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特許7322152エアロゾル発生材からなるストランドを搬送するためのコンベアおよび方法、エアロゾル発生材からなるロッドの製造装置および方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-28
(45)【発行日】2023-08-07
(54)【発明の名称】エアロゾル発生材からなるストランドを搬送するためのコンベアおよび方法、エアロゾル発生材からなるロッドの製造装置および方法
(51)【国際特許分類】
   A24B 3/14 20060101AFI20230731BHJP
   A24C 5/01 20200101ALI20230731BHJP
   A24C 5/18 20060101ALI20230731BHJP
【FI】
A24B3/14
A24C5/01
A24C5/18
【請求項の数】 28
(21)【出願番号】P 2021538326
(86)(22)【出願日】2019-12-11
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-02-28
(86)【国際出願番号】 GB2019053501
(87)【国際公開番号】W WO2020141297
(87)【国際公開日】2020-07-09
【審査請求日】2021-06-29
(31)【優先権主張番号】1900139.5
(32)【優先日】2019-01-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】500252844
【氏名又は名称】ブリティッシュ アメリカン タバコ (インヴェストメンツ) リミテッド
【氏名又は名称原語表記】BRITISH AMERICAN TOBACCO (INVESTMENTS) LIMITED
(74)【代理人】
【識別番号】100183782
【弁理士】
【氏名又は名称】轟木 哲
(72)【発明者】
【氏名】ウィッフェン、サム
(72)【発明者】
【氏名】ブレイ、アンドリュー ジョナサン
【審査官】吉澤 伸幸
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/211116(WO,A1)
【文献】国際公開第2018/229087(WO,A1)
【文献】特開昭51-012999(JP,A)
【文献】英国特許出願公告第01279724(GB,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24B 3/14
A24C 5/01
A24C 5/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル発生材からなるロッドを作製するための装置であって、該装置はエアロゾル発生材のウェブをエアロゾル発生材からなる複数のストランドに細長く切断するために配置されたスリットユニットと、このスリットユニットから受け取ったエアロゾル発生材からなるストランドを搬送するために配置されたコンベアとを含み、
該コンベアは、
複数の開口部を含む搬送面であって、その上を前記エアロゾル発生材からなるストランドが搬送される搬送面と、
該搬送面と前記エアロゾル発生材からなるストランドの間にエアークッションを供するために搬送面の前記複数の開口部を介して空気流を発生させるための空気流発生器とを含む、装置。
【請求項2】
前記コンベアは前記エアロゾル発生材からなるストランドが前記搬送面上で搬送される際に該エアロゾル発生材からなるストランドを1つにまとめるために配置されたガイドをさらに含むことを特徴とする請求項1記載の装置。
【請求項3】
前記ガイドは前記エアロゾル発生材からなるストランドが前記搬送面上で搬送される際に該エアロゾル発生材からなるストランドを1つにまとめるために互いに対して角度が付けられた一組のレールを含むことを特徴とする請求項2記載の装置。
【請求項4】
前記一組のレールの各レールは前記エアロゾル発生材からなるストランドと係合するガイド面を含むことを特徴とする請求項3記載の装置。
【請求項5】
前記各レールの前記ガイド面は平坦な面を含むことを特徴とする請求項4記載の装置。
【請求項6】
前記各レールの前記ガイド面は、前記一組のレールが溝を画定し、それを通ってエアロゾル発生材からなるストランドが搬送されるように湾曲した面を含むことを特徴とする請求項4記載の装置。
【請求項7】
前記各レールの前記ガイド面は前記搬送面の上流端に平坦な面そして前記搬送面の下流端に湾曲した面を含むことを特徴とする請求項4記載の装置。
【請求項8】
前記一組のレールの前記湾曲面はエアロゾル発生材からなるストランドが搬送される湾曲した溝を画定することを特徴とする請求項7記載の装置。
【請求項9】
前記搬送面は静止した面であることを特徴とする請求項1乃至8いずれか1項記載の装置。
【請求項10】
前記コンベアは前記搬送面を画定する上面を有する箱を含み、この箱は空気流用チェンバーを画定することを特徴とする請求項9記載の装置。
【請求項11】
前記コンベアはベルトコンベアをさらに含み、前記搬送面は該ベルトコンベアの面であることを特徴とする請求項1乃至8いずれか1項記載の装置。
【請求項12】
前記コンベアは一組のローラーと、該一組のローラー上で駆動可能である穴あきベルトとを含み、該穴あきベルトは複数の開口部と前記搬送面とを含むことを特徴とする請求項11記載の装置。
【請求項13】
間を前記エアロゾル発生材からなるストランドが通過する一組の形成ローラーをさらに含むことを特徴とする請求項1乃至12いずれか1項記載の装置。
【請求項14】
前記形成ローラーは凹形の形成面を含むことを特徴とする請求項13記載の装置。
【請求項15】
前記形成ローラーは前記コンベアの下流端に配置されていることを特徴とする請求項13または14記載の装置。
【請求項16】
前記コンベアは前記スリットユニットから直接前記エアロゾル発生材からなるストランドを受け取るために配置されていることを特徴とする請求項1乃至15いずれか1項記載の装置。
【請求項17】
前記コンベアから前記エアロゾル発生材からなるストランドを受け取るために配置された吸引コンベアをさらに含むことを特徴とする請求項1乃至16いずれか1項記載の装置。
【請求項18】
前記吸引コンベアは上部走路と下部走路を有する吸引ベルトを含み、該吸引ベルトはその下部走路上の前記エアロゾル発生材からなるストランドを搬送するために配置されていることを特徴とする請求項17記載の装置。
【請求項19】
前記エアロゾル発生材からなるストランドにラッパーを巻いてエアロゾル発生材からなるロッドを形成するように構成されたガーニチャーをさらに含むことを特徴とする請求項17または18記載の装置。
【請求項20】
前記ガーニチャーは前記吸引コンベア上に配置されていることを特徴とする請求項19記載の装置。
【請求項21】
前記エアロゾル発生材からなるロッドをエアロゾル発生材からなる個別のロッドに切断するために配置された切断ユニットをさらに含むことを特徴とする請求項19または20記載の装置。
【請求項22】
エアロゾル発生材からなるロッドの製造方法であって、該方法は、
エアロゾル発生材のウェブをスリットユニットで複数のエアロゾル発生材からなるストランドに細長く切断することと、
コンベアの複数の穴を含む搬送面上で前記エアロゾル発生材からなるストランドを搬送することと、
前記搬送面の前記複数の穴を介して空気流を発生させ、前記搬送面と前記エアロゾル発生材からなるストランドの間にエアークッションを供することとを含む、方法。
【請求項23】
前記エアロゾル発生材からなるストランドが前記搬送面上で搬送される際に該エアロゾル発生材からなるストランドを1つにまとめることをさらに含むことを特徴とする請求項22記載の方法。
【請求項24】
前記エアロゾル発生材からなるストランドが前記搬送面上にわたって搬送される際に該エアロゾル発生材からなるストランドを1つにまとめることをさらに含むことを特徴とする請求項22または23記載の方法。
【請求項25】
前記1つにまとめられたエアロゾル発生材からなるストランドを包んでエアロゾル発生材からなるロッドを形成することをさらに含むことを特徴とする請求項24記載の方法。
【請求項26】
前記エアロゾル発生材からなるロッドをエアロゾル発生材からなる個別のロッドに切断することをさらに含むことを特徴とする請求項25記載の方法。
【請求項27】
前記エアロゾル発生材はタバコを含むことを特徴とする請求項22乃至26いずれか1項記載の方法。
【請求項28】
前記エアロゾル発生材は再生タバコを含むことを特徴とする請求項27記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はエアロゾル発生材からなるストランドを搬送することおよびエアロゾル発生材からなるロッドを製造することに関する。
【背景技術】
【0002】
紙巻きタバコ製造の従来の方法では、タバコ葉が刻みくずタバコとも言われる短く細かい片に刻まれる。刻まれたタバコは次にシガレットペーパーの連続したウェブ上に巻かれる。紙巻きタバコ製造機としても知られている機械がペーパーを刻みタバコの周囲で畳んで連続したロッドを形成する。ロッドは所望の長さのセグメントに切断される。フィルターが各タバコロッドに加えられ、紙巻きタバコが製せられる。
【0003】
紙巻きタバコ、シガーなどの喫煙品は使用時にタバコを燃やし、煙を発生させる。燃焼させずにタバコまたは他の材料から化合物を発生させる製品を創ることでこれら喫煙品に代わる物を提供する試みがなされてきた。そのような製品としては、「非燃焼加熱」製品またはタバコ加熱装置または製品またはエアロゾル発生装置または製品があり、これらはタバコなどの材料を燃やさずに熱することで化合物を放出する。
【発明の概要】
【0004】
本発明の第1の態様ではエアロゾル発生材からなるストランドを搬送するためのコンベアが提供され、このコンベアは、
複数の開口部を含む搬送面であって、その上をエアロゾル発生材からなるストランドが搬送される搬送面と、
搬送面とエアロゾル発生材からなるストランドの間にエアークッションを供するために搬送面の複数の開口部を介して空気流を発生させるための空気流発生器とを含む。
【0005】
請求項1のコンベアは、エアロゾル発生材からなるストランドが搬送面上で搬送される際にエアロゾル発生材のストランドを1つにまとめるために配されたガイドをさらに含んでもよい。
【0006】
ガイドは、エアロゾル発生材からなるストランドが搬送面上で搬送される際にエアロゾル発生材のストランドを1つにまとめるために互いに対して角度が付けられた一組のレールを含んでもよい。
【0007】
一組のレールのそれぞれはエアロゾル発生材からなるストランドと係合するガイド面を含む。
【0008】
各レールのガイド面は平坦な面を含んでもよい。
【0009】
各レールのガイド面は、一組のレールが溝を画定し、それを通ってエアロゾル発生材からなるストランドが搬送されるように湾曲した面を含んでもよい。
【0010】
各レールのガイド面はガイド面の上流端に平坦な面そしてガイド面の下流端に湾曲した面を含んでもよい。
【0011】
一組のレールの湾曲面はエアロゾル発生材からなるストランドが搬送される湾曲した溝を画定してもよい。
【0012】
搬送面は静止した面であってもよい。
【0013】
コンベアは搬送面を画定する上面を有する箱を含んでもよく、この箱は空気流用チェンバーを画定する。
【0014】
コンベアはベルトコンベアをさらに含んでもよく、搬送面はベルトコンベアの面である。
【0015】
コンベアは一組のローラーと、ローラー上で駆動可能である穴あきベルトとを含んでもよく、穴あきベルトは複数の開口部とその搬送面とを含む。
【0016】
コンベアは、間をエアロゾル発生材からなるストランドが通過する一組の形成ローラーをさらに含んでもよい。
【0017】
形成ローラーは凹形の形成面を含んでもよい。
【0018】
形成ローラーはコンベアの下流端に配置されてもよい。
【0019】
エアロゾル発生材はタバコを含んでもよい。
【0020】
エアロゾル発生材は再生タバコを含んでもよい。
【0021】
本発明の別の態様ではエアロゾル発生材からなるロッドを作製するための装置が提供され、該装置はエアロゾル発生材のウェブをエアロゾル発生材からなる複数のストランドに細長く切断するために配置されたスリットユニットと、このスリットユニットからエアロゾル発生材からなるストランドを収容するために配置された請求項1乃至17いずれか1項記載のコンベアとを含む。
【0022】
コンベアはスリットユニットから直接エアロゾル発生材からなるストランドを受け取るために配置されてもよい。
【0023】
本発明の装置はコンベアからエアロゾル発生材からなるストランドを受け取るために配置された吸引コンベアをさらに含んでもよい。
【0024】
吸引コンベアは、上部走路と下部走路を有する吸引ベルトを含んでもよく、吸引ベルトは、その下部走路上のエアロゾル発生材からなるストランドを搬送するために配置されている。
【0025】
本発明の装置はエアロゾル発生材からなるストランドにラッパーを巻いてエアロゾル発生材のロッドを形成するように構成されたガーニチャーを含んでもよい。
【0026】
ガーニチャーは吸引コンベア上に配置されてもよい。
【0027】
本発明の装置はエアロゾル発生材のロッドをエアロゾル発生材の個別のロッドに切断するために配置された切断ユニットを含んでもよい。
【0028】
エアロゾル発生材はタバコを含んでもよい。
【0029】
エアロゾル発生材は再生タバコを含んでもよい。
【0030】
本発明の別の態様ではエアロゾル発生材からなるストランドの搬送方法が提供され、この方法は、
複数の穴を含む搬送面でエアロゾル発生材からなるストランドを搬送することと、
搬送面の複数の穴を介して空気流を発生させ、搬送面とエアロゾル発生材からなるストランドの間にエアークッションを供することとを含む。
【0031】
本発明の方法はエアロゾル発生材からなるストランドが搬送面上で搬送される際にエアロゾル発生材からなるストランドを1つにまとめることをさらに含んでもよい。
【0032】
本発明の別の態様ではエアロゾル発生材のロッドの製造方法が提供され、この方法は、
エアロゾル発生材のウェブを複数のエアロゾル発生材からなるストランドに細長く切断することと、
本発明の方法によりエアロゾル発生材からなるストランドを搬送することとを含む。
【0033】
本発明の方法はエアロゾル発生材からなるストランドが搬送面上を搬送される際にエアロゾル発生材からなるストランドを1つにまとめることをさらに含んでもよい。
【0034】
本発明の方法は1つにまとめられたエアロゾル発生材からなるストランドを包んでエアロゾル発生材のロッドを形成することをさらに含んでもよい。
【0035】
本発明の方法はエアロゾル発生材のロッドをエアロゾル発生材の個別のロッドに切断することさらに含む。
【0036】
エアロゾル発生材はタバコを含んでもよい。
【0037】
エアロゾル発生材は再生タバコを含んでもよい。
【0038】
添付図面を参照し、あくまで例示を目的としていくつかの実施態様を説明する。:
【図面の簡単な説明】
【0039】
図1A】タバコロッドセグメントとエアロゾル発生装置、特に加熱ブレードの一部を示す。
図1B】タバコロッドセグメントとエアロゾル発生装置、特に加熱ブレードの一部を示す。
図2】タバコロッドセグメントを製造するための装置の略図である。
図3図2の装置のコンベアの一部を示している。
図4】ガイドを含む図2の装置のコンベアの一例を示している。
図5A図4のガイドの種々の例を示している。
図5B図4のガイドの種々の例を示している。
図5C図4のガイドの種々の例を示している。
図5D図4のガイドの種々の例を示している。
図6図2の装置のコンベア用のガイドの例を示している。
図7A図2の装置用の別のコンベアを示している。
図7B図2の装置用の別のコンベアを示している。および,
図8A】一対の形成ローラーと図2の装置のコンベアを示している。
図8B】一対の形成ローラーと図2の装置のコンベアを示している。
【発明を実施するための形態】
【0040】
本明細書で説明する装置はエアロゾル発生材からなるロッドを製造するためのものである。いくつかの例ではエアロゾル発生材からなるロッドは図1Aおよび1Bに示すようにタバコロッドセグメント1である。タバコロッドセグメント1はタバコロッドセグメント1のタバコロッド3に沿って長手方向に延びている複数のタバコストランド2で形成されている。またタバコロッドセグメント1はタバコロッド3を囲むラッパー4を含む。
【0041】
タバコストランド2は、好ましくはタバコ材のシート、例えば再生タバコのシートから形成される。再生タバコのシートは、タバコロッド3内に組み込むための複数のタバコストランド2に細長く切断することができる。再生タバコシートは、例えば製紙工程、バンド・キャスティングまたは押し出しによって製造してもよい。例えば、再生タバコシートは紙再生タバコであってもよい。紙再生タバコとは、タバコ原料が可溶分の抽出物と繊維材を含む残渣となるように溶媒で抽出され、次に抽出物(通常濃縮した後、そして任意にさらなる処理をした後)を残渣からの繊維材(通常、繊維材から不純物の除いた後、そして任意に非タバコ繊維を僅かに加えて)と抽出物を繊維材に堆積させることによって再結合する工程によって形成されるタバコ材を意味する。再結合工程は製紙工程に似ている。原料はタバコ条片、タバコ葉柄および/または全葉タバコの内の1つ以上を含んでもよいまたは1つ以上からなってもよい。くず、微粉およびもみ殻を代わりにまたは追加で原料に採用してもよい。当然のことながらどんな方法で形成された再生タバコシートでも使用可能である。再生タバコシートは展性がある。
【0042】
図1Aおよび1Bを参照するとタバコロッド3のタバコストランド2はタバコロッド3の長さ方向に延び、複数のストランド2のそれぞれは実質的に非コイル状である。複数のタバコストランド2は実質的に互いに平行であり、実質的に直線状であり、それぞれ実質的にタバコロッドセグメント1の全長に沿って延びている。
【0043】
タバコストランド2を囲むラッパー4は、好ましくは紙からなる。ラッパーは、例えば紙およびアルミ箔の一方または両方、例えば紙とアルミ箔の積層体を含んでもよい。ラッパー4はラッパー4をタバコロッド3の周りに固定するのり付けされた継ぎ目を有してもよい。
【0044】
以下にさらに詳しく説明するようにタバコロッドセグメント1の製造工程は、再生タバコシートを細長く切断してタバコストランド2にすること、タバコストランド2を1つにまとめること、タバコストランド2をラッパー4に包んで再生タバコロッドを形成すること、次に連続したタバコロッドを切断して個別のタバコロッドセグメント1にすることを含んでもよい。タバコストランド2を1つにまとめる工程はコンベア上で行われ、そのようなコンベアについて以下に詳しく説明する。
【0045】
タバコストランド2を加熱することでユーザーが吸引するエアロゾルを放出することができる。タバコロッドセグメント1は、加熱ブレード5を含むエアロゾル発生装置と使用することができる。加熱ブレード5は、図1Aおよび1Bに示すようにタバコストランド2の間でタバコロッドセグメント1の端部6内に挿入される。
【0046】
タバコストランド2を製するために使用される再生タバコシートはグリセリンを含んでもよい。例えば、再生タバコシートをグリセリンに浸すまたはグリセリンと形成してもよい。加熱されると、グリセリンが揮発しエアロゾルを形成し、これによりタバコロッドセグメント1が共に使用されるエアロゾル発生装置またはあらゆる好適な「非燃焼加熱」装置のユーザーの感覚を向上させてもよい。
【0047】
ブレードヒーター5はその幅または長さより著しく薄い長尺の直方体の形を取ってもよい。ブレードヒーター5の幅はタバコロッドセグメント1の外径より小さい。ブレードヒーター5は携帯エアロゾル発生装置(図示せず)のバッテリー(図示せず)によって給電され、加熱するためにユーザーによって調整される抵抗性ヒーターを含んでもよい。一部の例ではブレードヒーター5はタバコロッドセグメント1内にブレードヒーター5を挿入しやすくする尖った端部(図示せず)を有してもよい。
【0048】
ブレードヒーター5は、ブレードヒーター5が図1Bに示すようにタバコロッドセグメント1内に長手方向に延びるようにタバコロッドセグメント1内に挿入してもよく、あるいは同じようにタバコロッドセグメント1をブレードヒーター5上に押しつけてもよい。
【0049】
タバコロッドセグメント1の実質的に非コイル状の長手方向に延びた複数のタバコストランド2によってブレードヒーター5を簡単にタバコロッドセグメント1内に挿入することができる。なぜなら非コイル状のタバコストランド2はブレードヒーター5の長手方向の挿入に対して相対的に抵抗が少ないからである。これは一般的なエアロゾル発生装置(図示せず)の消耗品であるタバコロッドセグメント1をブレードヒーター5に挿入または配置する際に便利である。これはブレードヒーター5の挿入時のタバコロッドセグメント1への損傷を軽減し、ブレードヒーター5に対するタバコロッドセグメント1を一定にかつ正しく配置することを可能にする。例えばこれはコイル状、例えば螺旋構造に配された長手方向に延びたストランドを含む仮想のタバコロッドセグメントと対比され、この場合、ブレードヒーターの挿入は挿入経路を横切るストランドによって制限され、ブレードヒーターはタバコの部分を変形、圧縮し、これは仮想タバコロッドセグメントの配置を比較的困難かつ不確実にし、仮想タバコロッドセグメントの損傷のリスクを大きくすることになる。
【0050】
タバコロッドセグメント1の互いに平行でおよび/または真っ直ぐな複数の長手方向に延びたタバコストランド2は、同様にブレードヒーター5がタバコロッドセグメント1内に挿入されやすくする。この場合ブレードヒーター5の挿入軸は長手方向に延びたストランド2のそれぞれの軸に対して平行であり、タバコの小さい表面積だけがブレードヒーター5が挿入される際にブレードヒーター5の先行縁部に当たる。上述したのと同様にこれはタバコロッドセグメント1の設置または交換に便利であり、および/またはタバコロッドセグメント1の損傷を軽減し、および/またはブレードヒーター5に対してタバコロッドセグメント1を一定にかつ正しく設置できるようにする。これは、例えば刻みくずタバコのランダムに配向された片を含むまたは縮れたまたはしわの寄ったタバコのシートを含む仮想のタバコストランドとは対照的であり、この場合、ブレードヒーターの挿入によって刻みくずタバコまたは縮れたまたはしわの寄ったタバコのシートのいつかの部分を変形、圧縮し、これは仮想タバコロッドセグメントの設置を相対的に難しくし、かつ設置に一貫性がなくなり、仮想タバコロッドセグメントの損傷のリスクを増大させる結果になる。
【0051】
タバコロッドセグメント1が全体的なエアロゾル発生装置(図示せず)のブレードヒーター5に挿入されると、ブレードヒーター5は熱くなるように(例えばブレードヒーターの抵抗性加熱内部を介して)調整され、これによりタバコストランド2を燃やさずに加熱する。これによりタバコストランド2から成分、例えば揮発成分を放出させる。上述したようにタバコストランド2は、エアロゾルを形成するためにブレードヒーター5によって加熱された際に揮発するグリセリンを含んでもよい。
【0052】
タバコロッドセグメント1の実質的に非コイル状の長手方向に延びた複数のタバコストランド2は、複数のタバコストランド2の間にタバコロッドセグメント1を通る対応する実質的に非コイル状の長手方向に延びた通路7を構築する。これらの経路7は、加熱時にタバコストランド2から揮発材料(例えば、タバコ自体または揮発したグリセリンまたはその両方の揮発成分)をタバコロッドセグメント1を通して移行させやすくする。これはそのような材料がタバコロッドセグメント1を通過する際にその材料の損失を小さくし、例えば比較的短く遮るものがない経路は揮発材がタバコロッドセグメント1のいくつかの箇所に戻って凝集することを軽減する。このことは、例えば仮想タバコロッドを出るための揮発した材料用の経路の長さが比較的長いランダムに配向された刻みくずタバコの片(標準的な紙巻きタバコに入っているような)を含む仮想タバコロッドセグメントとは対照的である。またこのことは仮想タバコロッドを出るための揮発した材料用の経路の長さが比較的長い複数のコイル状の長手方向に延びたストランドを含む仮想タバコロッドセグメントとは対照的である。
【0053】
上述のようにラッパーは、例えば紙およびアルミ箔の一方または両方、例えば紙とアルミ箔の積層体を含んでもよい。紙とアルミ箔の積層体はタバコロッドセグメント1がブレードヒーター5によって着火されるのを妨げるのに役立つ。アルミ箔は、タバコロッドセグメント1が加熱装置に使用することが意図されている場合に従来の紙巻きタバコのように消費者がタバコロッドセグメント1を着火しないようにするのに役立つ。
【0054】
複数のタバコストランド2のそれぞれは、実質的に0.25mm~3mmの範囲または実質的に0.5mm~1.5mmの範囲の幅を有する。タバコロッドセグメント1は、実質的に5.4mm~7.8mmの範囲または実質的に6.7mm~7.8mmの範囲の外径を有する。これにより比較的大きなブレードヒーター5を使用することができ、よってブレードヒーター5の加熱表面積を大きくすることができ、ブレードヒーター5によってタバコストランド2が加熱される割合および/または加熱されるタバコストランド2の量が大きくなる。
【0055】
図2はエアロゾル発生材からなるロッド、特に図1Aおよび1Bを参照して説明したタバコロッドセグメント1を製造するための装置8を模式的に示している。
【0056】
タバコストランド2を製造するために使用される再生タバコシートがリール10として装置8に供される。装置8は再生タバコのリール10を収容するためのリールサポート9を含む。再生タバコのリール10はタバコウェブ11を供するためにほどかれる。リールサポート9はスピンドル12を含み、そこに再生タバコのリール10が支持されている。リールサポート9は好ましくはタバコウェブ11を装置8内に送るためにスピンドル12を回転させる駆動部、例えばモーターを含む。これとは別にまたはこれに加えて駆動ローラーがリール10の外面と係合してリール10を回転させ、これにより装置8にタバコウェブ11を供給する。これとは別にスピンドル12は、タバコウェブ11が再生タバコのリール10から離れるようにタバコウェブ11を引っ張ることによってほどかれるように自由に回転可能であってもよい。タバコウェブ11はリールサポート9の下流に位置する装置8の一部によって引っ張ることができる。スピンドル12はタバコウェブ11に張力を発生させるおよび/またはその張力を調整するためにブレーキをかけてもよい。
【0057】
タバコウェブ11の寸法は従来の寸法である。例えば、リール10から供給されるタバコウェブ11の幅と厚さは一定であり、従来の幅と厚さである。例えば、タバコウェブ11は所定かつ一定の単位長さ当たりの質量のものであってもよい。これにより製造されるタバコロッドセグメント1は単位長さ当たりの重量が確実に一定になる。従って、従来の(そして一定の)の寸法のタバコウェブ11を使用することによってタバコロッドまたはタバコロッドセグメント1を秤量するための秤量システムを必要とせず、得られるタバコロッドセグメント1の重量を制御することができる。
【0058】
タバコウェブ11はタバコウェブ11を複数のタバコストランド14に細長く切断するスリットユニット13内に供給される。スリットユニット13はタバコウェブ11長手方向に細長く切断して長手方向に延びたタバコストランド14を製する。
【0059】
1つの例ではスリットユニット13は切断ローラー15とアンビルローラー16とを含む。切断ローラー15はタバコウェブ11が切断ローラー15とアンビルローラー16の間を通過する際にタバコウェブ11を切断する円周方向に延びた切断ブレードの列を含む。これとは別にスリットユニット13は第1の切断ローラー15と第2の切断ローラー17を含んでもよく、それぞれがタバコウェブ11を細長く切るために協働する円周方向に延びた切断ブレードの列を有する。例えば、第1の切断ローラー15の円周方向に延びた切断ブレードは、第2の切断ローラー17の円周方向に延びた切断ブレードと密接に重なり、タバコウェブ11をタバコストランド14にせん断する。
【0060】
該または各切断ローラー15、17の円周方向に延びた切断ブレードの列によってタバコストランド14の数とタバコストランド14の大きさが決まる。タバコストランド14の幅はすべて等しいことが好ましい。該または各切断ローラー15、17の円周方向に延びた切断ブレードの列は、各タバコストランド14の幅が実質的に0.25mm~3mmの範囲または実質的に0.5mm~1.5mmの範囲になるように配置される。これは、例えば円周方向に延びた切断ブレードが実質的に0.25mm~3mmまたは実質的に0.5mm~1.5mm離されていることに対応する。
【0061】
切断ローラー15とアンビルローラー16の間または第1の切断ローラー15と第2の切断ローラー17の間の距離は固定してもよい。これとは別に切断ローラー15とアンビルローラー16の一方または第1の切断ローラー15と第2の切断ローラー17の一方は、スライド式に取り付けてもよく、アクチュエーターを配置して切断ローラー15とアンビルローラー16の間または第1の切断ローラー15と第2の切断ローラー17の間に水圧または空気圧をかけてもよい。
【0062】
スリットユニット13から出ると、タバコストランド14が図3~7を参照してより詳しく説明されるコンベア18上に送られる。コンベア18はタバコストランド14を搬送するように構成されている。好ましくはタバコストランド14は、それらがさらに以下に説明するようにコンベア18に沿って搬送される際に1つにまとめられる。
【0063】
コンベア18から出ると1つにまとめられたタバコストランド14は、図2に示す吸引コンベア19に送られる。吸引コンベア19は吸引バンド20を含む。吸引バンド20は上方走路21と下方走路22に沿って移動する。吸引チェンバー23が上方走路21と下方走路22の間に設けられており、吸引チェンバー23にかけられる吸引力が吸引バンド20に形成された吸引孔を介して作用する。吸引力は、吸引チェンバー23は上方走路21に対して閉じているので下方走路22上だけの吸引バンド20の吸引孔を介して作用する。
【0064】
吸引コンベア19は吸引バンド20の下方走路22でタバコストランド14を保持するために配置されている。吸引コンベア19は図示のようにガーニチャー24を介してタバコストランド14を搬送する。
【0065】
ラッパーウェブ25がラッパーリールサポート27で支持されたラッパーのリール26からガーニチャー24内に投入される。
【0066】
ガーニチャー24はタバコストランド14とラッパーウェブ25を受け取り、タバコストランド14とラッパーウェブ25が吸引コンベア19に沿って搬送される際にガーニチャー24はラッパーウェブ25をタバコストランド14に巻く。接着剤ユニットがラッパーウェブ25の一縁部に沿って接着剤を塗布し、ラッパーウェブ25の一縁部をもう一方の縁部に接合する長手方向の継ぎ目を形成するために配置されている。このようにして連続したタバコロッド28が製せられる。連続したタバコロッド28はラッパーによって囲まれた一群の長手方向に延びたタバコストランド14を有する。
【0067】
吸引コンベア19とガーニチャー24は紙巻きタバコに使用するためのタバコロッドの製造に使用される装置に類似しており、従って、当業者は吸引コンベア19とガーニチャー24の詳細を知っているので、さらなる説明は省略する。
【0068】
切断ユニット29が吸引コンベア19とガーニチャー24の下流に配置されており、連続したタバコロッド28を個々のタバコロッドセグメント1に切断し、各タバコロッドセグメント1は図1Aおよび1Bを参照して説明したようなものである。
【0069】
一部の例では切断ユニット29は連続したタバコロッド28を2本分の長さの個別のタバコロッド1、即ち端部同士がつながった2つの個別のタバコロッド1に切断する。例えば、2本分の長さの個別のタバコロッド1は、次に後続の装置へと送られ、そこでその2本分の長さの個別のタバコロッド1は他の部材、例えばフィルターおよび/またはマウスピースと組み合わされる。後続の装置は2本分の長さの個別のタバコロッド1を図1Aおよび1Bを参照して説明したような1本分の長さの個別のタバコロッド1に切断する。
【0070】
これとは別にまたはこれに加えて個別のタバコロッドセグメント1は、タバコロッドセグメント1を販売、流通および/または貯蔵のために梱包する梱包装置へと外部に搬送される。
【0071】
図2に示すように一部の例では第2のリールサポート30が再生タバコの第2のリール31を支持するために設けられている。第2のリールサポート30は上述のリールサポート9に似ているまたは同一である。再生タバコの第2のリール31は装置8内に第2のタバコウェブ32を設けるために配置されており、タバコウェブ11と第2のタバコウェブ32は互いに重なるように配置される。このようにして装置8には二重の厚みのタバコウェブが設けられ、これによりスリットユニット13から出る際に高密度のタバコストランド14が供される。この構成は個々のタバコストランド12が2倍の数のタバコストランド14を有するように各タバコロッドセグメント1に供される際に特に薄いまたは低密度であることが望ましい場合に好ましい。さらにタバコストランド14が同じ数の場合、タバコウェブ11と第2のタバコウェブ32を合わせた幅が同じ厚さの単独のタバコウェブ11の幅より小さくなる。従って、重なったタバコウェブ11、32から製せられるタバコストランド14は、タバコロッド3内に1つにまとめられるための横方向に移動が少なくなり、これは好ましい。
【0072】
さらに第2のタバコウェブ32を設けることはタバコロッドセグメント1に2つの異なる種類のタバコストランド14を設けることが可能になることを意味する。例えば、1種類(例えばタバコウェブ11)が高グリセリン含有量であってかなりのエアロゾルまたは蒸気を発生でき、もう一方の種類(例えば第2のタバコウェブ32)はエアロゾルまたは蒸気と送出される風味剤を含んでもよい。このようにして異なるタバコロッドセグメント1を異なるリールを組み合わせて作製できる。
【0073】
図3図2を参照して説明したコンベア18の一部を示している。コンベア18はスリットユニット13から出るとタバコストランド14を受け取り、タバコストランド14を吸引コンベア19へと搬送する。好ましくはタバコストランド14はそれらがコンベア18に沿って搬送される際に1つにまとめられる。
【0074】
細長く切断された後、タバコストランド14は比較的壊れやすく、あらゆる顕著な牽引力によってストランドが折れてしまう可能性がある。タバコストランド14の位置および方向を調整しやすくするのでタバコストランド14は装置の残りの部分を通して可能な限り傷つかないままであれば望ましい。コンベア18はスリットユニット13からタバコストランド14を受け取り、大きな力を加えることなくタバコストランド14を搬送するように構成されている。タバコストランド14はスリットユニット13によってコンベア18に沿って押されるおよび/またはタバコストランド14は吸引コンベア19によって静かに引っ張られる。コンベア18は最小限の摩擦を加え、タバコストランド14上に加えられた力を小さくするために引きずるのが好ましい。
【0075】
図2および図3を参照するとコンベア18はスリットユニット13の近くに配置された上流端34と、吸引コンベア19の近くに配置された下流端35とを含む。タバコストランド14は上流端34から下流端35へと搬送面上を搬送される。搬送面33は列に配置された複数の開口部36を含む。空気流発生器(図示せず)が開口部36を介して空気流を発生させて、エアークッションが搬送面33とタバコストランド14の間に設けられるように配置されている。
【0076】
この例ではコンベア18は6つの面を有する箱37を含み、上面は搬送面33を画定する。箱37の内部は中空であり、空気入り口38が空気流発生器(図示せず)から空気流を供するために箱37の一面に配されている。上述したように搬送面(箱37の上面)は開口部36の列を有し、これらを通って空気が使用中に流れ、タバコストランドを搬送するためのエアークッションを供する。
【0077】
エアークッションは、タバコストランド14と搬送面33の間のすべての力を最小限にするまたは除去することによってタバコストランド14上の摩擦抵抗を小さくする。エアークッションは、タバコストランド14と搬送面33の間に隙間ができるように搬送面33から離れるようにタバコストランド14を持ち上げる。
【0078】
図2および4を参照するとスリットユニット13から出るとタバコストランド14は一列に配置される。上述したように得られるタバコロッドセグメント1のタバコストランド14が可能な限り整然と配置され、加熱ブレード5の挿入を簡単にし、タバコロッドセグメント1に沿って蒸気およびエアロゾルの流れが良くなるようにタバコストランド14をそれらが互いに平行であり、互いに重なるがねじれを最小限にした配置に維持するのが好ましい。
【0079】
包装される用意ができた群にタバコストランド14を移動するためにコンベア18はガイド39を含むのが好ましい。ガイド39は、吸引コンベア19とガーニチャー24(図2参照)の軸に一致してタバコストランド14がより細く1つにまとめられるようにタバコストランド14の経路を偏向する。
【0080】
図4は第1の例のガイド39を示している。この例ではコンベア18はタバコストランド14を1つにまとめるために互いの方に向かって角度が付けられた一組のレール40を含む。一組のレール40はスリットユニット13の方に配置された幅広の入り口41と吸引コンベア19の方に配置された狭い出口42を有する漏斗として配置されている。一組のレール40は、外側に位置するタバコストランド14をコンベア18の中央に移動させてストランドを1つにまとめる。タバコストランド14の搬送方向に対する一組のレール40の角度は、タバコストランド14にかかる力が許容できるように選択され、レール40の角度が小さいとタバコストランド14にかかる力が小さくなる。
【0081】
1つにまとめられたタバコストランド14が吸引コンベア19に送られると、吸引バンド(20、図2参照)を介してタバコストランド14にかかる吸引がタバコストランドがガーニチャー24で包まれるまでタバコストランド14の配置を維持する。
【0082】
図5A、5B、5Cおよび5Dは、スリットユニット13の位置からのガイド39の異なる例を示している。これらの例のそれぞれではガイド39は、タバコストランド14が図4に示すように搬送面33上を搬送される際にタバコストランド14を1つにまとめるために配置された一組のレール40を含む。各レール40はタバコストランド14に向かって配置されたガイド面43を有し、タバコストランド14は装置8の作動中ガイド面43と係合する。
【0083】
図5Aの例では一組のレール40のガイド面43は平坦であり、搬送面33に対して実質的に垂直に配置されている。タバコストランド14が搬送面33上を搬送される際、レール40が外方にあるタバコストランド14を中央へと押し、これによってストランドを1つにまとめる。
【0084】
図5Bの例では一組のレール40はコンベアの長さに沿って形が変わり、特にガイド面43の形が変わる。スリットユニット13の方のガイド39の入り口41で一組のレール40のガイド面43は平坦であり、搬送面33に対して実質的に垂直に配置されている。吸引コンベア19の方のガイド39の出口42でガイド面43は湾曲している。このようにしてガイド39の出口42は湾曲した溝44として形成され、1つにまとめられたタバコストランド14もそれに類似した形になる。これはガーニチャー(24、図2参照)内の挿入に有利である。
【0085】
図5Cの例では一組のレール40のガイド面43はその全長に沿って外方に湾曲しており、ガイド面43はタバコストランド14に向かって凹形である。凹形のガイド面43はガイド39の出口42で実質的に円形または楕円形状の溝45を画定するし、それを介してタバコストランド14が搬送される。このようにして1つにまとめられたタバコストランド14はそれに類似の形になる。これはガーニチャー(24、図2参照)内の挿入に有利である。
【0086】
図5Dの例ではガイド39はカバー46を含み、これは図6に示すように少なくとも出口42でガイド39の上部を閉じる。この例では一組のレール40はコンベア18の長さに沿って形が変わり、特にガイド面43の形が変わる。スリットユニット13の方のガイド39の入り口41で一組のレール40のガイド面43は平坦であり、搬送面33に対して実質的に垂直に配置されている。吸引コンベア19の方のガイド39の出口42でガイド面43は外方に湾曲し、凹形のガイド面43を画定している。このようにしてガイド39の出口42は図5Cのものと類似する円形または楕円形の溝45として形成され、1つにまとめられたタバコストランド14はそれに類似した形になる。これはガーニチャー(24、図2参照)内の挿入に有利である。
【0087】
当然のことながらカバー46は図5Dのガイド39から省略してもよい。また別の例ではカバー46は図5A~5Cを参照して説明したガイド39の他の例のいずれにも設けてもよい。
【0088】
図7Aおよび7Bは移動搬送ベルト47を含む別のコンベア18を示している。特に図7Aに示すようにスリットユニット13と吸引コンベア19の間に配されたコンベア18は図7Bに示すように穴あきコンベアベルト47を含む。穴あきベルト47は、その全長に沿って開口部またはミシン目54の列を有する。
【0089】
穴あきベルト47は、上方走路49と下方走路50を画定するために2つのローラー48上を走行するように駆動される。穴あきベルト47の上方走路49の外面は搬送面である。コンベアベルト47はタバコストランド14が装置8内を搬送される際の速度と同じ速度で移動するように駆動される。
【0090】
穴あきベルト47の上方走路49と下方走路50の間にあるのは空気流発生器51または空気流発生器の一部、この例ではチェンバー52である。チェンバー52は穴あきベルト47の上部走路49に開口し、これの近くに配置されている。チェンバー52は、例えばポンプまたはコンプレッサーなどの空気流発生器の残りに接続するための空気入り口53を含む。このようにしてチェンバー52内の空気流は穴あきベルト47の穴54を通過し、穴あきベルト47とタバコストランド14の間にエアークッションを発生させる。
【0091】
移動する搬送面(即ち穴あきベルト47)を設けることによってタバコストランド14の応力ひずみがさらに減少する。さらにコンベア18上でタバコストランド14を押すためにスリットユニット13を使用する必要がなくなり、および/またはコンベア18上でタバコストランド14を引っ張るために吸引コンベア19を使用する必要がなくなる。
【0092】
図7Aに示すようにガイド39および図4~6を参照して説明したガイドの種々の例を図7A、7Bのコンベア18に使用することができる。
【0093】
一部の例ではガイド39は吸引コンベア19上に延びてもよい。他の例では吸引コンベア19は、タバコストランド14をそれらがガーニチャー24内で包装されるまで保持する対向して配置されたレールを含む独自のガイドを含んでもよい。
【0094】
図8Aおよび8Bは一組の形成ローラー55を含むコンベア18のさらなる例を示している。コンベア18は図3を参照して説明したコンベア18または図7Aまたは7Bを参照して説明したコンベア18であってもよい。この例のコンベア18は、任意に図4乃至6を参照して説明したあらゆる例のガイド39などのガイド39を含んでもよい。
【0095】
図示のようにこの例では一組の形成ローラー55が吸引コンベア19に近いコンベア18の下流端35の方に配置されている。ガイド39が図示のように含まれる場合、形成ローラー55はガイド39の出口42に位置する。図8B図8Aに示すように一組の形成ローラー55を通る断面A-Aを示している。
【0096】
一組の形成ローラー55は1つにまとめられたタバコストランド14の両側に配され、タバコストランド14を円筒状の群、即ち図8Bに示すように実質的に円形の断面を有する群56に形成するように作用する。形成ローラー55のそれぞれは、内方に湾曲した形成面57を含み、これにより一組の形成ローラー55が協働してタバコストランド14が通過する実質的に円形または楕円形の溝58を画定し、タバコストランド14の群56を形成する。軸59を中心に一組の形成ローラー55の逆回転によってタバコストランド14にかかる力を小さくし、タバコストランド14を所望の群56に移動させるのに役立つ。
【0097】
さらなる例では一組超の形成ローラー55を設けてもよい。例えば大きな開口部を有する上流に位置する一組の形成ローラー(図示せず)を図8Aおよび8Bに例示した一組の形成ローラー55の上流に配置してもよい。このようにしてタバコストランド14は2組の形成ローラー55によって徐々に所望の群56に移動させることができる。
【0098】
一部の例ではコンベア18は一組の形成ローラー55を含むがガイドを含まない。他の例ではコンベア18をガイド39を含むが、形成ローラー55を含まない。他の例ではコンベア18はガイド39と形成ローラー55の両方を含む。
【0099】
上述の例は本発明を例示する例として理解されるべきである。
【0100】
例えば、上記の例ではタバコウェブ11は再生タバコのシートとして説明したが、これは必ずしもそうである必要はなく、タバコウェブ11は他の材料で作製してもよい。タバコウェブ11はグリセリンを含んでも含まなくてもよく、グリセリンに代えてまたは加えて添加剤または向上剤などの他の材料を含んでもよい。
【0101】
上記の例ではタバコストランド14は真っ直ぐで互いに平行であると説明したが、これは必ずしもそうである必要はなく、他の例ではタバコストランド14は実質的に真っ直ぐでなくてもよくおよび/または実質的に互いに平行でなくてもよい。例えば、タバコストランド14は長手方向の波形またはひだまたはジグザグ形状などを含むように処理されてもよく、当然のことながらタバコウェブ11は元から長手方向の波形またはひだまたはジグザグ形状を含んでもよくまたはそのような形状または構造を有するように処理されてもよい。当然のことながらタバコロッドセグメント1は、それぞれが実質的に非コイル状である複数の長手方向に延びたタバコストランド14で形成されたあらゆるタバコロッド3を含んでもよい。
【0102】
上記例の一部ではタバコロッドセグメント1はブレードヒーター5を含む「非燃焼加熱」装置などの消耗品として説明されているが、これは必ずしもそうである必要はなく、他の例ではタバコロッドセグメント1を他の装置におよび/または他の目的に使用してもよい。例えば、タバコロッドセグメント1は、あらゆるエアロゾル発生装置、例えばタバコ加熱製品またはブレードヒーター5を必ずしも含まない装置の消耗品であってもよい。
【0103】
上記の例ではタバコウェブ1はタバコ、例えば再生タバコであるまたは含むとして説明されているが、これは必ずしもそうである必要はなく、他の例ではシートはあらゆるエアロゾル発生材からなるシートであるまたはシートを含んでもよい。エアロゾル発生材は、例えば全体的なエアロゾル発生装置のブレードヒーター5によって加熱された際にエアロゾルを製する材料であってもよい。例えば、エアロゾル発生材のシートは風味基剤であってもよいまたは風味基剤を含んでもよい。風味基剤はタバコ風味料または他の風味料などの風味料を含んでもよいおよび/またはグリセリンまたはグリセリンに変わるまたはグリセリンに加えて他の添加剤または向上剤を含んでもよい。グリセリンまたは他の添加剤を含むまたは含まない風味基剤は加熱されてエアロゾルを発生させる。
【0104】
留意すべきは一般にエアロゾルは空気または他の気体中の微細固体粒子または液滴のコロイドであり、コロイドは微視的に分散した不溶粒子が他の物質全体に懸濁された物質である。一方、蒸気はその臨界温度より低い温度で気相の物質であり、例えば蒸気は温度を下げずに圧力を上げることによって液体に凝集されるということを意味する。当然のことながらここで言うエアロゾルなる用語はエアロゾルおよび/または蒸気を含む。
【0105】
当然のことながら一部の例ではエアロゾル発生材ロッドセグメントは、再生タバコについて上述したように例えばエアロゾル発生材のシートを長手方向に切断して複数のエアロゾル発生材ストランドを製すること、該ストランドを1つにまとめて複数のエアロゾル発生材ストランドのそれぞれが実質的に非コイル状であるエアロゾル発生材ロッドを形成すること、そしてエアロゾル発生材ロッドをセグメントに切断してエアロゾル発生材ロッドセグメントを製することによってエアロゾル発生材のウェブから作製してもよい。
【0106】
同様に当然のことながら製品はエアロゾル発生材からなるロッドを含んでもよく、エアロゾル発生材からなるロッドは複数の長手方向に延びたエアロゾル発生材のストランドから形成され、複数の長手方向に延びたエアロゾル発生材のストランドは実質的に非コイル状である。
【0107】
本明細書で使用される「上流」および「下流」なる用語は、エアロゾル発生材が装置内を移動する方向に対する装置内の位置を意味する。従って、図2に示すように「上流」はタバコウェブのリールの方向の位置を意味し、「下流」は切断ユニットの方向の位置を意味する。
【0108】
種々の問題の対処と技術の発展のため、本開示全体は種々の実施形態を例示的に示しており、これらの実施形態では特許請求された発明が実践され、優れたエアロゾル発生材からなるストランドを搬送するためのコンベアおよびエアロゾル発生材からなるロッドを製造するための装置を提供することができる。本開示の利点および特徴は実施形態の単なる代表的な具体例であり、包括的でも排他的でもない。これらは特許請求された特徴の理解と教示の単なる補助に提供されている。当然だが、本開示の利点、実施形態、具体例、機能、特徴、構造、および/または他の側面は本開示を特許請求の範囲に規定されたとおりに限定するあるいは特許請求の範囲の均等物に限定すると考えるべきではなく、本開示の範囲および/または思想から乖離することなく他の実施形態を利用しても改変してもよいと考えるべきである。種々の実施形態は、開示された構成要素、成分、特徴、部品、工程、手段他の組合せを適切に備えても、これらで構成されても、基本的にこれらで構成されてもよい。また本開示は、現在は特許請求されていないが将来特許請求される可能性がある他の発明を含む。
図1A
図1B
図2
図3
図4
図5A
図5B
図5C
図5D
図6
図7A
図7B
図8A
図8B