(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-31
(45)【発行日】2023-08-08
(54)【発明の名称】ディスペンスシステム用のアクチュエータ及びノズル挿入部
(51)【国際特許分類】
B65D 83/28 20060101AFI20230801BHJP
B05B 9/04 20060101ALI20230801BHJP
B65D 83/14 20060101ALI20230801BHJP
【FI】
B65D83/28
B05B9/04
B65D83/14 200
(21)【出願番号】P 2021500850
(86)(22)【出願日】2019-05-30
(86)【国際出願番号】 US2019034676
(87)【国際公開番号】W WO2020023112
(87)【国際公開日】2020-01-30
【審査請求日】2022-05-11
(32)【優先日】2018-07-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500106743
【氏名又は名称】エス.シー. ジョンソン アンド サン、インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100120662
【氏名又は名称】川上 桂子
(74)【代理人】
【識別番号】100216770
【氏名又は名称】三品 明生
(74)【代理人】
【識別番号】100217364
【氏名又は名称】田端 豊
(72)【発明者】
【氏名】リベイク、 カイリー エル.
(72)【発明者】
【氏名】クリスチャンソン、 ジェフリー ジェイ.
【審査官】植前 津子
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-288221(JP,A)
【文献】実開昭62-123262(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 83/08-83/76
B65D 83/00
B05B 1/00- 3/18
B05B 7/00- 9/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
製品ディスペンスシステムの構成要素内に挿入方向に沿って挿入されるように構成されたノズル挿入部であって、前記構成要素は、挿入方向に沿って分離された
第1構成要素停止面および第2構成要素停止面を有する構成要素停止部分を含み、
前記ノズル挿入部は、
出口端部と、
入口端部と、
挿入方向に沿って分離された第1挿入停止面及び第2挿入停止面を有する段状プロファイルと、
を含み
、
前記ノズル挿入部は、前記入口端部で製品を受容して前記出口端部を介して製品を分配するように、動作挿入距離まで、前記挿入方向に沿って前記構成要素に挿入されるように構成され、
前記ノズル挿入部が、前記動作挿入距離より大きい又は同じ第1距離だけ前記構成要素に挿入されるときに、前記第1挿入停止面は、前記第1構成要素停止面と係合して、前記第2挿入停止面が前記第2構成要素停止面と係合せずに、前記挿入方向に沿ったさらなる挿入を妨げ、
前記ノズル挿入部が前記第1距離より大きい第2距離だけ前記構成要素に挿入されると、前記第2挿入停止面は、前記第2構成要素停止面と係合して前記挿入方向に沿ったさらなる挿入をさらに妨げる、
ノズル挿入部。
【請求項2】
前記第1挿入停止面は、前記ノズル挿入部が前記第2距離だけ前記構成要素に挿入されるときに変形するように構成され、
前記第2挿入停止面と前記第2構成要素停止面との係合を許容する、請求項
1に記載のノズル挿入部。
【請求項3】
前記第1挿入停止面は、前記第2挿入停止面よりもさらに小さい半径方向距離にわたって延びる、請求項
1に記載のノズル挿入部。
【請求項4】
前記第1挿入停止面は、前記第2
挿入停止面に対して半径方向外側に少なくとも部分的に配置される、請求項
1に記載のノズル挿入部。
【請求項5】
前記構成要素停止部分は、前記構成要素のノズル挿入中空部内に配置され、分配チャンバを少なくとも部分的に規定する接続面を含み、前記ノズル挿入部は、前記ノズル挿入部の内面によって少なくとも部分的に規定された内部中空部を含み、前記ノズル挿入部の前記内面は、前記構成要素停止部分の前記接続面と実質的に整列する、請求項1に記載のノズル挿入部。
【請求項6】
前記構成要素は、動作支持面を有する内部ポストを備えたノズル挿入中空部を含み、前記ノズル挿入部が
前記動作挿入距離まで前記挿入方向に沿って前記ノズル挿入中空部に挿入されるときに、前記ノズル挿入部が前記動作支持面と係合する、請求項1に記載のノズル挿入部。
【請求項7】
製品ディスペンスシステム用のアクチュエータアセンブリであって、
挿入方向に沿って分離された第1挿入停止面及び第2挿入停止面を備えた挿入停止部分を含むノズル挿入部と、
ノズル挿入中空部を含むアクチュエータと、
を含み、
前記ノズル挿入中空部は、前記挿入方向に沿って分離された第1中空部停止面及び第2中空部停止面を備えた中空部停止部分を含み、
前記ノズル挿入部は、前記ノズル挿入部を介して製品を分配するための前記アクチュエータの動作のために、前記挿入方向に沿って第1距離だけ前記ノズル挿入中空部内に挿入されるように構成され、
前記ノズル挿入部が前記第1距離より大きい又は同じ第2距離だけ前記ノズル挿入中空部に挿入されると、前記第1挿入停止面は、前記第1中空部停止面と係合して、前記第2挿入停止面が前記第2中空部停止面と係合せずに、前記挿入方向に沿ったさらなる挿入を妨げ、
前記ノズル挿入部が前記第2距離よりも大きい第3距離だけ前記ノズル挿入中空部に挿入されると、前記第2挿入停止面は、前記第2中空部停止面と係合して前記挿入方向に沿ったさらなる挿入をさらに妨げる、
アクチュエータアセンブリ。
【請求項8】
前記第1中空部停止面、前記第2中空部停止面、前記第1挿入停止面、及び前記第2挿入停止面のそれぞれは、半径方向に延びる表面を含む、請求項
7に記載のアクチュエータアセンブリ。
【請求項9】
前記第1中空部停止面は、前記第2中空部停止面よりもさらに小さい半径方向距離にわたって延び、前記第1挿入停止面は、前記第2挿入停止面よりもさらに小さい半径方向距離にわたって延びる、請求項
8に記載のアクチュエータアセンブリ。
【請求項10】
前記第2中空部停止面は、前記第1中空部停止面に対して半径方向内側に配置され、前記第2挿入停止面は、前記第1挿入停止面に対して半径方向内側に配置される、請求項
7に記載のアクチュエータアセンブリ。
【請求項11】
前記ノズル挿入部が前記ノズル挿入中空部に挿入されるとき、前記第2挿入停止面は、前記第1挿入停止面より前記ノズル挿入中空部内にさらに遠く配置される、請求項
7に記載のアクチュエータアセンブリ。
【請求項12】
前記ノズル挿入部が前記第3距離だけノズル挿入中空部に挿入されると、前記第1挿入停止面は、前記第1中空部停止面と係合された状態で保持される、請求項
7に記載のアクチュエータアセンブリ。
【請求項13】
前記第3距離への前記ノズル挿入部の挿入は、前記第1中空部停止面及び第1挿入停止面のうちの少なくとも1つを変形させる、請求項
12に記載のアクチュエータアセンブリ。
【請求項14】
製品ディスペンスシステムであって、
バルブアセンブリを備えた容器と、
中空部停止部分を有するノズル挿入中空部を含むアクチュエータと、
挿入停止部分を含むノズル挿入部と、
を含み、
前記アクチュエータは、前記容器から製品を分配するためにバルブアセンブリと相互作用するように構成され、
前記ノズル挿入部は、前記ノズル挿入部を介して製品を分配するために挿入方向、動作位置で前記ノズル挿入中空部に挿入されるように構成され、
前記中空部停止部分及び前記挿入停止部分のうちの少なくとも1つは、第1停止面及び挿入方向に第1停止面から分離した第2停止面を含み、
前記ノズル挿入部が、前記動作位置に及び前記動作位置を越えるうちの少なくとも1つに前記挿入方向へ移動すると、前記挿入停止部分は、最初に前記第1停止面で中空部停止部分と係合するが、前記第2停止面では係合せずに前記挿入方向に沿ったさらなる移動を妨げ、
前記ノズル挿入部が前記挿入方向にさらに移動すると、前記挿入停止部分が初期に第1停止面で中空部停止部分と係合した後、前記挿入停止部分は、前記第1停止面及び前記第2停止面で中空部停止部分と係合して前記挿入方向に沿ったさらなる移動をさらに妨げる、
製品ディスペンスシステム。
【請求項15】
前記第2停止面は、前記第1停止面に対して少なくとも部分的に半径方向内側に配置される、請求項
14に記載の製品ディスペンスシステム。
【請求項16】
前記ノズル挿入部が前記挿入方向にさらに移動すると、前記挿入停止部分が初期に前記第1停止面で前記中空部停止部分と係合した後、前記第2停止面で前記挿入停止部分と前記中空部停止部分の係合を可能にして前記第1停止面が変形されるように構成される、請求項
14に記載の製品ディスペンスシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
この出願は、2018年7月26日に出願された米国特許出願番号16/046,377号の優先権を主張する。
【背景技術】
【0002】
本発明は、一般にディスペンスシステムに関し、より詳細には、ノズル挿入部を有するアクチュエータを有する製品ディスペンスシステムに関する。
【0003】
加圧及び非加圧容器は、一般に空気清浄剤、脱臭剤、殺虫剤、殺菌剤、充血緩和剤、芳香剤などの流体及びその他の材料を含む製品を保管及び分配するために使用される。場合によっては、材料は、容器内に加圧及び液化状態で保管することができ、推進剤(例えば、炭化水素又は非炭化水素)によって容器から強制的に押し出すことができる。場合によっては、容器からの揮発性物質の放出を容易にするために、外向きに延びるバルブステムを備えた放出弁が提供されてもよく、それにより、バルブステムを介した弁を作動させることにより、揮発性物質が容器からバルブステムを介して流れる。解放弁は、バルブステムを傾ける、押し下げる、又は他の方法で変位させることによって作動させてもよい。
【0004】
場合によっては、容器用ノズルアセンブリ(例えば、より大きなアクチュエータアセンブリに含まれるもの)には、ノズル挿入部及び対応するノズル挿入中空部を含むことができる。製造中(又は他の時間)に、所望の流動特性(例えば、スプレーパターン、流量、計量効果など)を提供できる係合されたノズルアセンブリを形成するために、特定のノズル挿入部を特定のノズル挿入中空部に挿入してもよい。様々な製造公差及びエラー(例えば、組立機械によって適用される圧力のエラー)及びユーザインタラクションにより、ノズル挿入部及び/又はノズル挿入中空部が組立中又は他の時間に過圧縮される場合がある。場合によっては、ノズルアセンブリ全体のディスペンス機能が低下する可能性がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一実施形態では、ノズル挿入部は、挿入方向に沿って製品ディスペンスシステムの構成要素に挿入されるように構成され、ここで構成要素は、挿入方向に沿って分離された一連の停止部を含む。ノズル挿入部は、出口端部、入口端部、及び段状のプロファイルを含むことができる。段状のプロファイルは、ノズル挿入部が挿入方向に沿って構成要素に挿入されるときに、一連の停止部に連続的に係合するように構成してもよい。
【0006】
本開示の他の実施形態では、製品ディスペンスシステム用のアクチュエータアセンブリは、ノズル挿入部及びアクチュエータを含む。ノズル挿入部は、挿入方向に沿って分離された第1挿入停止面及び第2挿入停止面を備えた挿入停止部分を含むことができる。アクチュエータは、ノズル挿入中空部を含むことができ、ノズル挿入中空部は、挿入方向に沿って分離された第1中空部停止面及び第2中空部停止面を備えた中空部停止部分を含む。ノズル挿入部は、ノズル挿入部を介して製品を分配するためのアクチュエータの動作のために、挿入方向に沿って第1距離だけノズル挿入中空部に挿入されるように構成することができる。ノズル挿入部が第1距離より大きい又は同じ第2距離だけノズル挿入中空部に挿入されると、第1挿入停止面は、第1中空部停止面と係合して、第2挿入停止面が第2中空部停止部と係合せずに、挿入方向に沿ったさらなる挿入を妨げることができる。ノズル挿入部が第2距離よりも大きい第3距離だけノズル挿入中空部に挿入されると、第2挿入停止面は、第2中空部停止面と係合して挿入方向に沿ったさらなる挿入をさらに妨げることができる。
【0007】
本開示の他の実施形態では、製品ディスペンスシステムは、容器、アクチュエータ、及びノズル挿入部を含む。容器は、バルブアセンブリを含むことができる。アクチュエータは、中空部停止部分を有するノズル挿入中空部を含むことができ、容器から製品を分配するためにバルブアセンブリと相互作用するように構成することができる。ノズル挿入部は、挿入停止部分を含むことができ、ノズル挿入部を介して製品を分配するために、挿入方向、動作位置に、ノズル挿入中空部に挿入されるように構成してもよい。中空部停止部分及び挿入停止部分のうちの少なくとも1つは、第1停止面及び挿入方向において第1停止面から分離された第2停止面を含むことができる。挿入停止部分は、最初に第1停止面で中空部停止部分と係合することができるが、第2停止面では係合できず、ノズル挿入部が挿入方向に移動すると、動作位置へ移動及び動作位置を経過のうちの少なくとも1つが実行されて、挿入方向に沿ったさらなる移動を妨げることができる。ノズル挿入部を挿入方向にさらに移動すると、挿入停止部分が第1停止面で中空部と最初に係合した後、挿入停止部分が第1停止面及び第2停止面で中空部停止部分と係合し、挿入方向に沿った追加の移動をさらに妨げることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】一実施形態による製品ディスペンスシステムの上部、正面、左側の等角図である。
【
図2】ノズル挿入部、アクチュエータ、及びバルブステムを含む
図1の製品ディスペンスシステムの分解された上部、正面、左側の等角図である。
【
図3】明確にするために、ノズル挿入部が隠された状態で
図2の線3-3に沿った、製品ディスペンスシステムのバルブステム及びアクチュエータの部分断面図である。
【
図4】
図2の線4-4に沿った、
図1の製品ディスペンスシステムのアクチュエータ及びバルブステムの部分断面図であり、ノズル挿入部はアクチュエータと共に組立てられることを示す。
【
図5】明確にするために、ノズル挿入部が隠された
図1の製品ディスペンスシステムのアクチュエータの部分的な左側面図である。
【
図6】
図5のアクチュエータの部分的な上部、後方、左側の等角図である。
【
図7】
図2のノズル挿入部の上部、正面、左側の等角図である。
【
図10】
図9の線10-10に沿った、
図2のノズル挿入部の断面図である。
【
図11】
図2の線11-11に沿った、
図2のアクチュエータ、ノズル挿入部、及びバルブステムの部分断面図であり、ノズル挿入部はアクチュエータ内の動作位置にある。
【
図12】
図2の線12-12に沿った、
図2のアクチュエータ、ノズル挿入部、及びバルブステムの部分断面図であり、ノズル挿入部は動作位置を越えてアクチュエータに挿入されている。
【
図13】11と同様の視点から見た、
図2のアクチュエータ、ノズル挿入部、及びバルブステムの拡大部分断面図である。
【
図14】他の実施形態によるノズル挿入部の背面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
一般に、本開示の実施形態は、例えば、アクチュエータアセンブリを介して容器から製品の分配を開始するように動作し得る、製品ディスペンスシステムのためのアクチュエータアセンブリ及びその構成要素を提供する。いくつかの実施形態は、アクチュエータ、及び組立中にアクチュエータに挿入されるように構成されたノズル挿入部を含むことができ、アクチュエータは、ノズル挿入部の過圧縮の影響を防止又は軽減するために、ノズル挿入部上の別個の停止部分と相互作用するように配置された停止部分を含む。例えば、いくつかの実施形態は、過圧縮の影響を軽減するために、ノズル挿入部がアクチュエータに連続してさらに遠くに挿入されるときに、ノズル挿入部に対して連続的な反力を生成するように構成された第1及び第2停止部を有するアクチュエータを含むことができる。同様に、いくつかの実施形態は、過圧縮の影響を軽減するために、ノズル挿入部がアクチュエータのさらに遠くに連続的に挿入されるときに、ノズル挿入中空部(例えば、アクチュエータの)内の1つ以上の構造と連続的に係合するように構成された第1及び第2停止部を有するノズル挿入部を含むことができる。
【0010】
本明細書で「下流」及び「上流」という用語の使用は、一般に流体の流れに関する方向を示す。これに関して、「下流」という用語は、関連する流体の流れの方向に対応し、「上流」という用語は、関連する流体の流れの方向と逆又は反対方向を指す。
【0011】
本明細書での「軸」という用語の使用及びその変形は、特定の構成要素又はシステムの対称軸、中心軸、又は長い方向に概ね沿って延びる方向を指す。例えば、構成要素の軸方向に延びる特徴は、対称軸に平行な方向又はその構成要素の長い方向に概ね沿って延びる特徴であり得る。同様に、本明細書での「半径」という用語の使用及びその変形は、対応する軸方向に概ね垂直である方向を指す。例えば、構成要素の半径方向に延びる構造は、一般に、その構成要素の長手軸又は中心軸に垂直な方向に沿って少なくとも部分的に延び得る。
【0012】
本明細書での「分離された」という用語の使用は、互いに離れて配置された特徴を指す。例えば、構成要素の軸方向に分離した特徴部は、軸方向に沿って互いに間隔を置いて配置された特徴部であり得る。特に指定又は制限されていない限り、「分離された」という用語の使用は、参照される方向に関して特徴の他の特定の位置合わせを必要としない。例えば、軸方向に分離された構成要素は、一般に、共通の軸方向に延びる基準線に沿って配置又は整列されているかにかかわらず、軸方向に対して互いに間隔を置いて配置され得る。同様に、例えば、半径方向に分離された構成要素は、一般に、半径方向に対して互いに離間されている一方で、軸方向に対して互いに分離されたり、互いに分離されたりしないこともあり得る。
【0013】
いくつかの実施形態では、アクチュエータ(又はノズル挿入部を受け入れるように構成された異なる構成要素)に提供される複数の停止部及びノズル挿入部上の対応する構造は、軸方向に分離して半径方向に階層化された特徴を含むことができる。例えば、アクチュエータは、その上流(例えば、軸方向内側)端部に向かうセットの段を備え、ノズル挿入中空部を含んでもよく、セットの1つの段の半径方向に延びる表面は、セットの他の段の半径方向に延びる表面から軸方向に離間して、少なくとも部分的に半径方向に離間する。また、対応するノズル挿入部は、その対応する(例えば、入口)部分に一般に相補的な段のセットを含むことができる。ノズル挿入部が挿入方向へノズル挿入中空部に連続してさらに遠くに挿入される(例えば、動作のために挿入された後、過圧縮によってさらに挿入される)ことにより、停止部分上の連続的な対の段差は、挿入方向へのノズル挿入部のさらなる移動を妨げるように、互いに連続的に係合することができる。
【0014】
いくつかの実施形態では、アクチュエータ(又は別の構成要素)の第1停止部及びノズル挿入部上の第1停止部は、ノズル挿入部のさらなる挿入を初期に妨げるために、ノズル挿入部を第1定位置(例えば、ノズル挿入部を介して製品を最も適した形で分配するための動作位置又は動作位置を越えて所定の距離を通る位置)でアクチュエータに挿入するときに係合することができる。その後、第1定位置を越えてノズル挿入部を挿入すると、アクチュエータ上の第2停止部とノズル挿入部上の第2停止部が係合してノズル挿入部のさらなる移動をさらに妨げることができる。このようにして、例えば、第1停止部の係合は、ノズル挿入部の過剰挿入に対する第1保護を提供することができ、第2停止部の係合は、ノズル挿入部を介した製品の分配がそれ以上不可能になるまでのノズル挿入部の過剰挿入を含む、ノズル挿入部の過剰挿入に対する2番のバックアップ保護を提供することができる。
【0015】
図1及び
図2は、本発明の一実施形態による製品を保管及び/又は分配するための製品ディスペンスシステム100を示す。図示された製品ディスペンスシステム100は、容器102、アクチュエータアセンブリ104(
図1に部分的にのみ示される)及びカバー106を含む。使用中、アクチュエータアセンブリ104は、特定の状態の発生時に容器102から製品を放出するように構成される。例えば、製品ディスペンスシステム100のユーザは、容器102から製品を放出するために、アクチュエータアセンブリ104を手動で押したり、作動させたりしてもよい。
【0016】
一般に、分配される製品は、容器から分配することができると当業者に知られている任意の固体、液体、又は気体(又はこれらの組み合せ)であり得る。いくつかの実施形態では、例えば、容器102は、二酸化炭素、ヘリウム、水素、ネオン、酸素、キセノン、亜酸化窒素、又は窒素を含む、液化、非液化、又は溶解され得る圧縮ガスなどの任意のタイプの加圧又は非加圧製品を含んでもよい。いくつかの実施形態において、容器102は、アセチレン、メタン、プロパン、ブタン、イソブテン、ハロゲン化炭化水素、エーテル、液体石油ガス又はLPGとも知られているブタンとプロパンの混合物、及び/又はそれらの混合物を含む任意のタイプの炭化水素ガスを含み得る。場合によっては、排出される製品は、キャリア液、脱臭液などの中に配置された香料又は殺虫剤であってもよい。場合によっては、製品はまた、殺菌剤、空気清浄剤、クリーナー、脱臭剤、カビ又は白カビ防止剤、防虫剤などの他の活性剤を含んでもよく、及び/又はアロマセラピー特性を有してもよい。従って、製品ディスペンスシステム100は、任意の数の異なる製品を分配するように構成される。
【0017】
図2に示すように、容器102は、第1端部108及び第2端部110を含み、実質的に円筒状のテーパ形の本体部112を形成する。他の実施形態では、例えば、容器102の本体部112は、長方形、円形、多角形、非テーパ、又は他の形状などの別の形状を規定してもよい。容器の第2端部110は、バルブアセンブリ(図参照)又は他の装置又は構造によって規定され得る肩部114を含む。いくつかの実施形態では、例えば、アクチュエータアセンブリ104は、肩部114に隣接するか、又はその上に配置された封止構造の上に圧入される。例えば、肩部114のアセンブリは、アクチュエータアセンブリ104がその上に載置され得るOリング(図示せず)の形態の封止構造を含んでもよい。いくつかの実施形態では、アクチュエータアセンブリ104は、アクチュエータアセンブリ104を所定位置に固定するための肩部114(又は容器102上の他の特徴部)と係合するのを助ける内部構造(例えば、リブ)を含んでもよい。例えば、アクチュエータアセンブリ104は、肩部114又は容器102上の他の構造物との圧入係合のために構成された内部構造物を含んでもよい。
【0018】
いくつかの実施形態では、容器102は、容器102内に少なくとも部分的に配置され、容器102の第2端部110から少なくとも部分的に延びるバルブアセンブリ又はポンプ(図示せず)を支持する。図示の実施形態では、例えば、容器102は、第2端部110を越えて軸方向に延びるバルブステム116を有するバルブアセンブリを支持する。バルブステム116はまた、後述するように、容器102からの製品の分配を可能にするようにアクチュエータアセンブリ104と相互作用するように構成される。
【0019】
図3~
図6に示されるように、アクチュエータアセンブリ104は、ノズル挿入部120(
図2参照)の少なくとも一部をその一部として受け入れるように構成されたアクチュエータ118を含む。いくつかの実施形態では、アクチュエータ118は、単一の材料片で製造されてもよい。いくつかの実施形態では、アクチュエータ118は、プラスチック材料で製造されてもよい。いくつかの実施形態では、アクチュエータ118は、共重合体、例えばポリプロピレン共重合体で製造されてもよい。いくつかの実施形態では、アクチュエータ118は、ポリプロピレン、プロピレン、HDPE、ナイロン、又は他の共重合体又は単一重合体で製造されてもよい。
【0020】
特に
図3及び
図4に示すように、アクチュエータ118は、一般に環形状を示し、内部入口通路124を有する入口管122及びノズル挿入部120を受け入れるように構成されたノズル挿入中空部126を含む(
図11参照)。入口通路124は、一般にバルブステム軸Vに沿って軸方向に延びる、一般に円形のボアを規定する。他の実施形態では、例えば、入口通路124は、長方形、楕円形、又は多角形などの他の断面形状を規定してもよい。入口通路124は、ステムソケット128のポートに入口を含み、ノズル中空部入口130に出口を含む。ステムソケット128は、入口通路124の第1端部に配置され、その内部にバルブステム116の少なくとも一部をスライド可能に受け入れるように構成される。ノズル中空部入口130は、ステムソケット128の下流の入口通路124の第2端部に配置され、入口通路124とノズル挿入中空部126との間に流体連通を提供するように構成される。
【0021】
図示の実施形態では、バルブステム116に係合して動作させるために、ステムソケット128は、一般に入口通路124よりもさらに大きい内部直径を規定し、ステムシート132を含む。動作中、例えば、アクチュエータアセンブリ104は、バルブステム116とステムソケット128の一部(例えば、ステムシート132)との間の係合を強制するために、手動又は自動で変位され得る。アクチュエータアセンブリ104の適切な(例えば、追加の)動作により、バルブステム116とステムソケット128又はステムシート132の一部との間の係合は、バルブアセンブリが開き、製品が容器102からバルブステム116を介して入口通路124に流れるようにバルブステム116を変位させる。
【0022】
図示の実施形態では、ノズル挿入中空部126は、一般にチャンバ軸Cに沿って、停止部分134から開放端部136に延びる、概して円筒状の環状中空部を規定する。また、図示の実施形態では、チャンバ軸Cは、一般にノズル挿入中空部126内の中央に配置され、一般にバルブステム軸V及び流路軸Fに垂直に配置され、これは、図示の実施形態のバルブステム軸Vに対応する。他の実施形態では、チャンバ軸Cは、一般に他の基準軸又は特徴に対して垂直に配置されるか、又は製品スプレーをバルブステム軸Vに対して斜めに配向させるのに有用であるように、バルブステム軸Vに対して斜めに延びてもよい。また、開放端部136は、組立中にノズル挿入部120をノズル挿入中空部126にガイドするように構成された面取り面138を含む。
【0023】
他の実施形態では、他の構成が可能である。例えば、いくつかの実施形態では、開放端部136での異なる(例えば、面取りされていない)構成及び入口通路124に対するノズル挿入中空部の異なる配向のように、非円筒状又は非対称プロファイルが可能である。例えば、非対称プロファイルは、広角挿入部を使用して、発泡クリーナー又はその他の製品に広角スプレーを提供することを可能にするのに有用であり得る。
【0024】
ノズル挿入中空部126に関する、又はその中に含まれる特徴に対する本明細書の説明では、「軸」、「半径」、及び「円周」(及びそれらの変形)という用語の使用は、チャンバ軸Cに対応する基準軸に基づく。これに関して、例えば、ノズル挿入中空部126は、ノズル挿入中空部126の周りに、一般に円周方向のバレルとして延び、その外径DCを規定する半径方向外面140を含む。同様に、ノズル挿入中空部126内のポスト142は、一般に停止部分134近くのベースからノズル挿入中空部126の開放端部136近くのポスト142の遠位端部144まで軸方向に延びる。
【0025】
一般に、ノズル挿入中空部126内でノズル挿入部120の受容及び保持を容易にするために、ポスト142及びノズル挿入中空部126によって規定された形状及びプロファイルは、一般にノズル挿入部120の1つ以上の部分に一致するように構成される。図示の実施形態では、例えば、ポスト142及びノズル挿入中空部126は、ノズル挿入部120上の対応する円筒状の(又は他の)特徴と係合するように構成された一般に円筒状の形状を規定する。他の実施形態では、例えば、ポスト142及び/又はノズル挿入中空部126は、他の形状及びの大きさの特定のノズル挿入部の受容及び保持を容易にするために異なる形状を規定してもよい。
【0026】
また、上述したように、ノズル挿入部の過圧縮の影響を緩和するために、製品ディスペンスシステム100の1つ以上の構成要素(例えば、アクチュエータ118)は、関連ノズル挿入部(例えば、ノズル挿入部120)のための挿入方向に沿って分離された一連の停止部を有する停止部分(例えば、停止部分134)を含んでもよい。いくつかの実施形態では、停止部分134について図示されたように、停止部分は、一般に段状のプロファイルを規定してもよい。一般に、停止部分134は、ノズル挿入中空部126へのノズル挿入部120の軸方向の過挿入を軽減又は抑制するために、多重停止部(例えば、複数の半径方向に延びる停止面を備える)を提供してもよい。
【0027】
特に
図3に示すように、停止部分134は、第1中空部停止面146として構成された第1停止部と、第2中空部停止面148として構成された第2停止部だけでなく、部分的に開放された入口分配チャンバ150と共に階層型停止部として構成される。第1停止面146は、外面140から第1停止面146と第1接続面152との間の接合部まで半径方向内側に延びる、一般に半径方向に延びる表面(例えば、一般にチャンバ軸Cに垂直な平面に実質的に沿って配置される表面)を規定する。第1接続面152は、第1停止面146と第2停止面148との間で一般に軸方向に延びる。第2停止面148は、第1接続面152と第2停止面148との間の接合部から第2停止面148と第2接続面154との間の接合部まで半径方向内側に延びる一般に半径方向に延びる表面を規定する。従って、第1停止面146及び第2停止面148は、チャンバ軸Cに沿った異なる軸位置に配置され(即ち、軸方向に分離され)、開放端部136から停止部分134に向かって延びる挿入方向156におけるノズル挿入部120の軸方向変位を実質的に制限又は抑制するように構成された一般に半径方向に延びる表面を提供する。
【0028】
いくつかの実施形態では、停止部分の2つ以上の停止部は、軸方向に分離されて半径方向に階層化されてもよく、軸方向に沿ったそれぞれの連続する停止部は、最後の停止とは異なる半径方向の範囲をノズル挿入中空部内に示す。また、上述したように、例えば、第1停止面146は、第2停止面148に対して半径方向外側に配置される。また、第1停止面146は、開放端部136と、入口通路124及びノズル中空部入口130間の接合部との間にある軸方向位置に配置され、第2停止面148は、第1停止面146と、入口通路124及びノズル中空部入口130間の接合部との間の軸方向位置に配置される。即ち、第1停止面146は、第2停止面148よりもノズル挿入中空部126の開放端部136に軸方向にさらに近く位置し、第2停止面148よりもノズル挿入中空部126の半径方向外面140に半径方向へさらに近い。
【0029】
半径方向外面140に半径方向へさらに近く配置された第1停止面146を有する構成は、例えば、アクチュエータアセンブリ104の組立を助けるために有用であり得る。例えば、第1停止面146及び第2停止面148の図示の構成では、ノズル挿入部120(例えば、
図7及び
図8参照)上の段状の停止部分168のような挿入部上の対応する特徴部は、ノズル挿入中空部126に挿入部を挿入する際の位置合わせを助けるための自然な導入を提供することができる。しかし、他の実施形態では、第2停止面148と同様の特徴部が第1停止面146と同様の特徴部よりもノズル挿入中空部の半径方向外面に半径方向へさらに近く位置する構成を含む他の構成が可能である。
【0030】
図示の実施形態では、第1中空部停止面146はまた、第2中空部停止面148よりも一般にさらに小さい半径方向距離(即ち、さらに小さい半径方向範囲を示す)にわたって延びる。これは、例えば、第1停止面146の成形特徴がモールド中空部に規定され、第2停止面148のモールド特徴がエジェクタスリーブ上に規定される成形装置に対する製造の可能性を改善するために有用であり得る。例えば、このようなモールド配置では、第2停止面148又はエジェクタスリーブによって形成される別の特徴に対して相対的に大きい半径方向の寸法を提供することは、エジェクタスリーブによって形成された構成要素の放出のための比較的大きな空間を有用に提供することができる。また、そのような配置は、これらの最初に係合される特徴部を規定するために、エジェクタスリーブではなくスチールモールド中空部を使用することで可能になる比較的正確な制御に基づいて、第1停止面146を含む停止特徴部などの挿入部の過圧縮中に最初に係合する停止特徴部の正確な位置をより細かく制御することができる。別の例として、第2停止面148に対して比較的大きな半径方向寸法を提供することは、一般にアクチュエータ118の信頼性のある形成のために適度に厚い壁を提供するのに役立つ。
【0031】
図示の実施形態では、停止部分134は、第1停止面146と第1接続面152との間の接合部、及び第2停止面148と第2接続面154との間の接合部に面取りを含む。他の実施形態では、例えば、停止部分134は、第1停止面146と第1接続面152との間の接合部、第2停止面148と第2接続面154との間の接合部、又は他の場所で完全に直角の遷移(即ち、面取り又はテーパ面がない)を規定してもよい。
【0032】
また、上述したように、いくつかの実施形態では、停止部分はまた、分配チャンバを規定することもできる。特に
図3を続けて参照すると、図示の実施形態では、入口分配チャンバ150は、第2停止面148よりも、入口通路124とノズル中空部入口130との間の接合部に軸方向へさらに近く配置される。即ち、分配チャンバ150は、一般に第2停止面148の上流に、第2停止面148と、入口通路124及びノズル中空部入口130間の接合部との間に設けられる。分配チャンバ150はまた、分配チャンバ150の半径方向内壁を形成するポスト142、分配チャンバ150の半径方向外壁を形成する第2接続面154、及び第2接続面154とポスト142との間で一般に半径方向へ延びる分配面158によって3つの側面が部分的に囲まれている。それに対応して、分配チャンバ150は、ノズル挿入部120がノズル挿入中空部126内に挿入されるときに、ノズル挿入部120の内部への流体の流れを容易にするために、分配面158の下流に開放端部を含む(例えば、
図11参照)。以下でも説明するように、分配チャンバ150は、製品が入口通路124からノズル中空部入口130を介して分配チャンバ150に流れるように許容できるノズル中空部入口130と整列する領域に沿って開放される。
【0033】
図示の実施形態では、分配チャンバ150は、ポスト142の直径DPより大きい外径DSを規定し、これにより、流体が分配チャンバ150内のポスト142の周辺を流れるようにできる。いくつかの実施形態では、外径DSは、所望のスワール(又は他の)流動パターンを提供するために、流体の流れがポスト142の周辺及びノズル挿入部120内に適切に分布できるように設計され得る。
【0034】
図4~
図6を具体的に参照すると、ノズル中空部入口130は、入口通路124とノズル挿入中空部126との間の流体連通を提供するために、停止部分134の少なくとも一部を介して延びる。特に
図3にも示されるように、ノズル中空部入口130は、第1停止面146、第2停止面148、第1接続面152、第2接続面154、及び分配面158を介して軸方向に延びる。このように、ノズル中空部入口130は、第1停止面146、第2停止面148、及び分配チャンバ150のいずれも、完全な(即ち、360度の)環状リングを形成しないように停止部分134の構造に円周方向の中断を提供する。
【0035】
他の実施形態では、他の構成が可能である。いくつかの実施形態では、停止部分の1つ以上の停止部(例えば、第1停止面146及び/又は第2停止面148)は、ノズル挿入中空部(例えば、ノズル中空部入口又はその他の特徴による中断を除く)の周辺に円周方向に延び、比較的連続的な半径方向に延びる表面とは対照的に、リブのセット(図示せず)又は他の個別の突出部として形成されてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、第1停止面146は、実質的に
図3、
図5、及び
図6に示すように維持されてもよく、一方で第2停止面148は、一連のリブ(図示せず)から形成されてもよく、それぞれのリブは、ノズル挿入中空部126の軸方向に延びる半径方向に凹部の間に配置される。場合によっては、比較的に連続した表面とは対照的に、リブ(又は他の個別の突出部)の使用は、アクチュエータ118の一部から材料を除去できるという利点をもたらし得る。これは、例えば、壁の厚さ(例えば、入口通路124とノズル挿入中空部126との間)が薄くなる及び/又はより均一になることによって、製造に対応する利点を提供することができる。
【0036】
図7~
図10は、本発明の一実施形態によるノズル挿入部120を示す。ノズル挿入部120は、ノズル挿入中空部126に少なくとも部分的に挿入されるように構成され、適切な流体の流れ特性を有する容器102内の製品の周辺への分配を促進する。いくつかの実施形態では、ノズル挿入部120は、プラスチック材料で製造されてもよい。いくつかの実施形態では、例えば、ノズル挿入部120は、アセタール、即ちポリオキシメチレン材料で製造されてもよい。いくつかの実施形態では、例えば、ノズル挿入部120は、ポリプロピレン、プロピレン、HDPE、ナイロン、又は、他の共重合体又は単一重合体で製造されてもよい。
【0037】
ノズル挿入部120は、概して閉鎖された挿入出口端部162と概して開放された挿入入口端部164との間で、概して軸方向に延びる概して環状のシリンダを規定するノズル本体160を含む。他の実施形態では、例えば、ノズル本体160は、長方形、楕円形、多角形、テーパ形、又は他の形などの他の形状を適切に規定してもよい。以下でも説明するように、ノズル挿入部120の入口端部164は、内部中空部166へのアクセスを提供して、ポスト142を内部中空部166内にスライド可能に受容できるようにすることができる。
【0038】
一般にノズル挿入中空部126の停止部分134に対応する停止部分168の構成を提供するために(例えば、
図3参照)、ノズル本体160は、挿入入口端部164に隣接する概して段状のプロファイルを規定することができる。図示の実施形態では、例えば、特に
図8及び
図10に示すように、ノズル本体160は、挿入出口端部162と挿入入口端部164との間にある軸位置(中心軸Aに対して)で、第1外径D
FOから第2外径D
SOへの外径の変化を規定する。図示の実施形態では、第1外径D
FOは、第2外径D
SOよりも大きい。他の実施形態では、他の構成が可能である。
【0039】
一般に、ノズル本体部160の停止部分168によって規定されたプロファイルは、アクチュエータ118(例えば、
図3参照)の停止部分134と相互作用してノズル本体160(例えば、挿入入口端部164に隣接する)のノズル挿入中空部126への過剰挿入を妨げるために、2つの停止部分168及び134の間の係合(例えば、連続的な係合)を提供するように設計される。図示の実施形態では、例えば、ノズル挿入部120の停止部分は、第1挿入停止面170及び第2挿入停止面172(
図8~
図10を参照)で構成された停止部を含み、これは、それぞれが概して半径方向に延びる表面(例えば、中心軸Aに概して垂直である平面に実質的に配置された表面)を規定する。第1挿入停止面170は、第1外径D
FOを規定する第1外面174と、第2外径D
SOを規定する第2外面176との間で、概して半径方向内側に延びる。第2挿入停止面172は、ノズル本体160の入口端部164上に配置され、第2挿入外面176とノズル本体160の内面178(即ち、内部中空部166の半径方向外面)との間で概して半径方向に延びる。図示の実施形態では、第1挿入停止面170は、第2挿入停止面172よりも一般にさらに小さい半径方向距離にわたって延び、第2挿入停止面172は、第1挿入停止面170に対して半径方向内側に配置される。これは、例えば、停止部分134の停止面146,148の相対的な寸法及び位置に対応する(例えば、
図3参照)。
【0040】
特に
図9及び
図10に示すように、挿入出口端部162は、ノズル挿入部120の内部中空部166と大気との間に流体連通を提供するために、それを通って延びるオリフィス180を含む。図示の実施形態では、オリフィス180は、半径方向に延びる内部挿入壁182から半径方向に延びる外部挿入壁184まで、挿入出口端部162を介して延びる。いくつかの実施形態では、例えばオリフィス180の直径又は他の態様は、所望の流動パターン及び/又はそれを通って流れる流体の霧化を達成するように設計されてもよい。図示の実施形態では、オリフィス180は、ノズル挿入部120によって規定される中心軸Aに沿って配置される(例えば、
図10参照)。いくつかの実施形態では、例えば、オリフィス180は、挿入出口端部162上に偏心して配置され、それを通る流体の流れの所望の流動パターン及び/又は霧化を提供してもよい。いくつかの実施形態では、複数の出口オリフィスが提供され得る。
【0041】
特に
図7及び
図10に示すように、外部挿入壁184は、オリフィス180と一般に同心に配置された凹部186を含む。凹部186は、凹部が内部挿入壁182に向かって軸方向に延びるにつれて直径が(中心軸Aに対して)減少する、外部挿入壁184内に概して切頭円錐形状の凹部を形成する(
図10参照)。凹部186は、外部挿入壁184と内部挿入壁182との間の位置で、外部挿入壁184からオリフィス180の出口188まで軸方向に延びる。他の実施形態では、例えば、外部挿入壁184は、凹部のない一般に平坦なプロファイル、又は、突出部分を有するプロファイルを規定してもよく、複数の凹部又は突出部、又は図示とは異なるプロファイルを有する凹部を含んでもよい。同様に、他の実施形態では、ノズルアセンブリは、生成物ストリームに所望の流動特性を付与するために、他の構成を示すことができる。例えば、いくつかの実施形態では、アクチュエータは、流体が分配されるために、オリフィス180に通過できる出口渦流室につながる様々な溝又はチャネルを含むことができる。
【0042】
特に
図10に示すように、ノズル本体160の内面178によって提供される内部中空部166の半径方向外壁は、内部挿入壁182と挿入入口端部164との間で内部中空部166に沿って、一般に一定の内部直径D
Iを規定する。図示の実施形態では、複数のリブ190は、ノズル本体160の内面178から中心軸Aに向かって一般に半径方向内側に延び、リブ190に沿った直径D
Iからの局所的な偏差をもたらす。図示の実施形態では、ノズル挿入部120は、内面178の周辺に約120度刻みで円周方向に配置された3つのリブ190を含む。他の実施形態では、例えば、ノズル挿入部120は、さらに多い又はさらに少ないリブを含んでもよく、必要に応じて任意の増分で内面178の周辺に円周方向に配置され得るフラットを含んでもよい。
【0043】
図示の実施形態では、複数のリブ190のそれぞれは、傾斜部192及びスペーサ部分194を含む。複数のリブ190のそれぞれは、挿入入口端部164と内部挿入壁182との間で内面178に沿って軸方向に延びる。挿入入口端部164から内部挿入壁182に向かう方向(即ち、挿入方向156(
図3参照)の反対)に移動し、複数のリブ190のそれぞれは、傾斜部192から始まって、傾斜部192が傾斜部192とスペーサ部分194との間の接合部に向かって軸方向に延びるにつれて、内面178から中心軸Aに向かって半径方向内側にテーパする。傾斜部192とスペーサ部分194との間の接合部で、傾斜部192の半径方向内側のテーパは中断され、スペーサ部分194は、軸方向に一般に一定の半径方向厚さで内部挿入壁182まで延びる。以下でも説明するように、リブ190は、ノズル挿入中空部126(例えば、
図3参照)のポスト142を中心に係合するか、若しくは整列してノズル挿入中空部126内にノズル挿入部120を固定するように構成される。
【0044】
図11は、アクチュエータアセンブリ104に含まれるノズル挿入部120、及び容器102上に組立及び設置されたアクチュエータアセンブリ104を有する製品ディスペンスシステム100の一部を示す。一般に、図示のようにアクチュエータアセンブリ104を組み立てるために、中心軸Aは、一般にチャンバ軸Cと整列させることができ、次に、ノズル挿入部120は、挿入方向156(例えば、中心軸A及びチャンバ軸Cと平行な方向)に沿ってアクチュエータ118のノズル挿入中空部126内にスライドできる。その結果、ノズル挿入部120の挿入入口端部164、及び内部中空部166は、一般にポスト142をスライド可能に受容して、ノズル挿入部120をノズル挿入中空部126内に位置させることができる。
【0045】
組立中に、ポスト142がノズル挿入部120の内部中空部166内に受容されると、ポスト142は、ノズル挿入部120の内面178上の複数のリブ190のうちの1つ以上と係合する。傾斜部192のテーパにより、複数のリブ190は、ポスト142を内部中空部166内の所望の整列にガイドするために(又は対応するように、ノズル挿入部120をポスト142及びノズル挿入中空部126との適切な整列にガイドするために)構成される。ポスト142の遠位端部144が傾斜部192とスペーサ部分194との間の接合部を通過すると、スペーサ部分194は、内部中空部166内のポスト142の整列を設定し、これに対応してノズル挿入部120とポスト142及びノズル挿入中空部126の整列を設定するように作用する。図示の実施形態では、ノズル挿入部120は、組立て後に、一般にノズル挿入中空部126と同軸で整列する。いくつかの実施形態では、ノズル挿入部120は、組立て後にノズル挿入中空部126と整列してもよい(例えば、ノズル挿入中空部126内に偏心して配置される)。
【0046】
いくつかの実施形態では、スペーサ部分194とノズル挿入部120の内面178との間に規定された半径方向の高さは、流体が通過するポスト142と内面178との間の半径方向の間隙を決定する。代替的又は追加的に、ポスト142と内面178との間の半径方向の間隙は、内部中空部166(例えば、
図10参照)の内部直径D
Iとポスト142(例えば、
図3参照)の直径D
Pとの間の幾何学的差によって決定されてもよい。例えば、ノズル中空部の半径方向内壁とノズル挿入部の半径方向外壁との間の係合により、ノズル挿入部が固定される実施様態などのリブ190のない実施様態では、ポスト142とノズル挿入部の内面178との間の間隔は、D
IとD
Pとの間の差によって決定され得る。
【0047】
他の実施形態では、他の構成が可能である。いくつかの実施形態では、例えば、1つ以上のリブがポスト142上に配置されてもよく、そこから半径方向外側に延びることができる(図示せず)。これらの実施形態では、例えば、リブは、ノズル挿入部120の挿入をガイドするために、傾斜部がポスト142の遠位端部144に隣接して位置するように配置されてもよい。別の例として、いくつかの実施形態では、アクチュエータアセンブリ104(例えば、
図2を参照)は、ポスト142及び内部中空部166内でポスト142を整列したり、ポスト142と内面178との間の半径方向の流動間隙を設定するように構成されたノズル挿入部120とは異なる別の構成要素を含んでもよい。例えば、少なくとも部分的にそれを介して流体の流れを可能にするシム構造(shim structure)は、ノズル挿入中空部126にノズル挿入部120を挿入する前にポスト142(又はノズル挿入部120)上に設けられるように構成してもよい。いくつかの実施形態では、ノズル挿入部120及び/又はポスト142上の他の一体型構造は、ノズル挿入部120とポスト142との間に適切な間隔を提供することができる。いくつかの実施形態では、ポストが提供されなくてもよく、製品のための内部流路は、ノズル挿入部だけによって、又はノズル挿入部とノズル挿入中空部内の他の特徴の組み合わせによって規定される。
【0048】
さらなる例として、いくつかの実施形態では、アクチュエータアセンブリの構成要素は、リブ190と同様のリブ、ポスト142と同様のポスト、又は他の同様の内部整列構造を含まなくてもよい。例えば、これらの実施形態では、ノズル挿入部は、ノズル挿入中空部の内周壁との圧入係合によって、主にアクチュエータと係合されるように設計され得る。例えば、ノズル本体は、ノズル挿入中空部の半径方向に最も外側の内面と圧入係合するように構成された半径方向の外部寸法を示してもよい。ノズル挿入部とノズル挿入中空部との間のこのような圧入配置は、本質的に、ノズル挿入部をノズル挿入中空部に整列させ、ノズル挿入部の内面とノズル挿入中空部内の対応する構造との間に適切な流動間隙、例えば、内部中空部166の内径DIとポスト142の直径DPとの間の幾何学的差に対応する流動間隙を設定してもよい。
【0049】
再び
図11を参照すると、アクチュエータアセンブリ104が適切に組み立てられた後(又はその前に)、アクチュエータアセンブリ104は、バルブステム116の一部がアクチュエータ118のステムソケット128内に受容されるように容器102(例えば、
図2参照)上に設けられる。次に、例えばアクチュエータアセンブリ104の手動又は自動変位によって製品を容器102から分配することができ、これは、順番に製品がそこから放出されるようにバルブステム116を変位させる。バルブステム116から、製品は入口通路124を介してノズル中空部入口130に流れる。次に、生成物は、分配チャンバ150に下流として流れた後、ポスト142の周辺に、そしてポスト142とノズル挿入部120の内面178との間の半径方向の流動間隙として流れる。製品がノズル挿入部120を介して流れれば、オリフィス180を介して大気に排出される。いくつかの実施形態では、分配チャンバ150(
図3参照)の外径D
Sは、ノズル挿入部120(
図10参照)の内部中空部166によって規定された内径D
Iと概して等しく、その結果、連続的で一定半径の流動境界が分配チャンバ150及びノズル挿入部120沿って提供される。
【0050】
一般にノズル挿入部120及びアセンブリ104を介して製品を最も適した形で分配するために、ノズル挿入部120は、挿入方向156に沿って動作位置まで第1距離だけノズル挿入中空部126内に挿入されることができる(即ち、動作可能な挿入距離に応じて挿入可能)。このような配置は、
図11に示されている。しかし、場合によっては、製造エラー又はユーザインタラクションを含めて、ノズル挿入部120のさらなる挿入が最終的に発生する可能性がある。例えば、アクチュエータアセンブリ104の組立中に、軸方向の圧縮力がノズル挿入部120に加えられて、ノズル挿入部120をノズル挿入中空部126に挿入する。従来のアセンブリでは、ノズル挿入部が挿入中(又は挿入後)に過圧縮されると、ノズル挿入部の特徴及び関連する支持構造(例えば、ポスト142又はノズル挿入中空部126内の他の特徴)は、それらの間の接触点で塑性変形(例えば、圧造(coined))できる。この変形は、例えば、関連する製品の所望の流れパターンが妨げられる、若しくは劣化する可能性がある。場合によっては、これにより製品の流れが完全に遮断されて、システムが機能しなくなる可能性もある。
【0051】
また、上述したように、本開示の実施形態は、ノズル挿入部の過圧縮のこれら及び他の影響を防止、若しくは緩和(例えば、減少)するのを助けるのに有用である。従って、本明細書に記載の製品ディスペンスシステム100の実施形態を含む本開示のいくつかの実施形態は、ノズル挿入部120がノズル挿入中空部126内に過剰挿入されるのを妨げる(例えば、防止)、及び/又は対応する過圧縮の影響を軽減するように構成される構造的特徴を含むことができる。例えば、上述したように、ノズル挿入中空部126は、過圧縮の影響から保護するためにノズル挿入中空部126内に所定の軸方向深さで(例えば、それぞれの挿入停止面170,172で)ノズル挿入部120の停止部分168と連続的に係合するように構成される第1停止面146及び第2停止面148を含む停止部分134を含む。
【0052】
他の実施形態では、関連する停止部分(例えば、その停止面)は、他の方式で構成してもよい。一般に、さらなる挿入に対する抵抗の連続した例を提供するために、1つの構成要素(例えば、挿入部)の停止部分の多重停止部の軸方向シーケンスは、別の構成要素(例えば、挿入中空部内に)の停止部分の1つ以上の対応停止部と連続的に係合するように構成してもよい。いくつかの実施形態では、この目的のために、異なる構成要素上の停止部の対が相補的な幾何学的形状に形成されてもよい。例えば、図示の実施形態では、ノズル挿入部120は、開放端部164に隣接した一般に段状のプロファイルを有する停止部分168を形成し、これは、ノズル本体160が挿入方向156に沿って構成要素内に挿入されるとき、ノズル挿入中空部126(又は製品ディスペンスシステムの別の構成要素上の他の停止部分)内で、停止部分134の一般に段状のプロファイルと連続的に係合するように構成される(
図3及び
図11を参照)。
【0053】
特に、図示の実施形態では、アクチュエータ118の第1停止面146及び第2停止面148は、ノズル挿入部120の第1挿入停止面170及び第2挿入停止面172と同様に、一般に半径方向に延びる平面を有する階層型の段で構成される。また、ノズル挿入部120がノズル挿入中空部126に挿入するように配置された状態で、第1停止面146及び第2停止面148は、一般にそれぞれノズル挿入部120の第1挿入停止面170及び第2挿入停止面172と整列して、ノズル挿入部120の過圧縮(及び過挿入)に応じて、対応する反力が生成されるようにする。従って、ノズル挿入部120の過圧縮(及び対応する過挿入)の際に、第1中空部停止面146と第1挿入停止面170との間、及び第2中空部停止面148と第2挿入停止面172との間の連続的な係合は、ノズル挿入部120(即ち、一般にノズル挿入部120に対する挿入方向156(
図3及び
図11参照)の反対側)に加えられる軸方向の圧縮力と反対になる軸方向に、反応力を連続的に生成する。
【0054】
追加的な例示的な利点を提供するために、図示の実施形態では、第1中空部停止面146と第2中空部停止面148との間の軸方向距離は、一般に第1挿入停止面170と第2挿入停止面172との間の軸方向距離よりも大きい。従って、例えば、ノズル挿入部120が挿入方向156でノズル挿入中空部126に挿入されると(例えば、軸方向に挿入される)、第1中空部停止面146は、第2中空部停止面148が第2挿入停止面172と係合する前に、第1挿入停止面170と係合する。これは、例えば、適切な圧縮(又は相対的に小さい過圧縮)の第1触覚インジケータを提供するため、又は有用な(又は相対的損傷のない)方式で最初に過圧縮力を分配させるために有用であり得る。例えば、第2停止面148は、ノズル挿入部120のさらなる過挿入に対するより強い抵抗だけでなく、過挿入(及び過圧縮)の別の(例えば、より強い)触覚インジケータを提供することができる。
【0055】
いくつかの実施形態では、アクチュエータアセンブリ104を介した流動は、第1挿入停止面170と係合する第1中空部停止面146で実質的に遮断されてもよい。いくつかの実施形態では、第1中空部停止面146が第1挿入停止面170と係合したときに、流れが実際に遮断されるかどうかを決定することは、アクチュエータアセンブリ104の製造手順を改善するのに役立つ。例えば、図示の実施形態では、アクチュエータアセンブリ104を介した流動が、第2中空部停止面148が第2挿入停止面172と係合するまで遮断されないという発見は、アクチュエータアセンブリ104のアセンブリ圧力を減少すべきであることを示し得る。
【0056】
いくつかの実施形態では、1つ以上の停止部分は、ノズル挿入部の過剰挿入の結果として変形するように設計されてもよい。図示の実施形態では、第1停止面146及び170のうちの1つ又は両方は、ノズル挿入部120がノズル挿入部及びノズル中空部の停止部分が先に係合される位置を越えてノズル挿入中空部126内に挿入されるときに変形されるように構成され得る。例えば、
図12に示すように、ノズル挿入部120がその動作位置(
図11参照)及び第1停止面146及び170の最初の係合を越えて挿入された場合、停止面146及び170のうちの1つ又は両方が変形して(例えば、一緒に圧造(coin)される)、第2停止面148と第2挿入停止面172との間の係合を許容することができる。次に、第2停止面148と第2挿入停止面172との間の係合は、例えば、第2停止面148で発生し、軸方向の過圧縮力とは反対の軸方向にノズル挿入部120に作用する別の反力を提供することによって、ノズル挿入部120のさらなる加圧縮の影響を軽減するように作用する。
【0057】
いくつかの実施形態では、第1停止面146、第1挿入停止面170、及び/又はアクチュエータアセンブリ104の別の構成要素の変形は、自由で変形していない状態に比べて、関連する構成要素の代替の向きをもたらす。例えば、
図12に示すように、第1停止面146及び170の変形は、第1停止面146及び170を塑性変形させる結果となり得、第1停止面146及び170がそれ以上第2停止面148と平行でなく、第2停止面148に向かって軸方向に角度が付けられる。いくつかの実施形態では、例えば、第1停止面146及び170(又は表面146及び170のうちの1つ)のこのような変形は、第1停止面146及び170が依然としてノズル挿入部120の過剰挿入に抵抗することを可能にし、また、第2中空部停止面148と第2挿入停止面172との間の後続係合を可能にする。
【0058】
いくつかの実施形態では、停止部分(例えば、停止部分134)は、別の方式で過圧縮の影響を軽減することができる。いくつかの実施形態では、例えば、ノズル挿入部120が第1停止面146及び第2停止面148のうちの1つ以上と係合することによって生成される反力は、過圧縮による過剰な塑性変形からアクチュエータ118及びノズル挿入部120の特徴を直接保護することができる。例えば、停止面146,148及び表面170,172の両方のセットの係合は、より大きな接触領域にわたって、過圧縮荷重を分配させることができ、それにより、ノズル挿入部120に生じる結果的な変形を減少及び/又は再配置する。別の例として、いくつかの実施形態では、反力は、ノズル挿入部の軸方向移動を物理的に遮断することによって、ノズル挿入部の過剰挿入を防ぐのに役立つ。これは、例えば、ポスト142に対する圧縮によって挿入出口端部162が過度に変形(例えば、圧造(coined))するのを防ぐのに有用であり、ノズルアセンブリからの関連する流路の完全性を保護するのに役立ち得る。
【0059】
いくつかの実施形態では、他の利点は、ノズル挿入部120の入口端部164に、又は比較的近くに停止部分168を向けることで生じる可能性がある。いくつかの実施形態では、例えば、このような構成は、一般にアクチュエータアセンブリ104のフローティング構成を可能にするのに役立つ。例えば、停止部分168がノズル挿入部120の入口端部164の近くに向けられた状態で、ノズル挿入部120は、アクチュエータ118の外面に対して平らに又は嵌め込まれるように挿入してもよい。これに対応して、アクチュエータ118は、カバー106(
図1参照)に対して必要な回転方向を持たないように構成することができ、アクチュエータ118の上にカバー106を配置する間、ノズル挿入部120とカバー106との間の干渉を回避することができる。
【0060】
いくつかの実施形態では、第1中空部停止面146と第1挿入停止面170との間の係合(又は該当する停止部間の他の最初の係合)は、ノズル挿入部120のノズル挿入中空部126内への適切な動作挿入によって(例えば、ノズル挿入部120の過圧縮によってではなく)発生する。例えば、いくつかの実施形態では、ノズル挿入部120が単にノズル挿入部120の動作位置までノズル挿入中空部126内に挿入された場合、第1挿入停止面170は、第2挿入停止面172が第2中空部停止面148と係合せずに第1中空部停止面146と係合する。これは、例えば、ノズル挿入部120が動作位置にあるが、停止面146及び170がまだ互いに係合していない
図11に示された配置と対照的である。
【0061】
これに関して、例えばポスト142、ノズル挿入中空部126及びノズル挿入部120(又は他の関連構造)を特定の寸法関係で構成することが有用であり、停止部分の間の初期及び後続係合が区別され(即ち、同時に行われないようにする)、ノズル挿入部120が動作位置に到達するまで、又はその後に停止部分の間の最初の係合が起こらないようにする。例えば、
図13に示すように、ポスト142の遠位端部144と第1中空部停止面146との間の軸方向間隔200は、内部挿入壁182と第1挿入停止面170との間の軸方向間隔202より大きい又は同じになるように選択されてもよい。同様に、ポスト142の遠位端部144と第2中空部停止面148との間の軸方向間隔204は、内部挿入壁182(例えば、
図9参照)と第2挿入停止面172との間の軸方向間隔206より大きい又は同じになるように選択されてもよい。また、第1停止面146及び170が第2停止面148及び172の前に係合することを確実にするために、軸方向間隔200及び202の間の差は、一般に軸方向間隔204及び206の間の差よりも小さくなるように選択されてもよい。あるいは、対応するように、第1中空部停止面146と第2中空部停止面148との間の軸方向間隔210は、一般に第1挿入停止面170と第2挿入停止面172との間の軸方向間隔212よりもさらに大きく選択されてもよい。
【0062】
いくつかの実施形態では、上述したような寸法関係は、適切な製造公差を説明するために選択されてもよい。例えば、軸方向間隔200及び202が、関連する製造公差の下で、公称値から可能な限り最悪の偏差(例えば、間隔212が最大、間隔210が最小)にある時だけ、軸方向間隔200及び202は、ノズル挿入部120の過圧縮なしに第1挿入停止面170が第1停止面146と係合するように選択されてもよい。同様に、関連する製造公差の下で(例えば、間隔212が最大、間隔210が最小)、間隔210及び212が公称値から可能な限り最悪の偏差であっても、第2挿入停止面172と第2中空部停止面148との間の係合が第1中空部停止面146と第1挿入停止面170との間の最初の(例えば、変形していない)係合時に発生しないように、軸方向間隔210及び212が選択されてもよい。また、場合によっては、同様の考慮事項に基づいて適切な製造公差を選択してもよい。
【0063】
他の実施形態では、別の構成が可能である。例えば、ポスト142の遠位端部144は、図示の実施形態では、ノズル挿入部120の動作支持面を提供する一方で、他のシステムは、動作位置でノズル挿入部を同様に係合して支持するために他の動作支持面を提供できる異なる構成要素(例えば、アクチュエータ上の他の構造)を含むことができる。いくつかの実施形態では、これらの構成要素(又は構造)は、対応するノズル挿入部と比較して、一般にポスト142、ノズル挿入中空部126、及びノズル挿入部120に対して上述したものと同様の相対的な間隔で構成してもよい。例えば、いくつかの実施形態におけるアクチュエータは、動作深度でノズル挿入部(例えば、外部リング、リブ又はその他構造(図示せず))を支持するために、ノズル挿入部上の対応する構造と係合することができる内部リブ、リング、又はその他構造(図示せず)上に動作可能な支持面を有するノズル挿入中空部を含んでもよい。いくつかの実施形態では、このような構造とアクチュエータの関連する停止部分との間の適切な間隔は、ポスト142、ノズル挿入中空部126、及びノズル挿入部120について上述したものと同様のノズル挿入部上の対応する間隔の関係を示すことができる。
【0064】
いくつかの実施形態では、ノズル挿入部を介して移動する製品の流動パターンと関連して、他の利点を得ることができる。例えば、特に
図11に示すように、ノズル本体160の内面178の少なくとも一部は、一般にノズル挿入部126が挿入されたときに、接続面154と整列してもよい(例えば、D
Iは一般にD
Sに等しい(
図3及び
図10参照))。また、上述したように、これは、製品がノズル中空部入口130からオリフィス180に移動するときに、ノズル挿入部126の内側に沿った流れに対して一般に一貫した境界を提供することができる。
図12に示されるように、このような整列及び対応する一貫した流動境界は、時にはノズル挿入部120及びノズル挿入中空部126の停止部分が変形された場合でも(例えば、過圧縮により)保持され得る。
【0065】
別の例として、同じく上述したように、停止部分134の一般的な構成は、ノズル中空部入口130と流体連通しており、ノズル中空部入口130の近くのポスト142を部分的に取り囲む分配チャンバ150を提供することができる。これは、例えば、一般にポスト142及びノズル挿入部126の周辺に製品の円周方向に、適切に均一な分布を提供するか、若しくは製品の適切な分布又は混合を助けるのに役立つことができる。
【0066】
図11~
図13に示された構成の例では、流体がノズル挿入中空部126からオリフィス180の外部に流れるようにするために、必要に応じてポスト142の遠位端部144とノズル挿入部120の内壁182との間の隙間(clearance)が提供されるが、明確に図示されてはいない。本開示の実施形態は、製品を適切に分配することのできる変形した構成(例えば、
図12参照)を含み、そのような隙間を規定及び維持するのを助けることができる。
【0067】
いくつかの実施形態では、製品流出のための隙間は、ポスト142(例えば、
図11参照)の遠位端部144などのポストの遠位端部、又はノズル中空部内の他の同様の特徴部上に内壁182(例えば、
図11参照)などのノズル挿入部の内壁上の輪郭によって形成されるフローチャネル及び排出渦流室によって提供されてもよい。例えば、
図14は、以下でさらに議論されるように、製品の分配のために一体に形成されたフローチャネルを有するアクチュエータ118(例えば、
図11参照)と共に使用するように構成されたノズル挿入部220を示す。
【0068】
ノズル挿入部120と同様に、ノズル挿入部220は、一般に円筒状の内部中空部226内に半径方向に延びる段状の停止部分222及びリブ224のセットを含む。従って、ノズル挿入部220は、
図11~
図13にノズル挿入部120について示すように、ノズル挿入部120と同様にアクチュエータ118内に受容されて固定されてもよい。
【0069】
いくつかの様態において、ノズル挿入部220は、ノズル挿入部120とは異なる。例えば、ノズル挿入部220は、停止部分222の第1及び第2停止部230,232の内部に面取りされた内壁228を含む。別の例として、ノズル挿入部220は、中央出口オリフィス238と整列された渦流室236につながる一連の相互接続されたチャネル234を含む。総体的に、チャネル234及び渦流室236は、内部中空部226の内面242からオリフィス238までノズル挿入部220の内壁240に沿って伸びる一連の流路を提供する。従って、ノズル挿入部220の内壁240が、
図11の構成のノズル挿入部120と同様に、ノズル挿入中空部のポストの遠位端部に対して載置又は隣接して配置された状態で、製品はノズル挿入中空部からチャネル234及び渦流室236を介して流れ、オリフィス238を介して分配されることができる。また、チャネル234及び渦流室236の図示された構成により、例えば、ノズル挿入部220が
図12の構成におけるノズル挿入部120と同様に、ポストの遠位端部に対して過圧縮される場合、特定の過圧縮構成において製品がオリフィス238を介して続けて分配されることができる。
【0070】
他の実施形態では、別の構成が可能である。例えば、ノズル挿入部の1つ以上の出口オリフィスへの製品の流れのためのチャネルは、内壁240などのノズル挿入部の内壁に形成される代わりに、又は追加的にポスト142と同様のポストの遠位端部に形成されてもよい。いくつかの実施形態では、製品の特定の流路は、凹んだチャネルではなく隆起又は突出した特徴として規定されてもよい。いくつかの実施形態では、出口渦流室は、円形又は他の形状など、渦流室236とは異なる幾何学的形状を有することができ、チャネル234などの出口渦流室につながるフローチャネルは、曲線又は他の流路を規定してもよい。いくつかの実施形態では、出口渦流室は、1つ以上の出口オリフィスにつながる段状又は曲線状の壁を有することができる。同様に、いくつかの実施形態では、チャネル234のようなフローチャネルは、出口渦流室につながる段状又は曲線状の壁で形成することができる。
【0071】
従って、本開示の実施形態は、製品ディスペンスシステムのためのアクチュエータアセンブリ又はノズル挿入部を提供する。いくつかの実施形態では、改善されたアクチュエータアセンブリ又はノズル挿入部は、改善された製造性を提供し、ノズル挿入部の過圧縮からの組立(又は使用)中に発生する欠陥を低減することができる。例えば、本発明のいくつかの実施形態は、ノズル挿入部の過圧縮の影響を軽減できる第1及び第2停止部分を有し、ノズル挿入部、及びアクチュエータアセンブリのアクチュエータ内の対応するノズル挿入中空部を提供する。これは、例えば、それに応じて、組立中にアクチュエータアセンブリに欠陥を形成する可能性を減少(例えば、除去)することができる。
【0072】
本発明は、特定の実施形態及び例と関連して上記にて説明されたが、本発明は必ずしもそれらに制限されることではなく、他の多くの実施形態、実施例、使用、及び修正、並びに前記の実施形態、実施例、及び使用からの逸脱は、本明細書に添付された特許請求の範囲に含まれることが意図されることを当業者は理解するであろう。本明細書に引用された各特許及び刊行物の開示内容の全体は、そのような各特許又は刊行物が参照として個別に本明細書に組み込まれる。