることができる。この測定された値は、サンプルを識別することを助けるために用いられることができる。本発明の実施形態は、また生物学的または化学的分析のための改良したバイオセンサを製造する方法を提供する。本明細書で用いられるように、用語「バイオセンサ」は、DNA及び枝分かれしたまたはさもなければ誘導体化された核酸によって実例を挙げられる、生物分子、特に核酸高分子内に、またはそれに取り付けられる光放出物質を測定するための装置を指すために用いられる。本明細書で用いられるように、用語「核酸高分子」は、例えばDNBまたは一本鎖の実施形態を指す。
【0164】
本発明のいくつかの実施形態によると、バイオセンサが提供される。バイオセンサは、裏面照射相補型金属酸化物半導体(CMOS)イメージセンサを含む。裏面照射CMOSイメージセンサは、電子回路層と電子回路層上の光検出層を含む。光検出層は、基板層と電子回路層と接触するフォトダイオードを含む。受光面は、電子回路層の反対のフォトダイオードの表面によって定義される。バイオセンサは、またフォトダイオード上のカラーフィルタ材料を含むことができる。バイオセンサは、また核酸高分子を受け入れ、核酸高分子からの光を吸収するまたは核酸高分子から受光面への光を通すための大きさで機能的にされたカラーフィルタ材料上のスポットまたはウエルを含むことができる。
【0165】
いくつかの実施形態による製造方法は、裏面照射相補型金属酸化物半導体(CMOS)イメージセンサを提供するステップを備える。裏面照射CMOSイメージセンサを提供するステップは、電子回路を提供するステップと、電子回路層上に光検出層を提供するステップを含む。光検出層は、基板層と電子回路層に接触するフォトダイオードを含む。受光面は、電子回路層と反対のフォトダイオードの表面によって定義される。方法は、またフォトダイオード上にカラーフィルタ材料を堆積するステップを含む。方法は、また核酸高分子を受け入れ、核酸高分子からの光を吸収するまたは核酸高分子から受光面への光を通すための大きさで機能的にされたカラーフィルタ材料上のスポットまたはウエルを提供するステップを含むことができる。
【0166】
いくつかの実施形態によるDNAシーケンスの方法は、核酸高分子の特定の位置においてヌクレオチド塩基を識別する蛍光標識で核酸高分子を標識付けするステップを含むプロセスを反復して実行するステップを備える。プロセスは、さらに核酸高分子に関連する蛍光標識を検出するステップを含む。蛍光標識を検出するステップは、励起光で核酸高分子に光を当てるステップを含む。核酸高分子は、励起光を吸収し、カラーフィルタを通って、裏面照射相補型金属酸化物半導体(CMOS)イメージセンサのフォトダイオード上に放出された光を伝達する。蛍光標識を検出するステップは、さらにフォトダイオードにおいて受光された放出光の少なくとも1つのパラメータにおいて測定するステップを含む。蛍光または化学発光標識を検出するステップは、さらに蛍光標識と放出光の少なくとも1つのパラメータを相互に関連付けるステップを含む。プロセスは、さらに核酸高分子から蛍光標識を取り除くステップを含む。限定なく、本発明の実施形態のバイオセンサは、合成によるシーケンス(SBS)、ライゲーションによるシーケンス、cPALシーケンス、パイロシーケンス、及び前記組み合わせを実行するために用いられる。
【0167】
図29-42は、本発明の実施形態によるバイオセンサの製造の様々な段階を記載する。製造及び構造の他の実施形態は、当業者にとってこの記載から明らかであろう。そのため次の記載は限定なく説明であることを意図する。
【0168】
容易に読むために、以下の文章は、セクションに編成されている。しかしながら、1つのセクションにおける主題の記載(例えば高分子、フィルタ、シーケンス方法など)は、また他のセクションの主題に適用できることが理解されるであろう。
【0169】
本発明の実施形態によるバイオセンサは、特定の使用に限定されない。1つの態様において、本発明の実施形態のバイオセンサは、超並列DNAシーケンスにおいて特定の使用を見つける。DNAシーケンス技術は、周知であり(例えばDrmanacら、2010、「自己組織化DNAナノアレイの非連鎖塩基読み取りを用いたヒトゲノムシーケンス」、Science 327:78-81;Shendure&Ji、(2008、次世代のDNAシーケンス」、Nature Biotechnology 26:1135-45)参照)、そのため以下のセクションで一般の用語でのみ記載される。次の段落は、以下に記載されるバイオセンサのある特徴がさらに容易に理解されるように、シーケンスの簡単な最初の議論と関連する専門用語を提供する。
【0170】
様々なDNAシーケンス法が知られている。多くのアプローチにおいて、大きな高分子(例えばゲノムDNA)は、多くの小さなフラグメントに壊され、それぞれは特徴的なDNA配列を有する。アレイベースの技術において、フラグメントは、アレイのそれぞれの位置が単一特性配列を備えるDNAフラグメントを含むように基板上の位置の配列に分配される。シーケンス情報(「読み取り」)は、同時に数千、またはしばしば数百万の位置のそれぞれにおいてDNAから得られ、コンピュータによって組み立てられる。ほとんどのシーケンスアプローチにおいて、フラグメントは、シーケンス測定の前に増幅される。増幅は、それぞれの位置におけるフラグメントの位置決めの前、それぞれの位置においてフラグメントの位置決めの後、または位置決めの前及び後の両方で、起こる。増幅ステップは、シーケンスプロセスで「鋳型」として役立つ「単位複製配列」を作り出す。それゆえ、説明のために、増幅は、アレイのそれぞれの位置において一本鎖コンカテマ(例えばDNAナノボール)を作り出すためにRCAを用いる、またはそれぞれの位置において同じシーケンスを備えるDNA分子のクローン集団(またはクラスタ)を作り出すためにブリッジPCRを用いる。
【0171】
「DNA高分子」などへの言及は、DNAナノボール、枝分かれした構造、及びクラスタクローン集団(すなわち単一分子より多い)またはそれらの前駆体を含むことが理解されるであろう。さらに、「DNA高分子」などは、例えばプライマ及びプライマ伸長または他のプロセスによって作り出される及び成長鎖などの予備DNA分子を含む。多くのシーケンス技術において、それは、バイオセンサのフォトダイオードによって検出される光を放出する検出可能な(例えば蛍光または化学発光)色素を備える(または標識付けされる)予備DNA分子である。それゆえ、例えば「励起光源で核酸高分子に光を当て、高分子から放出された光を検出するステップ」との文言は、「励起光源にDNAナノボールまたはクローンクラスタ及び関連する標識付けされた予備分子をさらし、標識付けされた予備分子の色素から放出された光を検出するステップ」を包含することが理解されるであろう。
【0172】
アレイベースのシーケンス方法、本発明の実施形態のバイオセンサにおいて、DNA高分子は、ウエルまたは「スポット」上の基板に置かれる。ウエルまたはスポットは、高分子を受け入れ保持することができる。しばしば、スポットは、「個々に空間が空いた領域」または「パッド」と呼ばれ、核酸高分子を受け入れるように機能的にされた基板を備え、スポットは、DNA高分子がそのような領域に結合しない意味で「不活性」である領域によって分離される。例えば、限定なく、上記Drmanac 2010参照。「ウエル」はDNA高分子に境界または障壁を形成する壁を備えるある種のスポットである。文脈から明確である場合を除いて、以下の「スポット」への言及は、ウエルを含む。
【0173】
本発明の実施形態のバイオセンサにおいて、スポットは、一般に均一な大きさを有し、規則的な(すなわちランダムでない)アレイとして構造化される。アレイのスポットは、一般に直線的なパターン、しばしば行と列で構造化されるが、他の規則的なパターン(例えばらせん)が用いられてもよい。アレイのスポットは、特徴のある大きさ、ピッチ、及び密度を有する。スポット自身は、円、正方形、六角形または他の形状である。以下の議論において、スポットは、一般に円であると推測される(すなわち直径を有するとして記載されることができる)。「直径」への言及は、また他の形状のスポットの長さの大きさを指す(例えば、対角線、長さまたは幅)。それゆえ、本明細書で用いられるように、「長さの大きさ」は、円の直径、正方形の幅、対角線などを指すことができる。本発明の実施形態のバイオセンサの文脈において、スポットの大きさは、2つの意味がある。第1に、スポットは、単一標的配列への占有を制限する方法で大きさにされ及び/または機能的にされる。これは、単一DNAナノボール(単一標的配列のコンカテマ)または単一標的配列を備えるクローンクラスタである。例えば、全ての目的において本明細書に援用する米国特許第8,133,719号、米国特許出願公開第2013/0116153号参照。第2に、一般にスポットは、それぞれのフォトダイオードが単一スポットからの放出光を受光するように下に横たわるフォトダイオードに対する大きさ及び位置決めされる。いくつかの実施形態において、スポットのアレイは、1対1相関で、対応するフォトダイオード(及び/またはカラーフィルタ)のアレイ状に位置決めされる。すなわち、個々のスポットにおいて例えばDNA高分子から放出された光は、下に横たわるフィルタを通り、フィルタによって遮断されない光は、フィルタと関連する単一のフォトダイオードによって検出され、または個々のスポットにおいて例えばDNAナノボールから放出された光は、複数の下に横たわるフィルタを通り、それぞれのフィルタは(特定の波長において固有の)フィルタと関連し、それぞれのフィルタは単一のフォトダイオードと関連し、フィルタによって遮断されない光は、関連するフォトダイオードによって検出される。それゆえ、また以下に議論されるように、いくつかの実施形態において、単一のスポットから放出された光は、1より多いフォトダイオード(例えば2、3,4などの)フォトダイオードによって検出される。これらの実施形態において、単一のスポットに関連する複数のフォトダイードのグループは、フォトダイオードの「ユニットセル」を指す。スポット及びフィルタ(例えば単一のフィルタまたはユニットセル)は、ユニットセルのそれぞれのフォトダイオードが同じ単一のスポットから放出された光を受けるように、バイオセンサに配置される。さらに、いくつかの実施形態において、フォトダイオードの受光面の領域、または同じスポットに関連する複数のフォトダイオードの受光面の複合領域は、(光が放出される)スポットの領域未満である。別の言い方をすれば、スポットの境界が、フォトダイオードの受光面に投影された場合、受光面内に含まれるようにスポットは、下に横たわるフォトダイオードより小さい。
【0174】
周知なように、核酸シーケンスは、一般に蛍光または化学発光標識がシーケンスされたDNA鋳型(単位複製配列)を備える特定の方法で配列に関連され、関連が検出され、標識がもはや信号を放出しない意味において取り除かれる反復のプロセスを含む。例えば本明細書で援用する米国特許出願公開第2016/0237488号;米国特許出願公開第2012/0224050号;米国特許第8,133,719号;第7,910,354号;第9,222,132号;第6,210,891号;第6,828,100号;第6,833,246号及び第6,911,345号参照。それゆえ、例えば「蛍光標識で核酸高分子を標識付けするステップ」は、スポット上に静止させられたDNA鋳型と標識付けされた予備分子を関連付けるステップを指すことが理解されるであろう。
【0175】
図面に目を向けると、
図29は、いくつかの実施形態による裏面照射(BSI)CMOSイメージセンサ100の断面図である。BSI CMOSイメージセンサ100は、第1の誘電体層110を含む。誘電体であるように記載されるが、第1の誘電体層110は任意の適切な絶縁材料を含むことが期待される。第1の誘電体層100は、金属配線113を含む。金属配線113は、集積回路材料と外部接続を含む。一緒に、第1の誘電体層100と金属配線113は、集合的に本明細書でBSI CMOSイメージセンサの「電子回路層」を指す。
【0176】
基板層115は、第1の誘電体層110及び金属配線113上に提供される。基板層115は、例えばシリコン、シリコン上のIII-V族、グラフェンオンシリコン、シリコンオンインシュレータ、その組み合わせなど、任意の適切な材料で作られる。基板層115は、光検出部品(例えばフォトダイオード117)が、位置決めされる開口を含む。フォトダイオード117に関して本明細書で記載されるが、任意の光検出部品が用いられることが期待される。フォトダイオード117は、測定された光を電流に変換するように構成される。フォトダイオード117は、例えば他のMOSトランジスタなど他の部品に電流を伝えるMOSトランジスタ(図示せず)のソース及びドレインを含む。他の部品は、電流をデジタル信号に変換するリセットトランジスタ、電流源フォロワまたはローセレクタなどを含む。一緒に、基板層115及びフォトダイオード117は、集合的に本明細書でBSI CMOSイメージセンサの「光検出層」を指す。
【0177】
フォトダイオード117は、金属配線113と接触し、金属配線113によって外部接続にデジタル信号を通信する。
図29に描かれるBSI CMOSイメージセンサ100において、受光面は、フォトダイオードの117上部に(すなわち、電子回路層に接触しない、電子回路層と反対の表面上に)置かれ、入射光は、この受光面においてフォトダイオード117によって受光される。
【0178】
図30によると、バイオセンサ200を組み立てるために、第1のパッシベーション層120は、BSI CMOSイメージセンサ100の基板層115及びフォトダイオード117上に従来の半導体プロセス技術(例えば、低温プラズマ化学気相堆積)によって堆積される。第1のパッシベーション層120は、任意の適切な保護材料を含む。例えば、第1のパッシベーション層120は、例えばシリコン、酸化物、金属、その組み合わせなどの材料を含む。第1のパッシベーション層120は、本明細書でさらに記載されるように、後のエッチング工程のためのエッチストップとして機能する。第1のパッシベーション層120は、アクティブ装置(すなわち、裏面照射CMOSセンサ)を代替としてまたは追加的に保護する役目を果たす。第1のパッシベーション層120は、頻繁な使用によって引き起こされる摩耗からフォトダイオード117を代替としてまたは追加的に保護する役目を果たす。第1のパッシベーション層120は、透明である。1つの実施例において、第1のパッシベーション層120は、100nm以下の厚さを有する。
【0179】
A.
図30のバイオセンサ200
図30は、いくつかの実施形態による、(例えば、高分子または高分子複合体の化学発光を検出するための)生物学的または化学的分析のために用いられるバイオセンサ200を描く。バイオセンサ200は、裏面照射CMOSイメージセンサ100を含む。裏面照射CMOSイメージセンサ100は、(第1の誘電体層110及び金属配線113からなる)電子回路層と(基板層115及びフォトダイオード117からなる)電子回路層上の光検出層を含む。フォトダイオード117は、電子信号が、電子回路層、及びいくつかの実施形態において、外部装置にフォトダイオード117から伝達されるように電子回路層に接触する。受光面は、電子回路層の反対のフォトダイオード117の表面によって定義される(すなわち、第1のパッシベーション層120に接触する表面)。
【0180】
バイオセンサ200は、さらに裏面照射CMOSイメージセンサ100上の第1のパッシベーション層120、化学的または生物学的サンプルが分析のために置かれる第1のパッシベーション層120上またはそこに形成されるスポットまたはウエル(図示せず)を含む。いくつかの実施形態において、バイオセンサ200は、生物分子の対応するアレイから光学信号(例えば蛍光または化学発光放出)を検出するために適応され、個々の生物分子は、以下により詳細に議論されるように、1またはそれ以上のフォトダイオードが生物分子から光を受けるように、1またはそれ以上のフォトダイオード上(例えばスポットまたはウエルに)に置かれる。
【0181】
裏面照射CMOSセンサ100を用いるバイオセンサを組み立てるためのさらなる様々な実施形態がここから記載される。
図31によると、第1の金属層123Aは、バイオセンサ200の第1のパッシベーション層120上に従来の半導体プロセス技術によって堆積される(例えば金属堆積技術によって)。第1の金属層123Aは、任意の適切な金属材料を含む。例えば、第1の金属層123Aは、例えばタングステン、アルミニウム、金、銅、その組み合わせまたは合金などの材料を含む。いくつかの実施形態において、第1の金属層123Aは、例えば第1のパッシベーション層120より厚い、厚い層である。例えば、第1の金属層123Aは、最大3μmである。
【0182】
図32によると、第1の金属層123Aは、フォトダイオード117上の第1の開口を提供するためにエッチングされ、第1の金属層123Bを残す。第1の金属層123Aは、例えばウエットエッチング、ドライエッチング、その組み合わせなど、任意の適切なプロセスによってエッチングされる。第1の金属層123Aをエッチングするステップは、例えばマスクを使用することを含むことが期待される。エッチングは、例えば酸(例えば塩酸、フッ化水素酸、硝酸など)、酸化剤を含むアルカリ、その組み合わせなどの様々な材料のいずれかを用いて仕上げられる。第1の金属層123Aをエッチングするために必要とされる酸の種類は、第1の金属層123Aを形成するために用いられる材料に依存することが予期される。いくつかの実施形態において、第1の開口は、フォトダイオード117と中心間で位置合わせし、その後の使用においてフォトダイオード117の効率を最大化する。マスク(図示せず)は、フォトダイオード117上の開口を画定し、第1の金属層123Bを残ったままにし、第1のパッシベーション層120は、第1の金属層123Aに開口をエッチングするときエッチストップの機能を果たす。本明細書で記載されるように、第1の金属層123Bの柱状のものは、分離したカラーフィルタによって受光する光を分離し、特定のカラーフィルタ向けの光を反射して、そのカラーフィルタまたは対応するフォトダイオード117に戻すことができる。
【0183】
図33によると、第2の誘電体層125は、従来の半導体プロセス技術によって第1の金属層123B上及び第1の開口に堆積される。いくつかの実施形態において、第2の誘電体層125は、第1の金属層123Bの全てのさらされた側面に形成される。誘電体であるとして記載されるが、第2の誘電体層125は、例えば窒化ケイ素、酸化タンタル、その組み合わせなど任意の適切な電気絶縁材料を含むことが期待される。第2の誘電体層125は、第1の誘電体層110と同じまたは異なる材料を有して形成されることができる。
【0184】
図34によると、カラーフィルタ材料127Aは、第2の誘電体層125上に堆積される。いくつかの実施形態において、カラーフィルタ材料127Aは、スピンコーティングによって堆積される。カラーフィルタ材料127Aは、第2の誘電体層125によって作り出された開口を満たす。この実施形態において、カラーフィルタ材料127Aは、また開口の間の第2の誘電体層125の部分に堆積される。それゆえ
図35によると、第2の誘電体層125の開口上の超過したカラーフィルタ材料127Aは、例えば化学機械平坦化(CMP)などによって取り除かれ、第2の誘電体層125の開口にカラーフィルタ材料127Bを残す。
【0185】
しかしながら、いくつかの実施形態において、カラーフィルタ材料は、代替のプロセスを用いて形成されることが期待される。例えば、
図35において、カラーフィルタ材料127Bは、1より多い(例えば、2、3、4)の異なるカラーフィルタ材料127Bがフォトダイオード117上に置かれるように第2の誘電体層125の開口にのみ選択的に堆積される。いくつかの用途において、それぞれの異なるカラーフィルタ材料127Bは、分離したフォトダイオード117に関連する。
【0186】
カラーフィルタ材料127Bは、例えば顔料ベースのポリマ、顔料ベースの色素、色素ベースのポリマ、樹脂または他の有機ベースの材料、その組み合わせなどを含む。カラーフィルタ127Bは、例えば、フォトダイオード117が、波長選択性がわずかであるまたはなく光強度を検出するだけで、それゆえ色情報を分離できないので、バイオセンサに必須である。
【0187】
カラーフィルタ材料127Bは、青フィルタ材料、赤フィルタ材料、緑フィルタ材料、エメラルドフィルタ材料、シアンフィルタ材料、黄色フィルタ材料、マゼンタフィルタ材料、白フィルタ材料、その組み合わせなどを含む。それゆえ、カラーフィルタ材料127Bは、波長範囲によって入射光をフィルタし、分離してフィルタされた強度は、光の色についての情報を含む。例えば、赤カラーフィルタ材料127Bは、赤波長領域の光の強度について情報を得られる。青カラーフィルタ材料127Bは、青波長領域の光の強度について情報を得られる。緑カラーフィルタ材料127Bは、緑波長領域の光の強度について情報を得られる、などなどである。
【0188】
いくつかの実施形態において、カラーフィルタ材料127Bは、単一色の材料を含む。例えば、カラーフィルタ材料127Bのそれぞれは、赤である。いくつかの実施形態において、カラーフィルタ材料127Bは、別個のフォトダイオード117に対応するそれぞれのカラーフィルタ材料127Bを備えて、異なる色の材料を含む。例えば、1つのカラーフィルタ材料127Bは、赤であり、隣のカラーフィルタ材料127Bは、緑である。
図42Aは、2チャンネルカラーフィルタが用いられるそのような実施形態を描く。
図42Aにおいて、高分子からの発光が赤カラーフィルタ材料1427B及び緑カラーフィルタ材料1427A(例えば赤カラーフィルタ材料1427Bと緑カラーフィルタ材料1427Aを重ね合わせる)に入るように、及びカラーフィルタ材料の異なる色を通って放出された光の波長が検出されるように、生物学的または化学的サンプル(例えばDNA高分子)は、スポットまたはウエル1450に位置決めされる。別の実施例において、2より多い囲むカラーフィルタ材料127Bは、異なる色の材料を含む。
図42Bは、4チャンネルカラーフィルタが用いられるそのような実施形態を描く。4チャンネルカラーフィルタは、赤である1つのカラーフィルタ材料1427B、黄色である1つのカラーフィルタ材料1427D、緑である1つのカラーフィルタ材料1427A、青である1つのカラーフィルタ材料1427Cを含む。この実施例において、生物学的または化学的サンプルは、4つのカラーフィルタの交点においてスポットまたはウエル1450に置かれ、カラーフィルタ材料の4つの色を通って放出された光の波長を検出する。いくつかの実施形態において、スポットまたはウエル1450は、下に横たわるカラーフィルタ材料(及び対応するフォトダイオード)のそれぞれの上に横たわり、すなわちそれぞれの等しい領域のフィルタがスポットの下に横たわることに等しい。
【0189】
図36Aは、バイオセンサ800が組み立てられる実施形態を描く。
図36Aによると、第2のパッシベーション層130は、第2の誘電体層125及びカラーフィルタ材料127B上に従来の半導体技術によって堆積される。第2のパッシベーション層130は、
図36Bに関して以下に記載されるようである。第1の材料層135は、第2のパッシベーション層130上に堆積される。第1の材料層135は、例えば窒化ケイ素、酸化タンタル、その組み合わせなど、任意の適切な材料を含む。第2の材料層137は、第1の材料層135上に堆積される。第2の材料層137は、例えば酸化ケイ素など、任意の適切な材料を含む。いくつかの実施形態において、第1の材料層135は、第2の材料層137の屈折率より高い屈折率を有する。いくつかの実施形態において、第1の材料層135は、第2のパッシベーション層130より高い屈折率を有する。それゆえ、
図36Aの実施形態は、蛍光測定の場合の受光面に、励起光を効率よく供給する。例えば、第1の材料層135は、光学導波路の中心部を形成し、それにより励起光の伝達の損失を低くすることができる。いくつかの実施形態において、生物学的または化学的サンプルは、フォトダイオード117上の第2の材料層137上に(いくつかの実施形態において第2の材料層137上に形成される開口またはウエルに)置かれ、蛍光または化学発光は、本明細書でさらに記載されるようにフォトダイオード117によって測定される。
図36Aに示される実施形態において蛍光を測定するとき、しかしながら励起光は、いくつかの実施例において、バイオセンサ800の表面に沿って、横向きに検出される。
【0190】
B.
図36Aのバイオセンサ800
それゆえ、
図36Aは、いくつかの実施形態による生物学的または化学的分析のために用いられるバイオセンサ800を描く。バイオセンサ800は、裏面照射CMOSイメージセンサ100を含む。裏面照射CMOSイメージセンサ100は、(第1の誘電体層110及び金属配線113からなる)電子回路層と(基板層115及びフォトダイオード117からなる)電子回路層上の光検出層を含む。フォトダイオード117は、電子信号がフォトダイオード117から電子回路層に伝達し、いくつかの実施形態において、外部装置に伝達するように、電子回路層に接触する。受光面は、電子回路層と反対であるフォトダイオード117の表面(すなわち第1のパッシベーション層120と接触する表面)によって定義される。
【0191】
バイオセンサ800は、さらに裏面照射CMOSイメージセンサ100上の第1のパッシベーション層120と第1のパッシベーション層120上の第1の金属層123Bを含む。第1の金属層123Bは、また基板層115上に置かれる。第1の金属層123Bは、第1の開口を含む。バイオセンサ800は、さらに金属層123B及び第1のパッシベーション層120上の第2の誘電体層125を含む。第2の誘電体層125は、また金属層123Bの第1の開口に配置される。
【0192】
バイオセンサ800は、さらに第2の誘電体層125上で金属層123Bの第1の開口及びその上に、カラーフィルタ材料127Bを含み、カラーフィルタ材料127Bの上面は、金属層123B上の第2の誘電体層125の上面と平坦である。バイオセンサ800は、さらに第2の誘電体層125及びカラーフィルタ材料127上の第2のパッシベーション層130を含む。バイオセンサ800は、さらに第1の材料層135と第2の材料層137を含む。第1の材料層135は、第2の材料層137より高い屈折率を有する。生物学的または化学的サンプルは、本明細書でさらに記載されるように、分析のために第2の材料層137にまたは上に、形成されるスポットまたはウエル(図示せず)に置かれる。
【0193】
図36Bは、
図36Aの代替の実施形態を描く。
図36Bによると、第2のパッシベーション層130は、第2の誘電体層125及びカラーフィルタ材料127B上に従来の半導体技術により堆積される。第2のパッシベーション層130は、例えば窒化ケイ素、酸化タンタル、その組み合わせなど、任意の適切な材料を含む。いくつかの実施形態において、第2のパッシベーション層130は、1またはそれ以上のhigh-k材料を含む。第2のパッシベーション層130は、第1のパッシベーション層120と同じまたは異なる材料を含む。いくつかの実施形態において、第2のパッシベーション層130は、第1のパッシベーション層120より密度の高い材料で作られる。第2のパッシベーション層130は、いくつかの実施形態において、分析されるサンプルとカラーフィルタ材料127Bの間の保護材料の機能を果たす。いくつかの実施形態において、第2のパッシベーション層130は、その後のエッチング工程でエッチストップの機能を果たす。第2のパッシベーション層130は、透明である。
【0194】
さらに
図36Bによると、第2の金属層133Aは、第2のパッシベーション層130上に従来の半導体技術によって堆積される。第2の金属層133Aは、例えばタングステン、アルミニウム、銅、その組み合わせなど、任意の適切な金属材料を含む。第2の金属層133Aは、第1の金属層123Bと同じまたは異なる材料で作られる。第2の金属層133Aは、入射または励起光を遮断する。
【0195】
その後、
図37によると、第2の金属層133Bは、第2の金属層133Aからエッチングされまたはパターニングされ、第2の金属層133Aに第2の開口150A-Cを作り出す。いくつかの実施形態において、第2の開口150A-Cは、フォトダイオード117と中心間で位置合わせされる。いくつかの実施形態において、第2の開口150A-Cは、100nmから1μmの範囲で直径を有する。第2の開口150A-Cは、カラーフィルタ材料127Bより小さい幅または直径を有する。いくつかの実施形態において、生物学的または化学的サンプルは、第2の開口150A-Cに置かれ、サンプルからの放出光は、本明細書でさらに記載されるようにそれらの蛍光または化学発光を測定するために用いられる。第2の開口150A-Cがカラーフィルタ材料127Bより小さい幅または直径である実施形態において、入射または励起光の遮断を増加し、サンプルの蛍光または発光の検出のノイズを小さくする。第2の開口150A-Cの幅または直径は、ほぼ分析される生物学的または化学的サンプルの大きさに対応する。
【0196】
C.
図37のバイオセンサ3700
それゆえ、
図37は、いくつかの実施形態による生物学的または化学的分析のために用いられるバイオセンサ3700を描く。バイオセンサ3700は、裏面照射CMOSイメージセンサ100を含む。裏面照射CMOSイメージセンサ100は、(第1の誘電体層110及び金属配線113からなる)電子回路層と(基板層115とフォトダイオード117からなる)電子回路層上の光検出層を含む。フォトダイオード117は、電子信号がフォトダイオード117から電子回路層、いくつかの実施形態において外部装置に伝達するように電子回路層と接触する。受光面は、電子回路層と反対であるフォトダイオード117の表面(すなわち第1のパッシベーション層120と接触する表面)によって定義される。
【0197】
バイオセンサ3700は、さらに裏面照射CMOSイメージセンサ100上の第1のパッシベーション層120と第1のパッシベーション層120上の第1の金属層123Bを含む。第1の金属層123Bは、基板層115上に配置される。第1の金属層123Bは、第1の開口を含む。バイオセンサ3700は、さらに金属層123Bと第1のパッシベーション層120上の第2の誘電体層125を含む。第2の誘電体層125は、金属層123Bの第1の開口に配置される。
【0198】
バイオセンサ3700は、さらに第2の誘電体層125上で、金属層123Bの第1の開口及びその上のカラーフィルタ材料127Bを含み、カラーフィルタ材料127Bの上面は、金属層123B上の第2の誘電体層125の上面と平坦である。バイオセンサ3700はさらに第2の誘電体層125及びカラーフィルタ材料127上の第2のパッシベーション層130を含む。バイオセンサ3700は、さらに第2の開口150A-Cを有する第2の金属層133Bを含む。第2の開口150A-Cは、本明細書でさらに記載されるように、生物学的または化学的サンプルを受け入れるように構成されたスポットまたはウエルとして機能する。
【0199】
図37の実施の形態を再び参照して、さらに様々な製造技術は、
図38-41に関して本明細書で記載されるように、さらに単一の強化のために実施される。
図38によると、マイクロレンズ140Aは、第2のパッシベーション層130及び第2の金属層133B上で成長される。いくつかの実施形態において、マイクロレンズ140Aは、フォトダイオード117と中心間で位置合わせする。マイクロレンズ140Aは、例えばガラス、ポリマ、プラスチック、その組み合わせなど様々な材料を含む。マイクロレンズ140Aは、カラーフィルタ127Bのそれぞれの上の装置において含まれ、カラーフィルタ127Bのそれぞれに放出光の焦点を合わせる。
【0200】
マイクロレンズ140Aは、例えばCMOSイメージセンサに関して用いられる共通のプロセスなど、任意の適切なマイクロレンズ製造プロセスによって成長される。1つの実施例として、フォトリソグラフィは、フォトレジストまたは紫外線硬化エポキシ材料上で実行され、材料は、マイクロレンズアレイ140Aのアレイを形成するために溶かされる。別の実施例として、ガラスの小さな繊維が溶かされ、溶かされたガラスの表面張力がなめらかな球状の表面を形成する。球状表面ガラスは、その後マイクロレンズ140Aを形成するために適切に取り付けられ、研磨される。さらに別の実施例において、複数のレンズウエハが精密に並べられ、接合され、マイクロレンズ140Aとして用いられるマルチエレメントスタックを形成するためにダイスされる、ウエハレベルの光学素子(WLO)が用いられる。
【0201】
図39によると、第3の金属層143Aは、マイクロレンズ140A上に従来の半導体プロセス技術により堆積される。第3の金属層143Aは、例えばタングステン、アルミニウム、銅、その組み合わせなど、任意の適切な材料を含む。第3の金属層143Aは、例えば第2の金属層123Bより薄い、比較的薄い層である。第3の金属層143Aは、第1の金属層123B及び/または第2の金属層133Bと同じまたは異なる材料で作られる。
【0202】
図40によると、平坦層145Aは、第3の金属層143A上に堆積される。平坦層145Aは、任意の適切な材料を含む。平坦層145Aは、例えば、スピンコーティングによって、またはその他の適切な方法によって堆積される。平坦層145Aは、第3の金属層143Aの上部のさらされた表面を超えるならば、平坦層145Aは、例えば機械化学平坦化(CMP)によって平坦化され、第3の金属層143Aの間の開口に平坦層145Aを残し、実質的に平坦な上面を作り出す。
【0203】
図41によると、第3の開口155A-Cは、平坦層145A(平坦層145Bは残ったまま)、第3の金属層143A(第3の金属層143Bは残ったまま)、及びマイクロレンズ140A(マイクロレンズ140Bは残ったまま)を通ってエッチングされる。例えば、平坦層145Bは、第3の開口155A-Cをエッチングするために、フォトレジスト(図示せず)でスピンコーティングされる。いくつかの実施形態において、第3の開口155A-Cの幅は、第2の開口150A-Cの幅に対応し、第2の金属層133Bはさらにエッチングされることを必要としない。第3の開口155A-Cは、第2のパッシベーション層130までエッチングされ、第2のパッシベーション層130は、エッチストップの機能を果たす。いくつかの実施例において、第3の開口155A-Cは、100nmから1μmの直径を有し、カラーフィルタ材料127B及び/またはフォトダイオード117と中心間で位置合わせする。いくつかの実施形態において、生物学的または化学的サンプルは、第2のパッシベーション層130上の第3の開口155A-Cに置かれ、サンプルの蛍光または化学発光は、本明細書でさらに記載されるように測定される。
【0204】
D.
図41のバイオセンサ1300
それゆえ、
図41は、いくつかの実施形態による生物学的または化学的分析のために用いられるバイオセンサ1300を描く。バイオセンサ1300は、裏面照射CMOSイメージセンサ100を含む。裏面照射CMOSイメージセンサ100は、(第1の誘電体層110及び金属配線113からなる)電子回路層と(基板層115及びフォトダイオード117からなる)電子回路層上の光検出層とを含む。フォトダイオード117は、電子信号がフォトダイオード117から電子回路層、いくつかの実施形態において外部装置に伝達されるように電子回路層に接触される。受光面は、電子回路層と反対のフォトダイオード117の表面(すなわち第1のパッシベーション層120に接触する表面)によって定義される。
【0205】
バイオセンサ1300は、さらに裏面照射CMOSイメージセンサ100上の第1のパッシベーション層120と第1のパッシベーション層120上の第1の金属層123Bを含む。第1の金属層123Bは、また基板層115上に配置される。第1の金属層123Bは、第1の開口を含む。バイオセンサ1300は、さらに金属層123B及び第1のパッシベーション層120上の第2の誘電体層125を含む。第2の誘電体層125は、また金属層123Bの第1の開口に配置される。
【0206】
バイオセンサ1300は、さらに第2の誘電体層125上で金属層123Bの第1の開口及びその上のカラーフィルタ材料127Bを含み、カラーフィルタ材料127Bの上面は、金属層123B上の第2の誘電体層125の上面と平坦である。バイオセンサ1300は、さらに第2の誘電体層125及びカラーフィルタ材料127上の第2のパッシベーション層130を含む。バイオセンサ1300は、さらに第2の開口150A-Cを有する第2のパッシベーション層130上の第2の金属層133Bを含む。
【0207】
バイオセンサ1300は、さらに第2の金属層133B上のマイクロレンズ140B、マイクロレンズ140B上の第3の金属層143B、第3の金属層143B上の平坦層145を含む。第3の金属層143Bは、バイオセンサ1300において多くの異なる目的を果たす。例えば、第3の金属層143Bは、カラーフィルタ材料127Bに入る入射光を遮断する助けになる。さらに、第3の金属層143Bは、曲がっているので、生物学的または化学的サンプルから任意の放出光がマイクロレンズ140Bを通り、第3の金属層143Bで反射され、カラーフィルタ材料127B、したがってフォトダイオード117の受光面に向かって戻される。言い換えると、フォトダイオード117によって測定された放出光の量は、最大化される。
【0208】
平坦層145は、第3の金属層143B上で平坦な表面を形成する。マイクロレンズ140B、第3の金属層143B、および平坦層145は、いくつかの実施形態において、第2の開口150A-Cと重なるところに形成された第3の開口155A-Cを有する。例えば、第3の開口155A-Cは、第2の開口150A-Cと同じ幅を有する。しかしながら、いくつかの実施形態において、第3の開口155A-Cは、第2の開口150A-Cと異なる幅を有することが期待される。一緒に、第2の開口150A-C及び第3の開口155A-Cは、本明細書でさらに記載されるように、生物学的または化学的サンプルを受け入れるように構成されたスポットまたはウエルとして機能する。
図41の第3の開口155A-Cは、
図37の第2の開口150A-Cより深いので、励起光は、一般にバイオセンサ1300の第3の開口155A-C上に直接配置された光源から向けられる。バイオセンサ3700は、第2の開口150A-Cが第3の開口155A-Cほど深くないので、励起光のさらなる角度ずれを許容することができる。
【0209】
核酸シーケンスの応用
図30、36A、37、及び41に関して上記に記載されたように、生物学的または化学的サンプルは、カラーフィルタ材料127B及びフォトダイオード117上の記載されたバイオセンサのそれぞれに配置される。生物学的または化学的サンプルは、多くの化学成分のいずれかを含む。例えば、サンプルは、核酸高分子(例えばDNA、RNAなど)、タンパク質などを含む。サンプルは、遺伝子配列、DNA-DNAハイブリダイゼーション、一塩基多型、タンパク質相互作用、ペプチド相互作用、抗原抗体相互作用、グルコースモニタリング、コレステロールモニタリングなど測定するために分析される。
【0210】
上記で議論されたように、いくつかの実施形態において、生体分子は、例えばDNAなどの核酸である。限定なく、DNA生体分子は、標識プローブ(例えば、ライゲーションまたはcPAL法によってシーケンスするDNBにおいて)または相補的な成長鎖(例えば合成法によってシーケンスするDNBにおいて)または両方にハイブリダイズされたDNAナノボール(一本鎖コンカテマ)、または単一DNA分子(例えば単一分子シーケンスにおいて)、または例えばブリッジPCRベースのシーケンスで作り出される、DNA分子のクローン集団である。それゆえ「生体分子」、「DNA高分子」、「核酸高分子」への言及は、1より多い分子(例えば複数の相補的な成長鎖と関連するDNBまたは数百または数千のDNA分子のクローン集団を含むDNAクラスタ)を包含する。例えば、本明細書で援用する米国特許第8,133,719号、米国特許出願公開第2013/0116153号、米国特許出願公開第2016/0237488号、米国特許出願公開第2012/0224050号、米国特許第8,133,719号、第7,910,354号、第9,222,132号、第6,210,891号、第6,828,100号、第6,833,246号及び第6,911,345号参照。
【0211】
いくつかの実施形態において、カラーフィルタ材料127Bは、生物学的または化学的サンプルを(カラーフィルタ127B上のスポットまたはウエルに)受け入れ、いくつかの実施例における生物学的または化学的サンプルからの放出光を吸収するための大きさにされおよび機能的にされる。例えば、カラーフィルタ材料127Bが赤で、生物学的または化学的サンプルからの放出光が緑ならば、カラーフィルタ材料127Bは、緑の放出光を吸収する。いくつかの実施形態において、カラーフィルタ材料127Bは、生物学的または化学的サンプルを(カラーフィルタ材料127B上のスポットまたはウエルに)受け入れ、生物学的または化学的サンプルからカラーフィルタ材料127Bを通ってフォトダイオード117の受光面上に放出光を通すための大きさにされ及び機能的にされる。例えば、もしカラーフィルタ材料127Bが青で生物学的または化学的サンプルからの放出光が青ならば、カラーフィルタ材料127Bは、青い放出光を対応するフォトダイオード117の受光面に通す。言い換えると、いくつかの実施形態において、放出光は、カラーフィルタ材料127Bによって吸収される。いくつかの実施形態において、放出光は、カラーフィルタ材料127Bを通ってフォトダイオード117上に伝達される。
【0212】
核酸高分子とバイオセンサのフォトダイオード117の間の整列の高密度とアシストを達成するために、バイオセンサの表面は、核酸高分子が結合されない表面の領域によって囲われた、核酸高分子を受け入れるための大きさにされ、化学的に機能的にされた活性スポットまたはウエル(例えば開口150A-C、開口155A-C)があるように、組み立てられる。核酸高分子は、任意の適切な表面化学を用いてフォトダイオード117と一列に並んだ活性表面に固定される。これは、(例えば正電荷を持つ領域と)非共有相互作用または核酸高分子に含まれる配列と相補的な配列を有する、表面に取り付けられた捕獲プローブまたはオリゴヌクレオチドとの相互作用を含む。例えば本明細書で援用する米国特許第8,445,194号参照。
【実施例】
【0213】
この実施例は、BSI CISセンサが光放出分子に取り付けられた表面からの弱い信号を検出するために用いられることを実証する。我々は、カラーフィルタ層がない(すなわち要素120、123B、125、及び127Bが欠如した)
図37に記載されたようなバイオセンサを組み立てた。さらに、表面133Bは、疎水性にされ、開口150A/B/Cの底面は親水性にされた(DNBは、親水性表面に向かい、疎水性表面から離れて分配された)。
【0214】
DNAナノボール(DNB)の希釈液を、バイオセンサアレイに塗布し、個々のDNBをアレイのスポットに定着させた。この実験の目的のために、本質的にアレイの全てのDNBが異なる配列を有し、DNBの配列が配列決定の前に既知でない任意の特定のスポット/位置であるシーケンス方法と対比して、DNBの全ては同じ配列を有する。
【0215】
2つのプライマは、DNA鋳型にハイブリダイズされた(
図43A、上部参照)。「左」のプライマは、ブロックされた(伸長不可能)3’末端を有し、蛍光色素で5’末端において標識付けされた。蛍光色素は、アレイのDNBの位置を確立するために用いられた(図示せず)。「右」のプライマは、合成によってシーケンスのための拡張可能なプライマとして機能する。シーケンス試薬及び検出試薬4は、切断可能なリンカによってビオチンでタグ付けされたdATPとともに加えられた(DNAポリメラーゼ、ストレプトアビジン、ビオチン化ルシフェラーゼ3、ATP及びルシフェリン)。この系において、ストレプトアビジン2は、
図43Aに示されるように、組み込まれたヌクレオチドに結合したビオチンと結合し、ビオチン化ルシフェラーゼとも結合する(菱形で示されるビオチン1)。ATPは、ルシフェリンのオキシルシフェリンへのルシフェラーゼ媒介変換による光の発生の基質として機能する。光は、フォトダイオードによって受光され、信号を生成する。信号は、dATPの取り込みと相関し、鋳型配列の対応する位置においてチミンの存在を示す。
図43Aは、アレイの非常に多くのスポットにおいてDNBからの信号を示す。
【0216】
THPPは、その後切断可能なリンカを切断するために用いられ、ビオチン/ストレプトアビジン/ルシフェラーゼ複合体を放出し、アレイは、全ての溶解可能な試薬を取り除くために洗浄された。
図43Bは、洗浄工程後、アレイからの信号が存在しないかまたは著しく減少することを示す。
【0217】
第2の取り込みラウンドは、
図15Cに示されるようにdTTP-ジゴキシン及びDNAポリメラーゼを用いて実行された。dTTPの取り込みは、ビオチン化抗ジゴキシン抗体、ストレプトアビジン、ビオチン化ルシフェラーゼ、ATP及びルシフェリンを用いて検出された。ビオチン化抗ジゴキシン抗体の使用は、それぞれの取り込みイベントによって発生される信号を増幅する。
図15Cは、化学発光の光がアレイの非常に多くのスポットで発生されたことを示す画像である。この実施例は、2つの異なるdNTP及び2つの異なる検出システムを用いて、本発明のBSI CISセンサが例えばDNBなどの光放出分子を取り付けられた表面からの弱い信号を検出するために用いられることを実証する。
【0218】
VII.バイオセンサのための代替の差異のある表面
図44-47は、本発明の実施形態による差異のある表面を有するバイオセンサの製造の様々な段階を記載する。製造及び構造の他の実施形態は、当業者にとってこの記載から明白であろう。したがって、次の記載は、説明であり限定しない意図がある。
【0219】
図44は、いくつかの実施形態によるマスクが取り除かれた裏面照射(BSI)CMOSイメージセンサの断面図である。
図44によると、空孔160A-Cは、側面の金属層または金属酸化物層133B、及び底部のパッシベーション層120によって作り出される。
図44の装置構造は、
図26の装置2600と同様であるが、センサ117と誘電体層110の中の金属配線113を含む基板を備える。
図44の装置構造は、また
図2の装置200の上部と同様である。
図44の装置構造は、フィルタ層127B、125、123Bが取り除かれた、
図37の装置900の上部と同様である。本明細書に記載された方法は、また同様の装置構造に適用可能である。空孔160A-Cは、本明細書でさらに記載されるように、生物学的または化学的サンプルが配置されるスポットまたはウエルを形成できる。
【0220】
いくつかの実施形態において、第1のカバー層及び第1のカバー層と異なる第2のカバー層は、それぞれ金属層または金属酸化物層133B及びパッシベーション層120の差異のある表面に基づいて選択的に適用される。第1及び第2のカバー層は、異なる特性を有し、第1のカバー層を備える領域(例えば133B)によって分離された、第2のカバー層を備える底面を備えるスポットまたはウエルのアレイをもたらす。いくつかの実施形態において、興味のある高分子は、第1のカバー層と比較して第2のカバー層と優先的に結合する。
【0221】
図45は、いくつかの実施形態による、差異のある表面によって選択的に適用される第1のコーティングを備える裏面照射CMOSイメージセンサの断面図である。
図45に描かれるように、第1のカバー層150は、表面特性に基づいて、金属層または金属酸化物層133Bに選択的に適用される。例えば、第1のカバー層150は、金属層または金属酸化物層133Bと接合する及び/または引きつけられるそのような材料を有する。いくつかの実施形態において、第1のカバー層は、パッシベーション層120と結合または接着せず、はじかれ
図45に示される構造をもたらす。第1のカバー層150は、任意の方法または技術(例えば化学気相堆積、ディッピング、及び/またはスピンコーティングなど)により、金属層または金属酸化物層133Bに適用される。例えば、金属層または金属酸化物層133Bは、第1のカバー層150を形成するために第1の材料で被覆されるまたは処理される。第1のカバー層150は、従来の半導体プロセス技術により堆積される。用語「カバー層」は、任意の特定の構造または大きさに帰することを意図しないことが認識されるであろう。
【0222】
第1のカバー層150は、金属または金属酸化物133Bと接着または結合する任意の適切な材料を含む。1つのアプローチにおいて、第1のカバー層155は、無機リン酸塩、ホスホン酸、例えばヘキサメチルホスホラミド、ヘキサメチル四リン酸、その組み合わせなどの有機リン酸塩化合物を制限なく含む、金属または金属酸化物を結合するリン酸塩化合物の適用によって作り出される。
【0223】
いくつかの実施形態において、第1のカバー層150は、興味のある生物学的または化学的検査対象をはじく材料を含む。例えば、第1のカバー層150は、負電荷を有する材料を含み、そのため負に帯電された生物学的または化学的サンプルをはじく。いくつかの実施形態において、第1のカバー層150は、疎水性である。当業者は、金属と第1のカバー層の組み合わせ(例えば2つを組にした組み合わせ)は、特定の目的のために選択され、最適化されることができることを認識するであろう。
【0224】
図46は、いくつかの実施形態による差異のある表面によって選択的に適用された第2のコーティングを備える裏面照射CMOSイメージセンサの断面図である。
図46に描かれるように、第2のカバー層155は、パッシベーション層の表面特性に基づいてパッシベーション層120に選択的に適用される。例えば、第2のカバー層155は、パッシベーション層120と接合し及び/または引きつけられるが、金属または金属酸化物133Bを覆う第1のカバー層150と接合せず、または接着しないそのような材料を有する。第2のカバー層155は、第2の材料でパッシベーション層120のさらされた部分を被覆または処理することによって適用される。1つのアプローチにおいて、さらされたパッシベーション層120及び第1のカバー層150によって覆われた金属または金属酸化物133Bの両方は、パッシベーション層にのみ接着する第2の材料にさらされる。第2のカバー層155は、従来の半導体プロセス技術により堆積される。
【0225】
1つのアプローチにおいて、第2のカバー層155は、アミノプロピルトリメトキシシラン、3-アミノプロピル-メチルジエトキシシラン、3-アミノプロピルトリ-エトキシシランなどを制限なく含むシランまたはシラン化合物の適用によって作り出される。いくつかの実施形態において、第2のカバー層155は、生物学的または化学的サンプルを引きつける材料を含む。例えば、第2のカバー層155は、正電荷を有する材料を含み、負に帯電された生物学的または化学的サンプルを引きつける。いくつかの実施形態において、第2のカバー層155は親水性である。当業者は、第1のカバー層とパッシベーション層120(すなわちパッシベーション層の表面)の組み合わせ(2つを組にした組み合わせ)は、特定の目的のために選択され、最適化されることができることを認識するであろう。
【0226】
用語「カバー層」は、任意の特定の適用方法または構造に第1及び第2のカバー層を制限する意図がないことが理解されるであろう。記載されたように第1及び第2のカバー層の異なる特性は、例えばDNA高分子など標的の高分子を差別化して保持するために選択される。第1及び/または第2のカバー層は、機能的にされた表面が標的高分子の差異のある保持をもたらす特性を有するように機能的にされることが認識されるであろう。説明のために、第1及び第2のカバー層の適用の後、第2のカバー層に親和性があるが、第1のカバー層に親和性がない、DNA結合分子(例えばオリゴヌクレオチド)は、第2のカバー層155を覆うために適用される。いくつかの実施形態において、第2のカバー層155は、単一の核酸分子が増幅される機能的にされた表面である。
【0227】
用語「第1のカバー層」は、表面に適用される材料及び表面に保持される材料を指す(例えば保持される材料は、溶媒の蒸発によって;表面材料との反応によってなど、で適用される材料と異なる)。
【0228】
そのため、第1のカバー層150Bが金属層または金属酸化物層133B上に存在し、第2のカバー層155が空孔160A-Cに存在する、構造が作り出される。空孔160A-Cは、側面の第1のカバー層150B及び金属層または金属酸化物層133B及び底部のパッシベーション層120によって形成される。空孔160A-Cは、本明細書でさらに記載されるように、生物学的または化学的サンプルが配置されるスポットまたはウエルを形成する。
【0229】
図47は、いくつかの実施形態による高分子を備える裏面照射CMOSイメージセンサを用いるバイオセンサの断面図である。
図47によると、生物学的または化学的サンプル170は、第2のカバー層155の上部の空孔に導入される。本発明は、任意の特定の導入方法に制限されない。いくつかの実施形態において、生物学的または化学的サンプル170は、第2のカバー層155に引きつけられまたは結合される一方で、第1のカバー層150によってはじかれる。これは、生物学的または化学的サンプル170がフォトダイオード117によって感知できない金属層または金属酸化物層133B上の第1のカバー層150Bにくっつくことを防ぐ。
【0230】
図44、46、及び47に描かれるように、いくつかの実施形態において、金属層または金属酸化物層133B及びフォトダイオード117の上面またはパッシベーション層120は、複数のウエルまたは空孔160A-Cを形成し、それぞれのウエルの壁は、金属層から形成され、それぞれのウエルの底部は、フォトダイオード117表面または上に横たわるパッシベーション層120から形成される。いくつかの実施形態において、壁は、ウエル底部から底部及び壁が空孔160A-Cを画定するカバー層150Bの上部に対応する水準まで延在する高さhを有する。いくつかの実施形態において、ウエル底部の表面領域は、下に横たわるフォトダイオードの表面領域より小さい。いくつかの実施形態において、空孔160A-Cの体積は、1×10
-24m
3から1×10
-21m
2の範囲であり;及び/または壁の高さは、1nmから500nmの範囲であり;及び/または底部の領域は、1×10
-15m
2から1×10
-14m
2の範囲である。いくつかの実施形態において、ウエルの幅または直径と壁の高さの比は、1から200の範囲である。
【0231】
いくつかの実施形態において、
図47に描かれるように、バイオセンサ4700は、裏面照射相補型金属酸化物半導体(CMOS)イメージセンサ111を含むことができる。裏面照射CMOSイメージセンサ111は、電子回路層112と電子回路層上の光検出層114を含むことができる。電子回路層112は、誘電体層110及び金属配線113からなることができる。光検出層114は、基板層115と第1の上面117Aと第1の底面117Bを有する複数のフォトダイオード117を含むことができる。第1の底面117Bは、電子回路層113と接触し(明示的に示されていない接続)、第1の上面117Aは、受光面を含む。バイオセンサ4700は、また光検出層114上の金属または金属酸化物層133Bを有することができ、金属または金属酸化物層133Bは、第2の上面133-1及び第2の底面133-2を有する。金属または金属酸化物層133Bは、複数の空孔160を画定し、複数の空孔160のそれぞれの空孔は、複数のフォトダイオード117の少なくとも1つのフォトダイオードと一致する。第2の上面133-1は、第1のカバー層を形成するために第1の材料150で被覆されまたは処理されることができる。バイオセンサ4700は、また複数のフォトダイオード117上のパッシベーション層120を有し、パッシベーション層は、第3の上面120A及び第3の底面120Bを有する。金属または金属酸化物層133B及びパッシベーション層120の第3の上面120Aは、複数のウエル165を形成する。それぞれのウエルの壁は、金属または金属酸化物層133Bから形成され、それぞれのウエルの底部は、パッシベーション層120の第3の上面120Aから形成される。それぞれのウエルの底部は、第2のカバー層を形成するために第2の材料155で被覆されまたは処理されることができる。第1の材料150は、第2の材料155と異なる。
【0232】
バイオセンサ4700のいくつかの実施形態において、第1の材料は、リン酸塩またはホスホン酸の少なくとも1つを含むことができる。第2の材料はシランを含むことができる。いくつかの実施形態において、複数のウエルは、高分子を受け入れるために機能的にされる。いくつかの実施形態において、高分子は、第2の材料より第1の材料と結合する可能性が低い。いくつかの実施形態において、第2の材料は、高分子と結合されるように構成され、第1の材料は、高分子と結合しないように構成される。いくつかの実施形態において、第2の材料は、高分子と結合する配位子を含むことができる。限定なく、高分子は、核酸、タンパク質(例えば抗原)または抗体であることができ、配位子は、オリゴヌクレオチド、DNA結合タンパク質、抗原、または抗体であることができる。高分子は、DNA高分子を結合する抗体であることができる。いくつかの実施形態において、第1の材料は疎水性であり、第2の材料は、親水性である。少なくとも1つのウエルは、高分子検査対象によって占有されることができる。高分子検査対象は、核酸または抗体であることができる。
【0233】
生物学的または化学的サンプルは、多くの成分のいずれかを含む。例えば、サンプルは、核酸高分子(例えばDNA、RNAなど)、タンパク質などを含む。サンプルは、遺伝子配列、DNA-DNAハイブリダイゼーション、一塩基多型、タンパク質相互作用、ペプチド相互作用、抗原抗体相互作用、グルコースモニタリング、コレステロールモニタリングなどを測定するために分析される。
【0234】
本明細書で記載されたプロセスは、ある順番で実行されるある数のステップに対して記載されるが、明白に示されない及び/または記載されない追加のステップが含まれることが期待される。さらに、示され及び記載されたステップより少ないステップが記載された実施形態の範囲から逸脱することなく含まれることが期待される(すなわち記載されたステップの1つまたはいくつかが任意である)。さらに、本明細書で記載されるステップは、記載されたものと異なる順番で実行されることが期待される。
【0235】
前の記載において、用途の態様は、その特定の実施形態に言及して記載されたが、当業者は、本発明がそれに限定されないことを認識するであろう。そのため、用途の説明の実施形態が本明細書で詳細に記載されたが、本発明の概念は、さもなければ様々に具体化され、用いられること、添付された請求項は、従来技術によって制限されることを除いてそのようなバリエーションを含むために組み立てられることが意図されることが理解されるべきである。上記された本発明の様々な特徴及び態様は、個々にまたは結合して用いられることができる。さらに、実施形態は、明細書のより広い精神及び範囲から逸脱することなく本明細書で記載された実施形態を超えて、いくつもの環境及び用途に利用されることができる。明細書及び図面はしたがって、制限としてというよりむしろ説明として考えられるべきである。説明の目的のために、方法は特定の順番で記載された。代替の実施形態において、本発明の方法は、記載されたものと異なる順番で実行されることが理解されるべきである。
【0236】
他のバリエーションは、現在の開示の精神の中である。そのため、開示された技術は、様々な改良及び代替の組み立てを受け入れる余地がある一方で、その特定の描かれた実施形態は、図面に示され、詳細に上記に記載された。しかしながら、開示された特定の形態または複数の形態に開示を制限する意図はなく、反対に添付された請求項に定義されるように、開示の精神及び範囲内のすべての改良、代替の組み立て、等価物を対象にする意図があることが理解されるべきである。