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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-28
(45)【発行日】2023-08-07
(54)【発明の名称】強化フレキシブル構造又はシール
(51)【国際特許分類】
   F16J 15/3288 20160101AFI20230731BHJP
   A01M 29/30 20110101ALI20230731BHJP
   A01M 29/34 20110101ALI20230731BHJP
   E06B 7/23 20060101ALI20230731BHJP
【FI】
F16J15/3288
A01M29/30
A01M29/34
E06B7/23 A
E06B7/23 T
【請求項の数】 25
(21)【出願番号】P 2020534981
(86)(22)【出願日】2018-12-20
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-03-11
(86)【国際出願番号】 DK2018050413
(87)【国際公開番号】W WO2019120455
(87)【国際公開日】2019-06-27
【審査請求日】2021-12-02
(31)【優先権主張番号】PA201700744
(32)【優先日】2017-12-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DK
(31)【優先権主張番号】PA201800009
(32)【優先日】2018-01-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DK
(31)【優先権主張番号】PA201870153
(32)【優先日】2018-03-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DK
(31)【優先権主張番号】PA201800160
(32)【優先日】2018-04-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DK
(31)【優先権主張番号】PA201800238
(32)【優先日】2018-05-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DK
(31)【優先権主張番号】PA201800923
(32)【優先日】2018-11-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DK
(73)【特許権者】
【識別番号】520215212
【氏名又は名称】ラクシット シールズ エーピーエス
【氏名又は名称原語表記】RAXIT SEALS APS
【住所又は居所原語表記】c/o Helle Frimand, Kongevejen 345 A, 2840 Holte Denmark
(74)【代理人】
【識別番号】100127188
【弁理士】
【氏名又は名称】川守田 光紀
(72)【発明者】
【氏名】フリマンド クラウス
【審査官】大山 広人
(56)【参考文献】
【文献】特開昭56-072944(JP,A)
【文献】米国特許第04716683(US,A)
【文献】特開2007-169804(JP,A)
【文献】特開2006-124900(JP,A)
【文献】実開昭63-128798(JP,U)
【文献】特開平06-310895(JP,A)
【文献】特開2005-026622(JP,A)
【文献】米国特許第04228209(US,A)
【文献】実公昭46-028605(JP,Y1)
【文献】特開2012-165762(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16J 15/00-15/14
F16J 15/3288
A01M 29/30
A01M 29/34
E06B 7/23
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シールされた壁、フェンス、ドア、ポート、又は窓アセンブリであって、
下端部又は外縁部を有する壁、フェンス、ドア、ドアリーフ、ドアウィング、ポート、又は窓と;
前記壁、前記フェンス、前記ドア、前記ドアリーフ、前記ドアウィング、前記ポート、又は前記窓の前記下端部又は前記外縁部と、これに隣接する面との間の隙間又は空間を塞ぐための強化フレキシブルシールと;
を有し、
前記強化フレキシブルシールは幅と長さを有し、前記幅は前記長さより短く、また、
柔軟性を有する表地と;
前記表地に埋め込まれ、前記強化フレキシブルシールの長手方向に延在し、互いに離間して配される、複数の細長の金属ワイヤーと;
を備え、
前記複数の細長の金属ワイヤーの少なくとも1つにおいて、該金属ワイヤーの少なくとも一部は、その長手方向に沿って、複数の膨らみ又は波様の変形を有し、
前記強化フレキシブルシールは、前記壁、前記フェンス、前記ドア、前記ドアリーフ、前記ドアウィング、前記ポート、又は窓の前記下端部又は前記外縁部に連結される連結部と、前記膨らみ又は波様の変形を有する金属ワイヤーを複数備えるシール部とを有し、
前記強化フレキシブルシールの前記シール部の前記金属ワイヤーは、前記下端部又は前記外縁部に平行的に延在する、
シールされた壁、フェンス、ドア、ポート、又は窓アセンブリ。
【請求項2】
前記膨らみ又は波様の変形を有する前記金属ワイヤーは、直径又は厚さを有し;
前記膨らみ又は波様の変形は、頂部と、底部又は下部とを有すると共に、前記頂部の最高点と前記底部又は下部の最低点との間の高低差を有し;
前記膨らみ又は波様の変形の頂部の1つとそれに隣接する底部との前記高低差は、前記金属ワイヤーの直径又は厚さの少なくとも1/2である;
請求項1に記載のシールされた壁、フェンス、ドア、ポート、又は窓アセンブリ。
【請求項3】
前記膨らみ又は波様の変形の、頂部とそれに隣接する底部との前記高低差は、前記直径又は厚さの5倍以下である、請求項2に記載のシールされた壁、フェンス、ドア、ポート、又は窓アセンブリ。
【請求項4】
前記膨らみ又は波様の変形を有する前記金属ワイヤーの各々は直径又は厚さを有し、前記膨らみ又は波様の変形の隣接する頂部間の距離は、前記直径又は厚さの20倍以下である、請求項1から3のいずれかに記載のシールされた壁、フェンス、ドア、ポート、又は窓アセンブリ。
【請求項5】
前記隣接する頂部間の距離は、前記直径又は厚さの少なくとも5倍である、請求項4に記載のシールされた壁、フェンス、ドア、ポート、又は窓アセンブリ。
【請求項6】
前記柔軟性を有する表地は、膨らみ又は波様の変形を有する金属ワイヤーの直径又は厚さの、2~5倍の厚さを有する、請求項1から5のいずれかに記載のシールされた壁、フェンス、ドア、ポート、又は窓アセンブリ。
【請求項7】
前記複数の細長の金属ワイヤーの幾つか又は全部において、該金属ワイヤーの少なくとも一部はその長手方向に沿って、複数の膨らみ又は波様の変形を有する、請求項1から6のいずれかに記載のシールされた壁、フェンス、ドア、ポート、又は窓アセンブリ。
【請求項8】
前記複数の膨らみ又は波様の変形は、前記金属ワイヤーにおいてその長手方向に沿って連続的に設けられる、請求項1から7のいずれかに記載のシールされた壁、フェンス、ドア、ポート、又は窓アセンブリ。
【請求項9】
前記柔軟性を有する表地に埋め込まれた前記複数の細長金属ワイヤーの全部又は少なくとも一部は、前記表地の中で、実質的に互いに平行に走る、請求項1からのいずれかに記載のシールされた壁、フェンス、ドア、ポート、又は窓アセンブリ。
【請求項10】
前記平行に走る複数の金属ワイヤーのいくつかは、長手方向に亘って膨らみ又は波様の変形を複数有する、請求項に記載のシールされた壁、フェンス、ドア、ポート、又は窓アセンブリ。
【請求項11】
前記平行に走る複数の金属ワイヤーのうち少なくとも2つにおいて、一方の金属ワイヤーの膨らみ又は波様の変形は、他方の金属ワイヤーの膨らみ又は波様の変形に平行に位置する、請求項10に記載のシールされた壁、フェンス、ドア、ポート、又は窓アセンブリ。
【請求項12】
前記柔軟性を有する表地に埋め込まれた前記複数の細長金属ワイヤーの全部又は少なくとも一部において、隣接する2本のワイヤー間の距離は所定の最大距離を超えない、請求項1から11のいずれかに記載のシールされた壁、フェンス、ドア、ポート、又は窓アセンブリ。
【請求項13】
前記膨らみ又は波様の変形は、互いに同じように形成又は変形されている、請求項1から12のいずれかに記載のシールされた壁、フェンス、ドア、ポート、又は窓アセンブリ。
【請求項14】
前記膨らみ又は波様の変形は、ほぼ等間隔に設けられる、請求項1から13の何れかに記載のシールされた壁、フェンス、ドア、ポート、又は窓アセンブリ。
【請求項15】
前記膨らみ又は波様の変形は、少なくとも2つの連続する膨らみ又は波様の変形を含む、請求項1から14のいずれかに記載のシールされた壁、フェンス、ドア、ポート、又は窓アセンブリ。
【請求項16】
前記柔軟性を有する表地は実質的に一定の厚さを有する、請求項1から15のいずれかに記載のシールされた壁、フェンス、ドア、ポート、又は窓アセンブリ。
【請求項17】
前記強化フレキシブルシールの前記柔軟性を有する表地には、細長の金属ワイヤーしか埋め込まれない、請求項1から16のいずれかに記載のシールされた壁、フェンス、ドア、ポート、又は窓アセンブリ。
【請求項18】
前記強化フレキシブルシールの前記細長金属ワイヤーの全ては互いに平行状且つ等間隔的に配される、請求項1から17のいずれかに記載のシールされた壁、フェンス、ドア、ポート、又は窓アセンブリ。
【請求項19】
前記柔軟性を有する表地は、柔軟性を有するプラスチック材を含み、及び/又は、前記柔軟性を有する表地はゴム材を含む、請求項1から18のいずれかに記載のシールされた壁、フェンス、ドア、ポート、又は窓アセンブリ。
【請求項20】
前記柔軟性を有する表地は、熱可塑性エラストマー(TPE)のタイプの素材を含む、請求項1から18のいずれかに記載のシールされた壁、フェンス、ドア、ポート、又は窓アセンブリ
【請求項21】
前記金属ワイヤーの全部又は少なくとも一部は、隣接する金属ワイヤー間の距離が8mm以下にされる、請求項1から20のいずれかに記載のシールされた壁、フェンス、ドア、ポート、又は窓アセンブリ。
【請求項22】
前記金属ワイヤーは、次の3つの物質又は合金:
a)鉄
b) スチール
c) ステンレス鋼
の一つ又は複数から作られる、請求項1から21のいずれかに記載のシールされた壁、フェンス、ドア、ポート、又は窓アセンブリ。
【請求項23】
繊維やブラシのストリップのようなブラシ又は繊維材が前記シール部に取り付けられるか一体化されており、前記強化フレキシブルシールの下側又は外側に延在する、請求項1から22のいずれかに記載のシールされた壁、フェンス、ドア、ポート、又は窓アセンブリ。
【請求項24】
前記強化フレキシブルシールの前記シール部に延在する前記金属ワイヤーは、前記下端部又は前記外縁部から徐々に離れるように配される、請求項1から23のいずれかに記載の、シールされた壁、フェンス、ドア、ポート、又は窓アセンブリ。
【請求項25】
前記強化フレキシブルシールの前記連結部には、金属ワイヤーが全く埋め込まれていないか、一部分のみに金属ワイヤーが埋め込まれている。請求項1から24のいずれかに記載の、シールされた壁、フェンス、ドア、ポート、又は窓アセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書及び図面は、空間を密閉するための構造又はシールに関する。例えば、壁やフェンス、ドア、ドアリーフ、ドアウィング、ポート(覗き窓、舷窓)、窓等の端部と、隣接する面との間の隙間を塞ぎ、歓迎されない動物や虫、水がこれらの隙間から侵入することを防ぐための、構造やシールに関する。歓迎されない生き物や水には、例えばネズミや雨水、汚水、氾濫水などが含まれる。開示される構造又はシールは、密閉した空間を跨ぐ温度変化を妨げる効果も有する。
【背景】
【0002】
建物の入口部分を設計するにあたっての一般的な課題は、入口経路を封鎖した時には、風雨が建物に入り込まないようにし、また、動物や害虫・害獣が建物に入り込まないようにして、建物の内部に影響を与えないようにすることである。風雨から守るための既知のシーリングストリップのカテゴリの一つに、フレキシブルな、化学合成物質又はゴムのストリップがある。これは、入口のドアの外周部に取り付けられる。内部の温度を制御するためのフレキシブルストリップのカテゴリには、毛を整列させてぎっしりと詰め込んだものから作られるものがある。
【0003】
しかし、害虫や害獣はしたたかであり、既知のフレキシブルバリアの面から去ることはなかなかなく、シェルターや食べ物からいなくなることはない。害獣には、ネズミのような、ペストを運ぶ動物がいる。化学合成物質やゴム、毛のストリップは、障壁にはなるが、長期的なバリアにはならないだろう。特にネズミは、食べ物にありつくための経路を見つけてしまうだろう。
【0004】
このため、強さと柔軟性を備え、さらに使用中にもその強さと柔軟性が持続するような、従来よりも優れたシールが望まれている。
【摘要】
【0005】
本発明の目的は、改善された構造、シール(封止材)、シールストリップ、シール・アセンブリ、シールを含む組み合わせを提供することである。それは、壁やフェンス、ドアリーフ、ドアウィング、ポート(覗き窓、舷窓)、窓等の端部と、それに隣接する面との間の隙間を塞ぎ、動物や虫、水が侵入することを防ぎ、また温度変化を防ぐ。また、使用中にわたってその強さや柔軟性を維持する。
【0006】
この目的は、第一の態様に従って、隙間又は空間を塞ぐための強化フレキシブルシールを提供することによって、達成される。この隙間又は空間とは、例えば壁やフェンス、ドアリーフ、ドアウィング、ポート(覗き窓、舷窓)、窓等の端部と、それに隣接する面との間の隙間又は空間でありうる。前記強化フレキシブルシールは幅と長さを有し、また、
柔軟性を有する表地と;
前記表地に埋め込まれ、前記強化フレキシブルシールの長手方向に延在し、互いに離間して配される、複数の細長の金属ワイヤーと;
を備え、前記複数の細長の金属ワイヤーの少なくとも1つにおいて、該金属ワイヤーの少なくとも一部は、その長手方向に沿って、複数の湾曲又は膨らみ又は波様の変形を有する。
【0007】
前記膨らみの変形は、曲線状の湾曲でもよく、波様の湾曲であってもよい。前記湾曲又は膨らみ又は波様の変形は、安定的な変形であることが好ましい。
【0008】
前記湾曲又は膨らみ又は波様の変形を有する前記金属ワイヤーは、少なくとも3つの変形部を有することが好ましい。
【0009】
前記表地に埋め込まれ、前記強化フレキシブルシールの長手方向に延在し、互いに離間して配される、複数の細長の金属ワイヤーを有することにより、前記強化フレキシブルシールは強靱さを与えられると共に、該強化フレキシブルシールの長手方向又は前記細長の金属ワイヤー又は金属部材の長手方向に平行な軸の回りに、柔軟性を有することができる。
【0010】
しかし、前記フレキシブルシールに埋め込まれてその長手方向に延在する金属ワイヤーを有するフレキシブルシールには、望まれない動物等の侵入を防ぐためにドアリーフやドアウィングの下部のバリアとして用いる場合に、課題がある。そのようなバリアを提供するためには、フレキシブルシールの上部又は連結部はドアリーフやドアウィングの下端部に連結されるが、フレキシブルシールの下部又はシール部は、ドアリーフやドアウィングの下端部の下に延在する。フレキシブルシールの下部又はシール部にも、強度を増すためのワイヤーが埋め込まれ、フレキシブルシールの長手方向に沿って延在している。ドアリーフやドアウィングの開閉は、フレキシブルシールの下部を、金属ワイヤーに平行な軸の回りに前後に揺すり、曲げることになる。この曲げは、金属ワイヤーを、表地に対して動かす作用を有する。すると、フレキシブルシールの端の部分において、金属ワイヤーの一部が、表地の端部から飛び出してしまう可能性がある。この課題に対する解決策は、フレキシブルシールの下部に埋め込まれた金属ワイヤーの長手方向に設けられる、湾曲又は膨らみ又は波様の変形によって与えられる。
【0011】
柔軟性を有する表地に埋め込む金属ワイヤーに、湾曲又は膨らみ又は波様の変形を与えることにより、金属ワイヤーが、柔軟性を有する構造の中にしっかりと固定される。そのため、フレキシブルシールが自身や金属ワイヤーの縦方向に前後に曲げられても、細長の金属ワイヤーは表地に対して動くことができない。金属ワイヤーがシール内に保持されていれば、シールの強度は使用中も保たれる。金属ワイヤーの変形が安定的であれば、フレキシブル構造内でのワイヤーの固定は保たれる。
【0012】
前記第1の態様の実装形態の一例において、前記隙間は、ドア又はドアリーフ又はドアウィングの下の敷居の隙間である。
【0013】
前記第1の態様の実装形態の一例において、前記強化フレキシブルシールは取り付け部又は連結部と、シーリング部とを備え、前記表地に埋め込まれ、前記強化フレキシブルシールの長手方向に延在し、湾曲又は膨らみ又は波様の変形を有する前記複数の金属ワイヤーのうちのいくつかは、前記シーリング部が有する。
【0014】
前記取り付け部又は連結部は、前記強化フレキシブルシールを壁やフェンス、ドア、ポート、窓の端部に取り付けるために用いることができる。そして前記シーリング部は、前記端部の下に延在することができる。従って、この強化されたシーリング部は、前記端部と隣接する面との間の隙間を塞ぐことができる。
【0015】
シーリング部に位置する、前記変形を有する金属ワイヤーの数は、少なくとも1本であってもよく、少なくとも2本や3本、4本であってもよい。
【0016】
前記第1の態様の実装形態の一例において、前記シーリング部は、前記表地に埋め込まれ、前記強化フレキシブルシールの長手方向に延在する、複数の前記細長金属ワイヤーを有し、該複数の細長金属ワイヤーの少なくとも幾つかは互いに離間して配され、
前記シーリング部は、前記複数の細長金属ワイヤーのうち最も外側に位置する2本のワイヤー間の最大距離によって規定される最大幅を有し;
前記取り付け部又は連結部は、前記複数の細長金属ワイヤーのうち最も外側に位置するワイヤーのうちの1本に、平行して隣接するように配され;
前記取り付け部又は連結部は柔軟性を有する素材を有し、
前記取り付け部又は連結部は、該前記取り付け部又は連結部の最大幅の1/5より大きい、又は1/4より大きい最大幅を有する。
【0017】
前記第1の態様の実装形態の一例において、前記取り付け部又は連結部は、前記シーリング部に平行に走る細長金属ワイヤーを1本も有さない。
【0018】
前記第1の態様の実装形態の一例において、前記取り付け部又は連結部、及び前記シーリング部は、同じフレキシブル素材を有する。
【0019】
膨らみ又は波様の変形は、頂部と、底部又は下部とを有し、前記頂部の最高点と前記底部又は下部の最低点との間の高低差を有する。
【0020】
埋め込まれるワイヤーには、柔軟性を有する構造の内側における前記金属ワイヤーの位置を維持するために、最低限の変形が必要になる。
【0021】
このため、前記第1の態様の実装形態の一例において、前記湾曲又は膨らみ又は波様の変形を有する前記金属ワイヤーは、直径又は厚さを有し、前記湾曲又は膨らみ又は波様の変形は、頂部と、底部又は下部とを有し、前記頂部の最高点と前記底部又は下部の最低点との間の高低差を有する。ここで、前記頂部と、それに隣接する前記底部の高低差は、前記金属ワイヤーの直径又は厚さの少なくとも1/2であってもよく、例えば前記直径又は厚さの少なくとも3/4であってもよく、例えば前記直径又は厚さの少なくとも3/2であってもよい。
【0022】
埋め込まれた金属ワイヤーの変形が、金属ワイヤーの直径又は厚さに比して大きすぎる場合、シールは柔軟性をいくらか失ってしまうかも知れない。
【0023】
このため、前記第1の側面の実装形態の一例において、前記湾曲又は膨らみ又は波様の変形の、頂部とそれに隣接する底部との高低差は、前記直径又は厚さの5倍を超えるべきはなく、例えば4倍を超えず、例えば3倍を超えない。
【0024】
前記第1の態様の実装形態の一例において、前記湾曲又は膨らみ又は波様の変形を有する前記金属ワイヤーの各々は直径又は厚さを有し、前記湾曲又は膨らみ又は波様の変形の隣接する頂部間の距離は、前記直径又は厚さの20倍を超えず、例えば17倍を超えず、、例えば15倍を超えず、例えば12倍を超えず、例えば約8倍である。
【0025】
前記第1の態様の実装形態の一例において、前記湾曲又は膨らみ又は波様の変形の隣接する頂部間の距離は、前記直径又は厚さの少なくとも3倍であり、例えば少なくとも4倍であり、例えば少なくとも5倍である。
【0026】
前記第1の態様の実装形態の一例において、柔軟性を有する表地は、湾曲又は膨らみ又は波様の変形を有する金属ワイヤーの直径又は厚さの、2~5倍の厚さを有する。例えば2.5~4倍、例えば約3倍の厚さを有する。
【0027】
前記第1の態様の実装形態の一例において、前記複数の細長の金属ワイヤーの少なくとも1本、2本、又は3本において、該金属ワイヤーの少なくとも一部は、その長手方向に沿って、前記湾曲又は膨らみ又は波様の変形を3つ以上有する。
【0028】
前記第1の態様の実装形態の一例において、前記複数の細長の金属ワイヤーの幾つか又は全部において、該金属ワイヤーの少なくとも一部は、その長手方向に沿って、複数の湾曲又は膨らみ又は波様の変形を有する。
【0029】
前記第1の態様の実装形態の一例において、前記複数の湾曲又は膨らみ又は波様の変形は、前記長手方向に沿って連続的に設けられる。
【0030】
前記第1の態様の実装形態の一例において、前記湾曲又は膨らみ又は波様の変形は、前記強化フレキシブルシールの縦方向及び横方向によって定められる平面に実質的に垂直な方向への膨らみを有する。
【0031】
前記第1の態様の実装形態の一例において、前記湾曲又は膨らみ又は波様の変形を有する金属ワイヤーが少なくとも1本埋め込まれた、前記柔軟性を有する表地は、前記変形を有する金属ワイヤーに従って変形される。このため、前記強化フレキシブルシールの少なくとも一部は、前記金属ワイヤー及び前記表地の湾曲又は膨らみ又は波様の変形によって、変形されてもよい。
【0032】
前記第1の態様の実装形態の一例において、前記湾曲又は膨らみ又は波様の変形は、強化フレキシブルシールの縦方向及び横方向によって定められる平面に実質的に平行な方向への膨らみを有する。このため、前記第1の態様の実装形態の一例において、前記湾曲又は膨らみ又は波様の変形を有する金属ワイヤーが少なくとも1本埋め込まれた、前記柔軟性を有する表地は、事実上全く変形を有さないか、前記金属ワイヤーの変形よりも小さい変形しか有さない。
【0033】
前記第1の態様の実装形態の一例において、前記柔軟性を有する表地に埋め込まれた前記複数の細長金属ワイヤーの全部又は少なくとも一部は、前記表地の中で、実質的に互いに平行に走る。
【0034】
前記第1の態様の実装形態の一例において、前記平行に走る複数の金属ワイヤーのいくつかは、長手方向に亘って、湾曲又は膨らみ又は波様の変形を複数有する。
【0035】
前記第1の態様の実装形態の一例において、前記平行に走る複数の金属ワイヤーのうち少なくとも2つにおいて、一方の金属ワイヤーの湾曲又は膨らみ又は波様の変形は、他方の金属ワイヤーの湾曲又は膨らみ又は波様の変形に平行に位置する。
【0036】
前記第1の態様の実装形態の一例において、前記柔軟性を有する表地に埋め込まれた前記複数の細長金属ワイヤーの全部又は少なくとも一部において、隣接する2本のワイヤー間の距離は所定の最大距離を超えない。
【0037】
前記第1の態様の実装形態の一例において、前記強化フレキシブルシールは下端部又は外縁部を有し、前記下端部又は外縁部と、最も下側に位置する細長金属ワイヤーとの間隔は、前記所定の最大距離より小さい。
【0038】
前記第1の態様の実装形態の一例において、前記湾曲又は膨らみ又は波様の変形は、互いに同じように形成又は変形されている。
【0039】
前記第1の態様の実装形態の一例において、前記湾曲又は膨らみ又は波様の変形は、ワイヤーの長手方向において、ほぼ等間隔に設けられる。
【0040】
前記第1の態様の実装形態の一例において、前記強化フレキシブルシールは下端部又は外縁部を有し、前記下端部又は外縁部と、最も下側に位置する細長金属ワイヤーとの間隔は、前記等間隔の間隔より小さい。
【0041】
前記第1の態様の実装形態の一例において、前記長手方向の前記湾曲又は膨らみ又は波様の変形は、少なくとも2つの連続する湾曲又は膨らみ又は波様の変形を含み、例えば少なくとも3つ、例えば少なくとも4つ、例えば少なくとも5つの連続する湾曲又は膨らみ又は波様の変形を含む。
【0042】
前記第1の態様の実装形態の一例において、前記柔軟性を有する表地は、実質的に一定の厚さを有する。前記柔軟性を有する表地は、2~5mmの範囲の厚さを有してもよく、例えば2.5~4mmの厚さを有してもよく、例えば約3mmの厚さを有してもよい。
【0043】
前記柔軟性を有する表地は、例えば120cmまでの幅を有してもよく、例えば100cmまでの幅を有してもよく、例えば80cmまでの幅を有してもよく、例えば50cmまでの幅を有してもよく、例えば40cmまでの幅を有してもよい。当該幅は、1.5~30cmの範囲であってもよく、例えば2~25cmの範囲であってもよく、例えば2~20cmの範囲であってもよく、例えば2~15cmの範囲であってもよく、例えば4~10cmの範囲であってもよく、例えば5~9cmの範囲であってもよく、例えば8cmや7.5cmであってもよい。
【0044】
前記細長金属ワイヤーの幅又は直径は0.8mm以下であってもよく、0.9mm以下であってもよく、1mm以下であってもよく、1.1mm以下であってもよい。
【0045】
隣接する2つの前記湾曲又は膨らみ又は波様の変形の頂部の間の距離は20mm以下でもよく、例えば17mm以下でもよく、例えば15mm以下でもよく、例えば約12mmや約8mmであってもよい。
【0046】
前記湾曲又は膨らみ又は波様の変形の頂部と隣接する底部との間の高低差は、0.5~10mmの範囲であってもよく、例えば0.5~5mmの範囲であってもよく、例えば0.5~3mmの範囲であってもよく、例えば約1mmや約2mmであってもよい。
【0047】
前記第1の態様の実装形態の一例において、前記強化フレキシブルシールの前記柔軟性を有する表地には、細長の金属ワイヤーしか埋め込まれない。
【0048】
前記第1の態様の実装形態の一例において、前記強化フレキシブルシールの前記細長金属ワイヤーの全ては互いに平行状且つ等間隔的に配される。
【0049】
前記第1の態様の実装形態の一例において、前記細長金属ワイヤーの全部又は少なくとも一部は、前記強化フレキシブルシールの全長に亘って延在する。
【0050】
前記第1の態様の実装形態の一例において、前記柔軟性を有する表地は柔軟性を有するプラスチック材、例えば軟質ポリ塩化ビニル(軟質PVC)を含み、及び/又は前記柔軟性を有する表地はゴム材を含む。
【0051】
前記第1の態様の実装形態の一例において、前記柔軟性を有する表地は、熱可塑性エラストマー(TPE)のタイプの素材を含んでもよい。
【0052】
前記第1の態様の実装形態の一例において、前記柔軟性を有する表地のショアA硬度は40以上であり、例えば50以上でもよく、例えば60以上でもよく、例えば65以上でもよく、例えば70以上でもよく、例えば75以上でもよく、例えば75-80の範囲であってもよい。
【0053】
前記第1の態様の実装形態の一例において、前記柔軟性を有する表地は、熱可塑性加硫物(TPV)のタイプの素材を含み、例えばSANTOPRENE(登録商標)の一種から選ばれたポリマー素材であってもよく、例えばSANTOPRENE(登録商標)201-73であってもよい。
【0054】
前記第1の態様の実装形態の一例において、前記柔軟性を有する表地の厚さとショアA硬度スコアは、mmの単位で表した前記厚さと前記ショアA硬度スコアとの乗算の結果が、175-275の範囲になるように選択され、例えば190-275、200-260、210-250、220-240のような範囲になるように選択されてもよい。
【0055】
前記第1の態様の実装形態の一例において、前記金属ワイヤーの全部又は少なくとも一部は、隣接する金属ワイヤー間の距離が8mm以下に配され、例えば7mm以下に配され、例えば6mm以下に配され、例えば5mm以下に配され、例えば4mm以下に配される。
【0056】
前記第1の態様の実装形態の一例において、前記金属ワイヤーは、次の5つの物質又は合金:
a)鉄
b)スチール
c)ステンレス鋼
d)ばね鋼
e)例えば308L溶接フィラー材のような、溶接フィラーワイヤー
の一つ又は複数から作られる。
【0057】
前記第1の態様の実装形態の一例において、前記金属ワイヤーの全体又は一部分は、幅及び厚さを有する細い金属ストリップとして形成されてもよく、その幅は、その厚さとほぼ同じであってもよく、又は、その厚さの1~3倍であってもよい。
【0058】
前記第1の態様の実装形態の一例において、前記強化フレキシブルシールは上部及び底部を有し、繊維やブラシのストリップのようなブラシ又は繊維材が前記底部に取り付けられるか一体化されており、前記強化フレキシブルシールの下側に延在する。前記ブラシ又は繊維材は更に、前記フレキシブル構造の縦方向に延在してもよい。
【0059】
第2の態様によれば、前記第1の態様の前述の実装形態の例のいずれかに従う強化フレキシブルシールと、該強化フレキシブルシールを壁やフェンス、ドア、ポート、窓の端部に取り付けるための少なくとも1つのコネクタとを有する、シール・アセンブリが提供される。
【0060】
第3の態様によれば、シールされた壁、フェンス、ドア、ポート、窓アセンブリのいずれかが提供される。これは、
下端部又は外縁部を有する壁、フェンス、ドア、ドアリーフ、ドアウィング、ポート、又は窓と;
前記第1の態様の前述の実装形態の例のいずれかに従う強化フレキシブルシール、又は前記第2の態様に従うシール・アセンブリと;
を有し、前記強化フレキシブルシールは、前記壁、フェンス、ドア、ドアリーフ、ドアウィング、ポート、又は窓の前記下端部又は外縁部に連結される。
【0061】
前記第3の態様の実装形態の一例において、前記強化フレキシブルシールの上部又は連結部が、前記壁、フェンス、ドア、ドアリーフ、ドアウィング、ポート、又は窓の前記下端部又は外縁部に連結され、前記強化フレキシブルシールの下部又はシール部は、前記下端部又は前記外縁部の更に下に延在し、前記強化フレキシブルシールの前記下部又はシール部は、該強化フレキシブルシールの長手方向に走る前記金属ワイヤーであって、前記湾曲又は膨らみ又は波様の変形を有する金属ワイヤーの幾つかを含む。
【0062】
前記第3の態様の実装形態の一例において、前記強化フレキシブルシールの前記下部又はシール部の前記細長金属ワイヤーは、前記下端部又は前記外縁部の長手方向に実施的に平行に延在する。
【0063】
前記第3の側面の実装形態の一例において、前記強化フレキシブルシールの前記下部又はシール部に延在する前記細長金属ワイヤーは、前記下端部又は前記外縁部から徐々に離れるように配される。
【0064】
前記壁、フェンス、ドア、ドアリーフ、ドアウィング、ポート、又は窓の前記下端部又は外縁部から延伸する、前記強化フレキシブルシールの前記下部は、望まれない動物等がドアの下から侵入することを防ぐ、バリア又はシールの役割を果たす。前記強化フレキシブルシールの前記上部又は連結部は、強度を増すための金属ワイヤーは必ずしも必要ない。
【0065】
従って、前記第3の態様の実装形態の一例において、前記強化フレキシブルシールの前記上部又は連結部には、金属ワイヤーが全く埋め込まれていないか、一部分のみに金属ワイヤーが埋め込まれている。
【0066】
第4の態様によれば、壁、フェンス、ドア、ドアリーフ、ドアウィング、ポート、又は窓アセンブリの端部と、隣接する面との隙間を塞いで、動物や虫、水の侵入を防いだり、又は塞がれた隙間を超えて温度が変化することを防ぐための、シールされた壁、フェンス、ドア、ドアリーフ、ドアウィング、ポート、又は窓アセンブリが提供される。前記ドア又は窓アセンブリは、
外縁部を有する壁、フェンス、ドア、ドアリーフ、ドアウィング、ポート、又は窓と;
前記第1の態様の前述の実装形態の例のいずれかに従う強化フレキシブルシール、又は前記第2の態様に従うシール・アセンブリと;
を有し、前記強化フレキシブルシールは、前記壁、フェンス、ドア、ドアリーフ、ドアウィング、ポート、又は窓の前記外縁部に連結される。
【0067】
前記第4の態様の実装形態の一例において、前記強化フレキシブルシールの上部又は連結部が、前記壁、フェンス、ドア、ドアリーフ、ドアウィング、ポート、又は窓の前記下端部又は外縁部に連結され、前記強化フレキシブルシールの下部又はシール部は、前記下端部又は前記外縁部の更に下に延在し、前記強化フレキシブルシールの前記下部又はシール部は、該強化フレキシブルシールの長手方向に走る前記金属ワイヤーであって、前記湾曲又は膨らみ又は波様の変形を有する金属ワイヤーの幾つかを含む。
【0068】
前記第4の態様の実装形態の一例において、前記強化フレキシブルシールの前記シール部の前記細長金属ワイヤーは、前記下端部又は前記外縁部の長手方向に実施的に平行に延在する。
【0069】
前記第4の態様の実装形態の一例において、前記強化フレキシブルシールの前記シール部に延在する前記細長金属ワイヤーは、前記下端部又は前記外縁部から徐々に離れるように配される。
【0070】
前記第4の態様の実装形態の一例において、前記強化フレキシブルシールの前記上部又は連結部には、金属ワイヤーが全く埋め込まれていないか、一部分のみに金属ワイヤーが埋め込まれている。
【0071】
前記第3の態様又は第4の態様の実装形態の一例において、前記強化フレキシブルシールは取り付け部又は連結部と、シーリング部とを備え、
前記表地に埋め込まれ、前記強化フレキシブルシールの長手方向に延在し、湾曲又は膨らみ又は波様の変形を有する前記複数の金属ワイヤーのうちのいくつかは、前記シーリング部が有し、
前記取り付け部又は連結部の少なくとも一部は、前記壁、フェンス、ドア、ドアリーフ、ドアウィング、ポート、又は窓の端部に連結され、前記シーリング部の少なくとも一部は、前記壁、フェンス、ドア、ドアリーフ、ドアウィング、ポート、又は窓の端部から束縛を受けない。
【0072】
第5の態様によれば、幅及び長さを有する強化フレキシブルシールに、複数の湾曲又は膨らみ又は波様の変形を形成する方法が提供される。前記強化フレキシブルシールは柔軟性を有する表地と、前記表地に埋め込まれ、前記強化フレキシブルシールの長手方向に延在し、互いに離間して配される、複数の細長の金属ワイヤーとを備える。
【0073】
前記方法は、2つの歯車又は歯付きロールを備えるロール処理システムを準備することを含む。前記2つの歯車又は歯付きロールは、それぞれ複数のローラー歯を有し、またそれぞれの軸の回りを回転するように構成される。前記軸は互いに平行である。回転中、前記2つの歯車又は歯付きロールは少なくとも部分的に、それぞれのローラー歯によって歯合している。
【0074】
前記方法は、前記強化フレキシブルシールを、前記埋め込まれた金属ワイヤーと共に、前記2つの歯車又は歯付きロールのローラー歯の間に位置させることを含む。このとく前記金属ワイヤーは、前記軸に対してほぼ垂直に延在している。
【0075】
前記方法はさらに、前記2つの歯車又は歯付きロールを回転させ、前記2つの歯車又は歯付きロールの前記歯合するローラー歯の少なくとも一部を通じて、前記強化フレキシブルシールを移動させることを含み、その結果、前記2つの歯車又は歯付きロールの前記歯によって前記強化フレキシブルシールの両面に圧力が印加される。この圧力は、前記強化フレキシブルシールに、複数の連続的な湾曲又は膨らみ又は波様の変形を形成する。この変形は、前記表地に埋め込まれた前記金属ワイヤーの少なくとも一部の変形を含む。
【0076】
前記第5の態様の方法の実装形態の一例において、前記2つの歯車又は歯付きロールの前記歯は、湾曲した外縁部を有する。
【0077】
前記第5の側面の方法の実装形態の一例において、前記強化フレキシブルシールに複数の湾曲又は膨らみ又は波様の変形を形成した後に、前記方法は、
【0078】
湾曲又は膨らみ又は波様の変形を有する前記強化フレキシブルシールの前記表地に、柔軟性を有する別の表地を追加することを含む。前記別の表地は、前記強化フレキシブルシールの片面又は両面に追加される。
【0079】
前記第5の態様の方法の実装形態の一例において、前記別の表地は、ほぼ平坦な外表面を有してもよい。このため、最終的な強化フレキシブルシールは、片面だけ又は両面とも、平坦な外表面を有してもよい。
【0080】
前記第5の態様の方法の実装形態の一例において、前記別のフレキシブル表地は、前記強化フレキシブルシールの前記フレキシブル表地に、押し出しプロセスやインサート成形によって、追加されてもよい。
【0081】
第5の態様によれば、幅及び長さを有する強化フレキシブルシールに、複数の湾曲や膨らみ、波様の変形を形成するための、ロールプロセスシステムが提供される。前記強化フレキシブルシールは柔軟性を有する表地と、前記表地に埋め込まれ、前記強化フレキシブルシールの長手方向に延在し、互いに離間して配される、複数の細長の金属ワイヤーとを備える。
【0082】
前記ロールプロセスシステムは、2つの歯車又は歯付きロールを備える。前記2つの歯車又は歯付きロールは、それぞれ複数のローラー歯を有し、またそれぞれの軸の回りを回転するように構成される。前記軸は互いに平行である。回転中、前記2つの歯車又は歯付きロールは少なくとも部分的に、それぞれのローラー歯によって歯合している。
【0083】
前記ロールプロセスシステムは更に、送給支持部を備える。前記送給支持部は、金属ワイヤーが埋め込まれた前記強化フレキシブルシールを、前記ローラー歯の間に導くように配される。金属ワイヤーは、前記軸に実質的に垂直方向に延伸することになる。
【0084】
前記第5の態様のシステムの実施形態の一例において、前記2つの歯車又は歯付きロールの前記歯は、湾曲した外縁部を有する。
【0085】
本発明の目的はまた、第6の態様に従って、隙間又は空間を塞ぐための、柔軟性を有し長方形のブレード型ドアシールを提供することによって、達成される。この隙間又は空間とは、例えば壁やフェンス、ドア、ポート、窓等の端部と、それに隣接する面との間の隙間又は空間でありうる。前記ブレード型ドアシールは、
シール部と、
前記ブレード型ドアシールをドアリーフに取り付けるための取り付け部と、
柔軟性を有する表地と;
前記シーリング部に対応する前記表地の少なくとも一部に組み込まれるバリアと;
を有し、前記バリアは、ブレード型ドアシールの長手方向に平行に、互いに離間して配される複数の細長の金属部材を備え、前記複数の金属部材の少なくとも一つの少なくとも一部は、湾曲又はスムーズな湾曲、例えばa)カーブ状の湾曲、b)膨らみ、c)波形の湾曲、d)波様の変形から選ばれた湾曲を、3つ以上有する。
【0086】
前記第6の態様の実装形態の一例において、前記隙間は、ドア又はドアリーフ又はドアウィングの下の敷居の隙間である。
【0087】
前記第6の態様の実装形態の一例において、前記細長の金属部材は、
a)埋め込まれる複数の金属ワイヤー;
b)埋め込まれる複数の幅狭の金属ストリップ;
c)少なくとも一つの埋め込まれる金属ワイヤー及び少なくとも一つの埋め込まれる幅狭の金属ストリップ;
のいずれかの金属部品を少なくとも一つ含む。
【0088】
前記第6の態様の実装形態の一例において、前記シーリング部の少なくとも半分は、前記プレート型ドアシールの長手方向に平行な軸の周りに柔軟性を有する。
【0089】
前記第6の態様の実装形態の一例において、前記取り付け部は、ブレード型ドアシールの長手方向に平行に、互いに離間して配される複数の細長の金属部材を備え、前記細長の金属部材は、
a)埋め込まれる複数の金属ワイヤー;
b)埋め込まれる複数の幅狭の金属ストリップ;
c)少なくとも一つの埋め込まれる金属ワイヤー及び少なくとも一つの埋め込まれる幅狭の金属ストリップ;
のいずれかの金属部品を少なくとも一つ含む。
【0090】
前記第6の態様の実装形態の一例において、前記シーリング部の前記バリアの前記細長の金属部材は、以下から選択された2つの部材を少なくとも含む。
a)少なくとも0.4mmの直径を有する、埋め込まれた金属ワイヤー;
b)少なくとも0.4mmの厚さと少なくとも0.6mmの幅を有する、埋め込まれた幅狭の金属ストリップ。
【0091】
前記細長の金属ワイヤー同士の間隔は20mm以下である。
【0092】
前記第6の態様の実装形態の一例において、前記シーリング部の前記バリアの前記細長の金属部材は、a)鉄、b)スチール、c)ステンレス鋼、d)ばね鋼、e)溶接フィラーワイヤー、のいずれかの金属で作られる。
【0093】
前記第6の態様の実装形態の一例において、少なくとも前記シーリング部の前記柔軟性を有する表地は、熱可塑性エラストマーのような、柔軟性を有するポリマー材を含む。
【0094】
前記第6の態様の実装形態の一例において、前記柔軟性を有する表地は、2~30mmの範囲の一様な厚さを有し、4~15cmの一様な幅を有する、平坦な形状を有する。
【0095】
前記第6の態様の実装形態の一例において、前記シーリング部の前記表地の一部分の両側に締め具が取り付けられて、前記表地の前記一部分を圧迫し、それによって、前記表地の前記一部分と、埋め込まれた前記細長の金属部材との間の摩擦を増強する。
【0096】
前記第6の態様の実装形態の一例において、前記ブレード型ドアシールの端部の少なくとも一つは60度から180度の角度に曲り、好ましくは90度又は180度に曲がる。
【0097】
前記第6の態様の実装形態の一例において、前記バリアの前記細長の金属部材の少なくとも一つは以下のものから選択される。
a)固い一本のより線(stranded wire)であって、その表面が少なくとも、i)平らでない、ii)プライマーでコーティングされている、iii)粘着性コーティングでコーティングされている、のいずれかであるもの。
b)幅狭の金属ストリップであって、その表面が少なくとも、i)平らでない、ii)プライマーでコーティングされている、iii)粘着性コーティングでコーティングされている、のいずれかであるもの。
c)複数のより線。
【0098】
前記第6の態様の実装形態の一例において、前記取り付け部の片面に、両面テープが設けられる。
【0099】
前記第6の態様の実装形態の一例において、前記ブレード型ドアシールは、前記ブレード型ドアシールの長手方向に平行な軸の周りに柔軟性を有し、また、前記ブレード型ドアシールの長手方向に垂直な軸の周りにも柔軟性を有し、前記ブレード型ドアシールの長手方向に平行な軸の周りの柔軟性は、前記ブレード型ドアシールの長手方向に垂直な軸の周りの柔軟性よりも、かなり大きい。
【0100】
前記第6の態様の実装形態の一例において、前記ブレード型ドアシールには、リベットやネジ、ネジボルト、くぎを打つために推奨される位置を示すマークが設けられる。
【0101】
第7の態様によれば、ネズミのような害獣や害虫に抗してドアを建物や壁、フェンスに固定する方法が提供される。この方法は、ブレード型ドアシールを、前記ドアのドアリーフに取り付けるステップを含む。前記ブレード型ドアシールは、
シール部と、
前記ブレード型ドアシールをドアリーフに取り付けるための取り付け部とを有し、
前記ブレード型ドアシールは更に、
柔軟性を有する表地と;
前記シーリング部に対応する前記表地の少なくとも一部に組み込まれるバリアと;を有し、前記バリアは、ブレード型ドアシールの長手方向に平行に、互いに離間して配される複数の細長の金属部材を備え、前記複数の金属部材の少なくとも一つの少なくとも一部は、スムーズな湾曲、例えばa)カーブ状の湾曲、b)膨らみ、c)波形の湾曲、d)波様の変形から選ばれた湾曲を、3つ以上有する。
【0102】
第8の態様によれば、壁、フェンス、ドア、ポート、又は窓の端部と、隣接する面との隙間を閉じる又は塞ぐ方法が提供される。この方法は、壁、フェンス、ドア、ポート、又は窓の端部の隙間から動物や虫、水の侵入を防いだり、又は塞がれた隙間を超えて温度が変化することを防ぐための方法である。この方法は、前記第1の態様の実装形態の上述の例の1つに従う強化フレキシブルシールか、前記第2の態様の実装形態の上述の例の1つに従うシール・アセンブリか、前記第6の態様の実装形態の上述の例の1つに従うブレード型ドアシールを、前記壁、フェンス、ドア、ポート、又は窓の端部の近くに取り付けるステップを含む。このとき、シーリング部が前記端部の外側又は下側に延在する。
【0103】
前記第1の態様の実装形態のシールとして、前記第6の態様の実装形態のシールが選択されうることは、理解されうるであろう。
【0104】
また、前記第6の態様の実装形態のシールとして、前記第1の態様の実装形態のシールが選択されうることは、理解されうるであろう。
【0105】
上述の目的やその他の目的が、独立請求項に記載の特徴により達成される。更なる実装形態は、従属請求項や発明の詳細な説明、図面から明らかになるだろう。本発明の上述の態様及び他の態様は、以下に説明される実施例により更に明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0106】
以下、図面に示される例示的な実施形態を参照しつつ、本願発明をより詳細に説明する。
図1】第1の実施例に従う強化フレキシブル構造又はシールの一部を切り取って描いた斜視図である。この例において、強化フレキシブル構造又はシールは変形していない。
図2】第2の実施例に従う強化フレキシブル構造又はシールの一部を切り取って描いた斜視図である。この例において、強化フレキシブル構造又はシールは変形していない。
図3】ある実施例に従う強化フレキシブル構造又はシールの斜視図である。この例において、強化フレキシブル構造又はシールは変形していない。
図4a】ある実施例に従う強化フレキシブル構造又はシールの透視図である。この例において、強化フレキシブル構造又はシールは、湾曲又は膨らみが生じるように、又は波様に、変形している。
図4b】ある実施例に従う強化フレキシブル構造又はシールの透視図である。この例において、強化フレキシブル構造又はシールは、湾曲又は膨らみが生じるように、又は波様に、変形している。
図5】ある実施例に従う強化フレキシブルシールに、湾曲や膨らみ、波様の変形を生じさせるための、ロールプロセスを描いたものである。
図6】ある実施例に従う、ドア下端部シール・アセンブリを描いた図である。
図7】ある実施例に従う、窓下端部シール・アセンブリを描いた図である。
図8】ある実施例に従うシール・コンビを描いた図である。このシール・コンビは、強化フレキシブル構造又はシールに、ブラシまたは繊維材料が組み合わされている。
図9a】ある実施例に従う、強化フレキシブル構造又はシールを製造するシステムの押し出し部を、透視図様に描いた図である。
図9b】ある実施例に従う、強化フレキシブル構造又はシールを製造するシステムの押し出し部を、透視図様に描いた図である。
図10】ある実施例に従う、強化フレキシブル構造又はシールを製造するシステムの概略を描いた図である。
図11】ある実施例に従う、強化フレキシブル構造又はシールを製造する方法を説明するフローチャートである。
【詳細説明】
【0107】
図1は、第1の実施例に従う強化フレキシブル構造又はシール101の一部を切り取って描いた斜視図である。この例において、強化フレキシブル構造又はシールは変形していない。図2は、第2の実施例に従う強化フレキシブル構造又はシール102の一部を切り取って描いた斜視図である。この例においても、強化フレキシブル構造又はシールは変形していない。
【0108】
構造又はシール101,102はそれぞれ、柔軟性を有する表地を有する。構造又はシール101の表地は第1の側板102a及び第2の側板102bを有し、これらは複数の細長い金属部品又は金属ワイヤー103を包み込む又は取り囲んでいる。構造又はシール102の表地も、第1の側板202a及び第2の側板202bを有し、これらは複数の細長い金属部品又は金属ワイヤー203を包み込む又は取り囲んでいる。複数の金属部品又は金属ワイヤー103,203は、互いに平行状に配されている。フレキシブル構造又はシール101,102は長手方向を有してもよく、細長い金属部材または金属ワイヤー103,203は、当該長手方向に沿って延在するように配されてもよい。互いに平行状に配される複数の細長い金属部材又はワイヤー103,203は、互いに間隔を空けて配されており、好ましくはこれらの間隔は互いに等しい。好ましくは、柔軟性を有する表地102a,102b,202a,202bは、互いに平行状に配される複数の細長い金属部材又はワイヤー103,203のみを包み込む、又は取り囲む。
【0109】
表地102a,102b,202a,202bは、ほぼ一定の厚みを有する平たい形状であってもよい。表地102a,102b,202a,202bは、柔軟性を有するポリマーやプラスチック素材から作られてもよい。例えば、軟質ポリ塩化ビニル(軟質PVC)や、軟質ゴム素材等から作られてもよい。またその厚さは2~30mmであってもよい。2~20mmであってもよく、2~10mmであってもよく、2~5mmであってもよく、2.5~4mmであってもよく、約3mmであってもよい。
【0110】
構造又はシール101,102を使用するために、ワイヤーは、ネズミが噛みきって侵入できないような寸法を有さねばならず、またそのようなことを許さない素材で作られねばならない。ワイヤーは、その厚みや素材が、ネズミが噛みきって侵入することを許さないようなものである必要がある。また、ワイヤー間の隙間も、ネズミの侵入を許さないように小さくする必要がある。
【0111】
このため、複数のワイヤー103,203は、ワイヤー間の間隔が20mm未満であってもよく、19mm未満であってもよく、18mm未満であってもよく、17mm未満であってもよく、15mm未満であってもよく、12mm未満であってもよく、10mm未満であってもよく、9mm未満であってもよく、8mm未満であってもよく、7mm未満であってもよく、6mm未満であってもよく、5mm未満であってもよく、4mm未満であってもよく、3mm未満であってもよく、2mm未満であってもよい。ワイヤー間の間隔は、8mm以下であることが好ましく、7mm以下であることが好ましく、6mm以下であることが好ましく、5mm以下であることが好ましく、4mm以下であることが好ましい。
【0112】
ワイヤー103,203は、スチールやステンレス鋼、ばね鋼で作られてもよい。またワイヤー103,203は、鉄で作られてもよい。ワイヤー103,203はまた、網組ワイヤーやツイストワイヤのような、柔軟性のある金属ワイヤーで作られていてもよい。ワイヤー103,203はまた、狭い幅を有する金属ストリップの形を有していてもよい。ストリップの幅は、ストリップの厚さとほぼ同じであってもよい。又は、ストリップの厚さの1~3倍であってもよい。
【0113】
ワイヤー又は薄い金属ストリップ103,203は、厚さ又は直径が、0.4mm以下であってもよく、0.6mm以下であってもよく、0.7mm以下であってもよく、0.8mm以下であってもよく、0.9mm以下であってもよく、1mm以下であってもよく、1.1mm以下であってもよく、1.2mm以下であってもよく、1.3mm以下であってもよく、1.4mm以下であってもよく、1.5mm以下であってもよく、1.6mm以下であってもよく、1.7mm以下であってもよく、1.8mm以下であってもよく、1.9mm以下であってもよく、2.0mm以下であってもよく、2.1mm以下であってもよく、2.2mm以下であってもよく、2.4mm以下であってもよく、2.7mm以下であってもよく、3mm以下であってもよい。
【0114】
ワイヤー103,203が金属ストリップの形をしている場合、この金属ストリップの幅は、1mm以下であってもよく、1.5mm以下であってもよく、2mm以下であってもよく、2.5mm以下であってもよい。
【0115】
フレキシブル構造101,201は様々な幅に作られてもよい。しかし、フレキシブル構造101,201が封止のために使用される場合、構造101,201の幅は、1.5~30cmの範囲であってもよく、例えば2~25cmの範囲であってもよく、例えば2~20cmの範囲であってもよく、例えば2~15cmの範囲であってもよく、例えば4~10cmの範囲であってもよく、例えば5~9cmの範囲であってもよく、例えば8cmや7.5cmであってもよい。
【0116】
複数の金属ワイヤー103,203を互いに平行的に配することにより、、構造101,201は、金属ワイヤー103,203に平行な軸の周りに撓むことができ、又は曲がることができる。一方、金属ワイヤー103,203は剛性があるため、金属ワイヤー103,203に垂直な軸の周りに撓んだり曲がったりすることは、制限される。
【0117】
図2の構造又はシール201は、その上部において金属ワイヤー203が設けられていない点を除いて、図1の構造又はシール101と、実質的に同じである。
【0118】
構造101,201の課題の一つは、構造101,201が例えばドアの底部やドアリーフの端部に封止部又はバリアとして使用される場合、ドアの開閉が、金属ワイヤー103,203に平行な軸の周りに構造101,201を前後に撓ませ、それが金属ワイヤー103,203を、表地101,202に対して動かしてしまう可能性があることである。すると、金属ワイヤー103,203が、表地101,202の端部から飛び出してしまう可能性がある。この課題の解決策として、柔軟性を有する表地101,202に、金属ワイヤー103,203の方向に沿った変形を加えることが考えられる。これを、図3及び図4を用いて更に説明する。
【0119】
図3は、変形を有さない強化フレキシブル構造又はシール301の斜視図である。シール301は、前述のシール101や102と同じものであってもよい。従ってシール301は、柔軟性を有する表地302と、表地に包まれる又は取り囲まれる複数の細長の金属部材またはワイヤー303とを有する。複数のワイヤー303は、互いに平行状に配される。シール101の場合と同様に、金属ワイヤー303は、シール301の幅全体に存在してもよい。実施例によっては、シール201の場合と同様に、金属ワイヤー303は、シール301の幅の一部のみに存在してもよい。
【0120】
シール101,201,301は、図9,10,11を用いて後述される押し出しプロセスを用いて製造されてもよい。
【0121】
図4aは、強化フレキシブル構造又はシール401aの斜視図である。シール401aはシール301に似ているが、湾曲又は膨らみ又は波様の変形が加えられている。シール401aは、柔軟性を有する表地402aと、表地に包まれる又は取り囲まれる複数の細長の金属部材またはワイヤー403aとを有する。複数のワイヤー403aは、互いに平行状に配される。
【0122】
シール401aにおいては、内部に包まれる金属ワイヤー403aは、長手方向に沿って複数の湾曲又は膨らみ又は波様の変形404aを有する。金属ワイヤー403aの変形404aのため、金属ワイヤー403aを包み込む表地402aすなわち強化フレキシブルシール401aの外表面も、同様に変形を有する。長手方向に波様の変形404aを有する複数の金属ワイヤー403aは、互いに平行状に配されている。このため、図4aに描かれるように、湾曲又は膨らみ又は波様の変形404aは、強化フレキシブルシール401aの縦方向及び横方向によって定められる平面に実質的に垂直な方向への膨らみを有する。
【0123】
図4bは、 別の強化フレキシブル構造又はシール401bの斜視図である。シール401bはシール301に似ているが、湾曲又は膨らみ又は波様の変形404bを有する金属ワイヤー403bを有する。シール401bは、柔軟性を有する表地402bと、表地に包まれる又は取り囲まれる複数の細長の金属部材またはワイヤー403bとを有する。ワイヤー403bは、その少なくとも一部に湾曲又は膨らみ又は波様の変形404bを有する。
【0124】
シール401bにおいては、内部に包まれる金属ワイヤー403bは、長手方向に沿って複数の湾曲又は膨らみ又は波様の変形404bを有する。しかし、図4bに描かれるように、変形404bは、強化フレキシブルシール401bの長手方向及び短手方向によって定められる平面に実質的に平行な方向への膨らみを有する。このため、金属ワイヤー403bの変形404bは、表地402bの内側に収まっている。この様子が図4bに描かれており、変形404bは破線で示されている。そしてシール401bの表地は変形を有さないか、あっても少しにとどまっている。
【0125】
複数の金属ワイヤー403bが、その長手方向に湾曲又は膨らみ又は波様の変形404bを有するが、これらの変形404bが互いに実質的に平行になるように、複数の金属ワイヤー403bが配される。それによって、隣接する金属ワイヤー403bの間の距離が所定の最大値を超えないようにする。図4bのシール401bにおいては、複数のワイヤー403bのうち一部だけが、変形404bを有するように描かれている。しかし実施例によっては、シール401bが有する全ての金属ワイヤー403bが、変形404bを有していてもよい。
【0126】
柔軟性を有する表地402a,bに埋め込む金属ワイヤーとして、湾曲又は膨らみ又は波様の変形404a,bを有する金属ワイヤー403a,bを用いることにより、金属ワイヤー403a,bは表地402a,bの中にしっかりと固定される。そのため、フレキシブルシール401a,bが自身や金属ワイヤー403a,bの縦方向に前後に曲げられても、金属ワイヤー403a,bは表地402a,bに対して動くことができない。金属ワイヤー403a,bがシール401a,b内に保持されていれば、シール401a,bの強度は使用中も保たれる。
【0127】
湾曲又は膨らみ又は波様の変形404a,bは、湾曲、スムーズな湾曲であってもよく、湾曲的な変形を含んでもよく、カーブ状の変形であってもよく、波様の湾曲であってもよい。
【0128】
上述の変形又は湾曲又はスムーズな湾曲404a,bを備える金属ワイヤー403a,bの数は、少なくとも1つであってもよく、例えば少なくとも2つであってもよく、例えば少なくとも3つであってもよく、例えば少なくとも4つであってもよく、例えば少なくとも5つであってもよく、例えば少なくとも7つであってもよく、例えば少なくとも9つであってもよい。
【0129】
変形又は湾曲又は404a,bは、ワイヤー403a,bの全長に亘って等間隔に分布するように設けられてもよく、全長の一部のみに設けられてもよい。
【0130】
ワイヤー403a,bに設けられる変形又は湾曲又は404a,bの数は、少なくとも3であってもよく、例えば少なくとも5であってもよく、例えば少なくとも10であってもよく、例えば少なくとも15であってもよく、例えば少なくとも20であってもよく、例えば少なくとも30であってもよく、例えば少なくとも40であってもよく、例えば少なくとも50であってもよく、例えば少なくとも70であってもよく、例えば少なくとも100であってもよく、例えば少なくとも150であってもよく、例えば少なくとも200であってもよい。
【0131】
ワイヤー403a,b一本あたりに設けられる変形又は湾曲又は404a,bの数は、少なくとも3であってもよく、例えば少なくとも5であってもよく、例えば少なくとも10であってもよく、例えば少なくとも15であってもよく、例えば少なくとも20であってもよく、例えば少なくとも30であってもよく、例えば少なくとも40であってもよく、例えば少なくとも50であってもよく、例えば少なくとも70であってもよく、例えば少なくとも100であってもよく、例えば少なくとも150であってもよく、例えば少なくとも200であってもよい。
【0132】
埋め込まれるワイヤー403a,bには、表地402a,bの内側におけるワイヤー403a,bの位置を維持するために、最低限の変形が必要になる。
【0133】
変形又は湾曲又は404a,bが波形である場合、ワイヤー403a,bの芯からの最大振幅は少なくとも0.05mmであってもよく、例えば少なくとも0.1mmであってもよく、例えば少なくとも0.15mmであってもよく、例えば少なくとも0.2mmであってもよく、例えば少なくとも0.25mmであってもよく、例えば少なくとも0.4mmであってもよく、例えば少なくとも0.7mmであってもよく、例えば少なくとも1mmであってもよく、例えば少なくとも1.5mmであってもよく、例えば少なくとも2mmであってもよい。
【0134】
しかし、変形又は湾曲又は404a,bの高低差が大きすぎる場合、金属ワイヤー403a,bは表地402a,bから飛び出てしまうかもしれない。
【0135】
変形又は湾曲又は404a,bが波形である場合、ワイヤー403a,bの芯からの最大振幅は10mm未満であってもよく、例えば8mm未満であってもよく、例えば6mm未満であってもよく、例えば4mm未満であってもよく、例えば3mm未満であってもよい。
【0136】
変形又は湾曲又は404a,bが波形である場合、波の波長は少なくとも2mmであってもよく、例えば少なくとも3mmであってもよく、例えば少なくとも4mmであってもよく、例えば少なくとも5mmであってもよく、例えば少なくとも6mmであってもよく、例えば少なくとも7mmであってもよい。
【0137】
変形又は湾曲又は404a,bが波形である場合、波の波長は30mm未満であってもよく、少なくとも25mm未満であってもよく、例えば20mm未満であってもよく、例えば15mm未満であってもよく、例えば10mm未満であってもよく、例えば8mm未満であってもよい。
【0138】
変形又は湾曲又は404a,bが波形でない場合、(ワイヤーの芯から計った)波形の湾曲の最大振幅に対応する大きさは、少なくとも0.05mmであってもよく、例えば少なくとも0.1mmであってもよく、例えば少なくとも0.15mmであってもよく、例えば少なくとも0.2mmであってもよく、例えば少なくとも0.25mmであってもよく、例えば少なくとも0.4mmであってもよく、例えば少なくとも0.7mmであってもよく、例えば少なくとも1mmであってもよく、例えば少なくとも1.5mmであってもよく、例えば少なくとも2mmであってもよい。
【0139】
変形又は湾曲又は404a,bが波形でない場合、(ワイヤーの芯から計った)波形の湾曲の最大振幅に対応する大きさは10mm未満であってもよく、例えば8mm未満であってもよく、例えば6mm未満であってもよく、例えば4mm未満であってもよく、例えば3mm未満であってもよい。
【0140】
変形又は湾曲又は404a,bが波形でない場合、波形の湾曲の波長に対応する大きさは少なくとも2mmであってもよく、例えば少なくとも3mmであってもよく、例えば少なくとも4mmであってもよく、例えば少なくとも5mmであってもよく、例えば少なくとも6mmであってもよく、例えば少なくとも7mmであってもよい。
【0141】
変形又は湾曲又は404a,bが波形でない場合、波形の湾曲の波長に対応する大きさは30mm未満であってもよく、少なくとも25mm未満であってもよく、例えば20mm未満であってもよく、例えば15mm未満であってもよく、例えば10mm未満であってもよく、例えば8mm未満であってもよい。
【0142】
変形又は湾曲又は404a,bが波形である場合、1メートルあたりの湾曲の数と、ワイヤー403a,bの芯からの最大振幅との比は、1メートルあたりの湾曲の前記数と、前記最大振幅(mm)との乗算の結果が、例えば、
A)5-200の範囲の数、例えば10-150、例えば20-100、例えば40-80、例えば50-60;
B)5-100の範囲の数、例えば10-60、例えば20-40;
C)70-95の範囲の数;
になるようなものであってもよい。
【0143】
変形又は湾曲又は404a,bが波形でない場合、1メートルあたりの湾曲の数と、(ワイヤーの芯から計った)波形の湾曲の最大振幅に対応する大きさとの比は、1メートルあたりの湾曲の前記数と、前記大きさ(mm)との乗算の結果が、例えば、
A)5-200の範囲の数、例えば10-150、例えば20-100、例えば40-80、例えば50-60;
B)5-100の範囲の数、例えば10-60、例えば20-40;
C)70-95の範囲の数;
になるようなものであってもよい。
【0144】
前述のように、埋め込まれるワイヤー403a,bには、表地402a,bの内側におけるワイヤー403a,bの位置を維持するために、最低限の変形が必要になる。図4aのシール401aや図4bのシール401bにおいて、変形又は曲り、例えば湾曲又は膨らみ又は波様の変形404a,bは、頂部405a,bと底部406a,bを有し、また頂部405a,bの最頂部と底部406a,b最底部との間の高低差を有する。ここで、頂部405a,bと、それに隣接する底部406a,bとの高低差は、金属ワイヤー403a,bの直径又は厚さの少なくとも1/2であってもよく、例えば当該直径又は厚さの少なくとも3/4であってもよく、例えば当該直径又は厚さの少なくとも3/2であってもよい。
【0145】
金属ワイヤー403a,bが表地402a,bから突き出てしまわないように、湾曲又は膨らみ又は波様の変形404a,bの高低差は大きすぎてはいけない。このため、変形又は曲り、例えば湾曲又は膨らみ又は波様の変形404a,bの、頂部405a,bと、それに隣接する底部406a,bとの高低差は、金属ワイヤー403a,bの直径又は厚さの5倍を超えず、例えば4倍を超えず、例えば3倍を超えない。
【0146】
金属ワイヤー403a,bがシール401a,bの内側に保持されるためには、ある湾曲又は膨らみ又は波様の変形404a,bと、それに隣接する湾曲又は膨らみ又は波様の変形404a,bとの距離は、離れすぎてはいけない。このため、湾曲又は膨らみ又は波様の変形404a,bの頂部405a,b間の距離は、金属ワイヤー403a,bの直径又は厚さの20倍を超えず、例えば17倍を超えず、、例えば15倍を超えず、例えば12倍を超えず、例えば約8倍である。しかし、隣接する変形404a,b間の距離が小さすぎる場合、金属ワイヤー403a,bは表地402a,bから飛び出てしまうかもしれない。このため、湾曲又は膨らみ又は波様の変形404a,bの頂部405a,b間の距離は、金属ワイヤー403a,bの直径又は厚さの5倍より大きいことが好ましい。
【0147】
柔軟性を有する表地402a,bは、好ましくは、湾曲又は膨らみ又は波様の変形404a,bを有する金属ワイヤー403a,bの直径又は厚さの、2~5倍の厚さを有することが好ましい。例えば2.5~4倍、約3倍の厚さであってもよい。
【0148】
図4aのシール401aの場合、シール401a内に延設されたワイヤー403aの全てに、変形、湾曲又は波形404a,bが設けられている。しかし、シール401aがドアリーフやドアウィングに接合するために使用される場合、接合部に位置するワイヤー403aは、変形を有するべきではない。というのも、そのような接合部は、ドアリーフやドアウィングの開閉時に撓まないからである。
【0149】
シール401aや401bにおいて、柔軟性を有する表地402a,402bの厚さは2~30mmであってもよい。2~20mmであってもよく、2~10mmであってもよく、2~5mmであってもよく、2.5~4mmであってもよく、約3mmであってもよい。厚さは実質的に一定であってもよい。
【0150】
シール401aや401bにおいて、柔軟性を有する表地402a,402bは、プラスチック素材や柔軟なポリマー素材で作られてもよい。柔軟性を有する表地402a,402bの素材は、ゴムのような天然ポリマー素材を含んでもよく、及び/又は、合成ゴムのような合成ポリマー素材を含んでもよい。柔軟性を有する表地402a,402bの素材は、熱可塑性エラストマー(TPE)や熱可塑性加硫物(TPV)を含んでもよく、ポリ塩化ビニル(PVC)を含んでもよい。柔軟性を有する表地402a,402bのショアA硬度は、40以上でもよく、50以上でもよく、60以上でもよく、65以上でもよく、70以上でもよく、75以上でもよく、75-80の範囲であってもよい。用途によっては、より堅い素材を有する素材を用いてもよい。例えばショアA硬度が80以上でもよく、85以上でもよく、90より大きくてもよい。
【0151】
柔軟性を有する表地402a,402bは、SANTOPRENE(登録商標)の一種から選ばれたポリマー素材であってもよい。例えばSANTOPRENE(登録商標)201-73であってもよい。
【0152】
強化フレキシブルシール401a,401bのフレキシブル表地402a,402bが、細長の金属ワイヤー403a,403bを包囲し又は埋め込み続けることができることを確実にするために、素材の硬さ、ショア硬度、厚さの組み合わせが、十分に高い値を有することが重要である。このため、フレキシブル表地402a,402bの、厚さとショアA硬度スコアの比は、プリドミナントな厚さ(主たる厚さ)(mm)とショアAスコアとの乗算の結果が、175-275の範囲になるようなものであってもよく、例えば190-275、200-260、210-250、220-240の範囲になるようなものであってもよい。
【0153】
シール401a,401bのワイヤー403a,403bは、その厚みや素材が、ネズミが噛みきって侵入することを許さないようなものであることが好ましい。また、ワイヤー間の隙間も、ネズミの侵入を許さないように狭くすることが好ましい。隣接するワイヤー間の距離が所定の最大距離を超えないように、複数の細長金属ワイヤー403a,403bの全て又は少なくとも一部を配することは、好適な実施形態に含まれることである。強化フレキシブルシール401a,401bは下端部又は外縁部を有するが、その下端部又は外縁部と、最も下側に位置する細長金属ワイヤーとの間隔は、上述の最大距離より小さいことが好ましい。ワイヤーの長手方向において、複数の湾曲又は波形をほぼ等間隔に設けることは、好適な実施形態に含まれることである。強化フレキシブルシール401a,401bの下端部又は外縁部と、最も下側に位置する細長金属ワイヤーとの間隔は、当該等間隔の間隔より小さいことが好ましい。
【0154】
複数のワイヤー403a,403bは、ワイヤー間の間隔が20mm未満であってもよく、19mm未満であってもよく、18mm未満であってもよく、17mm未満であってもよく、15mm未満であってもよく、12mm未満であってもよく、10mm未満であってもよく、9mm未満であってもよく、8mm未満であってもよく、7mm未満であってもよく、6mm未満であってもよく、5mm未満であってもよく、4mm未満であってもよく、3mm未満であってもよく、2mm未満であってもよい。ワイヤー間の間隔は、8mm以下であることが好ましく、7mm以下であることが好ましく、6mm以下であることが好ましく、5mm以下であることが好ましく、4mm以下であることが好ましい。
【0155】
ワイヤー403a,403bは、スチールやステンレス鋼、ばね鋼で作られてもよい。またワイヤー103,203は、鉄で作られてもよい。ワイヤー403a,403bはまた、網組ワイヤーやツイストワイヤのような、柔軟性のある金属ワイヤーで作られていてもよい。ワイヤー403a,403bはまた、狭い幅を有する金属ストリップの形を有していてもよい。ストリップの幅は、ストリップの厚さとほぼ同じであってもよい。又は、ストリップの厚さの1~3倍であってもよい。ワイヤー又は薄い金属ストリップ403a,403bは、厚さ又は直径が、0.4mm以下であってもよく、0.6mm以下であってもよく、0.7mm以下であってもよく、0.8mm以下であってもよく、0.9mm以下であってもよく、1mm以下であってもよく、1.1mm以下であってもよく、1.2mm以下であってもよく、1.3mm以下であってもよく、1.4mm以下であってもよく、1.5mm以下であってもよく、1.6mm以下であってもよく、1.7mm以下であってもよく、1.8mm以下であってもよく、1.9mm以下であってもよく、2.0mm以下であってもよく、2.1mm以下であってもよく、2.2mm以下であってもよく、2.4mm以下であってもよく、2.7mm以下であってもよく、3mm以下であってもよい。ワイヤー403a,403bが金属ストリップの形をしている場合、この金属ストリップの幅は、1mm以下であってもよく、1.5mm以下であってもよく、2mm以下であってもよく、2.5mm以下であってもよい。
【0156】
フレキシブル構造403a,403bは様々な幅に作られてもよい。しかし、フレキシブル構造403a,403bが封止のために使用される場合、構造403a,403bの幅は、1.5~30cmの範囲であってもよく、例えば2~25cmの範囲であってもよく、例えば2~20cmの範囲であってもよく、例えば2~15cmの範囲であってもよく、例えば4~10cmの範囲であってもよく、例えば5~9cmの範囲であってもよく、例えば8cmや7.5cmであってもよい。
【0157】
図4aのシール401aは、まず図3のシール301を製造し(これは押し出しプロセスによって製造されることができる)、次にシール301を、波様の変形を形成する更なるプロセス(例えば図5で説明されるようなプロセス)で処理することにより、製造されることができる。
【0158】
図4bのシール401bは、まず膨らみ又は波様の変形を有する金属ワイヤー403bを複数製造し、これをポリマーでコーティングすることによって製造されることができる。コーティングは押し出しプロセスによって行うことができる。
【0159】
図5は、強化フレキシブルシールに、湾曲や膨らみ、波様の変形のような、変形や湾曲を形成するための処理システム500を示している。処理システム500は、2つの歯車又は歯付きロール501,502を有する。歯車又は歯付きロール501,502は、それぞれローラー歯503,504を有する。歯車又は歯付きロール501,502は、それぞれ軸503,504で回転するように構成される。軸503,504は互いに平行である。歯車又は歯付きロール501,502は少なくとも部分的に、ローラー歯503,504によって歯合している。システム500は送給支持部507を有する。送給支持部507は、強化フレキシブルシール301を、埋め込まれた金属ワイヤーと共に、歯503,504の間に導くように配される。金属ワイヤーは、上記回転軸に実質的に垂直方向に延伸することになる。システム500はまた、シール退出支持部508を有する。シール退出支持部508は、変形用の歯車又は歯付きロール501,502から退出し、変形を受けたシール401aを支持するように配される。変形したシール401aや、当該シール401a内で変形したワイヤー403aに、鋭角の角がつかないように、歯車又は歯付きロール501,502の歯503,504の外縁部は湾曲しているべきである。
【0160】
回転軸505,506に実質的に垂直方向に延伸する金属ワイヤー503が埋め込まれた、波様の変形を有さないシール301は、送給支持部507上に載せられて、歯503,504の間に配される。そしてシール301は、歯車又は歯付きロール501,502の歯合する歯503,504が回転するにつれ、少なくとも部分的に歯503,504を通って移動させられる。その圧力によって膨らみ又は波様の変形がいくつも形成され、変形したシール401aが形成される。
【0161】
利用分野によっては、変形したシール401aを、一方又は両方の面をほぼ平坦として形成しなければならないことがある。その場合は、膨らみ又は波様の変形を有するフレキシブル表地402aに、別のフレキシブル表地を追加することにより、一方又は両方の面が平坦な強化フレキシブルシール401aを実現することができる。この追加のフレキシブル表地は事実上平坦な表面を有し、強化フレキシブルシール401aの片面または両面に配してもよい。この追加のフレキシブル表地は、強化フレキシブルシール401aのフレキシブル表地402aに、押し出しプロセスやインサート成形によって、追加されてもよい。
【0162】
実施例によっては、フレキシブルシール401a,401bは、ドアの隙間を塞ぐために使用されてもよく、ドアが閉まっているときに、ドアの外縁部から動物や害虫が侵入することを防ぐために使用されてもよい。この様子が図6に描かれている。図6は、ある実施例に従う、ドア下端部シール・アセンブリ600を描いた図である。図には、シール・アセンブリ600とドア601が同じ縮尺になるように描かれている。図6のシール・アセンブリ600は、ドア601の下端部と、それに隣接する面602との間の隙間を塞ぐように配されている。それによって、ドア601の下端部と面602との間から動物等が侵入することを防いでいる。シール・アセンブリ600は、図4aや図4bを用いて説明したフレキシブルシール401a又は404bを有する。シール・アセンブリ600は、コネクタ又は連結板603を少なくとも1つ備えてもよい。コネクタ又は連結板603はスチール又はステンレス鋼で作られてもよく、強化フレキシブルシール401a,401bの上部又は連結部を、ドア601の端部に連結してもよい。シール401a,401bの下部は、ドア又はドアウィング601の下端の下に延在する。シール401a,401bの下部は、膨らみ又は波様の変形404a,404bを有する複数の金属ワイヤー403を有する。金属ワイヤー403は、シール401a,401bの長手方向を向いており、ドア下端部に実質的に平行に延在している。従って、ドア又はドアリーフ601の下端部の下に延在する、上記シール401a,401bの下部は、望まれない動物等がドア601の下から侵入することを防ぐ、バリア又はシールとしての役割を果たす。
【0163】
金属ワイヤー403a,bの長手方向に波様の変形404a,bが設けられているため、シール401a,bの下部の金属ワイヤー403a,bは、ドア又はドアリーフ601が開閉しても、、シール401a,b内でその位置を維持することができる。
【0164】
実施例によっては、フレキシブル構造401a,401bは、窓701を塞ぐために使用されてもよく、窓701が閉まっているときに、窓701の隙間から動物や害虫が侵入することを防ぐために使用されてもよい。この様子が図7に描かれている。図7は、ある実施例に従う、窓下端部シール・アセンブリ700を描いた図である。シール・アセンブリ700は、図4aや図4bを用いて説明したタイプのフレキシブルシール401a又は404bを有することが好ましい。シール401a,bは、連結板703によって、窓701のフレーム下端部に連結される。連結板703は、スチール又はステンレス鋼製であってもよい。
【0165】
図8は、ある実施例に従うシール・コンビを描いた図である。このシール・コンビは、強化フレキシブル構造又はシール801に、ブラシまたは繊維材804が組み合わされている。シール801は柔軟性を有する表地802を有すると共に、内部に複数の金属ワイヤー803を組み込んでいる。シール801は、図4aや図4bを用いて説明したフレキシブルシール401a又は404bと同様のシールであることが好ましい。従って、図示されていないが、シール801の金属ワイヤー803も、その長手方向に波様の変形を有することが好ましい。ブラシまたは繊維材804は、繊維やブラシのストリップであってもよい。ブラシまたは繊維材804は、強化フレキシブルシール801の底部805に取り付けられるか一体化されており、強化フレキシブルシール801の下側に延在する。
【0166】
図9a,9b,10は、複数の金属ワイヤーをポリマーでコーティングし、ポリマーで包まれた強化フレキシブルシール(例えば強化フレキシブルシール101,201,301)を製造するためのシステム1000を描いた図である。システム1000で製造された強化フレキシブルシール又はバリアは、図5を用いて説明したように、膨らみ又は波様の変形404aを有するシール401aを得るために、更に処理されてもよい。シール401aは、本明細書で開示された実施例に従って、シール・アセンブリの強化フレキシブルシールとして使用されてもよい。図9a及び9bは、システム1000で使用されてもよい押し出し部901を透視図形式で描いた図である。図10は、システム1000の概略図である。
【0167】
図9a及び9bに描かれる押し出し部901は、ポリマー及び金属ワイヤーの構造を形作る押出金型902を有する。押出金型902は、金型入口部903及び金型出口部904を有する。金型入口部903は開口部を有する。金型出口部904も、金型入口部903の開口部と反対側に開口部を有する。押し出し部901はまた、金属ワイヤー906を押出金型902に給送するワイヤー供給部905を有する。ワイヤー供給部905は、互いに平行状である複数のワイヤー給送ガイド907を有する。これらワイヤー給送ガイド907の各々は、ワイヤー1本を案内するような寸法を有し、ワイヤー入口908とワイヤー出口909とを有する。ワイヤー出口909が金型入口部903で中央一列に並び、金属ワイヤー906を排出して押出金型902に進入させるように、ワイヤー給送ガイド907が配される。
【0168】
押し出し部901は更に、溶融した高圧のポリマー含有材が供給される注入口910を1つ又は複数有する。押し出し部901は、溶融した高圧のポリマー含有材を金型入口部903に給送する。従って、金属ワイヤー906と溶融ポリマー含有材は、押出金型902を通って金型入口部903から金型出口部904へと給送され、溶融ポリマー含有材が金属ワイヤー906を包み込む構造が形成される。金型出口部の開口部は、金属ワイヤー906を内部に含む鋳造ポリマー含有材の最終的な構造に、所望の又は所定の形状を与えるように形成されている。
【0169】
ワイヤー供給部905はワイヤーガイド位置決め部912を有する。ワイヤーガイド位置決め部912はワイヤー出口909を保持する。ワイヤーガイド位置決め部912は、金型入口部903においてワイヤー出口909が中央一列に並ぶように、金型入口部903に対して配される。ワイヤーガイド位置決め部912は、金型入口部903内に受容され、金型入口部903の内壁と、ワイヤーガイド位置決め部912の外壁との間に、ポリマーが進入する空隙が設けられる。従って、押し出し部901において、ポリマー入口910を通じて金型入口部903内に溶融ポリマー含有材が供給されると、溶融ポリマー含有材は、矢印911で示されるように上記空隙を通ってワイヤーガイド位置決め部912を回ってワイヤー出口909へと達し、そして金型出口部904へと進む。
【0170】
図9aや図9bに描かれない別の実施例では、ワイヤーガイド位置決め部912の幅は出口(ワイヤー出口909を保持する部分)に向けて狭まる。
【0171】
金型入口部の開口部は、金型出口部の開口部より広くてもよい。そして、図9aや図9bに示される押し出し部901の実施例において、金型入口部903の高さは、入口から奥に進むと、減少している。金型出口部の開口部は、矩形状の断面を有してもよく、又は楕円形状の断面を有してもよい。それによって、鋳造ポリマーや金属ワイヤーに、平坦な形状を与えてもよい。金型入口部の開口部も、ほぼ矩形の断面を有してもよく、又はほぼ楕円形の断面を有してもよい。金型出口部の開口部は、矩形状の断面を有することが好ましい。金型入口部の開口部もまた、矩形状の断面を有することが好ましい。
【0172】
ワイヤー給送ガイド907のワイヤー入口908の入口面積は、ワイヤー出口909の出口面積より大きくてもよい。従って、ワイヤー給送ガイド907の内部の断面積は、ワイヤー入口908からワイヤー出口909に向けて、減少してもよい。ワイヤー906をしっかりと案内するため、ワイヤー給送ガイド907はワイヤー給送パイプとして形成されることが好ましい。ワイヤー給送ガイド又はパイプ907に受容される金属のワイヤー又はストリップ、又はステンレス鋼のワイヤーの厚さ又は直径は0.4mmより大きく、例えば0.6mmより大きく、例えば0.8mmより大きく、例えば0.9mmより大きく、例えば0.9mmや1mmや1.1mmの直径を有する。ワイヤー給送ガイド又はパイプ907は、このようなワイヤー又はストリップを受容しうるような直径又は孔を有するように構成される。
【0173】
ワイヤー給送ガイド又はパイプ907は、それぞれ内側案内壁を有することが好ましい。そして、ワイヤー給送ガイド又はパイプ907の長さは、隣接する2本のワイヤー給送ガイド又はパイプ907の内側案内壁の間の距離以上の長さであることが好ましい。ワイヤー給送ガイド又はパイプ907の長さは、隣接する2本のワイヤー給送ガイド又はパイプ907の内側案内壁の間の距離の少なくとも2倍(例えば3倍、4倍)であってもよい。ワイヤー給送ガイド又はパイプ907の全部又は少なくとも一部は、そのワイヤー出口の幅又は直径が、隣接するワイヤー給送ガイド又はパイプ907の内側案内壁の間の最小距離より小さいことが好ましい。隣接する2本のワイヤー給送ガイド又はパイプ907の内側案内壁の間の最小距離は、ワイヤー出口909の幅又は直径の少なくとも1.5倍の大きさであってもよく、例えば2倍の大きさであってもよく、例えば3倍の大きさであってもよい。
【0174】
等間隔に配される金属ワイヤーを複数有するフレキシブルシールを得るために、平行状に配される複数のワイヤー給送ガイド又はパイプ907の全部又は少なくとも一部は、等間隔に配される。この間隔は20mm未満であってもよく、例えば19mm未満であってもよく、例えば18mm未満であってもよく、例えば17mm未満であってもよく、例えば15mm未満であってもよく、例えば12mm未満であってもよく、例えば10mm未満であってもよく、例えば9mm未満であってもよく、例えば8mm未満であってもよく、例えば7mm未満であってもよく、例えば6mm未満であってもよく、例えば5mm未満であってもよく、例えば4mm未満であってもよく、例えば3mm未満であってもよく、例えば2mm未満であってもよい。
【0175】
図10に示されるように、システム1000は上述の押し出し部901と、ポリマー供給部1001とを有する。ポリマー供給部1001は、融解したポリマー含有材を、所定の圧力で、押し出し部901に供給する。システム1000は更に、それぞれ金属ワイヤー2603を保持する複数のワイヤーロール1007を有する。金属ワイヤー2603は、ワイヤー供給部905を通じて押し出し部901に受け取られる。押出金型902の金型出口から退出する、鋳造ポリマー含有材及び金属ワイヤーの最終的な構造1002は、図10に描かれるように冷却ステーション1003に給送される。冷却ステーション1003は、冷却媒体を備える、開放されたキャスク又はコンテナであってもよい。冷却ステーション1003は、ポリマー及び金属ワイヤー906の成形構造1002を冷却するための冷却媒体を取り入れたり排出したりするための、冷却媒体入口及び出口1004を有する。冷却媒体は例えば水であってもよい。冷却ステーション1003は、ポリマー及び金属ワイヤーの成形構造1002が、冷却ステーション1003を通過して冷却媒体で冷却される間、これを支持するための一つ又は複数の支持部1005を備える。冷却ステーション1003は更に、冷却ステーション1003の下流に配される引き抜きユニット1006を有する。押し出しユニット1006は、冷却ステーション1003を退出した、冷却された成形構造1002を受け取る。押し出しユニット1006は、引き抜きロールのペアを有してもよい。この押し付けロールのペアは、冷却された、ポリマー含有材及び金属ワイヤーの成形構造をロールの間に挟み、その回転運動により、当該成形構造を引き抜く。システム1000は更に、システム1000を使った押し出しプロセスを制御するための、コンピュータ制御ユニット1008を備えてもよい。
【0176】
図11に、ある実施例に従う方法であって、複数の金属ワイヤーをポリマーでコーティングした強化フレキシブル構造を製造するための方法を図示する。この説明では、図9図10も参照する。この方法は、金属ワイヤー906の供給(ステップ(1100a)、及び、溶融ポリマーの供給(ステップ1100b)をもたらすことから始まる。次にこの方法は、複数の金属ワイヤー906を押出金型902に給送するステップ1101を含む。このステップにおいて、複数の金属ワイヤー906は、押出金型902の入口部903内の中央部において、それぞれ互いに平行に、ほぼ等しい間隔を空けて給送される。同時に、溶融ポリマーが、所定の圧力で押出金型902に給送される。金属ワイヤー906を押出金型内に給送する前に、金属ワイヤー906を予熱しておくことは、実施例の範囲内である。金属ワイヤー906は、170~225℃の範囲に予熱されてもよく、例えば180℃や200℃に予熱されてもよい。
【0177】
次のステップ1102では、金属ワイヤー906を包み込んだ溶融ポリマーが金型902を通過して、溶融ポリマー及び金属ワイヤーが、平坦な構造1002に成形される。次のステップ1103では、金型902を抜けて得られた平坦構造1002が冷却され、ポリマーに包まれた金属ワイヤー906の、冷却された強化フレキシブル構造が得られる。この冷却は、冷却ステーション1004によって行われてもよい。最後のステップ1104では、冷却された平坦な構造が、一つ又は複数の引き抜きユニット1006(例えば引き抜きロールのペア1006)によって、冷却ステーション1004から引き抜かれる。
【0178】
図9から11で説明された上述のシステムや方法において、金属ワイヤーは、幅狭の金属ストリップ906であってもよく、スチールやステンレス鋼、ばね鋼製であってもよい。ワイヤー又は薄い金属ストリップは、厚さ又は直径が、0.4mm以下であってもよく、0.6mm以下であってもよく、0.7mm以下であってもよく、0.8mm以下であってもよく、0.9mm以下であってもよく、1mm以下であってもよく、1.1mm以下であってもよく、1.2mm以下であってもよく、1.3mm以下であってもよく、1.4mm以下であってもよく、1.5mm以下であってもよく、1.6mm以下であってもよく、1.7mm以下であってもよく、1.8mm以下であってもよく、1.9mm以下であってもよく、2.0mm以下であってもよく、2.1mm以下であってもよく、2.2mm以下であってもよく、2.4mm以下であってもよく、2.7mm以下であってもよく、3mm以下であってもよい。
【0179】
ワイヤー906が金属ストリップの形をしている場合、この金属ストリップの幅は、1mm以下であってもよく、1.5mm以下であってもよく、2mm以下であってもよく、2.5mm以下であってもよい。
【0180】
ポリマー供給部1001は、溶融ポリマーは押し出し部901に、175~225℃の範囲の温度で供給してもよく、例えば約180℃で供給してもよい。溶融ポリマーは押し出し部901に、20~50barの範囲の圧力で供給されてもよく、例えば約30barで供給されてもよい。冷却ステーション1004で行われる冷却は冷却媒体を用いて行われるが、この冷却媒体は水であってもよい。これによって、平坦な構造1002は、30~45℃の範囲の温度まで冷却されてもよく、例えば約40℃に冷却されてもよい。
【0181】
溶融ポリマーはポリ塩化ビニル(PVC)でもよい。又は、押し出しプロセスで使用されるポリマー含有材であってもよい。例えば熱可塑性エラストマー(TPE)のタイプの素材でもよいし、熱可塑性加硫物(TPV)のタイプの素材でもよい。実施例によっては、上記ポリマー含有材は、Santoprene(登録商標)であってもよい。例えばSantoprene201-73であってもよい。フレキシブル構造又はシール1002は押し出しプロセスによって製造されてもよい。フレキシブル構造又はシール1002の厚さは2~30mmであってもよい。例えば2~20mmであってもよく、例えば2~10mmであってもよく、例えば2~5mmであってもよく、例えば2.5~4mmであってもよく、例えば約3mmであってもよい。
【0182】
複数のワイヤー906は、ワイヤー間の間隔が20mm未満であってもよく、例えば19mm未満であってもよく、例えば18mm未満であってもよく、例えば17mm未満であってもよく、例えば15mm未満であってもよく、例えば12mm未満であってもよく、例えば10mm未満であってもよく、例えば9mm未満であってもよく、例えば8mm未満であってもよく、例えば7mm未満であってもよく、例えば6mm未満であってもよく、例えば5mm未満であってもよく、例えば4mm未満であってもよく、例えば3mm未満であってもよく、例えば2mm未満であってもよい。
【0183】
フレキシブル構造又はシール1002は様々な幅に作られてもよい。例えば最大120cmに作られてもよく、例えば最大100cmに作られてもよく、例えば最大80cmに作られてもよく、例えば最大60cmに作られてもよく、例えば最大50cmに作られてもよく、例えば最大50cmに作られてもよく、例えば最大40cmに作られてもよく、例えば最大30cmに作られてもよく、例えば最大20cmに作られてもよい。しかし、シールまたはバリアとして使用される場合、フレキシブル構造又はシール1002の幅は、1.5~30cmの範囲であってもよく、例えば2~25cmの範囲であってもよく、例えば2~20cmの範囲であってもよく、例えば2~15cmの範囲であってもよく、例えば4~12cmの範囲であってもよく、例えば6~10cmの範囲であってもよく、例えば7~9cmの範囲であってもよく、例えば約8cmであってもよい。
【0184】
様々な実施例を用いて、本発明を説明してきた。しかし、本願の明細書や図面、特許請求の範囲を検討すれば、当業者は、特許請求の範囲に記載される発明を実施するにおいて、説明された実施例に加えて多くのバリエーションが存在することを理解し、また具現化することができるであろう。特許請求の範囲に記載される「備える」「有する」「含む」との語句は、記載されていない要素やステップが存在することを排除しない。特許請求の範囲において記載される要素の数が複数であると明示されていなくとも、当該要素が複数存在することを除外しない。
図1
図2
図3
図4a
図4b
図5
図6
図7
図8
図9a
図9b
図10
図11