(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-28
(45)【発行日】2023-08-07
(54)【発明の名称】ネック付き缶を印刷するためのマンドレル
(51)【国際特許分類】
B41F 17/22 20060101AFI20230731BHJP
B41M 1/28 20060101ALI20230731BHJP
【FI】
B41F17/22
B41M1/28
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022025358
(22)【出願日】2022-02-22
(62)【分割の表示】P 2019531446の分割
【原出願日】2017-12-14
【審査請求日】2022-03-17
(32)【優先日】2016-12-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】505257497
【氏名又は名称】ストール マシーナリ カンパニー,エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】Stolle Machinery Company,LLC
(74)【代理人】
【識別番号】110001438
【氏名又は名称】弁理士法人 丸山国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ベッラ,アンソニー ジョセフ
【審査官】小野 郁磨
(56)【参考文献】
【文献】特開平07-265779(JP,A)
【文献】特公昭60-10788(JP,B2)
【文献】特開2009-101605(JP,A)
【文献】特開平11-227158(JP,A)
【文献】特開2014-058142(JP,A)
【文献】特表2019-535547(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41F 17/22
B41M 1/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ドームが形成された缶底と、略円筒状の側壁と、前記側壁の内側半径よりも小さい半径を有する円形の開口が形成された端部と、前記端部から前記側壁に至る移行部とを有するネック付き缶1を装飾するための缶デコレータ10において、
幾つかのマンドレルアセンブリ50を備えており、
各マンドレルアセンブリ50は、マンドレル80を回転させるように構成されており、
前記マンドレル80は、マンドレル本体82を備えており、前記マンドレル本体82は、外面84と、近位の第1の端部86と、近位の中間部分88と、遠位の中間部分90と、遠位の第2の端部92と、真空導路70とを含んでおり、且つ回転軸52を有しており、
前記マンドレル本体
82の外面84は円錐状部分100を含んでおり、前記円錐状部分100は、前記マンドレル本体
82の近位の第1の端部86と前記マンドレル本体
82の近位の中間部分88の少なくとも一方の周りに隣接して配置され、
前記円錐状部分100は、前記マンドレル本体82の遠位の第2の端部92に向かって先細りになるように構成されており、
前記マンドレル本体
82の外面84は、
前記円錐状部分100と繋がる円筒状部分102を含んでおり、前記マンドレル本体
82の外面
84の円筒状部分102は、前記マンドレル本体
82の遠位の第2の端部92の周りに隣接して配置され、
前記マンドレル本体
82の遠位の第2の端部92の内部空間に、テーパー状の内面を有する部材が設けられており、前記テーパー状の内面で囲まれる空間は前記真空導路70と連通しており、
前記マンドレル80に配置されたネック付き缶1が前記真空導路70を介して真空吸引されている状態において、前記ネック付き缶1の缶底のドームは前記テーパー状の内面に支持され、前記ネック付き缶1の開口が形成された端部は、前記円錐状部分100と接する、缶デコレータ。
【請求項2】
前記マンドレル本体
82の外面
84の円錐状部分100はフレア型である、請求項1に記載の缶デコレータ。
【請求項3】
前記マンドレル本体
82の外面
84の円錐状部分100は、ネック係合面110を規定する、請求項1に記載の缶デコレータ。
【請求項4】
前記マンドレル本体
82の外面
84の円筒状部分102は、非係
合面112を規定する、請求項1に記載の缶デコレータ。
【請求項5】
前記マンドレ
ルアセンブリ
50は
マンドレルシャフトアセンブリ60及び流体システム150を含んでおり、
前記マンドレル本体
82の遠位の第2の端部92は、略トロイダル状であり、
前記流体システム150は、真空導路158及び真空カップリング160を含んでおり、
前記真空導路158は、
前記真空カップリング160に結合して流体連通しており、
前記真空カップリング160は、前記
マンドレルシャフトアセンブリ60の近位の端部66に配置されており、前記マンドレル本体82の前記真空導路70と流体連通しており、
前記真空カップリング160は、前記ネック付き缶1に結合するように構成されている、請求項1に記載の缶デコレータ。
【請求項6】
前記マンドレル本体
82の外面84は、非係合面11
2と幾つかの加圧導路120とを含んでおり、各加圧導路120は出口124を含んでおり、
各加圧導路
120の出口124は、前記マンドレル本体
82の外面
84の非係合面11
2に隣接して配置されている、請求項5に記載の缶デコレータ。
【請求項7】
前記流体システム150は、制御アセンブリ152、負圧発生器154、及び正圧発生器156を含んでおり、
前記負圧発生器154は、
前記真空導路158に結合し
て流体連通しており、
前記正圧発生器156は、各加圧導路
120に結合し
て流体連通しており、
前記制御アセンブリ152は、
前記負圧発生器154と
前記正圧発生器156とを重畳的方法で作動させるように構成されている、請求項6に記載の缶デコレータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
開示される概念は概して、機械に関しており、より詳細には、食品や飲料の包装産業で使用される缶を装飾するための缶装飾機に関する。開示された概念はまた、ネック付き缶を支持するように構成されたマンドレル及びマンドレルアセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
缶を装飾するための高速連続動作機械は通常、缶装飾機又は単に缶デコレータと呼ばれており、一般的によく知られている。典型的な缶装飾機は、本願と所有者を同じとする米国特許第5,337,659号に開示されている。装飾工程の間、缶は、「缶ボディ」である、即ち、1つの閉端部と1つの開端部を、又は場合によっては2つの開端部を有する実質的に円筒形の本体を有するシェルであることは理解される。缶デコレータは、インフィードコンベアを含んでおり、当該コンベアは、缶供給部(図示せず)から缶を受け取り、離間しており平行な複数のリングの周囲に沿った弓形のクレードル又はポケットに缶を向けさせる。それらリングは、ポケットホイールに固定される。ポケットホイールは、連続的に回転するマンドレルキャリアホイール又はタレットにしっかりと固定される。タレットは、連続的に回転する水平駆動シャフトにキーで固定される。径方向/水平方向のスピンドル又はマンドレルは、それらの各々がそれ自身の軸回りに回転可能であって、マンドレルキャリアホイールにその周囲に隣接して取り付けられる。インフィードコンベアの下流で、各マンドレルは、個々のポケットと軸方向に狭い間隔で揃えられており、未装飾の缶がポケットからマンドレルに移される。マンドレルの軸方向通路を通じて加えられるサクションは、マンドレル上の最終着座位置まで缶を引き寄せる。
【0003】
マンドレルに装着されて共に回転している間、缶は、インキングステーション、限定ではないが、ブランケット又はデジタルプリントヘッドを含むインク付け(inking)ステーションによって装飾される。即ち、マンドレルが缶を回転させている間に、インク付けステーションが、選択されたパターンでインクを塗布する。その後、マンドレルに装着されたままで、各装飾缶の外側は、ニスの保護フィルムで被覆される。当該フィルムは、ニス塗りユニット又はデジタルプリントヘッドの塗布ロールの周縁部との係合により塗布される。その後、装飾とその上の保護コーティングとを有する缶は、さらなる処理のために缶装飾機から送られる。
【0004】
通常、缶ボディ及びマンドレルは実質的に円筒形である。缶ボディの断面積は、マンドレルよりわずかに大きい。このようなことから、缶の閉端部を吸引することで缶はマンドレルの上に嵌め込まれる。缶の開端部は通常、マンドレルと係合しないことに留意のこと。しかしながら、そのようなマンドレルは、「ネック付き(necked)」である缶ボディを装飾するようには構成されていない。即ち、「ネック付き」缶は、開口端周囲における缶の端部が、缶の他のほとんどの部分に対してより小さい断面積を有するように形成されている。この構成では、円筒形マンドレルは、缶のネック付き開端部を通過するように寸法決めされており、缶の他のほとんどの部分に対してより小さい断面積を有する。この構成だと、缶は装飾プロセス中にマンドレル上でぐらつく可能性が高い。これは問題である。
【発明の概要】
【0005】
開示されており、特許請求の範囲に記載された概念は、マンドレル本体の外面の一部が円錐形である、即ち、外側に広がっているマンドレルを提供する。この構成では、缶は、マンドレル本体の外面の円錐形部分に引っ張られる一方で、マンドレル本体の略円筒形部分は缶の中へと延びる。更に、マンドレル本体の円筒形部分と缶の間の空間は、装飾プロセス中に缶の変形に抵抗するように加圧される。例示的な実施形態では、マンドレルは、外面と、近位の第1の端部と、近位の中間部分と、遠位の中間部分と、遠位の第2の端部とを含んでおり、回転軸を有する細長いマンドレル本体を含む。マンドレル本体の外面は、細長い円錐形部分を含む。マンドレル本体外面の円錐形部分は、マンドレル本体の第1の端部の周りに隣接して配置されている。開示されており、特許請求の範囲に記載されたマンドレルの構成は、上述の問題を解決する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
本発明は、好ましい実施形態の以下の説明から、添付の図面と共に読むことで充分に理解される。
【
図2】
図2は、ネック付き缶を伴うマンドレルアセンブリの側断面図である。
【
図3】
図3は、ネック付き缶を伴った、流体システムマニホルドを有するマンドレルアセンブリの側断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
図面に図示されており、本明細書に記載される特定の要素は、開示される概念の単なる例示的な実施形態であって、例示の目的のためだけに非限定的な例として提供されるものである。故に、本明細書に開示される実施形態に関する特定の寸法、方向、アセンブリ、使用される構成要素の数、実施形態の構成、及び他の物理的特性は、開示される概念の範囲を限定するものとして見なされるべきではない。
【0008】
例えば、時計回り、反時計回り、左、右、上、下、上方、下方及びそれらの派生語などの本明細書で使用される方向を表す用語は、図面に示される要素の向きに関するものであり、本明細書で特に明記しない限り、特許請求の範囲を限定しない。
【0009】
本明細書では、単数形の「ある」及び「その」は、文脈が明らかにそうでないと示さない限り、複数の言及を含む。
【0010】
本明細書では、「[動詞]するように構成された」は、特定の要素又はアセンブリが、特定の動詞を実行するように形成、サイズ決め、配置、結合及び/又は構成された構造を有することを意味する。例えば、「移動するように構成された」部材は、他の要素に移動可能に結合されて部材を移動させる要素、又は他の要素若しくはアセンブリに応答して移動するように構成された要素を含む。従って、本明細書では、「[動詞]するように構成された」は、機能ではなく、構造を明記する。更に、本明細書では、「[動詞]するように構成された」は、特定の要素又はアセンブリが特定の動詞を実行することを意図しており、実行するように設計されていることを意味する。従って、単に、特定の動詞を実行することが可能であるが、特定の動詞を実行することを意図しておらず、設計されていない要素は、「[動詞]するように構成されて」いない。
【0011】
本明細書では、「関連する」とは、要素が同一のアセンブリの一部であること、及び/又は、一緒に動作するか、又は何らかの方法で互いに作用することを意味する。例えば、自動車は、4つのタイヤ及び4つのハブキャップを有する。それら全ての要素が自動車の一部として結合されている一方で、各ハブキャップが特定のタイヤと「関連している」ことは理解される。
【0012】
本明細書では、2つ以上の部品又は構成要素が「結合された」という記述は、それらの部品が直接的又は間接的に、即ち、リンクが発生する限り、1又は複数の中間部品又は構成要素を介して、一緒に結合されるか又は一緒に動作することを意味する。本明細書では、「直接結合された」は、2つの要素が互いに直接接触していることを意味する。本明細書では、「固定的に結合された」又は「固定された」は、2つの構成要素が、互いに対して一定の向きを維持しながら一体として移動するように結合されることを意味する。従って、2つの要素が結合されると、それらの要素のすべての部分が結合される。しかしながら、第1の要素の特定の部分が第2の要素に結合されている、例えば、車軸の第1の端部が第1の車輪に結合されているという説明は、第1の要素の特定の部分が第1の要素の他の部分よりも第2の要素の近くに配置されていることを意味する。更に、重力によってのみ適所に保持されている別の物体に載っている物体は、他の方法で上側物体が実質的に適所に維持されない限り、下側物体に「結合されて」いない。即ち、例えば、テーブルの上の本は、テーブルに結合されていないが、テーブルに接着された本は、テーブルに結合されている。
【0013】
本明細書では、「締結具」は、2つ以上の要素を結合するように構成された別個の構成要素である。従って、例えば、ボルトは、「締結具」であるが、さねはぎ継手は、「締結具」ではない。即ち、さねはぎ要素は、結合される要素の一部であり、別個の構成要素ではない。
【0014】
本明細書では、「取り外し可能に結合された」又は「一時的に結合された」という語句は、ある構成要素が別の構成要素と本質的に一時的に結合されることを意味する。即ち、2つの構成要素は、構成要素の接合又は分離が容易であり、構成要素を損傷しないように結合されている。例えば、限られた数の容易にアクセス可能な締結具で互いに固定されている2つの構成要素、即ち、アクセスが困難ではない締結具は、「取り外し可能に結合」されているが、アクセスが困難な締結具によって互いに溶接又は接合された2つの構成要素は、「取り外し可能に結合されて」いない。「アクセスが困難な締結具」は、締結具にアクセスする前に1又は複数の他の構成要素の取り外しを必要とする締結具であり、「他の構成要素」は、限定するものではないが、ドアなどのアクセス装置ではない。
【0015】
本明細書では、「一時的に配置される」は、第1の要素を切り離すか、又は操作する必要なく、第1の要素/アセンブリが移動されることを可能にする様式で、第1の要素又はアセンブリが第2の要素又はアセンブリの上に載っていることを意味する。例えば、テーブルの上に単に載っている本、即ち、テーブルに接着又は固定されていない本は、テーブルの上に「一時的に配置されて」いる。
【0016】
本明細書では、「動作可能に結合される」とは、それぞれが第1の位置と第2の位置との間、又は第1の構成と第2の構成との間で移動可能な幾つかの要素又はアセンブリが、第1の要素が一方の位置/構成から他方の位置/構成へ移動すると、第2の要素も同様に位置/構成間を移動するように結合されることを意味する。第1の要素は、他の要素に「動作可能に結合され」もよく、逆が当て嵌まらなくてよいことに留意のこと。
【0017】
本明細書では、「カップリングアセンブリ」は、2つ又は3つ以上のカップリング又はカップリング構成要素を含む。カップリング又はカップリングアセンブリの構成要素は、一般に、同一の要素又は他の構成要素の一部ではない。従って、「カップリングアセンブリ」の構成要素は、以下の説明において同時に説明されない場合がある。
【0018】
本明細書では、「カップリング」又は「カップリング構成要素」は、カップリングアセンブリの1又は複数の構成要素である。即ち、カップリングアセンブリは、一緒に結合されるように構成されている少なくとも2つの構成要素を含む。カップリングアセンブリの構成要素は、互いに適合性があることが理解される。例えば、カップリングアセンブリにおいて、一方のカップリング構成要素がスナップソケットである場合には、他方のカップリング構成要素は、スナッププラグであり、又は一方のカップリング構成要素がボルトである場合には、他方のカップリング構成要素は、ナットである。
【0019】
本明細書では、「対応する」は、2つの構造構成要素が互いに類似しており、最小量の摩擦で結合し得るように、寸法決めされ、かつ形成されていることを示唆する。従って、部材に「対応する」開口は、部材が最小量の摩擦で開口を通過できるように、部材よりもわずかに大きく寸法決めされている。2つの構成要素が「ぴったりと」嵌合するようになっている場合は、この定義を変更する。その状況では、構成要素のサイズ間の差異は、更に小さくなり、それにより摩擦の量が増加する。開口を画定する要素及び/又は開口に挿入される構成要素が、変形可能又は圧縮可能な材料から製造される場合、開口は、開口に挿入されようとする構成要素よりもわずかに小さくてもよい。表面、形状、及び線に関して、2つ又は3つ以上の「対応する」表面、形状、又は線は、略同一のサイズ、形状、及びコンターを有する。
【0020】
本明細書では、「平面体」又は「平面部材」は、対向する幅広の略平行な面、即ち、平面部材の平らな表面と、幅広の平行面間に延びるより薄い端面とを含む概ね薄い要素である。即ち、本明細書では、「平面」要素が2つの対向する平面を有することは本質的である。周縁部、つまり端面は、例えば、長方形の平面部材のように、略直線部分を含んでもよく、ディスクのように、湾曲してもよく、又は他の任意の形状を有してもよい。
【0021】
本明細書では、「移動経路」又は「経路」は、移動する要素と関連して使用されるとき、移動中に要素が通る空間を含む。従って、何れの動く要素にも、本質的に「移動経路」又は「経路」がある。
【0022】
本明細書では、2つ以上の部品又は構成要素が互いに「係合する」という表現は、要素が直接又は1又は複数の中間要素又は構成要素を通して互いに力又はバイアスを及ぼすことを意味する。更に、可動部分に関して本明細書では、可動部分は、ある位置から別の位置への移動中に別の要素に「係合」してもよく、及び/又は、その位置に達すると別の要素に「係合」してもよい。従って、「要素Aが要素Aの第1の位置に移動すると、要素Aは、要素Bと係合する」及び「要素Aが要素Aの第1の位置にある場合、要素Aは、要素Bと係合する」という記述は、等価な記述であり、要素Aは、要素Aの第1の位置に移動する間に要素Bと係合する、及び/又は、要素Aは、要素Aの第1の位置にある間要素Bと係合するかの何れかを意味すると理解される。
【0023】
本明細書では、「動作可能に係合する」とは、「係合して移動させる」ことを意味する。即ち、可動又は回転可能な第2の構成要素を移動させるように構成された第1の構成要素に関して使用される場合、「動作可能に係合する」は、第1の構成要素が第2の構成要素を移動させるのに十分な力を加えることを意味する。例えば、ドライバは、ねじと接触するように配置できる。ドライバに力が加えられていない場合、ドライバは、単にねじに「結合されて」いるだけである。軸線方向の力がドライバに加わると、ドライバは、ねじに対して押し付けられ、ねじに「係合する」。しかしながら、回転力がドライバに加えられると、ドライバは、ねじに「動作可能に係合し」、ねじを回転させる。更に、電子部品の場合、「動作可能に係合する」とは、ある部品が制御信号又は電流によって別の部品を制御することを意味する。
【0024】
本明細書では、「単一の」という用語は、単一のピース又はユニットとして製造される構成要素を意味する。つまり、別個に製造されてから1つのユニットとして一緒に結合されたピースを含む構成要素は、「単一の」構成要素又は物体ではない。
【0025】
本明細書では、「幾つか」という用語は、1又は1よりも大きい整数(即ち、複数)を意味するものとする。
【0026】
本明細書では、「[x]は、その第1の位置と第2の位置との間で移動する」、又は、「[y]は、[x]をその第1の位置と第2の位置との間で移動させるように構成される」というフレーズにおいて、[x]は、要素又はアセンブリの名称である。更に、[x]が幾つかの位置の間を移動する要素又はアセンブリである場合、代名詞「それ」は、[x]を、即ち、代名詞「それ」に先行する命名された要素又はアセンブリを意味する。
【0027】
本明細書では、「[要素、点又は軸線]周りに配置される」又は「[要素、点又は軸線]周りに延びる」又は「[要素、点又は軸線]周りに[X]度」などのフレーズにおける「周りに」は、取り囲む、周囲に延びる、又は周囲で測定されることを意味する。測定値に関連して又は同様の方法で使用される場合、「約」は「およそ」を意味し、即ち、これは、当業者には理解されるように、測定値に関連するおおよその範囲内であることを意味する。
【0028】
本明細書では、円形又は円筒形の物体の「径方向側面/表面」は、その物体の中心周りに又は本体の中心を通過する高さ線周りに延びる、又は取り囲む側面/表面である。本明細書では、円形又は円筒形の本体の「軸方向側面/表面」は、中心を通る高さ線に対して略垂直に延びる平面内に延びる側面である。即ち、一般に、円筒形スープ缶については、「径方向側面/表面」は、略円形の側壁であり、「軸方向側面/表面」は、スープ缶の頂部及び底部である。
【0029】
本明細書では、「缶」及び「容器」という用語は、物質(例えば、限定するものではないが、液体、食品、他の任意の適切な物質)を含むように構成されている任意の既知又は好適な容器を指すために実質的に相互交換可能に使用され、ビール缶及びジュース缶などの飲料缶、並びに食品缶が明示的に挙げられるが、これらに限定されない。本明細書では、「ネック付き缶」は、側壁と1つの開端部とを含む缶であって、開端部の断面積は、側壁の他の部分の断面積よりも小さい。缶の閉端部の断面積が側壁の他の部分の断面積よりも小さい缶は、缶が「ネック付き缶」であるかどうかを決定するものではないことに留意のこと。即ち、閉じた缶エンドの断面積は、「ネック付き缶」としての缶の性質には関係がない。
【0030】
本明細書では、「略曲線状」には、複数の湾曲部分を有する要素と、湾曲部分と平坦部分との組み合わせと、互いに対して角度をなして配置され、それにより曲線を形成する複数の平坦部分又は区分とが含まれる。
【0031】
本明細書では、「コンター(contour)」は、物体を画定する線又は表面を意味する。即ち、例えば、断面で見たとき、三次元物体の表面は、二次元に単純化され、従って、三次元表面のコンターの一部は、二次元線のコンターによって表される。
【0032】
本明細書では、「周縁部分」は、画定された領域、表面、又はコンターの外側端部の領域を意味する。
【0033】
本明細書では、「一般に」は、当業者によって理解されるように、修飾されている用語に関して「一般的な様式で」を意味する。
【0034】
本明細書では、「実質的に」は、当業者によって理解されるように、修飾されている用語に関して「ほとんど」を意味する。
【0035】
本明細書では、「にて」は、当業者によって理解されるように、修飾されている用語の上及びそれに近いことを意味する。
【0036】
缶1用の例示的な缶装飾機10が
図1に示されている。マンドレルを使用する缶デコレータは、限定ではないが、米国特許第9,327,493号に開示されている缶デコレータのような他の構成であってもよいことは理解される。更に、後述するように、缶1は略円状にされている。しかしながら、缶1と缶1と相互作用する要素とは、実質的円形以外の形状を有してもよいことは理解される。更に、缶1は、上述した「ネック付き」缶1である。即ち、缶1は、第1の断面積を有する側壁2と、より小さい第2の断面積を有するネック付き開口部3と、例示的実施形態ではドームが形成された閉端部4とを有する。
【0037】
缶デコレータ10は、缶送り込み装置12と、マンドレルタレット14と、複数のインクステーション16と、外周に配置された複数のブランケット20を有するブランケットホイール18と、缶移送アセンブリ22とを含む。通常、マンドレルタレット14の構成は本発明の概念に関係しないが、マンドレルタレット14は、駆動アセンブリ50を含んでおり、駆動アセンブリ50は、後述するように、各マンドレルアセンブリ50及び/又はマンドレル80を回転させるように構成されていることに留意のこと。
【0038】
通常、各マンドレルアセンブリは、マンドレルシャフト本体62と、その周囲に配置されたマンドレル80とを含んでいる。マンドレルシャフト本体62及びマンドレル80は、以下で詳細に説明される。幾つか又は複数のマンドレルアセンブリ50がマンドレルタレット14に結合される。マンドレルアセンブリ50は概ね細長く、その一端でマンドレルタレット14に結合されている。図示されている実施形態では、各マンドレルアセンブリ50、より具体的には各マンドレルシャフト本体62は、マンドレルタレット14の回転軸34と実質的に平行に延びている。米国特許第9,327,493号に示された実施形態のような他の実施形態では、各マンドレルアセンブリ50はマンドレルタレット14の回転軸34に対してほぼ径方向に延びることに留意のこと。図示されている実施形態では、ブランケットホイール18はまた、マンドレルタレットの回転軸34と実質的に平行に延びる軸19を中心に回転するように構成されている。ブランケット20は、ブランケットホイール18の外面に配置される。故に、ブランケット20は、横方向又は径方向にマンドレルアセンブリ50と係合するように配置される。知られているように、各インクステーション16は、典型的には中間版胴シリンダ36を介して、ブランケット20にインクを塗布する。インクステーション16は、ブランケットホイールの回転軸19についてマンドレルキャリア30とは概ね反対側に配置されている。プレスピン(prespin)アセンブリ38(概略的に示されている)は、典型的には複数のベルト40とガイドホイール42とを備えており、ブランケットホイール18に動作可能に結合されており、マンドレル80(後述)に係合してマンドレル80を回転させるように構成されたベルト40を有する。
【0039】
動作中、缶1は、缶送り込み装置12にて、マンドレルアセンブリ50の遠位端を覆って配置される。マンドレルキャリア30が回転すると、缶1を伴ったマンドレルアセンブリ50が、ブランケットホイール18に向かって移動する。ブランケット20に係合する前に、プレスピンアセンブリのベルト40はマンドレル80と係合しており、マンドレル80をマンドレルアセンブリの長手方向軸回りで回転させる。マンドレルキャリア30が回転し続けると、缶1を伴ったマンドレルアセンブリ50は、ブランケット20との係合中に缶1が一回転するような速度で回転しつつ、インク付けされたブランケット20と係合するように移動する。これによって、ブランケット20上のインクが缶1に転写される。次に、缶移送アセンブリ22は、マンドレルアセンブリ50から缶1を取り外し、限定ではないが、ニス塗りステーション及び/又は硬化ステーション24などの後続の処理ステーションに缶1を移送する。
【0040】
図3に示すように、マンドレルアセンブリ50は、細長いマンドレルシャフトアセンブリ60と、マンドレル80と、流体システム150とを含んでいる。或いは、本明細書では、流体システム150は、各マンドレルシャフトアセンブリ60の一部としても特定されて、以下で説明される。更に、これらのマンドレルアセンブリ50は実質的に同じであるので、本明細書では1つのマンドレルアセンブリ50のみが説明される。
【0041】
各マンドレルシャフトアセンブリ60は、細長い本体62を含む。各マンドレルシャフトアセンブリの本体62(以下、「マンドレルシャフト本体」62)は、外面64と、近位の第1の端部66と、遠位の第2の端部68とを含む。本明細書では、細長い本体の「端部」は、ちょうど本体の軸方向面に対するその特定された「端部」での本体の長さを意味する。「近位端」は、マンドレルタレット14に結合する、又はそれに隣接した端部であることは理解される。マンドレルシャフト本体62はまた、中間部分(符号なし)を含んでおり、当該中間部分は、近位中間部分及び遠位中間部分(何れも符号なし)を更に含んでいる。
【0042】
例示的な実施形態では、マンドレルシャフト本体62は、本明細書で真空導路70として特定される中央通路を規定している。真空導路70は、遠位端71を有しており、遠位端71には、例示的な実施形態ではねじが切られている。更に、マンドレルシャフト本体の第2の端部68は、取付部72を含む。図示されているように、例示的な実施形態では、取付部72は、環状カラー74であって、環状カラー74は、真空導路70の周りに配置されて、マンドレルシャフト本体62よりも小さい断面積を有する。
【0043】
ある実施形態では、マンドレルシャフト本体62は、マンドレルタレット14に回転可能に結合されている。別の実施形態では、後述するようにマンドレル80が、マンドレルシャフト本体62に回転可能に配置されている。駆動アセンブリ(図示せず)は、マンドレルシャフト本体62の長手方向軸回りでマンドレル80又はマンドレルシャフト本体62を回転させるように構成されており、それを回転させる。故に、マンドレルアセンブリ50は、マンドレルシャフト本体62の回転軸又はマンドレル80の回転軸でもある回転軸52を有する。
【0044】
各マンドレル80は、概ね環状の細長い本体82を含む。各マンドレル本体82は、外面84と、近位の第1の端部86と、近位の中間部分88と、遠位の中間部分90と、遠位の第2の端部92とを含んでおり、また、概ね囲まれた空間94を規定する。更に、後述するように、マンドレル本体82は回転し、故に、回転軸96を有する。マンドレル本体の回転軸96は、細長いマンドレル本体82の長手方向軸と実質的に揃えられていることに留意のこと。マンドレル本体の近位中間部分88と、マンドレル本体の遠位中間部分90とは、マンドレル本体の第1の端部86とマンドレル本体の第2の端部92の間に配置されており、マンドレル本体の中線が、マンドレル本体の近位中間部分88とマンドレル本体の遠位中間部分90とを分離していることは理解される。「近位端」は、マンドレルタレット14に結合した、又はそれに隣接した端部であることが理解される。マンドレル本体82は、両端が開口した略環状の本体である。即ち、一般に、マンドレル本体82は一般に中空であり、通路を規定している。マンドレル本体82は、例示的な実施形態では、内向きに延びる環状の取付フランジ83を含む。マンドレル本体の取付フランジ83は、マンドレルシャフト本体の取付部72に対応するように構成されている。即ち、マンドレル本体の取付フランジ83によって規定される開口は、マンドレルシャフト本体の取付部72に対応する。
【0045】
マンドレル本体の外面84は、細長い円錐状部分100と細長い略円筒状部分102とを含んでいる。本明細書では、「細長い円錐状部分」を有する面は、段(tiers)の間の移行部を超える長さを有する略円錐状の面を意味する。即ち、例えば、米国特許第6,167,805号の
図2及び
図12は、段の間に短い円錐状部分を有する段付きテーパー状シャフトを開示している。そのような短い円錐状移行部分は、本明細書では、「細長い円錐形部分」ではない。例示的な実施形態では、マンドレル本体の外面の円錐状部分100はフレア型にされている。本明細書では、円筒状部分を有する細長い本体の「フレア型(flared)」円錐状部分は、「フレア型」円錐状部分の広がった端部が、細長い本体の円筒状部分より大きな断面積を有することを意味する。例示的な実施形態では、マンドレル本体外面の円錐状部分100は、マンドレル本体の第1の端部86とマンドレル本体の近位中間部分88の少なくとも一方の周りに隣接して配置されている。本明細書では、「周りに隣接して」とは、概ね周りを一周しており、近いことを意味する。即ち、マンドレル本体外面の円錐状部分100の長さは、形成されているネック付き缶の大きさに合わせて決められていることが理解される。マンドレル本体外面の円錐状部分100は、例示的な実施形態では(図示せず)、マンドレル本体の近位中間部分88、マンドレル本体の遠位中間部分90、マンドレル本体の遠位の第2の端部92のうちの1つ又はそれらの組合せの周りに隣接して配置される。マンドレル本体外面の円錐状部分100は、ネック係合面110を規定する。本明細書では、「ネック係合面」は、ネック付き缶1の面が係合するように構成されており、それが係合する面である。即ち、ネック付きでない缶の面によって係合されるように構成されており、係合される面、又は、ネック付き缶の面によって係合可能であるだけで、ネック付き缶の面に係合していない面は、本明細書で使用される「ネック係合面」ではない。
【0046】
更に、図示されている例示的な実施形態では、マンドレル本体外面の円筒状部分102は、マンドレル本体の遠位中間部分90とマンドレル本体の第2の端部92との周りに隣接して配置されている。マンドレル本体外面の円筒状部分102の断面積は、缶のネック付き開口部3及び缶側壁2の断面積よりも小さい。マンドレル本体外面の円筒状部分102は、非係合面112を規定する。本明細書では、「非係合面」とは、缶1がその面と係合しないように構成されている面を意味する。例えば、図示されているように、缶側壁2の断面積よりも十分に小さい断面積を有する面は、「非係合面」である。従来技術の缶は、従来技術のマンドレルにわたって配置されるので、それらのマンドレルの断面積は、缶よりも小さくなければならないことに留意のこと。そのような従来技術の缶の側壁は、マンドレルの表面に対して実質的に平行に延びる。しかしながら、そのような従来技術の缶の断面積は、従来技術のマンドレルと実質的に同程度であるが、わずかに大きい。そのような従来技術のマンドレルは、本明細書で言う、従来技術の缶よりも「十分に小さい」断面積を有していない。
【0047】
各マンドレル本体82は、関連するマンドレルシャフト本体62に配置され、結合され、直接結合され、又は回転可能に結合される。言い換えると、各マンドレルシャフト本体62は、関連するマンドレル本体包囲空間94内に部分的に配置されている。故に、各マンドレル本体82は、マンドレルアセンブリ回転軸52を中心に回転するように構成されており、そのように回転する。図示されているように、マンドレルアセンブリ50はまた、マンドレルリテーナ56を含んでおり、マンドレルリテーナ56は、広い部分及び狭い部分(何れも符号なし)を含む環状体である。マンドレルリテーナ56の狭い部分は、ねじが切られており、真空導路のねじが切られた遠位端71に対応するように寸法決めされている。従って、例示的な実施形態では、マンドレル本体82は、マンドレルシャフト本体62を覆って配置されており、マンドレル本体の取付フランジ83が、マンドレルシャフト本体取付部72に配置されている。マンドレルリテーナ56は、故に、真空導路の遠位端71と螺合する。この構成では、マンドレル本体82は、マンドレルシャフト本体62に固定される。この構成では、マンドレルシャフト本体62が、マンドレルタレット14に対して回転することは理解される。更に、真空導路70は、マンドレルリテーナ56で規定されている通路と流体連通していることに留意のこと。
【0048】
更に、例示的な実施形態では、マンドレル本体82は、幾つかの加圧導路120を規定する。各加圧導路120は、入口122及び出口124を含む。例示的な実施形態では、各加圧導路の入口122は、マンドレル本体の第1の端部86に配置され、各加圧導路の出口124は、マンドレル本体外面の非係合面112に近接して配置される。
【0049】
例示的な実施形態では、マンドレルアセンブリ50、或いは、上述したように、各マンドレルシャフトアセンブリ60は、概略的に示されている流体システム150を含む。流体システム150は、制御アセンブリ152と、負圧発生器154と、正圧発生器156と、幾つかの真空導路158と、幾つかの真空カップリング160と、幾つかの加圧導路162とを含んでいる。例示的な実施形態では、流体システム150はまた、幾つかのマニホールド164を含んでいる。負圧発生器154は、大気圧に対して流体に負圧を発生させるように構成されており、それを発生する。負圧は、本明細書では、「真空」とされる。正圧発生器156は、大気圧に対して流体に正圧を発生させるように構成されており、それを発生させる。制御アセンブリ152は、流体システムの負圧発生器154と流体システムの正圧発生器156とを重畳的な方法で作動させるように構成されており、そのように作動させる。本明細書では、「重畳的な方法」は、流体システムの負圧発生器154と流体システムの正圧発生器156の両方が、同時に、そして、短い瞬間を超えて圧力を発生していることを意味する。例示的な実施形態では、流体システムの負圧発生器154は、流体システムの正圧発生器156よりも前に作動する。従って、缶2が、真空によってマンドレルアセンブリ50に対して保持された後、膨張する。更に、例示的な実施形態では、流体システムの正圧発生器156が、流体システムの負圧発生器154よりも長い間作動状態に維持されることで、缶2がマンドレルアセンブリ50から排出される。
【0050】
例示的な実施形態では、流体システムの負圧発生器154と流体システムの正圧発生器156とは共に、缶1がマンドレルアセンブリ50に配置されている時間とほぼ同じ時間、圧力を発生する。
【0051】
各流体システムの真空導路158は、流体システムの負圧発生器154及びマンドレルシャフト本体の真空導路70と流体連通している。従って、各マンドレルシャフト本体の真空導路70は、本明細書では、流体システムの真空導路158の一部である。各流体システムの真空カップリング160は、マンドレルシャフト本体の真空導路70と流体連通している。即ち、各流体システムの真空カップリング160は、関連するマンドレル本体の第2の端部92に配置されている。更に、各流体システムの真空カップリング160は、缶1に結合されるように構成されている。即ち、例示的な実施形態では、各流体システムの真空カップリング160は、弾性の、部分的に円錐状の本体を含んでおり、当該本体は、例えば吸盤161であるが、これに限定されない。各流体システムの真空カップリング160は、缶がマンドレル80に配置されており、流体システムの負圧発生器154を通じて負圧が引かれると、缶エンド4を引き込むように構成されている。故に、流体システム150は、マンドレル80に対して缶を付勢するように構成されている。言い換えると、流体システム150は、缶のネック付き開口部3をネック係合面110に対して付勢するように構成されている。
【0052】
図3に示すように、流体システムのマニホールド164は、各マンドレル本体の第1の端部86の周りに配置されている。各流体システムのマニホールド164は、正圧発生器156と流体連通するように構成されており、それと流体連通している。各流体システムのマニホールド164は更に、各マンドレル本体の加圧導路120と流体連通するように構成されており、流体連通している。故に、各マンドレル本体の加圧導路120は、本明細書では、流体システムの加圧導路162の一部でもある。この構成では、流体システム150は、各加圧導路の出口124に正圧で流体を供給するように構成されている。
【0053】
故に、動作中、缶1は、上述のようにマンドレル80に配置される。更に、上述した構成では、缶1がマンドレル80に配置されると、マンドレル本体外面の円筒状部分102(及び、マンドレル本体外面の円錐部100の幾つかの部分)と缶1の内面との間に、空間又はプレナム180が存在することに留意のこと。更に、各加圧導路の出口124は、プレナム180と流体連通している。
【0054】
例示的な実施形態では、流体システムの負圧発生器154と流体システムの正圧発生器156とが重畳的方法で作動し、流体システムの負圧発生器154が流体システムの正圧発生器156の前に作動する。更に、流体システム負圧発生器154は、流体システム正圧発生器156よりも大きなバイアスを缶1に発生させる。この構成では、流体システム負圧発生器154が、上述のようにマンドレル80に対して缶1を引っ張り、次に流体システム正圧発生器156がプレナム180に正圧を加える。本明細書では、正圧が缶の側壁2に加えられて、缶1は「膨張」している。このように、流体システムの正圧発生器156は、缶1を膨張させるように構成されている。缶1は、マンドレル80に引き寄せられて、印刷工程中に膨張する。印刷処理後、流体システムの負圧発生器154と流体システムの正圧発生器156とは、解除される。例示的な実施形態では、流体システム正圧発生器156は、流体システム負圧発生器154よりも長く再作動し、又は作動状態に維持されて、マンドレル80から缶1がエジェクトされる。
【0055】
本発明の特定の実施形態を詳細に説明したが、本開示の全体的な教示に照らして、これらの詳細に対する様々な変更及び代替がなされ得ることが当業者には理解されよう。従って、開示された特定の構成は、例示のみを目的としており、添付の特許請求の範囲の全範囲と、その任意及び全ての均等物とに与えられる発明の範囲を限定するものではない。