(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-28
(45)【発行日】2023-08-07
(54)【発明の名称】工具装置システム及び工具装置に真空掃除機を接続するための方法
(51)【国際特許分類】
B25F 5/02 20060101AFI20230731BHJP
【FI】
B25F5/02
(21)【出願番号】P 2022539726
(86)(22)【出願日】2020-12-14
(86)【国際出願番号】 EP2020085945
(87)【国際公開番号】W WO2021139965
(87)【国際公開日】2021-07-15
【審査請求日】2022-06-28
(32)【優先日】2020-01-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】591010170
【氏名又は名称】ヒルティ アクチエンゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】Hilti Aktiengesellschaft
【住所又は居所原語表記】Feldkircherstrasse 100,9494 Schaan,Liechtenstein
(74)【代理人】
【識別番号】110002664
【氏名又は名称】弁理士法人相原国際知財事務所
(72)【発明者】
【氏名】ヴィダ, ガボール
(72)【発明者】
【氏名】ターク トラクラネン, ジョン ヴァン
【審査官】城野 祐希
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-016211(JP,A)
【文献】独国特許出願公開第102005057269(DE,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B25F 5/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
- 工具(3)を有する動力工具(1)、
- 前記動力工具(1)で作業するときに生じるダストを取り出すための掃除機(2)、
- 吸引接続装置(4)
を含む動力工具システムにおいて、
前記吸引接続装置(4)は、前記動力工具(1)の前記工具(3)と前記動力工具(1)との間に配置され、且つ前記動力工具(1)の歯(5)が前記吸引接続装置(4)上の相手歯(6)に係合され得る点で前記動力工具(1)に接続可能であ
り、
前記動力工具(1)の前記歯(5)は、少なくとも3つの締結段階が設定可能であるように、前記吸引接続装置(4)上の前記相手歯(6)と協働し、
第1の締結段階において、前記動力工具(1)のハンドル(7)と前記吸引接続装置(4)とは、実質的に一緒に固定され、第2の締結段階において、前記動力工具(1)の前記ハンドル(7)と前記吸引接続装置(4)とは、前記動力工具(1)に対して回転可能であるように構成されるユニットを形成し、第3の締結段階において、前記吸引接続装置(4)は、前記動力工具(1)の前記ハンドル(7)に対して回転可能であるように構成されることを特徴とする、動力工具システム。
【請求項2】
前記締結段階は、前記動力工具(1)の前記ハンドル(7)の回転の数によって設定可能であることを特徴とする、請求項
1に記載の動力工具システム。
【請求項3】
前記吸引接続装置(4)は、前記動力工具(1)の前記工具(3)に前記吸引接続装置(4)を接続するための第1の接続領域(8)を有することを特徴とする、請求項1
または2に記載の動力工具システム。
【請求項4】
前記吸引接続装置(4)は、前記動力工具(1)に前記吸引接続装置(4)を接続するための第2の接続領域(9)を有することを特徴とする、請求項
3に記載の動力工具システム。
【請求項5】
前記第1の接続領域(8)及び前記第2の接続領域(9)は、前記動力工具(1)の実質的に中心軸(11)に沿って配置されることを特徴とする、請求項
4に記載の動力工具システム。
【請求項6】
前記吸引接続装置(4)は、前記掃除機(2)に前記吸引接続装置(4)を接続するための第3の接続領域(10)を有することを特徴とする、請求項5に記載の動力工具システム。
【請求項7】
前記第3の接続領域(10)は、取出ノズル(12)によって形成されるか、又は取出ノズル(12)を含むことを特徴とする、請求項
6に記載の動力工具システム。
【請求項8】
前記第3の接続領域(10)の仮想中心軸(13)は、前記第1の接続領域(8)及び前記第2の接続領域(9)が沿って配置される前記中心軸(11)に対して実質的に垂直であることを特徴とする、請求項
6又は
7に記載の動力工具システム。
【請求項9】
前記吸引接続装置(4)は、掃除機(2)のための接続部を含むことを特徴とする、請求項1~
8のいずれか一項に記載の動力工具システム。
【請求項10】
前記歯(5)は、前記動力工具(1)の前記ハンドル(7)に組み込まれることを特徴とする、請求項1~
9のいずれか一項に記載の動力工具システム。
【請求項11】
前記歯(5)は、前記吸引接続装置(4)の前記相手歯(6)に係合するように設計されることを特徴とする、請求項1~
10のいずれか一項に記載の動力工具システム。
【請求項12】
動力工具(1)に掃除機(2)を接続するための方法であって、
a)工具(3)を有する動力工具(1)を提供するステップ、
b)前記動力工具(1)の前記工具(3)と前記動力工具(1)との間に配置された吸引接続装置(4)を提供するステップ、
c)前記動力工具(1)の歯(5)が前記吸引接続装置(4)上の相手歯(6)に係合される点で前記吸引接続装置(4)と前記動力工具(1)との間に接続を確立するステップ
を含み、
前記接続を確立するステップは、前記動力工具(1)の前記歯(5)は、前記吸引接続装置(4)上の前記相手歯(6)と協働するために少なくとも3つの締結段階を有し、
第1の締結段階において、前記動力工具(1)のハンドル(7)と前記吸引接続装置(4)とは、実質的に一緒に固定され、
第2の締結段階において、前記動力工具(1)の前記ハンドル(7)と前記吸引接続装置(4)とは、前記動力工具(1)に対して回転可能であるように構成されるユニットを形成し、
第3の締結段階において、前記吸引接続装置(4)は、前記動力工具(1)の前記ハンドル(7)に対して回転可能であることを特徴とする、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、動力工具システムと、動力工具に掃除機を接続するための方法とに関する。本システムは、工具を有する動力工具と、動力工具で作業するときに生じるダストを取り出すための掃除機と、吸引接続装置とを含み、吸引接続装置は、動力工具の工具と動力工具との間に配置され、且つ動力工具の歯が吸引接続装置上の相手歯に係合され得る点で動力工具に接続可能である。本発明は、掃除機と吸引接続装置とを一緒に接続する吸引ホースが、動力工具のハンドルに対して固定され得ることを可能にする。更に、吸引ホースと動力工具のハンドルとの間の角度は、特に容易に設定され得る。
【背景技術】
【0002】
基材から削孔コアを分離できるコアドリルなどの動力工具が従来技術から知られている。ダストが動力工具のユーザの気道に入ることを防ぐために、掃除機を用いて、動力工具で作業するときに生じるダストが動力工具の作業領域から取り出され得ることも知られている。
【0003】
特に、コアドリルの場合に蓄積されるダストの取り出しの達成を目的とする2つの概念が従来技術から知られている。第1の概念によれば、ダストは、コアドリルのシャフトを通して取り出される。この概念は、コアドリルのシャフトを通して取り出しが行われる際、コアドリルに固定的に取り付け可能な始動補助部を使用することができないという欠点を伴う。代替として使用可能であり、固定的に取り付け可能ではない始動補助部は、例えば、コアビット又はソケットカッターの先端に使用され得る。しかしながら、このようなコアビット又はソケットカッターの先端にある代替の始動補助部は、単に差し込まれるに過ぎず、最初の削孔後、削孔作業を継続しようとするときに取り外さなければならない。しかしながら、このような手順は、非常に時間及び労力がかかるため、削孔コアを作成する際の作業効率を低下させる。
【0004】
第2の概念によれば、動力工具で作業するときに生じるダストが動力工具の工具、すなわちコアビット又はソケットカッターの後壁を通して取り出されることが提案される。しかしながら、この第2の概念は、利用可能な解決策において、動力工具と取り出したものとの間に間隙が生じるという欠点を伴う。そのため、工具と掃除機とを一緒に接続する吸引ホースがランダムに又は重力の力の下でたるむことがあり、これは、様々な用途で極めて不便である可能性があり、動力工具のユーザにとって望ましくない負担となる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、本発明の目的は、従来のコア削孔システムの上述の欠点を克服し、吸引ホースの望ましくないたるみを防止することである。また、掃除機と動力工具とを一緒に接続する吸引ホースが動力工具のサイドハンドルに対して固定され得る、動力工具に掃除機を接続するためのシステム及び方法が提供され得る場合、当業者は、その価値を認めるであろう。本発明の基礎となる更なる目的は、吸引ホースと動力工具のハンドルとの間の角度を特に簡単に設定する可能な方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的は、独立請求項に記載の主題によって達成される。独立請求項の主題に関連する有利な実施形態は、従属請求項に記載され得る。
【0007】
上記の目的は、まず、動力工具に掃除機を接続するためのシステムによって達成され、本システムは、以下の構成要素:
- 工具を有する動力工具、
- 動力工具で作業するときに生じるダストを取り出すための掃除機、
- 吸引接続装置
を含む。
【0008】
本システムは、吸引接続装置が動力工具の工具と動力工具との間に配置され、且つ動力工具の歯が吸引接続装置上の相手歯に係合され得る点で動力工具に接続可能であることを特徴とする。本発明は、ユーザが、動力工具及びサイドハンドルに対する吸引ホースの位置を必要に応じて特に簡単に設定し得るという利点を伴う。結果として、吸引ホースの位置が固定され得るか又は自由に移動可能であり得る望ましい方法で吸引ホースを案内することができる。更に、本発明は、削孔軸を中心とした吸引ホースの回転が事実上防止されることを可能にする。本発明によれば、本システムは、動力工具に掃除機を接続するために使用され得ることが極めて特に好ましい。
【0009】
動力工具は、特に、岩石、コンクリート又は石材など、加工される基材から掘削コアを切り出すか又は分離することができるコアドリルであり得る。したがって、動力工具の工具は、コアビット又はソケットカッターであり得る。動力工具がコアドリルによって形成される場合、好ましくは、提案されるシステムは、コア削孔システムと呼ばれ得る。コアビット又はソケットカッターには、工具の切削性能を向上させるためにダイヤモンド片を散りばめることができる。好ましくは、本発明によれば、吸引接続装置は、吸引ヘッドとも呼ばれ得る。吸引ヘッドは、動力工具の工具と動力工具との間に配置され、吸引接続装置は、動力工具に面する側において、吸引ヘッドと動力工具との間に接続が確立されるように動力工具上の歯又は輪郭と協働し得る相手歯又は相手輪郭を有し得る。好ましくは、吸引接続装置は、特に、一方のコアドリルと他方のコアビット及び/又はソケットカッターとの間の可能な間隙を埋めるように設計される、動力工具と工具との間の接続ピースであると見なすこともできる。特に、本発明によれば、間隙は、コアビット又はソケットカッターを固定するために埋められることが好ましい。このように間隙を埋めることは、従来技術から知られているコアドリルの2つの取り出し概念のいずれにも備わっていない。
【0010】
吸引ヘッドと動力工具との間の接続が確立される領域は、好ましくは、本発明によれば、第2の接続領域とも呼ばれる。動力工具側では、吸引接続装置は、特に動力工具のハンドルに面する。換言すれば、本発明によれば、吸引接続装置は、動力工具の工具と動力工具のハンドルとの間に配置されることが好ましい場合がある。好ましくは、ハンドルは、ハンドルピースを含み、ハンドルのハンドピースが動力工具のハウジングに締結され得る。好ましくは、ハンドルは、動力工具のサイドハンドルとも呼ばれ得る。
【0011】
吸引接続装置と動力工具又は動力工具のハンドルとの間の接続は、歯と相手歯との協働によって確立され、好ましくは、本発明によれば、歯と相手歯とから構成されるユニットは、ロック機構と呼ばれる。好ましくは、ロック機構は、動力工具又は動力工具のハンドルを吸引ヘッドに接続するように設計される。特に、動力工具と工具との間の間隙は、ロック機構によって埋めることができる。特に、ロック機構は、吸引接続装置と動力工具との間の第2の接続領域に配置される。本発明によれば、歯は、動力工具のハンドルピースに組み込まれることが特に好ましい。これにより、ロック機構の構造を特に簡素にすることが可能となる。
【0012】
吸引接続装置は、第1の接続領域も有し、吸引ヘッドは、この第1の接続領域において動力工具の工具に接続され得る。吸引ヘッドは、第2の接続領域を更に有し、吸引接続装置は、この第2の接続領域において動力工具又は動力工具のハンドルに接続され得る。本発明によれば、第1の接続領域及び第2の接続領域は、例えば、動力工具の工具の駆動軸によって形成される実質的に中心の軸に沿って配置されることが好ましい。この駆動軸は、本発明によれば、シャフト又は削孔軸とも呼ばれ得る。
【0013】
好ましくは、吸引ヘッドは、第3の接続領域も有し、吸引接続装置は、この第3の接続領域において掃除機に接続され得る。好ましくは、この第3の接続領域は、取出ノズルによって形成され得るか、又は取出ノズルを含み得る。本発明によれば、吸引接続装置は、掃除機のための接続部を含むことが極めて特に好ましい。理論的には、中心軸は、第3の接続領域又は取出ノズルを通過することができ、この仮想中心軸は、第1の接続領域及び第2の接続領域が沿って配置される中心軸に対して実質的に垂直である。「実質的に」という用語は、当業者にとって不明瞭な用語ではない。なぜなら、当業者は、例えば、本発明に関連して、例えば0~5度の範囲における正確な数学的直交性からの小さい逸脱でも、「実質的に垂直」という用語によって包含されることが意図されることを知っているからである。
【0014】
本発明によれば、吸引接続装置と掃除機とは、吸引ホースによって一緒に接続されることが好ましい。好ましくは、吸引ホースの第1の端部は、吸引接続装置又は吸引接続装置の第3の接続領域に接続され、且つ掃除機につながり得る。好ましくは、吸引ホースの第2の端部は、掃除機に接続され得る。本発明は、有利には、吸引ホースが動力工具のハンドルに対して固定され得ることを可能にする。更に、吸引ホースは、特に簡単且つ単純な方法において、本発明による動力工具のハンドルに対してある角度に調整され得る。換言すれば、本発明によって達成される重要な利点は、吸引ホースと動力工具のハンドルとの間の角度が特に容易に設定され得ることである。これは、特に、吸引接続装置と動力工具との間にロック機構を設けることによって達成され、結果として、有利には、動力工具又は動力工具のハンドルと吸引ヘッドとの間に解除可能及び/又は角度設定可能な接続が確立され得る。ロック機構は、動力工具上の相手歯又は相手輪郭に係合され得る歯又は輪郭を有するようにされる。本発明によれば、歯は、吸引接続装置の相手歯に係合するように設計されることが好ましい。結果として、好ましくは調整可能な、すなわち可変の接続が動力工具のハンドルと吸引接続装置との間に確立され得る。
【0015】
吸引接続装置と動力工具との間にロック機構を設けた結果、特に、掃除機と吸引接続装置とを一緒に接続する吸引ホースが動力工具のサイドハンドルに対して固定され得ることが可能になる。更に、本発明は、有利には、吸引ホースと動力工具のハンドルとの間の角度を特に簡単に設定する可能な方法を提供する。特に、ロック機構を設けた結果、吸引接続装置と動力工具との間に異なる締結モードを規定する少なくとも3つの締結段階を設けることができる。本発明によれば、3つの締結段階は、サイドハンドルをねじ込む際のサイドハンドルの回転の数によって設定され得ることが好ましい。好ましくは、第1の締結段階において、動力工具のハンドルと吸引接続装置とは、実質的に一緒に固定され得る。第2の締結段階において、動力工具のハンドルと吸引接続装置とは、動力工具に対して回転可能であるように構成されるユニットを形成し得る。本発明によれば、第3の締結段階において、吸引接続装置は、動力工具のハンドルに対して回転可能であるように構成されることが好ましい。換言すれば、第1の締結段階において、動力工具のハンドルと吸引接続装置とは、一緒に締結される。第2の締結段階において、動力工具のサイドハンドルと吸引ヘッドとは、動力工具に対して一緒に回転され得る。第3の締結段階において、吸引ヘッドは、動力工具のサイドハンドルに対して回転され得る。これは、好ましくは、動力工具のハンドルピース上の歯における追加的な作動によって達成され得る。特に、歯における追加的な作動の結果、歯を後退させることが可能になる。その結果、特にラッチ位置又は開放位置である固定位置に到達する。
【0016】
本発明によれば、締結段階は、動力工具のハンドルの回転の数によって設定可能であることが好ましい。換言すれば、締結段階は、歯及び相手歯の配置に応じて互いに対して設定され得る。したがって、好ましくは、歯と相手歯とを互いに対して配置することにより、動力工具のハンドルと吸引接続装置とが実質的に一緒に固定され、動力工具のハンドルと吸引接続装置とが動力工具に対して回転可能であるように構成されるユニットを形成するかどうか、又は吸引接続装置が動力工具のハンドルに対して回転可能であるように構成されるように意図されるかどうかを規定することが可能になる。
【0017】
本発明によれば、歯は、動力工具のハンドルに組み込まれることが好ましい。本発明のこの構成の結果、特にコンパクトで結果として扱いやすい動力工具が提供され得る。
【0018】
更なる態様では、本発明は、動力工具に掃除機を接続するための方法に関し、本方法は、以下のステップ:
a)工具を有する動力工具を提供するステップ、
b)動力工具の工具と動力工具との間に配置された吸引接続装置を提供するステップ、
c)動力工具の歯が吸引接続装置上の相手歯に係合される点で吸引接続装置と動力工具との間に接続を確立するステップ
を含む。
【0019】
動力工具システムに関して導入された用語、定義及び技術的利点は、提案される方法に同様に適用される。有利には、提案される方法は、吸引ホースと動力工具のハンドルとの間の角度を特に簡単且つ単純に調整することを可能にする。好ましくは、提案される方法は、提案されるシステムで実行され得る。特に、動力工具は、工具を有する。更に、動力工具は、吸引接続装置上の相手歯に係合され得る歯を有する。好ましくは、吸引接続装置は、好ましくは、工具と動力工具との間の間隙を埋めることができる、工具と動力工具との間の接続ピースを表すように、動力工具の工具と動力工具との間に配置される。
【0020】
本発明に関連して、特に乾式削孔に使用され得るコアドリルのためのハンドルピースが開示される。この場合、本発明の特に好ましい構成では、コアドリルがソケット切削に使用され得る。動力工具の工具にダイヤモンドが散りばめられている場合、好ましくは、ドリルは、ダイヤモンドコアドリルとも呼ばれ得る。本発明によれば、ロック機構と、好ましくは吸引ヘッドに存在する相手輪郭とを使用して、動力工具のハンドルピースが工具ハンドルを固定し、且つ吸引接続部とハンドルとの間の設定可能な角度を可能にすることが好ましい。
【0021】
更なる利点は、以下の図の説明から明らかになるはずである。図には、本発明の様々な例示的な実施形態が示されている。図、説明及び特許請求の範囲は、多数の特徴を組み合わせて含む。また、当業者であれば、有用な更なる組み合わせを形成するために、適宜、特徴を個別に検討し、それらを組み合わせるはずである。
【0022】
図では、同一及び類似の構成要素を同じ参照符号で示す。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】動力工具のハンドルの好ましい構成の図を示す。
【
図2】動力工具のハンドルの好ましい構成の図を示す。
【
図3】動力工具のハンドルの好ましい構成の図を示す。
【
図7】吸引接続装置、ロック機構及び動力工具のハンドルの好ましい構成の図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0024】
図1~
図3は、提案される動力工具システムの構成部分であり得る動力工具(1、
図7に示す)のハンドル(7)の好ましい構成の図を示す。特に、
図1~
図3は、動力工具(1)の構成部分であり得るハンドルピースを示す。動力工具(1)のユーザは、ハンドル(7)で動力工具(1)を把持することにより、動力工具(1)を保持又は案内することができる。好ましくは、動力工具(1)のハンドル(7)に歯(5)を組み込むことができ、前記歯(5)は、動力工具(1)と吸引接続装置(4)(
図4以降を参照されたい)との間に調整可能な接続部が形成されるように、吸引接続装置(4)の相手歯(6)と協働することができる。動力工具(1)のハンドル(7)の歯(5)は、一連の歯、すなわち突出した要素又は領域を含み、これらは、吸引接続装置(4)の相手歯(6)の凹部領域又は窪みに係合することができ、その結果、接続部が形成され得る。
【0025】
図4~
図6は、吸引接続装置(4)の好ましい構成を示す。特に、
図4は、吸引接続装置(4)の好ましい実施形態の斜視図を示す。好ましくは、吸引接続装置(4)は、一方では、動力工具(1)をその工具(3)に接続するために使用され、他方では、動力工具(1)を掃除機(2、図示せず)に接続するために使用され得る。したがって、好ましくは、吸引接続装置(4)は、本発明によれば接続領域(8~10)とも呼ばれる3つの入力又は出力を有する。本発明によれば、吸引接続装置(4)は、動力工具(1)の工具(3)に吸引接続装置(4)を接続するための第1の接続領域(8)を有することが好ましい。この第1の接続領域(8)は、
図4の右上に示されている。本発明によれば、第1の接続領域(8)及び第2の接続領域(9)は、吸引接続装置(4)内の中心軸(11)に沿って配置されることが好ましく、好ましくは、この中心軸(11)は、動力工具(1)の駆動軸又は削孔軸と一致し得る。好ましくは、吸引接続装置(4)は、動力工具(1)に吸引接続装置(4)を接続するための第2の接続領域(9)を有し、好ましくは、動力工具(1)は、コアドリルとしても構成され得る。更に、吸引接続装置(4)は、掃除機(2)に吸引接続装置(4)を接続するための第3の接続領域(10)を有し得、好ましくは、掃除機(2)は、ダストがユーザの気道に入り込むことを防ぐために、動力工具(1)の動作中に蓄積するダストを取り出すように設計される。
【0026】
好ましくは、第3の接続領域(10)は、取出ノズル(12)によって形成され得るか、又は取出ノズル(12)を含み得る。本発明によれば、理論的には、仮想中心軸(13)は、吸引接続装置(4)、特に吸引接続装置(4)の第3の接続領域(10)又は取出ノズル(12)を通過することができ、この仮想中心軸(13)は、第1の接続領域(8)及び第2の接続領域(9)が沿って配置される中心軸(11)に対して実質的に垂直であることが好ましい。換言すれば、中心軸(11)と仮想中心軸(13)とは、互いに直交に形成され得る。中心軸(11)及び仮想中心軸(13)は、
図4~
図6において破線で示されている。吸引接続装置(4)と掃除機(2)との間の接続部は、特に、例えばラッチ機構によって吸引接続装置(4)に接続され得る吸引ホース(図示せず)を用いて形成され得る。好ましくは、吸引ホースは、吸引接続装置(4)の第3の接続領域(10)につながり得る。
【0027】
好ましくは、吸引接続装置(4)は、動力工具(1)の工具(3)と工具(1)自体との間の間隙を埋めるか又は塞ぐように設計される。好ましくは、吸引接続装置(4)は、
図4~
図6に示すように、工具(3)と動力工具(1)との間に配置され得る接続ピースを形成する。結果として、有利には、工具(3)と動力工具(1)との間の調整可能な接続部は、提案される動力工具システムによって提供され得る。
【0028】
吸引接続装置(4)は、本発明によれば、好ましくは相手輪郭とも呼ばれ得る相手歯(6)を含む。好ましくは、吸引接続装置(4)の相手歯(6)と動力工具(1)の歯(5)とは、動力工具(1)と吸引接続装置(4)との間の接続部を形成するロック機構を形成する。本発明によれば、動力工具(1)と吸引接続装置(4)との間の接続部は、吸引接続装置(4)と動力工具(1)のハンドル(7)との間に形成されることが極めて特に好ましい。
【0029】
図5は、吸引接続装置(4)の好ましい実施形態の側面図を示す。
【0030】
図6は、吸引接続装置(4)の好ましい実施形態の更なる図を示す。
図6に示す図は、特に、吸引接続装置(4)と動力工具(1)又は動力工具(1)のハンドル(7)との間の接続を確立するように設計される、吸引接続装置(4)の第2の接続領域(9)を示す。吸引接続装置(4)と工具(3)との間の接続を確立するように設計されることが好ましい吸引接続装置(4)の第1の接続領域(8)は、
図6に示されていない。
図6の右半分では、好ましくは取出ノズル(12)として構成される第3の接続領域(10)が示されている。好ましくは、第3の接続領域(10)は、吸引接続装置(4)から掃除機(2、図示せず)までの移行部を形成し、接続は、特に吸引ホースによって確立され得る。
【0031】
図7は、提案される動力工具システムの好ましい実施形態を工具(3)のない状態で示す。特に、
図7は、動力工具(1)に接続された吸引接続装置(4)を示す。吸引接続装置(4)は、動力工具(1)のハンドル(7)の歯(5)に係合し得る相手歯(6)を有し、その結果、有利には、ロック機構が形成される。好ましくは、ロック機構は、提案される動力工具システムの第2の接続領域(9)に配置される。
図7では、吸引接続装置(4)の第1の接続領域(8)において中心軸(11)を見ることができ、第1の接続領域(8)及び第2の接続領域(9)は、前記中心軸(11)に沿って配置され得る。好ましくは、特に中心駆動軸(11)に対して垂直であり得る仮想中心軸(13)は、吸引接続装置(4)の第3の接続領域(10)又は取出ノズル(12)を通して延びる。第3の接続領域(10)から進んで、吸引接続装置(4)は、掃除機(2、図示せず)に接続され得る。この目的のために、特に吸引ホースを使用することができる。
【符号の説明】
【0032】
1 動力工具
2 掃除機
3 工具
4 吸引接続装置
5 歯
6 相手歯
7 ハンドル
8 第1の接続領域
9 第2の接続領域
10 第3の接続領域
11 中心軸(駆動軸)
12 取出ノズル
13 仮想中心軸