(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-31
(45)【発行日】2023-08-08
(54)【発明の名称】情報処理方法、情報処理装置、プログラム及び情報処理システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 20/20 20120101AFI20230801BHJP
G07G 1/00 20060101ALI20230801BHJP
G07G 1/01 20060101ALI20230801BHJP
G07G 1/12 20060101ALI20230801BHJP
G06V 30/412 20220101ALI20230801BHJP
G06F 3/0481 20220101ALI20230801BHJP
G06Q 30/06 20230101ALI20230801BHJP
G06Q 50/12 20120101ALI20230801BHJP
【FI】
G06Q20/20
G07G1/00 301D
G07G1/00 311
G07G1/01 301D
G07G1/12 301E
G07G1/12 361E
G06V30/412
G06F3/0481
G06Q30/06
G06Q50/12
(21)【出願番号】P 2021135975
(22)【出願日】2021-08-24
【審査請求日】2021-11-05
(73)【特許権者】
【識別番号】000001443
【氏名又は名称】カシオ計算機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001254
【氏名又は名称】弁理士法人光陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】斉藤 朗
【審査官】上田 威
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-057098(JP,A)
【文献】特開2004-102423(JP,A)
【文献】特開2021-086303(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
G07G 1/00
G07G 1/01
G07G 1/12
G06V 30/412
G06F 3/0481
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータが実行する情報処理方法であって、
ある商品を特定する特定情報の画像データと前記ある商品の金額の画像データとを含む商品画像データを取得し、
前記商品画像データに基づいて、前記ある商品の注文を受け付けるための操作ボタンを含む注文受付画像
であって、前記特定情報の表示されている部分が前記操作ボタンとされる前記注文受付画像のデータを生成し、
前記商品画像データに基づいて、前記操作ボタンで表される前記ある商品と当該ある商品の金額とを対応付けた商品データを生成し、
生成された前記注文受付画像のデータに応じた前記注文受付画像を、前記操作ボタンの操作を受け付け可能に表示画面に表示させ、
前記表示画面に表示された前記注文受付画像に含まれる前記操作ボタンの操作がなされたか否かを判別し、
前記操作ボタンの前記操作がなされたと判別した場合には、前記ある商品の前記商品データに基づいて、前記ある商品の売上データを生成する
情報処理方法。
【請求項2】
ある商品を特定する特定情報の画像データと前記ある商品の金額の画像データとを含む商品画像データを取得し、
前記商品画像データに基づいて、前記ある商品の注文を受け付けるための操作ボタンを含む注文受付画像のデータを生成し、
前記商品画像データに基づいて、前記操作ボタンで表される前記ある商品と当該ある商品の金額とを対応付けた商品データを生成し、
生成された前記注文受付画像のデータに応じた前記注文受付画像を、前記操作ボタンの操作を受け付け可能に表示画面に表示させ、
前記表示画面に表示された前記注文受付画像に含まれる前記操作ボタンの操作がなされたか否かを判別し、
前記操作ボタンの前記操作がなされたと判別した場合には、前記ある商品の前記商品データに基づいて、前記ある商品の売上データを生成する、
コンピュータが実行する情報処理方法であって、
前記商品画像データにおけるテキスト部分を抽出し、
抽出された前記テキスト部分から前記特定情報及び前記金額を設定する
情報処理方法。
【請求項3】
前記操作がなされたと判別された場合に、前記ある商品の売上データを第1の通信部により外部機器へ送信させる
請求項1
または2に記載の情報処理方法。
【請求項4】
前記ある商品の売上データには、前記ある商品の前記特定情報が含まれる
請求項1~
3のいずれか一項に記載の情報処理方法。
【請求項5】
前記注文受付画像のデータには、前記ある商品の金額の割増又は割引を受け付けるための変更ボタンが含まれ、
前記商品画像データに基づいて、前記変更ボタンで表される前記ある商品と当該ある商品の金額の割増又は割引とを対応付けた変更データを生成し、
前記操作ボタン及び前記変更ボタンの操作がなされたと判別された場合には、前記ある商品の前記商品データ及び前記変更データに基づいて、前記ある商品の売上データを生成する
請求項1~
4のいずれか一項に記載の情報処理方法。
【請求項6】
前記商品画像データには、前記ある商品の割増又は割引に係る価格変動情報が含まれ、
前記価格変動情報が反映された第1の注文受付画像のデータと前記価格変動情報が反映されていない第2の注文受付画像のデータとを生成し、
前記価格変動情報で示される割引又は割引の適用条件が満たされているか否かに応じて、前記第1の注文受付画像のデータ又は前記第2の注文受付画像のデータに基づいて前記表示画面に前記注文受付画像を表示させる
請求項1~
4のいずれか一項に記載の情報処理方法。
【請求項7】
ある商品を特定する特定情報の画像データと前記ある商品の金額の画像データとを含む商品画像データを取得し、
前記商品画像データに基づいて、前記ある商品の注文を受け付けるための操作ボタンを含む注文受付画像
であって、前記特定情報の表示されている部分が前記操作ボタンとされる前記注文受付画像のデータを生成し、
前記商品画像データに基づいて、前記操作ボタンで表される前記ある商品と当該ある商品の金額とを対応付けた商品データを生成し、
生成された前記注文受付画像のデータに応じた前記注文受付画像を、前記操作ボタンの操作を受け付け可能に表示画面に表示させ、
前記表示画面に表示された前記注文受付画像に含まれる前記操作ボタンの操作がなされたか否かを判別し、
前記操作ボタンの前記操作がなされたと判別した場合には、前記ある商品の前記商品データに基づいて、前記ある商品の売上データを生成する
処理部を備える情報処理装置。
【請求項8】
ある商品を特定する特定情報の画像データと前記ある商品の金額の画像データとを含む商品画像データを取得し、
前記商品画像データに基づいて、前記ある商品の注文を受け付けるための操作ボタンを含む注文受付画像のデータを生成し、
前記商品画像データに基づいて、前記操作ボタンで表される前記ある商品と当該ある商品の金額とを対応付けた商品データを生成し、
生成された前記注文受付画像のデータに応じた前記注文受付画像を、前記操作ボタンの操作を受け付け可能に表示画面に表示させ、
前記表示画面に表示された前記注文受付画像に含まれる前記操作ボタンの操作がなされたか否かを判別し、
前記操作ボタンの前記操作がなされたと判別した場合には、前記ある商品の前記商品データに基づいて、前記ある商品の売上データを生成する、
処理部を備え、
前記処理部は、前記商品画像データにおけるテキスト部分を抽出し、
抽出された前記テキスト部分から前記特定情報及び前記金額を設定する
情報処理装置。
【請求項9】
コンピュータを、
ある商品を特定する特定情報の画像データと前記ある商品の金額の画像データとを含む商品画像データを取得する画像取得手段、
前記商品画像データに基づいて、前記ある商品の注文を受け付けるための操作ボタンを含む注文受付画像
であって、前記特定情報の表示されている部分が前記操作ボタンとされる前記注文受付画像のデータを生成する画像生成手段、
前記商品画像データに基づいて、前記操作ボタンで表される前記ある商品と当該ある商品の金額とを対応付けた商品データを生成するリストデータ生成手段、
生成された前記注文受付画像のデータに応じた前記注文受付画像を、前記操作ボタンの操作を受け付け可能に表示画面に表示させる表示制御手段、
前記表示画面に表示された前記注文受付画像に含まれる前記操作ボタンの操作がなされたか否かを判別する操作判別手段、
前記操作ボタンの前記操作がなされたと判別した場合には、前記ある商品の前記商品データに基づいて、前記ある商品の売上データを生成する売上データ生成手段、
として機能させるプログラム。
【請求項10】
コンピュータを、
ある商品を特定する特定情報の画像データと前記ある商品の金額の画像データとを含む商品画像データを取得する画像取得手段、
前記商品画像データに基づいて、前記ある商品の注文を受け付けるための操作ボタンを含む注文受付画像のデータを生成する画像生成手段、
前記商品画像データに基づいて、前記操作ボタンで表される前記ある商品と当該ある商品の金額とを対応付けた商品データを生成するリストデータ生成手段、
生成された前記注文受付画像のデータに応じた前記注文受付画像を、前記操作ボタンの操作を受け付け可能に表示画面に表示させる表示制御手段、
前記表示画面に表示された前記注文受付画像に含まれる前記操作ボタンの操作がなされたか否かを判別する操作判別手段、
前記操作ボタンの前記操作がなされたと判別した場合には、前記ある商品の前記商品データに基づいて、前記ある商品の売上データを生成する売上データ生成手段、
として機能させるプログラムであって、
前記コンピュータを、
前記商品画像データにおけるテキスト部分を抽出する抽出手段、
抽出された前記テキスト部分から前記特定情報及び前記金額を設定させる金額設定手段
として機能させるプログラム。
【請求項11】
請求項
7または8に記載の情報処理装置と、
前記情報処理装置と通信を行う第2の通信部と、制御部と、を備える金銭登録機と、
を含む情報処理システムであって、
前記情報処理装置の前記処理部は、
前記操作がなされたと判別された場合に、前記ある商品の前記売上データを第1の通信部により前記金銭登録機へ送信させ、
前記金銭登録機の制御部は、
前記第2の通信部を介して受信した前記売上データを含む会計処理を行う
情報処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、情報処理方法、情報処理装置、プログラム及び情報処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
小売店舗などの商業施設で会計処理に用いられるレジスタ(金銭登録機。通称レジ)では一般に、商品名と金額とを対応付けておき、注文された商品に応じたボタンの操作によって売り上げが計上される。特許文献1では、タブレット端末などの店舗端末において、メニュー表の画像に対して商品名や料金などを読み取る範囲をユーザが指定して、指定された画像範囲の文字を読み取り、商品と料金とを対応付けたデータを生成して、これをメニュー情報データベースに登録する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来技術では、商品の注文を受け付けてレジスタで会計処理するためのユーザの操作の手間を十分に軽減することができない。
【0005】
この発明の目的は、より少ない手間で商品の会計処理を行うことが可能になる情報処理方法、情報処理装置、プログラム及び情報処理システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の一態様は、
コンピュータが実行する情報処理方法であって、
ある商品を特定する特定情報の画像データと前記ある商品の金額の画像データとを含む商品画像データを取得し、
前記商品画像データに基づいて、前記ある商品の注文を受け付けるための操作ボタンを含む注文受付画像であって、前記特定情報の表示されている部分が前記操作ボタンとされる前記注文受付画像のデータを生成し、
前記商品画像データに基づいて、前記操作ボタンで表される前記ある商品と当該ある商品の金額とを対応付けた商品データを生成し、
生成された前記注文受付画像のデータに応じた前記注文受付画像を、前記操作ボタンの操作を受け付け可能に表示画面に表示させ、
前記表示画面に表示された前記注文受付画像に含まれる前記操作ボタンの操作がなされたか否かを判別し、
前記操作ボタンの前記操作がなされたと判別した場合には、前記ある商品の前記商品データに基づいて、前記ある商品の売上データを生成する
情報処理方法である。
また、本発明の一態様は、
ある商品を特定する特定情報の画像データと前記ある商品の金額の画像データとを含む商品画像データを取得し、
前記商品画像データに基づいて、前記ある商品の注文を受け付けるための操作ボタンを含む注文受付画像のデータを生成し、
前記商品画像データに基づいて、前記操作ボタンで表される前記ある商品と当該ある商品の金額とを対応付けた商品データを生成し、
生成された前記注文受付画像のデータに応じた前記注文受付画像を、前記操作ボタンの操作を受け付け可能に表示画面に表示させ、
前記表示画面に表示された前記注文受付画像に含まれる前記操作ボタンの操作がなされたか否かを判別し、
前記操作ボタンの前記操作がなされたと判別した場合には、前記ある商品の前記商品データに基づいて、前記ある商品の売上データを生成する、
コンピュータが実行する情報処理方法であって、
前記商品画像データにおけるテキスト部分を抽出し、
抽出された前記テキスト部分から前記特定情報及び前記金額を設定する
情報処理方法である。
【発明の効果】
【0007】
本発明に従うと、より少ない手間で商品の会計処理を行うことが可能になるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本実施形態の情報処理システムの構成を示すブロック図である。
【
図3】商品及び金額の設定について説明する図である。
【
図6】外部設定制御処理の制御手順を示すフローチャートである。
【
図7】生成された注文受付画面の例を示す図である。
【
図8】会計処理に係る動作の流れを説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本実施形態の情報処理システム100の構成を示すブロック図である。
情報処理システム100は、情報処理装置1と、レジスタ4(外部機器)とを含む。
【0010】
情報処理装置1は、携帯型の汎用端末電子機器であり、例えば、スマートフォンである。
情報処理装置1は、CPU11(Central Processing Unit)(処理部)と、記憶部12と、表示部13と、操作受付部14と、撮影部15と、通信部16(第1の通信部)などを備える。
【0011】
CPU11は、演算処理を行い、情報処理装置1の動作を統括制御するハードウェアプロセッサである。CPU11は、単一のプロセッサであってもよいし、複数個のプロセッサを有し、各々共通の処理を並列に行う又は異なる処理を各々別個に行うものであってもよい。少なくともこのCPU11が本実施形態のコンピュータに含まれる。
【0012】
記憶部12は、データを記憶するメモリを有する。記憶部12は、CPU11に作業用のメモリ空間を提供して一時データを記憶するRAMと、プログラム121や設定データなどを記憶する不揮発性メモリとを含む。RAMは、例えば、DRAMであり、不揮発性メモリは、例えば、フラッシュメモリである。プログラム121には、画像データから文字を識別する機能(OCR)に係るプログラムと、後述のレジ勘定補助アプリとを含む。不揮発性メモリに記憶される設定データには、レジ勘定補助アプリで用いられる注文入力操作用の注文受付画像データ122及び当該注文受付画像データ122を介して受け付けられた操作により選択された商品名と、当該商品名に対応する売上金額とを記憶する商品リスト123とを含む。
【0013】
表示部13は、表示画面を有し、当該表示画面にCPU11の制御に基づいて表示を行う。表示画面は、特には限られないが、例えば、液晶ディスプレイ(LCD)である。また、表示部13は、動作状態や充電状態などのステータスを報知するためのLEDランプを有していてもよい。
【0014】
操作受付部14は、ユーザなどの外部からの入力操作を受け付けて入力信号を生成し、当該入力信号をCPU11へ出力する。操作受付部14は、例えば、表示画面に重なって位置するタッチパネルを有する。また、操作受付部14は、押しボタンスイッチやスライドスイッチなどを有していてもよい。
【0015】
撮影部15は、撮影動作を行って画像データを生成、出力するデジタルカメラである。撮影部15は、例えば、レンズ(光学系)と、二次元配列されたCMOSセンサとを有し、RGB各波長帯で撮影を行ってカラー画像データを生成する。
【0016】
通信部16は、外部機器と無線通信を行う。通信部16が制御可能な無線通信には、電話通信、WiFiなどの無線LAN(Local Area Network)、及びブルートゥース(登録商標)などの近距離無線通信などが含まれ、通信部16は、可能な通信の周波数や偏波特性などに従ったアンテナを各々有する。レジスタ4との通信には、ここでは、ブルートゥースが利用される。ブルートゥースの規格は特には限られないが、例えば、Low Energy規格とすることで、開店中に接続状態が維持されていても電力消費量を小さく抑えることができる。
【0017】
レジスタ4は、店内などに位置して会計処理に利用される金銭登録機(キャッシュレジスタ)である。レジスタ4は、CPU41(制御部)と、記憶部42と、表示部43と、操作受付部44と、通信部46(第2の通信部)と、印字部47と、用紙搬送部48などを備える。
【0018】
CPU41は、演算処理を行い、レジスタ4の動作を統括制御する。CPU41は、汎用のCPUだけではなく、マイコンなどを有していてもよい。また、CPU41の演算処理の一部が専用の論理回路などでなされてもよい。
【0019】
記憶部42は、データを記憶するメモリを有する。記憶部42は、CPU41に作業用のメモリ空間を提供し、一時データを記憶するRAMと、プログラム421、設定データや売り上げ情報などを記憶する不揮発性メモリとを含んでいてよい。不揮発性メモリは、例えば、フラッシュメモリである。設定データには、登録された商品名、商品の金額及びこれらに対応する操作受付部44の受付ボタンの位置との関係を示す入力設定422が含まれていてよい。
【0020】
表示部43は、表示画面を有し、CPU41の制御に基づいて表示画面に金額などの表示を行う。表示画面は、例えば、LCDであるが、これに限られない。
【0021】
操作受付部44は、ユーザなどの外部からの入力操作を受け付けて操作信号を生成し、当該操作信号をCPU41へ出力する。操作受付部44は、商品の売上金額や客からの受領金額などの入力操作が可能である。また、操作受付部44には、上記のように、入力設定422で割り当てられた商品の売上げを直接入力可能な登録ボタンが含まれる。
【0022】
通信部46は、外部機器、ここでは、情報処理装置1との間での通信を制御する。通信部46は、情報処理装置1と共通の通信規格で通信が可能であり、ここでは、図示略のアンテナを介したブルートゥースによる通信を制御する。
【0023】
印字部47は、レシート用紙に対して売り上げ情報を印字記録する。印字部47の記録方式は特には限られないが、例えば、熱転写方式などであってもよい。
【0024】
用紙搬送部48は、レシート用紙を適宜なタイミングで適切な長さだけ移動させて、印字記録が行われる位置に供給、排出する。用紙搬送部48は、例えば、回転ローラとモータなどを有し、ロール状のレシート用紙が取り付けられた回転ローラをモータにより回転動作させて、レシート用紙を送り出す動作などを行う。
【0025】
次に、本実施形態の情報処理システム100における会計処理について説明する。
情報処理システム100では、最終的な会計処理は、レジスタ4によって行われる。レジスタ4では、通常の会計処理が可能であり、各商品の売上金額を入力する操作を行って加算し、必要に応じて消費税の外税分などを算出、追加したり、割引分を差し引いたりすることができる。商品の金額は、売上対象の商品に対応付けられて特定のキーなどに登録されていてよく、レジスタ4では、店員などのユーザが注文を受けた商品に対応するキーを操作(押下など)することで当該商品の金額が売上金額として加算されればよいが、金額そのものを直接テンキーを操作(押下)するなどにより入力することが可能であってよい。なお、商品は、物品に加えて又は代えてサービス(役務)であってもよい。
【0026】
これに加え、レジスタ4は、通信部46を介して情報処理装置1から売上データを取得することができる。情報処理装置1では、売上データの生成に係るプログラム121の動作により、注文された商品(ある商品)の売上金額と簡易な商品情報(特定情報)が通信部16を介してレジスタ4に送信される。情報処理装置1における売上データの生成は、客などに提示するために作成されたメニュー表の撮影データ(商品画像データ)を取り込んで(取得して)作成される注文受付画像が表示された表示画面を用いて行われる。
【0027】
図2は、メニュー表Mについて説明する図である。
メニュー表Mは、
図2(a)に示すように、本実施形態の商品画像であり、例えば、飲食店における飲食メニューの画像(文字を含む)とその金額の画像(文字数字の画像)とが対応付けられて示されているものである。メニュー表Mは、手書きしたもの又は手書きしたものを複写したものなどであってもよいし、ドローツールやペイントツールなどのアプリケーションプログラムを用いて任意の配置で飲食店員などが作成したものであってもよい。
【0028】
ここでは、メニュー表Mには、複数のセットや定食などのメニューがブロックごとに記載されており、一部のメニューは写真などとともに表示されている。すなわち、このメニュー表Mは、客が注文する商品を選びやすいように作成されたものであって、レジスタ4に商品登録するために商品名(特定情報の表示)とその金額の表示とが明示的に対応付けられたテキストデータなどとして作成されたものでなくてもよい。
【0029】
このメニュー表Mを情報処理装置1の撮影部15(カメラ)などにより撮影してメニュー画像データを取得した後に、プログラム121のOCRソフトウェアなどを用いて文字及び数字(値段を示す記号を含んでいてもよい)を識別し、
図2(b)に示すように、文字列や数字列を抽出することができる。これらの文字列や数字列は、商品名を示す操作ボタンの候補とされる。
【0030】
図3は、商品及び金額の設定について説明する図である。ここでは、
図2(b)で示したメニュー画像データのうち上段中央に位置する「Aセット」の部分のみを取り上げて説明するが、他の部分に対しても順次又はまとめて同一の内容の設定処理が行われる。
【0031】
図3(a)に示すように、抽出された文字列や数字列は、それぞれ単純な外枠付きで、あるいは押しボタンスイッチの平面視形状が描画された操作ボタンとして示されている。これらのうち、まず、商品名(メニュー名、ある商品の特定情報)を選択する画面が表示される。いずれかの商品名を示す操作ボタンを選択する操作(例えば、マウスなどのポインティングデバイスにより操作ボタンの表示範囲にカーソルを重ねてクリックする操作、当該表示範囲を指などによりタップする操作など。以降、この操作を操作ボタンの操作と記す)がなされると(ここでは、例えば、「醤油ラーメン(小)」)、
図3(b)に示すように、商品名に対応する金額(ある商品の金額)を選択する画面が表示される。ここでは、2つの「950円」のうち上段側に位置するものが選択されることで、「醤油ラーメン(小)」の金額として、「円」単位で「950」が設定される。すなわち、選択された金額を示す文字/数字列中に通貨単位などを示す文字が含まれる場合には、当該通貨単位が適切に識別されてよい。なお、ドルやユーロに対してセントなどの補助単位が含まれ得る場合には、これらの単位(切れ目)が適宜判別されてよい。これにより、ある商品と当該商品の金額とが対応付けられる。金額として示された文字列(数字列)は操作ボタンの候補から除外されてもよいが、複数の商品に対して単一の金額が示されている場合などを考慮して、再度金額として選択可能に操作ボタンの候補に残されてもよい。
【0032】
上記の商品名(特定情報)及び対応する金額が含まれる操作ボタンの操作を受け付ける処理が全ての商品について繰り返し行われる。全ての商品及び当該商品の金額の操作ボタンが操作されて、画面上でポインティングデバイスなどにより選択終了ボタンEの操作がなされると、
図3(c)に示すように、操作されていない残りの操作ボタンの文字列は、当該操作ボタンとしての表示設定から除外される。
【0033】
図4は、割引設定について説明する図である。ここでは、
図2(b)で示したメニュー画像データのうち上段左側に位置するラーメンに係るメニューの部分について説明する。
【0034】
図4(a)に示すように、通常の商品に加えて、「100円引!!」のような金額の一時的な割引又は割増といった変更(価格変動情報)に係る変更金額の表示も注文の対象に含まれ得る。ここでは、「100円引」が商品名(特定情報)とされて操作ボタンR1(変更ボタン)として表示され、同時に、金額としては「-100」が登録されればよい。ここでは定額の割引例を示したが、割引では、比率が指定されてもよい。割引は、直近に注文された商品の額に対して割引が適用になればよい。また、割引だけではなく、割増などがあってもよい。これは、例えば、深夜割増などがある場合に表示、利用され得る。その他、上記レジスタ4の設定と同様に、情報処理装置1でも、商品には、物品に加えて又は代えてサービス(役務)が含まれていてもよい。確定ボタンCが操作されることで、注文受付画像の表示内容が確定される。
【0035】
なお、この「100円引」には、「AM11:00-11:30」の時間限定である。情報処理装置1では、これを読み取って、又はユーザ操作に基づいて、「100円引」の操作ボタンが割引時間帯のみ操作が可能とされてもよい。
図4(b)に示すように、対象時間外では操作ボタンR2が操作不能な状態で表示されてもよいし、あるいは、対象時間外にはこの操作ボタンR2自体が消去されてもよい。
【0036】
図5は、割引適用について説明する図である。
上記では、100円の割引をユーザが入力操作するものとして定めたが、割引対象商品と時間帯の設定に基づいて、自動的に割引がなされた金額の設定及び表示に切り替えられるように設定されてもよい。
図5(a)に示す通常の時間帯の金額設定での表示(第2の注文受付画像)に対して、情報処理装置1で計時されている日時に応じて自動的に「醤油ラーメン」、「塩ラーメン」、「味噌ラーメン」の金額Rdが100円割引された表示(
図5(b)、第1の注文受付画像)となるように、適用条件が満たされているか否かに応じた複数種類の注文受付画像のデータが定められる。割引された金額の表示は、割引料金であることが分かるよう表示色又は背景色が変更されたり枠などで囲まれたりされてもよい。あるいは、割引/割増を示す特定の標識や記号などが金額に付随して表示されてもよい。
【0037】
これら複数種類(ここでは2種類)の注文受付画像のデータは、メニュー画像データなどに基づく商品及び金額の設定時にまとめて生成されればよい。また、画像データがHTMLなどの表示データである場合には、単一のデータファイルに複数の表示パターンを統合的に含んで選択的に表示がなされるように定められてもよい。商品の金額設定は、割引又は割増の有無に応じた金額がそれぞれ対応付けられて記憶されてもよいし、元の金額と割引/割増額とがそれぞれ対応付けられて記憶されてもよい。
【0038】
なお、ユーザが全て商品名及び対応する金額を指定するのではなく、先に商品名と、当該商品名に対応する金額とが推定されてもよい。この場合、数字列、特に通貨単位が含まれるものが先に金額として推定され、推定された金額と対応する位置、例えば、横並びで位置する文字列などが商品名として推定される。推定の誤りなどは、ユーザによる入力操作により訂正可能である。
【0039】
図6は、情報処理装置1で実行される外部設定制御処理のCPU11による制御手順を示すフローチャートである。本実施形態の情報処理方法を含むこの外部設定制御処理は、例えば、店舗の開店前などに予めなされるものであって、情報処理装置1においてレジ勘定補助アプリが起動され、アプリ内で設定を開始する操作が受け付けられることなどによって、開始される。
【0040】
CPU11は、メニュー表Mの撮影データを取得する(ステップS101;画像取得ステップ、画像取得手段)。撮影データは、予め撮影がなされて記憶部12や外部のネットワーク上のドライブやフォルダなどに記憶保持されている撮影データをファイル一覧などから選択するものであってもよいし、ステップS101の処理内でユーザに撮影部15によって撮影させるようガイダンスなどを行うものであってもよい。
【0041】
CPU11は、取得したメニュー表Mの撮影データの文字(テキスト部分)を識別、抽出して当該文字の位置情報を有するテキストデータを生成する(ステップS102)。CPU11は、テキストデータを記載部分ごとに分割し、各々の位置範囲で操作ボタン化して表示させる(ステップS103)。また、CPU11は、商品の選択終了ボタンEを併せて表示させる。
【0042】
CPU11は、商品の選択終了に係る選択終了ボタンEが操作されたか否かを判別する(ステップS104)。商品の選択終了ボタンEが操作されていないと判別された場合には(ステップS104で“NO”)、CPU11は、ステップS103で生成された操作ボタンの操作がなされたか否かを判別する(ステップS105)。操作ボタンの操作がなされていないと判別された場合には(ステップS105で“NO”)、CPU11の処理は、ステップS104に戻る。
【0043】
操作ボタンの操作がなされたと判別された場合には(ステップS105で“YES”)、CPU11は、選択されたボタン表示部分を商品名としてハイライト(選択中)表示させる(ステップS106)。CPU11は、ハイライト表示されている商品の金額を示す操作ボタンの操作が受け付けられたか否かを判別する(ステップS107)。操作ボタンの操作が受け付けられていないと判別された場合には(ステップS107で“NO”)、CPU11は、ステップS107の処理を繰り返す。
【0044】
操作ボタンの操作が受け付けられたと判別された場合には(ステップS107で“YES”)、CPU11は、操作が受け付けられた操作ボタンのテキストから数字を読み取って、金額として定め、当該金額を、先に取得されている商品名と対応付けて記憶する(ステップS108)。なお、このとき、CPU11は、金額と商品名の組合せを修正可能な状態で表示して、修正操作及び承認操作を待ち受けてもよい。また、商品名と金額とが適切に分離されなかった場合(例えば、「大盛り」と「110円」などが一連のテキストと判断された場合など)にも、例えば、当該テキストを商品名と金額の両方として登録したうえで、商品名を「大盛り」部分だけに短縮する修正処理などが行われてもよい。金額としては数字の「110」だけが抜き出され得る。
【0045】
CPU11は、商品が表示された操作ボタンを確定表示させ、また、金額が表示された操作ボタンのボタン表示を解除する(ステップS109)。それから、CPU11の処理は、ステップS104に戻る。
【0046】
ステップS104の判別処理で、商品の選択終了ボタンEの操作がなされたと判別されると(ステップS104で“YES”)、CPU11は、残った(操作されなかった操作ボタンの)テキストのボタン表示を全て解除する(ステップS111)。CPU11は、確定した商品のボタン表示を含めて注文受付画像データ122を確定生成する(ステップS112)。なお、CPU11は、注文受付画像データ122の確定前に、空白スペースなどを適宜詰めて配列しなおすなどの処理を行ってよい。また、注文の操作に不要な文字列などを削除する操作を受け付け可能であってもよい。
ステップS102~S112の処理が画像生成ステップ(プログラムの画像生成手段)を構成する。
【0047】
CPU11は、ステップS108の処理で対応付けて記憶された商品名(特定情報)及び金額の組をまとめて商品リスト123として設定、記憶する(ステップS113;リストデータ生成ステップ、リストデータ生成手段)。そして、CPU11は、外部設定制御処理を終了する。
【0048】
図7は、上記の外部設定制御処理によって生成された注文受付画面の例を示す図である。
図7(a)に示すように、注文受付画面(表示画面)には、
図6の外部設定制御処理で生成された注文受付画像データに応じて画像(注文受付画像О)が表示される。この注文受付画像Оでは、外部設定制御処理で設定済の商品名が表示されている部分が、選択操作ボタンB1~B3として含まれ、注文時に各選択操作ボタンB1~B3を操作可能とされる。情報処理装置1がスマートフォンである場合のように、画面のサイズ上、全ての商品についての注文受付画像Оが注文受付画面に一度に入らない場合には、スクロール表示が可能であってもよいし、あるいは、複数のページに分割表示が可能であってもよい。複数の画面に分割表示させる場合には、表示させるページを変更するための操作ボタン(例えば、「前ページ」、「次ページ」の各操作ボタンB4、B5)が追加表示され得る。また、この注文受付画面(注文受付画像О)には、注文操作の終了を示す小計操作を受け付ける小計ボタンT(「会計」表示などであってもよい)が追加されている。
【0049】
注文受付画像Оでは、商品の画像などは注文操作には不要であるとして適宜削除されていてもよく、またこれに応じて上記のように不要なスペース(空白)などを削除したり、操作ボタンの位置を適切に配列しなおしたりしてあってもよい。また、文字及び数字を表すフォント種別やサイズなどは、一律に予め定められているものが用いられてもよい。
【0050】
商品名と直接関係がなく、商品名として設定されなかった文字列のうち一部は、商品のグループ化などにとって必要な場合があるので、必ずしも一律に消去されなくてもよい。これらの文字列の消去の可否などは、ユーザの入力操作に応じて定められてもよい。ここでは、セットメニューのグループを表す「Aセット」との文字列が注文を受けた商品の特定に必要な情報であるので、この文字列は消去されずに注文受付画像データに残される。また、「ギョーザ」との文字列は、Aセットの内容を特定する情報であるので、この文字列も消去されずに注文受付画像データに残されてもよいし、店員にとって不要な情報であれば消去されてもよい。
あるいは、一方で、スペースや会計処理には不要な文字であっても、あまり大きく削除などの変更が行われずに、元のメニュー表Mにおける位置関係が概ね維持されてもよい。すなわち、メニュー表Mに含まれていた画像などもそのまま注文受付画像Oに残されてもよい。これにより、ほぼメニュー表通りの位置関係で売上設定操作が可能になるので、売上対象の商品を画面上で探すのに店員が苦労しないようにすることができる。
【0051】
情報処理装置1では、生成された注文受付画面に操作を受け付け可能な操作ボタンを含む注文受付画像Оを表示させて、各操作ボタンの操作を検出することで、注文を受け付けることができる。注文を受け付けた商品の商品名と当該商品名に対応付けられている金額の情報とに基づいて、注文された商品の売上データが生成される。生成された売上データは、通信部16によりレジスタ4へ送信される。なお、複数の席又はテーブルから各々注文可能な場合には、席又はテーブルを特定する識別情報が売上データに含まれて送信されればよい。
【0052】
特には限られないが、ここでは、
図7(b)に示すように、売上データとしてレジスタ4へ送信された商品及びその金額は、注文済欄に表示されている。レジスタ4では、商品名と金額の情報を受信して、会計内容に追加する。小計ボタンTの操作がなされると注文が終了したものとして、レジスタ4での会計処理を終了することができる。なお、小計ボタンTの操作とは関係なく、レジスタ4での会計処理は終了可能とされてもよい。
【0053】
なお、会計内容には、情報処理装置1から受信した売上データに加えて、レジスタ4が直接受け付けた売上データが含まれていてよい。定番商品などであって、レジスタ4に登録されている商品がある場合や、情報処理装置1にも設定がなされなかった非正規メニューなどの売り上げがあった場合などには、レジスタ4へ直接売上額などが入力される場合もあってよい。最終的に入力された売上金額に基づいて会計処理がなされ、レシートが印字されて出力される。
【0054】
また、レジスタ4で本日の売上履歴などを保持する場合には、情報処理装置1から受信した売上金額は、まとめて処理されてもよいし、併せて受信された商品名(特定情報)に応じて分類されてもよい。
【0055】
図8は、会計処理に係る動作の流れを説明する図である。
図8(a)のシーケンス図に示すように、ユーザによるアプリの起動操作を受けると、情報処理装置1では、アプリが起動され、注文受付画面が表示されるとともに、レジスタ4との間で通信接続が確立される。
【0056】
注文受付画面に対して注文された商品に対応する操作ボタンの操作がユーザによりなされると、情報処理装置1では、注文された商品及びその金額が特定される。そして、特定された商品及び当該商品の金額に基づいて売上データが生成され、生成された売上データがレジスタ4へ送信される。
【0057】
レジスタ4では、情報処理装置1から受信した売上データに基づいて全体の会計処理を行う。このとき、レジスタ4で別個に売り上げの入力操作がなされていた/なされる場合には、受信した売上データに係る売上額とレジスタ4への入力操作に係る売上額とは合算(割引などによるマイナス額を含む)されてよい。客との料金のやり取りが終了すると、レシートが印字、出力される。
【0058】
図8(b)は、情報処理装置1で実行される売上設定制御処理のCPU11による制御手順を示すフローチャートである。
売上設定制御処理が開始されると、CPU11は、注文受付画像データ122を読み出して表示画面に注文受付画像Оを表示させる(ステップS141;表示制御ステップ、表示制御手段)。CPU11は、レジスタ4との間でブルートゥースによる通信接続を確立する(ステップS142)。
【0059】
CPU11は、小計ボタンTの操作が受け付けられたか否かを判別する(ステップS143)。小計ボタンTの操作が受け付けられていないと判別された場合には(ステップS143で“NO”)、CPU11は、商品(メニュー)の注文を受け付けるための操作ボタンの操作が受け付けられたか否かを判別する(ステップS144;操作判別ステップ、操作判別手段)。操作ボタンの操作が受け付けられていないと判別された場合には(ステップS144で“NO”)、CPU11の処理は、ステップS143に戻る。
【0060】
操作ボタンの操作が受け付けられたと判別されると(ステップS144で“YES”)、CPU11は、操作された操作ボタンに対応する商品の情報を、商品リスト123を参照して金額などを特定し、特定された内容に基づいて売上データを生成して記憶する。(ステップS145;売上データ生成ステップ、売上データ生成手段)。CPU11は、生成した売上データを通信部16を介してブルートゥースによりレジスタ4へ送信する(ステップS146)。CPU11は、売上設定された内容を表示部13により表示画面に表示させる(ステップS147)。それから、CPU11の処理は、ステップS143に戻る。
【0061】
また、ステップS143の判別処理で、小計ボタンTの操作が受け付けられたと判別された場合には(ステップS143で“YES”)、CPU11は、通信部16を介してブルートゥースにより注文終了である旨をレジスタ4へ送信する(ステップS151)。CPU11は、売上設定の内容を初期化し(ステップS152)、また、表示画面に表示されている売上の内容を消去する(ステップS153)。それから、CPU11の処理は、ステップS143へ戻る。
【0062】
なお、この処理は、レジ勘定補助アプリの終了命令などに応じて割込み処理により強制終了されてよい。
【0063】
以上のように、本実施形態の情報処理方法では、ある商品を特定する商品名といった特定情報の画像データと当該ある商品の金額の画像データとを含む商品画像データ(メニュー表Mの撮影データなど)を取得し(ステップS101)、商品画像データに基づいて、ある商品の注文を受け付けるための選択操作ボタン(B1~B3)を含む注文受付画像Оのデータを生成し(ステップS102~S112)、また、商品画像(メニュー表M)のデータに基づいて、選択操作ボタンB1~B3で表される商品と当該商品の金額とを対応付けた商品リスト123を生成し(ステップS113)、生成された注文受付画像Oのデータに応じた注文受付画像Oを、選択操作ボタンB1~B3の操作を受け付け可能に表示画面に表示させ(ステップS141)、表示画面に表示された注文受付画像Оに含まれる選択操作ボタンB1~B3の操作がなされたか否かを判別し(ステップS144)、選択操作ボタンB1~B3の操作がなされたと判別した場合には、操作がなされた操作ボタンに対応するある商品の商品データを商品リスト123から取得し、当該商品データに基づいて、ある商品の売上データを生成する(ステップS145)。
このように、メニュー表Mなどの撮影データを利用して、売上データの生成を可能とすることで、レジスタ4にいちいち商品及び金額を登録せずとも、より少ない手間で容易に会計処理が可能になる。特に、日替わり、週替わり、不定期などでメニューの差替えや金額の変更などが行われ、一方で、各種識別コードの設定や読み取りによる商品の入力操作が難しい又は面倒な飲食店などでの処理(会計処理)が、スマートフォンなどの汎用の情報処理装置1を利用して可能になるので、より容易となる。また、メニュー表Mに応じた注文受付画像Oが得られるので、店員が注文された商品の操作ボタンを探す手間も低減され得る。
【0064】
また、この情報処理方法では、注文受付画像Оでは、特定情報の表示されている部分が操作ボタンとされる。このように特定情報を含むテキスト部分をほぼそのまま操作ボタンとして表示させるので、処理が容易であり、また、店員などのユーザも元のメニュー表に準じて容易かつ誤りなく売り上げの入力設定を行うことができる。
【0065】
また、この情報処理方法では、商品画像データにおけるテキスト部分を抽出し、抽出されたテキスト部分から特定情報及び金額を設定する。すなわち、撮影したメニュー表の画像データからテキスト部分を認識、抽出して商品名や値段を設定するので、ユーザがいちいちこれら商品名や値段を入力して操作設定する必要がなくなり、手間が軽減される。
【0066】
また、この情報処理方法では、表示されている操作ボタンの操作がなされたと判別された場合に、対応する商品の金額の売上データを通信部16により外部機器(レジスタ4)へ送信させる(ステップS151)。このように、レジスタ4の外部でメニュー画像に基づいた売上入力操作(売上設定)を行い、当該売上入力操作をレジスタ4に送信することができるので、レジスタ4に対して商品の登録操作を行う手間を省くことができる。また、メニュー表Mを撮影することのできる汎用の外部機器でこのような売上入力操作を行うことを可能とすることで、レジスタ4が撮影機構を備える必要がなく、レジスタ4のコストの上昇などを抑えることができる。
【0067】
また、外部機器(レジスタ4)へ送信させる売上データには、ある商品の特定情報が含まれる。すなわち、商品名を正確にレジスタ4で登録しなくても、どの商品の売り上げが生じたかを得ることができるので、レシートに簡易的であっても商品名などを表示させることができ、客の利便性を向上させることができる。また、レジスタ4で売上の履歴を残すことができる場合にも、どの商品の売り上げであるかを判別整理しやすくなるので、売上管理の手間が削減される。
【0068】
また、注文受付画像Оのデータには、ある商品の金額の割増又は割引を受け付けるための操作ボタンR1が含まれ、商品画像データに基づいて、操作ボタンR1で表される金額の割増又は割引とを対応付けた変更データを生成し、操作ボタン及び操作ボタンR1の操作がなされたと判別された場合には、ある商品の商品データ及び前記変更データに基づいて、上記ある商品の売上データを生成する。
このように、単に商品を追加して金額を加算するだけではなく、割引、割増などの処理についても対応可能であるので、より柔軟に情報処理装置1からの注文操作を行うことが可能になる。
【0069】
あるいは、メニュー画像データには、ある商品の割増又は割引に係る価格変動情報(割増/割引額、ある商品の特定情報及びこれらの適用条件)が含まれ、価格変動情報が反映された第1の注文受付画像のデータと価格変動情報が反映されていない第2の注文受付画像のデータとを生成し、価格変動情報で示される割引又は割引の適用条件が満たされているか否かに応じて、第1の注文受付画像のデータ又は第2の注文受付画像のデータに基づいて表示画面に注文受付画像を表示させてもよい。
すなわち、割引や割増などの設定された金額は、自動的に適用条件が満たされているか否かが判別されて、元の金額の代わりに表示されてもよい。これにより、ユーザ(店員)による割引/割増の適用漏れや不適切な適用が避けられ、また、店員も複数の操作を行わなくて済むことになり、注文時の入力操作がより簡略化される。
【0070】
また、本実施形態の情報処理装置1は、CPU11を備える。CPU11は、ある商品を特定する特定情報の表示と当該ある商品の金額の表示とを含む商品画像(メニュー表Mの画像)データを取得し(ステップS101)、商品画像データに基づいて、ある商品の注文を受け付けるための選択操作ボタンB1~B3を有する注文受付画像Оのデータ(注文受付画像データ122)を生成し(ステップS102~S112)、また、商品画像データに基づいて、選択操作ボタンB1~B3で表されるある商品と当該ある商品の金額とを対応付けた商品リスト123を生成する(ステップS113)。また、CPU11は、生成された注文受付画像データ122に応じた注文受付画像Оを、選択操作ボタンB1~B3の操作を受け付け可能に表示画面に表示させ(ステップS141)、表示画面に表示された注文受付画像Оに含まれる選択操作ボタンB1~B3の操作がなされたか否かを判別し(ステップS144)、選択操作ボタンB1~B3の操作がなされたと判別した場合には、操作ボタンに対応する商品の商品データを商品リスト123から取得する(ステップS145)。
この情報処理装置1によれば、メニュー表Mなどの撮影データから売り上げた商品の金額など情報を取得する入力操作を可能とすることで、レジスタ4にいちいち商品と金額を登録せずとも(特に変更や入れ替わりが多い場合)、より少ない手間で容易に売上に係る処理(会計処理など)が可能になる。また、メニュー表Mに応じた注文受付画像Oが得られるので、この情報処理装置1では、店員が売り上げた商品を探す手間も低減されて、容易に商品に対応する操作ボタンの操作を行うことができる。
【0071】
また、上記の売上の入力操作を可能とするプログラム121をコンピュータにインストールして実行することで、会計処理をより容易に行うことが可能となる。
【0072】
また、本実施形態の情報処理システム100は、上記の情報処理装置1と、通信を行う通信部46と、CPU41と、を備えるレジスタ4と、を含む。情報処理装置1から通信部16を介してレジスタ4へ売上データが送信されると(ステップS151)、レジスタ4のCPU41は、受信した売上データを含む会計処理を行う。
このように、情報処理システム100では、全ての商品をレジスタ4で登録するのではなく、外部の情報処理装置1でメニュー表Mなどに基づいて容易かつ簡易的に設定された内容に基づいて、容易に売り上げの入力設定を行い、これをレジスタ4へ送信することができるので、入れ替わりや値段の変更などが生じやすい商品であって識別コードなどで管理しづらい商品(役務)についての売上を含む会計処理を従来よりも容易に行うことが可能になる。また、これに伴い、レジスタ4の大幅な高機能化などが要求されないので、コストの上昇を抑えることができる。
【0073】
なお、本発明は、上記実施の形態に限られるものではなく、様々な変更が可能である。
例えば、上記実施の形態では、飲食店のメニュー表を撮影して売上操作に係る注文受付画像Оのデータの生成に利用するものとして説明したが、これに限られない。店員が用いる内部書類などが利用されてもよい。また、撮影対象は、必ずしもメニュー表のように複数の商品名が一覧表示されているものに限られない。商品が1つしか含まれていないものが撮影対象に含まれていてもよい。また、飲食店に限らず、他のサービスを提供する店舗などでサービス内容の細かい変更や値段の変更などを反映させる場合に、サービス一覧表などが利用されて、売上操作がなされてもよい。
【0074】
また、上記実施の形態では、レジスタ4で最終的な会計処理を行うものとして説明したが、これに限られるものではない。情報処理装置1のみで会計処理がなされてもよい。この場合、情報処理装置1が通常のプリンタなどに接続されて、レシートの代わりに領収書などが印字記録されてもよい。
【0075】
また、上記実施の形態では、注文に対して一つずつ売り上げ操作を行うものとして説明したが、売上数量が入力操作可能であってもよい。すなわち、上記実施の形態では、同一商品の注文が複数個あった場合に、当該商品の注文操作を当該複数回繰り返す必要があるが、その代わりに、一度注文された商品の注文数を入力する操作が受け付け可能であって、当該注文数の表示が注文された商品名と並列になされてもよい。あるいは、レジスタ4に送信した売上データを用いて、当該レジスタ4で売上数量の入力操作がなされてもよい。同様に、情報処理装置1から送信された売上内容に対する消費税加算、割引や割増などの処理がレジスタ4で行われてもよい。
【0076】
また、上記実施の形態では、情報処理装置1から売上金額とともに特定情報がレジスタ4に送信されたが、特定情報は必ずしもレジスタ4に送信されなくてもよい。料金の計算さえできればよいのであれば、情報量を減らして、より処理を簡略化してもよい。
【0077】
また、上記実施の形態では、商品名自体をボタン化するものとして説明したが、商品名の脇に別個に操作ボタンが付加されるなど、注文受付画面の具体的な態様は、適宜異なるものであってもよい。
【0078】
また、上記実施の形態では、ブルートゥースによる通信を行うものとして説明したが、これに限られない。WiFiなどの無線LANにより通信がなされてもよいし、赤外線通信などであってもよい。通信に係る電力消費量を低減したい場合には、売上に係る処理時以外には通信接続を切断してもよい。
【0079】
また、上記実施の形態では、注文操作があると、各々売上データが生成されて、当該売上データがレジスタ4へ送信されるものとして説明したが、売上データが即座に生成、送信される場合に限られない。複数の注文の入力操作が確定されてから、まとめて売上データが生成されて、レジスタ4へ送信されてもよい。
【0080】
また、注文に係る売上データの送信先は、レジスタ4だけではなくてもよい。厨房の注文受付端末装置などに合わせて注文データとして売上データが送信されてもよい。すなわち、生成、出力された売上データは会計処理での利用だけではなく、商品の準備(調理)及び提供(配膳)に利用されてもよい。このとき、注文された商品を客に対して提供済みであることを示す入力操作及び表示操作が可能であってもよいし、あるいは、レシートとは別個に紙の注文票を印字出力することとしてもよい。
反対に、商品の準備や飲食物の提供とは関係なく、会計のみの用途で用いられる場合には、会計時に、注文された(売り上げた)商品の売上データを一括して生成し、レジスタ4に当該商品及びその金額の情報を送信するのであってもよい。
【0081】
また、上記実施の形態では、店員が注文画面を作成し、実際に注文操作して会計処理を行うものとして説明したが、これに限られない。注文操作については、注文受付用端末やユーザの端末にアプリをインストールすることなどで実行可能とされてもよい。この場合、不特定の端末をブルートゥースに接続可能とするのではなく、WiFi、4G回線、5G回線などを経由してレジスタ4と通信接続されてもよい。また、この場合、各端末の操作時に座席番号などの客の位置を特定する情報を入力する必要があるので、注文開始時などに座席番号を入力したり、座席に付されている識別コードをカメラなどで撮影して読み取らせたり、といった設定要求がなされる。
【0082】
また、以上の説明では、本発明の外部設定制御や売上設定制御などに係るプログラム121を記憶するコンピュータ読み取り可能な媒体としてフラッシュメモリなどの不揮発性メモリなどからなる記憶部12を例に挙げて説明したが、これらに限定されない。その他のコンピュータ読み取り可能な媒体として、MRAMなどの他の不揮発性メモリ、HDD(Hard Disk Drive)や、CD-ROM、DVDディスクなどの可搬型記録媒体を適用することが可能である。また、本発明に係るプログラムのデータを、通信回線を介して提供する媒体として、キャリアウェーブ(搬送波)も本発明に適用される。
その他、上記実施の形態で示した具体的な構成、処理動作の内容及び手順などは、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。
【0083】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、本発明の範囲は、上述の実施の形態に限定するものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲とその均等の範囲を含む。
以下に、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲に記載した発明を付記する。付記に記載した請求項の項番は、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲の通りである。
【0084】
[付記]
<請求項1>
ある商品を特定する特定情報の画像データと前記ある商品の金額の画像データとを含む商品画像データを取得し、
前記商品画像データに基づいて、前記ある商品の注文を受け付けるための操作ボタンを含む注文受付画像のデータを生成し、
前記商品画像データに基づいて、前記操作ボタンで表される前記ある商品と当該ある商品の金額とを対応付けた商品データを生成し、
生成された前記注文受付画像のデータに応じた前記注文受付画像を、前記操作ボタンの操作を受け付け可能に表示画面に表示させ、
前記表示画面に表示された前記注文受付画像に含まれる前記操作ボタンの操作がなされたか否かを判別し、
前記操作ボタンの前記操作がなされたと判別した場合には、前記ある商品の前記商品データに基づいて、前記ある商品の売上データを生成する
情報処理方法。
<請求項2>
前記注文受付画像では、前記特定情報の表示されている部分が前記操作ボタンとされる請求項1記載の情報処理方法。
<請求項3>
前記商品画像データにおけるテキスト部分を抽出し、
抽出された前記テキスト部分から前記特定情報及び前記金額を設定する
請求項1又は2記載の情報処理方法。
<請求項4>
前記操作がなされたと判別された場合に、前記ある商品の売上データを第1の通信部により外部機器へ送信させる
請求項1~3のいずれか一項に記載の情報処理方法。
<請求項5>
前記ある商品の売上データには、前記ある商品の前記特定情報が含まれる
請求項1~4のいずれか一項に記載の情報処理方法。
<請求項6>
前記注文受付画像のデータには、前記ある商品の金額の割増又は割引を受け付けるための変更ボタンが含まれ、
前記商品画像データに基づいて、前記変更ボタンで表される前記ある商品と当該ある商品の金額の割増又は割引とを対応付けた変更データを生成し、
前記操作ボタン及び前記変更ボタンの操作がなされたと判別された場合には、前記ある商品の前記商品データ及び前記変更データに基づいて、前記ある商品の売上データを生成する
請求項1~5のいずれか一項に記載の情報処理方法。
<請求項7>
前記商品画像データには、前記ある商品の割増又は割引に係る価格変動情報が含まれ、
前記価格変動情報が反映された第1の注文受付画像のデータと前記価格変動情報が反映されていない第2の注文受付画像のデータとを生成し、
前記価格変動情報で示される割引又は割引の適用条件が満たされているか否かに応じて、前記第1の注文受付画像のデータ又は前記第2の注文受付画像のデータに基づいて前記表示画面に前記注文受付画像を表示させる
請求項1~5のいずれか一項に記載の情報処理方法。
<請求項8>
ある商品を特定する特定情報の画像データと前記ある商品の金額の画像データとを含む商品画像データを取得し、
前記商品画像データに基づいて、前記ある商品の注文を受け付けるための操作ボタンを含む注文受付画像のデータを生成し、
前記商品画像データに基づいて、前記操作ボタンで表される前記ある商品と当該ある商品の金額とを対応付けた商品データを生成し、
生成された前記注文受付画像のデータに応じた前記注文受付画像を、前記操作ボタンの操作を受け付け可能に表示画面に表示させ、
前記表示画面に表示された前記注文受付画像に含まれる前記操作ボタンの操作がなされたか否かを判別し、
前記操作ボタンの前記操作がなされたと判別した場合には、前記ある商品の前記商品データに基づいて、前記ある商品の売上データを生成する
処理部を備える情報処理装置。
<請求項9>
コンピュータを、
ある商品を特定する特定情報の画像データと前記ある商品の金額の画像データとを含む商品画像データを取得する画像取得手段、
前記商品画像データに基づいて、前記ある商品の注文を受け付けるための操作ボタンを含む注文受付画像のデータを生成する画像生成手段、
前記商品画像データに基づいて、前記操作ボタンで表される前記ある商品と当該ある商品の金額とを対応付けた商品データを生成するリストデータ生成手段、
生成された前記注文受付画像のデータに応じた前記注文受付画像を、前記操作ボタンの操作を受け付け可能に表示画面に表示させる表示制御手段、
前記表示画面に表示された前記注文受付画像に含まれる前記操作ボタンの操作がなされたか否かを判別する操作判別手段、
前記操作ボタンの前記操作がなされたと判別した場合には、前記ある商品の前記商品データに基づいて、前記ある商品の売上データを生成する売上データ生成手段、
として機能させるプログラム。
<請求項10>
請求項8に記載の情報処理装置と、
前記情報処理装置と通信を行う第2の通信部と、制御部と、を備える金銭登録機と、
を含む情報処理システムであって、
前記情報処理装置の前記処理部は、
前記操作がなされたと判別された場合に、前記ある商品の前記売上データを第1の通信部により前記金銭登録機へ送信させ、
前記金銭登録機の制御部は、
前記第2の通信部を介して受信した前記売上データを含む会計処理を行う
情報処理システム。
【符号の説明】
【0085】
1 情報処理装置
11 CPU
12 記憶部
121 プログラム
122 注文受付画像データ
123 商品リスト
13 表示部
14 操作受付部
15 撮影部
16 通信部
4 レジスタ
41 CPU
42 記憶部
421 プログラム
422 入力設定
43 表示部
44 操作受付部
46 通信部
47 印字部
48 用紙搬送部
100 情報処理システム
B1~B3 選択操作ボタン
B4、B5 操作ボタン
C 確定ボタン
E 選択終了ボタン
M メニュー表
O 注文受付画像
T 小計ボタン