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特許7323408建築用シャッター装置におけるガイドレールの取付け構造
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-31
(45)【発行日】2023-08-08
(54)【発明の名称】建築用シャッター装置におけるガイドレールの取付け構造
(51)【国際特許分類】
   E06B 9/58 20060101AFI20230801BHJP
【FI】
E06B9/58 A
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2019179670
(22)【出願日】2019-09-30
(65)【公開番号】P2021055412
(43)【公開日】2021-04-08
【審査請求日】2022-08-29
(73)【特許権者】
【識別番号】307038540
【氏名又は名称】三和シヤッター工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100085394
【弁理士】
【氏名又は名称】廣瀬 哲夫
(74)【代理人】
【識別番号】100165456
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 佑子
(72)【発明者】
【氏名】赤塚 裕樹
(72)【発明者】
【氏名】張 俊偉
(72)【発明者】
【氏名】奈良 淳平
【審査官】土屋 保光
(56)【参考文献】
【文献】独国実用新案第000009416624(DE,U1)
【文献】実開昭58-156895(JP,U)
【文献】特開2010-196431(JP,A)
【文献】特開2019-143451(JP,A)
【文献】実開昭56-063792(JP,U)
【文献】実開昭62-019321(JP,U)
【文献】登録実用新案第3012228(JP,U)
【文献】特開2018-123472(JP,A)
【文献】実開昭58-085086(JP,U)
【文献】特開2016-138372(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E06B 9/58
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
屋内外を仕切るためのシャッターカーテンと、躯体の出入り口等の開口部の左右両側に設けられ、前記シャッターカーテンを昇降案内するためのガイド溝が形成されたガイドレールとを備えて構成される建築用シャッター装置において、
前記ガイドレールは、鋼材を押出成形することで一体形成される型材であって、左右方向外側の溝片部と前後方向両側の第一、第二溝側片部とを備え、
該ガイドレールを躯体側部材に取付け固定するにあたり、
躯体側部材は、ガイドレールに対して屋内外方向に位置ズレする状態で見付け方向の面を備えた第一、第二の取付け面部を備え、
前記ガイドレールは、
溝底片部が第一連結材を介してガイドレールに近い第一の取付け面部に取付け固定され、
第一、第二溝側片部のうち躯体側部材に近い側の溝側片部が第二連結材を介してガイドレールから遠い第二の取付け面部に取付け固定されることを特徴とする建築用シャッター装置におけるガイドレールの取付け構造。
【請求項2】
躯体側部材は、屋内外方向を向いた面部を有する見込み片部と、該見込み片部の屋内外方向両端部に設けられていて、左右方向を向いた面部を有する第一、第二の見付け片部とを備えたものであり、
第一の取付け面部は、ガイドレールに近い第一の見付け片部のガイドレール側の面部であり、第二の取付け面部は、第一の見付け片部の第一取付け面部とは反対側の面部であることを特徴とする請求項1記載の建築用シャッター装置におけるガイドレールの取付け構造。
【請求項3】
躯体側部材は、屋内外方向を向いた面部を有する見込み片部と、該見込み片部の屋内外方向両端部に設けられていて、左右方向を向いた面部を有する第一、第二の見付け片部とを備えたものであり、
第一の取付け面部は、ガイドレールに近い第一の見付け片部に設けられる面部であり、第二の取付け面部は、ガイドレールから遠い第二の見付け片部に設けられる面部であることを特徴とする請求項1記載の建築用シャッター装置におけるガイドレールの取付け構造。
【請求項4】
躯体側部材はH型綱であることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1記載の建築用シャッター装置におけるガイドレールの取付け構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建造物の出入り口等の開口部に建て付けられる建築用シャッター装置におけるガイドレールの取付け構造の技術分野に関するものである。
【背景技術】
【0002】
今日、ビル等、建造物の出入口等の開口部に、該開口部の左右両側に設けたガイドレールにシャッターカーテンを上下開閉移動させることで開口部の開閉をするようにした建築用シャッター装置を建て付けることが広く採用されている。そして一般に、このような建築用シャッター装置がビル等の大型の建造物の開口部に建て付けられる場合、該開口部の間口は、左右幅、上下高さ共に大きい(広い)ものになるため、大型で強度的に強い建築用シャッター装置(所謂重量シャッター装置)が設けられることになる。
このため、強度のある(肉厚のある)L字形や凵字形をした二つの型材同士を溶着する等で一体固定すると共に、レール溝内に係止部を溶着することで強度のあるガイドレールを形成することを試みている(特許文献1参照。)。
ところでこのような大型の建築用シャッター装置においては、台風等の天候悪化の際に強風を受けることを想定し、例えば1000~2000N/mのような大きな荷重に耐えられるよう設計することが要求される。そして建築用シャッター装置では、このような強風を受けると、シャッターカーテンが前後方向(屋内外方向)に向けて撓むが、この撓み量が大きくなると、シャッターカーテンの左右端縁部がガイドレールから外れてしまう(抜け出てしまう)惧れがあり、そこでシャッターカーテンの左右両端縁部に耐風部材(例えば耐風フック)を設け、シャッターカーテンが撓んだ場合に、該耐風部材がガイドレール内に設けた係止部に係止することでシャッターカーテンのガイドレールからの抜け防止(抜止め)をするよう構成している(例えば特許文献2参照)。
そしてこの場合に、ガイドレールについても、前記大きな荷重に耐えられるよう躯体側に強固に取付ける必要があるが、前記従来のものは、シャッターカーテンに設けられる前後一対の溝側片部のうちの一方の溝側片部を躯体側に固定する構成にしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平8-158765号公報
【文献】特開2018-123472号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが特許文献1のものでは、間口高さ(開口部の高さ)が高い開口部に建築用シャッター装置を建て付けるにあたり、ガイドレール自体も長いものが必要になり、このような長いガイドレールを、二つの型材同士を溶着等により連結して一体化したとしても、どうしても二部材を連結したものであるため、必要な強度を確保するには溶着部を連続的にしたり、溶着部位の間隔を狭くしたりする必要があるだけでなく、溶着作業に手間がかかるという問題があり、しかも発生する溶接歪も大きくなって、溶着歪を修正(矯正)してガイドレールを直線状にする作業にも手間がかかるという問題がある。
これに対し特許文献2のものでは、躯体側部材にL字形の溝部を形成し、該溝部の一側面部に何れか一方の溝側片部を取付けた構造になっているため、ガイドレールは、躯体側部材に対してどうしても片持ち的に支持されたものとなり、この結果、シャッターカーテンは、溝側片部を躯体側から引き剥がす(引き離す)方向の負荷に対してどうしても弱いものとなって強度的な点で劣るという問題があり、これらに本発明の解決すべき課題がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上記の如き実情に鑑みこれらの課題を解決することを目的として創作されたものであって、請求項1の発明は、屋内外を仕切るためのシャッターカーテンと、躯体の出入り口等の開口部の左右両側に設けられ、前記シャッターカーテンを昇降案内するためのガイド溝が形成されたガイドレールとを備えて構成される建築用シャッター装置において、前記ガイドレールは、鋼材を押出成形することで一体形成される型材であって、左右方向外側の溝片部と前後方向両側の第一、第二溝側片部とを備え、該ガイドレールを躯体側部材に取付け固定するにあたり、躯体側部材は、ガイドレールに対して屋内外方向に位置ズレする状態で見付け方向の面を備えた第一、第二の取付け面部を備え、前記ガイドレールは、溝底片部が第一連結材を介してガイドレールに近い第一の取付け面部に取付け固定され、第一、第二溝側片部のうち躯体側部材に近い側の溝側片部が第二連結材を介してガイドレールから遠い第二の取付け面部に取付け固定されることを特徴とする建築用シャッター装置におけるガイドレールの取付け構造である。
請求項2の発明は、躯体側部材は、屋内外方向を向いた面部を有する見込み片部と、該見込み片部の屋内外方向両端部に設けられていて、左右方向を向いた面部を有する第一、第二の見付け片部とを備えたものであり、第一の取付け面部は、ガイドレールに近い第一の見付け片部のガイドレール側の面部であり、第二の取付け面部は、第一の見付け片部の第一取付け面部とは反対側の面部であることを特徴とする請求項1記載の建築用シャッター装置におけるガイドレールの取付け構造である。
請求項3の発明は、躯体側部材は、屋内外方向を向いた面部を有する見込み片部と、該見込み片部の屋内外方向両端部に設けられていて、左右方向を向いた面部を有する第一、第二の見付け片部とを備えたものであり、第一の取付け面部は、ガイドレールに近い第一の見付け片部に設けられる面部であり、第二の取付け面部は、ガイドレールから遠い第二の見付け片部に設けられる面部であることを特徴とする請求項1記載の建築用シャッター装置におけるガイドレールの取付け構造である。
請求項4の発明は、躯体側部材はH型綱であることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1記載の建築用シャッター装置におけるガイドレールの取付け構造である。
【発明の効果】
【0006】
請求項1の発明とすることにより、ガイドレール自体を、鋼材の押出成形により溝底片部と前後一対の溝側片部とを備えた一体ものとして溶接等による連結部がない状態で肉厚で、強度のあるものにできながら、該強度のあるガイドレールは、躯体側部材に対して溝底片部をガイドレールに近い第一の取付け面部に取付け固定され、躯体側部材に近い側の溝側片部をガイドレールから遠い第二の取付け面部に取付け固定されることになって、躯体に対して十分に強度が確保された状態での取付け固定が確実にできることになる。
請求項2の発明とすることにより、見込み片部と第一、第二の見付け片部とを備えた躯体側部材に対して、ガイドレールに近い第一の見込み片部のガイドレール側の面部に溝底片部が取付け固定され、その反対側の面部に溝側片部が取付け固定されたものになる結果、ガイドレールに近い第一の見込み片部がガイドレールを取付け固定する共通の部材となって構造の簡略化が図れることになる。
請求項3の発明とすることにより、見込み片部と第一、第二の見付け片部とを備えた躯体側部材に対して、ガイドレールに近い第一の見込み片部のガイドレール側の面部に溝底片部が取付け固定され、ガイドレールから遠い第二の見込み片部に溝側片部が取付け固定されたものになる結果、ガイドレールは、遠近離間した第一、第二の見込み片部に分散された状態での取付け固定ができることになって、ガイドレールの強度的に有利な取付け固定が簡単にできることになる。
請求項4の発明とすることにより、ガイドレールを取付け固定するための躯体側部材を、H形鋼という汎用性のある部材として提供できることになって共用性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】建築用シャッター装置の斜視図である。
図2】建築用シャッター装置の概略縦断面図である。
図3】(A)(B)は内部納まり仕様、外部納まり仕様のスラットの連結状態を示す縦断面図である。
図4】(A)(B)は工場出荷される状態のガイドレールの正面図、側面図である。
図5】工場出荷される状態に組付けられたガイドレールの水平断面図である。
図6】ガイドレールを支柱に取付け固定した状態を示す水平断面図である。
図7】ガイドレールの平面図である。
図8】(A)(B)(C)(D)(E)はガイドレールの上端部位の正面図、側面図、背面図、平面図、底面図である。
図9】平常状態におけるシャッターカーテンとガイドレールとの関係を示すガイドレール部位の水平断面図である。
図10】正圧の強風を受けて屋内側に撓んだ状態におけるシャッターカーテンとガイドレールとの関係を示すガイドレール部位の水平断面図である。
図11】負圧の強風を受けて屋外側撓んだ状態におけるシャッターカーテンとガイドレールとの関係を示すガイドレール部位の水平断面図である。
図12】第二の実施の形態のガイドレールを支柱に取付け固定した状態を示す水平断面図である。
図13】第三の実施の形態のガイドレールを支柱に取付け固定した状態を示す水平断面図である。
図14】第四の実施の形態のガイドレールを支柱に取付け固定した状態を示す水平断面図である。
図15】第五の実施の形態のガイドレールを支柱に取付け固定した状態を示す水平断面図である。
図16】第六の実施の形態である外部納まり仕様の建築用シャッター装置の概略縦断面図である。
図17】第六の実施の形態のガイドレールを支柱に取付け固定した状態を示す水平断面図である。
図18】第七の実施の形態のガイドレールを支柱に取付け固定した状態を示す水平断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の実施の形態について、図面に基づいて説明する。図面において、1はビル等の建造物の出入り口等の開口部Eに建付けられる重量式の建築用シャッター装置であって、該建築用シャッター装置1は、例えば1mm以上の板厚がある肉厚のスラット2aを用いて平板状に連綴(連結)されたシャッターカーテン2と、開口部Eの左右両端部に位置する状態で躯体側に取付け固定され、前記シャッターカーテン2の昇降ガイドをするガイド溝Xが形成された左右のガイドレール3と、天井面Hの上方に収容され、シャッターカーテン2が巻装される巻取りシャフト4と、該巻取りシャフト4の回転駆動をする電動式の開閉機5等の各種の部材装置を用いて構成され、昇降操作スイッチSW等から入力される開閉制御指令に基づいて開閉機5が正逆駆動することによってシャッターカーテン2の開閉昇降移動がなされ、これによって、開口部Eの開閉制御を行うようになっていること等は何れも従来通りである。
尚、シャッターカーテン2の左右両端縁部には、該左右両端縁部から左右方向外方に延出(突出)していて、シャッターカーテン2が強風を受けたことにより湾曲した際に後述するようにガイドレール3側に係止して抜止めをするための耐風フック(耐風部材)2bが平面視でへ字形に折曲する状態で上下方向に適間隔を存して設けられている。
【0009】
またスラット2aは、上下両端縁部に、隣接するスラット2a同士を内外方向に折曲できる状態で上下方向に一連状に連結するため上下ののインターロック結合部2c、2dと、該インターロック結合部2c、2dのあいだに形成されるカーテン面部2eとを備えたもので形成される。そして建築用シャッター装置1においては、シャッターカーテン2を閉鎖姿勢にした場合に、カーテン面部2eの正面2fが屋外側に位置する状態となるよう組み付けられるが、斯かる建築用シャッター装置においては、ガイドレールとして、シャッターカーテンの左右方向端縁部に設けた耐風部材(耐風フック)が係止するための係止部が設けられる一方側の溝側片部が躯体側部材側に配される状態を内部納まり仕様とし、これとは逆に、係止部が設けられるとは逆の他方側の溝側片部が躯体側部材側に配される状態を外部納まり仕様とする二種類の仕様があり、これら仕様においては、シャッターカーテン2を巻取りシャフト4に渦巻き状に巻装した場合に、カーテン面部2eの正面2fが反軸心側(外径側)に位置する(向く)ものが「内部納まり仕様」となり、逆に、正面2fが軸心側(内径側)に位置する(向く)ものが「外部納まり仕様」となる。
そして本実施の形態においては、まず内部納まり仕様の場合について説明をし、外部納まり仕様としては、図16、17に示す第六の実施の形態のものとして後述することにするが、図3(A)(B)には、内部納まり仕様と外部納まり仕様のスラット2aがそれぞれ示されている。因みにスラット2aの正面2fは、付着した雨水が流れ落ちた場合に、該雨水が下側のインターロック結合部2dに溜まることなく、下側のスラットに流れ落ちる側の面と定義されるのが一般である。
【0010】
前記ガイドレール3は、鋼材(スチール、鉄材)を押出成形(熱間押出成形)により一体形成された型材を採用しているが、該ガイドレール3には、ガイド溝Xの溝奥端となる溝底片部3aと、該溝底片部3aからガイド溝の溝開口側部に至る前後方向一対の第一、第二溝側片部3b、3cとを備えて構成されている。
そして前記第一溝側片部3bは、本実施の形態の仕様(前述した「内部納まり仕様」)では屋内側に配されるものであって、ガイド溝Xの溝開口側部Xaから溝底片部3aに至るまでが肉厚(例えば8mmや10mm等)な平面(平板面)状に形成されている。
【0011】
これに対し第二溝側片部3cは、屋外側に配されるものであって、溝開口側部Xaから溝奥方向中間位置にまで至る開口側側片部3dと、該開口側側片部3dの溝奥側端から前後方向外方に向けて延出する中間側延出片部3eと、該中間側延出片部3eの先端縁部(前後方向外端縁部)から溝底片部3aに至る溝奥側側片部3fとを備えることで、ガイド溝Xは、開口側側片部3dの溝幅に対し、溝奥側側片部3fの溝幅が前後方向外方に拡開した、換言すれば、中間側延出片部3eから溝底片部3aまでの溝奥側部Xb側のガイド溝Xの溝幅が溝開口側部Xa側の溝幅よりも前後方向外方に幅広になったレール形状(溝奥側が広い蟻溝形状)になっている。
さらに開口側側片部3dの溝開口側部Xaからは、溝奥側側片部3fに対して左右方向に間隙Yを存する状態で前後方向外方に向けて延出した開口側延出片部3gが形成されているが、該開口側延出片部3gの先端部3sは、溝奥側側片部3fの外方側(溝外側)面部と略同位置となるように設定されている。
【0012】
またこの場合に、ガイドレール3は、中間側延出片部3eと溝奥側側片部3fとの溝内側コーナー部3h、溝奥側側片部3fと溝底片部3aとの溝内側コーナー部3i、並びに第一溝側片部3bと溝底片部3aとの溝内側コーナー部3jは前記平面部よりもさらに肉厚で大径の円弧形状(R状)に形成されているが、さらに開口側側片部3dと中間側延出片部3eとの溝外側コーナー部3k、開口側側片部3dと開口側延出片部3gとの溝外側コーナー部3lも同様にして肉厚円弧状(R状)に形成されている。
これに対し、開口側側片部3dと中間側延出片部3eとの溝内側コーナー部3m、開口側側片部3dと開口側延出片部3gとの溝内側(溝開口側部Xa側)コーナー部3n、溝奥側側片部3fと溝底片部3aとの溝外側コーナー部3o、第一溝側片部3bと溝底片部3aとの溝外側コーナー部3p、中間側延出片部3eと溝奥側側片部3fとの溝外側コーナー部3qは小径の円弧形状(面取り程度の円弧形状)となっていて殆ど90度の角形状をした設定になっている。
また、第一溝側片部3bの溝開口側部Xa側の端縁部(先端部)3rは半円弧形状をし、開口側延出片部3gの先端部3sは、左右コーナー部が小径の円弧形状となった殆ど90度の角形状をし、端面は平面状になっている。
因みに、該ガイドレール3は、便宜上、さらに第一溝側片部3bの溝内面3t、溝底片部3aの溝内面3u、溝奥側側片部3fの溝内面3v、中間側延出片部3eの溝内面3w、開口側側片部3dの溝内面3x、溝底片部3aの外側面3y、第一溝側片部3bの外側面3z、溝奥側側片部3fの外側面3zaと符合付けされたものとして以下の説明をする。
【0013】
そしてこのように形成されるガイドレール3は、前記内部納まり仕様とした場合に、第一溝側片部3bが屋内側、第二溝側片部3cが屋外側を向いた状態で、該第二溝側片部3cが躯体側に設けられたH形鋼により構成される支柱(躯体側部材)6に取付け固定される構成になっており、以下、この構成について説明する。
【0014】
まず前記ガイドレール3は、前述したように鋼材を押出成形することにより一体形成された型材を用いているが、該ガイドレール3は、ガイドレール3として単独ではなく、次のような加工が施されたものとなって工場出荷されて建付け現場に搬入される設定になっている。
7はガイドレール3を前記支柱6に取付け固定するため、該ガイドレール3に取付け固定される取付け材であってL形鋼により構成されているが、該取付け材7は、上片7aと縦片7bとを有したL字形をした鋼材により形成されたものであり、縦片7bが、前記溝奥側側片部3fの外側面3zaと開口側延出片部3gの先端部3sとに間隔Yを架け渡される状態で複数のものが上下方向に間隔を存して溶着(溶接による固定)されている。
【0015】
また、8はレール側第一化粧板、9はレール側第二化粧板であって、これら化粧板8、9はガイドレール3を支柱6に取付け固定した場合に、ガイドレール3の外部から見える面部、つまり露出面部を覆う(被覆する)べく取付けられるものである。
まずレール側第一化粧板8は、第一溝側片部3b側の露出面部を覆うものであり、第一溝側片部3bの端縁部3rを屋内側に幅広状態(第一溝側片部3bの溝外側面(屋内側面)位置よりも外方(屋内側)に位置する状態)で覆う見込み面部8aと、該見込み面部8aの屋内側端部から左右方向外方に向けて折曲していて、第一溝側片部3bの外側面3zとは間隙を存する状態で第一溝側片部3bの先端側部位(左右方向内側部位)を覆う見付け面部8bと、該見付け面部8bの左右方向外端部から屋内側(内外方向外方)に向けて折曲した支持片部8cとを備えて構成されている。
さらにレール側第一化粧板8には、第一溝側片部3bの溝内面3tに沿う(当接する)よう見込み面部8aの屋外側端縁部から左右方向外方(ガイド溝Xの溝奥方)に向けて折曲した溝内側面部8dが設けられているが、該溝内側面部8dは、ガイド溝Xの先端縁部から中間側延出片部3eの溝内面3w位置に略相当する部位にまで至る設定となっていて、ここまでを覆う状態となって形成されている。
そしてレール側第一化粧板8は、支持片部8cが第一溝側片部3bの外側面3zから内外方向外方に舌片状(フランジ状)に延出する状態になっているが、本実施の形態では、第一溝側片部3bの外側面3zに設けた第一補強金具10が支持片部8cに面接触状(積層状)に当接することになって、支持片部8cの保護を図るようになっている。
【0016】
これに対しレール側第二化粧板9は、第二溝側片部3c側の露出面部を覆うものであって、開口側側片部3dの溝開口側部から開口側延出片部3gの露出面(開口部内側面)に至り、さらに前記取付け材7の露出面(開口部内側面)までを覆う見込み面部9aと、該見込み面部9aの屋外側端部から左右方向外方に向けて折曲していて、取付け材7の屋外側見付け面の先端側部位(左右方向内側部位)を覆う見付け面部9bと、該見付け面部9bの左右方向外端部から屋外側に向けて折曲した支持片部9cとを備えて構成されている。
さらにレール側第二化粧板9は、開口側側片部3dの溝内面3xに沿う(当接する)よう見込み面部9aの屋内側端縁部から左右方向外方(ガイド溝Xの溝奥側)に向けて折曲した溝内側面部9dが設けられているが、該溝内側面部9dは、中間側延出部3eとの溝内コーナー部3mを覆うよう折曲されたコーナー部9fを介して中間側延出部3eの溝内面3wに沿う(当接する)折曲面部9eが設けられている。
そしてこの場合に、レール側第二化粧板9の支持片部9cについても、レール側第一化粧板8の場合と同様、取付け材7から内外方向外方に舌片状(フランジ状)に延出する状態になっているが、本実施の形態では、取付け材7の外端縁部に設けた第二補強金具11が支持片部9cに面接触状(積層状)に当接することになって、支持片部9cの保護を図るようになっている。
このように本発明が実施されたものにおいて、後述するように、レール側第一、第二化粧板8、9がガイドレール3に取付けられたものとして工場出荷することができるが、この場合に、レール側第一、第二化粧板8、9は、ガイドレール3の溝底片部3aよりも溝開口側に位置していて、溝底片部3aから左右方向外方に突出していないため、ガイドレール3を床や荷台に置く際の載置面とした場合に、レール側第一、第二化粧板8、9が変形してしまうようなことを回避できることになる。
因みに、これらレール側第一、第二化粧板8、9のガイドレール3側への取付けは、ガイドレール3との当接面(接触面)において両面粘着テープや接着剤等の適宜の取付け手段を用いて取付けできるものである。さらにこの場合、これらを溶着により取付けすることもできるが、前記化粧板8、9の場合、ガイド溝X内での溶着は事実上できないが、例えば化粧板8、9の上下端部のように外部からコンタクトできる部位であれば、ガイド溝X内位置での溶着をすることができ、このような場合、部分的とはなるが溶着による取付けも可能である。
一方、第一、第二補強金具10、11のガイドレール3への取付け固定については、本実施の形態では溶着を用いている。
また、レール側第一化粧板8の支持片部8cと第一補強金具10との接触面部、レール側第二化粧板9の支持片部9cと第二補強金具11との接触面部については、工場での製造段階で両面粘着テープや接着剤等の適宜の取付け手段を用いて取付けておくことで、現場への搬送段階等でこれらが位置ずれしたりする不具合を解消したものとすることができる。
【0017】
さらに前記ガイドレール3の上端部には、巻取りシャフト4から繰出されるシャッターカーテンをガイドレール3に案内するための上部ガイドが設けられるが、該上部ガイドは、第一ガイド12と第二ガイド13とを用いた二分割型のものとして構成されている。
【0018】
前記第一ガイド12は、第一溝側片部3b、溝底片部3a、そして溝奥側側片部3fの上端部に設けられる第一、第二、第三ガイド片部12a、12b、12cを有するよう平面視でコ字(7字)形に折曲形成されたものであって、第一ガイド片部12aの下端縁部が第一溝側片部3bの上端縁部に溶着(熔着)され、第二ガイド片部12bの下端縁部が溝底片部3aの上端縁部に溶着され、第三ガイド片部12cの下端縁部が溝奥側側片部3fの上端縁部に溶着されることで第一ガイド12はガイドレール3に取付け固定されるが、これら第一、第二、第三ガイド片部12a、12b、12cの上半部は、前後方向若しくは左右方向外方に向けて湾曲状に折曲され、下半部は平板状になっていてシャッターカーテン2を呑み込みガイドしてガイドレール3に案内する構造になっているが、本実施の形態においては、第一ガイド片部12aの平板状になった下半部12dは、第一溝側片部3bの溝内面3tよりも前後方向外側に後退した位置になるよう設定されているが、第二、第三ガイド片部12b、12cの平板状の下半部12e、12fは、溝底片部3a、溝奥側側片部3fの溝内面3u、3vと略面一状になるよう設定されている。
【0019】
そして第一ガイド片部12aの下半部12dには、第一溝側片部3bの溝内面3tと面一状か、溝内面3tよりも僅かに突出するようスペーサ14が設けられているが、該スペーサ14は、本実施の形態では、溝開口側部Xaからガイド溝Xの溝奥側部Xbには至らない範囲、つまり中間側延出部3eの溝内面3w位置よりも僅かに溝開口端側までの範囲(実質的にガイドレール3の左右端縁部を昇降ガイドする範囲)までのものとして設けられている。
【0020】
また第二ガイド13は開口側側片部3dの上端部に設けられ、該開口側側片部3dの上端縁部から上方に延出するガイド片部13aを備えて構成されたものであり、該ガイド片部13aの下半部13bには前記同様のスペーサ14が設けられ、該スペーサ14の上半部13cには前記同様にして、開口側側片部3dの溝内面3xよりも溝内側に位置していて、前記レール側第二化粧板9の溝内側面部9dに対して面一か溝内側に僅かに突出する設定になっており、これによって巻取りシャフト4から繰出されるシャッターカーテン2の屋外側面が、開口側側片部3d(またはレール側第二化粧板9の溝内側面部9d)の上端縁に引っ掛かる(当接する)ことがない状態で該シャッターカーテン2の案内をするようになっている。
しかも第二ガイド13は第一ガイド部12とは分割される状態で設けられており、このため該第二ガイド13は、下半部13b、上半部13cが、第三ガイド片部12cに対して前後方向に間隙を存する状態で設けられている、つまり第一、第二ガイド12、13には、中間側延出片部3eの上端縁部に設けられるガイド片部に相当するものがない構成になっており、前述したようにシャッターカーテン2が下降する際に、耐風フック2bが中間側延出片部3e(またはレール側第二化粧板9の折曲面部9e)の上端縁部に引っ掛かる惧れがあり、これを回避するため、第二ガイド13の溝奥側端縁部13dは、中間側延出片部3eの溝内面3w(またはレール側第二化粧板9の折曲面部9e)と面一か溝内側に僅かに突出する設定になっている。
【0021】
さらに本実施の形態のガイドレール3は、該ガイドレール3を現場に建付けるにあたり、起立状にする必要があるが、この際にクレーンやホイスト、あるいはフォークリフト等の適宜の吊り上げ手段によって吊り上げられた状態で前記支柱6に取付け固定することになるが、この場合に、ガイドレール3には、吊り上げ手段に連結するための連結具15が設けられている。
前記連結具15は、本実施の形態においては、支柱6とは内外方向反対側、つまり本実施の形態では屋内側の面となる第一溝側片部3bの外側面3zに溶着により取付け固定される逆L字形をした連結金具15aと、該連結金具15aの上側片15bに開設した貫通孔15gを貫通する状態で着脱自在に取付けられる係止金具15cとを備えて構成されるが、係止金具15cは、上端部にリング状あるいはフック状に形成された係止部15dを有したものであって、前記貫通孔15gに貫通した螺子部15eにナット15fを螺合させることで連結金具15aに着脱自在に取付けられ、そして係止部15dに吊り上げ手段側に設けたフック等の係合具Fを係止した状態で、支柱6とは反対側、つまり屋内側においてガイドレールを吊り上げて支柱6への取付け施工ができるようにしたものであり、係止金具15cは、施工後取外すことで何度でも使用できるように配慮されている。
そして連結金具15aの取付け位置は、建築用シャッター装置1を建て付けた場合に開口部Eの上端部となる天井面H位置よりも上側に位置するよう取付けられており、このようにすることで、連結金具15aは、工場で予め取り付け固定されたものとして、現場での取付け固定が不要なものでありながら、施工後において視認されることがないように設定されている。
因みに、天井面H位置は、前記レール側第二化粧板9の上端部に設けた切欠き9g位置となるように設定されている。そしてこの場合に、躯体側には、開口部Eのシャッターカーテン2が繰り出される部位にマグサ材Mが設けられたものになつている。そして建築用シャッター装置においては、このマグサ材Mの下端部位からシャッターカーテン2が開口部Eに繰出されるようになっている、つまりマグサ材Mの下端部位が、シャッターカーテン2を開口部Eに繰出すための開口部上端部位置(繰出し端位置)となっている。
【0022】
そして本実施の形態では、ガイドレール3は、取付け材7、レール側第一、第二化粧板8、9、連結金具10、11、第一、第二ガイド12、13、そして連結金具15aが取付けられたもの(ガイドレール組み物、ガイドレールアッシー)として工場組付けがなされ、このものが現場に搬入(搬送)されるようになっている。この場合に、ガイドレール3自体、鋼材を押出成形した型材で構成されるため重量物となるが、溝底片部3aの外側面3yを搬送時の載置面として車両の荷台や倉庫、現場の載置場に載置することで、強度的に弱いレール側第一、第二化粧板8、9等の部材の保護が図れるようになっている。
尚、このようにガイドレール3が工場組付けされたものとして、さらに巻取りシャフト4から繰出されるシャッターカーテン2をマグサ部の左右両側において案内するための案内ローラ等の部材を必要において取付けたものとすることができることは言うまでもない。
【0023】
次に搬送されたガイドレール3を、前記躯体側部材である支柱6に組付け固定する構成について説明をする。本実施の形態において、支柱6は、H形鋼を用いて構成され、ガイドレール3に対して屋外側に配される状態で躯体側の構造材として組付けられるが、該支柱6は、H形鋼のウエブに相当し、屋内外方向を向く見込み片部6aと、H形鋼のフランジに相当し、見込み片部6aの屋内外両端縁部から左右方向両側に延出していてガイドレール3に近い側の第一見付け片部6bと、遠い側の第二の見付け片部6cとを備えたものとして構成されている。
【0024】
そして建付け現場に搬入された前記ガイドレール3は、前述したように取付け材7、レール側第一、第二化粧板8、9、連結金具10、11、第一、第二ガイド12、13、連結金具15aが取付けられたものになっており、そして前述したように、連結金具15aに取付けた係止金具15dに、吊り上げ手段に設けられる係止具Fを係止した状態で起立状に吊り上げ、支柱6に溶着により取付け固定されることになるが、支柱6には、ガイドレール3を取付け固定するため、第一、第二の連結金具16、17が溶着により取付けられる。
【0025】
前記第一連結金具16は、L形鋼を用いて構成されるものであり、一片部16aが支柱第一見付け片部6bのガイドレール3側の面部(屋内側面部)6dが取付け面部(本発明の「第一の取付け面部」に相当する。)となって溶着により取付け固定されている。そして第一連結金具16は、他片16bがガイドレール溝底片部3aの外側面3yに溶着により取付け固定される。この場合に、ガイドレール3は、溝底片部3aの外側面3yが第一見付け片部6bの内端6gよりも左右方向外側に位置する状態で支柱6に取付けられており、これによってガイドレール3は支柱6に対して左右方向に近接した状態での取付けができ、ガイドレール3の強度アップに寄与できることになる。
【0026】
一方、第二連結金具17は、同じくL形鋼を用いて構成されているが、左右方向に延びる一半部17aと、内外方向に延びる他半部17bとを直角状に連結することで形成されている。因みに、一半部17aと他半部17bとは溶着により固定されている。そして一半部17aが、見込み片部6aよりも開口部E側(左右方向内側)に位置する状態で、第二見付け片部6cのガイドレール3側の面部(屋内側面部)6eを取付け面部(本発明の「第二の取付け面部」に相当する。)として溶着により取付け固定されている。また他半部17bは、第二見付け片部6cよりも開口部E側に偏倚した状態で配され、先端部(屋内側端部)が前記取付け材7の上片7aに溶着により取付け固定されており、この様に構成することで、ガイドレール3は、溝底片部3aと内外方向一方となる第二溝側片部3cとが支柱6に取付け固定されたものとなっている。
このように本実施の形態では、このようにしてガイドレール3が支柱6に取付け固定されるが、その場合に、押出成形により形成された強度のあるガイドレール3は、さらに支柱6に対して溝底片部3aをガイドレール3に近い第一見付け片部6bに取付け固定され、支柱6に近い第二溝側片部3cをガイドレール3から遠い第二見付け片部6cに取付け固定されることになって、躯体に対して十分に強度が確保された状態での取付け固定が確実にできることになる。
【0027】
そして本実施の形態では、このようにしてガイドレール3が支柱6に取付け固定されるが、この場合に、さらに躯体側の第一、第二化粧板19、20を用いてガイドレール3や各連結金具16、17等の露出面部を覆蓋するようになっている。
躯体側第一化粧板19は、前記レール側第一化粧板8に連続する状態でガイドレール3の第一溝側片部3b側を支柱6の第一見付け片部6bに至る状態で覆うものであって、前記レール側第一化粧板8の支持片部8cと第一補強金具10との積層部に対して、開口部E側から積層、つまり支持片部8cの左右方向内側面部に積層して屋内側に延びる第一片部19aと、該第一片部19aの先端(屋内側端)から左右方向外方に向けて折曲して第一連結金具16の一片部16aを越える状態で第一見付け片部6bに対向する位置にまで至る第二片部19bと、該第二片部19bの左右方向外端から支柱6側(屋外側)に向けて折曲する第三片部19cとを備えて構成されるが、第一片部19aは、前記積層状態でビス19dにより固定され、第三片部19cは、支柱第一見付け片部6bのガイドレール側面部6dに設けた第一支持金具21に積層(重合)されている。
そして躯体側第一化粧板19は、第一片部19aがレール側第一化粧板8の支持片部8c、第一補強金具10とともにビス19dにより固定され、第三片部19cが第一支持金具21とともにビス19eにより取付け固定されるようになっている。
因みに、前述した第一補強板10の上端縁部は、レール側第一化粧板9の上端縁部に形成した切欠き9gと同じ天井面Hの高さまでとなっており、躯体側第一化粧板19の上端縁部19fについても、同様にして天井面H位置までとなっている。
【0028】
また躯体側第二化粧板20は、前記レール側第二化粧板9に連続する状態でガイドレール3の第二溝側片部3c側を支柱6の第二見付け片部6cに至る状態で覆うものであって、前記レール側第二化粧板9の支持片部9cと第二補強金具11との積層部に対して、開口部E側から積層、つまり支持片部9cの左右方向内側面部に積層して屋内側に延びる第一片部20aと、該第一片部20aの先端(屋外側端)から開口部E側(左右方向内方)に向けて折曲される第二片部20bと、該第二片部20bの開口部E側端部から屋外側に向けて折曲されていて支柱6を屋外側に越えた位置にまで至る第三片部20cと、該第三片部20cの屋外側端から左右方向外方に向けて折曲されていて第二見付け片部6cに対向する位置にまで至る第四片部20dと、該第四片部20dの左右方向外端から屋内側に向けて折曲される第五片部20eとを備えて構成され、そして該第五片部20eは、第二見付け片部6cのガイドレール3とは反対側(屋外側)の面部6fに設けた第二支持金具22に積層(重合)されている。
そして躯体側第二化粧板20は、第一片部20aがレール側第二化粧板9の支持片部9c、第二補強金具11とともにビス20fにより固定され、第五片部20eが第二支持金具22とともにビス20gにより固定されている。
そしてこの場合に、図5に示すように、レール側第二化粧板9と躯体側第二化粧板20との連結部位は、第一片部20a、支持片部9c、第二補強金具11とが積層された状態で溝底部になり、その内外方向に位置する見付け面部9bと第二片部20bとが両溝側片部になった凹溝部(目地)Zが形成されたものになっており、この凹溝部Zにコーキング等の充填材23を充填することで、ビス20fだけでなく、第一片部20aが溝底において視認される凹溝部Zの構造までをも隠すことができるようになっている。
そしてこのように化粧板同士の連結部位を凹溝状にすることは、前述したレール側第一化粧板8と躯体側第一化粧板19とのあいだの連結部位についても同様に実施することができる。
因みに、躯体側第二化粧板20の上端縁部は、躯体側第二化粧板9k上端縁部に形成した切欠き9g位置までとなっていて、ここに天井面Hが位置するように設定されている。
【0029】
このようにしてガイドレール3は、鋼材を押出成形により一体形成されたものが、レール側第一、第二化粧板9、10、躯体側第一、第二化粧板19、20に覆蓋された状態で、溝底片部3a、第二溝側片部3cの両片部が支柱6に取付け固定されたものになっていて、シャッターカーテン2の左右両端縁部が遊嵌状に内嵌し、開口部Eの開閉をするべくシャッターカーテン2の昇降案内をすることになるが、シャッターカーテン2の左右両端縁部には上下方向に適間隙を存する状態(上下方向任意のスラット2aに取付けられる状態)で耐風フック(耐風部材の一例)2bが設けられるが、該耐風フック2bは、内外方向に幅広となったガイド溝Xの溝奥側部Xb内においてスラット2aから突出する先端部が屋外側、つまり溝奥側側片部3f側に向けてく字形に折曲されたものとして構成されている。
そしてシャッターカーテン2が閉鎖姿勢において撓みのない通常状態(平面状態)のときには、図9に示すように、シャッターカーテン2の左右端縁部は、中間側延出片部3eよりも溝奥側に位置していて耐風フック2bはガイドレール3には当接しない(干渉しない)遊嵌姿勢となっていて、シャッターカーテン2の昇降移動に影響を与えることがないよう設定されている。
【0030】
この場合に、閉鎖姿勢のシャッターカーテン2が台風等の影響により強風を受けて前後方向(内外方向)に撓んだときには、図10図11に示すように、耐風フック2bが、中間側延出片部3eの開口側側片部3dとの溝内側コーナー部3m側の端部に係止することになって、シャッターカーテン2のガイド溝Xからの抜止めをするように設定されている。
具体的には、シャッターカーテン2が強風を受けて屋内側に撓んだ場合(屋外から屋内側に向けて強風を受けた場合、正圧の場合)、シャッターカーテン2は、屋内側面がレール側第一化粧板8の見込み面部8aと溝内側面部8dとのコーナー部に当接する状態で、係止フック2bがレール側第二化粧板9の溝内側面部9dと折曲面部9eとのコーナー部9fに係止することになってシャッターカーテン2の抜止めがなされることになる。
【0031】
これに対し、逆に強風を受けて屋外側が屋内側に対して負圧になってシャッターカーテン2が屋外側に撓んだ場合(強風で屋外側に引かれた場合、負圧の場合)には、シャッターカーテン2は、屋外側面部が開口側側片部3dと開口側延出片部3gとの溝内側(溝開口側部Xa側)コーナー部3nに当接し、屋内側端縁が第一溝側片部3bの溝内面3tに当接(または近接)する傾斜状態となり、この傾斜状態になることによって係止フック2bが中間側延出片部3eの溝内側コーナー部3m側端部に係止することになってシャッターカーテン2の抜止めがなされることになる。
具体的には、シャッターカーテン2が強風を受けて屋外側に撓んだ場合、シャッターカーテン2は、屋外側面部がレール側第二化粧板9の見込み面部9aと溝内側面部9dとのコーナー部に当接する状態で、シャッターカーテンの屋内側端縁部がレール側第一化粧板8の溝内側面部8dに当接すると共に、係止フック2bがレール側第二化粧板9の溝内側面部9dと折曲面部9eとのコーナー部9fに係止することになってシャッターカーテン2の抜止めがなされることになる。
【0032】
前述した実施の形態のものは、何れもシャッターカーテン2を内部納まりの仕様で巻取りシャフト4に巻き取る仕様の場合であり、そこで次に、前述した外部納まりの仕様について、これを図16、17に示す第六の実施の形態として説明する。尚、この場合において、前記実施の形態と同じものは同じ引出符号を付してあり、以降、前記実施の形態と同一か、近しいものであって、特に説明をする必要がないものについての説明は省略する。
本第六の実施の形態のものは、ガイドレール3が支柱6に対して屋外側に配され、巻取りシャフト4はさらにガイドレール3に対して屋外側に配されるものであり、そこでこのものにおいて、ガイドレール3については、第一溝側片部3bが屋内側、第二溝側片部3cが屋外側に配された状態になっていることは前記実施の形態のものと同じであるが、ガイドレール3が取付け固定される躯体側部材である支柱(H型綱)6については、ガイドレール3に近い側の第一見付け片部6b、遠い側の第二見付け片部6cは、前記実施の形態の支柱6とは内外方向逆のものとなる。
この場合に、ガイドレール3としては、支柱6に対して屋外側に配される状態で該支柱6に取付け固定されることになり、そのため、ガイドレール3を吊り上げるために設けられる連結具15は、第一溝側片部3b側(支柱6側、屋内側)ではなく、第二溝側片部3c側に取付けられたものとなっている。
そしてガイドレール3の溝底片部3aが第一連結金具16を介して第一見付け片部6bのガイドレール3側の面部6dに取付け固定され、第二溝側片部3cが第二連結金具17を介して第二見付け片部6cのガイドレール側面部6eに取付け固定されており、このようにすることで、外部納まり仕様のものとして本発明を実施することができる。
【0033】
叙述の如く構成された本実施の形態において、躯体の出入り口等の開口部Eの開閉をするシャッターカーテン2の昇降案内をするためガイド溝Xが形成されたガイドレール3は、鋼材を押出成形することで一体形成される型材であり、そして該一体成形されたガイドレール3は、ガイド溝Xの溝奥端となる溝底片部3aと、該溝底片部3aからガイド溝Xの開口端にまで至る前後一対の第一、第二溝側片部3b、3cとが形成されたもので構成されている。
このため、ガイドレール3自体は、溶接等による連結部がない状態で肉厚で、強度のあるものとすることが、溶着歪を矯正するような作業を必要とすることなく形成できるだけでなく、ガイドレール3自体を、中間側延出片部3eから溝底片部3aまでの溝奥側部Xbの溝幅が、中間側延出片部3eから溝開口端にまで至る溝開口側部Xaの溝幅よりも前後方向外方に幅広になったレール形状にし、そして前記中間側延出片部3eを、強風を受けてシャッターカーテン2が撓んだときに耐風フック2bが係止してシャッターカーテン2の抜止めをするための強度アップが図られた係止部としてシャッターカーテン2の耐風性能の向上が図れたものにできる。
【0034】
そしてこのように強度的に優れた一体型のガイドレール3を、躯体側部材である支柱6に取付け固定することになるが、この場合にガイドレール3は、溝底片部3aと、内外ある溝側片部3b、3cのうちの一方の溝側片部である第二溝側片部3cとの二つの片部が支柱6に取付け固定されているため、ガイドレール3は、躯体側部材である支柱6に対して従来のように片持ち状の取付け固定ではなく、直角状に隣接する二箇所での取付け固定となって強度的に優れた取付けがなされることになる。
【0035】
しかもこの場合、ガイドレール3は、支柱6に設けられる内外方向一対の見付け片部6b、6cに取付けられることになるが、溝底片部3aが第一連結金具16を介してガイドレール3に近い側の第一見付け片部6bのガイドレール側面部6dを第一の取付け面部として取付け固定され、第二溝側片部3cが第二連結金具17を介してガイドレール3に遠い側の第二見付け片部6cのガイドレール側面部6eを第二の取付け面部として取付け固定されるため、躯体に対して十分に強度が確保された状態での取付け固定が確実にできることになる。
【0036】
尚、本発明は、前記実施の形態にものに限定されないことは勿論であって、第一、第二の取付け面部がガイドレールに対して遠近状態で配されたものであれば実施することができ、躯体側部材としてH形鋼を採用している場合には、例えば図12に示す第二の実施の形態のように、第二連結金具18を、他半部18bが前記第一の実施の形態のものより短いものとして、一半部18aを、第一見付け片部6bの第一連結金具16が取付けられる面部6dとは反対側の面部6hとすることができ、このようにすることで、同じ第一見付け片部6bのうち、ガイドレール側の面部6dを第一の取付け面部とし、反対側の面部6hを第二の取付け面部とした取付けができることになって、ガイドレール3に近い第一の見付け片部6bがガイドレール3を取付け固定するための共通の部材となって構造の簡略化が図れることになる。
さらに図13に示す第三の実施の形態のように、第二連結金具18の一半部18aを、第二見付け片部6cのガイドレール3とは反対側の面部6fに取付け固定したものとすることもできる。
さらにまた、支柱6とガイドレール3との配置が、前記第一の実施の形態のものに比して左右方向に離間したものである場合、図14に示す第四の実施の形態のように、第一、第二の連結金具16c、18cを左右方向に長いものとして本発明を実施することができる。
【0037】
そして第一~第四の実施の形態の取付け構成にする場合に、躯体側部材となる支柱6はH形鋼ではなく、例えばコ型綱の場合であっても実施することができ、また第三の実施の形態のように取付け材7を内外方向外側の取付け面部に取付ける構成にしたものでは、例えば図15に示す第五の実施の形態のように、躯体側部材である支柱6としてはロ型をした鋼材であっても実施することができる。
また第二連結金具17、18を、第一、第三、第四の実施の形態のように、第二見付け片部6cに取付けた構成とするものでは、第一連結金具16の支柱6側への取付け面部を、第一見付け片部6bのガイドレールが取付けられる面部6dとは反対側の面部6hとすることもでき、さらにまた第一、第二連結金具16、18の両者を、第二の実施の形態のように、第一見付け片部6bに取付けた構成とするものでは、躯体側部材として、L字型鋼、さらには平板鋼のようなものであっても実施することができる。
【0038】
またさらに本発明は、ガイドレールとしては、前記構造のものに限定されないことは勿論であって、鋼材を押出し成形することで一体形成されたものであればよく、例えば図18に示す第七の実施の形態のガイドレール30のようにしても実施することができる。このガイドレール30は、ガイド溝Xを形成するため、溝底片部30aと、内外方向一対の第一、第二の溝側片部30b、30cとを備えて構成されるものであり、この場合に、溝底片部30a、第一溝側片部30bについては、前記第一の実施の形態のものと同様の形状になっているのに対し、第二溝側片部30cの形状が異なったものになっている。
【0039】
具体的にみると、第二の溝側片部30cは、左右方向に平板状となってはいるが、左右方向の長さが第一溝側片部30bの先端縁部にまでは至らない短いものに設定されると共に、第一の実施の形態のガイドレール3の中間側延出片部3eに相当する第二溝側片部30cの位置からは、第一溝側片部30b側に向けて突出した突出片部30dが設けられた構成になっており、そしてこの突出片部30dが、強風を受けてシャッターカーテン2が撓んだ場合に、耐風フック2bが係止してシャッターカーテン2の抜止めをする構成になっている。
さらにこの場合に、第二溝側片部30cの先端部には、第一溝側片部30bの先端部と同一状態となるよう補助金具31が設けられ、該補助金具31のガイド溝X側面に、ゴム質弾性を有したシール材32が設けられている。そしてこのものでは、シャッターカーテンを防煙機能を有したもの(スラット同士のインターロック結合部を通して煙が内外に出入りしないよう配慮されたもの)とした場合に、該シール材32がシャッターカーテン2の平面状になった表面に当接することになって、ガイドレール3のガイド溝Xを通して煙が内外に出入りしないように配慮したものであり、このようにしたものでも本発明を実施することができる。
【産業上の利用可能性】
【0040】
本発明は、ビル等の建造物の出入り口等の開口部に建付けられる建築用シャッター装置として利用することができる。
【符号の説明】
【0041】
1 建築用シャッター装置
2 シャッターカーテン
2b 耐風フック
3 ガイドレール
3a 溝底片部
3b 第一溝側片部
3c 第二溝側片部
3m 溝内側コーナー部
6 支柱
6b 第一見付け片部
6c 第二見付け片部
8 レール側第一化粧板
9 レール側第二化粧板
10 第一補強金具
11 第二補強金具
15 連結具
16 第一連結金具
17 第二連結金具
19 躯体側第一化粧板
20 躯体側第二化粧板
21 第一支持金具
22 第二支持金具
E 開口部
F 吊り上げ手段の係止具
H 天井面
X ガイド溝
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
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図18