(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-31
(45)【発行日】2023-08-08
(54)【発明の名称】流体圧シリンダ
(51)【国際特許分類】
F15B 15/22 20060101AFI20230801BHJP
【FI】
F15B15/22 G
(21)【出願番号】P 2020125283
(22)【出願日】2020-07-22
【審査請求日】2022-04-19
(73)【特許権者】
【識別番号】000102511
【氏名又は名称】SMC株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100077665
【氏名又は名称】千葉 剛宏
(74)【代理人】
【識別番号】100116676
【氏名又は名称】宮寺 利幸
(74)【代理人】
【識別番号】100191134
【氏名又は名称】千馬 隆之
(74)【代理人】
【識別番号】100136548
【氏名又は名称】仲宗根 康晴
(74)【代理人】
【識別番号】100136641
【氏名又は名称】坂井 志郎
(74)【代理人】
【識別番号】100180448
【氏名又は名称】関口 亨祐
(72)【発明者】
【氏名】秋田 崇文
【審査官】藤原 弘
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-193711(JP,A)
【文献】特開2001-146908(JP,A)
【文献】実開昭63-062608(JP,U)
【文献】特開2008-291858(JP,A)
【文献】実公昭61-039122(JP,Y2)
【文献】米国特許第02935047(US,A)
【文献】実開平02-128806(JP,U)
【文献】実開昭60-118007(JP,U)
【文献】特開平04-302778(JP,A)
【文献】実開昭58-149608(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F15B 15/00-15/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シリンダチューブと、前記シリンダチューブの端部に固定されるカバー部材とを含み、ピストンと前記カバー部材との間に形成される圧力室を有する流体圧シリンダであって、
前記カバー部材には、前記圧力室に圧力流体を給排するためのポートと、前記圧力室と前記ポートとを接続するクッション孔とが設けられ、前記ピストンの移動に伴って前記クッション孔に挿抜自在となるように筒状のクッションリングが前記ピストンまたはピストンロッドに設けられ、前記クッション孔を構成する前記カバー部材の内壁に形成された取付溝には、前記クッションリングの外周に摺接可能な環状のクッションパッキンが軸方向に移動可能に装着され、前記クッションパッキンには、その外周面から前記ピストンに近い側面まで延びる複数の突起が周方向に並んで設けられ、前記クッションリングの外周面には前記クッションリングの軸線と平行な向きに延びるとともに断面積が変化する緩衝溝が形成され、前記クッションパッキンは、前記ピストンから離れた側面から軸方向に突出する環状の軸方向突出部を有し、前記軸方向突出部は、周方向の所定位置においてその先端部が切り欠かれることで切欠き部を有し
、前記切欠き部による流路面積は、隣接する前記突起間の隙間による流路面積より小さい流体圧シリンダ。
【請求項2】
請求項1記載の流体圧シリンダにおいて、
前記緩衝溝は、クッションリングの軸線回りに等角度間隔で複数形成される流体圧シリンダ。
【請求項3】
請求項1記載の流体圧シリンダにおいて、
前記緩衝溝は、前記クッションリングの前記カバー部材側端部で始まり、前記ピストンが前記カバー部材に当接するストロークエンドにおいて前記クッションパッキンと当接する箇所よりも前記ピストンから離れた位置で終わる流体圧シリンダ。
【請求項4】
請求項
3記載の流体圧シリンダにおいて、
前記クッションパッキンが当接可能な部位における前記緩衝溝の横断面は、前記緩衝溝の終端に向けて徐々に面積が減少する形状となっている流体圧シリンダ。
【請求項5】
請求項
4記載の流体圧シリンダにおいて、
前記クッションパッキンが当接可能な部位における前記緩衝溝の横断面は、前記緩衝溝の終端に向けて徐々に浅くなっている流体圧シリンダ。
【請求項6】
請求項1記載の流体圧シリンダにおいて、
前記カバー部材は、前記シリンダチューブの一端に固定されるヘッドカバーおよび前記シリンダチューブの他端に固定されるロッドカバーである流体圧シリンダ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ピストンを減速させる機構を備えた流体圧シリンダに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、ピストンのストロークエンド近傍でピストンを減速させる緩衝機構を設けた流体圧シリンダが知られている。
【0003】
例えば、特許文献1には、ヘッドカバーに形成されたクッション孔に挿抜可能な第1クッションリングをピストンに装着し、ロッドカバーに形成されたロッド孔に挿抜可能な第2クッションリングをピストンロッドに装着した流体圧シリンダが記載されている。
【0004】
この流体圧シリンダでは、ピストンがヘッドカバーの近傍まで変位すると、第1クッションリングがクッション孔に挿入されるとともにクッション孔の内周面に装着された第1シールリングが第1クッションリングの外周面に摺接する。これにより、ヘッドカバーに設けられた調整機構で設定された流路面積に見合う流量で圧力流体が排出され、圧力流体の排出量が減少する。
【0005】
また、ピストンがロッドカバーの近傍まで変位すると、第2クッションリングがロッド孔に挿入されるとともにロッド孔の内周面に装着された第2シールリングが第2クッションリングの外周面に摺接する。これにより、ロッドカバーに設けられた調整機構で設定された流路面積に見合う流量で圧力流体が排出され、圧力流体の排出量が減少する。
【0006】
しかしながら、ピストンがエンドストローク近傍で減速し停止に至るまでの流路面積およびピストンがエンドストロークで停止した状態から動き出すときの流路面積をピストンの変位に応じてきめ細かく設定可能な流体圧シリンダは、未だ十分に開発されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、ピストンのストロークエンド近傍において、流路面積をピストンの変位に応じてきめ細かく設定可能な流体圧シリンダを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る流体圧シリンダは、シリンダチューブと、シリンダチューブの端部に固定されるカバー部材とを含み、ピストンとカバー部材との間に形成される圧力室を有し、カバー部材には、圧力室に圧力流体を給排するためのポートと、圧力室とポートとを接続するクッション孔とが設けられる。そして、ピストンの移動に伴ってクッション孔に挿抜自在となるように筒状のクッションリングがピストンまたはピストンロッドに設けられ、クッション孔を構成するカバー部材の内壁に形成された取付溝には、クッションリングの外周に摺接可能な環状のクッションパッキンが軸方向に移動可能に装着され、クッションパッキンには、その外周面からピストンに近い側面まで延びる複数の突起が周方向に並んで設けられ、クッションリングの外周面にはクッションリングの軸線と平行な向きに延びるとともに断面積が変化する緩衝溝が形成されている。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係る流体圧シリンダによれば、クッションリングに形成された断面積が変化する緩衝溝と、取付溝内で軸方向に移動可能なクッションパッキンとを組み合わせることにより、ピストンがストロークエンドに接近し停止するときの流路面積およびピストンがストロークエンドから動き出すときの流路面積をピストンの変位に応じてきめ細かく設定できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の第1実施形態に係る流体圧シリンダの断面図である。
【
図2】
図1の流体圧シリンダのクッションパッキンをその軸線方向から見た図である。
【
図3】
図2のクッションパッキンのIII-III線に沿った断面図である。
【
図4】
図1の流体圧シリンダのクッションリングの断面図である。
【
図5】
図4のクッションリングをその軸線方向から見た図である。
【
図6】
図1の流体圧シリンダがヘッド側ストロークエンド近傍にあるときの断面図である。
【
図7】
図1の流体圧シリンダがヘッド側ストロークエンドに到達したときの断面図である。
【
図8】
図1の流体圧シリンダがロッド側ストロークエンド近傍にあるときの断面図である。
【
図9】
図1の流体圧シリンダがロッド側ストロークエンドに到達したときの断面図である。
【
図10】
図1の流体圧シリンダについて、ストロークエンド近傍におけるピストンの位置と流路面積との関係を示すグラフである。
【
図11】本発明の第2実施形態に係る流体圧シリンダがヘッド側ストロークエンド近傍にあるときの断面図である。
【
図12】
図11の流体圧シリンダがロッド側ストロークエンド近傍にあるときの断面図である。
【
図13】
図11の流体圧シリンダのクッションパッキンをその軸線方向から見た図である。
【
図14】
図13のクッションパッキンのXIV-XIV線に沿った断面図である。
【
図15】
図11の流体圧シリンダについて、ストロークエンド近傍におけるピストンの位置と流路面積との関係を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明に係る流体圧シリンダについて複数の好適な実施形態を挙げ、添付の図面を参照しながら説明する。なお、使用される流体は、圧縮空気等の圧力流体である。
【0013】
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態に係る流体圧シリンダ10について、
図1~
図10を参照しながら説明する。
図1に示すように、流体圧シリンダ10は、シリンダチューブ12、ヘッドカバー14、ロッドカバー16、ピストン18、ピストンロッド20等から構成される。シリンダチューブ12の一端にカバー部材としてのヘッドカバー14が固定され、シリンダチューブ12の他端に同じくカバー部材としてのロッドカバー16が固定される。シリンダチューブ12の内側にはシリンダ室22が形成される。
【0014】
シリンダ室22にピストン18が配置され、ピストン18に一端部が連結されたピストンロッド20の他端部がロッドカバー16を貫通して外部に延びる。シリンダ室22は、ピストン18とヘッドカバー14との間に形成される第1圧力室24と、ピストン18とロッドカバー16との間に形成される第2圧力室26とに区画される。
【0015】
ヘッドカバー14は、第1圧力室24に圧力流体を給排するための第1ポート14aと、第1圧力室24と第1ポート14aとを接続する第1クッション孔14bを有する。ロッドカバー16は、第2圧力室26に圧力流体を給排するための第2ポート16aと、第2圧力室26と第2ポート16aとを接続する第2クッション孔16bを有する。
【0016】
ピストン18のヘッドカバー14側端部には、ヘッドカバー14に向かって延びる円筒状の第1クッションリング28が設けられている。第1クッションリング28の端部には、テーパ部28aが形成されている。第1クッションリング28の外径は、第1クッション孔14bの径よりも小さく、第1クッションリング28は、第1クッション孔14bに挿抜自在となっている。
【0017】
第1クッション孔14bを構成するヘッドカバー14の内壁には、第1クッションパッキン36を装着するための取付溝14eが形成されている。環状の第1クッションパッキン36は、第1クッションリング28に摺接可能であり、取付溝14e内で軸方向に移動可能となるように装着されている。
【0018】
図3に示すように、第1クッションパッキン36は、その内周面から径方向内側に向けて突出する環状の内径側突出部36aと、ピストン18から離れた側面から軸方向に突出する環状の軸方向突出部36bとを有する。
図2および
図3に示すように、第1クッションパッキン36には、その外周面からピストン18に近い側面まで延びる複数の突起36cが周方向に等間隔に設けられている。外周に位置する複数の突起36cの先端は、常に取付溝14eの底面に当接しており、側面に位置する複数の突起36cの先端は、第1クッションパッキン36が取付溝14e内でピストン18に近づく方向に移動したとき、取付溝14eの一側面(ピストン18に近い側面)に当接する。
【0019】
第1クッションパッキン36は、内径側突出部36aにおいて第1クッションリング28の外周に摺接する。隣接する突起36cの間には隙間36dが形成され、この隙間36dは、第1クッションパッキン36が第1クッションリング28に摺接するとき、第1圧力室24と第1クッション孔14bとを連通して圧力流体の通路となる。隙間36dは、第1クッションパッキン36と取付溝14eの壁面とで囲まれた空間である。第1クッションパッキン36の軸方向突出部36bが取付溝14eの他側面(ピストン18から離れた側面)に当接するとき、隙間36dを介した第1圧力室24と第1クッション孔14bの連通は遮断される。
【0020】
ピストンロッド20の一端部外周には、円筒状の第2クッションリング32が設けられている。第2クッションリング32の端部には、テーパ部32aが形成されている。第2クッションリング32の外径は、第2クッション孔16bの径よりも小さく、第2クッションリング32は、第2クッション孔16bに挿抜自在となっている。
【0021】
第2クッション孔16bを構成するロッドカバー16の内壁には、第2クッションパッキン38を装着するための取付溝16eが形成されている。環状の第2クッションパッキン38は、第2クッションリング32に摺接可能であり、取付溝16e内で軸方向に移動可能となるように装着されている。
【0022】
図3に示すように、第2クッションパッキン38は、その内周面から径方向内側に向けて突出する環状の内径側突出部38aと、ピストン18から離れた側面から軸方向に突出する環状の軸方向突出部38bとを有する。
図2および
図3に示すように、第2クッションパッキン38には、その外周面からピストン18に近い側面まで延びる複数の突起38cが周方向に等間隔に設けられている。外周に位置する複数の突起38cの先端は、常に取付溝16eの底面に当接しており、側面に位置する複数の突起38cの先端は、第2クッションパッキン38が取付溝16e内でピストン18に近づく方向に移動したとき、取付溝16eの一側面(ピストン18に近い側面)に当接する。なお、第2クッションパッキン38は、第1クッションパッキン36と同一の構造を有しているので、これらのクッションパッキンについては、同一の図面(
図2および
図3)を参照しながら説明することとした。
【0023】
第2クッションパッキン38は、内径側突出部38aにおいて第2クッションリング32の外周に摺接する。隣接する突起38cの間には隙間38dが形成され、この隙間38dは、第2クッションパッキン38が第2クッションリング32に摺接するとき、第2圧力室26と第2クッション孔16bとを連通して圧力流体の通路となる。隙間38dは、第2クッションパッキン38と取付溝16eとの壁面で囲まれた空間である。第2クッションパッキン38の軸方向突出部38bが取付溝16eの他側面(ピストン18から離れた側面)に当接するとき、隙間38dを介した第2圧力室26と第2クッション孔16bの連通は遮断される。
【0024】
図4に示すように、第1クッションリング28の外周には、第1クッションリング28の軸線28bと平行な向きに延びる複数のヘッド側緩衝溝30が形成されている。ヘッド側緩衝溝30は、第1クッションリング28のヘッドカバー14側端部で始まり(始端30a)、ピストン18がヘッドカバー14に当接するストロークエンドにおいて第1クッションパッキン36と当接する箇所28cよりもピストン18から離れた位置で終わる(終端30b)。換言すれば、ピストン18のヘッド側ストロークエンドでは、第1クッションパッキン36は、ヘッド側緩衝溝30が形成されていない第1クッションリング28の外周面に密接する(
図7参照)。なお、ピストン18には、ヘッドカバー14側端面から一部突出するように環状の第1弾性体18aが装着されており、ピストン18は、第1弾性体18aを介してヘッドカバー14に当接する。
【0025】
ヘッド側緩衝溝30の底面は、ヘッド側緩衝溝30の始端30aから終端30bにかけて、第1クッションリング28の軸線28bから徐々に離れるように該軸線28bに対して傾斜している。第1クッションパッキン36がヘッド側緩衝溝30を跨いで第1クッションリング28の外周面に当接するとき、ヘッド側緩衝溝30が第1クッションパッキン36によって塞がれることはなく、第1圧力室24は、所定の流路面積で第1ポート14aと連通する。
【0026】
本実施形態では、第1クッションリング28の軸線28b回りに120度の間隔で、同一構造の3本のヘッド側緩衝溝30が設けられている(
図5参照)。また、本実施形態では、第1クッションリング28にテーパ部28aが形成され、第1クッションパッキン36が該テーパ部28aには当接しない構成となっている。このため、第1クッションリング28のテーパ部28aを除く部位に形成されたヘッド側緩衝溝30が後述するクッション効果に寄与する。第1クッションパッキン36が当接可能な部位におけるヘッド側緩衝溝30は、終端30bに向かうにつれて徐々に浅くなっており、それに伴い断面積が徐々に減少している。
【0027】
第1クッションリング28と同様に、第2クッションリング32の外周には、第2クッションリング32の軸線と平行な向きに延びる複数のロッド側緩衝溝34が形成されている。ロッド側緩衝溝34は、第2クッションリング32のロッドカバー16側端部で始まり、ピストン18がロッドカバー16に当接するストロークエンドにおいて第2クッションパッキン38と当接する箇所よりもピストン18から離れた位置で終わる。換言すれば、ピストン18のロッド側ストロークエンドでは、第2クッションパッキン38は、ロッド側緩衝溝34が形成されていない第2クッションリング32の外周面に密接する(
図9参照)。なお、ピストン18には、ロッドカバー16側端面から一部突出するように環状の第2弾性体18bが装着されており、ピストン18は、第2弾性体18bを介してロッドカバー16に当接する。
【0028】
ロッド側緩衝溝34の底面は、ロッド側緩衝溝34の始端から終端にかけて、第2クッションリング32の軸線から徐々に離れるように該軸線に対して傾斜している。第2クッションパッキン38がロッド側緩衝溝34を跨いで第2クッションリング32の外周面に当接するとき、ロッド側緩衝溝34が第2クッションパッキン38によって塞がれることはなく、第2圧力室26は、所定の流路面積で第2ポート16aと連通する。
【0029】
本実施形態では、第2クッションリング32の軸線回りに120度の間隔で、同一構造の3本のロッド側緩衝溝34が設けられている。また、本実施形態では、第2クッションリング32にテーパ部32aが形成され、第2クッションパッキン38が該テーパ部32aには当接しない構成となっている。このため、第2クッションリング32のテーパ部32aを除く部位に形成されたロッド側緩衝溝34が後述するクッション効果に寄与する。第2クッションパッキン38が当接可能な部位におけるロッド側緩衝溝34は、終端に向かうにつれて徐々に浅くなっており、それに伴い断面積が徐々に減少している。
【0030】
ヘッドカバー14には、第1圧力室24と第1クッション孔14bとを接続する第1バイパス路14cが設けられている。第1バイパス路14cの一端は、第1圧力室24に臨むヘッドカバー14の端面に開口し、第1バイパス路14cの他端は、第1クッションパッキン36の装着箇所よりもピストン18から離れた位置で第1クッション孔14bに接続される。
【0031】
第1バイパス路14cの途中の箇所は、断面積が縮小され、第1固定オリフィス14dを形成している。第1クッションリング28が第1クッション孔14bに挿入されたとき、第1クッションリング28の外周と第1クッション孔14bを構成するヘッドカバー14の内壁面との間には、全周にわたって隙間が存在する。したがって、第1圧力室24は、ピストン18の位置に関わらず、第1固定オリフィス14dが介在された第1バイパス路14cを介して第1ポート14aに連通している。
【0032】
ロッドカバー16には、第2圧力室26と第2クッション孔16bとを接続する第2バイパス路16cが設けられている。第2バイパス路16cの一端は、第2圧力室26に臨むロッドカバー16の端面に開口し、第2バイパス路16cの他端は、第2クッションパッキン38の装着箇所よりもピストン18から離れた位置で第2クッション孔16bに接続される。
【0033】
第2バイパス路16cの途中の箇所は、断面積が縮小され、第2固定オリフィス16dを形成している。第2クッションリング32が第2クッション孔16bに挿入されたとき、第2クッションリング32の外周と第2クッション孔16bを構成するロッドカバー16の内壁面との間には、全周にわたって隙間が存在する。したがって、第2圧力室26は、ピストン18の位置に関わらず、第2固定オリフィス16dが介在された第2バイパス路16cを介して第2ポート16aに連通している。
【0034】
本実施形態に係る流体圧シリンダ10は、以上のように構成されるものであり、以下、その作用について説明する。
図1に示すように、ピストン18がヘッドカバー14およびロッドカバー16から概ね等距離だけ離れた位置にあり、第1圧力室24および第2圧力室26に圧力流体が供給・蓄積されていない状態を初期状態とする。
【0035】
上記初期状態から、図示しない切換弁の位置が切り換えられ、第1圧力室24に圧力流体が供給されるとともに第2圧力室26から流体が排出されると、ピストン18がロッドカバー16に向けて駆動される。そして、ピストン18が所定距離移動すると、ピストンロッド20と一体の第2クッションリング32がロッドカバー16の第2クッション孔16bに挿入されるとともに、ロッドカバー16に装着された第2クッションパッキン38がその内径側突出部38aにおいて第2クッションリング32の外周面に摺接する(
図8参照)。
【0036】
第2クッションパッキン38は、第2クッションリング32に摺接すると、第2クッションリング32との接触摩擦により、ロッドカバー16の取付溝16e内でピストン18から離れる方向に移動する。そして、第2クッションパッキン38の軸方向突出部38bが取付溝16eの他側面に当接し、隣接する突起38c間の隙間38dを介した第2圧力室26と第2クッション孔16bの連通は遮断される。
【0037】
第2クッションパッキン38が第2クッションリング32に摺接し始めてから、ピストン18がストロークエンドに到達する前であって第2クッションパッキン38がロッド側緩衝溝34の終端に達するまでは、第2圧力室26と第2ポート16aを連絡する流路面積は、第2クッションパッキン38が当接する箇所におけるロッド側緩衝溝34の断面積に第2固定オリフィス16dの断面積を加えたものとなる。第2クッションパッキン38がロッド側緩衝溝34の終端に達してから、ピストン18がストロークエンドに到達するまでは、該流路面積は、第2固定オリフィス16dの断面積と等しくなる。すなわち、ピストン18がロッド側ストロークエンドに接近し停止するとき、第2圧力室26から圧力流体を排出する流路面積が徐々に減少した後に一定となるというメータアウト制御が行われ、所望のクッション効果が得られる。
【0038】
ピストン18がロッド側ストロークエンドに到達してピストンロッド20が最も押し出された状態で、図示しないワークの位置決め等の仕事がなされる(
図9参照)。その後、図示しない切換弁の位置が切り換えられ、第2圧力室26に圧力流体が供給されるとともに第1圧力室24から圧力流体が排出されると、ピストン18がヘッドカバー14に向けて駆動される。
【0039】
ピストン18がヘッドカバー14に向けて駆動されると、第2クッションパッキン38は、第2クッションリング32との接触摩擦および第2ポート16aから供給される流体の圧力により、ロッドカバー16の取付溝16e内でピストン18に近づく方向に移動する。そして、第2クッションパッキン38の軸方向突出部38bは、取付溝16eの他側面から離れ、第2圧力室26は、第2クッションパッキン38の隣接する突起38c間の隙間38dを介して第2クッション孔16bと連通する。
【0040】
ピストン18がヘッドカバー14に向けて移動し始めてから、第2クッションリング32が第2クッション孔16bから抜け出して第2クッションパッキン38が第2クッションリング32の外周から離れるまでの間、第2圧力室26に圧力流体を供給する流路面積は、第2固定オリフィス16dの断面積と、隣接する突起38c間の隙間38dの面積とを合わせた一定値を保った後、この一定値に徐々に増加するロッド側緩衝溝34の断面積が加わったものとなる。すなわち、ピストン18がロッド側ストロークエンドから動き出すとき、第2圧力室26に圧力流体を供給する流路面積が一定値を保った後に徐々に増加するというメータイン制御が行われる。このメータイン制御時の流路面積は、前述のメータアウト制御時の流路面積に比べて隙間38dの面積だけ大きいので、ピストン18の飛び出し現象を抑えることができ、スムーズな動き出し特性が得られる。
【0041】
図10に、ピストン18がロッド側ストロークエンドに接近し停止するときのピストン18の位置Xと第2圧力室26から圧力流体を排出する流路面積Sとの関係、および、ピストン18がロッド側ストロークエンドから動き出すときのピストン18の位置Xと第2圧力室26に圧力流体を供給する流路面積Sとの関係を示す。前者は実線で示され、後者は点線で示されている。
【0042】
図10において、X1は、第2クッションパッキン38が第2クッションリング32に摺接し始めたときまたは摺接を終えたときのピストン18の位置、X2は、第2クッションパッキン38がロッド側緩衝溝34の終端に位置するときのピストン18の位置、X3は、ロッド側ストロークエンドにおけるピストン18の位置を示している。また、S1は、第2固定オリフィス16dの断面積であり、S2は、第2固定オリフィス16dの断面積に第2クッションパッキン38の突起38c間の隙間38dの面積を加えた面積である。後述するピストン18のヘッド側ストロークエンド近傍におけるピストン18の位置Xと流路面積Sとの関係もこれと同様である。なお、第2クッションパッキン38が取付溝16e内で軸方向に移動可能であるため、厳密にいえば、ピストン18がストロークエンドに接近するときとストロークエンドから動き出すときとで、例えばX2の値は必ずしも一致しないが、
図10では、便宜上一致するものとして示してある。
【0043】
第2クッションリング32が第2クッション孔16bから抜け出して第2クッションパッキン38が第2クッションリング32の外周から離れると、第2圧力室26に圧力流体を供給する流路面積は最大になり、ピストン速度が急速に上昇する。そして、ピストン18がヘッドカバー14に接近すると、ピストン18と一体の第1クッションリング28がヘッドカバー14の第1クッション孔14bに挿入されるとともに、ヘッドカバー14に装着された第1クッションパッキン36が第1クッションリング28の外周面に摺接する(
図6参照)。
【0044】
第1クッションパッキン36は、第1クッションリング28に摺接すると、第1クッションリング28との接触摩擦により、ヘッドカバー14の取付溝14e内でピストン18から離れる方向に移動する。そして、第1クッションパッキン36の軸方向突出部36bが取付溝14eの他側面に当接し、隣接する突起36c間の隙間36dを介した第1圧力室24と第1クッション孔14bの連通は遮断される。
【0045】
第1クッションパッキン36が第1クッションリング28に摺接し始めてから、ピストン18がストロークエンドに到達する前であって第1クッションパッキン36がヘッド側緩衝溝30の終端30bに達するまでは、第1圧力室24と第1ポート14aを連絡する流路面積は、第1クッションパッキン36が当接する箇所におけるヘッド側緩衝溝30の断面積に第1固定オリフィス14dの断面積を加えたものとなる。第1クッションパッキン36がヘッド側緩衝溝30の終端30bに達してから、ピストン18がストロークエンドに到達するまでは、該流路面積は第1固定オリフィス14dの断面積と等しくなる。すなわち、ピストン18がヘッド側ストロークエンドに接近し停止するとき、第1圧力室24から圧力流体を排出する流路面積が徐々に減少した後に一定となるというメータアウト制御が行われ、所望のクッション効果が得られる。
【0046】
そして、ピストン18がヘッド側ストロークエンドに到達し、ピストンロッド20が最も引き込まれた状態となる(
図7参照)。その後、図示しない切換弁の位置が切り換えられ、第1圧力室24に圧力流体が供給されるとともに第2圧力室26から圧力流体が排出されると、ピストン18がロッドカバー16に向けて駆動される。
【0047】
ピストン18がロッドカバー16に向けて駆動されると、第1クッションパッキン36は、第1クッションリング28との接触摩擦および第1ポート14aから供給される流体の圧力により、ヘッドカバー14の取付溝14e内でピストン18に近づく方向に移動する。そして、第1クッションパッキン36の軸方向突出部36bは、取付溝14eの他側面から離れ、第1圧力室24は、第1クッションパッキン36の隣接する突起36c間の隙間36dを介して第1クッション孔14bと連通する。
【0048】
ピストン18がロッドカバー16に向けて移動し始めてから、第1クッションリング28が第1クッション孔14bから抜け出して第1クッションパッキン36が第1クッションリング28の外周から離れるまでの間、第1圧力室24に圧力流体を供給する流路面積は、第1固定オリフィス14dの断面積と、隣接する突起36c間の隙間36dの面積とを合わせた一定値を保った後、この一定値に徐々に増加するヘッド側緩衝溝30の断面積が加わったものとなる。すなわち、ピストン18がヘッド側ストロークエンドから動き出すとき、第1圧力室24に圧力流体を供給する流路面積が一定値を保った後に徐々に増加するというメータイン制御が行われる。このメータイン制御時の流路面積は、前述のメータアウト制御時の流路面積に比べて隙間36dの面積だけ大きいので、ピストン18の飛び出し現象を抑えることができ、スムーズな動き出し特性が得られる。
【0049】
以後、流体圧シリンダ10は、上述した動作を繰り返す。本実施形態の流体圧シリンダ10はピストンロッド20が最も押し出された状態で仕事をするものとして説明したが、これに限られるものではない。また、ロッド側ストロークエンドでのクッション効果とヘッド側ストロークエンドでのクッション効果を異ならせることもできるほか、ロッド側ストロークエンドからのピストン18の動き出し特性とヘッド側ストロークエンドからのピストン18の動き出し特性を異ならせることもできる。
【0050】
本実施形態に係る流体圧シリンダ10によれば、クッションリング28、32に形成された断面積が変化する緩衝溝30、34と、バイパス路14c、16cに設けられた固定オリフィス14d、16dと、突起36c、38cを有し取付溝14e、16e内で軸方向に移動可能なクッションパッキン36、38とを組み合わせることにより、ピストン18がストロークエンドに接近し停止するときの流路面積およびピストン18がストロークエンドから動き出すときの流路面積をピストン18の変位に応じてきめ細かく設定できる。
【0051】
本実施形態では、第1クッションリング28の軸線28b回りに120度の間隔で3本のヘッド側緩衝溝30を設けたが、第1クッションリング28の軸線28b回りに適宜の間隔で複数のヘッド側緩衝溝30を設けたものでもよく、また、ヘッド側緩衝溝30を1本のみとしてもよい。ロッド側緩衝溝34についても同様である。
【0052】
また、本実施形態では、第1クッションパッキン36が当接可能な部位におけるヘッド側緩衝溝30について、終端30bに向かうにつれて徐々に浅くすることで断面積を徐々に減少させているが、終端30bに向かうにつれて断面積が徐々に減少するものであればよく、例えば、終端30bに向かうにつれて徐々に幅を狭くしてもよい。ロッド側緩衝溝34についても同様である。
【0053】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態に係る流体圧シリンダ50について、
図11~
図15を参照しながら説明する。第2実施形態は、クッションパッキンの構成が第1実施形態と異なるほか、バイパス路と固定オリフィスを有しない点が第1実施形態と異なる。なお、上述した流体圧シリンダ10と同一または同等の構成要素には同一の参照符号を付し、詳細な説明を省略する。
【0054】
第1クッション孔14bを構成するヘッドカバー14の内壁には、第1クッションパッキン52を装着するための取付溝14eが形成されている。環状の第1クッションパッキン52は、第1クッションリング28に摺接可能であり、取付溝14e内で軸方向に移動可能となるように装着されている。
【0055】
図14に示すように、第1クッションパッキン52は、その内周面から径方向内側に向けて突出する環状の内径側突出部52aと、ピストン18から離れた側面から軸方向に突出する環状の軸方向突出部52bとを有する。第1クッションパッキン52は、内径側突出部52aにおいて第1クッションリング28の外周に摺接する。
【0056】
第1クッションパッキン52の軸方向突出部52bの先端は、第1クッションパッキン52が取付溝14e内でピストン18から離れる方向に移動したとき、取付溝14eの他側面(ピストン18から離れた側面)に当接する(
図11参照)。
図13および
図14に示すように、軸方向突出部52bは、周方向の所定位置においてその先端が切り欠かれることで、切欠き部52eを有している。本実施形態では、軸方向突出部52bの周方向1箇所のみに切欠き部52eを設けているが、周方向の複数個所に切欠き部52eを設けてもよい。
【0057】
第1クッションパッキン52には、その外周面からピストン18に近い側面まで延びる複数の突起52cが周方向に等間隔に設けられている。外周に位置する複数の突起52cの先端は、常に取付溝14eの底面に当接しており、側面に位置する複数の突起52cの先端は、第1クッションパッキン52が取付溝14e内でピストン18に近づく方向に移動したとき、取付溝14eの一側面(ピストン18に近い側面)に当接する。
【0058】
隣接する突起52cの間には隙間52dが形成され、この隙間52dは、第1クッションパッキン52が第1クッションリング28に摺接するとき、第1圧力室24と第1クッション孔14bとの連通状態を維持して圧力流体の通路となる。また、軸方向突出部52bの先端が取付溝14eの他側面に当接するとき、軸方向突出部52bの切欠き部52eは、第1圧力室24と第1クッション孔14bとの連通状態を維持して圧力流体の通路となる。切欠き部52eによる流路面積は、隙間52dによる流路面積よりも小さい。
【0059】
ロッドカバー16の取付溝16eには、第1クッションパッキン52と同じ構成を有する第2クッションパッキン54が第1クッションパッキン52とは向きを変えた状態で装着されている。
【0060】
第1圧力室24に圧力流体が供給されるとともに第2圧力室26から流体が排出されることで、ピストン18がロッドカバー16に向けて駆動されると、第2クッションリング32がロッドカバー16の第2クッション孔16bに挿入されるとともに、ロッドカバー16に装着された第2クッションパッキン54がその内径側突出部54aにおいて第2クッションリング32の外周面に摺接する(
図12参照)。このとき、第2クッションパッキン54は、ロッドカバー16の取付溝16e内でピストン18から離れる方向に移動し、その軸方向突出部54bが取付溝16eの他側面に当接する。
【0061】
第2クッションパッキン54が第2クッションリング32に摺接し始めてから、ピストン18がロッド側ストロークエンドに到達する前であって第2クッションパッキン54がロッド側緩衝溝34の終端に達するまでは、第2圧力室26と第2ポート16aを連絡する流路面積は、第2クッションパッキン54が当接する箇所におけるロッド側緩衝溝34の断面積に第2クッションパッキン54の切欠き部54eによる流路面積を加えたものとなる。第2クッションパッキン54がロッド側緩衝溝34の終端に達してから、ピストン18がロッド側ストロークエンドに到達するまでは、該流路面積は、第2クッションパッキン54の切欠き部54eによる流路面積と等しくなる。すなわち、ピストン18がロッド側ストロークエンドに接近し停止するとき、第2圧力室26から圧力流体を排出する流路面積が徐々に減少した後に一定となるというメータアウト制御が行われ、所望のクッション効果が得られる。
【0062】
ピストン18がロッド側ストロークエンドに到達した後、第2圧力室26に圧力流体が供給されるとともに第1圧力室24から圧力流体が排出されると、ピストン18がヘッドカバー14に向けて駆動される。第2クッションパッキン54は、ロッドカバー16の取付溝16e内でピストン18に近づく方向に移動し、その軸方向突出部54bが取付溝16eの他側面から離れ、第2圧力室26は、第2クッションパッキン54の隣接する突起54c間の隙間54dを介して第2クッション孔16bと連通する。
【0063】
ピストン18がヘッドカバー14に向けて移動し始めてから、第2クッションリング32が第2クッション孔16bから抜け出して第2クッションパッキン54が第2クッションリング32の外周から離れるまでの間、第2圧力室26に圧力流体を供給する流路面積は、隣接する突起54c間の隙間54dによる流路面積を保った後、該流路面積に徐々に増加するロッド側緩衝溝34の断面積が加わったものとなる。すなわち、ピストン18がロッド側ストロークエンドから動き出すとき、第2圧力室26に圧力流体を供給する流路面積が一定値を保った後に徐々に増加するというメータイン制御が行われる。隙間52dによる流路面積は切欠き部52eによる流路面積よりも大きいため、このメータイン制御時の流路面積は前述のメータアウト制御時の流路面積より大きく、ピストン18の飛び出し現象を抑えることができ、スムーズな動き出し特性が得られる。
【0064】
図15に、ピストン18がロッド側ストロークエンドに接近し停止するときのピストン18の位置Xと第2圧力室26から圧力流体を排出する流路面積Sとの関係、および、ピストン18がロッド側ストロークエンドから動き出すときのピストン18の位置Xと第2圧力室26に圧力流体を供給する流路面積Sとの関係を示す。前者は実線で示され、後者は点線で示されている。
【0065】
図15において、X1は、第2クッションパッキン54が第2クッションリング32に摺接し始めたときまたは摺接を終えたときのピストン18の位置、X2は、第2クッションパッキン54がロッド側緩衝溝34の終端に位置するときのピストン18の位置、X3は、ロッド側ストロークエンドにおけるピストン18の位置を示している。また、S3は、第2クッションパッキン54の軸方向突出部54bの切欠き部54eによる流路面積であり、S4は、第2クッションパッキン54の隣接する突起54c間の隙間54dによる流路面積である。ピストン18のヘッド側ストロークエンド近傍におけるピストン18の位置Xと流路面積Sとの関係もこれと同様である。
【0066】
本実施形態に係る流体圧シリンダ50によれば、クッションリング28、32に形成された断面積が変化する緩衝溝30、34と、突起52c、54cおよび切欠き部52e、54eを有し取付溝14e、16e内で軸方向に移動可能なクッションパッキン52、54とを組み合わせることにより、ピストン18がストロークエンドに接近し停止するときの流路面積およびピストン18がストロークエンドから動き出すときの流路面積をピストン18の変位に応じてきめ細かく設定できる。
【0067】
本発明に係る流体圧シリンダは、上述の実施形態に限らず、本発明の要旨を逸脱することのない範囲で、種々の構成を採り得ることはもちろんである。
【符号の説明】
【0068】
10、50…流体圧シリンダ 12…シリンダチューブ
14…ヘッドカバー(カバー部材) 14a…第1ポート(ポート)
14b…第1クッション孔(クッション孔)
14c…第1バイパス路(バイパス路)
14d…第1固定オリフィス(固定オリフィス)
14e、16e…取付溝
16…ロッドカバー(カバー部材) 16a…第2ポート(ポート)
16b…第2クッション孔(クッション孔)
16c…第2バイパス路(バイパス路)
16d…第2固定オリフィス(固定オリフィス)
18…ピストン 20…ピストンロッド
24…第1圧力室(圧力室) 26…第2圧力室(圧力室)
28…第1クッションリング(クッションリング)
30…ヘッド側緩衝溝(緩衝溝)
32…第2クッションリング(クッションリング)
34…ロッド側緩衝溝(緩衝溝)
36、52…第1クッションパッキン(クッションパッキン)
36c、38c、52c、54c…突起
36d、38d、52d、54d…隙間
38、54…第2クッションパッキン(クッションパッキン)
52e、54e…切欠き部