(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-28
(45)【発行日】2023-08-07
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/0273 20230101AFI20230731BHJP
【FI】
G06Q30/0273
(21)【出願番号】P 2021045262
(22)【出願日】2021-03-18
【審査請求日】2021-04-22
【早期審査対象出願】
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】319013263
【氏名又は名称】ヤフー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】堤 良介
(72)【発明者】
【氏名】實原 弘亮
(72)【発明者】
【氏名】山下 直人
(72)【発明者】
【氏名】森 秀晃
(72)【発明者】
【氏名】ホワン ジェウック
【審査官】渡邉 加寿磨
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2014/0278981(US,A1)
【文献】特開2019-45899(JP,A)
【文献】特開2019-20804(JP,A)
【文献】特表2010-529523(JP,A)
【文献】特開2018-156306(JP,A)
【文献】特開2019-40529(JP,A)
【文献】村山 哲治,”リスティング広告における広告予算の考え方”,企業と広告,(株)チャネル,2018年12月01日,第44巻 第12号,p.24-25
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
広告主により指定された広告配信の費用に関する指定値を取得する取得部と、
前記広告主の広告コンテンツのコンバージョンに関する第1指標値と、前記取得部により取得された前記指定値に基づく第2指標値と、
前記第2指標値の値の調整を行わない場合は1に設定
される調整係数とを用いて、前記広告コンテンツが配信対象として選択される基準となる入札単価
を算出する算出部と、
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記算出部は、
前記広告コンテンツのコンバージョン率を示す前記第1指標値と前記第2指標値とを用いて、前記広告コンテンツの前記入札単価を算出する
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記算出部は、
前記コンバージョン率の予測値である前記第1指標値と前記第2指標値とを用いて、前記広告コンテンツの前記入札単価を算出する
ことを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記算出部は、
前記広告コンテンツに関する広告情報に基づき予測された前記第1指標値と前記第2指標値とを用いて、前記広告コンテンツの前記入札単価を算出する
ことを特徴とする請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記算出部は、
前記広告コンテンツの配信先のユーザに関するユーザ情報に基づき予測された前記第1指標値と前記第2指標値とを用いて、前記広告コンテンツの前記入札単価を算出する
ことを特徴とする請求項3または請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記算出部は、
前記広告コンテンツの配信面に関する配信面情報に基づき予測された前記第1指標値と前記第2指標値とを用いて、前記広告コンテンツの前記入札単価を算出する
ことを特徴とする請求項3~5のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記算出部は、
前記第1指標値と、前記広告主の目標コンバージョン単価を示す前記第2指標値とを用いて、前記広告コンテンツの前記入札単価を算出する
ことを特徴とする請求項1~6のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記取得部は、
前記広告主により指定された前記第2指標値を前記指定値として取得する
ことを特徴とする請求項7に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記取得部は、
前記広告主により指定された前記広告配信の予算総額を示す前記指定値を取得し、
前記算出部は、
前記第1指標値と、前記予算総額に基づく前記第2指標値とを用いて、前記広告コンテンツの前記入札単価を算出する
ことを特徴とする請求項7に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記算出部は、
前記第2指標値を調整する調整係数を用いて前記第2指標値を調整し、前記広告コンテンツの前記入札単価を算出する
ことを特徴とする請求項1~9のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記算出部は、
前記広告コンテンツの配信実績を基に算出された前記調整係数を用いて前記第2指標値を調整し、前記広告コンテンツの前記入札単価を算出する
ことを特徴とする請求項10に記載の情報処理装置。
【請求項12】
前記算出部は、
前記第1指標値、前記第2指標値及び前記調整係数を乗算することにより、前記広告コンテンツの前記入札単価を算出する
ことを特徴とする請求項10または請求項11に記載の情報処理装置。
【請求項13】
コンピュータが実行する情報処理方法であって、
広告主により指定された広告配信の費用に関する指定値を取得する取得工程と、
前記広告主の広告コンテンツのコンバージョンに関する第1指標値と、前記取得工程により取得された前記指定値に基づく第2指標値と、
前記第2指標値の値の調整を行わない場合は1に設定
される調整係数とを用いて、前記広告コンテンツが配信対象として選択される基準となる入札単価
を算出する算出工程と、
を含むことを特徴とする情報処理方法。
【請求項14】
広告主により指定された広告配信の費用に関する指定値を取得する取得手順と、
前記広告主の広告コンテンツのコンバージョンに関する第1指標値と、前記取得手順により取得された前記指定値に基づく第2指標値と、
前記第2指標値の値の調整を行わない場合は1に設定
される調整係数とを用いて、前記広告コンテンツが配信対象として選択される基準となる入札単価
を算出する算出手順と、
をコンピュータに実行させることを特徴とする情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、インターネットを介した広告配信が盛んに行われている。例えば、広告媒体(ウェブページ)に設定された広告枠に、企業や商品等の広告コンテンツを表示し、かかる広告コンテンツがクリックされた場合に、広告主のウェブページへ遷移させる広告配信が行われている。また、このような広告配信では、広告コンテンツを掲載する対価として、広告主に課金する課金額である入札単価が使用される場合がある。
【0003】
ここで、広告コンテンツに対して設定する入札単価を制御する技術が提案されている。例えば、検索キーワードに基づいて、広告コンテンツのコンバージョン率(CVR:Conversion Rate)に対応した入札単価を広告コンテンツに対して設定する技術が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記の従来技術では、適切な広告コンテンツの配信が可能になるとは限らない。上記の従来技術では、広告コンテンツに対応する登録キーワードと検索キーワードとの一致度に基づく重みを、出力した広告コンテンツの入札単価に乗じたものを最終的な入札単価として用いられるに過ぎない。そのため、広告コンテンツの入札単価が広告コンテンツの広告主の費用に対して適切な額であるとは限らない。
【0006】
本願は、上記に鑑みてなされたものであって、適切な入札単価を算出することができる情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願にかかる情報処理装置は、広告主により指定された広告配信の費用に関する指定値を取得する取得部と、前記広告主の広告コンテンツのコンバージョンに関する第1指標値と、前記取得部により取得された前記指定値に基づく第2指標値とを用いて、前記広告コンテンツが配信対象として選択される基準となる入札単価を算出する算出部と、を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
実施形態の一態様によれば、適切な入札単価を算出することができるといった効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、実施形態に係る情報処理の一例を示す図である。
【
図2】
図2は、実施形態に係る広告配信システムの構成例を示す図である。
【
図3】
図3は、実施形態に係る情報処理装置の構成例を示す図である。
【
図4】
図4は、実施形態に係る広告情報記憶部の一例を示す図である。
【
図5】
図5は、実施形態に係る広告配信履歴記憶部の一例を示す図である。
【
図6】
図6は、実施形態に係るモデル情報記憶部の一例を示す図である。
【
図7】
図7は、実施形態に係る調整係数の算出処理手順を示すフローチャートである。
【
図8】
図8は、実施形態に係る予測処理手順を示すフローチャートである。
【
図9】
図9は、実施形態に係る入札単価の算出処理手順を示すフローチャートである。
【
図10】
図10は、実施形態に係るフィードバックに関する処理を示す概念図である。
【
図11】
図11は、制御に関するモードの切替えの一例を示す図である。
【
図12】
図12は、情報処理装置の機能を実現するコンピュータの一例を示すハードウェア構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本願に係る情報処理装置、情報処理方法、情報処理プログラムを実施するための形態(以下、「実施形態」と呼ぶ)について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態により本願に係る情報処理装置、情報処理方法、情報処理プログラムが限定されるものではない。また、以下の各実施形態において同一の部位には同一の符号を付し、重複する説明は省略される。
【0011】
〔1.情報処理の一例〕
まず、
図1を用いて、実施形態に係る情報処理の一例について説明する。
図1は、実施形態に係る情報処理の一例を示す図である。情報処理装置の一例である広告配信装置100が
図1に示す情報処理により広告コンテンツ(単に「広告」ともいう)の入札価格(「bid」または「入札単価」ともいう)を算出する。
図1では、第1指標値として、予測したコンバージョン率(CVR:Conversion Rate)である予測コンバージョン率(「予測CVR」ともいう)を用い、第2指標値として、目標とするコンバージョン単価(CPA:Cost Per Aquisition)である目標コンバージョン単価(「目標CPA」または「tCPA」ともいう)を用いる場合を一例として示す。なお、第1指標値や第2指標値は、
図1に示す例に限らないが、この点については後述する。
【0012】
なお、ここでいうコンバージョンは、ユーザのどのような行動であってもよい。例えば、コンバージョンは、広告コンテンツの広告対象についての商品購入(サービス利用)や会員登録の利益につながるユーザの行動であってもよい。なお、購入(利用)、会員登録等は一例に過ぎず、コンバージョンは、資料請求や広告コンテンツに対応するサイトの閲覧(表示)、実店舗への訪問等であってもよい。このように、ユーザのどのような行動をコンバージョンとするかは任意の設定が可能である。例えば、各広告について、ユーザのどのような行動をコンバージョンとみなすかは、広告配信装置100の管理者や広告主等によって個別に設定されてもよい。以下ではコンバージョン率(CVR)が、「cv数/click数」、すなわちコンバージョン数(cv数)をクリック数(click数)で除した数である場合を示す。また、以下ではクリックを課金の対象となるアクションとする場合を示し、クリック数を課金アクション数ともいう。なお、所望の処理が可能であればコンバージョン率(CVR)は上記に限られない。
【0013】
また、ここでいう目標コンバージョン単価とは、広告コンテンツから商品購入や会員登録等の利益につながる成果を1件獲得するのにかかるコスト(費用)であるコンバージョン単価(CPA)の目標値である。以下では、目標CPAにCPAが合うように入札単価(bid)を最適化して配信する広告配信をCVO広告配信(コンバージョン最適化広告配信)ともいう。
【0014】
広告配信装置100は、広告コンテンツの配信実績と目標コンバージョン単価に基づいて、広告コンテンツが配信対象として選択される基準となる入札単価を補正する情報処理装置である。
【0015】
以下、
図1を用いて、情報処理の一例を説明する。
図1では、広告配信対象となるユーザ(「ユーザTU」とする)のユーザ端末10に表示されるウェブページ(「配信面DS」とする)の広告枠ARに広告コンテンツを表示する場合を一例として示す。なお、
図1では、ある広告主(「広告主AT」とする)の広告コンテンツ(「広告TA」とする)の入札単価を算出する場合を一例として示すが、入札に参加する全ての広告コンテンツの入札単価が算出される。
【0016】
まず、広告配信装置100は、広告主ATから広告配信の費用に関する指定値を取得する(ステップS1)。
図1では、広告配信装置100は、目標コンバージョン単価(tCPA)を指定する第2指標値VL2を広告主ATの指定値として取得する。なお、広告配信装置100は、目標コンバージョン単価以外の指定値を広告主から取得してもよいが、この点については後述する。
【0017】
また、広告配信装置100は、広告TAを配信した場合のコンバージョン率を予測する(ステップS2)。
図1では、広告配信装置100は、配信先のユーザがユーザTUであり、広告が表示される配信面が配信面DSである場合の広告TAの予測コンバージョン率(予測CVR)を予測する。
【0018】
広告配信装置100は、広告TAに関する広告情報ADTと、ユーザTUに関するユーザ情報UDTと、配信面DSに関する配信面情報DDTとを用いて、広告TAの予測コンバージョン率を予測する。広告情報ADTには、広告TAの内容に示す情報(例えば商品名等)、広告TAの広告対象のカテゴリを示す情報、広告TAの配信実績に基づくコンバージョン率(「実績コンバージョン率」ともいう)等の情報が含まれる。なお、上記は一例に過ぎず、広告情報には、商品コード、広告カテゴリ、広告の配信実績に基づくクリック率(CTR:Click Through Rate)、広告の表示回数やクリック回数等、広告に関する情報であればどのような情報が含まれてもよい。
【0019】
また、ユーザ情報UDTには、ユーザTUの属性情報(年齢、性別等)、ユーザTUが過去にコンバージョンに至った広告の広告対象のカテゴリを示す情報等の情報が含まれる。なお、上記は一例に過ぎず、ユーザ情報には、コンテンツの表示時間、配信を行う曜日、ユーザの位置(地域)、ユーザの興味関心等、ユーザに関する情報であればどのような情報が含まれてもよい。
【0020】
また、配信面情報DDTには、配信面DSに含まれる文字情報、配信面DSの記事のジャンルを示す情報、配信面DSの色を示す情報等の情報が含まれる。広告配信装置100は、記憶部120に記憶された広告情報ADT、ユーザ情報UDT、及び配信面情報DDTを記憶部120から取得する。なお、上記は一例に過ぎず、配信面情報には、配信面のソースを識別する情報、配信面の作成日時等、配信面に関する情報であればどのような情報が含まれてもよい。
【0021】
広告配信装置100は、CVRを予測するために用いるモデルであるCVR予測モデルM1(単に「予測モデルM1」ともいう)を用いて、予測コンバージョン率を予測する。
図1では概要説明のための一例として、広告情報ADT、ユーザ情報UDT、及び配信面情報DDTが予測モデルM1に入力された場合、予測モデルM1が予測コンバージョン率を示す出力値(「スコア」という)を出力し、そのスコアを予測コンバージョン率として用いる場合を示す。なお、上記に限らず、予測モデルM1は様々な構成が採用可能であるが、この点についての詳細は後述する。
【0022】
例えば、広告配信装置100は、ユーザTUが利用するユーザ端末10から配信面DSの広告枠ARに表示する広告の要求を受け付けた場合、広告情報ADT、ユーザ情報UDT、配信面情報DDT、及び予測モデルM1を用いて、広告TAの予測コンバージョン率を予測する。このように、広告配信装置100は、広告情報、ユーザ情報、及び配信面情報を用いて、予測コンバージョン率を予測することにより、広告、配信先のユーザ、及び配信面の相性を加味して、予測コンバージョン率を予測することができる。なお、広告配信装置100は、広告要求を受け付ける前に、広告情報ADT、ユーザ情報UDT、配信面情報DDT、及び予測モデルM1を用いて、予め広告TAの予測コンバージョン率を予測しておいてもよい。
【0023】
図1では、広告配信装置100は、広告情報ADT、ユーザ情報UDT、及び配信面情報DDTを予測モデルM1に入力し、予測モデルM1にスコアを出力させることにより、広告TAの予測コンバージョン率を予測する。広告配信装置100は、広告情報ADT、ユーザ情報UDT、及び配信面情報DDTが入力された予測モデルM1が出力したスコアを予測コンバージョン率として予測する。
図1では、広告配信装置100は、予測モデルM1が出力したスコアである第1指標値VL1を広告主ATの予測コンバージョン率として取得する。上述した処理により取得した第1指標値VL1は、配信先のユーザがユーザTUであり、広告が表示される配信面が配信面DSである場合に予測される広告TAのコンバージョン率を示す。
【0024】
そして、広告配信装置100は、予測CVR、tCPA、及びCPA(すなわちbid)の値を調整するbid調整値を用いて、各広告の入札単価を算出する(ステップS3)。bid調整値は、CPA(すなわちbid)を調整する調整係数であり、広告コンテンツのtCPAと、その広告コンテンツの配信実績とに基づいて算出されるが、この点については後述する。なお、調整を行わない場合、調整係数は「1」に設定されてもよい。ここで、広告配信装置100は、以下の式(1)を用いて、各広告の入札単価を算出する。
【0025】
【0026】
式(1)の左辺は、算出対象となる広告の入札単価を示す。式(1)の右辺の「予測CVR」は、算出対象となる広告の予測コンバージョン率を示す。また、式(1)の右辺の「tCPA」は、算出対象となる広告の目標コンバージョン単価を示す。また、式(1)の右辺の「bid調整値」は、算出対象となる広告の調整係数を示す。
【0027】
図1では、広告配信装置100は、予測CVRを示す第1指標値VL1とtCPAを示す第2指標値VL2と、広告主ATのbid指標値である調整係数VL3とを用いて、広告主ATの入札単価(bid)を算出する。広告配信装置100は、第1指標値VL1、第2指標値VL2、調整係数VL3、及び式(1)を用いて、広告TAの入札単価(bid)を算出する。広告配信装置100は、第1指標値VL1、第2指標値VL2、及び調整係数VL3を乗算することにより、広告TAの入札単価(bid)を算出する。なお、
図1では、広告TAのみの入札単価の算出を示すが、入札に参加する全ての広告コンテンツの入札単価が算出される。
【0028】
そして、広告配信装置100は、配信先のユーザのユーザ端末10に配信する広告コンテンツを選択する(ステップS4)。
図1では、広告配信装置100は、ユーザTUのユーザ端末10に表示される配信面DSの広告枠ARに配信する広告コンテンツを選択する。広告配信装置100は、広告TAを含む広告群のうち、各広告の入札単価を基にユーザ端末10に配信する広告コンテンツを選択する。
図1では、広告TAが配信対象として選択されたものとする。
【0029】
そして、広告配信装置100は、配信対象として選択した広告をユーザのユーザ端末10に配信する(ステップS5)。
図1では、広告配信装置100は、配信対象として選択した広告TAをユーザTUのユーザ端末10に配信する。その後、ユーザTUは、ユーザ端末10に表示された広告TAを閲覧し、広告TAのコンバージョンに至る行動を行ったりする。例えば、広告配信装置100は、ユーザTUの行動を示す情報を配信実績LGとして収集し、記憶部120に記憶する。なお、配信実績LGはアクセスログサーバ20がユーザ端末10から収集し、広告配信装置100は、アクセスログサーバ20から配信実績LGを取得してもよい。
【0030】
そして、広告配信装置100は、配信実績を用いて、bid調整値を更新するフィードバック処理を行う(ステップS6)。広告配信装置100は、以下の式(2)~(4)を用いて、bid調整値を更新するフィードバック処理を行う。
【0031】
【0032】
【0033】
【0034】
式(2)は、式(4)でbid調整値を更新するために用いる制御値「u(t)」を導出するための式である。広告配信装置100は、式(2)を用いて、PID(Proportional-Integral-Differential)制御を行う。広告配信装置100は、出力値と目標値との偏差(式(2)の右辺の第1項に対応)、その積分(式(2)の右辺の第2項に対応)、および微分(式(2)の右辺の第3項に対応)の3つの要素によってbid調整値を更新する。
【0035】
例えば、式(2)の右辺の第1項は、P(偏差)制御に関する項であり、時点tのCPAの誤差を示すe(t)に基づく項である。「Kp」は、短期的な目標・実績のフィードバックに対応するパラメータである。例えば、「Kp」は、短期的なフィードバックの係数(第1係数)である。
【0036】
また、例えば、式(2)の右辺の第2項は、I(積分)制御に関する項であり、e(t)の積分値に基づく項である。「Ki」は、長期な目標・実績のフィードバックに対応するパラメータである。例えば、「Ki」は、長期的なフィードバックの係数(第2係数)である。
【0037】
また、例えば、式(2)の右辺の第3項は、D(微分)制御に関する項であり、e(t)の微分値に基づく項である。「Kd」は、過剰な制御を抑制する。「Kd」は、過剰なフィードバックの抑制に対応するパラメータである。例えば、「Kd」は、過剰な制御を抑制するために用いられる係数(第3係数)である。
【0038】
また、式(3)は、式(2)中の「e(t)」を導出するための式である。例えば、「e(t)」は、目標と実績との偏差を示す。式(3)中の「tCPA」は、広告の目標コンバージョン単価を示す。また、式(3)中の「CPA(t)」は、広告の配信実績に基づくコンバージョン単価(実績コンバージョン単価)を示す。例えば、広告TAの場合、式(3)中の「CPA(t)」は、広告TAの配信実績を基に、広告TAの配信に要した総コスト(総費用)を広告TAによるコンバージョン数で除した値となる。
【0039】
また、式(4)は、bid調整値を調整するための式である。式(4)の左辺の「bid調整値(t)」は、調整後のbid調整値を示す。また、式(4)の右辺の「bid調整値(t-1)」は、調整前のbid調整値を示す。広告配信装置100は、式(2)を用いて配信実績を基に導出した制御値「u(t)」と、式(4)とにより、bid調整値を調整(更新)する。ステップS6の処理後においては、広告配信装置100は、調整後のbid調整値を用いて処理を行う。調整処理後の入力単価算出時には、広告配信装置100は、調整後のbid調整値を用いて、入札単価を算出する。具体的には、広告配信装置100は、調整後のbid調整値を式(1)の「bid調整値」として用いることにより、入札単価を算出する。また、広告配信装置100は、bid調整値を目標コンバージョン単価に乗算することにより、bid調整値により調整されたコンバージョン単価(調整コンバージョン単価)を算出してもよい。なお、
図1では説明を簡単にするために入札単価を算出する広告配信装置100が配信する広告コンテンツを選択し、配信する場合を示したが、広告配信装置100は入札単価を算出のみを行ってもよい。例えば所定のアドプラットフォームにより広告配信が行われる場合、広告配信装置100は、広告コンテンツの入札単価を算出し、所定のアドプラットフォームにおいてその入札単価を用いて広告コンテンツの入札を行ってもよい。
【0040】
〔1-1.前提及び効果等〕
上述したように、広告配信装置100は、目標コンバージョン単価と予測コンバージョン率とを用いることにより、適切な入札単価を算出することができる。また、広告配信装置100は、広告コンテンツに関する広告情報、広告コンテンツの配信先のユーザに関するユーザ情報、及び広告コンテンツの配信面に関する配信面情報の3つの異なる種別の情報を用いることで、3つの異なる種別の要素を加味してコンバージョン率を適切に予測することができる。このように、広告配信装置100は、広告、ユーザ及び配信面の情報の組合せと、過去にコンバージョンしたか否かを予測モデルに学習させ、配信時の組合せを予測モデルに入力することで、コンバージョンする可能性を予測モデルに出力させることができる。
【0041】
また、広告配信装置100は、広告主の広告コンテンツの配信実績を用いて、コンバージョン単価を調整する調整係数(bid調整値)を算出することにより、コンバージョン単価の適切な調整を可能にすることができる。広告配信装置100は、広告コンテンツの配信実績を用いて導出した制御値を用いて、bid調整値を調整することにより、bid調整値を適切に調整することができる。また、広告配信装置100は、bid調整値を目標コンバージョン単価に乗算することにより、bid調整値により調整された目標コンバージョン単価(調整コンバージョン単価)を算出することができ、コンバージョン単価を適切に調整することができる。
【0042】
このように、広告配信装置100は、tCPAを制約条件として、CV数を最大化するように動作する。すなわち、広告配信装置100は、設定された顧客獲得単価(CPA)の範囲でコンバージョン数を最大化するように、自動的に入札価格(入札単価)を調整することができる。広告配信装置100は、CPAを目標とした配信を行うことができる。また、広告配信装置100は、配信毎にbidを調整(算出)し、入札や配信を行う。このように、広告配信装置100は、リクエスト単位(広告要求単位)で配信の価値を評価し、広告の入札単価を算出するためパフォーマンスを向上させることができる。
【0043】
例えば、配信実績の無い広告については配信実績からコンバージョン率(CVR)を求めることができず、また配信実績があっても真のコンバージョン率(CVR)は誰にもわからない。そこで、広告配信装置100は、予測CVRを予測し、入札単価を算出する際には、予測した予測CVRを用いる。これにより、広告配信装置100は、どのような広告についても予測CVRを用いることで、入札単価を適切に算出することができる。広告配信装置100は、予算内でなるべく多くのコンバージョンを獲得できるように、入札単価を最適化する。
【0044】
〔1-2.その他の指標値等(CV価値、ROAS等)〕
上述した例では、第1指標値として、コンバージョン率(CVR)を用い、第2指標値として、目標とするコンバージョン単価(CPA)を用いる場合を示したが、第1指標値や第2指標値は、上記に限らず様々な指標値が用いられもよい。
【0045】
例えば、第1指標値には、コンバージョン率(CVR)にそのコンバージョンの価値(CV価値)を示す値を乗算した値(CV価値指標値)を用いてもよい。例えば、CV価値は、その値が大きい程、1回のコンバージョンが広告主にとって価値が高いことを示す。この場合、広告配信装置100は、コンバージョンの価値を加味して入札単価を算出することができる。例えば、CV価値は、高価な商品の方が、低価格な商品よりも高いため、高価な商品のコンバージョンの方が低価格な商品のコンバージョンよりもCV価値指標値を高く算出する。
【0046】
また、例えば、第2指標値には、売上の要素を加味した指標値が用いられてもよい。例えば、第2指標値には、広告経由で発生した売上を広告費用で割った数値であるROAS(Return On Advertising Spend)を用いてもよい。この場合、広告配信装置100は、広告費用のみではなく、売上、すなわち収益に関する要素を加味して入札単価を算出することができる。なお、上記は一例に過ぎず、広告配信装置100は、様々な指標値を第1指標値や第2指標値として用いて、入札単価を算出してもよい。
【0047】
また、コンバージョンについては、その価値に応じて段階(レベル)が設定されてもよい。例えば、不動産の場合、資料請求の申し込み、申し込み、契約等の複数の段階のコンバージョンが設定されてもよい。この場合、広告配信装置100は、達成するコンバージョンの段階に応じた価値を基に、入札単価を算出してもよい。また、CVRの予測以外にも、広告配信装置100は、フィードバックに予測を入れてもよい。例えば、広告配信装置100は、処理時点よりも先(すなわち未来)のCPA(未来CPA)を予測して、未来CPAとフィードバック実測値とに基づいて、フィードバック制御を行ってもよい。例えばコンバージョンは遅れて反映されるので、確定が将来になるため、広告配信装置100は、未来CPAを用いてフィードバック制御を行うことにより、コンバージョンは遅れを考慮したフィードバック制御を実現することができる。なお、上記は一例に過ぎず、広告配信装置100は、様々な情報を予測してフィードバック制御を行ってもよい。
【0048】
〔1-3.指定値〕
上述した例では、広告配信の費用に関する指定値として、目標コンバージョン単価(tCPA)を広告主が指定する場合を示したが、広告主が指定する指定値は、目標コンバージョン単価に限らない。例えば、広告主は、広告配信の予算総額を指定してもよい。この場合、広告配信装置100は、広告主が指定した予算総額を超えないように、目標コンバージョン単価(tCPA)を算出してもよい。
【0049】
例えば、広告配信装置100は、広告主が指定した予算総額とコンバージョン数とを基に、目標コンバージョン単価を算出してもよい。例えば、広告配信装置100は、広告主が指定した予算総額を広告主が指定したコンバージョン数で除した値を目標コンバージョン単価として算出してもよい。
【0050】
例えば、広告配信装置100は、広告主が指定した予算総額と配信期間を基に、その配信期間で獲得されるコンバージョン数を予測し、そのコンバージョン数を用いて目標コンバージョン単価を算出してもよい。例えば、広告配信装置100は、広告主が指定した予算総額を予測したコンバージョン数で除した値を目標コンバージョン単価として算出してもよい。なお、上記は一例に過ぎず、広告配信装置100は、種々の情報を適宜用いて、広告主が指定した予算総額から目標コンバージョン単価を算出してもよい。
【0051】
〔1-4.パラメータ〕
上述した処理で用いた、第1係数、第2係数及び第3係数等の各種のパラメータは、任意の値が設定されてもよい。例えば、広告配信装置100は、広告主ごとに長期的、短期的のいずれを重視するかに応じてパラメータバランス(重み)を設定してもよい。例えば、広告配信装置100は、広告主が長期的な方を重視する場合、長期的フィードバックを重視し、第2係数の重みを大きくしてもよい。また、例えば、広告配信装置100は、広告の広告対象(商材)がコンバージョンまでの期間が短いなら、短期的フィードバックを重視し、第1係数の重みを大きくしてもよい。なお、上記は一例に過ぎず、第1係数、第2係数及び第3係数等の各種のパラメータは、種々の情報を適宜用いて設定されてもよい。
【0052】
〔2.広告配信システムの構成〕
次に、
図2を用いて、実施形態にかかる広告配信装置100が含まれる広告配信システム1の構成について説明する。
図2は、実施形態にかかる広告配信システム1の構成例を示す図である。
図2に例示するように、実施形態にかかる広告配信システム1には、ユーザ端末10と、アクセスログサーバ20と、広告主端末30と、広告配信装置100とが含まれる。これらの各種装置は、ネットワークN(例えば、インターネット)を介して、有線又は無線により通信可能に接続される。なお、
図2に示した広告配信システム1には、複数台のユーザ端末10や、複数台のアクセスログサーバ20や、複数台の広告主端末30が含まれてもよい。
【0053】
ユーザ端末10は、ユーザによって利用される端末装置である。例えば、ユーザ端末10は、タブレット型端末、PC(Personal Computer)、携帯電話機、PDA(Personal Digital Assistant)等である。例えば、ユーザ端末10は、所定のウェブサーバにアクセスすることで、所定のウェブサーバからウェブページを取得し、取得したウェブページを表示画面に表示する。
【0054】
また、ユーザ端末10は、ウェブページ(
図1の配信面DS等)に広告枠(
図1の広告枠AR等)が含まれる場合には、広告配信装置100にアクセスすることで、広告配信装置100から広告コンテンツを取得し、取得した広告コンテンツを、かかる広告枠に表示する。
【0055】
アクセスログサーバ20は、ウェブページや広告などのコンテンツの配信ログやユーザの行動履歴等の様々な履歴情報を保持するサーバ装置である。アクセスログサーバ20は、ユーザの検索クエリやユーザの訪問ページといったアクセスログを保持している。また、アクセスログサーバ20は、ショッピングサービスを提供する所定のサーバ装置から、ショッピングサービスを利用しているユーザの購入履歴に関する情報を取得する。具体的には、アクセスログサーバ20は、ショッピングサービスを提供する所定のサーバ装置から、ショッピングサービスを利用しているユーザが広告主にとって利益につながる行動(例えば、広告コンテンツの広告対象商品の購入等)を起こしたか否かに関する情報を取得する。
【0056】
広告主端末30は、広告主によって利用される端末装置である。例えば、広告主端末30は、タブレット型端末、PC、携帯電話機、PDA等である。また、広告主端末30は、広告主の操作に従って、広告コンテンツを広告配信装置100に入稿する。
【0057】
例えば、広告主端末30は、静止画像、動画像、テキストデータ等に該当する広告コンテンツを広告配信装置100に入稿する。また、例えば、広告主端末30は、広告コンテンツが選択操作(例えば、クリックやタップ)された場合に、遷移させる遷移先コンテンツのURL(Uniform Resource Locator)に該当する広告コンテンツを広告配信装置100に入稿してもよい。
【0058】
さらに、広告主端末30は、広告主の操作に従って、広告コンテンツから商品購入や会員登録等の利益につながる成果を1件獲得するのにかかるコストであるコンバージョン単価の目標値である目標コンバージョン単価を対応する広告コンテンツに設定するよう広告配信装置100に指示する。
【0059】
広告配信装置100は、
図1で説明した情報処理を行うサーバ装置(コンピュータ)である。広告配信装置100は、広告主端末30から入稿された広告コンテンツを配信する。
【0060】
広告配信装置100は、広告コンテンツを配信したユーザに関する情報を保持している。具体的には、広告配信装置100は、広告コンテンツを配信したユーザが広告コンテンツをクリックしたか否かに関する情報や、広告コンテンツを配信したユーザがコンバージョンに至ったか否かに関する情報を保持している。
【0061】
なお、
図2では、広告配信システム1の構成例として、アクセスログを集約して保持するアクセスログサーバ20から広告配信装置100がユーザのアクセスログを取得する例を示したが、検索サーバ装置やショッピングサーバ装置といったそれぞれのサーバ装置から広告配信装置100がユーザのアクセスログを取得してもよい。
【0062】
〔3.情報処理装置の構成〕
次に、
図3を用いて、情報処理装置の一例である広告配信装置100について説明する。
図3は、実施形態に係る情報処理装置の構成例を示す図である。
図3に示すように、広告配信装置100は、通信部110と、記憶部120と、制御部130とを有する。
【0063】
(通信部110)
通信部110は、例えば、NIC(Network Interface Card)等によって実現される。そして、通信部110は、ネットワークNと有線または無線で接続され、例えば、ユーザ端末10、アクセスログサーバ20との間で情報の送受信を行う。
【0064】
(記憶部120)
記憶部120は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。記憶部120は、
図3に示すように、広告情報記憶部121と、広告配信履歴記憶部122と、モデル情報記憶部123と、調整用情報記憶部124と、ユーザ情報記憶部125とを有する。なお、記憶部120は、上記に限らず様々な情報を記憶してもよい。
【0065】
記憶部120は、bid(入札単価)の算出に用いる各種の情報を記憶する。例えば、記憶部120は、式(1)のような関数の情報を記憶する。また、例えば、記憶部120は、広告コンテンツが表示される配信面(コンテンツ)に関する配信面情報を記憶する。例えば、記憶部120は、配信面に含まれる文字情報を含む配信面情報を記憶する。例えば、記憶部120は、配信面のドメイン(例えば配信面の記事のジャンル等)に関する情報を含む配信面情報を記憶する。例えば、記憶部120は、配信面の内容に関する情報を含む配信面情報を記憶する。例えば、記憶部120は、配信面の色に関する情報を含む配信面情報を記憶する。
【0066】
(広告情報記憶部121)
広告情報記憶部121は、広告主端末30から受け付けた広告コンテンツと目標コンバージョン単価に関する各種情報を記憶する。
図4は、実施形態に係る広告情報記憶部の一例を示す図である。
図4に示す例では、広告情報記憶部121は、「広告主ID」、「広告コンテンツID」、「予算総額」、「目標コンバージョン単価」といった項目を有する。
【0067】
「広告主ID」は、広告主端末30の広告主を識別するための識別情報を示す。
【0068】
「広告コンテンツID」は、広告主端末30から受け付けた広告コンテンツを識別するための識別情報を示す。また、例えば、広告コンテンツID「AD1」により識別される広告コンテンツを適宜「広告コンテンツAD1」と呼ぶことにする。
【0069】
「予算総額」は、広告主が指定した広告配信の予算の総額を示す。
図5では「予算総額」に「BD1」といった抽象的な情報が格納される例を示したが、「予算総額」には、「100万(円)」、「1億(円)」等の具体的な値を示す情報であるものとする。
【0070】
「目標コンバージョン単価」は、広告コンテンツにより1件のコンバージョンを得るために費やす広告費の目標値を示す。
図5では「目標コンバージョン単価」に「UC1」といった抽象的な情報が格納される例を示したが、「目標コンバージョン単価」には、「2,000」、「15,000」等の具体的な値を示す情報であるものとする。
【0071】
図4に示す例では、1レコード目は、広告主ID「C1」により識別される広告主(広告主C1)の広告コンテンツは、広告コンテンツID「AD1」により識別される広告コンテンツ(広告コンテンツAD1)であることを示す。また、広告主C1が指定して予算総額は、「BD1」であり、広告コンテンツAD1により1件のコンバージョンを得るために費やす広告費の目標値「UC1」であることを示している。
【0072】
なお、広告情報記憶部121は、上記に限らず、目的に応じて種々の情報を記憶してもよい。例えば、広告情報記憶部121は、各広告の配信実績に基づくコンバージョン率(実績コンバージョン率)を記憶する。例えば、広告情報記憶部121は、広告配信履歴記憶部122に記憶された情報やアクセスログサーバ20から取得した情報から算出された各広告の配信実績に基づくコンバージョン率(実績コンバージョン率)を記憶する。
【0073】
(広告配信履歴記憶部122)
広告配信履歴記憶部122は、広告コンテンツの配信履歴に関する各種情報を記憶する。
図5は、実施形態に係る広告配信履歴記憶部の一例を示す図である。
図5に示す例では、広告配信履歴記憶部122は、「広告コンテンツID」、「ユーザID」、「広告クリックの有無」、「コンバージョンの有無」、「広告配信日時」といった項目を有する。
【0074】
「広告コンテンツID」は、配信した広告コンテンツを識別するための識別情報を示す。また、例えば、広告コンテンツID「AD1」により識別される広告コンテンツを適宜「広告コンテンツAD1」と呼ぶことにする。
【0075】
「ユーザID」は、ユーザを識別するための識別情報を示す。
【0076】
「広告クリックの有無」は、配信した広告コンテンツが配信先のユーザによってクリックされたか否かの情報を示す。
図5に示す例では、配信先のユーザが広告コンテンツをクリックした回数を示し、「2」の場合はクリックが2回されたことを示し、「1」の場合はクリックが1回されたことを示し、「0」の場合はクリックがされなかったことを示す。
【0077】
「コンバージョンの有無」は、広告コンテンツをクリックしたユーザがコンバージョンに至ったか否かの情報を示す。
図5に示す例では、広告コンテンツをクリックしたユーザによるコンバージョンの回数を示し、「2」の場合はコンバージョンが2回されたことを示し、「1」の場合はコンバージョンが1回されたことを示し、「0」の場合はコンバージョンに至らなかったことを示す。
【0078】
「広告配信日時」は、広告コンテンツを配信した日時の情報を示す。
図5では「広告配信日時」に「DD1」といった抽象的な情報が格納される例を示したが、「広告配信日時」には、「2021年3月12日16時10分23秒」等の具体的な日時を示す情報であるものとする。
【0079】
図5に示す例では、1レコード目は、広告配信日時「DD1」にユーザID「U1」により識別されるユーザ(ユーザU1)に広告コンテンツID「AD1」により識別される広告コンテンツが配信されたことを示している。そして、ユーザID「U1」により識別されるユーザは、広告コンテンツAD1をクリックせず、コンバージョンに至らなかったことを示す。
【0080】
なお、広告配信履歴記憶部122は、上記に限らず、目的に応じて種々の情報を記憶してもよい。
【0081】
(モデル情報記憶部123)
実施形態に係るモデル情報記憶部123は、コンバージョン率の予測に用いるモデルに関する情報を記憶する。
図6は、実施形態に係るモデル情報記憶部の一例を示す図である。例えば、モデル情報記憶部123は、学習処理により学習(生成)された学習済みモデル(モデル)の情報(モデルデータ)を記憶する。
図6に示した例では、モデル情報記憶部123は、「モデルID」、「用途」、「モデルデータ」といった項目が含まれる。
【0082】
「モデルID」は、モデルを識別するための識別情報を示す。「用途」は、対応するモデルの用途を示す。「モデルデータ」は、モデルのデータを示す。
図6では「モデルデータ」に「MDT1」といった概念的な情報が格納される例を示したが、「モデルデータ」には、コンバージョン率の予測に用いる関数等の各種情報が含まれる。例えば、予測モデルM1がニューラルネットワーク等のネットワークである場合、モデルデータMDT1には、モデルの構成(ネットワーク構成)の情報やパラメータに関する情報等、そのモデルを構成する種々の情報が含まれる。この場合、モデルデータMDT1には、ネットワークの各層におけるノードと、各ノードが採用する関数と、ノードの接続関係と、ノード間の接続に対して設定される接続係数とを含む情報が含まれる。
【0083】
図6に示す例では、モデルID「M1」により識別されるモデル(予測モデルM1)は、用途が「コンバージョン率予測」であることを示す。また、予測モデルM1のモデルデータは、モデルデータMDT1であることを示す。なお、学習モデルは、単一の学習モデルに限らず、複数の学習モデルが用いられてもよい。
【0084】
なお、モデル情報記憶部123は、上記に限らず、目的に応じて種々の情報を記憶してもよい。例えば、予測モデルM1にPoisson回帰やGradient Boosting Decision Tree等のBoosting法を用いる場合、モデル情報記憶部123は、Poisson回帰に関する関数やBoosting法に関する関数を記憶する。
【0085】
(調整用情報記憶部124)
調整用情報記憶部124は、bid調整値(調整係数)の算出のために用いる各種の情報を記憶する。調整用情報記憶部124は、bid調整値を導出するために用いる様々な情報を記憶する。例えば、調整用情報記憶部124は、式(2)~(4)のような関数の情報を記憶する。なお、調整用情報記憶部124は、上記に限らず、目的に応じて種々の情報を記憶してもよい。
【0086】
(ユーザ情報記憶部125)
ユーザ情報記憶部125は、ユーザに関する各種情報を記憶する。ユーザ情報記憶部125は、各ユーザの属性情報等の種々の情報を記憶する。ユーザ情報記憶部125は、ユーザID、年齢、性別、居住地といったユーザに関する情報を記憶する。例えば、ユーザ情報記憶部125は、各ユーザが利用するユーザ端末10を識別する情報(端末ID等)をユーザに対応付けて記憶する。ユーザ情報記憶部125は、ユーザの氏名をユーザ情報として記憶してもよい。なお、ユーザ情報記憶部125に記憶される情報は推定したものでもよい。また、個人情報は利用が許諾された場合に利用してもよく、他にも任意の情報が採用可能である。
【0087】
ユーザ情報記憶部125は、ユーザが過去にコンバージョンに対応する行動を行った行動済み広告コンテンツに関する情報をユーザに対応付けて記憶する。ユーザ情報記憶部125は、ユーザが過去にコンバージョンに対応する行動を行った行動済み広告コンテンツの数をユーザに対応付けて記憶する。ユーザ情報記憶部125は、行動済み広告コンテンツの広告対象のカテゴリをユーザに対応付けて記憶する。例えば、ユーザ情報記憶部125は、ユーザが過去にコンバージョンに対応する行動を行った回数を広告対象のカテゴリごとに記憶する。
【0088】
なお、ユーザ情報記憶部125は、上記に限らず、目的に応じて種々の情報を記憶してもよい。例えば、ユーザ情報記憶部125は、年齢、性別、居住地以外のデモグラフィック属性情報や、興味・関心等のサイコグラフィック属性情報を記憶してもよい。
【0089】
(制御部130)
図3の説明に戻って、制御部130は、コントローラ(controller)であり、例えば、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等によって、広告配信装置100内部の記憶装置に記憶されている各種プログラム(算出プログラム、予測プログラム等の各種の情報処理プログラムの一例に相当)がRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部130は、コントローラであり、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現される。
【0090】
図3に示すように、制御部130は、受付部131と、取得部132と、第1算出部133と、予測部134と、第2算出部135と、配信部136とを有し、以下に説明する情報処理の作用を実現または実行する。なお、制御部130の内部構成は、
図3に示した構成に限られず、後述する情報処理を行う構成であれば他の構成であってもよい。
【0091】
(受付部131)
受付部131は、広告主端末30から広告コンテンツの入稿と目標コンバージョン単価を受け付ける。例えば、受付部131は、広告主端末30から広告コンテンツAD1の入稿と目標コンバージョン単価(目標CPA)を受け付ける。
【0092】
また、受付部131は、ユーザ端末10から広告コンテンツの配信要求を受け付ける。
【0093】
(取得部132)
取得部132は、記憶部120から各種の情報を取得する。取得部132は、ユーザが使用するユーザ端末10からユーザ情報を受信する。取得部132は、アクセスログサーバ20から履歴情報(配信実績)を受信する。取得部132は、広告コンテンツの配信実績を取得する。例えば、取得部132は、広告コンテンツの配信実績として、広告コンテンツの配信実績に基づくコンバージョン単価を取得する。
【0094】
取得部132は、広告主により指定された広告配信の費用に関する指定値を取得する。取得部132は、広告主の広告コンテンツのコンバージョンに関する第1指標値を取得する。取得部132は、広告主により指定された第2指標値を指定値として取得する。取得部132は、広告主により指定された広告配信の予算総額を示す指定値を取得する。
【0095】
取得部132は、広告コンテンツに関する広告情報を取得する。取得部132は、広告コンテンツの内容を含む広告情報を取得する。取得部132は、広告コンテンツの広告対象のカテゴリを含む広告情報を取得する。取得部132は、広告コンテンツの配信実績に基づくコンバージョン率である実績コンバージョン率を含む広告情報を取得する。
【0096】
取得部132は、広告コンテンツの配信先のユーザに関するユーザ情報を取得する。取得部132は、ユーザの属性情報を含むユーザ情報を取得する。取得部132は、ユーザが過去にコンバージョンに対応する行動を行った行動済み広告コンテンツに関する情報を含むユーザ情報を取得する。取得部132は、行動済み広告コンテンツの広告対象のカテゴリを含むユーザ情報を取得する。
【0097】
取得部132は、広告コンテンツの配信面に関する配信面情報を取得する。取得部132は、配信面に含まれる文字情報を含む配信面情報を取得する。取得部132は、配信面のドメインに関する情報を含む配信面情報を取得する。取得部132は、配信面の内容に関する情報を含む配信面情報を取得する。取得部132は、配信面の色に関する情報を含む配信面情報を取得する。
【0098】
取得部132は、広告主による指定に基づく目標コンバージョン単価と、広告主の広告コンテンツの配信実績とを取得する。
【0099】
(第1算出部133)
第1算出部133は、調整係数に関する各種情報を算出する。第1算出部133は、取得部132により取得された情報を用いて、各種情報を算出する。第1算出部133は、記憶部120に記憶された各種情報に基づいて、種々の情報を算出する。第1算出部133は、bid調整係数を算出する。
【0100】
第1算出部133は、取得部132により取得された目標コンバージョン単価と、広告コンテンツの配信実績とに基づいて、コンバージョン単価を調整する調整係数を算出する。第1算出部133は、広告コンテンツの配信実績に基づくフィードバック制御により、調整係数を算出する。
【0101】
第1算出部133は、広告コンテンツの配信実績に基づくコンバージョン単価である実績コンバージョン単価を用いて、調整係数を算出する。第1算出部133は、目標コンバージョン単価と、実績コンバージョン単価との比較に応じて、調整係数を算出する。第1算出部133は、目標コンバージョン単価と、実績コンバージョン単価との比を用いて算出されたフィードバック係数を用いて、調整係数を算出する。
【0102】
第1算出部133は、フィードバック係数と、短期的なフィードバックの係数である第1係数とから算出された第1値を用いて、調整係数を算出する。第1算出部133は、フィードバック係数の積分と、長期的なフィードバックの係数である第2係数とから算出された第2値を用いて、調整係数を算出する。第1算出部133は、フィードバック係数の微分と、第3係数とから算出された第3値を用いて、調整係数を算出する。第1算出部133は、第1値、第2値、及び第3値から算出した制御値を用いて、調整係数を算出する。
【0103】
第1算出部133は、式(2)~(4)に示すような関数を用いて、bid調整値(調整係数)を算出する。
【0104】
(予測部134)
予測部134は、広告配信に関する種々の情報を予測する。予測部134は、取得部132により取得された情報に基づいて、種々の情報を予測する。予測部134は、記憶部120に記憶された情報に基づいて、種々の情報を予測する。予測部134は、外部の情報処理装置から取得された情報に基づいて、種々の情報を予測する。予測部134は、コンバージョン率を予測する。
【0105】
予測部134は、取得部132により取得された広告情報と、ユーザ情報と、配信面情報とを用いて、広告コンテンツが配信面に配信された場合に予測される広告コンテンツのコンバージョン率である予測コンバージョン率を予測する。予測部134は、広告コンテンツの内容を含む広告情報を用いて、予測コンバージョン率を予測する。予測部134は、広告対象のカテゴリを含む広告情報を用いて、予測コンバージョン率を予測する。予測部134は、実績コンバージョン率を含む広告情報を用いて、予測コンバージョン率を予測する。
【0106】
予測部134は、属性情報を含むユーザ情報を用いて、予測コンバージョン率を予測する。予測部134は、行動済み広告コンテンツに関する情報を含むユーザ情報を用いて、予測コンバージョン率を予測する。予測部134は、行動済み広告コンテンツの広告対象のカテゴリを含むユーザ情報を用いて、予測コンバージョン率を予測する。
【0107】
予測部134は、文字情報を含む配信面情報を用いて、予測コンバージョン率を予測する。予測部134は、配信面のドメインに関する情報を含む配信面情報を用いて、予測コンバージョン率を予測する。予測部134は、配信面の内容に関する情報を含む配信面情報を用いて、予測コンバージョン率を予測する。予測部134は、配信面の色に関する情報を含む配信面情報を用いて、予測コンバージョン率を予測する。
【0108】
予測部134は、広告情報と、ユーザ情報と、配信面情報とに基づいて、予測コンバージョン率を予測する予測モデルを用いて、予測コンバージョン率を予測する。予測部134は、広告情報と、ユーザ情報と、配信面情報とに基づく入力情報が入力された予測モデルが出力する出力値を用いて、予測コンバージョン率を予測する。予測部134は、広告情報と、ユーザ情報と、配信面情報とに基づく入力情報が入力された予測モデルが出力する出力値を予測コンバージョン率として予測する。
【0109】
例えば、予測部134は、予測したコンバージョン数を基に、コンバージョン率を予測してもよい。例えば、予測部134は、ユーザ属性の特徴ベクトルを用いて、そのユーザ属性がコンバージョンに至る数を予測してもよい。
【0110】
予測部134は、Poisson回帰やBoosting法等を用いてコンバージョン数を予測し、予測したコンバージョン数を基に、コンバージョン率を予測してもよい。例えば、予測部134は、広告情報、ユーザ情報、及び配信面情報から生成した特徴ベクトルxと、ポワソン回帰(Poisson(λ))とからコンバージョン数を予測してもよい。例えば、予測部134は、GBDT(Gradient Boosting Decision Tree)予測器(関数f(x))と近似するλの対数(log(x))を用いて、コンバージョン数を予測してもよい。
【0111】
なお、上記は一例に過ぎず、予測部134は、様々な方法によりコンバージョン率を予測してもよい。例えば、予測部134は、様々なオフラインKPI(Key Performance Indicator)を用いてもよい。例えば、予測部134は、負の対数尤度(negative log likelihood)、AUC(Area Under the Curve)、calibration(予測CV数/実績CV数)等を用いてもよい。
【0112】
例えば、予測部134は、予測したコンバージョン数を所定の数(クリック数などの課金アクション数)で除算することにより、予測コンバージョン率を予測してもよい。例えば、予測部134は、予測したコンバージョン数を、所定の期間において行われたクリックの数で除算することにより、予測コンバージョン率を予測してもよい。例えば、予測部134は、上述したコンバージョン数を予測し、予測したコンバージョン数をクリック数で除したスコア(予測コンバージョン率)を出力する予測モデルM1を用いて、予測コンバージョン率を予測してもよい。また、予測部134は、ユーザの特徴ベクトルを用いて、そのユーザがコンバージョンに至る率(コンバージョン率)を予測してもよい。
【0113】
予測部134は、予測モデルを学習する学習部として機能してもよい。この場合、予測部134は、配信実績を用いて予測モデルM1を学習する。予測部134は、過去の配信における広告の広告情報、配信先のユーザ情報、及び広告が表示された配信面情報等を用いて予測モデルM1を学習する。なお、広告配信装置100が予測モデルを外部装置(予測モデル提供装置)等から取得する場合、予測部134は学習部として機能しなくてもよい。
【0114】
ここから、予測部134による予測モデルの学習(生成)処理の一例について説明する。なお、予測モデルは以下の示す例に限らず、広告情報、ユーザ情報、及び配信面情報からコンバージョン数を予測可能であれば、どのようなモデルであってもよい。
【0115】
予測部134は、広告情報、ユーザ情報、及び配信面情報の組合せに正解ラベル(正解情報)が対応付けられた学習データを用いて、予測モデルM1を学習する。例えば、予測部134は、広告情報、ユーザ情報、及び配信面情報の組合せに、その組合せに対応するコンバージョン率を示す正解情報が対応付けられた学習データを用いて、予測モデルM1を学習する。
【0116】
予測部134は、種々の機械学習に関する技術を用いて、予測モデルM1を学習する。例えば、予測部134は、広告情報、ユーザ情報、及び配信面情報の組合せが予測モデルM1に入力された場合に、その組合せに対応する正解情報が示すスコア(コンバージョン率)を出力するように、予測モデルM1を学習する。例えば、予測部134は、広告情報、ユーザ情報、及び配信面情報の組合せ(組合せX)に対応する正解情報が「0.1」である場合、広告情報、ユーザ情報、及び配信面情報の組合せXが予測モデルM1に入力された場合に、予測モデルM1が出力するスコアが「0.1」に近づくように、学習処理を行う。例えば、予測部134は、広告情報、ユーザ情報、及び配信面情報の組合せ(組合せY)に対応する正解情報が「0.05」である場合、広告情報、ユーザ情報、及び配信面情報の組合せYが予測モデルM1に入力された場合に、予測モデルM1が出力するスコアが「0.05」に近づくように、学習処理を行う。上記のような処理により、予測部134は、広告情報、ユーザ情報、及び配信面情報の組合せに対応するコンバージョン率を予測するために用いる予測モデルM1を生成する。
【0117】
なお、予測モデルM1の入力は、広告情報、ユーザ情報、及び配信面情報に限らず、広告情報、ユーザ情報、及び配信面情報等から生成された入力情報(入力データ)であってもよい。この場合、予測部134は、広告情報、ユーザ情報、及び配信面情報から入力情報(入力データ)を生成する。例えば、予測部134は、広告情報、ユーザ情報、及び配信面情報のうちの一部をハッシュ化して、ハッシュ化後の情報を入力情報として生成しておよい。例えば、予測部134は、広告とユーザとを組み合わせた特徴量をユーザカウント特徴量として生成し、生成した特徴量を入力情報としてもよい。そして、予測部134は、生成した入力情報を予測モデルM1に入力する。そして、予測部134は、予測モデルM1が出力したスコアを用いて予測コンバージョン率を導出する。
【0118】
なお、学習手法(学習処理)については上述した手法に限定されるものではなく、任意の公知技術が適用可能である。なお、予測モデルM1の学習は、機械学習に関する種々の従来技術を適宜用いて行われてもよい。例えば、予測モデルM1の学習は、線形回帰や非線形回帰等の機械学習に関する技術を用いて行われてもよい。例えば、予測モデルM1の学習は、SVM(Support Vector Machine)等の教師あり学習の機械学習に関する技術を用いて行われてもよい。例えば、予測モデルM1の学習は、深層学習(ディープラーニング)の技術を用いて行われてもよい。例えば、予測モデルM1の学習は、DNN(Deep Neural Network)やRNN(Recurrent Neural Network)やCNN(Convolutional Neural Network)等の種々のディープラーニングの技術を適宜用いて行われてもよい。
【0119】
すなわち、予測モデルM1には、広告情報、ユーザ情報、及び配信面情報の組合せからコンバージョン率が予測可能であれば、SVM、DNN等の任意の構成が採用可能である。なお、上記予測モデルM1の学習に関する記載は例示であり、予測モデルM1の学習は、取得可能な情報等に応じて適宜選択された学習手法により行われてもよい。このように、予測部134は、広告情報、ユーザ情報、及び配信面情報の組合せに基づく情報が入力された場合に、正解情報に対応するスコアを出力するように予測モデルM1を学習可能であれば、どのような手法により予測モデルM1の生成を行ってもよい。
【0120】
予測部134は、広告情報、ユーザ情報、及び配信面情報を予測モデルM1に入力し、予測モデルM1にスコアを出力させることにより、広告TAの予測コンバージョン率を予測する。例えば、予測部134は、受付部131がユーザ端末10から広告要求を受け付けた場合、広告情報、ユーザ情報、配信面情報、及び予測モデルM1を用いて、広告の予測コンバージョン率を予測する。
【0121】
(第2算出部135)
第2算出部135は、入札に関する各種情報を算出する。第2算出部135は、取得部132により取得された情報を用いて、各種情報を算出する。第2算出部135は、記憶部120に記憶された各種情報に基づいて、種々の情報を算出する。第2算出部135は、入札単価を算出する。
【0122】
第2算出部135は、広告主の広告コンテンツのコンバージョンに関する第1指標値と、取得部132により取得された指定値に基づく第2指標値とを用いて、広告コンテンツが配信対象として選択される基準となる入札単価を算出する。第2算出部135は、広告コンテンツのコンバージョン率を示す第1指標値と第2指標値とを用いて、広告コンテンツの入札単価を算出する。第2算出部135は、コンバージョン率の予測値である第1指標値と第2指標値とを用いて、広告コンテンツの入札単価を算出する。
【0123】
第2算出部135は、広告コンテンツに関する広告情報に基づき予測された第1指標値と第2指標値とを用いて、広告コンテンツの入札単価を算出する。第2算出部135は、広告コンテンツの配信先のユーザに関するユーザ情報に基づき予測された第1指標値と第2指標値とを用いて、広告コンテンツの入札単価を算出する。第2算出部135は、広告コンテンツの配信面に関する配信面情報に基づき予測された第1指標値と第2指標値とを用いて、広告コンテンツの入札単価を算出する。第2算出部135は、第1指標値と、広告主の目標コンバージョン単価を示す第2指標値とを用いて、広告コンテンツの入札単価を算出する。
【0124】
第2算出部135は、第1指標値と、予算総額に基づく第2指標値とを用いて、広告コンテンツの入札単価を算出する。第2算出部135は、第2指標値を調整する調整係数を用いて第2指標値を調整し、広告コンテンツの入札単価を算出する。第2算出部135は、広告コンテンツの配信実績を基に算出された調整係数を用いて第2指標値を調整し、広告コンテンツの入札単価を算出する。第2算出部135は、第1指標値、第2指標値及び調整係数を乗算することにより、広告コンテンツの入札単価を算出する。
【0125】
第2算出部135は、式(1)に示すような関数を用いて、bid(入札単価)を算出する。第2算出部135は、予測モデルM1により予測された予測CVRと、広告主の指定に基づくtCPAと、第1算出部133により算出されたbid調整値とを乗算することにより、入札単価を算出する。
【0126】
(配信部136)
配信部136は、選択した広告コンテンツ(配信広告コンテンツ)を配信要求元のユーザ端末10に配信する。配信部136は、配信候補の広告コンテンツのなかから、配信する広告コンテンツを選択する。具体的には、配信部136は、算出した入札単価とクリック率(CTR)とを乗じたeCPM(effective Cost Per Mill)に基づいて、配信対象の広告コンテンツを選択する。
【0127】
例えば、配信部136は、広告コンテンツAD1の入札単価UP1と広告コンテンツAD1のCTRとを乗じることにより、広告コンテンツAD1のeCPMを算出する。また、配信部136は、他の広告コンテンツについても同様に、各広告コンテンツの入札単価と各広告コンテンツのCTRとを乗じることにより、広告コンテンツのeCPMを算出する。そして、配信部136は、上記のように算出した各広告コンテンツのeCPMのうち、値が最大のeCPMの広告コンテンツを配信広告コンテンツとして選択する。
【0128】
配信部136は、選択した配信広告コンテンツを配信要求元のユーザ端末10に配信する。なお、上記は一例に過ぎず、配信対象の広告コンテンツを選択については、eCPMを用いる処理に限らず、様々な処理により行われてもよい。例えば、配信対象の広告コンテンツを選択は、セカンドプライスオークションの手法により行われてもよい。
【0129】
なお、ユーザが広告コンテンツを選択する行動を、ユーザによる広告コンテンツのクリックとしてもよいが、ユーザが広告コンテンツを選択する行動であれば、クリックに限られない。例えば、ユーザがスマートフォンを用いている場合は、ユーザが広告コンテンツを選択する行動は、タップなど任意の操作が行われることに相当する。
【0130】
〔4.処理フロー〕
ここから、各種の情報処理のフローについて説明する。まず、
図7を用いて、実施形態に係る調整係数の算出処理の手順について説明する。
図7は、実施形態に係る調整係数の算出処理手順を示すフローチャートである。
【0131】
図7に示すように、広告配信装置100は、広告主による指定に基づく目標コンバージョン単価を取得する(ステップS101)。また、広告配信装置100は、広告主の広告コンテンツの配信実績を取得する(ステップS102)。
【0132】
また、広告配信装置100は、目標コンバージョン単価と、広告コンテンツの配信実績とに基づいて、目標コンバージョン単価を調整する調整係数を算出する(ステップS103)。
【0133】
次に、
図8を用いて、実施形態に係る予測処理手順の手順について説明する。
図8は、実施形態に係る予測処理手順を示すフローチャートである。
【0134】
図8に示すように、広告配信装置100は、広告コンテンツに関する広告情報を取得する(ステップS201)。また、広告配信装置100は、広告コンテンツの配信先のユーザに関するユーザ情報を取得する(ステップS202)。また、広告配信装置100は、広告コンテンツの配信面に関する配信面情報を取得する(ステップS203)。そして、広告配信装置100は、広告情報と、ユーザ情報と、配信面情報とを用いて、広告コンテンツの予測コンバージョン率を予測する(ステップS204)。
【0135】
次に、
図9を用いて、実施形態に係る入札単価の算出処理の手順について説明する。
図9は、実施形態に係る入札単価の算出処理手順を示すフローチャートである。
【0136】
図9に示すように、広告配信装置100は、広告主により指定された広告配信の費用に関する指定値を取得する(ステップS301)。広告配信装置100は、広告主の広告コンテンツのコンバージョンに関する第1指標値と、指定値に基づく第2指標値とを用いて、広告コンテンツの入札価格を算出する(ステップS302)。
【0137】
〔5.処理例〕
次に、各種の処理例について説明する。
図10を用いて、実施形態に係る情報処理の手順について説明する。
図10は、実施形態に係るフィードバックに関する処理を示す概念図である。
【0138】
図10に示すように、広告配信システム1は、算出した入札単価(
図10中の「bid」)を用いたCVO広告配信(コンバージョン最適化広告配信)と、その広告配信による配信ログの収集を行う。また、広告配信システム1は、配信ログサーバの配信ログを用いた実績値のフィードバックを行い、PID制御によりCPAを合わせるためbid調整値の調整(更新)を行う。
【0139】
例えば、広告配信装置100がCVO広告配信及びbid調整値の調整を行う。なお、配信ログを保持する配信ログサーバは、広告配信装置100であってもよいし、アクセスログサーバ20であってもよい。
【0140】
例えば、広告配信システム1は、bid調整値の調整(更新)を1時間毎に行ってもよい。なお、bid調整値の調整(更新)間隔は、1時間に限らず、3時間、12時間、1日等の任意の間隔が採用可能である。また、広告配信システム1は、所定の閾値以上の配信ログが新たに追加されたタイミングでbid調整値の調整(更新)を行ってもよい。
【0141】
そして、広告配信システム1は、調整(更新)したbid調整値を用いて、CVO(コンバージョン最適化)広告配信と、その広告配信による配信ログの収集を行う。
【0142】
上述したように、広告配信システム1は、bid調整値を用いた広告配信、ログ収集、bid調整値の更新を繰り返す。このように、広告配信システム1は、配信実績のフィードバックを行うことにより、bid調整値を実情に即した値に更新することができるため、入札単価を適切に算出することができる。
【0143】
〔6.モード切替例〕
なお、広告配信システム1は、状況に応じてCPA制御(PID制御)のモードを切替てもよい。この点について
図11を用いて説明する。
図11は、制御に関するモードの切替えの一例を示す図である。
【0144】
例えば、広告配信システム1は、CPA制御(PID制御)をOFFとする第1モードと、CPA制御(PID制御)をONとする第2モードと、CPA制御(PID制御)PAUSEとする第3モードとの3つのモード(状態)を切替えて制御を行う。
【0145】
第1モード(OFF)は、PID制御を行わない。例えば、配信実績(例えば実績コンバージョ(CV))が少ない場合や、CPAの合致度がすでに所定の閾値以上である場合は第1モード(OFF)となる。
【0146】
また、第2モード(ON)は、PID制御を行う。例えば、毎時でbid調整値をアップデートしつつCPA合致度の改善を狙う場合は第2モード(ON)となる。
【0147】
また、第3モード(PAUSE)は、bid調整値の調整は行うが、このbid調整値の毎時の更新はしない。集計の遅延や一時的な配信の停止により、CPA制御が期待通りに動作しないと想定される場合、第3モード(PAUSE)となる。
【0148】
ここで、各モードの切替えの条件に関する項目について簡単に記載する。「is_operate」は、PID制御のON/OFFコントロールのために用いられる。
【0149】
「is_noclick_reset」は、配信停止したadg(例えばAd Generation等のアドプラットフォーム)のログを削除するために用いられる。
【0150】
「is_in_blocklist_off」は、苦情対応などメンテナンス時に対象のadgを登録するために用いられる。
【0151】
「abnormal」は、配信実績から異常だと判断されるadgのCPA制御を強制的に自動停止させるために用いられる。
【0152】
「is_deliv_full」は、CPA集計期間分をすでに配信しているか確認するために用いられる。例えば、CPA集計期間より配信期間が短ければ遅れCVが十分に発生していないこととなる。
【0153】
「is_cpa_error」は、CPA合致度が悪いものだけをCPA制御対象とするための判定基準として用いられる。
【0154】
「is_cvs_turn_on」は、CPA制御のCV起動条件として用いられる。例えば、CVが低すぎた場合CPAが確率的に変動するため、制御が困難となる場合がある。
【0155】
「is_cvs_turn_off」は、CPA制御のCV停止条件として用いられる。CVが低い場合にCPAが正常に算出できないことから制御を停止する。例えば、CV=0の場合はCPAが計算不能になるためCPA制御を停止する。
【0156】
「is_pause」は、苦情対応などのメンテナンス時に、全adgの制御を一時停止する。
【0157】
「is_lastday_clicks」は、配信停止の判定フラグである。「is_lastday_clicks」は、配信停止の判定に用いられる。
【0158】
「execute_delay」は、集計遅延によりbid更新が長時間停止した後、一気にログとbidが更新されることを抑制するために用いられる。
【0159】
「is_in_blocklist_pause」は、苦情対応などメンテナンス時に対象のadgを登録して、bidの調整(更新)を一時的に停止するために用いられる。
【0160】
なお、上記は一例に過ぎず、広告配信システム1は、様々な情報を適宜用いてモードを切替えてもよい。
【0161】
〔7.効果〕
上述してきたように、実施形態に係る情報処理装置(実施形態では「広告配信装置100」以下同じ)は、取得部(実施形態では「取得部132」以下同じ)と、算出部(実施形態では「第2算出部135」以下同じ)とを備える。取得部は、広告主により指定された広告配信の費用に関する指定値を取得する。算出部は、広告主の広告コンテンツのコンバージョンに関する第1指標値(実施形態では「コンバージョン率」以下同じ)と、取得部により取得された指定値に基づく第2指標値(実施形態では「目標コンバージョン単価」以下同じ)とを用いて、広告コンテンツが配信対象として選択される基準となる入札単価を算出する。
【0162】
このように、実施形態に係る情報処理装置は、広告主の広告コンテンツのコンバージョンに関する第1指標値と、広告主により指定された広告配信の費用に関する指定値に基づく第2指標値とを用いることにより、適切な入札単価を算出することができる。
【0163】
また、実施形態に係る情報処理装置において、算出部は、広告コンテンツのコンバージョン率を示す第1指標値と第2指標値とを用いて、広告コンテンツの入札単価を算出する。
【0164】
このように、実施形態に係る情報処理装置は、広告コンテンツのコンバージョン率を示す第1指標値を用いることにより、適切な入札単価を算出することができる。
【0165】
また、実施形態に係る情報処理装置において、算出部は、コンバージョン率の予測値である第1指標値と第2指標値とを用いて、広告コンテンツの入札単価を算出する。
【0166】
このように、実施形態に係る情報処理装置は、広告コンテンツのコンバージョン率の予測値を用いることにより、広告コンテンツのコンバージョン率が配信実績から算出(測定)できない場合であっても、適切な入札単価を算出することができる。
【0167】
また、実施形態に係る情報処理装置において、算出部は、広告コンテンツに関する広告情報に基づき予測された第1指標値と第2指標値とを用いて、広告コンテンツの入札単価を算出する。
【0168】
このように、実施形態に係る情報処理装置は、広告コンテンツに関する広告情報に基づき予測された第1指標値を用いることにより、適切な入札単価を算出することができる。
【0169】
また、実施形態に係る情報処理装置において、算出部は、広告コンテンツの配信先のユーザに関するユーザ情報に基づき予測された第1指標値と第2指標値とを用いて、広告コンテンツの入札単価を算出する。
【0170】
このように、実施形態に係る情報処理装置は、広告コンテンツの配信先のユーザに関するユーザ情報に基づき予測された第1指標値を用いることにより、適切な入札単価を算出することができる。
【0171】
また、実施形態に係る情報処理装置において、算出部は、広告コンテンツの配信面に関する配信面情報に基づき予測された第1指標値と第2指標値とを用いて、広告コンテンツの入札単価を算出する。
【0172】
このように、実施形態に係る情報処理装置は、広告コンテンツの配信面に関する配信面情報に基づき予測された第1指標値を用いることにより、適切な入札単価を算出することができる。
【0173】
また、実施形態に係る情報処理装置において、算出部は、第1指標値と、広告主の目標コンバージョン単価を示す第2指標値とを用いて、広告コンテンツの入札単価を算出する。
【0174】
このように、実施形態に係る情報処理装置は、広告主の目標コンバージョン単価を示す第1指標値を用いることにより、広告主の目標に応じて適切な入札単価を算出することができる。
【0175】
また、実施形態に係る情報処理装置において、取得部は、広告主により指定された第2指標値を指定値として取得する。
【0176】
このように、実施形態に係る情報処理装置は、広告主により指定された第2指標値を用いることにより、広告主の指定に応じて適切な入札単価を算出することができる。
【0177】
また、実施形態に係る情報処理装置において、取得部は、広告主により指定された広告配信の予算総額を示す指定値を取得する。算出部は、第1指標値と、予算総額に基づく第2指標値とを用いて、広告コンテンツの入札単価を算出する。
【0178】
このように、実施形態に係る情報処理装置は、広告主により指定された広告配信の予算総額に基づく第2指標値を用いることにより、広告主の広告配信の予算総額に応じて適切な入札単価を算出することができる。
【0179】
また、実施形態に係る情報処理装置において、算出部は、第2指標値を調整する調整係数を用いて第2指標値を調整し、広告コンテンツの入札単価を算出する。
【0180】
このように、実施形態に係る情報処理装置は、調整係数を用いて第2指標値を調整することにより、調整した第2指標値を用いて適切な入札単価を算出することができる。
【0181】
また、実施形態に係る情報処理装置において、算出部は、広告コンテンツの配信実績を基に算出された調整係数を用いて第2指標値を調整し、広告コンテンツの入札単価を算出する。
【0182】
このように、実施形態に係る情報処理装置は、広告コンテンツの配信実績を基に算出された調整係数を用いて第2指標値を調整することにより、広告コンテンツの配信実績に応じて適切な入札単価を算出することができる。
【0183】
また、実施形態に係る情報処理装置において、算出部は、第1指標値、第2指標値及び調整係数を乗算することにより、広告コンテンツの入札単価を算出する。
【0184】
このように、実施形態に係る情報処理装置は、第1指標値及び第2指標値に加えて調整係数も乗算することにより、適切な入札単価を算出することができる。
【0185】
〔8.ハードウェア構成〕
また、上述してきた実施形態に係る広告配信装置100等の情報処理装置は、例えば
図12に示すような構成のコンピュータ1000によって実現される。
図12は、情報処理装置の機能を実現するコンピュータの一例を示すハードウェア構成図である。コンピュータ1000は、CPU1100、RAM1200、ROM1300、HDD1400、通信インターフェイス(I/F)1500、入出力インターフェイス(I/F)1600、及びメディアインターフェイス(I/F)1700を有する。
【0186】
CPU1100は、ROM1300またはHDD1400に格納されたプログラムに基づいて動作し、各部の制御を行う。ROM1300は、コンピュータ1000の起動時にCPU1100によって実行されるブートプログラムや、コンピュータ1000のハードウェアに依存するプログラム等を格納する。
【0187】
HDD1400は、CPU1100によって実行されるプログラム、及び、かかるプログラムによって使用されるデータ等を格納する。通信インターフェイス1500は、所定の通信網を介して他の機器からデータを受信してCPU1100へ送り、CPU1100が生成したデータを所定の通信網を介して他の機器へ送信する。
【0188】
CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、ディスプレイやプリンタ等の出力装置、及び、キーボードやマウス等の入力装置を制御する。CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、入力装置からデータを取得する。また、CPU1100は、生成したデータを入出力インターフェイス1600を介して出力装置へ出力する。
【0189】
メディアインターフェイス1700は、記録媒体1800に格納されたプログラムまたはデータを読み取り、RAM1200を介してCPU1100に提供する。CPU1100は、かかるプログラムを、メディアインターフェイス1700を介して記録媒体1800からRAM1200上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。記録媒体1800は、例えばDVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)等の光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)等の光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、または半導体メモリ等である。
【0190】
例えば、コンピュータ1000が実施形態に係る広告配信装置100として機能する場合、コンピュータ1000のCPU1100は、RAM1200上にロードされたプログラムまたはデータ(例えば、第1モデル、第2モデル)を実行することにより、制御部130の機能を実現する。コンピュータ1000のCPU1100は、これらのプログラムまたはデータ(例えば、第1モデル、第2モデル)を記録媒体1800から読み取って実行するが、他の例として、他の装置から所定の通信網を介してこれらのプログラムまたはデータ(例えば、第1モデル、第2モデル)を取得してもよい。
【0191】
以上、本願の実施形態のいくつかを図面に基づいて詳細に説明したが、これらは例示であり、発明の開示の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
【0192】
〔9.その他〕
また、上記実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。例えば、各図に示した各種情報は、図示した情報に限られない。
【0193】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。
【0194】
また、上述してきた実施形態は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
【0195】
また、上述してきた「部(section、module、unit)」は、「手段」や「回路」などに読み替えることができる。例えば、受付部は、受付手段や受付回路に読み替えることができる。
【符号の説明】
【0196】
1 広告配信システム
10 ユーザ端末
20 アクセスログサーバ
30 広告主端末
100 広告配信装置(情報処理装置)
121 広告情報記憶部
122 広告配信履歴記憶部
123 モデル情報記憶部
124 調整用情報記憶部
131 受付部
132 取得部
133 第1算出部
134 予測部
135 第2算出部
136 配信部