(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-31
(45)【発行日】2023-08-08
(54)【発明の名称】三重カプセル及びそれを製造する装置及び方法
(51)【国際特許分類】
A24D 3/04 20060101AFI20230801BHJP
A24D 3/14 20060101ALI20230801BHJP
B01J 13/12 20060101ALI20230801BHJP
【FI】
A24D3/04
A24D3/14
B01J13/12
(21)【出願番号】P 2020557962
(86)(22)【出願日】2019-11-20
(86)【国際出願番号】 KR2019015920
(87)【国際公開番号】W WO2020116827
(87)【国際公開日】2020-06-11
【審査請求日】2020-12-18
(31)【優先権主張番号】10-2018-0154698
(32)【優先日】2018-12-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】519217032
【氏名又は名称】ケーティー アンド ジー コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】キム、イック ジューン
(72)【発明者】
【氏名】ソン、ホ リム
(72)【発明者】
【氏名】リー、ジェ ゴン
【審査官】川口 聖司
(56)【参考文献】
【文献】特開平06-079165(JP,A)
【文献】特開2009-051748(JP,A)
【文献】特開平07-053356(JP,A)
【文献】特開2016-074615(JP,A)
【文献】特開2017-119650(JP,A)
【文献】特表2018-509940(JP,A)
【文献】国際公開第2018/190432(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24D 3/04
A24D 3/14
B01J 13/12
A61K 9/00
A23L 29/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
三重カプセルを製造する方法であって、
内装材、中間膜材、及び外膜材を供給する段階と、
ノズルマウントを介して前記内装材、前記中間膜材、及び前記外膜材を供給され、前記内装材を吐出する第1ノズル、前記中間膜材を吐出する第2ノズル及び前記外膜材を吐出する第3ノズルが同心状に配列される三重ノズルを介して前記内装材、前記中間膜材、及び前記外膜材に対する共押出(coextrusion)を行うことで、三重成形体を吐出する段階と、
前記三重成形体が吐出される吐出口を含む経路で冷却材を循環させ、前記三重成形体を冷却することにより、前記三重カプセルを形成する段階と、を含み、
前記第1ノズルの排出口直径は、1.0mm以上3.0mm以下であり、
前記第2ノズルの排出口直径は、前記第1ノズルの排出口直径より0.5mm以上2.5mm以下だけさらに大きく、
前記第3ノズルの排出口直径は、前記第2ノズルの排出口直径より1.0mm以上3.0mm以下だけさらに大きく、
前記中間膜材の融点は、38℃以上95℃以下であ
り、
前記三重カプセルは、シガレットに含まれ、
前記三重カプセルの破砕強度は、0.3kgf以上3.5kgf以下である、
方法。
【請求項2】
前記内装材の含量は、8mg以上115mg以下である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記供給する段階で前記内装材が供給される温度は、20℃以上80℃以下であり、
前記供給する段階で前記中間膜材が供給される温度は、20℃以上150℃以下(38℃未満を除く)であり、
前記供給する段階で前記外膜材が供給される温度は、20℃以上80℃以下である、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
ASTM D1321による前記中間膜材の硬度は、9PU以上156PU以下である、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記三重ノズルでは、前記第1ノズルが前記内装材を排出する排出口、前記第2ノズルが前記中間膜材を排出する排出口及び前記第3ノズルが前記外膜材を排出する排出口が、前記三重成形体が吐出される方向に順に配列される、請求項1から
4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
三重カプセルを製造する装置であって、
内装材、中間膜材、及び外膜材を供給する材料供給部と、
前記内装材、前記中間膜材、及び前記外膜材を供給されるノズルマウントと、
前記内装材を吐出する第1ノズル、前記中間膜材を吐出する第2ノズル、及び前記外膜材を吐出する第3ノズルが同心状に配列される三重ノズルと、を含み、
前記内装材、前記中間膜材、及び前記外膜材に対する共押出(coextrusion)を行うことで、三重成形体を吐出する成形部と、
前記三重成形体が吐出される吐出口を含む経路で冷却材を循環させ、前記三重成形体を冷却することにより、前記三重カプセルを形成する冷却部と、を含み、
前記第1ノズルの排出口直径は、1.0mm以上3.0mm以下であり、
前記第2ノズルの排出口直径は、前記第1ノズルの排出口直径より0.5mm以上2.5mm以下だけさらに大きく、
前記第3ノズルの排出口直径は、前記第2ノズルの排出口直径より1.0mm以上3.0mm以下だけさらに大きく、
前記中間膜材の融点は、38℃以上95℃以下であ
り、
前記三重カプセルは、シガレットに含まれ、
前記三重カプセルの破砕強度は、0.3kgf以上3.5kgf以下である、
装置。
【請求項7】
前記内装材が前記成形部に供給される温度は、20℃以上80℃以下であり、
前記中間膜材が前記成形部に供給される温度は、20℃以上150℃以下(38℃未満を除く)であり、
前記外膜材が前記成形部に供給される温度は、20℃以上80℃以下である、請求項
6に記載の装置。
【請求項8】
ASTM D1321による前記中間膜材の硬度は、9PU以上156PU以下である、請求項
6または
7に記載の装置。
【請求項9】
前記三重ノズルでは、前記第1ノズルが前記内装材を排出する排出口、前記第2ノズルが前記中間膜材を排出する排出口及び前記第3ノズルが前記外膜材を排出する排出口が、前記三重成形体が吐出される方向に順に配列される、請求項
6から
8のいずれか一項に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、三重カプセル及びそれを製造する装置及び方法に係り、さらに詳細には、外膜材、中間膜材、及び内装材に対する共押出(coextrusion)を行うことで、三重カプセルを製造する装置、方法及びそれによって製造される三重カプセルが開示される。
【背景技術】
【0002】
シガレットから提供されるエアロゾルに香味を付け加える技術に対する研究が進められている。例えば、喫煙者の好みによって選択的にエアロゾルに香味を付け加えるように、シガレットを構成するフィルタ内部に香料を担持するカプセルを配置し、喫煙者によってカプセルが破砕される場合、エアロゾルが加香される方式が活用されている。
【0003】
カプセルには、多様な香料物質が担持されうる。例えば、天然オイル成分、脂溶性ビタミンのような脂溶性香料が軟質のカプセル外膜に担持され、喫煙者によって破砕され、エアロゾルを加香することができる。但し、脂溶性香料によって過度に刺激的な香味がエアロゾルに付け加えられて、シガレットの喫味に悪影響を与える恐れがある。
【0004】
シガレットから提供されるエアロゾルにさらにソフトな香味を付け加えるには、カプセルに担持する香料物質が多様化される必要がある。例えば、脂溶性香料以外に水溶性香料がカプセルに担持されることにより、カプセルによって加香される香味が多様化される必要がある。
【0005】
多様な香料物質をカプセルに担持してシガレットの喫味を向上させるためには、香料を担持するカプセル構造の改善が要求される。特に、改善されたカプセルの構造を正確に具現可能にするカプセルの製造方式が要求される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明が解決しようとする技術的課題は、三重カプセル及びそれを製造する装置及び方法が提供されうる。但し、三重カプセル及びそれを製造する装置及び方法に係わる技術的課題以外にも、以下の実施例からさらに他の技術的課題が類推されうる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一側面による三重カプセルを製造する方法は、内装材、中間膜材、及び外膜材を供給する段階と、ノズルマウントを介して前記内装材、前記中間膜材、及び前記外膜材を供給され、前記内装材を吐出する第1ノズル、前記中間膜材を吐出する第2ノズル、及び前記外膜材を吐出する第3ノズルが同心状に配列される三重ノズルを介して前記内装材、前記中間膜材、及び前記外膜材に対する共押出(coextrusion)を行うことで、三重成形体を吐出する段階と、冷却材を循環させ、前記三重成形体を冷却することにより、前記三重カプセルを形成する段階と、を含む。
【発明の効果】
【0008】
本発明の実施形態によれば、三重カプセルの製造方法及び装置によって外膜材及び中間膜材を含む三重カプセルが製造されうる。中間膜材が脂溶性物質で形成される場合、三重カプセルには、水溶性香料を含む内装材が担持され、多様な香味がカプセルを通じてエアロゾルに添加されうる。
【0009】
三重カプセルの製造方法及び装置によって三重カプセルが製造される効率が増大しうる。外膜材、中間膜材、及び内装材に対する共押出工程が行われることにより、三重カプセルが迅速製造されうる。また、共押出工程を行う成形部のノズル構造によって三重カプセルの改善された構造が正確に具現されうる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】三重カプセルを含むシガレットに係わる一例を示す図面である。
【
図2】三重カプセルの構造に係わる一例を示す図面である。
【
図3】三重カプセルを製造する装置に係わる一例を示す構成図である。
【
図4】共押出を行う成形部の構造に係わる一例を示す図面である。
【
図5】共押出を行う成形部の断面形状に係わる例を示す図面である。
【
図6】三重カプセルを製造する装置の一例を説明するための図面である。
【
図7】三重カプセルを製造する方法の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
一側面による三重カプセルを製造する方法は、内装材、中間膜材、及び外膜材を供給する段階と、ノズルマウントを介して前記内装材、前記中間膜材、及び前記外膜材を供給され、前記内装材を吐出する第1ノズル、前記中間膜材を吐出する第2ノズル及び前記外膜材を吐出する第3ノズルが同心状に配列される三重ノズルを介して前記内装材、前記中間膜材、及び前記外膜材に対する共押出(coextrusion)を行うことで、三重成形体を吐出する段階と、冷却材を循環させ、前記三重成形体を冷却することにより、前記三重カプセルを形成する段階と、を含む。
【0012】
他の側面による三重カプセルを製造する装置は、内装材、中間膜材、及び外膜材を供給する材料供給部と、前記内装材、前記中間膜材、及び前記外膜材を供給されるノズルマウント、及び前記内装材を吐出する第1ノズル、前記中間膜材を吐出する第2ノズル及び前記外膜材を吐出する第3ノズルが同心状に配列される三重ノズルと、を含み、前記内装材、前記中間膜材、及び前記外膜材に対する共押出(coextrusion)を行うことで、三重成形体を吐出する成形部と、冷却材を循環させ、前記三重成形体を冷却することにより、前記三重カプセルを形成する冷却部と、を含む。
【0013】
また、他の側面によるシガレットに含まれるシームレス(seamless)カプセルは、水溶性溶媒及び水溶性香料を含み、2.5mm以上6.0mm以下の直径を有する内装材と、脂溶性ワックス(wax)を含み、0.1mm以上1.0mm以下の厚さを有する中間膜材と、水溶性高分子物質を含み、0.3mm以上1.5mm以下の厚さを有する外膜材と、を含む。
【0014】
以下、添付された図面を参照しつつ、ただ例示のための実施例を詳細に説明する。下記説明は、実施例を具体化するためのものであって、発明の権利範囲を制限するか、限定するものではないということは言うまでもない。詳細な説明及び実施例から当該技術分野の専門家が容易に類推可能なのは、権利範囲に属すると解釈される。
【0015】
本明細書で使用される「構成される」または「含む」などの用語は、明細書上に記載された多くの構成要素または多くの段階をいずれも含むと解釈されてはならず、その中、一部構成要素、または一部段階は含まれないか、または追加的な構成要素または段階がさらに含まれると解釈されねばならない。
【0016】
本明細書で使用される「第1」または「第2」のような序数を含む用語は、多様な構成要素の説明に使用されるが、前記構成要素は、前記用語によって限定されてはならない。前記用語は、1つの構成要素を他の構成要素から区別するための目的のみで使用される。
【0017】
本明細書で使用される用語は、本発明での機能を考慮して、可能な限り、現在広く使用される一般的な用語を選択したが、これは、当業者の意図または判例、新たな技術の出現などによっても異なる。また、特定の場合、出願人が任意に選定した用語もあり、その場合、当該発明の説明部分でその意味が詳細に記載されるであろう。したがって、本発明で使用される用語は、単なる用語の名称ではない、その用語が有する意味と本発明の全般にわたる内容に基づいて定義されねばならない。
【0018】
本実施例は、三重カプセル及びそれを製造する装置及び方法に係わるものであって、下記実施例が属する技術分野で通常の知識を有する者に広く知られている事項についての詳細な説明は、省略する。
【0019】
図1は、三重カプセルを含むシガレットに係わる一例を示す図面である。
【0020】
図1を参照すれば、シガレット1は、タバコロッド2、及びフィルタロッド3を含んでもよい。
図1には、フィルタロッド3が単一領域で構成されると図示されているが、それに限定されず、フィルタロッド3は、複数のセグメントで構成されうる。例えば、フィルタロッド3は、エアロゾルを冷却する第1セグメント及びエアロゾルに含まれる特定成分をろ過する第2セグメントを含んでもよい。また、フィルタロッド3には、他の機能を行う少なくとも1つのセグメントがさらに含まれる。
【0021】
シガレット1は、少なくとも1枚のラッパ4によっても包装される。ラッパ4には、外部空気が流入されるか、内部空気が流出される少なくとも1つの孔(hole)が形成される。一例として、シガレット1は、1枚のラッパ4によっても包装される。他の例において、シガレット1は、2枚以上のラッパ4によって重畳的に包装されてもよい。具体的に、第1ラッパによってタバコロッド2が包装され、第2ラッパによってフィルタロッド3が包装されうる。それぞれのラッパによって包装されるタバコロッド2及びフィルタロッド3が結合され、第3ラッパによってシガレット1全体が再包装されうる。
【0022】
タバコロッド2は、エアロゾル生成物質を含んでもよい。例えば、エアロゾル生成物質は、グリセリン、プロピレングリコール、エチレングリコール、ジプロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール及びオレイルアルコールのうち、少なくとも1つを含んでもよいが、それらに限定されない。タバコロッド2は、風味剤、湿潤剤及び/または有機酸(organic acid)のような他の添加物質を含んでもよい。タバコロッド2には、メントールまたは保湿剤などの加香液がタバコロッド2に噴射されて添加されうる。
【0023】
タバコロッド2は、多様な方式によっても作製される。例えば、タバコロッド2は、シート(sheet)にも、ストランド(strand)にも作製される。または、タバコロッド2は、タバコシートが細かく切られた刻みタバコによっても作製される。
【0024】
選択的に、タバコロッド2は、熱伝導物質によっても取り囲まれる。例えば、熱伝導物質は、アルミニウムホイルのような金属ホイルでもあるが、それに限定されない。また、タバコロッド2を取り囲む熱伝導物質は、誘導加熱式ヒータによって加熱されるサセプタとしても機能する。
図1に図示されていないが、タバコロッド2は、外部を取り囲む熱伝導物質以外に追加のサセプタをさらに含んでもよい。
【0025】
フィルタロッド3は、少なくとも1つの酢酸セルロースフィルタを含んでもよい。フィルタロッド3は、多様な形状に形成される。例えば、フィルタロッド3は、円筒状ロッドでもあり、内部に中空(hollow)を含むチューブ状ロッドを含んでもよい。または、フィルタロッド3は、内部に空洞(cavity)を含むリセス(recess)状ロッドを含んでもよい。フィルタロッド3が複数のセグメントで構成される場合、複数のセグメントは、互いに異なる形状にも作製される。
【0026】
フィルタロッド3は、フィルタロッド3で香味が発生するようにも作製される。例えば、フィルタロッド3に加香液が噴射され、加香液が塗布された別途の繊維がフィルタロッド3の内部にも挿入される。
【0027】
フィルタロッド3にエアロゾルを冷却する冷却セグメントが含まれる場合、冷却セグメントは、高分子物質または生分解性高分子物質によっても製造される。例えば、冷却セグメントは、純粋なポリ乳酸(polylactic acid)だけでも作製される。または、冷却セグメントは、複数の穿孔を含む酢酸セルロースフィルタによっても作製される。但し、それに限定されるものではなく、冷却セグメントは、エアロゾルを冷却する構造及び物質でも構成される。
【0028】
フィルタロッド3には、少なくとも1つのカプセル5が含まれる。少なくとも1つのカプセル5は、香味を発生させ、エアロゾルを発生させてもよい。例えば、少なくとも1つのカプセル5は、香料を含む液体を被膜で覆い包む構造によっても形成される。少なくとも1つのカプセル5は、球状または円筒状を有するが、それに限定されない。
【0029】
少なくとも1つのカプセル5は、複数の材料が複数の層を形成する多重カプセルでもある。多重カプセルは、少なくとも1つの膜材による少なくとも1つのシェル(shell)と少なくとも1つの内装材による少なくとも1つのコア(core)を含んでもよい。例えば、多重カプセルは、2個の膜材及び1つの内装材を含む三重カプセルでもある。三重カプセルについての具体的な内容は、
図2を参照して後述される。
【0030】
図2は、三重カプセルの構造に係わる一例を示す図面である。
【0031】
図2を参照すれば、内装材11、中間膜材12、及び外膜材13を含む三重カプセル10が図示されている。三重カプセル10は、球状であると図示されているが、それに制限されるものではなく、三重カプセル10の断面は、局所的に楕円形であるか、一部変形された円形でもある。
【0032】
三重カプセル10は、内装材11、中間膜材12、及び外膜材13を含んでもよい。例えば、三重カプセル10において、内装材11は、最内部に配置されてコア(core)を形成し、中間膜材12は、内装材11と外膜材13との間に配置され、内装材11を覆い包み、外膜材13は、最外部に配置されて内装材11を覆い包む中間膜材12を再び覆い包んでもよい。
【0033】
三重カプセル10は、多様な大きさに形成されうる。三重カプセル10に含まれる内装材11、中間膜材12、及び外膜材13の直径または厚さは、設計者の意図によって変更されうる。一方、三重カプセル10の規格は、後述する
図5に図示される三重ノズル122の排出口規格に対応しうる。三重成形体14は、三重ノズル122の規格に符合する大きさに吐出されうるので、三重成形体14から形成される三重カプセル10も三重ノズル122の排出口直径に対応する直径を有してもよい。
【0034】
例えば、内装材11の直径は、2.5mm以上6.0mm以下でもある。または、内装材11の直径は、3.0mm以上5.0mm以下でもある。または、内装材11の直径は、4.3mm以上4.7mm以下でもある。それにより、内装材11の半径r1は、1.25mm以上3.0mm以下、または1.5mm以上2.5mm以下、または2.15mm以上2.35mm以下でもある。
【0035】
例えば、中間膜材12の厚さd2は、0.1mm以上1.0mm以下でもある。または、中間膜材12の厚さd2は、0.3mm以上0.7mm以下でもある。外膜材13の厚さd3は、0.3mm以上1.5mm以下でもある。または、外膜材13の厚さd3は、0.4mm以上0.9mm以下でもある。
【0036】
一方、三重カプセル10は、シガレット1のフィルタロッド3に収容可能な大きさに作製されることが要求されうる。フィルタロッド3に収容されるには、三重カプセル10全体の直径が11mm以下であることが要求される。望ましくは、三重カプセル10全体の直径が6mm以下であることが要求される。
【0037】
三重カプセル10の大きさが過度に大きいか、小さい場合、三重カプセル10が三重成形体14から形成される効率が減少しうる。ここで、三重成形体14は、
図4を参照して後述される。それ以外にも、三重カプセル10が円滑に機能を発揮するためには、三重カプセル10が適切な大きさを有することが要求される。
【0038】
三重カプセル10の機能の例示として、三重カプセル10は、ユーザの破砕なしには、液漏れされず、破砕後に内装材11によってシガレット1から生成されるエアロゾルを加香する機能を行うことができる。また、三重カプセル10の機能発揮のためには、三重カプセル10の破砕強度が適正範囲にあり、高温のエアロゾルによって三重カプセル10が変形されないことが要求される。
【0039】
内装材11の大きさは、三重カプセル10全体の大きさに直接に影響を与えうる。内装材11の直径が過度に小さい場合、三重カプセル10がシガレット1のフィルタロッド3内部で圧力を受ける面積が縮まって三重カプセル10の破砕が困難になり、内装材11の直径が過度に大きい場合、三重カプセル10の内装材11の含量過多によって破砕後にフィルタロッド3が濡れるか、ラッパ4に染みが発生する恐れがある。
【0040】
中間膜材12の大きさは、内装材11が安定して収容されるか否かに係わりうる。中間膜材12の厚さd2が過度に薄い場合、内装材11が漏れる恐れがあり、中間膜材12の厚さd2が過度に厚い場合、成形過程での中間膜材12の凝固にかかる時間が増加して製造効率が減少してしまう。
【0041】
外膜材13の大きさは、破砕容易性に係わりうる。外膜材13は、弾性を有する高分子物質を含み、外膜材13の厚さd3が過度に大きい場合、三重カプセル10の破砕に要求される外力が増加して破砕が困難になり、外膜材13の厚さd3が過度に薄い場合、三重カプセル10が小さな衝撃にも破砕される恐れがある。
【0042】
したがって、内装材11、中間膜材12、及び外膜材13の直径または厚さは、適切な数値に設定されることが要求される。三重カプセル10が前述した例示のような直径または厚さによって形成される場合、三重カプセル10に含まれる各構成の機能が円滑に発揮されうる。
【0043】
三重カプセル10において内装材11、中間膜材12、及び外膜材13の直径または厚さは、三重カプセル10が三重成形体14から形成される直径または厚さを意味しうる。または、三重カプセル10は、形成された後、乾燥過程を経ることにより、直径または厚さが多少減少しうる。
【0044】
内装材11は、水溶性物質を含み、中間膜材12は、脂溶性物質を含み、外膜材13は、水溶性物質を含んでもよい。例えば、水溶性物質は、水やエタノールなどの極性溶媒によく溶解される親水性物質を意味し、脂溶性物質は、ベンゼンなどの非極性溶媒に溶解される疎水性物質を意味する。水溶性物質と脂溶性物質は、互いに均質に混合されず、水溶性物質と脂溶性物質とが混じる場合、それぞれによる層が形成される。例えば、内装材11は、水溶性高分子物質を含み、中間膜材12は、脂溶性ワックスを含み、外膜材13は、水溶性溶媒及び水溶性香料を含んでもよい。
【0045】
三重カプセル10が中間膜材12及び外膜材13の二重膜構造に形成され、中間膜材12が脂溶性物質からなることにより、内装材11に水溶性物質が含まれうる。それにより、三重カプセル10に水溶性香料が担持されて三重カプセル10を通じて提供される香味が多様になる。また、水溶性香料は、ユーザに望ましくない影響が与えることを防止しうる。
【0046】
三重カプセル10が水溶性の内装材11を担持可能にもかかわらず、三重カプセル10に脂溶性の中間膜材12が内装材11及び外膜材13の間に配置されるので、三重カプセル10の表面をなす外膜材13が水溶性物質でもある。特に、外膜材13が水溶性の高分子物質からなる場合、外膜材13が弾性または柔軟性を有し、それにより、三重カプセル10を破砕するためには、一定レベル以上の外力が要求され、三重カプセル10の意図せぬ破砕が防止される。
【0047】
内装材11は、水溶性溶媒及び水溶性香料を含んでもよい。水溶性溶媒は、水、プロピレングリコール(propylene glycol)、ポリエチレングリコール(polyethylene glycol)、ジホスホグリセレート(diphosphoglycerate)及びグリセリン(glycerin)のうち、少なくとも1つを含んでもよい。水溶性香料は、L-メントール(L-menthol)、バニリン(vanillin)、エチルバニリン(ethyl vanillin)、マルトール(maltol)、エチルマルトール(ethyl maltol)、酢酸(acetic acid)、プロピオン酸(propionic acid)のような化学物質、コーヒー、バニラ、ココア、干しぶどう、甘草のような天然原料の抽出物及びアスパルテーム、サッカリン、スクロース、アセスルファム、ネオテーム、ソーマチン、ステビオシドのような機能性添加剤のうち、少なくとも1つを含んでもよい。
【0048】
内装材11は、多様な含量で三重カプセル10に担持されうる。三重カプセル10に担持する内装材11の含量は、三重カプセル10を構成する内装材11の直径及び内装材11の密度などによっても決定される。例えば、内装材11の含量は、8.0mg以上115mg以下でもある。または、内装材11の含量は、14mg以上65mg以下でもある。但し、それに制限されず、内装材11の直径または密度変更によって内装材11の含量が変更されてもよい。
【0049】
中間膜材12は、脂溶性ワックス(wax)を含んでもよい。中間膜材12は、水または親水性物質と分離される疎水性の蜜蝋を含んでもよい。例えば、中間膜材12は、シェラックワックス(shellac wax)、蜜蝋(bees wax)のような動物由来ワックス、カルナウバワックス(carnauba wax)、キャンデリラワックス(candelilla wax)、キャスターワックス(castor wax)、オウリキュリーワックス(ouricury wax)のような植物由来ワックス、パラフィンワックス(paraffin wax)、微晶質ワックス(microcrystalline wax)のような石油系ワックス、ロジン(rosin)、ラッカー(lacquer)、プロポリス(propolis)のような樹脂(resin)系、豆(soybean)、菜種(rapeseed)、キャノーラ(canola)、ひまわり(sunflower)、ピーナッツ(peanut)、ココナッツ(coconut)、ヤシ(palm)、米ぬか(ricebran)のような動植物に由来の加工油のうち、少なくとも1つを含んでもよい。
【0050】
中間膜材12は、水溶性の外膜材13及び水溶性の内装材11の間に位置して両者を分離するための構成でもある。したがって、中間膜材12が外膜材13及び内装材11の間で固まって凝固されることが三重カプセル10の成形過程の核心的な段階でもある。中間膜材12が外膜材13及び内装材11の間で適切な速度で凝固されるには、中間膜材12が特定範囲以内の融点を有することが要求される。中間膜材12の融点は、米国材料試験協会(ASTM, American society for testing and materials)の基準による滴点(dropping point)を意味することができる。
【0051】
中間膜材12の融点として中間膜材12が凝固される温度が過度に高い場合、三重成形体14が冷却される過程で中間膜材12が内装材11を完全に覆い包む前に凝固される。また、中間膜材12が凝固される温度が過度に低い場合にも、冷却にかかる時間が増加して三重カプセル10の成形不良が誘発されうる。
【0052】
中間膜材12に要求される融点の例示として、中間膜材12の融点は、38℃以上95℃以下でもある。または、中間膜材12の融点は、42℃以上87℃以下でもある。または、中間膜材12の融点は、52℃以上72℃以下でもある。中間膜材12の構成比の調整を通じて中間膜材12の融点が過度に高いか、低くならないように、設定されることにより、三重カプセル10の成形が円滑に進行されうる。
【0053】
中間膜材12は、適切な範囲の硬度(hardness)を有する。具体的に、三重カプセル10が成形されて中間膜材12が固まる場合、中間膜材12が適正範囲の硬度を有して初めて、三重カプセル10がユーザの意図によって破砕される。中間膜材12の硬度が過度に高い場合、三重カプセル10の破砕が困難になり、中間膜材12の硬度が過度に低い場合、三重カプセル10の意図せぬ破砕の恐れがある。例えば、国際標準(ASTM D1321)による針貫通テスト(needle penetration of petroleum waxes)によって、中間膜材12の硬度は、9PU(penetration unit)以上156PU以下でもある。または、中間膜材12の硬度は、15PU以上96PU以下でもある。
【0054】
中間膜材12の硬度は、中間膜材12に前述した例示のようなワックス類単独によって、またはワックス類に中鎖トリグリセリド(MCT, medium chain triglyceride)のようなオイル類に配合される混合物によっても具現される。混合物でオイル類の配合比率が増加するほど、中間膜材12の硬度が低くなり、中間膜材12の融点が変更される。それにより、中間膜材12を構成するワックス類及びオイル類の配合比率に対する調整を通じて三重カプセル10の望ましい破砕特性が具現されうる。例えば、中間膜材12にオイル類が配合される比率は、中間膜材12の全重量の1%以上80%以下でもある。
【0055】
外膜材13は、水溶性高分子物質を含んでもよい。外膜材13は、三重カプセル10の最外部に形成される構成であって、三重カプセル10の破砕に係わる特性を有する。三重カプセル10の意図せぬ破砕を防ぐために、外膜材13は、弾性または柔軟性を有する物質からなりうる。
【0056】
例えば、外膜材13は、ゼラチン、寒天、カラギナン、アルギン酸、ペクチンのような水溶性ハイドロコロイド、ジェランガムのようなガム類、じゃがいも澱粉、とうもろこし澱粉のような澱粉類及びデキストリン、マルトデキストリン、シクロデキストリンのような澱粉誘導体のうち、少なくとも1つを含んでもよい。また、外膜材13は、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、メチルセルロース(MC)、カルボキシメチルセルロース(CMC)などのセルロース誘導体、ポリビニルアルコール及びポリオールなどを含んでもよい。
【0057】
内装材11、中間膜材12、及び外膜材13の物性粒子によって、三重カプセル10が破砕されるための強度を示す破砕強度が決定されうる。内装材11が比較的大きい直径を有し、外膜材13以外にも中間膜材12がさらに含まれるという点を考慮すれば、三重カプセル10の破砕強度は、若干高い範囲まで設定される。また、適正範囲の硬度に具現される中間膜材12及び水溶性高分子によって具現される外膜材13の弾性によって、三重カプセル10は、若干低い破砕強度を有するとしても、保管及びフィルタロッド3への投入が可能である。例えば、三重カプセル10の破砕強度は、0.3kgf以上3.5kgf以下でもある。または、三重カプセル10の破砕強度は、0.5kgf以上3.0kgf以下でもある。
【0058】
図3は、三重カプセルを製造する装置に係わる一例を示す構成図である。
【0059】
図3を参照すれば、三重カプセル10を製造する装置100は、材料供給部110、成形部120、及び冷却部130を含んでもよい。ただそれに制限されず、
図2に図示される構成要素以外に他の汎用的な構成要素が装置100にさらに含まれてもよい。装置100によって製造される三重カプセル10は、前述した
図2を通じて説明された三重カプセル10でもある。
【0060】
材料供給部110は、内装材11、中間膜材12、及び外膜材13を供給することができる。材料供給部110は、三重カプセル10に含まれる内装材11、中間膜材12、及び外膜材13を成形部120に供給することができる。
【0061】
材料供給部110は、内装材11、中間膜材12、及び外膜材13を成形部120に供給するために、保存手段、連結手段、及び移送手段を含んでもよい。材料供給部110は、内装材11、中間膜材12、及び外膜材13を保存するための手段、材料供給部110及び成形部120を連結するための手段、内装材11、中間膜材12、及び外膜材13を成形部120に移送するための手段を含んでもよい。
【0062】
材料供給部110の保存手段、連結手段、及び移送手段は、それぞれが単数で材料供給部110に備えられるが、保存手段、連結手段、及び移送手段それぞれは、内装材11、中間膜材12、及び外膜材13に対応する複数個で材料供給部110に備えられてもよい。材料供給部110についての具体的な内容は、
図6を参照して後述される。
【0063】
成形部120は、内装材11、中間膜材12、及び外膜材13に対する共押出(coextrusion)を行うことができる。内装材11、中間膜材12、及び外膜材13に対する共押出によって内装材11、中間膜材12、及び外膜材13で構成される三重成形体14が成形部120から吐出される。
【0064】
共押出は、複数個の材料に対する押出(extrusion)を同時に行って複数個の材料からなる結合体を成形する過程を意味する。装置100において、内装材11、中間膜材12、及び外膜材13は、成形部120によって共押出され、それにより、内装材11、中間膜材12、及び外膜材13で構成される三重成形体14が成形部120から生成される。
【0065】
三重成形体14は、内装材11、中間膜材12、及び外膜材13が結合される混合物を意味することができる。三重成形体14は、内装材11、中間膜材12、及び外膜材13が三重カプセル10に形成される過程の中間物質でもある。三重成形体14が冷却部130によって冷却される場合、三重カプセル10が形成されうる。
【0066】
成形部120は、内装材11、中間膜材12、及び外膜材13を供給されるノズルマウント121及び内装材11を吐出する第1ノズル123、中間膜材12を吐出する第2ノズル124及び外膜材13を吐出する第3ノズル125が同心状に配列される三重ノズル122を含んでもよい。成形部120を構成する要素についての具体的な内容は、
図4を参照して後述される。
【0067】
冷却部130は、冷却材を循環させて三重成形体14を冷却することで、三重カプセル10を形成することができる。冷却部130によって冷却材が成形部120を含む経路を循環することができる。それにより、三重成形体14は、成形部120から排出されるや否や冷却材の流れによって循環し、その過程で三重成形体14が冷却されて三重カプセル10が形成されうる。
【0068】
冷却部130は、冷却材を循環させるために保存手段、連結手段、及び移送手段を含んでもよい。冷却部130は、冷却材を保存するための保存手段、保存手段と成形部120との間に循環経路を形成するための連結手段、及び循環経路に沿って冷却部を循環させるための移送手段を含んでもよい。冷却部130についての具体的な内容は、
図6を参照して後述される。
【0069】
図4は、共押出を行う成形部の構造に係わる一例を示す図面である。
【0070】
図4を参照すれば、成形部120は、ノズルマウント121及び三重ノズル122を含んでもよい。必要に応じて、ノズルマウント121及び三重ノズル122以外に他の汎用的な構成が成形部120にさらに含まれてもよい。
【0071】
ノズルマウント121は、内装材11、中間膜材12、及び外膜材13を材料供給部110から供給されてもよい。材料供給部110の連結手段がノズルマウント121に連結され、ノズルマウント121は、材料供給部110の移送手段によって伝達される内装材11、中間膜材12、及び外膜材13を収容することができる。
【0072】
ノズルマウント121は、三重ノズル122と接合されて成形部120を形成することができる。ノズルマウント121は、移送される内装材11、中間膜材12、及び外膜材13を三重ノズル122に伝達することができる。ノズルマウント121は、三重ノズル122に内装材11、中間膜材12、及び外膜材13をさらに円滑に供給可能なように三重ノズル122より高く位置するが、それに限定されない。
【0073】
ノズルマウント121の形状は、円筒状でもある。ノズルマウント121が円筒状の場合、底面を通じて接触する三重ノズル122に内装材11、中間膜材12、及び外膜材13を伝達することができる。ただ円筒状以外にも、ノズルマウント121は、材料供給部110及び三重ノズル122の間で内装材11、中間膜材12、及び外膜材13を介して伝達可能な他の形状を有してもよい。
【0074】
三重ノズル122は、内装材11を吐出する第1ノズル123、中間膜材12を吐出する第2ノズル124及び外膜材13を吐出する第3ノズル125が同心状に配列される形状を有する。第1ノズル123、第2ノズル124、及び第3ノズル125は、流体を外部に噴出させるためのノズル(nozzle)構造によっても形成される。三重ノズル122は、材料供給部110及びノズルマウント121から移送される材料を小さな断面積を有する排出口を介して冷却部130に吐出することができる。
【0075】
第1ノズル123、第2ノズル124、及び第3ノズル125が同心状に配列される形状は、第1ノズル123から内装材11が排出される位置、第2ノズル124から中間膜材12が排出される位置、及び第3ノズル125から外膜材13の排出位置が一致することを意味する。または、
図4に図示される例示のように、同心状に配列される形状は、内装材11、中間膜材12、及び外膜材13の排出される排出口が地面に直交する方向に沿って一列に配列されることを意味する。
【0076】
第1ノズル123の排出口、第2ノズル124の排出口、及び第3ノズル125の排出口は、円形断面にも形成される。第1ノズル123、第2ノズル124、及び第3ノズル125の排出口断面が円形に形成されることにより、三重ノズル122から吐出される三重成形体14の断面が円形でもあり、それにより、三重カプセル10が球状に形成される。但し、円形断面を有する排出口に限定されるものではなく、三重ノズル122の排出口の断面は、多様な三重成形体14及び三重カプセル10の形状に対応する形状にもなる。
【0077】
第1ノズル123、第2ノズル124、及び第3ノズル125の排出口は、互いに異なる直径を有する。例えば、中間膜材12を排出する第2ノズル124の排出口直径は、内装材11を排出する第1ノズル123の排出口直径よりも大きくなり、外膜材13を排出する第3ノズル125の排出口直径は、中間膜材12を排出する第2ノズル124の排出口直径よりも大きくなる。それにより、外膜材13が内装材11を取り囲む中間膜材12を再び取り囲む三重カプセル10の構造が具現される。但し、三重カプセル10の構造が変更される場合、三重ノズル122の構造も変更される。
【0078】
三重ノズル122の規格は、三重カプセル10の規格を具現するように設定される。例えば、第1ノズル123、第2ノズル124、及び第3ノズル125の排出口直径は、三重カプセル10を形成する内装材11、中間膜材12、及び外膜材13の直径に係わる規格を具現可能な数値に設定されうる。例えば、第1ノズル123の排出口直径は、1.0mm以上3.0mm以下でもあり、第2ノズル124の排出口直径は、第1ノズル123の排出口直径より0.5mm以上2.5mm以下ほどさらに大きくなり、第3ノズル125の排出口直径は、第2ノズル124の排出口直径より1.0mm以上3.0mm以下ほどさらに大きくなる。但し、三重カプセル10の大きさに対する設計が変更される場合、それに符合するように三重ノズル122の大きさも変更されうる。
【0079】
前述したように、内装材11は、水溶性物質でもあり、中間膜材12は、脂溶性物質でもあり、外膜材13は、水溶性物質でもある。一方、冷却部130を循環する冷却材は、脂溶性物質でもある。そのような物性によって、三重ノズル122から吐出される三重成形体14内部の内装材11、中間膜材12、及び外膜材13は、冷却材と共に互いに混ざらない層を形成しうる。冷却材が循環することにより、三重成形体14は、層をなした状態で冷却材と共に、循環経路に沿って移動しつつ冷却され、その過程で中間膜材12及び外膜材13が水溶性物質間の引力及び脂溶性物質間の引力によって閉曲面を形成して内部に内装材11を担持する三重カプセル10が形成されうる。
【0080】
三重成形体14が冷却部130で冷却材に沿って循環する過程で三重カプセル10が安定して形成されるためには、三重ノズル122の排出口が適正な直径を有することが要求される。三重ノズル122の排出口が過度に大きい直径を有する場合、中間膜材12及び外膜材13が閉鎖され、冷却されて安定化されるまでの所要時間が増加し、三重カプセル10の収率が減少し、三重ノズル122の排出口が過度に小さい直径を有する場合、三重成形体14が冷却材内部で形成する層が一定レベル以上の厚さを形成できず、三重成形体14が冷却材の循環フローによって物理的に分散されうる。
【0081】
したがって、三重ノズル122の排出口が適正な直径によって形成されて初めて、冷却部130で三重カプセル10が安定して形成され、前述した例示のように、第1ノズル123の排出口直径が1.0mm以上3.0mm以下であり、第2ノズル124の排出口直径が1.5mm以上5.5mm以下であり、第3ノズル125の排出口直径が2.5mm以上8.5mm以下の範囲で初めて三重成形体14が内装材11、中間膜材12、及び外膜材13それぞれの層で効果的に分離されて、三重カプセル10の収率が増大しうる。
【0082】
図5は、共押出を行う成形部の断面形状に係わる例を示す図面である。
【0083】
図5を参照すれば、
図4に図示される線a-a'に沿って地面に平行に切った断面510及び断面520が図示されている。断面510及び断面520には、第1ノズル123、第2ノズル124、及び第3ノズル125が図示されており、内装材11、中間膜材12、及び外膜材13が三重ノズル122の排出口に流れる通路が図示されている。但し、断面510及び断面520は、例示に過ぎず、内装材11、中間膜材12、及び外膜材13が同心状に配列される排出口に伝達されるようにする他の構造が三重ノズル122に採用されうる。
【0084】
断面510の場合、第1ノズル123、第2ノズル124、及び第3ノズル125は、いずれも円形状でもある。内装材11は、第1ノズル123の内部を通じて三重ノズル122の排出口に伝達され、中間膜材12は、第1ノズル123及び第2ノズル124の間空間を通じて三重ノズル122の排出口に伝達され、外膜材13は、第2ノズル124と第3ノズル125との間の空間を通じて三重ノズル122の排出口に伝達されうる。
【0085】
断面520の場合、第1ノズル123、第2ノズル124、及び第3ノズル125は、いずれも円形状でもあるが、第1ノズル123、第2ノズル124、及び第3ノズル125相互間に空間が形成されず、第2ノズル124、及び第3ノズル125の内部にそれぞれ中間膜材12及び外膜材13を伝達するための空間が形成されうる。断面520の場合、断面510とは異なって、第1ノズル123、第2ノズル124、及び第3ノズル125が互いに隙間なく組み込まれて三重ノズル122の構造がさらに安定的でもある。
【0086】
断面510及び断面520の場合、線a-a'の位置では、互いに異なる形で構成されるが、内装材11、中間膜材12、及び外膜材13が吐出される排出口近傍に行くほど断面積が細くなり、互いに等しい排出口構造を有するように具現される。
【0087】
図6は、三重カプセルを製造する装置の一例を説明するための図面である。
【0088】
図6を参照すれば、三重カプセル10を製造する装置100を構成する要素についてのさらに具体的な例示が図示されている。但し、それに制限されず、
図6で例示される構成要素以外にも他の汎用的な構成要素が装置100にさらに含まれてもよい。
【0089】
材料供給部110は、内装材11、中間膜材12、及び外膜材13をそれぞれ保存するタンク111、タンク111それぞれと成形部120を連結する移送ライン112、及び移送ライン112を通じて成形部120に内装材11、中間膜材12、及び外膜材13をそれぞれ伝達するための動力を提供するギアポンプ113を含んでもよい。
【0090】
タンク111は、内装材11、中間膜材12、及び外膜材13をそれぞれ保存することができる。タンク111は、内装材11、中間膜材12、及び外膜材13それぞれを保存する3個のタンクを含んでもよいが、それに制限されず、タンク111は、単数のタンクが3個の区域に区画されて内装材11、中間膜材12、及び外膜材13それぞれが保存される構造によっても形成される。
【0091】
移送ライン112は、タンク111それぞれと成形部120とを連結する。移送ライン112は、内装材11、中間膜材12、及び外膜材13がタンク111から成形部120に移送される通路でもある。
【0092】
ギアポンプ113は、移送ライン112を通じて成形部120に内装材11、中間膜材12、及び外膜材13を伝達するための動力を提供する。ギアポンプ113は、噛み合う2つ以上のギアの回転によって高粘度の流体を移送させる手段でもある。ギアポンプ113によって内装材11、中間膜材12、及び外膜材13が移送ライン112を通じてタンク111から成形部120に伝達されうる。
【0093】
移送ライン112には、ダンパ(dampers)がさらに含まれてもよい。ダンパは、流体の流れを制限して流速を調整するための手段を意味する。ダンパは、移送ライン112それぞれに配置され、ギアポンプ113及びダンパによって内装材11、中間膜材12、及び外膜材13の移送速度が調節されうる。
【0094】
冷却部130は、冷却材を保存する冷却材タンク131、冷却材タンク131、及び成形部120の間に形成される冷却材循環ライン132及び冷却材循環ライン132を通じて冷却材を循環させるための動力を提供する冷却材ギアポンプ133を含んでもよい。
【0095】
冷却材タンク131は、冷却材を保存することができる。冷却材は、冷却材循環ライン132に沿って循環した後、再び冷却材タンク131に保存される。冷却材タンク131は、循環後に再び保存される冷却材を収容するための流入口をさらに含んでもよい。
【0096】
冷却材は、脂溶性物質でもある。冷却材が脂溶性物質で構成されることにより、冷却部130で最外部に水溶性外膜材13が配置される三重成形体14が冷却材と混ぜ合わされずに冷却されうる。例えば、冷却材は、中鎖トリグリセリド(MCT, medium chain triglyceride)でもある。但し、それに制限されず、脂溶性物質として三重成形体14を冷却することができる他の物質が冷却材として採用されてもよい。
【0097】
冷却材循環ライン132は、冷却材タンク131と成形部120との間に形成される。冷却材循環ライン132は、冷却材を冷却材タンク131から成形部120に移送させるための部分と、冷却材を成形部120から再び冷却材タンク131に搬送させるための部分と、を含んでもよい。冷却材循環ライン132を通じて冷却材が冷却材タンク131と成形部120との間を循環し、三重成形体14を冷却することができる。
【0098】
冷却材ギアポンプ133は、冷却材循環ライン132を通じて冷却材を循環させるための動力を提供することができる。冷却材ギアポンプ133は、噛み合う2つ以上のギアの回転によって高粘度の流体を移送させる手段でもある。冷却材ギアポンプ133によって冷却材が冷却材循環ライン132を通じて冷却材タンク131と成形部120との間を循環する。一方、冷却材循環ライン132には、冷却材の流れを制限して流速を調整するためのダンパがさらに含まれてもよい。
【0099】
冷却部130は、三重カプセル10を冷却材から分離するためのカプセル分離器134をさらに含んでもよい。カプセル分離器134は、冷却材と共に循環する三重カプセル10を、冷却材タンク131に搬送される冷却材、及び冷却済の三重カプセル10に分離することができる。
【0100】
カプセル分離器134は、冷却材は通過させ、三重カプセル10は通過させないふるい(sieve)を含んでもよい。冷却材及び三重カプセル10がふるいを通りつつ、冷却材は、ふるいを通過して、再び冷却材タンク131に移送されうる。ふるいは、地面に対して傾いた角度を有するランプ(ramp)構造でもある。ふるいのランプ構造によって三重カプセル10が別途に収集されうる。
【0101】
成形部120において三重成形体14が吐出され、冷却部130において三重成形体14が冷却されて三重カプセル10が形成されるには、内装材11、中間膜材12、外膜材13、及び冷却材の温度がそれぞれ既定の範囲内に保持される必要がある。内装材11、中間膜材12、外膜材13の温度が過度に高いか、低い場合、三重成形体14が適切な速度に冷却され難く、三重カプセル10が円滑に成形されない場合もある。
【0102】
例えば、内装材11が成形部120に供給される温度は、20℃以上80℃以下でもあり、中間膜材12が成形部120に供給される温度は、20℃以上150℃以下でもあり、外膜材13が成形部120に供給される温度は、20℃以上80℃以下でもある。但し、これは、例示に過ぎず、三重成形体14を適切に冷却させる他の温度範囲が設定されてもよい。
【0103】
冷却材も適切な温度を有することが要求される。冷却材によって三重成形体14が冷却されるという点で、冷却材の温度は、内装材11、中間膜材12、外膜材13の温度よりも低く設定される。例えば、冷却材の温度は、10℃以上30℃以下に保持されることが要求される。
【0104】
内装材11、中間膜材12、外膜材13が成形部120に供給される温度を調整するために、材料供給部110のタンク111及び移送ライン112の温度が特定範囲で保持されうる。前述したように、タンク111のうち、内装材11を保存するタンク、及び移送ライン112のうち、内装材11が移送される移送ラインは、20℃以上80℃以下の温度に保持され、中間膜材12及び外膜材13の場合についても、同様に適用されうる。
【0105】
冷却材の温度は、冷却部130において三重成形体14を冷却する過程で上昇する。したがって、加熱された冷却材の温度を再び適正温度に保持するために、冷却部130の冷却材タンク131及び冷却材循環ライン132の温度が適正温度に保持される。例えば、三重成形体14を冷却した後、温度が上昇した冷却材は、冷却材タンク131に回収された後、冷却材タンク131で再び10℃以上30℃以下の温度に冷却されうる。
【0106】
装置100は、三重カプセル10に含まれる冷却材を洗浄する洗浄部(図示せず)、洗浄部によって洗浄される三重カプセル10を乾燥する乾燥部(図示せず)、及び乾燥部によって乾燥する三重カプセル10に対する防湿処理を行う防湿処理部(図示せず)をさらに含んでもよい。
【0107】
洗浄部は、三重カプセル10に含まれる冷却材を洗浄することができる。三重カプセル10は、カプセル分離器134で冷却材と分離されるが、三重カプセル10には、依然として冷却材が一部含まれて三重カプセル10の表面に残余することができる。洗浄部は、そのような残余冷却材を三重カプセル10から除去することができる。洗浄部は、アセトン、酢酸エチル、エタノール、石油エーテルのような有機溶媒で冷却材を洗浄することができる。または、洗浄部は、遠心分離を通じて冷却材を洗浄することもできる。
【0108】
乾燥部は、洗浄部によって洗浄される三重カプセル10を乾燥することができる。三重成形体14が冷却されて成形される三重カプセル10は、乾燥処理を通じてさらに安定化される。乾燥部は、三重カプセル10を乾燥する回転型乾燥器でもあるが、三重カプセル10を乾燥することができる他の構造が乾燥部に採用されてもよい。
【0109】
防湿処理部は、乾燥部によって乾燥される三重カプセル10に対する防湿処理を行うことができる。三重カプセル10が乾燥部によって乾燥された後、再び外部環境によって湿気を含むことを防止するために、防湿処理が行われる。防湿処理は、硬化剤を乾燥させた三重カプセル10に処理する方式によって行われる。
【0110】
硬化剤は、塩化カルシウム、リン酸二カルシウム、硫酸カルシウムのようなカルシウムイオンの溶液、3から4範囲のpHを有するアジピン酸、フマル酸、グルコ酸のような弱酸性溶液でもある。硬化剤を処理する方式は、三重カプセル10に硬化剤をコーティングまたは塗布するか、三重カプセル10を硬化剤溶液に浸漬するか、三重カプセル10に硬化剤溶液を噴霧する方式などを含んでもよい。
【0111】
図7は、三重カプセルを製造する方法の一例を示すフローチャートである。
【0112】
図7を参照すれば、三重カプセルを製造する方法は、段階710から段階730を含んでもよい。但し、
図7に図示される段階以外に他の汎用的な段階が三重カプセルを製造する方法にさらに含まれてもよい。
【0113】
図7の三重カプセルを製造する方法は、
図3から
図6の三重カプセルを製造する装置100で時系列的に行われる段階で構成されうる。したがって、以下で省略される内容であるにしても、
図3から
図6の三重カプセルを製造する装置100について前述した内容は、カプセルを製造する方法にも適用されうる。
【0114】
段階710において、装置100は、内装材11、中間膜材12、及び外膜材13を供給する。
【0115】
段階720において、装置100は、ノズルマウント121を通じて内装材11、中間膜材12、及び外膜材13を供給され、内装材11を吐出する第1ノズル123、中間膜材12を吐出する第2ノズル124、及び外膜材13を吐出する第3ノズル125が同心状に配列される三重ノズル122を通じて内装材11、中間膜材12、及び外膜材13に対する共押出を行うことで、三重成形体14を吐出させることができる。
【0116】
段階730において、装置100は、冷却材を循環させて三重成形体14を冷却することで、三重カプセル10を形成することができる。
【0117】
以上、実施例について詳細に説明したが、本発明の権利範囲は、それに限定されるものではなく、特許請求の範囲によって定義している本発明の基本概念を用いた当業者の様々な変形及び改良形態も本発明の権利範囲に属する。