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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-31
(45)【発行日】2023-08-08
(54)【発明の名称】皮膚洗浄剤組成物
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/36 20060101AFI20230801BHJP
   A61K 8/9794 20170101ALI20230801BHJP
   A61Q 19/10 20060101ALI20230801BHJP
【FI】
A61K8/36
A61K8/9794
A61Q19/10
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2019166840
(22)【出願日】2019-09-13
(65)【公開番号】P2021042178
(43)【公開日】2021-03-18
【審査請求日】2022-03-10
(73)【特許権者】
【識別番号】390011442
【氏名又は名称】株式会社マンダム
(74)【代理人】
【識別番号】110002239
【氏名又は名称】弁理士法人G-chemical
(72)【発明者】
【氏名】石井 さやか
(72)【発明者】
【氏名】岡本 学
【審査官】松本 要
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-285199(JP,A)
【文献】特開2000-204394(JP,A)
【文献】特開2002-105488(JP,A)
【文献】特開2014-221743(JP,A)
【文献】特開2015-180742(JP,A)
【文献】特表2019-515037(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 8/00-8/99
A61Q 1/00-90/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記成分(A)、下記成分(B)、下記成分(C)、下記成分(E)、グリセリン脂肪酸エステル、及びソルビタン脂肪酸エステルのアルキレンオキシド付加物を含有し、前記成分(A)の含有割合が5.0~50.0質量%、前記成分(B)の含有割合が0.1~1.5質量%、前記成分(E)の含有割合が0.2~10.0質量%、前記グリセリン脂肪酸エステル及びソルビタン脂肪酸エステルのアルキレンオキシド付加物の合計の含有割合が0.5~5.0質量%であり、
前記成分(B)は、粒径180μm以下の成分(B)の割合が、成分(B)の総量100質量%に対して、90質量%以上である皮膚洗浄剤組成物。
成分(A):高級脂肪酸及び/又はその塩
成分(B):脱脂米ぬか
成分(C):水
成分(E):アミノ酸系界面活性剤
【請求項2】
さらに、下記成分(D)を含有し、前記成分(D)の含有割合が0.05~2.0質量%である請求項1に記載の皮膚洗浄剤組成物。
成分(D):カチオン性ポリマー
【請求項3】
乳液状又はクリーム状である請求項1又は2に記載の皮膚洗浄剤組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、皮膚洗浄剤組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、皮膚の古い角質や皮脂などの代謝物であって通常の皮膚洗浄剤では除去することが困難な汚れをより確実に除去する皮膚洗浄剤として、ピーリング洗浄剤やスクラブ剤入り洗浄剤が知られている。
【0003】
例えば、特許文献1には、特定の多孔質シリカ粒子をスクラブ剤として含有する洗浄用化粧料が開示されている。この洗浄用化粧料によれば、弱い塗擦力で擦り込んでも十分なスクラブ感が得られ、かつヒリヒリ感が抑えられると記載されている。
【0004】
また、例えば、特許文献2には、内水相にポリビニルアルコールを含有するピーリング化粧料が開示されている。このピーリング化粧料によれば、皮膚の老廃物や付着した汚れを除去する清浄効果に優れ、使用感が良好で、しかも、皮膚に対する刺激が少ないと記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2017-178699号公報
【文献】特開2003-286154号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1及び2にも記載されているように、従来のピーリング洗浄剤やスクラブ剤入り洗浄料を用いた場合、皮膚に対してスクラブ剤を擦りつけたり、化学的な作用を及ぼしたりすることで洗浄力を向上させている。しかしながら、ピーリング洗浄剤やスクラブ剤入り洗浄料を用いた場合、同時に、洗浄時に粒子が皮膚を物理的に刺激する感触(スクラブ感)や、洗浄後の肌につっぱり感を感じるなど、皮膚に対して大きな負荷を与えてしまうという問題がある。
【0007】
特許文献1及び2には、上述のように皮膚に対する負荷を軽減する技術が開示されているが、それでも、スクラブ剤やピーリング洗浄剤を用いているため皮膚に対する負荷は小さくない。
【0008】
従って、本発明の目的は、従来のスクラブ剤入り洗浄剤やピーリング洗浄剤と同等の洗浄性を有するにもかかわらず、皮膚への負担が小さい皮膚洗浄剤組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討した結果、成分(A):高級脂肪酸及び/又はその塩、成分(B):脱脂米ぬか、並びに成分(C):水を含有し、成分(A)及び成分(B)の含有割合がそれぞれ特定範囲内である皮膚洗浄剤組成物によれば、従来のスクラブ剤入り洗浄剤やピーリング洗浄剤と同等の洗浄性を有するにもかかわらず、皮膚への負担が小さいことを見出した。本発明はこれらの知見に基づいて完成させたものである。
【0010】
すなわち、本発明は、下記成分(A)、下記成分(B)、及び下記成分(C)を含有し、上記成分(A)の含有割合が5.0~50.0質量%、上記成分(B)の含有割合が0.1~1.5質量%である、皮膚洗浄剤組成物を提供する。
成分(A):高級脂肪酸及び/又はその塩
成分(B):脱脂米ぬか
成分(C):水
【0011】
上記皮膚洗浄剤組成物は、さらに、下記成分(D)を含有し、上記成分(D)の含有割合が0.05~2.0質量%であることが好ましい。
成分(D):カチオン性ポリマー
【0012】
上記皮膚洗浄剤組成物は、さらに、下記成分(E)を含有し、上記成分(E)の含有割合が0.2~10.0質量%であることが好ましい。
成分(E):アミノ酸系界面活性剤
【0013】
上記皮膚洗浄剤組成物は、乳液状又はクリーム状であることが好ましい。
【発明の効果】
【0014】
本発明の皮膚洗浄剤組成物によれば、従来のスクラブ剤入り洗浄剤やピーリング洗浄剤と同等の洗浄性を有するにもかかわらず、皮膚への負担が小さい。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の皮膚洗浄剤組成物は、高級脂肪酸及び/又はその塩、脱脂米ぬか、並びに水を少なくとも含む。なお、本明細書において、高級脂肪酸及び/又はその塩を「成分(A)」、脱脂米ぬかを「成分(B)」、水を「成分(C)」とそれぞれ称する場合がある。
【0016】
本発明の皮膚洗浄剤組成物は、さらに、カチオン性ポリマーを含有することが好ましい。なお、本明細書において、カチオン性ポリマーを「成分(D)」と称する場合がある。
【0017】
本発明の皮膚洗浄剤組成物は、さらに、アミノ酸系界面活性剤を含有することが好ましい。なお、本明細書において、アミノ酸系界面活性剤を「成分(E)」と称する場合がある。
【0018】
すなわち、本発明の皮膚洗浄剤組成物は、成分(A)、成分(B)、及び成分(C)を少なくとも含む。本発明の皮膚洗浄剤組成物は、さらに成分(D)及び/又は成分(E)を含むことが好ましい。本発明の皮膚洗浄剤組成物は、上記成分(A)~(E)以外の成分を含んでいてもよい。また、本発明の皮膚洗浄剤組成物に含まれる各成分、例えば、成分(A)、成分(B)、成分(C)、成分(D)、成分(E)、及び他の成分などの各成分は、それぞれ、一種のみを使用してもよいし、二種以上を使用してもよい。
【0019】
[成分(A)]
成分(A)は、高級脂肪酸及び/又はその塩(高級脂肪酸(塩))である。成分(A)は、高級脂肪酸及び高級脂肪酸塩のうちのいずれか一方又は両方であり、本発明の皮膚洗浄剤組成物の洗浄性、泡立ち、泡質、及び粘度に寄与する。成分(A)は、一種のみを使用してもよいし、二種以上を使用してもよい。
【0020】
上記高級脂肪酸を含む成分としては、例えば、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、ベヘニン酸等の炭素数10~22の高級脂肪酸;オリーブ油、ヤシ油、パーム油、綿実油等の植物性油脂;魚油、牛脂等の動物性油脂などが挙げられる。
【0021】
上記高級脂肪酸塩における塩としては、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩;モノエタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩、トリエタノールアミン塩等のアルカノールアミン塩などが挙げられる。本発明の皮膚洗浄剤組成物における上記高級脂肪酸塩は、予め塩に調製された高級脂肪酸塩が配合されたものであってもよいし、高級脂肪酸及び塩基としてそれぞれ配合され、皮膚洗浄剤組成物を製造する過程で高級脂肪酸及び塩基から形成されたものであってもよい。
【0022】
成分(A)は、中でも、炭素数10~20の高級脂肪酸(塩)が好ましい。高級脂肪酸(塩)の炭素数が10以上であると、皮膚洗浄剤組成物の粘性が適度となり、また洗浄性により優れる。高級脂肪酸(塩)の炭素数が20以下であると、水なじみに優れるため泡立ちがより優れ、また保存安定性(特に高温での保存安定性)により優れる。上記高級脂肪酸(塩)の炭素数は、泡立ち及び泡質により優れる観点から、より好ましくは12~18である。
【0023】
成分(A)は、特に、保存安定性により優れる観点、並びに泡立ち及び泡質をより優れることとする観点から、ミリスチン酸を含むことが好ましい。また、水なじみにより優れ特に初期の泡立ちをより優れることとする観点から、ラウリン酸を含むことが好ましい。
【0024】
本発明の皮膚洗浄剤組成物中の成分(A)の含有割合は、本発明の皮膚洗浄剤組成物100質量%に対して、5.0~50.0質量%であり、好ましくは10.0~45.0質量%、より好ましくは20.0~40.0質量%である。上記含有割合が5.0質量%以上であることにより、洗浄性を発揮して洗浄剤として機能し、泡立ち及び泡質に優れ、適度な粘度となり、また保存安定性に優れる。上記含有割合が50.0質量%以下であることにより、肌荒れを起こりにくくし、また塗布時の伸びなじみに優れる。上記成分(A)の含有割合は、本発明の皮膚洗浄剤組成物中の全ての成分(A)の含有割合の合計である。
【0025】
[成分(B)]
成分(B)は、脱脂米ぬかである。成分(B)を配合することにより、「脱脂」であることで皮脂を効果的に吸着除去できるものと推測され、洗浄性に優れつつ、それでいて、その形状等に起因するものと推測され、スクラブ感を抑えたものとすることができる。また、皮膚洗浄剤組成物の泡立ち及び泡質に優れる。成分(B)は、一種のみを使用してもよいし、二種以上を使用してもよい。
【0026】
成分(B)は、粒径180μm以下の成分(B)の割合が、成分(B)の総量100質量%に対して、90質量%以上が好ましく、より好ましくは95質量%以上である。上記割合が90質量%以上であると、粒径が大きい成分(B)の割合が少なく、よりスクラブ感を抑えることができる。なお、上記粒径180μm以下の成分(B)の割合は、JIS Z8801-1に基づいた83メッシュのふるいを通過する成分(B)の割合として算出される。
【0027】
本発明の皮膚洗浄剤組成物中の成分(B)の含有割合は、本発明の皮膚洗浄剤組成物100質量%に対して、0.1~1.5質量%であり、好ましくは0.3~1.2質量%、より好ましくは0.3~1.0質量%である。上記含有割合が0.1質量%以上であることにより、洗浄性に優れる。また、泡立ち、及び泡質に優れる。上記含有割合が1.5質量%以下であることにより、使用感に優れ、また、皮膚が脱脂され過ぎるのを抑制し、つっぱり感を抑えることができる。上記成分(B)の含有割合は、本発明の皮膚洗浄剤組成物中の全ての成分(B)の含有割合の合計である。
【0028】
[成分(C):水]
成分(C)は水であり、特に限定されないが、精製水が好ましい。本発明の皮膚洗浄剤組成物中の成分(C)の含有割合は、特に限定されないが、本発明の皮膚洗浄剤組成物100質量%に対して、15.0~50.0質量%が好ましい。
【0029】
[成分(D)]
成分(D)は、カチオン性ポリマー(カチオンポリマー)である。本発明の皮膚洗浄剤組成物において成分(D)は、成分(A)及び成分(B)により古くなった角質や肌の汚れを除去した後の皮膚上に皮膜を形成し皮膚を覆うことで洗浄後の皮膚を滑らかにすることができる。成分(D)は、一種のみを使用してもよいし、二種以上を使用してもよい。
【0030】
成分(D)としては、例えば、カチオン性を示す窒素原子含有基を有する高分子化合物が挙げられる。例えば、カチオン化セルロース、カチオン性澱粉、カチオン化グァーガム、ポリグリコールポリアミン縮合物、及びこれらの誘導体や、その他のカチオン性を示す窒素原子含有基を有する単量体に由来する構成単位を含むポリマーなどが挙げられる。
【0031】
上記カチオン性を示す窒素原子含有基を有する単量体としては、例えば、塩化ジアルキルジアリルアンモニウム等のジアルキルジアリルアンモニウム塩、四級化ビニルピロリドン、ビニルイミダゾリウムトリクロライド、四級化ジメチルアミノエチルメタクリレート、メタクリルアミドプロピル塩化トリメチルアンモニウム等が挙げられる。中でも、ジアルキルジアリルアンモニウム塩(特に、塩化ジアルキルジアリルアンモニウム)が好ましく、より好ましくはジメチルジアリルアンモニウム塩(特に、塩化ジメチルジアリルアンモニウム)である。
【0032】
成分(D)としては、具体的には、例えば、塩化O-[2-ヒドロキシ-3-(トリメチルアンモニオ)プロピル]ヒドロキシエチルセルロース等の第4級窒素含有セルロースエーテル誘導体;塩化O-[2-ヒドロキシ-3-(トリメチルアンモニオ)プロピル]グァーガム等の第4級窒素含有グァーガム誘導体;ポリ塩化ジメチルメチレンピペリジニウム等の第4級アンモニウム塩重合物;塩化ジメチルジアリルアンモニウム・アクリルアミド共重合体等のジアリル第4級アンモニウム塩/アクリルアミド共重合物;塩化ジメチルジアリルアンモニウム・アクリル酸共重合体等のジアリル第4級アンモニウム塩/アクリル酸共重合物;塩化ジメチルジアリルアンモニウム・アクリル酸・アクリルアミド共重合体等のジアリル第4級アンモニウム塩/アクリルアミド/アクリル酸共重合物;ビニルピロリドン・N,N-ジメチルアミノエチルメタクリル酸共重合体ジエチル硫酸塩等の第4級化ポリビニルピロリドン誘導体;カチオン性澱粉;ポリグリコールポリアミン縮合物;アジピン酸・ジメチルアミノヒドロキシプロピルエチレントリアミン共重合物;カチオン化デキストランなどが挙げられる。上記の中でも、ジアリル第4級アンモニウム塩/アクリルアミド共重合物、第4級アンモニウム塩重合物、ジアリル第4級アンモニウム塩/アクリル酸共重合物が好ましい。
【0033】
成分(D)としては、INCI名で、「POLYQUATERNIUM(ポリクオタニウム)-6」と表記される化合物、「POLYQUATERNIUM(ポリクオタニウム)-7」と表記される化合物、「POLYQUATERNIUM(ポリクオタニウム)-10」と表記される化合物、「POLYQUATERNIUM(ポリクオタニウム)-11」と表記される化合物、「POLYQUATERNIUM(ポリクオタニウム)-22」と表記される化合物、「POLYQUATERNIUM(ポリクオタニウム)-39」と表記される化合物が挙げられる。成分(D)としては、中でも、洗浄後の皮膚の滑らかさにより優れる観点から、ポリクオタニウム-6、ポリクオタニウム-7、ポリクオタニウム-22が好ましい。
【0034】
成分(D)は、市販品を用いることができる。ポリクオタニウム-6の市販品としては、例えば、商品名「マーコート100」、商品名「マーコート106」(以上、LUBRIZOL社製)などが挙げられる。ポリクオタニウム-7の市販品としては、例えば、商品名「マーコート550PR」、商品名「マーコートS」、商品名「マーコート2200」、商品名「マーコート740」(以上、LUBRIZOL社製)などが挙げられる。ポリクオタニウム-10の市販品としては、例えば、商品名「マーコート10」(LUBRIZOL社製)などが挙げられる。ポリクオタニウム-22の市販品としては、例えば、商品名「マーコート280」、商品名「マーコート281」、商品名「マーコート295」(以上、LUBRIZOL社製)などが挙げられる。ポリクオタニウム-39の市販品としては、例えば、商品名「マーコートPLUS3330」(LUBRIZOL社製)などが挙げられる。塩化О-[2-ヒドロキシ-3-(トリメチルアンモニオ)プロピル]ヒドロキシエチルセルロースの市販品としては、例えば、商品名「ポイズC-150L」(花王株式会社製)などが挙げられる。
【0035】
本発明の皮膚洗浄剤組成物中の成分(D)の含有割合は、特に限定されないが、本発明の皮膚洗浄剤組成物100質量%に対して、0.05~2.0質量%が好ましく、より好ましくは0.1~1.5質量%である。上記含有割合が0.05質量%以上であると、洗浄後の皮膚に充分な被覆効果を得ることができる。上記含有割合が2.0質量%以下であると、皮膚洗浄剤に糸曳きが生じるのを抑制し、容器からの吐出時の切れが良好となり、使用性に優れる。上記成分(D)の含有割合は、本発明の皮膚洗浄剤組成物中の全ての成分(D)の含有割合の合計である。
【0036】
[成分(E)]
成分(E)は、アミノ酸系界面活性剤である。本発明の皮膚洗浄剤組成物は、成分(E)を含む場合、泡立ち及び洗浄後のさっぱり感に優れ、洗浄後のつっぱり感を抑制することができる。成分(E)は、一種のみを使用してもよいし、二種以上を使用してもよい。
【0037】
成分(E)としては、例えば、N-アシルサルコシン塩、N-アシルグルタミン酸塩、N-アシルメチルアラニン塩、N-アシルグリシン塩、N-アシルアルギニン塩などが挙げられる。これらのアミノ酸系界面活性剤における塩としては、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、アルミニウム塩、チタン塩等の金属塩;モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルカノールアミン塩;アンモニウム塩などが挙げられる。
【0038】
上記N-アシルサルコシン塩としては、例えば、ラウロイルサルコシンカリウム、ラウロイルサルコシントリエタノールアミン、ミリストイルサルコシンナトリウム、ヤシ油脂肪酸サルコシンナトリウムなどが挙げられる。上記N-アシルグルタミン酸塩としては、例えば、ラウロイルグルタミン酸ナトリウム、ラウロイルグルタミン酸カリウム、ラウロイルグルタミン酸トリエタノールアミン、ミリストイルグルタミン酸ナトリウム、ミリストイルグルタミン酸カリウム、ステアロイルグルタミン酸カリウム、ステアロイルグルタミン酸二ナトリウム、ココイルグルタミン酸カリウム、ヤシ油脂肪酸アシルグルタミン酸ナトリウム、ヤシ油脂肪酸アシルグルタミン酸トリエタノールアミン、ヤシ油脂肪酸・硬化牛脂脂肪酸アシルグルタミン酸ナトリウムなどが挙げられる。上記N-アシルメチルアラニン塩としては、例えば、ラウロイルメチルアラニンナトリウム、ラウロイルメチルアラニントリエタノールアミン、ミリストイルメチルアラニンナトリウム、ヤシ油脂肪酸メチルアラニンナトリウムなどが挙げられる。上記N-アシルグリシン塩としては、例えば、ヤシ油脂肪酸アシルグリシンカリウム、ヤシ油脂肪酸アシルグリシンナトリウムなどが挙げられる。上記N-アシルアルギニン塩としては、例えば、ラウロイルアルギニン、ヤシ脂肪酸アルギニンなどが挙げられる。
【0039】
本発明の皮膚洗浄剤組成物中の成分(E)の含有割合は、特に限定されないが、本発明の皮膚洗浄剤組成物100質量%に対して、0.2~10.0質量%が好ましく、より好ましくは1.0~8.0質量%である。上記含有割合が0.2質量%以上であると、皮膚洗浄剤の泡立ち及び洗浄後のさっぱり感により優れ、洗浄後のつっぱり感をより抑制することができる。上記含有割合が10.0質量%以下であると、べたつき感を抑制でき、また製剤安定性に優れる。上記成分(E)の含有割合は、本発明の皮膚洗浄剤組成物中の全ての成分(E)の含有割合の合計である。
【0040】
[その他の成分]
本発明の皮膚洗浄剤組成物は、本発明の目的を阻害しない範囲内で、上記成分(A)~(E)以外の成分(その他の成分)を含んでいてもよい。上記その他の成分しては、特に限定されず、例えば、化粧品や医薬部外品に通常用いられる成分などが挙げられる。具体的には、例えば、エタノール等の低級アルコール;油脂、多価アルコール、高級アルコール、エステル油、植物油、炭化水素油等の油性成分;成分(A)及び成分(E)以外の界面活性剤;ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、多糖増粘剤等の増粘剤;保湿剤;殺菌剤;パール化剤;スクラブ剤;グリチルリチン酸及びその塩等の抗炎症剤;メントール等の清涼剤;リン酸及びその塩類、クエン酸及びその塩類、乳酸及びその塩類、水酸化ナトリウム、トリエタノールアミン等のpH調整剤;香料;紫外線吸収剤;酸化防止剤;金属イオン封鎖剤(キレート剤);成分(D)以外の皮膜形成性高分子化合物;粉体;色素;顔料;ビタミン類;アミノ酸類;収斂剤;美白剤;動植物抽出物;酸;アルカリ、繊維状セルロースなどが挙げられる。
【0041】
本発明の皮膚洗浄剤組成物は、さらに、多価アルコールを含んでいてもよい。本発明の皮膚洗浄剤組成物は、さらに多価アルコールを含む場合、成分(A)の量とのバランスを考慮して、安定性を損なわずに粘度を調整することができる。また、洗浄後の保湿性が一層向上する。上記多価アルコールは、一種のみを使用してもよいし、二種以上を使用してもよい。
【0042】
上記多価アルコールとしては、化粧品原料の保湿剤として用いられている公知乃至慣用の多価アルコールを使用することができる。多価アルコールの具体例としては、例えば、グリセリン、濃グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、グルコース、マルトース、マルチトール、スクロース、マンニトール、ソルビトール、1,2-ペンタンジオール、1,2-ヘキサンジオール、1,2-オクタンジオールなどが挙げられる。
【0043】
上記多価アルコールを含む場合の本発明の皮膚洗浄剤組成物中の含有割合は、特に限定されないが、本発明の皮膚洗浄剤組成物100質量%に対して、0.5~40.0質量%が好ましく、より好ましくは1.0~30.0質量%である。上記含有割合が0.5質量%以上であると、多価アルコールを含むことによる効果が充分に得られる。上記含有割合が40.0質量%以下であると、使用感を損なわずに多価アルコールを含むことによる効果が得られる。
【0044】
本発明の皮膚洗浄剤組成物は、さらに、成分(A)及び成分(E)以外のその他の界面活性剤を含んでいてもよい。上記その他の界面活性剤を含む場合、泡立てる際の気泡剤や粘度調整剤として作用する。上記その他の界面活性剤としては、ノニオン性界面活性剤、成分(A)及び成分(E)以外のアニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤が挙げられる。上記その他の界面活性剤は、一種のみを使用してもよいし、二種以上を使用してもよい。
【0045】
上記ノニオン性界面活性剤としては、例えば、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、及びこれらのアルキレンオキシド付加物、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンアルキルフェノール、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルホルムアルデヒド縮合物、ポリオキシエチレンステロール及びその誘導体、ポリオキシエチレンラノリン及びその誘導体、ポリオキシエチレンミツロウ誘導体、シュガーエステル類、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンヒマシ油などが挙げられる。
【0046】
ソルビタン脂肪酸エステルとしては、例えば、モノオレイン酸ソルビタン、モノステアリン酸ソルビタン、モノイソステアリン酸ソルビタン、モノパルミチン酸ソルビタン、モノラウリン酸ソルビタン、トリオレイン酸ソルビタン、トリステアリン酸ソルビタン、セスキステアリン酸ソルビタン、セスキオレイン酸ソルビタン、セスキイソステアリン酸ソルビタン、ヤシ油脂肪酸ソルビタンなどが挙げられる。また、ソルビタン脂肪酸エステルのアルキレンオキシド付加物としては、モノラウリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、モノパルミチン酸ポリオキシエチレンソルビタン、モノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン、モノイソステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、モノヤシ油脂肪酸ポリオキシエチレンソルビタン、トリステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、トリオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタンなどが挙げられる。
【0047】
グリセリン脂肪酸エステルは、モノグリセリン脂肪酸エステル及びポリグリセリン脂肪酸エステルのいずれも含む。モノグリセリン脂肪酸エステルとしては、例えば、モノカプリル酸グリセリル、モノカプリン酸グリセリル、モノラウリン酸グリセリル、モノミリスチン酸グリセリル、モノパルミチン酸グリセリル、モノステアリン酸グリセリル、モノイソステアリン酸グリセリル、モノベヘン酸グリセリル、モノオレイン酸グリセリル、モノエルカ酸グリセリル、セスキオレイン酸グリセリル、ジステアリン酸グリセリル、ジイソステアリン酸グリセリル、ジアラキン酸グリセリルなどが挙げられる。上記ポリグリセリン脂肪酸エステルとしては、例えば、モノカプリル酸ジグリセリル、モノカプリル酸デカグリセリル、モノカプリン酸ヘキサグリセリル、モノラウリン酸テトラグリセリル、モノラウリン酸ヘキサグリセリル、モノラウリン酸デカグリセリル、モノラウリン酸ポリ(4~10)グリセリル、モノミリスチン酸デカグリセリル、モノステアリン酸デカグリセリル、モノイソステアリン酸デカグリセリル、モノステアリン酸ポリ(2~10)グリセリル、モノオレイン酸ジグリセリル、モノオレイン酸ヘキサグリセリル、セスキオレイン酸ジグリセリル、ジイソステアリン酸ポリ(2~10)グリセリル、ジステアリン酸ポリ(6~10)グリセリル、トリイソステアリン酸ジグリセリル、トリステアリン酸ポリ(10)グリセリル等の上記モノグリセリン脂肪酸エステルの重合度2~10のポリグリセリン脂肪酸エステルなどが挙げられる。また、グリセリン脂肪酸エステルのアルキレンオキシド付加物としては、モノステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル、モノオレイン酸ポリオキシエチレングリセリル、モノ(カプリル/カプリン酸)ポリオキシエチレングリセリルなどが挙げられる。
【0048】
ポリオキシアルキレンアルキルエーテルとしては、例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンラウリルエーテル、ポリオキシプロピレンセチルエーテル、ポリオキシプロピレンイソセチルエーテル、ポリオキシプロピレンステアリルエーテル、ポリオキシプロピレンオレイルエーテルなどが挙げられる。
【0049】
ポリオキシアルキレン脂肪酸エステルは、ポリオキシアルキレンモノ脂肪酸エステル及びポリオキシアルキレンジ脂肪酸エステルのいずれも含む。ポリオキシアルキレンモノ脂肪酸エステルとしては、例えば、モノオレイン酸ポリエチレングリコール、モノステアリン酸ポリエチレングリコール、モノラウリン酸ポリエチレングリコール等のポリエチレングリコールモノ脂肪酸エステル;モノステアリン酸プロピレングリコール、モノラウリン酸プロピレングリコール、モノオレイン酸プロピレングリコール等のプロピレングリコールモノ脂肪酸エステルなどが挙げられる。
【0050】
ポリオキシアルキレンジ脂肪酸エステルとしては、例えば、ジラウリン酸ポリエチレングリコール、ジミリスチン酸ポリエチレングリコール、ジパルミチン酸ポリエチレングリコール、ジステアリン酸ポリエチレングリコール、ジイソステアリン酸ポリエチレングリコール、ジベヘン酸ポリエチレングリコール等のポリエチレングリコールジ脂肪酸エステルが挙げられる。
【0051】
上記ノニオン性界面活性剤としては、洗浄剤組成物としての性能を損なわずクレンジング効果を付与することができる観点から、脂肪酸の炭素数が12以下のグリセリン脂肪酸エステル、脂肪酸の炭素数が12以下のグリセリン脂肪酸エステルのアルキレンオキシド付加物が好ましい。脂肪酸の炭素数が12以下のグリセリン脂肪酸エステルとしては、例えば、カプリル酸ポリグリセリル、ラウリン酸ポリグリセリルなどのポリグリセリン脂肪酸エステルが挙げられる。脂肪酸の炭素数が12以下のグリセリン脂肪酸エステルのアルキレンオキシド付加物としては、例えば、酸化エチレンの平均付加モル数が6~8のモノ(カプリル/カプリン酸)ポリオキシエチレングリセリルなどが挙げられる。
【0052】
上記ノニオン性界面活性剤のうち、洗浄剤組成物としての性能を損なわずクレンジング効果を付与することを目的として、脂肪酸の炭素数が12以下のグリセリン脂肪酸エステル及び/又は脂肪酸の炭素数が12以下のグリセリン脂肪酸エステルのアルキレンオキシド付加物を含む場合の含有割合は、特に限定されないが、本発明の皮膚洗浄剤組成物100質量%に対して、0.5~10.0質量%が好ましく、より好ましくは0.8~5.0質量%である。上記含有割合が0.5質量%以上であると、充分なクレンジング効果が得られる。上記含有割合が10.0質量%以下であると、泡立ち及び泡質を損ねずにクレンジング効果を発揮し、また保存安定性に優れる。
【0053】
また、上記ノニオン性界面活性剤のうち、脂肪酸の炭素数が12以下のグリセリン脂肪酸エステル及び脂肪酸の炭素数が12以下のグリセリン脂肪酸エステルのアルキレンオキシド付加物以外のノニオン性界面活性剤の含有割合は、特に限定されないが、本発明の皮膚洗浄剤組成物100質量%に対して、0.5~5.0質量%が好ましく、より好ましくは1.0~3.5質量%である。上記含有割合を上記範囲内とすることで、組成物の安定性に優れる。
【0054】
上記殺菌剤としては、例えば、イソプロピルメチルフェノール、塩化ベンザルコニウム、ヒノキチオール、トリクロサン、グリチルリチン酸ジカリウム、サリチル酸などが挙げられる。中でも、イソプロピルメチルフェノール、サリチル酸が好ましく、より好ましくはイソプロピルメチルフェノールである。上記殺菌剤は、一種のみを使用してもよいし、二種以上を使用してもよい。
【0055】
本発明の皮膚洗浄剤組成物は、pHが9.0~11.0であることが好ましく、より好ましくは9.0~10.0である。pHが上記範囲内であると、洗浄時の皮膚への負荷をより軽減することができる。
【0056】
本発明の皮膚洗浄剤組成物は、特に限定されず、公知乃至慣用の方法により製造することができる。例えば、上記各成分を混合し、乳化釜を用いて製造することができる。
【0057】
本発明の皮膚洗浄剤組成物は、皮膚(肌)に塗布し洗浄するために用いられる組成物である。本発明の皮膚洗浄剤組成物を使用する部位としては、特に限定されず、例えば、顔面(例えば、額、目元、目じり、頬、口元等)や、腕、肘、手の甲、指先、足、膝、かかと、首、脇、背中等が挙げられる。中でも、本発明の皮膚洗浄剤組成物は、従来のスクラブ剤入り洗浄剤やピーリング洗浄剤と同等の洗浄性を有するにもかかわらず、皮膚への負担が小さい観点から、顔面用が好ましい。
【0058】
本発明の皮膚洗浄剤組成物は、洗顔料、ボディーソープ、ハンドソープなどとして用いることができる。中でも、洗顔料であることが好ましい。
【0059】
本発明の皮膚洗浄剤組成物は、種々の剤型に適用することができ、特に限定されないが、クリーム状、乳液状であることが好ましい。本発明の皮膚洗浄剤組成物がクリーム状又は乳液状であると、泡立てやすさが特に良好となる。また、本発明の皮膚洗浄剤組成物は、容器に充填された本発明の皮膚洗浄剤組成物の形態であってもよい。上記容器としては、例えば、ポンプ容器、チューブ容器などが挙げられる。
【0060】
本発明の皮膚洗浄剤組成物は、水[成分(C)]を媒体とする組成物において、高級脂肪酸及び/又はその塩[成分(A)]を特定割合で用い、そして脱脂米ぬか[成分(B)]を特定割合で組み合わせて用いることで、成分(B)の形状や「脱脂」されたものであることが大きく影響するものと推測され、スクラブ感やつっぱり感が抑制され、皮膚への負担が小さく、且つ、スクラブ剤などを用いなくても従来のスクラブ剤入り洗浄剤やピーリング洗浄剤と同等の洗浄性を有することが可能である。
【実施例
【0061】
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例にのみ限定されるものではない。なお、表に記載の配合量は、各成分の配合量(すなわち、各原料中の有効成分の配合量。所謂純分)であり、特記しない限り「質量%」で表す。また、水酸化カリウムは、pHが10.0となるように添加した。また、実施例5は参考例1に読み替えるものとする。
【0062】
実施例1~5、比較例1~6
表に記した各成分(成分(A)~(E)及びその他の成分)を用い、実施例及び比較例の各皮膚洗浄剤組成物を常法により調製した。
【0063】
表に記載の各成分の詳細は、以下の通りである。
【0064】
<成分(A)>
ラウリン酸:商品名「EDENOR C12-99」(Emery Oleochemicals社製)
ミリスチン酸:商品名「EDENOR C14-99」(Emery Oleochemicals社製)
パルミチン酸:商品名「EDENOR C16-98 MY」(Emery Oleochemicals社製)
ステアリン酸:商品名「EDENOR C18-98 MY」(Emery Oleochemicals社製)
<成分(B)>
脱脂米ぬか:商品名「脱脂コメヌカ」(オリザ油化株式会社製)、粒径180μm以下の割合:95質量%以上
<成分(D)>
ポリクオタニウム-7:「マーコート550PR」(LUBRIZOL社製)
<成分(E)>
ヤシ脂肪酸アルギニン:商品名「アミノソープ AR-12」(味の素ヘルシーサプライ株式会社製)
<その他の成分>
モノステアリン酸グリセリル: 商品名「CUTINA GMS-V」(BASF社製)
ポリソルベート65: 商品名「レオドール TW-S320V」(花王株式会社製)
モモ核:商品名「PSグリットG #60-80」(一丸ファルコス株式会社製)、粒径180μm以下の割合:90質量%以上
トウモロコシ穂軸:商品名「CRグリットG #60-80」(一丸ファルコス株式会社製)、粒径180μm以下の割合:90質量%以上
アンズ種子:商品名「APグリット <球状>G #60-80」(一丸ファルコス株式会社製)、粒径180μm以下の割合:90質量%以上
クルミ殻粒:商品名「WNグリットG #60-80」(一丸ファルコス株式会社製)、粒径180μm以下の割合:90質量%以上
【0065】
(評価)
実施例及び比較例で得られた各皮膚洗浄剤組成物について以下の通り評価した。評価結果は表に記載した。
【0066】
(試験例1:洗浄力)
皮膚洗浄剤組成物を手の平に約0.5g取り出し、ぬるま湯を加えて両手で擦り合わせて泡立てて洗顔を行った。次いでぬるま湯で充分に皮膚洗浄剤組成物を洗い流した後の洗浄性を評価し、洗浄力(皮脂汚れの除去性)について下記の基準で評価した。
[洗浄力の評価基準]
A:スクラブ剤入り洗浄剤やピーリング洗浄剤と同等の洗浄性を有する
B:スクラブ剤入り洗浄剤やピーリング洗浄剤と同等の洗浄性を有するがAよりは劣る
C:スクラブ剤入り洗浄剤やピーリング洗浄剤より洗浄性が劣る
【0067】
(試験例2:滑らかさ)
皮膚洗浄剤組成物を手の平に約0.5g取り出し、ぬるま湯を加えて両手で擦り合わせて泡立てて洗顔を行った。次いでぬるま湯で充分に皮膚洗浄剤組成物を洗い流し、タオルで顔を拭いた直後に、滑らかさについて下記の基準で評価した。
[滑らかさの評価基準]
A:肌を触ったときにひっかかりがなく滑らかさを感じる
B:肌を触ったときに滑らかさを感じるが、Aよりは劣る
C:肌を触ったときにひっかかりがあり滑らかさを感じない
【0068】
(試験例3:つっぱり感)
皮膚洗浄剤組成物を手の平に約0.5g取り出し、ぬるま湯を加えて両手で擦り合わせて泡立てて洗顔を行った。次いでぬるま湯で充分に皮膚洗浄剤組成物を洗い流し、タオルで顔を拭いた直後に、つっぱり感について下記の基準で評価した。
[つっぱり感の評価基準]
A:つっぱり感を感じない
B:つっぱり感を少し感じるが許容できる
C:つっぱり感を感じる
【0069】
(試験例4:スクラブ感)
皮膚洗浄剤組成物を手の平に約0.5g取り出し、ぬるま湯を加えて両手で擦り合わせて泡立てて洗顔を行っているときの粒子が皮膚を物理的に刺激する感触(スクラブ感)にについて下記の基準で評価した。
[スクラブ感の評価基準]
A:スクラブ感による皮膚への負担を感じない
B:スクラブ感による皮膚への負担を感じる
【0070】
(試験例5:泡立ち)
皮膚洗浄剤組成物を手の平に約0.5g取り出し、ぬるま湯を加えて両手で擦り合わせて泡立てた際の、泡立ち性について下記の基準で評価した。
[泡立ちの評価基準]
A:泡立ちが極めて速い
B:泡立ちが速い
C:泡立ちが遅い
【0071】
(試験例6:泡質)
試験例5で皮膚洗浄剤組成物を泡立てて作製した泡の泡質について下記の基準で評価した。
[泡質の評価基準]
A:泡のキメが非常に細かい
B:泡のキメが細かい
C:泡のキメが粗い
【0072】
【表1】
【0073】
本発明の皮膚洗浄剤組成物(実施例)を用いた場合、従来のスクラブ剤入り洗浄剤やピーリング洗浄剤と同等の洗浄性を有し、また、洗浄後のつっぱり感及び洗浄時のスクラブが感じられず、皮膚への負担が小さいと評価された。また、洗浄後の皮膚の滑らかさに優れ、泡立ち及び泡質にも優れると評価された。一方、成分(B)を配合しない場合(比較例1)、洗浄力がスクラブ剤入り洗浄剤やピーリング洗浄剤よりも劣ると評価された。また、成分(B)の含有割合が多い場合(比較例2)、洗浄後のつっぱり感が感じられ、皮膚への負担が大きいと評価された。また、成分(B)の代わりに、成分(B)と同様の効果を奏すると予測された材料を用いた場合(比較例3~6)、洗浄時のスクラブ感が感じられ、皮膚への負担が大きいと評価された。
【0074】
さらに、以下に、本発明の皮膚洗浄剤組成物の処方例を示す。
(処方例1)
ラウリン酸 6.0質量%
ミリスチン酸 11.0質量%
パルミチン酸 5.0質量%
ステアリン酸 9.0質量%
脱脂コメヌカ 0.8質量%
ポリクオタニウム-7 0.2質量%
ヤシ脂肪酸アルギニン 1.0質量%
モノステアリン酸グリセリル 2.0質量%
ポリソルベート65 1.0質量%
ラウラミドプロピルベタイン 0.5質量%
グリセリン 16.0質量%
ポリエチレングリコール1500 4.0質量%
マルチトール 5.0質量%
ヒアルロン酸ヒドロキシプロピルトリモニウム 0.001質量%
乳酸 0.03質量%
エデト酸四ナトリウム 0.05質量%
精油 0.1質量%
水酸化カリウム 適量
水 残量
合計 100質量%
【0075】
(処方例2)
ラウリン酸 6.0質量%
ミリスチン酸 11.0質量%
パルミチン酸 5.0質量%
ステアリン酸 9.0質量%
脱脂コメヌカ 0.7質量%
ポリクオタニウム-7 0.2質量%
ヤシ脂肪酸アルギニン 1.0質量%
モノステアリン酸グリセリル 2.0質量%
ポリソルベート65 1.0質量%
ラウラミドプロピルベタイン 0.5質量%
カプリル酸ポリグリセリル-3 0.4質量%
PEG-6(カプリル/カプリン酸)グリセリズ 0.8質量%
グリセリン 16.0質量%
ポリエチレングリコール400 4.0質量%
マルチトール 5.0質量%
エデト酸四ナトリウム 0.05質量%
ヒアルロン酸ヒドロキシプロピルトリモニウム 0.001質量%
乳酸 0.03質量%
精油 0.1質量%
水酸化カリウム 適量
水 残量
合計 100質量%
【0076】
(処方例3)
ラウリン酸 3.0質量%
ミリスチン酸 15.0質量%
パルミチン酸 10.0質量%
ステアリン酸 7.0質量%
脱脂コメヌカ 0.4質量%
ポリクオタニウム-7 0.2質量%
ヤシ脂肪酸アルギニン 1.0質量%
モノステアリン酸グリセリル 1.5質量%
ポリソルベート65 1.0質量%
グリセリン 18.0質量%
ソルビトール 5.0質量%
エデト酸四ナトリウム 0.05質量%
ヒアルロン酸ヒドロキシプロピルトリモニウム 0.001質量%
乳酸 0.03質量%
精油 0.1質量%
水酸化カリウム 適量
水 残量
合計 100質量%
【0077】
(処方例4)
ラウリン酸 6.0質量%
ミリスチン酸 11.0質量%
パルミチン酸 5.0質量%
ステアリン酸 9.0質量%
脱脂コメヌカ 1.0質量%
ポリクオタニウム-7 0.2質量%
ヤシ脂肪酸アルギニン 1.0質量%
モノステアリン酸グリセリル 2.0質量%
ポリソルベート65 1.0質量%
ラウラミドプロピルベタイン 0.5質量%
グリセリン 16.0質量%
ポリエチレングリコール1500 4.0質量%
マルチトール 5.0質量%
イソプロピルメチルフェノール 0.05質量%
エデト酸四ナトリウム 0.05質量%
精油 0.1質量%
水酸化カリウム 適量
水 残量
合計 100質量%