(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-28
(45)【発行日】2023-08-07
(54)【発明の名称】軽度認知障害患者の症状を改善するための訓練プログラムの構築方法及びシステム
(51)【国際特許分類】
G16H 20/00 20180101AFI20230731BHJP
A61H 1/00 20060101ALI20230731BHJP
【FI】
G16H20/00
A61H1/00
(21)【出願番号】P 2022001910
(22)【出願日】2022-01-07
【審査請求日】2022-01-07
(31)【優先権主張番号】10-2021-0104738
(32)【優先日】2021-08-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2021-0153942
(32)【優先日】2021-11-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】521502757
【氏名又は名称】イモコグ カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】EMOCOG Co., Ltd.
【住所又は居所原語表記】#404,117,Sillim-ro Gwanak-gu Seoul 08813 (KR)
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ノ ユホン
【審査官】今井 悠太
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2020/198065(WO,A1)
【文献】特開2007-102743(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G16H 10/00ー80/00
A61H 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信網を介してユーザ端末グループと接続され通信するように構成されたサーバによって実現される方法であって、
前記ユーザ端末グループは、少なくとも1つ以上のユーザ端末を含み、
前記サーバは、第1配置演算部、出力制御部、 脆弱訓練決定部、第2配置演算部及び通信インターフェースを具現するマイクロプロセッサを含み、
サーバは、サーバの動作を制御するための統合管理プログラムを格納するデータベースをさらに含み、
通信インターフェースによって、少なくとも1つまたは複数のユーザ端末のうち選択されたユーザ端末との通信リンクを確立する段階および、
マイクロプロセッサによって、選択されたユーザ端末で受信されたユーザ入力およびサーバから受信されたコマンドに基づいて、選択されたユーザ端末に格納された訓練プログラムを継続的に更新するように選択されたユーザ端末から出力される画面を制御する段階を含み、
選択されたユーザ端末はユーザに関連付けられ、訓練プログラムを記憶するように構成され、訓練プログラムは少なくとも1つ以上の直接訓練アルゴリズムと少なくとも1つ以上の間接訓練アルゴリズムを含み、
前記選択されたユーザ端末から出力される画面を制御する段階は、
前記マイクロプロセッサが、人間の認知機能領域と直接的に関連した、心像(visualization)、融合(fusion)及び語意(semantic word fluency)のうち少なくとも1つに対する直接訓練アルゴリズムを、指定された曜日に配置する段階と、
前記第1配置演算部が、人の認知機能領域に間接的に関連する単語分類、変わった単語探し、過去ニュース聞き取りための間接訓練アルゴリズムのうちの少なくとも1つを指定された曜日に配置する段階と、
前記出力制御部が、第1配置動作によって整列された順序に従って、前記配置された直接訓練アルゴリズムを前記指定された曜日に合わせてユーザ端末に出力させることにより、ユーザが前記直接訓練アルゴリズム及び前記間接訓練アルゴリズムで軽度認知障害患者の症状を改善のための訓練を実行するように制御する段階と、
前記通信インターフェースが、前記ユーザ端末から、前記直接訓練アルゴリズムに対する結果値を受信する段階と、
前記脆弱訓練決定部が、前記結果値に基づいて、前記直接訓練アルゴリズム別に成就度を算出し、
前記直接訓練アルゴリズムの中で計算された成就度が最も低いアルゴリズムのうち1つを決定する段階と、
前記第2配置演算部が、前記第1配置演算部が配置した順次的な直接訓練アルゴリズムのうちの1つを前記決定された直接訓練アルゴリズムに置き換えて前記第1配置演算部によって配置された順序を更新することにより、前記直接訓練アルゴリズムを再配置する段階と、を含み、
前記決定された直接訓練アルゴリズムは、訓練アルゴリズムの中から選択された訓練アルゴリズムであるマッチングされた訓練アルゴリズムを表すメタデータを含み、
前記決定された直接訓練アルゴリズムの結果値は、マッチングされた訓練アルゴリズムを実行せずに前記決定された直接訓練アルゴリズムが実行されるときよりも、マッチングされた訓練アルゴリズムが実行された直後に前記決定された直接訓練アルゴリズムが実行されるときに高く、
前記直接訓練アルゴリズムを再配置する段階において、前記直接訓練アルゴリズムの前に配置されるマッチングされた訓練アルゴリズムは、前記直接訓練アルゴリズム及び前記間接訓練アルゴリズムの中から選択されたいずれかである、軽度認知障害患者の症状を改善するための訓練プログラムの構築方法。
【請求項2】
前記直接訓練アルゴリズムは、
作業記憶(working memory)及び認知アジリティ(cognitive agility)に対する訓練アルゴリズムをさらに含む、請求項1に記載の軽度認知障害患者の症状を改善するための訓練プログラムの構築方法。
【請求項3】
前記指定された曜日は、
前記ユーザ端末から受信した情報により決定された、請求項1に記載の軽度認知障害患者の症状を改善するための訓練プログラムの構築方法。
【請求項4】
前記直接訓練アルゴリズムを指定された曜日に配置する段階は、
各曜日の午前及び午後別に互いに異なる直接訓練アルゴリズムを配置する、請求項1に記載の軽度認知障害患者の症状を改善するための訓練プログラムの構築方法。
【請求項5】
前記直接訓練アルゴリズムを指定された曜日に配置する段階は、
前記各曜日の午前及び午後には、それぞれ2つ以上ずつ直接訓練アルゴリズムを配置する、請求項4に記載の軽度認知障害患者の症状を改善するための訓練プログラムの構築方法。
【請求項6】
前記人間の認知機能領域と間接的に関連した、単語分類(word categorization)、変わった単語探し及び過去ニュース聞き取りに対する間接訓練アルゴリズムを、前記指定された曜日に、前記直接訓練アルゴリズムと重複しないように配置する段階をさらに含み、
前記結果値を受信する段階は、
前記配置された直接訓練アルゴリズム及び間接訓練アルゴリズムを、前記指定された曜日に合わせて、ユーザ端末に出力するように制御し、前記ユーザ端末から、前記直接訓練アルゴリズム及び間接訓練アルゴリズムに対する結果値を受信し、
前記直接訓練アルゴリズムのうち1つを決定する段階は、
前記結果値に基づいて、前記直接訓練アルゴリズム及び間接訓練アルゴリズム別に成就度を算出し、前記算出された成就度に基づいて、前記直接訓練アルゴリズムのうち1つを決定する、請求項1に記載の軽度認知障害患者の症状を改善するための訓練プログラムの構築方法。
【請求項7】
前記直接訓練アルゴリズム及び前記間接訓練アルゴリズムは、前記指定された曜日の午前及び午後に分けて配置され、
前記間接訓練アルゴリズムのうち既設定された間接訓練アルゴリズムは、前記指定された曜日のうち一部の曜日の午後に固定して配置された、請求項6に記載の軽度認知障害患者の症状を改善するための訓練プログラムの構築方法。
【請求項8】
請求項1~7のうちいずれか一項に記載の方法を実行させるためのプログラムを格納している、コンピュータで読み取り可能な記録媒体。
【請求項9】
人間の認知機能領域と直接的に関連した、心像(visualization)、融合(fusion)及び語意(semantic word fluency)のうち少なくとも1つに対する直接訓練アルゴリズムを、指定された曜日に配置する第1配置演算部と、
前記配置された直接訓練アルゴリズムを、前記指定された曜日に合わせて、ユーザ端末に出力するように制御する出力制御部と、
前記ユーザ端末から、前記直接訓練アルゴリズムに対する結果値を受信する通信部と、
前記結果値に基づいて、前記直接訓練アルゴリズム別に成就度を算出し、前記算出された成就度に基づいて、前記直接訓練アルゴリズムのうち1つを決定する脆弱訓練決定部と、
前記決定された直接訓練アルゴリズムを含み、前記指定された曜日に前記直接訓練アルゴリズムを
再配置する
第2配置演算部と、を含
み、
前記第1配置演算部は、人の認知機能領域に間接的に関連する 単語分類、変わった単語探し、過去ニュース聞き取りための間接訓練アルゴリズムのうちの少なくとも1つを指定された曜日に配置し、
前記出力制御部は、第1配置動作によって整列された順序に従って、前記配置された直接訓練アルゴリズムを前記指定された曜日に合わせてユーザ端末に出力させることにより、ユーザが前記直接訓練アルゴリズム及び前記間接訓練アルゴリズムで軽度認知障害患者の症状を改善のための訓練を実行するように制御し、
前記脆弱訓練決定部は、前記結果値に基づいて、前記直接訓練アルゴリズム別に成就度を算出し、前記直接訓練アルゴリズムの中で計算された成就度が最も低いアルゴリズムのうち1つを決定し、
前記第2配置演算部は、前記第1配置演算部が配置した順次的な直接訓練アルゴリズムのうちの1つを前記決定された直接訓練アルゴリズムに置き換えて前記第1配置演算部によって配置された順序を更新することにより、前記直接訓練アルゴリズムを再配置し、
前記決定された直接訓練アルゴリズムは、訓練アルゴリズムの中から選択された訓練アルゴリズムであるマッチングされた訓練アルゴリズムを表すメタデータを含み、
前記決定された直接訓練アルゴリズムの結果値は、マッチングされた訓練アルゴリズムを実行せずに前記決定された直接訓練アルゴリズムが実行されるときよりも、マッチングされた訓練アルゴリズムが実行された直後に前記決定された直接訓練アルゴリズムが実行されるときに高く、
前記直接訓練アルゴリズムを再配置する段階において、前記直接訓練アルゴリズムの前に配置されるマッチングされた訓練アルゴリズムは、前記直接訓練アルゴリズム及び前記間接訓練アルゴリズムの中から選択されたいずれかである、軽度認知障害患者の症状を改善するための訓練プログラムの構築システム。
【請求項10】
前記直接訓練アルゴリズムは、
作業記憶(working memory)及び認知アジリティ(cognitive agility)に対する訓練アルゴリズムをさらに含む、請求項9に記載の軽度認知障害患者の症状を改善するための訓練プログラムの構築システム。
【請求項11】
前記指定された曜日は、
前記ユーザ端末から受信した情報により決定された、請求項9に記載の軽度認知障害患者の症状を改善するための訓練プログラムの構築システム。
【請求項12】
前記第1配置演算部は、
各曜日の午前及び午後別に互いに異なる直接訓練アルゴリズムを配置する、請求項9に記載の軽度認知障害患者の症状を改善するための訓練プログラムの構築システム。
【請求項13】
前記第1配置演算部は、
前記各曜日の午前及び午後には、それぞれ2つ以上ずつ直接訓練アルゴリズムを配置する、請求項12に記載の軽度認知障害患者の症状を改善するための訓練プログラムの構築システム。
【請求項14】
前記第1配置演算部は、
前記人間の認知機能領域と間接的に関連した、単語分類(word categorization)、変わった単語探し及び過去ニュース聞き取りに対する間接訓練アルゴリズムを、前記指定された曜日に、前記直接訓練アルゴリズムと重複しないように配置し、
前記通信部は、
前記配置された直接訓練アルゴリズム及び間接訓練アルゴリズムを、前記指定された曜日に合わせて、ユーザ端末に出力するように制御し、前記ユーザ端末から、前記直接訓練アルゴリズム及び間接訓練アルゴリズムに対する結果値を受信し、
前記脆弱訓練決定部は、
前記結果値に基づいて、前記直接訓練アルゴリズム及び間接訓練アルゴリズム別に成就度を算出し、前記算出された成就度に基づいて、前記直接訓練アルゴリズムのうち1つを決定する、請求項9に記載の軽度認知障害患者の症状を改善するための訓練プログラムの構築システム。
【請求項15】
前記第1配置演算部は、
前記直接訓練アルゴリズム及び前記間接訓練アルゴリズムを、前記指定された曜日の午前及び午後に分けて配置し、
前記間接訓練アルゴリズムのうち既設定された間接訓練アルゴリズムを、前記指定された曜日のうち一部の曜日の午後に固定して配置する、請求項14に記載の軽度認知障害患者の症状を改善するための訓練プログラムの構築システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、患者の症状を改善するための訓練プログラムの構築方法及びそのシステムに係り、より具体的には、軽度認知障害患者の症状を好転させることができるデジタル認知症治療剤を構成する方法、及びその方法を具現するためのシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
韓国は、既に高齢化社会に進入したと評価されている。高齢化社会が進行するほど、認知症患者の数も急増し、認知症患者の治療及び介護を行うために発生する社会的コストも次第に増加せざるを得ない。
【0003】
認知症の予防、及び既に発病した認知症の症状の改善には、認知機能に刺激を与えることができる訓練が効果的であるということが既に立証されており、認知症の前段階に該当する軽度認知障害患者の場合、認知機能を向上させることができる訓練を受ければ、既に認知症にかかった患者に比べて、さらに大幅に認知機能が向上することが、多くの論文を通じて立証されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】韓国公開特許第10-2020-0066578号公報(2020.06.10公開)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする技術的課題は、認知機能障害患者の症状を好転させることができるデジタル認知症治療剤を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記技術的課題を解決するための本発明の一実施形態による方法は、軽度認知障害患者の症状を改善するための訓練プログラムの構築方法であって、人間の認知機能領域と直接的に関連した、心像(visualization)、融合(fusion)及び語意(semantic word fluency)のうち少なくとも1つに対する直接訓練アルゴリズムを、指定された曜日に配置する段階と、前記配置された直接訓練アルゴリズムを、前記指定された曜日に合わせて、ユーザ端末に出力するように制御し、前記ユーザ端末から、前記直接訓練アルゴリズムに対する結果値を受信する段階と、前記結果値に基づいて、前記直接訓練アルゴリズム別に成就度を算出し、前記算出された成就度に基づいて、前記直接訓練アルゴリズムのうち1つを決定する段階と、前記決定された直接訓練アルゴリズムを含み、前記指定された曜日に前記直接訓練アルゴリズムを再び配置するが、前記配置は、前記算出された成就度、及び前記決定された直接訓練アルゴリズムとマッチングされた訓練アルゴリズムをいずれも考慮する段階と、を含む。
【0007】
前記方法において、前記直接訓練アルゴリズムは、作業記憶(working memory)及び認知アジリティ(cognitive agility)に対する訓練アルゴリズムをさらに含んでもよい。
【0008】
前記方法において、前記指定された曜日は、前記ユーザ端末から受信した情報により決定されてもよい。
【0009】
前記方法において、前記直接訓練アルゴリズムを指定された曜日に配置する段階は、各曜日の午前及び午後別に互いに異なる直接訓練アルゴリズムを配置してもよい。
【0010】
前記方法において、前記直接訓練アルゴリズムを指定された曜日に配置する段階は、前記各曜日の午前及び午後には、それぞれ2つ以上ずつ直接訓練アルゴリズムを配置してもよい。
【0011】
前記方法において、前記人間の認知機能領域と間接的に関連した、単語分類(word categorization)、変わった単語探し及び過去ニュース聞き取りに対する間接訓練アルゴリズムを、前記指定された曜日に、前記直接訓練アルゴリズムと重複しないように配置する段階をさらに含み、前記結果値を受信する段階は、前記配置された直接訓練アルゴリズム及び間接訓練アルゴリズムを、前記指定された曜日に合わせて、ユーザ端末に出力するように制御し、前記ユーザ端末から、前記直接訓練アルゴリズム及び間接訓練アルゴリズムに対する結果値を受信し、前記直接訓練アルゴリズムのうち1つを決定する段階は、前記結果値に基づいて、前記直接訓練アルゴリズム及び間接訓練アルゴリズム別に成就度を算出し、前記算出された成就度に基づいて、前記直接訓練アルゴリズムのうち1つを決定してもよい。
【0012】
前記方法において、前記直接訓練アルゴリズム及び前記間接訓練アルゴリズムは、前記指定された曜日の午前及び午後に分けて配置され、前記間接訓練アルゴリズムのうち既設定された間接訓練アルゴリズムは、前記指定された曜日のうち一部の曜日の午後に固定して配置されてもよい。
【0013】
前記技術的課題を解決するための本発明の他の実施形態によるシステムは、人間の認知機能領域と直接的に関連した、心像(visualization)、融合(fusion)及び語意(semantic word fluency)のうち少なくとも1つに対する直接訓練アルゴリズムを、指定された曜日に配置する第1配置演算部と、前記配置された直接訓練アルゴリズムを、前記指定された曜日に合わせて、ユーザ端末に出力するように制御する出力制御部と、前記ユーザ端末から、前記直接訓練アルゴリズムに対する結果値を受信する通信部と、前記結果値に基づいて、前記直接訓練アルゴリズム別に成就度を算出し、前記算出された成就度に基づいて、前記直接訓練アルゴリズムのうち1つを決定する脆弱訓練決定部と、前記決定された直接訓練アルゴリズムを含み、前記指定された曜日に前記直接訓練アルゴリズムを再び配置するが、前記配置は、前記算出された成就度、及び前記決定された直接訓練アルゴリズムとマッチングされた訓練アルゴリズムをいずれも考慮する第2配置演算部と、を含む。
【0014】
前記システムにおいて、前記直接訓練アルゴリズムは、作業記憶(working memory)及び認知アジリティ(cognitive agility)に対する訓練アルゴリズムをさらに含んでもよい。
【0015】
前記システムにおいて、前記指定された曜日は、前記ユーザ端末から受信した情報により決定されてもよい。
【0016】
前記システムにおいて、前記第1配置演算部は、各曜日の午前及び午後別に互いに異なる直接訓練アルゴリズムを配置してもよい。
【0017】
前記システムにおいて、前記第1配置演算部は、前記各曜日の午前及び午後には、それぞれ2つ以上ずつ直接訓練アルゴリズムを配置してもよい。
【0018】
前記システムにおいて、前記第1配置演算部は、前記人間の認知機能領域と間接的に関連した、単語分類(word categorization)、変わった単語探し及び過去ニュース聞き取りに対する間接訓練アルゴリズムを、前記指定された曜日に、前記直接訓練アルゴリズムと重複しないように配置し、前記通信部は、前記配置された直接訓練アルゴリズム及び間接訓練アルゴリズムを、前記指定された曜日に合わせて、ユーザ端末に出力するように制御し、前記ユーザ端末から、前記直接訓練アルゴリズム及び間接訓練アルゴリズムに対する結果値を受信し、前記脆弱訓練決定部は、前記結果値に基づいて、前記直接訓練アルゴリズム及び間接訓練アルゴリズム別に成就度を算出し、前記算出された成就度に基づいて、前記直接訓練アルゴリズムのうち1つを決定してもよい。
【0019】
前記システムにおいて、前記第1配置演算部は、前記直接訓練アルゴリズム及び前記間接訓練アルゴリズムを、前記指定された曜日の午前及び午後に分けて配置し、前記間接訓練アルゴリズムのうち既設定された間接訓練アルゴリズムを、前記指定された曜日のうち一部の曜日の午後に固定して配置してもよい。
【0020】
本発明の一実施形態は、前記方法を実行させるためのプログラムを格納している、コンピュータで読み取り可能な記録媒体を開示する。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、軽度認知障害患者の症状を大きく好転させることができる。
【0022】
本発明によれば、老人の最も恐ろしい疾患である認知症を予防するか、または早期に診断することができる。
【0023】
本発明によれば、認知症患者を管理するのにかかる社会的コストを大幅に低減することができる。
【0024】
本発明によれば、既存の技術とは異なり、認知機能障害患者の記憶の形成過程を、心像、語意及び融合の訓練を通じて記憶単位で刺激し、作業記憶能力と処理速度を総合的に改善させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】本発明を具現するための全体システムを概略的に示す図面である。
【
図2】本発明の一実施形態による訓練プログラム構築方法を具現するための管理サーバーを示すブロック図である。
【
図3】機能別に細分化した処理部の一例を示すブロック図である。
【
図4】本発明の一実施形態による方法を示すフローチャートである。
【
図5】本発明の他の実施形態による訓練プログラムを図式的に示す図面である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本発明は、様々な変換を加えることができ、種々な実施形態を有することができるところ、特定の実施形態を図面に例示し、詳細な説明で詳細に説明する。本発明の効果及び特徴、並びにそれらを達成する方法は、図面と共に詳細に後述されている実施形態を参照すれば明確になるであろう。しかし、本発明は、以下で開示される実施形態に限定されるものではなく、様々な形態に具現可能である。
【0027】
以下、添付された図面を参照して、本発明の実施形態を詳細に説明し、図面を参照して説明するとき、同一または対応する構成要素は、同じ図面符号を付与し、これについての重複説明は省略する。
【0028】
以下の実施形態において、第1、第2などの用語は、限定的な意味ではなく、1つの構成要素を他の構成要素と区別する目的に使用された。
【0029】
以下の実施形態において、単数の表現は、文脈上明白に取り立てて意味しない限り、複数の表現を含む。
【0030】
以下の実施形態において、「含む」または「有する」などの用語は、明細書上に記載された特徴または構成要素が存在することを意味するものであり、1つ以上の他の特徴または構成要素が付加される可能性を予め排除するものではない。
【0031】
ある実施形態が異なって具現可能な場合に、特定の工程順序は、述べられる順序と異なって行われることもある。 例えば、連続して述べられる2つの工程が実質的に同時に行われてもよいし、述べられる順序と逆の順序で行われてもよい。
【0032】
図1は、本発明を具現するための全体システムを概略的に示す図面である。
【0033】
図1を参照すれば、本発明による訓練プログラム構築システム1は、ユーザ端末グループ110と管理サーバー200とが通信網130を介して連結された構造を有する。
【0034】
ユーザ端末グループ110は、少なくとも1つ以上のユーザ端末を含むことができる。例えば、ユーザ端末グループ110に含まれたユーザ端末は、1つであってもよく、
図1に示すように、n個になってもよい。
図1において、nは、1と同じであるか、または1より大きい整数になりうる。
【0035】
ユーザ端末グループ110に含まれたそれぞれのユーザ端末は、本発明による訓練プログラムを使用するユーザの端末であり、管理サーバー200と通信可能な通信モジュールを搭載した電子装置を意味する。
【0036】
ユーザ端末は、ユーザの入力を受信する入力装置、ユーザ端末の入力や端末の処理結果を視覚的に出力する出力装置(ディスプレイ)、及び外部装置と通信可能な通信モジュールを含むスマートデバイスを意味するので、前述の入力装置、出力装置及び通信モジュールのみを含んでいるならば、サイズや種類に制限されない。例えば、
図1において、ユーザ端末は、スマートフォン形態に示されているが、ユーザ端末は、管理サーバー200と通信可能なPC、ノート型パソコン、ネットブックなどであってもよい。
【0037】
ユーザ端末を使用するユーザは、認知機能障害患者の症状を改善する訓練プログラムを使用する人間を意味し、認知機能障害判定を受けた患者であってもよく、その患者の保護者であってもよい。他の例として、ユーザは、訓練プログラムを繰り返し実行し、性能を改善させるためのテスターであってもよい。
【0038】
管理サーバー200は、統合管理プログラムがインストールされたサーバーであり、ユーザ端末グループ110に含まれた複数のユーザ端末と通信しながら、データフローを管理して制御するサーバーを意味する。管理サーバー200には、統合管理プログラム(統合管理アプリ)がインストールされており、実施形態によって、統合管理プログラムの一部は、ユーザ端末で駆動されるクライアント(client)形態に具現され、ユーザ端末グループ110に含まれたユーザ端末にインストールされることも可能である。
【0039】
通信網130は、ユーザ端末グループ110に含まれているユーザ端末を、管理サーバー200と連結させる機能を行い、データ網、移動通信網、インターネットなど、各種有無線通信網を含んでもよい。
【0040】
本発明において、訓練プログラムは、管理サーバー200の制御を受け、ユーザ端末グループ110に含まれたユーザ端末から出力される画面を制御することができる論理的な装置を意味する。訓練プログラムは、物理的な形態を有することなく、訓練プログラムを使用するユーザに最適化される過程を複数回経る。すなわち、訓練プログラムは、ユーザがユーザ端末を通じて入力する入力と、管理サーバー200から受信する命令とに基づいて、持続的にアップデートが可能である。軽度認知障害患者は、ユーザ端末で駆動される訓練プログラムを繰り返し使用すれば、軽度認知障害の症状を好転させることができる。
【0041】
本発明において、訓練プログラムは、少なくとも1つ以上の直接訓練アルゴリズムを含むことができる。また、他の例として、訓練プログラムは、少なくとも1つ以上の直接訓練アルゴリズムと、少なくとも1つ以上の間接訓練アルゴリズムとを含むこともできる。以下、特に限定しない限り、訓練アルゴリズムは、直接訓練アルゴリズム及び間接訓練アルゴリズムを含むものと見なす。
【0042】
訓練プログラムは、直接訓練アルゴリズムや間接訓練アルゴリズムが、ユーザ端末を通じて、予め設定された順序によって出力される形態に具現可能である。訓練アルゴリズムがユーザ端末を通じて出力される順序は、ユーザごとに異なりうる。例えば、Aというユーザが訓練プログラムを駆動すれば、直接訓練アルゴリズム-1、直接訓練アルゴリズム-2、直接訓練アルゴリズム-3の順に、ユーザ端末から出力される内容が変わり、Bというユーザが訓練プログラムを駆動すれば、Bのユーザ端末には、直接訓練アルゴリズム-2、間接訓練アルゴリズム-3、直接訓練アルゴリズム-1が順次出力されることが可能である。
【0043】
ユーザは、ユーザ端末に出力されるテスト形態の直接訓練アルゴリズムまたは間接訓練アルゴリズムに対して入力を加えることができ、ユーザの入力によって算出された値は、そのユーザに対応する訓練プログラムをアップデートするのに使用可能である。
【0044】
図2は、本発明の一実施形態による訓練プログラム構築方法を具現するための管理サーバーを示すブロック図である。
【0045】
図2を参照すれば、本発明の一実施形態による管理サーバー200は、データベース210、通信部230、処理部250、及び出力部270を含むことが分かる。
【0046】
本発明の一実施形態による管理サーバー200は、少なくとも1つ以上のプロセッサ(processor)に該当するか、あるいは少なくとも1つ以上のプロセッサを含むことができる。これにより、管理サーバー200、並びに管理サーバー200に含まれている通信部230、処理部250、及び出力部270は、マイクロプロセッサや汎用のコンピュータシステムのようなハードウェア装置に含まれた形態に駆動可能である。
【0047】
図2に示された管理サーバー200に含まれた各モジュールの名称は、各モジュールが行う代表機能を直観的に説明するために任意に名付けられたものであり、管理サーバー200が実際に具現されたとき、各モジュールには、
図2に記載された名称とは異なる名称が付与されることもある。
【0048】
また、
図2の管理サーバー200に含まれているモジュールの数は、実施形態によって毎度変わりうる。より具体的には、
図2の管理サーバー200は、総3個のモジュールを含んでいるが、実施形態によって、少なくとも2つ以上のモジュールが1つのモジュールに統合されてもよく、少なくとも1つ以上のモジュールが2つ以上のモジュールに分離される形態に具現されてもよい。
【0049】
データベース210は、管理サーバー200が動作するために必要な各種データを格納している。一例として、データベース210は、管理サーバー200の動作を制御するための統合管理プログラムを格納しており、データベース210は、通信部230がユーザ端末から受信したデータを伝達されて格納することができる。
【0050】
通信部230は、ユーザ端末グループ110に含まれたユーザ端末と通信を行う。
【0051】
処理部250は、通信部230が受信したデータ及び送信するデータを処理する。処理部250が処理するデータは、ユーザ端末から受信されたり、ユーザ端末に送信されたりするデータを含む。
【0052】
一実施形態として、処理部250は、通信部230が受信したデータを、データベース210に格納されていた情報と結合して処理するか、あるいは本発明による方法を具現するために、通信部230及び出力部270が適宜動作するように命令を下す機能を行うことができる。
【0053】
処理部250が行う機能は、特定の機能に限定されず、
図2では、処理部250が単一のモジュールと示されているが、処理部250のプロセスにより、処理部250は、複数のモジュールに細分化されることも可能である。細分化されたモジュールから構成された処理部250については、
図3を通じて後述する。出力部270は、処理部250の命令を受け、各種データを算出して出力する機能を行う。
【0054】
図3は、機能別に細分化した処理部の一例を示すブロック図である。
【0055】
図3を参照すれば、処理部250は、第1配置演算部251、出力制御部253、脆弱訓練決定部255、及び第2配置演算部257を含むことが分かる。
【0056】
本発明の一実施形態による処理部250に含まれている通信部230、処理部250及び出力部270は、マイクロプロセッサや汎用のコンピュータシステムのようなハードウェア装置に含まれた形態に駆動可能である。
図3に示された処理部250に含まれた各モジュールの名称は、各モジュールが行う代表機能を直観的に説明するために任意に名付けられたものであり、管理サーバー200が実際に具現されたとき、各モジュールには、
図3に記載された名称とは異なる名称が付与されることもある。
【0057】
第1配置演算部251は、人間の認知機能領域と直接的に関連した、心像(visualization)、融合(fusion)、語意(semantic word fluency)、作業記憶(working memory)、及び認知アジリティ(cognitive agility)のうち少なくとも1つに対する直接訓練アルゴリズムを、指定された曜日に配置する機能を行う。ここで、心像、融合、語意、作業記憶、及び認知アジリティは、互いに異なる方式で組まれている訓練アルゴリズムであり、例えば、心像に対する直接訓練アルゴリズムは、特定の状況を描写する音声をユーザに聞かせ、ユーザが頭の中で場面を描くようにし、ユーザの認知機能を直接的に刺激するアルゴリズムを意味する。
【0058】
【表1】
表1は、認知機能障害の症状を好転させることができる直接訓練アルゴリズム及び細部訓練アルゴリズムを示すものである。表1の5種のアルゴリズムは、認知機能障害患者の症状をそれぞれ異なる方向に回復するように助けることができる。
【0059】
以下、表2~表8は、ユーザ端末を通じて具現される直接訓練アルゴリズムの例示を示す。
【表2】
表2は、心像訓練の例示を示すものである。表2のような心像訓練は、ボイスドラマ(voice drama)を通じて、患者の若い頃の記憶を思い出す回想療法を使用して、患者の認知力を刺激し、患者の独自性と自尊感を回復する一助となることができる。
【0060】
【表3】
表3は、意味訓練の例示を示すものである。表3のような意味訓練は、ユーザに連想される単語を自由に言うようにすることにより、ユーザの長期記憶間のネットワークを活性化させることができる。
【0061】
【表4】
表4は、融合訓練A(fusion training A)に該当する訓練アルゴリズムを例示的に示している。融合訓練Aは、持続的な精緻化過程の経験を通じて、ユーザが自分の記憶を効率的に活用できるように助ける。
【0062】
【表5】
表5は、融合訓練Bに該当する訓練アルゴリズムを例示的に示している。融合訓練Bは、ユーザが視覚的なイメージ化による精緻化過程を経験するように助けることができる。
【0063】
【表6】
表6は、スパン拡張訓練(Span拡張訓練)に該当する訓練アルゴリズムを例示的に示している。ユーザは、表6のような訓練を通じて、交互に言う相互作用を経験し、頭脳の神経組織網を再構築または刺激することができる。
【0064】
【表7】
表7は、作業訓練に該当する訓練アルゴリズムを例示的に示している。ユーザは、表7のような訓練を通じて、聴覚的な短期記憶力を向上させることができる。
【0065】
【表8】
表8は、処理速度訓練に該当する訓練アルゴリズムを例示的に示している。ユーザは、表8のような訓練を通じて、認知統制機能、注意力、及び処理速度を向上させることができる。
【0066】
人間の認知機能を直接的に刺激する方法は多様であるが、本発明において、軽度認知障害患者の症状を改善するために最も効果的であると判断したアルゴリズムは、前述の5種(心像、融合、語意、作業記憶、認知アジリティ)である。
【0067】
第1配置演算部251は、前述の5種のアルゴリズムを、指定された曜日に配置する。ここで、指定された曜日とは、一週間を構成する月火水木金土日のうち、ユーザまたは処理部250により指定された曜日を意味し、一般的には、ユーザが訓練プログラムに参加することができる曜日になる。例えば、指定された曜日は、平日の月火水木金になってもよく、ユーザが入力を通じて特定の曜日を追加したり、除外したりすることもできる。
【0068】
第1配置演算部251は、5種の訓練アルゴリズムのうち少なくとも1つを、指定された曜日に配置することができる。例えば、月曜日には、直接訓練アルゴリズム-1が配置され、火曜日には、直接訓練アルゴリズム-2が配置されることができる。第1配置演算部251が行う訓練アルゴリズムの初期配置は、第1配置演算部251に予め設定されているデフォルト(default)配置であってもよく、ランダムに選定された配置方式であってもよい。訓練プログラムが繰り返し駆動される過程において、訓練プログラムは、ユーザの特性に合わせてアップデートされるので、訓練アルゴリズムの初期配置方式は特に制限されない。
【0069】
出力制御部253は、第1配置演算部251により配置された直接訓練アルゴリズムが、指定された曜日に合わせてユーザ端末から出力されるように制御することができる。具体的には、出力制御部253は、配置方式が確定された直接訓練アルゴリズムを通信部230に伝達し、通信部230がユーザ端末に送信可能にする。
【0070】
ユーザは、ユーザ端末を通じて出力される直接訓練アルゴリズムに基づいて、認知機能障害の症状を改善させるための訓練を行い、ユーザ端末から算出された訓練の結果値は、通信部230に受信される。
【0071】
脆弱訓練決定部255は、受信された訓練の結果値に基づいて、直接訓練アルゴリズム別に成就度を算出し、算出された成就度に基づいて、直接訓練アルゴリズムのうち1つを決定することができる。例えば、脆弱訓練決定部255は、最も低い成就度に対応する直接訓練アルゴリズムを決定し、次に実行される訓練プログラムでも当該訓練アルゴリズムが実行されるようにすることができる。脆弱訓練決定部255で決定される直接訓練アルゴリズムは、直前にユーザが参加した訓練プログラムをアップデートするための訓練アルゴリズムであり、訓練プログラムに含まれている複数の訓練アルゴリズムのうち1つを代替することができる。
【0072】
第2配置演算部257は、脆弱訓練決定部255が決定した直接訓練アルゴリズムを含み、指定された曜日に直接訓練アルゴリズムを再び配置する。第2配置演算部257は、直前に算出された成就度、及び決定された直接訓練アルゴリズムとマッチングされた訓練アルゴリズムをいずれも考慮し、指定された曜日に直接訓練アルゴリズムを再配置する。
【0073】
【表9】
表9は、再配置された直接訓練アルゴリズムの一例を示すものである。
表9を参照すれば、訓練プログラムを構成する訓練アルゴリズムは、初期配置では、訓練-1~訓練-5が月曜日から金曜日まで順次に配置されていたが、再配置されることにより、訓練-5が除かれ、ユーザが最初に訓練プログラムに参加したときに最も低い成就度を表した訓練-1がもう一度配置され、各訓練の順序も曜日別に変わった。
【0074】
各直接訓練アルゴリズムには、メタデータ(metadata)として、マッチング(matching)された訓練アルゴリズムが存在する。マッチングされた訓練アルゴリズムは、直接訓練アルゴリズムの以前に配置され、訓練効果を向上させるものであり、実験的、経験的及び数学的に検証されたアルゴリズムを意味する。例えば、ユーザが訓練-2のみを単独で行ったときより、訓練-1を行い、訓練-2を行ったとき、訓練-2の結果値が高く出れば、訓練-1は、訓練-2にマッチングされた訓練アルゴリズムになることができる。直接訓練アルゴリズムにマッチングされた訓練アルゴリズムについては、
図5を通じて詳細に説明する。
【0075】
図4は、本発明の一実施形態による方法を示すフローチャートである。
図4による方法は、
図2及び
図3で説明した管理サーバー200または処理部250により具現可能であり、以下では、
図3を参照して説明する。
【0076】
第1配置演算部251は、心像、融合及び語意から構成された直接訓練アルゴリズムを、指定された曜日に配置する(S410)。
【0077】
出力制御部253は、配置された直接訓練アルゴリズムがユーザ端末に出力されるように制御する(S420)。
【0078】
通信部230は、ユーザ端末から、直接訓練アルゴリズムに対する結果値を受信する(S430)。
【0079】
脆弱訓練決定部255は、受信された結果値により、アルゴリズム別に成就度を算出し、成就度に基づいて、脆弱訓練アルゴリズムを決定する(S440)。
【0080】
第2配置演算部257は、成就度及び脆弱訓練アルゴリズムをいずれも考慮し、直接訓練アルゴリズムを指定された曜日に再配置する(S450)。
【0081】
処理部250は、ユーザの訓練が終了したか否かを判断し(S460)、終了しなかったならば、再配置された直接訓練アルゴリズムがユーザ端末から出力されるように制御することができる(S420)。段階S420の場合、ユーザには、2回次訓練になる。
【0082】
図5は、本発明の他の実施形態による訓練プログラムを図式的に示す図面である。
図5において、ユーザが訓練プログラムを参加する記録は、一週間単位に更新される。例えば、ユーザが月曜日から金曜日まで訓練プログラムを行ったものは第1回訓練、その次の月曜日から金曜日まで訓練プログラムを行ったものは第2回訓練に区分可能である。
【0083】
図5に示すように、1つの訓練プログラムは、月曜日から金曜日までにのみ進行すると仮定する。
図5による訓練プログラムは、総30個の訓練アルゴリズムから構成されており、訓練プログラムに含まれた訓練アルゴリズムは、直接訓練アルゴリズムと間接訓練アルゴリズムとを含むことができる。説明の便宜上、
図5では、総30個の訓練アルゴリズムのみが示されているが、実施形態によって、訓練プログラムを構築するために配置される訓練アルゴリズムの数は変わりうる。例えば、表9のように、訓練プログラムは、5個の訓練アルゴリズムで構築されることも可能である。
【0084】
処理部250は、曜日が指定されれば、指定された曜日によって、訓練プログラムを構築する訓練アルゴリズムが配置されるように、テンプレート(template)を生成することができる。
図5では、曜日別に午前及び午後が区分されており、曜日別の午前及び午後には、それぞれ3個の訓練アルゴリズムが配置されるように、仮想のスロット(slot)が具現されている。実施形態によって、午前及び午後のスロットの数は3個でなくてもよく、午前及び午後のスロットの数が互いに異なることもできる。
【0085】
間接訓練アルゴリズムは、前述の直接訓練アルゴリズムと区別される概念であり、人間の認知機能領域と間接的に関連した訓練アルゴリズムを意味する。間接訓練アルゴリズムは、単語分類(word categorization)、変わった単語探し及び過去ニュース聞き取りを含むことができる。
【0086】
単語分類は、複数の単語をユーザに見せて、単語の共通点に基づいて、複数の単語を複数のグループに分類するようにする訓練アルゴリズムを意味する。変わった単語探しは、幾つかの文章をユーザに見せて、変わった単語を探すようにする訓練アルゴリズムを意味する。過去ニュース聞き取りは、ユーザが20代~30代に発生した事件をニュースのように構成し、ユーザの認知機能を刺激する訓練プログラムを意味する。
【0087】
間接訓練アルゴリズムは、前述の5種の直接訓練アルゴリズムに比べ、ユーザの認知機能に与える刺激は大きくないが、直接訓練アルゴリズムと共に訓練プログラムを構築する場合、ユーザの認知機能障害の症状を好転させるのに効果が認められる訓練アルゴリズムと定義することができる。
【0088】
また、間接訓練アルゴリズムも、直接訓練アルゴリズムのメタデータに記録された訓練アルゴリズムになることができる。例えば、表4で説明した融合訓練A(ストーリー作り訓練)のメタデータに単語分類が含まれ、これは、ユーザが単語分類を先に行い、表4のようなストーリー作りをするならば、ストーリー作りの成就度がさらに向上する効果があるということを意味する。
【0089】
前記のように、直接訓練アルゴリズムには、メタデータとして、少なくとも1つ以上の訓練アルゴリズムが含まれており、ユーザの特定の直接訓練アルゴリズムに対する成就度が低ければ、成就度を向上させるために、成就度が低かった直接訓練アルゴリズムを訓練する直前に、メタデータに含まれた訓練アルゴリズムを訓練するようにし、ユーザの認知機能を効果的に刺激し、認知機能の回復を誘導することができることが本発明の特徴である。本発明において、訓練アルゴリズム別に設定されるメタデータは、経験的、数学的、実験的及び統計的なデータにより決定されている。
【0090】
以下、説明の便宜上、先に進行する訓練を第1施行、その次に進行する訓練を第2施行と略称する。また、
図5において、月曜日午前に最初に実施される訓練アルゴリズムが配置されるスロットを第1スロット501、金曜日午後に最後に実施される訓練アルゴリズムが配置されるスロットを第30スロット595と称し、第1スロット501と第30スロット595との間にあるスロットも、類似した規則によって称される。
【0091】
第1配置演算部251は、月曜日から金曜日までの午前及び午後に訓練アルゴリズムを配置することができる。第1配置演算部251は、第1施行では、ユーザに対するデータがないので、デフォルト(default)に設定された配置により、訓練プログラムの空いているスロットに訓練アルゴリズムを配置することができ、デフォルトに設定された配置がなければ、ランダムに訓練アルゴリズムを配置することができる。
【0092】
図5において、各スロットに配置された訓練アルゴリズムのうち、A、B、C、DまたはEで始める訓練アルゴリズムは、直接訓練アルゴリズムを意味し、F、GまたはHで始める訓練アルゴリズムは、間接訓練アルゴリズムを意味する。以下、A~Hは、「訓練コード」と称される。
【0093】
図5において、訓練コード後に記載された数字は、表1で説明した細部訓練アルゴリズムを意味する。例えば、心像に対する直接訓練アルゴリズムに細部訓練アルゴリズムが4個あるならば、A1、A2、A3及びA4とそれぞれ称される。以下、訓練コード後に記載される数字は、「訓練番号」と称される。
【0094】
図5において、訓練番号後に記載された数字は、当該訓練のレベルを意味する。同一の訓練番号の訓練アルゴリズムであっても、レベルが高ければ高いほど、ユーザの認知機能に対する刺激は大きくなる。
【0095】
前述の説明を総合すれば、
図5の第2スロット503は、語意Bに対する訓練アルゴリズムのうち、訓練番号が3である訓練アルゴリズムであり、訓練レベルは2である訓練アルゴリズムである。他の例として、
図5の第4スロット511は、心像Aに対する訓練アルゴリズムのうち、訓練番号が1である訓練アルゴリズムであり、訓練レベルは5である。
【0096】
第1配置演算部251により、訓練プログラムに含まれた各スロットに訓練アルゴリズムが配置されれば、訓練プログラムの構築が完了する。構築された訓練プログラムは、ユーザ端末に伝達され、ユーザがユーザ端末を通じて訓練プログラムを駆動し、訓練プログラムに参加することができる。通信部230は、ユーザ端末から、訓練プログラムを構成するそれぞれの訓練アルゴリズムに対する結果値を受信し、脆弱訓練決定部255に伝達することができる。
【0097】
脆弱訓練決定部255は、結果値に基づいて、訓練アルゴリズム別に成就度を算出し、算出された成就度に基づいて、訓練アルゴリズム1つを決定する。この過程において、脆弱訓練決定部255は、最も低い成就度に対する訓練アルゴリズムを、ユーザの脆弱訓練アルゴリズムと決定し、集中的に当該領域に対する訓練が持続されるように制御することになる。
【0098】
第2配置演算部257は、脆弱訓練決定部255で決定された直接訓練アルゴリズムを含み、第2施行に対する訓練プログラムを再構築する。再構築される訓練プログラムは、脆弱訓練決定部255が決定した脆弱訓練アルゴリズムが再び含まれるようにし、その他にも、脆弱訓練決定部255が算出した訓練アルゴリズム別の成就度をさらに考慮して再構築することができる。
【0099】
図5に示された訓練プログラムは、前記のような過程を経て再構築された訓練プログラムの一例である。まず、第1施行で、脆弱訓練アルゴリズムと決定された訓練アルゴリズムは、水曜日の午前訓練540に含まれた第14スロット543のA1-2訓練アルゴリズムである。脆弱訓練決定部255は、A1-2訓練アルゴリズムに対するユーザの正解率が0であり、訓練レベルも2以上であれば、ユーザがA1-2訓練アルゴリズムに対して成就度が低いと判断し、A1-2訓練アルゴリズムのメタデータを参照して、先行訓練を検索することができる。
【0100】
ユーザが訓練プログラムを繰り返し使用するにつれて、成就度レベルはアップデートされ続け、全体として訓練プログラムを構成する訓練アルゴリズムの配置も変わることになる。
【0101】
図5によれば、A1-2訓練アルゴリズムの先行訓練は、F-2訓練アルゴリズムであり、F-2アルゴリズムは、A1-2訓練アルゴリズムの直前に配置され、A1-2訓練アルゴリズムのユーザの成就度が向上することを誘導することができる。前述のように、メタデータに入る先行訓練は、直接訓練アルゴリズムになってもよく、間接訓練アルゴリズムになってもよい。
【0102】
特に、本発明では、第1配置演算部251及び第2配置演算部257は、ユーザの認知機能を効果的に刺激するために、曜日を午前及び午後に分けて訓練することができるように訓練プログラムを構成し、一部の曜日の午後には、既設定された間接訓練アルゴリズムを固定して配置することができる。
図5を参照すれば、水曜日の午後訓練550の第16スロット551には、「変わった単語探しレベル3」に該当するG-3訓練アルゴリズムが配置され、金曜日の午後訓練590の第30スロット595には、「過去ニュース聞き取りレベル2」に該当するH-2訓練アルゴリズムが固定して配置されるので、ユーザの認知機能を効果的に刺激し、症状の緩和を誘導することができる。
【0103】
第2配置演算部257は、脆弱訓練アルゴリズムや固定して配置される間接訓練アルゴリズムを除いた残りのスロットの訓練アルゴリズムを再配置するときには、ユーザの成就度及び訓練レベルを同時に考慮することができる。
【0104】
例えば、第1施行において、ユーザが作業記憶領域Dに属する訓練で達成した細部訓練のレベルが、「単語積み」は3、「単語順序」は4、「逆に言うこと」は5であれば、そのユーザの作業記憶領域Dのレベルは4に設定され、訓練アルゴリズムを再配置するとき、そのレベル値が考慮される。このとき、作業記憶領域に対する成就度は4になる。
【0105】
他の例として、第1施行におけるユーザの訓練の成就度が、心像訓練は1、融合訓練は1、作業記憶訓練は4、語意訓練は2、認知アジリティ訓練は2であれば、第2施行において、訓練プログラムに配置される訓練アルゴリズムは、各訓練の成就度の逆数が加重値として適用されて決定可能である。前述の数値によれば、訓練別の加重値は、それぞれ30%、30%、8%、16%、16%になるので、第2施行において、訓練プログラムに配置される訓練アルゴリズムは、心像訓練及び融合訓練が最も高い割合で含まれ、作業記憶訓練は最も低い割合で含まれる。前記のような加重値計算は、同一の訓練の細部訓練アルゴリズムを決定するときにも適用可能である。
【0106】
本発明によれば、軽度認知障害患者の症状を大きく好転させることができる。
【0107】
本発明によれば、老人の最も恐ろしい疾患である認知症を予防するか、または早期に診断することができる。
【0108】
本発明によれば、認知症患者を管理するのにかかる社会的コストを大幅に低減することができる。
【0109】
本発明によれば、既存の技術とは異なり、認知機能障害患者の記憶の形成過程を、心像、語意及び融合の訓練を通じて記憶単位で刺激し、作業記憶能力と処理速度を総合的に改善させることができる。
【0110】
本発明により構築された訓練プログラムは、ユーザの認知機能を担当する頭脳領域を効果的に刺激し、脳皮質の厚さと認知機能の向上を図ることができ、本発明による訓練プログラムを経験したユーザの頭脳は、DT1映像を通じて、白質全体の変化を含む脳ボリュームの増加が確認された。
【0111】
前述の本発明による実施形態は、コンピュータ上で様々な構成要素を通じて実行可能なコンピュータプログラムの形態に具現可能であり、当該コンピュータプログラムは、コンピュータで読み取り可能な媒体に記録可能である。このとき、媒体は、ハードディスク、フロッピーディスク及び磁気テープのような磁気媒体、CD-ROM及びDVDのような光記録媒体、フロプティカルディスク(floptical disk)のような磁気・光媒体(magneto-optical media)、並びにROM、RAM、フラッシュメモリなどのような、プログラム命令語を格納して実行するように特に構成されたハードウェア装置を含むことができる。
【0112】
一方、前記コンピュータプログラムは、本発明のために特に設計されて構成されたものであってもよく、コンピュータソフトウェア分野の当業者に公知の使用可能なものであってもよい。コンピュータプログラムの例には、コンパイラにより作られるような機械語コードだけでなく、インタプリタなどを使用して、コンピュータにより実行可能な高級言語コードも含まれることが可能である。
【0113】
本発明で説明する特定の実行は、一実施形態であり、いかなる方法でも本発明の範囲を限定するものではない。明細書の簡潔さのために、従来の電子的な構成、制御システム、ソフトウェア、前記システムの他の機能的な側面の記載は省略することができる。また、図面に示された構成要素間の線の連結または連結部材は、機能的な連結及び/または物理的または回路的連結を例示的に表すものであり、実際の装置では、代替可能であったり追加されたりする多様な機能的な連結、物理的な連結、または回路的な連結として表される。また、「必須な」、「重要に」のような具体的な断りがなければ、本発明の適用のために必ずしも必要な構成要素ではない。
【0114】
本発明の明細書(特に、特許請求の範囲)において、「前記」の用語及びこれと類似した指示用語の使用は、単数及び複数の両方に該当するものである。また、本発明において、範囲(range)を記載した場合、前記範囲に属する個別的な値を適用した発明を含むものであり(それに反する記載がなければ)、発明の詳細な説明に、前記範囲を構成する各個別的な値を記載したものと同様である。最後に、本発明による方法を構成する段階について、明らかに順序を記載するか、または反する記載がなければ、前記段階は、適当な順序で行われる。必ずしも前記段階の記載順序によって、本発明が限定されるものではない。本発明において、全ての例または例示的な用語(例えば、など)の使用は、単に本発明を詳細に説明するためのものであり、特許請求の範囲によって限定されない限り、前記の例または例示的な用語によって、本発明の範囲が限定されるものではない。また、当業者は、様々な修正、組み合わせ及び変更が付加された特許請求の範囲、またはその均等物の範疇内で、設計条件及びファクタによって構成可能であることが分かる。