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特許7322093情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-28
(45)【発行日】2023-08-07
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/02 20230101AFI20230731BHJP
【FI】
G06Q30/02
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2021085201
(22)【出願日】2021-05-20
(65)【公開番号】P2022178416
(43)【公開日】2022-12-02
【審査請求日】2022-07-19
(73)【特許権者】
【識別番号】319013263
【氏名又は名称】ヤフー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】吉田 明広
(72)【発明者】
【氏名】坪内 孝太
(72)【発明者】
【氏名】日暮 立
(72)【発明者】
【氏名】岩瀬張 太士
(72)【発明者】
【氏名】川根 宏
(72)【発明者】
【氏名】藤井 美晴
【審査官】大野 朋也
(56)【参考文献】
【文献】特許第6754884(JP,B1)
【文献】特開2013-257800(JP,A)
【文献】特開2017-102859(JP,A)
【文献】特開2005-122273(JP,A)
【文献】特開2019-087026(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
送金指示を受け付ける受付部と、
前記受付部が受け付けた送金指示に基づく送金処理を記憶する送金履歴記憶部と、
前記送金履歴記憶部に記憶された送金履歴を解析する送金履歴解析部と、
特定情報を配信する利用者を決定する決定部と、
前記決定部が決定した利用者の利用者端末に特定情報を配信する配信部と、を備え、
前記送金履歴解析部は、前記送金履歴記憶部に記憶された送金履歴を解析して、複数人の利用者が集まるイベントの主催者を特定し、
前記決定部は、前記送金履歴解析部が特定したイベントの主催者に特定情報を配信することを決定する、
情報処理装置。
【請求項2】
前記送金履歴解析部は、所定の時間の間に複数の利用者から送金を受けた利用者が、送金を受けた所定の時間の後に受け取った送金額以上の金額の送金を行った利用者をイベントの主催者として特定する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記送金履歴解析部は、送金履歴に含まれる送金日時、及び送金額に基づいて、イベントの主催者を特定する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記送金履歴解析部は、送金履歴に基づいて、送金元または送金先を示すノードと、送金内容を示すリンクとを有するグラフ情報を生成し、生成したグラフ情報に基づいて、前記イベントの主催者を特定する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記配信部が配信する特定情報がクーポンである、
請求項1から請求項4のうちいずれか1つに記載の情報処理装置。
【請求項6】
利用者に関する情報が記憶された利用者情報記憶部と、を備え、
前記配信部は、前記利用者情報記憶部に記憶された情報に基づいて、前記送金履歴解析部がイベントの主催者と特定した利用者、及び前記イベントの主催者に対して送金した利用者の共通項を特定し、特定情報として前記共通項に関係する情報を配信する、
請求項1から請求項4のうちいずれか1つに記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記送金履歴解析部は、同一の利用者に対して送金された金額の差に基づいて、前記イベントに集まった利用者間の関係性をさらに推定し、
前記決定部は、前記送金履歴解析部が特定したイベントの主催者に特定情報を配信することを決定することに加えて、前記送金履歴解析部が推定した利用者間の関係性に基づいて特定情報を配信する利用者を決定する、
請求項1から請求項6のうちいずれか1つに記載の情報処理装置。
【請求項8】
情報処理装置が実行する情報処理方法であって、
送金指示を受け付けるステップと、
送金指示に基づいて送金処理を実行するステップと、
前記送金処理の内容を送金履歴として記憶するステップと、
前記送金履歴を解析してイベントの主催者を特定するステップと、
特定されたイベントの主催者に特定情報を配信するステップと、
を含む情報処理方法。
【請求項9】
送金指示を受け付けるステップと、
送金指示に基づいて送金処理を実行するステップと、
前記送金処理の内容を送金履歴として記憶するステップと、
前記送金履歴を解析してイベントの主催者を特定するステップと、
特定されたイベントの主催者に特定情報を配信するステップと、
をコンピュータに実行させる情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、QRコード(登録商標)を用いる電子決済が普及してきている。例えば、特許文献1には、一人の代表者のQRコード(登録商標)決済を用いた代金の決済について、他の支払者に割り勘での支払い金額を通知し、他の支払者から割り勘された金額を代表者に送金することで、事後的に代表者が支払った代金の割り勘での支払いを可能とする決済システムが開示されている。
【0003】
このように電子決済においては、代金の支払いの代表者を定めてその代表者に他の支払者が代金の分割額を送金し、代表者が纏めて代金の支払いを行う使用方法がある。電子決済の送金ネットワークにおいて多くの送金を受ける代金の支払いの代表者は、SNS(Social Network Service)において多くの他の利用者と繋がりを有している利用者と比較すると、電子決済の他の多くの利用者と強い信頼関係を形成していると考えられる。その為、そのような代金の支払いの代表者に対して情報を配信することによって、情報の配信による効果を上げることができると考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2020-113124号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は上記課題を鑑み、情報の配信による効果を上げることができる情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本開示に係る情報処理装置は、送金指示を受け付ける受付部と、前記受付部が受け付けた送金指示に基づく送金処理を記憶する送金履歴記憶部と、前記送金履歴記憶部に記憶された送金履歴を解析する送金履歴解析部と、特定情報を配信する利用者を決定する決定部と、前記決定部が決定した利用者の利用者端末に特定情報を配信する配信部と、を備え、前記送金履歴解析部は、前記送金履歴記憶部に記憶された送金履歴を解析して、複数人の利用者が集まるイベントの主催者を特定し、前記決定部は、前記送金履歴解析部が特定したイベントの主催者に特定情報を配信することを決定する。
【発明の効果】
【0007】
実施形態の一態様によれば、情報の配信による効果を上げることができる情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、実施形態に係る情報処理の一例を示す図である。
図2図2は、利用者間の送金履歴を整理した有向グラフを示す図である。
図3図3は、実施形態に係る情報処理システムの構成例を示す図である。
図4図4は、実施形態に係る情報処理装置の構成例を示す図である。
図5図5は、実施形態に係る利用者端末の構成例を示す図である。
図6図6は、実施形態に係る情報処理装置の口座データベースに記憶される情報の一例を示す図である。
図7図7は、実施形態に係る情報処理装置の送金履歴記憶部に記憶される情報の一例を示す図である。
図8図8は、実施形態に係る情報処理装置の利用者情報記憶部に記憶される情報の一例を示す図である。
図9図9は、実施形態に係る情報処理の一例を示すフローチャートである。
図10図10は、情報処理装置の機能を実現するコンピュータの一例を示すハードウェア構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本願に係る情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラムを実施するための形態(以下、「実施形態」と記載する。)について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態により本願に係る情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラムが限定されるものではない。また、以下の各実施形態において同一の部位には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0010】
(実施形態)
〔1-1.情報処理の一例〕
まず、図1を用いて、実施形態に係る情報処理の一例について説明する。図1は、実施形態に係る情報処理の一例を示す図である。図1では、実施形態に係る情報処理が情報処理装置100により実行される例を示す。
【0011】
図1では、情報処理装置100が利用者端末200A、200B、200C、及び200Dより送信された送金指示を受け付けて、受け付けた送金指示に基づいて送金処理を実行し、送金処理の内容を記録した送金履歴を解析してイベントの主催者を特定し、特定したイベントの主催者に特定情報を配信する例を示している。以下、図1を用いて、実施形態に係る情報処理の一例についてステップごとに説明する。
【0012】
利用者端末200Bは、利用者U2が入力した利用者U2から利用者U1への送金指示を情報処理装置100に送信する(ステップS1)。例えば、利用者端末200Bは利用者U2が入力した利用者U1が主催した飲み会の代金を割り勘した金額3,000円を、利用者U2の口座から利用者U1の口座に送金する旨の送金指示を情報処理装置100に送信する。
【0013】
情報処理装置100は、利用者端末200Bから受け付けた送金指示に基づいて利用者U2から利用者U1への送金処理を実行する(ステップS2)。例えば、情報処理装置100は利用者U2の送金指示に基づいて、利用者U2の口座から金額3,000円を利用者U1の口座に送金する処理を実行する。なお、この際、情報処理装置100は実行した送金処理の内容(送金元利用者/事業者ID、送金先利用者/事業者ID、送金日時、送金額など)を送金履歴として記憶する。
【0014】
利用者端末200Cは、利用者U3が入力した利用者U3から利用者U1への送金指示を情報処理装置100に送信する(ステップS3)。例えば、利用者端末200Cは、前述した利用者端末200Bの処理と同様に、利用者U3が入力した利用者U1が主催した飲み会の代金を割り勘した金額3,000円を、利用者U3の口座から利用者U1の口座に送金する旨の送金指示を情報処理装置100に送信する。
【0015】
情報処理装置100は、利用者端末200Cから受け付けた送金指示に基づいて利用者U3から利用者U1への送金処理を実行する(ステップS4)。利用者U3から利用者U1への送金処理は、ステップS2と同じであるから具体例を用いた説明を省略する。
【0016】
利用者端末200Dは、利用者U4が入力した利用者U4から利用者U1への送金指示を情報処理装置100に送信する(ステップS5)。例えば、利用者端末200Dは、前述した利用者端末200Bの処理と同様に、利用者U4が入力した利用者U1が主催した飲み会の代金を割り勘した金額3,000円を、利用者U4の口座から利用者U1の口座に送金する旨の送金指示を情報処理装置100に送信する。
【0017】
情報処理装置100は、利用者端末200Dから受け付けた送金指示に基づいて利用者U4から利用者U1への送金処理を実行する(ステップS6)。利用者U4から利用者U1への送金処理は、ステップS2と同じであるから具体例を用いた説明を省略する。
【0018】
利用者端末200Aは、事業者M1を示す識別情報C1を取得する(ステップS7)。例えば、利用者端末200Aは、事業者M1の店頭に置かれたQRコード(登録商標)を読み取って事業者M1を示す識別情報C1を取得する。
【0019】
利用者端末200Aは、利用者U1が入力した利用者U1から事業者M1への送金指示を情報処理装置100に送信する(ステップS8)。例えば、利用者端末200Aは、利用者U1が入力した利用者U1が主催した飲み会の代金12,000円を参加者である利用者U2、U3、及びU4の分まで纏めて、事業者M1に送金する旨の送金指示を送信する。
【0020】
情報処理装置100は、利用者端末200Aから受け付けた送金指示に基づいて利用者U1から事業者M1への送金処理を実行する(ステップS9)。利用者U1から事業者M1への送金処理は、ステップS2と同じであるから具体例を用いた説明を省略する。
【0021】
情報処理装置100は、送金履歴を解析してイベントの主催者を利用者U1と特定する(ステップS10)。ここで、イベントの主催者とは複数の利用者が集まる催し物の開催を主催する利用者のことである。例えば、情報処理装置100は送金履歴を解析して次の2つの条件を満たす利用者をイベントの主催者と特定する。(条件1)所定の時間の間に複数の利用者から送金を受けている。(条件2)複数の利用者から送金を受けた後の所定の時間の間に、複数の利用者から受けた送金の金額の合計額以上の送金を行っている。情報処理装置100は、これらの2つの条件を満たす利用者をイベントの主催者と特定する。
【0022】
イベントの主催者への他の利用者からの送金を概念的に図に示すと図2に示した図のようになる。図2は、利用者間の送金履歴を整理した有向グラフを示す図である。ここで、図2に示す円は送金元、又は送金先となる利用者、又は事業者を示している。また、図2に示す矢印は送金が行われる流れを示している。すなわち、図2においては利用者U2、U3、及びU4から利用者U1に送金が行われた後に、利用者U1が利用者U2、U3、及びU4から受けた送金の金額の合計額(流入量)より事業者M1への送金額(流出量)が多いことを示している。したがって、この場合、情報処理装置100は利用者U1をイベントの主催者と特定する。
【0023】
情報処理装置100は、イベントの主催者と特定した利用者U1の利用者端末200Aに特定情報を配信する(ステップS11)。例えば、情報処理装置100は、利用者U1の利用者端末200Aに特定情報として、○○居酒屋の飲み放題が500円引きとなるクーポン10Aを配信する。
【0024】
これにより、情報処理装置100は、イベントの主催者を特定したうえで特定情報を配信することが可能となることから、配信する特定情報の効果を上げることができる。
【0025】
〔1-2.複数の送金が集中してから他の利用者に送金〕
情報処理装置100は、所定の時間の間に複数の利用者から送金を受けた利用者が、送金を受けた所定の時間の後に受け取った送金額以上の金額の送金を行った利用者をイベントの主催者として特定する。
【0026】
情報処理装置100の処理について具体例を用いて説明する。情報処理装置100は、送金履歴を解析して次の2つの条件を満たす利用者をイベントの主催者と特定する。(条件1)所定の時間の間に複数の利用者から送金を受けている。(条件2)複数の利用者から送金を受けた後の所定の時間の間に、複数の利用者から受けた送金の金額の合計額以上の送金を行っている。情報処理装置100は、送金履歴を解析して、これら2つの条件を満たす利用者をイベントの主催者と特定する。情報処理装置100は、イベントの主催者を特定したら、特定したイベントの主催者に特定情報を配信することを決定し、イベントの主催者と特定された利用者の利用者端末200に特定情報を配信する。
【0027】
これにより、情報処理装置100は、イベントの主催者を統一した基準に基づいて特定することが可能となる。また、情報処理装置100は、特定されたイベントの主催者の利用者端末200に特定情報を配信することにより、特定情報の配信による効果を上げることができる。
【0028】
〔1-3.送金履歴の送金日時、及び送金額に基づいてイベントの主催者を特定〕
情報処理装置100は、送金履歴に含まれる送金日時、及び送金額に基づいて、イベントの主催者を特定する。
【0029】
情報処理装置100の処理について具体例を用いて説明する。まず、情報処理装置100は、送金履歴に含まれる送金日時に基づいてイベントの主催者の候補を特定する。例えば、情報処理装置100は送金日時の条件として次の条件を満たす利用者を抽出する。(条件3)水曜日の18時から23時、金曜日の18時から23時、土曜日の18時から23時のいずれかの時間帯に送金したこと。情報処理装置100は、(条件3)を満たす日時に送金した利用者をイベントの主催者の候補として抽出する。次に、情報処理装置100は、抽出された利用者の中から送金額に基づいてイベントの主催者を特定する。例えば、情報処理装置100は(条件3)を満たす利用者の送金処理において次の条件を満たす送金処理を実行した利用者を特定する。(条件4)送金額が10,000円以上であること。このように情報処理装置100は、送金日時の条件と、送金額の条件の両方を満たす利用者をイベントの主催者として特定する。情報処理装置100は、特定された利用者の利用者端末200に特定情報を配信する。
【0030】
これにより、情報処理装置100は、イベントの主催者を統一した基準に基づいて特定することが可能となる。また、情報処理装置100は、特定されたイベントの主催者の利用者端末200に特定情報を配信することにより、特定情報の配信による効果を上げることができる。
【0031】
〔1-4.有向グラフを用いてイベントの主催者を特定〕
情報処理装置100は、送金履歴に基づいて、送金元または送金先を示すノードと、送金内容を示すリンクとを有するグラフ情報を生成し、生成したグラフ情報に基づいて、イベントの主催者を特定する。
【0032】
情報処理装置100の処理について具体例を用いて説明する。例えば、情報処理装置100は、送金履歴を解析して送金元の利用者又は事業者をノードとして表示し、送金先の利用者又は事業者を別のノードとして表示する。情報処理装置100は、送金履歴を解析して送金元の利用者又は事業者から、送金先の利用者又は事業者に向かって伸びるリンクを表示する。情報処理装置100は、利用者又は事業者を示すノードと、送金の方向を示すリンクと、によって表現されたグラフ情報に基づいてイベントの主催者を特定する。例えば、情報処理装置100は、複数の送金元の利用者を示すノードから伸びるリンクの先に位置する送金先の利用者U1を示すノードから、複数の送金元の利用者を示すノードとは異なる事業者M1を示すノードに向かって伸びるリンクを有していた場合に、利用者U1をイベントの主催者と特定する。このように特定された利用者は複数の利用者から送金を受けた後に他の利用者又は事業者に送金していることから、イベントの主催者である可能性が高い。情報処理装置100は、特定された利用者の利用者端末200に特定情報を配信する。
【0033】
これにより、情報処理装置100は、イベントの主催者を統一した基準に基づいて特定することが可能となる。また、情報処理装置100は、特定されたイベントの主催者の利用者端末200に特定情報を配信することにより、特定情報の配信による効果を上げることができる。
【0034】
〔1-5.特定情報としてクーポンを配信する〕
情報処理装置100が配信する特定情報がクーポンである。
【0035】
情報処理装置100の処理について具体例を用いて説明する。例えば、情報処理装置100は送金履歴を解析して、イベントの主催者を利用者U1と利用者U2と特定する。情報処理装置100は、イベントの主催者を利用者U1と利用者U2と特定したら、利用者U1の利用者端末200A、及び利用者U2の利用者端末200Bに特定情報としてクーポンを配信する。情報処理装置100が配信するクーポンは、例えば、イベントの主催者と特定された利用者がイベントの主催者として送金した送金先の事業者に関係するクーポンであってよい。
【0036】
これにより、情報処理装置100は、再びイベントを主催する可能性が高い利用者に、特定情報としてクーポンを配信することができる。したがって、特定情報の配信による効果を上げることができる。
【0037】
〔1-6.特定情報として利用者の共通項に関係する情報を配信する〕
情報処理装置100には、利用者に関する情報が記憶されており、利用者の情報に基づいて、イベントの主催者と特定した利用者、及びイベントの主催者に対して送金した利用者の共通項を特定し、特定情報として共通項に関係する情報を配信する。
【0038】
情報処理装置100の処理について具体例を用いて説明する。例えば、情報処理装置100は送金履歴を解析して、イベントの主催者を利用者U1と特定する。情報処理装置100は、イベントの主催者を利用者U1と特定したら、情報処理装置100に記憶された利用者情報を参照して、イベントの主催者と特定された利用者U1、及び利用者U1に送金した利用者の共通項を特定する。ここで、情報処理装置100が、利用者U1と利用者U1に送金した利用者の共通項が同年代であることと特定したとする。この場合、情報処理装置100は、その年代の利用者が好みそうな情報、例えば、その年代が10代の頃に流行したコンテンツに関する情報を、イベントの主催者として特定された利用者U1の利用者端末200に配信する。
【0039】
これにより、情報処理装置100は、他の利用者との信頼関係が形成された利用者に、他の利用者との共通項に関係する情報を特定情報として配信することができる。その為、イベントの主催者として特定された利用者が、イベントに参加した他の利用者に共通項に関係する情報を共有することで、イベントに参加した利用者間の関係を深めることに寄与することができる。したがって、特定情報の配信による効果を上げることができる。
【0040】
〔1-7.送金額の傾斜を考慮した利用者間の関係性の推定〕
情報処理装置100は、同一の利用者に対して送金された金額の差に基づいて、イベントに集まった利用者間の関係性をさらに推定する。情報処理装置100は、イベントの主催者に特定情報を配信することを決定することに加えて、推定した利用者間の関係性に基づいて特定情報を配信する利用者を決定する。
【0041】
情報処理装置100の処理について具体例を用いて説明する。例えば、情報処理装置100は、送金履歴を解析してイベントの主催者を利用者U1と特定する。情報処理装置100は、イベントの主催者と特定された利用者U1に送金した利用者の送金額を解析する。ここで、例えば、利用者U1に送金した利用者が、利用者U2、U3、及びU4であり、利用者U1への累計の送金額がそれぞれ10,000円、3,000円、1,000円であったとする。情報処理装置100はイベントの主催者と特定された利用者U1に送金された累計の送金額に基づいて、利用者U1と、利用者U2、U3、及びU4との関係性を推定する。例えば、情報処理装置100は、イベントの主催者と特定された利用者U1への累計の送金額が多い利用者は利用者U1と信頼関係が強固であると推定する。前述の具体例の場合は、情報処理装置100は、利用者U1と利用者U2との信頼関係が最も強固であると推定する。情報処理装置100は、利用者U1と利用者U2の信頼関係が最も強固であると推定したら、イベントの主催者と特定された利用者U1に特定情報を配信することを決定することに加えて、利用者U1と最も強固な信頼関係を有していると推定された利用者U2にも、特定情報を配信することを決定する。情報処理装置100は、利用者U1、及びU2の利用者端末200に特定情報を配信する。なお、情報処理装置100は、最も強固な信頼関係を有すると推定された利用者U1と利用者U2の事業者への支払い量の比率や差分に応じて、利用者U1に配信する特定情報と、利用者U2に配信する特定情報と、を異ならせてもよい。例えば、利用者U2が利用者U1よりも多くの金額を事業者に支払った場合は、利用者U1に配信する特定情報としての広告の対象となるお店よりも、グレードが高いお店の広告を利用者U2に特定情報として配信してもよい。
【0042】
これにより、イベントの主催者と特定された利用者に加えて、イベントの主催者と強固な信頼関係を有すると推定された利用者に対しても特定情報を配信することができる。イベントの主催者と特定された利用者と強固な信頼関係を有する利用者は、イベントの主催者と特定された利用者に対して大きな影響力を有していると考えられる。その為、イベントの主催者と特定された利用者に加えて、イベントの主催者と特定された利用者と強固な信頼関係を有すると推定された利用者に対して特定情報を配信することによって、特定情報の配信による効果を上げることができる。
【0043】
〔2.情報システムの構成〕
次に、図3を用いて実施形態に係る情報システムの構成について説明する。図3は、実施形態に係る情報システムの構成例を示す図である。図3に示すように、情報システム1は、情報処理装置100と、利用者端末200と、を含む。なお、図3に示した情報システム1は、複数台の情報処理装置100や、複数台の利用者端末200が含まれ構成されていてもよい。図3においては、情報システム1には利用者端末200として利用者端末200Aと、利用者端末200Bと、利用者端末200Cと、利用者端末200Dと、の4台が含まれていることを示している。情報処理装置100と、利用者端末200Aと、利用者端末200Bと、利用者端末200Cと、利用者端末200Dと、は所定の通信網(ネットワークN)を介して、有線又は無線により通信可能に接続される。
【0044】
情報処理装置100は、利用者間の送金処理や、利用者間の送金履歴を解析して解析結果に基づいて、利用者端末200に特定情報を配信する為に用いられる。情報処理装置100は、例えばPC(Personal Computer)、WS(Work Station)、サーバの機能を備えるコンピュータなどの情報処理装置であってよい。情報処理装置100は、利用者端末200Aと、利用者端末200Bと、利用者端末200Cと、利用者端末200Dと、からネットワークNを介して送信されてきた情報に基づいて処理を行う。
【0045】
利用者端末200は、利用者が利用する情報処理装置である。利用者端末200は、例えば、スマートフォン、タブレット型端末、デスクトップ型PC、ノート型PC、携帯電話機、PDA(Personal Digital Assistant)等の情報処理装置であってよい。なお、図1に示す例においては、利用者端末200がスマートフォンである場合を示している。
【0046】
〔3.情報処理装置の構成〕
次に、図4を用いて、実施形態に係る情報処理装置100の構成について説明する。図4は、実施形態に係る情報処理装置の構成例を示す図である。図4に示すように、情報処理装置100は、通信部110と、記憶部120と、制御部130と、を有する。なお、情報処理装置100は、情報処理装置100の管理者から各種操作を受け付ける入力部(例えば、キーボードやマウス等)や、各種情報を表示するための表示部(例えば、液晶ディスプレイ等)を有してもよい。
【0047】
(通信部110について)
通信部110は、例えば、NIC(Network Interface Card)等によって実現される。そして、通信部110は、ネットワークNと有線または無線で接続され、利用者端末200との間で情報の送受信を行う。
【0048】
(記憶部120について)
記憶部120は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)、光ディスク等の記憶装置によって実現される。図4に示すように、記憶部120は、口座データベース121と、送金履歴記憶部122と、を有する。
【0049】
(口座データベース121について)
口座データベース121は、利用者の口座に関する各種の情報を記憶する。ここで、図6を用いて、口座データベース121が記憶する情報の一例を説明する。図6は、実施形態に係る情報処理装置の口座データベースに記憶される情報の一例を示す図である。図6の例において、口座データベース121は「口座ID」に、「所有者情報」と、「口座残高」という項目に係る情報を紐付けて記憶する。
【0050】
「口座ID」は、口座を識別するための識別情報を示す。「所有者情報」は、口座を所有する利用者に関する情報を示し、例えば、口座の所有者を識別するための識別情報が格納される。「口座情報」は、利用者が所有する口座の残高を示す。
【0051】
すなわち、図6においては、口座ID「AID#1」によって識別される口座の所有者の情報が「利用者U1」であり、口座残高が「7,800円」である例を示している。
【0052】
(送金履歴記憶部122について)
送金履歴記憶部122は、利用者や事業者の間の送金履歴に係る情報を記憶する。ここで、図7を用いて、送金履歴記憶部122が記憶する情報の一例を説明する。図7は、実施形態に係る送金履歴記憶部に記憶される情報の一例を示す図である。図7の例において、送金履歴記憶部122は、「送金処理ID」、「送金元利用者/事業者ID」、「送金先利用者/事業者ID」、「送金日時」、「送金額」という項目に係る情報を紐付けて記憶する。
【0053】
「送金処理ID」は、送金処理を識別する為の識別情報を示す。「送金元利用者/事業者ID」は、送金元となる利用者又は事業者を識別する為の識別情報を示す。「送金先利用者/事業者ID」は、送金先となる利用者又は事業者を識別する為の識別情報を示す。「送金日時」は、「送金処理ID」が示す送金処理が実行された日時を示す。「送金額」は、「送金処理ID」が示す送金処理おいて送金された金額を示す。
【0054】
すなわち、図7においては、送金処理ID「SM#U1-1」が示す送金処理において、送金元利用者/事業者ID「利用者U1」が示す利用者U1から、送金先利用者/事業者ID「事業者M1」が示す事業者M1に対して、送金日時「20XX年7月25日21時10分」に、送金額「12,121円」が送金されたことを示している。
【0055】
なお、送金履歴記憶部122に記憶される情報は、「送金処理ID」、「送金元利用者/事業者ID」、「送金先利用者/事業者ID」、「送金日時」、「送金額」という項目に係る情報に限定されるものではなく、その他の任意の送金履歴に関係する情報が記憶されてよい。
【0056】
(利用者情報記憶部123について)
利用者情報記憶部123は、利用者に関する情報を記憶する。ここで、図8を用いて、利用者情報記憶部123が記憶する情報の一例を説明する。図8は、実施形態に係る情報処理装置の利用者情報記憶部に記憶される情報の一例を示す図である。図8の例において、利用者情報記憶部123は、「利用者ID」、「生年月日」、「性別」、「位置情報」、「閲覧履歴」という項目に係る情報を紐付けて記憶する。
【0057】
「利用者ID」は、利用者を識別する識別子である。「生年月日」は、「利用者ID」に対応付けられた利用者の生年月日に関する情報である。「性別」は、「利用者ID」に対応付けられた利用者の性別に関する情報である。「位置情報」は、「利用者ID」に対応付けられた利用者の位置情報である。「閲覧履歴」は、「利用者ID」に対応付けられた利用者のコンテンツの閲覧履歴に関する情報である。
【0058】
すなわち、図8においては、利用者IDにより識別された「利用者U1」の生年月日が「生年月日#1」であり、性別が「女性」であり、位置情報が「位置情報#1」であり、閲覧履歴が「閲覧履歴#1」であることを示している。
【0059】
なお、利用者情報記憶部123に記憶される情報は、「利用者ID」、「生年月日」、「性別」、「位置情報」、「閲覧履歴」という項目に係る情報に限定されるものではなく、その他の任意の利用者に関係する情報が記憶されてよい。
【0060】
(制御部130について)
次に図4に戻って、制御部130について説明する。制御部130は、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等によって、情報処理装置100の記憶装置に記憶されている各種プログラムがRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部130は、例えば、ASIC(Application Specific Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現されてもよい。
【0061】
図4に示すように、制御部130は、受付部131と、送金処理部132と、解析部133と、決定部134と、配信部135と、を有する。
【0062】
(受付部131について)
受付部131は、利用者端末200から利用者が入力した送金指示を受け付ける。例えば、受付部131は、送金元となる利用者又は事業者を識別する「送金元利用者/事業者ID」と、送金先となる利用者又は事業者を識別する「送金先利用者/事業者ID」と、利用者又は事業者から入力された「送金額」とを示す送金指示を利用者端末200から受け付ける。
【0063】
なお、受付部131は、送金指示を事業者が所有する事業者端末から受け付けてもよい。例えば、受付部131は、利用者端末200に表示された利用者を識別するための利用者IDを、事業者端末(店舗端末)が読み取ることで送金指示が行われた場合、当該送金指示を事業者端末から受け付ける。
【0064】
(送金処理部132について)
送金処理部132は、受付部131が利用者又は事業者から送金指示を受け付けたら、送金指示に基づいて送金処理を実行する。すなわち、送金処理部132は送金元となる利用者の口座から、送金先となる利用者の口座に送金指示に示された送金額を送金する処理を行う。
【0065】
送金処理部132は、決済情報に含まれる「送金元利用者/事業者ID」、「送金先利用者/事業者ID」、「送金額」の情報に基づいて送金処理を実行する。例えば、「送金元利用者/事業者ID」が示す利用者が利用者U1であり、「送金先利用者/事業者ID」が示す利用者が利用者U2であり、「送金額」が示す送金額が3,000円であったとする。この場合、送金処理部132は、図6に示す利用者U1の口座ID「AID#1」の口座から、利用者U2の口座ID「AID#2」の口座に3,000円の電子マネーを移行させる処理を実行する。
【0066】
(解析部133について)
解析部133は、各種の情報を解析する。図4に示すように、解析部133は、送金履歴解析部1331を有する。
【0067】
送金履歴解析部1331は、送金履歴を解析してイベントの主催者を特定する。具体的な処理について述べると、送金履歴解析部1331は送金履歴記憶部122に記憶された送金履歴を解析して、所定の時間の間に複数の利用者から送金を受けた利用者が、送金を受けた所定の時間の後に受け取った送金額以上の金額の送金を行った利用者をイベントの主催者として特定する。例えば、送金履歴解析部1331は、次の2つの条件を満たす利用者をイベントの主催者と特定する。(条件1)所定の時間の間に複数の利用者から送金を受けている。(条件2)複数の利用者から送金を受けた後の所定の時間の間に、複数の利用者から受けた送金の金額の合計額以上の送金を行っている。ここで、所定の時間は任意に設定してよく、例えば、1日と設定してよい。送金履歴解析部1331の処理について、図2に示した具体例を用いて説明する。前述した通り、図2は、利用者間の送金履歴を整理した有向グラフを示す図である。図2においては利用者U2、U3、及びU4から利用者U1に送金が行われたことを示している。図2に示すように、利用者U1は利用者U2、U3、及びU4から1時間以内に送金を受けている。したがって、利用者U1は上記の(条件1)を満たす。そして、図2に示すように、利用者U1は利用者U2、U3、及びU4から送金を受けてから1日以内に利用者U2、U3、及びU4から受けた送金の合計額(12,000円)以上の金額を事業者M1に送金している。したがって、利用者U1の上記の(条件2)を満たす。この例の場合、利用者U1が(条件1)、及び(条件2)を満たすことから、送金履歴解析部1331は利用者U1をイベントの主催と特定する。
【0068】
また、送金履歴解析部1331は、送金履歴記憶部122に記憶された送金履歴に含まれる送金日時、及び送金額に基づいて、イベントの主催者を特定する。例えば、送金履歴解析部1331は、イベントの主催者の送金日時の条件として次の条件を設定する。(条件3)水曜日の18時から23時、金曜日の18時から23時、土曜日の18時から23時のいずれかの時間帯に送金したこと。情報処理装置100は、送金履歴を解析して送金日時の条件である(条件3)を満たす送金処理を実行した利用者を特定する。情報処理装置100は、送金額の条件として次の条件を設定する。(条件4)一度の送金額が10,000円以上であること。情報処理装置100は、送金履歴を解析して(条件3)を満たす利用者の送金処理の中から、(条件4)を満たす送金処理を実行した利用者を特定する。送金履歴解析部1331は、送金日時の条件である(条件3)と、送金額の条件である(条件4)の両方を満たす利用者を、イベントの主催者として特定する。ここで、送金日時の条件は、上記の(条件3)に限定するものではなく任意に設定してよい。また、送金額の条件についても、上記の(条件4)に限定するものではなく任意に設定してよい。
【0069】
送金履歴解析部1331は、送金履歴記憶部122に記憶された送金履歴に基づいて、送金元または送金先を示すノードと、送金内容を示すリンクとを有するグラフ情報を生成し、生成したグラフ情報に基づいて、イベントの主催者を特定する。例えば、図7に示す送金履歴記憶部122に記憶された送金履歴を送金履歴解析部1331が解析したとする。この場合、送金履歴解析部1331は、送金処理ID「SM#U1-1」が示す送金処理が、利用者U1から事業者M1に対する送金処理であることに基づいて、利用者U1と事業者M1をノードとして表示し、利用者U1から事業者M1に向かって伸びるリンクを表示する。送金履歴解析部1331は、同様に送金処理ID「SM#U2-1」が示す送金処理が利用者U2から利用者U1に対する送金処理であることに基づいて、利用者U2と利用者U1をノードとして表示し、利用者U2から利用者U1に向かって伸びるリンクを表示する。送金履歴解析部1331は、以降の送金処理ID「SM#U3-1」、及び「SM#U4-1」についても同様の処理を実行する。これらの処理を実行して生成されるグラフ情報が図2に示す有向グラフである。送金履歴解析部1331は、生成されたグラフ情報に基づいて、複数のリンクが集まった後に、他のノードに向かって伸びるリンクを有するノードとして表示された利用者をイベントの主催者と特定する。図2に示す有向グラフが生成された例の場合では、利用者U1をイベントの主催者と特定する。
【0070】
送金履歴解析部1331は、同一の利用者に対して送金された金額の差に基づいて、イベントに集まった利用者間の関係性をさらに推定する。例えば、送金履歴解析部1331は、送金履歴を解析してイベントの主催者を利用者U1と特定したとする。この場合、送金履歴解析部1331は、イベントの主催者と特定された利用者U1に送金した利用者の送金額を解析する。ここで、例えば、利用者U1に送金した利用者が、利用者U2、U3、及びU4であり、それぞれの利用者U1への累計の送金額が10,000円、3,000円、1,000円であったとする。送金履歴解析部1331は、イベントの主催者と特定された利用者U1に送金された累計の送金額に基づいて、利用者U1と利用者U2、U3、及びU4との関係性を推定する。例えば、送金履歴解析部1331は、イベントの主催者と特定された利用者U1への累計の送金額が多い利用者は利用者U1と信頼関係が強固であると推定する。前述の具体例の場合、送金履歴解析部1331は、利用者U1と利用者U2との信頼関係が最も強固であると推定する。なお、送金履歴解析部1331は、信頼関係が最も強固であると推定された利用者U1と利用者U2の事業者への累計の送金額を算出しても良い。信頼関係が最も強固であると推定された利用者U1と利用者U2の事業者への累計の送金額は、後述する配信部135が配信する特定情報の選択の処理に用いられる。
【0071】
(決定部134について)
決定部134は、特定情報を配信する利用者を決定する。決定部134は、送金履歴解析部1331が特定したイベントの主催者に特定情報を配信することを決定する。
【0072】
また、決定部134は、送金履歴解析部1331が特定したイベントの主催者に特定情報を配信することを決定することに加えて、送金履歴解析部1331が推定した利用者間の関係性に基づいて特定情報を配信する利用者を決定する。例えば、送金履歴解析部1331が利用者U1をイベントの主催者と特定し、利用者U1への累計の送金額が最大であった利用者U2を利用者U1との信頼関係が強固な関係性にあると推定したとする。この場合、送金履歴解析部1331は利用者U1と利用者U2に特定情報を配信することを決定する。
【0073】
(配信部135について)
配信部135は、決定部134が特定情報を配信することを決定した利用者の利用者端末200に特定情報を配信する。ここで特定情報とは、利用者に提供する情報であって、情報処理装置100の管理者が任意に配信する情報の種類を設定可能な情報である。特定情報は、例えば、クーポン、広告、ニュース、天気予報、乗換案内、株価/為替速報、コンテンツ、メッセージなどであってよい。
【0074】
配信部135は、決定部134がイベントの主催者に特定情報を配信することを決定した場合は、イベントの主催者と特定された利用者の利用者端末200に、例えばクーポンを配信する。
【0075】
配信部135は、利用者情報記憶部123に記憶された情報に基づいて、送金履歴解析部1331がイベントの主催者と特定した利用者、及びイベントの主催者に対して送金した利用者の共通項を特定し、特定情報として共通項に関係する情報を配信する。例えば、配信部135が、イベントの主催者と特定された利用者と、イベントの主催者に対して送金した利用者の共通項が同年代であることと特定したとする。この場合、配信部135は、決定部134が特定情報を配信することを決定した利用者の利用者端末200に、この年代が好みそうなコンテンツを特定情報として、配信する。
【0076】
配信部135は、送金履歴解析部1331が特定したイベントの主催者と強固な信頼関係を有する利用者の事業者への累計の送金額が多い利用者に対して、グレードが高いお店の広告を特定情報として配信する。例えば、送金履歴解析部1331により、利用者U1と利用者U2が強固な信頼関係を有すると推定され、利用者U2の方が事業者への累計の送金額が多いと算出されたとする。この場合、配信部135は、利用者U2の利用者端末200Bには、利用者U1の利用者端末200Aに配信する特定情報としての広告のお店よりも、グレードが高いお店の広告を特定情報として配信する。
【0077】
〔4.利用者端末の構成〕
次に、図5を用いて、実施形態に係る利用者端末200の構成について説明する。図5は、実施形態に係る利用者端末の構成例を示す図である。図5に示すように、利用者端末200は、通信部210と、入力部220と、出力部230と、制御部240と、記憶部250と、を有する。
【0078】
通信部210は、例えば、NIC等によって実現される。そして、通信部210は、ネットワークNと有線又は無線で接続され、ネットワークNを介して、情報処理装置100との間で各種の情報の送受信を行う。
【0079】
入力部220は、利用者から各種の操作情報が入力される。例えば、入力部220は、タッチパネルにより表示面(例えば出力部230)を介して利用者からの各種操作を受け付けてもよい。また、入力部220は、利用者端末200に設けられたボタンや、利用者端末200に接続されたキーボードやマウスからの各種操作を受け付けてもよい。
【0080】
出力部230は、例えば液晶ディスプレイや有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ等によって実現されるタブレット型端末等の表示画面であり、各種情報を表示するための表示装置である。つまり、利用者端末200は、出力部230である表示画面により利用者の入力を受け付け、利用者への出力も行う。
【0081】
制御部240は、例えば、CPUやMPU等によって、利用者端末200に記憶されている各種プログラムがRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部240は、例えば、ASICやFPGA等の集積回路により実現されてもよい。
【0082】
図5に示すように、制御部240は、受付部241と、提供部242と、を有する。
【0083】
受付部241は、利用者又は事業者から送金指示を受け付ける。送金指示は、「送金元利用者/事業者ID」、「送金先利用者/事業者ID」、「送金額」を含む情報である。例えば、利用者U1が利用者U2に3,000円を送金したいと考えた場合、利用者U1は利用者端末200に「送金元利用者/事業者ID」として利用者U1、「送金先利用者/事業者ID」として利用者U2、「送金額」として3,000円を送金指示として入力部220を介して入力し、受付部241は入力された送金指示を受け付ける。
【0084】
提供部242は、情報処理装置100の配信部135から配信された特定情報を、出力部230を介して利用者に提供する。例えば、情報処理装置100の配信部135が利用者端末200に配信した特定情報がクーポンであった場合、提供部242は出力部230にクーポンを表示させることで利用者に特定情報を提供する。
【0085】
記憶部250は、例えば、RAM、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、SSD、光ディスク等の記憶装置によって実現される。記憶部250は、利用者端末200で利用される各種の情報を記憶する。
【0086】
〔5.受付処理のフロー〕
次に、図9を用いて、実施形態に係る情報処理装置による情報処理の手順について説明する。図9は、実施形態に係る情報処理の一例を示すフローチャートである。例えば、情報処理装置100は、利用者が利用者端末200に入力した送金指示を受け付ける(ステップS101)。そして、情報処理装置100は受け付けた送金指示に基づいて送金処理を実行する(ステップS102)。なお、ここで、情報処理装置100は実行した送金処理を送金履歴として記憶する。そして、情報処理装置100は送金履歴を解析して、イベントの主催者を特定する(ステップS103)。そして、情報処理装置100はイベントの主催者に特定情報を配信する(ステップS104)。
【0087】
〔6.ハードウェア構成〕
また、上述した実施形態に係る情報処理装置100は、例えば図10に示すような構成のコンピュータ1000によって実現される。図10は、情報処理装置の機能を実現するコンピュータの一例を示すハードウェア構成図である。コンピュータ1000は、出力装置1010、入力装置1020と接続され、演算装置1030、一次記憶装置1040、二次記憶装置1050、出力IF(Interface)1060、入力IF1070、ネットワークIF1080がバス1090により接続された形態を有する。
【0088】
演算装置1030は、一次記憶装置1040や二次記憶装置1050に格納されたプログラムや入力装置1020から読み出したプログラム等に基づいて動作し、各種の処理を実行する。一次記憶装置1040は、RAM等、演算装置1030が各種の演算に用いるデータを一次的に記憶するメモリ装置である。また、二次記憶装置1050は、演算装置1030が各種の演算に用いるデータや、各種のデータベースが記憶される記憶装置であり、ROM(Read Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、フラッシュメモリ等により実現される。
【0089】
出力IF1060は、モニタやプリンタといった各種の情報を出力する出力装置1010に対し、出力対象となる情報を送信するためのインタフェースであり、例えば、USB(Universal Serial Bus)やDVI(Digital Visual Interface)、HDMI(登録商標)(High Definition Multimedia Interface)といった規格のコネクタにより実現される。また、入力IF1070は、マウス、キーボード、およびスキャナ等といった各種の入力装置1020から情報を受信するためのインタフェースであり、例えば、USB等により実現される。
【0090】
なお、入力装置1020は、例えば、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)等の光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)等の光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、または半導体メモリ等から情報を読み出す装置であってもよい。また、入力装置1020は、USBメモリ等の外付け記憶媒体であってもよい。
【0091】
ネットワークIF1080は、ネットワークNを介して他の機器からデータを受信して演算装置1030へ送り、また、ネットワークNを介して演算装置1030が生成したデータを他の機器へ送信する。
【0092】
演算装置1030は、出力IF1060や入力IF1070を介して、出力装置1010や入力装置1020の制御を行う。例えば、演算装置1030は、入力装置1020や二次記憶装置1050からプログラムを一次記憶装置1040上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。
【0093】
例えば、コンピュータ1000が情報処理装置100として機能する場合、コンピュータ1000の演算装置1030は、一次記憶装置1040上にロードされたプログラムを実行することにより、情報処理装置100の制御部130の機能を実現する。
【0094】
〔7.効果〕
本開示に係る情報処理装置100は、送金指示を受け付ける受付部131と、受付部131が受け付けた送金指示に基づく送金処理を記憶する送金履歴記憶部122と、送金履歴記憶部122に記憶された送金履歴を解析する送金履歴解析部1331と、特定情報を配信する利用者を決定する決定部134と、決定部134が決定した利用者の利用者端末200に特定情報を配信する配信部135と、を備え、送金履歴解析部1331は、送金履歴記憶部122に記憶された送金履歴を解析して、複数人の利用者が集まるイベントの主催者を特定し、決定部134は、送金履歴解析部1331が特定したイベントの主催者に特定情報を配信することを決定する。
【0095】
この構成によれば、多くの利用者との信頼関係を有しており、他の利用者への影響力も高いと考えられるイベントの主催者に特定情報を配信することができる。その為、特定情報の配信による効果を上げることができる情報処理装置100を提供することができる。
【0096】
また、本開示に係る情報処理装置100の送金履歴解析部1331は、所定の時間の間に複数の利用者から送金を受けた利用者が、送金を受けた所定の時間の後に受け取った送金額以上の金額の送金を行った利用者をイベントの主催者として特定する。
【0097】
この構成によれば、イベントの主催者を統一した基準に基づいて特定することができ、特定されたイベントの主催者に特定情報を配信することができる。その為、特定情報の配信による効果を上げることができる情報処理装置100を提供することができる。
【0098】
また、本開示に係る情報処理装置100の送金履歴解析部1331は、送金履歴に含まれる送金日時、及び送金額に基づいて、イベントの主催者を特定する。
【0099】
この構成によれば、イベントの主催者を統一した基準に基づいて特定することができ、特定されたイベントの主催者に特定情報を配信することができる。その為、特定情報の配信による効果を上げることができる情報処理装置100を提供することができる。
【0100】
また、本開示に係る情報処理装置100の送金履歴解析部1331は、送金履歴に基づいて、送金元または送金先を示すノードと、送金内容を示すリンクとを有するグラフ情報を生成し、生成したグラフ情報に基づいて、前記イベントの主催者を特定する。
【0101】
この構成によれば、イベントの主催者を統一した基準に基づいて特定することができ、特定されたイベントの主催者に特定情報を配信することができる。その為、特定情報の配信による効果を上げることができる情報処理装置100を提供することができる。
【0102】
また、本開示に係る情報処理装置100の配信部135が配信する特定情報がクーポンである。
【0103】
この構成によれば、特定情報としてクーポンを配信することができる。その為、特定情報の配信による効果を上げることができる情報処理装置100を提供することができる。
【0104】
また、本開示に係る情報処理装置100は、利用者に関する情報が記憶された利用者情報記憶部123と、を備え、配信部135は、利用者情報記憶部123に記憶された情報に基づいて、送金履歴解析部1331がイベントの主催者と特定した利用者、及びイベントの主催者に対して送金した利用者の共通項を特定し、特定情報として共通項に関係する情報を配信する。
【0105】
この構成によれば、イベントの主催者とイベントの主催者に対して送金した利用者の共通項に関係する情報を、イベントの主催者に対して配信することができる。その為、イベントの主催者と、イベントの主催者に対して送金した利用者との関係性を深めることに寄与することができる。したがって、特定情報の配信による効果を上げることができる情報処理装置100を提供することができる。
【0106】
また、本開示に係る情報処理装置100の送金履歴解析部1331は、同一の利用者に対して送金された金額の差に基づいて、イベントに集まった利用者間の関係性をさらに推定し、決定部134は、送金履歴解析部1331が特定したイベントの主催者に特定情報を配信することを決定することに加えて、送金履歴解析部1331が推定した利用者間の関係性に基づいて特定情報を配信する利用者を決定する。
【0107】
この構成によれば、イベントの主催者と特定された利用者と、強固な信頼関係を有すると推定された利用者に対しても特定情報を配信することができる。その為、特定情報の配信による効果を上げることができる情報処理装置を提供することができる。
【0108】
本開示に係る情報処理方法は、情報処理装置100が実行する情報処理方法であって、送金指示を受け付けるステップと、送金指示に基づいて送金処理を実行するステップと、送金処理の内容を送金履歴として記憶するステップと、送金履歴を解析してイベントの主催者を特定するステップと、特定されたイベントの主催者に特定情報を配信するステップと、を含む。
【0109】
この構成によれば、多くの利用者との信頼関係を有しており、他の利用者への影響力も高いと考えられるイベントの主催者に特定情報を配信することができる。その為、特定情報の配信による効果を上げることができる情報処理方法を提供することができる。
【0110】
本開示に係る情報処理プログラムは、送金指示を受け付けるステップと、送金指示に基づいて送金処理を実行するステップと、送金処理の内容を送金履歴として記憶するステップと、送金履歴を解析してイベントの主催者を特定するステップと、特定されたイベントの主催者に特定情報を配信するステップと、をコンピュータに実行させる。
【0111】
この構成によれば、多くの利用者との信頼関係を有しており、他の利用者への影響力も高いと考えられるイベントの主催者に特定情報を配信することができる。その為、特定情報の配信による効果を上げることができる情報処理プログラムを提供することができる。
【0112】
以上、本願の実施形態を図面に基づいて詳細に説明したが、これは例示であり、発明の開示の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
【0113】
また、上述してきた「部(section、module、unit)」は、「手段」や「回路」などに読み替えることができる。例えば、受付部131は、受付手段や受付回路に読み替えることができる。
【符号の説明】
【0114】
100 情報処理装置
110 通信部
120 記憶部
121 口座データベース
122 送金履歴記憶部
123 利用者情報記憶部
130 制御部
131 受付部
132 送金処理部
133 解析部
1331 送金履歴解析部
134 決定部
135 配信部
200 利用者端末
N ネットワーク
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10