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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-28
(45)【発行日】2023-08-07
(54)【発明の名称】ディテクタで使用するレンズ
(51)【国際特許分類】
   G02B 3/08 20060101AFI20230731BHJP
   H01L 31/0232 20140101ALI20230731BHJP
【FI】
G02B3/08
H01L31/02 D
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2022565757
(86)(22)【出願日】2021-04-19
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-04-20
(86)【国際出願番号】 EP2021060049
(87)【国際公開番号】W WO2021219411
(87)【国際公開日】2021-11-04
【審査請求日】2022-12-20
(31)【優先権主張番号】20171915.0
(32)【優先日】2020-04-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】516043960
【氏名又は名称】シグニファイ ホールディング ビー ヴィ
【氏名又は名称原語表記】SIGNIFY HOLDING B.V.
【住所又は居所原語表記】High Tech Campus 48,5656 AE Eindhoven,The Netherlands
(74)【代理人】
【識別番号】100163821
【弁理士】
【氏名又は名称】柴田 沙希子
(72)【発明者】
【氏名】ボーネカンプ エリック パウル
【審査官】辻本 寛司
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-008090(JP,A)
【文献】米国特許第05579164(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 3/08
H01L 31/0232
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光軸を有するレンズであって、当該レンズは、
第1の半径rを有する第1の球体の球冠の形態の第1の部分と、
第2の半径rを有する第2の球体の球台の形態の第2の部分と、
を含み、
は、r以上であり、前記第1の球体及び前記第2の球体の中心は、前記光軸上の点において一致し、
前記第2の部分は、前記第1の部分の方を向くトップサイド及び前記第1の部分から離れた方を向くベースサイドを有し、
前記ベースサイドは、複数の同心セクションを含み、各セクションは、前記光軸から離れた方を向く第1の表面及び前記光軸の方を向く第2の表面を有し、
各第1の表面は、前記点と一致する中心を有する第3の球体の球帯の形態を有し、
各セクションについて、前記第1の表面及び前記第2の表面は、前記第2の部分の前記ベースサイドにおける第1の平面に位置する共通の円形ベースエッジを有し、
前記第2の部分は、前記第1の部分によって受けられる光波のうちの少なくとも1つの光波を透過する、及び、前記少なくとも1つの光波を前記複数の同心セクションを介して前記第1の平面と平行な第2の平面に投影するように構成される、レンズ。
【請求項2】
少なくとも1つの第1の表面の球帯は、前記第3の球体に対応する第3の半径rを有し、r<rである、請求項1に記載のレンズ。
【請求項3】
前記第1の部分は球面を有し、前記球面に反射防止層が設けられている、請求項1又は2に記載のレンズ。
【請求項4】
当該レンズは、ポリマーを含む、請求項1乃至3のいずれか一項に記載のレンズ。
【請求項5】
当該レンズは、屈折率nを有するガラスを含み、n>1.5である、請求項1乃至4のいずれか一項に記載のレンズ。
【請求項6】
前記第1の部分は半球である、請求項1乃至5のいずれか一項に記載のレンズ。
【請求項7】
前記第1の部分は、前記光軸に対して少なくとも50度までの入射角で光波を受けるように構成される、請求項1乃至6のいずれか一項に記載のレンズ。
【請求項8】
前記第2の部分の前記トップサイドが、前記第1の部分の周りにリムを画定するように、r<rであり、前記リムは、不透明である、請求項1乃至7のいずれか一項に記載のレンズ。
【請求項9】
光波を検出するためのディテクタであって、
請求項1乃至7のいずれか一項に記載のレンズと、
前記第2の平面に配置される複数のセグメントを含むフォトディテクタであって、前記複数のセグメントの各セグメントは、前記レンズによって透過される光波のうちの少なくとも1つの光波を受けるように配置される、フォトディテクタと、
を含む、ディテクタ。
【請求項10】
前記レンズ及び前記フォトディテクタは、空気のボリュームによって隔てられる、請求項9に記載のディテクタ。
【請求項11】
前記ボリュームは、円筒状の不透明なカバーによって囲まれ、前記円筒状の不透明なカバーは、前記第2の部分の周りに少なくとも部分的に配置される、請求項10に記載のディテクタ。
【請求項12】
円筒状の不透明なカバーは、光吸収性である、請求項9乃至11のいずれか一項に記載のディテクタ。
【請求項13】
前記複数のセグメントの各セグメントは、六角形の形状を有し、前記複数のセグメントのセグメントは、互いに隣接して配置される、請求項9乃至12のいずれか一項に記載のディテクタ。
【請求項14】
ユニバーサルシリアルバス(USB)デバイスと、
請求項9乃至13のいずれか一項に記載のディテクタであって、前記ディテクタは、前記USBデバイスに通信可能に接続される、ディテクタと、
を含む、ディテクタ構成。
【請求項15】
請求項9乃至13のいずれか一項に記載のディテクタと、
前記ディテクタによって検出可能な光波を発するように構成される少なくとも1つのエミッタと、
を含む、ディテクタシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レンズに関する。より具体的に、本発明は、光学系及び/又はディテクタに使用され得るレンズに関する。
【背景技術】
【0002】
様々な種類のレンズが、複数の目的及び複数の分野で使用されており、膨大な数のレンズが、従来技術から知られている。レンズは、例えば、ビーム経路を制御するためのデバイス、シグナリングのためのデバイス、データを送信するためのデバイス等で使用され得る。今日大きな関心を集めている分野は、データを受信及び送信するためにレンズが使用され得る、光ワイヤレス通信の分野である。まだそれほど利用されていないが、急速に発展している一つの分野は、変調された光波を使用してデータを送信するLi-Fiシステムの分野である。Li-Fiシステムは、確立したWi-Fi(登録商標)技術に対するオプションである。Wi-Fiと比較して、Li-Fiシステムは、広帯域チャネルを提供し、特に航空機又は病院等の電磁干渉の影響を受けやすいエリアにおいて、送信のより高い忠実性(fidelity)を提供する。さらに、Wi-Fi信号は、信号が例えば壁を透過することを可能にする波長を使用するが、Li-Fi信号は、物質によって効果的に止められる。これは、侵入者又はハッカーが攻撃するのをより困難にし得る、より安全なネットワーク接続を可能にする。
【0003】
従来技術、例えば、Li-Fiシステムの分野で使用されるレンズは、比較的強い信号を生成しようとするために光波を集中させるように構成される。しかしながら、このアプローチは、光波が一点又は非常に小さなエリアに集束されるという問題を引き起こし得る。言い換えれば、より強い信号を作り出すために(潜在的に異なる)信号をまとめる(add together)ことは、情報損失の可能性を引き起こし得る。また、このアプローチは、信号がどこに由来するのかに関する情報が失われる結果になり得ることにも留意すべきである。
【0004】
それゆえ、これらの課題を解決するために従来技術で使用されるレンズの代替物が必要とされている。とりわけ、コンパクトであり、複数のエミッタからの光波を受け、前記光波を透過することができる一方、依然として異なるエミッタからの信号を分離することができるレンズを提供することに関心がある。また、比較的広いエリアに配置され得るエミッタからの光波を受けることができるレンズを提供することに関心がある。
【0005】
したがって、本発明の目的は、これらの技術分野の1つ以上において従来技術におけるレンズの代替物を提供することである。とりわけ、レンズデザインをコンパクトに保つ一方、上述の望ましい効果の1つ以上を実現するために光学系又はディテクタ(例えば、Li-Fiディテクタ)で使用され得るレンズを提供することに関心がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
相対的な方向決定(relative direction determination)は、より少ないエネルギ消費でより安全且つ高速な通信を可能にし得る最も近い信号源を許容することができる。それゆえ、従来技術で使用されるレンズの代替物が必要とされている。とりわけ、コンパクトであり、複数のエミッタからの光波を受けることができる一方、依然として異なるエミッタからの信号を分離することができるレンズを提供することに関心がある。また、比較的広いエリアにわたって分散され得るエミッタからの光波を受けることができるレンズを提供することに関心がある。
【0007】
したがって、本発明の目的は、これらの技術分野の1つ以上において従来技術におけるレンズの代替物を提供することである。とりわけ、レンズデザインをコンパクトに保つ一方、上述の望ましい効果の1つ以上を実現するために光学系又はディテクタ(例えば、Li-Fiディテクタ)で使用され得るレンズを提供することに関心がある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この及び他の目的は、独立請求項における特徴を有するレンズを提供することによって達成される。好ましい実施形態は、従属請求項において定義される。
【0009】
したがって、本発明の第1の態様によれば、光軸を有するレンズが提供される。レンズは、第1の半径rを有する第1の球体の球冠(spherical cap)の形態の第1の部分と、第2の半径rを有する第2の球体の球台(spherical segment)の形態の第2の部分とを含み、rは、r以上であり、第1の球体及び第2の球体の中心は、光軸上の点において一致する。第2の部分は、第1の部分の方を向くトップサイド(top side)及び第1の部分から離れた方を向くベースサイド(base side)を有する。ベースサイドは、複数の同心セクション(concentric section)を含み、各セクションは、光軸から離れた方を向く第1の表面及び光軸の方を向く第2の表面を有する。各第1の表面は、光軸上の前述の点と一致する中心を有する第3の球体の球帯(spherical zone)の形態を有する。各セクションについて、第1の表面及び第2の表面は、第2の部分のベースサイドにおける第1の平面に位置する共通の円形ベースエッジ(common circular base edge)を有する。第2の部分は、第1の部分によって受けられる光波のうちの少なくとも1つの光波を透過する、及び、少なくとも1つの光波を複数の同心セクションを介して第1の平面と平行な第2の平面に投影するように構成される。
【0010】
用語「レンズ」は、屈折によって光を分散又は集束させるように構成される実質的に任意の透過光学要素又はデバイス(transmissive optical element or device)を指すと解釈されるべきである。
【0011】
第1の態様によるレンズは、2つの部分、すなわち、第1の部分及び第2の部分を含む。第1の部分は、光波を受ける、及び、受けた光波の少なくとも1つを第2の部分に透過するように構成される。第2の部分は、第1の部分から少なくとも1つの光波を受ける、及び、第1の部分から受ける光波の少なくとも1つを平面焦点面(planar focal surface)に投影するように構成される。
【0012】
レンズの第1の部分は、球冠の形状を有する。球冠(spherical cap)は、平面により切断された球の一部である。第1の部分が球冠である球体(sphere)は、第1の球体と呼ばれる。この第1の球体は、半径r及びレンズの光軸上の点に位置する中心を有する。
【0013】
レンズの第2の部分は、球台の形状を有する。球台(spherical segment)は、球体を1対の平行な平面で切断することにより定義される立体である。第2の部分が球台である球体は、第2の球体と呼ばれる。この第2の球体は、半径r及びレンズの光軸上の、第1の球体の中心が位置する点と同じ点に位置する中心を有する。
【0014】
第1の部分から離れた方を向く部分である、第2の部分のベースサイドは、複数の同心セクションを有する。各セクションは、レンズの光軸から離れた方を向く(face away from)第1の表面及び光軸の方を向く(face towards)第2の表面を有する。各第1の表面は、球帯の形態を有する。球帯(spherical zone)は、球台の底面(base)を除く、球台の表面である。第1の表面が球帯である球体は、第3の球体と呼ばれる。この第3の球体は、レンズの光軸上の、第1の球体及び第2の球体の中心が位置する点と同じ点に位置する中心を有する。
【0015】
第1の態様によるレンズにおいて、第2の部分のベースサイドにおける同心セクションは、光波を屈折させ、当該光波を焦点面に透過する(transmit)ように構成される。光波が透過される焦点面は、すべてのセクションについて実質的に同じ平面であり、第2の平面と称される。これは、光波が第2の平面に集束されることを可能にする一方、集束された光波の位置は、到来する光波(incoming light wave)の入射角によって決定される。第3の球体の半径、同心セクションの数、及び隣接するセクション間の離間(separation)は、必要に応じて選択可能である。
【0016】
第2の部分における同心セクションの各々は、レンズの光軸から離れた方を向き、レンズの光軸上の、第1の球体及び第2の球体の中心が位置する点と同じ点に位置する中心を有する第3の球体の球帯の形態を有する第1の表面を有する。言い換えれば、セクションの各第1の表面は、第3の球体に関連する。各第3の球体は、第3の半径riを有し、i=1、2、...、Nであり、Nは、セクションの数である。セクションの形状及び/又は位置は、最適なフォーカシング(optimal focusing)を作り出すために又はよりぼやけた焦点(more blurred focus)を作り出すために調整(tune)されることができることを理解されたい。本発明のレンズは、異なる入射角の光波が、同じ焦点面上に結像されることを可能にする点でさらに有利である。
【0017】
レンズは、すべてのセクション間で実質的に等しい角度αのステップを有するように構成されてもよい。各角度αは、ここでは、焦点距離fと、その後の焦点距離(subsequent focal length)fi+1との間の角度として定義される。セクション間の角度αの等しいステップを有することは、レンズが少なくとも部分的に最適化される点で有利である。最適化される(being optimized)とは、異なるロケーションからの、例えば、変調された光波の、信号に対して十分な信号品質を維持すること、又は所望の光学特性を達成することを指してもよい。セクションの数、第1の表面の球帯に関連する第3の球体の半径、及び角度αのステップは、複数のアプリケーションに適するように変更されてもよいことを理解されたい。
【0018】
複数の同心セクションの各セクションは、光軸のレンズから離れた方を向く第1の表面を有し、第1の表面は、第3の球体の球帯の形態を有する。言い換えれば、セクションの各第1の表面は、第3の球体に関連する。各第3の球体は、第3の半径rを有し、i=1、2、...、Nであり、Nは、セクションの数である。これらの半径のうち、最小のr(i=1)は、レンズの光軸に最も近いセクションの第1の表面に関連する第3の球体の半径である。この最小のrは、最も短い焦点距離に相当し、これは、第2の部分のベースに対応する第1の平面と、レンズの焦点面に対応する第2の平面との間の空間を画定する。レンズの光軸に最も近いセクションに対する第3の半径rを小さくすることは、低減された高さを有するディテクタにおけるレンズの実装を可能にするため、望ましくあり得る。
【0019】
レンズの第1の部分は球面(spherical surface)を有し、球面に反射防止層が設けられてもよい。
【0020】
適用波長又は帯域幅にマッチする第1の部分の受け面(receiving surface)上の注意深く選択された反射防止層は、レンズによって捕捉される光の量を著しく向上させ得る。これは、レンズの光学効率を向上させ、ディテクタ等に使用される場合、ディテクタの全体的な機能を向上させ得るので、有利である。
【0021】
レンズは、ポリマーを含んでもよい。レンズは、ポリマー、例えば、PMMA、ポリカーボネート、又はシリコン等のよく使用される低コストの光学材料で実現されてもよい。軽量で容易な製造可能性のレンズは、ポリマーベースの光学材料を用いて実現されてもよい。
【0022】
レンズは、屈折率nを有するガラスを含み、n>1.5であってもよい。
【0023】
ガラスベースの材料も考慮されてもよい。ポータブル及びモバイルデバイスで用いるためのレンズのサイズを小さくする一つのやり方は、比較的高い屈折率を有する光学材料を使用することである。これは、レンズの屈折率を上げることが、集光比(concentration ratio)を向上させ得るためである。高屈折率を有する市販されている光学材料としては、S-LAH79(n=2.00、Ohara corporation)、N-LASF44(n=1.8、Schott AG)等がある。
【0024】
レンズの第1の部分及び第2の部分は、同じ又は異なる材料から作られてもよい。
【0025】
レンズは、別個のコンポーネントとして個別に作られてもよい。その後、これらは、単一の、堅牢で、機械的に安定した光学体を形成するために光学接着剤を使用して接着されることができる。
【0026】
第1の部分及び第2の部分は、例えば一枚のガラス及び/又はプラスチックによって形成される、単一の要素であってもよい。代替的に、第1の部分及び第2の部分は、隣接して配置される2つの別個の要素であってもよい。第1の部分及び第2の部分は、単一のボールレンズを構成してもよい。「ボールレンズ(ball lens)」は、球状を有する実質的に任意のレンズを意味する。レンズは、例えば、射出成形、トランスファー成形、及び3D印刷等のアディティブ又はサブトラクティブ製造技術によって、モノリシックに作られてもよい。
【0027】
レンズの第1の部分は、球冠の形態を有する。球冠の例は、半球である。
【0028】
レンズの第1の部分は、広い範囲の入射角からの光を集光するように構成される。
【0029】
第1の部分は、レンズの光軸に対して少なくとも50度までの入射角で光波を受けるように構成されてもよい。
【0030】
最大入射角(maximum angle of incidence)は、到来する光波が捕捉されることができるレンズの光軸からの最大角度である。大きな入射角は、ほとんどのアクセスポイントがオプティカルディテクタ(optical detector)によって撮像されることができるような十分な視野を確保するために望まれる。少なくとも50度までの入射角で十分であり得る。
【0031】
レンズは、第1の部分の球冠に関連する第1の球体の第1の半径が、第2の部分の球台に関連する第2の球体の第2の半径よりも小さくなるように構成されてもよい。この場合、第2の部分のトップサイドが、第1の部分の周りにリムを画定する。リムは、好ましくは、不所望の周囲光が第2の部分を介して直接レンズに入るのを防止又は制限するために不透明である。
【0032】
本発明の第2の態様によれば、本発明の第1の態様によるレンズを含む、光波を検出するためのディテクタが提供される。ディテクタはさらに、複数のセグメントを含むフォトディテクタを含む。複数のセグメントの各セグメントは、レンズによって透過される光波のうちの少なくとも1つの光波を受けるように配置される。
【0033】
本発明の第2の態様によるディテクタは、フォトディテクタを含む。「フォトディテクタ(photodetector)」は、光/電磁放射/光子を検出する及び光を電流/電気信号に変換することができる実質的に任意の要素を意味する。フォトディテクタは、光波を検出する並びに検出された光波に基づいて電流及び/又は電気信号を生成するために設けられる。フォトディテクタで生成される信号は、データを含んでもよい。データは、セグメントへの(複数の)入射光波の(複数の)波長、総光子数(total photon count)、光子検出周波数(photon detection frequency)、光波の変調、又はこれらの任意の組み合わせに関する情報の形態でコード化されてもよい。信号における情報(例えば、変調された光波の変調によって伝送されるデータ)は、さらに、電流及び/又は電気信号において伝送される。その後、電流及び/又は電気信号は、例えばコンピュータによって、データとして受信されてもよい。
【0034】
さらに、フォトディテクタは、本発明の第1の態様によるレンズの焦点面に配置されるべきである。これは、異なるロケーションに由来する光波が、同じフォトディテクタに投影/結像されることを可能にする。
【0035】
複数のセグメントの各セグメントは、レンズによって透過される光波のうちの少なくとも1つの光波を受けるように配置される。第2の態様によるディテクタは、フォトディテクタがセグメント化されること、すなわち、フォトディテクタが、実質的に比較的小さなサイズのフォトディテクタである複数のセグメントを含み、各セグメントが互いに独立して光波を検出することができる点で有利である。ここで、「互いに独立して(independently of each other)」は、各セグメントが光波を検出する及び当該セグメントのみに入射する光子に基づいて信号を生成し得ることを意味する。斯くして、各セグメントは、他のすべてのセグメントと区別可能な信号を生成し得る。また、1つ以上の信号を組み合わせて、より強い信号を生成することもオプションである。
【0036】
フォトディテクタは、シリコン(Si)フォトダイオードであってもよい。これは、この種のフォトディテクタは、比較的小さく、低ノイズ、高速及び/又は高スペクトル応答を有し得るので、有利である。フォトディテクタは、光子/光波を検出する及び信号を生成することができる任意のディテクタであってもよいことを理解されたい。
【0037】
フォトディテクタはセグメント化され、異なる入射角を有する光波がほぼ同一平面上に集束されるため、フォトディテクタは、少なくとも部分的に、光波の複数のエミッタからの信号を別々に検出することができる。これは、光波が変調された光波である場合に特に有利である。それゆえ、ディテクタはまた、マルチチャネル通信を可能にし、これにより、通信の帯域幅を増加させてもよい。
【0038】
本発明の別の有利な点は、最高/最強の信号を有するフォトディテクタセグメント、すなわち、入射光波から最高数の光子を検出するセグメントが、最も近いエミッタ及び/又は最も強い送信信号を有するエミッタの方向を示し得ることである。セグメントによって生成される信号は、セグメントへの(複数の)入射光波の(複数の)波長、総光子数、光子検出周波数又は光波の変調に関する情報を含んでもよい。これらの任意の組み合わせが信号に含まれてもよいことを理解されたい。
【0039】
さらに、ディテクタが複数のエミッタからの光波を受けている状況において、ディテクタは、1つの(特定の)エミッタから発する信号を区別し得る。受ける光波が変調された光波である場合、ディテクタは、例えば、Li-Fiシステムで使用されてもよい。ディテクタは、特定のエミッタからの信号を区別し得、よりエネルギ効率の高いディテクタシステム(例えば、Li-Fiシステム)を可能にし、また、強い信号が受信されたエミッタに信号を送り返すことを選択する可能性があるので、より信頼性の高いシステムを可能にし得る。例えば、障害物又は干渉等に起因して、最も近いエミッタよりも、より高い信号を有する遠くのエミッタの方が、ターゲットエミッタとしてより良い選択となる可能性がある。
【0040】
第2の態様によるディテクタは、異なる入射角からの光波を受け得る及び平面ディテクタ上に光波を結像し得る点で有利である。さらに、異なるエミッタからの信号を分離することができる点で有利である。その結果、従来技術におけるディテクタと比較して、より効率的なディテクタ(例えば、Li-Fiディテクタ)が提供される。さらに、光波の受光は、より効率的に行われ得る。したがって、本発明の第2の態様のディテクタは、光学的効率及び/又は空間的効率を向上させる。
【0041】
本発明の第2の態様によるディテクタにおいて、レンズ及びフォトディテクタは、空気のボリューム(volume of air)によって隔てられるように配置されることができる。
【0042】
したがって、レンズは、長い焦点距離を有するように構成されてもよく、レンズのより寛大なデザイン(more lenient design)を可能にする。代替的に、レンズとフォトディテクタを隔てるボリューム(volume)は、光波の波長を考慮した任意の他の透明な光学材料であることができる。ボリュームは、代替的に、プラスチック又はガラス等の任意の他の透明な物質と交換可能であってもよいことを理解されたい。
【0043】
レンズとフォトディテクタの間のボリュームは、円筒状の不透明なカバーによって囲まれることができ、円筒状の不透明なカバーは、レンズの第2の部分の周りに少なくとも部分的に配置されてもよい。円筒状の不透明なカバーは、ディテクタとレンズを隔てるボリューム、及び、好ましくは、レンズの第2の部分の少なくとも一部も、到来する光から遮蔽するように構成される。これは、カバーが、光波がレンズの第1の部分を最初に通過することなくディテクタに入ることを禁止し、ディテクタの信号対雑音比及び光収率を高くする点で有利である。その結果、フォトディテクタでの光波の検出が向上される。さらなる有利な点は、カバーが、レンズ及びフォトディテクタを一緒に保持するように構成されてもよいことである。したがって、カバーは、構造的な支持(structural support)を提供してもよい。円筒状の不透明なカバー、レンズ、及びフォトディテクタは、単一のディテクタユニットを形成してもよい。ディテクタユニットは、堅固(rigid)であってもよい。
【0044】
円筒状の不透明なカバーは、光吸収性であってもよい。
【0045】
(黒色)ペイント等の光吸収材料が、円筒状の不透明なカバーを実現するために使用されることができる。代替的に、反射金属層が、目的を満たすために使用されることができる。
【0046】
フォトディテクタの複数のセグメントの各セグメントは、六角形の形状を有し、複数のセグメントのセグメントは、互いに隣接して配置(タイルド(tiled))されてもよい。
【0047】
これは、セグメントが、複数のセグメントの周囲を最小化する効率的なパターンで配置され、異なるセグメント間のデッドスペースがほとんどないため、有利である。しかしながら、矩形、三角形、円形等、セグメントの他のジオメトリが適用されることも可能である。
【0048】
本発明の第3の態様によれば、ユニバーサルシリアルバス(USB:Universal Serial Bus)デバイスを含むディテクタ構成(detector arrangement)が提供されてもよい。USBデバイスは、本発明の第2の態様によるディテクタを含み、ディテクタは、USBデバイスに通信可能に接続される。
【0049】
本発明の第2の態様によるディテクタは、よく使用されているデータ転送インターフェースを含むデバイスの一部であることができる。デバイスは、データ転送インターフェースが、コンピュータに接続可能な広く使用されているUSBタイプであることができる、モバイル又はポータブルデバイスであることができる。それゆえ、ディテクタによって検出される光波は、所望の目的のために転送されることができる。
【0050】
さらに、比較的小さなフォトディテクタ、例えば、100mm未満の総面積のフォトディテクタを使用することが有益であり得る。これは、フォトディテクタのサイズが比較的小さくなり得る点で有利である。斯くして、フォトディテクタは、上述のデバイス、例えば、USBスティック又はドングルに都合よく収められることができるほど十分に小型であることが可能である。円筒状の不透明なカバーは、ディテクタが配置される構造体、例えば、USBスティック又はドングルの一部であってもよい。したがって、ディテクタが配置される構造体は、光が第2の部分に侵入するのを阻止してもよい。
【0051】
本発明による第4の態様によれば、本発明の第2の態様によるディテクタを含むシステムが提供されてもよい。システムはさらに、ディテクタによって検出可能な光波を発するように構成される少なくとも1つのエミッタを含んでもよい。
【0052】
ディテクタ構成を有するデバイスは、光波の形態でデータ又は情報を送信するための1つ以上のエミッタを含み得る光ワイヤレス通信システムの一部であることができる。ディテクタを含む前述のデバイスは、エミッタとの1つ以上の通信リンクを確立するための通信システムの一部であることができる。
【図面の簡単な説明】
【0053】
ここで、本発明の実施形態を、対応する参照符号が対応する部分を示す添付の概略図を参照して、単なる例として説明する。
図1図1は、レンズの断面図を概略的に示す。
図2図2は、ディテクタの断面図を概略的に示す。
図3図3は、レンズ及びフォトディテクタを含むディテクタの斜視図を概略的に示す。
図4図4は、フォトディテクタの上面図を示す。
図5図5は、ディテクタの斜視図を概略的に示す。
図6図6a~図6dは、レンズの複数の斜視図を示す。
図7図7a~7bは、それぞれレンズの側面図及び斜視図を示す。
図8図8は、ディテクタ及び光波を発するエミッタを含むシステムの図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0054】
図に示されているように、レイヤ及び領域のサイズは、例示の目的で誇張されている場合があり、斯くして、本発明の実施形態の一般的な構造を例示するために提供されている。同様の参照数字は、全体を通して同様の要素を指す。
【0055】
本発明は、本発明の現在好ましい実施形態が示されている添付図面を参照して、以下にさらに完全に述べられる。しかしながら、本発明は、多くの異なる形態で実施されてもよく、本明細書で述べられている実施形態に限定されると解釈されるべきではない。むしろ、これらの実施形態は、徹底性及び完全性のために提供されており、本開示の範囲を当業者に完全に伝える。
【0056】
図1は、光軸Aを有するレンズ200の断面図を示している。レンズ200は、光波110を受けるように構成される第1の部分210を含む。第1の部分210は、光軸A上の点Pに位置する中心を有する第1の球体の球冠の形態を有する。第1の球体は、第1の半径rを有する。
【0057】
レンズ200はさらに、第1の部分210に隣接して配置される第2の部分220を含む。第2の部分220は、第2の半径rを有する第2の球体の球台の形態を有する。第2の球体の中心は、光軸A上の点Pにおいて第1の球体の中心と一致する。
【0058】
第2の部分220は、第1の部分210の方を向くトップサイド及び第1の部分210から離れた方を向くベースサイドを有する。第2の部分220のベースサイドは、複数の同心セクション230を含む。各セクション230は、光軸Aから離れた方を向いている第1の表面230a及び光軸Aの方を向く第2の表面230bを含む。
【0059】
各セクションについて、第1の表面230a及び第2の表面230bは、光軸Aに垂直な第1の平面Kに位置する共通の円形ベースエッジを有する。
【0060】
各第1の表面230aは、光軸A上の点Pと一致する中心を有する第3の球体の球帯の形態を有する。
【0061】
図1はさらに、第1の平面Kと平行な第2の平面Hを示している。第2の部分220は、第1の部分210によって受けられる光波110のうちの少なくとも1つの光波を透過する、及び、少なくとも1つの光波を複数のセクション230を介して第2の平面Hに投影するように構成される。
【0062】
図1において、第1の部分210は、第1の半径rを有する第1の球体の球冠の形態及び光軸A上の点Pにおける中心を有する。第2の部分220は、第2の半径rを有する第2の球体の球台の形態及び光軸A上の点Pにおける中心を有する。第2の球体の第2の半径rは、第1の半径r以上であることができる。図1に示されるレンズにおいて、第2の半径rは、第1の半径rよりも大きく、その結果、第2の部分220のトップサイドに第1の部分210を囲むリム221がある。
【0063】
各セクション230について、第1の表面230aは、光軸上の点Pにおける中心を有する第3の球体の球帯の形態を有する。各第1の表面230aについて、球帯に関連する第3の球体は、第3の半径rを有し、i=1、2、...、Nであり、Nは、セクション230の数である。図1に示される半径r及びrは例示的な半径であり、半径rは、rよりも小さくできることを理解されたい。また、2つの半径の違いは、異なる実施形態において異なってもよく、当業者は、異なる半径を選択する多くのやり方があることを理解するであろう。
【0064】
第1の部分210の屈折率は、第2の部分220の屈折率と異なってもよい。さらに、第1の部分210及び第2の部分220の屈折率は同じであってもよい。
【0065】
さらに、図1において、焦点距離f及びfi+1が、第2の平面Hで終わるように示されている。各セクション230は、第1の部分210及び第2の部分220と共に、それぞれの焦点距離を有することになる。これは、セクション230に関連する異なる第3の半径に部分的に起因する。これらの焦点距離のうちの1つfとその後の焦点距離fi+1との間の角度は、αとして図1に示されている。セクション230間の間隔(spacing)は、例えば、角度αで等しい間隔を選択することによって決定されてもよい。また、セクション230間の間隔は異なり、角度αで等しい間隔を含まなくてもよい。レンズの焦点距離fは、以下の式に従って、r、レンズ200の屈折率n、及び角度αに依存してもよい。
【0066】
図2は、ディテクタ100の断面図を示している。ディテクタ100は、図1のレンズ200に対応するレンズを含み、理解を深めるために関連するテキストについて図1が参照される。
【0067】
図2のディテクタ100はさらに、光軸Aに垂直な、図1に示される平面Hと一致する平面に沿って延在するフォトディテクタ120を含む。光波110は、入射角Φを有する。フォトディテクタ120は、複数のセクション230によって透過される光波110を受けるように構成される。フォトディテクタ120は、複数のセグメント(図2には示されていない)を含む。各セグメントは、入射角に依存して光波110のうちの少なくとも1つの光波を受けるように構成される。光波110は、例えば、情報を担持するように構成される変調された光波であってもよい。このような変調された光波は、インターネット又はデータ接続を実現するためのLiFi-システムにおいてディテクタ100と共に使用されてもよい。
【0068】
さらに、図2のディテクタ100は、レンズ200とフォトディテクタ120の間の離間によって画定されるボリューム150を含む。ボリューム150は、空気であることができる。ボリューム150は、ガラス又はプラスチック等の異なる透明な媒体であってもよいことを理解されたい。
【0069】
ボリューム150は、レンズ200の第2の部分220の周りにも配置される円筒状の不透明なカバー300によって囲まれている。円筒状の不透明なカバー300は、第2の部分220及び/又はフォトディテクタ120を迷光から遮蔽するように構成される。迷光の例は、検出のために関心のない周囲光であり得る。円筒状の不透明なカバー300は、レンズ200及びフォトディテクタ120に依存して図2に示されるものとは異なる形状を有してもよい。さらに別の例として、円筒状の不透明なカバー300は、複数の(サブ)要素を含んでもよく、レンズ200の第2の部分220をカバーするコーティングを含んでもよい。例えば、コーティングは、光を吸収するペイント又は光を反射する金属コーティングであってもよい。
【0070】
また、リム221は、不所望の周囲光が、第1の部分210を最初に通過することなくレンズ200の第2の部分220を介して直接ディテクタ100に入らないように、不透明である。リム221は、周囲光を吸収又は反射するコーティングを有してもよい。
【0071】
図3は、光軸Aに沿って延在するディテクタ100の斜視図を示している。図3のディテクタ100は図2のディテクタ100に対応し、理解を深めるために図2及び関連するテキストが参照される。図3のディテクタ100は、第1の部分210及び第2の部分220を含むレンズ200を含む。第1の部分210は、光波を受けるように構成される。第1の部分210は、半球形状を有し、第1の部分が、比較的大きな範囲の入射角からの光波を受けることを可能にする。第2の部分220は、第1の部分210から離れた方を向くベースサイドにおいて複数の同心セクション230を含み、光の入射角に依存して第1の部分210によって受けられる光波をフォトディテクタ120に透過するように構成される。第2の部分220のベースサイドは、第1の平面Kに延在する部分310を有する。フォトディテクタ120は、第2の平面Hに延在する。フォトディテクタ120は、第1の部分210によって受けられ、第2の部分220によって透過される光波を受けるように構成される複数のセグメント130(図3には示されていない)を含む。図3において、第1の平面K、及び第2の平面Hは、互いに平行に延在する。フォトディテクタ120の面積は、第2の部分220の部分310の面積と等しくてもよく、小さくてもよく、又は大きくてもよい。
【0072】
図4は、本明細書で述べられるディテクタ100に使用され得るフォトディテクタ120の一例を概略的に示している。フォトディテクタ120は、複数のセグメント130を含む。セグメント130は、互いに隣接して配置され、各々が六角形の形状を有し、いわゆるハニカムパターンに配置される。例示されたハニカムパターンは、フォトディテクタ120の面積及び/又は材料使用を最適化するために、個別に機能するフォトディテクタセグメントを組織化する効率的な態様を提供する。セグメント130の数及びセグメント130の形状は異なってもよいことを理解されたい。例えば、フォトディテクタ120は、より少ないセグメント130を含んでもよく、さらに、矩形であってもよい。セグメント130の各々は、互いに独立して機能するように構成される。用語「独立して機能する(function independently)」は、各セグメント130が、任意の他のセグメント130の機能とは独立して光波を検出し、信号を生成してもよいことを意味する。さらに、各セグメント130によって生成される信号は、互いに区別可能であってもよい。六角形の代わりに、セグメント130の形状は、正方形、長方形、三角形、又は任意の他の幾何学的形状であってもよい。また、セグメント130は、異なる形状を有してもよく、これは、フォトディテクタ120のある(第1の)セグメント130がある形状を有し、フォトディテクタ120の別の(第2の)セグメント130が異なる形状を有することを意味する。
【0073】
図5は、図2及び図3で述べられるようなディテクタ100の斜視図を示している。この実施形態において、ディテクタ100はさらに、光が、レンズ200の第1の部分210を最初に通過することなくディテクタ100に入るのを妨げる又は軽減するように構成される円筒状の不透明なカバー300を含む。円筒状の不透明なカバー300は、ディテクタ100のレンズ200の第2の部分220の周りに径方向に延在するリムであってもよい。
【0074】
図6A~6Dは、本発明によるレンズ200の異なる図を示している。例えば、レンズ200は、本願で開示される1つ以上の実施形態のディテクタ100に使用されることができる。
【0075】
レンズ200は、光波を受けるように構成される第1の部分210を含む。図6A~6Dにおいて、第1の部分210は、第1の半径及びレンズ200の光軸上の点Pにおける中心を有する第1の球体の半球として成形されている。半球形状は、レンズ200に比較的大きな視野角を提供するように構成される。
【0076】
レンズ200はさらに、第1の部分210によって受けられる光波を透過するように構成される第2の部分220を含む。第2の部分220は、第2の球体の球台の形態を有し、その中心は、レンズ200の光軸上の点Pにおいて第1の球体の中心と一致する。
【0077】
第2の部分220のベースサイドは、複数の同心セクション230を含む。セクション230の各々は、レンズの光軸から離れた方を向き、レンズ200の光軸上の点Pにおいて第1の球体及び第2の球体の中心と一致する中心を有する第3の球体の球帯の形態を有する第1の表面を含む。
【0078】
第2の部分220に関連する第2の球体の半径は、第1の部分210に関連する第1の球体の半径よりも大きく、これは、図6a~図6cにおいて、第1の部分210を囲むリム221として視覚化されている。図5で述べられる円筒状の不透明なカバー300は、このリム221を、検出のために関心のない周囲光等、到来する迷光から遮蔽するようにも構成されてもよい。
【0079】
さらに、図6A~6Dの第2の部分220は、各々がレンズ200の光軸から離れた方を向き、光軸上の点Pにおける中心を有する第3の球体の球帯の形態を有する第1の表面を含む、複数の同心セクション230を含み、それらのいくつかは、半球状のトップ部分(hemispherical top part)210に関連する第1の球体の半径よりも小さい半径を有する。セクション230間の距離は、使用に依存して変えてもよい。
【0080】
図7a~7bは、本願で開示される実施形態のディテクタ100に使用されることができるレンズ200の2つの異なる図を示している。レンズ200は、図6a~図6dで述べられるものと同様であるが、第2の部分220に関連する第2の球体の第2の半径が、半球状の第1の部分210に関連する第1の球体の第1の半径に実質的に等しいという点で異なる。それゆえ、この例では、第1の部分210から第2の部分220への移行(transition)がより滑らかである。
【0081】
レンズの光軸から離れた方を向き、異なる半径を有する球体の球帯の形態を有する第1の表面を有する、2つ以上のセクション230が存在する限り、同心セクション230の数は異なってもよいことを理解されたい。
【0082】
図8は、ディテクタ100を含むシステムを示している。システムはさらに、光波110を発する複数のエミッタ400を含む。ディテクタ100は、光波110を検出するように構成される。複数のエミッタ400は、例えば、可視又は赤外スペクトルにおける光波を発するLEDライトであってもよい。図8におけるエミッタ400は、概略的に示されていることに留意されたい。例えば、エミッタ400は、直接天井における点光源であってもよく、又は照明器具に組み込まれてもよい。エミッタ400は、LiFi-システムを作成し、インターネット又はデータ接続を確立するためのダウンリンク情報を供給するために変調された光波を発するように構成されてもよい。
【0083】
さらに、図8に示されるようなシステムは、ディテクタ100に関連して変調された光波を発するためのトランスミッタを含んでもよい。変調された光波を発するためのトランスミッタは、インターネット又はデータ接続を確立するための情報を送信することができてもよい。ディテクタ100におけるフォトディテクタの個々のセグメントが、ディテクタ100のレンズによって案内される到来する変調された光波110を受けてもよい。これは、到来する変調された光波110の入射角度に依存する。フォトディテクタのセグメントを通して測定される相対的な強度変化は、最も近いエミッタの決定、及びエミッタの相対的な方向の決定を可能にする。これは、最良の接続のために、最も高い強度を有する特定のエミッタ400との接続のみを確立する可能性を生み出す。
【0084】
上述した実施形態は本発明を限定するものではなく、例示するものであり、当業者は添付の特許請求の範囲から逸脱することなく多くの代替的な実施形態を設計できることに留意されたい。請求項では、括弧内のいかなる参照符号も、その請求項を限定するものとして解釈されるべきではない。動詞「含む」及びその活用形の使用は、請求項に記述されたもの以外の要素又はステップが存在することを排除するものではない。要素に先行する冠詞「1つの(a)」又は「1つの(an)」は、複数のそのような要素が存在することを排除するものではない。
【0085】
特定の特徴が、互いに異なる従属請求項内に列挙されているという単なる事実は、これらの特徴の組み合わせが、有利に使用され得ないことを示すものではない。上述した様々な態様は、追加の利点を提供するために組み合わされることができる。さらに、当業者は、2つ以上の実施形態が組み合わされてもよいことを理解するであろう。
図1
図2
図3
図4
図5
図6a
図6b
図6c
図6d
図7a
図7b
図8