(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-31
(45)【発行日】2023-08-08
(54)【発明の名称】ポリブチレンテレフタレート樹脂製結束バンド
(51)【国際特許分類】
B65D 63/10 20060101AFI20230801BHJP
C08G 63/183 20060101ALI20230801BHJP
【FI】
B65D63/10 M
C08G63/183
(21)【出願番号】P 2019065985
(22)【出願日】2019-03-29
【審査請求日】2022-01-11
(73)【特許権者】
【識別番号】000003159
【氏名又は名称】東レ株式会社
(72)【発明者】
【氏名】岩橋 誠
(72)【発明者】
【氏名】城谷 幸助
(72)【発明者】
【氏名】小出 早苗
【審査官】杉田 剛謙
(56)【参考文献】
【文献】特開平07-051107(JP,A)
【文献】特開2013-159699(JP,A)
【文献】特開2013-010922(JP,A)
【文献】特開2003-246350(JP,A)
【文献】特開平04-356525(JP,A)
【文献】特開平06-145314(JP,A)
【文献】特開2013-032528(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 63/10
C08G 63/183
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
全ジカルボン酸成分中、テレフタル酸以外のジカルボン酸成分を5~30モル%の割合で共重合したポリブチレンテレフタレート系樹脂からなる結束バンドであり、前記テレフタル酸以外のジカルボン酸成分が
ドデカンジオン酸であり、全ジカルボン酸成分中、ドデカンジオン酸を5~10モル%の割合で共重合したポリブチレンテレフタレート系樹脂からなる結束バンド。
【請求項2】
前記結束バンドがポリブチレンテレフタレート系樹脂を含む樹脂組成物からなり、該樹脂組成物からなる成形品について、ISO178:2012に従い測定した曲げ弾性率が1300~1500MPaであり、ISO527-1,2:2012に従い測定した降伏時の引張ひずみが10%以上である、請求項
1に記載の結束バンド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、住宅建築物、自動車、家電製品等における配線コードの結束、または荷物の梱包等に用いられる結束バンドに関する。さらに詳しくは、吸水時の結束に優れ、変形時のクラック発生による白化現象がない、また塩化カルシウムによるクラック発生が抑制された結束バンドに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、結束バンドはステンレス等の金属、あるいはポリアミド樹脂やポリエチレンテレフタレート樹脂等の熱可塑性樹脂等から製造されているものが多く、住宅等建築物、あるいは自動車、家電製品等における配線コードの結束、荷物の梱包等に用いられている。
【0003】
これらの中で金属は環境変化に伴う強度には優れるものの比重が大きく、製品が重くなってしまうという欠点がある。また、煩雑な加工工程が必要であり生産性の面での課題がある。
【0004】
熱可塑性樹脂からなる結束バンドとしては、特許文献1、2に示されるようにポリアミド6、66樹脂製のものが例示されている。
【0005】
またポリエステル系樹脂としては、特許文献3に示されるようにポリトリメチレンテレフタレート樹脂(以降、PTT樹脂と略す。)からなる結束バンドが例示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開平8-73736号公報
【文献】特開平10-204290号公報
【文献】特開2003-246350号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、ポリアミド樹脂からなる結束バンドは、絶乾時の機械的特性や耐熱性には優れているものの、吸水時の強度低下が大きいため吸水時に十分な結束が得られない。また融雪剤等で用いられる塩化カルシウムの付着によりクラック等が容易に発生し結束バンドとしての機能を損ないやすく自動車用途へは不向きであるなど、使用用途には制限がある。
【0008】
また、PTT樹脂からなる結束バンドは吸水時の強度低下が小さく、塩化カルシウム等によるクラック発生に優れているものの、非常に剛直であるため結束時にクラックが発生する課題があり、形状や大きさが制限される。
【0009】
上記のとおり、吸水時の強度低下が小さく且つ変形時にクラック発生による白化現象がない柔軟性を有し、塩化カルシウム等によるクラック発生に優れる結束バンドを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者は、前記課題を解決しようと鋭意検討した結果、全ジカルボン酸成分中、テレフタル酸以外のジカルボン酸を5~30モル%の割合で共重合したポリブチレンテレフタレート系樹脂からなる結束バンドは、吸水時の強度低下が小さく柔軟性に優れ、塩化カルシウム等によるクラック発生に優れる結束バンドを提供することを見出し、本発明に至った。
【0011】
すなわち、本発明は、全ジカルボン酸成分中、テレフタル酸以外のジカルボン酸成分を5~30モル%の割合で共重合したポリブチレンテレフタレート系樹脂からなる結束バンドであり、前記テレフタル酸以外のジカルボン酸成分がドデカンジオン酸であり、全ジカルボン酸成分中、ドデカンジオン酸を5~10モル%の割合で共重合したポリブチレンテレフタレート系樹脂からなる結束バンドである。
【発明の効果】
【0012】
本発明は、テレフタル酸以外のジカルボン酸を5~30モル%の割合で共重合したポリブチレンテレフタレート系樹脂(以下、ポリブチレンテレフタレート系樹脂と略す。)の、吸水時の強度低下が小さく、柔軟性を有するので変形時にクラック発生による白化現象がなく、塩化カルシウムによるクラック発生を抑制できるという未知なる特性を発見し、係る特性を活かした結束バンドという新たな用途に適することを見出したものである。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の柔軟性評価に用いる試験片の形状を示す。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態について詳細に説明するが、本発明は、以下の実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の目的の範囲内において、適宜変更を加えて実施することができる。
【0015】
本発明におけるポリブチレンテレフタレート系樹脂とは、テレフタル酸(あるいはジメチルテレフタレート等のそのエステル形成性誘導体)、1,4-ブタンジオール(あるいはそのエステル形成性誘導体)、およびテレフタル酸以外のジカルボン酸を共重合成分として有するものである。
【0016】
本発明におけるポリブチレンテレフタレート系樹脂における共重合成分に用いられる、テレフタル酸以外のジカルボン酸としては、ドデカンジオン酸、イソフタル酸、ダイマー酸、フタル酸、オクタデカン酸、2,6-ナフタレンジカルボン酸、1,5-ナフタレンジカルボン酸、ビス(p-カルボキシフェニル)メタン、アントラセンジカルボン酸、4,4’-ジフェニルエーテルジカルボン酸、5-ナトリウムスルホイソフタル酸などの芳香族ジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸などの芳香族ジカルボン酸、1,3-シクロヘキサンジカルボン酸、1,4-シクロヘキサンジカルボン酸などの脂環式ジカルボン酸などが挙げられるが、成形サイクルを延ばすことなく、柔軟性を発現することができるということから、ドデカンジオン酸またはイソフタル酸が好ましく、少量添加で柔軟性を発現できることからドデカンジオン酸が特に好ましい。
【0017】
また、その特性を損なわない限り、上記に挙げられるジカルボン酸を共重合成分とした複数のポリブチレンテレフタレート系樹脂を混合してなる樹脂組成物であってもよい。
【0018】
本発明において、ポリブチレンテレフタレート系樹脂における全ジカルボン酸成分中、テレフタル酸以外のジカルボン酸の割合は、5~30モル%の範囲である。カルボン酸の割合が5モル%未満であると柔軟性が不足し変形時にクラック発生による白化が発生し、一方30モル%を超えると機械強度が低下し、成形性および耐熱性が著しく低下する。ポリブチレンテレフタレート系樹脂のメリットであるハイサイクル成形の観点では5~10モル%の範囲が特に好ましい。
【0019】
なお、ポリブチレンテレフタレート系樹脂単独におけるテレフタル酸以外のジカルボン酸の共重合割合を5~30モル%の範囲とすることも可能であるが、ポリブチレンテレフタレート系樹脂自体の生産性の点から、(A)テレフタル酸以外のジカルボン酸成分を共重合したポリブチレンテレフタレート系樹脂((A)ポリブチレンテレフタレート系樹脂と略記することがある)と、(B)ポリブチレンテレフタレート樹脂とを混合することが好ましい。その場合、(A)成分および(B)成分を合計した全ジカルボン酸成分中のテレフタル酸以外のジカルボン酸の割合を5~30モル%の範囲とするように混合すればよい。この場合、(A)成分としてドデカンジオン酸を共重合したポリブチレンテレフタレート系樹脂を用いる場合、(A)ポリブチレンテレフタレート系樹脂中におけるドデカンジオン酸の共重合割合は、5~20モル%の範囲であることが好ましく、5~15モル%の範囲であることがより好ましい。また、(A)ポリブチレンテレフタレート系樹脂は、複数種類の(A)ポリブチレンテレフタレート系樹脂を混合しても構わない。なお、この場合の(B)ポリブチレンテレフタレート樹脂は、共重合成分を含まないものである。
【0020】
(A)ポリブチレンテレフタレート系樹脂および(B)ポリブチレンテレフタレート樹脂の粘度は、溶融混練が可能であれば特に制限はないが、8重量%のo-クロロフェノール溶液を用いて25℃で測定したときの相対粘度が20~50dl/gであることが好ましい。
【0021】
本発明のポリブチレンテレフタレート系樹脂には、本発明の効果を損なわない範囲で、(A)成分および(B)成分以外の樹脂成分、離型剤、安定剤、滑剤などの通常の添加剤を配合することができる。これらを二種以上配合してもよい。
【0022】
本発明の効果を損なわない範囲で、ポリブチレンテレフタレート系樹脂以外の樹脂を配合することができる。本発明のポリブチレンテレフタレート系樹脂以外の樹脂としては熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂のいずれも用いることができるが、成形性の点から熱可塑性樹脂が好ましい。樹脂の具体例としては、低密度ポリエチレン樹脂、高密度ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂等のポリオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、液晶ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ビニル系樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリウレタン樹脂、芳香族および脂肪族ポリケトン樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリイミド樹脂、熱可塑性澱粉樹脂、ポリウレタン樹脂、MS樹脂、芳香族ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、フェノキシ樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリ-4-メチルペンテン-1、ポリエーテルイミド樹脂、酢酸セルロース樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂などを挙げることができる。
【0023】
その他にはエチレン-プロピレン共重合体、エチレン-プロピレン非共役ジエン共重合体、エチレン-ブテン-1共重合体、各種アクリルゴム、エチレン-アクリル酸共重合体およびそのアルカリ金属塩(いわゆるアイオノマー)、エチレン-グリシジル(メタ)アクリレート共重合体、エチレン-アクリル酸アルキルエステル共重合体(たとえば、エチレン-アクリル酸エチル共重合体、エチレン-アクリル酸ブチル共重合体)、酸変性エチレン-プロピレン共重合体、天然ゴム、チオコールゴム、多硫化ゴム、アクリルゴム、ポリウレタンゴム、ポリエーテルゴム、エピクロロヒドリンゴムなども挙げられ、更に、各種の架橋度を有するものや、各種のミクロ構造、例えばシス構造、トランス構造等を有するもの、ビニル基などを有するもの、或いは各種の平均粒径(樹脂組成物中における)を有するものや、コア層とそれを覆う1以上のシェル層から構成され、また隣接し合った層が異種の重合体から構成されるいわゆるコアシェルゴムと呼ばれる多層構造重合体なども使用することができ、さらにシリコーン化合物を含有したコアシェルゴムも使用することができる。また、上記具体例に挙げた各種の(共)重合体は、ランダム共重合体、ブロック共重合体およびグラフト共重合体などのいずれであっても用いることができ、1種で用いても、2種以上併用して用いてもかまわない。
【0024】
本発明のポリブチレンテレフタレート系樹脂の製造方法は、特に限定されるものでなく、通常公知の方法で製造される。例えば、テレフタル酸、1,4-ブタンジオール、テレフタル酸以外のジカルボン酸を反応釜に仕込み、常圧ないし加圧下でエステル交換反応を行い、その後常圧または減圧下で重合を進める方法で製造することができる。また、予めテレフタル酸と1,4-ブタンジオールからポリブチレンテレフタレートオリゴマを合成し、その後テレフタル酸以外のジカルボン酸を添加し、常圧または減圧下で重合を進める方法でも製造することができる。
【0025】
本発明の結束バンドの製造方法は、公知の射出成形、押出成形などの任意の方法で、結束バンドに成形される。中でも、汎用性の観点から、射出成形法が好ましい。射出成形時の温度は、流動性をより向上させる観点から220℃以上が好ましく、機械特性を向上させる観点から280℃以下が好ましい。
【0026】
また本発明の結束バンドは、吸水時の強度、柔軟性、耐熱性、耐塩化カルシウム性に優れ、従来の結束バンドに比べて長寿命で、高い結束が可能となるため、自動車用途、建築用途、屋外設置の日用品用途などに好適に使用することができる。
【実施例】
【0027】
以下に、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの例によって限定されるものではない。なお、実施例1および3は参考例である。各実施例および比較例で使用する原料について以下に示す。
【0028】
(A-1)ポリブチレンテレフタレート系樹脂
テレフタル酸以外のジカルボン酸として、ドデカンジオン酸を13モル%含む共重合ポリブチレンテレフタレート樹脂を用いた。用いた共重合ポリブチレンテレフタレート樹脂の相対粘度は32dl/gであった。
【0029】
(A-2)ポリブチレンテレフタレート系樹脂
テレフタル酸以外のジカルボン酸として、ドデカンジオン酸を6モル%含む共重合ポリブチレンテレフタレート樹脂を用いた。用いた共重合ポリブチレンテレフタレート樹脂の相対粘度は26dl/gであった。
【0030】
(A-3)ポリブチレンテレフタレート系樹脂
テレフタル酸以外のジカルボン酸として、イソフタル酸を10モル%含む共重合ポリブチレンテレフタレート樹脂を用いた。用いた共重合ポリブチレンテレフタレート樹脂の相対粘度は26dl/gであった。
【0031】
(B)ポリブチレンテレフタレート樹脂
東レ(株)社製ポリブチレンテレフタレート(以下、PBTと略す。)を用いた。用いたPBT樹脂の相対粘度は32dl/g
【0032】
(C)ポリアミド66樹脂
東レ(株)社製“CM3007”を用いた。(以下、PA66と略す。)
【0033】
各実施例および比較例における評価方法を説明する。評価n数は、特に断らない限り、n=3としその平均値を求めた。
【0034】
(1)吸水時の強度変化
各実施例および比較例に示す組成の樹脂組成物のペレットを130℃の熱風乾燥機で3時間以上乾燥した後、日本製鋼所製射出成形機“J55AD”を用い、ISO3167:2002で規定された多目的試験片A形(全長150mm、試験部の幅10mm、厚さ4mm)を射出成形により作成した。得られた多目的試験片A形を80℃の温水中に48hr浸漬した後、ISO527-1,2:2012に従い、吸水処理前後の引張強さを測定した。
【0035】
(2)柔軟性
柔軟性を示す項目として、以下3項目を下記方法にてそれぞれ測定した。
【0036】
(2-1)変形時の白化
各実施例および比較例に示す組成の樹脂組成物のペレットを130℃の熱風乾燥機で3時間以上乾燥した後、日本製鋼所製射出成形機“J55AD”を用い、90×10×1.5mmで中央部に
図1に示される形状が含まれる試験片を射出成形により作成した。得られた試験片を絶乾状態にて試験片を
図1に示す方向に折り曲げ変形させた際に白化発生の有無を目視で確認した。白化が発生しないものは柔軟性に優れると判断する。
【0037】
(2-2)曲げ弾性率
各実施例および比較例に示す組成の樹脂組成物のペレットを130℃の熱風乾燥機で3時間以上乾燥した後、日本製鋼所製射出成形機“J55AD”を用い、ISO3167:2002で規定された多目的試験片C形(全長75mm、幅10mm、厚さ4mm)を射出成形により作成した。得られた多目的試験片A形をISO178:2012に従い、曲げ弾性率を測定した。
【0038】
(2-3)降伏時の引張ひずみ
各実施例および比較例に示す組成の樹脂組成物のペレットを130℃の熱風乾燥機で3時間以上乾燥した後、日本製鋼所製射出成形機“J55AD”を用い、ISO3167:2002で規定された多目的試験片A形(全長150mm、試験部の幅10mm、厚さ4mm)を射出成形により作成した。得られた多目的試験片A形をISO527-1,2:2012に従い、降伏時の引張ひずみを測定した。
【0039】
(3)耐塩化カルシウム性
各実施例および比較例に示す組成の樹脂組成物のペレットを130℃の熱風乾燥機で3時間以上乾燥した後、日本製鋼所製射出成形機“J55AD”を用い、80×80×3mmの角板を射出成形により作成した。得られた角板を80℃水中に8時間浸漬した後、30%塩化カルシウム水溶液を角板表面へ塗布し、100℃の熱風乾燥機で1時間乾燥させた。浸漬工程、塩化カルシウム水溶液の塗布工程、乾燥工程を繰り返し処理した。また、処理後の成形品表面を目視で観察し、割れが発生したサイクル数を評価した。
【0040】
[実施例1~4]
上記(A-1)、(A-2)、(A-3)、(B)を表1に示す割合で混合し、130℃の熱風乾燥機で3時間以上乾燥した後、射出成形機を用い試験片を作製し、上記の評価方法により評価を行なった。いずれも吸水時の強度低下が小さく、柔軟性、耐塩化カルシウム性に優れていた。
【0041】
[比較例1]
表1に示すとおり、上記(B)を130℃の熱風乾燥機で3時間以上乾燥した後、射出成形機を用い試験片を作製し、上記の評価方法により評価を行なった。柔軟性が劣るものであった。
【0042】
[比較例2]
表1に示すとおり、上記(C)を射出成形機によって試験片を作製し、上記の評価方法により評価を行なった。吸水時の強度低下が大きく、柔軟性、耐塩化カルシウム性に劣るものであった。
【0043】
【産業上の利用可能性】
【0044】
本発明のポリブチレンテレフタレート系樹脂からなる結束バンドは、吸水時の強度低下が小さく、柔軟性、耐塩化カルシウム性に優れる。従来の結束バンドに比べて長寿命で、吸水時において高い結束が可能となるため、特に自動車用途、建築用途、屋外設置の日用品用途などに好適である。