(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-31
(45)【発行日】2023-08-08
(54)【発明の名称】物品収容設備
(51)【国際特許分類】
B65G 1/04 20060101AFI20230801BHJP
B65G 1/00 20060101ALI20230801BHJP
【FI】
B65G1/04 541
B65G1/00 521D
(21)【出願番号】P 2021090501
(22)【出願日】2021-05-28
【審査請求日】2023-01-30
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000003643
【氏名又は名称】株式会社ダイフク
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】弁理士法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】大森 和哉
(72)【発明者】
【氏名】増井 晃
【審査官】福島 和幸
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-9913(JP,A)
【文献】特開2011-116538(JP,A)
【文献】特開2016-196360(JP,A)
【文献】特開2018-65686(JP,A)
【文献】特開2011-71434(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 1/04
B65G 1/00
H01L 21/673
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品を収容する収容部を複数備えた物品収容棚と、前記物品収容棚への前記物品の入庫、及び、前記物品収容棚からの前記物品の出庫を行う入出庫部と、前記物品を搬送する搬送装置と、前記搬送装置を制御する制御装置と、を備えた物品収容設備であって、
前記搬送装置は、複数の前記収容部及び前記入出庫部のそれぞれに設けられた移載箇所に対して前記物品を移載する移載機を備え、
前記移載機は、前記物品を下方から支持するフォークと、前記フォークを水平方向に沿う出退方向に沿って引退位置と突出位置との間で出退させる出退機構と、前記フォークを昇降させる昇降機構と、を備え、前記フォークを出退及び昇降させることで前記移載箇所との間で前記物品を移載する移載動作を行うように構成され、
前記移載箇所において前記物品が載置される部分を載置部とし、前記フォークが前記物品を支持する部分を支持部として、
前記移載機は、前記移載動作において、当該移載動作の対象となる前記移載箇所の前記載置部に対して下方に設定された下方設定位置と当該載置部に対して上方に設定された上方設定位置との間で、前記支持部を昇降させ、
前記制御装置は、前記下方設定位置及び前記上方設定位置のうち少なくとも一方の設定を変更することで、前記入出庫部に設けられた前記移載箇所に前記物品を移載する場合と、前記収容部に設けられた前記移載箇所に前記物品を移載する場合とで、前記下方設定位置から前記上方設定位置までの範囲である前記支持部の昇降範囲を異ならせる、物品収容設備。
【請求項2】
前記移載機は、前記移載動作の対象となる前記移載箇所に対して、前記移載動作を行う前の準備位置である移載準備位置に前記フォークが位置しているか否かを検出する位置検出部を備え、
前記フォークが前記移載準備位置に位置している状態で、前記支持部は、前記下方設定位置又は前記上方設定位置に位置し、
複数の前記収容部及び前記入出庫部のそれぞれには、前記フォークが前記移載準備位置に位置している場合に前記位置検出部により検出される被検出部が設けられ、
複数の前記収容部のそれぞれに設けられた前記被検出部を第1被検出部とし、前記入出庫部に設けられた前記被検出部を第2被検出部として、
前記位置検出部は、前記フォークが前記収容部に対する前記移載準備位置に位置している状態で前記第1被検出部を検出する第1センサと、前記フォークが前記入出庫部に対する前記移載準備位置に位置している状態で前記第2被検出部を検出する第2センサと、を備えている、請求項1に記載の物品収容設備。
【請求項3】
前記移載動作には、前記移載箇所から前記物品を受け取る掬い動作と、前記移載箇所へ前記物品を引き渡す卸し動作と、が含まれ、
前記移載機が前記掬い動作を行う場合には、前記フォークが前記移載準備位置にある状態で前記支持部が前記下方設定位置に配置され、
前記移載機が前記卸し動作を行う場合には、前記フォークが前記移載準備位置にある状態で前記支持部が前記上方設定位置に配置され、
前記移載機は、
前記掬い動作では、当該掬い動作の対象となる前記移載箇所の前記載置部に対して、前記支持部を前記下方設定位置から前記上方設定位置まで上昇させることで、前記載置部に載置された前記物品を前記支持部によって受け取り、
前記卸し動作では、当該卸し動作の対象となる前記移載箇所の前記載置部に対して、前記支持部を前記上方設定位置から前記下方設定位置まで下降させることで、前記支持部に支持された前記物品を前記載置部へ引き渡し、
前記制御装置は、
前記移載機に前記掬い動作を行わせる場合には、当該掬い動作の対象となる前記移載箇所に対する前記下方設定位置に前記支持部を配置した状態で、前記位置検出部による前記被検出部の検出を行い、
前記移載機に前記卸し動作を行わせる場合には、当該卸し動作の対象となる前記移載箇所に対する前記上方設定位置に前記支持部を配置した状態で、前記位置検出部による前記被検出部の検出を行う、請求項2に記載の物品収容設備。
【請求項4】
前記物品は、被収納物を収納するための容器であり、
前記物品の内部にガスを供給するガス供給部を備え、
前記ガス供給部は、前記ガスが通流する配管と、前記収容部に収容された前記物品と前記配管とを接続するノズルと、を備え、
前記配管の少なくとも一部である対象部分が、前記収容部における前記載置部よりも下方であって、上下方向に沿う上下方向視で前記フォークの移動軌跡と重複する位置に配置され、
前記制御装置は、前記収容部に対する前記移載動作を前記移載機に行わせる場合に、前記下方設定位置を前記対象部分よりも下方に設定し、
前記入出庫部の前記載置部に対する前記下方設定位置は、前記収容部の前記載置部に対する前記下方設定位置よりも上方に設定されている、請求項1から3のいずれか一項に記載の物品収容設備。
【請求項5】
前記フォークには、切欠部が形成され、
前記切欠部は、前記フォークが前記収容部に対して前記移載動作を行うために前記突出位置に配置された状態で、当該収容部に対応して配置された前記対象部分と前記上下方向視で重複する部分に形成されている、請求項4に記載の物品収容設備。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品収容設備に関する。
【背景技術】
【0002】
物品収容設備では、物品を収容する物品収容棚と物品を搬送する搬送装置とによって、物品の保管及び搬送が行われる。このような物品収容設備の一例が、特開2007-126254号公報(特許文献1)に開示されている。以下、背景技術の説明において括弧内に示される符号は、特許文献1のものである。
【0003】
特許文献1に開示された技術では、物品を移載するためのスライドフォーク(24)にマークセンサ(26,27)を設けると共に、物品を収容するための棚受け(34)にマーク(36)を設けている。棚受け(34)に対して物品を移載する際には、マークセンサ(26,27)によるマーク(36)の検出に基づいて、スライドフォーク(24)が移載のための適正位置に位置しているか否かを判断できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、物品を下方から支持するように構成されたフォークを用いて、特許文献1に記載された棚受け(互いに間隔を空けて配置された一対の板材)のような移載箇所に物品を移載する場合には、フォークの出退及び昇降が必要となる。すなわち、フォークを昇降させることにより、移載箇所に対して上下方向の位置合わせを行い、フォークを出退させることにより、移載箇所に対して水平方向の位置合わせを行う。その後、さらにフォークを移載箇所に対して昇降させることにより、移載箇所から物品を受け取り、又は移載箇所へ物品を引き渡す。このように、物品の移載にはフォークの出退及び昇降が伴い、当然ながら、フォークを出退及び昇降させるためのスペースが移載箇所において必要となる。しかしながら、構造の異なる移載箇所が複数存在する場合には、移載箇所の構造によっては、フォークの動作可能範囲が制約されることがある。この点について、特許文献1には特段の記載は無い。
【0006】
上記実状に鑑みて、構造の異なる移載箇所が複数存在する場合において、それぞれの移載箇所に応じて適切に移載動作を行うことが可能な技術の実現が望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
物品を収容する収容部を複数備えた物品収容棚と、前記物品収容棚への前記物品の入庫、及び、前記物品収容棚からの前記物品の出庫を行う入出庫部と、前記物品を搬送する搬送装置と、前記搬送装置を制御する制御装置と、を備えた物品収容設備であって、
前記搬送装置は、複数の前記収容部及び前記入出庫部のそれぞれに設けられた移載箇所に対して前記物品を移載する移載機を備え、
前記移載機は、前記物品を下方から支持するフォークと、前記フォークを水平方向に沿う出退方向に沿って引退位置と突出位置との間で出退させる出退機構と、前記フォークを昇降させる昇降機構と、を備え、前記フォークを出退及び昇降させることで前記移載箇所との間で前記物品を移載する移載動作を行うように構成され、
前記移載箇所において前記物品が載置される部分を載置部とし、前記フォークが前記物品を支持する部分を支持部として、
前記移載機は、前記移載動作において、当該移載動作の対象となる前記移載箇所の前記載置部に対して下方に設定された下方設定位置と当該載置部に対して上方に設定された上方設定位置との間で、前記支持部を昇降させ、
前記制御装置は、前記下方設定位置及び前記上方設定位置のうち少なくとも一方の設定を変更することで、前記入出庫部に設けられた前記移載箇所に前記物品を移載する場合と、前記収容部に設けられた前記移載箇所に前記物品を移載する場合とで、前記下方設定位置から前記上方設定位置までの範囲である前記支持部の昇降範囲を異ならせる。
【0008】
本構成によれば、入出庫部に設けられた移載箇所の構造と、収容部に設けられた移載箇所の構造とが異なるなど、移載箇所に応じて移載動作中における支持部の昇降範囲の制約が異なる場合であっても、それぞれの移載箇所に応じて適切な昇降範囲を設定して適切に物品を移載することができる。従って、本構成によれば、構造の異なる移載箇所が複数存在する場合において、それぞれの移載箇所に応じて適切に移載動作を行うことが可能となる。
【0009】
本開示に係る技術のさらなる特徴と利点は、図面を参照して記述する以下の例示的かつ非限定的な実施形態の説明によってより明確になるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図2】収容部と当該収容部に収容された物品とを示す平面図
【
図3】収容部と当該収容部に収容された物品とを示す側面図
【
図4】収容部と当該収容部に対して移載を行うフォークとを示す平面図
【
図5】入出庫部と当該入出庫部に対して移載を行うフォークとを示す平面図
【
図6】各移載箇所に応じた上方設定位置及び下方設定位置を示す図
【
図8】物品収容設備において行われる制御の処理手順を示すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、物品収容設備が半導体製造工場に用いられる場合を例示して、物品収容設備の実施形態について説明する。本実施形態では、物品は、被収納物を収納するための容器である。ここでは、物品は、被収納物として、半導体ウェハー等からなる半導体基板を収納するように構成されている。物品を構成する容器としては、FOUP(Front Opening Unified Pod)と称される正面開口式の箱型容器を例示することができる。本実施形態に係る物品収容設備は、このような物品の保管や搬送などを行う設備である。
【0012】
図1に示すように、物品収容設備100は、物品Wを収容する収容部10を複数備えた物品収容棚1と、物品収容棚1への物品Wの入庫、及び、物品収容棚1からの物品Wの出庫を行う入出庫部2と、物品Wを搬送する搬送装置3と、搬送装置3を制御する制御装置6と、を備えている。搬送装置3は、複数の収容部10及び入出庫部2のそれぞれに設けられた移載箇所Lに対して物品Wを移載する移載機4を備えている。これにより、搬送装置3は、複数の収容部10のそれぞれとの間、及び、入出庫部2との間で物品Wを搬送可能となっている。なお、本例では、物品収容設備100は、設備全体を管理する統括制御装置Hを備えている。統括制御装置Hから発せられる指令によって、物品収容設備100に備えられた各部、各装置が、当該指令に応じた動作を実行する。
【0013】
本実施形態では、物品収容設備100は、収容室9を備えている。収容室9は、床部91と周壁部92と天井部93とによって囲まれた空間である。本例では、収容室9は、クリーンな環境下に保たれており、当該収容室9の内部に、物品収容棚1と搬送装置3とが配置されている。なお、図示の例では、収容室9の内部において、一対の物品収容棚1が、搬送装置3を水平方向に挟むように配置されている。搬送装置3は、一対の物品収容棚1の間に形成された搬送空間において、物品Wを搬送するように構成されている。
【0014】
本実施形態では、物品収容設備100は、物品Wの内部にガスを供給するガス供給部5を備えている。ガス供給部5は、物品収容棚1に備えられた複数の収容部10のそれぞれに対して設けられており、それぞれの収容部10に収容された物品Wの内部にガスを供給するように構成されている。本実施形態では、一対の物品収容棚1のうち一方が、ガス供給部5が設置された“パージ棚”であり、他方が、ガス供給部5が非設置の“非パージ棚”である。これらの棚は、ガス供給部5の設置の有無などを除き、基本的には同等の構造となっている。
【0015】
本実施形態では、複数段及び複数列に亘って配置された複数の収容部10が、物品収容棚1に設けられている。換言すれば、複数の収容部10は、上下方向及び水平方向に並んで配置されている。複数の収容部10のそれぞれには、搬送装置3の移載機4が物品Wを移載するための移載箇所Lが設けられている。以下では、一対の物品収容棚1のうち上述の“パージ棚”の収容部10に設けられた移載箇所Lを、「第1移載箇所L1」と称することがある。
【0016】
本実施形態では、物品収容棚1は、複数の支柱11と、複数の載置板12と、を備えている。複数の支柱11のそれぞれは、上下方向に沿って配置されていると共に、互いに水平方向に間隔を空けて配置されている。複数の載置板12のそれぞれは、物品Wを載置する部材であり、対応する複数または単数の支柱11に支持されている。本例では、載置板12は、上述の搬送空間(搬送装置3が設けられている空間)側の端部が自由端となり、その反対側が固定端となるように、搬送空間側とは反対側の端部が隣り合う一対の支柱11によって片持ち支持されている。ここでは、1つの載置板12につき、1つの収容部10が設けられている。物品Wは、載置板12に載置された状態で、収容部10に収容される。
【0017】
本実施形態では、入出庫部2は、収容室9の外部と内部とに亘って物品Wを搬送するように構成されている。入出庫部2は、収容室9の外部から内部に物品Wを搬送することで、物品収容棚1への物品Wの入庫を行い、収容室9の内部から外部に物品Wを搬送することで、物品収容棚1からの物品Wの出庫を行う。本例では、入出庫部2は、コンベヤとして構成されており、物品Wを載置した状態で搬送する。そして、入出庫部2は、周壁部92を水平方向に貫通するように設けられている。入出庫部2における収容室9の内部に配置された部分には、搬送装置3の移載機4が物品Wを移載するための移載箇所Lが設けられている。以下では、入出庫部2に設けられた移載箇所Lを、「第2移載箇所L2」と称することがある。
【0018】
本実施形態では、物品収容設備100は、収容室9の外部において物品Wを搬送する外部搬送装置8を備えている。外部搬送装置8は、入出庫部2における収容室9の外部に配置された部分との間で、物品Wを移載する。図示の例では、外部搬送装置8は、天井付近において物品Wを搬送する天井搬送車として構成されており、入出庫部2に対して上方から物品Wを移載する。
【0019】
搬送装置3は、入出庫部2と複数の収容部10のいずれかとの間、及び、複数の収容部10のいずれかと別の収容部10との間で物品Wを搬送するように構成されている。本実施形態では、搬送装置3は、物品収容棚1に沿って水平方向に設置された走行レール30と、走行モータ31mにより駆動されて走行レール30に沿って走行する走行部31と、走行部31から上方に延在するように設けられたマスト32と、マスト32に沿って昇降する昇降体33と、を備えている。本例では、移載機4は、昇降体33に設置されている。移載機4は、昇降体33と共に、走行レール30が沿う水平方向及びマスト32が沿う上下方向に移動自在となっている。これにより、移載機4は、上下方向及び水平方向に並んで配置された複数の収容部10(第1移載箇所L1)のそれぞれに対して物品Wを移載可能となっている。また、移載機4は、上下方向及び水平方向における搬送装置3の搬送可能範囲内に配置された、入出庫部2における第2移載箇所L2に対しても、物品Wを移載可能となっている。
【0020】
移載機4は、物品Wを下方から支持するフォーク40と、フォーク40を水平方向に沿う出退方向Xに沿って引退位置Px1と突出位置Px2(
図4及び
図5参照)との間で出退させる出退機構41と、フォーク40を昇降させる昇降機構42と、を備え、フォーク40を出退及び昇降させることで移載箇所Lとの間で物品Wを移載する移載動作を行うように構成されている。
図1では、フォーク40が引退位置Px1にある状態を示している。
【0021】
本実施形態では、出退機構41は、フォーク40を先端部分において支持するリンク機構と、リンク機構を駆動する出退モータと、を含む。本例では、フォーク40は、いわゆるSCARA(Selective Compliance Assembly Robot Arm)の一部として構成されている。
【0022】
本実施形態では、昇降機構42は、ベルト等の無端体、当該無端体が巻回されるプーリ等の回転体、及び、当該回転体を回転駆動する昇降モータと、を含む。本例では、フォーク40の昇降は、昇降体33の昇降によって実現される。すなわち、昇降体33の昇降に伴って、昇降体33に支持されているフォーク40が昇降するように構成されている。
【0023】
以上のように、物品収容設備100には、移載機4によって物品Wを移載するための移載箇所Lとして、第1移載箇所L1と第2移載箇所L2とが設けられている。第1移載箇所L1は、複数の収容部10(本例ではパージ棚における複数の収容部10)のそれぞれに設けられている。第2移載箇所L2は、入出庫部2における収容室9の内部に配置された部分に設けられている。以下、第1移載箇所L1と第2移載箇所L2とを特に区別しない場合には、これらを「移載箇所L」と総称することがある。
【0024】
図2~
図4は、第1移載箇所L1を示している。詳細には、
図2及び
図3は、第1移載箇所L1が設けられた収容部10と、当該収容部10に収容された物品Wとの関係を示している。
図4は、収容部10とフォーク40との関係を示している。なお、以下では、出退方向Xにおいてフォーク40が引退する側を「引退側X1」とし、フォーク40が突出する側を「突出側X2」とする。また、出退方向Xに対して上下方向視で直交する方向を「幅方向Y」とする。
【0025】
図2及び
図3に示すように、物品Wは、本体部Waと被保持部Wbと係合溝Wcとを備えている。本体部Waは、被収納物を収納する部分であり、箱状に形成されている。被保持部Wbは、本体部Waから上方に突出するように形成されており、本例ではフランジ状に形成されている。被保持部Wbは、外部搬送装置8(
図1参照)が物品Wを移載する場合に当該外部搬送装置8によって保持される部分である。係合溝Wcは、本体部Waの底面に形成されており、当該底面から上方に凹むように形成されている。係合溝Wcは、後述するように、フォーク40における支持ピン40a、収容部10における第1載置ピン121が係合する部分である。係合溝Wcがこれらのピンに係合することにより、物品Wは水平方向に位置決めされる。
【0026】
本実施形態では、物品Wは、ガス供給部5からガスの供給を受けるように構成されている。本体部Waの底面には、ガス供給部5から供給されるガスを注入するための給気口Wiと、物品Wの内部空間に存在する気体を排出するための排気口Woと、が形成されている。例えば、物品Wの内部に不活性ガス(ガスの一例)を供給することで、酸化により物質を劣化させ易い酸素などを物品Wの内部から除去する処理が行われる。このような処理は、パージ処理と呼ばれる。
【0027】
収容部10には、載置板12が配置されている。物品Wは、載置板12に載置された状態で収容部10に収容される。また、収容部10には、ガス供給部5が配置されている。ガス供給部5は、収容部10に収容されている物品Wの内部にガスを供給するように構成されている。ガス供給部5が供給するガスは、例えば窒素ガス等の不活性ガスであり、物品Wの内部をクリーンに保ち、物品Wの内部に収納された半導体基板(被収納物)の劣化等を抑制する。ガス供給部5の主要部分(ガス発生部や制御部等)は、載置板12に対して突出側X2に配置されている。
【0028】
載置板12には、フォーク40(
図4参照)が上下方向に通過することを許容する通過部120が形成されている。載置板12は、通過部120が形成されていることによって、幅方向Yの中央部が引退側X1に開口するように形成されており、上下方向視で略U字状を成している。
【0029】
また、載置板12の上面には、上方に向かって突出する第1載置ピン121が設けられている。第1載置ピン121は、物品Wが載置された場合に、当該物品Wを水平方向に位置決めする。説明を加えると、物品Wの本体部Waの底面に形成された係合溝Wcに第1載置ピン121が係合することにより、物品Wが第1載置ピン121に載置されると共に水平方向に位置決めされる。
【0030】
本実施形態では、複数の第1載置ピン121が、載置板12における通過部120の周囲に設けられている。
図2に示す例では、3つの第1載置ピン121が、上下方向視において、互いを結ぶ線が三角形を成すように配置されている。3つの第1載置ピン121のうち2つは、出退方向Xにおける同じ位置において幅方向Yに離間して配置されている。3つの第1載置ピン121のうち残りの1つは、他の2つの第1載置ピン121よりも突出側X2において、これら2つの第1載置ピン121の幅方向Yにおける中間位置に配置されている。本実施形態では、第1載置ピン121が、「載置部」に相当し、移載箇所Lにおいて物品Wが載置される部分である。ここでは、移載箇所Lのうち第1移載箇所L1に設けられた載置部Aを「第1載置部A1」とする。すなわち、第1載置ピン121は、第1載置部A1に相当する。
【0031】
本実施形態では、載置板12には、幅方向Yにおける内側(通過部120の側)に膨出する膨出部122が設けられている。本例では、一対の膨出部122が、出退方向Xにおける同じ位置において幅方向Yに離間して配置されている。すなわち本例では、出退方向Xにおける同じ位置において幅方向Yに離間して配置された一対の第1載置ピン121に対応した位置に、一対の膨出部122のそれぞれが配置されている。一対の膨出部122のそれぞれは、対応する第1載置ピン121よりも、幅方向Yにおける内側に膨出している。また、一対の膨出部122のそれぞれは、対応する第1載置ピン121よりも引退側X1に配置されている。なお、上記の「内側」とは、収容部10における幅方向Yの中心位置に向かう側を意味する。
【0032】
本実施形態では、ガス供給部5は、ガスが通流する配管50と、収容部10に収容された物品Wと配管50とを接続するノズル51と、を備えている。本実施形態では、ガス供給部5は、複数のノズル51を備えている。複数のノズル51には、物品Wにおける給気口Wiに接続される給気ノズル51aと、物品Wにおける排気口Woに接続される排気ノズル51bと、が含まれる。図示の例では、3つの給気ノズル51aと、1つの排気ノズル51bとが、収容部10に配置されている。以下、給気ノズル51aと排気ノズル51bとを特に区別しない場合には、これらを「ノズル51」と総称する。
【0033】
本実施形態では、複数のノズル51のうち一部は、膨出部122に配置されている。図示の例では、一対の膨出部122のうち一方に、給気ノズル51aが配置され、他方に、排気ノズル51bが配置されている。
【0034】
配管50は、複数のノズル51のそれぞれから下方に突出すると共に、載置板12よりも下方において載置板12の延在方向に沿って延在している。本例では、載置板12に対して上下方向視で重複するように配管50が配設されている。そして、
図4に示すように、配管50の少なくとも一部である対象部分50Tが、収容部10における第1載置部A1(第1載置ピン121)よりも下方であって、上下方向視でフォーク40の移動軌跡40Mと重複する位置に配置されている。本例では、配管50の対象部分50Tは、上下方向視において膨出部122と重複する部分である。換言すれば、対象部分50Tは、配管50における、膨出部122に配置されたノズル51(給気ノズル51a又は排気ノズル51b)から下方に突出した部分である。なお、上述のフォーク40の移動軌跡40Mとは、フォーク40が出退方向Xに沿って出退する場合の移動軌跡である。
【0035】
図4に示すように、本実施形態では、フォーク40の上面には、上方に向かって突出する支持ピン40aが設けられている。支持ピン40aは、物品Wを下方から支持すると共に、当該物品Wを水平方向に位置決めする。説明を加えると、物品Wの本体部Waの底面に形成された係合溝Wc(
図2参照)に支持ピン40aが係合することにより、物品Wが支持ピン40aに支持されると共に水平方向に位置決めされる。
【0036】
本実施形態では、複数の支持ピン40aが、フォーク40の上面に設けられている。
図4に示す例では、3つの支持ピン40aが、上下方向視において、互いを結ぶ線が三角形を成すように配置されている。3つの支持ピン40aのうち2つは、出退方向Xにおける同じ位置において幅方向Yに離間して配置されている。3つの支持ピン40aのうち残りの1つは、他の2つの支持ピン40aよりも突出側X2において、これら2つの支持ピン40aの幅方向Yにおける中間位置に配置されている。本実施形態では、支持ピン40aが、「支持部」に相当し、フォーク40が物品Wを支持する部分である。
【0037】
本実施形態では、フォーク40には、切欠部40bが形成されている。切欠部40bは、フォーク40が収容部10に対して移載動作を行うために突出位置Px2に配置された状態で、当該収容部10に対応して配置された対象部分50Tと上下方向視で重複する部分に形成されている。本例では、フォーク40が載置板12における通過部120に配置された状態で、切欠部40bは、膨出部122に対して水平方向に対向する位置に配置される。この状態で、フォーク40は、膨出部122よりも幅方向Yの外側に配置された部分を有するが、切欠部40bがあることによって膨出部122とは干渉しない。上述のように、配管50の対象部分50Tは、膨出部122に対して上下方向視で重複する位置に配置されているため、突出位置Px2に配置されたフォーク40は、その位置で昇降した場合であっても、膨出部122に干渉しないと共に、対象部分50Tとも干渉しないようになっている。これにより、突出位置Px2に配置されたフォーク40は、昇降した場合に、載置板12との干渉を回避しつつ通過部120を上下方向に通過することが可能となっている。フォーク40は、物品Wを支持した状態で、通過部120を上方から下方に通過することで、載置板12(収容部10)に物品Wを引き渡す。反対に、フォーク40は、載置板12に物品Wが載置された状態で、通過部120を下方から上方に通過することで、載置板12(収容部10)から物品Wを受け取る。
【0038】
本実施形態では、切欠部40bは、フォーク40における幅方向Yの端縁の一部が、幅方向Yの中心側に向けて切り欠かれた形状となっている。本例では、フォーク40には、一対の切欠部40bが形成されている。一対の切欠部40bは、フォーク40における出退方向Xの同じ位置における幅方向Yの両側に形成されている。すなわち本例では、フォーク40は、出退方向Xにおける一部分が、一対の切欠部40bによって幅方向Yに絞られた形状となっている。
【0039】
図5は、入出庫部2に設けられた移載箇所L、すなわち、第2移載箇所L2を示している。詳細には、
図5は、第2移載箇所L2が設けられた入出庫部2と物品Wとフォーク40との関係を示している。
【0040】
図5に示すように、入出庫部2は、幅方向Yに離間して配置された一対の載置部材21を備えている。一対の載置部材21の幅方向Yの間隔は、物品Wの幅方向Yの寸法よりも短い。そのため、一対の載置部材21は、物品Wを載置可能に構成されている。一対の載置部材21における物品Wが載置される部分が、「載置部」に相当し、移載箇所Lにおいて物品Wが載置される部分である。ここでは、移載箇所Lのうち第2移載箇所L2に設けられた載置部Aを「第2載置部A2」とする。すなわち、一対の載置部材21における物品Wが載置される部分は、第2載置部A2に相当する。
【0041】
一対の載置部材21の幅方向Yの間隔は、フォーク40の幅方向Yの寸法よりも大きい。そのため、一対の載置部材21の間は、フォーク40が上下方向に通過可能となっている。フォーク40は、物品Wを支持した状態で、一対の載置部材21の間を上方から下方に通過することで、一対の載置部材21(入出庫部2)に物品Wを引き渡す。反対に、フォーク40は、一対の載置部材21に物品Wが載置された状態で、一対の載置部材21の間を下方から上方に通過することで、一対の載置部材21(入出庫部2)から物品Wを受け取る。
【0042】
図6は、フォーク40が移載動作を行う前の準備位置である移載準備位置Ptに位置している状態を示している。詳細には、
図6の左図は、第1移載箇所L1(収容部10)に対してフォーク40が移載準備位置Ptに位置している状態を示している。
図6の右図は、第2移載箇所L2(入出庫部2)に対してフォーク40が移載準備位置Ptに位置している状態を示している。フォーク40は、移載準備位置Ptにある状態から、移載動作の対象となる移載箇所Lに向けて突出して突出位置Px2に位置し(
図4及び
図5参照)、突出位置Px2に位置した状態から移載箇所Lに対して昇降することで、当該移載箇所Lとの間で物品Wを移載する。移載機4は、移載動作において、当該移載動作の対象となる移載箇所Lの載置部Aに対して下方に設定された下方設定位置Pdと当該載置部Aに対して上方に設定された上方設定位置Puとの間で、支持ピン40aを昇降させる。これにより、移載箇所Lとの間で物品Wが移載される。なお、
図6では、図中が煩雑となるのを避けるため、物品Wを省略している。
【0043】
本実施形態では、移載機4は、移載動作の対象となる移載箇所Lに対して、移載準備位置Ptにフォーク40が位置しているか否かを検出する位置検出部Sを備えている。そして、複数の収容部10及び入出庫部2のそれぞれには、フォーク40が移載準備位置Ptに位置している場合に位置検出部Sにより検出される被検出部Mが設けられている。位置検出部Sは、光センサ、超音波センサ、或いはカメラなどの周知の検出手段であって良い。被検出部Mは、反射板、反射シール、マーク、或いは、移載箇所Lに設けられた部材の一部分などであって良い。
【0044】
ここで、複数の収容部10のそれぞれに設けられた被検出部Mを第1被検出部M1とし、入出庫部2に設けられた被検出部Mを第2被検出部M2とする。本実施形態では、位置検出部Sは、フォーク40が収容部10に対する移載準備位置Ptに位置している状態で第1被検出部M1を検出する第1センサS1と、フォーク40が入出庫部2に対する移載準備位置Ptに位置している状態で第2被検出部M2を検出する第2センサS2と、を備えている。
【0045】
図4にも示すように、本実施形態では、第1被検出部M1は、収容部10における載置板12に設けられている。第1被検出部M1は、載置板12における引退側X1を向く面に設けられていると好適である。
図4に示す例では、第1被検出部M1は、膨出部122(一対の膨出部122のうち一方)における引退側X1を向く部分に設けられている。
【0046】
図5にも示すように、本実施形態では、第2被検出部M2は、入出庫部2における載置部材21(一対の載置部材21のうち一方)に設けられている。第2被検出部M2は、載置部材21における引退側X1を向く面に設けられていると好適である。
【0047】
図6に示すように、本実施形態では、第1センサS1及び第2センサS2は、フォーク40に設けられている。第1センサS1と第2センサS2とは、互いに異なる範囲を検出範囲としている。本例では、第1センサS1と第2センサS2とは、突出側X2を向くと共に、位置及び向きの少なくとも一方が互いに異なるようにフォーク40に固定されている。これにより、フォーク40の位置を基準とした第1センサS1の検出範囲と第2センサS2の検出範囲とが異なる範囲となっている。なお、
図4及び
図5では、第1センサS1、第2センサS2、及び後述する第3センサS3を省略している。
【0048】
図6に示すように、フォーク40が移載準備位置Ptに位置している状態で、支持ピン40aは、下方設定位置Pd又は上方設定位置Puに位置する。本実施形態では、移載動作には、移載箇所Lから物品Wを受け取る掬い動作と、移載箇所Lへ物品Wを引き渡す卸し動作と、が含まれる。移載機4が掬い動作を行う場合には、フォーク40が移載準備位置Ptにある状態で支持ピン40aが下方設定位置Pdに配置される。移載機4が卸し動作を行う場合には、フォーク40が移載準備位置Ptにある状態で支持ピン40aが上方設定位置Puに配置される。
【0049】
移載機4は、掬い動作では、当該掬い動作の対象となる移載箇所Lの載置部Aに対して、支持ピン40aを下方設定位置Pdから上方設定位置Puまで上昇させることで、載置部Aに載置された物品Wを支持ピン40aによって受け取る。また、移載機4は、卸し動作では、当該卸し動作の対象となる移載箇所Lの載置部Aに対して、支持ピン40aを上方設定位置Puから下方設定位置Pdまで下降させることで、支持ピン40aに支持された物品Wを載置部Aへ引き渡す。
【0050】
本実施形態では、第1移載箇所L1に対する支持ピン40aの下方設定位置Pdとして、第1下方設定位置Pd1が設定されている(
図6の左図参照)。また、第2移載箇所L2に対する支持ピン40aの下方設定位置Pdとして、第2下方設定位置Pd2が設定されている(
図6右図参照)。そして、第1移載箇所L1及び第2移載箇所L2の双方に対して、上方設定位置Puが設定されている。
【0051】
このように、本実施形態では、移載機4が物品Wを移載する場合の支持ピン40aの位置として、第1下方設定位置Pd1、第2下方設定位置Pd2、及び上方設定位置Puが設定されている。
【0052】
図6の左図に示すように、フォーク40が、収容部10に対して掬い動作を行う場合の移載準備位置Ptに位置している状態では、支持ピン40aは、第1下方設定位置Pd1に配置される。本例では、第1センサS1は、支持ピン40aが第1下方設定位置Pd1に配置されている状態で、第1被検出部M1を検出するように構成されている。また、フォーク40が、収容部10に対して卸し動作を行う場合の移載準備位置Ptに位置している状態では、支持ピン40aは、上方設定位置Puに配置される。本例では、位置検出部Sは、第3センサS3を更に備えており、第3センサS3は、支持ピン40aが上方設定位置Puに配置されている状態で、第1被検出部M1を検出するように構成されている。
【0053】
図6の右図に示すように、フォーク40が、入出庫部2に対して掬い動作を行う場合の移載準備位置Ptに位置している状態では、支持ピン40aは、第2下方設定位置Pd2に配置される。本例では、第2センサS2は、支持ピン40aが第2下方設定位置Pd2に配置されている状態で、第2被検出部M2を検出するように構成されている。また、フォーク40が入出庫部2に対して卸し動作を行う場合の移載準備位置Ptに位置している状態では、支持ピン40aは、上方設定位置Puに配置される。本例では、上述の第3センサS3は、支持ピン40aが上方設定位置Puに配置されている状態で、第2被検出部M2を検出するように構成されている。すなわち本例では、位置検出部Sは、第1センサS1、第2センサS2、及び第3センサS3を備えている。そして、第1センサS1は第1被検出部M1のみを検出するように構成され、第2センサS2は第2被検出部M2を検出するように構成され、第3センサS3は第1被検出部M1及び第2被検出部M2の双方を検出可能に構成されている。
【0054】
本実施形態では、移載機4は、第1移載箇所L1の第1載置部A1に対して物品Wを移載する場合には、支持ピン40aを第1下方設定位置Pd1と上方設定位置Puとの間で昇降させ、支持ピン40aが第1下方設定位置Pd1及び上方設定位置Puのそれぞれに正しく位置しているか否かを第1センサS1の検出結果及び第3センサS3の検出結果のそれぞれに基づいて判定する。また、移載機4は、第2移載箇所L2の第2載置部A2に対して物品Wを移載する場合には、支持ピン40aを第2下方設定位置Pd2と上方設定位置Puとの間で昇降させ、支持ピン40aが第2下方設定位置Pd2及び上方設定位置Puのそれぞれに正しく位置しているか否かを第2センサS2の検出結果及び第3センサS3の検出結果のそれぞれに基づいて判定する。
【0055】
次に、物品収容設備100の制御構成について説明する。
【0056】
図7に示すように、物品収容設備100は、設備全体を管理する統括制御装置Hと、搬送装置3(
図1参照)を制御する制御装置6と、を備えている。統括制御装置Hと制御装置6とは、互いに通信可能に構成されている。統括制御装置Hは、物品Wの搬送に関する指令である搬送指令Cmを制御装置6に送信するように構成されている。搬送指令Cmには、搬送元および搬送先に係る移載箇所Lの情報が含まれる。そして、制御装置6は、当該搬送指令Cmに基づいて、搬送装置3の各部を制御するように構成されている。統括制御装置Hおよび制御装置6は、例えば、マイクロコンピュータ等のプロセッサ、メモリ等の周辺回路等を備えている。そして、これらのハードウェアとコンピュータ等のプロセッサ上で実行されるプログラムとの協働により、各機能が実現される。
【0057】
本実施形態では、制御装置6は、統括制御装置Hから送信された搬送指令Cmに基づいて、走行部31、出退機構41、及び昇降機構42を制御するように構成されている。これにより制御装置6は、搬送指令Cmに含まれる移載箇所Lに対して、物品Wを移載するために3次元の位置合わせを行う。
【0058】
本実施形態では、制御装置6は、第1センサS1、第2センサS2、及び第3センサS3により被検出部Mを検出した検出結果を取得可能に構成されている。制御装置6は、これらのセンサによる検出結果に基づいて、対象の移載箇所Lに対する物品Wの移載を移載機4に行わせる。
【0059】
制御装置6は、下方設定位置Pd及び上方設定位置Puのうち少なくとも一方の設定を変更することで、入出庫部2に設けられた移載箇所L(第2移載箇所L2)に物品Wを移載する場合と、収容部10に設けられた移載箇所L(第1移載箇所L1)に物品Wを移載する場合とで、下方設定位置Pdから上方設定位置Puまでの範囲である支持ピン40aの昇降範囲R(
図6参照)を異ならせる。本実施形態では、制御装置6は、上方設定位置Puの設定を変更することなく、下方設定位置Pdの設定を変更することで、移載箇所Lに応じて昇降範囲Rを異ならせる。
【0060】
図6の左図に示すように、本実施形態では、制御装置6は、収容部10に対する移載動作を移載機4に行わせる場合に、下方設定位置Pdを配管50の対象部分50Tよりも下方に設定する。これにより、移載動作のためにフォーク40を出退させた場合に、配管50の対象部分50Tにフォーク40が干渉しないようにすることができる。本実施形態では、制御装置6は、収容部10、すなわち、第1移載箇所L1に対して移載機4に掬い動作及び卸し動作を行わせる場合に、下方設定位置Pdとして第1下方設定位置Pd1を設定する。
【0061】
図6の右図に示すように、本実施形態では、制御装置6は、入出庫部2に対する移載動作を移載機4に行わせる場合に、下方設定位置Pdを第2載置部A2よりも下方に設定する。本例では、制御装置6は、入出庫部2、すなわち、第2移載箇所L2に対して移載機4に掬い動作及び卸し動作を行わせる場合に、下方設定位置Pdとして第2下方設定位置Pd2を設定する。入出庫部2の載置部A(第2載置部A2)に対する下方設定位置Pd(第2下方設定位置Pd2)は、収容部10の載置部A(第1載置部A1)に対する下方設定位置Pd(第1下方設定位置Pd1)よりも上方に設定されている。そして、本例では、入出庫部2の載置部A(第2載置部A2)に対する上方設定位置Puと、収容部10の載置部A(第1載置部A1)に対する上方設定位置Puは、同等の位置となっている。これにより、入出庫部2(第2移載箇所L2)に対する移載動作を移載機4に行わせる場合の支持ピン40aの昇降範囲Rを、収容部10(第1移載箇所L1)に対する移載動作を移載機4に行わせる場合の支持ピン40aの昇降範囲Rよりも短く設定している。このような構成により、入出庫部2(第2移載箇所L2)に対する移載動作を移載機4に行わせる場合の支持ピン40aの昇降範囲Rを比較的小さくして、移載動作に要する時間を短くすることができる。
【0062】
図7に示すように、本実施形態では、制御装置6は、記憶部61と設定変更部62とを備えている。記憶部61には、複数の移載箇所Lのそれぞれに対して物品Wの移載を行う場合のフォーク40の下方設定位置Pd及び上方設定位置Puが記憶されている。設定変更部62は、下方設定位置Pd及び上方設定位置Puのうち少なくとも一方の設定を変更する。本例では、設定変更部62は、上方設定位置Puの設定を変更することなく、下方設定位置Pdの設定を変更する。上述の搬送指令Cmには、移載対象となる移載箇所Lの情報と、当該移載箇所Lにおいて行うべき移載動作の情報、すなわち、掬い動作を行うべきか卸し動作を行うべきかの情報が含まれる。設定変更部62は、搬送指令Cmに含まれるこれらの情報に基づいて、記憶部61から移載箇所Lのそれぞれについての下方設定位置Pd及び上方設定位置Puの情報を取得し、上記の設定変更を行う。
【0063】
本実施形態では、制御装置6は、移載機4に掬い動作を行わせる場合には、当該掬い動作の対象となる移載箇所Lに対する下方設定位置Pdに支持ピン40aを配置した状態で、位置検出部Sによる被検出部Mの検出を行う。そして、制御装置6は、当該検出を行った後に、移載機4に掬い動作を行わせる。これにより、移載機4に掬い動作を行わせる場合において、掬い動作を行う前にフォーク40を移載準備位置Ptに適切に配置することができる。従って、掬い動作を適切に行い易い。
【0064】
本実施形態では、制御装置6は、移載機4に卸し動作を行わせる場合には、当該卸し動作の対象となる移載箇所Lに対する上方設定位置Puに支持ピン40aを配置した状態で、位置検出部Sによる被検出部Mの検出を行う。そして、制御装置6は、当該検出を行った後に、移載機4に卸し動作を行わせる。これにより、移載機4に卸し動作を行わせる場合において、卸し動作を行う前にフォーク40を移載準備位置Ptに適切に配置することができる。従って、卸し動作を適切に行い易い。
【0065】
次に、物品収容設備100において行われる制御の処理手順を、
図8のフローチャートを参照して説明する。
【0066】
制御装置6は、搬送指令Cmに基づいて、移載対象となる移載箇所Lが第1移載箇所L1であるか第2移載箇所L2であるかを判断する(ステップ#1)。制御装置6は、移載対象となる移載箇所Lが第1移載箇所L1であると判断した場合には(ステップ#1:Yes)、下方設定位置Pdを第1下方設定位置Pd1に設定する(ステップ#11)。
【0067】
その後、制御装置6は、搬送指令Cmに基づいて、第1移載箇所L1において行うべき移載動作が掬い動作であるか卸し動作であるかを判断する(ステップ#12)。制御装置6は、第1移載箇所L1において行うべき移載動作が掬い動作であると判断した場合には(ステップ#12:Yes)、搬送装置3を動作させて支持ピン40aを第1下方設定位置Pd1に配置する(ステップ#13)。次に、支持ピン40aが第1下方設定位置Pd1に配置されているか否かを判定するために、第1センサS1により第1被検出部M1を検出する(ステップ#14)。そして、第1センサS1により第1被検出部M1を検出できた場合には(ステップ#15:Yes)、制御装置6は、第1移載箇所L1において支持ピン40aを第1下方設定位置Pd1から上方設定位置Puまで上昇させて掬い動作を実行する(ステップ#16)。一方、第1センサS1により第1被検出部M1を検出できなかった場合には(ステップ#15:No)、ステップ#13に戻り、搬送装置3を再度動作させて支持ピン40aを第1下方設定位置Pd1に配置する動作(リトライ動作)を行う。このリトライ動作の結果、第1センサS1により第1被検出部M1を検出できた場合には(ステップ#15:Yes)、掬い動作を実行する(ステップ#16)。なお、図示は省略するが、このリトライ動作を規定回数行っても第1センサS1により第1被検出部M1を検出できなかった場合には、制御装置6は、移載動作を中止し、統括制御装置Hに対してエラーを報知する。
【0068】
制御装置6は、ステップ#12において、第1移載箇所L1において行うべき移載動作が卸し動作であると判断した場合には(ステップ#12:No)、搬送装置3を動作させて支持ピン40aを上方設定位置Puに配置する(ステップ#17)。次に、支持ピン40aが上方設定位置Puに配置されているか否かを判定するために、第3センサS3により第1被検出部M1を検出する(ステップ#18)。そして、第3センサS3により第1被検出部M1を検出できた場合には(ステップ#19:Yes)、制御装置6は、第1移載箇所L1において支持ピン40aを上方設定位置Puから第1下方設定位置Pd1まで下降させて卸し動作を実行する(ステップ#20)。一方、第3センサS3により第1被検出部M1を検出できなかった場合には(ステップ#19:No)、ステップ#17に戻り、搬送装置3を再度動作させて支持ピン40aを上方設定位置Puに配置する動作(リトライ動作)を行う。このリトライ動作の結果、第3センサS3により第1被検出部M1を検出できた場合には(ステップ#19:Yes)、卸し動作を実行する(ステップ#20)。なお、図示は省略するが、このリトライ動作を規定回数行っても第3センサS3により第1被検出部M1を検出できなかった場合には、制御装置6は、移載動作を中止し、統括制御装置Hに対してエラーを報知する。
【0069】
制御装置6は、ステップ#1において、移載対象となる移載箇所Lが第2移載箇所L2であると判断した場合には(ステップ#1:No)、下方設定位置Pdを第2下方設定位置Pd2に設定する(ステップ#21)。
【0070】
その後、制御装置6は、搬送指令Cmに基づいて、第2移載箇所L2において行うべき移載動作が掬い動作であるか卸し動作であるかを判断する(ステップ#22)。制御装置6は、第2移載箇所L2において行うべき移載動作が掬い動作であると判断した場合には(ステップ#22:Yes)、搬送装置3を動作させて支持ピン40aを第2下方設定位置Pd2に配置する(ステップ#23)。次に、支持ピン40aが第2下方設定位置Pd2に配置されているか否かを判定するために、第2センサS2により第2被検出部M2を検出する(ステップ#24)。そして、第2センサS2により第2被検出部M2を検出できた場合には(ステップ#25:Yes)、制御装置6は、第2移載箇所L2において支持ピン40aを第2下方設定位置Pd2から上方設定位置Puまで上昇させて掬い動作を実行する(ステップ#26)。一方、第2センサS2により第2被検出部M2を検出できなかった場合には(ステップ#25:No)、ステップ#23に戻り、搬送装置3を再度動作させて支持ピン40aを第2下方設定位置Pd2に配置する動作(リトライ動作)を行う。このリトライ動作の結果、第2センサS2により第2被検出部M2を検出できた場合には(ステップ#25:Yes)、掬い動作を実行する(ステップ#26)。なお、図示は省略するが、このリトライ動作を規定回数行っても第2センサS2により第2被検出部M2を検出できなかった場合には、制御装置6は、移載動作を中止し、統括制御装置Hに対してエラーを報知する。
【0071】
制御装置6は、ステップ#22において、第2移載箇所L2において行うべき移載動作が卸し動作であると判断した場合には(ステップ#22:No)、搬送装置3を動作させて支持ピン40aを上方設定位置Puに配置する(ステップ#27)。次に、支持ピン40aが上方設定位置Puに配置されているか否かを判定するために、第3センサS3により第2被検出部M2を検出する(ステップ#28)。そして、第3センサS3により第2被検出部M2を検出できた場合には(ステップ#29:Yes)、制御装置6は、第2移載箇所L2において支持ピン40aを上方設定位置Puから第2下方設定位置Pd2まで下降させて卸し動作を実行する(ステップ#30)。一方、第3センサS3により第2被検出部M2を検出できなかった場合には(ステップ#29:No)、ステップ#27に戻り、搬送装置3を再度動作させて支持ピン40aを上方設定位置Puに配置する動作(リトライ動作)を行う。このリトライ動作の結果、第3センサS3により第2被検出部M2を検出できた場合には(ステップ#29:Yes)、卸し動作を実行する(ステップ#30)。なお、図示は省略するが、このリトライ動作を規定回数行っても第3センサS3により第2被検出部M2を検出できなかった場合には、制御装置6は、移載動作を中止し、統括制御装置Hに対してエラーを報知する。
【0072】
以上説明した物品収容設備100によれば、入出庫部2に設けられた第2移載箇所L2の構造と、収容部10に設けられた第1移載箇所L1の構造とが異なるなど、移載箇所Lに応じて移載動作中における支持ピン40a(支持部)の昇降範囲Rの制約が異なる場合であっても、それぞれの移載箇所Lに応じて適切な昇降範囲Rを設定して適切に物品Wを移載することができる。従って、構造の異なる移載箇所Lが複数存在する場合において、それぞれの移載箇所Lに応じて適切に移載動作を行うことが可能となる。
【0073】
〔その他の実施形態〕
次に、物品収容設備のその他の実施形態について説明する。
【0074】
(1)上記の実施形態では、制御装置6は、上方設定位置Puの設定を変更することなく、下方設定位置Pdの設定を変更することで、移載箇所Lに応じて昇降範囲Rを異ならせる例について説明した。しかし、このような例に限定されることなく、制御装置6は、上方設定位置Puの設定のみを変更することで、或いは、上方設定位置Pu及び下方設定位置Pdの双方の設定を変更することで、移載箇所Lに応じて昇降範囲Rを異ならせても良い。
【0075】
(2)上記の実施形態では、入出庫部2の載置部A(第2載置部A2)に対する下方設定位置Pd(第2下方設定位置Pd2)は、収容部10の載置部A(第1載置部A1)に対する下方設定位置Pd(第1下方設定位置Pd1)よりも上方に設定されている例について説明した。しかし、このような例に限定されることなく、第2下方設定位置Pd2は、第1下方設定位置Pd1よりも下方に設定されていても良く、或いは、これらの下方設定位置Pdは、同等の位置に設定されていても良い。
【0076】
(3)上記の実施形態では、移載動作には、移載箇所Lから物品Wを受け取る掬い動作と、移載箇所Lへ物品Wを引き渡す卸し動作と、が含まれる例について説明した。しかし、このような例に限定されることなく、移載動作には、掬い動作と卸し動作との少なくとも何れか一方が含まれていれば良い。
【0077】
(4)上記の実施形態では、位置検出部Sが、第1センサS1と第2センサS2とに加えて、第3センサS3を更に備えており、第3センサS3は、支持ピン40aが上方設定位置Puに配置されている状態で、第1被検出部M1又は第2被検出部M2を検出するように構成されている例について説明した。しかし、このような例に限定されることなく、第1被検出部M1及び第2被検出部M2とは別に、第3被検出部が設けられ、第3センサS3は、当該第3被検出部を検出するように構成されていても良い。そして、第3センサS3によって第3被検出部が検出されたことに基づいて、支持ピン40aが上方設定位置Puに配置されていることを判定する構成であっても良い。
【0078】
(5)上記の実施形態では、移載機4が、移載動作の対象となる移載箇所Lに対して、移載準備位置Ptにフォーク40が位置しているか否かを検出する位置検出部Sを備えている例について説明した。しかし、このような例に限定されることなく、移載機4は、そのような位置検出部Sを備えていなくても良い。これに伴い、複数の収容部10及び入出庫部2のそれぞれには、位置検出部Sによる検出対象となる被検出部Mは設けられていなくても良い。
【0079】
(6)上記の実施形態では、物品が、被収納物を収納するための容器である例について説明した。しかし、このような例に限定されることなく、物品は、被収納物を収納するための容器ではなく、それ自体が搬送や保管の対象となるものであっても良い。
【0080】
(7)上記の実施形態では、物品収容設備100が、物品Wの内部にガスを供給するガス供給部5を備えている例について説明した。しかし、このような例に限定されることなく、物品収容設備100は、ガス供給部5を備えていなくても良い。
【0081】
(8)なお、上述した実施形態で開示された構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示された構成と組み合わせて適用することも可能である。その他の構成に関しても、本明細書において開示された実施形態は全ての点で単なる例示に過ぎない。従って、本開示の趣旨を逸脱しない範囲内で、適宜、種々の改変を行うことが可能である。
【0082】
〔上記実施形態の概要〕
以下、上記において説明した物品収容設備について説明する。
【0083】
物品を収容する収容部を複数備えた物品収容棚と、前記物品収容棚への前記物品の入庫、及び、前記物品収容棚からの前記物品の出庫を行う入出庫部と、前記物品を搬送する搬送装置と、前記搬送装置を制御する制御装置と、を備えた物品収容設備であって、
前記搬送装置は、複数の前記収容部及び前記入出庫部のそれぞれに設けられた移載箇所に対して前記物品を移載する移載機を備え、
前記移載機は、前記物品を下方から支持するフォークと、前記フォークを水平方向に沿う出退方向に沿って引退位置と突出位置との間で出退させる出退機構と、前記フォークを昇降させる昇降機構と、を備え、前記フォークを出退及び昇降させることで前記移載箇所との間で前記物品を移載する移載動作を行うように構成され、
前記移載箇所において前記物品が載置される部分を載置部とし、前記フォークが前記物品を支持する部分を支持部として、
前記移載機は、前記移載動作において、当該移載動作の対象となる前記移載箇所の前記載置部に対して下方に設定された下方設定位置と当該載置部に対して上方に設定された上方設定位置との間で、前記支持部を昇降させ、
前記制御装置は、前記下方設定位置及び前記上方設定位置のうち少なくとも一方の設定を変更することで、前記入出庫部に設けられた前記移載箇所に前記物品を移載する場合と、前記収容部に設けられた前記移載箇所に前記物品を移載する場合とで、前記下方設定位置から前記上方設定位置までの範囲である前記支持部の昇降範囲を異ならせる。
【0084】
本構成によれば、入出庫部に設けられた移載箇所の構造と、収容部に設けられた移載箇所の構造とが異なるなど、移載箇所に応じて移載動作中における支持部の昇降範囲の制約が異なる場合であっても、それぞれの移載箇所に応じて適切な昇降範囲を設定して適切に物品を移載することができる。従って、本構成によれば、構造の異なる移載箇所が複数存在する場合において、それぞれの移載箇所に応じて適切に移載動作を行うことが可能となる。
【0085】
ここで、
前記移載機は、前記移載動作の対象となる前記移載箇所に対して、前記移載動作を行う前の準備位置である移載準備位置に前記フォークが位置しているか否かを検出する位置検出部を備え、
前記フォークが前記移載準備位置に位置している状態で、前記支持部は、前記下方設定位置又は前記上方設定位置に位置し、
複数の前記収容部及び前記入出庫部のそれぞれには、前記フォークが前記移載準備位置に位置している場合に前記位置検出部により検出される被検出部が設けられ、
複数の前記収容部のそれぞれに設けられた前記被検出部を第1被検出部とし、前記入出庫部に設けられた前記被検出部を第2被検出部として、
前記位置検出部は、前記フォークが前記収容部に対する前記移載準備位置に位置している状態で前記第1被検出部を検出する第1センサと、前記フォークが前記入出庫部に対する前記移載準備位置に位置している状態で前記第2被検出部を検出する第2センサと、を備えている、と好適である。
【0086】
本構成によれば、位置検出部が、第1被検出部を検出するための第1センサと第2被検出部を検出するための第2センサとを、別々に備えている。従って、本構成によれば、フォークが、異なる移載箇所に応じたそれぞれの移載準備位置に位置しているか否かを、2つのセンサを用いて適切に検出することができる。
【0087】
また、上記構成において、
前記移載動作には、前記移載箇所から前記物品を受け取る掬い動作と、前記移載箇所へ前記物品を引き渡す卸し動作と、が含まれ、
前記移載機が前記掬い動作を行う場合には、前記フォークが前記移載準備位置にある状態で前記支持部が前記下方設定位置に配置され、
前記移載機が前記卸し動作を行う場合には、前記フォークが前記移載準備位置にある状態で前記支持部が前記上方設定位置に配置され、
前記移載機は、
前記掬い動作では、当該掬い動作の対象となる前記移載箇所の前記載置部に対して、前記支持部を前記下方設定位置から前記上方設定位置まで上昇させることで、前記載置部に載置された前記物品を前記支持部によって受け取り、
前記卸し動作では、当該卸し動作の対象となる前記移載箇所の前記載置部に対して、前記支持部を前記上方設定位置から前記下方設定位置まで下降させることで、前記支持部に支持された前記物品を前記載置部へ引き渡し、
前記制御装置は、
前記移載機に前記掬い動作を行わせる場合には、当該掬い動作の対象となる前記移載箇所に対する前記下方設定位置に前記支持部を配置した状態で、前記位置検出部による前記被検出部の検出を行い、
前記移載機に前記卸し動作を行わせる場合には、当該卸し動作の対象となる前記移載箇所に対する前記上方設定位置に前記支持部を配置した状態で、前記位置検出部による前記被検出部の検出を行う、と好適である。
【0088】
本構成によれば、移載機に掬い動作を行わせる場合、及び、移載機に卸し動作を行わせる場合において、各動作を行う前にフォークを移載準備位置に適切に配置することができる。従って、掬い動作及び卸し動作のそれぞれを適切に行い易い。
【0089】
また、
前記物品は、被収納物を収納するための容器であり、
前記物品の内部にガスを供給するガス供給部を備え、
前記ガス供給部は、前記ガスが通流する配管と、前記収容部に収容された前記物品と前記配管とを接続するノズルと、を備え、
前記配管の少なくとも一部である対象部分が、前記収容部における前記載置部よりも下方であって、上下方向に沿う上下方向視で前記フォークの移動軌跡と重複する位置に配置され、
前記制御装置は、前記収容部に対する前記移載動作を前記移載機に行わせる場合に、前記下方設定位置を前記対象部分よりも下方に設定し、
前記入出庫部の前記載置部に対する前記下方設定位置は、前記収容部の前記載置部に対する前記下方設定位置よりも上方に設定されている、と好適である。
【0090】
本構成によれば、配管の対象部分が、収容部における載置部よりも下方であって上下方向に沿う上下方向視でフォークの移動軌跡と重複する位置に配置される。そのため、収容部に向けてフォークを突出させる前に、配管の対象部分に対してフォークが干渉しないように、フォークの上下方向の位置を設定することが必要となる。本構成によれば、制御装置が、収容部に対する移載動作を移載機に行わせる場合に、下方設定位置を配管の対象部分よりも下方に設定しているため、配管の対象部分にフォークが干渉しないようにすることができる。また、本構成によれば、入出庫部に対して移載動作を行う場合には、上記のようにフォークと配管の対象部分との干渉を考慮しなくても良い分、入出庫部の載置部に対する下方設定位置を収容部の載置部に対する下方設定位置よりも上方に設定することで、支持部の昇降範囲を比較的小さくして移載動作に要する時間を短くすることができる。
【0091】
また、上記構成において、
前記フォークには、切欠部が形成され、
前記切欠部は、前記フォークが前記収容部に対して前記移載動作を行うために前記突出位置に配置された状態で、当該収容部に対応して配置された前記対象部分と前記上下方向視で重複する部分に形成されている、と好適である。
【0092】
本構成によれば、フォークを突出位置に配置した状態で、収容部に対する移載動作を行うために支持部を昇降範囲に亘って昇降させたとしても、配管の対象部分が切欠部を通過するようにでき、配管の対象部分とフォークとの干渉を回避することができる。従って、本構成によれば、収容部に対して移載動作を適切に実行することができる。
【産業上の利用可能性】
【0093】
本開示に係る技術は、物品収容設備に利用することができる。
【符号の説明】
【0094】
100 :物品収容設備
1 :物品収容棚
10 :収容部
2 :入出庫部
3 :搬送装置
4 :移載機
40 :フォーク
40M :移動軌跡
40a :支持ピン(支持部)
40b :切欠部
41 :出退機構
42 :昇降機構
5 :ガス供給部
50 :配管
50T :対象部分
51 :ノズル
6 :制御装置
W :物品
A :載置部
L :移載箇所
S :位置検出部
S1 :第1センサ
S2 :第2センサ
M :被検出部
M1 :第1被検出部
M2 :第2被検出部
Px1 :引退位置
Px2 :突出位置
Pt :移載準備位置
Pd :下方設定位置
Pu :上方設定位置
R :昇降範囲
X :出退方向