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特許7322011リフローの前後で部品を保持する固定具および方法関連出願の相互参照
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-28
(45)【発行日】2023-08-07
(54)【発明の名称】リフローの前後で部品を保持する固定具および方法関連出願の相互参照
(51)【国際特許分類】
   H05K 3/34 20060101AFI20230731BHJP
   B25J 15/00 20060101ALI20230731BHJP
   H01L 21/683 20060101ALN20230731BHJP
【FI】
H05K3/34 504Z
B25J15/00 F
H01L21/68 N
【請求項の数】 28
(21)【出願番号】P 2020523792
(86)(22)【出願日】2018-11-01
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-01-21
(86)【国際出願番号】 US2018058627
(87)【国際公開番号】W WO2019089879
(87)【国際公開日】2019-05-09
【審査請求日】2021-10-27
(31)【優先権主張番号】62/580,533
(32)【優先日】2017-11-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】516237503
【氏名又は名称】ユニヴァーサル インストゥルメンツ コーポレイション
【氏名又は名称原語表記】UNIVERSAL INSTRUMENTS CORPORATION
【住所又は居所原語表記】33 Broome Corporate Parkway, Conklin, NY 13748 (US)
(74)【代理人】
【識別番号】100095577
【弁理士】
【氏名又は名称】小西 富雅
(74)【代理人】
【識別番号】100100424
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 知公
(72)【発明者】
【氏名】ディオンヌ, ペーター ジョセフ
(72)【発明者】
【氏名】ウォーレン, バーナード
【審査官】小林 大介
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2014/0359995(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2012/0229999(US,A1)
【文献】米国特許第06654250(US,B1)
【文献】米国特許第05920120(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 3/34
B25J 15/00
H01L 21/683-21/687
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ピックアンドプレース組立工程において用いるためのクランプアッセンブリであって、
固定具と、
キャリアとを備え、
前記固定具は、
部品および作業対象物が前記固定具と前記キャリアとの間で互いにクランプされるように、前記キャリアへ取外し可能に固定されるように構成される少なくとも1つの保持機構を備え、
さらに、前記固定具は、
組立マシンのピックアンドプレースノズルによって持ち上げられかつ移動されるように構成される
クランプアッセンブリ。
【請求項2】
前記少なくとも1つの保持機構は、前記機構から延びる少なくとも1つの位置合わせピンを備え、前記位置合わせピンは、前記キャリア内へ延びかつ前記キャリアへ取外し可能に固定されるように構成される、請求項1に記載のクランプアッセンブリ。
【請求項3】
前記少なくとも1つの位置合わせピンは、前記少なくとも1つの位置合わせピンの端に、前記キャリアへ取外し可能に固定されるように構成されるバヨネットチップを備える、請求項2に記載のクランプアッセンブリ。
【請求項4】
前記キャリアは、
開口であって、
第1の端および第2の端を有する入口と、
空洞とを備える、開口を備え、
前記入口は、前記バヨネットチップの最も幅広の部分より狭い幅を有し、
前記バヨネットチップは、バーブシェルフを備え、
前記バヨネットチップは、前記バヨネットチップが前記空洞へ入りかつ前記第2で前記入口を出て、前記バーブシェルフが前記第2の端に当接しかつこれにより固定されるように、前記入口の第1の端へ強制挿入されるように構成される、請求項3に記載のクランプアッセンブリ。
【請求項5】
前記少なくとも1つの保持機構は、磁石を備え、かつ前記キャリアは、前記磁石へ磁力によって確実に付着するように構成される磁性部分を備える、請求項1に記載のクランプアッセンブリ。
【請求項6】
前記少なくとも1つの保持機構は、使い捨てである、請求項1に記載のクランプアッセンブリ。
【請求項7】
前記固定具は、前記固定具とキャリアとの間にクランプされる前記部品および作業対象物上へ垂直のばね力を加えるように構成される少なくとも1つの型締力機構を備える、請求項1に記載のクランプアッセンブリ。
【請求項8】
前記固定具は、前記部品および前記作業対象物が前記固定具と前記キャリアとの間でクランプされると、少なくとも1つのボス機構が前記部品を所定位置に固定するように、前記部品に対応すべく構成される少なくとも1つのボス機構を備える、請求項1に記載のクランプアッセンブリ。
【請求項9】
前記少なくとも1つの位置合わせピンは、Oリングと前記部品および前記作業対象物のうちの少なくとも一方との間に摩擦嵌めを提供するように構成されるOリングを備える、請求項2に記載のクランプアッセンブリ。
【請求項10】
前記保持機構は、前記部品の第1の保持機構開口および前記作業対象物の第2の保持機構開口を通って延びるように構成される、請求項1に記載のクランプアッセンブリ。
【請求項11】
前記キャリアは、前記キャリアが前記保持機構を受け入れると屈曲し、かつ前記キャリアが前記保持機構を受け入れた後に退縮し、よって前記少なくとも1つの丸いワイヤビームが前記保持機構を前記キャリアへ固定するように構成される、少なくとも1つのワイヤビームを備える、請求項1に記載のクランプアッセンブリ。
【請求項12】
部品を作業対象物へクランプする方法であって、
保持機構を有する固定具を提供することと、
部品を提供することと、
キャリア上へ作業対象物を提供することと、
前記部品を前記固定具と前記キャリア上の前記作業対象物との間に置くことと、
前記部品および前記作業対象物が前記固定具と前記キャリアとの間で互いにクランプされるように、前記保持機構を前記キャリアへ固定すること、
そして、ピックアンドプレースノズルによって、前記部品および前記作業対象物から前記固定具を取り外すことと、
を含む方法。
【請求項13】
前記部品を前記固定具と前記キャリア上の前記作業対象物との間に置くことは、
前記ピックアンドプレースノズルによって前記部品を抜き出すことと、
前記保持機構を前記部品の保持機構開口に挿入することと、
前記保持機構を前記作業対象物の保持機構開口に挿入すること、を含む、請求項12に記載の部品を作業対象物へクランプする方法。
【請求項14】
前記保持機構は、磁石を備え、かつ前記キャリアは、前記磁石へ磁力によって付着するように構成される磁性部分を備え、前記保持機構を前記キャリアへ固定することは、前記磁石を前記磁性部分へ付着することを含む、請求項13に記載の部品を作業対象物へクランプする方法。
【請求項15】
前記部品および前記作業対象物のうちの少なくとも一方に湿ったはんだペーストを提供することをさらに含む、請求項12に記載の部品を作業対象物へクランプする方法。
【請求項16】
前記部品および前記作業対象物が互いにはんだ付けされるように、前記固定具、部品、作業対象物およびキャリアをリフロー工程にかけることをさらに含む、請求項12に記載の部品を作業対象物へクランプする方法。
【請求項17】
前記保持機構は、前記キャリアへ取外し可能に固定されるように構成される少なくとも1つの位置合わせピンを備える、請求項12に記載の部品を作業対象物へクランプする方法。
【請求項18】
前記少なくとも1つの位置合わせピンは、前記少なくとも1つの位置合わせピンの端にバヨネットチップを備え、前記方法は、さらに、
前記固定具が前記キャリアから取外し可能であるように、固定具ストリッパによって前記バヨネットチップを圧縮することを含む、請求項17に記載の部品を作業対象物へクランプする方法。
【請求項19】
ピックアンドプレース組立工程において用いるための固定具であって、
部品および作業対象物が前記固定具とキャリアとの間で互いにクランプされるべく、前記キャリアへ取外し可能に固定されるように構成される少なくとも1つの保持機構を備え、
さらに、前記固定具は、組立マシンのピックアンドプレースノズルによって持ち上げられかつ移動されるように構成される、
固定具。
【請求項20】
前記固定具は、固定具本体を備え、前記保持機構は、前記固定具本体から延びる少なくとも1つの突起を備える、請求項19に記載の固定具。
【請求項21】
前記少なくとも1つの突起は、バヨネットチップを備え、前記バヨネットチップは、前記キャリアに挿入されかつこれへ取外し可能に固定されるように構成されるバーブシェルフを備える、請求項20に記載の固定具。
【請求項22】
前記固定具は、前記少なくとも1つの突起の長さに沿って前記バヨネットチップ内へ延びる開口を備え、前記突起およびバヨネットチップは、内側へ前記開口に向かって圧縮可能である、請求項21に記載の固定具。
【請求項23】
前記固定具は、固定具本体を備え、前記固定具本体は、前記固定具本体から延びる少なくとも1つの型締力機構を備え、かつ前記型締力機構は、前記部品および前記作業対象物が前記固定具と前記キャリアとの間でクランプされると、前記部品および前記作業対象物へ垂直のばね力を加えるように構成される、請求項19に記載の固定具。
【請求項24】
前記型締力機構は、ばねである、請求項23に記載の固定具。
【請求項25】
前記少なくとも1つの保持機構は、前記少なくとも1つの保持機構と、前記部品の保持機構開口および前記作業対象物の保持機構開口のうちの少なくとも一方との間に摩擦嵌めを提供するように構成される少なくとも1つの幅広部分を備える、請求項19に記載の固定具。
【請求項26】
前記少なくとも1つの保持機構は、前記少なくとも1つの保持機構と、前記部品の保持機構開口および前記作業対象物の保持機構開口のうちの少なくとも一方との間に摩擦嵌めを提供するように構成されるOリングを備える、請求項19に記載の固定具。
【請求項27】
前記固定具は、前記部品および前記作業対象物が前記固定具と前記キャリアとの間でクランプされると、前記部品および前記作業対象物上へ垂直のばね力を提供するように構成される弾性媒体を備える、請求項19に記載の固定具。
【請求項28】
前記保持機構は、前記固定具と前記キャリアとの間で前記部品および前記作業対象物が互いにクランプされるべく、前記キャリアの磁性部分へ磁力によって付着するように構成される磁石を備える、請求項19に記載の固定具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2017年11月2日に提出された、「Fixture to Hold Component Before and After Reflow,and Method(リフローの前後でコンポーネントを保持する固定具および方法)」と題する暫定出願第62/580,533号明細書に対する優先権を主張するものであり、該出願の開示内容は、ここに、本開示と不整合でない限りにおいて、参照により開示に含まれる。
【0002】
本明細書における主題は、自動化されたエレクトロニクス組立に関する。より具体的には、この主題は、ピックアンドプレース生産/組立の間に部品の位置および形状を保持する自動化されたエレクトロニクス組立に関する。
【背景技術】
【0003】
ピックアンドプレース機は、たとえば、部品などのコンポーネントを基板またはプリント基板(PCB)などの作業対象物上へピックアンドプレースすることにより、一般的なエレクトロニクス組立におけるものなどの製品を組み立てるために使用される。自動化された電子組立が使用される場合もある。一例として、表面実装技術(SMT)マシンは、表面実装デバイスをPCB上へ置くために使用される高速かつ高精度のピックアンドプレース機または工程の一種である。SMT工程では、部品は、加熱炉リフロー工程などのはんだリフロー工程において基板上へはんだ付けされ得る。たとえば、はんだペーストは、スクリーン印刷によって塗布され得る。別の例として、はんだは、組立工程より前に、部品のはんだ付けへ、または部品の接着ポイントへ塗布され得る。はんだ付きの部品は、「はんだプレバンプ」と称される。別の例として、局所的なレーザリフロー工程が使用される場合もある。フラックスは、後に、ピックアンドプレース工程の間に塗布され得る。はんだリフロー工程に先行して、配置される部品および基板は、部品および基板がはんだリフロー工程の間に正しく位置合わせされるように、かつ部品が変形されないように、固定具でクランプされることがある。たとえば、固定具は、比較的大きくかつ重くてもよく、拘束性の型締力を提供するように基板およびキャリアへ手動で固定され得る。部品を基板へクランプするためには、基板を自動化ラインから取り外さなければならないことがある。クランプされると、固定具、部品、基板およびキャリアは、次に、はんだリフロー工程へと移行され得る。
【0004】
手作業によるクランプおよび/または自動化ラインからの基板除去を必要としない新規アプローチは、当技術分野において十分に受け入れられるものと思われる。
【発明の概要】
【0005】
第1の態様は、ピックアンドプレース組立工程において用いるための保持クランプに関し、該保持クランプは、固定具と、キャリアとを備え、該固定具は、部品および作業対象物が固定具とキャリアとの間で互いにクランプされるべくキャリアへ取外し可能に固定されるように構成される少なくとも1つの保持機構を備える。
【0006】
第2の態様は、部品を作業対象物へクランプする方法に関し、該方法は、保持機構を有する固定具を提供することと、部品を提供することと、キャリア上へ作業対象物を提供することと、部品を固定具とキャリア上の作業対象物との間に置くことと、部品および基板が固定具とキャリアとの間で互いにクランプされるように、保持機構をキャリアへ固定すること、を含む。
【0007】
第3の態様は、ピックアンドプレース組立工程において用いるための固定具に関し、該固定具は、部品および作業対象物が固定具とキャリアとの間で互いにクランプされるべくキャリアへ取外し可能に固定されるように構成される少なくとも1つの保持機構を備える。
【図面の簡単な説明】
【0008】
下記の図面を参照して、実施形態のうちの幾つかについて詳述する。諸図面において、類似の名称は、類似の部材を示す。
【0009】
図1】保持クランプの一実施形態の側面断面図である。
【0010】
図2】保持クランプの別の実施形態の側面断面図である。
【0011】
図3】ボス機構を有する固定具の一実施形態の底面図である。
【0012】
図4図3の線A-Aに沿った、Oリングを有する図3の固定具の実施形態の側面断面図である。
【0013】
図5】保持クランプ、部品および基板の一実施形態の分解図である。
【0014】
図6A】第1の位置における、スナップ嵌め機構の一実施形態の側面断面図である。
【0015】
図6B図6Aのスナップ嵌め機構の実施形態の、第2の位置における側面断面図である。
【0016】
図6C図6Aのスナップ機構の実施形態の、第3の位置における側面断面図である。
【0017】
図7】ある実施形態による、保持クランプのキャリアの一実施形態の底面図である。
【0018】
図8図7の線P-Pに沿った、図7のキャリアの実施形態の側面断面図である。
【0019】
図9】固定具の一実施形態を持ち上げるノズルの一実施形態の側面図である。
【0020】
図10】ある実施形態による、固定具を持ち上げて部品に接近する図9のノズルの側面図である。
【0021】
図11】固定具が部品を持ち上げた状態の図9のノズル、図9の固定具および図10の部品の側面図である。
【0022】
図12】ある実施形態による、キャリア上の基板に接近する図9のノズル、図9の固定具および図10の部品の側面図である。
【0023】
図13】固定具が部品および基板をキャリアへクランプしている図9のノズル、図9の固定具、図10の部品および図12の基板およびキャリアの側面図である。
【0024】
図14】ある実施形態による、図9のノズル、図9の固定具、図10の部品および図12の基板およびキャリア、および固定具ストリッパの側面断面図である。
【0025】
図15】固定ストリッパがキャリアからの固定具のスナップ嵌め機構の取外しを容易にしている、図9のノズル、図9の固定具、図10の部品および図12のPCBおよびキャリア、および図14の固定ストリッパの側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
図面を参照して行なう、開示する装置および方法の後述の実施形態に関する詳細な説明は、限定ではなく、例示として提示するものである。所定の実施形態について詳細に示しかつ説明するが、添付の特許請求の範囲を逸脱することなく、様々な変更および改変が行われる場合もあることは、理解されるべきである。本開示の範囲は、構成要素の数、その材料、その形状、その色、その相対的配置、他に限定されるものではなく、単に本開示の実施形態の一例として開示されている。本実施形態およびその利点のより完全な理解は、類似の参照数字が類似の特徴を示す添付の図面に関連して解釈される以下の説明を参照することによって得られ得る。
【0027】
図1を参照すると、部品20を基板などの作業対象物30へクランプするクランプアッセンブリの一実施形態15の側面断面図が示されている。基板は、PCB、チップ、システム・イン・パッケージ、フレックス回路などのケーブルおよびこれらに類似するものであってもよい。この実施形態において、作業対象物30は、PCB30である。クランプアッセンブリ15は、固定具10と、キャリア40とを含む。固定具10は、固定具本体と、キャリア40へ取外し可能に固定されるように構成される保持機構とを含む。図中の実施形態において、保持機構は、固定具本体から延びる突起を含むスナップ嵌め機構であり、突起は、キャリアに挿入されてこれに取外し可能に固定されるように構成される。突起は、固定具10の固定具本体から延びる位置合わせピン13であってもよい。位置合わせピン13は、位置合わせピン13の先端にバヨネットチップ14を有する。バヨネットチップ14は、バーブシェルフ14aを有する。位置合わせピン13およびバヨネットチップ14の中央領域には、開口8が下へ延びていて、開口8は、位置合わせピン13およびバヨネットチップ14が開口8へと内側へ圧縮可能であるように構成される。開口8は、位置合わせピン13の長さに沿ってバヨネットチップ14内へ延びてもよい。開口8は、位置合わせピン13およびバヨネットチップ14の中央領域を下へ延びることに限定されない。位置合わせピン13は、開口8の両側に第1の幅広部分13aと第2の幅広部分13bとを有する。
【0028】
キャリア40は、第1の端31と第2の端32とを有する入口33を含む。第2の端32において、入口33は、空洞34に通じる。図中の空洞34は、第2の端32からキャリア40の底部まで延びている。別の実施形態では、キャリア40は、空洞34が連続する底面によって部分的に封入されるように、連続する底面を有してもよい。この実施形態において、空洞34の幅は、入口33の幅より大きい。実施形態によっては、入口33および/または空洞34は、位置合わせピン13およびバヨネットチップ14が入口33および空洞34に挿入される際の摩擦によって引き起こされる損傷を防ぐ、金属またはゴムなどのライニングを有してもよい。入口33は、バヨネットチップ14の最も幅広の部分より狭い幅を有してもよい。
【0029】
位置合わせピン13は、入口33から下方へ延在して示され、かつバヨネットチップ14は、バーブシェルフ14aが入口33の第2の端32に当接した状態で空洞34へ挿入されて示されている。位置合わせピン13およびバヨネットチップ14は、入口33の第1の端31へ強制挿入されてもよく、バヨネットチップ14は、バヨネットチップ14が空洞34へ入りかつ第2の端32によりキャリア40に当接してこれへ固定されるように、入口33内を押し下げられてもよい。位置合わせピン13およびバヨネットチップ14が入口33へ挿入されるにつれて、開口8は、位置合わせピン13およびバヨネットチップ14が開口8へと内側に圧縮されることを可能にし、よって、位置合わせピン13およびバヨネットチップ14は、圧縮された位置関係で入口33へ挿入されることが可能であり、かつバヨネットチップ14は、空洞34内へ挿入されることが可能である。バヨネットチップ14が空洞14へ入ると、位置合わせピン13およびバヨネットチップ14は、非圧縮位置へと拡張し、よって、バーブシェルフ14aが入口33の第2の端32に当接して固定具10をキャリア40へ固定し、これにより、クランプアッセンブリ15が形成される。入口33は、第1の端31から第2の端32まで等幅であることに限定されない。別の実施形態では、入口33は、1つまたは複数のリップを含んでもよく、かつ位置合わせピン13は、位置合わせピン13の長さに沿って、位置合わせピン13が入口33へ押し込まれにつれて1つまたは複数のリップを捕捉するように構成される(図6A図6Cに図示され、後述する)1つまたは複数の狭い部分16を含んでもよい。
【0030】
バヨネット14は、バヨネット14をバヨネット14の最も幅広の部分より狭い幅を有する空間へ押し込めるように、金属、プラスチックまたはゴムなどの弾性バイアスを有する材料で製造されてもよい。別の実施形態では、位置合わせピン13およびバヨネットチップ14に開口8がなくてもよく、位置合わせピン13およびバヨネットチップ14は、その材料の弾性バイアスによって入口33および空洞34へ強制挿入されてもよい。位置合わせピン13は、バヨネットチップ14とは形状または構造が異なるチップを有してもよく、たとえば、位置合わせチップ13は、球形のチップを有してもよい。また、保持機構は、(図2に図示され、後述する)磁石、剥離可能な粘着性基板およびこれらに類似するものであってもよい。
【0031】
固定具10およびキャリア40は、たとえば加熱炉はんだリフロー工程または局所化されたレーザリフロー工程などのリフロー工程の間に、部品20およびPCB30上へ、部品20およびPCB30を所望される位置に保持する型締力を提供する。場合によっては、部品20などの部品は、部品の薄い断面などに変形、損傷、反りおよびこれらに類似するものを有することがある。変形、破損、反りおよびこれらに類似するものは、部品が収納トレイまたはパッケージなどのオブジェクトによって拘束されていない場合に生じることがある。これにより、部品とPCB30などの作業対象物との正しい位置合わせが妨げられる場合がある。たとえば、部品および作業対象物は、部品を作業対象物へ正しく取り付けるために整合していなければならない対応するはんだ付けまたは接着ポイントを有し得る。部品の変形、反りまたは損傷は、このようなはんだ付けまたは接着ポイントと作業対象物の対応するはんだ付けまたは接着ポイントとの正しい位置合わせを妨げる場合がある。損傷、変形および反りによるこうした影響は、クランプアッセンブリ15により提供される型締力によって防止され得、これにより、すべてのはんだ付けまたは接着ポイントが作業対象物の対応するはんだ付けまたは接着ポイントに接触して保持されることが保証され得る。この接触は、クランプアッセンブリ15により、リフロー工程全体を通じて保全され得る。
【0032】
固定具10は、剛性材料で製造されてもよい。固定具10は、再使用可能であっても、使い捨てであってもよい。たとえば、固定具10は、鋼、アルミニウムおよびこれらに類似するものなどの耐久性のある材料で製造されてもよく、よって組立工程およびリフロー工程において2回以上使用されてもよい。別の例として、固定具は、プラスチック射出成形部品または他の低コストの成形材として形成されてもよく、よって組立およびリフロー工程完了後に廃棄されてもよい。位置合わせピン13は、固定具10と同じ材料で形成されてもよい。位置合わせピン13および固定具10は、連続する単一の材料片であってもよい。位置合わせピン13は、固定具10へ取り外し可能式に取り付け可能であってもよい。バヨネットチップ14は、位置合わせピン13へ取外し可能に取り付けられてもよい。たとえば、バヨネットチップ14は、位置合わせピン13がキャリア40へ固定される前に、位置合わせピン13へ取り付けられてもよい。実施形態によっては、固定具10のスナップ嵌め機構は、各使用の後に、1つまたは複数のバヨネットチップ14を伴う1つまたは複数の位置合わせピン13などの新しいスナップ嵌め機構が固定具10へ取り付けられ得るように、使い捨てであってもよい。
【0033】
図1に示す実施形態では、位置合わせピン13は、部品20およびPCB30を通って延びる。部品20およびPCB30は、各々、位置合わせピン13およびバヨネットチップ14が通って挿入され得る(図5図10図12および図15に示され、後述する)保持機構開口71、72を有する。保持機構開口71、72は、穴、ボア、スロット、間隙およびこれらに類似するものであってよい。部品20の保持機構開口71およびPCB30の保持機構開口72へ挿入された位置合わせピン13は、たとえばリフロー工程の間、部品20およびPCB30をキャリア40と固定具10との間で互いに対して位置合わせされた正しい位置に保つ。第1の幅広部分13aおよび第2の幅広部分13bは、位置合わせピン13と、部品20およびPCB30の保持機構開口71、72との間に摩擦嵌めを提供し得る。この摩擦嵌めは、固定具10によるキャリア40上の部品20およびPCB30の持ち上げを助け得る。一例として、保持機構開口71、72は、予め形成された穴であってもよい。保持機構開口71、72は、位置合わせピン13またはバヨネットチップ14が部品の保持機構開口71およびPCB30の保持機構開口72へと押し込まれると、位置合わせピン13またはバヨネットチップ14によって穿刺され得る有孔穴であってもよい。
【0034】
固定具10は、部品20およびPCB30がキャリア40と固定具10との間にクランプされている間に、部品20およびPCB30上へ垂直力を提供する1つまたは複数の型締力機構を有してもよい。こうした実施形態では、入口33の第2の端32に当接するバヨネットチップ14のバーブシェルフ14aは、1つまたは複数の型締力機構の垂直力に抗し、これにより、部品20およびPCB30を所望される位置にクランプする。型締力機構は、板ばね、コイルばねおよびこれらに類似するものであってもよい。別の例として、型締力機構は、圧縮されると拡張力を有する発泡体などの、固定具10に包含される弾性媒体によって提供されてもよい。さらなる例として、型締力機構は、部品20およびPCB30へ垂直力を提供する固定具10の質量であってもよい。型締力機構は、固定具10の固定具本体から延在してもよい。別の実施形態では、型締力機構は、キャリア40から延在してもよい。引き続き、図1に示す実施形態を参照すると、固定具10は、第1のばね機構11と、第2のばね機構12とを有する。第1および第2のばね機構11、12は、各々、位置合わせピン13の両側で固定具10から下方へ延在して示され、よって、第1および第2のばね機構11、12は、固定具10とキャリア40との間の部品20およびPCB30へ垂直のばね力を加える。第1および第2のばね機構11、12は、取り外し可能であってもよい。たとえば、固定具10は、1つまたは複数の型締力機構取付け場所を有してもよい。型締力機構の場所は、スロット、ねじ開口、穴およびこれらに類似するものであってもよい。一例として、クランプされるべき部品20およびPCB30のタイプに依存して、異なる型締力機構が所望されてもよい。異なる型締力機構は、異なる力測度を適用し得る。固定具10の型締力機構取付け場所には、異なる型締力機構が取り付け可能であってもよい。型締力機構は、(図3に示され、後述する)コイルばね61を含んでもよい。他の実施形態では、固定具10から、位置合わせピン13などの単一の位置合わせピンの周りの円内へ3つ以上のばね機構が延在してもよい。別の例として、固定具10は、2つ以上の位置合わせピン13と、3つ以上のばね機構とを有してもよい。さらに別の実施形態では、キャリア40は、部品20およびPCB30がキャリア40と固定具10との間にクランプされる間に部品20およびPCB30上へ垂直力、たとえば垂直のばね力、を提供する、1つまたは複数の型締力機構を有してもよい。固定具10およびキャリア40は、各々、1つまたは複数の型締力機構を有してもよい。別の実施形態では、固定具10は、型締力機構を持たなくてもよく、固定具10と部品20との間のスナップ嵌め機構および直接的な接触のみによってキャリア40へ固定されてもよい。さらに別の実施形態では、スナップ嵌め機構は、ばね機構を有してもよい。たとえば、位置合わせピン13は、ばね荷重式であっても、固定具10がキャリアへ固定されると圧縮し、これにより、部品20とPCB30との間にクランプされる部品20およびPCB30上へ垂直のばね力を提供するように構成されるアコーディオン形部分を有してもよい。
【0035】
さらに、スナップ嵌め機構は、位置合わせピン13であることに限定されない。たとえば、クランプアッセンブリ15は、位置合わせリッジであってもよい。一例として、固定具10は、固定具10の2つの対向する底縁の各々に沿って平行に延在する位置合わせリッジを有してもよい。各位置合わせリッジは、その端に、キャリア40の対向する縁を覆ってスナップするように構成されるL字形ブラケットを有してもよい。たとえば、キャリア40は、キャリア40の2つの反対側面の各々に沿って、固定具10がキャリア40へ固定されて部品20とPCB30とを互いにクランプすべくL字形ブラケットを受け入れるように構成される凹部を有してもよい。別の例として、L字形ブラケットは、キャリア40の底部側縁を覆ってスナップしてもよい。別の例として、クランプアッセンブリ15は、1つのタイプのスナップ嵌め機構を有することに限定されず、よって、1つまたは複数の異なるスナップ嵌め機構、たとえば、1つまたは複数の位置合わせピン13と、1つまたは複数の位置合わせリッジとを含んでもよい。
【0036】
図2を参照すると、部品20をPCB30へクランプするクランプアッセンブリの別の実施形態25の側面断面図が示されている。クランプアッセンブリ25は、固定具10と、キャリア40とを含む。固定具は、位置合わせピン13を有する。この実施形態では、位置合わせピン13は、磁石チップ9を含む保持機構を有する。キャリア40は、磁石チップ9へ固定される材料で製造されても、該材料の一層または一部分を含んでもよい。キャリア40と磁石チップ9との間の磁力は、キャリア40の磁石ピン9への付着性を保全し、かつクランプアッセンブリ25の型締力機構の垂直力に抗するように構成される。この実施形態では、固定具10は、部品20およびPCB30上へ垂直のばね力を提供するコイルばね61である型締力機構を含む。位置合わせピン13は、位置合わせピン13の周りに位置決めされるOリング70を含み、よってOリング70は、位置合わせピン13と部品20およびPCB30の保持機構開口71、72との間に摩擦力を提供する。位置合わせピン13は、第1の幅広部分13aおよび第2の幅広部分13bの代わりにOリング70を含んでもよい。別の実施形態では、位置合わせピン13は、第1の幅広部分13aと、第2の幅広部分13bと、1つまたは複数のOリング70とを含んでもよい。
【0037】
別の実施形態では、キャリア40は、磁性突起を含んでもよく、かつ位置合わせピン13は、先端に、磁性突起を受け入れるように構成される開口を含んでもよい。位置合わせピン13は、磁性突起と位置合わせピンとの間の磁力がキャリア40の固定具10への付着性を保全しかつあらゆる型締力機構の垂直力に抗するべく構成されるように、完全に磁性材料で製造されても、先端に磁性層または磁性部分を含んでもよい。さらに、他の実施形態では、保持機構は、剥離可能な粘着性基板、たとえば、キャリア40上に配置される、位置合わせピン13の先端へ付着するように構成される剥離可能な粘着性の基板層、であってもよい。保持機構は、使用されるべきリフロー工程に基づいて選択されてもよい。たとえば、磁石ピン9は、局所的なレーザリフロー工程で使用されてもよく、スナップ嵌め機構は、加熱炉リフロー工程で使用されてもよい。
【0038】
クランプアッセンブリ15、25の位置合わせピン13は、図1および2に示すような固定具10の中間部分から延びることに限定されない。一例として、固定具10は、固定具10の対向する底縁から延びる2つの位置合わせピン13を有してもよく、キャリア40は、これらの2つの位置合わせピン13を受け入れるように構成される空洞34を伴う2つの入口33を有してもよい。さらに、クランプアッセンブリ15、25は、PCB30などの基板へ単一の部品20をクランプすることに限定されない。たとえば、クランプアッセンブリ15、25は、2つ以上の部品を基板へクランプするために使用されてもよい。
【0039】
固定具10は、部品20などの部品を所望される形状または形態へと押しやり、かつ/または部品20がPCB30などの基板上へ置かれる際に部品20の所望される形状または形態を保全する形状拘束機構を有してもよい。形状拘束機構は、ボス機構、スナップ嵌め機構上に位置決めされるOリング70などのOリング、およびコイルばねなどの型締力機構およびこれらに類似するものを含んでもよい。たとえば、図3を参照すると、固定具10の一実施形態の底面図が示されている。この実施形態では、固定具10は、固定具10の各角の両側に各々1つずつ、2つのばねが配置されるように、複数のコイルばね61a~61hを有する。別の実施形態では、コイルばねは、異なる構成で配置されてもよい。固定具10は、コイルばね61aと61b、61cと61d、61eと61f、および61gと61hとの間に置かれる複数のボス機構60a~60hも有する。複数のボス機構60a~60hは、PCB30へクランプされるべき部品20の形状およびサイズに対応し得る。この実施形態において、複数のボス機構60a~60hは、部品20が固定具10によって固定され得る場所の輪郭を形成して示されている。複数のボス機構60a~60hは、部品20が固定具10とキャリア40との間でPCB30へクランプされると部品20の縁に当接し得る。複数のボス機構60a~60hは、さらに、クランプされるべき部品20の表面機構に輪郭を合わせるように構成されるボス機構を含んでもよい。固定具10は、対角線上に相対して配置される、バヨネットチップ14を伴う2つの位置合わせピン13を有して示されている。他の実施形態では、位置合わせピン13は、異なる配置を有してもよい。
【0040】
形状拘束機構の別の例として、1つまたは複数のOリング70は、位置合わせピン13の周りに位置決めされてもよい。図4を参照すると、図3の線P-Pに沿った固定具10の側面断面図が示されている。第1のOリング70aは、図示されている位置合わせピン13のうちの一方の周りに位置決めされ、第2のOリング70bは、もう一方の位置合わせピン13の周りに位置決めされている。Oリング70a、70bは、部品20およびPCB30が固定具10とキャリア40との間にクランプされる際に、部品20を非変形位置に保持するように構成されてもよい。Oリング70a、70bは、ゴムなどの柔軟な材料で製造されてもよい。別の実施形態では、キャリア40は、PCB30などの基板を、PCB30へクランプされるべき部品20に対して所望される位置に保つように構成されるボス機構を含んでもよい。
【0041】
図5を参照すると、クランプアッセンブリの固定具10、保持機構開口71を有する部品20および保持機構開口72を有するPCB30の一実施形態の分解図が示されている。固定具10は、保持機構開口71、72を通って延びるように配置される位置合わせピン13を有する。保持機構開口71、72は、各々、位置合わせピン13に対応して同じ直径であってもよい。保持機構開口71、72は、部品20がPCB30上へ所望される位置および構成で位置合わせされると、部品の保持機構開口71とPCB30の保持機構開口72とが整合されるように配置されてもよい。部品20およびPCB30の保持機構開口71、72は、部品20が異なるサイズの基板上に、または異なる構成で置かれ、かつ部品の保持機構開口71がそれでもキャリア位置合わせの保持機構開口72と整合するように構成されてもよい。一例として、部品の保持機構開口71は、PCB30などの基板の保持機構開口72が、部品の長円形の保持機構開口71の少なくとも一部分の下で位置合わせされるように、長円形形状などの細長い形状を有してもよい。
【0042】
クランプアッセンブリ15、25は、固定具10をキャリア40へ固定する追加の機構を含んでもよい。たとえば、キャリア40は、キャリア40が固定具10の保持機構を受け入れると曲がりかつ保持機構がキャリア40によって受け入れられた後に退縮する1つまたは複数のワイヤビームを有してもよく、よって、1つまたは複数のワイヤビームは、退縮して固定具10の保持機構を固定する。図6A図6Cを参照すると、固定具10をキャリア40へ固定するように構成される可撓性ワイヤビーム81、82を有するキャリア40の一実施形態が示されている。ここで、図6Aを参照すると、第1のワイヤビーム81および第2のワイヤビーム82がキャリア40の入口33の第2の端32に近接する非屈曲位置にある、キャリア40の側面断面図が示されている。また、狭い部分16を有する位置合わせピン13も示され、かつ入口33の第1の端31へ接近するバヨネットチップ14が示されている。第1および第2のワイヤビーム81、82は、第1および第2のワイヤビーム81、82が入口33の幅の一部分と部分的に交差するように、キャリア40の一方の側からキャリア40の反対側へ延びてもよい。第1および第2のワイヤビーム81、82の各々の高さは、第1および第2のワイヤビーム81、82が位置合わせピン13の狭い部分16と確実に係合すべく構成されるように、位置合わせピン13の狭い部分16の高さと同じであってもよい。
【0043】
図6Bを参照すると、第1および第2のワイヤビーム81、82が各々屈曲位置にある状態の、図6Aのキャリア40の側面断面図が示されている。位置合わせピン13は、入口33に挿入された状態で示され、かつバヨネットチップ14は、空洞34に進入し、これにより第1および第2のワイヤビーム81、82を曲げて互いから遠ざけている状態で示されている。第1および第2のワイヤビーム81および82は、入口33の第2の端32から離れて反対方向D1、D2へ屈曲して示されている。
【0044】
図6Cを参照すると、第1および第2のワイヤビーム81、82が各々反対方向D3、D4へ退縮して非屈曲位置へ戻された状態にある、図6Aのキャリア40の側面断面図が示されている。位置合わせピン13は、バヨネットチップ14が空洞34内に存在するようにキャリア40へ挿入された状態で示されている。第1および第2のワイヤビーム81、82は、バヨネットチップ14のバーブシェルフ14aが第1および第2のワイヤビーム81、82に当接しかつこれらによって固定されるように、位置合わせピン13の狭い部分16に対する非屈曲位置へ戻った状態で示されている。クランプアッセンブリ15、25は、1つまたは複数のワイヤビーム81、82を含んでもよい。固定具10が、固定具10の2つの対向する底縁の各々に近接する1つの位置合わせピン13などの2つ以上の位置合わせピン13を有する実施形態では、対応するキャリア40は、位置合わせピン13の各々について入口33および空洞34を含んでもよく、かつ各位置合わせピン13を固定するように構成される、各入口33に対応する1つまたは複数のワイヤビームを有してもよい。
【0045】
図7を参照すると、ワイヤビーム81、82を含むキャリア40の一実施形態の底面図が示されている。キャリア40は、第1の保持機構場所90と、第2の保持機構場所91とを有する。第1および第2の保持機構場所90、91は、各々、固定具10の位置合わせピン13などの保持機構を受け入れるように構成される。第1および第2の保持機構場所90、91は、各々、入口33と、空洞34とを含む。第1の保持機構場所90の空洞34は、第1の保持機構場所90の第1の縁92から第1の保持機構場所90の第2の縁93まで延びる。第1の縁92から第2の縁93へは、第1の保持機構場所90の入口33の幅の一部分と部分的に交差するように位置合わせされる、第1および第2のワイヤビーム81、82が延びている。同様に、第2の保持機構場所91の空洞34は、第2のスナップ嵌め機構場所91の第1の縁94から第2のスナップ嵌め機構場所91の第2の縁95まで延びる。第1の縁94から第2の縁95へは、第2の保持機構場所91の入口33の幅の一部分と部分的に交差するように位置合わせされる、第1および第2のワイヤビーム81、82が延びている。バヨネットチップ14は、バヨネットチップ14が第1および第2のワイヤビーム81、82によって固定されるように、空洞34内に延在して示されている。
【0046】
図8を参照すると、図7の線P-Pに沿った、第1の保持機構場所90および第2の保持機構場所91の側面断面図が示されている。第1の保持機構場所90の第1および第2のワイヤビーム81、82および第2の保持機構場所91の第1および第2のワイヤビーム81、82は、図6A図6Cに関連して述べたものと同じ方法で屈曲しかつ退縮するように構成されてもよい。別の実施形態では、キャリア40は、ワイヤビーム81、82を含んでもよく、かつ各入口33は、位置合わせピン13がリップおよびワイヤビーム81、82によって固定されるように位置合わせピン13の狭い部分16と確実に係合するように構成される1つまたは複数のリップを含んでもよい。
【0047】
図9図15を参照すると、(図13に組み立てられた状態が示されている)クランプアッセンブリ35の一実施形態の使用方法が示されている。固定具10、キャリア40、または固定具10およびキャリア40の双方は、標準的な自動化されたSMTピックアンドプレース機器などのピックアンドプレース機器が、部品と基板とのクランプに人の介在を必要とせず、かつクランプアッセンブリ35、部品、基板またはキャリア40をクランプアッセンブリ35の自動化された組立ラインから取り外す必要なくクランプアッセンブリ35が部品と基板とをクランプするように、(たとえば図13および図14に示すような)クランプアッセンブリ35を移動しかつ組み立てるために使用されることを可能にする機構を有してもよい。ここで、図9を参照すると、標準的な自動化されたSMTピックアンドプレース機、たとえば、ノズル100などのピックアンドプレース機の標準的な真空ノズル、の側面図が示されている。ノズル100は、固定具10をピックアップするように位置合わせされて示されている。ノズル100は、固定具10に向かって方向D6へ下向きに移動している。固定具10は、ノズル100により、固定具10の上面から持ち上げられるように構成されてもよい。図10には、固定具10を持ち上げて、方向D6へ部品20へと接近しているノズル100の側面図が示されている。部品20は、位置合わせピン13の第1および第2の幅広部分13a、13bによって固定具10へ固定されてもよい。別の実施形態では、位置合わせピン13は、さらに、Oリングを、またはOリングおよび幅広部分13a、13bの一方を含んでもよい。ノズル100は、固定具10を部品20の上に配向しかつ/または位置合わせしてもよい。たとえば、ノズル100は、部品20が持ち上げられると、固定具10上のボス機構60a~60hなどのボス機構が、部品20に係合してこれを所望される位置に固定するように、固定具10を部品20の上に配向しかつ/または位置合わせしてもよい。別の例として、ノズルは、固定具10の位置合わせピン13が部品20の対応する保持機構開口71の真上に配向され、よって部品20が持ち上げられると、位置合わせピン13が部品20の保持機構開口71を介して挿入されるように、固定具10を部品20の上に配向しかつ/または位置合わせしてもよい。
【0048】
図11を参照すると、固定具10および部品20を持ち上げた状態のノズル100が示されている。位置合わせピン13は、部品20の保持機構開口71を介して挿入された状態で示されている。図12を参照すると、ノズル100は、さらに、位置合わせピン13がPCB30の保持機構開口72へ進入するように、キャリア40上のPCB30へ接近して示されている。PCB30は、固定具10がノズル100により部品20を持ち上げるために移動される前に、キャリア40上へ置かれてもよく、よって、ノズル100は、固定具10をPCB30およびキャリア40上へ同時に位置合わせし、かつ位置合わせピン13をキャリア40へ固定することによってPCB30とキャリア40とを整合させることができる。ノズル100は、位置合わせピン13がPCB30の保持機構開口72へ挿入され、かつバヨネットチップ14が入口33を通ってキャリア40の対応する空洞34へ押し込まれ、よって固定具10がキャリア40へ固定されかつ部品20およびPCB30上へ型締力を提供するように、固定具10および部品20を方向D6へと下に動かしてもよい。
【0049】
湿ったはんだペーストは、部品20がPCB30上へ置かれる前に、部品20またはPCB30へ塗布されてもよい。これにより、固定具10は、部品20のはんだ付けまたは接着ポイントがPCB30のはんだ付けまたは接着ポイントと整合されること、かつ湿ったはんだペーストが所望される場所および構成で正しく置かれることを保証し得る。図13を参照すると、クランプアッセンブリ35を形成するために固定された固定具10およびキャリア40の側面図が示されている。これにより、クランプアッセンブリ35は、部品20およびPCB30を所望される位置において互いにクランプする。クランプアッセンブリ35は、加熱炉、局所化レーザまたは他のリフロー工程の間および前後に、部品20およびPCB30を所望される位置で互いにクランプされた状態に保つために使用されてもよい。
【0050】
リフロー工程の完了後、クランプアッセンブリ35は、取り外されてもよい。これは、クランプアッセンブリ35のスナップ嵌め機構のスナップを外すことによって達成されてもよい。たとえば、固定具ストリッパを用いて、バヨネットチップ14および位置合わせピン13がキャリア40の入口33から持ち上げられ得るように、位置合わせピン13のバヨネットチップ14が圧縮されてもよい。図14を参照すると、ノズル100およびクランプアッセンブリ35の側面断面図が示されている。ノズル100は、位置合わせピン13がキャリア14から取り外されるように、固定具10を持ち上げるべく位置合わせされる。キャリア40の下に位置合わせされる固定具ストリッパ110も示されている。固定具ストリッパ110は、バヨネットチップ14が内側へと開口8内へ圧縮され、よってバーブシェルフ14aがそれ以上キャリア40の入口33の第2の端32に当接しないように、バヨネットチップ14を少なくとも部分的に包囲すべく構成される固定具リムーバ111を有する。バヨネットチップ14が圧縮される間、固定具10は、位置合わせピン13がキャリア40の入口33から持ち上げられて固定具10が取り外されるように、ノズル100によって持ち上げられることが可能である。別の例として、ノズル100などのノズルは、固定具10がそれ以上キャリア40へ固定されないように、固定具10を上方向へ引っ張ってもよい。たとえば、位置合わせピン13に開口8がなく、かつバヨネットチップ14が弾性材料で製造される実施形態では、ノズル100は、バヨネットチップ14が空洞34から上へ入口33の第2の端32および第1の端31を介してキャリア40から押し出されるように、固定具10をキャリア40から引っ張ってもよい。
【0051】
別の実施形態では、固定具ストリッパは、位置合わせピン13のバヨネットチップ14または他の任意の取り外し可能な先端へ連接してこれを取り外すように構成されてもよい。バヨネットチップ14は、位置合わせピン13から、切断、スライシング、研磨、やすりがけ、破砕、引っ張りおよびこれらに類似するものによって剥がされてもよい。固定具ストリッパ110は、切断、スライシング、研磨、やすりがけ、破砕、引っ張りおよびこれらに類似するものなどの複数の剥離方法を実行するように構成されてもよい。また、バヨネットチップ14は、位置合わせピン13上へ取り外し可能にねじ込まれることもあり、その場合、固定具ストリッパ110は、ねじを緩めてバヨネットチップ14を位置合わせピンから外すように構成されてもよい。バヨネットチップ14は、取り外された後に廃棄されても、再使用のために保管されてもよい。
【0052】
図15を参照すると、固定具10をキャリア40から方向D7へ持ち上げた状態のノズル100の側面図が示されている。位置合わせピン13は、PCBの保持機構開口72および部品20の保持機構開口71から取り外されている。固定具ストリッパ110は、キャリア40から離れる方向D6へ動かされてもよい。次に、キャリア40および固定具10は、再使用されても、使い捨てにされてもよい。
【0053】
部品20などの部品をPCB30などの作業対象物へクランプする方法は、位置合わせピン13およびバヨネットチップ14および磁石チップ9などの保持機構を有する固定具10などの固定具を提供することと、部品20などの部品を提供することと、キャリア40などのキャリア上へPCB30などの作業対象物を提供することと、固定具とキャリア上の作業対象物との間に部品を、部品および基板が固定具とキャリアとの間で互いにクランプされるように置くこと、を含んでもよい。
【0054】
固定具とキャリア上の作業対象物との間に部品を置くことは、部品をノズル100などのピックアンドプレースノズルによって抜き取ることと、保持機構を保持機構開口71などの部品の保持機構開口に挿入することと、保持機構を保持機構開口72などの作業対象物の保持機構開口に挿入すること、を含んでもよい。
【0055】
保持機構をキャリアへ固定することは、磁石をキャリアの磁性部分へ付着することを含んでもよい。
【0056】
部品を作業対象物へクランプする方法は、部品および作業対象物のうちの少なくとも一方へ湿ったはんだペーストを提供することを含んでもよい。
【0057】
部品を作業対象物へクランプする方法は、部品および作業対象物が互いにはんだ付けされるように、固定具、部品、作業対象物およびキャリアをリフロー工程にかけることを含んでもよい。
【0058】
部品を作業対象物へクランプする方法は、ピックアンドプレースノズルによって部品および作業対象物から固定具を取り外すことを含んでもよい。
【0059】
保持機構は、キャリアへ取外し可能に固定されるように構成される、位置合わせピン13などの少なくとも1つの位置合わせピンを含んでもよい。
【0060】
部品を作業対象物へクランプする方法における位置合わせピンは、位置合わせピンの端にバヨネットチップ14などのバヨネットチップを含んでもよく、かつ部品を作業対象物へクランプする方法は、固定具がキャリアから剥離可能であるように、バヨネットチップを固定具ストリッパによって圧縮することを含んでもよい。
【0061】
本発明の様々な実施形態の説明は、例示を目的として提示したものであり、網羅的であること、または開示された実施形態に限定されることを意図するものではない。一般的な当業者には、説明された実施形態の範囲および精神を逸脱することなく、多くの改変および変形が明らかであろう。本明細書で使用している用語は、実施形態の原理、実際的アプリケーションまたは市場に見出される技術を凌ぐ技術的改善を最もよく説明するために、または他の一般的な当業者による本明細書に開示する実施形態の理解を可能にするように選択されている。
図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図6C
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15