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<図1>
  • 特許-搬送乾燥装置 図1
  • 特許-搬送乾燥装置 図2
  • 特許-搬送乾燥装置 図3
  • 特許-搬送乾燥装置 図4
  • 特許-搬送乾燥装置 図5
  • 特許-搬送乾燥装置 図6
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  • 特許-搬送乾燥装置 図10
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-31
(45)【発行日】2023-08-08
(54)【発明の名称】搬送乾燥装置
(51)【国際特許分類】
   F26B 15/12 20060101AFI20230801BHJP
   F26B 21/00 20060101ALI20230801BHJP
   A23N 12/08 20060101ALI20230801BHJP
【FI】
F26B15/12 Z
F26B21/00 A
A23N12/08 Z
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2020214150
(22)【出願日】2020-12-23
(65)【公開番号】P2022100025
(43)【公開日】2022-07-05
【審査請求日】2023-01-04
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】594189279
【氏名又は名称】株式会社木原製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100111132
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 浩
(72)【発明者】
【氏名】中村 宏之
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 新悟
(72)【発明者】
【氏名】木原 利昌
【審査官】伊藤 紀史
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-188217(JP,A)
【文献】特開2012-112540(JP,A)
【文献】韓国登録実用新案第20-0433503(KR,Y1)
【文献】特開2011-220593(JP,A)
【文献】中国実用新案第211233812(CN,U)
【文献】特開2001-321105(JP,A)
【文献】中国実用新案第202374970(CN,U)
【文献】中国実用新案第204443976(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F26B 15/12
F26B 21/00
A23N 12/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
食物を搬送しながら乾燥させる搬送乾燥装置であって、
前記食物を乾燥させる乾燥室と、
前記食物を載置して前記乾燥室内を通過するベルトコンベアと、
前記乾燥室内に温風を供給する温風ファンと、
前記ベルトコンベアの上方又は下方に設置された前記温風ファンの吹出し口と、
前記乾燥室内の空気を排出する第1の排気ダクトと、
前記吹出し口に対し前記ベルトコンベアを挟むように設置されている前記第1の排気ダクトの第1の吸気口と、
前記第1の吸気口と前記ベルトコンベアとの間に設置された仕切り板と、
この仕切り板上に設置され前記吹出し口と対向する反射部と、を備え、
前記ベルトコンベアのベルト及び前記仕切り板は通気性を有し、
前記反射部は波板であることを特徴とする搬送乾燥装置。
【請求項2】
前記仕切り板上において、前記反射部の周囲に導風部が立設されていることを特徴とする請求項に記載の搬送乾燥装置。
【請求項3】
前記吹出し口には、1枚以上の風向板を備え前記吹出し口より吹出される前記温風を前記反射部に向く2つ以上の温風要素に分割する整流器が設置されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の搬送乾燥装置。
【請求項4】
前記吹出し口に対して搬送方向の上流側及び/又は下流側で、かつ前記ベルトコンベアに対して前記吹出し口と同じ側に第2の吸気口を備えた第2の排気ダクトを有することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の搬送乾燥装置。
【請求項5】
前記ベルトコンベアには搬送方向の上流側から下流側に向かって前記ベルトコンベアの高さが低くなる段差が少なくとも1ヶ所以上設けられていることを特徴とする請求項1乃至請求項のいずれか1項に記載の搬送乾燥装置。
【請求項6】
前記ベルトコンベアが通過する前記乾燥室が一列に2つ以上並んで配置されていることを特徴とする請求項1乃至請求項のいずれか1項に記載の搬送乾燥装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンベアで搬送しながら収穫した野菜等の食物を乾燥させるための装置であり、特に食物の外面を短時間でムラなく乾燥させることが可能な搬送乾燥装置に関する。
【背景技術】
【0002】
農場等で収穫された野菜・果実といった食物は、販売前に商品価値を高めるため、農業従事者、加工業者等により様々な処理(例えば、洗浄、殺菌、異物除去等)が行われる。
このうち、処理方法として多用されている洗浄については、食物をコンベアで搬送しながら水等の洗浄液を吹き付けたり、食物を液槽内へ潜らせたりするという方法が良く知られている。そして、このような方法で洗浄された食物は、その後、段ボール箱等で梱包されて所定の消費地へ出荷される。
【0003】
このとき、食物は洗浄されて直ちに段ボール箱等で梱包されるわけではなく、食物に付着した水分が段ボール箱へ移行しないようにするため事前に乾燥処理も行われる。なぜなら、もし多量の水分が付着したままの食物を段ボール箱に入れた場合、段ボール箱が濡れて強度が低下してしまい運搬時に食物の重さに耐えられず破損してしまう恐れがあるからである。
また、梱包された食物は消費地に到着するまでほぼ密封された状態となることも多い。そのため、洗浄された食物が十分に乾燥処理されていない場合には、食物は付着していた水分により形成された高湿環境下に長時間置かれてしまうことになる。このような環境下では土壌菌等の雑菌が繁殖し易くなり、食物が腐敗してしまうことも予想され、最悪の場合、食物の商品価値がゼロになってしまうという問題もある。このような問題は、雑菌の繁殖が進み易い食物(例えば、里芋等)を取り扱う者にとって無視できるものではない。このため、里芋等のように保管環境にデリケートな食物を取り扱う農業従事者は徹底した湿度管理を行い、食物の価値低下を抑制しているのである。
【0004】
一方、物流システムの進歩により、上述する里芋のようなデリケートな食物であっても、新鮮な状態を維持しながら遠方の地域に短時間で届けることができるようになってきている。そのため、このような最新の物流システムを活用すれば、そもそも上述するような徹底した管理のもと食物を乾燥させる必要はないとも言える。しかしながら、このような物流システムの利用コストは高く、その物流システムを利用した場合には食物の販売価格に反映されてしまう。この結果、食品が高価になってしまうことで消費者の購買意欲は減退してしまい、高い商品価値を有するにも関わらず売上げが伸びなくなるという課題もあった。以上のような背景もあり、農業従事者は依然として多大な労力をかけて、洗浄後の食物に対して厳格な管理のもと乾燥を行っているのである。
【0005】
しかしながら、近年、地方の食材が脚光を浴びてその消費も拡大してきており、洗浄された食物に対してスピーディにムラなく、そして大量に乾燥処理させることができる技術を求める農業従事者等からの声が強くなってきている。
さらに、このような乾燥技術に加えて、野菜の種に合わせて最適な温度条件で乾燥させる技術を求める声も強くなっている。なぜなら、このような技術があれば、例えば熱に弱く変色し易い食物を扱う農業従事者にとって熱劣化を抑えるような乾燥条件を設定するのに好都合だからである。
【0006】
以上のような課題を解決するための技術として、最近では特許文献1及び特許文献2に記載された考案・発明が開示されている。
特許文献1では、「果実等の乾燥装置」という名称で、洗浄した果実等をコンベアにより搬送しながら乾燥させることができ、かつ果実の全周に対し迅速に乾燥させることが可能な乾燥装置に関する考案が開示されている。
この特許文献1に開示される考案は、間隙を有し、果実等を載せて移送するコンベアの上下いずれかの一方の側に、果実を乾燥するための乾燥風を吹き当てる送風口又は送風機を設けるとともに、他方の側にはこの乾燥風を排出する排気口が設けられ、このコンベアの排気口側には送風口又は送風機側から吹出される乾燥風をコンベアの他側に向けて誘導する風導板が設けられていることを特徴としている。
【0007】
このような構成の特許文献1に開示されている考案によれば、送風口又は送風機から吹出す乾燥風は、初めコンベア上の果実等の上下のいずれか一方の表面に当たるという作用を有する。一方、果実等に当たらず、そのままコンベアの間隙を通過した乾燥風は、風導板に当たることで再びコンベア側に向かうという作用を有する。そして、風導板で反射された乾燥風はコンベアの間隙を通過して果実等の他方の表面に当たるという作用を有する。
以上の作用により、特許文献1に開示される考案によれば、コンベアに搬送される果実等を上下方向からの乾燥風で曝すことができ、果実等を迅速かつ効率良く乾燥させることが可能になる。
【0008】
また、特許文献2には「麺の熱風乾燥方法及び装置」という名称で、麺組織を均一に緻密化させた即席麺を安定して製造することが可能な熱風乾燥装置に関する発明が開示されている。
特許文献2に開示されている発明は、コンベアにより搬送されてきた麺が列状に複数配置された乾燥室を通過するものであって、各乾燥室は空気を加熱するヒータと、このヒータにより加熱された空気を乾燥室内に送り出す送風装置と、この送風装置から送られる熱風を層流とし、かつ乾燥に最適な風量及び風速に設定して麺に均一に吹き付ける熱風整流手段とを備え、隣接する一対の乾燥室は、一方の乾燥室が麺に対して上方から熱風を吹き付ける熱風整流手段を備え、他方の乾燥室は麺に対して下方から熱風を吹き付ける熱風整流手段を備えていることを特徴としている。
【0009】
このような構成の発明によれば、コンベアにより搬送される麺は、複数の乾燥室を通過する過程において、熱風整流手段により乱流から層流状態に変換され、かつ最適な風量、風速、温度に調整された熱風が上下から均一に吹き付けられるという作用を有する。この結果、麺に上下よりムラなく熱風が吹き付けられ、乾燥ムラが発生しなくなるという効果を有する。そして、乾燥ムラが生じないことで麺の組織は均一に緻密化するため、高品質の即席麺を生産することが可能となるとしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【文献】実願昭55-128101号(実開昭57-49397号)の願書に添付した明細書及び図面の内容を撮影したマイクロフィルム
【文献】特開2001-321105号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
特許文献1に開示されている考案の場合、コンベアに対し乾燥風が様々な方向から当てられるため、コンベア上の果実をムラなく乾燥させる効果があると考えられる。しかしながら、この考案の場合、搬送される果実はコンベア上の定位置から動くことはなく、コンベアと果実との接触面に乾燥風が当たることはない。通常、果実に付着する水滴は、その大きさにもよるが自重により流れ落ち、結果として果実とコンベアとの接触面の周囲に溜まり易くなる。このため、接触面に乾燥風が当たらないような場合には、乾燥時間を延ばしたり、乾燥温度を上げたりする等の対策も必要となるが、これに伴って生産コストは上がり、果実を安価に販売することができなくなるという課題もある。なお、この点に関し、特許文献1ではブラシロールをコンベアに配設し、このブラシロールを回転させて果実に接触させることでコンベア上の果実を自転させる方法について言及している。しかしながら、表面硬度の低い食物の場合、ブラシロールが食物の表面を傷つけてしまう恐れもあり、一部の食物には適用することが難しいという課題もあった。
また、特許文献1に開示される考案は、乾燥風槽を1つしか持たない装置であるため、処理温度を最適値にコントロールしながら乾燥させるのに適しているとは言い難かった。
【0012】
次に、特許文献2に開示される発明であれば、確かに上下から均一な熱風が吹き付けられるため、被乾燥物である麺に乾燥ムラが生じ難くなると考えられる。しかしながら、このような発明であっても、上述した特許文献1の考案と同様に、食物を乾燥させた場合に乾燥ムラが発生しなくなるとは言い難い。なぜなら、乾燥対象が特許文献2のような内部に隙間を有する麺ではなく中実の食物であり、コンベア上の定位置から移動することもないため、上下方向から熱風が吹き付けられてもコンベアと食物との接触面には熱風が当たり難いためである。したがって、特許文献2に開示される発明の場合、麺のような食物であれば上下方向からの熱風により乾燥ムラを抑えることができるものの、野菜等の食物の場合にはコンベアとの接触面の周囲を乾燥させ難いという課題がある。
さらに、特許文献2に開示される発明の場合、1つの乾燥室で熱風の吹き出す方向が1つと決まっているため、上下方向から熱風を被乾燥物に当てたり、かつ温度条件をコントロールしたりする場合には装置が大掛かりになり易く、それに応じて価格も高価になり易い。すなわち、市場に普及させる面での課題もあった。
【0013】
本発明は上述する課題に対処してなされたものであり、その目的は野菜等の食物を所望の乾燥条件により大量に処理することができ、かつ乾燥ムラが起こり難い搬送乾燥装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記課題を解決するため、第1の発明は、食物を搬送しながら乾燥させる搬送乾燥装置であって、食物を乾燥させる乾燥室と、食物を載置して乾燥室内を通過するベルトコンベアと、乾燥室内に温風を供給する温風ファンと、ベルトコンベアの上方又は下方に設置された温風ファンの吹出し口と、乾燥室内の空気を排出する第1の排気ダクトと、吹出し口に対しベルトコンベアを挟むように設置されている第1の排気ダクトの第1の吸気口と、第1の吸気口とベルトコンベアとの間に設置された仕切り板と、この仕切り板上に設置され吹出し口と対向する反射部と、を備え、ベルトコンベアのベルト及び仕切り板は通気性を有することを特徴としている。なお、ここでの食物とは、野菜、根菜及び果実を含む概念を示すものである。この定義については、以降で記載される食物についても同様である。
【0015】
このような構成の第1の発明であれば、食物はベルトコンベアに搬送されながら乾燥室内を通過するという作用を有する。また、食物が通過する乾燥室内では、温風ファンの吹出し口から吹出した温風が食物に当たりながら乾燥室内を通過し、その後第1の排気ダクトの第1の吸気口より排出される。
ここで、乾燥室内を流れる温風は、上述する吹出し口、第1の吸気口、ベルトコンベア、仕切り板、反射部の各構成に関連しながら、大きく3つの流路に分かれて乾燥室内を流れるという作用を有する。そして、これら3つの流路の各温風はそれぞれ異なる作用を有する。以下では、これら3つの温風について、それぞれの具体的な流路と作用について説明する。
【0016】
上述する3つの温風は、いずれも温風ファンの吹出し口から吹出され、最終的に第1の排気ダクトの第1の吸気口から排出される点では共通するが、途中の経路は異なる。そのうち1つ目の温風は、吹出し口から吹出した後ベルトコンベア上にある食物の吹出し口側の面(以下、表(おもて)面とする)に当たって反射し、吹出し口の周囲に滞留する温風である。2つ目の温風は、食物に反射されず複数の食物の間及びベルトコンベア内を通過した後、反射部に当たって反射面の周囲に流れる温風であり、特にベルトコンベア側に向く温風を指す。また、3つ目の温風は、反射部に当たって反射面の周囲に向かって流れ、仕切り板を通過し第1の吸気口に流れていく温風である。
なお、ここでは温風ファンの吹出し口がベルトコンベアの上方に設置されている場合について説明するものである。この吹出し口がベルトコンベアの下方に設置されている場合には、上記の1つ目の温風は食物の表面に当たる前にベルトコンベアを通過する温風となり、2つ目の温風は食物の間を通過する前にベルトコンベアを通過する温風となる。しかしながら、ベルトコンベアに当たる順序が異なる点以外は、吹出し口が上方に配置している場合と同じである。加えて、吹出し口の配置によらず、上述する食物の面の名称である「表(おもて)面」、及び後述の「裏(うら)面」は共通の名称とする。
【0017】
次に、これら3つの温風のそれぞれの作用について説明する。
上述した吹出し口の周囲に滞留する温風は、食物の表面に当たることで当該表面の温度を上昇させたり、当該表面付近の空気中の水分量を減少させたりするという作用を有する。一方、反射部において反射しベルトコンベア側に向かって流れる温風は、食物の第1の吸気口側の面(以下、裏(うら)面とする)に当たることで、当該裏面の温度を上昇させたり、当該裏面付近の空気中の水分量を減少させたりするという作用を有する。さらに、食物と接触することなく仕切り板を通過して第1の吸気口へ流れる温風は、乾燥室内を通過する過程で室内の空気と置換されるため、乾燥室内の温度を上昇させたり乾燥室内の水分率の上昇を抑えたりするという作用を有する。詳細は後述するが、これら3つの温風のそれぞれの作用が組み合わされることで、乾燥室内の食物の表裏面に付着する水分がムラなく除去されるという効果を発現させる。
【0018】
次に、第2の発明は、第1の発明において、吹出し口には、1枚以上の風向板を備え吹出し口より吹出される温風を反射部に向く2つ以上の温風要素に分割する整流器が設置されていることを特徴とする。
このような構成の第2の発明であれば、第1の発明の作用に加えて、吹出し口から吹出された温風は、整流器を通過することで、例えば層流のような互いに離隔した2つ以上の温風要素に分割されるという作用を有する。そして、これら温風要素は離隔した状態でベルトコンベアに向かって流れるという作用も有する。さらに、分割された温風要素のそれぞれにおいて、第1の発明において述べた3つの温風が形成されるという作用を有する。なお、3つの流路の各温風は第1の発明と同じ作用を有するが、厳密に言えば差異点を有する。次に、第2の発明における温風の、第1の発明との差異点について説明する。
【0019】
まず、第2の発明における1つ目の温風は、整流器により形成された各温風要素から生じ、ベルトコンベア上にある食物の表面に当たって反射され、吹出し口の周囲に滞留する温風である。ここで、第1の発明とは異なり、食物の表面に当たった後、温風の一部は整流器から流れてくる温風要素間の隙間を通過しながら拡散する。次に、2つ目の温風は、整流器により形成された各温風要素から生じ、反射部で反射してベルトコンベアに向かう温風である。このベルトコンベアに向かう温風も第1の発明の場合とは異なり、反射部の反射面の周囲に流れ、かつベルトコンベアに向かう成分だけではない。この温風には反射部において反射した際に温風要素間の隙間を通過してくる温風も含まれる。
そして、整流器により形成された各温風要素から形成される3つ目の温風は、反射部に当たって反射面の周囲に向かって流れ、その後仕切り板を通過して排気される温風となる。なお、反射部において反射した際に温風要素間の隙間を通過してくる成分については、上述する吹出し口周辺に滞留する温風、反射部において反射した後にベルトコンベアに向かう温風の場合にも同様に存在する。
【0020】
以上のように、第2の発明の場合も、第1の発明と同様に上述する3つの温風が生じ、それぞれの温風は基本的に第1の発明と同じ作用を有する。加えて、吹出し口の周囲に滞留する1つ目の温風に関し、その一部は温風要素間の隙間を通過してくるため、ベルトコンベアに向かう温風要素の流れを阻害し難くなるという作用も有する。また、反射部で反射する温風は、温風要素の間を通過可能となり、ベルトコンベアに向かう温風の量も増加するという作用も有する。さらに、反射部で反射して仕切り板に向かう温風も、反射部に向かってくる温風要素に阻害され難くなり、スムーズに仕切り板に向かって流れるという作用を有する。
【0021】
次に、第3の発明は、第1又は第2の発明の仕切り板上において、反射部の周囲に導風部が立設されていることを特徴としている。
このような構成の第3の発明であれば、上述する第1又は第2の発明の作用に加え、反射部に到達してベルトコンベアの方向に反射せず仕切り板へと向かう温風の一部が、導風部に当たりベルトコンベアに向かう新たな温風に変化するという作用を有する。そして、この新たに形成された温風は、食物の裏面に当たり、当該裏面付近の空気中の水分量を減少させたり温度上昇させたりするという作用を有する。
なお、この導風部について仕様上の指定はなく、上述する作用を生じるのであれば特に形状・配置に制限はない。
【0022】
そして、第4の発明は、上述する第1乃至第3の発明のいずれかの発明において、吹出し口に対して搬送方向の上流側及び/又は下流側で、かつベルトコンベアに対して吹出し口と同じ側に第2の吸気口を備えた第2の排気ダクトを有することを特徴としている。
このような構成の第4の発明であれば、上述する第1乃至第3の発明の作用に加えて、第2の吸気口による吸引力が反射部に到達した温風に影響して、その温風の一部をベルトコンベア側に向くように変化させるという作用を有する。
なお、本願における「搬送方向の上流側及び/又は下流側」とは、搬送方向の上流側と搬送方向の下流側のいずれか一方かあるいはその両方を意味している。
【0023】
また、第5の発明は、上述する第1又は第2の発明において、反射部が、進行方向に平行な断面視でU字状であり、その凹面がベルトコンベアに向けられていることを特徴とするものである。
このような構成の第5の発明であれば、上述する第1又は第2の発明の作用に加えて、反射部が、反射部に到達し反射部に沿って流れて仕切り板側を通過していた温風の全てをその凹面に沿って流し、その多くをベルトコンベアに向かう新たな温風に変化させるという作用を有する。そして、このように形成された温風は、食物の裏面に当たることで、当該裏面付近の空気中の水分量を減少させたり温度上昇させたりするという作用を有する。
【0024】
そして、第6の発明は、上述する第1乃至第5の発明のいずれかの発明において、ベルトコンベアには搬送方向の上流側から下流側に向かってベルトコンベアの高さが低くなる段差が少なくとも1ヶ所以上設けられていることを特徴としている。
このような構成の第6の発明であれば、上述する第1乃至第5の発明の作用に加えて、食物は段差に引っ掛かることなく通過するとともに、通過する段差の数だけ食物が転動し、転動する度にその姿勢並びにベルトコンベア上の配置が変わるという作用を有する。
【0025】
また、第7の発明は、上述する第1乃至第6の発明のいずれかの発明であって、ベルトコンベアが通過する乾燥室が一列に2つ以上並んで配置されていることを特徴としている。
このような構成の第7の発明であれば、上述の第1乃至第6の発明のいずれかの作用に加えて、各乾燥室の乾燥条件が個別に設定可能になるという作用を有する。
【発明の効果】
【0026】
上述するような第1の発明であれば、食物をベルトコンベアに載せて搬送させながら、連続的に大量の食物を乾燥処理することができる。また、食物が通過する乾燥室内では、温風ファンの吹出し口から吹出した温風が食物に接触しながら水分を奪い、その後第1の排気ダクトより排出される。このため、乾燥室内の水分量が増加して乾燥能力を低下させることなく乾燥処理を行うことが可能となる。さらに、上述した3つの温風の作用により、以下の効果を有する。
まず、食物に当たって吹出し口の周囲に滞留する温風により、食物の表面を乾燥させるという効果を有する。さらに、反射部に当たりベルトコンベアに流れる温風により、食物の裏面を乾燥させることができる。すなわち、本発明の搬送乾燥装置であれば、食物に二方向から温風が当てられることで、乾燥ムラの発生が抑制されるという効果がある。この結果、これまで乾燥ムラを抑制するために行っていた長時間の乾燥処理が不要となり、食物の変質が抑えられ、乾燥処理のコストの低減にも繋がると考えられる。そして、反射部により反射した後仕切り板を通過して排気される温風により、乾燥室内が乾燥され易い状態に維持されることで、乾燥室内の乾燥処理を一層促進させることができる。
なお、吹出し口から吹出す温風を一層効率的に食物に当てるために、ダクトを用いて吹出し口を食物の付近に配置させてもよい。これにより、吹出し口から吹出した温風が食物に当たるまでに周囲に拡散してしまうことを防ぐことが可能となる。この結果、食物の表面を効率的に乾燥させることができるようになる。
【0027】
一方で、使用者はベルトコンベア上に載せる食物の数量を適切に調整することで、上述する効果を最大限発揮させることもできる。なぜなら、本願発明の場合、ベルトコンベア上の食物の密度によってベルトコンベアを通過する温風の量が変化するからである。例えば、食物が高密度に配置されている場合、反射部において反射しベルトコンベア側及び仕切り板側に流れる温風の量が減少するため、食物の裏面の乾燥が困難となるばかりか、乾燥室内の水分率が下がり難くなるという問題が生じる。
【0028】
次に、第2の発明であれば、第1の発明の効果に加えて、吹出し口から吹出す温風が整流器により2つ以上の温風要素に分割されるため、食物の表面で反射された温風の一部は、食物の表面に向かってくる温風要素間の隙間を通過可能となる。これにより、隙間を通過する温風の分だけ整流器から出る温風要素の流れを阻害しなくなり、ベルトコンベア及び食物に向かう温風の量を増加させることができる。さらに、反射部まで到達した温風要素の一部は反射後に温風要素間も通過することができるため、ベルトコンベアに向かう温風の量も増加することになる。このような温風量の増加が食物の裏面を乾燥させる効果を増大させることは言うまでもない。すなわち、第2の発明によれば、前述の課題をより効果的に解決することができる。
【0029】
次に、上述する第3の発明によれば、第1又は第2の発明の効果に加えて、反射部に当たり反射部に沿って流れ、その後仕切り板を通過して第1の吸気口に向かう温風を導風部が阻害して方向を変化させ、その温風をベルトコンベア及び食物に向かう温風とすることで、食物の裏面を乾燥させる効果をより一層発揮させることができる。
【0030】
そして、第4の発明によれば、第1乃至第3の発明のいずれかの効果に加えて、反射部から第1の吸気口に向かう温風の向きを、第2の吸気口による吸引力によりベルトコンベア及び食物に向く温風に変化させることで、食物の裏面を乾燥させる効果を向上させることができる。
【0031】
次に、上述する第5の発明によれば、第1又は第2の発明の効果に加えて、進行方向に平行な断面視でU字状の反射部の凹面に当たった温風が、その凹面に沿って流れることでベルトコンベア及び食物に向かう温風となり、食物の裏面を乾燥させる効果をさらに向上させることができる。
【0032】
次に、第6の発明によれば、第1乃至第5の発明のいずれかの効果に加えて、食物が段差を通過する度に転動して姿勢並びに配置が変えられることで、食物の外面に転動前とは異なる方向から温風を当てることができる。これにより、外面に凹凸が多く存在するような食物であったり、ベルトコンベアと食物との接触面に水等が溜まっていたりする場合でも、食物の外面全体に温風を当てることができるようになり、乾燥ムラが一層起こり難くなる。
【0033】
一方、第7の発明によれば、第1乃至第6の発明のいずれかの効果に加えて、温風の風量、乾燥温度等の乾燥条件の幅を広げることができる。これにより、様々な食物に対し、個別に最適な乾燥条件を設定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
図1】本発明の第1の実施の形態に係る搬送乾燥装置の外観図である。
図2図1におけるX-X線矢視断面図である。
図3図1に示す乾燥室内部の構成を説明するための概略図である。
図4図1に示す乾燥室内の温風の流れを説明するための概略図であり、(a)は図1において反射部と導風部が設置されていない乾燥室の場合であり、(b)は図1に示す乾燥室の場合である。
図5図1における搬送乾燥装置の段差における食物の動きを説明するための概略図である。
図6】本発明の第2の実施の形態に係る搬送乾燥装置の乾燥室内部の構成を説明するための概略図である。
図7図6に示す搬送乾燥装置の乾燥室内における温風の流れを説明するための概略図である。
図8】本発明の第3の実施の形態に係る搬送乾燥装置の乾燥室内における温風の流れを説明するための概略図である。
図9】本発明の第4の実施の形態に係る搬送乾燥装置の乾燥室内部の構成を説明するための概略図である。
図10図9に示す搬送乾燥装置の乾燥室内における温風の流れを説明するための概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
本発明の搬送乾燥装置について、その具体的な構造と、それに基づいて発揮される作用及び効果について、図1乃至図10を用いながら説明する。また、いずれの図についても、構成を把握し易くするため、説明上不必要な構成(電源装置、制御装置等)については記載していない。また、各図の高さ方向に関しては、図1,3,6,9については紙面左方向を、その他は紙面の上方向を高さ方向としている。
【実施例1】
【0036】
まず初めに、本発明の第1の実施の形態に係る搬送乾燥装置について、図1乃至図5を用いながら説明する。
図1は本発明の第1の実施の形態に係る搬送乾燥装置の外観図である。なお、搬送乾燥装置の内部の状態を把握し易くするため、内部の構成を破線により示すとともに、図面を視覚的に把握し易くするために複数ある同じ構成については、その一部のみに符号を付している。一方、一点鎖線で示した矢印は食物が搬送される方向を示し、点線で描かれた円で囲む部分は後述する段差の設置された場所を示している。
一方、図2図1に示す本発明の第1の実施の形態に係る搬送乾燥装置のX-X線矢視断面図である。なお、内部の状態を見易くするため、図1と同様に複数ある同じ構成についてはその一部のみに符号を付している。
また、ここで図示する本発明の第1の実施の形態に係る搬送乾燥装置(以下、搬送乾燥装置1とする)は例として挙げたものであり、後述する作用・効果が生じる範囲内であれば、乾燥室の台数、構成部材の形状等は任意に決めることが可能である。この点については、本願明細書に記載される他の実施例においても同様である。
【0037】
図1に示すように、搬送乾燥装置1では、乾燥室2a,2b,2cが連結された構造を有する乾燥室2と、ローラ3aに支持されてモータ3bにより駆動し通気性を有するベルト3cを備え、乾燥室2の内部を通過するベルトコンベア3とが設置されている。さらに、3つの乾燥室2a,2b,2cのそれぞれの上方には、ファン4aとヒータ4bとを備え、各乾燥室内に温風を供給する温風ファン4が設置され、乾燥室2a,2b,2cの下方には空気を排出するための第1の排気ダクト5が設置されている。なお、乾燥室2a,2b,2c内にはベルトコンベア3の実質的に食物を搬送する部分のみが通過するように配置されているが、ベルトコンベア3の他の部分も乾燥室内に配置されていてもよい。
ここで、上述するベルト3cは高い通気性を有する以外に仕様上制限はなく、使用者の行う乾燥の条件に合わせて任意に仕様を決めることができる。なお、現在様々なベルトが市販されているが、例えばステンレスメッシュ製等の金属製ベルトであれば、強度も高く腐食等し難いため搬送乾燥装置用としては好適である。一方、ベルト3cを支持する複数のローラ3aは、一部がベルト3cを下方から支持する板状部材(受け板等)に置き替えられていてもよい。ベルトコンベア3が搬送機能を発揮できるのであれば、ベルトコンベア3は使用者の所望の部材を用いて構成されていてもよい。
【0038】
また、図1の乾燥室2a内において、点線で描かれた円で囲まれているベルトコンベア3には、搬送方向の上流側から下流側に向かって高さが低くなるように段差2dが設けられている。この段差2dは、ベルト3cを下方から支持し高さの異なる2つの隣り合うローラ3a,3aの間において、ベルト3cが上方から押さえローラ3eにより押さえられることで形成されている。そして、ベルトコンベア3上の食物の搬送を阻害しないように、ベルト3cを上方より押さえている押さえローラ3eを覆う乗り継ぎ板3dがベルトコンベア3に設置されている(図5参照)。なお、段差2dは必ずしも乾燥室2aに設置される必要はなく、乾燥室2b,2cに設置されていてもよい。
【0039】
次に、乾燥室2a,2b,2cの内部構造について図1並びに図2を用いながら詳細に説明する。なお、図2は乾燥室2bのX-X線矢視断面図であり、代表例として説明に用いる。
図1図2より、乾燥室2bの内部には、温風が吹出される温風ファン4の吹出し口4cがベルトコンベア3の上方に設置されている。そして、乾燥室2の下方には第1の排気ダクト5の第1の吸気口5aが配置されている。さらに、この第1の吸気口5aとベルト3cの間には、孔2f(図3参照)が複数形成され乾燥室2bを上下に分割する仕切り板2eが設置されている。なお、この仕切り板2eは、既にベルト3cの説明において例示したステンレス製のメッシュであっても良く、例えば図3に示すような複数の孔2fが形成された多孔板を用いたものであってもよい。
さらに、この仕切り板2e上には、吹出し口4cと対向し、この吹出し口4cから吹出す温風が当たる位置に断面視凹凸状の反射部2gが設置され、この反射部2gに対して上流側及び下流側に断面L字状の導風部2hが立設されている(図1参照)。このような構成を有する乾燥室2bの内部を分かり易く描いた概略図を図3に示す。
【0040】
図3は本発明の第1の実施の形態に係る搬送乾燥装置の乾燥室内部の構成を説明するための概略図である。なお、代表例として乾燥室2bを示すが(以降、乾燥室内部の説明の際には同様に乾燥室2bを代表例とする)、この乾燥室2bを囲む壁と、ローラ3a及び仕切り板2eより下に設置されている構成(第1の排気ダクト5等)については、他の構成が見易いように図示しておらず、ベルト3c(ベルトコンベア3)も同様の理由から概形を破線で示すのみとした。
図3に示すように、吹出し口4cの下方には、上から順にベルト3c(ベルトコンベア3)、反射部2g、仕切り板2eが配置され、さらに反射部2gの上流側と下流側には断面L字状の導風部2hが反射部2gを挟むように立設されている。このような配置であるため、吹出し口4cから吹出した温風はベルト3c(ベルトコンベア3)を通過した後反射部2gに当たって反射し、反射部2gの周囲に拡散される。ここで反射された温風は、その後周囲に流れながら、最終的に仕切り板2eの孔2fを通過して第1の吸気口5a(図示せず)に吸い込まれて外部に排出される。なお、反射部2gの形状については特に限定しておらず、同一の作用・効果が得られるのであれば平板でもよく、適宜使用者が調整を加えた形状であってもよい。加えて、設置する方法についても特に指定はなく、平板や波板を仕切り板2e上に載置するだけであってもよい。また、反射部2g及び導風部2hは仕切り板2e上に載置されているが、いずれか少なくとも一方が仕切り板2eと一体化していてもよい。
【0041】
次に、搬送乾燥装置1の作用について説明する。上述した構成を有する搬送乾燥装置1であれば、食物はベルト3c(ベルトコンベア3)により搬送されながら、乾燥室2b内を通過するという作用を有する。また、乾燥室2b内では、吹出し口4cから吹出した温風が食物に接触しながら、第1の吸気口5aより排出されるという作用を有する。特に、乾燥室2b内を流れる温風は、ベルト3c(ベルトコンベア3)、吹出し口4c、第1の吸気口5a、仕切り板2e、反射部2g、導風部2h,2hの存在により、流路の異なる4つの温風(温風A,B,C,Dとする)に分けられるという作用を有する。次に、これら温風の流路と作用について、本願発明とは異なる構成の乾燥室と比較しながら具体的に説明する。
【0042】
図4は、本発明の第1の実施の形態に係る搬送乾燥装置の乾燥室内の温風の流れを説明するための概略図を示しており、図4(a)は比較のため図1において反射部と導風部が設置されていない構成を有する乾燥室であり、図4(b)は図1に示された構成の乾燥室である。なお、図中の大小の点線矢印は温風の流れを示し、流路の異なる温風を指す小矢印のそれぞれには、区別し易くするためにA,B,C,Dのいずれかの符号を付している。
図4(a)の場合、吹出し口4cから吹出され、食物Vの吹出し口4c側の表面に当たって反射し、吹出し口4cの周囲に滞留するような温風Aが存在する。一方、食物Vの間と、ベルトコンベア3(ベルト3c)を通過した温風は、仕切り板2eにほとんど反射されることなく孔2fを抜け第1の吸気口5aから排気される。この温風は反射部2gを経由していない以外は、図4(b)の搬送乾燥装置1における温風Cと類似の流路を形成することから、反射部2gを通過しない上記温風も以下では温風Cと見なしている。
【0043】
一方、図4(b)の場合、吹出し口4cから吹出された後、食物Vに当たり反射した温風の一部は、ベルトコンベア3を通過することなくベルトコンベア3と乾燥室2bの天板との間に滞留するような、第1の気相(温風Aに相当)を形成する。一方、ベルトコンベア3を通過した後、反射部2gによって反射し、下方への移動が遮られた温風は、仕切り板2eとベルトコンベア3の間に滞留するような、第2の気相(温風B,Dに相当)を形成する。また、ベルトコンベア3を通過した後、反射部2gによって下方への移動が遮られた温風の一部は、反射部2gに沿って水平方向に移動した後、一対の導風部2h,2hの間において、反射部2gによって覆われていない仕切り板2eの孔2fを通って仕切り板2eの下方へ移動する(温風Cに相当)。
なお、一対の導風部2h,2hが設置されていない場合、温風Cが通過できる孔2fが多く存在することになるため、反射部2gに沿って水平方向に移動して、仕切り板2eの下方へ移動する温風Cの量は増加する。そして、仕切り板2eの下方へ移動する温風Cが増加するほど、温風B,Dは形成され難くなることも考えられる。これに対し、一対の導風部2h,2hが設置されている場合には、温風が通過できる孔2fの数が制限されるとともに、導風部2h,2hに当たって上方に流れるようになる。この結果、反射部2gに沿って水平方向に移動し仕切り板2eの下方へ移動する温風Cの量が少なくなる。すなわち、当該温風が孔2fを通って仕切り板2eの下方へ移動することを規制することで、温風B,Dが形成され易くなるという作用を有している。なお、このような作用を実現する方法として、孔2fの数及び径を小さくするといった調整を行うことも可能である。
【0044】
次に、4種の温風(温風A,B,C,D)の作用について説明する。まず、温風Aは、食物Vの吹出し口4c側の表面の温度を上昇させ、当該表面付近の空気中の水分量を減少させるという作用を有する。一方、温風Bは、食物Vの第1の吸気口5a側の裏面の温度を上昇させ、当該裏面付近の空気中の水分量を減少させるという作用を有する。さらに、温風Cは温風A,Bのように食物Vの外面に当たることはないが、乾燥室2b内の空気中の水分を第1の排気ダクト5から排出するとともに乾燥室2b内の温度を上昇させることで、乾燥室2bの内部が低い水分率で乾燥され易い状態に維持するという作用も有する。そして、温風Dは温風Bと同様にベルトコンベア3に向かう流れとなるため、温風Bと同じ作用を有する。
【0045】
次に、ベルトコンベア3に搬送方向の上流側から下流側に向かってベルト3cの高さが低くなる段差2dが配置されることにより、食物Vが引っ掛かることなく通過するとともに、食物Vは転動することで、その姿勢・配置が変えられるという作用を有する。これについて、図5を用いて簡単に説明する。
図5は、図1における搬送乾燥装置の点線円内の、段差における食物の通過時の動きを説明するための概略図である。なお、図中の矢印は食物Vの搬送方向を示しており、図5(b)は図5(a)から時間が経過した状態を示している。すなわち、図5(b)に示した食物Vは図5(a)に示した食物Vが矢印の方向へ段差2dを超えて転動した状態を表している。すなわち、この時間の経過の間に食物Vは段差2dを通過したものとなる。また、食物Vに付した破線は、食物Vの向きを把握し易くするために付した線である。
【0046】
図5(a)に示すように、ローラ3aに支持されたベルト3cにより搬送されてくる食物Vは、段差2dの手前まで姿勢・配置を変えずに搬送されてくる。しかし、段差2dを通過する際に、食物Vは重力により乗り継ぎ板3d上を転がり落ち、その後図5(b)に示されるように、段差2dを通過する前とは異なる姿勢で搬送されていくことになる。また、図では表現されていないが、転がり落ちた際にベルト3c上における食物Vの配置も変化することになる。
なお、図5に示す段差2dのようにベルト3cが上方から押さえローラ3eにより押さえられ、かつ乗り継ぎ板3dを設置するものでなくてもよい。例えばベルト3cの幅方向に所定の間隔で並べられた車輪が、ベルト3cを上から押さえることで形成されているものでもよい。このような車輪等により形成された段差であっても、上述する乗り継ぎ板3dの設置された段差2dと同様の作用・効果を発揮することができる。
【0047】
加えて、搬送乾燥装置1の乾燥室2は、乾燥室2a,2b,2cの3つの乾燥室が一列に並んで配置されている。この結果、各乾燥室の乾燥温度を使用者が自由に設定可能になるという作用も有する。
【0048】
続いて、以上のような作用を有する搬送乾燥装置1の効果について説明する。
まず初めに、搬送乾燥装置1は食物Vをベルトコンベア3により搬送させながら、連続的に大量の食物Vを乾燥処理することができる。また、食物Vが通過する乾燥室2a,2b,2c内では、温風ファン4からの温風が食物Vに付着した水分を奪い第1の排気ダクト5より排出するため、各乾燥室内の水分量の増加が抑えられ、乾燥能力を低下させることなく乾燥処理を行うことができる。加えて、上述した流路の異なる4つの温風A,B,C,Dの作用により、以下の効果を有する。
【0049】
すなわち、温風Aによって食物Vの表面を乾燥させるという効果を有する。さらに、温風Bによって、食物Vの裏面を乾燥させることができる。これにより、温風A,Bにより食物Vに対し二方向から温風が当てられるようになり、乾燥ムラが抑制されるという効果がある。この効果により、乾燥ムラ抑制のために行われてきた長時間の乾燥処理が不要となる。さらに、乾燥処理が短くなることで食物Vの変質が抑えられるばかりか、処理コストの低減にも繋がる。
また、温風Cにより、各乾燥室内が乾燥に適した状態に維持されることで、温風A,Bによる乾燥の効果を一層高めることが可能となる。さらに、導風部2h,2hによる温風の風向制御及び孔2fへの通過抑制により、ベルトコンベア3側に向かう温風Dの量が増加するため、食物Vの裏面を一層乾燥させることができるようになるのである。
【0050】
加えて、段差2dにより搬送される食物Vを転動させて姿勢及び配置を変化させることで、食物Vに対して転動前とは異なる方向から温風を当てることができる。したがって、外面に凹凸が多く存在するような食物であっても外面全体に温風を当てることができるようになり、乾燥ムラを一層抑制することができる。
また、乾燥室を3つ連結しているため、乾燥室毎に異なる乾燥条件で食物Vを処理することができ、乾燥条件設定の自由度を広げることができる。これにより、様々な食物に対し、適切な乾燥条件で効率的に乾燥させることができるようになる。
【実施例2】
【0051】
次に、本発明の第2の実施の形態に係る搬送乾燥装置について、図6及び図7を用いて説明する。なお、本発明の第2の実施の形態に係る搬送乾燥装置は、乾燥室内に整流器が設置されている点以外は、搬送乾燥装置1と共通する。そのため、以下では搬送乾燥装置1と共通する構成については同じ符号を用いる。そして、搬送乾燥装置1との差異点を詳細に説明しながら、搬送乾燥装置1と同じ構成により生じる作用・効果については説明を省略する。
【0052】
図6は、本発明の第2の実施の形態に係る搬送乾燥装置の、乾燥室内部の構成を説明するための概略図である。なお、図6において示す乾燥室は図3の乾燥室2bに基づくものであり、乾燥室2bを囲む壁と、ローラ3a及び仕切り板2eより下に設置されている構成(第1の排気ダクト5等)については他の構成が見易いように図示していない。また、ベルトコンベア3(ベルト3c)も同様の理由から概形を破線で示すのみとした。
図6より、本発明の第2の実施の形態に係る搬送乾燥装置(以下、搬送乾燥装置6)は、吹出し口4cとベルトコンベア3の間に、複数の風向板7aが搬送方向に対し垂直に並んだ整流器7が設置され、この整流器7の下方には順にベルトコンベア3(ベルト3c)、反射部2g、仕切り板2eが配置され、さらに反射部2gの上流側と下流側には断面L字状の導風部2h,2hが反射部2gを挟むように立設されている。このように、搬送乾燥装置6は図3に示す搬送乾燥装置1と比べ、整流器7が設置されている点のみが異なる。
なお、整流器7の形状について本願発明の作用・効果を発揮するものであれば特に指定はない。例えば、吹出し口4cから整流器7の間に温風の通路となるダクトを設置したり、吹出し口4cと整流器7を囲む側壁を乾燥室2bの天板に立設したりして、吹出し口4cから吹出す温風を効率的に整流器7へ流すものであってもよい。
【0053】
次に、搬送乾燥装置6に関し、特に整流器7の作用・効果を説明する。
搬送乾燥装置6において、吹出し口4cから吹出される温風は整流器7を通過することで互いが離隔された2つ以上の温風要素に分割され、そのままベルトコンベア3及び反射部2gに向けて流れるという作用を有する。これにより、分割された温風要素のそれぞれにおいて、4つの流路の温風が生じるという作用を有する。次に、これらの4つの温風について、温風要素から生じるという点から、温風A´,B´,C´,D´と表示し、図7ではこれらの温風の流路と作用について詳細に説明する。
【0054】
図7は、本発明の第2の実施の形態に係る搬送乾燥装置の、乾燥室内における温風の流れを説明するための概略図である。なお、図7に示す乾燥室2bは図4(b)の乾燥室2bに基づくものである。また、図中の点線矢印は温風要素から生じている温風を示し、それぞれの矢印には流路の異なる温風を区別するため、A´,B´,C´,D´のいずれかの符号を付した。なお、吹出し口4cから吹出した温風は整流器7により風向板7aの数に比例した温風要素に分割されるが、図7では見易くするため、整流器7から5つの温風要素が形成されるものとして、整流器7を基点とする5本の点線を描いている。
【0055】
図7より、整流器7により形成された各温風要素から生じる温風A´は、上述した温風Aと同様にベルトコンベア3上にある食物Vの表面に当たって反射し、吹出し口4cの周囲に滞留するような温風となる。なお、温風A´は食物Vの表面に当たって反射した後に、当該表面に向かってくる温風要素間の隙間を通過しながら反射面の周囲に拡散する。一方、整流器7により形成された各温風要素から生じる温風B´は、上述する温風Bと同様に反射部2gで反射してベルトコンベア3に向かう温風である。なお、この温風B´には反射面の周囲に流れる温風由来のもの(3本の点線矢印のうち両端の2本)だけでなく、反射部2gにおいて反射した後に温風要素間の隙間を通過してくるもの(3本の点線矢印のうち中央の1本)も含まれる。
そして、整流器7により形成された各温風要素より生じる温風C´は、上述する温風Cと同様に、反射部2gに当たって反射面の周囲に向かって流れ、そのまま仕切り板2eの孔2fを通過して排気される。
【0056】
各温風要素から形成される温風A´,B´,C´,D´の作用については、順に上述する温風A,B,C,Dと同じ作用を有する。このうち、温風A´は食物Vの吹出し口4c側の表面に当たって反射した後に反射面の周囲に拡散するが、温風Aとは異なり一部は整流器7から流れてくる温風要素間の隙間を通過しながら周囲に拡散するという作用を有する。また、温風B´に関して、反射部2gで反射された温風成分の一部は、反射部2gに向かってくる温風要素の間を通過しながらベルトコンベア3に向かうことができるため、その分温風B´の量が増加するという作用も有する。
【0057】
上述する作用により、搬送乾燥装置6は、搬送乾燥装置1の効果に加えて、温風A´が食物Vの表面に向かってくる温風要素の間を通過しながら周囲に拡散できるようになる。これにより、温風A´が整流器7から出る温風要素の流れを阻害しなくなり、ベルトコンベア3側に流れる温風の量を増加させることができる。この結果、温風B´,D´の増量も期待でき、食物Vの乾燥ムラを一層低減することができる。さらに、反射部2gからベルトコンベア3側へ流れ易くなることで温風B´の量が増加し、食物Vの裏面を乾燥させる能力が一層向上するのである。
【実施例3】
【0058】
次に、本発明の第3の実施の形態に係る搬送乾燥装置について、図8を用いて説明する。なお、本発明の第3の実施の形態に係る搬送乾燥装置は、搬送乾燥装置6と比較して乾燥室内に第2の排気ダクト9の第2の吸気口9aが設置されている点のみが異なる。そのため、以下では搬送乾燥装置6との差異点のみを詳細に説明するとともに、搬送乾燥装置6と共通する構成については同じ符号を用い、同じ構成により生じる作用・効果については説明を省略する。
【0059】
図8は、本発明の第3の実施の形態に係る搬送乾燥装置の、乾燥室内における温風の流れを説明するための概略図である。なお、図8に示す乾燥室2bは搬送乾燥装置6と同様に図4(b)の乾燥室2bに基づくものである。また、図中の点線矢印は温風の流れを示し、それぞれの矢印には流路の異なる温風を区別するため、A´,B´,C´,D´,E´の符号を付した。加えて、吹出し口4cから吹出した温風は整流器7により風向板7aの数に比例した温風要素に分割されるが、図7と同様に図8でも構成を視覚的に把握し易くするため、5つの温風要素のみが整流器7により形成されるとした。
図8より、本発明の第3の実施の形態に係る搬送乾燥装置(以下、搬送乾燥装置8)では、吹出し口4cに対して搬送方向の上流側及び下流側において、ベルトコンベア3に対して同じ側に第2の排気ダクト9(図示せず)の第2の吸気口9a,9aが設置されている。
このような構成であれば、搬送乾燥装置8に設置された第2の吸気口9aによる排気による吸引力が、反射部2gにおいて反射した後、仕切り板2eを通過する温風C´の一部に影響して、ベルトコンベア3側への流れ(温風E´)に変化させるという作用を有する。
【0060】
上述する作用により、搬送乾燥装置8は、搬送乾燥装置6の効果に加えて、反射部2gから第1の吸気口5aに向かう温風の向きを第2の吸気口9aの吸引により変化させて温風E´とし、食物Vの裏面を乾燥させる効果をより一層向上させることができるのである。
なお、整流器7の側面を塞ぐとともに、整流器7と第2の吸気口9aの間に図示しない遮蔽板を設けてもよい。これにより吹出し口4cから出た温風を効率的にベルト3c側へ流すことが可能となり、温風E´も増加させることができる。
【実施例4】
【0061】
次に、本発明の第4の実施の形態に係る搬送乾燥装置について、図9及び図10を用いて説明する。なお、本発明の第4の実施の形態に係る搬送乾燥装置は、搬送乾燥装置1の乾燥室内に設置された反射部2gの形状が異なり、導風部2hは設置されていない。しかしながら、反射部2gと導風部2h以外の構成要素は搬送乾燥装置1と共通する。そのため、以下では本発明の搬送乾燥装置1との差異のみを詳細に説明するとともに、搬送乾燥装置1と共通する構成は同じ符号を用いている。さらに、同じ構成により生じる作用・効果については説明を省略した。
【0062】
図9は、本発明の第4の実施の形態に係る搬送乾燥装置の乾燥室内部の構成を説明するための概略図である。なお、図9において示す乾燥室は図3の乾燥室2bに基づくものであり、乾燥室2bを囲む壁と、ローラ3a及び仕切り板2eより下方に設置されている構成(第1の排気ダクト5等)については他の構成が見易いように図示せず、ベルトコンベア3(ベルト3c)も同様の理由から概形を破線で示すのみとした。
図9より、本発明の第4の実施の形態に係る搬送乾燥装置(以下、搬送乾燥装置10)は、吹出し口4cの下方において、順にベルトコンベア3(ベルト3c)、断面視U字状の板である反射部11、仕切り板2eが配置され、反射部11の凹面11aはベルトコンベア3(ベルト3c)と対向するように設置されている。
【0063】
搬送乾燥装置10は上述するような構成であるため、吹出し口4cから吹出した温風はベルトコンベア3を通過した後反射部11の凹面11aに当たり、その後反射部11の周囲に反射・拡散されることになる。そして、ここでは図示していないが、温風は最終的に仕切り板2eの孔2fを通過して第1の吸気口5a(図示せず)に吸い込まれ、外部に排出されることになる。
【0064】
次に、搬送乾燥装置10の作用について説明する。上述した構成を有する搬送乾燥装置10であれば、乾燥室2b内を流れる温風は、ベルトコンベア3、吹出し口4c、第1の吸気口5a(図示せず)、仕切り板2e、反射部11の存在により、3つの異なる流路の温風に分けられるという作用を有する。これら温風について、具体的にその流路と作用について図10を用いながら説明する。
【0065】
図10は、本発明の第4の実施の形態に係る搬送乾燥装置の乾燥室内の温風の流れを説明するための概略図を示している。なお、図中の2種の点線矢印は温風の流れを示し、細い矢印のそれぞれには異なる流路の温風を区別するための符号を付した。
図10より、本発明の第4の実施の形態に係る搬送乾燥装置10では、搬送乾燥装置1と同様に、吹出し口4cから吹出され、食物Vの吹出し口4c側の表面に当たって反射し、その後吹出し口4cの周囲に滞留するような温風Aが存在する。一方、食物Vの間とベルトコンベア3を通過して反射部11により反射され、ベルトコンベア3側に向かって流れる温風Bも、搬送乾燥装置1と同様に存在する。さらに、反射部11で反射され、その後凹面11aに沿ってベルトコンベア3に流れる温風Fが存在することになる。
【0066】
次に、これら3種の温風(温風A,B,F)のうち、搬送乾燥装置10に特有の温風Fの作用・効果について説明する。
温風Fは、ベルトコンベア3側に向かって流れる温風となるため、温風Bと同様に食物Vの第1の裏面の温度を上昇させ、当該裏面付近の空気中の水分量を減少させるという作用を有する。また、温風Fは、反射部11で反射された温風のうち温風Bを除した残分に等しくなるという作用も有する。
【0067】
上述する作用により、反射部11の凹面11aに当たった温風のうち、温風B以外が全てベルトコンベア3側に向かう温風Fとなることで、食物Vの裏面を一層乾燥させることが可能となる。この結果、乾燥ムラの発生を著しく抑えることが可能になると考えられる。
なお、本発明の実施の形態に係る搬送乾燥装置10は、いずれも温風ファン4の吹出し口4cがベルトコンベア3の上方に設置された場合であるが、上述したように吹出し口4cはベルトコンベア3の下方に設置されていてもよい。この場合には、温風ファン4の吹出し口4cから上方に向かうにつれて、ベルトコンベア3、仕切り板2e、第1の吸気口5a(第1の排気ダクト5)の順に並ぶものとなる。また、反射部2g(搬送乾燥装置1,6,8)又は反射部11(搬送乾燥装置10)は、吹出し口4cと対向する仕切り板2eの面上で、かつ吹出し口4cから吹出される温風が当たる位置に設置される。さらに、搬送乾燥装置1,6,8に備わる導風部2hは、反射部2gと同じ仕切り板2e上において反射部2gに対し上流側及び下流側に立設される。加えて、搬送乾燥装置8の場合は、吹出し口4cに対して搬送方向の上流側及び下流側に、ベルトコンベア3に対して吹出し口4cと同じ側に第2の吸気口9a,9a(第2の排気ダクト9)が設置されることとなる。そして、搬送乾燥装置6,8に関しては、吹出し口4cとベルトコンベア3の間に整流器7も設置される。
以上から、いずれの搬送乾燥装置においても、食物を除けば各構成要素の相対的な配置自体は変わっていない。このため、吹出し口4cから吹出される温風は、吹出し口4cがベルトコンベア3の下方に配置される場合には食物に当たる前にベルトコンベア3を通過することになるものの、形成される温風の流路は吹出し口がベルトコンベア3の上方にある場合と同じである。このため、吹出し口4cの配置により、上述する各搬送乾燥装置の作用と効果が変化することもない。
【産業上の利用可能性】
【0068】
以上説明したように、本発明は食物に付着した水分を乾燥ムラなく除去する乾燥装置に関するものであり、例えば野菜類、果実等の乾燥に関する技術分野において利用可能である。
【符号の説明】
【0069】
1…搬送乾燥装置 2,2a,2b,2c…乾燥室 2d…段差 2e…仕切り板 2f…孔 2g…反射部 2h…導風部 3…ベルトコンベア 3a…ローラ 3b…モータ 3c…ベルト 3d…乗り継ぎ板 3e…押さえローラ 4…温風ファン 4a…ファン 4b…ヒータ 4c…吹出し口 5…第1の排気ダクト 5a…第1の吸気口 6…搬送乾燥装置 7…整流器 7a…風向板 8…搬送乾燥装置 9…第2の排気ダクト 9a…第2の吸気口 10…搬送乾燥装置 11…反射部 11a…凹面 A,B,C,D,F,A´,B´,C´,D´,E´…温風 V…食物
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10