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特許7322211エレベータ制御装置、制御方法およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-28
(45)【発行日】2023-08-07
(54)【発明の名称】エレベータ制御装置、制御方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   B66B 1/46 20060101AFI20230731BHJP
   B66B 1/14 20060101ALI20230731BHJP
【FI】
B66B1/46 A
B66B1/14 L
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2022018049
(22)【出願日】2022-02-08
【審査請求日】2022-02-08
(73)【特許権者】
【識別番号】390025265
【氏名又は名称】東芝エレベータ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】玉置 伸
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 雄太
(72)【発明者】
【氏名】荒瀬 航
【審査官】吉川 直也
(56)【参考文献】
【文献】特開2022-015686(JP,A)
【文献】特開2019-142686(JP,A)
【文献】特開2015-151253(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B66B 1/00-20/00
H01H 36/00-36/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
昇降路を移動する乗りかご内に設けられ、前記乗りかごの行き先階をそれぞれ表示する複数の行き先階表示部と、
前記複数の行き先階表示部にそれぞれ対応して設けられ、利用者による所定の前記行き先階表示部への操作を非接触で検知する複数のセンサ部と、
前記複数の行き先階表示部にそれぞれ対応して前記複数のセンサ部のそれぞれと一体化されて設けられ、前記利用者が所定の前記表示部への操作を押下により行うことが可能な複数の押しボタンと、
前記複数の行き先階表示部と前記複数のセンサ部とが少なくとも縦方向に配列されて設けられる操作盤と、
前記利用者が前記行き先階表示部に近づく場合において、前記複数のセンサ部により略同時に操作が検知された場合であって、複数の列で、かつ同一高さの複数のセンサ部により略同時に操作が検知され、検知された複数のセンサ部のうちいずれかの列の配列数が2未満である場合には、検知された複数のセンサ部のうち配列数が2未満である方の列の単一のセンサ部を特定し、特定されたセンサ部による操作に基づく行き先呼び登録に関する情報を制御盤に送信する制御部と、
を備えるエレベータ制御装置。
【請求項2】
前記制御部は、複数の列で略同時に検知された複数のセンサ部のうち、すべての列の配列数が以上であり、かつ検知されたセンサ部の配列の最上位のセンサ部の位置の高さが異なる場合には、検知されたセンサ部の配列の最上位のセンサ部の位置が高い方の列の前記最上位のセンサ部を前記単一のセンサ部として特定する、
請求項1に記載のエレベータ制御装置。
【請求項3】
前記制御部は、略同時に検知された複数のセンサ部が、単一の列に配列されている場合には、前記単一の列の検知された複数のセンサ部のうち、最上位のセンサ部を前記単一のセンサ部として特定する、
請求項1または2に記載のエレベータ制御装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記特定されたセンサ部から所定範囲に位置する複数のセンサ部を行き先呼び登録の候補から除外する、
請求項1~のいずれか一つに記載のエレベータ制御装置。
【請求項5】
エレベータ制御装置で実行される制御方法であって、
前記エレベータ制御装置は、
昇降路を移動する乗りかご内に設けられ、前記乗りかごの行き先階をそれぞれ表示する複数の行き先階表示部と、
前記複数の行き先階表示部にそれぞれ対応して設けられ、利用者による所定の前記行き先階表示部への操作を非接触で検知する複数のセンサ部と、
前記複数の行き先階表示部にそれぞれ対応して前記複数のセンサ部のそれぞれと一体化されて設けられ、前記利用者が所定の前記表示部への操作を押下により行うことが可能な複数の押しボタンと、
前記複数の行き先階表示部と前記複数のセンサ部とが少なくとも縦方向に配列されて設けられる操作盤と、を備え、
前記利用者が前記行き先階表示部に近づく場合において、前記複数のセンサ部により略同時に操作が検知された場合において、複数の列で、かつ同一高さの複数のセンサ部により略同時に操作が検知され、検知された複数のセンサ部のうちいずれかの列の配列数が2未満である場合には、検知された複数のセンサ部のうち配列数が2未満である方の列の単一のセンサ部を特定し、特定されたセンサ部による操作に基づく行き先呼び登録に関する情報を制御盤に送信するステップ、
を含む制御方法。
【請求項6】
エレベータ制御装置のコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
前記エレベータ制御装置は、
昇降路を移動する乗りかご内に設けられ、前記乗りかごの行き先階をそれぞれ表示する複数の行き先階表示部と、
前記複数の行き先階表示部にそれぞれ対応して設けられ、利用者による所定の前記行き先階表示部への操作を非接触で検知する複数のセンサ部と、
前記複数の行き先階表示部にそれぞれ対応して前記複数のセンサ部のそれぞれと一体化されて設けられ、前記利用者が所定の前記表示部への操作を押下により行うことが可能な複数の押しボタンと、
前記複数の行き先階表示部と前記複数のセンサ部とが少なくとも縦方向に配列されて設けられる操作盤と、を備え、
前記利用者が前記行き先階表示部に近づく場合において、前記複数のセンサ部により略同時に操作が検知された場合において、複数の列で、かつ同一高さの複数のセンサ部により略同時に操作が検知され、検知された複数のセンサ部のうちいずれかの列の配列数が2未満である場合には、検知された複数のセンサ部のうち配列数が2未満である方の列の単一のセンサ部を特定し、特定されたセンサ部による操作に基づく行き先呼び登録に関する情報を制御盤に送信するステップ、
を前記コンピュータに実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、エレベータ制御装置、制御方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
エレベータの乗りかご内において、行き先階呼びを非接触で行う技術が知られている。例えば、乗りかご内の操作盤に、利用者の手指を非接触で検知し、押しボタンと一体的に構成される複数のセンサ部を設け、このセンサ部により行き先階呼びを行う手法がある。特に、コロナウイルス感染を回避するため、この非接触による検知により呼びを行う方式が広まっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2015-151253号公報
【文献】特許第6984693号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、センサ部と押しボタンが一体構成される操作盤では、操作盤にセンサ部および押しボタンが少なくとも縦方向に配列されており、かつ配列されたセンサ部および押しボタンの間隔が狭い。このため、利用者が行き先階を指定しようとして手指をセンサ部に近づけた際に、手指の大きさから目的の階以外の階に対応するセンサ部も検知してしまうという過検知や誤検知が生じてしまう場合がある。
【0005】
このため、複数のセンサがオン状態になった場合に、乗りかごの出入口の扉から最も遠いセンサ部および押しボタンだけを行先階として呼び登録する従来技術が知られている。
【0006】
しかしながら、このような従来技術では、常に、乗りかごの扉から最も遠いセンサ部および押しボタンが行先階として呼び登録されてしまうため、利用者が意図する階を呼び登録することができないという問題がある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
実施形態のエレベータ制御装置は、昇降路を移動する乗りかご内に設けられ、前記乗りかごの行き先階をそれぞれ表示する複数の行き先階表示部と、前記複数の行き先階表示部にそれぞれ対応して設けられ、利用者による所定の前記行き先階表示部への操作を非接触で検知する複数のセンサ部と、前記複数の行き先階表示部にそれぞれ対応して前記複数のセンサ部のそれぞれと一体化されて設けられ、前記利用者が所定の前記表示部への操作を押下により行うことが可能な複数の押しボタンと、前記複数の行き先階表示部と前記複数のセンサ部とが少なくとも縦方向に配列されて設けられる操作盤と、前記利用者が前記行き先階表示部に近づく場合において、前記複数のセンサ部により略同時に操作が検知された場合であって、複数の列で、かつ同一高さの複数のセンサ部により略同時に操作が検知され、検知された複数のセンサ部のうちいずれかの列の配列数が2未満である場合には、検知された複数のセンサ部のうち配列数が2未満である方の列の単一のセンサ部を特定し、特定されたセンサ部による操作に基づく行き先呼び登録に関する情報を制御盤に送信する制御部と、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、第1の実施形態にかかるエレベータ制御システムの機能構成の一例を示すブロック図である。
図2図2は、第1の実施形態にかかる主操作盤の構成の一例を示す模式図である。
図3図3は、実施形態にかかるセンサ部と押しボタンを側面から見た構成とセンサ部の検知範囲を示す模式図である。
図4図4は、第1の実施形態におけるセンサ部の特定手法の一例を示す模式図である。
図5図5は、第1の実施形態におけるセンサ部の特定手法の他の例を示す模式図である。
図6図6は、第1の実施形態におけるセンサ部の特定手法の他の例を示す模式図である。
図7図7は、第1の実施形態にかかるエレベータ制御システムによる主操作盤のセンサ部の検知に基づくエレベータ制御処理の手順の一例を示すフロー図である。
図8図8は、第1の実施形態にかかるエレベータ制御システムによるセンサ部の特定処理の手順の一例を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して実施形態について詳細に説明する。
【0010】
[第1の実施形態]
(エレベータ制御システムの構成例)
以下に、図1を用いて、行き先階呼び装置30を含むエレベータ制御システム100について説明する。
【0011】
図1は、第1の実施形態にかかるエレベータ制御システム100の機能構成の一例を示すブロック図である。図1に示すように、エレベータ制御システム100は、制御盤10、行き先階呼び装置30を備える。エレベータ制御システム100が制御を行うエレベータは、乗りかご1、駆動装置2、カウンタウェイト3、及びロープ4等を備える。
【0012】
乗りかご1は、図示しない昇降路内を昇降して、各階に設けられた乗り場で乗りかご1に乗車した利用者を他の階に輸送する。乗りかご1とカウンタウェイト3とはロープ4によって連結されている。ロープ4は駆動装置2に架け渡されている。駆動装置2は例えば巻上機等であり、駆動装置2が駆動することで乗りかご1を昇降路内で上下に走行させることができる。
【0013】
制御盤10は、制御部11、通信部12、及び記憶部13を備え、エレベータ全体を制御する。制御盤10は、各種信号の授受が可能なように、駆動装置2と有線または無線で接続されている。また、制御盤10は、各種信号の授受が可能なように、例えば乗りかご1内等に設置される行き先階呼び装置30に接続されている。制御盤10と行き先階呼び装置30とは有線または無線等のネットワークで接続されていてよい。また、制御盤10は、各種信号の授受が可能なように、乗り場に設置される図示しない乗り場呼び装置等と有線または無線で接続されている。
【0014】
制御部11は、乗りかご1内の利用者から行き先階呼びがあった場合、または、乗り場の利用者から乗り場呼びがあった場合等に、それらの呼び登録を行う。制御部11は、呼び登録の内容を記憶部13に格納してもよい。
【0015】
ここで、行き先階呼びとは、乗りかご1内の利用者が、その乗りかご1を所望の行き先階へと向かわせるために行う操作である。また、乗り場呼びとは、乗り場の利用者が、上下いずれかの行き先方向に向かう乗りかご1をその乗り場に到着させるために行う操作である。
【0016】
また、行き先階呼びは、通信部12を介して行き先階呼び装置30から受信する呼び登録要求である。乗り場呼びは、通信部12を介して乗り場呼び装置(不図示)から受信する呼び登録要求である。
【0017】
制御部11は、呼び登録の内容に応じて駆動装置2を駆動させ、乗りかご1を行き先階呼び、または乗り場呼びに応答させる。また、制御部11は、乗りかご1が所定階に到着すると乗りかご1及び乗り場の戸開および戸閉等を行う。
【0018】
また、制御部11は、行き先階呼び装置30から行き先階呼びを受信した場合、行き先階呼びを送信した行き先階呼び装置30に対して表示灯313Aの明点灯の指令を通信部12を介して送出し、表示灯313Aを明点灯させる。また、制御部11は、乗り場呼び装置から乗り場呼びを受信した場合、乗り場呼び装置に対して表示灯の明点灯の指令を通信部12を介して送出し、表示灯を明点灯させる。
【0019】
通信部12は、乗りかご1内の利用者から行き先階呼びがあった場合、または、乗り場の利用者から乗り場呼びがあった場合等に、それらの情報を行き先階呼び装置及び図示しない乗り場呼び装置等から取得する。また、通信部12は、制御部11からの各種命令等を乗りかご1等に送信する。
【0020】
記憶部13は、制御盤10にエレベータの制御を実行させるための各種プログラムを記憶する。上述のように、記憶部13が、行き先階呼び登録および乗り場呼び登録等を記憶していてもよい。
【0021】
次に、行き先階呼び装置30について説明する。行き先階呼び装置30は、主操作盤318A(図2参照)の各部を制御して、利用者による行き先階呼びを受け付け、利用者の操作に対して処理を行う装置である。行き先階呼び装置30は、エレベータ制御装置を構成する。
【0022】
行き先階呼び装置30は、物体検知部31、センサ部311A(311Aa,311Ab,311Ac・・・)、押下検知部32、押しボタン312A(312Aa,312Ab,312Ac・・・)、表示灯313A(313Aa,313Ab,313Ac・・・)、及び通信部34を備え、乗りかご1の利用者による行き先階呼びを受け付ける。行き先階呼び装置30のうち、少なくともセンサ部311A、押しボタン312A、及び表示灯313Aは乗りかご1内に設けられている。行き先階呼び装置30の全体が乗りかご1内に設けられていてもよい。
【0023】
センサ部311A(311Aa,311Ab,311Ac・・・)は、乗りかご1の複数の行き先階(行き先対象)にそれぞれ対応して乗りかご1内に設けられている。所定の行き先階呼びを行おうとする利用者が、対応するセンサ部311Aに手指等をかざすと、センサ部311Aは利用者の手指等の物体を検知する。
【0024】
押しボタン312A(312Aa,312Ab,312Ac・・・)は、乗りかご1の複数の行き先階にそれぞれ対応して乗りかご1内に設けられている。押しボタン312Aは、所定の行き先階呼びを行おうとする利用者が、対応する押しボタン312Aを押下することが可能に構成されている。
【0025】
表示灯313A(313Aa,313Ab,313Ac・・・)は、乗りかご1の複数の行き先階にそれぞれ対応して乗りかご1内に設けられている。所定の行き先階呼びを行おうとする利用者が、対応するセンサ部311Aに手指等をかざし、または、対応する押しボタン312Aを押下すると、その行き先階に対応する表示灯313Aが所定の態様で発光する。
【0026】
物体検知部31は、計時部31aと、制御部31bとを備える。計時部31aは、いずれかのセンサ部311Aが利用者の手指等の物体を検知すると、検知時間の計時を開始する。計時部31aは、そのセンサ部311Aが物体を検知し続けている間は、遅延時間を経過するまで計時を継続する。計時部31aは、遅延時間経過前に、そのセンサ部311Aが物体を検知しなくなった場合には、検知時間の計時を終了する。
【0027】
また、計時部31aは、遅延時間を経過して後述する仮登録がされてから、また検知時間を計時する。そして、計時部31aは、そのセンサ部311Aが物体を検知し続けている間は、第1の時間を経過するまで計時を継続する。計時部31aは、第1の時間経過前に、そのセンサ部311Aが物体を検知しなくなった場合には、検知時間の計時を終了する。
【0028】
計時部31aは、いずれかのセンサ部311Aが物体を検知した後に、そのセンサ部311Aが物体を検知しない状態、すなわち、非検知状態になると、計時を終了する。計時部31aは、センサ部311Aが非検知となった場合に、非検知時間の計時を開始する。そして、計時部31Aaは第2の時間が経過したら、非検知時間の計時を終了する。
【0029】
遅延時間、第1の時間、第2の時間は、任意に設定することができる。例えば、遅延時間を20ms、第1の時間を300ms、第2の時間を200msとすることができるがこれらに限定されるものではない。
【0030】
また、遅延時間、第1の時間、第2の時間を装置ごとに設定変更可能なパラメータデータとして構成し、装置ごとに調整するように構成してもよい。例えば、主操作盤318Aの下部に設けられたボックス(不図示)内のダイヤルにより遅延時間、第1の時間、第2の時間を調整するように構成することができる。また、制御盤10に設けたボリュームつまみにより、行き先階呼び装置30(あるいは乗り場呼び装置)ごとに遅延時間、第1の時間、第2の時間を調整するように構成することができる。
【0031】
制御部31bは、いずれかのセンサ部311Aが利用者の手指等の物体を検知すると、対象のセンサ部311Aを特定する。すなわち、単一のセンサ部311Aが利用者の手指等の物体を検知すると、当該単一のセンサ部311Aを対象のセンサ部311Aと特定する。複数のセンサ部311Aが略同時に利用者の手指等の物体を検知すると、検知された複数のセンサ部311Aから、所定の方式、言い換えれば、予め定められた検知状態のパターンに従って、対象のセンサ部311Aと特定する。予め定められた検知状態のパターンに従って、対象のセンサ部311Aと特定手法については後述する。ここで、略同時とは、時間的に完全に一致している必要はなく、所定の微少時間内に複数検知されれば略同時に検知されたと判断される。
【0032】
制御部31bは、計時部31aが計時した結果に基づいて行き先階呼びがあったか否かを判定する。具体的には、制御部31bは、特定されたセンサ部311Aについて遅延時間に達する前に、計時部31aが遅延時間の計時を終了した場合には、そのセンサ部311Aに対応する行き先階への呼びはなかったものと判定する。また、制御部31bは、いずれかのセンサ部311Aについて遅延時間に達した場合に、他のセンサ部311Aが物体を検知しなければ、物体を検知したセンサ部311Aに対応する呼びがあったものと判定し仮登録する。そして、制御部31bは、仮登録した場合には、操作が行われた行き先階に対応する表示灯313Aを暗点灯させる。一方、制御部31bは、当該センサ部311Aが非検知となった場合には暗点灯した表示灯313Aを消灯させる。
【0033】
制御部31bは、センサ部311Aよる操作に基づく仮登録された時点から検知状態で第1の時間経過し、かつ特定されたセンサ部311Aが非検知となった場合に、特定されたセンサ部311Aによる操作に基づく呼び登録に関する情報として行き先階呼びを、通信部34を介して、制御盤10に通知する。これにより、制御盤10により特定されたセンサ部311Aに対応する行き先階へ呼びの本登録が行われ、特定されたセンサ部311Aに対応する表示灯313Aが明点灯する。
【0034】
また、制御部31bは、所定の方式としての検知パターンにより特定されたセンサ部311Aから所定範囲としての下方2列5個の範囲(図4~6の符号451で示す範囲)に位置する複数のセンサ部311Aを行き先呼び登録の候補から除外する。
【0035】
押下検知部32は、制御部32bを備える。制御部32bは、いずれかの押しボタン312が利用者によって押下されると、押下された押しボタン312Aに対応する行き先階への呼びがあったものと判定する。そして、制御部32bは、行き先階への呼びがあったと判定した場合、押下された押しボタン312Aに対応する行き先階への行き先階呼びを通信部34を介して、制御盤10に通知する。これにより、制御盤10により押下された押しボタン312Aに対応する行き先階へ呼びの本登録が行われ、押下された押しボタン312Aに対応する表示灯313Aが明点灯する。
【0036】
ここで、本実施形態では、表示灯313Aの発光態様としては、上述のように、第1の態様としての暗点灯と、第2の態様としての明点灯がある。暗点灯は明点灯より照度が暗い点灯を意味する。表示灯313Aの明点灯は、押しボタン312Aの押下、およびセンサ部311Aによる仮登録から第1の時間経過かつ手指を離すことによる非検知による呼び登録の入力を、第1の行き先階呼び装置30が検知した結果に対する応答の点灯を意味する。明点灯は、全点灯とも称されることができる。
【0037】
なお、発光の態様として、暗点灯、明点灯は一例であり、これらに限定されるものではない。例えば、点滅等の発光態様を採用することも可能である。
【0038】
通信部34は、通信インタフェース(通信I/F)であり、物体検知部31または押下検知部32が、所定の行き先階への呼びがあったものと判定した場合には、その行き先階登録呼びの情報を制御盤10に送信する。
【0039】
なお、行き先階呼び装置30は、乗りかご1の複数の行き先階に対応する押しボタン312Aの他に、例えば乗りかご1の戸開および戸閉を行う押しボタン等を備えている。この場合、上述の押下検知部32は、これらの他の押しボタンの押下を検知し、通信部34を介して制御盤10等に検知結果を通知してもよい。
【0040】
また、行き先階呼び装置30は、乗りかご1の複数の行き先階に対応する表示灯313Aの他に、例えば乗りかご1の戸開および戸閉等に対応する表示灯等を備えている。この場合、押下検知部32は、検知結果等に基づいて、これらの表示灯を種々の態様で発光させてもよい。
【0041】
また、行き先階呼び装置30は、上記以外にも、乗りかご1の利用者の操作に供する種々の構成を備えることができる。
【0042】
次に、第1の実施形態にかかるエレベータ制御システム100の物理構成について説明する。制御盤10は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、及び記憶装置等を備えるコンピュータとして構成されている。
【0043】
ROMには、例えば制御プログラム及び呼び登録プログラム等のエレベータの制御に関わる各種プログラムが格納されている。ROMに格納されたこれらのプログラムが読み出されてRAMに展開され、それらのプログラムをCPU101が実行することにより、制御盤10のエレベータ制御装置としての機能が実現される。
【0044】
この呼び登録プログラムがCPUにより実行されることで、上述の制御部11、通信部12、及び記憶部13等が実現される。
【0045】
行き先階呼び装置30は、CPU、ROM、RAM、及び記憶装置等を備えるコンピュータとして構成されている。
【0046】
ROMには、例えば、センサ部311Aの検知に基づく呼び等の制御プログラム、押下ボタン312Aの押下に基づく呼び等の制御プログラム等の各種プログラムが格納されている。ROMに格納された制御プログラムが読み出されてRAMに展開され、CPUによって実行されることにより、物体検知部31の計時部31a、制御部31b、押下検知部32の制御部32b等が実現される。
【0047】
ここで、呼び登録プログラム、各制御プログラム等は、コンピュータで実行可能な、エレベータの制御に関する複数の命令を含むコンピュータ読み取り可能かつ非遷移的な記録媒体(Non-transitory Computer Readable Recording Medium)を有するコンピュータプログラムプロダクトである。呼び登録プログラム、各制御プログラム等等は、例えばモジュール構成となっており、これらのモジュールが主記憶装置上にロードされる。
【0048】
呼び登録プログラム、各制御プログラム等は、例えばコンピュータでの読み取りが可能なように記録媒体等に格納されて提供される。記録媒体は、例えば磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、またはフラッシュメモリ等である。また、呼び登録プログラム、各制御プログラム等等は、ネットワークに置かれたサーバ等により配信され、または、ダウンロード可能なように構成されることで、他の様々な手法により提供されてもよい。
【0049】
なお、主に、制御盤10によって実行される呼び登録プログラムと、行き先階呼び装置30によって実行される各制御プログラムとによって、エレベータ制御システム100によって実行されるエレベータ制御プログラムが構成される。
【0050】
(主操作盤の構成例)
図2は、第1の実施形態にかかる行き先階呼び装置の一部である主操作盤318Aの構成の一例を示す模式図である。
【0051】
主操作盤318Aは、エレベータの乗りかご1内の利用者による操作を受け付けたり、利用者に乗りかご1の運行状況等を表示したりすることが可能なように、乗りかご1内に設置される。乗りかご1は、図示しない昇降路内を昇降して、各階に設けられた乗り場で乗りかご1に乗車した利用者を他の階に輸送する。
【0052】
主操作盤318Aの設置位置は、例えば乗りかご1内の扉右横、つまり、乗りかご1内の扉側に向かって右側袖壁部分である。主操作盤318Aが、乗りかご1の左側袖壁部分、または、側板部分等の他の部分に設置されていてもよい。
【0053】
操作盤318Aは、例えば、行き先階表示部310A(310Aa~310Ae)、センサ部311A(311Aa~311Ae)、押しボタン312A(312Aa~312Ae),315A(315Ae,315Ac)、表示灯313A(313Aa~313Ae),316A(316Ae,316Ac)、開閉表示部314A(314Ae,314Ac)、及び表示装置317Aを備える。
【0054】
行き先階表示部310Aは、例えば乗りかご1の行き先階の数字が示された文字盤等であり、乗りかご1の行き先階に対応して主操作盤318Aに複数配置されている。図2の例では、乗りかご1の行き先階である1階~18階にそれぞれ対応して、18個の行き先階表示部310Aa~310Ae(一部省略)が縦方向に二列で配置されている。すなわち、例えば1、3、5、7、9,11、13,15、17階に対応する行き先階表示部310aとセンサ部311Aおよび押しボタン312Aとのセットが縦1列に配置され、その列の右隣等に、例えば2、4、6、8、10、12、14、16、18階に対応する行き先階表示部310Aとセンサ部311Aおよび押しボタン312Aとのセットが更に縦1列に配置されている。ここで、図2の例では、符号は一部の階の行き先階表示部のみに付している。なお、行き先階表示部310Aとセンサ部311Aおよび押しボタン312Aとがセットで縦一列に配置されていてもよい。また、行き先階表示部310Aとセンサ部311Aおよび押しボタン312Aとがセットで縦三列以上に配置されていても良い。
【0055】
センサ部311Aは、非接触式のセンサであり、複数の行き先階表示部310Aにそれぞれ対応して、対応する行き先階表示部310A近傍の主操作盤318Aに複数配置されている。図2の例では、縦方向に二列に並ぶ行き先階表示部310Aa~310Ae・・・に、それぞれ対応する18個のセンサ部311Aa~311Aeが一体化されて配置されている。乗りかご1の利用者が、所望の行き先階への呼びを行うために、対応するセンサ部311Aに手指等をかざすと、そのセンサ部311Aが、対応する行き先階表示部310Aへの操作として利用者の手指等を検知する。
【0056】
センサ部311Aは、例えば非接触式の反射型光電センサ等として構成されている。反射型光電センサは、赤外線をセンサの外側へ向けて投光し、その光が当たった物体からの反射光を受光することで、非接触に物体を検知する。ただし、センサ部311Aは、非接触で物体を検知することができればよく、例えば静電容量型センサ等の他の型式のセンサとして構成されていてもよい。静電容量型センサは、センサの周囲に電界を発生させ、電界内に進入した物体によって静電容量が変化することにより非接触に物体を検知する。
【0057】
ここで、本実施形態では、センサ部311Aと押しボタン312Aは一体化されている。
【0058】
図3は、実施形態にかかるセンサ部311(311A)と押しボタン312(312A)を側面から見た構成とセンサ部311の検知範囲を示す模式図である。具体的には、図3に示すように、押しボタン312の裏面3122側にセンサ部311が装着されている。
【0059】
センサ部311は、図3に示すように、押しボタン312のおもて面3121から所定距離だけ離れた検知範囲401を有している。センサ部311は、図3に示すように、センサ部311と押しボタン312のおもて面3121(すなわち行き先階表示部310のおもて面3121)から第1距離だけ離間した位置までの第1空間領域405では利用者の操作を検知しない。検知範囲401は、第2空間領域に相当し、押しボタン312のおもて面3121から第1距離から離間した位置から第2距離だけ離間した位置までの空間領域であり、この空間領域で利用者の操作を検知する。第1距離は、例えば、押しボタン312のおもて面3121から5mm程度であり、第2距離は、例えば、押しボタン312のおもて面3121から25mm程度とすることができる。ただし、第1距離、第2距離についてはこれに限定されるものではない。検知範囲401は、図3に示すように、押しボタン312のおもて面3121から離れるに従って狭まる山型である。検知範囲401は、全体が押しボタン312のおもて面3121と対向する位置に設定されている。検知範囲401は、押しボタン312のおもて面3121と対向する位置に設定されている。図3に示すように、検知範囲401は、おもて面3121と直交する第1方向D1から見て押しボタン312のおもて面3121内に収まり、かつ、その中央C1がおもて面3121の略中央C2と重なるように設定されている。一例として、検知範囲401の中央C1とおもて面3121の中央C2とは、第1方向D1から見て一致する。このように、検知範囲401の全体が押しボタン312のおもて面3121と対向する位置に設定されている。
【0060】
利用者は、行き先階登録をする際には、自分の手指403等を押しボタン312へ向けて前進させ、この際に、センサ部311の検知範囲401に指先が入ってセンサ部311が検知状態となり、指先が検知範囲401から抜けて第1空間領域に入ると、センサ部311は非検知状態となる。利用者は、さらに手指403を前進させて、押しボタン312を押下する。
【0061】
図2に戻り、押しボタン312Aは、利用者が手指等で押下することが可能に構成され、複数の行き先階表示部310Aにそれぞれ対応して、対応する行き先階表示部310Aと一体的に操作盤318Aに複数配置されている。すなわち、例えば押しボタン312Aのそれぞれの前面には、対応する行き先階表示部310Aである文字盤等がはめ込まれている。乗りかご1の利用者が、所望の行き先階への呼びを行うために、対応する押しボタン312Aを押下すると、上述の押下検知部32が、対応する行き先階表示部310Aへの操作として押しボタン312Aの押下を検知する。
【0062】
表示灯313Aは、上述のように複数の態様で発光することが可能に構成され、複数の行き先階表示部310Aにそれぞれ対応して、対応する行き先階表示部310Aと一体的に操作盤318に複数内蔵されている。すなわち、例えば押しボタン312Aのそれぞれの背面に、それぞれ表示灯313Aが埋め込まれている。後述する物体検知部31からのセンサ接点信号に基づいて、及び後述するネットワークに接続された制御盤10からの点灯指令に基づいて、対応する表示灯313Aが点灯する。表示灯313Aが点灯すると、押しボタン312A及び行き先階表示部310Aを透過した表示灯313Aの光が利用者に目視される。
【0063】
図2の例では、複数の表示灯313Aのうち、行き先階表示部310Ab,310Aeに対応する表示灯313Ab,313Aeが暗点灯または明点灯する様子を示している。
【0064】
開閉表示部314Aは、例えば乗りかご1の扉の開閉を表示する表示盤等であり、乗りかご1の戸開を表示する開閉表示部314Ae、及び乗りかご1の戸閉を表示する開閉表示部314Acを含む。図2の例では、開閉表示部314Ae,314Acが左右に並んで操作盤318に配置されている。
【0065】
押しボタン315Aは、利用者が手指等で押下することが可能に構成され、開閉表示部314Ae,314Acにそれぞれ対応して、対応する開閉表示部314Aと一体的に操作盤318Aに複数配置されている。すなわち、例えば押しボタン315Ae,315Acのそれぞれの前面には、対応する開閉表示部314Ae,314Acである表示盤等がはめ込まれている。乗りかご1の利用者が、乗りかご1の扉の開閉を行うために、対応する押しボタン315Aを押下すると、上述の押下検知部32が、対応する開閉表示部314Aへの操作として押しボタン315Aの押下を検知する。
【0066】
表示灯316Aは、所定の態様で発光することが可能に構成され、開閉表示部314Ae,314Acにそれぞれ対応して、対応する開閉表示部314Aと一体的に主操作盤318Aに内蔵されている。すなわち、例えば押しボタン315Ae,315Acのそれぞれの背面に、それぞれ表示灯316Ae,316Acが埋め込まれている。例えば後述の押下検知部32の検知結果に基づいて、対応するいずれかの表示灯316Ae,316Acを点灯すると、押しボタン315A及び開閉表示部314Aを透過した表示灯316Aの光が利用者に目視される。これにより、利用者は、自身の操作がどちらの開閉表示部314Ae,314Acに対する操作と認識されたかを知ることができる。
【0067】
図2の例では、表示灯316Ae,316Acのいずれもが消灯している様子を示している。
【0068】
表示装置317Aは、例えば液晶表示部としての液晶パネルとして構成され、乗りかご1が、どの階付近をどちらの向きに走行中であるかを表示する。図2の例では、上向き矢印と「3」の文字が表示されている。このことから、乗りかご1は3階付近を上方へ向かって走行中であることが判る。
なお、主操作盤318Aの構成および各種構成の配置は図2の例に限られない。
【0069】
また、センサ部311Aの近傍に、センサ部311Aの存在を示す表示またはセンサ部311Aに手指等をかざす操作を促す表示等を配置してもよい。これらの表示は、例えばセンサ部311Aの近傍に所望の表示が記されたシール等を貼付することで配置することができる。
【0070】
また、それぞれのセンサ部311Aの近傍に、それらのセンサ部311Aに対応する行き先階を示す点字、センサ部311Aの存在を示す点字、またはセンサ部311Aに手指等をかざす操作を促す点字等を配置してもよい。これらの点字は、例えばセンサ部311Aの近傍に所望の点字が付された銘板等を設置することで配置することができる。
【0071】
また、主操作盤318Aは、乗りかご1の開閉も非接触で行うことができるよう、開閉表示部314Ae,314Acにそれぞれ対応するセンサ部を備えていてもよい。
【0072】
その他、主操作盤318Aは、利用者の操作に供する種々の押しボタン及びセンサ等を備えることができ、また、利用者に種々の情報を提示する表示灯等を備えることができる。
【0073】
上述のように主操作盤318Aには、センサ部311Aおよびセンサ部311Aと一体となった押しボタン312Aが少なくとも縦方向、本実施形態では二列縦方向に配列されており、かつ、配列されたセンサ部311Aおよび押しボタン312Aのそれぞれの間隔が狭いため、利用者が行き先階を指定しようとして手指をセンサ部311Aに近づけると、手指の大きさの範囲にある複数のセンサ部311Aが手指を検知してしまい、これらが誤検知あるいは過検知となって、利用者が意図する行き先階に対応するセンサ部311A以外のセンサ部311Aが行き先階呼び登録されてしまう可能性がある。このため、本実施形態での制御部31bでは、主操作盤318Aにおいて複数のセンサ部311Aが検知された場合に、所定の方式として、検知された複数のセンサ部311Aの検知パターンにより、利用者が意図する行き先階のセンサ部311Aを対象として特定している。具体的には、以下のように特定される。
【0074】
制御部31bは、利用者が行き先階表示部310Aに近づく場合において、複数のセンサ部311Aにより略同時に操作が検知された場合であって、複数の列で、かつ同一高さの複数のセンサ部311Aにより略同時に操作が検知された場合には、検知された複数のセンサ部311Aのうち配列数が少ない方の列の単一のセンサ部311Aを特定し、特定されたセンサ部311Aによる操作に基づく行き先呼び登録に関する情報を、制御盤10に送信する。
【0075】
より具体的には、制御部31bは、複数の列で略同時に検知された複数のセンサ部311Aのうち、いずれかの列の配列数が所定数未満である場合には、検知された複数のセンサ部311Aのうち配列数が少ない方の列の単一のセンサ部を特定する。ここで、本実施形態では、所定数を2としている。ただし、所定数は、これに限定されるものではない。
【0076】
図4は、第1の実施形態におけるセンサ部311Aの特定手法の一例を説明するための模式図である。図4(a)の例では、二列の双方の列にわたって利用者の手が覆うように利用者が主操作盤318Aの右側から手指(人差し指)403の指先を15階のセンサ部311Aに接近させるものとする。このとき、目的の15階のセンサ部311Aが検知してオンとなる他、人差し指403以外の指等の部分により、14、16階のセンサ部311Aも検知してオンとなる。
【0077】
ここで、二列の各列において、図4(a)の左列の検知されたセンサ部311Aの配列数が1であり、右列の検知されたセンサ部311Aの配列数は2である。そして、左列の配列数が1と、所定数2未満となる。このため、制御部31bは、二列で同一高さの15階のセンサ部311Aと16階のセンサ部311Aのうちで検知されたセンサ部311の配列数が少ない左列の15階のセンサ部311Aを有効な単一のセンサ部311Aとして特定する。これにより、利用者の意図に従った階床である15階の行き先階呼び登録がされることになる。
【0078】
このとき、制御部31bは、特定されたセンサ部311Aから所定の範囲である下方の2列5個までの範囲451に属する(言い換えれば、位置する)複数のセンサ部311Aおよびそれぞれと一体となった複数の押しボタン312Aを行き先階呼び登録の候補の対象から除外する。図4(a)の例では、5~14階に対応する10個のセンサ部311Aおよび10個の押しボタン312Aが上記所定の範囲451に属することになり、制御部31bは、5~14階に対応するセンサ部311Aおよび押しボタン312Aを行き先階呼び登録の対象から除外する。このため、5~14階に対応するセンサ部311Aが、手指で検知されたり、5~14階に対応する押しボタン312Aが押下されても、制御部31bは、仮登録、本登録の処理は行わない。
【0079】
また、図4(b)の例では、二列の双方の列にわたって利用者の手が覆うように利用者が主操作盤318Aの左側から右手の人差し指403の指先を16階のセンサ部311Aに接近させるものとする。このとき、目的の16階のセンサ部311Aが検知してオンとなる他、人差し指403以外の指等の部分により、14、15階のセンサ部311Aも検知してオンとなる。
【0080】
ここで、二列の各列において、図4(b)の左列の検知されたセンサ部311Aの配列数が2であり、右列の検知されたセンサ部311Aの配列数は1である。そして、右列の配列数が1と、所定数2未満となる。このため、制御部31bは、二列で同一高さの15階のセンサ部311Aと16階のセンサ部311Aのうちで検知されたセンサ部311の配列数が少ない右列の16階のセンサ部311Aを有効な単一のセンサ部311Aとして特定する。これにより、利用者の意図に従った階床である16階の行き先階呼び登録がされることになる。
【0081】
また、図4(b)の例では、5~14階に対応する10個のセンサ部311Aおよび10個の押しボタン312Aが上記所定の範囲451に属することになり、制御部31bは、5~14階に対応するセンサ部311Aおよび押しボタン312Aを行き先階呼び登録の対象から除外する。
【0082】
なお、図4(a),(b)の例は、主操作盤318Aが、乗りかご1内から乗り場方向をみて、乗りかご1内の右横の前壁面に配置されていた場合において、利用者の右手の手指403が主操作盤318Aの右方向または左方向から15階のセンサ部311Aに近接する状態を示している。ただし、これに限られず、主操作盤318Aが、乗りかご1内から乗り場方向をみて、乗りかご1内の左横の前壁面に配置されていた場合もあり得る。このような主操作盤318Aの配置の場合には、利用者は、左手の手指403を主操作盤318Aに対してセンサ部311Aに近接させることが多い。このように、主操作盤318Aが扉の左側に配置され、利用者の左手の手指403がセンサ部311Aに近づく場合においても、上記特定の手法を適用することができる。
【0083】
図5は、第1の実施形態におけるセンサ部311Aの特定手法の他の例を説明するための模式図である。図5(a),図5(b)では、いずれも利用者が左手の手指403でセンサ部311Aをかざす例を示している。
【0084】
図5(a)の例では、二列の双方の列にわたって利用者の左手が覆うように利用者が主操作盤318Aの左側から左手の手指(人差し指)403の指先を13階のセンサ部311Aに接近させるものとする。このとき、目的の13階のセンサ部311Aが検知してオンとなる他、人差し指403以外の親指、その他の指等の部分により、12,14、16階のセンサ部311Aも検知してオンとなる。
【0085】
ここで、二列の各列において、図5(a)の左列の検知されたセンサ部311Aの配列数が1であり、右列の検知されたセンサ部311Aの配列数は3である。そして、左列の配列数が1と、所定数2未満となる。このため、制御部31bは、二列で同一高さの13階のセンサ部311Aと14階のセンサ部311Aのうちで検知されたセンサ部311の配列数が少ない左列の13階のセンサ部311Aを有効な単一のセンサ部311Aとして特定する。これにより、利用者の意図に従った階床である13階の行き先階呼び登録がされることになる。
【0086】
また、図5(a)の例では、3~12階に対応する10個のセンサ部311Aおよび10個の押しボタン312Aが上記所定の範囲451に属することになり、制御部31bは、3~12階に対応するセンサ部311Aおよび押しボタン312Aを行き先階呼び登録の対象から除外する。
【0087】
また、図5(b)の例では、二列の双方の列にわたって利用者の左手が覆うように利用者が主操作盤318Aの左側から左手の手指(人差し指)403の指先を14階のセンサ部311Aに接近させるものとする。このとき、目的の14階のセンサ部311Aが検知してオンとなる他、人差し指403以外の指等により、13,15階のセンサ部311Aも検知してオンとなる。
【0088】
ここで、二列の各列において、図5(b)の左列の検知されたセンサ部311Aの配列数が2であり、右列の検知されたセンサ部311Aの配列数は1である。そして、右列の配列数が1と、所定数2未満となる。このため、制御部31bは、二列で同一高さの13階のセンサ部311Aと14階のセンサ部311Aのうちで検知されたセンサ部311の配列数が少ない右列の14階のセンサ部311Aを有効な単一のセンサ部311Aとして特定する。これにより、利用者の意図に従った階床である14階の行き先階呼び登録がされることになる。
【0089】
また、図5(b)の例では、3~12階に対応する10個のセンサ部311Aおよび10個の押しボタン312Aが上記所定の範囲451に属することになり、制御部31bは、3~12階に対応するセンサ部311Aおよび押しボタン312Aを行き先階呼び登録の対象から除外する。
【0090】
また、制御部31bは、複数の列で略同時に検知された複数のセンサ部311Aのうち、すべての列の配列数が所定数以上である場合には、検知されたセンサ部の配列の最上位のセンサ部311Aの位置が高い方の列の最上位のセンサ部を単一のセンサ部311Aとして特定する。
【0091】
図6は、第1の実施形態におけるセンサ部311Aの特定手法の他の例を説明するための模式図である。
【0092】
図6(a)の例では、二列の双方の列にわたって利用者の手が覆うように利用者が手指(人差し指)403の指先を15階のセンサ部311Aに接近させると、目的の15階のセンサ部311Aが検知してオンとなる他、人差し指403以外の手指部分により、11,12,13,14階のセンサ部311Aも検知してオンとなる。
【0093】
ここで、二列の各列において、図6(a)の左列の検知されたセンサ部311Aの配列数は3であり、右列の検知されたセンサ部311Aの配列数は2である。そして、いずれの列の配列数も、所定数2以上となる。このため、制御部31bは二列のうちでセンサ部311Aの配列の最上位のセンサ部311Aの位置が高い方の列である左列の最上位である15階のセンサ部311Aを有効な単一のセンサ部311Aとして特定する。これにより、利用者の意図に従った階床である15階の行き先階呼び登録がされることになる。
【0094】
ここで、図6(a)の例では、5~14階に対応する10個のセンサ部311Aおよび10個の押しボタン312Aが上記所定の範囲451に属することになり、制御部31bは、上記所定の範囲451に属する5~14階に対応するセンサ部311Aおよび押しボタン312Aを行き先階呼び登録の対象から除外する。
【0095】
また、制御部31bは、略同時に検知された複数のセンサ部311Aが、単一の列に配列されている場合には、単一の列の検知された複数のセンサ部311Aのうち、最上位のセンサ部311Aを単一のセンサ部311Aとして特定する。
【0096】
図6(b)の例では、二列のうち右側の列側で、利用者が人差し指403の指先を16階のセンサ部311Aに接近させるものとする。このとき、目的の16階のセンサ部311Aが検知してオンとなる他、人差し指403以外の手指部分により、右側の一列の10,12,14階のセンサ部311Aも検知してオンとなる。このため、制御部31bは、この右側の一列のうち、最上位である16階のセンサ部311Aを有効な単一のセンサ部311Aとして特定する。これにより、利用者の意図に従った階床である16階の行き先階呼び登録がされることになる。
【0097】
ここで、図6(b)の例では、5~14階に対応する10個のセンサ部311Aおよび10個の押しボタン312Aが上記所定の範囲451に属することになり、制御部31bは、上記所定の範囲451に属する5~14階に対応するセンサ部311Aおよび押しボタン312Aを行き先階呼び登録の対象から除外する。
【0098】
なお、制御部31bは、単一のセンサ部311Aの操作しか検知されていない場合には、当該センサ部311Aを対象として特定する。
【0099】
(エレベータ制御システムの処理例)
次に、図7図8を用いて、本実施形態のエレベータ制御システム100のエレベータ制御処理の例について説明する。
【0100】
図7は、第1の実施形態にかかる行き先階呼び装置30による主操作盤318Aのセンサ部311Aの検知に基づくエレベータ制御処理の手順の一例を示すフロー図である。
【0101】
図7に示すように、物体検知部31の制御部31bは、いずれかのセンサ部311Aが、対応する行き先階表示部310Aへの操作を検知したか否かを判定する(S101)。いずれのセンサ部311Aも非検知状態であった場合には(S101:No)、制御部31bはいずれかのセンサ部311Aが検知状態となるまで待機する。
【0102】
例えば所定のセンサ部311Aが、ある行き先階を表示する行き先階表示部310Aへの操作を検知した場合には(S101:Yes)、制御部31bは、RAM等を参照して、操作を検知したセンサ部311Aが既に上記所定の範囲(図4~6の符号451)に属するセンサ部311Aであり、行き先階呼び登録の対象外となっているか否かを判断する(S102)。操作を検知したセンサ部311Aが既に行き先階呼び登録の対象外となっている場合には(S102:Yes)、処理はS101に戻り、検知に対する処理は実行されない。
【0103】
一方、S102で、操作を検知したセンサ部311Aが行き先階呼び登録の対象外となっていない場合には(S102:No)、制御部31bは、略同時に、他のセンサ部311Aにより対応する行き先階表示部310Aへの操作を検知したか否かを判断する(S103)。そして、略同時に他のセンサ部311Aにより対応する行き先階表示部310Aへの操作を検知した場合には(S103:Yes)、制御部31bは、図4~6を用いて説明したとおり、検知された複数のセンサ部311Aのパターンに従って、利用者が操作を意図する単一のセンサ部311Aを対象として特定する(S121)。ここで、センサ部311Aの特定処理については後述する。
【0104】
そして、制御部31bは、特定されたセンサ部311Aから上述した所定の範囲(図4の符号451参照)に属する複数のセンサ部311Aおよび複数の押しボタン312Aを、行き先階呼び登録の対象から除外する(S122)。なお、制御部31bは、行き先階呼び登録の対象から除外した複数のセンサ部311Aおよび複数の押しボタン312Aに関する情報として、対応する階の番号等を、RAM等に記憶させる。そして、処理はS104に進む。
【0105】
一方、S102で、略同時に他のセンサ部311Aにより対応する行き先階表示部310Aへの操作を検知していない場合、すなわち単一のセンサ部311Aに対応する行き先階表示部310Aへの操作しか検知していない場合には(S102:No)、制御部31bは、当該センサ部311Aを対象として特定し、処理を次のステップに進める。
【0106】
次に、物体検知部31の計時部31cは第1検知時間の計時を開始し、計時部31aは検知時間の計時を開始する(S104)。そして、制御部31bは、第2検知時間が遅延時間を経過したか否かを判断する(S105)。検知時間が遅延時間を経過していない場合には(S105:No)、遅延時間の経過まで待機する。一方、検知時間が遅延時間を経過した場合には(S105:Yes)、計時部31aは検知時間の計時を終了する(S106)。次に、制御部31bは、当該行き先階の仮登録を行い、対応する表示灯313を暗点灯させる(S107)。また、計時部31aは、当該行き先階を表示する行き先階表示部310Aに対応するセンサ部311Aについて検知時間の計時を開始する(S108)。
【0107】
次に、制御部31bは、計時対象のセンサ部311A、すなわちS121等で特定されたセンサ部311Aが非検知となったか否かを判定する(S109)。当該センサ部311Aが検知状態を維持している場合には(S109:No)、非検知状態となるまで待機する。
【0108】
そして、S121等で特定されたセンサ部311Aが非検知状態となると(S109:Yes)、制御部31bは、計時部31aがカウントした検知時間が、第1の時間に達したか否かを判定する(S110)。
【0109】
検知時間が第1の時間に達していなかった場合(S110:No)、制御部31bが当該行き先階に対する呼びはなされなかったと判定し、計時部31aは検知時間の計時を終了する(S125)。また、制御部31bは、暗点灯している表示灯313を消灯させる(S126)。そして、処理は終了する。
【0110】
一方、S110で、検知時間が第1の時間に達していた場合(S110:Yes)、ステップS113以降の処理が開始される。すなわち、計時部31aは検知時間の計時を終了する(S113)。
【0111】
また、計時部31aは、行き先階を表示する行き先階表示部310Aに対応するセンサ部311Aについて非検知時間の計時を開始する(S114)。制御部31bは、計時部31aがカウントした非検知時間が、第2の時間に達したか否かを判定する(S115)。非検知時間が第2の時間に達するまでの間(S115:No)、制御部31bは、他のいずれかのセンサ部311が、対応する行き先階表示部310Aへの操作を検知したか否かを判定する(S127)。いずれのセンサ部311も非検知状態であった場合には(S127:No)、制御部31bは、非検知時間が第2の時間に達するまで待機する。
【0112】
S115で、非検知時間が第2の時間に達すると(S115:Yes)、制御部31bが行き先階に対する呼びがあったと判定し、計時部31aは非検知時間の計時を終了する(S116)。また、制御部31bは、通信部34を介して、当該行き先階に対する呼びの情報としての行き先階呼びを制御盤10に通知(すなわち送信)する(S117)。制御盤10の通信部12が行き先階呼びを受信すると、制御盤10の制御部11は行き先階についての呼び登録を行うとともに、明点灯の指令を、通信部12を介して第1の行き先階呼び装置30の呼びのあった行き先階に対応する表示灯313Aに送出する。これにより、主操作盤318Aの行き先階に対応する表示灯313Aが明点灯される(S118)。
【0113】
その後、制御部11は、その呼び登録に基づいて駆動装置2を制御して、乗りかご1を行き先階呼び情報で指定された行き先階へと走行させる。
【0114】
一方、S127で、非検知時間が第2の時間に達する前に(S115:No)、例えば所定のセンサ部311Aが、他の行き先階を表示する行き先階表示部310Aへの操作を検知した場合には(S127:Yes)、制御部31bがS121等で特定された行き先階に対する呼びはなされなかったと判定し、計時部31aは非検知時間のカウントを終了する(S128)。そして、制御部31bは、S121等で特定された行き先階を表示する行き先階表示部310Aに対応し、暗点灯している表示灯313Aを消灯させる(S211)。そして、S127で検知された他の行き先階を、行き先階として(S212)、S102からの処理を繰り返し実行する。
【0115】
次に、S121におけるセンサ部311Aの特定処理の詳細について説明する。
図8は、第1の実施形態のエレベータ制御システム100によるセンサ部311Aの特定処理の手順の一例を示すフロー図である。
【0116】
制御部31bは、複数の列のセンサ部311Aが検知されているか否か(すなわち、オンとなっているか否か)を判断する(S301)。単一の列のセンサ部311Aが検知されている場合には(S301:No)、制御部31bは、検知されているセンサ部311Aのうち、最も上のセンサ部311Aを有効として単一のセンサ部311Aに特定する(S307)。
【0117】
S301で、複数の列のセンサ部311Aが検知されている場合には(S301:Yes)、制御部31bは、同じ高さのセンサ部311Aが検知されているか否か(すなわち、オンとなっているか否か)を判断する(S303)。同じ高さのセンサ部311Aが検知されていない場合には(S303:Yes)、制御部31bは、検知されているセンサ部311Aのうち、最も上のセンサ部311Aを有効として単一のセンサ部311Aに特定する(S307)。
【0118】
S303で、同じ高さのセンサ部311Aが検知されている場合には(S303:Yes)、制御部31bは、全ての列の配列数が所定数以上であるか否かを判断する(S304)。全ての列の配列数が所定数以上でない場合(S304:Yes)、制御部31bは、検知されているセンサ部311Aのうち、最も上のセンサ部311Aを有効として単一のセンサ部311Aに特定する(S307)。
【0119】
S304で、全ての列の配列数が所定数以上でない場合、すなわち、いずれかの列の配列数が所定数未満である場合には(S304:No)、制御部31bは、検知されてオンとなっているセンサ部311Aの配列数が最小の列の最も上のセンサ部311Aを有効として、単一のセンサ部311Aに特定する(S305)。
【0120】
このように本実施形態では、行き先階呼び装置30の制御部31bは、利用者が行き先階表示部310Aに近づく場合において、複数のセンサ部311Aにより略同時に操作が検知された場合であって、複数の列で、かつ同一高さの複数のセンサ部により略同時に操作が検知された場合には、検知された複数のセンサ部311Aのうち配列数が少ない方の列のセンサ部311Aを単一のセンサ部311Aとして特定し、特定されたセンサ部による操作に基づく行き先呼び登録に関する情報を、制御盤10に送信する。
【0121】
このため、本実施形態によれば、複数のセンサ部311Aにより略同時に操作が検知された場合でも、入口から遠いセンサ部311A等、利用者の意図を無視して特定するのではなく、検知されたパターンによって特定しているので、利用者が意図したセンサ部311Aをより正確に特定して行き先階呼び登録を行うことができる。このため、本実施形態によれば、センサ部の過検知および誤検知を防止しながら、利用者が意図する行き先階を登録可能として、エレベータの運用効率を向上させることができる。
【0122】
また、本実施形態では、制御部31bは、複数の列で略同時に検知された複数のセンサ部311Aのうち、いずれかの列の配列数が所定数未満である場合には、検知された複数のセンサ部のうち配列数が少ない方の列のセンサ部311Aを単一のセンサ部311Aを特定する。このため、本実施形態によれば、手指を横方向から複数のセンサ部311Aに近づけた場合でも、利用者が意図したセンサ部311Aをより正確に特定することができる。
【0123】
また、本実施形態によれば、制御部31bは、複数の列で略同時に検知された複数のセンサ部311Aのうち、すべての列の配列数が所定数以上である場合には、検知されたセンサ部の配列の最上位のセンサ部の位置が高い方の列の前記最上位のセンサ部311Aを単一のセンサ部311Aとして特定する。このため、本実施形態によれば、手指を縦方向から複数のセンサ部311Aに近づけた場合でも、利用者が意図したセンサ部311Aをより正確に特定することができる。
【0124】
また、本実施形態では、制御部31bは、略同時に検知された複数のセンサ部311Aが、単一の列に配列されている場合には、単一の列の検知された複数のセンサ部311Aのうち、最上位のセンサ部311Aを前記単一のセンサ部311Aとして特定する。このため、本実施形態によれば、手指を縦方向から複数のセンサ部311Aに近づけた場合でも、利用者が意図したセンサ部311Aをより正確に特定することができる。
【0125】
また、本実施形態では、制御部31bは、特定されたセンサ部311Aから所定範囲に位置する複数のセンサ部を行き先呼び登録の候補から除外する。このため、本実施形態によれば、特定されたセンサ部311Aの周囲のセンサ部311Aの検知による行き先階呼び登録を抑制して、誤検知による行き先階呼び登録を防止することができる。
【0126】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0127】
1…乗りかご、2…駆動装置、3…カウンタウェイト、4…ロープ、10…制御盤、11…制御部、12…通信部、13…記憶部、30…行き先階呼び装置、31…物体検知部、31a…計時部、31b…制御部、32…押下検知部、32b…制御部、34…通信部、100…エレベータ制御システム、310A…行き先階表示部、311Aa~311Ae…センサ部、312Aa~312Ae,315Ac,315Ae…押しボタン、313Aa~313Ae,316Ac,316Ae…表示灯。
【要約】
【課題】センサ部の過検知および誤検知を防止しながら、利用者が意図する行き先階を登録可能として、エレベータの運用効率を向上させること。
【解決手段】実施形態のエレベータ制御装置は、利用者が行き先階表示部に近づく場合において、複数のセンサ部により略同時に操作が検知された場合であって、複数の列で、かつ同一高さの複数のセンサ部により略同時に操作が検知された場合には、検知された複数のセンサ部のうち配列数が少ない方の列の単一のセンサ部を特定し、特定されたセンサ部による操作に基づく行き先呼び登録に関する情報を、ネットワークで接続される制御盤に送信する制御部と、を備える。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8