(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-31
(45)【発行日】2023-08-08
(54)【発明の名称】予備部品のバンドルの知能的予測
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/20 20230101AFI20230801BHJP
G06Q 30/0207 20230101ALI20230801BHJP
G06Q 30/0601 20230101ALI20230801BHJP
【FI】
G06Q10/20
G06Q30/0207 350
G06Q30/0601 302
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2019114702
(22)【出願日】2019-06-20
【審査請求日】2022-05-27
(32)【優先日】2018-09-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500520743
【氏名又は名称】ザ・ボーイング・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】The Boeing Company
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(74)【代理人】
【識別番号】100163522
【氏名又は名称】黒田 晋平
(74)【代理人】
【識別番号】100154922
【氏名又は名称】崔 允辰
(72)【発明者】
【氏名】ジェンノン・ワン
(72)【発明者】
【氏名】ユン・シ
【審査官】久宗 義明
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第08185446(US,B1)
【文献】特開2010-204764(JP,A)
【文献】特開2009-294702(JP,A)
【文献】特開2003-346009(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
交換部品のバンドルを知能的に予測するための、コンピューターによって実行される方法であって、前記方法が、
コンピュータープロセッサーを使用して、複数の交換部品に関する履歴データ(302、304)に基づいて、前記複数の交換部品の複数の整備イベントを決定するステップ(308)であって、前記複数の整備イベントの各整備イベントは、1つ以上の前記交換部品に対応する、ステップ(308)と、
前記コンピュータープロセッサーを使用して、前記複数の整備イベントに基づいて、交換部品の複数のクラスターを生成するステップ(906)と、
前記コンピュータープロセッサーを使用して、前記クラスターに基づいて、交換部品の複数のバンドルを予測するステップ(908)であって、各バンドルは、複数の交換部品を含む、ステップ(908)と、
を含む、方法。
【請求項2】
前記複数の交換部品の前記複数の整備イベントを決定するステップが、
前記コンピュータープロセッサーを使用して、前記複数の交換部品に関する前記履歴データに基づいて、第1の整備イベントの開始時点を決定するステップ(712)と、
前記コンピュータープロセッサーを使用して、前記複数の交換部品に関する前記履歴データに基づいて、前記第1の整備イベントの終了時点を決定するステップ(712)と、
前記コンピュータープロセッサーを使用して、前記開始時点と前記終了時点との間に生じる交換部品の売り上げ、及び交換部品の電子検索に基づいて、前記第1の整備イベントのための1つ以上の交換部品を特定するステップ(714)と、をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記複数の交換部品の前記複数の整備イベントを決定するステップが、
前記履歴データに関する時系列データを生成するステップ(708)と、
前記時系列データに関するカーネル密度推定を計算するステップ(710)であって、前記開始時点、及び前記終了時点のうちの少なくとも1つが、前記カーネル密度推定に基づく、ステップ(710)と、をさらに含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記コンピュータープロセッサーを使用して、前記複数の交換部品から、複数の相互交換可能部品を特定するステップ(306)であって、前記複数の整備イベントが、前記複数の相互交換可能部品に基づく(704)、ステップ(306)をさらに含む、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記コンピュータープロセッサーを使用して、前記複数の相互交換可能部品のうちの第1の相互交換可能部品に対して、元の部品識別子と最新の部品識別子とを決定するステップ(610)であって、前記複数の整備イベントが、前記元の部品識別子の代わりに前記最新の部品識別子を使用する(704)、ステップ(610)をさらに含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記コンピュータープロセッサーを使用して、前記複数の整備イベント、及び前記複数の交換部品に関する二次元配列を生成するステップ(1000)であって、交換部品の前記複数のクラスターを特定するステップが、前記二次元配列に基づく(906)、ステップ(1000)をさらに含む、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記二次元配列の複数のエントリーの局所的重みを計算するステップ(808)と、
前記二次元配列の前記複数のエントリーの大域的重みを計算するステップ(810)と、
少なくとも部分的に、前記計算された局所的重み及び大域的重みに基づいて、前記二次元配列の次元を削減するステップ(812)であって、交換部品の前記複数のクラスターを特定するステップが、前記削減された二次元配列に基づく、ステップ(812)と、
をさらに含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
少なくとも部分的に、第1のバンドルの各部品の所定の価格に基づいて、交換部品の前記複数のバンドルのうち前記第1のバンドルの価格を決定するステップ(314)であって、前記第1のバンドルの各部品の所定の価格の合算よりも、前記第1のバンドルの前記価格が低い、ステップ(314)
をさらに含む、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
プロセッサーと、
前記プロセッサーにおいて実行されるとき、動作を行うプログラムを記憶するメモリーと、
を備え、前記動作は、
複数の交換部品に関する履歴データに基づいて(302、304)、前記複数の交換部品の複数の整備イベントを決定するステップ(308)であって、前記複数の整備イベントの各整備イベントは、1つ以上の前記交換部品に対応する、ステップ(308)と、
前記複数の整備イベントに基づいて、交換部品の複数のクラスターを生成するステップ(906)と、
前記クラスターに基づいて、交換部品の複数のバンドルを予測するステップ(908)であって、各バンドルは複数の交換部品を含む、ステップ(908)と、
を含む、システム。
【請求項10】
交換部品のバンドルを知能的に予測するためのコンピュータープログラムであって、前記コンピュータープログラムが、コンピューター読み取り可能なプログラムコードを備え、前記コンピューター読み取り可能なプログラムコードは、動作を行うために1つ以上のコンピュータープロセッサーによって実行可能であり、前記動作は、
複数の交換部品に関する履歴データに基づいて(302、304)、前記複数の交換部品の複数の整備イベントを決定するステップ(308)であって、前記複数の整備イベントの各整備イベントは、1つ以上の前記交換部品に対応する、ステップ(308)と、
前記複数の整備イベントに基づいて、交換部品の複数のクラスターを生成するステップ(906)と、
前記クラスターに基づいて、交換部品の複数のバンドルを予測するステップであって、各バンドルは、複数の交換部品を含む、ステップ(908)と、
を含む、コンピュータープログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の態様は、部品のバンドルの知能的予測技術を提供する。
【背景技術】
【0002】
多数のビークルを保有する会社は、そのビークルのための予備部品が頻繁に必要になる。例えば、航空会社は、航空機を整備し、規制や安全要件を満たすために、予備部品が必要になる。このような予備部品は、相手先商標製造会社(Original Equipment Manufacturer、OEM)、又は第三者団体の再販業者が提供することができる。航空会社は、部品販売業者が提供する、インターネットを利用した検索ツールなどの検索ツールを使用して、必要な予備部品を購入することができる。航空会社は、不要な出費や、使用しない部品を保管するのを避けるために、特定の整備業務に必要な部品のみを購入することが多い。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
これを達成するために、多くの航空会社は、購入のために、所望の整備業務に使用するために所定の部品の組を保持する購買代理商を使用する。航空会社が整備業務用にどの部品を購入するかについては、航空機の種類、整備の種類、航空機の状態、航空会社が持つ既存の在庫、部品供給業者との契約を含む、多くの要因が影響する可能性がある。このような部品は、航空会社が所望の整備業務を完了するためにいくつかの部品のバンドルを必要としているときであっても、航空会社が個別に利用可能で、個別に販売されることが多い。場合によっては、このように部品を個別に販売することで、価格その他の要因によりOEMが不利になる場合がある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本明細書で説明する実施形態は、コンピューターによって実行される、交換部品のバンドルを知能的に予測するための方法を含む。本方法は、コンピュータープロセッサーを使用して、複数の交換部品に関する履歴データに基づいて、複数の交換部品の複数の整備イベントを決定するステップを含む。複数の整備イベントの各整備イベントは、1つ以上の交換部品に対応する。本方法は、コンピュータープロセッサーを使用して、複数の整備イベントに基づいて、交換部品の複数のクラスターを生成するステップを含む。本方法は、コンピュータープロセッサーを使用して、クラスターに基づいて、交換部品の複数のバンドルを予測するステップをさらに含む。各バンドルは、複数の交換部品を含む。
【0005】
本明細書で説明する実施形態は、システムをさらに含む。システムは、プロセッサー、及びプログラムを記憶するメモリーを含み、プログラムはプロセッサーにおいて実行されるとき、動作を実行する。動作は、複数の交換部品に関する履歴データに基づいて、複数の交換部品の複数の整備イベントを決定するステップを含む。複数の整備イベントの各整備イベントは、1つ以上の交換部品に対応する。動作は、複数の整備イベントに基づいて、交換部品の複数のクラスターを生成するステップをさらに含む。動作は、クラスターに基づいて、交換部品の複数のバンドルを予測するステップをさらに含む。各バンドルは、複数の交換部品を含む。
【0006】
本明細書で説明する実施形態は、交換部品のバンドルを知能的に予測するための、コンピュータープログラム製品をさらに含む。コンピュータープログラム製品は、具体化されたコンピューター読み取り可能なプログラムコードを有する、コンピューター読み取り可能な記憶媒体を含み、コンピューター読み取り可能なプログラムコードは、動作を実行するために、1つ以上のコンピュータープロセッサーによって実行可能である。動作は、複数の交換部品に関する履歴データに基づいて、複数の交換部品の複数の整備イベントを決定するステップを含む。複数の整備イベントの各整備イベントは、1つ以上の交換部品に対応する。動作は、複数の整備イベントに基づいて、交換部品の複数のクラスターを生成するステップをさらに含む。動作は、クラスターに基づいて、交換部品の複数のバンドルを予測するステップをさらに含む。各バンドルは、複数の交換部品を含む。
【0007】
上述した本開示の特徴を詳しく理解できるように、上記で簡潔に要約された本開示のより具体的な説明が態様を参照することによって得られ、そのいくつかは添付の図面で図示される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本明細書で説明する一実施形態による、予備部品バンドルの知能的予測を示すブロック図である。
【
図2】本明細書で説明される一実施形態による、バンドル予測サーバーを示すブロック図である。
【
図3】本明細書で説明する一実施形態による、予備部品バンドルの知能的予測を示すフローチャートである。
【
図4】本明細書で説明する一実施形態による、関連する履歴的部品売り上げデータを特定するステップを示すフローチャートである。
【
図5】本明細書で説明する一実施形態による、関連する履歴的検索データを特定するステップを示すフローチャートである。
【
図6】本明細書で説明する一実施形態による、相互交換可能な予備部品を把握するステップを示すフローチャートである。
【
図7】本明細書で説明される一実施形態による、整備イベントを決定するステップを示すフローチャートである。
【
図8】本明細書で説明される一実施形態による、部品の関係の行列を生成するステップを示すフローチャートである。
【
図9】本明細書で説明する一実施形態による、部品バンドルの知能的予測を示すフローチャートである。
【
図10】は、本明細書で説明する一実施形態による、部品の関係の行列の例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
予備部品を個別に販売に供することに加えて(又はこれに代えて)、OEMその他の部品販売業者は、特定の整備業務に向けて部品のバンドルを販売することができる。業務に必要な部品が一度にすべて揃うため、これは顧客にとって都合がよく、且つ部品販売業者にとっては、部品をバンドルにして、より競争力のある価格設定をすることが可能になる。しかし通常、販売業者は、顧客が部品を求めるまではどの部品を必要となるかわからず、したがってどの部品をバンドルにして、一緒に販売に供するべきかがわからない。
【0010】
本開示の態様は、コンピューターによる、予備部品バンドルの知能的予測技術に関する。航空会社がどの部品を一緒に購入する可能性があるかを知能的に予測するために、特定のコンピューター化された技術を使用して、部品売り上げ、及び電子検索に関する履歴データを特定することができる。これによって部品バンドルの価格設定を下げることが可能になり、部品販売業者は、販売数を増やすことが可能になる。また、バンドルを予測することは顧客にとって都合がよく、顧客が所与の業務のために購入を検討すべき部品を見極めるのに役立てることができる。また、本明細書で開示するいくつかの技術は、必要とされる演算リソースを制限して、予備部品バンドルの効率的な予測を提供する。このような技術により、予備部品バンドルの知能的予測を効率的且つ効果的に提供することによって、コンピューターの動作を向上させる。
【0011】
予測したバンドルは、様々な方法で顧客に提供することができる。一実施形態では、バンドルはまとめて販売でき、顧客は所望のバンドルを選択することができる。別の実施形態では、顧客が所与の部品を電子的に検索(又は選択)すると、その部品を含むバンドルが見つかり、そのバンドルから付加的な部品が顧客に提供される。実施形態では、予測したバンドルは比較的長期間(例えば、週単位、月単位、又は年単位で)保持され、頻繁には変更されない。また、実施形態では、予測したバンドルは、整備イベントのための特定の顧客要求の予測である。
【0012】
後述する技術は、航空機、ヘリコプターなどの高価なビークルに対して特に効果的な可能性がある。例えば、
図7から10に関連して後述するように、実施形態では、顧客が特定の期間にわたっていくつかの部品を購入する整備イベントを特定するために、本明細書で説明する技術を使用することができる。特定された整備イベントは、部品のバンドルを予測するために使用することができる。これは特に、航空機その他の高価なビークルに適用可能であり、その理由は、このようなビークルの部品購入は予測可能であり、顧客が熟考していることが多いためである。例えば、民間航空機の部品は高価なことが多く、航空会社の多くは、比較的無駄のない事業戦略を実施している。航空会社は必要な部品のみを購入し、厳格に管理されたスケジュールでのみ、或いは必要性が確認された部品のみを購入する。航空会社は、通常は衝動買いはしない。バンドルを効果的に予測するには、このことを考慮に入れるべきである。
【0013】
本明細書で説明する技術は、予定されている整備イベント(顧客によって変化する可能性がある)の一部として、並びに定期的ではあるが予定されていない需要の一部として、という両方の状況において、一緒に購入する部品を特定できるので、この環境に特に適している。例えば、
図7から10に関連して後述する技術は、各顧客の整備スケジュールを知る必要なく、整備イベントを特定し、予定されている整備に関連する部品バンドルを予測することができる。つまり、この技術は、顧客の整備又は購入のスケジュールにアクセスする必要なく、部品のバンドルを予測することができる。また、このような技術は、予定されていない整備イベントの一部として購入される部品、例えば、一緒に交換することが予定されていない部品であっても、同様の時間に交換しなければならないことが多い部品を特定することができる(例えば、複数のビークルで同様の時間に同じ部品を交換することが必要になるため、或いは、1つの部品が必要になることが別の部品が必要になることの合図になる場合があるため)。顧客自身がバンドル部品を一緒に購入する必要性を感じていないとき、並びに観察者がその部品をバンドルすべきと考えていないときでも、バンドルを予測することができる。
【0014】
また、本明細書で説明する1つ以上の技術は、民間航空機などの規制が行き届いた産業に特に適している。新しい規制、又は変更された規制を遵守するように、政府規制によって部品の変更が必要になる場合がある。変更後の部品は、以前に利用可能だった部品と相互交換可能な場合があり、このことは例えば、以前に利用可能だった部品の代わりに新しい部品を使用できる、又は新しい部品を使用すべきであることを意味している。
図6に関連して以下で説明するように、この相互交換可能性の関係は、履歴的売り上げに交換部品がまだ含まれていない場合であっても、予測バンドルに交換部品を確実に含めるために使用することができる。
【0015】
本明細書で説明する技術は、航空機、ヘリコプターなどの高価なビークルに限定されない。本技術は、任意の産業及び状況に適用することができる。例えば、説明するいくつかの(又はすべての)技術は、バス会社、タクシー会社、海運会社、船旅会社、鉄道会社、公共交通機関事業者その他多くの、ビークルを取り入れた他の輸送産業、及び航空産業に適用されてもよい。また、説明するいくつかの(又はすべての)技術は、工場、製造設備、その他適切な産業又は状況を含む、他の産業に適用されてもよい。
【0016】
図1は、本明細書で説明する一実施形態による、予備部品バンドルの知能的予測用システム100を示すブロック図である。バンドル予測サーバー200は、通信ネットワーク110に接続される。バンドル予測サーバー200については、
図2に関連してさらに詳しく説明する。バンドル予測サーバー200は通常、予備部品バンドルの知能的予測を実施するとともに、バンドルの価格設定をするように構成される。
【0017】
通信ネットワーク110は、インターネット、ローカルアクセスネットワーク、又はワイドアクセスネットワークを含む、任意の適切な通信ネットワークであってもよい。通信ネットワーク110は、有線又は無線のネットワークであってもよい。通信ネットワークには、任意の適切な無線プロトコルを含む、任意の適切な通信プロトコルを使用することができる。例えば、通信ネットワーク110には、802.11規格などのIEEE(Institute for Electrical and Electronics Engineers)Wi-Fi規格、別のWi-Fi規格、セルラープロトコル(3G、LTE(Long-Term Evolution)、4G、その他を含む)、Bluetooth(登録商標)、その他を使用することができる。また、通信ネットワーク110には、いくつかの異なる通信プロトコルを使用することができる。
【0018】
通信ネットワーク110は、データリポジトリ170にさらに接続される。データリポジトリ170は、任意の適切なデータ記憶媒体であってもよい。例えば、データリポジトリ170は、関係データベース、その他任意の適切なデータベースを含むことができる。実施形態では、データリポジトリ170は、通信ネットワーク110と通信できるように、ネットワークインターフェースソフトウェア及びハードウェアを含む。例えば、データリポジトリ170は、ネットワークインターフェースを有するサーバーコンピューターを含むことができる。別の例として、データリポジトリ170は、バンドル予測サーバー200内に含まれてもよい。或いは、後で詳しく述べるように、データリポジトリ170は、通信ネットワーク110を介してアクセス可能な、クラウドベースの記憶システムであってもよい。
【0019】
データリポジトリ170は、バンドル予測サーバー200が予備部品バンドルの知能的予測に使用するとともに、バンドルの価格設定に使用するデータを含む。図示されている実施形態では、データリポジトリ170は、部品相互交換可能性データ172を含む。部品相互交換可能性172は、相互交換可能と考えられる部品を表すデータを含む。例えば、古い予備部品は、部品番号が異なる新しい部品と交換してもよい。これは、製造又は材料の改善、或いは様々な理由による、政府規制の変更に応じて行われる場合がある。新しい部品は、古い部品と相互交換可能と考えてもよいので、古い部品を購入しようとしている顧客を、新しい部品を購入するように誘導することができる。しかし、その逆は必ずしも正しくなく、新しい部品は改良又は改善されている場合があるので、古い部品は、新しい部品と相互交換可能とはみなされない。部品相互交換可能性172は、この関係を記述するデータを含むことができる。
【0020】
データリポジトリ170は、履歴的売り上げ174をさらに含む。履歴的売り上げ174は、例えば、どの部品が、どの顧客に、どの時点で売れたかを示すデータを含む。履歴的売り上げ174は、売れた部品の部品識別子、顧客情報、価格設定情報、日時情報その他の関連情報を含む、部品の履歴的な売り上げを示す任意の適切な情報を含むことができる。データリポジトリ170は、履歴的検索176をさらに含む。履歴的検索176は、例えば、顧客が部品を購入することを選択したかどうかにかかわらず、顧客がどの部品を(例えば、部品識別子に基づいて)、どの時点で電子的に検索したかについてのデータを含む。ある状況においては、顧客は部品を電子的に検索しても、それを購入しない選択をする。例えば、顧客は、OEM検索ツールを使用して購入したい部品を特定しても、第三者の販売業者から購入する場合がある。履歴的検索176は、顧客が部品を購入することを選択するかどうかにかかわらず、顧客による部品の電子検索を捕捉する。実施形態では、履歴的検索176は、所与の電子検索が最終的に売り上げにつながったかどうかを示す情報を含むことができる。データリポジトリ170内に図示されているデータは単なる例であり、他のデータが含まれてもよい。
【0021】
図2は、本明細書で説明される一実施形態による、バンドル予測サーバー200を示すブロック図である。示されているように、バンドル予測サーバー200は、これに限定されることなく、中央処理ユニット(CPU)202、ネットワークインターフェース206、メモリー210、及び記憶装置270を含み、それぞれがバス208に接続される。実施形態では、バンドル予測サーバー200は、I/O装置260に接続するための入力/出力(I/O)装置インターフェース204をさらに含む。実施形態では、I/O装置260は、外部I/O装置(例えば、キーボード、表示装置、及びマウス装置)であってもよい。或いは、I/O装置260は、ビルトインI/O装置(例えば、タッチスクリーン表示装置又はタッチパッド)であってもよい。また、本開示の状況においては、バンドル予測サーバー200に示されている演算素子は、物理的な演算システム(例えば、データセンターのシステム)に相当してもよく、或いは以下で詳しく説明するように、コンピューティングクラウド内で実行する仮想演算インスタンスであってもよい。
【0022】
CPU202は、メモリー210に記憶されたプログラム命令を取得して実行し、且つ記憶装置270に存在するアプリケーションデータを記憶し取得する。CPU202と、I/O装置インターフェース204と、記憶装置270と、ネットワークインターフェース206と、メモリー210との間でプログラム命令、及びアプリケーションデータを送信するために、バス208が使用される。CPU202は、CPU、複数のCPU、複数の処理コアを有する単一のCPU、複数の実行パスを有するGPU(graphics processing unit)などを表すものとして含まれている。メモリー210は通常、ランダムアクセスメモリー、又は不揮発記憶装置を含む、任意の適切な種類の電子記憶装置を表すものとして含まれている。記憶装置270は、ディスクドライブ記憶装置であってもよい。記憶装置270は、単一のユニットとして示されているが、固定ディスクドライブ、着脱可能なメモリーカード、ネットワーク接続記憶装置(network attached storage、NAS)、又は記憶領域ネットワーク(storage area-network、SAN)など、固定された記憶装置、及び/又は着脱可能な記憶装置の組み合わせであってもよい。
【0023】
図示されているように、メモリー210は、オペレーティングシステム240、及びデータベース管理システム(database management system、DBMS)250を含み、その一方で、記憶装置270は、データリポジトリ170(例えば、データベース)を含む。オペレーティングシステム240は通常、バンドル予測サーバー200におけるアプリケーションプログラムの実行を制御する。オペレーティングシステム240の例には、これに限定されることなく、UNIX(登録商標)の各バージョン、Linux(登録商標)オペレーティングシステムの各ディストリビューション、Microsoft(登録商標)Windows(登録商標)の各バージョンなどが含まれる。DBMS250は通常、データリポジトリ170におけるデータ(例えば、予備部品データ)の捕捉及び分析を促進する。例えば、DBMS250は、データリポジトリ170の定義、生成、照会、更新、及び管理を可能にすることができる。例として、DBMS250は、(例えば、SQL(Structured Query Language)を使用して構成された)クエリーを受信でき、これに応じて、データリポジトリ170に対して実行される、1つ以上のアクセスルーチンを含む実行プランを生成することができる。DBMS250は、その後、アクセスルーチンを実行でき、要求側に任意のクエリー結果データを戻すことができる。
【0024】
メモリー210は通常、予備部品バンドルの知能的予測に関する様々な機能を実行するとともにバンドルを価格設定する、プログラムコードを含む。プログラムコードは通常、メモリー210内の様々な機能的な「アプリケーション」、「コンポーネント」、又は「モジュール」と呼ばれるが、別の実装では、異なる機能、及び/又は機能の組み合わせを有してもよい。メモリー210内で、バンドル予測モジュール220は通常、予備部品のバンドルを知能的に予測するように構成される。これについては、
図3から
図9に関連してさらに詳しく説明する。
【0025】
メモリー210は、バンドル価格設定モジュール230をさらに含む。バンドル価格設定モジュール230は通常、バンドル予測モジュール220によって予測されたバンドルの価格を決定するように構成される。実施形態では、これは、履歴データ(例えば、データリポジトリ170のデータ)に基づいて、自動的に行うことができる。或いは、これは部分的に又は完全に、内容領域専門家その他のユーザーからの入力に基づいて行うことができる。
【0026】
図3は、本明細書で説明する一実施形態による、予備部品バンドルの知能的予測を示すフローチャート300である。ブロック302において、バンドル予測モジュール(例えば、
図2に示すバンドル予測モジュール220)は、予備部品バンドルの知能的予測に使用するために、関連する履歴的売り上げデータ(例えば、
図1に示す履歴的売り上げデータ174)を特定する。実施形態では、バンドル予測モジュール220は、知能的予測に使用するために、関連する履歴的売り上げデータ174のサブセットを選択する。これは、
図4に関連してより詳しく示されている。
【0027】
ブロック304において、バンドル予測モジュール(例えば、
図2に示すバンドル予測モジュール220)は、予備部品バンドルの知能的予測に使用するために、関連する履歴的検索データ(例えば、
図1に示す履歴的検索データ176)を特定する。実施形態では、バンドル予測モジュール220は、知能的予測に使用するために、関連する履歴的検索データ176のサブセットを選択する。これは、
図5に関連してより詳しく示されている。
【0028】
ブロック306において、バンドル予測モジュール(例えば、
図2に示すバンドル予測モジュール220)は、予備部品バンドルの予測に使用するために、相互交換可能部品を把握する。実施形態では、バンドル予測モジュール220は、予備部品バンドルを予測する目的で、どの部品が相互交換可能かを判定するために、予備部品の相互交換可能性についてのデータ(例えば、
図1に示す部品相互交換可能性172)を使用する。これは、
図6に関連してより詳しく示されている。
【0029】
ブロック308において、バンドル予測モジュール(例えば、
図2に示すバンドル予測モジュール220)は、予備部品バンドルの予測に使用するために、整備イベントを決定する。実施形態では、航空会社(又は他の購入者)は、一連のトランザクションにおいて、特定の整備イベントに関連する部品を購入、又は電子的に検索してもよい。つまり、特定のイベントに使用する予備部品を一度に購入(又は検索)するのではなく、航空会社は、一定の時間、日数、週、又は月にまたがって部品を購入してもよい。実施形態では、このイベントで使用される部品は1つにまとめる必要があるが、航空会社が関連部品を購入(検索)する期間については不明である。実施形態では、バンドル予測モジュール220は、顧客の行動が特定の整備イベントに関連していた期間を特定するために、履歴的売り上げ174、及び履歴的検索176を使用する。これは、
図7に関連してより詳しく説明される。
【0030】
ブロック310において、バンドル予測モジュール(例えば、
図2に示すバンドル予測モジュール220)は、予備部品のバンドルの予測に使用するために、予備部品同士の関係の行列を生成する。実施形態では、ブロック308で決定された整備イベントは、予備部品同士の関係を表す行列(例えば、バイナリ行列)を生成するために使用することができる。これは、
図8に関連してより詳しく説明される。ブロック312において、バンドル予測モジュール(例えば、
図2に示すバンドル予測モジュール220)は、ブロック310で生成された行列を使用して、予備部品のバンドルを予測する。これは、
図9に関連してより詳しく説明される。
【0031】
ブロック314において、バンドル価格設定モジュール(例えば、
図2に示すバンドル価格設定モジュール230)は、ブロック312で予測した部品バンドルの価格を生成する。実施形態では、バンドル価格設定モジュール230は、例えば、個別の構成部品の価格設定情報、履歴的売り上げデータ、及び部品特性(例えば、部品使用先のビークルの経過年数、部品の需要)に基づいて、バンドルの価格を自動的に生成することができる。実施形態では、バンドル価格は比較的安定しており、頻繁に変更されることは少ない。別の実施形態では、バンドル価格は、顧客の需要、バンドル内の個別の部品の価格及び費用、売り上げ目標などを含む、多くの要因に基づいて動的に変更することができる。
【0032】
一例では、バンドル価格設定モジュール230は、バンドル内の個別の部品それぞれの価格を考慮して、合計した価格に割引を適用することができる。これは、セット割引(例えば、合計価格に占める割合)にしてもよく、或いは基本的な費用、及びバンドルの売り上げからの望ましい利益又は利益率に基づいて決定されてもよい。実施形態では、個別の部品の数が多く、バンドルの販売価格が比較的高額なため、バンドルを一緒に販売することで割引料金が可能になる。別の例として、バンドル価格設定モジュール230は、バンドル価格を生成するときに、履歴的売り上げデータ(例えば、
図1の履歴的売り上げ174)を考慮することができる。別の例として、バンドル価格設定モジュール230は、バンドル価格を生成するときに、バンドル内の部品の特性を考慮することができる。例えば、バンドルが、比較的古いが共通するビークルのモデル(例えば、航空機の旧型モデル)に関連している場合、バンドル価格はこれに応じて安価にすることができる。或いは、バンドルが比較的珍しいビークルに関連する場合、価格は比較的高く維持することができる。同様に、バンドルが比較的一般的な部品、又は在庫部品に関連している場合、バンドル価格は安価にすることができる。バンドルが特注の部品、又は珍しい部品に関連している場合、バンドル価格は高くすることができる。
【0033】
別の実施形態では、バンドル価格設定モジュール230は、ユーザーの入力に任せて、バンドルの価格を生成することができる。例えば、内容領域専門家(又は他のユーザー)に、バンドルの価格を入力するよう求めることができる。或いは、バンドル価格設定モジュール230は、ユーザーの入力を自動価格設定と組み合わせることができる。例えば、ユーザーは、価格の上方及び下方の境界、望ましい割引率、目標とする利益量、又は利益率などを設けることができる。バンドル価格設定モジュール230は、このユーザー入力を使用して、バンドルの価格設定を生成することができる。
【0034】
図4は、本明細書で説明する一実施形態による、関連する履歴的部品売り上げデータを特定するステップを示すフローチャートである。実施形態では、
図4は、
図3に図示されているブロック302に相当する。ブロック402において、バンドル予測モジュール(例えば、
図2に示すバンドル予測モジュール220)は、履歴的売り上げデータ400(例えば、
図4に示す履歴的売り上げデータ174)を受信して、潜在的に関連する売り上げを特定する。例えば、売り上げは、日付又は部品使用先によって選別することができる。一例として、特定の期日の前に生じる売り上げは、除外することができる。同様に、バンドル予測は、特定の航空機モデルなどの、特定の最終製品(又は最終製品ファミリー)を目標とすることができ、目標に関連しない売り上げを除外することができる。
【0035】
ブロック404において、バンドル予測モジュール220は、潜在的に関連する売り上げを種類別に特定する。実施形態では、これは、売り上げ種別、顧客種別、又はその両方を含むことができる。例えば、履歴的売り上げは、売り上げ種別を示すコードで指定することができ、コードは、1回限りの売り上げ、反復売り上げ
などを区別するのに使用することができる。同様に、履歴的売り上げは、品目を購入する顧客種別、例えば、航空会社、整備・補修・オーバーホール(maintenance repair and overhaul(MRO))に特化した会社、卸業者、仲介業者などを示すコードで指定することができる。一例では、売り上げは、政府の要求、又はリコールの結果であってもよい。この売り上げについては、再購入は期待できないため、バンドル予測分析から除外してもよい。実施形態では、1回限りになる可能性がある売り上げが除外される一方で、再購入される可能性がある売り上げは、バンドル予測分析に含まれる。
【0036】
ブロック406において、バンドル予測モジュール220は、売り上げのステータスによって、関連する売り上げデータを特定する。実施形態では、所与の売り上げは、売り上げプロセスの段階を示す関連コードを有する。例えば、顧客が部品を注文してから部品が発送されるまでの間に、注文、製造、発送などを含む、様々な段階があってもよい。実施形態では、関連コードは、完了した売り上げを含めるために使用でき、且つ却下又は取り消された売り上げを除外するために使用することができる。ブロック406の後に、バンドル予測モジュール220は、選択済みの履歴的売り上げ410を出力する。
【0037】
図5は、本明細書で説明する一実施形態による、関連する履歴的検索データを特定するステップを示すフローチャートである。実施形態では、
図5は、
図3に図示されているブロック304に相当する。ブロック502において、バンドル予測モジュール(例えば、
図2に示すバンドル予測モジュール220)は、履歴的検索データ500(例えば、
図4に示す履歴的検索176)を受信して、潜在的に関連する検索を特定する。例えば、検索は日付によって選別することができる。一例として、特定の期日の前に生じる検索は、除外することができる。
【0038】
ブロック504において、バンドル予測モジュール220は、ユーザー種別、顧客種別、又はその両方によって、関連する検索を特定する。実施形態では、各検索は、内部(例えば、部品販売業者内)又は外部(例えば、顧客又は潜在顧客)のユーザーと関連付けることができる。ブロック504において、バンドル予測モジュール220は、内部ユーザーによる検索を除外することができる。実施形態では、バンドル予測モジュール220は、部品を購入しようとして検索しているユーザーと、調査その他の目的で検索しているユーザーとを区別する。実施形態では、これは、航空会社、MRO、卸業者、仲介業者などの顧客種別、並びに(又はその代わりに)内部ユーザー対外部ユーザーの区別に基づいて行うことができる。実施形態では、部品の購入以外のことを考えているユーザーに関連付けられる検索は、除外される。或いは、さらなる購入をしそうにないユーザー又は顧客を除外して、ユーザー種別又は顧客種別に基づいて、(
図4に関連して図示されている)履歴的売り上げデータと、履歴的検索データとの両方を特定することができる。
【0039】
ブロック506において、バンドル予測モジュール220は、最終製品によって、関連する検索データを特定する。実施形態では、バンドル予測は、特定の航空機モデルなどの、特定の最終製品(又は最終製品ファミリー)を目標とすることができ、目標に関連しない検索を除外することができる。ブロック508において、バンドル予測モジュール220は、利用可能性によって、関連する検索データを特定する。実施形態では、バンドル予測モジュール220は、部品販売業者のシステムにおいてアクティブでなく利用可能でない部品に関する、検索データを除外することができる。ブロック508の後に、バンドル予測モジュール220は、選択済みの履歴的検索510を出力する。実施形態では、バンドル予測モジュール220は、選択済みの履歴的売り上げ410と、選択済みの履歴的検索510とを組み合わせることができる。
【0040】
図6は、本明細書で説明する一実施形態による、相互交換可能な予備部品を把握するステップを示すフローチャートである。実施形態では、
図6は、
図3に図示されているブロック306に相当する。ブロック602において、バンドル予測モジュール(例えば、
図2に示すバンドル予測モジュール220)は、部品相互交換可能性データ(例えば、
図1に示す部品相互交換可能性172)を受信する。ブロック604において、バンドル予測モジュール220は、次のアクティブな部品を選択する。実施形態では、バンドル予測モジュール220は、部品販売業者のデータベースの、すべてのアクティブな部品のリストから選択することができる。或いは、バンドル予測モジュール220は、履歴的売り上げデータ又は履歴的検索データ、或いは別のデータソースに存在する、アクティブな部品から選択することができる。
【0041】
ブロック606において、バンドル予測モジュール220は、選択した部品について、交換品が利用可能かどうかを判定する。実施形態では、これは中央データベース内の、部品に関連付けられたフィールドによって示すことができる。実施形態では、関連付けられたフィールドは、部品が一方向に相互交換可能か、両方向に相互交換可能か、或いは相互交換可能でないかどうかを指定することができる。一方向に相互交換可能な部品は、指定した(複数の)部品と交換することができる。両方向に相互交換可能な部品は、指定した(複数の)部品と交換でき、且つ指定した(複数の)部品の交換部品として機能することができる。選択した部品が相互交換可能でない場合は、ブロック608において、バンドル予測モジュール220は、アクティブな部品の識別子を使用して、ブロック612に進む。
【0042】
選択した部品が相互交換可能な場合は、ブロック610において、バンドル予測モジュール220は、最新の交換部品を特定する。実施形態では、この最新の交換部品は、予測した部品ハンドル内のアクティブな部品に代えて使用することができる。実施形態では、バンドル予測モジュール220は、部品のチェーンに関するデータを調べることによって、最新の交換部品を特定する。例えば、選択した部品が、(例えば、部品識別子によって)より新しい交換部品を指定するデータを含む可能性がある。しかしこれは、最新の交換部品ではない場合がある。バンドル予測モジュール220は、より新しい交換部品を(すなわち、部品識別子によって、チェーンの次のつなぎ目にあたる部品を)特定でき、その部品に対する、指定の交換部品を探すことができる。より新しい交換部品が、それ自身の交換部品を含む場合は、バンドル予測モジュール220が(例えば、部品識別子によって)最新の交換部品を特定するところまでプロセスが進む。ブロック612において、バンドル予測モジュール220は、所望のアクティブな部品がすべて調べられたかどうかを判定する。調べられていた場合、フローは終了する。調べられていない場合、バンドル予測モジュール220は、ブロック604に戻って、次のアクティブな部品を選択する。
【0043】
図7は、本明細書で説明される一実施形態による、整備イベントを決定するステップを示すフローチャートである。実施形態では、
図7は、
図3に図示されているブロック308に相当する。上述したように、多くの整備イベントに、複数のトランザクションにまたがって部品の購入又は検索が含まれる。このようなトランザクションは、時間、日、週、或いは月にまたがって広げることができる。
図7は、どのトランザクション(すなわち、売り上げ又は検索)が同じ整備イベントに関連するかを特定する、一実施形態を説明している。
【0044】
ブロック702において、バンドル予測モジュール(例えば、
図2に示すバンドル予測モジュール220)は、履歴的売り上げデータと履歴的検索データとを組み合わせる。実施形態では、バンドル予測モジュール220は、
図4に示す選択済みの履歴的売り上げデータ410と、
図5に示す選択済みの履歴的検索データ510とを組み合わせる。
【0045】
ブロック704において、バンドル予測モジュール220は、組み合わせた履歴的売り上げデータと履歴的検索データとで、部品の相互交換可能性を把握する。
図6に関連して前述したように、実施形態では、一部の部品は、相互交換可能な対応物を有する場合がある。例えば、古い部品は、(例えば、政府規制の変更、又は製造技術の向上によって)新しい部品に交換されている場合があり、新しい部品は、古い部品と相互交換可能な場合がある。ブロック704において、バンドル予測モジュール220は、組み合わされた履歴的売り上げデータ及び履歴的検索データを、相互交換可能性データと組み合わせることによってこれを把握する。履歴的売り上げデータと履歴的検索データとを組み合わせたリストに記載されている、より新しい相互交換可能な対応物を有する部品はいずれも、最新の対応物に交換される。例えば、2つの相互交換可能な交換部品を有する古い部品を含む履歴的売り上げは、最新の相互交換可能部品に交換された、元の古い部品の部品番号を含む。これにより、可能な場合は、予測された部品バンドルに最新の部品を含めることができる。
【0046】
ブロック706において、バンドル予測モジュール220は、ブロック704の結果を受けて、顧客及び日付によってデータをソートする。実施形態では、バンドル予測モジュール220は、顧客によってデータをソートしてから、各顧客内で日付によってソートする。或いは、バンドル予測モジュールは、日付によってデータをソートしてから、顧客によってソートしてもよい。ブロック708において、バンドル予測モジュール220は、ブロック706からの出力に基づいて、各顧客に対する時系列データを作成する。実施形態では、バンドル予測モジュール220は、売り上げが上がったり、検索が行われたりした日付を数字に変換する。バンドル予測モジュール220は、次に数字を使用して、各顧客に対する時系列データを作成する。
【0047】
ブロック710において、バンドル予測モジュール220は、各顧客についてカーネル密度推定を計算する。カーネル密度推定は、データセットの基本的な確率密度関数を推定するために使用できる統計的技法である。カーネル密度推定は、使用できる1つの技法の例である。他の適切な技法を使用することもできる。実施形態では、バンドル予測モジュール220は、帯域幅1を使用して、各顧客に関する時系列データのカーネル密度推定を計算することができる。或いは、他の帯域幅が使用されてもよい。
【0048】
ブロック712において、バンドル予測モジュール220は、様々な顧客の整備イベントの期間を特定する。実施形態では、バンドル予測モジュール220は、ブロック710で計算したカーネル密度推定に沿って、最小点を特定することができる。バンドル予測モジュール220は、次に、密度推定に沿って、2つの連続する最小点を特定することができる。所与の整備イベントに対して、同様の期間の境界がある(例えば、開始時点及び終了時点)。
【0049】
ブロック714において、バンドル予測モジュール220は、ブロック712で特定した期間内に売れた、又は検索された部品を特定する。その期間に生じたイベントに関連する部品がある。例えば、ブロック712において、バンドル予測モジュール220は、所与の期間の開始日と思われる日付A、及び終了日と思われる日付Bを特定することができる。ブロック714において、バンドル予測モジュールは、履歴的売り上げデータと履歴的検索データとの組み合わせを使用して、日付Aと日付Bとの間に売れた、又は検索された部品を特定する。
【0050】
図8は、本明細書で説明される一実施形態による、部品の関係の行列を生成するステップを示すフローチャートである。実施形態では、
図8は、
図3に図示されているブロック310に相当する。ブロック802において、バンドル予測モジュール(例えば、
図2に示すバンドル予測モジュール220)は、
図7で特定された整備イベントを受信する。ブロック804において、バンドル予測モジュール220は、各イベントから文字列を構築する。実施形態では、文字列は、(例えば、
図7で特定された)イベントに対応する部品番号を含み、部品番号は、スペース、タブ、又はコンマなどの区切り文字で区切られている。
【0051】
ブロック806において、バンドル予測モジュール220は、ブロック804で構築したイベント文字列に対応する、行列を構築する。実施形態では、これは、二次元のバイナリ行列(例えば、二次元のバイナリ配列)であってもよく、特定されたイベントを表す1つの次元と、特定されたイベントのそれぞれに含まれる部品を表すもう1つの次元とを有する。
図10に一例が示されており、以下でさらに詳しく説明する。或いは、これは、次元の数が異なる行列であってもよく、行列内の値は、非バイナリ(例えば、整数、実数、ブール、定義型など)であってもよい。
【0052】
ブロック808において、バンドル予測モジュール220は、行列エントリーの局所的重みを計算する。局所的重みは、その部品を含む整備イベントに対する各部品の貢献を特定するのに使用される。実施形態では、行列エントリーは、特定の部品、及び特定のイベントに相当する。行列エントリーの局所的重みは、その特定のイベントに対するその特定の部品の貢献(例えば、そのイベントに対するその部品の重要性)を表す。
【0053】
ブロック810において、バンドル予測モジュール220は、行列内に含まれる各部品の大域的重みを計算する。大域的重みは、特定された全イベントに対する所与の部品の貢献(例えば、全イベントに対するその部品の重要性)を特定するために使用される。実施形態では、大域的重みは次の数式を用いて計算することができる。
【0054】
【0055】
ブロック812において、バンドル予測モジュール220は、行列の次元を削減する。実施形態では、バンドル予測モジュール220は、重要性の低い値を行列から除外することによって、部品バンドルの予測の複雑性を低減することができる。これにより、バンドル予測モジュール220は、より重要な値に着目し、ノイズを削減することが可能になる。実施形態では、バンドル予測モジュール220は、ブロック808から810で計算した重み行列を掛け合わせて、合成行列を生成する。バンドル予測モジュール220は、次に、合成行列の特異値分解(SVD)を計算する。バンドル予測モジュール220は、次に、所定の値よりも小さい固有値について、SVDから行列の次元を削減する。上述したように、SVDの使用は、行列を減らす技法の一例である。或いは、代わりに他の技法が使用されてもよい。
【0056】
図9は、本明細書で説明する一実施形態による、部品バンドルの知能的予測を示すフローチャートである。実施形態では、
図9は、
図3に図示されているブロック312に相当する。ブロック902において、バンドル予測モジュール(例えば、
図2に示すバンドル予測モジュール220)は、行列(例えば、上述の
図8に示す技法を使用して生成された行列)を受信する。ブロック904において、バンドル予測モジュール220は、行列内の部品同士の間のユークリッド距離を計算する。
【0057】
ブロック906において、バンドル予測モジュール220は、ブロック904で計算したユークリッド距離を使用して、行列内の部品をクラスター化する。実施形態では、バンドル予測モジュール220は、階層クラスター化を行い、クラスター化にウォード(Ward)の最小分散法を使用する。その代わりに別の階層クラスター化法が使用されてもよく、或いは別のクラスター化の形式が使用されてもよい。ブロック908において、バンドル予測モジュール220は、クラスター化された部品番号をバンドルに収集することによって、バンドルを予測する。
【0058】
図10は、本明細書で説明する一実施形態による、部品の関係の行列1000の例を示す。実施形態では、
図10に示す行列は、
図8に示す技法によって生成された行列の例である。実施形態では、図示されている行列は、二次元バイナリ配列を使用して実施することができる。
図10に示す実施形態は、可能な行列の単なる例であり、他の多くの形式及び種類の行列が使用されてもよい。行列1000では、行は部品(例えば、部品番号によって特定される)を表し、列は整備イベント(例えば、
図7に示す技法によって特定される)を表す。実施形態では、少なくとも1つのイベントに含まれる各部品は、行として行列1000に含まれる。或いは、部品販売業者によって利用可能なアクティブな各部品が、行として行列1000に含まれる。
【0059】
行列1000の各エントリーは、その列内のイベントが、その行内の部品を含むかどうかを表す。バイナリの「1」は、その列のイベントが、その行内の部品を含むことを示し、その一方で、バイナリの「0」は、その列のイベントが、その部品を含まないことを示す。例えば、イベントAは、部品1、3、6、及び7を含むが、部品2、4、5、及び8は含まない。イベントBは、部品3、4、5、6、及び7を含むが、部品1及び8は含まない。実施形態では、上述したように、部品をクラスター化して部品のバンドルを予測するために、行列1000を使用することができる。
【0060】
バンドル予測モジュール(例えば、バンドル予測モジュール220)が、(例えば、
図3のブロック312に関連して説明したように)部品のバンドルを予測した後に、バンドルは顧客に送ることができる。実施形態では、関連価格も顧客に送ることができる(例えば、バンドル価格設定モジュール230を使用して生成された価格)。実施形態では、バンドル予測モジュールは、顧客にバンドル情報を表示するためのユーザーインターフェースを生成することができ、例えば、バンドル予測モジュールは、ウェブページ(及びHTMLウェブページなど)、Java(登録商標)スクリプトモジュール、XMLモジュール、又は別の適切なインターフェース記述を生成することができる。バンドル予測モジュール(又は別の適切なモジュール)は、顧客の表示用に、このユーザーインターフェース記述を顧客に提供することができる。例えば、バンドル予測モジュールは、通信ネットワークを介して、顧客のウェブブラウザ又はアプリケーションで表示するために、ユーザーインターフェース記述(例えば、HTML、Java(登録商標)スクリプト、又はXMLモジュール)を顧客に送信することができる。また、別の例として、バンドル予測モジュール(又は別の適切なモジュール)は、通信ネットワーク(例えば、適切なアプリケーションプログラミングインターフェース(API))を介して、顧客デバイスと通信することができる。
【0061】
実施形態では、顧客は、(例えば、ユーザーインターフェースを使用して)購入する所望のバンドルを選択することができる。顧客のコンピューターその他の電子機器は、バンドル予測サーバー(例えば、バンドル予測サーバー200)、又は別の適切なサーバーに応答信号を送信することができる。応答信号を受信すると、サーバーは購入を遂行することができる。例えば、サーバーは、フルフィルメントを容易にするために、バンドルの部品を在庫に蓄えておくことができる。サーバーは、さらにバンドルの部品の使用先を特定することができ、部品の処理及び発送をトリガーすることができる。実施形態では、サーバーは、発注を自動的に遂行することができる。或いは、サーバーは、フルフィルメント担当者が購入した部品を取得して発送できるように、(例えば、ユーザーインターフェースを使用して)フルフィルメント担当者に警告して、必要な情報を提供することができる。部品はその後、自動的に、又はフルフィルメント担当者によって発送されてもよい。
【0062】
実施形態では、バンドルされた部品の購入は、顧客に提供されたユーザーインターフェースを介して行うことができる。或いは、購入は自動的に行うことができる。例えば、顧客は、特定の時点で必要になると考えられる部品を予測し、バンドルを自動的に生成して部品を購入する、事前承認を販売業者に与えることができる。実施形態では、この事前承認により、バンドルの望ましい価格、又は最高価格にさらにつなげることができる。顧客は、完了する前に購入を承認又は拒否できるようになる、或いは購入を完全に自動化することができる。実施形態では、顧客が個別の部品を購入しようとしているとき、顧客は予測したバンドルの自動購入の承認をさらに与えることができる。例えば、顧客は、特定の部品の購入を求めることができ、システムは、その部品に関連する、予測したバンドルを特定して、バンドルを自動的に購入することができる。これは、購入時に顧客の承認によって行う、又は事前承認に基づいて自動的に行うことができる。実施形態では、予測されたバンドルの精度によって、今後の購入のために自動バンドル予測の事前承認をすることを顧客に奨励することができる。
【0063】
前述において、本開示で示す実施形態が参照される。しかしながら、本開示の範囲は、特に説明された実施形態に限定されない。むしろ、別の実施形態に関連するかどうかにかかわらず、説明された形態及び要素の組み合わせはいずれも、考えられる実施形態を実施及び実行することが意図されている。さらに、本明細書で開示される実施形態は、他の可能な解決策に対して、又は従来技術に対して利点を達成し得るが、所与の実施形態によって特定の利点が達成されるかどうかによって、本開示の範囲が限定されるものではない。したがって、前述の態様と、形態と、実施形態及び利点とは、単に例示的であって、特許請求の範囲に明示的に列挙されている場合を除き、添付の特許請求の範囲の要素又は制限とはみなされない。
【0064】
当業者には理解されるように、本明細書で開示される実施形態は、システム、方法、又はコンピュータープログラム製品として具体化されてもよい。したがって、態様は、完全にハードウェアの実施形態、(ファームウェア、常駐しているソフトウェア、マイクロコードなどを含む)完全にソフトウェアの実施形態、又はソフトウェアの態様とハードウェアの態様とを組み合わせた実施形態の形式をとってもよく、本明細書では、一般にすべて「回路」、「モジュール」、又は「システム」と呼ばれる。さらに、態様は、具体化されたコンピューター読み取り可能なプログラムコードを有する、1つ以上のコンピューター読み取り可能な媒体に具体化された、コンピュータープログラム製品の形式をとってもよい。
【0065】
コンピューター読み取り可能な媒体に具体化されたプログラムコードは、これに限定されないが、無線、有線、光ファイバケーブル、高周波(RF)等を含む任意適当な媒体、又はこれらの任意適当な組み合わせを用いて送信されてもよい。
【0066】
本開示の態様の動作を実行するためのコンピュータープログラムコードは、1つ以上のプログラミング言語の任意の組み合わせで記述することができ、これには、Java(登録商標)、Smalltalk、C++、R、SAS等のオブジェクト指向プログラミング言語、及び「C」プログラミング言語又は同様のプログラミング言語等の、従来の手続き型プログラミング言語が含まれる。プログラムコードは、全体をユーザーのコンピューターで実行するか、独立型のソフトウェアパッケージとして一部をユーザーのコンピューターで実行するか、一部をユーザーのコンピューターで、且つ一部をリモートコンピューターで実行するか、又は全体をリモートコンピューター又はサーバーで実行することができる。後者のシナリオでは、リモートコンピューターは、ローカルエリアネットワーク(LAN)、又は広域ネットワーク(WAN)を含む、各種のネットワークを介して、ユーザーのコンピューターに接続されてもよく、或いはこの接続は、(例えば、インターネットサービスプロバイダを用いたインターネットを介して)外部コンピューターに作成されてもよい。
【0067】
本開示の態様は、本開示で提示される実施形態によって、フローチャート図、並びに/又は方法、装置(システム)、及びコンピュータープログラム製品のブロック図を参照して上述される。フローチャート図、及び/又はブロック図の各ブロック、及びフローチャート図、及び/又はブロック図のブロックの組み合わせは、コンピュータープログラム命令によって実施できることは理解されよう。機械を製造するために、このようなコンピュータープログラム命令が、汎用コンピューター、専用コンピューター、その他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサーに提供されてもよく、その結果、コンピューター、その他プログラム可能なデータ処理装置のプロセッサーを介して実行される命令は、フローチャート、及び/又はブロック図の1つ又は複数のブロックで指定された機能/動作の実施手段を生成する。
【0068】
このようなコンピュータープログラム命令は、コンピューターに指示できるコンピューター読み取り可能な媒体、他のプログラム可能なデータ処理装置、又は特定の方法で機能するその他の装置に記憶されてもよく、その結果、コンピューター読み取り可能な媒体に記憶された命令は、フローチャート及び/又はブロック図の1つ又は複数のブロックで指定された機能/動作を実施する命令を含む製品を製造する。
【0069】
コンピュータープログラム命令は、コンピューター、他のプログラム可能なデータ処理装置、或いはコンピューター、他のプログラム可能な装置、又はコンピューター実施プロセスを生成するその他の装置で実行される一連の動作ステップを生じさせる、その他の装置にロードされてもよく、その結果、コンピューターその他のプログラム可能な装置で実行される命令は、フローチャート及び/又はブロック図の1つ又は複数のブロックで指定された機能/動作を実施するプロセスを提供する。
【0070】
1つ以上の実施形態が、クラウドコンピューティングインフラストラクチャを介してエンドユーザーに提供されてもよい。クラウドコンピューティングは一般に、ネットワーク上のサービスとして、拡張可能な演算リソースを提供することをいう。より正式には、クラウドコンピューティングは、演算リソースとその基礎となる技術的構造(例えば、サーバー、記憶装置、ネットワーク)との間に抽象化を提供して、管理労力、又はサービスプロバイダの干渉を最小限にして迅速に提供し解放できる構成可能な演算リソースの共有プールに対して、簡便且つオンデマンドなネットワークアクセスを可能にする演算能力と定義されてもよい。したがって、クラウドコンピューティングにより、ユーザーは、演算リソースを提供するのに使用される基礎となる物理的なシステム(又はこれらのシステムの場所)に関係なく、「クラウド」で、仮想演算リソース(例えば、記憶装置、データ、アプリケーション、さらに完全に仮想化された演算システム)にアクセスできるようになる。
【0071】
一般に、クラウドコンピューティングのリソースは従量制課金でユーザーに提供され、ユーザーは実際に使用した演算リソースに対してのみ課金される(例えば、ユーザーが消費した記憶スペースの量、又はユーザーが実体化した仮想化システムの数)。ユーザーはインターネットを通じて、クラウドに存在する任意のリソースにいつでも、どこからでもアクセスすることができる。本開示の状況においては、ユーザーは、クラウドで利用可能なアプリケーション(例えば、バンドル予測サーバー200)、又は関連するデータにアクセスしてもよい。例えば、バンドル予測モジュール220、及びバンドル価格設定モジュール230の1つ又は両方を、クラウド上の演算システムで実行してもよい。このような事例では、各モジュールは、クラウド上の記憶場所に記憶されたデータ(例えば、履歴的売り上げデータ及び履歴的検索データ)にアクセスでき、関連データをクラウド上に記憶することができる。こうすることにより、ユーザーは、クラウド(例えば、インターネット)につながるネットワークに接続されたどの演算システムからでも、この情報にアクセスできるようになる。
【0072】
図のフローチャート及びブロック図は、様々な実施形態によるシステム、方法及びコンピュータープログラム製品の、考えられる実施の構造、機能、及び動作を示している。これに関連して、フローチャート又はブロック図の各ブロックは、コードのモジュール、セグメント、又は一部を表してもよく、指定された(複数の)論理機能を実施する1つ以上の命令を含む。いくつかの代替的な実施において、ブロックに示された機能は、図に示された順序とは異なる順序で生じ得ることにも留意されたい。例えば、続けて示されている2つのブロックを、関係する機能に応じて、実際には実質的に同時に実行することができ、或いはブロックが場合によっては逆順で実行されてもよい。ブロック図、及び又はフローチャート図の各ブロック、並びにブロック図、及び/又はフローチャート図のブロックの組み合わせは、特定の機能又は動作を実行する、特定用途のハードウェアベースのシステム、或いは特定用途のハードウェアとコンピューター命令との組み合わせで実施できることにも留意されたい。
【0073】
また、本開示は、以下の項に基づく実施形態を含む。
【0074】
項1.交換部品のバンドルを知能的に予測する、コンピューターによって実行される方法であって、方法が、
コンピュータープロセッサーを使用して、複数の交換部品に関する履歴データに基づいて、複数の交換部品の複数の整備イベントを決定するステップであって、複数の整備イベントの各整備イベントは、1つ以上の交換部品に対応する、ステップと、
コンピュータープロセッサーを使用して、複数の整備イベントに基づいて、交換部品の複数のクラスターを生成するステップと、
コンピュータープロセッサーを使用して、クラスターに基づいて、交換部品の複数のバンドルを予測するステップであって、各バンドルは、複数の交換部品を含む、ステップと、
を含む、方法。
【0075】
項2.複数の交換部品の複数の整備イベントを決定するステップが、
コンピュータープロセッサーを使用して、複数の交換部品に関する履歴データに基づいて、第1の整備イベントの開始時点を決定するステップと、
コンピュータープロセッサーを使用して、複数の交換部品に関する履歴データに基づいて、第1の整備イベントの終了時点を決定するステップと、
コンピュータープロセッサーを使用して、開始時点と終了時点との間に生じる交換部品の売り上げ、及び交換部品の電子検索に基づいて、第1の整備イベントのための1つ以上の交換部品を特定するステップとをさらに含む、項1に記載の方法。
【0076】
項3.交換部品の複数の整備イベントを決定するステップが、
履歴データに関する時系列データを生成するステップと、
時系列データに関するカーネル密度推定を計算するステップであって、開始時点、及び終了時点のうちの少なくとも1つが、カーネル密度推定に基づく、ステップとをさらに含む、項2に記載の方法。
【0077】
項4.コンピュータープロセッサーを使用して、複数の交換部品から、複数の相互交換可能部品を特定するステップであって、複数の整備イベントが、複数の相互交換可能部品に基づく、ステップ
をさらに含む、項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【0078】
項5.コンピュータープロセッサーを使用して、複数の相互交換可能部品のうちの第1の相互交換可能部品に対して、元の部品識別子と最新の部品識別子とを決定するステップであって、複数の整備イベントが、元の部品識別子の代わりに最新の部品識別子を使用する、ステップ
をさらに含む、項4に記載の方法。
【0079】
項6.コンピュータープロセッサーを使用して、複数の整備イベント、及び複数の交換部品に関する二次元配列を生成するステップであって、交換部品の複数のクラスターを特定するステップが、二次元配列に基づく、ステップ
をさらに含む、項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【0080】
項7.二次元配列がバイナリ配列である、項6に記載の方法。
【0081】
項8.二次元配列の複数のエントリーの局所的重みを計算するステップと、
二次元配列の複数のエントリーの大域的重みを計算するステップと、
少なくとも部分的に、計算された局所的重み及び大域的重みに基づいて、二次元配列の次元を削減するステップであって、交換部品の複数のクラスターを特定するステップが、削減された二次元配列に基づく、ステップと、
をさらに含む、項6から7に記載の方法。
【0082】
項9.少なくとも部分的に、第1のバンドルの各部品の所定の価格に基づいて、交換部品の複数のバンドルのうち第1のバンドルの価格を決定するステップであって、第1のバンドルの各部品の所定の価格の合算よりも、第1のバンドルの価格が低い、ステップをさらに含む、項1から8のいずれか一項に記載の方法。
【0083】
項10.第1のバンドルの価格が、コンピュータープロセッサーを使用して自動的に決定され、第1のバンドルの価格が、第1のバンドルの1つ以上の部品特性に基づく、項9に記載の方法。
【0084】
項11.プロセッサーと、
プロセッサーにおいて実行されるとき、動作を行うプログラムを記憶するメモリーと、
を備え、動作は、
複数の交換部品に関する履歴データに基づいて、複数の交換部品の複数の整備イベントを決定するステップであって、複数の整備イベントの各整備イベントは、1つ以上の交換部品に対応する、ステップと、
複数の整備イベントに基づいて、交換部品の複数のクラスターを生成するステップと、
クラスターに基づいて、交換部品の複数のバンドルを予測するステップであって、各バンドルは複数の交換部品を含む、ステップと、
を含む、システム。
【0085】
項12.複数の交換部品の複数の整備イベントを決定するステップが、
複数の交換部品に関する履歴データに基づいて、第1の整備イベントの開始時点を決定するステップと、
複数の交換部品に関する履歴データに基づいて、第1の整備イベントの終了時点を決定するステップと、
開始時点と終了時点との間に生じる交換部品の売り上げ、及び交換部品の電子検索に基づいて、第1の整備イベントのための1つ以上の交換部品を特定するステップと、
をさらに含む、項11に記載のシステム。
【0086】
項13.交換部品の複数の整備イベントを決定するステップが、
履歴データに関する時系列データを生成するステップと、
時系列データに関するカーネル密度推定を計算するステップであって、開始時点、及び終了時点のうちの少なくとも1つが、カーネル密度推定に基づく、ステップと、
をさらに含む、項12に記載のシステム。
【0087】
項14.動作が、
複数の交換部品から、複数の相互交換可能部品を特定するステップであって、複数の整備イベントが、複数の相互交換可能部品に基づく、ステップをさらに含む、項11から13のいずれか一項に記載のシステム。
【0088】
項15.動作が、
少なくとも部分的に、第1のバンドルの各部品の所定の価格に基づいて、交換部品の複数のバンドルのうち第1のバンドルの価格を決定するステップであって、第1のバンドルの各部品の所定の価格の合算よりも、第1のバンドルの価格が低い、ステップをさらに含む、項11から14のいずれか一項に記載のシステム。
【0089】
項16.第1のバンドルの価格が自動的に決定され、第1のバンドルの価格が、第1のバンドルの1つ以上の部品特性に基づく、項15に記載のシステム。
【0090】
項17.交換部品のバンドルを知能的に予測するコンピュータープログラム製品であって、コンピュータープログラム製品が、
コンピューター読み取り可能なプログラムコードを具体化した、コンピューター読み取り可能な記憶媒体を備え、コンピューター読み取り可能なプログラムコードは、動作を行うために1つ以上のコンピュータープロセッサーによって実行可能であり、動作は、
複数の交換部品に関する履歴データに基づいて、複数の交換部品の複数の整備イベントを決定するステップであって、複数の整備イベントの各整備イベントは、1つ以上の交換部品に対応する、ステップと、
複数の整備イベントに基づいて、交換部品の複数のクラスターを生成するステップと、
クラスターに基づいて、交換部品の複数のバンドルを予測するステップであって、各バンドルは、複数の交換部品を含む、ステップと、
を含む、コンピュータープログラム製品。
【0091】
項18.動作が、
複数の整備イベント、及び複数の交換部品に関する二次元配列を生成するステップであって、交換部品の複数のクラスターを特定するステップが、二次元配列に基づく、ステップをさらに含む、項17に記載のコンピュータープログラム製品。
【0092】
項19.動作が、
少なくとも部分的に、第1のバンドルの各部品の所定の価格に基づいて、交換部品の複数のバンドルのうち第1のバンドルの価格を決定するステップであって、第1のバンドルの各部品の所定の価格の合算よりも、第1のバンドルの価格が低い、ステップをさらに含む、項17から18のいずれか一項に記載のコンピュータープログラム製品。
【0093】
項20.第1のバンドルの価格が自動的に決定され、第1のバンドルの価格が、第1のバンドルの1つ以上の部品特性に基づく、項19に記載のコンピュータープログラム製品。
【0094】
前述の観点から、本開示の範囲は、後述する特許請求の範囲によって定義される。
【符号の説明】
【0095】
100 予備部品バンドルの知能的予測のためのシステム
110 通信ネットワーク
170 データリポジトリ
172 部品相互交換可能性、部品相互交換可能性データ
174 履歴的売り上げ、履歴的売り上げデータ
176 履歴的検索、履歴的検索データ
200 バンドル予測サーバー
202 CPU
204 入力/出力(I/O)装置インターフェース
206 ネットワークインターフェース
208 バス
210 メモリー
220 バンドル予測モジュール
230 バンドル価格設定モジュール
240 オペレーティングシステム
250 データベース管理システム
260 I/O装置
270 記憶装置
300 フローチャート
400 履歴的売り上げ
410 選択済みの履歴的売り上げ、選択済みの履歴的売り上げデータ
500 履歴的検索データ
510 選択済みの履歴的検索、選択済みの履歴的検索データ
1000 行列