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特許7322436記録制御装置、記録制御方法、およびプログラム
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  • 特許-記録制御装置、記録制御方法、およびプログラム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-31
(45)【発行日】2023-08-08
(54)【発明の名称】記録制御装置、記録制御方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G07C 5/00 20060101AFI20230801BHJP
   B60R 25/102 20130101ALI20230801BHJP
   B60R 25/32 20130101ALI20230801BHJP
【FI】
G07C5/00 Z
B60R25/102
B60R25/32
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2019045865
(22)【出願日】2019-03-13
(65)【公開番号】P2020149313
(43)【公開日】2020-09-17
【審査請求日】2021-06-30
(73)【特許権者】
【識別番号】308036402
【氏名又は名称】株式会社JVCケンウッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】森田 淳
【審査官】鈴木 順三
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-186394(JP,A)
【文献】特開2013-257883(JP,A)
【文献】特開2015-135677(JP,A)
【文献】特開2017-102918(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07C 1/00 - 15/00
B60R 25/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の周辺を撮影するカメラから撮影データを取得する撮影データ取得部と、
前記車両が駐車していることを検出する駐車検出部と、
前記車両に対するイベントを検出するイベント検出部と、
前記車両の駐車中に利用可能な車両を駆動する電源の状態を検出する電源状態検出部と、
前記車両が駐車しているとき、前記車両の駐車中に利用可能な電源の状態に応じて、イベントが検出されることで前記撮影データの記録を開始させる第一駐車記録と、前記撮影データを常時記録する第二駐車記録とを切り換えて実行する記録制御部と、
前記車両の駐車位置における想定駐車時間を取得する駐車時間想定部と、
を備え
前記記録制御部は、前記車両の駐車中に利用可能な電源の状態および想定駐車時間に応じて、前記第一駐車記録と、前記第二駐車記録とを切り換えて実行する、記録制御装置。
【請求項2】
前記記録制御部は、前記車両が駐車開始したときにおける前記車両の駐車中に利用可能な電源の状態に応じて、前記第一駐車記録と前記第二駐車記録とを切り換えて実行する、
請求項に記載の記録制御装置。
【請求項3】
前記記録制御部は、前記車両の駐車中に利用可能な電源の状態として、前記電源の容量を示す値が容量閾値未満である場合は前記第一駐車記録を実行し、前記容量閾値以上であれば前記第二駐車記録を実行する、
請求項1または2に記載の記録制御装置。
【請求項4】
前記記録制御部は、想定駐車時間が時間閾値以上であるときは前記第一駐車記録を実行し、前記時間閾値未満であれば前記第二駐車記録を実行する、
請求項1または2に記載の記録制御装置。
【請求項5】
前記記録制御部は、前記第一駐車記録においては、イベントが検出されることで記録を開始した所定期間の撮影データをイベント記録データとして保存し、前記第二駐車記録においては、イベントが検出されることで、常時記録されている撮影データからイベント検出時の前後所定期間の撮影データをイベント記録データとして保存する、
請求項1からのいずれか1項に記載の記録制御装置。
【請求項6】
車両が駐車していることを検出する駐車検出ステップと、
前記車両の駐車中に利用可能な車両を駆動する電源の状態を検出する電源状態検出ステップと、
前記車両が駐車しているとき、前記車両の駐車中に利用可能な電源の状態に応じて、イベントが検出されることで撮影データの記録を開始させる第一駐車記録と、前記撮影データを常時記録する第二駐車記録とを切り換えて実行する記録制御ステップと、
前記車両の駐車位置における想定駐車時間を取得する駐車時間想定ステップと、
前記車両の駐車中に利用可能な電源の状態および想定駐車時間に応じて、前記第一駐車記録と、前記第二駐車記録とを切り換えて実行するステップと、
を含む、記録制御方法。
【請求項7】
記録制御装置として動作するコンピュータに、
車両が駐車していることを検出する駐車検出ステップと、
前記車両の駐車中に利用可能な車両を駆動する電源の状態を検出する電源状態検出ステップと、
前記車両が駐車しているとき、前記車両の駐車中に利用可能な電源の状態に応じて、イベントが検出されることで撮影データの記録を開始させる第一駐車記録と、前記撮影データを常時記録する第二駐車記録とを切り換えて実行する記録制御ステップと、
前記車両の駐車位置における想定駐車時間を取得する駐車時間想定ステップと、
前記車両の駐車中に利用可能な電源の状態および想定駐車時間に応じて、前記第一駐車記録と、前記第二駐車記録とを切り換えて実行するステップと、
を実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、記録制御装置、記録制御方法、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ドライブレコーダは、映像を記録するモードとして、駐車時のイベントに基づく映像を記録する駐車監視モードを備える。ドライブレコーダに備えられたバッテリ等の電力で駐車中の車両の監視を行う場合、ドライブレコーダのバッテリの容量では長時間の監視を行うことができないため、車両のバッテリからドライブレコーダに給電する場合がある。
【0003】
例えば特許文献1には、車両のバッテリに負担をかけずに駐車監視するドライブレコードが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2017-102918号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、車両のバッテリの状態によっては、駐車中にドライブレコーダに電力を供給すると、駐車時間によっては、車両のバッテリの電力が不足してしまうおそれがある。
【0006】
本発明は、車両の駐車中において適切に映像を記録することのできる記録制御装置、記録制御方法、およびプログラムを提案する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の記録制御装置は、車両の周辺を撮影するカメラから撮影データを取得する撮影データ取得部と、前記車両が駐車していることを検出する駐車検出部と、前記車両に対するイベントを検出するイベント検出部と、前記車両の駐車中に利用可能な電源の状態を検出する電源状態検出部と、前記車両が駐車しているとき、前記車両の駐車中に利用可能な電源の状態に応じて、イベントが検出されることで前記撮影データの記録を開始させる第一駐車記録と、前記撮影データを常時記録する第二駐車記録とを切り換えて実行する記録制御部と、を備える。
【0008】
本発明の記録制御方法は、車両が駐車していることを検出する駐車検出ステップと、前記車両の駐車中に利用可能な電源の状態を検出する電源状態検出ステップと、前記車両が駐車しているとき、前記車両の駐車中に利用可能な電源の状態に応じて、イベントが検出されることで撮影データの記録を開始させる第一駐車記録と、前記撮影データを常時記録する第二駐車記録とを切り換えて実行する記録制御ステップと、を含む。
【0009】
本発明のプログラムは、記録制御装置として動作するコンピュータに、車両が駐車していることを検出する駐車検出ステップと、前記車両の駐車中に利用可能な電源の状態を検出する電源状態検出ステップと、前記車両が駐車しているとき、前記車両の駐車中に利用可能な電源の状態に応じて、イベントが検出されることで撮影データの記録を開始させる第一駐車記録と、前記撮影データを常時記録する第二駐車記録とを切り換えて実行する記録制御ステップと、を実行させる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、車両の駐車中において適切に映像を記録することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、本発明の第一実施形態に係る記録装置の構成の一例を示すブロック図である。
図2図2は、本発明の第一実施形態に係る記録制御装置の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図3図3は、第一駐車記録の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図4図4は、第二駐車記録の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図5図5は、本発明の第二実施形態に係る記録装置の構成の一例を示すブロック図である。
図6図6は、本発明の第二実施形態に係る記録制御装置の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、添付図面を参照して、本発明に係る実施形態を詳細に説明する。なお、この実施形態により本発明が限定されるものではなく、また、実施形態が複数ある場合には、各実施形態を組み合わせて構成するものも含む。
【0013】
[第一実施形態]
図1を用いて、本発明の第一実施形態に係る記録装置について説明する。図1は、本発明の第一実施形態に係る記録装置の構成の一例を示すブロック図である。
【0014】
記録装置1は、撮像部10と、記録部20と、通信部30と、操作部40と、表示部50と、センサ60と、GPS受信部70と、CAN(Controller Area Network)インターフェース80と、電源90と、制御部(記録制御装置)100とを備える。記録装置1は、バッテリを搭載した電気自動車およびプラグインハイブリッド車などの車両に搭載され、車両の駐車中に検出されたイベントに基づいて撮影データを、イベント記録データとして記録する。記録装置1は、電気自動車に限らず、駆動用のバッテリを備えているのであれば2つのタイヤを備える自転車又はオートバイに搭載されてもよい。
【0015】
撮像部10は、記録装置1が搭載されている車両において用いられるカメラであり、車両の車室内外の任意の範囲を撮影する。撮像部10は、例えば、車両の前方を撮影するカメラ、車両の後方を撮影するカメラ、車両の側方を撮影するカメラ、のいずれかまたはそれらの組み合わせであってもよく、車両の周囲を撮影するように複数のカメラを含むカメラユニットまたは全天周カメラであってもよい。また、車室内を撮影するカメラを含んでいてもよい。撮像部10は、車両において用いられるカメラが撮影した撮影データを撮影データ取得部120に出力する。
【0016】
記録部20は、イベントが検出されたときに記録されるイベント記録データなど種々のデータを記録する。記録部20は、例えば、イベントの検出に基づく所定期間の撮影データをイベント記録データとして保存する。記録部20は、例えば、車両の駐車中に常時撮影された撮影データを記録する。記録部20は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)などの半導体メモリ素子、または、ハードディスク、ソリッドステートドライブなどの記憶装置で実現することができる。記録部20は、複数の異なるメモリ等で構成されてもよい。
【0017】
通信部30は、無線ネットワークを介して外部の他装置と情報通信を行う。通信部30は、例えば通信制御部126の制御に従って、外部の他装置と情報通信を行う。通信部30は、例えば通信制御部126の制御に従って、撮像部10が撮影した撮影データを外部の他装置に送信する。外部の他装置は、予めユーザなどによって設定された装置である。外部の他装置に特に制限はないが、例えばユーザのスマートフォンである。
【0018】
操作部40は、制御部100に対する種々の操作を受け付ける。種々の操作には、イベント記録データの再生の開始、イベント記録データの保存の開始などの操作が含まれる。操作部40は、受け付けた操作に応じた操作信号を操作制御部127に出力する。操作部40は、例えば、物理的なスイッチや、表示部50に設けられたタッチパネルで実現することができる。
【0019】
表示部50は、種々の映像を表示する。表示部50は、例えば、記録部20が記録しているイベント記録データを表示する。表示部50は、例えば、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)または有機EL(Organic Electro-Luminescence)ディスプレイなどを含むディスプレイである。
【0020】
センサ60は、車両に対するイベントの発生に起因する種々の情報を検出する。センサ60は、例えば、加速度センサであり、車両に加わった加速度を検出する。センサ60は、例えば、ジャイロセンサであり、車両の姿勢に関する情報を検出する。センサ60は、検出結果をセンサ情報取得部129に出力する。
【0021】
GPS受信部70は、GPS受信回路、GPS受信アンテナなどから構成されており、GPS信号を受信する。GPS受信部70は、受信したGPS信号を位置情報取得部130に出力する。
【0022】
CANインターフェース80は、CANを介して各種車両情報を取得するためのインターフェースである。車両情報には、例えば、エンジンの動作状況や、車両の走行状況などに関する情報が含まれている。
【0023】
電源90は、記録装置1に電力を供給する。電源90は、記録装置1に接続された記録装置1の専用バッテリである。電源90は、記録装置1の構成に含まれずに、記録装置1の外部から記録装置1に電源を供給するバッテリであってもよい。電源90は、例えば、記録装置1が搭載されている車両に備えられたバッテリ、または、記録装置1に接続された外部バッテリなどである。
【0024】
制御部100は、撮影データ取得部120と、バッファメモリ121と、撮影データ処理部122と、記録制御部123と、再生制御部124と、イベント検出部125と、通信制御部126と、操作制御部127と、表示制御部128と、センサ情報取得部129と、位置情報取得部130と、車両情報取得部131と、駐車検出部132と、電源状態検出部133とを備える。制御部100は、例えば、CPU(Central Processing Unit)を含む電子的な回路で実現することができ、CPUが備える内部メモリ等には、制御部100の各部を実現させるためのプログラムが記憶されている。この場合、制御部100は、内部メモリ等に記憶されているプログラムを展開して実行することで、各部の機能を実現する。図1においては、制御部100で実現される各部は、理解を容易にするために、バス110を介して互いに接続されているように記載する。
【0025】
撮影データ取得部120は、外部から各種の撮影データを取得する。撮影データ取得部120は、例えば、撮像部10から撮像部10が撮影した撮影データを取得する。撮影データ取得部120は、例えば、撮像部10から取得した撮影データをバッファメモリ121および表示制御部128に出力する。撮影データ取得部120は、撮像部10が撮影した映像データを撮影データとして取得してもよく、映像データに加えて、撮像部10または他の位置に配置された図示しないマイクロフォンが取得した音声データを含んだ撮影データを取得してもよい。
【0026】
バッファメモリ121は、撮影データ取得部120が取得した撮影データを一時的に記憶する制御部100の内部メモリである。具体的には、バッファメモリ121は、撮影データ取得部120が取得した一定時間分の撮影データを、更新しながら一時的に記憶する。
【0027】
撮影データ処理部122は、バッファメモリ121が一時的に記憶している撮影データに対して種々の処理を実行する。撮影データ取得部120は、例えばバッファメモリ121が一時的に記憶している撮影データを、例えばMP4形式などの任意のファイル形式に変換する。撮影データ処理部122は、例えば、バッファメモリ121が一時的に記憶している撮影データから、一定時間分のデータファイルとした撮影データを生成する。具体的には、撮影データ処理部122は、バッファメモリ121が一時的に記憶している撮影データから、60秒間の撮影データをデータファイルとして生成する。撮影データ処理部122は、生成した撮影データを記録制御部123へ出力する。また、撮影データ処理部122は、生成した撮影データを表示制御部128へ出力する。データファイルとして生成される撮影データの期間は、一例として60秒としたが、これには限定されない。
【0028】
記録制御部123は、種々のデータを記録部20に記録する。記録制御部123は、例えば、撮影データ処理部122でファイル化された撮影データを、記録部20に記録させる制御を行う。
【0029】
記録制御部123は、車両が駐車監視時に利用可能な電源の状態に応じて記録制御の処理を変更する。電源の状態は、電源状態検出部133によって検出される。車両の駐車監視時に利用可能な電源としては、例えば車両に搭載されているバッテリや、記録装置1に内蔵または接続されている記録装置1の専用のバッテリなどを挙げることができる。具体的には、記録制御部123は、利用可能な電源の状態に応じて、第一駐車記録と、第二駐車記録とを切り換える。第一駐車記録は、イベントが検出されたことで撮影データの記録を開始させる記録である。このため、第一駐車記録は、イベントが検出されることで記録を開始した所定期間の撮影データをイベント記録データとして記録部20に保存する。第二駐車記録は、撮影データを記録部20に常時記録する記録である。このため、第2駐車記録は、イベントが検出されることで、常時記録されている撮影データからイベント検出時の前後所定期間の撮影データをイベント記録データとして保存する。
【0030】
記録制御部123は、例えば車両が駐車を開始した時において、車両が駐車中に利用可能な電源の状態に応じて第一駐車記録と第二駐車記録とを切り換えて記録する。また、記録制御部123は、利用可能な電源の状態として、電源の容量を示す値が予め定めた閾値(容量閾値)を超えるか否かによって、第一駐車記録と、第二駐車記録とを切り換えてもよい。
【0031】
具体的には、記録制御部123は、駐車監視に利用する電源が車両のバッテリである場合、例えば12Vバッテリの電圧が11.5V未満であれば、駐車開始時から第一駐車記録を行う。この場合、記録制御部123は、バッテリの電圧が11.5V以上であれば、駐車開始時から第二駐車記録を行う。記録制御部123は、駐車開始時に第二駐車記録を実行した場合であっても、駐車監視中にバッテリ電圧が11.5V未満となった場合には、第一駐車記録に切り換える。
【0032】
また、記録制御部123は、駐車監視に利用する記録装置1の専用電源である場合、例えばバッテリの残容量が80%未満であれば、駐車開始時から第一駐車記録を行う。この場合、記録制御部123は、バッテリの残容量が80%以上であれば駐車開始時から第二駐車記録を行う。記録制御部123は、駐車開始時に第二駐車記録を実行した場合であっても、駐車監視中にバッテリの残容量が80%未満となった場合は、第一駐車記録に切り換える。
【0033】
再生制御部124は、記録部20に記録されている種々のデータを再生する。再生制御部124は、例えば、記録部20にデータファイルとして記録されている撮影データを再生する。再生制御部124は、例えば、記録部20に保存されているイベント記録データを再生する。再生制御部124は、例えば、記録制御部123によって記録された第一駐車記録のイベント記録データを再生する。再生制御部124は、例えば、記録制御部123によって記録された第二駐車記録のイベント記録データを再生する。具体的には、再生制御部124は、操作制御部127から出力された操作部40の操作に応じた制御信号に従って、任意の撮影データを再生する。
【0034】
イベント検出部125は、センサ60から検出結果を受け付ける。イベント検出部125は、受け付けた検出結果に基づいて、イベントを検出する。イベント検出部125は、例えば、検出結果として加速度に関する加速度情報を取得する。この場合、イベント検出部125は、加速度情報に基づいて、イベントを検出する。イベント検出部125は、イベントを検出すると、記録制御部123に対してイベントが検出された情報を示す制御信号を出力する。イベント検出部125によるイベントの検出は、加速度情報に基づくイベントの検出に限らず任意である。イベント検出部125は、撮影データ取得部120が取得した映像データに基づく動体検出や、図示しない近接センサ等の検出結果、あるいは複数のセンサ情報の組み合わせによってイベントを検出してもよい。
【0035】
通信制御部126は、通信部30を制御することで、記録装置1と、外部の他装置との間で情報通信を行う。通信制御部126は、例えば記録制御部123の制御に従って、通信部30を用いて、撮影データ取得部120が撮像部10から取得した撮影データを外部の他装置に送信する。通信制御部126と他装置との間の通信方式は任意であり、例えば、Wi-Fi(登録商標)や携帯電話回線など、様々な方式が適用可能である。
【0036】
操作制御部127は、操作部40からユーザなどから受け付けた操作に関する操作信号を受け付ける。操作制御部127は、例えば、撮影データの再生の開始、撮影データの記録の開始などの操作に関する操作信号を受け付ける。操作制御部127は、受け付けた操作信号に応じた制御信号を記録制御部123又は再生制御部124に出力する。この場合、記録制御部123及び再生制御部124は、制御信号に従って、動作を実行する。
【0037】
表示制御部128は、種々の映像を表示部50に表示する。具体的には、表示制御部128、表示部50に映像信号を出力することで、表示部50に映像を表示する。表示制御部128は、例えば、記録部20に記録されている撮影データに関する映像信号を表示部50に出力することで、表示部50に撮影データを表示する。
【0038】
センサ情報取得部129は、センサ60から種々の検出結果を取得する。センサ情報取得部129は、センサ60から、例えば車両と、他の車両などの他の物体が衝突したときの加速度を取得する。センサ情報取得部129は、取得したセンサ60からの検出結果をイベント検出部125に出力する。
【0039】
位置情報取得部130は、GPS受信部70からGPS信号を受け付ける。位置情報取得部130は、GPS信号に基づいて、現在位置情報を算出する。
【0040】
車両情報取得部131は、CANインターフェース80からのCANを介して種々の車両情報を取得する。車両情報取得部131は、車両情報として、例えば車両のエンジンの動作に関する情報、バッテリが充電されているか否かの情報、バッテリの残容量など車両の電力系の動作に関する情報を取得する。車両情報取得部131は、取得した車両情報を駐車検出部132や記録制御部123に出力する。
【0041】
駐車検出部132は、車両が駐車したことを検出する。駐車検出部132は、例えば、車両情報取得部131から受けた車両情報に基づいて、車両のエンジンなどの動力がオフとなったこと、アクセサリ電源がオフとなったこと、パーキングギヤが選択されたこと、サイドブレーキが動作したこと、車両の現在位置が駐車場を示していることなどの条件を検出する。駐車検出部132は、種々の条件の組み合わせを検出してもよい。駐車検出部132は、検出した条件に基づいて、車両が駐車したことを検出する。
【0042】
電源状態検出部133は、車両情報取得部131から受けた車両情報に基づいて、車両を駆動するバッテリの状態を検出する。電源状態検出部133は、例えば車両を駆動するバッテリの電流又は電圧の充放電を制御する制御回路から、バッテリの残容量に関する情報を取得する。電源状態検出部133は、記録装置1に接続されている記録装置1の専用の電源90の状態を検出する。電源状態検出部133は、電源90の電流又は電圧の充放電を制御する制御回路から、電源90の残容量に関する情報を取得する。
【0043】
[第一実施形態の処理]
図2を用いて、第一実施形態に係る記録装置1の制御部100の処理について説明する。図2は、制御部100の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0044】
まず、制御部100は車両が駐車しているか否かを判定する(ステップS101)。車両が駐車していると判定された場合(ステップS101のYes)、制御部100は、ステップS102に進む。一方、車両が駐車していないと判定された場合(ステップS101のNo)、制御部100は、図2の処理を終了する。図2の処理が行われていない期間は、制御部100は、駐車監視モードではなく、車両の走行中など車両の動作中のイベントを検出するモードとして機能する。また、図2の処理は、車両の駐車が検出されることで開始され、車両の駐車が終了することで終了することとしてもよい。
【0045】
ステップS102において、制御部100は、車両が駐車中に利用する電源の残容量は所定基準を満たすか否かを判定する(ステップS102)。電源の残容量が所定基準を満たすと判定された場合(ステップS102のYes)、制御部100は、ステップS103に進む。一方、電源の残容量が所定基準を満たさないと判定された場合(ステップS102のNo)、制御部100は、ステップS104に進む。ステップS102において、電源の残容量が所定基準を満たすか否かの判定は、車両の駐車中に第二駐車記録を行うことで、駐車後の走行に支障がない程度の残容量であるか、つまり電源の残容量が予め定められた閾値以上であるか否かを判定する。
【0046】
ステップS103において、制御部100は、第二駐車記録を開始する(ステップS103)。第二駐車記録の処理の詳細は後述する。そして、制御部100は、ステップS105に進む。
【0047】
ステップS104において、制御部100は、第一駐車記録を開始する(ステップS104)、第一駐車記録の処理の詳細は後述する。そして、制御部100は、ステップS105に進む。
【0048】
ステップS105において、制御部100は、駐車が終了したか否かを判定する(ステップS105)。具体的には、制御部100は、駐車が終了したかまたは駐車監視モードが終了したかなどを判定する。駐車が終了してないと判定された場合(ステップS105のNo)、制御部100は、ステップS102に進み、上述の処理を実行する。一方、駐車が終了したと判定された場合(ステップS105のYes)、制御部100は、図2の処理を終了する。
【0049】
次に、図3を用いて、本発明の第一実施形態に係る第一駐車記録の処理について説明する。図3は、本発明の第一実施形態に係る第一駐車記録の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0050】
まず、制御部100は、イベント検出部125によるイベント検出処理を開始する(ステップS201)。そして、制御部100は、ステップS202に進む。
【0051】
制御部100は、イベントが検出されたか否かを判定する(ステップS202)。イベントが検出されたと判定された場合(ステップS202のYes)、制御部100は、ステップS203に進む。一方、イベントが検出されないと判定された場合(ステップS202のNo)、制御部100は、ステップS206に進む。
【0052】
ステップS203において、制御部100は、撮像部10の動作を開始させる(ステップS203)。そして、制御部100は、ステップS204に進む。
【0053】
制御部100は、イベントが検出されてから、所定期間経過したか否かを判定する(ステップS204)。所定期間経過していないと判定された場合(ステップS204のNo)、制御部100は、ステップS204の処理を繰り返す。一方、所定期間経過したと判定された場合(ステップS204のYes)、ステップS205に進む。
【0054】
制御部100は、撮影データの記録を開始してから所定期間経過後、撮像部10の撮影を終了させ、その所定期間の撮影データをイベント記録データとして記録部20に保存する(ステップS205)。そして、制御部100は、ステップS206に進む。
【0055】
ステップS206において、制御部100は、第一駐車記録が終了したか否かを判定する(ステップS206)。第一駐車記録が終了したと判定された場合(ステップS206のYes)、制御部100は、図3の処理を終了する。一方、第一駐車記録が終了していないと判定された場合(ステップS206のNo)、制御部100は、ステップS202に進み、上述の処理を実行する。
【0056】
次に、図4を用いて、本発明の第一実施形態に係る第二駐車記録の処理について説明する。図4は、本発明の第一実施形態に係る第二駐車記録の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0057】
まず、制御部100は、イベント検出部125によるイベント検出処理、撮像部10の撮影、撮像部10が撮影した撮影データのループ記録処理を開始する(ステップS301)。そして、制御部100は、ステップS302に進む。
【0058】
制御部100は、イベントが検出されたか否かを判定する(ステップS302)。イベントが検出されたと判定された場合(ステップS302のYes)、制御部100は、ステップS303に進む。一方、イベントが検出されないと判定された場合(ステップS302のNo)、制御部100は、ステップS305に進む。
【0059】
ステップS303において、制御部100は、イベントが検出されてから、所定期間経過したか否かを判定する(ステップS303)。所定期間経過していないと判定された場合(ステップS303のNo)、制御部100は、ステップS303の処理を繰り返す。一方、所定期間経過したと判定された場合(ステップS303のYes)、ステップS304に進む。
【0060】
制御部100は、イベント検出時の前後所定期間の撮影データを記録部に保存する(ステップS304)。そして、制御部100は、ステップS305に進む。
【0061】
ステップS305において、制御部100は、第二駐車記録が終了したか否かを判定する(ステップS305)。第二駐車記録が終了したと判定された場合(ステップS305のYes)、制御部100は、図4の処理を終了する。一方、第二駐車記録が終了していないと判定された場合(ステップS305のNo)、制御部100は、ステップS302に進み、上述の処理を実行する。
【0062】
上述のとおり、本実施形態は、車両の駐車中に利用する電源の状態に応じてイベント検出時のデータを記録する第一駐車記録と、常時記録を行う第二駐車記録とを切り換えてイベント記録データを保存することができる。その結果、本実施形態は、車両の駐車中において適切に映像を記録することができる。具体的には、電源の容量が所定基準を超えていれば第二駐車記録を実行し、電源の容量が所定基準に満たない場合は、第一駐車記録を実行するので、電源の容量が少ない場合であっても、適切にイベント記録データを保存することができる。
【0063】
[第二実施形態]
図5を用いて、本発明の第二実施形態に係る記録装置について説明する。図5は、記録装置の構成の一例を示すブロック図である。
【0064】
図5示すように、記録装置1Aは、制御部100Aが駐車時間想定部134を備えている点で、図1に図示の記録装置1とは異なっている。
【0065】
本実施形態において、駐車検出部132は、車両が駐車中であるか否かを示す検出結果を、駐車時間想定部134に出力する。この場合、駐車時間想定部134は、位置情報取得部130から駐車位置情報である現在位置情報を取得する。
【0066】
駐車時間想定部134は、位置情報取得部130から取得した駐車位置情報に基づいて、駐車情報Pを参照し、想定駐車時間を取得する。
【0067】
本実施形態において、駐車情報Pは、記録装置1の図示しない記憶部、利用可能なナビゲーション装置、および他のサーバ装置などに記憶されている情報である。具体的には、駐車情報Pには、例えば記録装置1を搭載している車両の傾向情報と、施設情報に対応した傾向情報が含まれる。
【0068】
記録装置1を搭載している車両の傾向情報には、現在の駐車位置が、自宅(例えば、平均駐車時間が8時間以上)、勤務先(例えば、平均駐車時間が9時間以上)などの、常時、比較的長時間駐車する傾向にある位置に関する情報を含む。また、記録装置1を搭載している車両の傾向情報には、現在の駐車位置がよく行くスーパーマーケット(例えば、平均駐車時間が20分)、コンビニ(例えば、平均駐車時間が5分)などの、比較的短時間駐車する傾向にある位置に関する情報を含む。
【0069】
施設情報に対応した傾向情報には、駐車位置の施設、駐車上における一般的な平均駐車時間に関する情報が含まれる。例えば、公共施設A(例えば、平均駐車時間50分)、ショッピングモールB(例えば、平均駐車時間3時間)、コンビニC(例えば、平均駐車時間6分)である。
【0070】
記録制御部123は、駐車時間想定部134が取得した想定駐車時間に基づいて、第一駐車記録と、第二駐車記録とを切り換える。記録制御部123は、想定駐車時間が予め定めた閾値(時間閾値)を超えているか否かによって第一駐車記録と第二駐車記録とを切り換える。記録制御部123は、車両が駐車監視時に利用可能な電源の状態に加えて、駐車時間想定部134が取得した想定駐車時間に基づいて、第一駐車記録と、第二駐車記録とを切り換える。
【0071】
[第二実施形態の処理]
図6を用いて、第二実施形態に係る記録装置1Aの制御部100Aの処理について説明する。図6は、制御部100Aの処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0072】
ステップS401と、ステップS404からステップS406は、それぞれ、図2に図示のステップS101と、ステップS103からステップS104と同様なので説明は省略する。
【0073】
車両が駐車していると判定された場合(ステップS401のYes)、制御部100Aは、ステップS402に進み、現在位置が比較的長時間駐車する傾向にある駐車位置であるか否かを判定する(ステップS402)。比較的長時間駐車する傾向にある駐車位置であると判定された場合(ステップS402のYes)、制御部100Aは、ステップS405に進む。一方、比較的長時間駐車する傾向にある駐車位置ではないと判定された場合(ステップS402のNo)、制御部100Aは、ステップS403に進む。
【0074】
ステップS403では、制御部100A、電源容量は所定基準を満たすか否かを判定する(ステップS403)。電源容量は所定基準を満たすと判定された場合(ステップS403のYes)、制御部100Aは、ステップS404に進む。一方、電源容量は所定基準を満たさないと判定された場合(ステップS403のNo)、制御部100Aは、ステップS405に進む。
【0075】
上述のとおり、本実施形態は、想定される駐車時間に基づいて第一駐車記録と第二駐車記録とを切り換えることができる。具体的には、本実施形態では、比較的長時間駐車すると想定される場合には、第一駐車記録を実行することができる。これにより、本実施形態は、比較的長時間駐車する場合であっても、適切にイベント記録データを記録することができる。
【0076】
また、本実施形態は、比較的短時間の駐車であると想定される場合には、電源容量に基づいて、第一駐車記録と第二駐車記録とを切り換えることができる。これにより、短時間の駐車と想定され、かつ電源容量が所定基準以上である場合には、第二駐車記録を行うことで適切にイベント記録データを保存することができる。また、短時間の駐車と想定され、かつ電源容量が所定基準に満たない場合には、第一駐車記録を行うことで適切にイベント記録データを保存することができる。
【0077】
以上、本発明の実施形態を説明したが、これら実施形態の内容により実施形態が限定されるものではない。また、前述した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。さらに、前述した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。さらに、前述した実施形態の要旨を逸脱しない範囲で構成要素の種々の省略、置換又は変更を行うことができる。
【符号の説明】
【0078】
1,1A 記録装置
10 撮像部
20 記録部
30 通信部
40 操作部
50 表示部
60 センサ
70 GPS受信部
80 CANインターフェース
90 電源
100,100A 制御部(記録制御装置)
110 バス
120 撮影データ取得部
121 バッファメモリ
122 撮影データ処理部
123 記録制御部
124 再生制御部
125 イベント検出部
126 通信制御部
127 操作制御部
128 表示制御部
129 センサ情報取得部
130 位置情報取得部
131 車両情報取得部
132 駐車検出部
133 電源状態検出部
134 駐車時間想定部
図1
図2
図3
図4
図5
図6