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特許7323414階段ユニット裏側への覆材の取付方法及び取付構造
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  • 特許-階段ユニット裏側への覆材の取付方法及び取付構造 図1
  • 特許-階段ユニット裏側への覆材の取付方法及び取付構造 図2
  • 特許-階段ユニット裏側への覆材の取付方法及び取付構造 図3
  • 特許-階段ユニット裏側への覆材の取付方法及び取付構造 図4
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-31
(45)【発行日】2023-08-08
(54)【発明の名称】階段ユニット裏側への覆材の取付方法及び取付構造
(51)【国際特許分類】
   E04F 11/17 20060101AFI20230801BHJP
【FI】
E04F11/17 100Z
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2019188872
(22)【出願日】2019-10-15
(65)【公開番号】P2021063383
(43)【公開日】2021-04-22
【審査請求日】2022-08-04
(73)【特許権者】
【識別番号】000239714
【氏名又は名称】文化シヤッター株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100141243
【弁理士】
【氏名又は名称】宮園 靖夫
(72)【発明者】
【氏名】飯塚 智史
【審査官】吉村 庄太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-177762(JP,A)
【文献】特開2000-064636(JP,A)
【文献】特開2004-076281(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04F 11/17
E04F 11/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
階段ユニットの桁に階段ユニットの裏側を覆う覆材を取付けるための階段ユニット裏側への覆材の取付方法であって、
階段ユニットの互いに対向する各側部に設けられた各桁の各下端部には、互いに近づく方向に延長する下板を設けるとともに、覆材における両方の側部には、各桁の下板にそれぞれ取付けられる取付部を設け、
覆材の一方の側部に設けられた一方の取付部を一方の桁の下板の上面に載せるととともに、覆材の他方の側部に設けられた他方の取付部を他方の桁の下板の下面に接触させて、当該他方の取付部を他方の桁の下板に連結した後に、一方の取付部を一方の桁の下板に連結したことを特徴とする階段ユニット裏側への覆材の取付方法。
【請求項2】
一方の取付部は、一方の桁の下板の上面と接触する板面を有した平板により構成され、
他方の取付部は、他方の桁の下板の下面と接触する板面を有した平板により構成され、
一方の桁の下板と一方の取付部とにボルトを通すためのボルト通し孔が形成されるとともに、ブラインドナットのねじ孔がボルト通し孔と連通するように当該ブラインドナットが一方の取付部の平板の上面に設けられ、
他方の取付部と他方の桁の下板とにボルトを通すためのボルト通し孔が形成されるとともに、ブラインドナットのねじ孔がボルト通し孔と連通するように当該ブラインドナットが他方の桁の下板の上面に設けられ、
第1のボルトを他方の取付部と他方の桁の下板とに形成されたボルト通し孔に通して他方の桁の下板の上面に設けられたブラインドナットに締結することにより、他方の取付部と他方の桁の下板とを連結した後に、
第2のボルトを一方の桁の下板と一方の取付部とに形成されたボルト通し孔に通して一方の取付部の平板の上面に設けられたブラインドナットに締結することにより、一方の取付部と一方の桁の下板とを連結したことを特徴とする請求項1に記載の階段ユニット裏側への覆材の取付方法。
【請求項3】
階段ユニットの桁に階段ユニットの裏側を覆うように取付けられる覆材の取付構造であって、
階段ユニットの互いに対向する各側部に設けられた各桁の各下端部に互いに近づく方向に延長するように設けられた各下板と、
覆材における両方の側部にそれぞれ設けられた各取付部とを備え、
覆材の一方の側部に設けられた一方の取付部が一方の桁の下板の上面に載せられた状態で一方の取付部と一方の桁の下板とが連結されたとともに、覆材の他方の側部に設けられた他方の取付部が他方の桁の下板の下面に接触した状態で他方の取付部と他方の桁の下板とが連結されたことを特徴とする階段ユニット裏側への覆材の取付構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、階段ユニットの桁に階段ユニットの裏側を覆うように取付けられる覆材の取付方法及び取付構造に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば戸建住宅や集合住宅等の建物の外面に付設された屋外鉄骨階段ユニットが知られている(特許文献1参照)。
当該屋外鉄骨階段ユニットにおいては、例えば廊下部の裏側を覆う覆材としての天井張り材を設けており、当該天井張り材を根太材の下面側に取付けるようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2013-199811号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えば、上述した屋外鉄骨階段ユニットの廊下部の裏側に覆材を取付ける際においては、廊下部の左右両側に設けられた桁(特許文献1に開示された打付材11及び桁材12)の下端側に覆材を取付けるようにする場合がある。
この場合、例えば、覆材の左右の側部側に別途取付手段としての取付板等を設けて、廊下部の左右両側に設けられた桁の下端側の下面に、当該取付板の面(上面)を押し付けた状態で、ボルト等の連結手段を用いて、覆材の左右の取付手段を廊下部の左右両側に設けられた桁に連結したり、あるいは、廊下部の左右両側に設けられた桁の下端側の下面に、覆材の左右の側部側の面(上面)を押し付けた状態で、ボルト等の連結手段を用いて、覆材の左右の側部側を廊下部の左右両側に設けられた桁に連結するようにしている。
しかしながら、この場合、覆材の左右の側部のうちの一方側を支えるとともに、覆材の左右の側部のうちの他方側を連結手段を用いて桁に連結しなければならない。
このため、一人で作業を行うことが困難となり、例えば、覆材の左右の側部のうちの一方側を支える作業者と、覆材の左右の側部のうちの他方側を連結手段を用いて桁に連結する作業者とが必要となる等の課題があった。
即ち、一人での作業が困難であったり、複数の作業者を必要となる等、階段ユニット裏側への覆材の取付作業を容易かつ効率的に行えないといった課題があった。
【0005】
本発明は、上記課題を解消すべく、階段ユニット裏側への覆材の取付作業を容易かつ効率的に行えるようにした階段ユニット裏側への覆材の取付方法及び取付構造を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る覆材の取付方法は、階段ユニットの桁に階段ユニットの裏側を覆う覆材を取付けるための階段ユニット裏側への覆材の取付方法であって、階段ユニットの互いに対向する各側部に設けられた各桁の各下端部には、互いに近づく方向に延長する下板を設けるとともに、覆材における両方の側部には、各桁の下板にそれぞれ取付けられる取付部を設け、覆材の一方の側部に設けられた一方の取付部を一方の桁の下板の上面に載せるととともに、覆材の他方の側部に設けられた他方の取付部を他方の桁の下板の下面に接触させて、当該他方の取付部を他方の桁の下板に連結した後に、一方の取付部を一方の桁の下板に連結したことを特徴とする。
また、一方の取付部は、一方の桁の下板の上面と接触する板面を有した平板により構成され、他方の取付部は、他方の桁の下板の下面と接触する板面を有した平板により構成され、一方の桁の下板と一方の取付部とにボルトを通すためのボルト通し孔が形成されるとともに、ブラインドナットのねじ孔がボルト通し孔と連通するように当該ブラインドナットが一方の取付部の平板の上面に設けられ、他方の取付部と他方の桁の下板とにボルトを通すためのボルト通し孔が形成されるとともに、ブラインドナットのねじ孔がボルト通し孔と連通するように当該ブラインドナットが他方の桁の下板の上面に設けられ、第1のボルトを他方の取付部と他方の桁の下板とに形成されたボルト通し孔に通して他方の桁の下板の上面に設けられたブラインドナットに締結することにより、他方の取付部と他方の桁の下板とを連結した後に、第2のボルトを一方の桁の下板と一方の取付部とに形成されたボルト通し孔に通して一方の取付部の平板の上面に設けられたブラインドナットに締結することにより、一方の取付部と一方の桁の下板とを連結したことを特徴とする。
また、本発明に係る覆材の取付構造は、階段ユニットの桁に階段ユニットの裏側を覆うように取付けられる覆材の取付構造であって、階段ユニットの互いに対向する各側部に設けられた各桁の各下端部に互いに近づく方向に延長するように設けられた各下板と、覆材における両方の側部にそれぞれ設けられた各取付部とを備え、覆材の一方の側部に設けられた一方の取付部が一方の桁の下板の上面に載せられた状態で一方の取付部と一方の桁の下板とが連結されたとともに、覆材の他方の側部に設けられた他方の取付部が他方の桁の下板の下面に接触した状態で他方の取付部と他方の桁の下板とが連結されたことを特徴とする。
本発明に係る階段ユニット裏側への覆材の取付方法及び取付構造によれば、階段ユニット裏側への覆材の取付作業を容易かつ効率的に行える。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】階段部裏側への覆材の取付構造を示す拡大断面図(実施形態1)。
図2】階段部裏側への覆材の取付方法の手順を示す工程図(実施形態1)。
図3】階段部裏側への覆材取付構造における取付手段の分解図(実施形態1)。
図4】階段部裏側への覆材の取付方法の手順を示す工程図(実施形態4)。
【発明を実施するための形態】
【0008】
実施形態1
図1に示すように、実施形態1に係る階段ユニットの裏側への覆材の取付方法は、階段ユニット1の互いに対向する左右の各側部に設けられた各桁2,2の各下端部には、互いに近づく方向に延長する下板22,22を設けるとともに、階段ユニット1の裏側3を覆う覆材4における両方の側部4c,4cには、各桁2,2の下板22,22にそれぞれ取付けられる取付部5A,5Bを設ける。即ち、覆材4の両方の側部4c,4cには、それぞれ取付部5A,5Bを有した取付手段6,6が設けられ、覆材4は、取付部5A,5Bを介して各桁2,2の下板22,22に取付けられる。
そして、覆材4の一方の側部4cに設けられた一方の取付部5A(後述する一方の桁側連結部材40の上部連結部41)を一方の桁2の下板22の上面22aに載せるととともに、覆材4の他方の側部4cに設けられた他方の取付部5B(後述する他方の桁側連結部材40の上部連結部41)を他方の桁2の下板22の下面22bに接触させて、当該他方の取付部5Bを他方の桁2の下板22に連結した後に、一方の取付部5Aを一方の桁2の下板22に連結するようにした方法である。
尚、本明細書においては、上、下、左、右は、図1に示した方向と定義して説明する。
【0009】
階段ユニット1は、例えば特許文献1に開示されたような屋外鉄骨階段ユニットであって、階段部単体で構成された階段ユニット、あるいは、階段部と廊下部とを備えて構成された階段ユニット、あるいは、階段部と踊り場と廊下部とを備えて構成された階段ユニット等がある。
【0010】
図1に示すように、廊下部10は、例えば、廊下部10の延長方向(図1の紙面と直交する方向)に沿って左右の側部にそれぞれ桁2,2が設置され、左右の桁2,2間には、廊下部10の延長方向に沿った方向に所定の間隔を隔てて複数の根太11,11…が配置されて当該各根太11,11…の左右の端部と左右の桁2,2とがガセットプレート等の連結板12を介して連結され、これら複数の根太11,11…の上に床材13,13…が敷設されて廊下部10の床面13fが構成される。当該廊下部10は、左右の桁2,2のうち、例えば、一方の桁2は図外の建物の外壁14に連結され、かつ、他方の桁2が地面に固定された支柱15により支持されるとともに、当該他方の桁2には、図外の手摺の支持ベース16が設けられ、当該支持ベース16に手摺が設けられる(特許文献1参照)。
【0011】
また、図示しないが、階段部は、例えば、複数の踏み板と複数の蹴上げ板と左右のササラ桁あるいは側桁と呼ばれる桁とを備えて構成される。
即ち、複数の踏み板は、各踏み板の各上板面が水平面となって、且つ、各上板面の後端を結ぶ直線が地上面に対して所定の傾斜角をなす傾斜線となるように設置される。
また、各蹴上げ板は、板面が上下左右方向に延長するように設けられて、下端と下の踏み板の前端側とが接続されるとともに、上端と上の踏み板の後端側とが接続される。
そして、階段部は、上下斜め方向に連続するように設けられた複数の踏み板及び複数の蹴上げ板により段部が構成され、当該段部の右端が右側の桁に連結されるとともに、当該段部の左端が左側の桁に連結されたことによって、当該段部が左右の桁で支持された構成となっている。
また、左右の桁のうち、例えば、一方の桁は建物の外壁に連結され、他方の桁には、手摺の支持ベースが設けられ、当該支持ベースに手摺が設けられる。
また、例えば、当該他方の桁における階段部の上下傾斜延長方向上端側が地面に固定された支柱により支持されている。
【0012】
また、図示しないが、踊り場は、例えば、踊り場の延長方向の左右の側部にそれぞれ桁が設置され、左右の桁間には、踊り場の延長方向に沿った方向に所定の間隔を隔てて複数の根太が配置されて各根太の左右の端部と左右の桁とが連結され、この左右の桁と複数の根太とで構成された床下地構造の上に床材が設置されて構成される。当該踊り場の桁は、例えば図外の支柱等に連結される。
【0013】
以下、実施形態1に係る階段ユニット裏側への覆材の取付方法の一例として、例えば廊下部10の裏側3への覆材4の取付方法を、図1乃至図3に基づいて説明する。
【0014】
図1に示すように、桁2は、廊下部10の延長方向に沿って延長する基板21と基板21の下端より延長するように設けられた下板22と基板21の上端より延長するように設けられた上板23とを有し、廊下部10の延長方向の長さとほぼ同じ長さの長尺な例えば断面コ字状の鋼材により形成される。
即ち、桁2が、建物の外壁14、又は、地面に固定された支柱15に連結された状態において、基板21は、垂直方向及び廊下部10の延長方向に延長する垂直な平板面を有した平板により構成されるとともに、下板22及び上板23は、水平な平板面を有した平板により構成される。
即ち、上板23は、基板21の平板面に対して垂直でかつ廊下部10の延長方向に沿って延長する平板面である上面及び下面を有し、下板22は、基板21の平板面に対して垂直でかつ廊下部10の延長方向に沿って延長する平板面である上面22a及び下面22bを有した構成である。
【0015】
覆材4は、取付手段6を介して、左右の桁2,2の下板22,22に取付けられる。
当該覆材4は、例えばアルミシートと発泡ポリエチレンとが積層されて形成されたアルミ樹脂積層板等の平板により構成される。
【0016】
取付手段6は、桁側連結部材40と覆材側連結部材50と見切部材60とを備えて構成される。
桁側連結部材40、覆材側連結部材50、見切部材60は、例えば金属により形成され、それぞれ、廊下部10の延長方向に沿って延長する部材であり、覆材4の側部4cの延長長さとぼぼ同じ長さの長尺部材により構成される。
【0017】
桁側連結部材40は、断面L字状に形成され、ボルト36及びブラインドナット37等の連結手段により桁2の下板22と連結される平板部により形成された取付部5A,5Bとして機能する上部連結部41と、上部連結部41の側縁より下方に延長する平板部により形成された縦板部42とを備えた構成である。
【0018】
覆材側連結部材50は、断面コ字状に形成され、スクリューねじ46等の連結手段により桁側連結部材40の縦板部42に連結される平板部により形成された縦板部51と、縦板部51の上端縁より階段部幅方向中心位置10C側に向けて延長する上板部52と、縦板部51の下端縁より階段部幅方向中心位置10C側に向けて延長する下板部53とを備えた構成である。
尚、下板部53は、縦板部51の下端縁より階段部幅方向中心位置10C側に向けて延長する細幅部53aと、細幅部53aの延長端より上方に立ち上がる側壁部53bと、側壁部53bの上端より階段部幅方向中心位置10C側に向けて延長する覆材取付板部53cとを備える。
桁側連結部材40の縦板部42における階段部幅方向中心位置10C側の平板面42aと覆材側連結部材50の縦板部51の平板面51aとを面接触させた状態で、縦板部42と縦板部51とにスクリューねじ46を貫通させることにより、桁側連結部材40の縦板部42と覆材側連結部材50の縦板部51とが連結される。
【0019】
見切部材60は、覆材4の側部4cを覆材側連結部材50の覆材取付板部53cに連結するためのスクリューねじ66等の連結手段のねじ頭66aを収容する断面凹状に形成された溝部61と、下板部62とを備える。
溝部61は、覆材4の側部4cの下面4bと接触する上面(平板面)61tを有した底板61aと底板61aの左右両側の側縁から下方に延長する縦板部61b,61cとで構成される。
下板部62は、階段部幅方向中心位置10C側の縦板部61cの下端から階段部幅方向中心位置10Cに近づく方向に延長して覆材4の側部4cの下面4bと間隔を隔てて平行に対向する平板面を有した板部により構成される。
【0020】
即ち、覆材4の側部4cの上面4aと覆材側連結部材50の覆材取付板部53cの下面54とを接触させ、かつ、見切部材60の溝部61の底板61aの上面(平板面)61tと覆材4の側部4cの下面4bとを接触させた状態で、見切部材60の底板61aと覆材4と覆材側連結部材50の覆材取付板部53cとにスクリューねじ66を貫通させることにより、覆材4の側部4cが覆材側連結部材50の覆材取付板部53cと見切部材60の溝部61の底板61aとに挟み込まれた状態で、覆材4の側部4cに覆材側連結部材50と見切部材60とが連結される。
尚、覆材4の側部4cの側端面4dと覆材側連結部材50の下板部53の側壁部53bとが若干の間隔を隔てて対向するように、覆材4の側部4cと覆材側連結部材50の覆材取付板部53cとが連結される。
【0021】
即ち、図1図3に示すように、覆材4の側部4cに、見切部材60と覆材側連結部材50とがスクリューねじ66により連結され、覆材側連結部材50と桁側連結部材40とがスクリューねじ46により連結され、桁側連結部材40と桁2の下板22とがボルト36及びブラインドナット37により連結されることにより、覆材4が桁2に連結される。
【0022】
次に、廊下部10の裏側3への覆材4の取付方法について説明する。
覆材4の側部4cを、覆材側連結部材50の覆材取付板部53cと見切部材60の溝部61の底板61aとの間に挟み込んで、かつ、覆材4の側部4cの側端面4dと覆材側連結部材50の下板部53の側壁部53bとを若干の間隔を隔てて対向させた状態に設定する。そして、スクリューねじ66を、見切部材60の底板61aと覆材4の側部4cと覆材側連結部材50の覆材取付板部53cとに貫通させて締結することにより、覆材4の側部4cに覆材側連結部材50と見切部材60とが取付けられる。
さらに、覆材側連結部材50の縦板部51の平板面51aと桁側連結部材40の縦板部42の平板面42aとを接触させた状態に設定する。そして、スクリューねじ46等の連結手段を覆材側連結部材50の縦板部51と桁側連結部材40の縦板部42とに貫通させて締結することにより、覆材側連結部材50の縦板部51と桁側連結部材40の縦板部42とを連結する。
以上により、覆材4の側部4cに取付手段6が取付けられた取付手段6付き覆材4が製作される。
【0023】
次に、左右の桁2,2の下板22,22に、取付手段6付き覆材4の桁側連結部材40,40の上部連結部41,41(取付部5A,5B)を連結する方法を、図2に基づいて説明する。
まず、図2(a)に示すように、取付手段6付き覆材4の左右いずれか一方の桁側連結部材40の上部連結部41(一方の取付部5A)の上面41aにおけるボルト36の締結位置に予めブラインドナット37を取付けておくとともに、取付手段6付き覆材4の他方の桁側連結部材40の上部連結部41(他方の取付部5B)が連結される他方の桁2の下板22の上面22aにおけるボルト36の締結位置にも予めブラインドナット37を取付けておく。
そして、図2(b)に示すように、取付手段6付き覆材4の一方の桁側連結部材40の上部連結部41(一方の取付部5A)の下面41bと一方の桁2の下板22の上面22aとが面接触するように、一方の桁側連結部材40の上部連結部41を一方の桁2の下板22の上面22aに載置した状態とする。
次に、図2(c)に示すように、取付手段6付き覆材4の他方の桁側連結部材40の上部連結部41(他方の取付部5B)の上面41aと他方の桁2の下板22の下面22bとを面接触させた状態とする。この状態で、ボルト36を、他方の桁側連結部材40の上部連結部41(他方の取付部5B)と他方の桁2の下板22とに形成された図外のボルト通し孔に貫通させるとともに、他方の桁2の下板22の上面22aに取付けられたブラインドナット37に締結することにより、他方の桁側連結部材40の上部連結部41(他方の取付部5B)と他方の桁2の下板22とを連結する。
その後、図2(d)に示すように、ボルト36を、一方の桁2の下板22と一方の桁側連結部材40の上部連結部41(一方の取付部5A)とに形成された図外のボルト通し孔に貫通させるとともに、一方の桁側連結部材40の上部連結部41(一方の取付部5A)の上面41aに取付けられたブラインドナット37に締結することにより、一方の桁側連結部材40の上部連結部41(一方の取付部5A)と一方の桁2の下板22とを連結する。
以上により、覆材4が、左右の側部4c,4cに設けられた左右の取付手段6,6の取付部5A,5Bを介して左右の桁2,2の下板22,22に連結される。
【0024】
即ち、一方の取付部5Aは、一方の桁2の下板22の上面22aと接触する板面である下面41bを有した平板である一方の桁側連結部材40の上部連結部41により構成される。また、他方の取付部5Bは、他方の桁2の下板22の下面22bと接触する板面であるを有した平板である上面41aを有した平板である一方の桁側連結部材40の上部連結部41により構成される。
また、一方の桁2の下板22と一方の取付部5Aとにボルトを通すための図外のボルト通し孔が形成されるとともに、ブラインドナット37のねじ孔がボルト通し孔と連通するように当該ブラインドナット37が一方の取付部5Aの上面41aに設けられる。また、他方の取付部5Bと他方の桁2の下板22とにボルトを通すための図外のボルト通し孔が形成されるとともに、ブラインドナット37のねじ孔がボルト通し孔と連通するように当該ブラインドナット37が他方の桁2の下板22の上面22aに設けられる。
そして、ボルト36を他方の取付部5Bと他方の桁2の下板22とに形成されたボルト通し孔に通して他方の桁2の下板22の上面22aに設けられたブラインドナット37に締結することにより、他方の取付部5Bと他方の桁2の下板22とを連結した後に、ボルト36を一方の桁2の下板22と一方の取付部5Aとに形成されたボルト通し孔に通して一方の取付部5Aの上面41aに設けられたブラインドナット37に締結することにより、一方の取付部5Aと一方の桁2の下板22とを連結した。
【0025】
従って、廊下部10の裏側3への覆材4の取付方法により形成された覆材4の取付構造は、階段ユニット1の廊下部10の互いに対向する各側部に設けられた各桁2,2の各下端部に互いに近づく方向に延長するように設けられた各下板22,22と、覆材4における両方の側部4c,4cにそれぞれ設けられた各取付部5A,5Bとを備え、覆材4の一方の側部4cに設けられた一方の取付部5Aが一方の桁2の下板22の上面22aに載せられた状態で一方の取付部5Aと一方の桁2の下板22とが連結されたとともに、覆材4の他方の側部4cに設けられた他方の取付部5Bが他方の桁2の下板22の下面22bに接触した状態で他方の取付部5Bと他方の桁2の下板22とが連結された構造となる。
【0026】
尚、廊下部10の裏側3は、複数の取付手段6付き覆材4,4…により覆われる。
即ち、廊下部10の裏側3に廊下部10の延長方向に沿って順番に取付手段6付き覆材4,4…を取付けていく。この場合、廊下部10の延長方向に沿って隣接する取付手段6付き覆材4の端面と取付手段6付き覆材4の端面とを突き合せるようにして取付けたり、あるいは、上下に隣接する取付手段6付き覆材4の端面と取付手段6付き覆材4の端面との間に図外の見切材を設けるようにしてもよい。
【0027】
実施形態1の廊下部10の裏側3への覆材4の取付方法によれば、覆材4の一方の側部4cに設けられた一方の取付部5A(桁側連結部材40の上部連結部41)を一方の桁2の下板22の上面22aに載せるととともに、覆材4の他方の側部4cに設けられた他方の取付部5B(桁側連結部材40の上部連結部41)の上面41aを他方の桁2の下板22の下面22bに接触させて、当該他方の取付部5B(桁側連結部材40の上部連結部41)を他方の桁2の下板22に連結した後に、一方の取付5部A(桁側連結部材40の上部連結部41)を一方の桁2の下板22に連結する。
即ち、覆材4の一方の側部4cに設けられた一方の取付部5Aを一方の桁2の下板22の上面22aに載せた状態で取付作業を行うので、作業者が当該覆材4の一方の側部4cを支える必要が無くなり、一人の作業者が、階段ユニットの廊下部10の裏側への覆材4の取付作業を、容易かつ効率的に行えるようになる。
【0028】
実施形態2
実施形態1では、桁側連結部材40と覆材側連結部材50と見切部材60とで構成された取付手段6を介して、覆材4を、左右の桁2,2の下板22,22に取付けるようにした覆材4の取付方法を例示したが、見切部材60を用いないようにしてもよい。
即ち、覆材4の左右の側部4c,4cに、それぞれ、桁側連結部材40と覆材側連結部材50とで構成された取付手段を設け、覆材4の左右の側部4c,4cに設けられた当該取付手段の桁側連結部材40の上部連結部41(取付5部A,5B)を左右の桁2,2の下板22,22に連結するようにしてもよい。
【0029】
実施形態3
実施形態1及び実施形態2では、桁側連結部材40と覆材側連結部材50とを組み合わせた構成の部材を用いたが、当該構成の部材の代わりに、例えば、桁側連結部材40と覆材側連結部材50の覆材取付板部53cとを一体化成形した断面Z字状の長尺部材を用いるようにしてもよい。
【0030】
実施形態4
覆材4の左右の側部4c,4cを、左右の桁2,2の下板22,22に直接にねじ等の連結手段、例えば、上述したボルト36及びブラインドナット37で取付けるようにしてもよい。
即ち、左右の側部4c,4c自体を取付手段として機能させる構成の覆材4を用い、当該覆材4の左右の側部4c,4cを、左右の桁2,2の下板22,22に直接にねじ等の連結手段で取付ける。
【0031】
尚、この場合、例えば、図4に示すように、一方の側部4cの下面側を削って、側部4cの板厚を薄くした平板状の取付部5Xに加工するとともに、他方の側部4cの上面側を削って、側部4cの板厚を薄くした平板状の取付部5Yに加工すれば、取付部5X,5Yの面と左右の桁2,2の下板22,22の面との面接触性が向上し、かつ、覆材4の板面が水平面上に位置されるように、覆材4を左右の桁2,2の下板22,22に取付けることができるようになるので、好ましい。
【0032】
また、上記では、階段ユニット1の廊下部10の裏側を覆材4で覆うための覆材取付構造を例にして説明したが、本発明の覆材取付構造は、階段ユニットの階段部の裏側を覆う場合、あるいは、階段ユニットの踊り場の裏側を覆う場合にも、同様に適用可能である。
【符号の説明】
【0033】
1 階段ユニット、2 桁、3 階段ユニットの裏側、4 覆材、
4c 覆材の側部(一方の取付部5X,他方の取付部5Y)、
5A,5X 一方の取付部、5B,5Y 他方の取付部、
22 桁の下板、22a 桁の下板の上面、22b 桁の下板の下面、
36 ボルト、37 ブラインドナット、
41 桁側連結部材の上部連結部(一方の取付部5A,他方の取付部5B)。
図1
図2
図3
図4