(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-31
(45)【発行日】2023-08-08
(54)【発明の名称】断線検出装置
(51)【国際特許分類】
G01R 31/54 20200101AFI20230801BHJP
G01R 31/58 20200101ALI20230801BHJP
G01R 31/72 20200101ALI20230801BHJP
G01R 31/34 20200101ALI20230801BHJP
【FI】
G01R31/54
G01R31/58
G01R31/72
G01R31/34 Z
(21)【出願番号】P 2023063048
(22)【出願日】2023-04-07
【審査請求日】2023-04-11
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】391040397
【氏名又は名称】エクセン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001391
【氏名又は名称】弁理士法人レガート知財事務所
(72)【発明者】
【氏名】中村 秀哉
(72)【発明者】
【氏名】森 勇太
(72)【発明者】
【氏名】橋爪 政憲
【審査官】田口 孝明
(56)【参考文献】
【文献】特開平07-303397(JP,A)
【文献】特開平05-137380(JP,A)
【文献】特開昭50-119201(JP,A)
【文献】特開2010-268587(JP,A)
【文献】特開2008-228393(JP,A)
【文献】特開昭50-074467(JP,A)
【文献】特公昭48-033474(JP,B1)
【文献】特開2010-093897(JP,A)
【文献】実開昭58-039572(JP,U)
【文献】特開2002-139524(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
IPC G01R 31/50-31/74、
31/327-31/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
各相が短絡された状態にある3相電線の1線と他の2線との間に直流電圧を印加して前記3相電線における断線の有無を検出する断線検出装置であって、
直流電源の一方の極性に接続された第1端子と、他方の極性に接続された第2端子及び第3端子とを備え、
前記第2端子と前記直流電源との間に、前記第3端子に前記直流電圧が印加されたときに前記第2端子と前記直流電源とを電気的に接続するスイッチ手段と、前記第2端子と前記直流電源との間に流れる電流を検出する電流検出手段とを直列接続した、
断線検出装置。
【請求項2】
スイッチ手段にはトランジスタを用いた、請求項1記載の断線検出装置。
【請求項3】
第1端子
と第2端子と第3端子
とを
互いに短絡させて直流電源の残量有無を確認する電源残量確認手段を備えた、請求項1又は2記載の断線検出装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、3相モーター等を用いた電動機械器具(例えばコンクリートバイブレーター)において、電力供給に用いられる3本の電線に断線が生じていないかどうかを確認するための断線検出装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
コンクリートバイブレーターなどの3相モーターを用いた電動機械器具にあっては、電力供給に用いられる3本の電線のうちの一部の電線が、過負荷などによって焼損して断線し、欠相状態となることがある。欠相状態で運転すると、欠相されていない相に過電流が流れ、より大きな事故につながることがあるため、運転前に断線検出を行うことが必要不可欠である。
【0003】
通常、断線検出は1本の閉回路による検出しか考慮されておらず、3相モーターMの断線検出にあっては、電力供給に用いられる3本の電線L
1、L
2、L
3のうち、一度に断線検出装置1を接続できるのは2線までであるため、全ての電線の断線の有無を確認するためには少なくとも2回の測定を行わなければならならず、手間の掛かるものであった(
図7参照)。
【0004】
この点、実開昭60-114573には、3相モーターの電力供給に用いられる3本の電線全てに同時に接続して断線の有無を検出できるようにした断線検出装置が提案されている。この発明によれば、断線検出装置の直流電圧線と2本のセンサ線が、3相モーターの3本の電線に個々に接続されているので、1回測定するだけで3本の電線全てについての断線の有無を検出することができる。
【0005】
しかしながら、この断線検出装置にあっては、電源スイッチを入れなければ装置が作動しないことから、断線の有無の確認作業を行う度に電源スイッチの操作を行わなければならず、作業が煩雑である。また、作業終了時に電源スイッチを切り忘れると、未使用時に電池が消耗してしまい、肝心の作業時に電池が切れていて使用できないという問題もある。また、この断線検出装置は、3本の電線のうちどの電線が断線しているかについてまで検出することを目的とした装置となっているため、検出装置の回路構成が複雑である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
この発明は、3相モーター等の電力供給等に用いられる3本の電線(3相電線)における断線の有無を、簡易な回路構成により容易に確認することができる断線検出装置を得ることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明の断線検出装置は、各相が短絡された状態にある3相電線の1線と他の2線との間に直流電圧を印加して前記3相電線における断線の有無を検出する断線検出装置であって、直流電源の一方の極性に接続された第1端子と、他方の極性に接続された第2端子及び第3端子とを備え、前記第2端子と前記直流電源との間に、前記第3端子に前記直流電圧が印加されたときに前記第2端子と前記直流電源とを電気的に接続するスイッチ手段と、前記第2端子と前記直流電源との間に流れる電流を検出する電流検出手段とを直列接続して構成する。前記スイッチ手段は、前記第3端子に前記直流電圧が印加されたときに前記第2端子と前記直流電源とを電気的に接続することができるものであればよく、トランジスタやリレーを用いることが考えられる。また、前記電流検出手段は、前記第2端子と前記直流電源との間に流れる電流によって動作するものであればよく、発光ダイオードや電子ブザーを用いることが考えられる。
【0009】
請求項2の発明は、前記スイッチ手段にトランジスタを用いたことを特徴とする。前記トランジスタには、バイポーラトランジスタ、電界効果トランジスタを用いることができる。
【0010】
請求項3の発明は、前記第1端子と前記第2端子と前記第3端子とを互いに短絡させて前記直流電源の残量有無を確認する電源残量確認手段を備えたことを特徴とする。前記電源残量確認手段は、前記断線検出装置が備える第1端子と第2端子と第3端子を互いに短絡させることができるものであればよく、例えば、第1端子と第2端子との間を短絡するスイッチと、第2端子と第3端子との間を短絡するスイッチとを設けておき、この2つのスイッチを同時に操作することにより、第1端子第2端子間及び第2端子第3端子間を短絡することが考えられる。このスイッチには、半導体スイッチを用いることもできる。
【発明の効果】
【0011】
この発明によれば、3相電線に断線検出装置の第1端子ないし第3端子をそれぞれ接続するだけで、直ちに3相電線における断線の有無を検出することができる。すなわち、この発明にあっては、各相が短絡された状態にある3相電線の1線と他の2線との間に直流電圧を印加して3相電線における断線の有無を検出する断線検出装置において、直流電源の一方の極性に接続された第1端子と、他方の極性に接続された第2端子及び第3端子とを備え、第2端子と直流電源との間に、第3端子に直流電圧が印加されたときに第2端子と直流電源とを電気的に接続するスイッチ手段と、第2端子と直流電源との間に流れる電流を検出する電流検出手段とが直列接続されているので、3相電線に断線検出装置の第1端子ないし第3端子をそれぞれ接続すると、3相電線を構成する3本の電線の何れにも断線がない場合には、3相電線と断線検出装置とによって直ちに閉回路が構成されて直流電流が流れ、断線検出装置の電流検出手段により電流が検出される。これにより、3相電線に断線がないことを確認することができる。他方、3相電線を構成する3本の電線の何れか1本にでも断線がある場合には、3相電線と断線検出装置とで閉回路が構成されず、直流電流が流れないので、断線検出装置の電流検出手段によって電流が検出されることはない。これにより、3相電線を構成する何れかの電線に断線があることを確認することができる。
【0012】
より詳細に説明すれば、以下のとおりである。すなわち、3相電線を構成する3本の電線の何れにも断線がない場合、3相電線に断線検出装置の第1端子ないし第3端子をそれぞれ接続すると、第1端子と接続された3相電線の1線と、第2端子又は第3端子と接続された他の2線との間に直流電圧が印加される。そして、第2端子と直流電源との間には、第3端子に直流電圧が印加されたときに第2端子と直流電源とを電気的に接続するスイッチ手段が配設されているので、第3端子に直流電圧が印加されるとスイッチ手段がオン状態となって第2端子と直流電源とが電気的に接続され、3相電線と断線検出装置とによって閉回路が構成されて直流電流が流れることになる。したがって、3相電線を構成する3本の電線の何れにも断線がない場合には、断線検出装置の電流検出手段により電流が検出される。
【0013】
一方、3相電線を構成する3本の電線のうち、第1端子と接続された電線が断線していた場合、第1端子と接続された電線と第2端子又は第3端子と接続された他の2線との間に直流電圧が印加されないので、第2端子と直流電源との間に直流電流が流れることはない。また、3相電線を構成する3本の電線のうち、第2端子と接続された電線が断線していた場合、第1端子と接続された電線と第2端子と接続された電線との間に直流電圧が印加されないので、第2端子と直流電源との間に直流電流が流れることはない。さらに、3相電線を構成する3本の電線のうち、第3端子と接続された電線が断線していた場合、第1端子と接続された電線と第3端子と接続された電線との間に直流電圧が印加されず、スイッチ手段がオフ状態のままとなって第2端子と直流電源とが電気的に接続されないので、第2端子と直流電源との間に直流電流が流れることはない。したがって、3相電線を構成する3本の電線の何れか1本にでも断線がある場合には、断線検出装置の電流検出手段によって電流が検出されることはない。
【0014】
請求項2の発明によれば、前記スイッチ手段にはトランジスタを用いたので、回路構成をより簡素化することができる。また、トランジスタは、リレーと比較して動作電圧の範囲が広いため、リレーを用いた場合にはスイッチ手段が動作しなくなるような電圧にまで直流電源の電圧が低下した場合や、これとは逆に、リレーを用いた場合には焼損してしまうような電圧が印加された場合であっても、トランジスタを用いた場合にはスイッチ手段を動作させることができる。例えば、直流電源として9V電池を用いた場合、スイッチ手段にリレーを用いる場合には9V用リレーを用いることになるところ、直流電源の電圧が消耗などにより3V程度まで電圧が低下すると、9V用リレーは動作しなくなるのに対し、スイッチ手段にトランジスタを用いた場合には、直流電源の電圧が3V程度まで低下しても、スイッチ手段を動作させることができる。逆に、スイッチ手段として3V用リレーを用いた場合、9Vの直流電源が印加されるとリレーが焼損してしまいスイッチ手段を動作させることができないが、トランジスタを用いた場合には正常に動作させることができる。
【0015】
請求項3の発明によれば、前記第1端子と前記第2端子と前記第3端子とを互いに短絡させて前記直流電源の残量有無を確認する電源残量確認手段を備えているので、断線検出装置に用いられる直流電源の残量の有無を確認することができる。すなわち、電源スイッチを備えていない断線検出装置にあっては、3相電線に接続した状態で直流電流が検出されない場合、それが3相電線における断線によるものなのか、断線検出装置の直流電源の残量がないことによるものなのか、直ちに理解することができないところ、電源残量確認手段を用いて直流電源の残量の有無を確認することにより、3相電線における断線によるものなのか、断線検出装置の直流電源の残量がないことによるものなのかを即座に確認することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図2】同じく3相モーターの3相電線に接続した状態を示す回路図
【
図3】同じく短絡用プラグを用いて断線検出を行う様子を示す図
【
図4】同じくスイッチ手段にNPN型バイポーラトランジスタを用いた変形例の概要を示す回路図
【
図5】同じくスイッチ手段にリレーを用いた変形例の概要を示す回路図
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1及び2は、この発明の第1の実施例の概要を示す図である。
【0018】
図1は、この発明の断線検出装置1の概要を示す回路図である。断線検出装置1は、直流電源2の陰極に接続された第1端子31と、陽極に接続された第2端子32及び第3端子33とを備え、第2端子32と直流電源2との間には、第2端子32と直流電源2との間に流れる直流電流を検出する電流検出手段4と、第3端子に直流電圧が印加されたときに第2端子32と直流電源2とを電気的に接続するスイッチ手段5とが直列接続されて構成されている。
【0019】
電流検出手段4は、発光ダイオードで構成されており、この発光ダイオードが点灯することによって、第2端子32と直流電源2との間に直流電流が流れていることを検出して告知するようにしてある。なお、この実施例において、電流検出手段4には発光ダイオードを用いたが、発光ダイオードの代わりに電子ブザーを用い、第2端子32と直流電源2との間に直流電流が流れていることを、音で告知するようにしてもよい。
【0020】
また、スイッチ手段5は、PNP型バイポーラトランジスタを用いて構成されており、直流電源2の直流電圧が第3端子33に印加されるとスイッチがオンになり、第2端子32と直流電源2とが電気的に接続されて直流電流が流れるようになっている。
【0021】
そして、この断線検出装置1は、未使用時には回路が閉じた部分が存在せず、電源が完全に切れた状態となっている。
【0022】
図2は、断線検出装置1を3相モーターMの3本の電線L
1、L
2、L
3に接続して断線の有無を検出する様子を示す図である。3相モーターMの電線L
1、L
2、L
3は、モーター巻線部分において結線されているので、各相が短絡された状態になっている。断線検出装置1の第1端子31、第2端子32、第3端子33を、メンテナンス時など運転していない状態の3相モーターMの電線L
1、L
2、L
3に接続すると、電線L
1、L
2、L
3の何れにも断線がない場合には、断線検出装置1と電線L
1、L
2、L
3とで閉回路が構成され、この閉回路を直流電流が流れるので、電流検出手段4の発光ダイオードが点灯する。
【0023】
すなわち、断線検出装置1と電線L1、L2、L3とを接続すると、直流電源2・第1端子31・電線L1・電線L3・第3端子33・スイッチ手段5による第1閉回路と、直流電源2・第1端子31・電線L2・第2端子32・電流検出手段4・スイッチ手段5による第2閉回路とが構成される。これにより、第1閉回路においてスイッチ手段5に直流電圧が印加されてスイッチがオン状態となるので、第2端子32と直流電源2とが導通されて第2閉回路に直流電流が流れる。そして、電流検出手段4が第2閉回路の第2端子32と直流電源2との間に流れる直流電流を検出して点灯する。
【0024】
他方、電線L1、L2、L3の何れか1本でも断線が生じていると、断線検出装置1と電線L1、L2、L3とで閉回路が構成されないので、直流電流が流れず、電流検出手段4の発光ダイオードは点灯しない。
【0025】
すなわち、電線L1が断線していた場合には、直流電源2・第1端子31・電線L1・電線L3・第3端子33・スイッチ手段5による第1閉回路も、直流電源2・第1端子31・電線L2・第2端子32・電流検出手段4・スイッチ手段5による第2閉回路も構成されないので、第2端子32と直流電源2との間に直流電流が流れず、電流検出手段4の発光ダイオードは点灯しない。また、電線L2が断線していた場合には、第2閉回路が構成されないので、第2端子32と直流電源2との間に直流電流が流れず、電流検出手段4は点灯しない。そして、電線L3が断線していた場合には、第1閉回路が構成されないのでスイッチ手段5がオン状態にならず、第2閉回路が構成されない。そのため、第2端子32と直流電源2との間に直流電流が流れず、電流検出手段4が点灯しない。
【0026】
以上のとおり、この発明の断線検出装置1によれば、3相モーターMの3本の電線L1、L2、L3に接続するだけで断線の有無を検出することができ、装置自体に電源スイッチを設ける必要がない。加えて、断線検出装置1の回路は、未使用時においては閉じた回路が存在していないので、未使用時に電源が消耗するおそれもない。
【0027】
この発明の断線検出装置1を用いた断線検出の一例として、モーター巻線部分において結線されている3相モーターMの3本の電線L
1、L
2、L
3についての断線検出を行う場合について説明したが、3相モーターのように3本の電線が結線されていない状態の電線についての断線検出を行う場合には、
図3に示すように、3本の電線L
1、L
2、L
3を短絡するための短絡用プラグPを用いて3本の電線L
1、L
2、L
3を短絡させた状態で断線検出装置1を接続することで、断線の有無を検出することができる。
【0028】
図4は、第1の実施例の変形例の概要を示す回路図である。第1の実施例にあっては、スイッチ手段5にPNP型バイポーラトランジスタを用いたものとして説明してあるが、PNP型バイポーラトランジスタの代わりにNPN型バイポーラトランジスタを用いることもできる。スイッチ手段5にNPN型バイポーラトランジスタを用いた場合には、
図4に示すように、第1の実施例の回路構成とは極性を逆にして構成すればよい。
【0029】
また、第1の実施例及び変形例にあっては、スイッチ手段5にバイポーラトランジスタを用いているが、電界効果トランジスタを用いることもできる。
【0030】
図5は、第1の実施例の別の変形例の概要を示す回路図である。第1の実施例及び上記変形例にあっては、スイッチ手段5にトランジスタを用いたものとして説明したが、
図5に示すように、トランジスタの代わりにリレーを用いて構成することもできる。この変形例は、スイッチ手段5にリレーを用いた点以外は、第1の実施例と同じ構成である。そして、この変形例にあっても、第1の実施例と同様、3相モーターMの電線L
1、L
2、L
3に、断線検出装置1の第1端子31、第2端子32、第3端子33を接続すると、電線L
1、L
2、L
3の何れにも断線がない場合には、断線検出装置1と電線L
1、L
2、L
3とで構成される閉回路に直流電流が流れて電流検出手段4の発光ダイオードが点灯し、他方、電線L
1、L
2、L
3の何れか1本でも断線が生じていると、断線検出装置1と電線L
1、L
2、L
3とで閉回路が構成されないために電流検出手段4の発光ダイオードが点灯しない。これにより、断線の有無を確認することができる。
【0031】
図6は、第2の実施例の概要を示す回路図である。第2の実施例は、第1の実施例の断線検出装置1に、直流電源の残量有無を確認するための電源残量確認手段6を設けた実施例である。
【0032】
電源残量確認手段6は、第1端子31を備えた第1端子線31Lと第2端子32を備えた第2端子線32Lとの間に、第1端子線31Lと第2端子線32Lとを開閉可能に接続する第1スイッチ回路61を設けるとともに、第3端子33を備えた第3端子線33Lと第2端子線32Lとの間に、第3端子線33Lと第2端子線32Lとを開閉可能に接続する第2スイッチ回路62を設けることにより設けてあり、第1スイッチ回路61と第2スイッチ回路62は、1回の操作で同時にオン状態又はオフ状態に切替えることができるようになっている。その他の構成は第1の実施例と同様である。
【0033】
このように構成してあるので、この実施例にあっては、電源残量確認手段6を操作して第1端子線31Lと第2端子線32Lと第3端子線33Lとを接続することで、第1端子31ないし第3端子33の間を互いに短絡させて直流電源2の残量の有無を確認することができる。すなわち、電源残量確認手段6を操作して第1スイッチ回路61と第2スイッチ回路62をオン状態にすると、直流電源2・第1端子31(第1端子線31L)・第1スイッチ回路61・第2端子32(第2端子線32L)・第2スイッチ回路62・第3端子33(第3端子線33L)・スイッチ手段5によるA閉回路と、直流電源2・第1端子31(第1端子線31L)・スイッチ回路61・第2端子32(第2端子線32L)・電流検出手段4・スイッチ手段5によるB閉回路とが構成される。これにより、直流電源2の残量がある場合には、A閉回路においてスイッチ手段5に直流電圧が印加されてスイッチがオン状態となるので、第2端子32と直流電源2とが導通されてB閉回路に直流電流が流れ、電流検出手段4がB閉回路に流れる直流電流を検出して点灯する。他方、直流電源2に残量がない場合には、電源残量確認手段6を操作しても直流電流は流れないので、電流検出手段4は点灯しない。これにより、断線検出装置1の直流電源2の残量の有無を確認することができる。その他の効果は、第1の実施例において説明した効果と同様である。
【0034】
また、この実施例は、スイッチ手段5にPNP型バイポーラトランジスタを用いた第1の実施例に電源残量確認手段6を設けたものとして説明してあるが、PNP型バイポーラトランジスタの代わりにNPN型バイポーラトランジスタを用いた第1の実施例の変形例や、トランジスタの代わりにリレーを用いた別の変形例にも適用できることはいうまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0035】
この発明は、3相モーター等を用いた電動機械器具において、電力供給に用いられる3本の電線に断線が生じていないかどうかを確認するための断線検出装置に関するものであり、産業上の利用可能性を有するものである。
【符号の説明】
【0036】
1 断線検出装置
2 直流電源
31 第1端子
32 第2端子
33 第3端子
31L 第1端子線
32L 第2端子線
33L 第3端子線
4 電流検出手段
5 スイッチ手段
6 電源残量確認手段
61 第1スイッチ回路
62 第2スイッチ回路
M 3相モーター
L1、L2、L3 電線
P 短絡用プラグ
【要約】
【課題】 この発明は、3相モーター等の電力供給等に用いられる3本の電線(3相電線)における断線の有無を、簡易な回路構成により容易に確認することができる断線検出装置を得ることを課題とする。
【解決手段】 この発明は、各相が短絡された状態にある3相電線L
1、L
2、L
3の1線と他の2線との間に直流電圧を印加して前記3相電線L
1、L
2、L
3における断線の有無を検出する断線検出装置1であって、直流電源2の一方の極性に接続された第1端子31と、他方の極性に接続された第2端子32及び第3端子33とを備え、前記第2端子32と前記直流電源2との間に、前記第3端子32に前記直流電圧が印加されたときに前記第2端子32と前記直流電源2とを電気的に接続するスイッチ手段5と、前記第2端子32と前記直流電源2との間に流れる電流を検出する電流検出手段4とを直列接続して構成する。
【選択図】
図1