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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-31
(45)【発行日】2023-08-08
(54)【発明の名称】表示装置および表示方法
(51)【国際特許分類】
   G16H 20/00 20180101AFI20230801BHJP
   G06T 1/00 20060101ALI20230801BHJP
【FI】
G16H20/00
G06T1/00 310Z
G06T1/00 290
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2018223302
(22)【出願日】2018-11-29
(65)【公開番号】P2020087162
(43)【公開日】2020-06-04
【審査請求日】2021-10-29
(73)【特許権者】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100168583
【弁理士】
【氏名又は名称】前井 宏之
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 治生
【審査官】梅岡 信幸
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/204233(WO,A1)
【文献】特開2016-110181(JP,A)
【文献】特開2014-119817(JP,A)
【文献】特開2018-113071(JP,A)
【文献】国際公開第2016/203622(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G16H 10/00-80/00
G06T 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
健康に関する複数の診断項目の数値を含む健康データを含む帳票を撮影して、前記帳票の画像を示す画像データを生成する撮像部と、
前記画像データに基づいて、前記帳票の画像に含まれる前記健康データを認識し、前記画像データから前記健康データを取得する取得部と、
前記複数の診断項目の数値を増加又は減少させる複数の習慣に応じた複数の習慣項目の数値を含む影響データを受信する通信部と、
前記複数の診断項目の各々に対して影響する前記複数の習慣項目の数値のうち少なくとも1つを特定する特定部と、
前記特定部の特定結果に基づいて、前記複数の診断項目ごとの増減値を推定する推定部と、
前記推定部の推定結果を反映させた前記複数の診断項目のうち少なくとも1つの診断項目の数値を示す推定画像を生成する生成部と、
外界の光を透過させながら、前記生成部によって生成された前記推定画像を表示する表示部と、
前記表示部を制御する制御部と
を備え、
前記制御部は、前記表示部において、前記帳票に含まれる前記推定画像に対応する前記診断項目に応じた位置に、前記推定画像を表示するように前記表示部を制御する、表示装置。
【請求項2】
前記通信部は、摂取カロリーと、消費カロリーと、摂取アルコール量と、睡眠時間とが前記複数の習慣項目として含まれる前記影響データを受信し、
前記特定部は、前記習慣項目の数値として、単位日数当たりの摂取カロリーと、単位日数当たりの消費カロリーと、単位日数当たりの摂取アルコール量と、単位日数当たりの睡眠時間とのうち、少なくとも1つを特定する、請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
消灯から起床までの期間における照明のONおよびOFFを示す信号を検出する検出部と、
前記検出された信号に基づいて、消灯から起床までの期間における睡眠時間を計数する演算部とを更に備え、
前記特定部は、前記複数の習慣項目の数値として、計数された前記睡眠時間に基づいて、前記単位日数当たりの睡眠時間を特定する、請求項2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記特定部は、前記習慣項目の数値として、基準期間における前記摂取カロリーの合計と、基準期間における前記消費カロリーの合計と、基準期間における前記摂取アルコール量の合計と、基準期間における前記睡眠時間の平均値とのうち、少なくとも1つを特定する、請求項2又は請求項3に記載の表示装置。
【請求項5】
前記増減値が第1閾値を超え、前記第1閾値より大きな第2閾値以下か否かを判定する判定部と、
前記増減値が、前記第1閾値を超え、前記第2閾値以下であると判定された場合に、第1メッセージを作成する作成部とを更に備え、
前記制御部は、前記第1メッセージを表示するように前記表示部を制御する、請求項2~請求項4の何れか1項に記載の表示装置。
【請求項6】
前記判定部は、前記増減値が前記第2閾値を超えているか否かを判定し、
前記作成部は、前記増減値が、前記第2閾値を超えていると判定された場合に、第2メッセージを作成し、
前記制御部は、前記通信部を制御し、
前記通信部は、前記第2メッセージを所定の電子機器に送信する、請求項5に記載の表示装置。
【請求項7】
表示装置により実行される表示方法であって、
健康に関する複数の診断項目の数値を含む健康データを含む帳票を撮影して、前記帳票の画像を示す画像データを生成するステップと、
前記画像データに基づいて、前記帳票の画像に含まれる前記健康データを認識し、前記画像データから健康データを取得するステップと、
前記複数の診断項目の数値を増加又は減少させる複数の習慣に応じた複数の習慣項目の数値を含む影響データを受信するステップと、
前記複数の診断項目の各々に対して影響する前記複数の習慣項目の数値のうち少なくとも1つを特定するステップと、
特定された前記数値に基づいて、前記複数の診断項目ごとの変化量を推定するステップと、
推定された前記変化量を反映させた前記複数の診断項目のうち少なくとも1つの診断項目の数値を示す推定画像を生成するステップと、
外界の光を透過させながら、生成された前記推定画像を表示するステップと
を包含し、
前記推定画像を表示するステップにおいて、前記帳票に含まれる前記推定画像に対応する前記診断項目に応じた位置に、前記推定画像を表示する、表示方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置および表示方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ユーザーの健康に関する情報の収集および分析をコンピューターで管理する装置が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1の技術によれば、予め登録している分析情報を用いて、健康に関する測定結果を示す健康状況情報を分析し、分析結果を出力する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2010-224997号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1における分析結果は、一般的な平均値との対比に基づく定性的なものである。すなわち、個々のユーザーの具体的な健康増進活動を反映した、健康に関する数値を報知するものではない。
【0006】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、個々のユーザーの具体的な健康増進活動を反映した、健康に関する数値を報知することが可能な表示装置および表示方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る表示装置は、取得部と、特定部と、推定部と、表示部とを備える。前記取得部は、健康に関する健康データを取得する。前記特定部は、前記健康データに影響する影響データを特定する。前記推定部は、前記影響データに基づいて、前記健康データの増減を推定する。前記表示部は、推定された結果を表示する。
【0008】
本発明に係る表示方法は、健康に関する健康データを取得するステップと、前記健康データに影響する影響データを特定するステップと、前記影響データに基づいて、前記健康データの変化量を推定するステップと、前記推定された結果を表示するステップとを包含する。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係る表示装置および表示方法によれば、個々のユーザーの具体的な健康増進活動を反映した、健康に関する数値を報知することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の第1実施形態に係る表示システムを示す概略図である。
図2】表示装置の構成を示すブロック図である。
図3】表示装置の一機能を示す図である。
図4】(a)は、ユーザー情報を格納するユーザー情報テーブルの一例である。(b)は、健康データを格納する健康データテーブルの一例である。
図5】影響データを格納する影響データテーブルの一例である。
図6】推定用データを格納する推定用データテーブルの一例である。
図7】推定結果を格納する推定結果テーブルの一例である。
図8】第1実施形態に係る表示システムの通信シーケンス図である。
図9】本発明の第2実施形態に係る表示システムを示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態について、図面(図1図9)を参照しながら説明する。なお、図中、同一又は相当部分については同一の参照符号を付して説明を繰り返さない。
【0012】
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態に係る表示システム1を示す概略図である。表示システム1は、健康診断結果10に係るユーザーの健康増進活動を支援するシステムである。図1に示すように、表示システム1は、表示装置100と、周辺機器200と、クラウドサーバー300とを備える。なお、健康診断結果10は、「帳票」の一例である。
【0013】
表示装置100は、画像を表示する。更に、表示装置100は、外界の光を透過させる。表示装置100は、例えば、カラー画像を表示する透過液晶ディスプレイである。
【0014】
本実施形態では、表示装置100は、カメラを内蔵し、OCR機能を有している。表示装置100は、健康診断結果10を撮影して、健康診断の結果を示す健康データを取得する。なお、健康データの詳細については、図4(b)を参照して後述する。
【0015】
周辺機器200は、健康データに影響する影響データを収集する。具体的には、周辺機器200は、ユーザーの健康を改善させ、又は悪化させ得る各種の影響データを収集し、表示装置100に送信する。影響データは、例えば、毎日の体重と、単位日数当たりの摂取カロリーと、単位日数当たりの消費カロリーと、単位日数当たりの摂取アルコール量と、単位日数当たりの睡眠時間とを含む。ここで、「単位日数」とは、影響データを収集する場合に基準となる日数をいう。単位日数は、例えば、「1日」である。なお、影響データの詳細については、図5を参照して後述する。
【0016】
表示装置100は、周辺機器200から影響データを受信する。また、表示装置100は、影響データに基づいて、推定用データを生成する。ここで、「推定用データ」とは、健康データの増減を推定するために使用されるデータをいう。
【0017】
表示装置100は、推定用データをクラウドサーバー300に送信し、健康データの増減の推定を要求する。更に、表示装置100は、クラウドサーバー300から推定結果を受信する。そして、表示装置100は、クラウドサーバー300から受信した推定結果を表示する。ここで、「推定結果」とは、健康データの増減について推定した結果をいう。
【0018】
クラウドサーバー300は、表示装置100から受信した推定用データに基づいて、健康データの増減を推定する。更に、クラウドサーバー300は、健康データの増減について推定した推定結果を表示装置100に送信する。また、クラウドサーバー300は、表示装置100から受信した位置情報に基づいて、位置情報が示す場所が飲食店か否かを判定し、飲食店と判定した場合に、食事のカロリーを推定してもよい。
【0019】
次に、図2を参照して、表示装置100の構成について説明する。図2は、表示装置100の構成を示すブロック図である。図2に示すように、表示装置100は、通信部11と、表示部12と、撮像部13と、装置制御部15とを備える。
【0020】
通信部11は、装置制御部15の指示に応じて、他の電子機器との間で、各種のデータを送受信する。具体的には、通信部11は、スマートウォッチ等の周辺機器200から影響データを受信する。通信部11は、例えば、通信インターフェイスである。
【0021】
更に、通信部11は、装置制御部15で特定された推定用データをクラウドサーバー300に送信する。また、通信部11は、クラウドサーバー300から推定結果を受信する。なお、通信部11は、「検出部」の一例である。
【0022】
更に、通信部11は、周辺機器200から、消灯から起床までの期間におけるユーザーが就寝する部屋の照明のONおよびOFFを示す信号を受信する。
【0023】
表示部12は、推定部1513で推定された内容を示す推定結果を表示する。具体的には、表示部12は、左右1対で構成されたAR(Augmented Reality)グラス、又はHMD(Head Mounted Display)である。本実施形態では、表示部12には、生成部1514で生成された推定画像が投影又は表示される。表示部12は、カラー画像を表示する透明液晶ディスプレイを含む。なお、表示部12は、透明液晶ディスプレイに限定されない。表示部12は、有機エレクトロルミネッセンス(有機EL)ディスプレイを含んでもよい。
【0024】
撮像部13は、健康データを含む健康診断結果10を撮影して、健康診断結果10の画像を示す画像データを生成する。更に、撮像部13は、食事の内容を撮影し、食事の内容を示す食事画像データを生成する。ここで、食事の内容には、ビール又は日本酒などを含んでいてもよい。
【0025】
撮像部13は、例えば、電荷結合素子(Charge Coupled Device:CCD)イメージセンサー、又は相補型MOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor:CMOS)イメージセンサーを含む。
【0026】
装置制御部15は、制御プログラムに基づいて、表示装置100の各構成部分の動作を制御する。装置制御部15は、処理部151と、記憶部152とを備える。処理部151は、例えば、プロセッサーである。プロセッサーは、例えばCPU(Central Processing Unit)である。
【0027】
処理部151は、記憶部152に記憶された制御プログラムを実行することによって、表示装置100の各構成部分の動作を制御する。
【0028】
記憶部152は、各種のデータおよび制御プログラムを記憶する。記憶部152は、例えば、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、およびソリッドステートドライブ(Solid State Drive:SSD)のうち、少なくとも1つを含む。
【0029】
処理部151は、取得部1511と、特定部1512と、推定部1513と、生成部1514と、測位部1515と、演算部1516と、判定部1517と、作成部1518と、制御部1519とを含む。本実施形態において、処理部151が記憶部152に格納された制御プログラムを実行することによって、制御プログラムが、取得部1511と、特定部1512と、推定部1513と、生成部1514と、測位部1515と、演算部1516と、判定部1517と、作成部1518と、制御部1519との機能を実現する。
【0030】
取得部1511は、健康に関する健康データを取得する。具体的には、取得部1511は、健康データとして、肝機能を示す数値と、腎機能を示す数値と、脂質を示す数値と、糖を示す数値とのうち、少なくとも1つを健康診断結果10から取得する。
【0031】
更に、取得部1511は、OCR機能を備える。取得部1511は、OCR機能を用いて、撮像部13で生成された画像データに基づいて、健康診断結果10の画像に含まれる健康データを認識する。
【0032】
また、取得部1511は、歩数計機能を有する。取得部1511は、起床から就寝までの期間における歩数を取得する。
【0033】
特定部1512は、健康データに影響する影響データを特定する。具体的には、特定部1512は、影響データとして、単位日数当たりの摂取カロリーと、単位日数当たりの消費カロリーと、単位日数当たりの摂取アルコール量と、単位日数当たりの睡眠時間とを特定する。
【0034】
更に、特定部1512は、演算部1516で算出された食事のカロリーに基づいて、単位日数当たりの摂取カロリーを特定する。また、特定部1512は、演算部1516で算出されたアルコール量に基づいて、単位日数当たりの摂取アルコール量を特定する。
【0035】
また、特定部1512は、推定部1513で推定された食事のカロリーに基づいて、単位日数当たりの摂取カロリーを特定する。
【0036】
また、特定部1512は、演算部1516で算出された消費カロリーに基づいて、単位日数当たりの消費カロリーを特定する。
【0037】
また、特定部1512は、演算部1516で計数された睡眠時間に基づいて、単位日数当たりの睡眠時間を特定する。
【0038】
また、特定部1512は、影響データとして、基準期間における摂取カロリーの合計と、基準期間における消費カロリーの合計と、基準期間における摂取アルコール量の合計と、基準期間における睡眠時間の平均値とを特定する。ここで、「基準期間」とは、健康データの増減を推定する場合の影響データを収集する基準とする期間をいう。基準期間は、例えば「7日間」である。
【0039】
推定部1513は、特定部1512で特定された影響データに基づいて、健康データの増減を推定する。具体的には、推定部1513は、影響データに基づいて、健康データの増減を推定するように、クラウドサーバー300に指示する。本実施形態では、推定部1513は、基準期間の影響データに基づいて、健康データの増減を推定する。
【0040】
更に、推定部1513は、測位部1515で取得された位置情報に基づいて、位置情報が示す場所が飲食店か否かを判定し、飲食店と判定した場合に、食事のカロリーを推定してもよい。
【0041】
生成部1514は、推定部1513で推定された後の健康データを示す推定画像を生成する。
【0042】
測位部1515は、表示装置100の位置を測定する。本実施形態では、測位部1515は、GPS機能を有する。測位部1515は、GPS機能を用いて表示装置100の位置を示す位置情報を生成する。
【0043】
演算部1516は、撮像部13で生成された食事画像データに基づいて、食事のカロリーを算出する。更に、演算部1516は、食事画像データに基づいて、アルコール量を算出する。
【0044】
また、演算部1516は、取得部1511で取得された歩数に基づいて、消費カロリーを算出する。
【0045】
また、演算部1516は、通信部11を介して検出された信号に基づいて、消灯から起床までの期間における睡眠時間を計数する。
【0046】
判定部1517は、「健康データの変化量」が、第1閾値を超え、第1閾値より大きな第2閾値以下か否かを判定する。ここで、「健康データの変化量」とは、健康診断結果10の健康データと推定後の健康データとの差を示す。
【0047】
更に、判定部1517は、健康データの変化量が、第2閾値を超えているか否かを判定する。
【0048】
作成部1518は、健康データの変化量が、第1閾値を超え、第2閾値以下であると、判定部1517が判定した場合に、第1メッセージを作成する。例えば、空腹時血糖について、第1閾値が「20」に設定され、第2閾値が「240」に設定されているとする。このように閾値が設定されている場合において、作成部1518は、第1メッセージとして、例えば「血糖値がほぼ正常値に戻りました」旨のメッセージを作成する。
【0049】
更に、作成部1518は、健康データの変化量が第2閾値を超えていると、判定部1517が判定した場合に、第2メッセージを作成する。作成部1518は、第2メッセージとして、例えば「血糖値は正常の範囲です」旨のメッセージを作成する。
【0050】
制御部1519は、表示部12を制御する。具体的には、制御部1519は、健康診断結果10が示す健康データと、推測結果とを対応させて表示するように、表示部12を制御する。
【0051】
次に、図2および図3を参照して、表示装置100の機能について説明する。図3は、表示装置100の一機能を示す図である。
【0052】
図3には、表示装置100と、健康診断結果10とが示されている。表示装置100は、通信部11と、表示部12と、撮像部13と、装置制御部15とを備える。表示部12は、透過型であり、健康診断結果10を視認できる。表示装置100の表示部12には、健康診断結果10の投影画像10Aが示されている。更に、表示部12には、装置制御部15で生成された推定画像122の「100」が、健康診断結果10が示す空腹時血糖の値「130」の付近に表示されている。更に、表示部12には、装置制御部15で生成された、年月日を示す日付画像121(H30.10.1)と、第1メッセージ123とが表示されている。図3に示すように、制御部1519が、日付画像121と推定画像122とを、健康診断結果10の日付と健康データとにそれぞれ対応させて表示するように表示部12を制御する。これにより、ユーザーは、健康診断を実施した日から、日付画像121が示す日までの健康データの変化量を容易に把握することが可能となる。
【0053】
更に、制御部1519は、作成部1518で作成された第1メッセージを表示するように表示部12を制御する。また、制御部1519は、作成部1518で作成された第2メッセージを所定の電子機器に送信するように通信部11を制御する。ここで、「所定の電子機器」は、例えばスマートフォンである。
【0054】
次に、図4図6を参照して、表示装置100の記憶部152に記憶される各種のデータについて説明する。図4(a)は、ユーザー情報を格納するユーザー情報テーブル400の一例である。「ユーザー情報」は、健康診断結果10が示す受診者を特定する情報を示す。なお、本実施形態では、健康診断結果10の受信者と表示装置100のユーザーとが一致する。
【0055】
ユーザー情報テーブル400は、項目401と、内容402とを含む。項目401は、受診者を特定する情報の区分を示す。項目401は、例えば、氏名、性別および生年月日を含む。内容402は、項目401の具体的な情報を示す。
【0056】
図4(b)は、健康データを格納する健康データテーブル450の一例である。健康データには、例えば、肝機能を示す数値と、腎機能を示す数値と、脂質を示す数値と、糖を示す数値とがある。
【0057】
肝機能を示す数値の具体例には、AST(GOT)、ALT(GPT)、γ-GTP、ALPおよび総ビリルビンがある。腎機能を示す数値の具体例には、クレアチニンおよび尿酸がある。脂質を示す数値の具体例には、中性脂肪、HDL-CおよびLDL-Cがある。糖を示す数値の具体例には、空腹時血糖およびHbA1cがある。
【0058】
健康データテーブル450は、受診者の健康に関する測定値又は診断結果を示す。図4(b)に示すように、健康データテーブル450は、検査項目451と、測定値452と、単位453とを含む。
【0059】
検査項目451は、検査の区分を示す。検査項目451は、例えば、空腹時血糖と、HbA1cとを含む。測定値452は、検査項目451の具体的な測定結果を示す。単位453は、検査項目451を数値で表す場合の基準になる量又は形式を示す。
【0060】
図5は、影響データを格納する影響データテーブル500の一例である。影響データテーブル500は、ユーザーによって日単位で収集した影響データを示す。本実施形態では、影響データテーブル500は、年月日501と、体重502と、摂取カロリー503と、消費カロリー504と、摂取アルコール量505と、睡眠時間506とを含む。年月日501は、影響データを収集した年月日を示す。体重502は、年月日501が示す日に収集したユーザーの体重を示す。
【0061】
摂取カロリー503は、ユーザーが1日の中で摂取したカロリーの総量を示す。また、消費カロリー504は、ユーザーが1日の中で消費したカロリーの総量を示す。本実施形態では、消費カロリー504は、基礎代謝のカロリー量を含む。また、摂取アルコール量505は、ユーザーが1日の中で摂取したアルコールの総量をいう。また、睡眠時間506は、0時から24時の間にユーザーが取得した睡眠時間の合計をいう。
【0062】
次に、図6および図7を参照して、表示装置100とクラウドサーバー300との間で送受信されるデータについて説明する。図6は、推定用データを格納する推定用データテーブル600の一例である。推定用データは、表示装置100からクラウドサーバー300に送信される。
【0063】
推定用データテーブル600は、週No.601と、体重変動602と、合計摂取カロリー603と、合計消費カロリー604と、合計摂取アルコール量605と、平均睡眠時間606とを含む。
【0064】
週No.601は、健康データの取得後で、影響データの収集開始以後の週の順番を示す。体重変動602は、週No.601が示す週の期間中の体重の増減を示す。合計摂取カロリー603は、週No.601が示す週の期間中の摂取カロリー503の合計値を示す。合計消費カロリー604は、週No.601が示す週の期間中の消費カロリー504の合計値を示す。合計摂取アルコール量605は、週No.601が示す週の期間中の摂取アルコール量505の合計値を示す。平均睡眠時間606は、週No.601が示す週の期間中の睡眠時間506の平均値を示す。
【0065】
図7は、推定結果を格納する推定結果テーブル700の一例である。推定結果は、クラウドサーバー300から表示装置100が受信する。
【0066】
推定結果テーブル700は、週No.701と、推定空腹時血糖702と、推定HbA1c703と、推定AST(GOT)704と、推定ALT(GPT)705と、推定γ-GTP706とを含む。
【0067】
週No.701は、週No.601と同一の週を示す。推定空腹時血糖702は、クラウドサーバー300が表示装置100から受信した推定用データに基づいて推定した空腹時血糖を示す。以下、クラウドサーバー300が表示装置100から受信した推定用データを「受信推定用データ」という。推定HbA1c703、推定ALT(GPT)705、および推定γ-GTP706は、それぞれ、受信推定用データに基づいて推定したAST(GOT)、HbA1c、ALT(GPT)、およびγ-GTPを示す。
【0068】
次に、図2および図8を参照して、表示システム1における通信について説明する。図8は、第1実施形態に係る表示システム1の通信シーケンス図である。図8は、表示装置100と、周辺機器200と、クラウドサーバー300との間で実行される健康推定処理を示す通信シーケンス図である。健康推定処理は、ステップS2~ステップS24によって実行される。
【0069】
ステップS2:撮像部13は、健康診断結果10を撮影して、健康データを取得する。処理は、ステップS4に進む。
【0070】
ステップS4:特定部1512は、通信部11を介して、周辺機器200に影響データを要求する。処理は、ステップS6に進む。
【0071】
ステップS6:周辺機器200は、影響データを測定する。処理は、ステップS8に進む。
【0072】
ステップS8:特定部1512は、通信部11を介して、周辺機器200から影響データを受信する。処理は、ステップS10に進む。
【0073】
ステップS10:特定部1512は、受信した影響データを記憶部152に記録する。処理は、ステップS12に進む。
【0074】
ステップS12:特定部1512は、基準期間分の影響データを収集したか否かを判定する。基準期間分の影響データを収集したと特定部1512が判定した場合は(ステップS12でYes)、処理は、ステップS14に進む。基準期間分の影響データを収集しないと特定部1512が判定した場合は(ステップS12でNo)、処理は、ステップS4に戻る。
【0075】
ステップS14:特定部1512は、推定用データを特定する。処理は、ステップS16に進む。
【0076】
ステップS16:推定部1513は、通信部11を介して、クラウドサーバー300に推定用データを送信する。処理は、ステップS18に進む。
【0077】
ステップS18:クラウドサーバー300は、推定用データに基づいて、健康状態を推定し、推定結果を生成する。処理は、ステップS20に進む。
【0078】
ステップS20:処理部151は、通信部11を介して、クラウドサーバー300から推定結果を受信する。処理は、ステップS22に進む。
【0079】
ステップS22:制御部1519は、推定結果を表示する。
【0080】
ステップS24:処理部151は、健康推定処理が終了するか否かを判定する。健康推定処理が終了すると処理部151が判定した場合は(ステップS24でYes)、処理は終了する。健康推定処理が終了しないと処理部151が判定した場合は(ステップS24でNo)、処理は、ステップS4に戻る。
【0081】
以上のように、本実施形態の表示装置100によれば、個々のユーザーの具体的な健康増進活動を反映した、健康に関する数値を報知することができる。
【0082】
(第2実施形態)
次に、図2および図9を参照して、第2実施形態に係る表示システム1Aについて説明する。図9は、本実施形態に係る表示システム1Aを示す概略図である。図1を参照して説明した第1実施形態では、表示装置100が健康診断結果10を撮影して健康データを取得したが、本実施形態では、画像形成装置50が健康診断結果10をスキャンすることに基づいて、健康データを取得する点が異なる。
【0083】
図9に示すように、表示システム1Aは、表示装置100と、周辺機器200と、クラウドサーバー300と、画像形成装置50とを備える。
【0084】
画像形成装置50は、健康診断結果10をスキャンして、健康診断結果10を示す画像データを生成する。画像形成装置50は、生成した画像データを表示装置100に送信する。
【0085】
表示装置100は、OCR機能を用いて、画像形成装置50から受信した画像データに基づいて、健康診断結果10の画像に含まれる健康データを認識する。なお、表示装置100は、健康データと、推定画像とを対応させて表示するために、撮像部13で健康診断結果10を撮影する。
【0086】
以上のように、第2実施形態に係る表示システム1Aによれば、ユーザーは、表示装置100の一部の機能を画像形成装置50に代替させることが可能となる。これによって、表示装置100のコストを軽減させると共に、個々のユーザーの具体的な健康増進活動を反映した、健康に関する数値を報知するシステムを提供することが可能となる。
【0087】
以上、図面(図1図9)を参照しながら本発明の実施形態を説明した。但し、本発明は、上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施することが可能である(例えば、下記に示す(1)~(3))。図面は、理解しやすくするために、それぞれの構成要素を主体に模式的に示しており、図示された各構成要素の厚み、長さ、個数等は、図面作成の都合上から実際とは異なる。また、上記の実施形態で示す各構成要素の材質や形状、寸法等は一例であって、特に限定されるものではなく、本発明の効果から実質的に逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0088】
(1)本発明の実施形態では、クラウドサーバー300を利用して健康データの増減の推定を行ったが、健康データの増減の推定は、クラウドサーバー300を利用する場合に限定されない。表示装置100が、クラウドサーバー300と同等の機能を有する場合は、表示装置100が健康データの増減の推定を行ってもよい。
【0089】
(2)本発明の実施形態では、影響データを周辺機器200から受信する実施例について説明したが、影響データは、周辺機器200から受信する場合に限定されない。影響データは、クラウドサーバー300が蓄積するビッグデータを利用してもよい。
【0090】
(3)また、本発明は、本発明に係る表示装置の特徴的な構成手段をステップとする表示方法として実現したり、それらのステップを包含する制御プログラムとして実現したりすることもできる。また、そのプログラムは、CD-ROM等の記録媒体や通信ネットワーク等の伝送媒体を介して流通させることもできる。
【産業上の利用可能性】
【0091】
本発明は、表示装置の分野に利用可能である。
【符号の説明】
【0092】
1 表示システム
100 表示装置
11 通信部
12 表示部
13 撮像部
15 装置制御部
151 処理部
1511 取得部
1512 特定部
1513 推定部
1514 生成部
1515 測位部
1516 演算部
1517 判定部
1518 作成部
1519 制御部
152 記憶部
200 周辺機器
300 クラウドサーバー
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9