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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-31
(45)【発行日】2023-08-08
(54)【発明の名称】プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/12 20060101AFI20230801BHJP
   H04M 1/00 20060101ALI20230801BHJP
   H04M 1/72415 20210101ALI20230801BHJP
【FI】
G06F3/12 326
G06F3/12 304
G06F3/12 392
G06F3/12 331
G06F3/12 356
H04M1/00 U
H04M1/72415
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2021145936
(22)【出願日】2021-09-08
(62)【分割の表示】P 2020107588の分割
【原出願日】2015-11-27
(65)【公開番号】P2022002112
(43)【公開日】2022-01-06
【審査請求日】2021-10-05
(73)【特許権者】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100117101
【弁理士】
【氏名又は名称】西木 信夫
(74)【代理人】
【識別番号】100120318
【弁理士】
【氏名又は名称】松田 朋浩
(72)【発明者】
【氏名】浅井 紀彦
【審査官】松浦 かおり
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-187791(JP,A)
【文献】特開2012-022576(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0116760(US,A1)
【文献】特開2004-234326(JP,A)
【文献】特開2009-211519(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/09-3/12
B41J 29/00-29/70
H04M 1/00
H04M 1/24-1/82
H04M 99/00
H04N 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信部と、表示部と、操作部と、記憶部とを備える携帯端末によって読み取り可能なプログラムであって、
画像処理装置の動作を指定する第1操作を受け付けるために第1画面を前記表示部に表示させる処理と、
前記第1操作を前記操作部を通じて受け付け、且つ予め指定された前記画像処理装置である指定装置を識別する指定装置情報が前記記憶部に記憶されていることに応じて、前記第1操作で指定された動作である指定動作を前記指定装置に実行させる第2操作を受け付けるための第1画像を前記表示部に表示させる処理と、
前記第1操作を前記操作部を通じて受け付け、且つ前記記憶部に前記指定装置情報が記憶されていないことに応じて、前記画像処理装置を指定する第3操作を受け付けるための第2画面を前記表示部に表示させる処理と、
前記第3操作で指定された前記画像処理装置に前記指定動作を実行させる第4操作を受け付けるための第2画像を前記表示部に表示させる処理と、
前記第1操作および前記第3操作の少なくとも一方を前記操作部を通じて受け付けたことにより、前記指定動作および当該指定動作を実行する画像処理装置が決定されたことに応じて、前記第1画像または前記第2画像を表示させる前に、データを選択する第5操作を受け付けるための画面を前記表示部に表示させる処理と、を前記携帯端末に実行させるプログラム。
【請求項2】
通信部と、表示部と、操作部と、記憶部とを備える携帯端末によって読み取り可能なプログラムであって、
画像処理装置の動作を指定する第1操作を受け付けるために第1画面を前記表示部に表示させる処理と、
前記第1操作を前記操作部を通じて受け付け、且つ予め指定された前記画像処理装置である指定装置を識別する指定装置情報が前記記憶部に記憶されていることに応じて、前記第1操作で指定された動作である指定動作を前記指定装置に実行させる第2操作を受け付けるための第1画像を前記表示部に表示させる処理と、
前記第1操作を前記操作部を通じて受け付け、且つ前記記憶部に前記指定装置情報が記憶されていないことに応じて、前記画像処理装置を指定する第3操作を受け付けるための第2画面を前記表示部に表示させる処理と、
前記第3操作で指定された前記画像処理装置に前記指定動作を実行させる第4操作を受け付けるための第2画像を前記表示部に表示させる処理と、
前記画像処理装置を選択することを示す第1オブジェクトと、前記画像処理装置を選択しないことを示す第2オブジェクトとを含む画面を前記表示部に表示させる処理と、を前記携帯端末に実行させ、
前記第2画像は、前記第1オブジェクトを指定する操作を前記操作部を通じて受け付けたことに応じて表示され、
前記第1画像は、前記第2オブジェクトを指定する操作を前記操作部を通じて受け付けたことに応じて表示されるプログラム。
【請求項3】
前記第1操作および前記第3操作の少なくとも一方を前記操作部を通じて受け付けたことに応じて、データを選択する第5操作を受け付けるための画面を前記表示部に表示させる処理を前記携帯端末に実行させる請求項2に記載のプログラム。
【請求項4】
前記第5操作を前記操作部を通じて受け付けたことに応じて、前記データに対する前記指定動作の結果を示す画像を前記表示部に表示させる処理を前記携帯端末に実行させる請求項1または3に記載のプログラム。
【請求項5】
前記指定動作の条件の指定を受け付けるための処理を前記携帯端末に実行させる請求項1から4のいずれかに記載のプログラム。
【請求項6】
前記指定動作が印刷の場合、前記条件は、用紙の部数および前記用紙における画像のレイアウトの少なくとも一方である請求項5に記載のプログラム。
【請求項7】
前記指定動作がスキャンの場合、前記条件は、読取解像度および前記スキャンにより得たデータの保存場所の少なくとも一方である請求項5に記載のプログラム。
【請求項8】
前記第2操作を前記操作部を通じて受け付けたことに応じて、前記指定動作の実行指示を前記通信部を通じて前記指定装置に送信し、前記第4操作を前記操作部を通じて受け付けたことに応じて、前記指定動作の実行指示を前記第3操作で選択された前記画像処理装置に前記通信部を通じて送信する処理を前記携帯端末に実行させる請求項1から7のいずれかに記載のプログラム。
【請求項9】
前記通信部を通じて通信可能な画像処理装置を検索する処理を前記携帯端末に実行させ、
前記第2画面は、検索された前記画像処理装置のいずれかを指定する前記第3操作を前記操作部を通じて受け付けるための画面である請求項1から8のいずれかに記載のプログラム。
【請求項10】
前記第2画面により前記操作部で指定された前記画像処理装置の識別情報を前記指定装置情報として前記記憶部に記憶させる処理を前記携帯端末に実行させる請求項1から9のいずれかに記載のプログラム。
【請求項11】
前記通信部を通じて通信可能な画像処理装置が実行可能な前記動作を示す動作識別情報を取得する処理を前記携帯端末に実行させ、
前記第1画面は、前記動作識別情報に基づく動作オブジェクトを含む請求項1から10のいずれかに記載のプログラム。
【請求項12】
前記第1画面は、前記記憶部に前記指定装置情報が記憶されている場合には、前記指定装置情報に基づく装置オブジェクトをさらに含み、
前記動作オブジェクトを指定する操作である前記第1操作を前記操作部を通じて受け付けたことに応じて、前記動作を示す動作識別情報を前記記憶部に記憶させる処理を前記携帯端末に実行させ、
前記第1画像は、前記装置オブジェクトを指定する操作を前記操作部を通じて受け付け、且つ前記記憶部に前記動作識別情報が前記記憶部に記憶されていることに応じて表示される請求項11に記載のプログラム。
【請求項13】
前記第1画面は、前記記憶部に前記指定装置情報が記憶されている場合には、前記指定装置情報に基づく装置オブジェクトを含む請求項1から11のいずれかに記載のプログラム。
【請求項14】
前記第1画面は、前記記憶部に前記指定装置情報が記憶されていない場合には、前記指定装置が指定されていないことに対応する装置未指定オブジェクトを含む請求項1から11のいずれかに記載のプログラム。
【請求項15】
通信部と、表示部と、操作部と、記憶部とを備える携帯端末であって、
画像処理装置の動作を指定する第1操作を受け付けるための画面を前記表示部に表示させる処理と、
前記第1操作を前記操作部を通じて受け付け、且つ予め指定された前記画像処理装置である指定装置を識別する指定装置情報が前記記憶部に記憶されていることに応じて、前記第1操作で指定された動作である指定動作を前記指定装置に実行させる第2操作を受け付けるための第1画像を前記表示部に表示させる処理と、
前記第1操作を前記操作部を通じて受け付け、且つ前記記憶部に前記指定装置情報が記憶されていないことに応じて、前記画像処理装置を指定する第3操作を受け付けるための画面を前記表示部に表示させる処理と、
前記第3操作で前記操作部を通じて指定された前記画像処理装置に前記指定動作を実行させる第4操作を受け付けるための第2画像を前記表示部に表示させる処理と、
前記第1操作および前記第3操作の少なくとも一方を前記操作部を通じて受け付けたことにより、前記指定動作および当該指定動作を実行する画像処理装置が決定されたことに応じて、前記第1画像または前記第2画像を表示させる前に、データを選択する第5操作を受け付けるための画面を前記表示部に表示させる処理と、を実行する携帯端末。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯端末によって読み取り可能なプログラムに関する。当該プログラムは、画像データに対する動作を画像処理装置に実行させるための処理を、携帯端末に実行させる。
【背景技術】
【0002】
従来より、コンテンツデータをユーザに指定させ、指定されたコンテンツデータに対する動作を画像処理装置に実行させるアプリケーションが知られている。例えば、特許文献1に記載のアプリケーションは、携帯端末に記憶された画像データをユーザに指定させ、当該画像データで示される画像をプリンタにプリントさせる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2012-203742号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
携帯端末のアプリケーションは、例えば、画像データを手軽にプリントする個人ユースを前提として設計されているので、実装する機能を絞ったシンプルな構成が望ましい。また、当該アプリケーションを実行する携帯端末は、PC等と比較して画面サイズが小さいので、シンプルで直感的な操作が可能なユーザインタフェースが望ましい。
【0005】
近年、スキャナ部やFAX部等をプリンタに搭載した所謂「複合機」が普及してきている。そして、複合機の機能をユーザに有効利用させるために、複合機に実装された各機能にユーザを導く導線として、携帯端末のアプリケーションを活用することが求められている。また、携帯端末のアプリケーションには、画像データに対する動作を実行させるプリンタ或いは複合機をユーザに選択させるユーザインタフェースがさらに実装されているのが望ましい。
【0006】
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、画像データに対する動作を実行させる画像処理装置を選択するのに好適なユーザインターフェースを備えるプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本明細書に記載のプログラムは、通信部と、表示部と、操作部と、記憶部とを備える携帯端末によって読み取り可能である。該プログラムは、装置指定オブジェクト及び動作オブジェクトを含む第1画面を前記表示部に表示させる第1表示処理を前記携帯端末に実行させる。前記装置指定オブジェクトは、画像データに対する動作を実行可能な動作部を有する複数の画像処理装置のうちの1つである指定装置の指定に対応する。前記動作オブジェクトは、前記画像処理装置が実行可能な動作に対応する。該プログラムは、オブジェクトを指定するユーザ操作を前記操作部を通じて受け付ける受付処理と、前記指定装置を識別する装置識別情報が前記記憶部に記憶されているか否かを判断する第1判断処理とを前記携帯端末に実行させる。該プログラムは、前記装置指定オブジェクトを指定するユーザ操作を前記受付処理で受け付けたことに応じて、第1指定処理を前記携帯端末に実行させる。該プログラムは、前記動作オブジェクトを指定するユーザ操作を前記受付処理で受け付け、且つ前記装置識別情報が記憶されていると前記第1判断処理で判断したことに応じて、指定動作を前記指定装置に実行させる準備をする実行準備処理を前記携帯端末に実行させる。前記指定動作は、指定された前記動作オブジェクトに対応する動作である。該プログラムは、前記動作オブジェクトを指定するユーザ操作を前記受付処理で受け付け、且つ前記装置識別情報が記憶されていないと前記第1判断処理で判断したことに応じて、第2指定処理を前記携帯端末に実行させる。前記第1指定処理は、前記通信部を通じて通信可能で且つ前記指定装置として指定可能な前記画像処理装置を特定する第1特定処理と、前記第1特定処理で特定した前記画像処理装置に対応するデバイスオブジェクトを含む第1選択画面を前記表示部に表示させる第1選択画面表示処理と、前記デバイスオブジェクトを指定するユーザ操作を前記受付処理で受け付けたことに応じて、指定された前記デバイスオブジェクトに対応する前記画像処理装置の前記装置識別情報を前記記憶部に記憶させる第1記憶処理とを含む。前記第2指定処理は、前記通信部を通じて通信可能で且つ前記指定装置として指定可能な前記画像処理装置のうち、前記指定動作を実行可能な前記画像処理装置を特定する第2特定処理と、前記第2特定処理で特定した前記画像処理装置に対応する前記デバイスオブジェクトを含む第2選択画面を前記表示部に表示させる第2選択画面表示処理と、前記デバイスオブジェクトを指定するユーザ操作を前記受付処理で受け付けたことに応じて、指定された前記デバイスオブジェクトに対応する前記画像処理装置の前記装置識別情報を前記記憶部に記憶させる第2記憶処理とを含む。
【0008】
上記構成によれば、指定動作を指定する前に装置指定オブジェクトを指定ことによって、豊富な選択肢の中から選択した指定装置に指定動作を指示するための第1の導線を提供することができる。一方、指定装置を指定する前に動作オブジェクトを指定することによって、指定動作に適した指定装置に指定動作を指示するための第2の導線を提供することができる。すなわち、ユーザは、装置指定オブジェクト及び動作オブジェクトのどちらを先に指定するかという直感的な操作によって、指定装置をどれにするか意識して該プログラムを操作するユーザに好適な第1の導線、及び指定装置に実行させる動作を意識して該プログラムを操作するユーザに好適な第2の導線を使い分けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、実施形態に係るシステム100の概略構成図である。
図2図2は、(A)が複合機10のブロック図であり、(B)が携帯端末50のブロック図である。
図3図3は、データ記憶領域32B、62Bに記憶される情報の例であって、(A)はFAXリストを、(B)は指定装置情報を、(C)は指定動作IDを、(D)は第2サポート動作IDの一覧を示す。
図4図4は、標準起動処理のフローチャートである。
図5図5は、第1デバイス選択処理のフローチャートである。
図6図6(A)は第2デバイス選択処理のフローチャートであり、図6(B)はプリント準備処理のフローチャートである。
図7図7は、FAX準備処理のフローチャートである。
図8図8は、外部起動処理のフローチャートである。
図9図9は、表示部53の表示例であって、(A)はメニュー画面を、(B)はメイン画面を示す。
図10図10は、表示部53の表示例であって、(A)はメイン画面に重ねられた未選択報知画面130を、(B)は複合機10A、10Bが特定された場合のデバイス選択画面を示す。
図11図11は、表示部53の表示例であって、(A)は複合機10Aのみが特定された場合のデバイス選択画面を、(B)はデバイスアイコン135、136に動作識別画像137~139が付加されたデバイス選択画面を示す。
図12図12は、表示部53の表示例であって、(A)はデータ選択画面を、(B)は標準起動処理におけるプレビュー画面を示す。
図13図13は、表示部53の表示例であって、(A)は動作選択画面を、(B)はFAX送信画面を示す。
図14図14は、表示部53の表示例であって、(A)はFAX選択画面を、(B)はFAXプレビュー画面を示す。
図15図15は、外部起動処理におけるプレビュー画面の表示例である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、適宜図面を参照して本発明の実施形態について説明する。なお、以下に説明される実施形態は本発明の一例にすぎず、本発明の要旨を変更しない範囲で、本発明の実施形態を適宜変更できることは言うまでもない。例えば、後述する各処理の実行順序は、本発明の要旨を変更しない範囲で、適宜変更することができる。
【0011】
図1は、本実施形態に係るシステム100の概略図である。図1に示されるシステム100は、複合機10A、10B(以下、これらを総称して、「複合機10」と表記することがある。)と、携帯端末50とで構成されている。複合機10及び携帯端末50は、通信ネットワーク101を通じて通信可能に構成されている。通信ネットワーク101は、例えば、有線LAN(Local Area Networkの略)、無線LAN、或いはこれらの組み合わせであってもよい。
【0012】
[複合機10]
複合機10は、図2(A)に示されるように、プリンタ部11と、スキャナ部12と、FAX部13と、表示部23と、操作部24と、通信部25と、CPU(Central Processing Unitの略)31と、記憶部32と、通信バス33とを主に備える。複合機10を構成する各構成要素は、通信バス33を通じて相互に接続されている。複合機10は、画像処理装置の一例である。
【0013】
[プリンタ部11、スキャナ部12、FAX部13]
プリンタ部11は、画像データで示される画像を記録用紙に記録するプリント動作を実行する。記録用紙は、シート或いは被記録媒体の一例である。プリンタ部11の記録方式として、インクジェット方式や電子写真方式などの公知の方式を採用することができる。スキャナ部12は、原稿に記録されている画像を読み取って画像データを生成するスキャン動作を実行する。FAX部13は、FAXプロトコルに準拠した方式で画像データを送受信するFAX送信動作及びFAX受信動作を実行する。プリンタ部11、スキャナ部12、及びFAX部13は、動作部の一例である。
【0014】
前述の複数の動作のうちのプリント動作及びFAX送信動作は、画像データを出力する出力動作の一例である。なお、複合機10が実行する出力動作はこれらに限定されない。出力動作の他の例として、複合機10は、FAX受信動作で受信した画像データで示される画像を表示させるために、当該画像データを通信部25を通じて携帯端末50に送信するFAXプレビュー送信動作を実行してもよい。出力動作のさらに他の例として、複合機10は、円盤形状の画像(以下、「レーベル画像」と表記する。)を、CD-ROM等の表面に記録するレーベルプリント動作を実行してもよい。また、前述の複数の動作のうちのスキャン動作及びFAX受信動作は、画像データを形成する形成動作の一例である。さらに、FAX送信動作及びFAX受信動作は、FAX部13によって実行される。
【0015】
また、複合機10は、複数の動作を組み合わせた複合動作を実行可能であってもよい。例えば、スキャン動作で生成した画像データをプリント動作で記録用紙に記録するコピー動作、スキャン動作で生成した画像データをFAX送信動作でFAX送信するスキャンFAX動作、FAX受信処理でFAX受信した画像データをプリント動作で記録用紙に記録するFAXプリント動作は、複合動作の一例である。
【0016】
複合機10A、10Bが実行可能な動作は異なっていてもよい。本実施形態に係る複合機10Aは、プリント動作、スキャン動作、FAX送信動作、FAX受信動作、FAXプレビュー送信動作、レーベルプリント動作を実行可能である。一方、本実施形態に係る複合機10Bは、プリント動作、及びレーベルプリント動作を実行可能である。また、画像処理装置は、複数の動作を実行可能なものに限定されず、単一の動作のみを実行可能であってもよい。
【0017】
複合機10のMIB(Management Information Baseの略)には、例えば、当該複合機10を識別する装置IDと、当該複合機10が実行可能な動作を識別する動作IDとが定義されていてもよい。装置IDは装置識別情報の一例であり、動作IDは動作識別情報の一例である。本実施形態において、複合機10Aは装置ID“MFP-A”で識別され、複合機10Bは装置ID“MFP-B”で識別される。以下、MIBに登録された装置ID及び動作IDを、「装置情報」と表記することがある。
【0018】
[表示部23]
表示部23は、各種情報を表示する表示画面を備える。表示部23としては、液晶ディスプレイ(Liquid Crystal Displayの略)、有機ELディスプレイ(Organic Electro-Luminescence Displayの略)等を採用することができる。
【0019】
[操作部24]
操作部24は、表示部23の表示画面に表示されたオブジェクトを指定するユーザの操作を受け付ける。具体的には、操作部24はボタンを有しており、押下されたボタンに対応づけられた各種の操作信号をCPU31へ出力する。さらに、操作部24は、表示部23の表示画面に重畳された膜状のタッチセンサを有していてもよい。すなわち、表示部23がタッチパネルディスプレイとして構成されてもよい。
【0020】
なお、「オブジェクト」とは、ユーザが操作部24を操作することによって指定可能な画像を指す。一例として、オブジェクトは表示部23に表示された文字列、アイコン、ボタン、リンク等であってよい。オブジェクトは、操作部24の方向キー或いは決定ボタンを押下することによって指定されてもよい。操作部24がタッチパネルである場合、表示部23に表示されたオブジェクトは、表示位置へのタッチによって指定されてもよい。
【0021】
タッチパネルとして実現される操作部24は、ユーザがタッチした表示画面上の位置を示す位置情報を出力する。なお、本明細書中における「タッチ」とは、入力媒体を表示画面に接触させる操作全般を含む。すなわち、タッチした入力媒体を所定時間内に表示画面から離間させるタップ操作、ロングタッチ操作、タッチした入力媒体を表示画面上でスライドさせるスライド操作、フリック操作、ピンチイン操作、ピンチアウト操作等は、タッチの一例である。
【0022】
また、入力媒体が表示画面に触れていなくても、表示画面との間の距離がごく僅かな位置まで入力媒体を近接させることを、前述の「タッチ」の概念に含めてもよい。さらに入力媒体とは、ユーザの指であってもよいし、タッチペン等であってもよい。以下、表示部53に表示されたアイコンの位置のタップを、当該アイコンを指定するユーザ操作の一例として説明する。
【0023】
[通信部25]
通信部25は、通信ネットワーク101を通じて外部装置と通信を行うためのインタフェースである。すなわち、複合機10は、通信部25を通じて携帯端末50に各種情報を出力し、通信部25を通じて携帯端末50から各種データ又は各種情報を受信する。通信部25の具体的な通信手順は特に限定されないが、例えば、Wi-Fi(Wi-Fi Allianceの登録商標)を採用することができる。
【0024】
[CPU31]
CPU31は、複合機10の全体動作を制御するものである。CPU31は、操作部24から出力される各種情報、及び通信部25を通じて外部装置から取得した各種情報等に基づいて、後述する各種プログラムを記憶部32から取得して実行する。すなわち、CPU31及び記憶部32は、制御部の一例を構成する。
【0025】
[記憶部32]
記憶部32は、プログラム記憶領域32Aと、データ記憶領域32Bとを有する。プログラム記憶領域32Aには、OS(Operating Systemの略)34と、装置プログラム35とが格納される。なお、装置プログラム35は、単一のプログラムであってもよいし、複数のプログラムの集合体であってもよい。データ記憶領域32Bには、装置プログラム35の実行に必要なデータ或いは情報が記憶される。
【0026】
なお、本明細書中の「データ」と「情報」とは、コンピュータによって取り扱い可能なビット或いはビット列である点において共通する。「データ」とは、各ビットが示す意味内容をコンピュータが考慮することなく取り扱えるものを指す。これに対して、「情報」とは、各ビットが示す意味内容によってコンピュータの動作が分岐するものを指す。さらに、「指示」は、送信先の装置に対して次の動作を促すための制御信号であって、情報を含んでいることもあるし、それ自体が情報としての性質を有していることもある。
【0027】
また、「データ」及び「情報」は、形式(例えば、テキスト形式、バイナリ形式、フラグ形式等)がコンピュータ毎に変更されたとしても、同一の意味内容と認識される限り、同一のデータ及び情報として取り扱われる。例えば、「2つ」であることを示す情報が、あるコンピュータではASCIIコードで”0x32“というテキスト形式の情報として保持され、別のコンピュータでは二進数表記で”10“というバイナリ形式の情報として保持されてもよい。
【0028】
但し、上記の「データ」及び「情報」の区別は厳密なものではなく、例外的な取り扱いも許容される。例えば、データが一時的に情報として扱われてもよいし、情報が一時的にデータとして扱われてもよい。また、ある装置ではデータとして扱われるものが、他の装置では情報として扱われてもよい。さらには、データの中から情報が取り出されてもよいし、情報の中からデータが取り出されてもよい。
【0029】
記憶部32は、例えば、RAM(Random Access Memoryの略)、ROM(Read Only Memoryの略)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memoryの略)、HDD(Hard Disk Driveの略)、CPU31が備えるバッファ等、或いはそれらの組み合わせによって構成される。
【0030】
なお、記憶部32は、コンピュータが読み取り可能なストレージ媒体であってもよい。コンピュータが読み取り可能なストレージ媒体とは、non-transitoryな媒体である。non-transitoryな媒体には、上記の例の他に、CD-ROM、DVD-ROM等の記録媒体も含まれる。また、non-transitoryな媒体は、tangibleな媒体でもある。一方、インターネット上のサーバなどからダウンロードされるプログラムを搬送する電気信号は、コンピュータが読み取り可能な媒体の一種であるコンピュータが読み取り可能な信号媒体であるが、non-transitoryなコンピュータが読み取り可能なストレージ媒体には含まれない。
【0031】
プログラム記憶領域32Aに記憶されているプログラムは、CPU31によって実行される。しかしながら、本明細書では、CPU31を省略して各プログラムの動作を説明することがある。すなわち、以下の説明において、「プログラムAが処理Aを実行する」という趣旨の記述は、「CPU31がプログラムAに記述された処理Aを実行する」ことを指してもよい。後述する携帯端末50についても同様である。
【0032】
また、プログラム記憶領域32Aに記憶されているプログラムは、事象を判断し、判断結果に応じて動作する。しかしながら、本明細書では、判断することを省略して各プログラムの動作を説明することがある。すなわち、以下の説明において、「プログラムが条件Aに応じて、処理Aを実行する」という趣旨の記述は、「プログラムは条件Aであるか否かを判断する。プログラムは、肯定判断であることに応じて、処理Aを実行する」ことを指してもよい。後述する携帯端末50についても同様である。
【0033】
また、プログラム記憶領域32Aに記憶されているプログラムは、データ等を特定し、取得し、抽出し、決定し、或いは選択する。プログラムがデータ等を特定するとは、例えば、複数のデータ等のうちから条件に合致するデータを特定し、当該データ等そのもの或いは当該データ等を識別するための情報を、予め定められた記憶領域に記憶させる処理を指す。データ等を識別するための情報とは、例えば、当該データ等を識別するための識別情報、当該データ等が記憶された配列のインデックス、当該データ等が記憶された記憶領域のポインタ等である。プログラムがデータ等を取得し、抽出し、決定し、或いは選択する処理も同様である。後述する携帯端末50についても同様である。
【0034】
OS34は、複合機10を構成するハードウェアであるプリンタ部11、スキャナ部12、FAX部13、表示部23、操作部24、及び通信部25等を制御するためのAPI(Application Programming Interfaceの略)を提供する基本プログラムである。すなわち、上記の各プログラムは、OS34が提供するAPIを呼び出すことによって、各ハードウェアを制御する。しかしながら、本明細書では、OS34を省略して各プログラムの動作を説明することがある。すなわち、以下の説明において、「プログラムBがハードウェアCを制御する」という趣旨の記述は、「プログラムBがOS34のAPIを通じてハードウェアCを制御する」ことを指してもよい。後述する携帯端末50についても同様である。
【0035】
データ記憶領域32Bは、図3(A)に示されるように、FAX特定情報と、FAX特定情報に対応付けられたFAXデータとを記憶することができる。以下、図3(A)に示される情報全体を「FAXリスト」と表記することがあり、FAXリストにおいて互いに対応付けられたFAX特定情報及びFAXデータのセットを「FAXレコード」と表記することがある。すなわち、FAXリストは、複数のFAXレコードを含むことができる。図3(A)は、複合機10AのFAXリストの例を示す。
【0036】
FAXデータは、複合機10AがFAX部13を通じて外部装置からFAX受信した画像データである。FAX特定情報は、複合機10AにFAXデータを個別に特定させるための情報である。FAX特定情報は、例えば、FAXデータを複合機10Aに識別させるためのデータ識別情報であるデータIDと、データIDによって識別されるFAXデータの受信日時と、データIDによって識別されるFAXデータの送信元を特定する送信元電話番号とを含む。
【0037】
複合機10Aの装置プログラム35は、FAX受信動作を実行したことに応じて、FAXレコードをFAXリストに追加する。より詳細には、装置プログラム35は、FAX受信動作によって、FAX部13を通じて外部装置からFAXデータ及び送信元電話番号を受信する。また、装置プログラム35は、FAX受信動作を実行したことに応じて、FAXリスト内で一意なデータIDを生成すると共に、不図示のシステムクロックから受信日時を取得する。そして、装置プログラム35は、これらを含むFAXレコードをFAXリストに追加する。なお、FAX受信動作は、携帯端末50等からの指示によらず、複合機10Aが自動的に実行する。
【0038】
なお、装置プログラム35は、OS34が提供するアクセスAPIを実行することによって、データ記憶領域32Bに記憶されたデータを読み出し、編集し、或いは削除することができる。アクセスAPIには、アクセスするデータを識別するためのデータIDが引数として指定される。データIDは、アクセスAPIにデータを指定するために用いられる形式の情報である。データIDは、例えば、ファイルパスやURIである。一方、データ記憶領域32Bに記憶されるデータの一部又は全部は、クラウドサーバ等の不図示の外部サーバに記憶されてもよい。すなわち、装置プログラム35は、通信部25を通じて外部サーバに各種データを送信し、通信部25を通じて外部サーバから各種データを受信してもよい。この場合のデータIDは、例えば、外部サーバからデータをダウンロードするためのURLの形式であってもよい。携帯端末50についても同様である。
【0039】
[携帯端末50]
携帯端末50は、図2(B)に示されるように、表示部53と、操作部54と、通信部55と、CPU61と、記憶部62と、通信バス63とを主に備える。携帯端末50に含まれる表示部53、操作部54、通信部55、CPU61、記憶部62、及び通信バス63は、複合機10に含まれる表示部23、操作部24、通信部25、CPU31、記憶部32、及び通信バス33と同様の構成であるので、説明は省略する。CPU61及び記憶部62は、制御部の一例である。
【0040】
携帯端末50は、例えば、携帯電話、スマートフォン、或いはタブレット端末等である。より詳細には、携帯端末50の表示部53は、表示画面のサイズが12インチ以下、より好ましくは8インチ以下であるのが望ましい。また、携帯端末50の操作部54は、表示部53の表示画面に重ねられたタッチパネルであるのが望ましい。
【0041】
携帯端末50の表示部53は、図9図15に示されるように、共通表示領域80と、プログラム表示領域81とに区分される。共通表示領域80には、プログラム表示領域81の表示内容にかかわらず、OS64によってステータスバーが表示される。ステータスバーには、OS64によって各種情報が表示される。ステータスバーには、例えば、プログラム表示領域81に表示された画面のタイトル、携帯端末50のバッテリー残量を示すアイコン、通信部55の通信状態を示すアイコン、携帯端末50が外部サービスから受信したプッシュ通知を示すアイコン等が表示される。プログラム表示領域81には、フォアグラウンドで実行されているプログラムが生成した画面が表示される。
【0042】
以下、「プログラムが表示部53に画面を表示させる」と記述したときは、プログラム画面がプログラム表示領域81に表示され、ステータスバーが共通表示領域80に表示されるものとする。プログラム画面とは、プログラムの指示によって、プログラム表示領域81に表示される画面のことである。但し、表示部53は、表示領域が共通表示領域80とプログラム表示領域81とに区分された部分画面モードと、表示領域の全てがプログラム表示領域81となる全画面モードとに切替可能であってもよい。
【0043】
記憶部62のプログラム記憶領域62Aは、OS64と、端末プログラム65と、地図プログラム66と、レーベル編集プログラム67とを記憶している。また、データ記憶領域62Bは、図3(B)~(D)に示される各種情報を記憶している。さらに、データ記憶領域62Bには、データフォルダが設けられていてもよい。データフォルダには、例えば、写真データ、文書データ、プレゼンテーションデータ、表計算データ等が格納されていてもよい。
【0044】
OS64は、例えば、Android(Google inc.の登録商標) OS、iOS(Cisco Systems,Inc.の登録商標)、Windows Phone(Microsoft Corporationの登録商標) Operating System等であってもよい。OS64は、携帯端末50にインストールされた複数のプログラムを並行して実行することができる。複数のプログラムは、例えば、時分割多重方式によって仮想的に並行して実行される。また、OS64は、並行して実行する複数のプログラムのうちの1つをフォアグラウンドで実行し、その他のプログラムをバックグラウンドで実行する。
【0045】
端末プログラム65は、指定データに対する指定動作を指定装置に実行させるプログラムである。指定データは、ユーザによって指定された画像データを指す。指定動作は、ユーザによって指定された動作を指す。指定装置は、ユーザによって指定された複合機10を指す。端末プログラム65は、指定データ、指定動作、及び指定装置を指定するユーザ操作を、操作部54を通じて受け付けることができる。以下、指定データを識別するデータ識別情報を「指定データID」と表記し、指定動作を識別する動作識別情報を「指定動作ID」と表記し、指定装置を識別する装置識別情報を「指定装置ID」と表記することがある。
【0046】
端末プログラム65は、1以上の動作をサポートする。端末プログラム65がサポートする動作は、第1サポート動作の一例である。すなわち、第1サポート動作は、端末プログラム65が後述する実行準備処理を実行可能な動作を指す。換言すれば、第1サポート動作は、指定動作となり得る動作を指す。本実施形態に係る第1サポート動作は、プリント動作、スキャン動作、コピー動作、FAX送信動作、及びFAXプレビュー送信動作である。第1サポート動作の動作IDを「第1サポート動作ID」と表記することがある。
【0047】
端末プログラム65は、後述するメニュー画面に対するユーザ操作を受け付けたOS64によって、或いは地図プログラム66或いはレーベル編集プログラム67によって、起動される。さらに、端末プログラム65は、プラグインとしてアプリケーションを起動するためのプラグインAPIを実行することによって、地図プログラム66及びレーベル編集プログラム67を起動させる。以下、プラグインAPIによって起動される地図プログラム66及びレーベル編集プログラム67を「プラグイン」と表記することがある。
【0048】
地図プログラム66及びレーベル編集プログラム67は、OS64によって起動され、指定情報を引数とする明示的共有APIを実行して端末プログラム65を起動させる起動元プログラムの一例である。また、地図プログラム66及びレーベル編集プログラム67は、所謂プラグインとして端末プログラム65によって起動され、指定情報をプラグインAPIの戻り値として端末プログラム65に提供する外部プログラムの一例である。さらに、地図プログラム66及びレーベル編集プログラム67は、指定情報を引数とするプラグインAPIを実行して、端末プログラム65を起動させてもよい。指定情報は、指定データID、指定動作ID、及び指定装置IDの少なくとも1つを含む。
【0049】
本実施形態に係る地図プログラム66は、地図画像の任意の領域をユーザに指定させ、指定された領域の地図画像を示す画像データをデータ記憶領域32Bに記憶させ、記憶させた画像データのデータIDを指定データIDとして端末プログラム65に提供する。また、地図プログラム66は、プリント動作及びFAX送信動作の一方をユーザに指定させ、指定された動作の動作IDを、指定動作IDとして端末プログラム65に提供する。
【0050】
また、本実施形態に係るレーベル編集プログラム67は、レーベル画像をユーザ操作に従って編集し、当該レーベル画像を示すレーベル画像データをデータ記憶領域32Bに記憶させ、記憶させたレーベル画像データのデータIDを指定データIDとして端末プログラム65に提供する。また、レーベル編集プログラム67は、プリント動作及びレーベルプリント動作の一方をユーザに指定させ、指定された動作の動作IDを、指定動作IDとして端末プログラム65に提供する。
【0051】
地図プログラム66及びレーベル編集プログラム67がサポートする動作は、第2サポート動作の一例である。本実施形態に係る地図プログラム66の第2サポート動作は、プリント動作及びFAX送信である。すなわち、第2サポート動作は、プラグインへのユーザ操作によって指定された指定データに対して、指定装置に実行させる動作となり得る動作を指す。また、本実施形態に係るレーベル編集プログラム67の第2サポート動作は、プリント動作及びレーベルプリント動作である。以下、第2サポート動作の動作IDを「第2サポート動作ID」と表記することができる。
【0052】
OS64は、第1プログラムが指定した第2プログラムを起動し、且つ第1プログラムが指定した指定情報を第2プログラムに提供する共有機能を、携帯端末50にインストールされたプログラムに提供する。第1プログラムは、例えば、OS64が提供するAPI(以下、「共有API」と表記する。)を実行することによって、共有機能を利用することができる。より詳細には、第1プログラムは、第2プログラムのプログラムID及び指定情報を引数として、共有APIを実行する。Android OSの共有機能は、共有機能の一例である。
【0053】
共有元のアプリケーションは、共有機能の利用をユーザに指示されたことに応じて、予め定められたアプリケーションを特定する情報、URI、タイプ、及びアクションを引数として明示的共有APIを実行することによって、予め定められた共有先のアプリケーションを起動させてもよい。URIは、共有データの所在を示す情報である。タイプは、共有データのデータ形式を示す情報である。アクションは、共有先のアプリケーションに実行させる共有データに対する処理の種類(例えば、閲覧、編集、送信、印刷等)を示す情報である。URI、タイプ、及びアクションは、共有元のアプリケーションから共有先のアプリケーションに提供される指定情報の一例である。
【0054】
本実施形態では、例えば、共有元のアプリケーションである地図プログラム66に、予め定められた共有先のアプリケーションとして端末プログラム65が設定されていればよい。より詳細には、地図プログラム66が起動時に参照する設定ファイル、或いは地図プログラム66のソースコードに、端末プログラム65を特定する情報が記述されていればよい。共有元のアプリケーションの他の例であるレーベル編集プログラム67についても同様である。
【0055】
また、共有元のアプリケーションは、共有機能の利用を指示するユーザ操作を操作部54を通じて受け付けたことに応じて、URI、タイプ、及びアクションを引数として暗黙的共有APIを実行してもよい。これにより、OS64は、携帯端末50にインストールされているアプリケーションのうち、タイプで示されるデータ形式の共有データに対してアクションで示される処理を実行可能とOS64に宣言しているアプリケーションの一覧を表示部53に表示させ、一覧の中からユーザによって指定されたアプリケーションを起動させてもよい。
【0056】
データ記憶領域62Bは、図3(B)に示されるように、指定装置情報を記憶することができる。指定装置情報は、指定装置を識別する装置IDと、指定装置が実行可能な動作を識別する動作IDとを含む。指定装置情報に含まれる動作IDは、指定動作IDの一例である。指定装置情報は、端末プログラム65によってデータ記憶領域62Bに記憶される。なお、指定装置情報は、後述する標準起動処理及び外部起動処理の開始時点において、データ記憶領域62Bに記憶されていてもよいし、記憶されていなくてもよい。
【0057】
また、データ記憶領域62Bは、図3(C)に示されるように、指定動作IDを記憶することができる。指定動作IDは、指定動作を指定するユーザ操作を受け付けた端末プログラム65によって、データ記憶領域62Bに一時記憶される。なお、指定動作IDは、標準起動処理及び外部起動処理の開始時点において、データ記憶領域62Bに記憶されていない。
【0058】
さらに、データ記憶領域62Bは、図3(D)に示されるように、プログラムを識別するプログラムIDと、プログラムIDに対応付けられた第2サポート動作IDとを記憶することができる。図3(D)の例において、プログラムID“001”は地図プログラム66を識別し、プログラムID“002”はレーベル編集プログラム67を識別する。互いに対応するプログラムID及び第2サポート動作IDは、端末プログラム65のインストール時にデータ記憶領域62Bに記憶されてもよいし、地図プログラム66及びレーベル編集プログラム67のインストール時にデータ記憶領域62Bに記憶されてもよい。
【0059】
[システム100の動作]
図4図8を参照して、本実施形態に係るシステム100の動作を説明する。
【0060】
まず、携帯端末50のOS64は、メニュー画面を表示部53に表示させる。図9(A)はメニュー画面の一例である。図9(A)に示されるメニュー画面は、複数のプログラムアイコン111、112、113、114、115を含む。プログラムアイコン111~115は、携帯端末50にインストールされたプログラムに対応する。例えば、プログラムアイコン111は端末プログラム65に対応し、プログラムアイコン112は地図プログラム66に対応し、プログラムアイコン113はレーベル編集プログラム67に対応する。
【0061】
そして、OS64は、プログラムアイコン111~115の1つの指定を操作部54を通じて受け付ける。OS64は、プログラムアイコン111の指定を操作部54を通じて受け付けたことに応じて、端末プログラム65を起動させる。プログラムアイコン111の指定は、端末プログラム65の起動を指示するユーザ操作の一例である。携帯端末50の端末プログラム65は、OS64から起動されたことに応じて、標準起動処理を実行する。図4を参照して、標準起動処理の詳細を説明する。
【0062】
[標準起動処理]
まず、端末プログラム65は、第1画面の一例であるメイン画面を表示部53に表示させる(S11)。図9(B)は、メイン画面の一例である。メイン画面は、動作アイコン121、122、123、124と、ステータスアイコン125と、プラグインアイコン126、127と、装置アイコン128とを含む。また、端末プログラム65は、メイン画面に対するユーザ操作を操作部54を通じて受け付ける(S12)。ステップS11の処理は第1表示処理の一例であり、ステップS12の処理は受付処理の一例である。
【0063】
動作アイコン121は、プリント動作に対応する動作オブジェクトの一例である。動作アイコン122は、スキャン動作に対応する動作オブジェクトの一例である。動作アイコン123は、プリント動作及びスキャン動作を組み合わせたコピー動作に対応する複合動作オブジェクトの一例である。動作アイコン124は、FAX送信動作及びFAXプレビュー送信動作の両方に対応する包含オブジェクトの一例である。ステータスアイコン125は、指定装置の状態を示すステータス画面を表示させる指示に対応する。ステータス画面の詳細については、説明を省略する。プラグインアイコン126は、プラグインAPIを実行して地図プログラム66を起動させる指示に対応する。プラグインアイコン127は、プラグインAPIを実行してレーベル編集プログラム67を起動させる指示に対応する。
【0064】
端末プログラム65は、サポート動作IDに対応する動作アイコン121~124のうち、どの動作アイコンをメイン画面に含めるかを、データ記憶領域62Bに記憶されている指定装置情報に基づいて決定する。より詳細には、端末プログラム65は、表示部53に表示させることができる動作アイコン121~124のうち、指定装置情報に含まれる動作IDに対応する動作アイコンをメイン画面に含める。一方、端末プログラム65は、データ記憶領域62Bに指定装置情報が記憶されていないことに応じて、全てのサポート動作IDに対応する動作アイコン121~124をメイン画面に含める。
【0065】
すなわち、端末プログラム65は、動作ID“プリント”が指定装置情報に含まれていることに応じて、動作アイコン121をメイン画面に含める。一方、端末プログラム65は、動作ID“プリント”が指定装置情報に含まれていないことに応じて、動作アイコン121をメイン画面に含めない。同様に、端末プログラム65は、動作ID“スキャン”が指定装置情報に含まれていることに応じて、動作アイコン122をメイン画面に含める。一方、端末プログラム65は、動作ID“スキャン”が指定装置情報に含まれていないことに応じて、動作アイコン122をメイン画面に含めない。
【0066】
また、端末プログラム65は、動作ID“プリント”及び動作ID“スキャン”の両方が指定装置情報に含まれていることに応じて、動作アイコン123をメイン画面に含める。一方、端末プログラム65は、動作ID“プリント”及び動作ID“スキャン”の少なくとも一方が指定装置情報に含まれていないことに応じて、動作アイコン123をメイン画面に含めない。プリント動作は第1動作の一例であり、スキャン動作は第2動作の一例であり、動作ID“プリント”は第1動作情報の一例であり、動作ID“スキャン”は第2動作情報の一例である。
【0067】
また、端末プログラム65は、動作ID“FAX送信”及び動作ID“FAXプレビュー送信”の少なくとも一方が指定装置情報に含まれていることに応じて、動作アイコン124をメイン画面に含める。一方、端末プログラム65は、動作ID“FAX送信”及び動作ID“FAXプレビュー送信”の両方が指定装置情報に含まれていないことに応じて、動作アイコン124をメイン画面に含めない。FAX送信動作は第3動作の一例であり、FAXプレビュー送信動作は第4動作の一例であり、動作ID“FAX送信”は第3動作情報の一例であり、動作ID“FAXプレビュー送信”は第4動作情報の一例である。
【0068】
さらに、端末プログラム65は、地図プログラム66が携帯端末50にインストールされていることに応じて、プラグインアイコン126をメイン画面に含める。一方、端末プログラム65は、地図プログラム66が携帯端末50にインストールされていないことに応じて、プラグインアイコン126をメイン画面に含めない。同様に、端末プログラム65は、レーベル編集プログラム67が携帯端末50にインストールされていることに応じて、プラグインアイコン127をメイン画面に含める。一方、端末プログラム65は、レーベル編集プログラム67が携帯端末50にインストールされていないことに応じて、プラグインアイコン127をメイン画面に含めない。
【0069】
装置アイコン128は、複合機10A、10Bのうちの1つである指定装置の指定に対応する装置指定オブジェクトの一例である。端末プログラム65は、データ記憶領域62Bに指定装置情報が記憶されていることに応じて、図9(B)に示されるように、当該指定装置情報に含まれる装置ID“MFP-A”を、現時点での指定装置IDとして装置アイコン128に記述する。一方、端末プログラム65は、データ記憶領域62Bに指定装置情報が記憶されていないことに応じて、現時点で指定装置が指定されていないことを示す“未選択”の文字列を装置アイコン128に記述する。
【0070】
次に、端末プログラム65は、動作アイコン121~124の1つの指定を操作部54を通じて受け付けたことに応じて(S12:動作アイコン)、指定された動作アイコンに対応する動作IDを、指定動作IDとしてデータ記憶領域62Bに一時記憶させる(S13)。また、端末プログラム65は、プラグインアイコン126、127の1つの指定を操作部54を通じて受け付けたことに応じて、指定されたプラグインアイコンに対応するプログラムの第2サポート動作IDを、指定動作IDとしてデータ記憶領域62Bに一時記憶させる(S13)。
【0071】
なお、ステップS13で記憶された指定動作IDは、後述する実行指示処理が実行されるまで、別の動作アイコン121~124或いはプラグインアイコン126が指定されるまで、或いは端末プログラム65が終了されるまで、データ記憶領域62Bに保持される。動作アイコンを指定するユーザ操作は、指定動作を指定するユーザ操作の一例である。ステップS13の処理は、第3記憶処理の一例である。
【0072】
次に、端末プログラム65は、データ記憶領域62Bに指定装置情報が記憶されているか否かを判断する(S14)。データ記憶領域62Bに指定装置情報が記憶されている場合とは、例えば、後述する第1デバイス選択処理或いは後述する第2デバイス選択処理が過去に実行された場合である。一方、データ記憶領域62Bに指定装置情報が記憶されていない場合とは、例えば、第1デバイス選択処理或いは第2デバイス選択処理が過去に一度も実行されていない場合である。ステップS14の処理は、第1判断処理の一例である。そして、端末プログラム65は、データ記憶領域62Bに指定装置情報が記憶されていると判断したことに応じて(S14:Yes)、指定された動作アイコンに対応する実行準備処理を実行する(S15)。
【0073】
実行準備処理は、指定動作を指定装置に実行させるための準備をする処理である。実行準備処理は、例えば、指定データの指定を受け付ける処理、指定動作の実行条件の指定を受け付ける処理、指定動作の実行結果のイメージを確認させる処理等を含む。指定動作の実行条件とは、例えば、プリント動作によって画像が記録される記録用紙の部数、スキャン動作における読取解像度、FAX送信動作におけるFAX送信先の外部装置を特定するFAX番号等を含む。
【0074】
一例として、端末プログラム65は、動作アイコン121の指定を操作部54を通じて受け付け、且つデータ記憶領域62Bに指定装置情報が記憶されていると判断したことに応じて(S12:動作アイコン&S14:Yes)、実行準備処理の一例であるプリント準備処理を実行する。他の例として、端末プログラム65は、動作アイコン124の指定を操作部54を通じて受け付け、且つデータ記憶領域62Bに指定装置情報が記憶されていると判断したことに応じて(S12:動作アイコン&S14:Yes)、実行準備処理の一例であるFAX準備処理を実行する。プリント準備処理及びFAX準備処理の詳細は、図6(B)及び図7を参照して後述する。
【0075】
また図示は省略するが、動作アイコン122が指定された場合の実行準備処理は、例えば、スキャン動作の読取解像度の指定、スキャン動作によって生成された画像データの保存先の指定等を受け付ける処理であってもよい。さらに図示は省略するが、動作アイコン123が指定された場合の実行準備処理は、例えば、スキャン動作の読取解像度の指定、プリント動作によって記録用紙に記録される画像のレイアウト(例えば、2in1等)の指定を受け付ける処理であってもよい。
【0076】
一方、端末プログラム65は、動作アイコンの指定を操作部を通じて受け付け、且つデータ記憶領域62Bに指定装置情報が記憶されていないと判断したことに応じて(S12:動作アイコン&S14:No)、第2画面の一例である未選択報知画面130を表示部53に表示させる(S16)。そして、端末プログラム65は、未選択報知画面130に対するユーザ操作を操作部54を通じて受け付ける(S17)。ステップS16の処理は第2表示処理の一例であり、ステップS17の処理は受付処理の一例である。
【0077】
図10(A)は、未選択報知画面130の一例であって、メイン画面に重ねて表示されるポップアップウィンドウである。未選択報知画面130は、「複合機を選択する必要があります。選択しますか?」とのメッセージと、[今すぐ選択]アイコン131と、[後で選択]アイコン132とを含む。[今すぐ選択]アイコン131は指定装置を選択することに対応する第1オブジェクトの一例であり、[後で選択]アイコン132は指定装置を選択しないことに対応する第2オブジェクトの一例である。
【0078】
次に、端末プログラム65は、[今すぐ選択]アイコン131の指定を操作部54を通じて受け付けたことに応じて(S17:[今すぐ選択]アイコン)、第2デバイス選択処理を実行する(S18)。そして、端末プログラム65は、第2デバイス選択処理でデータ記憶領域62に新たに記憶された指定装置情報を用いて、ステップS11以降の処理を実行する。一方、端末プログラム65は、[後で選択]アイコン132の指定を操作部54を通じて受け付けたことに応じて(S17:[後で選択]アイコン)、第2デバイス選択処理を実行することなく、ステップS11以降の処理を実行する。第2デバイス選択処理は、第2指定処理の一例である。第2デバイス選択処理の詳細は、図6(A)を参照して後述する。
【0079】
また、端末プログラム65は、装置アイコン128の指定を操作部54を通じて受け付けたことに応じて(S12:装置アイコン)、データ記憶領域62Bに指定動作IDが記憶されているか否かを判断する(S19)。一例として、動作アイコン121~124或いはプラグインアイコン126、127の1つが指定された後に装置アイコン128が指定された場合に、指定動作IDが記憶されているとステップS19で判断される。他の例として、動作アイコン121~124或いはプラグインアイコン126、127が指定される前に装置アイコン128が指定された場合に、指定動作IDが記憶されていないとステップS19で判断される。ステップS19の処理は、第2判断処理の一例である。
【0080】
そして、端末プログラム65は、装置アイコン128の指定を操作部54を通じて受け付け、且つデータ記憶領域62Bに指定動作IDが記憶されていないと判断したことに応じて(S12:装置アイコン&S19:No)、第1デバイス選択処理を実行する(S20)。第1デバイス選択処理は、第1指定処理の一例である。第1デバイス選択処理の詳細は、図5を参照して後述する。一方、端末プログラム65は、装置アイコン128の指定を操作部54を通じて受け付け、且つデータ記憶領域62Bに指定動作IDが記憶されていると判断したことに応じて(S12:装置アイコン&S19:Yes)、第2デバイス選択処理を実行する(S21)。そして、端末プログラム65は、第1デバイス選択処理或いは第2デバイス選択処理でデータ記憶領域62Bに新たに記憶された指定装置情報を用いて、ステップS11以降の処理を実行する。
【0081】
[第1デバイス選択処理]
端末プログラム65は、通信部55を通じて通信可能で且つ指定装置として指定可能な複数の複合機10を検索する(S31)。具体的には、端末プログラム65は、例えば、SNMP(Simple Network Management Protocolの略)を用いて、通信部55を通じて通信ネットワーク101に送信要求情報をブロードキャストする。送信要求情報は、指定装置として指定可能な装置のMIBに記憶された装置情報の送信を要求するための情報である。すなわち、指定装置として指定可能な装置のみが、装置情報を返信する。次に、端末プログラム65は、送信要求情報の応答として複合機10が送信した装置情報を、通信部55を通じて複合機10から受信する。本実施形態のステップS31において、携帯端末50は、複合機10A、10Bから装置情報を受信したものとする。なお、複合機10から受信した装置情報には、複合機10が実行可能な動作を示す動作IDが含まれている。ステップS31の処理は、受信処理の一例である。なお、通信可能な複数の複合機10の検索は、周知の他の方法で行ってもよい。
【0082】
次に、端末プログラム65は、携帯端末50にプラグインがインストールされているか否かを判断する(S32)。そして、端末プログラム65は、プラグインがインストールされていると判断したことに応じて(S32:Yes)、ステップS31で受信した装置情報の送信元である複合機10A、10Bのうち、第1サポート動作及び第2サポート動作のいずれか1つを実行可能な複合機10A、10Bを特定する(S33)。一方、端末プログラム65は、プラグインがインストールされていないと判断したことに応じて(S32:No)、複合機10A、10Bのうち、第1サポート動作のいずれか1つを実行可能な複合機10Aを特定する(S34)。ステップS32の処理は第3判断処理の一例であり、ステップS31、S33、S34の処理は第1特定処理の一例である。
【0083】
一例として、端末プログラム65は、ステップS33において、第1サポート動作ID及び第2サポート動作IDのいずれか1つがステップS31で受信した装置情報に含まれていることに応じて、当該装置情報の送信元である複合機10を、第1サポート動作及び第2サポート動作のいずれか1つを実行可能な複合機10として特定してもよい。他の例として、端末プログラム65は、ステップS31において、第1サポート動作ID及び第2サポート動作IDのいずれか1つを含む装置情報の返信を複合機10に要求してもよい。そして、端末プログラム65は、ステップS33において、ステップS31で受信した装置情報の送信元の複合機10を、第1サポート動作及び第2サポート動作のいずれか1つを実行可能な複合機10として特定してもよい。ステップS34においても同様の処理を実行すればよい。
【0084】
次に、端末プログラム65は、第1選択画面の一例であるデバイス選択画面を表示部53に表示させる(S35)。そして、端末プログラム65は、デバイス選択画面に対するユーザ操作を操作部54を通じて受け付ける(S36)。ステップS35の処理は第1選択画面表示処理の一例であり、ステップS36の処理は受付処理の一例である。
【0085】
図10(B)は、ステップS33で複合機10A、10Bが特定された場合のデバイス選択画面の一例である。図10(B)に示されるデバイス選択画面は、デバイスアイコン135、136を含む。一方、図11(A)は、ステップS34で複合機10Aのみが特定された場合のデバイス選択画面の一例である。図11(A)に示されるデバイス選択画面は、デバイスアイコン135のみを含む。デバイスアイコン135、136は、ステップS33、S34で特定した複合機10A、10Bに対応する。また、デバイスアイコン135、136には、対応する複合機10A、10Bの装置IDが記述されている。
【0086】
そして、端末プログラム65は、例えばデバイスアイコン136の指定を操作部54を通じて受け付けたことに応じて(S36:Yes)、デバイスアイコン136に対応する複合機10Bの装置情報で、データ記憶領域62Bに既に記憶されている指定装置情報を更新する(S37)。デバイスアイコン136を指定するユーザ操作は、複合機10Bを指定装置として指定するユーザ操作の一例である。ステップS37の処理は、第1記憶処理の一例である。
【0087】
[第2デバイス選択処理]
端末プログラム65は、通信部55を通じて通信可能で且つ指定装置として指定可能な複数の複合機10を検索する(S41)。次に、端末プログラム65は、ステップS41で受信した装置情報の送信元である複合機10A、10Bのうち、指定動作を実行可能な複合機10を特定する(S42)。そして、端末プログラム65は、第2選択画面の一例であるデバイス選択画面を表示部53に表示させる(S43)。デバイス選択画面は、ステップS42で特定した複合機10に対応するデバイスアイコンを含む。ステップS41の処理は受信処理の一例であり、ステップS41、S42の処理は第2特定処理の一例であり、ステップS43の処理は第2選択画面表示処理の一例である。
【0088】
一例として、動作アイコン121が指定された後、すなわち指定動作ID“プリント”が記憶されている場合の第2デバイス選択処理において、端末プログラム65は、複合機10A、10Bのうち、プリント動作を実行可能な複合機10Aのみを特定する(S42)。そして、端末プログラム65は、図11(A)に示されるように、デバイスアイコン135のみを含むデバイス選択画面を表示部53に表示させる(S43)。
【0089】
他の例として、動作アイコン123が指定された後、すなわち指定動作ID“コピー”が記憶されている場合の第2デバイス選択処理において、端末プログラム65は、複合機10A、10Bのうち、プリント動作及びスキャン動作の両方を実行可能な複合機10Aのみを特定する(S42)。そして、端末プログラム65は、図11(A)に示されるように、デバイスアイコン135のみを含むデバイス選択画面を表示部53に表示させる(S43)。
【0090】
他の例として、動作アイコン124が指定された後、すなわち指定動作ID“FAX送信”、“FAXプレビュー送信”が記憶されている場合の第2デバイス選択処理において、端末プログラム65は、複合機10A、10Bのうち、FAX送信動作及びFAXプレビュー送信動作の少なくとも一方を実行可能な複合機10Aのみを特定する(S42)。そして、端末プログラム65は、図11(A)に示されるように、デバイスアイコン135のみを含むデバイス選択画面を表示部53に表示させる(S43)。
【0091】
さらに他の例として、プラグインアイコン127が指定された後、すなわち指定動作ID“プリント”、“レーベルプリント”が記憶されている場合の第2デバイス選択処理において、端末プログラム65は、複合機10A、10Bのうち、全ての指定動作を実行可能な複合機10Aと、指定動作の一部のみを実行可能な複合機10Bとを特定する(S42)。そして、端末プログラム65は、図11(B)に示されるように、デバイスアイコン135、136を含むデバイス選択画面を表示部53に表示させる(S43)。
【0092】
図11(B)に示されるデバイス選択画面において、全ての指定動作を実行可能な複合機10Aに対応するデバイスアイコン135は、指定動作の一部のみを実行可能な複合機10Bに対応するデバイスアイコン136より上に表示されている。すなわち、端末プログラム65は、実行可能な第2サポート動作の数が多い複合機10Aに対応するデバイスアイコン135を、実行可能な第2サポート動作の数が少ない複合機10Bに対応するデバイスアイコン136より優先して表示させる。
【0093】
また、図11(B)に示されるデバイス選択画面において、デバイスアイコン135には動作識別画像137、138が付加され、デバイスアイコン136には動作識別画像139が付加されている。動作識別画像137~139は、対応する複合機10A、10Bが実行可能な第2サポート動作を示す画像である。より詳細には、動作識別画像137はプリント動作を示し、動作識別画像138、139はレーベルプリント動作を示す。
【0094】
そして、端末プログラム65は、例えばデバイスアイコン136の指定を操作部54を通じて受け付けたことに応じて(S44:Yes)、デバイスアイコン136に対応する複合機10Bの装置情報で、データ記憶領域62Bに既に記憶されている指定装置情報を更新する(S45)。ステップS45の処理は、第2記憶処理の一例である。
【0095】
第1デバイス選択処理は、指定動作が指定されていない状態で、指定装置をユーザに指定させる処理である。一方、第2デバイス選択処理は、指定動作が指定された状態で、指定装置をユーザに指定させる処理である。すなわち、第1デバイス選択処理及び第2デバイス選択処理は、指定装置をユーザに選択させる点において共通し、各処理の実行時点で指定動作が指定されているか否かにおいて相違する。
【0096】
なお、第1デバイス選択処理及び第2デバイス選択処理において、例えば、ステップS31、S41の処理、ステップS35、S43の処理、ステップS36、S44の処理、及びステップS37、S45の処理は、それぞれ共通であってもよい。より詳細には、ステップS35、S45で表示されるデバイス選択画面は、画面レイアウト及びデバイスアイコンの表示態様が共通であってもよい。また、ステップS36、S44で受け付けるユーザ操作は、共通であってもよい。
【0097】
[プリント準備処理]
まず、端末プログラム65は、データ選択画面を表示部53に表示させる(S51)。図12(A)は、データ選択画面の一例である。図12(A)に示されるデータ選択画面は、複数のデータアイコン141、142、143を含む。データアイコン141~143は、例えば、データフォルダに格納された各種データ、或いはインターネット上の不図示のサーバに記憶された各種データに対応する。そして、端末プログラム65は、データ選択画面に対するユーザ操作を操作部54を通じて受け付ける(S52)。ステップS52の処理は、受付処理の一例である。
【0098】
次に、端末プログラム65は、例えばデータアイコン141の指定を操作部54を通じて受け付けたことに応じて(S52:Yes)、データアイコン141に対応するデータ“写真.JPEG”を指定データに決定する。データアイコンを指定するユーザ操作は、指定データを指定するユーザ操作の一例である。次に、端末プログラム65は、プレビュー画面を表示部53に表示させる(S53)。また、端末プログラム65は、プレビュー画面に対するユーザ操作を操作部54を通じて受け付ける(S54)。ステップS54の処理は、受付処理の一例である。
【0099】
図12(B)は、プレビュー画面の一例である。図12(B)に示されるプレビュー画面は、プレビュー画像145と、[プリント]アイコン146とを含む。プレビュー画像145は、指定データに対する指定動作を指定装置に実行させた結果を示す画像である。本実施形態に係るプレビュー画像145は、データ“写真.JPEG”で示される画像を記録用紙に記録したイメージを示す。[プリント]アイコン146は、指定動作の実行指示に対応する実行指示オブジェクトの一例である。すなわち、[プリント]アイコン146は、指定データに対するプリント動作を指定装置に実行させる指示に対応する。
【0100】
次に、端末プログラム65は、[プリント]アイコン146の指定を操作部54を通じて受け付けたことに応じて(S54:Yes)、指定装置である複合機10Aに通信部55を通じてプリント指示情報を送信する(S55)。プリント指示情報は、指定データに対するプリント動作を実行させるための情報である。プリント指示情報は、例えば、指定データ或いは指定データを識別する指定データIDと、指定動作ID“プリント”とを含む。ステップS55の処理は、実行指示処理の一例である。指定データのファイルパス或いはサーバに記憶された指定データのURLは、指定データIDの一例である。
【0101】
一方、図示は省略するが、複合機10Aの装置プログラム35は、通信部25を通じて携帯端末50からプリント指示情報を受信する。そして、装置プログラム35は、受信したプリント指示情報に従ったプリント動作をプリンタ部11に実行させる。
【0102】
[FAX準備処理]
端末プログラム65は、動作選択画面を表示部53に表示させる(S61)。図13(A)は、動作選択画面の一例である。図13(A)に示される動作選択画面は、動作アイコン148、149を含む。動作アイコン148はFAX送信動作に対応する動作オブジェクトの一例であり、動作アイコン149はFAXプレビュー送信動作に対応する動作オブジェクトの一例である。そして、端末プログラム65は、動作選択画面に対するユーザ操作を操作部54を通じて受け付ける(S62)。ステップS62の処理は、受付処理の一例である。
【0103】
なお、端末プログラム65は、指定装置情報に動作ID“FAX送信”が含まれることに応じて、動作アイコン148を指定可能な態様にする。一方、端末プログラム65は、指定装置情報に動作ID“FAX送信”が含まれないことに応じて、動作アイコン148を指定不能(例えば、グレーアウト、非表示)にする。同様に、端末プログラム65は、指定装置情報に動作ID“FAXプレビュー送信”が含まれることに応じて、動作アイコン149を指定可能な態様にする。一方、端末プログラム65は、指定装置情報に動作ID“FAXプレビュー送信”が含まれないことに応じて、動作アイコン149を指定不能(例えば、グレーアウト、非表示)にする。
【0104】
次に、端末プログラム65は、指定可能な態様の動作アイコン148の指定を操作部54を通じて受け付けたことに応じて(S62:FAX送信アイコン)、動作ID“FAX送信”を指定動作IDとしてデータ記憶領域62Bに一時記憶させる。次に、端末プログラム65は、FAX送信画面を表示部53に表示させる(S63)。そして、端末プログラム65は、FAX送信画面に対するユーザ操作を操作部54を通じて受け付ける(S64)。ステップS64の処理は、受付処理の一例である。
【0105】
図13(B)は、FAX送信画面の一例である。図13(B)に示されるFAX送信画面は、取得元アイコン151、152を含む。取得元アイコン151は、スキャナ部12にスキャン動作を実行させ、スキャン動作で生成された画像データをFAX部13にFAX送信させる指示に対応する実行指示オブジェクトの一例である。取得元アイコン152は、データ記憶領域62Bに記憶されている画像データをFAX部13にFAX送信させる指示に対応する実行指示オブジェクトの一例である。
【0106】
なお、端末プログラム65は、指定装置情報に動作ID“スキャン”が含まれることに応じて、取得元アイコン151を指定可能な態様にする。一方、端末プログラム65は、指定装置情報に動作ID“スキャン”が含まれないことに応じて、取得元アイコン151を指定不能(例えば、グレーアウト、非表示)にする。一方、端末プログラム65は、取得元アイコン152を常に指定可能な態様にする。さらに、FAX送信画面は、インターネット上のサーバに記憶された画像データを取得する指示に対応する取得元アイコン等をさらに含んでもよい。
【0107】
次に、端末プログラム65は、指定可能な態様の取得元アイコン151の指定を操作部54を通じて受け付けたことに応じて(S64:スキャンアイコン)、指定装置である複合機10Aに通信部55を通じてFAX指示情報を送信する(S67)。FAX指示情報は、指定データに対するFAX送信動作を実行させるための情報である。ステップS67の処理は、実行指示処理の一例である。
【0108】
取得元アイコン151の指定によって送信されるFAX指示情報は、動作ID“FAX送信”と、スキャン動作の実行を指示するスキャン指示情報とを含む。すなわち、このFAX指示情報は、スキャナ部12にスキャン動作を実行させ、当該スキャン動作で生成された画像データを指定データとするFAX送信動作をFAX部13に実行させるための情報である。また図示は省略するが、端末プログラム65は、FAX送信先の外部装置を識別するための送信先情報(例えば、FAX番号)を指定するユーザ操作を操作部54を通じて受け付け、当該送信先情報をFAX指示情報に含める。
【0109】
一方、図示は省略するが、複合機10Aの装置プログラム35は、通信部25を通じて携帯端末50からFAX指示情報を受信する。そして、装置プログラム35は、FAX指示情報に含まれるスキャン指示情報に従って、スキャナ部12にスキャン動作を実行させる。スキャナ部12は、不図示のコンタクトガラス或いはADF(Auto Document Feederの略)にセットされた原稿に記録された画像を読み取って、当該画像を示す画像データを生成する。また、装置プログラム35は、スキャナ部12によるスキャン動作によって生成された画像データに対するFAX送信動作を、FAX部13に実行させる。すなわち、FAX部13は、FAX指示情報に含まれる送信先情報で識別される外部装置に対して、スキャン動作によって生成された画像データをFAX送信する。
【0110】
また、端末プログラム65は、取得元アイコン152の指定を操作部54を通じて受け付けたことに応じて(S64:ローカルアイコン)、例えば図12(A)に示されるデータ選択画面を表示部53に表示させる(S65)。そして、端末プログラム65は、データ選択画面に対するユーザ操作を操作部54を通じて受け付ける(S66)。ステップS65、S66の処理は、ステップS51、S52の処理と同様であってもよい。
【0111】
次に、端末プログラム65は、例えばデータアイコン141の指定を操作部54を通じて受け付けたことに応じて(S66:Yes)、データアイコン141に対応するデータ“写真.JPEG”を指定データに決定する。そして、端末プログラム65は、指定装置である複合機10Aに通信部55を通じてFAX指示情報を送信する(S67)。取得元アイコン152の指定によって送信されるFAX指示情報は、指定データ或いは指定データIDと、動作ID“FAX送信”と、送信先情報とを含む。
【0112】
一方、図示は省略するが、複合機10Aの装置プログラム35は、通信部25を通じて携帯端末50からFAX指示情報を受信する。そして、装置プログラム35は、FAX指示情報に従って、FAX部13にFAX送信動作を実行させる。すなわち、FAX部13は、FAX指示情報に含まれる送信先情報で識別される外部装置に対して、FAX指示情報に含まれる指定データ、或いはFAX指示情報に含まれる指定データIDで識別される指定データをFAX送信する。
【0113】
また、端末プログラム65は、動作アイコン149の指定を操作部54を通じて受け付けたことに応じて(S62:FAXプレビューアイコン)、複合機10Aに記憶されているFAXリストに含まれる複数のFAX特定情報を、指定装置である複合機10Aから通信部55を通じて受信する(S68)。より詳細には、端末プログラム65は、FAX特定情報の送信を要求する送信要求情報を、通信部55を通じて複合機10Aに送信する。次に、端末プログラム65は、送信要求情報の応答として送信されたFAX特定情報を、通信部55を通じて複合機10Aから受信する。そして、端末プログラム65は、受信したFAX特定情報をデータ記憶領域62Bに一時記憶させる。
【0114】
次に、端末プログラム65は、FAX選択画面を表示部53に表示させる(S69)。図14(A)は、FAX選択画面の一例である。図14(A)に示されるFAX選択画面は、複数のFAXアイコン155、156を含む。FAXアイコン155、156は、FAXプレビュー送信動作に対応する実行指示オブジェクトの一例である。FAXアイコン155、156は、ステップS68で受信した複数のFAX特定情報それぞれに対応する。また、FAXアイコン155、156には、対応するFAX特定情報に含まれる受信日時及び送信元電話番号が記述されている。そして、端末プログラム65は、FAX選択画面に対するユーザ操作を操作部54を通じて受け付ける(S70)。ステップS70の処理は、受付処理の一例である。
【0115】
次に、端末プログラム65は、例えばFAXアイコン155の指定を操作部54を通じて受け付けたことに応じて(S70:Yes)、指定装置である複合機10Aに通信部55を通じて送信指示情報を送信する(S71)。送信指示情報は、FAXアイコン155に対応するFAX特定情報で特定されるFAXデータ1の送信を指示する実行指示情報の一例である。送信指示情報は、例えば、動作ID“FAXプレビュー送信”と、FAXアイコン155に対応するFAX特定情報に含まれるデータID“001”とを含む。ステップS71の処理は、実行指示処理の一例である。
【0116】
一方、図示は省略するが、複合機10Aの装置プログラム35は、通信部25を通じて携帯端末50から送信指示情報を受信する。そして、装置プログラム35は、送信指示情報に含まれるデータID“001”で識別されるFAXデータ1をFAXリストから読み出し、通信部25を通じて携帯端末50にFAXデータ1を送信する。
【0117】
次に、端末プログラム65は、通信部55を通じて複合機10AからFAXデータ1を受信する(S72:Yes)。次に、端末プログラム65は、FAXプレビュー画面を表示部53に表示させる(S73)。図14(B)は、FAXプレビュー画面の一例である。図14(B)に示されるFAXプレビュー画面は、FAX画像160と、動作アイコン161、162とを含む。そして、端末プログラム65は、FAXプレビュー画面に対するユーザ操作を操作部54を通じて受け付ける(S74)。ステップS74の処理は、受付処理の一例である。
【0118】
FAX画像160は、ステップS72で受信したFAXデータ1で示される画像である。また、FAX画像160に含まれるFAXヘッダには、例えば、対応するFAX特定情報に含まれる受信日時及び送信元電話番号等が含まれる。動作アイコン161は、FAXプレビュー画面の表示を終了させる指示に対応する。動作アイコン162は、FAXデータ1に対するプリント動作の実行指示に対応する実行指示オブジェクトの一例である。なお、端末プログラム65は、指定装置情報に動作ID“プリント”が含まれることに応じて、動作アイコン162を指定可能な態様にする。一方、端末プログラム65は、指定装置情報に動作ID“プリント”が含まれないことに応じて、動作アイコン162を指定不能(例えば、グレーアウト、非表示)にする。
【0119】
次に、端末プログラム65は、動作アイコン161の指定を操作部54を通じて受け付けたことに応じて(S74:OKアイコン)、FAXプレビュー画面の表示を終了する。一方、端末プログラム65は、指定可能な態様の動作アイコン162の指定を操作部54を通じて受け付けたことに応じて(S74:プリントアイコン)、指定装置である複合機10Aに通信部55を通じてプリント指示情報を送信する(S75)。プリント指示情報は、例えば、動作ID“プリント”と、指定データであるFAXデータ1或いはFAXデータ1を識別する指定データIDとを含む。ステップS75の処理及びプリント指示情報を受信した複合機10Aの処理は、ステップS55と同様であってもよい。
【0120】
さらに図示は省略するが、例えばプラグインアイコン126が指定された場合、端末プログラム65は、ステップS15において、プラグインAPIを実行することによって、指定されたプラグインアイコン126に対応する地図プログラム66を起動させる。これにより、OS64は、端末プログラム65をバックグラウンドで実行し、地図プログラム66をフォアグラウンドで実行する。なお、プラグインアイコン127が指定された場合も同様の処理が実行される。
【0121】
地図プログラム66は、例えば、GPS(Global Positioning Systemの略)から取得した携帯端末50の現在位置を含む地図画像データを、通信部55を通じて不図示のサーバから取得する。具体的には、地図プログラム66は、通信部55を通じて地図画像データをサーバに要求し、サーバから返信された地図画像データを通信部55を通じて受信する。次に、地図プログラム66は、地図指定画面を表示部53に表示させる。地図指定画面は、例えば、サーバから取得した地図画像データで示される地図画像と、[プリント]アイコンと、[FAX送信]アイコンとを含む。
【0122】
次に、地図プログラム66は、地図指定画面に対するユーザ操作を、操作部54を通じて受け付ける。地図プログラム66は、地図画像の位置におけるユーザ操作を操作部54を通じて受け付けたことに応じて、地図指定画面に表示させる地図画像を変更する。地図プログラム66は、変更後の地図画像を示す地図画像データをサーバから取得する。地図指定画面に表示される地図画像は、例えば、スライド操作に追従してスライドされ、ピンチイン操作に追従して縮小され、ピンチアウト操作に追従して拡大される。
【0123】
また、地図プログラム66は、[プリント]アイコンの指定を操作部54を通じて受け付けたことに応じて、地図指定画面に表示されている地図画像を示す地図画像データを、指定データとしてデータ記憶領域62Bに一時記憶させる。そして、地図プログラム66は、一時記憶させた地図画像データを識別する指定データID及び指定動作ID“プリント”を、プラグインAPIの戻り値として端末プログラム65に提供する。ファイル名或いはファイルパスは、指定データIDの一例である。一方、[FAX送信]アイコンが指定された場合、指定動作ID“プリント”に代えて指定動作ID“FAX送信”が、プラグインAPIの戻り値として端末プログラム65に提供される。
【0124】
これにより、OS64は、地図プログラム66を終了させ、端末プログラム65を再びフォアグラウンドで実行する。また、端末プログラム65は、指定データID及び指定動作IDを、プラグインAPIの戻り値として地図プログラム66から取得する。そして、端末プログラム65は、地図プログラム66から取得した指定データIDで識別される指定データに対して、指定装置情報に含まれる装置IDで識別される指定装置に、地図プログラム66から取得した指定動作IDで識別される指定動作を実行させる。また、端末プログラム65は、指定装置に指定動作を実行させる前に、プレビュー画面を表示部53に表示させる等してもよい。
【0125】
[外部起動処理]
また、地図プログラム66は、図9(A)に示されるメニュー画面のプログラムアイコン112を指定するユーザ操作を操作部54を通じて受け付けられた場合に、OS64によって起動されて前述の処理を実行することができる。そして、地図プログラム66は、[プリント]アイコンの指定を操作部54を通じて受け付けたことに応じて、指定データID及び指定動作ID“プリント”を引数とする明示的共有APIを実行することによって、端末プログラム65を起動させる。また、地図プログラム66は、[FAX送信]アイコンの指定を操作部54を通じて受け付けたことに応じて、指定データID及び指定動作ID“FAX送信”を引数とする明示的共有APIを実行することによって、端末プログラム65を起動させる。
【0126】
これにより、OS64は、地図プログラム66を終了させ、端末プログラム65をフォアグラウンドで実行する。地図プログラム66へのユーザ操作に起因して地図プログラム66から起動された端末プログラム65は、図8に示される外部起動処理を実行する。[プリント]アイコン或いは[FAX送信]アイコンの指定は、端末プログラム65を起動させることを指示する地図プログラム66へのユーザ操作の一例である。図8を参照して、外部起動処理の詳細を説明する。なお、外部起動処理は、明示的共有APIに代えて、端末プログラム65の提供者によって策定されたプラグインAPIによって起動された場合に実行されてもよい。
【0127】
まず、端末プログラム65は、地図プログラム66が実行したAPIの引数に指定された指定データID及び指定動作IDを、指定情報として取得する(S81)。そして、端末プログラム65は、取得した指定データID及び指定動作IDを、データ記憶領域62Bに一時記憶させる。ここでは、指定動作ID“プリント”が取得されたものとする。次に、端末プログラム65は、データ記憶領域62Bに指定装置情報が記憶されているか否かを判断する(S82)。ステップS81の処理は取得処理の一例であり、ステップS82の処理は第1判断処理の一例である。
【0128】
次に、端末プログラム65は、指定装置情報が記憶されていると判断したことに応じて(S82:Yes)、第3画面の一例であるプレビュー画面を表示部53に表示させる(S84)。そして、端末プログラム65は、プレビュー画面に対するユーザ操作を操作部54を通じて受け付ける(S85)。ステップS84の処理は第3表示処理の一例であり、ステップS85の処理は受付処理の一例である。一方、端末プログラム65は、指定装置情報が記憶されていないと判断したことに応じて(S82:No)、第3表示処理に先立って、第2デバイス選択処理を実行する(S83)。
【0129】
図15は、外部起動処理におけるプレビュー画面の一例である。図15に示されるプレビュー画面は、プレビュー画像165と、装置アイコン166と、[プリント]アイコン167とを含む。プレビュー画像165は、ステップS81で取得した指定データIDで識別される画像データに対して、ステップS81で取得した指定動作IDで識別される指定動作を、指定装置情報に含まれる装置IDで識別される指定装置に実行させた結果を表す画像である。装置アイコン166は、装置指定オブジェクトの一例である。[プリント]アイコン167は、指定動作であるプリント動作の実行指示に対応する実行指示オブジェクトの一例である。外部起動処理におけるプレビュー画面の画面レイアウトは、装置アイコン166を含む点において、標準起動処理におけるプレビュー画面の画面レイアウトと相違する。
【0130】
次に、端末プログラム65は、装置アイコン166の指定を操作部54を通じて受け付けたことに応じて(S85:装置アイコン)、ステップS83以降の処理を実行する。一方、端末プログラム65は、[プリント]アイコン167の指定を操作部54を通じて受け付けたことに応じて(S85:[プリント]アイコン)、通信部55を通じて指定装置にプリント指示情報を送信する(S86)。ステップS86の処理は、実行指示処理の一例であって、ステップS55の処理と同様であってもよい。
【0131】
[実施形態の作用効果]
上記の実施形態によれば、指定動作を指定する前に装置アイコン128を指定することによって、第1デバイス選択処理が実行される。これにより、豊富な選択肢の中から選択した指定装置に指定動作を指示するための第1の導線を提供することができる。一方、指定装置を指定した後に動作アイコンを指定することによって、或いは指定装置を指定する前に動作アイコン121~124、プラグインアイコン126、127を指定することによって、第2デバイス選択処理が実行される。これにより、指定動作に適した指定装置に指定動作を指示するための第2の導線を提供することができる。
【0132】
すなわち、ユーザは、装置アイコン128と、動作アイコン121~124或いはプラグインアイコン126、127のどちらを先に指定するかという直感的な操作によって、指定装置をどれにするか意識して端末プログラム65を操作するユーザに好適な第1の導線と、指定装置に実行させる動作を意識して端末プログラム65を操作するユーザに好適な第2の導線とを使い分けることができる。
【0133】
また、上記の実施形態によれば、第1デバイス選択処理或いは第2デバイス選択処理によって更新された指定装置情報に基づいて、メイン画面に含まれる動作アイコン121~124が更新される。すなわち、指定装置が切り替えられたことに応じて、新たな指定装置が実行可能な動作を利用させるための導線を提供できる。すなわち、第1の導線を通じて指定装置を指定したユーザには、新たな指定装置が実行可能な動作全体への導線を提供できる。また、第1の導線を通じて指定装置を指定したものの、利用したい動作に対応する動作アイコン121~124が表示されなかったユーザには、指定装置を変更するための第1の導線を再び提供できる。一方、第2の導線を通じて指定装置を選択したユーザには、既に指定された指定動作のみならず、新たな指定装置が実行可能な他の動作への導線をもさらに提供できる。
【0134】
また、上記の実施形態によれば、第1デバイス選択処理及び第2デバイス選択処理において、デバイス選択画面の表示レイアウト等を共通化している。これにより、第1の導線を通じて指定装置を選択するユーザにも、第2の導線を通じて指定装置を選択するユーザにも、同一の使い勝手を提供することができる。すなわち、一方の導線を利用したユーザが、他方の導線を利用しても全く違和感がない使い勝手を提供することができる。
【0135】
また、上記の実施形態によれば、未選択報知画面に対するユーザ操作によって、ユーザが所望する動作を実行可能な指定装置をすぐに選択することも、後で選択することもきるフレキシブルな第2の導線を提供することができる。
【0136】
また、上記の実施形態によれば、第1デバイス選択処理のデバイス選択画面に、第1サポート動作及び第2サポート動作の少なくともいずれかを実行可能な複合機10に対応するデバイスアイコンが表示される。これにより、第1サポート動作及び第2サポート動作の少なくともいずれかを実行可能な指定装置を、第1の導線を通じてユーザに指定させることができる。
【0137】
また、上記の実施形態によれば、プラグインアイコンが指定された場合の第2デバイス選択処理において、第2サポート動作を多く実行可能な指定装置を、優先的にユーザに選択させることができる。これにより、プラグインを通じて指定した画像データに対する動作を指定装置に実行させるのに好適な第3の導線を提供できる。また、上記の実施形態によれば、第2デバイス選択処理のデバイス選択画面において、動作識別画像137~139がデバイスアイコン135、136に付加される。これにより、対応する複合機10が実行可能な第2サポート動作をユーザに認識させた上で、指定装置を選択するのに好適な第3の導線を提供することができる。
【0138】
但し、端末プログラム65は、ステップS41、S42において、複数の指定動作の全てを実行可能な複合機10のみを特定してもよい。そして、端末プログラム65は、複数の指定動作の全てを実行可能な複合機10のうちの1つを、指定装置としてユーザに指定させてもよい。一方、端末プログラム65は、ステップS41、S42において、全ての指定動作を実行可能な複合機10が存在しない場合に、複数の指定動作の一部を実行可能な複合機10を特定してもよい。そして、端末プログラム65は、複数の指定動作の一部を実行可能な複合機10のうちの1つを、指定装置としてユーザに指定させてもよい。
【0139】
さらに、上記の実施形態によれば、指定装置情報が記憶されていない状態で外部起動処理が実行される場合に、第3表示処理に先立って第2デバイス選択処理が実行される。これにより、端末プログラム65と起動元プログラムとの連携でサポートされる動作を実行可能な指定装置を、優先的にユーザに選択させるのに好適な第4の導線を提供できる。
【0140】
また、上記の実施形態の複合機10及び携帯端末50において、記憶部32、62のプログラム記憶領域32A、62Aに記憶された各種プログラムがCPU31、61によって実行されることによって、本発明の制御部が実行する各処理が実現される例を説明した。しかしながら、制御部の構成はこれに限定されず、その一部又は全部を集積回路(IC(Integrated Circuitの略)とも言う。)等のハードウェアで実現してもよい。
【0141】
さらに、本発明は、複合機10及び携帯端末50として実現できるだけでなく、複合機10及び携帯端末50に処理を実行させるプログラムとして実現してもよい。そして、当該プログラムは、non-transitoryな記録媒体に記録されて提供されてもよい。non-transitoryな記録媒体は、CD-ROM、DVD-ROM等の他、通信ネットワーク101を通じて複合機10及び携帯端末50に接続可能なサーバに搭載された記憶部を含んでもよい。そして、サーバの記憶部に記憶されたプログラムは、当該プログラムを示す情報或いは信号として、インターネット等の通信ネットワーク101を通じて配信されてもよい。
【符号の説明】
【0142】
10・・・複合機
11・・・プリンタ部
12・・・スキャナ部
13・・・FAX部
25,55・・・通信部
31,61・・・CPU
35・・・装置プログラム
65・・・端末プログラム
50・・・携帯端末
53・・・表示部
54・・・操作部
62・・・記憶部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15