(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-31
(45)【発行日】2023-08-08
(54)【発明の名称】位置検出センサユニット及び位置検出センサユニットの製造方法
(51)【国際特許分類】
H02K 11/215 20160101AFI20230801BHJP
H02K 15/02 20060101ALI20230801BHJP
【FI】
H02K11/215
H02K15/02 D
(21)【出願番号】P 2019157165
(22)【出願日】2019-08-29
【審査請求日】2022-03-29
(73)【特許権者】
【識別番号】000144027
【氏名又は名称】株式会社ミツバ
(74)【代理人】
【識別番号】100161207
【氏名又は名称】西澤 和純
(74)【代理人】
【識別番号】100126664
【氏名又は名称】鈴木 慎吾
(74)【代理人】
【識別番号】100196689
【氏名又は名称】鎌田 康一郎
(72)【発明者】
【氏名】松井 孝典
(72)【発明者】
【氏名】坂上 美佳
【審査官】服部 俊樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-077081(JP,A)
【文献】特開2019-075858(JP,A)
【文献】特開2014-068420(JP,A)
【文献】特開2018-042421(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02K 11/215
H02K 15/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロータに設けられたマグネットの磁束を検出し、前記ロータの回転位置を検出する位置検出センサユニットにおいて、
前記マグネットの磁束を検出する磁気検出素子が実装された基板を収容するホルダケースと、
前記ホルダケースに取り付けられて前記基板を保持するセンサ基板ホルダと、
を有し、
前記センサ基板ホルダは、
一端に設けられ前記基板の第1端部が挿入される溝開口部と、
他端に設けられ突き当て面を有する基板挿入溝と、
前記溝開口部に挿入された前記基板の前記第1端部における側部を把持する基板把持部と、
を有し、
前記ホルダケースは、
前記センサ基板ホルダが収納される外枠部材と、
前記外枠部材に一体成形された3つの脚部と、
を有し、
前記3つの脚部は、内部に前記基板の前記第1端部とは反対側の第2端部を収容する基板収容部を有する
ことを特徴とする位置検出センサユニット。
【請求項2】
前記基板収容部は、
前記基板の前記第2端部が挿入される開口部と、
前記基板の前記第2端部を収容する第1基板収容部と、
前記基板の第2端部より第1端部側を収容し前記第1基板収容部より前記基板を起点とした径方向内側における幅が広い第2基板収容部と、
を有する
ことを特徴とする請求項1に記載の位置検出センサユニット。
【請求項3】
前記開口部を封止するように前記外枠部材の内部に充填剤が充填されている
ことを特徴とする請求項2に記載の位置検出センサユニット。
【請求項4】
ロータに設けられたマグネットの磁束を検出し、前記ロータの回転位置を検出する位置検出センサユニットの製造方法において、
前記マグネットの磁束を検出する磁気検出素子が実装された複数の基板を治具に配置し、前記基板にリード線を組み付ける第1工程と、
前記基板及び前記リード線をセンサ基板ホルダで保持し、前記リード線を前記基板に接続する第2工程と、
前記基板にセンサ線を組み付け、組付けたセンサ線を基板に接続することにより前記磁気検出素子に接続する第3工程と、
前記センサ基板ホルダ及び前記基板を前記治具から外してホルダケースに収容し、前記ホルダケースの内部に充填剤を充填する第4工程と、
を備えていることを特徴とする位置検出センサユニットの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、位置検出センサユニット及び位置検出センサユニットの製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、自動二輪車のエンジンに設けられる回転電機(始動発電機)として、ステータと、ステータの周りを回転するロータと、ロータの回転位置を検出する位置検出センサユニットと、を備えたものが知られている。ステータは、例えばT字形状に形成されたティース部を有するステータ鉄心と、ティース部の周りに巻装されたコイルとを有する。ロータは、有底筒状に形成されたロータヨークと、ロータヨークの内周面に周回り方向等間隔で配設された複数のマグネットと、を有している。
【0003】
ロータを構成するロータヨークは、フライホイールとしても使用されている。特に、回転電機がエンジン始動装置(スタータモータ)として使用される場合においては、回転電機は、ブラシレスモータとして作動する。このため、回転電機をブラシレスモータとして駆動するモータドライバが回転電機に接続されている。モータドライバからのモータ駆動信号に基づいて、回転電機のステータの各コイルに電流が供給され、ロータが回転する。モータドライバは、検出センサによって検出されたロータの回転位置信号に基づいて回転電機をブラシレスモータとして駆動するモータ駆動用信号を発生する。
【0004】
位置検出センサユニットは、ステータに配設されたホールIC等のセンサ素子(すなわち、磁気検出素子)を備えている。以下、センサ素子をホールICという。ホールICは、ロータの回転に伴って切り替わるマグネットの磁束の切り替りを検出する。回転電機がエンジン始動装置として使用される場合には、位置検出センサユニットは、モータ駆動用信号を発生するための回転位置信号の他に、ロータの絶対的な位置情報信号をも検出する。位置情報信号はエンジンの点火タイミング用信号を発生するために用いられる(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
ここで、位置検出センサユニットは、ホールICが回路基板に接続され、回路基板及びホールICがセンサケースの内部に収容されている。また、センサケースのなかには、例えば、ホールICが接続された回路基板が収容されるセンサホルダと、センサ基板ホルダに取り付けられて回路基板の抜けを防ぐセンサ押え部と、センサ基板ホルダを支持するホルダケースと、を備えたものがある。以下、センサホルダをセンサ基板ホルダと称し、センサ押え部をリード線ホルダと称する。
回路基板をセンサ基板ホルダに収容し、収容した回路基板の抜けをリード線ホルダで防ぐことにより、センサ基板ホルダにより回路基板を精度よく位置決めした状態に保持可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上述の従来技術のセンサケースは、センサ基板ホルダで回路基板を精度よく把持するために、別途リード線ホルダを用いて回路基板の抜けを防ぐ必要がある。このため、センサケースの部品点数が多くなり、そのことがコストを抑える妨げになっていた。
【0008】
そこで、この発明は、回路基板を精度よく保持するとともに、部品点数を抑えることができる位置検出センサユニット及び位置検出センサユニットの製造方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決するために、本発明に係る位置検出センサユニットは、ロータに設けられたマグネットの磁束を検出し、前記ロータの回転位置を検出する位置検出センサユニットにおいて、前記マグネットの磁束を検出する磁気検出素子が実装された基板を収容するホルダケースと、前記ホルダケースに取り付けられて前記基板を保持するセンサ基板ホルダと、を有し、前記センサ基板ホルダは、一端に設けられ前記基板の第1端部が挿入される溝開口部と、他端に設けられ突き当て面を有する基板挿入溝と、前記溝開口部に挿入された前記基板の前記第1端部における側部を把持する基板把持部と、を有し、前記ホルダケースは、前記センサ基板ホルダが収納される外枠部材と、前記外枠部材に一体成形された3つの脚部と、を有し、前記3つの脚部は、内部に前記基板の前記第1端部とは反対側の第2端部を収容する基板収容部を有することを特徴とする。
【0010】
上記構成において、前記基板収容部は、前記基板の前記第2端部が挿入される開口部と、前記基板の前記第2端部を収容する第1基板収容部と、前記基板の第2端部より第1端部側を収容し前記第1基板収容部より前記基板を起点とした径方向内側における幅が広い第2基板収容部と、を有してもよい。
【0011】
上記構成において、前記開口部を封止するように前記外枠部材の内部に充填剤が充填されていてもよい。
【0012】
本発明に係る位置検出センサユニットの製造方法は、ロータに設けられたマグネットの磁束を検出し、前記ロータの回転位置を検出する位置検出センサユニットの製造方法において、前記マグネットの磁束を検出する磁気検出素子が実装された複数の基板を治具に配置し、前記基板にリード線を組み付ける第1工程と、前記基板及び前記リード線をセンサ基板ホルダで保持し、前記リード線を前記基板に接続する第2工程と、前記基板にセンサ線を組み付け、組付けたセンサ線を基板に接続することにより前記磁気検出素子に接続する第3工程と、前記センサ基板ホルダ及び前記基板を前記治具から外してホルダケースに収容し、前記ホルダケースの内部に充填剤を充填する第4工程と、を備えていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、回路基板を精度よく保持するとともに、部品点数を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明の実施形態における回転電機の斜視図。
【
図2】本発明の実施形態における回転電機のロータを取り外した状態の上面図。
【
図3】本発明の実施形態における回転電機のロータを断面とした側面図。
【
図4】本発明の実施形態におけるステータの斜視図。
【
図5】本発明の実施形態におけるロータの内周側を展開した図。
【
図6】本発明の実施形態における位置検出センサユニットの要部を破断した状態を示す斜視図。
【
図7】本発明の実施形態における位置検出センサユニットの分解斜視図。
【
図8】本発明の実施形態における回路基板がセンサ基板ホルダに保持された状態を示す斜視図。
【
図9】本発明の実施形態におけるセンサ基板ホルダから回路基板を分解した状態を示す分解斜視図。
【
図10】本発明の実施形態における位置検出センサユニットを示す平面図。
【
図11】本発明の実施形態における位置検出センサユニットの製造方法の説明図であり、(a)は、各回路基板にリード線を接続する工程を示し、(b)は、各回路基板にセンサ線を接続する工程を示す。
【
図12】本発明の実施形態におけるホルダケースの内部に充填剤を充填する工程を説明する斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
次に、この発明の実施形態の位置検出センサユニット及び位置検出センサユニットの製造方法を図面に基づいて説明する。
【0016】
<回転電機>
図1は、回転電機1の斜視図である。
図2は、回転電機1のロータ4を取り外した状態の上面図である。
図3は、回転電機1のロータ4を断面とした側面図である。
図1~
図3に示すように、回転電機1は、自動二輪車等の車両用エンジンの始動発電機として用いられるものであって、三相ブラシレス型の回転電機である。回転電機1は、エンジンブロック(図示せず)に固定されるステータ2と、エンジンのクランクシャフト(図示せず)に固定されるロータ4と、ロータ4の回転位置を検出する位置検出センサユニット6と、を備えている。
ステータ2に巻装されている後述のコイル10にはリード線21aが接続され、位置検出センサユニット6からセンサ線21bが延びている。
【0017】
なお、以下の説明において、回転電機1におけるロータ4の回転軸方向を軸方向と称する。回転電機1のセンサ線21b及びリード線21aが引き回される側を軸方向外側と称する。回転電機1の軸方向外側とは反対側、つまり、クランクシャフトが延びて、このクランクシャフトにロータ4が固定される側を軸方向内側と称する。
【0018】
図4は、ステータ2の斜視図である。
図4に示すように、ステータ2は、例えば電磁鋼板を積層して成るステータ鉄心2Aと、ステータ鉄心2Aに巻回される複数のコイル10と、を備えている。ステータ鉄心2Aは、円環状に形成された本体部2aと、この本体部2aの外周面から径方向外側に向かって放射状に突出する複数のティース部2bと、を有している。各ティース部2bの先端部には、例えば円周方向両側に略T字状に張り出す爪片3が設けられている。
【0019】
ここで、各ティース部2bの爪片3の形状は一定形状ではなく、一部のティース部2bの爪片3には、軸方向中央よりもやや外側から軸方向外側端に至る間に、例えば切欠き部7が形成されている。切欠き部7は、例えば、後述する位置検出センサユニット6のセンサ保持用の脚部(第1の脚部)61a、脚部(第2の脚部)61b、脚部(第3の脚部)61c(
図3参照)を受け入れるためのものである。切欠き部7は、円周方向で隣接する二つの爪片3に跨って略長方形状の嵌合溝を形成するように形成されている。この嵌合溝を形成する切欠き部7の対が、円周方向に連続して合計3箇所に配置される。
【0020】
以下、爪片3に切欠き部7が形成される4個のティース部2bを他のティース部2bと区別するために特定ティース部2Bと称する。
このような構成のもと、隣接する特定ティース部2Bに形成される各切欠き部7の対に、位置検出センサユニット6の各脚部61a,61b,61cが挿入配置される。
また、ステータ鉄心2Aの外面には、各ティース部2bの周域を覆うように、不図示のインシュレータが装着されており、このインシュレータの上から各ティース部2bにコイル10が巻回されている。
【0021】
図5は、ロータ4の内周側を展開して示したものである。
図1、
図3、
図5に示すように、ロータ4は、磁性材料から成る有底円筒状のロータヨーク12と、このロータヨーク12の底壁12aに同軸に固定されたボス部14と、を備えている。ボス部14には、エンジンのクランクシャフトが一体回転可能に結合される。
【0022】
ロータ4の内周面には、複数のマグネット16が円周方向に沿って等間隔に取り付けられている。これらの各マグネット16は、ロータ4の軸方向に長い長方形状に形成されている。一つを除き他のすべてのマグネット16は、ロータ4の中心に向く側の面(内側面)がN極とS極のいずれかに着磁されている。一つのマグネット16cは、内側面がN極に着磁された主磁極部18の一端側(長尺方向の一端側)に、内側面がS極に着磁された短尺な副磁極部19が設けられている。
【0023】
なお、以下の説明では、
図5中、内側面全域がN極に着磁されているマグネット16をN極マグネット16a、内側面全域がS極に着磁されているマグネット16をS極マグネット16bと称する。また、主磁極部18と副磁極部19を備えたマグネット16を2極マグネット16cと称する。
ここで、ロータ4では、隣接する特定の一組のN極マグネット16a,16aの間に、2極マグネット16cが配置されている。他の隣接するN極マグネット16a,16a間に、S極マグネット16bが配置されている。
【0024】
したがって、ロータ4の内周側は、軸方向の一端側(
図5中上端側)以外では、N極とS極が交互に現れる。一方、軸方向の一端側では、2極マグネット16cの副磁極部19及び、その前後(円周方向の前後)のマグネット3個分だけN極が連続して現れる。
マグネット16の軸方向の一端側の領域は、エンジンの点火タイミングを検出するためのターゲットとして用いられ、マグネット16の軸方向の残余の領域は、主に、コイル10の転流タイミングを検出するためのターゲットとして用いられる。
【0025】
ステータ鉄心2Aのティース部2bに巻回されたコイル10の端末部は、リード線21aの一端に接続されている。リード線21aは、保護チューブ22aによって束ねられ、ステータ2の軸方向外側端でステータ2の周方向に沿うように円弧状に配索されている。リード線21aの他端は、不図示のエンジンブロックに設けられたグロメット23を介してエンジンブロック外に引き出され、不図示の制御装置に接続されている。
【0026】
ステータ2の軸方向外側端には、後述するセンサケース30から引き出されたセンサ線21b(
図2参照)が保護チューブ22bによって束ねられ、ステータ2の周方向に沿うように円弧状に引き回されている。センサ線21bは、不図示のエンジンブロックに設けられたグロメット24を介してエンジンブロック外に引き出され、不図示の制御装置に接続されている。
【0027】
このような構成のもと、不図示の制御装置は、エンジンの始動時には所定のタイミングでコイル10に電流を供給することによって、ロータ4とクランクシャフトとを回転させる。また、エンジンの始動後には、ロータ4の回転に伴う発電電力を、不図示のバッテリに充電し、若しくは、直接使用に供する。
ここで、ステータ2の軸方向外側端に配索されたリード線21a及びセンサ線21bは、クリップ25を介してステータ鉄心2Aの軸方向外側端に保持されている。
【0028】
<位置検出センサユニット>
図6は、位置検出センサユニット6の要部を破断した状態を示す斜視図である。
図7は、位置検出センサユニット6の分解斜視図である。なお、
図6においては、位置検出センサユニット6の構成の理解を容易にするために充填剤を除去した状態で図示する。
図1、
図6、
図7に示すように、位置検出センサユニット6は、ステータ鉄心2Aの軸方向外側に配置される樹脂製のセンサケース30と、センサケース30の内部に収容される3つの回路基板(基板)31A,31B,31C(第1回路基板31A、第2回路基板31B、第3回路基板31C)と、を備えている。
なお、以下の説明において、ステータ2に位置検出センサユニット6(センサケース30)を取り付けた状態で位置検出センサユニット6におけるステータ2の径方向を径方向、ステータ2の軸方向を軸方向、ステータ2の周方向を周方向と称して説明する。
【0029】
<回路基板>
図8は、第1~第3回路基板31A,31B,31Cがセンサ基板ホルダ46に保持された状態を示す斜視図である。
図7、
図8に示すように、各回路基板31A,31B,31Cは、周方向に沿って第1回路基板31A、第2回路基板31B、第3回路基板31Cの順に配置される。各回路基板31A,31B,31Cは、例えば、それぞれ略T字状に形成されており、軸方向に沿って長く形成された挿入部34と、挿入部34の軸方向外側端に一体成形され、周方向に沿って長く形成されたセンサ線接続部(基板の第1端部)35とにより構成されている。
第1回路基板31Aの挿入部34には、第1ホールIC38a及び第2ホールIC38bが表面にはんだ付けにより実装されている。これら第1ホールIC38a及び第2ホールIC38bは、第1ホールIC38aが軸方向外側に位置するように、軸方向に沿って並んで配置されている。
【0030】
第2回路基板31Bの挿入部34には、第3ホールIC38cが表面実装され、第3回路基板31Cの挿入部34には、第4ホールIC38dが表面実装されている。各回路基板31A,31B,31Cの各ホールIC38b,38c,38dは、それぞれ挿入部34の軸方向内側端縁(先端縁)34cからの距離が同じ距離に表面実装されている。各ホールIC38a~38dは、磁気検出素子であり、例えば、いわゆるチップホールICで構成されている。
【0031】
各回路基板31A,31B,31Cのセンサ線接続部35には、周方向略中央に、それぞれ2つのセンサ線用スルーホール39aが形成されている。これらセンサ線用スルーホール39aに、センサ線21b(
図2参照)の一端が挿入され、はんだ付け等により各回路基板31A,31B,31Cに接続される。センサ線21bは、各回路基板31A,31B,31Cを経て各ホールIC38a~38dに接続されている。
【0032】
第1回路基板31Aのセンサ線接続部35には、周方向の第2回路基板31B側の端部に、2つのリード線用スルーホール39bが形成されている。第2回路基板31Bのセンサ線接続部35には、周方向の両端部に、それぞれリード線用スルーホール39bが2つずつ形成されている。第3回路基板31Cのセンサ線接続部35には、周方向の第2回路基板31B側の端部に、2つのリード線用スルーホール39bが形成されている。
【0033】
このような構成のもと、第1回路基板31A、及び第2回路基板31Bの各リード線用スルーホール39bにリード線41の端末部が挿入されている。第2回路基板31B、及び第3回路基板31Cの各リード線用スルーホール39bに、リード線41の端末部が挿入されている。各回路基板31A、31B,31Cとリード線41の端末部とをはんだ付け等により接続することで、第1回路基板31A、第2回路基板31B、第3回路基板31Cが、この順で直列に接続されている。
【0034】
<センサケース>
図6、
図7に示すように、センサケース30は、各回路基板31A,31B,31Cを収容するホルダケース45と、ホルダケース45に取り付けられて各回路基板31A,31B,31Cを保持するセンサ基板ホルダ46と、を備えている。
【0035】
<センサ基板ホルダ>
図9は、センサ基板ホルダ46から第1~第3回路基板31A,31B,31Cを分解した状態を示す分解斜視図である。
図8、
図9に示すように、センサ基板ホルダ46は、第1回路基板31Aのセンサ線接続部35が挿入される一対の基板挿入溝51と、第2回路基板31Bのセンサ線接続部35が挿入される一対の基板挿入溝51と、第3回路基板31Cのセンサ線接続部35が挿入される一対の基板挿入溝51と、を有する。
一対の基板挿入溝51は、センサ線接続部35のうち周方向の両側部を収容可能に周方向に間隔をおいて形成されている。
【0036】
基板挿入溝51は、軸方向内側の一端に開口された溝開口部52と、軸方向外側の他端に形成された突き当て部(突き当て面)53と、を有する。基板挿入溝51は、側部に設けられた基板把持部54を有する。基板把持部54は、センサ線接続部35の側部35aを把持するように周方向に張り出されている。すなわち、基板挿入溝51は、センサ線接続部35の側部35aを挟み込むように、周方向に向けて開口する断面U字状に形成されている。
【0037】
一対の基板挿入溝51の溝開口部52からセンサ線接続部35の両側の側部35aが基板挿入溝51に差し込まれる。基板挿入溝51に差し込まれたセンサ線接続部35のうち、軸方向外側の端部35bが突き当て部53に接触する。これにより、センサ線接続部35が基板挿入溝51から軸方向外側に抜け出すことを突き当て部53で防止できる。
基板挿入溝51に配置されたセンサ線接続部35は、円周方向の側部35aが基板把持部54に把持されている。これにより、各回路基板31A,31B,31Cがセンサ基板ホルダ46の所定位置に精度よく位置決めされた状態に保持されている。
センサ基板ホルダ46は、ホルダケース45に取り付けられている。
【0038】
<ホルダケース>
図10は、位置検出センサユニット6を示す平面図である。
図6、
図7、
図10に示すように、ホルダケース45は、外枠部材60と、外枠部材60に一体に形成された3つの脚部61a,61b,61cと、を有する。
外枠部材60は、センサ基板ホルダ46の形状に対応するように、軸方向からみて長円形状となるように形成され、かつステータ鉄心2A(
図2参照)の外周に沿うように湾曲形成された筒状の周壁63を有している。より具体的には、周壁63は、径方向外側の壁を構成する外周壁部63aと、径方向内側の壁を構成する内周壁部63bと、これら外周壁部63aと内周壁部63bとを連結する側壁部63c,63dとが一体成形されたものである。周壁63に、センサ基板ホルダ46が挿入により圧入されている。外枠部材60の周壁63にセンサ基板ホルダ46の外周壁65が嵌合されることにより、外枠部材60とセンサ基板ホルダ46とが一体化されている。
【0039】
図2、
図7に示すように、周壁63のうち、内周壁部63bの中央には、径方向内側に向かって延出する配線ガイド68が一体成形されている。配線ガイド68は、外枠部材60から引き出された複数のセンサ線21bを集合させて側方への引き出すために形成されている。
配線ガイド68には、径方向内側の先端にボルト座69が一体成形されている。ボルト座69は、外枠部材60をステータ鉄心2Aに固定する部位である。ボルト座69の上からボルト71が挿通され、ボルト71がステータ鉄心2Aの雌ネジ部に螺入することにより、ステータ鉄心2Aに外枠部材60が締結固定されている。
【0040】
周壁63の外周壁部63aには、周方向略中央よりも周方向端部寄りに、厚肉の板状の舌片部73が径方向外側に向かって突設されている。舌片部73は、位置検出センサユニット6を不図示のエンジンブロックに締結固定するための部位であって、不図示のボルトが挿通されるボルト挿通孔73aが形成されている。
【0041】
図3、
図6、
図7に示すように、外枠部材60のベース部60aには、周方向に隣り合う各脚部61a,61b,61cが軸方向内側に向かって突設されている。
3つの脚部61a,61b,61cは、ベース部60a側に開口部75を有するように略有底角筒状に形成されている。3つの脚部61a,61b,61cは、ステータ2の特定ティース部2Bの切欠き部7(
図4も参照)の対の間に挿入可能なように、軸方向に直角な断面形状が、周方向へ長い長方形状に形成されている。
ステータ鉄心2A(
図2参照)の軸方向外側端にホルダケース45を取り付けた状態において、特定ティース部2Bの切欠き部7の対の間に、それぞれ脚部61a,61b,61cが挿入される。各脚部61a,61b,61cの径方向外側の面は、ステータ2の爪片3の径方向外側の面に対して面一に配置されている。
【0042】
各脚部61a,61b,61cの軸方向内側端(先端)には、保持部77が軸方向に沿って延出形成されている。保持部77は、各脚部61a,61b,61cの切欠き部7内でのガタツキを抑制するとともに、各脚部61a,61b,61cの剛性を高めるためのものである。保持部77は、各脚部61a,61b,61cの径方向内側の面から延出する延出部77aと、延出部77aの径方向外側の面に突出形成されたリブ部77bと、により構成されている。
延出部77aは、特定ティース部2Bの爪片3の内周面に当接されている。リブ部77bは、周方向で隣接する特定ティース部2Bの爪片3の間で、かつ切欠き部7よりも軸方向内側に介装される。
【0043】
図6、
図7に示すように、ホルダケース45の各脚部61a,61b,61cの内部は、各回路基板31A,31B,31Cの挿入部(基板の第2端部)34を収容する基板収容部80を有する。基板収容部80は、挿入部34のうち先端(基板の第2端部)34aを収容する第1基板収容部81と、挿入部34のうち先端34aよりセンサ線接続部35側の基部(第2端部より第1端部側)34bを収容する第2基板収容部82と、第2基板収容部82のベース部60aを開口する開口部75と、を有する。
【0044】
第1基板収容部81は、第2基板収容部82の軸方向内側端82dから軸方向外側に向けて開口されている。第1基板収容部81は、例えば、第1外壁81aと、第1内壁81bと、第1底部81cと、第1傾斜壁81dと、を有する。
第1外壁81aは、各脚部61a,61b,61cの径方向外側寄りに設けられている。第1内壁81bは、第1外壁81aに対して径方向内側に間隔をおいて設けられている。第1底部81cは、第1内壁81bの軸方向内側端から径方向外側方向に向けて張り出されている。第1傾斜壁81dは、第1底部81cの径方向外側端から第1外壁81a軸方向内側端まで傾斜状に延びている。第1基板収容部81の軸方向外側端から第2基板収容部82がベース部60aまで軸方向外側に向けて開口されている。
【0045】
第2基板収容部82は、例えば、第2外壁82aと、第2傾斜壁82bと、第2内壁82cと、を有する。第2外壁82aは、第1外壁81aの延長線上となる径方向外側に設けられている。第2傾斜壁82bは、第1内壁81bの軸方向外側端から径方向内側で、かつ軸方向外側に向けて傾斜状に延びている。第2内壁82cは、第2傾斜壁82bの軸方向外側端からベース部60aまで延び、第2外壁82aに対して径方向内側に間隔をおいて設けられている。第1外壁81a及び第2外壁82aにより基板収容部80の外壁80aが形成されている。
【0046】
このような構成のもと、各脚部61a,61b,61cの基板収容部80の開口部75から挿入部34が挿入されることにより、基板収容部80に挿入部34が収容される。具体的には、第1基板収容部81に挿入部34の先端34aが収容され、第2基板収容部82に挿入部34の基部34bが収容される。
【0047】
この状態において、挿入部34の先端34aは、先端縁34cが第1底部81cに対向して配置されている。挿入部34の先端34aは、第1内壁81b側に寄せられ、第1外壁81aに対してある程度広い幅W1をおいて配置されている。挿入部34の基部34bは、第2内壁82cに対してある程度広い幅W2をおいて配置され、第2外壁82aに対してある程度広い幅W1をおいて配置されている。
【0048】
すなわち、挿入部34の基部34bを起点とした径方向内側において、第2内壁82cが第1内壁81bより幅W2を広くして配置されている。挿入部34(先端34a及び基部34b)を起点とした径方向外側において、第2外壁82a及び第1外壁81a(すなわち、外壁80a)が幅W1を広くして配置されている。
【0049】
各回路基板31A,31B,31Cの挿入部34が基板収容部80に収容された状態において、各回路基板31A,31B,31Cのセンサ線接続部35は、ホルダケース45のベース部60aに当接されている。これにより、センサ線接続部35は、ベース部60a上に突出した状態で配置されている。
ここで、ベース部60a上にセンサ線接続部35が配置された状態において、センサ線接続部35のセンサ線用スルーホール39a(
図8参照)の位置は、ベース部60aに立設されているガイド壁85の凹部に対応する位置に配置されている。
【0050】
脚部61a,61b,61c内に収容された各回路基板31A,31B,31Cの挿入部34は、それぞれ表面実装された各ホールIC38a~38dが径方向外側を向くように配置されている。すなわち、ステータ鉄心2A(
図2参照)の軸方向外側端に各回路基板31A,31B,31Cが配置された状態において、特定ティース部2Bの切欠き部7(
図3参照)の対の間に、それぞれ脚部61a,61b,61cが挿入されている。これにより、各ホールIC38a~38dは、ロータ4のマグネット16と対向するように配置されている。
この状態において、周壁63の内部及び基板収容部80に充填剤90(
図10参照)が充填されている。これにより、周壁63の内部空間及び基板収容部80が充填剤90で封止されている。
【0051】
ここで、挿入部34の基部34bを起点とした径方向内側において、第2内壁82cが第1内壁81bより幅W2を広くして配置されている。また、挿入部34を起点とした径方向外側において、外壁80aが幅W1を広くして配置されている。このため、挿入部34の基部34bの径方向内側の空間、及び挿入部34の径方向外側の空間に、充填剤90(
図10参照)が概ね均一に充填されている。これにより、挿入部34を充填剤90で強固に固定できる。
【0052】
挿入部34の径方向内側の空間、及び挿入部34の径方向外側の空間に充填剤90が概ね均一に充填されることにより、充填剤90の冷熱時において、充填剤90を概ね均等に膨張、収縮させることができる。これにより、挿入部34に作用する応力を緩和(低減)でき、挿入部34の熱タフネスを高めることができる。
【0053】
<点火タイミング及び燃料噴射タイミングを制御>
図3、
図5に示すように、第1のホールIC38aは、2極マグネット16cの副磁極部19を通る高さで各極マグネット16a,16b,16cの磁束の切り替わりを検出する。第2,第3,第4のホールIC38b,38c,38dは、2極マグネット16cの主磁極部18を通る高さで各極マグネット16a,16b,16cの磁束の切り替わりを検出する。
【0054】
第2,第3,第4のホールIC38b,38c,38dは、ロータ4の中央側の位置M2で検出した信号を、ロータ4の回転位置信号として制御装置に出力する。第1のホールIC38aは、ロータ4の軸方向の一端側の位置M1で検出した信号を、ロータ4の円周上の絶対位置情報信号として制御装置に出力する。
制御装置では、第2,第3,第4のホールIC38b,38c,38dの出力信号を受けて、3相のコイル10に対する転流タイミングを制御する。同時に、第1のホールIC38aの出力信号と第2,第3,第4のホールIC38b,38c,38dの出力信号を受けてエンジンの点火タイミング及び燃料噴射タイミングを制御する。
【0055】
以上説明したように、位置検出センサユニット6によれば、センサケース30は、各回路基板31A,31B,31Cをセンサ基板ホルダ46で所定位置に精度よく位置決めした状態に保持できる。また、センサケース30は、保持された各回路基板31A,31B,31Cをホルダケース45に収容できる。すなわち、センサケース30は、ホルダケース45及びセンサ基板ホルダ46の2部材で各回路基板31A,31B,31Cを精度よく保持できる。
【0056】
これに対して、従来のセンサケースは、例えば、各回路基板が収容されるセンサ基板ホルダと、センサ基板ホルダに取り付けられた回路基板の抜けを防ぐリード線ホルダと、センサ基板ホルダを支持するホルダケースと、の3部材を備えている。すなわち、実施形態のセンサケース30は、従来のセンサケースと比べて部品点数を3部材から2部材に抑えることができる。
このように、実施形態の位置検出センサユニット6によれば、各回路基板31A,31B,31Cを精度よく保持するとともに、センサケース30の部品点数を減らすことによりコストを抑えることができる。
【0057】
また、センサケース30によれば、各回路基板31A,31B,31Cの挿入部34の径方向内側の空間、及び挿入部34の径方向外側の空間に充填剤90を概ね均一に充填させることができる。このため、充填剤90の冷熱時において、充填剤90を概ね均等に膨張、収縮させることができる。よって、挿入部34に作用する応力を緩和(低減)でき、挿入部34の熱タフネスを高めることができる。
【0058】
これに対して、従来のセンサケースは、例えば、各回路基板の挿入部の径方向内側の空間が狭く、挿入部の径方向内側の空間に充填剤を充填することが難しい。このため、挿入部の径方向内側の空間、及び挿入部の径方向外側の空間に充填剤を均一に充填させることが難しい。この結果、充填剤の冷熱時において、充填剤の線膨張による膨張、収縮によって、挿入部に応力が発生してしまい、例えば、はんだやホールICに応力が加わり亀裂が発生することが考えられる。
また、挿入部の径方向内側の空間に充填剤を充填させることが難しく、各回路基板の挿入部がホルダケースに対して浮動的になることが考えられる。このため、各回路基板の挿入部に対する応力耐性が低下することが考えられる。
【0059】
<位置検出センサユニットの製造方法>
位置検出センサユニット6の製造方法を
図11、
図12に基づいて説明する。
図11は、位置検出センサユニット6の製造方法の説明図であり、(a)は、治具100に配置した各回路基板31A,31B,31Cにリード線41を接続する工程を示し、(b)は、治具100に配置した各回路基板31A,31B,31Cにセンサ線21bを接続する工程を示す。
図12は、ホルダケース45の内部に充填剤90を充填する工程を説明する斜視図である。
【0060】
図11(a)に示すように、第1工程において、第1~第4ホールIC38a~38dが実装された各回路基板31A,31B,31Cを治具100に配置する。治具100に各回路基板31A,31B,31Cを配置した状態において、各回路基板31A,31B,31Cのリード線用スルーホール39bにリード線41(双方
図8参照)を組み付ける。
【0061】
第2工程において、治具100にセンサ基板ホルダ46を配置する。これにより、センサ基板ホルダ46で各回路基板31A,31B,31Cとリード線41とを保持(支持)する。この状態において、リード線41を各回路基板31A,31B,31Cに、例えば、はんだ付け等により接続する。
【0062】
図11(b)に示すように、第3工程において、各回路基板31A,31B,31Cのセンサ線用スルーホール39aにセンサ線21bを組み付ける。センサ線21bを組付けた後、センサ線21bを各回路基板31A,31B,31Cに、例えば、はんだ付け等により接続する。これにより、センサ線21bが各回路基板31A,31B,31Cを経て各ホールIC38a~38d(
図11(a)参照)に接続される。
【0063】
図12に示すように、第4工程において、センサ基板ホルダ46及び各回路基板31A,31B,31Cを治具100(
図11(b)参照)から外してホルダケース45に収容する。具体的には、センサ基板ホルダ46がホルダケース45の外枠部材60に圧入される。また、各回路基板31A,31B,31Cが、ホルダケース45に備えられた各脚部61a,61b,61cの基板収容部80に収容される。
この状態において、ホルダケース45の外枠部材60及び各脚部61a,61b,61cの基板収容部80(
図6参照)の内部に充填剤90(
図10参照)を充填する。これにより、位置検出センサユニット6の製造方法の第1工程から第4工程が完了する。
【0064】
以上説明したように、位置検出センサユニット6によれば、センサ基板ホルダ46及び各回路基板31A,31B,31Cを治具100に配置した状態において、各回路基板31A,31B,31Cにリード線41を接続するようにした。さらに、この状態において、各回路基板31A,31B,31Cにセンサ線21bを接続するようにした。
このため、各回路基板31A,31B,31Cを収容する各脚部61a,61b,61cをホルダケース45と一体に形成できる。よって、位置検出センサユニット6の部品点数を2つに減らすことができ、位置検出センサユニット6のコストを抑えることができる。
【0065】
なお、本発明は上述の実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上述の実施形態に種々の変更を加えたものを含む。
例えば、上述の実施の形態では、回転電機1は、自動二輪車等の車両用エンジンの始動発電機として用いられるものである場合について説明した。しかしながら、これに限られるものではなく、さまざまな用途に回転電機1を適用することが可能である。例えば、回転電機1を単に発電機として用いたり、単に電動モータとして用いたりすることも可能である。
【符号の説明】
【0066】
1…回転電機、4…ロータ、6…位置検出センサユニット、16…マグネット、21b…センサ線、30…センサケース、31A~31C…第1~第3回路基板(基板)、34…挿入部(基板の第2端部)、34a…挿入部の先端(基板の第2端部)、34b…挿入部の基部(基板の先端より根元側)、35…センサ線接続部(基板の第1端部)、35a…センサ線接続部の側部(根本の側部)、38a~38d…第1~第4ホールIC(磁気検出素子)、41…リード線、45…ホルダケース、46…センサ基板ホルダ、51…基板挿入溝、52…溝開口部、54…基板把持部、60…外枠部材、75…開口部、80…基板収容部、61a…第1の脚部(脚部)、61b…第2の脚部(脚部)、61c…第3の脚部(脚部)、81…第1基板収容部、82…第2基板収容部、90…充填剤、100…治具