(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-31
(45)【発行日】2023-08-08
(54)【発明の名称】建物の施解錠システム
(51)【国際特許分類】
G08B 25/04 20060101AFI20230801BHJP
E05B 47/00 20060101ALI20230801BHJP
E05B 45/06 20060101ALI20230801BHJP
E05B 49/00 20060101ALI20230801BHJP
G08B 23/00 20060101ALI20230801BHJP
【FI】
G08B25/04 H
E05B47/00 U
E05B45/06 A
E05B49/00 J
G08B23/00 530A
(21)【出願番号】P 2019127596
(22)【出願日】2019-07-09
【審査請求日】2022-06-13
(73)【特許権者】
【識別番号】504093467
【氏名又は名称】トヨタホーム株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000003551
【氏名又は名称】株式会社東海理化電機製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100121821
【氏名又は名称】山田 強
(74)【代理人】
【識別番号】100161230
【氏名又は名称】加藤 雅博
(72)【発明者】
【氏名】坂尾 英樹
【審査官】石井 則之
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-078434(JP,A)
【文献】特開2006-097257(JP,A)
【文献】特開2014-067130(JP,A)
【文献】特開2010-226347(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08B 25/04
E05B 47/00
E05B 45/06
E05B 49/00
G08B 23/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物の出入口に設けられた開閉体を施錠する建物の施解錠システムであって、
電子キーによる電気的な施解錠と、メカキーによる機械的な施解錠とを可能とする施錠装置と、
前記電子キーによる施錠が行われた場合に警戒モードを設定するとともに、前記電子キーによる解錠が行われた場合に前記警戒モードを解除するモード切替手段と、
前記警戒モードの設定状態下において前記電子キーによる解錠が行われずに前記開閉体が開放された場合に、警告を実施する第1警告手段と、
前記警戒モードの設定状態下において前記メカキーにより所定の第1操作が行われ、かつその第1操作から所定の制限時間内に前記メカキーにより所定の第2操作が行われたことを条件に前記警戒モードを解除するモード解除手段と、
前記第1操作が行われた後に、前記制限時間内に前記第2操作が行われなかった場合に、警告を実施する第2警告手段と、
前記第1操作から前記制限時間が経過するまでに、所定の時間延長操作が行われた場合に、前記制限時間を延長する時間延長手段と、
を備えることを特徴とする建物の施解錠システム。
【請求項2】
前記施錠装置は、第1施錠装置と第2施錠装置とを備え、
前記第1操作は、前記メカキーによる前記第1施錠装置の解錠及び施錠の少なくともいずれかの操作であり、
前記第2操作は、前記メカキーによる前記第2施錠装置の解錠及び施錠の少なくともいずれかの操作であることを特徴とする、請求項1の建物の施解錠システム。
【請求項3】
前記時間延長手段は、前記時間延長操作が行われたことに基づいて、前記制限時間を所定の時間分において延長するものであり、前記制限時間の延長が所定の回数行なわれた後に前記時間延長操作が行われた場合に、前記制限時間の延長を禁止する延長禁止手段を備えることを特徴とする、請求項1又は2に記載の建物の施解錠システム。
【請求項4】
前記出入口付近の屋外側には操作手段が備えられており、
前記時間延長操作は、前記メカキーにより行われる前記第1操作及び前記第2操作とは異なる前記操作手段に対する操作であることを特徴とする、請求項1~3のいずれか1項に記載の建物の施解錠システム。
【請求項5】
前記電子キーによる電気的な施解錠は、前記電子キーから送信された識別情報が認証された状態で所定の許可操作が行われた場合に前記施錠装置の施解錠を行う構成とされ、
前記許可操作のために操作される操作手段は、前記時間延長操作のために操作される前記操作手段であることを特徴とする、請求項4に記載の建物の施解錠システム。
【請求項6】
前記時間延長操作の態様を変更する変更手段を備えることを特徴とする、請求項1~5のいずれか1項に記載の建物の施解錠システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建物の施解錠システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
住宅等の建物では、無線機能を有する電子キーを用いてドアに設けられた施錠装置の施解錠を行う施解錠システムが実用化されている。近年では、この施解錠システムにおいて警戒モードが設けられている場合がある。警戒モードは、例えば、ユーザの外出時に電子キーにより施錠が行われたことに基づいて設定されるとともに、ユーザの帰宅時に電子キーにより解錠が行われたことにより解除される。そして、警戒モード設定状態下において電子キー以外によりドアが開けられた場合は異常状態であると判定され、警報が発信される等の警告処理が実行される。
【0003】
この警戒モード設定状態下において電子キーにより解錠された場合には解錠とともに警戒モードが解除されるため、電子キーを所持するユーザにとって警戒モードは防犯性と利便性とを兼ね備えたシステムである。一方、なんらかの理由(例えば、電子キーの電池切れ)により電子キーにより解錠できない場合は、ユーザが屋外側からメカキーを用いて手動により施錠装置を解錠してドアを開ける場合がある。この場合、正当な方法でドアを開けたにもかかわらず、電子キーによる解錠がなされていないため、異常状態と判定されて警告処理が実施されてしまう。
【0004】
そこで、屋外側からメカキーにより手動で解錠される場合において、施錠装置に対するメカキーによる所定操作に基づいて警戒モードを解除する方法が提案されている。例えば、特許文献1には、メカキーが施錠装置のキーシリンダに挿入されてから所定時間内に、挿入されたメカキーが施錠位置から解錠位置及び解錠位置から施錠位置に回動されるようにして操作されることにより警戒モードが解除されることが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、電子キーによる施解錠システムにおいては、電子キーによる施解錠が主であり、メカキーにより施錠装置を解錠する機会(すなわち、メカキーにより警戒モードを解除する機会)は頻繁にはないことが想定される。そのため、例えば、上記文献1の技術においては、警戒モードを解除するために不慣れな操作が強いられるために当該操作を所定時間内にできないおそれがあり、この場合は、警告処理が実行されてしまう。
【0007】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、防犯性を確保し、かつユーザにとっての利便性の向上を図ることができる建物の施解錠システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決すべく、第1の発明の建物の施解錠システムは、
建物の出入口に設けられた開閉体を施錠する建物の施解錠システムであって、
電子キーによる電気的な施解錠と、メカキーによる機械的な施解錠とを可能とする施錠装置と、
前記電子キーによる施錠が行われた場合に警戒モードを設定するとともに、前記電子キーによる解錠が行われた場合に前記警戒モードを解除するモード切替手段と、
前記警戒モードの設定状態下において前記電子キーによる解錠が行われずに前記開閉体が開放された場合に、警告を実施する第1警告手段と、
前記警戒モードの設定状態下において前記メカキーにより所定の第1操作が行われ、かつその第1操作から所定の制限時間内に前記メカキーにより所定の第2操作が行われたことを条件に前記警戒モードを解除するモード解除手段と、
前記第1操作が行われた後に、前記制限時間内に前記第2操作が行われなかった場合に、警告を実施する第2警告手段と、
前記第1操作から前記制限時間が経過するまでに、所定の時間延長操作が行われた場合に、前記制限時間を延長する時間延長手段と、
を備えることを特徴とする。
【0009】
第1の発明によれば、電子キーによる解錠以外(以下、手動)で警戒モードを解除するには、メカキーによる2つの操作(第1操作及び第2操作)を制限時間内に行なうことが必要とされており、これにより防犯性が確保されている。また、第1の発明によれば、手動で警戒モードを解除するために必要な第1操作と第2操作とを制限時間内に操作できない場合に延長操作をすることにより当該制限時間が延長される。これにより、手動で警戒モードを解除することに慣れていない場合に制限時間を延長することができ、第2操作をするための時間を確保することができる。また、制限時間の延長を可能とすることにより、制限時間としての当初の設定時間を短くできる。例えば、不正侵入しようとする不正者(延長機能を知らない不正者)にとっては警戒モードを解除するための制限時間は短いため、延長可能とする構成においても防犯性を確保することができる。よって、第1の発明によれば、防犯性を確保し、かつユーザにとっての利便性の向上を図ることができる。
【0010】
第2の発明の建物の施解錠システムは、第1の発明において、
前記施錠装置は、第1施錠装置と第2施錠装置とを備え、
前記第1操作は、前記メカキーによる前記第1施錠装置の解錠及び施錠の少なくともいずれかの操作であり、
前記第2操作は、前記メカキーによる前記第2施錠装置の解錠及び施錠の少なくともいずれかの操作であることを特徴とする。
【0011】
第2の発明によれば、施錠装置が2つ設けられており、第1操作は第1施錠装置の施解錠操作であり、第2操作は第2施錠装置の施解錠操作である。よって、メカキーにより2つの施錠装置を施解錠することにより警戒モードが解除される。これにより、電子キーを所持していないユーザが、建物内に入るために第1施錠装置の解錠と第2施錠装置の解錠とをメカキーにより行うのに伴い、手動で警戒モードを解除することができる。すなわち、2つの施錠装置が設けられている場合において、電子キーによる解錠以外の正当な方法で2つの施錠装置を解錠すること(すなわち、メカキーによる解錠操作)により警戒モードが解除される。よって、警戒モードの解除のための操作をする必要がなく、ユーザにとっての利便性の向上を図ることができる。
【0012】
第3の発明の建物の施解錠システムは、第1及び第2の発明において、
前記時間延長手段は、前記時間延長操作が行われたことに基づいて、前記制限時間を所定の時間分において延長するものであり、前記制限時間の延長が所定の回数行なわれた後に前記時間延長操作が行われた場合に、前記制限時間の延長を禁止する延長禁止手段を備えることを特徴とする。
【0013】
第3の発明によれば、制限時間の延長を所定の回数行った後は、制限時間の延長は禁止される。すなわち、制限時間の延長の回数が制限されている。これにより、制限時間が無限に延長されることを回避することができ、防犯性を確保することができる。
【0014】
第4の発明の建物の施解錠システムは、第1~第3の発明のいずれかにおいて、
前記出入口付近の屋外側には操作手段が備えられており、
前記時間延長操作は、前記メカキーにより行われる前記第1操作及び前記第2操作とは異なる前記操作手段に対する操作であることを特徴とする。
【0015】
第4の発明によれば、時間延長操作を行うための操作手段が第1操作及び第2操作を行う部分とは別に設けられている。これにより、不正者がメカキーにより第1操作と第2操作とを行い警戒モードを解除(施錠装置を解錠)しようとした場合において、偶発的に時間延長操作を行ってしまうことを回避でき、防犯性の向上を図ることができる。
【0016】
第5の発明の建物の施解錠システムは、第4の発明において、
前記電子キーによる電気的な施解錠は、前記電子キーから送信された識別情報が認証された状態で所定の許可操作が行われた場合に前記施錠装置の施解錠を行う構成とされ、
前記許可操作のために操作される操作手段は、前記時間延長操作のために操作される前記操作手段であることを特徴とする。
【0017】
第5の発明によれば、時間延長操作のために操作される操作手段と、電子キーによる施解錠においてユーザによる許可操作のために操作される操作手段とが共用されている。よって、電子キーにより施解錠される場合に用いられる操作手段を、時間延長操作のために操作される操作手段として利用できる。これにより、新たな設備を必要とせずに、制限時間を延長する構成が可能となる。
【0018】
第6の発明の建物の施解錠システムは、第1~第5の発明のいずれかにおいて、
前記時間延長操作の態様を変更する変更手段を備えることを特徴とする。
【0019】
ユーザにとっては、時間延長操作は簡便であることが望ましいが、簡便な操作では防犯性の低下が懸念される。また、ユーザが時間延長操作を行っているのを観察されてしまうと、不正者に時間延長操作が認識されることも懸念される。第6の発明によれば、例えば、日々、時間延長操作を変更することができる。これにより、不正者は時間延長操作を認識しづらくなるため、結果として、防犯性の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】建物の施解錠システムの概略を示す全体構成図。
【
図2】玄関ドアに設けられたドアハンドル部分の拡大図。
【
図3】警戒モード手動解除処理を示すフローチャート。
【
図4】警戒モード手動解除処理をより具体的に示すタイムチャート。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下に、本発明を具体化した一実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
図1は、玄関ドアにおける施解錠システムの構成を示す概略図であり、施解錠システムは住宅10に設けられている。
図2は、
図1の玄関ドアに設けられたドアハンドル部分の拡大図である。
【0022】
図1に示すように、住宅10には、出入口としての玄関口15が設けられている。この玄関口15を通じて住宅10への出入りが可能となっている。また、玄関口15には、開閉体としての玄関ドア16が設けられている。玄関ドア16は、例えば回動式の開き戸からなる。この玄関ドア16により玄関口15が開閉されるようになっている。
【0023】
玄関ドア16には、上下に並べて施錠装置21と施錠装置22とが取り付けられている。施錠装置21,22は通電により施解錠を行う電気錠からなる。施錠装置21,22は、住宅10の居住者が携帯する電子キー31によって施解錠されることが可能となっている。
【0024】
施錠装置21,22は、シリンダ部21a,22a(
図2参照)を備えている。施錠装置21,22は、メカキー32によってシリンダ部21a,22aが所定操作されることによって施解錠が可能となっている。すなわち、メカキー32をシリンダ部21a,22aに差し込んだ後、メカキー32を解錠位置に回動することによって施錠装置21,22は解錠され、メカキー32を施錠位置に回動することによって施錠装置21,22は施錠される。よって、施錠装置21,22は、電子キー31による電気的な施解錠(以下、電子キー31による施解錠)と、メカキー32による機械的な施解錠(以下、メカキー32による施解錠)とが可能となっている。施錠装置21,22が施錠装置、第1施錠装置及び第2施錠装置に相当する。
【0025】
玄関ドア16には、屋外側に取っ手としてのドアハンドル17が設けられている。ドアハンドル17には、その上部と下部とにカバー17a,17bが取り付けられており、カバー17a,17bを開けると、施錠装置21,22のシリンダ部21a,22aが設けられている(
図2参照)。すなわち、シリンダ部21a,22aは、玄関ドア16の前面(屋外側の面)から突出してドアハンドル17のカバー17a,17bの下に露出して設けられている。
【0026】
ドアハンドル17には、タッチセンサ18が設けられている。タッチセンサ18は、静電容量式のセンサであり、そのセンサ部分に人が接触したことを検出する。
【0027】
施錠装置21,22には、施錠装置21,22の状態が施錠又は解錠のいずれであるかを検出するための施解錠センサ26,27がそれぞれ設けられている。玄関ドア16には、玄関ドア16の開閉を検出する開閉検出センサ28が設けられている。
【0028】
ドアハンドル17には、スピーカ29が内蔵されている。スピーカ29は、警告音を出力する(発する)ことにより屋外側における玄関ドア16付近にいる人に対し警告を行うものである。なお、スピーカ29は、例えば、住宅10の外壁に取り付けられていてもよい。
【0029】
玄関ドア16付近の屋外側(玄関ドア16の屋外側の面でも可)には、通信装置23が設けられている。通信装置23における無線通信用の通信エリアCAは、通信装置23を中心とする球形の所定範囲である。詳しくは、通信装置23の通信エリアCAは、玄関ドア16の屋外側で住人がドアハンドル17をつかんだ場合、居住者が当該通信エリアCA内に位置するように設定されている。
【0030】
続いて、施解錠システムの電気的構成について説明する。
【0031】
図1に示すように、施解錠システムは、制御手段としてのコントローラ40を備える。コントローラ40は、CPU、ROM、RAM等からなる周知のマイクロコンピュータを含んで構成され、住宅10の屋内側(例えば、玄関周辺の壁面等)に設けられている。なお、コントローラ40は、玄関ドア16内に設けられていてもよい。
【0032】
コントローラ40には、居住者認証のための情報(電子キー31のID情報)やセンサ等の各種機器からの検出結果等を記憶する記憶部41と、時間を計測する場合に用いられるタイマ42を備えている。
【0033】
コントローラ40には、施錠装置21,22と通信装置23とが接続されている。通信装置23は、通信エリアCA内で住宅10に居住する各住人の携帯する電子キー31とそれぞれ無線通信が可能とされている。この場合、コントローラ40は、通信装置23を介して各住人の電子キー31と無線通信が可能とされている。
【0034】
電子キー31は、電子キー31毎に固有のID情報を記憶するメモリ(図示略)を備えており、コントローラ40からの要求に応じてID情報を送信する。ここで、通信装置23は、リクエスト信号を所定の時間周期(例えば0.5秒ごとに)で送信するのに対し、電子キー31は、通信装置23の通信エリアである通信エリアCAに進入してリクエスト信号を受信すると、そのリクエスト信号に応答してID情報を通信装置23に送信する。そして、ID情報が通信装置23により受信されると、当該ID情報が通信装置23からコントローラ40に入力される。コントローラ40は、通信装置23を介して電子キー31からのID情報が入力されると、当該ID情報と予め記憶部41に登録されたID情報との一致判定を行い、正規の電子キー31であるか否かの認証を行う。
【0035】
コントローラ40には、タッチセンサ18が接続されている。コントローラ40には、タッチセンサ18から逐次検出結果が入力される。そして、上記ID情報によって電子キー31が正規認証されている状況において、タッチセンサ18からの検出結果(すなわち、タッチセンサ18に人が接触した旨の検出結果)が入力されると、コントローラ40は施錠装置21,22の施錠又は解錠を行う(電子キー31による施解錠)。すなわち、施錠装置21,22が施錠されている状態においてタッチセンサ18からの検出結果が入力されると施錠装置21,22を解錠し、施錠装置21,22が解錠されている状態においてタッチセンサ18から検出結果が入力されると施錠装置21,22を施錠する。電子キー31が正規のものに該当しない場合には、施錠装置21,22の施解錠は行われない。なお、タッチセンサ18への接触が許可操作に相当する。
【0036】
コントローラ40には、施解錠センサ26,27が接続されている。コントローラ40には、施解錠センサ26,27の検出信号(施錠検出信号又は解錠検出信号)が入力される。施解錠センサ26,27が第1検出手段及び第2検出手段に相当する。
【0037】
コントローラ40には、開閉検出センサ28が接続されている。コントローラ40には、開閉検出センサ28の検出信号(開検出信号又は閉検出信号)が入力される。
【0038】
コントローラ40には、スピーカ29が接続されている。スピーカ29は、コントローラ40からの警告音の発信要求に基づき、警告音を所定時間(例えば1分間)において発信する。
【0039】
本実施形態の施解錠システムでは、警戒モードが設けられている。警戒モードは、電子キー31による施錠及び解錠によって設定及び解除される。例えば、ユーザの外出時に電子キー31により施錠が行われたことに基づいて警戒モードが設定され、ユーザの帰宅時に電子キー31により解錠が行われたことにより警戒モードが解除される。よって、コントローラ40がモード切替手段に相当する。なお、電子キー31による施錠時において、ドアハンドル17の1回目のタッチ操作により施錠が行われ、2回目のタッチ操作(すなわち施錠後の所定操作)により警戒モードが設定される構成であってもよい。
【0040】
警戒モードが設定されている状態下において、電子キー31による解錠がされずに玄関ドア16が開けられた場合(すなわち、コントローラ40に対して開閉検出センサ28により開検出信号が入力された場合)には、コントローラ40により異常状態であると判定される。この場合、コントローラ40により警告処理が実行される。具体的には、コントローラ40は、スピーカ29に対して警告音の発信要求を送信する。これにより、スピーカ29により警告音が発せられる。よって、コントローラ40とスピーカ29とにより第1警告手段が構成される。
【0041】
本施解錠システムでは、警戒モードが設定されている状態において、電子キー31による解錠以外で警戒モードを解除する方法が定められている。具体的には、第1操作(メカキー32による施錠装置21,22のいずれか一方の解除)を実施してから制限時間内に、第2操作(メカキー32による施錠装置21,22のいずれか他方の解除)を実施した場合には、警戒モードが解除される。以下、電子キー31による解錠以外で警戒モードを解除することを手動による警戒モードの解除と称する。なお、第1操作を実施してから制限時間内に第2操作が実施されない場合には、コントローラ40により異常状態であると判定される。この場合、上記の玄関ドア16が開けられた場合と同様に、警告処理が実行される。よって、コントローラ40とスピーカ29とにより第2警告手段が構成される。
【0042】
また、本施解錠システムでは、第1操作と第2操作とを行う制限時間を延長するための延長機能が設けられている。延長機能は、具体的には、第1操作の実施後の制限時間内において延長操作を行うことにより、制限時間の延長が実行される機能である。本実施形態では、延長操作は、タッチセンサ18に対する接触とする。よって、タッチセンサ18が操作手段に相当する。
【0043】
本実施形態では、手動により警戒モードを解除する場合(すなわち、施錠装置21,22を制限時間内に解錠する場合)、ドアハンドル17に設けられた各カバー17a,17bを開けて、各シリンダ部21a,22aを露出させる必要がある。ユーザが2つのカバー17a,17bを開けた後に、第1操作と第2操作とを実施する場合には制限時間に対して時間的余裕があるが、カバー17a,17bの一方を開けて第1操作の実施後に他方のカバー17a,17bを開ける(以下、段取りが悪い方法)場合には制限時間に対して時間的余裕がない。手動による警戒モードの解除に不慣れなユーザほど、段取りが悪い方法で行おうとする可能性が高く、この場合、第1操作と第2操作とを制限時間内に実施できず、警告処理が実行されるおそれがある。本施解錠システムでは、延長機能により制限時間を延長することができるため、不慣れなユーザであっても手動による警戒モードの解除が可能となる。
【0044】
次に、コントローラ40により実行される制御処理の内容について
図3に基づいて説明する。
図3は、手動による警戒モードの解除処理の流れを示すフローチャートである。本処理は、所定の時間周期(例えば、0.5秒)で繰り返し実行される。なお、電子キー31により警戒モードが解除される場合は、電子キー31による解錠を行うため、コントローラ40が電子キー31のID情報を受信することがトリガとなる。したがって、電子キー31による警戒モードの解除処理は、
図3の制御処理には含まれない。
【0045】
図3に示すように、ステップS11では、警戒モードが設定されている状態か否かを判定する。警戒モードが設定されている状態の場合には、ステップS12に進む。警戒モードが設定されている状態でない場合、本処理を終了する。
【0046】
ステップS12では、玄関ドア16が開けられたか否かを判定する。開閉検出センサ28により開検出信号が入力された場合には、玄関ドア16が開けられたとしてステップS14へ進む。開閉検出センサ28により開検出信号が入力されていない場合には、玄関ドア16が開けられていないとしてステップS13へ進む。
【0047】
ステップS14では、警告処理を行う。ステップS12からステップS14へ進んだ場合とは、警戒モードの設定状態下において、電子キー31による解錠がされずに玄関ドア16が開けられた場合である。よって、この場合には、警戒モードにおいて警告処理が実行される。すなわち、スピーカ29に対して警告音の発信要求を送信する。スピーカ29は、警告音の発信要求を受信すると、警告音を所定時間(例えば1分間)において発信する。これにより、屋外側において玄関ドア16付近にいる人に対して警告がなされる。なお、ステップS12からステップS14へ進んだ場合の警告処理は第1警告手段に相当する。警告処理の実行後、本処理を終了する。
【0048】
ステップS13では、第1操作が実施されたか否かを判定する。ここで、第1操作とは、施錠装置21,22のいずれか一方に対する解錠操作である。したがって、施解錠センサ26,27のいずれか一方により送信される解錠検出信号が受信されたか否かを判定する。解錠検出信号が受信された場合には、施錠装置21,22のうち一方が解錠された、すなわち、第1操作が実施されたとしてステップS15へ進む。解錠検出信号が受信されていない場合には、施錠装置21,22のどちらも解錠されていない、すなわち、第1操作が実施されていないとして本処理を終了する。
【0049】
ステップS15では、制限時間内か否かを判定する。ここで、第1操作が実施された場合には、その第1操作が実施されたことが判定されてすぐにタイマ42による計時が開始されている。当該ステップでは、そのタイマ42による計時時間、すなわち、第1操作が実施されてから当該ステップにおける時点までの時間が制限時間内か否かを判定する。制限時間とは、第1操作と第2操作とを行うのに必要な時間か、もしくはその必要な時間よりも短い時間である。制限時間は、例えば、5~15秒であり、本実施形態では10秒とする。
【0050】
ステップS15においてタイマ42による計時時間が制限時間を超えた場合は、ステップS14へ進み、警告処理を実行する。タイマ42による計時時間が制限時間を超えた場合とは、ステップS13における第1操作を実施してから制限時間内に第2操作が実施されない場合に相当する。よって、この場合には、警戒モードにおいて警告処理が実行される。警告処理の詳細は前述したため省略するが、スピーカ29により警告音が所定時間において発信され、屋外側において玄関ドア16付近にいる人に対して警告がなされる。なお、ステップS15からステップS14へ進んだ場合の警告処理は第2警告手段に相当する。警告処理の後、本処理を終了する。
【0051】
ステップS15においてタイマ42による計時時間が制限時間内の場合は、ステップS16へ進む。ステップS16では、延長操作が実施されたか否かを判定する。タッチセンサ18からの検出結果(すなわち、タッチセンサ18に人が接触した旨の検出結果)が入力された場合、延長操作が実施されたとしてステップS17へ進む。タッチセンサ18からの検出結果が入力されていない場合、延長操作が実施されていないとしてステップS20へ進む。
【0052】
ステップS17では、カウント数Cを1加算する。カウント数Cは、初期値が0であり、ステップS16において延長操作が実施されたことに基づいてカウントされる「延長操作の回数」を意味するものである。すなわち、ステップS17においては、ステップS16において延長操作が実施されているため、カウント数Cが1加算される。なお、ステップS16の延長操作は、後述のステップS20においてステップS15へ戻った場合に繰り返されうる処理である。したがって、延長操作のカウント数Cは、例えば1の場合もあり、この場合はステップS17において1を加算してカウント数Cを2とする。初回の延長操作の場合には、延長操作のカウント数Cが0であり、この場合はステップS17において1を加算してカウント数Cを1とする。
【0053】
ステップS18では、カウント数Cが所定の数値(閾値TH)未満であるか否かを判定する(延長禁止手段に相当)。本実施形態では、制限時間の延長は回数が制限されている。例えば、制限時間を3回まで延長可能とする場合、所定の数値(閾値TH)は4である。カウント数Cが所定の数値未満である場合、ステップS19へ進む。カウント数Cが所定の数値未満でない場合(すなわち、所定の数値以上である場合)、ステップS20へ進む。
【0054】
ステップS19では、制限時間に対して延長時間を加算することにより、制限時間の延長を実行する(時間延長手段に相当)。ここで、制限時間の延長は、ステップS16において延長操作が実施されたことに基づいて実行されている。延長時間は、例えば、3~8秒であり、本実施形態では5秒とする。例えば、ステップS16時点における残りの制限時間が8秒で延長時間が5秒であった場合、当該ステップにおいて制限時間に延長時間が加算されて、残りの制限時間は13秒とされる。また、本実施形態では、1回目の延長操作により制限時間の合計としては15秒となり、2回目の延長操作により制限時間の合計としては20秒となり、3回目の延長操作により制限時間の合計としては25秒となる。
【0055】
ステップS16において延長操作が実施されていない場合、ステップS18でカウント数Cが所定の数値未満でない場合、及びステップS19で制限時間の延長を実行した後は、ステップS20に進む。ステップS20では、第2操作が実施されたか否かを判定する。
【0056】
ここで、第2操作とは、施錠装置21,22のうち、ステップS13で解錠されていない方の施錠装置21,22、すなわち、施錠装置21,22のいずれか他方に対する解錠操作である。したがって、施解錠センサ26,27のいずれか他方により送信される解錠検出信号が受信されたか否かを判定する。施解錠センサ26,27のいずれか他方により解錠検出信号が受信された場合には、施錠装置21,22のうち他方が解錠された、すなわち、第2操作が実施されたとしてステップS21へ進む。施解錠センサ26,27のいずれか他方により解錠検出信号が受信されていない場合には、施錠装置21,22のうち他方が解錠されていない、すなわち、第2操作が実施されていないとして本処理を終了する。
【0057】
ステップS21では、第1操作と第2操作とが制限時間内に行われたことに基づいて、警戒モードを解除する(モード解除手段に相当)。警戒モードの解除後、本処理を終了する。
【0058】
図4は、警戒モード手動解除処理をより具体的に示すタイムチャートである。なお、
図3において、時刻t1における警戒モードの設定は、電子キー31により施錠されたことに基づき設定されたものである。
【0059】
図4において、時刻t1で警戒モードが設定された後、時刻t2において、ユーザにより第1操作(すなわち、施錠装置21,22のいずれか一方における解錠)が実施されている。これにより、時刻t2によりタイマ42による計時が開始されている。このとき、制限時間は10秒とされている。
【0060】
そして、時刻t3で、ユーザにより延長操作(すなわち、タッチセンサ18における接触)が実施されている。これにより、制限時間が5秒延長される。時刻t3以降、時刻t4及び時刻t5においてもユーザにより延長操作(すなわち、タッチセンサ18における接触)が実施されている。これにより、制限時間がさらに5秒ずつ延長され、制限時間の合計は25秒となる。
【0061】
時刻t5以降の制限時間内である時刻t6において、ユーザにより第2操作(すなわち、施錠装置21,22のいずれか他方における解錠)が実施されている。これにより、警戒モードが解除される。なお、この場合、警告処理は実行されないままとなる。
【0062】
以上詳述した本実施形態によれば、以下の優れた効果が得られる。
【0063】
・本実施形態によれば、電子キー31による解錠以外(手動)で警戒モードを解除するには、メカキー32による2つの操作(第1操作及び第2操作)を制限時間内に行なうことが必要とされており、これにより防犯性が確保されている。また、本実施形態によれば、手動で警戒モードを解除するために必要な第1操作と第2操作とを制限時間内に操作できない場合に延長操作をすることにより当該制限時間が延長される。これにより、手動で警戒モードを解除することに慣れていない場合に制限時間を延長することができ、第2操作をするための時間を確保することができる。また、制限時間の延長を可能とすることにより、制限時間としての当初の設定時間を短くできる。例えば、メカキー32は、ピッキングなどにより不正解錠されることも懸念される。この場合、不正者は延長機能を知らないため、制限時間の延長が行なわれず、不正者にとって制限時間は短いままである。これにより、不正者は制限時間内に警戒モードの解除ができず、不正者に対して警告処理が実行されることになるため、延長可能とする構成においても防犯性を確保することができる。よって、本実施形態によれば、防犯性を確保し、かつユーザにとっての利便性の向上を図ることができる。
【0064】
・本実施形態によれば、2つの施錠装置21,22が設けられており、第1操作は施錠装置21,22のいずれか一方における施解錠操作であり、第2操作は施錠装置21,22のいずれか他方における施解錠操作である。よって、メカキー32により2つの施錠装置21,22の両方を制限時間内に施解錠することにより警戒モードが解除される。これにより、電子キー31を所持していないユーザが、住宅10内に入るために2つの施錠装置21,22の解錠をメカキー32により行うのに伴い、手動で警戒モードを解除することができる。すなわち、2つの施錠装置21,22が設けられている場合において、電子キー31による解錠以外の正当な方法で2つの施錠装置21,22を解錠すること(すなわち、メカキー32による解錠操作)により警戒モードが解除される。よって、警戒モードの解除のための操作をする必要がなく、ユーザにとっての利便性の向上を図ることができる。
【0065】
・本実施形態によれば、制限時間の延長を所定の回数行った後は、制限時間の延長は禁止される。すなわち、制限時間の延長の回数が制限されている。これにより、制限時間が無限に延長されることを回避することができ、防犯性を確保することができる。
【0066】
・本実施形態によれば、延長操作は、ドアハンドル17に設けられたタッチセンサ18への接触であり、タッチセンサ18は第1操作及び第2操作を行うシリンダ部21a,22aとは異なる場所に設けられている。これにより、不正者が第1操作と第2操作とにより警戒モードを解除(施錠装置21,22を解錠)しようとした場合において、偶発的に時間延長操作を行ってしまうことを回避でき、防犯性の向上を図ることができる。
【0067】
・本実施形態によれば、電子キー31により施解錠される場合に用いられるタッチセンサ18を、時間延長操作のために操作(接触)されるタッチセンサ18として利用している。すなわち、電子キー31による施解錠においてユーザにより接触されるタッチセンサ18と、時間延長操作のために操作(接触)されるタッチセンサ18とが共用されている。よって、これにより、新たな設備を必要とせずに、制限時間を延長する構成が可能となる。
【0068】
(他の実施形態)
上記実施形態を例えば次のように変更してもよい。
【0069】
(1)上記施形態では、第1操作と第2操作とは、2つの施錠装置21,22における解錠操作であるが、第1操作と第2操作とはこれに制限されない。例えば、メカキー32をシリンダ部21a,22aのいずれか一方に差し込むこと、メカキー32により解錠と施錠とを行うこと、又はメカキー32により解錠と施錠と解錠とを行うこと、等を第1操作又は第2操作としてもよい。
【0070】
(2)上記実施形態では、第1操作は施錠装置21,22のいずれか一方における解錠操作であり、第2操作は施錠装置21,22のいずれか他方における解錠操作であるが、第1操作及び第2操作が行われる施錠装置21,22を定めてもよい。例えば、第1操作は施錠装置21の解錠操作とし、第2操作は施錠装置22の解錠操作としてもよい。この場合、警戒モードの解除は、2つの施錠装置21,22のうち、第1操作として定められた施錠装置21を解錠した後に第2操作として定められた施錠装置22を解除する必要がある。よって、手動による警戒モードの解除方法がより限定されるため、防犯性を向上することができる。
【0071】
(3)上記実施形態では、延長操作はタッチセンサ18における接触とされているが、操作手段及び延長操作はこれに制限されない。例えば、接点式センサを内蔵するボタンが屋外側の玄関ドア16付近に設けられており、当該ボタン(操作手段)を押すことが延長操作とされていてもよい。
【0072】
(4)上記実施形態では、延長操作として1つの操作(タッチセンサ18における接触)のみが定められているが、例えば、延長操作として複数の態様が定められており、その複数の態様のうちいずれかが正規の延長操作として選択(変更)される構成であってもよい。例えば、タッチセンサ18における延長操作として、タッチセンサ18の接触回数(連続接触)や接触時間を変更することにより延長操作の複数の態様を定めることができる。また、タッチセンサ18が複数の接触点を検出することができる構成であれば、その接触点の数を変更することによりタッチセンサ18における延長操作の複数の態様を定めることができる。また、延長操作として、タッチセンサ18における接触と、他の操作手段に対する操作(例えば、玄関ドア16付近にボタンが設けられており、そのボタンに対する押下操作)とが定められていてもよい。すなわち、延長操作として複数定められていればよく、その延長操作の操作手段が複数あってもよい。
【0073】
また、延長操作として複数の態様が定められている場合において、それらのうちから正規の延長操作を選択(変更)する手段は特に制限されない。例えば、ユーザが適宜、正規の延長操作を選択(変更)してもよいし、ユーザごとに正規の延長操作が定められていてもよいし、定期的(時間帯ごと、所定日数ごと)に正規の延長操作が変更される構成であってもよい。また、延長操作が行われたメカキー32による施解錠後に、正規の延長操作を選択(変更)する構成であってもよい。これらの場合、正規の延長操作以外は延長操作として認められず、制限時間の延長が実行されない。どの延長操作が正規の延長操作であるかをユーザが知る方法は特に制限されない。
【0074】
ユーザにとっては、時間延長操作は簡便であることが望ましいが、簡便な操作では防犯性の低下が懸念される。また、ユーザが延長操作を行っているのを不正者により観察されると、不正者が延長操作を認識することが懸念される。当該構成によれば、例えば、日々、延長操作を変更することができる。これにより、不正者は延長操作を認識しづらくなるため、結果として、防犯性の向上を図ることができる。
【0075】
(5)上記実施形態では建物として住宅用である住宅10を対象とする施解錠システムを説明したが、本発明の施解錠システムの適用対象となる建物は住宅10に制限されず、例えば商業ビル、倉庫等の建物でもよい。
【符号の説明】
【0076】
10…住宅、15…開口部としての玄関口、16…開閉体としての玄関ドア、18…操作手段としてのタッチセンサ、21,22…施錠装置、21a、22b…シリンダ部、23…通信装置、26,27…施解錠センサ、29…スピーカ、31…電子キー、32…メカキー、40…コントローラ。