(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-31
(45)【発行日】2023-08-08
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、プログラム及び掘削システム
(51)【国際特許分類】
G01V 3/12 20060101AFI20230801BHJP
E02F 3/43 20060101ALI20230801BHJP
E02F 9/20 20060101ALI20230801BHJP
【FI】
G01V3/12 B
E02F3/43 B
E02F9/20 M
(21)【出願番号】P 2019166453
(22)【出願日】2019-09-12
【審査請求日】2022-07-15
(73)【特許権者】
【識別番号】000003687
【氏名又は名称】東京電力ホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114557
【氏名又は名称】河野 英仁
(74)【代理人】
【識別番号】100078868
【氏名又は名称】河野 登夫
(72)【発明者】
【氏名】木庭 義嗣
(72)【発明者】
【氏名】下田 康太
(72)【発明者】
【氏名】高木 秀人
(72)【発明者】
【氏名】山下 純二
【審査官】佐々木 崇
(56)【参考文献】
【文献】特表2004-514913(JP,A)
【文献】特開平05-005785(JP,A)
【文献】特開2008-216143(JP,A)
【文献】特許第4642288(JP,B2)
【文献】米国特許第06377872(US,B1)
【文献】特開2004-198195(JP,A)
【文献】特開平11-14759(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E02F 3/42- 3/43
3/84- 3/85
9/20- 9/22
G01V 1/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
埋設物が埋設された埋設地を地中探査装置で計測した計測データを取得する取得部と、
教師用の前記計測データと、該教師用の計測データに対応する地中の前記埋設物の位置とを学習済みの学習済みモデルを用いて、取得した前記計測データから前記埋設物の位置を推定する推定部と、
前記埋設物の位置に基づき、掘削装置による前記埋設地の掘削可能範囲を特定する特定部と
、
前記埋設物の位置を入力した場合に前記埋設地の地中の状況を再現した画像データを生成するよう学習済みの第2学習済みモデルに、推定した前記埋設物の位置を入力することで前記画像データを生成する生成部と
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記掘削装置の位置及び状態を示す掘削装置情報を取得する第2取得部と、
前記掘削装置情報に基づき、前記掘削可能範囲を掘削するように前記掘削装置を制御する制御信号を生成する
第2生成部と、
生成した前記制御信号を前記掘削装置に出力する出力部と
を備えることを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記取得部は、所定の深さまで掘削が完了する毎に前記地中探査装置で計測した前記計測データを逐次取得し、
前記推定部は、前記計測データを取得する毎に前記埋設物の位置を逐次推定し、
前記特定部は、逐次推定した前記埋設物の位置に基づき、現在の前記埋設地の地表面から前記所定の深さまでを上限とする前記掘削可能範囲を特定する
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記推定部は、前記埋設物の位置と、該埋設物の種類とを推定する
ことを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
埋設物が埋設された埋設地を地中探査装置で計測した計測データを取得し、
教師用の前記計測データと、該教師用の計測データに対応する地中の前記埋設物の位置とを学習済みの学習済みモデルを用いて、取得した前記計測データから前記埋設物の位置を推定し、
前記埋設物の位置に基づき、掘削装置による前記埋設地の掘削可能範囲を特定
し、
前記埋設物の位置を入力した場合に前記埋設地の地中の状況を再現した画像データを生成するよう学習済みの第2学習済みモデルに、推定した前記埋設物の位置を入力することで前記画像データを生成する
処理をコンピュータが実行することを特徴とする情報処理方法。
【請求項6】
埋設物が埋設された埋設地を地中探査装置で計測した計測データを取得し、
教師用の前記計測データと、該教師用の計測データに対応する地中の前記埋設物の位置とを学習済みの学習済みモデルを用いて、取得した前記計測データから前記埋設物の位置を推定し、
前記埋設物の位置に基づき、掘削装置による前記埋設地の掘削可能範囲を特定
し、
前記埋設物の位置を入力した場合に前記埋設地の地中の状況を再現した画像データを生成するよう学習済みの第2学習済みモデルに、推定した前記埋設物の位置を入力することで前記画像データを生成する
処理をコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。
【請求項7】
埋設物が埋設された埋設地を探査する地中探査装置と、前記埋設地を掘削する掘削装置と、前記地中探査装置及び掘削装置に接続された情報処理装置とを有する掘削システムであって、
前記情報処理装置は、
前記埋設地を前記地中探査装置で計測した計測データを取得する取得部と、
教師用の前記計測データと、該教師用の計測データに対応する地中の前記埋設物の位置とを学習済みの学習済みモデルを用いて、取得した前記計測データから前記埋設物の位置を推定する推定部と、
前記埋設物の位置に基づき、前記掘削装置による前記埋設地の掘削可能範囲を特定する特定部と、
前記掘削装置の位置及び状態を示す掘削装置情報を取得する第2取得部と、
前記掘削装置情報に基づき、前記掘削可能範囲を掘削するように前記掘削装置を制御する制御信号を生成する生成部と、
生成した前記制御信号を前記掘削装置に出力する出力部と
、
前記埋設物の位置を入力した場合に前記埋設地の地中の状況を再現した画像データを生成するよう学習済みの第2学習済みモデルに、推定した前記埋設物の位置を入力することで前記画像データを生成する第2生成部と
を備えることを特徴とする掘削システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法、プログラム及び掘削システムに関する。
【背景技術】
【0002】
地中化された送電ケーブルを格納した電力用配管、水道管、ガス管などのように、地中に埋設された埋設物の保守点検のため、埋設物付近の土を掘削する作業が行われている。この掘削作業の際に、油圧ショベル等の重機(掘削装置)を使って掘削を行う場合がある。しかし、誤って重機が埋設物に接触する事故が起こる場合などがあり、問題となっている。
【0003】
このような背景から、掘削作業を支援する種々の方法が提案されている。例えば特許文献1では、地中における埋設物の絶対座標を地中探査装置で検出し、検出された絶対座標に基づいて、油圧ショベルのバケットで掘削する際の掘削位置及び掘削深さを決定する地下埋設物掘削システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、地中探査装置で計測されるデータは、計測対象である地中の状況によっては非常に複雑なデータとなり、必ずしも埋設物の位置を検出することは容易ではない。
【0006】
一つの側面では、掘削作業を好適に支援することができる情報処理装置等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一つの側面に係る情報処理装置は、埋設物が埋設された埋設地を地中探査装置で計測した計測データを取得する取得部と、教師用の前記計測データと、該教師用の計測データに対応する地中の前記埋設物の位置とを学習済みの学習済みモデルを用いて、取得した前記計測データから前記埋設物の位置を推定する推定部と、前記埋設物の位置に基づき、掘削装置による前記埋設地の掘削可能範囲を特定する特定部と、前記埋設物の位置を入力した場合に前記埋設地の地中の状況を再現した画像データを生成するよう学習済みの第2学習済みモデルに、推定した前記埋設物の位置を入力することで前記画像データを生成する生成部とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
一つの側面では、掘削作業を好適に支援することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図4】地中探査装置及び重機の構成例を示すブロック図である。
【
図6】推定モデルを用いた掘削可能範囲の特定処理に関する説明図である。
【
図8】推定モデルの生成処理の手順を示すフローチャートである。
【
図9】埋設物掘削処理の手順を示すフローチャートである。
【
図11】マップ画像の生成処理に関する説明図である。
【
図12】生成モデルの生成処理の手順を示すフローチャートである。
【
図13】実施の形態2に係る埋設物掘削処理の手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて詳述する。
(実施の形態1)
図1は、掘削システムの構成例を示す模式図である。本実施の形態では、埋設物が埋設されている埋設地を地中探査装置3で計測し、計測データから埋設物の位置を推定して、推定した位置に基づいて重機4(掘削装置)を遠隔制御して埋設物を掘削する掘削システムについて説明する。掘削システムは、情報処理装置1、端末2、地中探査装置3、重機4を含む。情報処理装置1及び端末2は、インターネット等のネットワークNを介して通信接続されている。
【0011】
情報処理装置1は、種々の情報処理、情報の送受信が可能な情報処理装置であり、例えばサーバコンピュータ、パーソナルコンピュータ等である。本実施の形態では情報処理装置1がサーバコンピュータであるものとし、以下では簡潔のためサーバ1と読み替える。サーバ1は、地中探査装置3による計測データから埋設物の位置を推定し、重機4で掘削可能な範囲を特定する。具体的には後述するように、サーバ1は、教師用の計測データと、当該計測データが示す埋設物の位置、種類等を機械学習で学習済みの推定モデル141(
図6参照)を用いて、地中探査装置3の計測データから埋設物の位置を推定する。サーバ1は、埋設物を損傷しないように、埋設物から所定距離内の地中領域を除く範囲を重機4の掘削可能範囲として特定する。
【0012】
端末2は、掘削現場で作業を行う作業者が操作する端末装置であり、例えばタブレット端末、パーソナルコンピュータ等である。端末2は、地中探査装置3による計測データをサーバ1に送信し、埋設物の位置等を推定した推定結果をサーバ1から取得して表示する。
【0013】
なお、本実施の形態では、クラウド上のサーバ1がローカルの端末2から情報を取得して埋設物の位置等を推定するものとするが、端末2を介さず地中探査装置3及び重機4を直接サーバ1に接続し、推定を行うようにしてもよい。すなわち、サーバ1は地中探査装置3及び重機4に直接又は間接的に接続されていればよい。また、サーバ1で実行する処理をローカルの端末2(あるいは地中探査装置3又は重機4)で実行するようにしてもよい。
【0014】
地中探査装置3は、埋設地の地中を探査する探査レーダであり、例えば電磁波レーダ法で計測を行う探査レーダである。地中探査装置3はパルス電磁波を地中に放射し、地中からの反射波を計測する。地中探査装置3は端末2との間で無線通信を行い、計測データを端末2に送信する。
【0015】
重機4は、油圧ショベル等の機械であり、埋設地を掘削する掘削装置である。本実施の形態に係る重機4は無人重機であり、端末2から送信される制御信号に従って遠隔操作される。端末2は、サーバ1が特定した掘削可能範囲を掘削するよう重機4を制御し、埋設物を除く地中領域を掘削させる。
【0016】
図2は、サーバ1の構成例を示すブロック図である。サーバ1は、制御部11、主記憶部12、通信部13、及び補助記憶部14を備える。
制御部11は、一又は複数のCPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro-Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)等の演算処理装置を有し、補助記憶部14に記憶されたプログラムP1を読み出して実行することにより、種々の情報処理、制御処理等を行う。主記憶部12は、SRAM(Static Random Access Memory)、DRAM(Dynamic Random Access Memory)、フラッシュメモリ等の一時記憶領域であり、制御部11が演算処理を実行するために必要なデータを一時的に記憶する。通信部13は、通信に関する処理を行うための通信モジュールであり、外部と情報の送受信を行う。
【0017】
補助記憶部14は、大容量メモリ、ハードディスク等の不揮発性記憶領域であり、制御部11が処理を実行するために必要なプログラムP1、その他のデータを記憶している。また、補助記憶部14は、推定モデル141を記憶している。推定モデル141は、上述の如く機械学習によって生成された学習済みモデルであり、地中探査装置3の計測データを入力として、埋設物の位置、種類等の情報を出力するモデルである。
【0018】
なお、補助記憶部14はサーバ1に接続された外部記憶装置であってもよい。また、サーバ1は複数のコンピュータからなるマルチコンピュータであっても良く、ソフトウェアによって仮想的に構築された仮想マシンであってもよい。
【0019】
また、本実施の形態においてサーバ1は上記の構成に限られず、例えば操作入力を受け付ける入力部、画像を表示する表示部等を含んでもよい。また、サーバ1は、CD(Compact Disk)-ROM、DVD(Digital Versatile Disc)-ROM等の可搬型記憶媒体1aを読み取る読取部を備え、可搬型記憶媒体1aからプログラムP1を読み取って実行するようにしても良い。あるいはサーバ1は、半導体メモリ1bからプログラムP1を読み込んでも良い。
【0020】
図3は、端末2の構成例を示すブロック図である。端末2は、制御部21、主記憶部22、通信部23、表示部24、入力部25、及び補助記憶部26を備える。
制御部21は、CPU等の演算処理装置を有し、補助記憶部26に記憶されたプログラムP2を読み出して実行することにより、種々の情報処理、制御処理等を行う。主記憶部22はRAM等の一時記憶領域であり、制御部11が演算処理を実行するために必要なデータを一時的に記憶する。通信部23は、通信アンテナ等を備えた通信モジュールであり、外部と情報の送受信を行う。表示部24は液晶ディスプレイ等の表示画面であり、制御部21から与えられた画像を表示する。入力部25は、タッチパネル、メカニカルキー等の操作インターフェイスであり、操作入力を受け付ける。補助記憶部26は、ハードディスク等の不揮発性記憶領域であり、制御部21が処理を実行するために必要なプログラムP2、その他のデータを記憶している。
【0021】
なお、端末2は、可搬型記憶媒体2aを読み取る読取部を備え、可搬型記憶媒体2aからプログラムP2を読み取って実行するようにしても良い。あるいは端末2は、半導体メモリ2bからプログラムP2を読み込んでも良い。
【0022】
図4は、地中探査装置3及び重機4の構成例を示すブロック図である。地中探査装置3は、制御部31、通信部32、送信器33、受信器34、移動駆動部35、及び位置取得部36を備える。
制御部31はMPU等の演算処理装置であり、地中探査装置3の各部を制御する。通信部32は、通信アンテナ等を備えた通信モジュールであり、外部と情報の送受信を行う。送信器33は、パルス電磁波を発生させるパルス発生器、送信アンテナ等を備え、地表面にパルス電磁波を放射する。受信器34は、地中から反射した電磁波を受信する受信アンテナ等を備え、反射波を計測する。移動駆動部35は、地中探査装置3の移動手段(車輪等)を駆動するための駆動手段(モータ等)であり、地中探査装置3を移動させる。位置取得部36は、例えばGPS(Global Positioning System)信号を受信する受信モジュールであり、地中探査装置3の位置情報を取得する。
【0023】
重機4は、制御部41、通信部42、位置取得部43、旋回角度センサ44、ブーム角度センサ45、アーム角度センサ46、及びバケット角度センサ47を備える。
制御部41はMPU等の演算処理装置であり、重機4の各部を制御する。通信部42は、通信アンテナ等を備えた通信モジュールであり、外部と情報の送受信を行う。位置取得部43は、例えばGPS信号を受信する受信モジュールであり、重機4の位置情報を取得する。旋回角度センサ44、ブーム角度センサ45、アーム角度センサ46、バケット角度センサ47はそれぞれ、重機4の上部に備わる旋回体の旋回角度、及び旋回体に備え付けられたブーム、アーム、バケットそれぞれの屈折角度を検出するセンサであり、例えばジャイロセンサである。
【0024】
図5は、地中探査に関する説明図である。
図5では、埋設地の地中の様子と、地中探査装置3で埋設地を計測した場合の計測データとを概念的に図示している。以下、本実施の形態の概要を説明する。
【0025】
図5上側に、埋設地の地中断面を概念的に図示する。本実施の形態では、地中に埋設された電力用配管、水道管、ガス管などの埋設管を掘削する場合について説明する。
図5では、丸印が掘削管の断面を示す。
【0026】
なお、埋設物は管状の物体に限定されず、その他の形状の物体でも良いことは勿論である。また、「埋設物」は物体に限定されず、地中に形成された空洞なども含み得る。
【0027】
本実施の形態に係る掘削方法について説明する前に、一般的な掘削方法について説明する。一般的な掘削方法では、埋設物を地中に埋設した際に作成された設計図面等を参考に、重機4による掘削と手作業での掘削とを組み合わせて埋設物を掘削する。具体的には、まず表層部分をある程度の深さまで掘削し、その後、作業者が「先掘り」と呼ばれる作業を行って、埋設物がないかを確認する。埋設物がないと確認された場合、作業者は設計図面等に記載された埋設物の位置も参考に、重機4で埋設物付近まで掘削する。最後は作業者が手作業で掘削を行い、埋設物の周囲の土を取り除く。
【0028】
しかしながら、設計図面に記載された位置が不正確である、あるいは「先掘り」による確認が不十分であるなどの理由で、重機4が埋設物に接触してしまう事故が発生している。そこで本実施の形態では、地中探査装置3の計測データから埋設物の正確な位置を推定し、重機4で掘削可能な範囲を特定する。
【0029】
図5下側に、地中探査装置3の計測データを概念的に図示する。
図5において左右は地中探査装置3の走査方向(移動方向)を、上下は地中の深さ方向を表す。なお、本実施の形態では便宜上、地中探査装置3の走査方向を前後方向として、走査方向に直交する方向を横方向として説明する。
【0030】
地中探査装置3は、パルス電磁波を送信する送信器33と、地中で反射した電磁波を受信する受信器34とを備える。地中探査装置3は、一定の走査方向に移動しながら継続的に電磁波を放射し、地中からの反射波を受信することで計測を行う。電磁波レーダ法に基づく地中探査レーダは公知であるため、計測方法に関する詳細な説明は省略する。
【0031】
なお、本実施の形態では地中探査方法として電磁波レーダ法を挙げたが、電磁波レーダ法は一例であり、他の方法で地中探査を行ってもよい。
【0032】
本実施の形態に係る地中探査装置3は、重機4と同様に、端末2から受信する制御信号に従って遠隔操作される。例えば端末2は、作業者から地中探査装置3の移動方向、移動速度等の入力を受け付け、地中探査装置3に制御信号を送信する。地中探査装置3は、端末2から受信した制御信号に従い、一定の方向に移動しながら埋設地の計測を行う。
【0033】
なお、本実施の形態では端末2を介して地中探査装置3を遠隔操作するものとするが、一般的な地中探査レーダと同様に、地中探査装置3を手動で移動させてもよい。また、例えば地中探査装置3を所定の車両に取り付け、地中探査装置3を牽引するようにしてもよい。
【0034】
端末2は、埋設地の地中を計測した計測データを地中探査装置3から受信する。
図5下側では、計測データを概念的に図示する。計測データは埋設地の土壌、埋設物などに応じた形状を呈する。特に埋設物が存在する位置は、
図5に示すように、上に凸となる特徴的な形状で表れる。
【0035】
なお、本実施の形態では計測データを2次元のデータ(前後方向及び深さ方向のみのデータ)として図示するが、計測データは3次元のデータであってもよい。
【0036】
上述の如く、計測データにおいて埋設物の位置は特徴的な形状となって表れるが、実際の計測データは地中の状況に応じて
図5の例示よりも複雑となり、人間が埋設物の位置を判断するには困難な場合もある。また、コンピュータがパターンマッチング等で埋設物の位置を判定する場合にも、あらゆるパターンの形状に対応して判断用のルールを用意することは困難であり、誤判定が発生する恐れがある。
【0037】
そこで本実施の形態では、教師用の計測データを学習する機械学習を行い、計測データから埋設物の位置を推定する推定モデル141を用意しておく。サーバ1は、推定モデル141に計測データを入力して埋設物の位置を推定し、重機4が掘削可能な範囲を特定する。
【0038】
図6は、推定モデル141を用いた掘削可能範囲の特定処理に関する説明図である。本実施の形態においてサーバ1はディープラーニングを行い、CNN(Convolution Neural Network)に係るニューラルネットワークを推定モデル141として生成する。例えばサーバ1は、物体検出に用いられるR-CNN(Region CNN)を推定モデル141として生成する。
【0039】
推定モデル141は、計測データの入力を受け付ける入力層と、計測データの特徴量を抽出する中間層と、埋設物の位置等の情報を出力する出力層とを有する。入力層は、計測データの入力を受け付ける複数のニューロンを有し、入力されたデータを中間層に受け渡す。中間層は、計測データの特徴量を抽出する複数のニューロンを有し、抽出した特徴量を出力層に受け渡す。推定モデル141がCNNである場合、中間層は、入力層に入力された計測データを畳み込むコンボリューション層と、コンボリューション層で畳み込んだデータをマッピングするプーリング層とが交互に連結された構成を有し、計測データを圧縮しながら最終的に特徴量を抽出する。出力層は、埋設物の位置等の推定結果を出力する一又は複数のニューロンを有し、中間層から出力された特徴量に基づいて、埋設物の位置等を推定する。
【0040】
なお、本実施の形態では推定モデル141がCNNであるものとして説明するが、推定モデル141はCNNに限定されず、CNN以外のニューラルネットワーク、SVM(Support Vector Machine)、決定木など、他の学習アルゴリズムで構築されたモデルであってよい。
【0041】
例えばサーバ1は、
図6左上に示すように、教師用の計測データに対し、正解の埋設物の位置(座標値)のほか、埋設物の種類等の情報がラベル付けされた教師データを用いて推定モデル141を生成する。なお、埋設物の種類とは、例えば電力用配管、水道管、ガス管等の別、あるいは電力用配管等の中でもその詳細な種類(例えば電力用配管であれば、直接埋設式、管路式、暗渠式の別など)であるが、掘削作業を行う上で埋設物を適切に識別可能な情報であればよい。サーバ1は、
図6で例示する計測データを推定モデル141に入力し、埋設物の位置、種類等を推定する。サーバ1は、教師データでラベル付けされた埋設物の位置、種類等を推定結果と比較し、両者が近似するようにニューロン間の重み等のパラメータを最適化する。これによりサーバ1は、推定モデル141を生成する。
【0042】
なお、上記では推定モデル141の推定結果の例示として埋設物の位置及び種類を挙げたが、埋設物の形状(埋設管の太さ等)を推定してもよい。すなわち、推定モデル141は埋設物に関する情報を推定可能であればよく、少なくとも埋設物の位置を推定可能であればよい。
【0043】
端末2を介して掘削現場の地中探査装置3から計測データを取得した場合、サーバ1は、推定モデル141に計測データを入力して埋設物の位置、種類等を推定する。例えば埋設物が電力用配管である場合、サーバ1は、電力用配管が埋設されている深さ方向及び前後方向の座標値と、埋設物の種類が「電力用配管」であることを示すラベルとを推定結果として取得する。なお、計測データが2次元ではなく3次元のデータである場合、深さ方向及び前後方向だけでなく横方向の座標値も推定することは勿論である。
【0044】
サーバ1は、推定した埋設物の位置に基づき、
図6下側にハッチングで示すように、重機4による掘削可能範囲を特定する。具体的には、サーバ1は、地中探査装置3が前後に移動した移動範囲(走査範囲)を前後方向における掘削範囲とし、地表面から埋設物の位置に対応する深さまでを深さ方向の掘削範囲とする。そしてサーバ1は、埋設物の位置を中心点として所定距離内の地中領域を掘削範囲から除外し、最終的な掘削可能範囲とする。
【0045】
なお、この場合にサーバ1は、埋設物の位置だけでなく、埋設物の種類も参照して掘削可能範囲を特定してもよい。例えば、埋設物の種類によっては接触せずとも掘削時の振動等で破損する恐れがある場合、サーバ1は、掘削可能範囲から除外する埋設物からの距離を変動させる。これにより、埋設物の種類に応じて好適な掘削が可能となる。
【0046】
掘削可能範囲を特定した場合、サーバ1は、重機4に掘削可能範囲を自動的に掘削させるための制御信号を生成する。例えばサーバ1は、上記で特定した掘削可能範囲のほかに、地中探査装置3の位置情報、及び重機4(掘削装置)の現在の位置及び状態を示す掘削装置情報に基づき、重機4の動作を指示する制御信号を生成する。
【0047】
例えばサーバ1は、地中探査装置3から計測データを取得する際に、計測時の地中探査装置3の位置情報を含む計測データを取得する。サーバ1は、計測データに含まれる位置情報に基づき、埋設地の位置を特定する。
【0048】
また、サーバ1は、端末2を介して重機4から掘削装置情報を取得する。掘削装置情報は、例えば重機4の各種センサで検出した重機4の位置情報、旋回体の旋回角度、ブーム、アーム、バケットの屈折角度(支点を中心にした回転角度)を含む。サーバ1は、掘削装置情報に基づき、重機4の現在位置、掘削を行うバケットの位置などを特定する。
【0049】
例えばサーバ1は、地中探査装置3及び重機4それぞれの位置情報に基づき、埋設地の掘削を行う上で最適な位置に重機4を移動させるよう、制御信号を生成する。また、サーバ1は、旋回体の旋回角度、及びブーム、アーム、バケットそれぞれの屈折角度を参照して、最適位置に在る重機4が掘削可能範囲の土を掘削するように、旋回体、ブーム、アーム、バケット等を動作させる制御信号を生成する。
【0050】
サーバ1は、生成した制御信号を、推定モデル141による推定結果と共に端末2に送信する。端末2は推定結果を表示して作業者に提示すると共に、制御信号を重機4に転送して掘削を行わせる。
【0051】
なお、上記ではサーバ1が重機4の制御信号を生成するものとしたが、サーバ1から推定結果を受信した端末2が制御信号を生成するようにしてもよい。
【0052】
また、上記では重機4に自動掘削を行わせる場合について説明したが、掘削可能範囲を作業者に提示するのみで、重機4の制御(運転)は作業者が手動で行うようにしてもよい。
【0053】
図7は、埋設物の掘削方法に関する説明図である。
図7では、所定の深さ毎に段階を分け、埋設地を徐々に掘削していく様子を概念的に図示している。
【0054】
本実施の形態では、埋設物が埋設されている深さまで一度に掘削するのではなく、所定の深さに到達する毎に地中探査装置3で逐次計測を行い、埋設物の位置を逐次推定して掘削を進める。当該所定の深さは、例えば数十センチメートル単位の深さである。
図7の例では、3段階に分けて計測及び推定が行われ、掘削が進められている。
【0055】
サーバ1は、重機4の制御信号を生成する際に、現在の地表面から所定の深さまでを深さ方向の上限として掘削可能範囲を特定し、重機4の制御信号を生成する。すなわち、現在の地表面から所定の深さまでの間に埋設物が存在しない場合、当該所定の深さまでの範囲を掘削可能範囲として特定し、掘削させる。一方で、現在の地表面から所定の深さまでの間に埋設物が存在する場合、埋設物の位置から所定距離内の地中領域を除外し、残る領域を掘削可能範囲に指定して掘削させる。
【0056】
重機4が掘削した深さが所定の深さに到達した場合、端末2は作業者からの入力に従って地中探査装置3を遠隔制御し、掘削後の地表面を移動させて計測を行わせる。サーバ1は、端末2から次の計測データを取得した場合、推定モデル141に入力して埋設物の位置等を再度推定し、所定の深さを上限とする掘削可能範囲を特定する。サーバ1は、当該範囲を掘削させるための制御信号を端末2に送信し、重機4による掘削を行わせる。
【0057】
上記の処理を繰り返し、サーバ1は所定の深さに到達する毎に推定を行って掘削を行わせる。これにより、接触事故等をより確実に防止することができる。
【0058】
図8は、推定モデル141の生成処理の手順を示すフローチャートである。
図8に基づき、機械学習によって推定モデル141を生成する際の処理内容について説明する。
サーバ1は、地中探査装置3で計測された教師用の計測データと、当該教師用の計測データに対応する埋設物の位置、種類等の情報とを含む教師データを取得する(ステップS11)。具体的には、サーバ1は、地中探査装置3で計測(受信)したパルス電磁波の反射波のデータに対し、埋設物の座標値、種類等の情報がラベル付けされた教師データを取得する。
【0059】
サーバ1は教師データを用いて、埋設物の位置、種類等を推定する推定モデル141を生成する(ステップS12)。例えばサーバ1はCNNに係るニューラルネットワークを推定モデル141として生成する。サーバ1は、教師用の計測データを推定モデル141に入力し、埋設物の位置、種類等の情報を出力として取得する。サーバ1は、推定した埋設物の位置、種類等と、教師データに含まれる正解の位置、種類等とを比較して、両者が近似するように重み等の各種パラメータを最適化する。サーバ1は、生成した推定モデル141を補助記憶部14に格納し、一連の処理を終了する。
【0060】
図9は、埋設物掘削処理の手順を示すフローチャートである。
図9に基づき、埋設物を掘削する際の処理内容について説明する。
端末2は、地中探査装置3に制御信号を送信して埋設地の計測を行わせ、地中探査装置3から計測データを取得する(ステップS31)。計測データは、例えば送信器33及び受信器34で計測したパラメータのほかに、計測時の地中探査装置3の位置情報を含む。端末2は、取得した計測データをサーバ1に送信する(ステップS32)。
【0061】
端末2から計測データを取得した場合、サーバ1は推定モデル141に計測データを入力して、埋設地に埋設されている埋設物の位置、種類等を推定する(ステップS33)。サーバ1は、推定した埋設物の位置に基づき、計測対象の埋設地における重機4の掘削可能範囲を特定する(ステップS34)。例えばサーバ1は、埋設物の位置から所定距離内の地中領域を除外し、当該領域を除く範囲を掘削可能範囲として特定する。この場合にサーバ1は、複数段階に分けて逐次掘削させるため、現在の埋設地の地表面から所定の深さまでを上限として掘削可能範囲を特定する。
【0062】
サーバ1は、特定した掘削可能範囲を重機4に掘削させるための制御信号を生成する(ステップS35)。例えばサーバ1は、計測データに含まれる地中探査装置3の位置情報と、端末2を介して重機4から取得した掘削装置情報とを参照して制御信号を生成する。掘削装置情報は、重機4(掘削装置)の位置及び状態を示す情報であり、例えば位置情報、旋回体の旋回角度、ブーム、アーム、バケットの屈折角度などを含む。サーバ1は、掘削作業を行う上で最適な位置に重機4を移動させ、バケットで掘削可能範囲を掘削させるように動作させる制御信号を生成する。サーバ1は、ステップS33における推定結果と、重機4の制御信号とを端末2に送信する(ステップS36)。
【0063】
サーバ1から埋設物の推定結果及び重機4の制御信号を取得した場合、端末2は、埋設物の位置、種類等の情報を表示する(ステップS37)。また、端末2は、サーバ1から取得した制御信号を重機4に送信し、埋設地を掘削させる(ステップS38)。
【0064】
端末2は、埋設物の位置に対応する深さに到達したか否かを判定する(ステップS39)。到達していないと判定した場合(S39:NO)、端末2は処理をステップS31に戻す。到達したと判定した場合(S39:YES)、端末2は一連の処理を終了する。
【0065】
以上より、本実施の形態1によれば、埋設物の位置を正確に推定することができる。また、地中探査装置3及び重機4を遠隔操作することで、作業者の負担を軽減することができる。これにより、掘削作業を好適に支援することができる。
【0066】
また、本実施の形態1によれば、所定の深さ毎に逐次計測、推定、及び掘削を行うことで、より安全に掘削作業を進めることができる。
【0067】
また、本実施の形態1によれば、埋設物の種類を推定することもでき、作業効率の向上を期待することができる。
【0068】
(実施の形態2)
本実施の形態では、埋設物が埋設されている地中の状況を再現したマップ画像を生成する形態について述べる。なお、実施の形態1と重複する内容については同一の符号を付して説明を省略する。
【0069】
図10は、マップ画像の一例を示す説明図である。本実施の形態においてサーバ1は、推定モデル141で推定した埋設物の位置、種類等の情報に基づき、地中の状況を再現したマップ画像を生成する。例えば
図10に示すように、サーバ1は3次元のマップ画像を生成する。なお、
図10の例ではハッチングの種類が埋設物の種類を表し、図中のx、y、z方向がそれぞれ前後方向、横方向、及び深さ方向を表す。
【0070】
サーバ1は、推定モデル141を用いて推定した埋設物の位置、種類等に基づき、上記のマップ画像を生成する。なお、地中探査装置3の計測データが前後方向及び深さ方向のみの2次元のデータ(断面のみのデータ)である場合、例えば横方向に沿って所定間隔毎に計測を行い、複数の計測データ(画像フレーム)それぞれから埋設物の位置等を推定して3次元のマップ画像を生成すればよい。また、計測データが横方向を含む3次元のデータである場合、埋設物の3次元の座標値からそのままマップ画像を生成すればよい。
【0071】
サーバ1はルールベースでマップ画像を生成してもよいが、本実施の形態では、事前に機械学習を行ってマップ画像生成用の生成モデル201(学習済みモデル)を用意し、生成モデル201を用いてマップ画像を生成する場合について述べる。
【0072】
図11は、マップ画像の生成処理に関する説明図である。
図11では、マップ画像生成用の生成モデル201を概念的に図示している。例えばサーバ1は、生成モデル201としてGAN(Generative Adversarial Network)を用意する。GANは、入力データから出力データを生成する生成器211(Generator)と、生成器211が生成したデータの真偽を識別する識別器212(Discriminator)とから構成されるネットワークである。
【0073】
生成器211は、ランダムなノイズ(潜在変数)の入力を受け付け、出力データを生成する。識別器212は、学習用に与えられる真のデータと、生成器から与えられるデータとを用いて、データの真偽を学習する。GANでは生成器211及び識別器212が競合して学習を行い、最終的に生成器211の損失関数が最小化し、かつ、識別器212の損失関数が最大化するようにネットワークを生成する。データを生成する際には、生成器211を用いてデータを生成する。
【0074】
例えばサーバ1は、生成モデル201としてGANの一種であるInfoGANを生成し、推定モデル141から出力された埋設物の位置、種類等の情報を生成器211の入力に用いる。サーバ1は、潜在変数のほかに埋設物の位置、種類等の情報を生成器211に入力し、生成器211からの出力データとして、地中の状況を再現したマップ画像を生成する。
【0075】
例えばサーバ1は、生成モデル201を生成するための学習用データとして、地中探査装置3で計測した学習用の計測データと、当該計測データに対応するマップ画像のサンプルとを用いて学習を行う。サーバ1は、学習用の計測データを推定モデル141に入力し、埋設物の位置、種類等を推定する。サーバ1は、推定モデル141から出力された埋設物の位置、種類等の情報を生成器211への入力データとして用い、偽のマップ画像を生成する。サーバ1は、生成器211から出力された偽のマップ画像と、学習用に与えられた真のマップ画像とを識別器212に入力し、真偽を識別させる。サーバ1は、生成器211及び識別器212を競合させて学習を行い、生成モデル201を生成する。
【0076】
端末2から掘削現場の計測データを取得し、推定モデル141に入力して埋設物の位置、種類等を推定した場合、サーバ1は学習時と同様に、埋設物の位置、種類等の情報を生成モデル201(生成器211)に入力し、マップ画像を生成する。サーバ1は、生成したマップ画像を端末2に送信し、表示させる。これにより、
図10で例示したマップ画像が作業者に提示され、何の埋設物がどの位置に埋設されているか、作業者は容易に把握することができる。
【0077】
図12は、生成モデル201の生成処理の手順を示すフローチャートである。
図12に基づき、機械学習を行って生成モデル201を生成する際の処理内容について説明する。なお、埋設物の位置等を推定するための推定モデル141は生成済み(学習済み)であるものとして説明する。
サーバ1は、地中探査装置3で計測した学習用の計測データと、当該計測データに対応するマップ画像のサンプルとを取得する(ステップS201)。マップ画像は、埋設地の地中の状況を再現した画像データであり、少なくとも地中に存在する埋設物を再現した画像データである。サーバ1は、学習用の計測データを推定モデル141に入力して、埋設物の位置、種類等を推定する(ステップS202)。
【0078】
サーバ1は、ステップS202の推定結果と、学習用のマップ画像とを用いて、マップ画像を生成するための生成モデル201を生成する(ステップS203)。例えばサーバ1は、生成モデル201としてGANを生成する。具体的には、サーバ1はまず、埋設物の位置、種類等の情報を生成器211に入力して偽のマップ画像を生成する。サーバ1は、生成器211で生成した偽のマップ画像と、教師データに含まれる真のマップ画像とを識別器212に入力し、両者の真偽を識別させる。サーバ1は、生成器211及び識別器212を競合させて学習を行い、最終的に生成器211の損失関数が最小化し、かつ、識別器212の損失関数が最大化する生成モデル201を生成する。サーバ1は生成モデル201を補助記憶部14に格納し、一連の処理を終了する。
【0079】
図13は、実施の形態2に係る埋設物掘削処理の手順を示すフローチャートである。重機4の制御信号を生成した後(ステップS35)、サーバ1は以下の処理を実行する。
サーバ1は、推定モデル141から出力された埋設物の位置、種類等の情報を生成モデル201(生成器211)に入力し、埋設物が埋設されている地中の状況を再現したマップ画像を生成する(ステップS221)。サーバ1は、重機4の制御信号と共にマップ画像を端末2に送信する(ステップS222)。端末2は、サーバ1が生成したマップ画像を表示し(ステップS223)、処理をステップS38に移行する。
【0080】
以上より、本実施の形態2によれば、埋設地の地中の状況を再現したマップ画像を作業者に提示することで、埋設物の位置、種類等を作業者が容易に把握することができる。
【0081】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0082】
1 サーバ(情報処理装置)
P1 プログラム
141 推定モデル
201 生成モデル
211 生成器
212 識別器
2 端末
3 地中探査装置
4 重機